JP2022091703A - 電動作業機 - Google Patents
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Abstract
Description
本開示は、電動作業機に関する。
特許文献1に記載の電動はさみは、制御部により制御されたモータの挙動が、トリガスイッチの操作信号が指示するモータの挙動と異なる場合に、モータを停止させている。
電動作業機を用いて行う作業は、力仕事となるため、電動作業機のモータには高トルク且つ高速回転が要求される。この要求を満たすため、モータには大きな電流が流れ、モータドライバにも大きな電流が流れる。モータドライバに含まれる半導体スイッチング素子は、モータを回転させるため、モータに流れる大きな電流をスイッチングする。その結果、モータドライバからは、大きなスイッチングノイズが発生する。
電動作業機の制御回路に実装される各部品が、モータ回転中に、このスイッチングノイズに常に曝される上、さらには、周囲環境の影響も確率的に受けるため、誤動作する可能性は否定されない。特に、多くの部品が集積したIC、とりわけ、マイクロコンピュータは、他の部品と比べ誤動作する確率が高くなる、すなわち、マイクロコンピュータにシステムエラーが発生する確率は比較的高くなる。さらには、1つ又は複数のマイクロコンピュータに、同時にシステムエラーが発生する可能性も否定されない。
システムエラーが発生したマイクロコンピュータによりモータを制御し続けると、電動作業機による作業精度が低下、例えば、作業(加工)ミスを引き起こし、被削材を廃棄する可能性がある。したがって、1つ又は複数のマイクロコンピュータにシステムエラーが発生した場合、モータを停止させることが望ましい。しかしながら、モータの停止が継続すると、作業効率が低下する。
本開示の1つの局面は、モータを制御するマイクロコンピュータにシステムエラーが発生した場合に、作業精度及び作業効率の低下を抑制可能な電動作業機を提供する。
本開示の1つの局面の電動作業機は、モータと、トリガスイッチと、先端工具と、第1のマイクロコンピュータと、第2のマイクロコンピュータと、を備える。モータは、回転力を発生するように構成される。トリガスイッチは、オンでモータを駆動させ、オフでモータを停止させるように構成される。先端工具は、回転力により駆動するように構成される。第2のマイクロコンピュータは、回転エラー検出部と、信号出力部と、を備える。回転エラー検出部は、モータの回転エラーを検出するように構成される。信号出力部は、回転エラー検出部により回転エラーが検出された場合に、第1のマイクロコンピュータへリセット信号を出力するように構成される。第1のマイクロコンピュータは、第1のトリガ検出部と、通電制御部と、を備える。第1のトリガ検出部は、トリガスイッチの状態を検出するように構成される。通電制御部は、モータの通電中にリセット信号を受信して再起動したときに、回転エラーがモータの急加速、急減速、及び速度超過のいずれかであり、且つ、第1のトリガ検出部によりトリガスイッチのオンが検出された場合には、モータへの通電を再開するように構成される。
上記電動作業機では、第1のマイクロコンピュータが誤作動して回転エラーが生じた場合には、第2のマイクロコンピュータから第1のマイクロコンピュータへリセット信号が出力されて、第1のマイクロコンピュータが再起動する。第1のマイクロコンピュータの誤作動による回転エラーが生じてから第1のマイクロコンピュータがリセット信号を受信して再起動するまでの時間は非常に短い。そのため、第1のマイクロコンピュータの再起動直後において、モータは、回転エラーが検出されたときと同じ回転速度で惰性回転している。また、再起動したときには第1のマイクロコンピュータは正常動作に復帰している。急加速、急減速及び速度超過のいずれかのエラーが発生した後、正常に動作している第1のマイクロコンピュータで、通電停止して惰性回転しているモータへの通電を直ちに再開しても、大きな反動トルクは生じない。したがって、回転エラーがモータの急加速、急減速及び速度超過のいずれかである場合には、トリガスイッチがオフになる前にモータへの通電が再開されることにより、作業精度及び作業効率の低下を抑制することができる。
信号出力部は、回転エラー検出部により検出された回転エラーの種類が急加速、急減速、及び速度超過のいずれかである場合に、リセット信号に加えて、特定エラー信号を第1のマイクロコンピュータへ出力するように構成されていてもよい。
回転エラーの種類が急加速、急減速及び速度超過のいずれかである場合には、第2のマイクロコンピュータから第1のマイクロコンピュータへ、リセット信号に加えて特定エラー信号が出力される。これにより、第1のマイクロコンピュータは、回転エラーが急加速、急減速及び速度超過のいずれかである場合には、トリガスイッチがオフになる前にモータへの通電を再開することができる。
通電制御部は、第1のマイクロコンピュータが再起動したときに、特定エラー信号を受信し、且つ、第1のトリガ検出部によりトリガスイッチのオンが検出された場合には、モータへの通電を再開するように構成されていてもよい。
第1のマイクロコンピュータは、再起動したときに、特定エラー信号を受信し、且つ、トリガイッチのオンを検出した場合には、モータへの通電を再開して、作業効率の低下を抑制することができる。
第2のマイクロコンピュータは、トリガスイッチの状態を検出するように構成された第2のトリガ検出部を更に備えてもよい。信号出力部は、リセット信号の出力を停止し、且つ、第2のトリガ検出部によりトリガスイッチのオフが検出された後に、特定エラー信号の出力を停止するように構成されていてもよい。
第1のマイクロコンピュータが再起動し、トリガスイッチのオフが検出された場合には、特定エラー信号の出力が不要になる。したがって、リセット信号の出力停止後且つトリガスイッチのオフが検出された後に、特定エラー信号の出力を停止することにより、不要な信号の出力を抑制できる。
通電制御部は、第1のマイクロコンピュータが再起動したときに、特定エラー信号を受信しておらず、且つ、第1のトリガ検出部によりトリガスイッチのオンが検出された場合には、モータへの通電を停止するように構成されていてもよい。
急加速、急減速及び速度超過以外による回転エラーとして、モータの実回転方向と設定された回転方向とが異なるエラーがある。モータが設定された回転方向と反対方向に惰性回転しているときに、第1のマイクロコンピュータが再起動してモータへの通電を再開すると、実回転方向の変化に伴う大きな反動トルクが突然生じて、作業精度が低下する。したがって、第1のマイクロコンピュータは、自身が再起動したときに特定エラー信号を受信していない場合には、モータへの通電を停止する。これにより、作業精度の低下を抑制することができる。
通電制御部は、第1のマイクロコンピュータが再起動したときに、モータの回転速度が所定値以下の場合には、モータへの通電を停止させるように構成されていてもよい。
十分に低い回転速度でのモータの惰性回転中に第1のマイクロコンピュータが再起動して、モータへの通電を再開した場合、モータが略停止した状態から突然回転速度が上昇することになる。その結果、大きな反動トルクが突然生じて、作業精度が低下する。したがって、第1のマイクロコンピュータは、自身が再起動したときにモータの回転速度が所定値以下の場合には、モータへの通電を停止する。これにより、第1のマイクロコンピュータが再起動したときに、使用者の意図なく突然回転速度が上昇することを抑制することができる。ひいては、作業精度の低下を抑制することができる。
