JP2022092366A - メラノーマ細胞の検出方法、及びメラノーマ細胞の回収方法、並びに、それらの方法に用いる試薬及び担体固定化分子 - Google Patents

メラノーマ細胞の検出方法、及びメラノーマ細胞の回収方法、並びに、それらの方法に用いる試薬及び担体固定化分子 Download PDF

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隆平 奥山
Ryuhei Okuyama
幸子 木庭
Sachiko Kiba
勇一 熊木
Yuichi Kumaki
泰之 秋山
Yasuyuki Akiyama
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Abstract

【課題】 試料中のメラノーマ細胞を夾雑細胞と区別して検出することができる、メラノーマ細胞の検出方法を提供する。【解決手段】 試料中における、(i)PMEL(GenBank No.NP_008859.1)を含む431種のいずれかのアミノ酸配列を少なくとも含むポリペプチドコードする遺伝子、(ii)前記(i)のアミノ酸配列と70%以上の相同性を有するアミノ酸配列を少なくとも含むポリペプチドをコードする遺伝子、(iii)前記(i)のアミノ酸配列において、1若しくは複数個のアミノ酸が置換、欠失、挿入及び/又は付加されたアミノ酸配列を少なくとも含むポリペプチドをコードする遺伝子、のいずれかの遺伝子の発現を検出することにより、試料中に含まれるメラノーマ細胞を検出する方法。【選択図】 なし

Description

本発明は、試料中に含まれるメラノーマ(悪性黒色腫)細胞の検出方法及び回収方法、並びに、それらに用いるメラノーマ細胞の検出のための試薬、捕捉のための試薬及び担体固定化分子に関する。より詳細には、本発明は、前記メラノーマ細胞が発現するタンパク質又はその遺伝子を用いて、試料中に含まれる前記メラノーマ細胞を、同試料中に含まれる夾雑細胞と区別して検出及び回収する方法に関する。
腫瘍細胞は、原発巣から離脱すると、血管内又はリンパ管内へと浸透し、血液中又はリンパ液中を循環した後、最終的に他臓器や組織に侵入することで、転移巣を形成する。ここで、血液中を循環する腫瘍細胞はCTC(血中循環腫瘍細胞:Circulating Tumor cell)とも呼ばれ、多くの臨床試験や研究がなされている。例えば、患者から採取した血液中に含まれるCTCの数を測定したり(特許文献1)、前記CTCにおけるタンパク質の発現や遺伝子の突然変異若しくは転座を調べることで、転移性悪性腫瘍の早期発見や、腫瘍の発見後や治療後の患者の状態の予測や再発予測に関する情報を得られることが知られている。しかしながら、血液中に含まれるCTCの数は非常に少なく、かつ、血液中には赤血球や白血球など多種多様な夾雑細胞が含まれているため、CTCの検出や解析の際には、大量の細胞の中から、僅かな細胞を区別して回収/検出する技術が必要となる。
従来、CTCの検出には、サイトケラチンやEpCAM(Epithelial Cell Adhesion Molecule)(特許文献1)などCTCで発現するタンパク質(腫瘍マーカー)が用いられている。しかしながら、メラノーマ(悪性黒色腫)細胞では、サイトケラチンやEpCAMが発現していないため、これらマーカーを指標として、メラノーマ由来のCTCの検出や回収を行うことができない。このため、メラノーマ由来のCTCを検出することが可能な、メラノーマ細胞のマーカーの開発が求められている。
特表2008-533487号公報
本発明の課題は、試料中のメラノーマ細胞を、夾雑細胞と区別して検出及び/又は回収することができる、メラノーマ細胞の検出方法及び回収方法、並びに、それらの方法に用いる試薬及び担体固定化分子を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明者らは、3種類のメラノーマ細胞株と、健常者試料であり、かつ、血液試料中に含まれる夾雑細胞の一例としての白血球との次世代シークエンサーを用いた比較発現解析を行なった結果、メラノーマ細胞に特異的に発現する遺伝子を見出した。さらに、かかる遺伝子をマーカーとして、試料中に含まれるメラノーマ細胞を夾雑細胞と区別して検出及び/又は回収することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は以下の通りである。
[1] 試料中における、以下の(i)から(iii)からなる群から選択される少なくとも1以上の遺伝子の発現を検出する工程を含むことを特徴とする、メラノーマ細胞の検出方法。
(i)配列番号1~431のいずれかに記載のアミノ酸配列を少なくとも含むポリペプチドをコードする遺伝子、
(ii)配列番号1~431のいずれかに記載のアミノ酸配列と70%以上の相同性を有するアミノ酸配列を少なくとも含むポリペプチドをコードする遺伝子、
(iii)配列番号1~431のいずれかに記載のアミノ酸配列において、1若しくは複数個のアミノ酸が置換、欠失、挿入及び/又は付加されたアミノ酸配列を少なくとも含むポリペプチドをコードする遺伝子。
[2] 前記遺伝子の発現の検出が前記遺伝子にコードされるポリペプチドの検出であり、前記ポリペプチドの検出が、該ポリペプチドを特異的に認識する抗体又はアプタマーを用いた検出であることを特徴とする、[1]に記載のメラノーマ細胞の検出方法。
[3] 前記試料が血液試料であることを特徴とする、[1]又は[2]に記載のメラノーマ細胞の検出方法。
