JP2022092660A - 延伸装置および樹脂シートの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】樹脂フィルムの延伸装置の寿命低下を抑制する。【解決手段】延伸装置は、樹脂フィルムFの側辺部を把持するクリップ14が設けられた複数の走行台15と、連結ピン35により接続される一対のチェインリンク38を備え隣り合う2つの走行台15を連結する複数のリンク機構16とを有し、連結ピン35にはレバー61が接続されている。樹脂フィルムFが延伸領域において延伸処理される際に、レバー61は弛緩レール12によりリンクピン41を中心に回転駆動される。これにより、チェインリンク38は一直線となった状態から屈曲した状態になり、クリップピッチは第1の距離から第1の距離よりも小さい距離になり、樹脂フィルムFは弛緩される。【選択図】図6

Description

本発明は樹脂フィルムを延伸処理する延伸装置および樹脂フィルムの製造方法に関する。
熱可塑性の樹脂フィルムは、押出機に設けられた金型であるTダイから溶融状態の樹脂材料が連続的に帯状に押し出され、押し出された帯状の樹脂フィルムを縦方向や横方向に延伸処理することにより製造される。樹脂フィルムを延伸処理するための延伸機が、特許文献1に記載されている。
特開2004-155138号公報
フィルム状の部材を引き延ばすと、引張方向とは直角方向に収縮するという性質がある。この性質によって、樹脂フィルムを搬送方向に対して横方向に延伸させると、樹脂フィルムに弓なりの歪みが発生することがある。この現象をボーイング現象と言う。
延伸装置においては、樹脂フィルムをクリップアームにより把持し、樹脂フィルムを横方向に延伸処理すると、ボーイング現象によって樹脂フィルムに弓なりの歪みが発生する。このような現象が発生すると、樹脂フィルムの横方向において物性が異なることになり、樹脂フィルムの用途によっては、影響が発生することが避けられない。このため、一定品質の樹脂フィルムを得るには、樹脂フィルム製品の製造歩留まりが低下することになる。
樹脂フィルムの延伸装置においては、クリップピッチを調整することにより、ボーイング現象の発生を抑制できることが知られている。クリップピッチの調整に伴い、装置内部に問題が生じ、延伸装置の寿命低下につながる可能性がある。
一実施の形態による延伸装置は、リンク機構を構成する連結ピンにより接続される一対のチェインリンクとレバーとを備えた複数リンク機構と樹脂フィルムFを把持する複数のクリップとを有し、延伸領域において樹脂フィルムを延伸する際に、隣り合う2つのクリップのクリップピッチは、第1の距離から第1の距離よりも小さい第2の距離に調整される。
一実施の形態の樹脂シートの製造方法は弛緩工程を有し、弛緩工程においては、クリップが前記延伸領域を移動するときに、入口領域に近い側においてはチェインリンクを一直線としてクリップピッチを第1の距離に設定し、延伸領域のうち出口領域に向けてレバーによりチェインリンクを屈曲させてクリップピッチを第1の距離よりも小さい第2の距離に設定する。
本願の一実施例によれば、樹脂フィルムの延伸装置の寿命低下を抑制することができる。
延伸装置を備えた一般的な樹脂シートの製造システムの一例を示す概略斜視図である。 クリップピッチを変化させることなく延伸加工することによりボーイング現象が発生した状態の樹脂シートを比較例として示す平面図である。 クリップピッチを変化させて延伸加工することによりボーイング現象の発生を抑制した状態の樹脂シートを示す平面図である。 一実施の形態である延伸装置を示す概略平面図である。 図4に符号Aで示された部分の拡大平面図である。 図5において省略されているリンク機構とリンク機構により連結された3つの走行台とを示す平面図である。 図6におけるB-B線断面図である。 図6におけるC-C線断面図である。 一組のリンク機構を示す斜視図である。 一組のリンク機構とこれにより連結される2つの走行台とを示す分解斜視図である。 図7における矢印D方向から見たリンク機構と走行台の正面図である。 図7における矢印E方向から見たリンク機構と走行台の背面図である。 弛緩レールを走行レールに向けて水平方向に最接近させて屈曲した状態のチェインリンクを示す平面図である。 弛緩レールをローラにほぼ接触しない位置まで走行レールから離して一直線となった状態のチェインリンクを示す平面図である。 弛緩レールを走行レールに向けて水平方向に最接近させて屈曲状態となったチェインリンクを示す平面図である。 比較例としてのチェインリンクが一直線となった状態を示す平面図である。 比較例としてのチェインリンクが屈曲した状態を示す平面図である。