十分に低い回転速度でのモータの惰性回転中に第1のマイクロコンピュータが再起動して、モータへの通電を再開した場合、モータが略停止した状態から突然回転速度が上昇することになる。その結果、大きな反動トルクが突然生じて、作業精度が低下する。したがって、第1のマイクロコンピュータは、自身が再起動したときにモータの回転速度が所定値以下の場合には、モータへの通電を停止する。これにより、第1のマイクロコンピュータが再起動したときに、使用者の意図なく突然回転速度が上昇することを抑制することができる。ひいては、作業精度の低下を抑制することができる。
信号出力部は、リセット信号を出力するときに、モータの回転速度が所定値以下の場合には、第2のトリガ検出部によりトリガスイッチのオフが検出されるまで、リセット信号の出力を継続するように構成されていてもよい。
第1のマイクロコンピュータは、リセット信号の出力停止後に再起動する。したがって、トリガスイッチがオフになるまでリセット信号が出力されると、第1のマイクロコンピュータは、トリガスイッチがオフになってから再起動する。すなわち、第1のマイクロコンピュータは、使用者が意図的にトリガスイッチをオフにするまで再起動しない。これにより、第1のマイクロコンピュータが再起動したときに、モータが略停止した状態から使用者の意図なく突然回転速度が上昇することを抑制できる。
上記電動作業機は、モータの回転方向を指示するように構成された方向設定部を更に備えてもよい。回転エラー検出部は、回転エラーとして、方向設定部により設定された回転方向と、モータの実回転方向との不一致を検出するように構成されていてもよい。信号出力部は、回転エラー検出部により回転エラーとして不一致が検出された場合に、特定エラー信号の出力を停止するように構成されていてもよい。
第2のマイクロコンピュータは、回転エラーとして、設定された回転方向と実回転方向との不一致を検出した場合に、特定エラー信号を出力しない。これにより、第1のマイクロコンピュータが再起動したときに、設定された回転方向と実回転方向とが異なる場合には、モータへの通電が停止される。したがって、第1のマイクロコンピュータが再起動したときに、大きな反動トルクが突然発生することを抑制し、作業精度の低下を抑制することができる。
通電制御部は、第1のマイクロコンピュータが再起動したときに、特定エラー信号を受信しておらず、且つ、第1のトリガ検出部によりトリガスイッチのオンが検出された場合には、第1のトリガ検出部により一旦トリガスイッチのオフが検出され、その後に第1のトリガ検出部によりトリガスイッチのオンが検出されるまで、モータへの通電を停止してもよい。
これにより、第1のマイクロコンピュータがシステムエラーから復帰したときに、使用者が意図しないタイミングで大きな反動トルクが発生することを抑制し、作業精度の低下を抑制することができる。
回転エラー検出部は、モータの回転加速度が加速許容値と異なる場合に、回転エラーとして急加速を検出してもよい。また、エラー検出部は、モータの回転減速度が減速許容値と異なる場合に、回転エラーとして急減速を検出してもよい。また、エラー検出部は、モータの回転速度が速度許容値と異なる場合に、回転エラーとして速度超過を検出するように構成されていてもよい。モータの急加速、急減速及び速度超過を検出して、第1のマイクロコンピュータをリセットすることができる。
第2のマイクロコンピュータは、トリガスイッチの状態を検出するように構成された第2のトリガ検出部を更に備えてもよい。回転エラー検出部は、少なくとも第2のトリガ検出部によりトリガスイッチのオンが検出されている間、回転エラーを検出するように構成されていてもよい。少なくともトリガスイッチがオンの間に回転エラーを検出することにより、モータの誤作動を検出して、第1のマイクロコンピュータをリセットすることができる。
第2のマイクロコンピュータは、モータを流れる電流の値を検出するように構成された電流検出部を更に備えてもよい。回転エラー検出部は、第1のトリガ検出部によりトリガスイッチのオンが検出され、且つ、電流検出部により検出された電流の値が0である場合に、モータの回転減速度を取得するように構成されていてもよい。
トリガスイッチがオン且つモータを駆動する電流の値が0である場合に、モータの回転減速度を取得することにより、使用者による電動作業機の取り扱いにより生じた先端工具の減速、すなわち、重負荷作業によるモータの回転減速度ではなく、第1のマイクロコンピュータのシステムエラーによる回転減速度を取得することができる。
上記電動作業機は、電力供給源からモータへの供給ラインに設けられた第1の通電回路を更に備えてもよい。第2のマイクロコンピュータは、第1の遮断部と、第2のトリガ検出部と、第1の通電部と、を備えてもよい。第1の遮断部は、回転エラー検出部により回転エラーとして不一致が検出された場合に、第1の通電回路へ第1の遮断信号を出力して第1の通電回路を遮断するように構成されていてもよい。第2のトリガ検出部は、トリガスイッチの状態を検出するように構成されてもよい。第1の通電部は、第1の遮断部によりモータへの通電が遮断された後に、第2のトリガ検出部によりトリガスイッチのオフが検出された場合に、第1の通電回路へ第1の通電信号を出力して第1の通電回路を通電させるように構成されてもよい。
モータへの通電が遮断された後、トリガスイッチのオフが検出されたことに応じて、第1の通電回路へ通電信号を出力することにより、使用者が意図しないモータの突然の通電再開を回避できる。
第1の遮断部は、第2のマイクロコンピュータに入力される電源電圧が低下した場合に、第1の通電回路へ第1の遮断信号を出力するように構成されていてもよい。何らかの理由で電源電圧が低下している場合に、第1の通電回路を遮断することができる。
上記電動作業機は、供給ラインに設けられた第2の通電回路を更に備えてもよい。第1のマイクロコンピュータは、第2の遮断部と、信号検出部と、第2の通電部と、を更に備えてもよい。第2の遮断部は、第2の通電回路へ第2の遮断信号を出力して第2の通電回路を遮断するように構成されてもよい。信号検出部は、第1の遮断部から出力された第1の遮断信号又は第1の通電部から出力された第1の通電信号を検出するように構成されてもよい。第2の通電部は、第1のマイクロコンピュータが再起動したときに、特定エラー信号を受信していない場合において、第2の遮断部により第2の通電回路が遮断された後、第1のトリガ検出部によりトリガスイッチのオフが検出され、且つ、信号検出部により第1の通電信号が検出された後、第1のトリガ検出部によりトリガスイッチのオンが検出されたことに応じて、第2の通電回路へ第2の通電信号を出力して第2の通電回路を通電させるように構成されてもよい。
第1の通電回路に遮断信号が入力されている場合に、使用者がトリガスイッチをオンに切り替え、第1のマイクロコンピュータがモータの回転を開始しようとしたとき、第1の通電回路は遮断しているため、第1のマイクロコンピュータはモータの回転を開始できず、モータの停止が継続される。これに対して、第1のマイクロコンピュータが、第1の通電回路への通電信号を検出した後に、第2の通電回路を通電することにより、第1のマイクロコンピュータがモータの回転を開始しようとした時に、モータが回転を開始しないことを抑制できる。
以下、図面を参照しながら、本開示を実施するための形態を説明する。
(第1実施形態)
<1.構成>
<1-1.全体構成>
まず、本実施形態に係る電動作業機1の全体構成について、図1及び図2を参照して説明する。本実施形態では、電動作業機1の一つである草刈機を例に挙げて説明する。
(第1実施形態)
<1.構成>
<1-1.全体構成>
まず、本実施形態に係る電動作業機1の全体構成について、図1及び図2を参照して説明する。本実施形態では、電動作業機1の一つである草刈機を例に挙げて説明する。
電動作業機1は、メインパイプ2と、制御ユニット3と、駆動ユニット4と、ハンドル8と、を備える。制御ユニット3は、メインパイプ2の後端側に設けられている。駆動ユニット4は、メインパイプ2の前端側に設けられている。