[4] 試料中における、以下の(iv)から(vi)からなる群から選択される少なくとも1以上のポリペプチドを検出又は捕捉してメラノーマ細胞を検出又は捕捉する工程と、検出又は捕捉された前記メラノーマ細胞を回収する工程と、
を含むことを特徴とする、メラノーマ細胞の回収方法。
(iv)配列番号1~128のいずれかに記載のアミノ酸配列を少なくとも含むポリペプチド、
(v)配列番号1~128のいずれかに記載のアミノ酸配列と70%以上の相同性を有するアミノ酸配列を少なくとも含むポリペプチド、
(vi)配列番号1~128のいずれかに記載のアミノ酸配列において、1若しくは複数個のアミノ酸が置換、欠失、挿入及び/又は付加されたアミノ酸配列を少なくとも含むポリペプチド。
[5] 前記ポリペプチドの検出又は捕捉が、該ポリペプチドを特異的に認識する抗体又はアプタマーを用いた検出又は捕捉であることを特徴とする、[4]に記載のメラノーマ細胞の回収方法。
[6] 前記試料が血液試料であることを特徴とする、[4]又は[5]に記載のメラノーマ細胞の回収方法。
[7] 以下の(i)~(iii)からなる群から選択される少なくとも1以上の遺伝子の発現産物に結合する分子を有効成分とすることを特徴とする、メラノーマ細胞の検出のための試薬。
(i)配列番号1~431のいずれかに記載のアミノ酸配列を少なくとも含むポリペプチドをコードする遺伝子、
(ii)配列番号1~431のいずれかに記載のアミノ酸配列と70%以上の相同性を有するアミノ酸配列を少なくとも含むポリペプチドをコードする遺伝子、
(iii)配列番号1~431のいずれかに記載のアミノ酸配列において、1若しくは複数個のアミノ酸が置換、欠失、挿入及び/又は付加されたアミノ酸配列を少なくとも含むポリペプチドをコードする遺伝子。
[8] 前記遺伝子の発現産物に結合する分子が、前記遺伝子にコードされるポリペプチドを特異的に認識する抗体又はアプタマーであることを特徴とする、[7]に記載の試薬。
[9] 以下の(iv)~(vi)からなる群から選択される少なくとも1以上のポリペプチドに結合する分子を有効成分とすることを特徴とする、メラノーマ細胞の検出又は捕捉のための試薬。
(iv)配列番号1~128のいずれかに記載のアミノ酸配列を少なくとも含むポリペプチド、
(v)配列番号1~128のいずれかに記載のアミノ酸配列と70%以上の相同性を有するアミノ酸配列を少なくとも含むポリペプチド、
(vi)配列番号1~128のいずれかに記載のアミノ酸配列において、1若しくは複数個のアミノ酸が置換、欠失、挿入及び/又は付加されたアミノ酸配列を少なくとも含むポリペプチド。
[10] 前記ポリペプチドに結合する分子が、前記ポリペプチドを特異的に認識する抗体又はアプタマーであることを特徴とする、[9]に記載の試薬。
[11] 以下の(iv)~(vi)からなる群から選択される少なくとも1以上のポリペプチドに結合する分子が担体に担持されてなることを特徴とする、メラノーマ細胞の捕捉のための担体固定化分子。
(iv)配列番号1~128のいずれかに記載のアミノ酸配列を少なくとも含むポリペプチド、
(v)配列番号1~128のいずれかに記載のアミノ酸配列と70%以上の相同性を有するアミノ酸配列を少なくとも含むポリペプチド、
(vi)配列番号1~128のいずれかに記載のアミノ酸配列において、1若しくは複数個のアミノ酸が置換、欠失、挿入及び/又は付加されたアミノ酸配列を少なくとも含むポリペプチド。
[12] 前記ポリペプチドに結合する分子が、前記ポリペプチドを特異的に認識する抗体又はアプタマーであることを特徴とする、[11]に記載の担体固定化分子。
本発明によれば、試料中のメラノーマ細胞を、夾雑細胞と区別して検出及び/又は回収することができる、メラノーマ細胞の検出方法及び回収方法、並びに、それらの方法に用いる試薬及び担体固定化分子を提供することが可能となる。
白血球及びメラノーマ細胞のPMEL遺伝子発現解析結果を示す図である。
以下、本発明をその好適な実施形態に即して詳細に説明する。
<メラノーマ細胞の検出方法及び回収方法>
本発明のメラノーマ細胞の検出方法は、試料中における、以下の(i)から(iii)からなる群から選択される少なくとも1以上の遺伝子(以下、場合により、「メラノーマ細胞特異的遺伝子」と称する)の発現を検出する工程を含む方法である。
(i)配列番号1~431のいずれかに記載のアミノ酸配列を少なくとも含むポリペプチドをコードする遺伝子、
(ii)配列番号1~431のいずれかに記載のアミノ酸配列と70%以上の相同性を有するアミノ酸配列を少なくとも含むポリペプチドをコードする遺伝子、
(iii)配列番号1~431のいずれかに記載のアミノ酸配列において、1若しくは複数個のアミノ酸が置換、欠失、挿入及び/又は付加されたアミノ酸配列を少なくとも含むポリペプチドをコードする遺伝子。
また、本発明のメラノーマ細胞の回収方法は、試料中における、以下の(iv)から(vi)からなる群から選択される少なくとも1以上のポリペプチド(以下、場合により、「メラノーマ細胞特異的膜貫通型ポリペプチド」と称する)を検出又は捕捉してメラノーマ細胞を検出又は捕捉する工程と、検出又は捕捉された前記メラノーマ細胞を回収する工程と、
を含む方法である。
(iv)配列番号1~128のいずれかに記載のアミノ酸配列を少なくとも含むポリペプチド、
(v)配列番号1~128のいずれかに記載のアミノ酸配列と70%以上の相同性を有するアミノ酸配列を少なくとも含むポリペプチド、