<樹脂フィルムの製造システム>
図1は樹脂フィルムの延伸装置を備えた一般的な樹脂フィルムの製造システムの一例を示す。図1に示されるように、樹脂フィルムの製造システム1は、金型であるTダイ2を備えた混練押出機3を有し、熱可塑性樹脂材料のペレットおよび添加剤などからなる樹脂フィルムの原料は、原料供給部3aから混練押出機3に投入される。樹脂原料は、混練押出機3において図示しないスクリューの回転により前方に送られながら溶融されて混練される。混練された溶融樹脂は、Tダイ2のスリットから原反冷却機4に向かって帯状の樹脂フィルムFとなって押し出され、冷却ローラを有する原反冷却機4により冷却されて固化状態の樹脂フィルムFに成形される。
樹脂フィルムFは、帯状となって延伸装置5に連続的に供給搬送され、延伸装置5によって延伸処理される。延伸装置5は、樹脂フィルムの入口領域6と、出口領域7と、入口領域6と出口領域7との間に位置する延伸領域8とを有している。延伸処理された樹脂フィルムFは引取り機9aにより引き取られ、巻取り機9にロール状に巻き取られる。成形品である樹脂フィルムFが巻取り機9に所定量巻き取られたら、図示しない切断機により樹脂フィルムFは切断される。
延伸装置5としては、樹脂フィルムFを縦方向つまり搬送方向と、縦方向に交差する横方向との二方向に同時に延伸するようにした同時二軸延伸装置と、順次二方向に延伸する逐次延伸装置とがある。逐次延伸装置においては、縦方向に延伸する縦延伸装置と横方向に延伸する横延伸装置とを備えており、時間差をもって二軸方向に延伸処理が行われる。縦方向はMD(Machine Direction)方向とも言われ、横方向はTD(Transverse Direction)方向とも言われる。
<ガイドレール>
図1に示されるように、延伸装置5は樹脂フィルムFの搬送方向に沿って延びる無端のガイドレール10を備えており、ガイドレール10は樹脂フィルムFの両側に対となって配置されている。後述のように、樹脂フィルムFの側辺部を把持するための図示しない複数のクリップとリンク機構とが一対のガイドレール10に沿って移動可能に配置されている。リンク機構は、搬送方向に隣り合う2つのクリップの間に配置されており、リンク機構によりクリップとクリップとの間の間隔つまりクリップピッチが設定される。
<ボーイング現象>
図2はクリップピッチを変化させることなく延伸加工することによりボーイング現象が発生した状態の樹脂シートを比較例として示す平面図である。比較例においては、クリップピッチを延伸領域8の上流部から下流部において全て一定のピッチP1にした場合を示す。延伸領域8においてクリップピッチを一定とすると、樹脂フィルムFが横方向に引き延ばされるときに、縦方向に収縮する現象であるポアソン効果が発生すことがある。このポアソン効果が発生すると、樹脂フィルムFは横延伸時に弓なりに歪むというボーイング現象が発生する。
これに対し、図3に示すように、延伸領域8の上流部から下流部に向けてクリップピッチを漸次縮小させるように変化させて延伸加工すると、ボーイング現象の発生を抑制することができる。
<延伸装置の基本構造>
図4は一実施の形態である延伸装置5を示す概略平面図であり、図5は図4に符号Aで示された部分の拡大平面図である。