制御ユニット3は、コントローラを内蔵する。制御ユニット3の後端面には、バッテリパック400が装着される。バッテリパック400は、マルチプロセッサユニットと、後述するバッテリ300とを含む。バッテリ300は、直列接続された複数のバッテリセルを有する、例えば、リチウムイオンバッテリである。
また、制御ユニット3には、主電源スイッチ11、第1表示部15、及び第2表示部16が設けられている。主電源スイッチ11は、電動作業機1を使用可能な状態にするためのスイッチである。使用者が主電源スイッチ11をオンにすると、バッテリ300から制御ユニット3へ電源が供給される。第1表示部15は、1つ又は複数のLEDを有し、1つ又は複数のLEDを点灯、点滅、消滅させて、電動作業機1が使用可能な状態かどうかを報知する。第2表示部16は、1つ又は複数のLEDを有し、1つ又は複数のLEDを点灯、点滅、消灯させて、バッテリ300の状態、具体的には、充電容量の低下、過温状態、過電流状態等を報知する。
駆動ユニット4は、モータハウジング18と、刈刃17とを備える。刈刃17は、草や小径木などの刈り取り対象物を刈り取るための円板状の刃であり、モータハウジング18に対して着脱可能に構成されている。モータハウジング18は、内部に後述するモータ40を備える。モータ40は、刈刃17を回転させるための回転力を発生する。本実施形態では、刈刃17が本開示の先端工具の一例に相当する。
ハンドル8は、U字状に形成されており、メインパイプ2の長さ方向における略中間位置でメインパイプ2に接続されている。ハンドル8の右側には、使用者が右手で操作可能な各種の操作部が設けられている。各種の操作部は、トリガスイッチ240、正逆転スイッチ260等を含む。トリガスイッチ240は、使用者により、刈刃17の回転を指示するために引かれ(すなわち、トリガスイッチ240がオンされ)、刈刃17の停止を指示するために離される(すなわち、トリガスイッチ240がオフされる)。正逆転スイッチ260は、モータ40の回転方向を正回転方向及び逆回転方向のいずれかに切り替えるためのスイッチである。各種の操作部は、制御配線パイプ13を介して制御ユニット3に接続されている。
なお、電動作業機1は、草刈機に限らない。電動作業機1は、モータ40と、モータ40の回転力を受けて駆動する先端工具とを備える作業機であれば特に限定されない。電動作業機1は、草刈機以外の園芸工具でもよいし、電動工具でもよい。草刈機以外の園芸工具としては、例えば、ヘッジトリマ、電動チェンソー等が挙げられる。例えば、グラインダ、電動のこぎり、電動チェンソー等が挙げられる。電動工具としては、グラインダ、電動のこぎり、ドライバドリル等が挙げられる。
<1-2.電気的構成>
次に、電動作業機1の電気的構成について、図2を参照して説明する。
電動作業機1は、メインマイクロコンピュータ(以下、メインマイコン)30と、監視マイクロコンピュータ(以下、監視マイコン)60と、モータ40と、位置センサ41と、モータドライバ42と、電流検出回路43と、過電流検出ラッチ回路44と、を備える。
次に、電動作業機1の電気的構成について、図2を参照して説明する。
電動作業機1は、メインマイクロコンピュータ(以下、メインマイコン)30と、監視マイクロコンピュータ(以下、監視マイコン)60と、モータ40と、位置センサ41と、モータドライバ42と、電流検出回路43と、過電流検出ラッチ回路44と、を備える。
さらに、電動作業機1は、チャージポンプ回路34と、ブーストコンバータ35と、電圧保証回路36と、レギュレータ37と、第1スイッチ38と、第2スイッチ39と、バッテリ電圧検出回路52と、温度検出回路51と、サージキラーコンデンサ53と、ハイサイドドライバ54と、第3スイッチ55と、トリガスイッチ240と、正逆転スイッチ260と、信号端子270と、を備える。
メインマイコン30は、CPU30aと、メモリ30bと、I/O等を備える。メモリ30bは、ROM、RAMやレジスタ等を含む。メインマイコン30は、CPU30aがメモリ30bに記憶されている各種プログラムを実行することにより、モータ40の回転制御処理を実行する。回転制御処理の詳細は後述する。本実施形態では、メインマイコン30が、本開示の第1のマイクロコンピュータの一例に相当する。
また、メインマイコン30は、第2スイッチ39をオン又はオフにし、リセット中のメインマイコン30によって、第2スイッチ39はオフになる。
監視マイコン60は、CPU60aと、メモリ60bと、ウォッチドッグタイマ(以下、WDT)65と、I/O等を備える。メモリ60bは、ROM、RAMやレジスタ等を含む。監視マイコン60は、CPU60aがメモリ60bに記憶されている各種プログラムを実行することにより、モータ40の動作の監視処理を実行する。監視処理の詳細は後述する。WDT65は、CPU60aとは独立したタイマである。本実施形態では、監視マイコン60が、本開示の第2のマイクロコンピュータの一例に相当する。
監視マイコン60は、CPU60aと、メモリ60bと、ウォッチドッグタイマ(以下、WDT)65と、I/O等を備える。メモリ60bは、ROM、RAMやレジスタ等を含む。監視マイコン60は、CPU60aがメモリ60bに記憶されている各種プログラムを実行することにより、モータ40の動作の監視処理を実行する。監視処理の詳細は後述する。WDT65は、CPU60aとは独立したタイマである。本実施形態では、監視マイコン60が、本開示の第2のマイクロコンピュータの一例に相当する。
また、監視マイコン60が出力する信号が、ハイサイドドライバ54に入力され、ハイサイドドライバ54は、監視マイコン60から入力される信号に応じて、第3スイッチ55をオン又はオフにする。リセット中の監視マイコン60から、ハイサイドドライバ54に入力される信号は、第3スイッチ55をオフにする。
また、監視マイコン60が出力するリセット信号によってメインマイコン30がリセットされるが、リセット中の監視マイコン60はリセット信号を出力できず、メインマイコン30をリセットできない。
モータ40は、3相(すなわち、U相、V相、W相)のブラシレスモータである。
モータドライバ42は、3相のフルブリッジ回路であり、ハイサイドに設けられた3個のスイッチング素子と、ローサイドに設けられた3個のスイッチング素子とを有する。モータドライバ42は、バッテリ300からモータ40へ電力を供給する供給経路に設けられている。モータドライバ42に含まれる6個のスイッチング素子は、メインマイコン30から出力される制御信号によって、オン又はオフする。スイッチング素子は、例えば、電解効果トランジスタである。本実施形態では、モータドライバ42が本開示の第2の通電回路の一例に相当する。
モータドライバ42は、3相のフルブリッジ回路であり、ハイサイドに設けられた3個のスイッチング素子と、ローサイドに設けられた3個のスイッチング素子とを有する。モータドライバ42は、バッテリ300からモータ40へ電力を供給する供給経路に設けられている。モータドライバ42に含まれる6個のスイッチング素子は、メインマイコン30から出力される制御信号によって、オン又はオフする。スイッチング素子は、例えば、電解効果トランジスタである。本実施形態では、モータドライバ42が本開示の第2の通電回路の一例に相当する。
位置センサ41は、モータ40のロータの位置を検出するセンサである。位置センサ41は、3個のホールICを有する。3個のホールICは、U相、V相、W相のステータの巻線のそれぞれに対応する位置に設置されている。位置センサ41は、ロータの磁極がS極からN極又はN極からS極に変化したことを、3個のホールセンサがそれぞれ検出し、それぞれ出力される位置信号をメインマイコン30及び監視マイコン60へ出力する。
この位置信号から、ロータの位置に応じた制御信号が生成される。位置信号には、出力元のホールICを特定する情報、すなわち、U相、V相、W相のいずれの相のホールICから出力されたかを特定する情報と、出力された信号の向きが含まれる。また、位置信号から、モータ40の回転速度、回転加速度、回転減速度、回転方向が算出される。