(vi)配列番号1~128のいずれかに記載のアミノ酸配列において、1若しくは複数個のアミノ酸が置換、欠失、挿入及び/又は付加されたアミノ酸配列を少なくとも含むポリペプチド。
本発明によれば、試料中に含まれるメラノーマ細胞を、前記メラノーマ細胞特異的遺伝子の発現の検出を指標として、検出することができる。また、本発明によれば、試料中に含まれるメラノーマ細胞を、前記メラノーマ細胞特異的遺伝子の発現産物のうち、メラノーマ細胞特異的膜貫通型ポリペプチドの検出を指標として検出又は捕捉し、回収することができる。
本発明において「試料」としては、前記メラノーマ細胞が存在し得る試料であれば特に制限されないが、例えば、対象(例えば、ヒト、及びヒト以外の動物(マウス、ラット、イヌ、ネコ、ウシ、ウマ、ブタ、鳥等)、好ましくはヒト)から採取される生体組織(細胞、組織、臓器、体液、全血、及び腹水等)が挙げられる。前記対象としては、がん患者に限らず、健常者であってもよい。前記試料としては、前記組織や全血、腹水等を適切な緩衝液で希釈した希釈液;血清、血漿、臍帯血、成分採血液などの全血由来の成分;肝臓、肺、脾臓、腎臓、腫瘍、リンパ節などの血液を含む組織の一片を適切な緩衝液で懸濁させた懸濁液等であってよい。さらに、これらを遠心分離などによって分離回収して得られた、メラノーマ細胞を含む画分であってもよい。これらの中でも、本発明に係る試料としては、全血、全血希釈液、全血由来の成分(血清、血漿、臍帯血、成分採血液等)、及び血液を含む組織の懸濁液、並びに、これらから得られたメラノーマ細胞を含む画分等の、血液試料であることが好ましい。
本発明によれば、血液中に僅かしか存在しない、メラノーマ由来の血中循環腫瘍細胞(すなわち、血中循環腫瘍細胞の形態のメラノーマ細胞)を、夾雑細胞と区別して検出又は捕捉し、回収することもできる。ここで、「循環腫瘍細胞」とは、原発腫瘍(原発巣)又は転移腫瘍(転移巣)から血管内又はリンパ管内へと浸透した腫瘍細胞を示し、このうち、血液中を循環する循環腫瘍細胞を、血中循環腫瘍細胞(CTC:Circulating Tumor cell)」と称する。血中循環腫瘍細胞は、例えば、上記のがんの患者の末梢血流を循環する腫瘍細胞として存在する。
本発明において、試料中に含まれる「夾雑細胞」とは、前記メラノーマ細胞以外の細胞のことをいい、前記試料が前記血液試料である場合には、例えば、赤血球、白血球、及び血小板が挙げられる。これらの中でも、本発明のメラノーマ細胞の検出方法及び回収方法は、例えば、血液試料中に含まれる白血球との区別に優れた方法である。
本発明において、「膜貫通型ポリペプチド」とは、少なくとも1以上の膜貫通領域を含むポリペプチドを示す。本発明においては、メラノーマ細胞マーカーのうち、前記膜貫通型ポリペプチドを標的とすることで、当該膜貫通型ポリペプチドを細胞膜上に発現しているメラノーマ細胞を検出する他、かかる膜貫通型ポリペプチドを介して捕捉し、回収することが可能となる。
本発明において、発現を検出する遺伝子(以下、場合により「標的遺伝子」という)は、ヒト由来のものであれば、典型的には、(i)配列番号1~431のいずれかに記載のアミノ酸配列を少なくとも含むポリペプチドをコードする遺伝子であるが、本発明においては、これら遺伝子のホモログ(例えば、ヒト以外の生物におけるカウンターパート遺伝子)を標的(検出対象)とすることもできる。また、遺伝子のDNA配列は、その変異などにより、自然界において(すなわち、非人工的に)変異し得ることから、本発明においては、このような天然の変異体も、標的とすることができる。
前記ホモログのアミノ酸配列としては、(ii)配列番号1~431のいずれかに記載のアミノ酸配列全体に対して、70%以上、より好ましくは、75%以上、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上(例えば、96、97、98、99%以上)、の相同性を有するアミノ酸配列であってもよい。配列の相同性は、例えば、BLASTPのプログラム(Altschul et al. J.Mol. Biol., 215:403-410,1990)を利用して決定することができる。
さらに、前記変異体のアミノ酸配列としては、(iii)配列番号1~431のいずれかに記載のアミノ酸配列において、1若しくは複数個のアミノ酸が置換、欠失、挿入及び/又は付加されたアミノ酸配列であってもよい。自然界におけるアミノ酸の変異数は、一般的には、数個以内である。ここで「数個」とは、20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3又は2個の整数を意味する。1~数個のアミノ酸残基とは、好ましくはアミノ酸残基が1個以上10個以下、より好ましくは1個以上5個以下、さらに好ましくは1個以上3個以下、特に好ましくは2個以下である。
本発明において、前記メラノーマ細胞特異的遺伝子は、夾雑細胞よりもメラノーマ細胞に特異性が高い。ここで「特異性が高い」とは、メラノーマ細胞が、少なくとも1つの夾雑細胞よりも、転写レベル又は翻訳レベルにおける発現が高いことを意味する。好ましくは、メラノーマ細胞は、夾雑細胞よりも、メラノーマ細胞特異的遺伝子の発現が、1.5倍以上高く、より好ましくは2倍以上高く、さらに好ましくは3倍以上高く、特に好ましくは5倍以上(例えば、6倍以上、7倍以上、8倍以上、9倍以上、10倍以上)高い。