延伸装置5は2つで対となったガイドレール10を有し、一対のガイドレール10の間に樹脂フィルムFが配置される。ガイドレール10は第1のレールとしての走行レール11と、走行レール11に並列となった第2のレールとしての弛緩レール12とからなり、図示しない支持脚により基台に支持されている。ガイドレール10に沿って樹脂フィルムFは入口領域6から出口領域7に向かって搬送される。一対のガイドレール10の間の間隔は、入口領域6よりも出口領域7において広くなっており、延伸領域8においては出口領域に向けて漸次広くなるように傾斜している。
それぞれの走行レール11は、樹脂フィルムFの入口領域6から出口領域7に向けて延びて樹脂フィルムFを下流側に搬送する搬送部11aと、下流側部から上流側部に向けて反転して延びる戻り部11bとを有している。戻り部11bは樹脂フィルムFに対して搬送部11aよりも外側に配置されている。
延伸装置5の入口領域6は樹脂フィルムFを加熱する予熱領域であり、予熱領域で予熱された樹脂フィルムFは加熱処理部内に位置している延伸領域8において横方向に延伸加工される。延伸加工された樹脂フィルムFは熱固定領域としての出口領域7において冷却される。延伸領域8においては、樹脂フィルムFは幅方向つまり横方向(TD方向)に延伸加工が行われる。この延伸装置5を備えた樹脂フィルムの製造システムにおいては、延伸装置5に供給される前に樹脂フィルムFは縦方向(MD方向)に延伸処理が施されており、逐次延伸処理により二軸方向に延伸処理を行うことができる。この延伸装置5は、横方向にのみ延伸する場合における樹脂フィルムの製造システムとしても適用することもできる。
<クリップ>
図5に示されるように、樹脂フィルムFの側辺部を把持するためのクリップ14が設けられた走行台15が走行レール11に移動可能に配置されている。移動方向に隣り合う2つの走行台15は、図6に示されるリンク機構16により連結される。図4および図5はガイドレール10に沿って移動可能な走行台15を示し、走行台15の平面形状を明瞭にするためにリンク機構16は、図4および図5においては図示省略されている。
走行台15は、図5~図8に示されるように、装着板17と上側の走行板18と下側の走行板19とを有している。上下の走行板18、19はそれぞれ装着板17の背面側に相互に平行となって延び、走行板18、19の間に走行レール11が入り込む空間21が形成される。それぞれの走行台15の装着板17にはクリップホルダー22が装着される。クリップホルダー22に取り付けられた支持ピン23によりクリップ14はクリップホルダー22に回転可能に装着されている。樹脂フィルムFの側辺部を支持する受け台24がクリップホルダー22に設けられ、受け台24とクリップ14との間で樹脂フィルムFは把持される。
図5においては、走行台15とクリップ14が示され、樹脂フィルムFが二点鎖線で示されている。図7および図8においては、クリップ14は受け台24との間で樹脂フィルムFを把持した状態が実線で示され、樹脂フィルムFから外れた状態のクリップ14は二点鎖線で示されている。クリップホルダー22には図示しないばね部材が装着されており、このばね部材によりクリップ14には、図7および図8において実線で示すように、樹脂フィルムFの側辺部を把持する方向のばね力が加えられている。クリップ14を樹脂フィルムFから外すときには、二点鎖線で示される状態となるように、クリップ14に外力が加えられる。
<走行台>
走行レール11は、図7および図8に示されるように、上下方向が長辺となった断面長方形の部材により形成されており、走行レール11の上側の水平面に転がり接触する走行ローラ25と、下側の水平面に転がり接触する走行ローラ26がそれぞれ走行台15に設けられている。走行ローラ25は上側の走行板18に取り付けられた軸受部材27により回転自在に支持され、走行ローラ26は下側の走行板19に取り付けられた軸受部材28により回転自在に支持されている。