ここで、U相、V相、W相のホールICから出力される信号の内、少なくとも1つの相の信号があれば、モータ40の回転速度、回転加速度、回転減速度、を算出することができ、少なくとも2つの相の信号があれば回転方向も算出することができる。
電流検出回路43は、モータドライバ42から流れ出る電流の値、すなわち、モータ40を駆動する駆動電流の値(以下、駆動電流値)を検出する。そして、電流検出回路43は、検出した駆動電流値をメインマイコン30、監視マイコン60及び過電流検出ラッチ回路44へ出力する。電流検出回路43から出力される駆動電流値はアナログ信号である。
レギュレータ37は、バッテリ300に電力供給経路L1及び第1スイッチ38を介して接続されている。レギュレータ37は、バッテリ300から供給された電力から所定電圧の電源を生成し、その電源に接続される電動作業機1の各回路へ供給する。本実施形態では、所定電圧は5Vである。
電圧保証回路36は、レギュレータ37が生成し出力した電源電圧の値が、電源電圧の公差範囲内の下限値又は上限値から外れた場合に、回路動作が停止すること、つまり、モータ40が停止することを保証する。レギュレータ37の出力する所定電圧と接続される各部品の入力電圧の値が、上限値(例えば、絶対最大定格電圧)を超えると、耐圧を超えた部品が故障する可能性がある。部品故障した場合、その後の電動作業機1の挙動やモータ40の回転動作がどうなるのか、予測できない場合がある。
また、各部品に印加される電圧の値が下限値(例えば、最低動作保証電圧)を下回ると、低電圧で部品故障する可能性はないが、意図した動作ができなくなる可能性がある。例えば、アナログ値をデジタル値にAD変換する場合に、アナログ値と大小比較するために必要な基準電圧は、電源電圧の低下に従って基準電圧も低下する。従って、比較元の基準電圧そのものが変化するため、入力されたアナログ信号が正しいデジタル値に変換できない可能性がある。
そのため、電圧保証回路36は、レギュレータ37から出力される電源電圧が、上限値を超える場合は、各部品へ電源供給されないように構成し、下限値を下回る場合は、電動作業機1の動作が停止するように、監視マイコン60へリセット信号を出力するように構成される。本実施形態では、下限値は4.5Vであり、上限値は5.5Vである。
電圧保証回路36は、第1の保証回路36aと、第2の保証回路36bとを有する。第1の保証回路36aは、レギュレータ37が出力する電源電圧が上限電圧を超えるかどうか直接監視し、電源電圧の値が上限値を超えることを抑制する。具体的には、第1の保証回路36aは、電源電圧の値が上限値に達すると同時に、第1スイッチ38をオフに切り替えて、バッテリ300からレギュレータ37へ電力を供給する電力供給経路L1を遮断する。これにより、電源電圧の値が上限値を超えることがなく、各部品が耐圧超過故障することなく、予測できない製品動作の発生を防ぐことができる。さらに、電力供給経路L1からレギュレータ37が遮断されることから、メインマイコン30や監視マイコン60含む制御回路への電源供給も遮断されるため、モータ40は回転できなくなる。
第2の保証回路36bは、レギュレータ37が出力した電源電圧が下限電圧を下回るかどうか、第2スイッチ39を介して監視する。第2の保証回路36bは、第2スイッチ39がオンの状態において、電源電圧の値が下限値を下回ったと同時に、モータ40への通電を遮断する。具体的には、第2の保証回路36bは、電源電圧の値が下限値を下回っている間、監視マイコン60へリセット信号を出力し続ける。
ここで、第2スイッチ39は、後述するアクティブモードではオン、スリープモードではオフに切り替える。また、第2スイッチ39の入力は、レギュレータ37が出力する電源電圧に接続され、第2スイッチ39の出力は、監視マイコン60の電源入力端子等に接続される。すなわち、第2の保証回路36bは、第2スイッチ39の出力電圧が下限電圧を下回るかどうかを監視する。
アクティブモードのときは、第2スイッチ39の出力電圧を監視することは、レギュレータ37が出力した電源電圧を直接監視することと実質的に同じである。スリープモードのときは、電源電圧は遮断され、第2スイッチ39の出力電圧は低下するため、第2の保証回路36bは、監視マイコン60へリセット信号を出力する。つまり、スリープモード中は、レギュレータ37の出力する電源電圧が下限電圧を下回るかどうか、監視されない。
スリープモード中は、モータ40が回転することがなく、モータ40の回転制御によるノイズも発生しないため、レギュレータ37が誤動作するなどして電源電圧が変動する可能性は比較的低い。また、スリープモード中において、モータ40は回転できないため、電源電圧が低下したとしても作業精度に影響することはない。したがって、スリープモード中では、メインマイコン30に内蔵される簡易的な低電圧監視機能で代用できる。簡易的な低電圧監視機能は、第2の保証回路36bと同等の機能を有する。さらに、スリープモード中では、第2の保証回路36bに流れる電流を遮断することから、消費電流を削減することができる。
これに対し、スリープモード中に何らかの理由で電源電圧が上昇した場合は、スリープモード中であっても電源に接続される部品が過電圧故障する可能性を否定できない。部品故障した場合、その後の電動作業機1の使用で作業精度が低下する恐れがある。従って、スリープモード中であっても、第1の保証回路36aは電源電圧の監視を継続する。
また、第2スイッチ39がオフに切り替わってから、すぐに監視マイコンの電源電圧が低下しないように、第2スイッチ39の出力端子には、コンデンサ39aが接続されている。
従って、第2スイッチ39がオフに切り替わってから、所定時間経過した後に、第2の保証回路36bは、監視マイコン60へリセット信号を出力する。すなわち、第2スイッチ39がオフに切り替わってから所定時間経過するまで、監視マイコン60は動作することができる。
さらに、監視マイコン60は、監視マイコン60のリセット中において、第3スイッチ55がオフとなるように、ハイサイドドライバ54へ遮断信号が出力されるように構成される。従って、監視マイコン60がリセット状態にある場合、監視マイコン60によって、第3スイッチ55がオフにされるため、モータドライバ42は通電されず、モータ40は回転できなくなる。
ブーストコンバータ35は、レギュレータ37により生成された電源電圧の値を昇圧する。本実施形態では、ブーストコンバータ35は、5Vの電圧を15Vに昇圧する。昇圧電圧は、モータドライバ42の電源として供給するとともに、チャージポンプ回路34の電源としても供給する。
チャージポンプ回路34は、バッテリ電圧と昇圧電圧が入力される。チャージポンプ回路34は、入力されたバッテリ電圧に、昇圧電圧を重畳する。つまり、バッテリ電圧より高い電圧を作成し、ハイサイドドライバ54の2次側電源として供給する。
トリガスイッチ240は、第1のトリガ回路240aと、第2のトリガ回路240bと、を備える。第1のトリガ回路240aは、信号接点で構成され、トリガスイッチ240の操作に連動して、信号接点が開閉する。よって、第1のトリガ回路240aが出力する第1のトリガ信号は、トリガスイッチ240がオンかオフかに応じて変化する。第1のトリガ回路240aは、メインマイコン30、監視マイコン60、ハイサイドドライバ54、及び、過電流検出ラッチ回路44へ、第1のトリガ信号を出力する。
第2のトリガ回路240bは、摺動抵抗器を有し、トリガスイッチ240の操作に連動して、摺動抵抗器の抵抗値が連続して変化する。また、第2のトリガ回路240bの摺動抵抗器の抵抗値は、トリガスイッチ240のオンの位置(すなわち、モータ40を回転開始させるトリガスイッチ240の引き始めの位置から、全速回転となるトリガスイッチ240の引き終わりの位置まで)とオフの位置(すなわち、モータ40を停止させる解放位置)で、異なる抵抗値となる。