下記の表1~表19に、配列番号1~431のアミノ酸配列について、それぞれ、各アミノ酸配列の配列番号、各アミノ酸配列からなるポリペプチドが対応するタンパク質の名称、各アミノ酸配列のGenBankアクセッション番号(GenBank No.)、各アミノ酸配列からなるポリペプチドをコードする遺伝子の配列番号とそのオープンリーディングフレーム位置(ORF位置)、各遺伝子のGenBankアクセッション番号(GenBank No.)、並びに、下記の実施例で得られた遺伝子発現量解析の結果を示す。また、下記の表20~表56には、表1~19に記載の各タンパク質の名称について、それぞれ、正式名(フルネーム)及び別名を示す。
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本発明において、「遺伝子の発現を検出する」とは、遺伝子の発現の有無の検出及び発現の程度の検出の双方を含む意であり、本発明においては、上記標的遺伝子の発現を検出する。遺伝子の発現量は、絶対量として又は相対量として把握することができる。相対量を把握する場合には、例えば、用意した標準試料の遺伝子の発現量と比較して判断することができる。「標準試料」は、標的遺伝子を発現しているか否かが事前に特定されている試料であり、例えば、赤血球、白血球、及び血小板、より好ましくは白血球を、前記標準試料とすることができる。また、前記対象がメラノーマ患者である場合には、メラノーマに罹患していない者の組織(正常組織)も、前記標準試料とすることができる。
本発明において、「遺伝子の発現」とは、遺伝子の転写及び翻訳の双方を含む意である。したがって、本発明における「遺伝子の発現の検出」には、転写レベル(mRNAレベル)での検出、及び翻訳レベル(タンパク質レベル)での検出(すなわち、前記遺伝子にコードされるポリペプチドの検出)の双方が含まれる。
また、真核細胞では、遺伝子の転写過程で、mRNA前駆体中のイントロンを除去し、前後のエキソンを再結合する反応(スプライシング)が生じるが、エキソンの再結合に多様性が生じる場合があり、これにより様々な成熟mRNAが生産される。ひいては、それにより様々なタンパク質が翻訳される。このようなスプライシングの違いにより生じる多様なmRNAやタンパク質を「スプライシングバリアント」という。したがって、本発明における遺伝子の発現の検出には、下記の標的遺伝子の発現産物に結合する分子に特異的に認識される限り、当該スプライシングバリアントの検出が含まれる。
本発明における遺伝子の発現の検出には、適宜公知の手法又はそれに準じた手法を用いることができる。転写レベルでの検出としては、例えば、前記標的遺伝子の転写産物(mRNA)の塩基配列(ポリヌクレオチド)中の適切な位置に対応するプローブを設計した上で、ノーザンブロッティング、ドットブロット、RNaseプロテクションアッセイ、DNAマイクロアレイ解析法、in situハイブリダイゼーション法等により検出してもよく、前記ポリヌクレオチド中の適切な位置に対応するプライマーセットを設計した上で、例えば、PCR法、RT-PCR法、TRC(Transcription Reverse transcription Concerted)法、NASBA(Nucleic Acid Sequence-Based Amplification)法、TMA(Transcription-Mediated Amplification)法等を用いて前記ポリヌクレオチドを増幅して検出してもよく、前記ポリヌクレオチドを含む試料を直接シーケンサーに供して検出してもよい。
また、翻訳レベルでの検出としては、例えば、免疫細胞染色法、イメージングサイトメトリー、フローサイトメトリー、ELISA法、ラジオイムノアッセイ、免疫沈降法、イムノブロッティング(ウェスタンブロット法等)、抗体アレイ、in vivo イメージング等の抗体を用いて検出する方法(免疫学的手法);前記抗体に代えてアプタマーを用いて検出する方法が挙げられる。また、前記免疫学的手法は、必要な試薬を調製した上で、AIA-900やAIA-CL2400(いずれも東ソー(株)製)等のエンザイムイムノアッセイ装置を用いて自動的に行ってもよい。
本発明において、前記遺伝子の発現の検出としては、簡便性の観点から、翻訳レベルでの検出(標的遺伝子にコードされるポリペプチドの検出)であることが好ましく、特に、前記ポリペプチドを特異的に認識する抗体(以下、場合により「抗ポリペプチド抗体」という)又は前記ポリペプチドを特異的に認識するアプタマー(以下、場合により単に「アプタマー」という)を用いて前記ポリペプチドを検出する方法が好ましく、前記抗ポリペプチド抗体を用いて前記ポリペプチドを検出する方法がより好ましい。
本発明において、「抗体」は、ポリクローナル抗体であっても、モノクローナル抗体であってもよく、また、抗体の機能的断片であってもよい。また、「抗体」には、免疫グロブリンの全てのクラス及びサブクラスが含まれる。抗体の「機能的断片」とは、抗体の一部分(部分断片)であって、本発明においては、前記標的遺伝子にコードされるポリペプチドを特異的に認識するものを意味する。具体的には、Fab、Fab’、F(ab’)2、可変領域断片(Fv)、ジスルフィド結合Fv、一本鎖Fv(scFv)、sc(Fv)2、ダイアボディー、多特異性抗体、及びこれらの重合体等が挙げられる。
本発明に係る抗ポリペプチド抗体は、ポリクローナル抗体であれば、抗原(標的遺伝子にコードされるポリペプチド、それらの部分ペプチド、又はこれらを発現する細胞等)で