上側の走行板18には、装着板17に対して反対側の側辺部に2本のガイドピン31が取り付けられ、走行板18にはガイドピン31が取り付けられる取付孔が設けられている。それぞれのガイドピン31にはガイドローラ32が回転自在に装着されており、ガイドローラ32は走行レール11の垂直面の上側部分に転がり接触する。同様に、下側の走行板19には、ガイドピン31と同軸状に配置される2本のガイドピン33が取り付けられ、走行板19にはガイドピン33が取り付けられる取付孔が設けられている。それぞれのガイドピン33にはガイドローラ34が回転自在に装着され、ガイドローラ34は走行レール11の垂直面の下側部分に転がり接触する。それぞれのガイドローラ32、34は走行レール11の両側の垂直面のうち、装着板17に対して反対側の垂直面に接触する。
<リンク機構>
搬送方向に隣り合う2つの走行台15は、図9および図10に示されるように、クリップ14と共にガイドレール10に沿って移動可能なリンク機構16により連結される。リンク機構16は、相互に同一構造の上側リンク機構部16aと下側リンク機構部16bとを備えている。リンク機構16は、搬送方向に隣り合う2つの走行台15の間に配置される連結ピン35を有し、上側リンク機構部16aと下側リンク機構部16bは連結ピン35により連結される。上側リンク機構部16aと下側リンク機構部16bは連結ピン35の長手方向中央部を中心として上下対称となっている。
上側リンク機構部16aは、2つのリンク部材36と2つのリンク部材37とを、連結ピン35を介して接続することにより形成される一対のチェインリンク38を有している。平行となった2つのリンク部材36は、一端部が連結ピン35に接続され、他端部がリンクピン41に接続されている。平行となった2つのリンク部材37は、一端が連結ピン35に接続され、他端部がリンクピン42に接続されている。2つのリンク部材36の間に位置させてリンクピン41にはスリーブ43が装着され、2つのリンク部材37の間に位置させて連結ピン35にはスリーブ44が装着され、リンクピン42にはスリーブ45が装着されている。
リンクピン41には補強リンク46が連結され、リンクピン42にも同様に補強リンク46が連結される。それぞれの補強リンク46には、上側リンク機構部16aのリンクピン41が取り付けられる取付孔47と、その上側リンク機構部16aに対して隣り合う他の上側リンク機構部16aのリンクピン42が取り付けられる取付孔48とが形成されている。図9に示される上側リンク機構部16aのリンクピン41に取り付けられる補強リンク46の取付孔48には、上側リンク機構部16aの左側に隣り合う他の上側リンク機構部16aのリンクピン42が取り付けられる。さらに、図9に示される上側リンク機構部16aのリンクピン42に取り付けられる補強リンク46の取付孔47には、上側リンク機構部16aの右側に隣り合う他の上側リンク機構部16aのリンクピン41が取りけられる。これにより、搬送方向に隣り合う2つの上側リンク機構部16aは、補強リンク46により連結される。
下側リンク機構部16bは、上側リンク機構部16aに対して上下が対称となっており、上側リンク機構部16aと同一の構造である。下側リンク機構部16bにおいて上側リンク機構部16aの構成部材に対応する部材には同一の符号が付されており、重複した説明を省略する。
<リンク機構と走行台の連結>
走行台15の走行板18には、図10に示されるように、それぞれ左右2つの取付孔51、52が形成されており、それぞれの取付孔51、52は走行レール11を介してガイドピン31の取付孔と隣り合っている。同様に、走行板19にも、それぞれ左右2つの取付孔51、52が形成されており、それぞれの取付孔51、52は走行レール11を介してガイドピン33の取付孔と隣り合っている。
上側リンク機構部16aのリンクピン41は上側の走行板18の取付孔51に取り付けられ、同様に、下側リンク機構部16bのリンクピン41は下側の走行板19の取付孔51に取り付けられる。上側リンク機構部16aのリンクピン42は上側の走行板18の取付孔52に取り付けられ、同様に、下側リンク機構部16bのリンクピン42は下側の走行板19の取付孔52に取り付けられる。このように、搬送方向に隣り合う2つの走行台15は、リンク機構16により連結される。