また、トリガスイッチ240の引き量に応じて連続して変化する抵抗値は、モータ40の回転速度の速度指令値に相当する。 第2のトリガ回路240bは、メインマイコン30へ、摺動抵抗器の抵抗値に応じた第2のトリガ操作信号を出力する。第2のトリガ操作信号はアナログ信号である。
また、第2のトリガ回路240bは、トリガスイッチ240がオンの位置とオフの位置にあるとき、その位置に応じたアナログ値を出力する。すなわち、オンの位置で出力するアナログ値と、オフの位置で出力するアナログ値は異なるため、メインマイコン30は入力されるアナログ信号から、第2のトリガ回路240bのオンの位置とオフの位置を判別することができる。
ここで、トリガスイッチ240を引き始め、第2のトリガ回路240bのオン信号出力開始位置(すなわち、モータ40を回転開始させる位置)に達した時のトリガスイッチ240の引き量より、第1のトリガ回路240aのオン信号出力開始位置(すなわち、信号接点がオンに変化した位置)に達した時の引き量の方が大きい。
つまり、トリガスイッチ240を引き始めると、第2のトリガ回路240bからモータ40を回転開始させる微速信号が先に出力され、次に、第1のトリガ回路240aがオン出力となる。
これによって、第1のトリガ回路240aがオン出力した時には、すでに第2のトリガ回路240bからモータ40を回転開始させる微速信号が出力されていることから、第1のトリガ回路240aのオンと同時にモータ40を始動することができる。
また、トリガスイッチ240が引かれた状態から引き戻し始め、第2のトリガ回路240bのオフ信号出力開始位置(すなわち、モータ40を停止させる位置)に達した時のトリガスイッチ240の引き量より、第1のトリガ回路240aのオフ信号出力開始位置(すなわち、信号接点がオフに変化した位置)に達した時の引き量の方が小さい。
つまり、トリガスイッチ240の引き量を戻すと、第2のトリガ回路240bからモータ40を停止させる信号が先に出力され、次に、第1のトリガ回路240aがオフ出力となる。
これによって、メインマイコン30に、第1のトリガ回路240aから入力される第1のトリガ信号をオンと判定した時には、第2のトリガ回路240bから入力される第2のトリガ操作信号は既にオン状態を示す値にあり、第1のトリガ信号をオフと判定した時には、第2のトリガ操作信号は既にオフ状態を示す値にある。
本実施形態では、第1のトリガ回路240aから入力される第1のトリガ信号のオンオフ判定値と、第2のトリガ回路240bから入力される第2のトリガ操作信号のオンオフ判定値の一致によって、トリガスイッチ240から入力されるトリガ信号の信頼性が確認される。
正逆転スイッチ260は、使用者により、モータ40の回転方向を指示するために操作される。回転方向は、正回転方向又は逆回転方向である。モータ40の回転方向が変化すると、ノコ刃230の回転方向も変化する。正逆転スイッチ260は、第1の正逆転回路260aと、第2の正逆転回路260bとを備える。第1の正逆転回路260aは、メインマイコン30及び監視マイコン60へ、正逆転スイッチ260により指示された回転方向を示す第1の回転方向信号を出力する。第2の正逆転回路260bは、メインマイコン30へ第2の回転方向信号を出力する。本実施形態では、第1の回転方向信号と第2の回路方向信号の一致によって、正逆転スイッチ260の操作信号の信頼性が確認される。
信号端子270は、バッテリ300が備えるバッテリ信号端子に接続される。バッテリ300は、バッテリ300が放電不可能な状態である場合に、信号端子270を介してメインマイコン30へ、放電禁止信号を送信する。放電不可能な状態は、例えば、過放電状態、過熱状態などである。また、バッテリ300は、バッテリ300が放電可能な状態である場合に、信号端子270を介してメインマイコン30へ、放電許可信号を送信する。
第2スイッチ39は、レギュレータ37から監視マイコン60への電源の供給経路に設けられている。第2スイッチ39は、メインマイコン30によりオン又はオフにされる。メインマイコン30は、トリガスイッチ240のオフ状態が所定期間継続した場合、つまり、電動作業機1が所定期間使用されない場合に、消費電力を抑制するために、スリープモードに入る。メインマイコン30は、スリープモードに入る場合に、第2スイッチ39をオフに切り替えて、電動作業機1が使用されない期間に、レギュレータ37から監視マイコン60等の、作動させる必要がない回路への電源供給経路を遮断しバッテリ300の残留エネルギー消費を抑制する。
第2スイッチ39の入力端子は、レギュレータ37が出力する電源電圧に接続され、第2スイッチ39の出力端子は、コンデンサ39aと監視マイコン60の電源入力端子等に接続される。
コンデンサ39aは、第2スイッチ39の出力端子とGNDとの間に接続される。コンデンサ39aの静電容量は、第2スイッチ39がオフに切り替わった後、所定時間、監視マイコンが動作できる値に設定する。
サージキラーコンデンサ53は、バッテリ300からモータドライバ42への電力供給経路L2に設けられている。サージキラーコンデンサ53は、サージ電圧と、モータ40の回転制御に不具合が生じた時に発生する回生電流を吸収する。
第3スイッチ55は、バッテリ300からモータドライバ42への電力供給経路L2に設けられている。具体的には、サージキラーコンデンサ53とバッテリ300との間に設けられている。本実施形態では、第3スイッチ55が、本開示の第1の通電回路の一例に相当する。
ハイサイドドライバ54は、第3スイッチ55のオン又はオフを切り替える回路である。ハイサイドドライバ54は、監視マイコン60と、過電流検出ラッチ回路44と、第1のトリガ回路240aが、それぞれ出力した通電信号、又は、遮断信号に基づいて、第3スイッチ55をオン又はオフする。監視マイコン60は、生成した通電信号また遮断信号をハイサイドドライバ54及びメインマイコン30へ出力する。第3スイッチ55がオンの場合には、バッテリ300からモータドライバ42までの電力供給経路L2が導通し、第3スイッチ55がオフの場合には、電力供給経路L2が遮断される。
また、ハイサイドドライバ54へ入力される電源電圧が、ハイサイドドライバ54の動作保証電圧より低下した場合は、ハイサイドドライバ54へ入力される信号が全て通電信号であっても、ハイサイドドライバ54は、第3スイッチ55をオフする。
温度検出回路51は、モータドライバ42に含まれるスイッチング素子の温度を検出する。温度検出回路51は、第1の温度検出回路51aと第2の温度検出回路51bとを含む。第1の温度検出回路51a及び第2の温度検出回路51bは、温度センサとして例えばサーミスタを有する。第1の温度検出回路51a及び第2の温度検出回路51bは、それぞれ、モータドライバ42内で同じ温度となる場所(例えば、U相とV相のハイサイドスイッチング素子との間と、V相とW相のそれとの間)の温度を検出し、第1の温度検出信号及び第2の温度検出信号をメインマイコン30へ出力する。本実施形態では、第1の温度検出信号と、第2の温度信号の一致によって、温度検出回路51の温度検出信号の信頼性が確認される。
バッテリ電圧検出回路52は、バッテリ300からサージキラーコンデンサ53を介して出力される電圧値(以下、バッテリ電圧値)を検出する。バッテリ電圧検出回路52は、第1の電圧検出回路52aと、第2の電圧検出回路52bとを含む。第1の電圧検出回路52aは、ピークホールド回路を含み、バッテリ電圧値の最大値を検出する。すなわち、第1の電圧検出回路52aは、サージキラーコンデンサ53で吸収できなかったサージ電圧が重畳したバッテリ電圧値を検出する。第2の電圧検出回路52bは、平均化したバッテリ電圧値を検出する。よって、第2の電圧検出回路52bにより検出されるバッテリ電圧値は、サージ電圧の影響をほとんど受けていない。第1の電圧検出回路52aは、第1の電圧検出信号をメインマイコン30へ出力する。第2の電圧検出回路52bは、第2の電圧検出信号をメインマイコン30へ出力する。本実施形態では、モータ40停止時の第1の電圧検出信号と、第2の電圧検出信号の一致によって、バッテリ電圧検出回路52のバッテリ電圧検出信号の信頼性が確認される。