免疫動物を免疫し、その抗血清から、従来の手段(塩析、遠心分離、透析、カラムクロマトグラフィー等)によって、精製して取得することができる。また、モノクローナル抗体は、ハイブリドーマ法や組換えDNA法によって作製することができる。ハイブリドーマ法としては、例えば、コーラー及びミルスタインの方法(Kohler&Milstein,Nature,256:495(1975))が挙げられ、組換えDNA法としては、例えば、上記抗ポリペプチド抗体をコードするDNAをハイブリドーマやB細胞等からクローニングし、適当なベクターに組み込んで、これを宿主細胞(哺乳類細胞株、大腸菌、酵母細胞、昆虫細胞、植物細胞等)に導入し、前記抗ポリペプチド抗体を組換え抗体として産生させる手法が挙げられる(例えば、P.J.Delves,Antibody Production:Essential Techniques,1997 WILEY、P.Shepherd and C.Dean Monoclonal Antibodies,2000 OXFORD UNIVERSITY PRESS、Vandamme A.M.et al.,Eur.J.Biochem.192:767-775(1990))。
本発明において、前記抗ポリペプチド抗体及びアプタマー等の、標的遺伝子の発現産物に結合する分子としては、標識物質を結合させたものを用いることができる。標識物質を結合させた前記分子を用い、当該標識物質を検出することにより、標的遺伝子がコードする発現産物に結合した前記分子の量を直接測定することができる。前記標識物質としては、前記分子に結合することができ、化学的又は光学的方法で検出できるものであれば特に制限されることはなく、例えば、フィコエリスリン(PE)、フルオレセインイソチオシアネート(FITC)、ローダミンイソチオシアネート(RITC)等の蛍光物質や、ペルオキシダーゼ、β-D-ガラクトシダーゼ、マイクロペルオキシダーゼ、ホースラディッシュペルオキシダーゼ(HRP)、アルカリホスファターゼ等の酵素、放射性物質が挙げられる。
また、本発明において、前記遺伝子の発現の検出が、該遺伝子にコードされるポリペプチドの検出であり、前記抗ポリペプチド抗体を用いる場合には、前記標識物質を結合させた二次抗体を利用する方法や、二次抗体と前記標識物質とを結合させたポリマーを利用する方法などの間接的検出方法を利用することもできる。ここで「二次抗体」とは、上記抗ポリペプチド抗体に特異的な結合性を示す抗体である。例えば、上記抗ポリペプチド抗体をウサギ抗体として調製した場合には、二次抗体として抗ウサギIgG抗体を使用することができる。ウサギ、ヤギ、マウスなどの様々な生物種に由来する抗体に対して、使用可能な標識二次抗体が市販されており、用いる抗ポリペプチド抗体の由来する生物種に応じて、適切な二次抗体を選択し、使用することができる。また、二次抗体に代えて、標識物質を結合させたプロテインGやプロテインAなどを用いることも可能である。
本発明において、「メラノーマ細胞の検出」とは、前記メラノーマ細胞特異的遺伝子の発現を指標として、試料中におけるメラノーマ細胞の有無の検出(定性的検出)、及び、その量の程度の検出(定量的検出)の双方を含む意であり、また、試料より採取した細胞がメラノーマ細胞であるか否かの検出も含む。
前記メラノーマ細胞の検出の判断基準としては、目的に応じて適宜設定することができ、特に限定はなく、例えば、メラノーマ細胞の数や標的遺伝子の発現レベルに応じた検出シグナルが少しでもあれば、試料中にメラノーマ細胞が存在すると判断してもよく、一定の閾値以上の検出シグナルがあれば当該判断をしてもよい。また、前記検出シグナルの強度に応じてメラノーマ細胞の量を検出してもよい。さらに、前記試料から細胞を採取した上で検出を行う場合には、前記検出シグナルが少しでもあれば、採取した細胞がメラノーマ細胞であると判断してもよく、一定の閾値以上の検出シグナルがあれば当該判断をしてもよく、試料より採取した夾雑細胞(例えば、前記血液試料の場合は、赤血球や白血球等)が有するシグナルに対し、一定の値以上又は当該シグナルの平均値の2SD以上、3SD以上若しくは4SD以上のシグナルがあれば当該判断をしてもよい。
上記の表1~表19のうち、表1~6に示す配列番号1~128のアミノ酸配列は、本発明者らにより同定されたメラノーマ細胞特異的膜貫通型ポリペプチドのアミノ酸配列である。本発明のメラノーマ細胞の回収方法においては、
(iv)配列番号1~128のいずれかに記載のアミノ酸配列を少なくとも含むポリペプチド、
(v)配列番号1~128のいずれかに記載のアミノ酸配列と70%以上の相同性を有するアミノ酸配列を少なくとも含むポリペプチド(すなわち、(iv)のホモログ)、及び
(vi)配列番号1~128のいずれかに記載のアミノ酸配列において、1若しくは複数個のアミノ酸が置換、欠失、挿入及び/又は付加されたアミノ酸配列を少なくとも含むポリペプチド(すなわち、(iv)の変異体)
からなる群から選択される少なくとも1以上のポリペプチドを検出又は捕捉することにより、メラノーマ細胞を検出又は捕捉する工程と、検出又は捕捉された前記メラノーマ細胞を回収する工程と、を含む方法である。
前記メラノーマ細胞を検出する工程(検出工程)は、上記のとおりである。検出されたメラノーマ細胞の回収方法としては、例えば、セルソーターを用いる方法、顕微鏡下でピペットを利用して回収する方法(例えば、マイクロピックシステム)等が挙げられる。
また、メラノーマ細胞を捕捉する工程(捕捉工程)には、担体と、前記担体に担持された前記メラノーマ細胞特異的膜貫通型ポリペプチドに結合する分子とを備える、メラノーマ細胞の捕捉のための、担体固定化分子を用いることができる。この場合、本発明の回収方法は、