図10においては、2台の走行台15のうち左側に示される走行台15には符号aがカッコ書きで示され、右側の走行台15には符号bがカッコ書きで示されている。走行台15(a)の左側の取付孔52には、走行台15(a)に連結される図示しない他のリンク機構16のリンクピン42が装着され、走行台15(b)の右側の取付孔51には走行台15(b)に連結される他のリンク機構16のリンクピン41が装着される。図9においては、図10に示された走行台15(a)の取付孔52に装着されるリンクピン42が二点鎖線で示され、図10に示された走行台15(b)の取付孔51に装着されるリンクピン41が二点鎖線で示されている。
このように、走行台15(a)の取付孔51に装着される上側リンク機構部16aおよび下側リンク機構部16bのリンクピン41と、走行台15(a)の取付孔52に連結される他のリンク機構16の上側リンク機構部16aおよび下側リンク機構部16bのリンクピン42との間には、補強リンク46が装着される。同様に、走行台15(b)の取付孔52に装着される上側リンク機構部16aおよび下側リンク機構部16bのリンクピン42と、走行台15(b)の取付孔51に連結される他のリンク機構16の上側リンク機構部16aおよび下側リンク機構部16bのリンクピン41との間には補強リンク46が装着される。したがって、搬送方向に隣り合う2組のリンク機構16は走行台15に装着される補強リンク46により相互に連結される。
図11および図12においては、クリップ14が設けられた2つの走行台15と、これらの走行台15に連結されたリンク機構16と、1つの走行台15のみに連結された他の1つのリンク機構16とが示されている。図11において、左側に示されるリンク機構16のスリーブ43に装着されるリンクピン41は、図示しない他の走行台15の取付孔51に取り付けられる。図11において、右側に示されるリンクピン41は補強リンク46が取り付けられた状態で示されており、このリンクピン41には図示しない他のリンク機構16が連結される。
このように、それぞれの走行台15の上下の走行板18、19には、走行台15の搬送方向両側に配置される2つのリンク機構16のうちの一方のリンクピン41が取り付けられる取付孔51と、他方のリンク機構16のリンクピン42が取り付けられる取付孔52とが設けられている。図7に示されるように、上側リンク機構部16aのリンクピン41、42にはガイドローラ53が回転可能に装着され、下側リンク機構部16bのリンクピン41、42にはガイドローラ54が回転可能に装着される。ガイドローラ53はガイドローラ32に対向して走行レール11の正面側の垂直面の上側部分に転がり接触し、ガイドローラ54はガイドローラ34に対向して走行レール11の正面側の垂直面の下側部分に転がり接触する。
このように、搬送方向に隣り合う2つの走行台15はリンク機構16により連結され、搬送方向に隣り合う2つのリンク機構16は補強リンク46により連結され、リンク機構16と走行台15とを交互に複数連結することにより、環状に連結された無端の搬送機構55が構成される。2つの無端の搬送機構55は、図4に示されるように、それぞれ投入側スプロケット56と搬出側スプロケット57との間に掛け渡されている。ただし、図4においては、リンク機構は図示省略され、搬送機構55を構成する走行台15のみが示されている。
<レバーの構造>
リンク機構16を構成する一対のチェインリンク38は、図9に示されるように、2つのリンク部材36と2つのリンク部材37とを有しており、2つのリンク部材36のうちの1つのリンク部材36には、レバー61が設けられている。レバー61は、連結ピン35とリンクピン41との間に連結されるリンク部材36を構成するリンク部62と、リンク部62に設けられる屈曲操作部63とを有している。屈曲操作部63の先端部にはローラ64が設けられており、ローラ64は屈曲操作部63に取り付けられた支持ピン65に回転自在に装着されている。
図6においては、リンク部材36とリンク部材37とを有するチェインリンク38が一直線となった状態を示している。このときには、複数のクリップ14のうち隣り合う2つのクリップ14の間の距離つまりクリップピッチは、最も長い第1の距離P1となっている。