メインマイコン30は、電流検出回路43から入力された駆動電流値に基づいて、過電流状態を判定し、過電流状態であると判定した場合に、モータドライバ42に遮断状態(すなわち、3個のハイサイドスイッチング素子をオフ、又は、3個のローサイドスイッチング素子をオフ)となる制御信号を出力して、モータ40を停止させる。しかし、メインマイコン30にシステムエラーが発生している場合はこの限りではない。
ここで、過電流検出ラッチ回路44は、電流検出回路43から入力された駆動電流値に基づいて、過電流状態であると判定した場合に、モータドライバ42への通電を遮断するための遮断信号をハイサイドドライバ54とメインマイコン30へ出力する。つまり、過電流検出ラッチ回路44は、メインマイコン30の動作とは無関係に、モータドライバ42への通電を遮断することができる。
ここで、過電流検出回路44aは、電流検出回路43から入力された駆動電流値に基づいて、過電流状態を検出し過電流信号をラッチ回路44bに出力する回路である。さらに、ラッチ回路44bは、入力された過電流信号に基づきハイサイドドライバ54とメインマイコン30へ遮断信号を出力する。ラッチ回路44bは、遮断信号の出力と同時に、使用者がトリガスイッチ240をオフにするまで、出力している遮断信号を維持する回路である。
また、過電流検出ラッチ回路44へ入力される電源電圧が、過電流検出ラッチ回路44の動作保証電圧より低下した場合、ラッチ回路44bは遮断信号を出力する。
過電流検出ラッチ回路44は、次のような状況で作動する。
過電流検出ラッチ回路44は、次のような状況で作動する。
メインマイコン30に、回転制御動作が継続するようなシステムエラーが発生し、メインマイコン30ではモータ40を停止させられない状態に陥っている時に、使用者が重負荷作業を行い、過電流が発生する場合があり得る。
この時、過電流が発生しても、メインマイコン30はモータ40を停止させることはできないが、代わりに、過電流検出回路44aがモータ40への通電を遮断する(すなわち、モータ40が停止する)ことができ、過電流が原因となり発生する不具合を未然に防ぐことができる。
さらに、ラッチ回路44bによって、使用者がトリガスイッチ240をオフにするまで、モータ40は再起動できない。その後、トリガスイッチ240をオフにしてラッチ状態が解除されたとしても、トリガスイッチ240はオフのため、ハイサイドドライバ54には遮断信号が入力され続けるため、モータ40は停止したままとなる。
つまり、電動作業機1が過電流によって停止した後、使用者がトリガスイッチ240を再びオンにするまで(すなわち、回転を再開させるための操作を、使用者が行ったことが確認できるまで)、モータ40が不意に回転することなく、停止状態が維持することができる。
<2.処理>
<2-1.メインマイコン処理>
次に、メインマイコン30が実行する回転制御処理について、図3A及び図3Bを参照して説明する。メインマイコン30は、電動作業機1にバッテリ300が接続された時、又は、メインマイコン30のリセット状態が解除された時に、本処理を開始する。
<2-1.メインマイコン処理>
次に、メインマイコン30が実行する回転制御処理について、図3A及び図3Bを参照して説明する。メインマイコン30は、電動作業機1にバッテリ300が接続された時、又は、メインマイコン30のリセット状態が解除された時に、本処理を開始する。
まず、S10では、初期化を実行する。具体的には、メインマイコン30は、RAM及び/又はレジスタを初期化し、アクティブモードへ移行する。メインマイコン30がアクティブモードになることで、監視マイコン60への電源供給が開始されるとともに、モータドライバ42への電源供給が可能になる。
続いて、S20では、モータ40を非励磁状態にする制御信号を、モータドライバ42へ出力する。すなわち、モータドライバ42の6個のスイッチング素子をオフにする制御信号を出力して、モータ40の巻線に流れる駆動電流を0にする。
続いて、S30では、第1のトリガ回路240aから入力される第1のトリガ信号に基づいて、トリガスイッチ240がオフか否か判定する。トリガスイッチ240がオフであると判定した場合は、S40の処理へ進む。トリガスイッチ240がオンであると判定した場合は、オフであると判定するまで、S30の処理を繰り返し実行する。
これは、バッテリ300接続時に、何らかの理由でトリガスイッチ240がオンの位置にあった場合、すなわち、使用者がトリガ操作しなくてもオンとなっている場合に、モータ40を回転させないためである。
メインマイコン30は、電動作業機1にバッテリ300を接続後、トリガスイッチ240がオフの位置にあることを検出した後に、オンの位置までトリガ操作されなければ、モータ40を回転させない。つまり、使用者がトリガスイッチ240をオンの位置まで操作したことを確認できなければ、モータ40の回転を開始しない。
続いて、S40~S90では、セルフチェックを実行する。
電動作業機1の動作を制御する複数の制御回路の内、故障すると作業精度に影響する制御回路がある。従って、電動作業機1の使用が開始される前のこのタイミングで、故障すると作業精度に影響する制御回路のセルフチェック(すなわち、故障診断)を行う。
電動作業機1の動作を制御する複数の制御回路の内、故障すると作業精度に影響する制御回路がある。従って、電動作業機1の使用が開始される前のこのタイミングで、故障すると作業精度に影響する制御回路のセルフチェック(すなわち、故障診断)を行う。
制御回路の故障が頻繁に発生するとは考えられないので、バッテリ300が接続され、モータ40を回転させる前に、1回セルフチェックを行う。その後、バッテリ300が抜かれるまでこのセルフチェックは行わない。
セルフチェックでエラーを検出した後は、作業精度を低下させないため、モータ40を回転させない。
まず、S40では、監視マイコン60による通電許可をチェックする。詳しくは、第3スイッチ55をオンにするため、監視マイコン60により生成された信号が、通電信号か否か判定する。第3スイッチ55をオフにする遮断信号が、所定時間継続している場合は、監視マイコンに何らかの異常が発生したと判断し、監視マイコンエラーフラグをセットにする。
まず、S40では、監視マイコン60による通電許可をチェックする。詳しくは、第3スイッチ55をオンにするため、監視マイコン60により生成された信号が、通電信号か否か判定する。第3スイッチ55をオフにする遮断信号が、所定時間継続している場合は、監視マイコンに何らかの異常が発生したと判断し、監視マイコンエラーフラグをセットにする。
続いて、S50では、第2のトリガ回路240bの天絡及び地絡をチェックする。
ここで、トリガスイッチ240を操作しない状態から、トリガスイッチ240を完全に引いた状態まで、第2のトリガ回路240bから入力される第2のトリガ操作信号の電圧範囲は、電源電圧より低い値からGNDより高い値までが正常な電圧範囲となる。
ここで、トリガスイッチ240を操作しない状態から、トリガスイッチ240を完全に引いた状態まで、第2のトリガ回路240bから入力される第2のトリガ操作信号の電圧範囲は、電源電圧より低い値からGNDより高い値までが正常な電圧範囲となる。
従って、第2のトリガ操作信号が正常な電圧範囲よりも小さい場合には、第2のトリガ操作信号とGND間が短絡(地絡)する異常が発生したと判断し、地絡エラーフラグをセットする。また、第2のトリガ操作信号が正常な電圧範囲よりも大きい場合には、第2のトリガ操作信号と電源電圧間が短絡(天絡)する異常が発生したと判断し、天絡エラーフラグをセットする。