前記担体固定化分子と、前記試料と、を接触させ、前記メラノーマ細胞を前記担体固定化分子で捕捉する捕捉工程と、
前記担体固定化分子に結合していない夾雑細胞等の夾雑物を除去して前記担体固定化分子に捕捉されたメラノーマ細胞を回収する回収工程と、
を含む方法であることが好ましい。
前記回収工程としては、前記担体固定化分子に結合していない夾雑物を洗浄液の注入及び除去によって除去する洗浄工程や、前記担体固定化分子から前記メラノーマ細胞を遊離させて遊離のメラノーマ細胞を得る遊離工程をさらに含んでいてもよい。
前記担体固定化分子の担体としては、例えば、プレート、繊維、膜、粒子、マイクロ流路チップ等が挙げられる。前記担体固定化分子におけるメラノーマ細胞特異的膜貫通型ポリペプチドに結合する分子としては、前記メラノーマ細胞特異的膜貫通型ポリペプチドに結合する抗体が好ましい。また、前記担体又はメラノーマ細胞特異的膜貫通型ポリペプチドに結合する分子は、前記標識物質で標識されていてもよい。このような担体固定化分子としては、従来公知のものを適宜用いることができ、市販のものを適宜用いることもできる。
前記担体固定化分子に捕捉された前記メラノーマ細胞を回収する方法としては、特に制限されず、適宜従来公知の方法又はそれに準じた方法を採用することができ、例えば、前記担体がプレートである場合には、前記捕捉工程の後にプレート上から液相(上清)を除去する方法や、前記担体が粒子である場合には前記捕捉工程の後に前記粒子を遠心や集磁によって回収して液相(上清)を除去する方法が挙げられる。回収手段の好適な一例として、メラノーマ細胞を保持可能な保持部を設けた基板とノズルによる吸引吐出により当該メラノーマ細胞を回収する回収部とを備えた手段があげられ、具体例として特開2016-142616号に開示の回収装置が挙げられる。
本発明のメラノーマ細胞の回収方法により得られたメラノーマ細胞は、その数を測定することができ、また、種々の解析に用いることができる。
また、本発明のメラノーマ細胞の検出方法及び回収方法を実施して得られた情報は、例えば、メラノーマ患者を対象とした場合には、当該患者の病態の評価ないし把握、治療効果の評価などに利用できる。例えば、メラノーマの治療と並行して本発明の方法を実施すれば、結果として得られる情報を基に再発予測や、治療効果の評価をすることができる。具体的には、薬剤投与後に本発明のメラノーマ細胞の検出方法及び回収方法を実施することで、患者におけるメラノーマ細胞特異的遺伝子の発現の変化を調べ、その増減や推移から治療効果を判定することができる。このように本発明の方法を再発予測や治療効果のモニターに利用してもよい。
<メラノーマ細胞の検出のための試薬、及び捕捉のための担体固定化分子>
本発明のメラノーマ細胞の検出のための試薬(以下、場合により「検出用試薬」という)は、前記メラノーマ細胞特異的遺伝子の発現産物に結合する分子を有効成分とする検出用試薬である。これを用いることにより、上記本発明のメラノーマ細胞の検出方法を実施して、試料中におけるメラノーマ細胞を検出することができる。
本発明において、「(i)~(iii)からなる群から選択される少なくとも1以上の遺伝子の発現産物」とは、前記メラノーマ細胞特異的遺伝子(標的遺伝子)の転写産物(mRNA)又は翻訳産物(タンパク質)のことをいう。前記標的遺伝子の「転写産物に結合する分子」としては、例えば、上記したRT-PCR法等において用いられるプライマーや、ノーザンブロッティング等に用いられるプローブが挙げられる。当該分子は、標的遺伝子の転写産物の塩基配列に相補的な塩基配列を含むポリヌクレオチドである。好ましくは、標的遺伝子の転写産物の塩基配列に相補的な連続する少なくとも15塩基以上、より好ましくは20塩基以上の塩基配列を含むポリヌクレオチドである。ここで「相補的」とは、転写産物と特異的なハイブリダイゼーションが生じる限り、100%の相補性がなくとも良い。好ましくは、90%以上、より好ましくは95%以上(例えば、96%以上、97%以上、98%以上、99%以上)の相補性を有する。また、前記標的遺伝子の「翻訳産物に結合する分子」としては、例えば、上記の抗ポリペプチド抗体及びアプタマーが挙げられる。本発明において、前記標的遺伝子の発現産物に結合する分子としては、前記抗ポリペプチド抗体及び前記アプタマーが好ましく、前記抗ポリペプチド抗体がより好ましい。
本発明の検出用試薬は、前記標的遺伝子の発現産物に結合する分子に加えて、緩衝液、生理食塩水;フィコエリスリン(PE)、フルオレセインイソチオシアネート(FITC)、ローダミンイソチオシアネート(RITC)等の蛍光物質;前記標的遺伝子の発現産物に結合する分子を認識し結合する二次抗体;二次抗体に修飾されたペルオキシダーゼ、β-D-ガラクトシダーゼ、マイクロペルオキシダーゼ、ホースラディッシュペルオキシダーゼ(HRP)、アルカリホスファターゼ等の酵素及びその基質等の他の成分が添加されていてもよい。
前記メラノーマ細胞特異的遺伝子の発現産物が、メラノーマ細胞特異的膜貫通型ポリペプチドである場合、当該ポリペプチドに結合する分子は、当該ポリペプチドが細胞表面上に存在するメラノーマ細胞を標的化すると共に、前記分子と当該ポリペプチドとの結合を介して、当該ポリペプチドを膜タンパク質として発現する細胞、すなわち、メラノーマ細胞を捕捉することができる。したがって、本発明の検出用試薬のうち、前記メラノーマ細胞特異的膜貫通ポリペプチドに結合する分子(上記(iv)~(vi)からなる群から選択される少なくとも1以上のポリペプチドに結合する分子)を有効成分とする、メラノーマ細胞の検出のための試薬は、メラノーマ細胞の捕捉のための試薬(以下、「捕捉用試薬」という)として用いることもできる。