<クリップピッチの変化>
図7および図8に示されるように、弛緩レール12は走行レール11に沿って上下2本設けられており、ローラ64はそれぞれの弛緩レール12に転がり接触するようになっている。図6に示すように、チェインリンク38が一直線となった状態、つまり搬送方向に隣り合う2つの走行台15の間隔が最も広く設定された状態のもとでは、図7および図8に示されように、走行レール11と弛緩レール12との間の水平距離はD1となる。この状態のもとで、弛緩レール12を走行レール11に水平距離D1よりも接近させると、レバー61は、弛緩レール12によりリンクピン41を中心に図6において時計方向に回転する。これにより、連結ピン35が図6において下方に移動され、チェインリンク38が連結ピン35を中心に屈曲された状態になり、隣り合う走行台15の間の距離は、図6に示される第1の距離P1よりも小さい第2の距離となる。このように、走行台15の間隔が変化すると、搬送方向に隣り合う2つのクリップ14の距離つまりクリップピッチが変化する。
このように、弛緩レール12の走行レール11に対する水平方向距離を縮小させる方向に弛緩レール12を変位させると、走行台15の搬送移動に伴って、ローラ64が弛緩レール12に接触して、レバー61の移動力がレバー61の回転力に変換されて搬送方向に隣り合う2つのクリップ14の間隔つまりクリップピッチが縮小する。これにより、2つのクリップ14の間における樹脂フィルムFの部分は弛緩する。
<レバーによるチェインリンクの屈曲>
図6に示されるように、連結ピン35の中心軸とリンクピン41の中心軸との間のリンク部62のリンク長さをL1とし、リンクピン41とローラ64の回転中心軸との間のレバー長さをL2とすると、レバー長さL2はリンク長さL1よりも長く設定されている。連結ピン35の中心軸とリンクピン42の中心軸との間のリンク長さも、前述したリンク長さL1と同様であり、チェインリンク38を構成するいずれのリンクよりも長く設定されている。したがって、屈曲操作部63の回転力は、レバー比の割合で拡大されてリンク部62に伝達される。これにより、チェインリンク38を屈曲させて、樹脂フィルムFを弛緩させるためのローラ64に加える力をレバー比の割合で低減することができ、弛緩レール12の摩耗を抑制し、ローラ64の寿命低下を抑制することができる。
<レバー有無の比較>
図13は弛緩レール12を走行レール11に向けて水平方向に最接近させたときにおけるリンク機構16とこれにより連結された3つの走行台15を示す平面図である。弛緩レール12と走行レール11との間の水平距離がD2となるまで弛緩レール12を走行レール11に接近させると、チェインリンク38は連結ピン35を中心に最も大きく屈曲された状態となる。これにより、搬送方向に隣り合う2つのクリップ14の距離は狭くなり、クリップピッチP2に変化する。クリップピッチは、弛緩レール12の水平方向の位置を変化させることにより、図6に示された距離を最大値P1から図13に示された最小値P2の間で任意の距離に設定することができる。クリップピッチを最小値P2とすると、樹脂フィルムFのうち、この距離の領域の部分の弛緩量は最大値となる。樹脂フィルムの弛緩量は、弛緩レール12の水平方向の位置を調整することにより、最大値と最小値の間で任意の値に設定することができる。
図14は弛緩レール12をローラ64にほぼ接触しない位置まで走行レール11から離した状態におけるチェインリンク38の状態を示す平面図であり、図15は弛緩レール12が走行レール11に向けて水平方向に最接近した状態におけるチェインリンク38の屈曲状態を示す平面図である。
一方、図16と図17は比較例として示すリンク機構16を示す平面図であり、図16はチェインリンク38一直線となった状態を示し、図17はチェインリンク38が屈曲した状態を示す。なお、図16および図17に示した比較例においては、レバー61が設けられていないことを除いて、チェインリンク38の構造は、図14および図15とほぼ同一としてある。ただし、連結ピン35にはローラ66が設けられており、弛緩レール12はローラ66を介して連結ピン35に押付力を加えるようになっている。