続いて、S60では、正逆転スイッチ260の論理をチェックする。具体的には、第1の正逆転回路260aから出力される第1の回転方向信号が、第2の正逆転回路260bから出力される第2の回転方向信号と一致するかチェックする。2つの回転方向信号が示す回転方向が一致しない場合には、何らかの異常が発生したと判断し、回転方向論理エラーフラグをセットする。
続いて、S70では、バッテリ電圧をチェックする。具体的には、第1の電圧検出信号が、正常範囲から外れている場合には、第1の電圧検出信号が、電源電圧と短絡(天絡)又はGNDと短絡(地絡)する異常が発生したと判断し、サージ電圧天地絡エラーフラグをセットする。同様に、第2の電圧検出信号が、正常範囲から外れている場合には、第2の電圧検出信号が天絡又は地絡する異常が発生したと判断し、バッテリ電圧天地絡エラーフラグをセットする。
また、モータ40が停止しているときは、サージ電圧が発生しないため、第1の電圧検出信号は第2の電圧検出信号と略一致する。S70ではモータ40が停止しているため、第1の電圧検出信号と第2の電圧検出信号の一致確認をすることができる。よって、第1の電圧値検出信号と第2の電圧値信号との差分を算出し、その差分が所定値を超える場合には、何らかの異常が発生したと判断し、バッテリ電圧論理エラーフラグをセットする。
続いて、S80では、温度をチェックする。具体的には、第1の温度検出信号が、正常範囲から外れている場合には、第1の温度検出信号が、電源電圧と短絡(天絡)又はGNDと短絡(地絡)する異常が発生したと判断し、第1温度天地絡エラーフラグをセットする。同様に、第2の温度検出信号が、正常範囲から外れている場合には、第2の温度検出信号が天絡又は地絡する異常が発生したと判断し、第2温度天地絡エラーフラグをセットする。また、第1の温度検出信号が第2の温度検出信号と一致しない場合には、何らかの異常が発生したと判断し、温度論理エラーフラグをセットする。
続いて、S90では、電流検出回路43をチェックする。具体的には、電流検出回路43の測定条件を変化させた時、駆動電流値が変化条件に基づいた所定の値に変化するか否かチェックする。駆動電流値が所定の値に変化しない場合は、何らかの異常が発生したと判断し、電流検出回路エラーフラグをセットする。
続いて、S95では、エラーフラグの有無を確認する。
具体的には、監視マイコンエラーフラグ、地絡エラーフラグ、天絡エラーフラグ、回転方向論理エラーフラグ、サージ電圧天地絡エラーフラグ、バッテリ電圧天地絡エラーフラグ、バッテリ電圧論理エラーフラグ、第1温度天地絡エラーフラグ、第2温度天地絡エラーフラグ、温度論理エラーフラグ、電流検出回路エラーフラグのうちの少なくとも1つがセットされているか否か判定する。すべてのエラーフラグがセットされていない場合には、セルフチェックを終了しS100の処理へ進む。一方、少なくとも一つのエラーフラグがセットされている場合には、エラーを表示させて処理を終了する。具体的には、第1表示部15のLEDを点灯又は点滅させて処理を終了する。すなわち、エラーフラグを検出した後は、モータ40の回転処理に移行せず、作業精度の低下を抑止する。
具体的には、監視マイコンエラーフラグ、地絡エラーフラグ、天絡エラーフラグ、回転方向論理エラーフラグ、サージ電圧天地絡エラーフラグ、バッテリ電圧天地絡エラーフラグ、バッテリ電圧論理エラーフラグ、第1温度天地絡エラーフラグ、第2温度天地絡エラーフラグ、温度論理エラーフラグ、電流検出回路エラーフラグのうちの少なくとも1つがセットされているか否か判定する。すべてのエラーフラグがセットされていない場合には、セルフチェックを終了しS100の処理へ進む。一方、少なくとも一つのエラーフラグがセットされている場合には、エラーを表示させて処理を終了する。具体的には、第1表示部15のLEDを点灯又は点滅させて処理を終了する。すなわち、エラーフラグを検出した後は、モータ40の回転処理に移行せず、作業精度の低下を抑止する。
続いて、S100では、第1のトリガ回路240aから入力される第1のトリガ信号に基づいて、トリガスイッチ240がオフか否か判定する。トリガスイッチ240がオフであると判定した場合は、S110の処理へ進む。トリガスイッチ240がオンであると判定した場合は、オフであると判定するまで、S100の処理を繰り返し実行する。
続いて、S110では、トリガスイッチ240のオフ状態が所定期間継続しているか否か判定する。S110において、オフ状態が所定期間継続していると判定した場合、すなわち、使用者がトリガオフしてからの時間が長く、再びトリガオンされる可能性が低い場合は、S120の処理へ進む。オフ状態が所定期間継続していないと判定した場合、すなわち、使用者がトリガオフしてからの時間が短く、再びトリガオンされる可能性が高い場合は、S180の処理へ進む。
S120では、トリガスイッチ240のオフ状態をセルフチェックする。つまり、第1のトリガ回路240aから入力される第1のトリガ信号がオフであることと、第2のトリガ回路240bから入力される第2のトリガ操作信号がオフ状態を示す値であることを確認する。
ここで、第2のトリガ回路240bから入力される第2のトリガ操作信号はアナログ信号であり、そのアナログ信号をメインマイコン30に入力する時には、十分なSN比を確保するため、フィルタリングしなければならない。つまり、メインマイコン30に入力するアナログ信号には、第2のトリガ回路240bが出力したアナログ信号に対し、必ず応答遅れ時間が存在する。
S120を実行するタイミングは、応答遅れ時間よりも十分に長い間トリガスイッチ240が操作されていない、すなわち、第2のトリガ操作信号が変化していないタイミングであることから、メインマイコン30に入力されるフィルタリングされたアナログ信号と、第2のトリガ回路240bが出力したフィルタリングされていないアナログ信号とは、同じ値となる。
さらに、トリガスイッチ240が所定期間操作されなかったことから、S120を実行する瞬間にトリガスイッチ240が操作される可能性は低い。従って、S120を実行するタイミングが、トリガスイッチ240のオフ状態をチェックする好適なタイミングとなる。
つまり、トリガスイッチ240のオフ状態のチェックは、S110で既に、第1のトリガ回路240aから入力された第1トリガ信号がオンであることは直前に確認済のため、第2トリガ操作信号の値からトリガスイッチ240のオフ状態を確認し、第1トリガ信号と第2トリガ操作信号が一致するかどうかをチェックする。
具体的に、S120において、第2のトリガ回路240bから入力される第2トリガ操作信号が、オフの状態を示す値にあるか否か判定する。オフの状態にあると判定した場合は、トリガスイッチ240のオフ状態のチェックを終了し、S130の処理へ進む。オフの状態ではないと判定した場合は、トリガスイッチ240の状態検出に何らかの異常が発生したと判断し、スイッチエラーフラグをセットした後、チェックを終了し、S130の処理へ進む。
続いて、S130では、エラーフラグの有無を確認する。具体的には、スイッチエラーフラグがセットされているか否か判定する。スイッチエラーフラグがセットされていない場合には、S140の処理へ進む。一方、スイッチエラーフラグがセットされている場合には、エラーを表示させて処理を終了する。具体的には、第1表示部15のLEDを点灯又は点滅させて処理を終了する。すなわち、スイッチエラーフラグを検出した後は、モータ40の回転処理に移行せず、作業精度の低下を抑止する。