また、「メラノーマ細胞特異的膜貫通型ポリペプチドに結合する分子」としては、例えば、上記の抗ポリペプチド抗体及びアプタマーが挙げられるが、前記抗ポリペプチド抗体が好ましい。
本発明の捕捉用試薬は、前記検出用試薬と同様、有効成分である腫瘍細胞特異的膜貫通型ポリペプチドに結合する分子に加えて、緩衝液、生理食塩水;フィコエリスリン(PE)、フルオレセインイソチオシアネート(FITC)、ローダミンイソチオシアネート(RITC)等の蛍光物質;前記標的遺伝子の発現産物に結合する分子を認識し結合する二次抗体;二次抗体に修飾されたペルオキシダーゼ、β-D-ガラクトシダーゼ、マイクロペルオキシダーゼ、ホースラディッシュペルオキシダーゼ(HRP)、アルカリホスファターゼ等の酵素及びその基質等の他の成分が添加されていてもよい。
メラノーマ細胞の捕捉においては、メラノーマ細胞特異的膜貫通型ポリペプチドに結合する分子を固相化して用いることが簡便である。したがって、本発明は、担体と、前記担体に担持されたメラノーマ細胞特異的膜貫通型ポリペプチドに結合する分子とを備える、メラノーマ細胞の捕捉のための担体固定化分子(以下、場合により「捕捉用担体」という)も提供する。前記担体固定化分子については、上記のとおりである。
本発明の検出用試薬、捕捉用試薬、捕捉用担体は、他の標品や使用説明書と組み合わせることにより、キットとすることができる。他の標品としては、例えば、対照試薬、試料の希釈液や洗浄液等が挙げられる。また、標識された標品と組み合わせる場合には、標識の検出に必要な分子(例えば、標識が酵素である場合にはその基質等)等を含めることができる。
以下、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は当該例に限定されるものではない。
(実施例1) メラノーマ細胞に特異的に発現する遺伝子の同定
メラノーマ細胞株として、501mel、888mel、928melの3株を選択し、これらメラノーマ細胞株と健常者白血球との遺伝子発現量の違いを、次世代シーケンサーを用いて、以下の方法で解析した。
(1)メラノーマ細胞株を10%(v/v)FBS(ウシ胎児血清)を含むRPMI-1640培地を用いて、5%CO環境下37℃で培養後、0.25%トリプシン/1mM EDTAを用いて培地から細胞を剥離することでメラノーマ細胞を回収した(n=3)。
(2)前記(1)で得られたメラノーマ細胞を、RNeasy Mini Kit(QIAGEN)を用いて全RNAを回収した後、10ngの全RNAからSMART-Seq v4 Ultra Low Input RNA Kit for Sequencing(Clontech)によりcDNA合成及び増幅を行なった。また、健常者4人の血液から回収した白血球でも同様に全RNAを回収し、10ng分の全RNAからcDNAの合成及び増幅を行なった。
(3)前記(2)で得られたcDNA 1ng分を使用して、Nextera XT DNA Library Preparation Kit(Illumina)及びNextera XT v2 Index Kit Set A(Illumina)によりライブラリー調製を行ない、Next-seq500(illumina)を用いて「リード長75bp、single end read」の条件でシークエンス解析を行なうことで、一試料あたり1000万リード以上の配列を解読した。
(4)前記(3)で解読したヌクレオチド配列(シーケンスデータ)をTopHat2(JOHNS HOPKINS大学)及びBowtie2(JOHNS HOPKINS大学)を用いて、ヒトゲノム配列にマップした。なお、ヒトゲノム配列及びヒト遺伝子情報はNCBI(National Center for Biological Information)より公開されているBUILD GRCh38を使用した。マップしたヌクレオチド配列は、Cufflinks(Washington大学)により、解読した各遺伝子のリード数から、FPKM(Fragments Per Kilobase of exon per Million reads mapped)を単位とする遺伝子ごとの発現値を求めた。
(5)健常者白血球4検体4サンプルとメラノーマ細胞株3種類9サンプルについて発現比較を行なった。メラノーマ細胞株(3種類9サンプル)における発現値(FPKM値)の平均が、健常者白血球(4検体4サンプル)における発現値(FPKM値)の平均の10.00倍以上であり、かつ膜貫通型タンパク質をコードする遺伝子を表1から表6に示す。また前記遺伝子のうち、PMEL(配列番号1)をコードする遺伝子について、各サンプル毎の解析結果をそれぞれ図1に示す。なお、図1中、WBC1からWBC4は白血球の、501mel1から501mel3は501mel細胞の、888mel1から888mel3は888mel細胞の、928mel1から928mel3は928mel細胞の、それぞれの発現解析の結果である。
PMEL遺伝子(配列番号1)は、メラノーマ細胞(3種類9サンプル)における発現値(FPKM値)の平均が、白血球(4サンプル)のFPKM値の平均の6000倍以上であり、PMEL遺伝子がメラノーマ細胞特異的かつ高発現している(表1)。