図16および図17の比較例で示すように、連結ピン35に設けられたローラ66を弛緩レール12により直接駆動するには、チェインリンク38に加わる張力に対抗してチェインリンク38を屈曲させる必要がある。このように、隣り合う2つの走行台15の間隔を調整するには、チェインリンク38を屈曲させるために、強い押付力つまり抗力がローラ66と弛緩レール12とに加わることになり、弛緩レール12に摩耗が発生したり、ローラ66の寿命低下が発生したりすることが避けられない。
これに対して、実施形態の延伸装置5においては、リンク機構16にはレバー61が設けられ、レバー61の先端にローラ64が設けられているので、リンク機構16の弛緩レール12やローラ64には大きな負荷が加わることがなく、弛緩レール12の摩耗発生が抑制され、ローラ64の耐久性を向上させることができる。
なお、図6に示されるように、搬送方向に隣り合う2つの走行台15の間隔が最も長く設定された状態として移動する領域において、弛緩レール12をローラ64に接触させないのであれば、弛緩レール12を配置することは不要とすることも可能であり、クリップピッチを縮小させる領域に弛緩レール12が配置される。
<樹脂フィルムの製造方法>
次に、上述した延伸装置5を用いて樹脂フィルムFを製造する樹脂フィルムの製造方法について説明する。
図4に示されるように、樹脂フィルムFは一対のガイドレール10に案内されて搬送機構55により入口領域6から延伸領域8を介して出口領域7に搬送される。このように、搬送工程により樹脂フィルムFは出口領域7まで搬送される。延伸領域8においては、一対のガイドレール10の間隔は、樹脂フィルムFの搬送方向下流側に向けて広くなっており、ガイドレール10は平面視においてテーパ形状となっている。両方の側辺部がクリップ14で把持されて搬送される樹脂フィルムFは、延伸領域8を搬送されるときに、横方向に延伸処理されて延伸工程が実行される。延伸領域8においては、弛緩レール12は、図2において変位部12aで示されるように、走行レール11に対して水平方向に徐々に接近するように変位している。したがって、ローラ64は弛緩レール12により押し付けられ、チェインリンク38は屈曲し、搬送方向に隣り合う2つのクリップ14の間の距離は縮小される。
弛緩レール12の変位部12aは、樹脂フィルムFの搬送方向下流側に向けて、走行レール11に対して漸次接近するように変位しているので、弛緩レール12によるローラ64に対する押し付け量は漸次増加する。これにより、延伸領域8においては、樹脂フィルムFが下流側に搬送されて横方向に延伸されるに従って、隣り合う走行台15の間隔は漸次縮小され、樹脂フィルムFは弛緩される。このように弛緩工程において、クリップピッチを下流側に向けて漸次縮小させると、ボーイング現象の発生を抑制することができる。
リンク機構16にレバー61を設けることにより、弛緩レール12のレバー61に対する押付力はテコの原理により拡大されるので、弛緩レール12には大きな抗力が加わらない。これにより、弛緩レール12の摩耗発生が抑制され、ローラ64の耐久性を向上させることができる。
<延伸装置の他の形態>
延伸装置5により横方向の延伸処理を行って樹脂フィルムFを製造する形態としては、図1に示されるように、金型であるTダイ2から帯状に押し出された樹脂フィルムFを延伸加工する形態と、縦方向に延伸処理した後に横方向の延伸加工を行う形態、つまり逐次延伸処理を行う形態とがある。ただし、延伸装置5の基本構造を変えることなく、同時二軸延伸装置とすることもできる。
本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。例えば、リンク機構16は連結ピン35により連結される上側リンク機構部16aと下側リンク機構部16bとを備えているが、上側リンク機構部16aのみのリンク機構16により走行台15を連結するようにしても良い。また、チェインリンク38は、リンク部材36とリンク部材とを2つずつ備えているが、1つのリンク部材36と1つのリンク部材37とによりチェインリンク38を形成するようにしても良い。