メラノーマ細胞(3種類9サンプル)における発現値(FPKM値)の平均が、白血球(4サンプル)における発現値(FPKM値)の平均の10.00倍以上であり、かつ膜貫通型タンパク質以外のタンパク質をコードする遺伝子を表7から表19に示す。
以上説明したように、本発明によれば、試料中のメラノーマ細胞を、夾雑細胞と区別して検出及び/又は回収することができる、メラノーマ細胞の検出方法及び回収方法、並びに、それらの方法に用いる試薬及び担体固定化分子を提供することが可能となる。

Claims (12)

  1. 試料中における、以下の(i)から(iii)からなる群から選択される少なくとも1以上の遺伝子の発現を検出する工程を含むことを特徴とする、メラノーマ細胞の検出方法。
    (i)配列番号1~431のいずれかに記載のアミノ酸配列を少なくとも含むポリペプチドをコードする遺伝子、
    (ii)配列番号1~431のいずれかに記載のアミノ酸配列と70%以上の相同性を有するアミノ酸配列を少なくとも含むポリペプチドをコードする遺伝子、
    (iii)配列番号1~431のいずれかに記載のアミノ酸配列において、1若しくは複数個のアミノ酸が置換、欠失、挿入及び/又は付加されたアミノ酸配列を少なくとも含むポリペプチドをコードする遺伝子。
  2. 前記遺伝子の発現の検出が前記遺伝子にコードされるポリペプチドの検出であり、前記ポリペプチドの検出が、該ポリペプチドを特異的に認識する抗体又はアプタマーを用いた検出であることを特徴とする、請求項1に記載のメラノーマ細胞の検出方法。
  3. 前記試料が血液試料であることを特徴とする、請求項1又は2に記載のメラノーマ細胞の検出方法。
  4. 試料中における、以下の(iv)から(vi)からなる群から選択される少なくとも1以上のポリペプチドを検出又は捕捉してメラノーマ細胞を検出又は捕捉する工程と、検出又は捕捉された前記メラノーマ細胞を回収する工程と、
    を含むことを特徴とする、メラノーマ細胞の回収方法。
    (iv)配列番号1~128のいずれかに記載のアミノ酸配列を少なくとも含むポリペプチド、
    (v)配列番号1~128のいずれかに記載のアミノ酸配列と70%以上の相同性を有するアミノ酸配列を少なくとも含むポリペプチド、
    (vi)配列番号1~128のいずれかに記載のアミノ酸配列において、1若しくは複数個のアミノ酸が置換、欠失、挿入及び/又は付加されたアミノ酸配列を少なくとも含むポリペプチド。
  5. 前記ポリペプチドの検出又は捕捉が、該ポリペプチドを特異的に認識する抗体又はアプタマーを用いた検出又は捕捉であることを特徴とする、請求項4に記載のメラノーマ細胞の回収方法。
  6. 前記試料が血液試料であることを特徴とする、請求項4又は5に記載のメラノーマ細胞の回収方法。
  7. 以下の(i)~(iii)からなる群から選択される少なくとも1以上の遺伝子の発現産物に結合する分子を有効成分とすることを特徴とする、メラノーマ細胞の検出のための試薬。
    (i)配列番号1~431のいずれかに記載のアミノ酸配列を少なくとも含むポリペプチドをコードする遺伝子、
    (ii)配列番号1~431のいずれかに記載のアミノ酸配列と70%以上の相同性を有するアミノ酸配列を少なくとも含むポリペプチドをコードする遺伝子、
    (iii)配列番号1~431のいずれかに記載のアミノ酸配列において、1若しくは複数個のアミノ酸が置換、欠失、挿入及び/又は付加されたアミノ酸配列を少なくとも含むポリペプチドをコードする遺伝子。
  8. 前記遺伝子の発現産物に結合する分子が、前記遺伝子にコードされるポリペプチドを特異的に認識する抗体又はアプタマーであることを特徴とする、請求項7に記載の試薬。
  9. 以下の(iv)~(vi)からなる群から選択される少なくとも1以上のポリペプチドに結合する分子を有効成分とすることを特徴とする、メラノーマ細胞の検出又は捕捉のための試薬。
    (iv)配列番号1~128のいずれかに記載のアミノ酸配列を少なくとも含むポリペプチド、
    (v)配列番号1~128のいずれかに記載のアミノ酸配列と70%以上の相同性を有するアミノ酸配列を少なくとも含むポリペプチド、
    (vi)配列番号1~128のいずれかに記載のアミノ酸配列において、1若しくは複数個のアミノ酸が置換、欠失、挿入及び/又は付加されたアミノ酸配列を少なくとも含むポリペプチド。
  10. 前記ポリペプチドに結合する分子が、前記ポリペプチドを特異的に認識する抗体又はアプタマーであることを特徴とする、請求項9に記載の試薬。
  11. 以下の(iv)~(vi)からなる群から選択される少なくとも1以上のポリペプチドに結合する分子が担体に担持されてなることを特徴とする、メラノーマ細胞の捕捉のための担体固定化分子。
    (iv)配列番号1~128のいずれかに記載のアミノ酸配列を少なくとも含むポリペプチド、
    (v)配列番号1~128のいずれかに記載のアミノ酸配列と70%以上の相同性を有するアミノ酸配列を少なくとも含むポリペプチド、
    (vi)配列番号1~128のいずれかに記載のアミノ酸配列において、1若しくは複数個のアミノ酸が置換、欠失、挿入及び/又は付加されたアミノ酸配列を少なくとも含むポリペプチド。
  12. 前記ポリペプチドに結合する分子が、前記ポリペプチドを特異的に認識する抗体又はアプタマーであることを特徴とする、請求項11に記載の担体固定化分子。
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