3 混練押出機
5 延伸装置
6 入口領域
7 出口領域
8 延伸領域
10 ガイドレール
11 走行レール
12 弛緩レール
14 クリップ
15 走行台
16 リンク機構
16a 上側リンク機構部
16b 下側リンク機構部
18、19 走行板
22 クリップホルダー
24 受け台
25、26 走行ローラ
32、34 ガイドローラ
35 連結ピン
36、37 リンク部材
38 チェインリンク
41、42 リンクピン
43、44、45 スリーブ
46 補強リンク
53、54 ガイドローラ
55 搬送機構
61 レバー
62 リンク部
63 屈曲操作部
64 ローラ

Claims (6)

  1. 以下を含む延伸装置:
    樹脂フィルムの入口領域、出口領域および前記入口領域と前記出口領域の間に位置する延伸領域;
    前記樹脂フィルムを前記入口領域から前記出口領域に向かって搬送するための一対のガイドレール;
    前記一対のガイドレールそれぞれに沿って移動可能な複数のリンク機構;
    前記複数のリンク機構と共に移動可能な、前記樹脂フィルムを把持するための複数のクリップ、
    ここで、
    前記一対のガイドレール間の間隔は、前記入口領域よりも前記出口領域において広くなるように配置され、
    前記一対のガイドレールは、それぞれ並列する第1のレールおよび第2のレールからなり、
    前記延伸領域において、前記第1のレールと前記第2のレールとの間の間隔は、前記入口領域から前記出口領域に向かって狭くなり、
    前記リンク機構は、連結ピンを介して接続された一対のチェインリンクおよび前記連結ピンに接続されたレバーを含み、
    前記一対のチェインリンクは前記第1のレールに接触し、
    前記レバーの一端は前記第2のレールに接触し、
    前記延伸領域のうち前記入口領域に近い側において、前記一対のチェインリンクは一直線となり、かつ前記複数のクリップのうちの隣り合う2つのクリップが第1の距離を有する状態となり、
    前記延伸領域のうち前記出口領域に近い側において、前記レバーによって前記連結ピンに押付力が加わることにより前記一対のチェインリンクは前記連結ピンを中心として屈曲し、かつ前記隣り合う2つのクリップが前記第1の距離よりも小さい第2の距離を有する状態となる。
  2. 前記連結ピンから前記一端までの前記レバーの長さは、前記一対のチェインリンクのいずれよりも長い請求項1に記載の延伸装置。
  3. 前記樹脂フィルムは熱可塑性であり、前記延伸領域は加熱処理部内に位置している請求項1に記載の延伸装置。
  4. 前記一対のガイドレールは環状である請求項1に記載の延伸装置。
  5. 以下を含む樹脂シートの製造方法:
    連結ピンを介して接続された一対のチェインリンクと前記連結ピンに接続されたレバーとを備える複数のリンク機構とともに一対のガイドレールに案内される複数のクリップにより把持された樹脂フィルムを、入口領域から延伸領域を介して出口領域に案内する搬送工程;
    一対のガイドレールの間隔が前記入口領域から前記出口領域に向けて広くなるように配置された前記延伸領域において樹脂フィルムを搬送しながら横方向に延伸処理する延伸工程;
    前記クリップが前記延伸領域を移動するときに、前記入口領域に近い側においては前記チェインリンクを一直線としてクリップピッチを第1の距離に設定し、前記延伸領域のうち前記出口領域に向けて前記レバーにより前記チェインリンクを屈曲させて前記クリップピッチを前記第1の距離よりも小さい第2の距離に設定する弛緩工程。
  6. 前記延伸領域においては前記クリップを案内する第1のレールと、前記レバーに接触する第2のレールとの間隔を前記入口領域から前記出口領域に向けて漸次減少させて、前記クリップピッチを漸次小さくする請求項5記載の樹脂シートの製造方法。
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