ここで、監視マイコンエラーフラグ、地絡エラーフラグ、天絡エラーフラグ、回転方向論理エラーフラグ、サージ電圧天地絡エラーフラグ、バッテリ電圧天地絡エラーフラグ、バッテリ電圧論理エラーフラグ、第1温度天地絡エラーフラグ、第2温度天地絡エラーフラグ、温度論理エラーフラグ、電流検出回路エラーフラグの有無は確認しない。これは、モータ40の回転中に発生したノイズ等により、誤ってこれらエラーフラグがセットされてしまった場合、エラーフラグ確認の処理で電動作業機1の使用ができなくなる不具合を回避するためである。
続いて、S140では、スリープモード処理を実行する。具体的には、第2スイッチ39をオフに切り替えて、アクティブモードからスリープモードへ移行する。
続いて、S150では、スリープモード中に、使用者がトリガスイッチ240をオフからオンに操作したことにより、トリガスイッチ240のオンを示す第1のトリガ信号がメインマイコン30に入力され、又はその他のスリープモードを解除させる信号がメインマイコン30に入力され、メインマイコン30の動作が再開する。
続いて、S150では、スリープモード中に、使用者がトリガスイッチ240をオフからオンに操作したことにより、トリガスイッチ240のオンを示す第1のトリガ信号がメインマイコン30に入力され、又はその他のスリープモードを解除させる信号がメインマイコン30に入力され、メインマイコン30の動作が再開する。
S160では、ウェイクアップ処理を実行する。具体的には、第2スイッチ39をオンに切り替えて、スリープモードからアクティブモードへ移行する。
続いて、S170では、トリガスイッチ240のオン状態をセルフチェックする。
続いて、S170では、トリガスイッチ240のオン状態をセルフチェックする。
具体的には、第2のトリガ回路240bから入力される第2のトリガ操作信号が、オンの状態を示す値にあるか否か判定する。オンの状態にあると判定した場合は、トリガスイッチ240のオン状態のチェックを終了し、S180の処理へ進む。オンの状態ではないと判定した場合は、トリガスイッチ240の状態検出に何らかの異常が発生したと判断し、スイッチエラーフラグをセットした後、チェックを終了し、S180の処理へ進む。
続いて、S180では、S40と同様に、監視マイコン60による通電許可をチェックする。
トリガスイッチ240が所定期間オフになると、メインマイコン30はスリープモードへ移行し、監視マイコン60への電源供給は遮断され、監視マイコン60に入力される電源電圧は低下しリセット状態となる。従って、ハイサイドドライバ54には遮断信号が入力され、第3スイッチ55はオフになり、モータドライバ42への通電が遮断される。
トリガスイッチ240が所定期間オフになると、メインマイコン30はスリープモードへ移行し、監視マイコン60への電源供給は遮断され、監視マイコン60に入力される電源電圧は低下しリセット状態となる。従って、ハイサイドドライバ54には遮断信号が入力され、第3スイッチ55はオフになり、モータドライバ42への通電が遮断される。
この状態で、メインマイコン30にシステムエラーが発生し、モータ40の回転処理を行ったとしても、モータドライバ42は遮断状態であることから、モータ40が回転することはない。この時、監視マイコン60は通電されていないため、システムエラーは発生せず、監視マイコン60から第3スイッチ55をオンにする信号が出力されることもない。
その後、トリガスイッチ240がオンに操作されると、メインマイコン30はアクティブモードへ移行し、モータ40の回転処理を開始する。このとき、監視マイコン60に何らかの異常があり、ハイサイドドライバ54へ通電信号が出力されないと、第3スイッチ55がオフ状態のままとなり、モータ40を回転させることができない。
したがって、トリガスイッチ240がオンになった直後には、メインマイコン30は、監視マイコン60がハイサイドドライバ54へモータ40への通電を許可する通電信号を出力していることを確認する。すなわち、監視マイコン60が第3スイッチ55をオンにする通電信号を出力した後に、メインマイコン30は、モータ40の回転処理を開始する順となる。
続いて、S190では、S130と同様に、モータ40の回転処理を実施する前にスイッチエラーフラグの有無を確認する。スイッチエラーフラグがあると、作業精度が低下する可能性があるため、モータ40を回転させない。また、他のエラーフラグの有無も、S130と同様に確認しない。
続いて、S200では、第1の正逆転回路260a及び/又は第2の正逆転回路260bから出力される回転方向信号を読み込み、モータ40の回転方向を設定する。
続いて、S210では、第1のトリガ回路240aから入力される第1のトリガ信号に基づいて、トリガスイッチ240がオンか否か判定する。トリガスイッチ240がオフと判定した場合は、S220の処理へ進む。
続いて、S210では、第1のトリガ回路240aから入力される第1のトリガ信号に基づいて、トリガスイッチ240がオンか否か判定する。トリガスイッチ240がオフと判定した場合は、S220の処理へ進む。
S220では、モータ40の停止処理を実行し、モータ40に所定時間ブレーキ力を作用させる。具体的には、モータドライバ42の3個のハイサイドのスイッチング素子をオン及び3個のローサイドのスイッチング素子をオフにする。あるいは、3個のハイサイドのスイッチング素子をオフ及び3個のローサイドのスイッチング素子をオンにする。これにより、モータ40に短絡ブレーキが作用する。
続いて、S230では、モータ40を非励磁状態にし、S110の処理へ戻る。
一方、S210において、トリガスイッチ240がオンであると判定した場合は、S260の処理へ進む。
一方、S210において、トリガスイッチ240がオンであると判定した場合は、S260の処理へ進む。
S260~S345では、電動作業機1の状態をチェックする。
電動作業機1の作業精度へ影響を与える複数の条件が存在し、各条件の値が許容範囲を超えると作業精度へ影響を与えてしまう。従って、電動工具の使用中に、これら条件のチェックを繰り返し実施し、エラーを検出した場合は、作業精度に影響を与えないようにするため、エラーを検出しなくなるまで、すなわち、各条件の値が許容範囲内に収まるまで、モータ40を一時的に停止する。
電動作業機1の作業精度へ影響を与える複数の条件が存在し、各条件の値が許容範囲を超えると作業精度へ影響を与えてしまう。従って、電動工具の使用中に、これら条件のチェックを繰り返し実施し、エラーを検出した場合は、作業精度に影響を与えないようにするため、エラーを検出しなくなるまで、すなわち、各条件の値が許容範囲内に収まるまで、モータ40を一時的に停止する。
続いて、S260では、第2の電圧検出信号に基づいて、バッテリ電圧が正常範囲内か否か、具体的にはバッテリ300が過放電していないかどうかを判定する。バッテリ電圧が正常範囲外(過放電状態)であると判定した場合は、S270の処理へ進む。S270では、電圧エラーフラグをセットして、S360の処理へ進む。
一方、S260において、バッテリ電圧が正常範囲内(放電可能範囲内)であると判定した場合は、S265の処理へ進む。S265では、電圧エラーフラグをクリアして、S280の処理へ進む。S280では、第1の電圧検出信号に基づいて、サージ電圧が正常範囲内か否か判定する。サージ電圧が正常範囲外であると判定した場合は、S290の処理へ進む。S290では、サージ電圧エラーフラグをセットして、S360の処理へ進む。
一方、S280において、サージ電圧が正常範囲内であると判定した場合は、S285の処理へ進む。S285では、サージ電圧エラーフラグをクリアして、S300の処理へ進む。S300では、第1の温度検出信号及び/又は第2の温度検出信号に基づいて、スイッチング素子の温度が正常範囲内か否か判定する。スイッチング素子の温度が正常範囲外(高温)であると判定した場合は、S310の処理へ進む。S310では、温度エラーフラグをセットして、S360の処理へ進む。
一方、S300において、スイッチング素子の温度が正常範囲内であると判定した場合は、S305の処理へ進む。S305では、温度エラーフラグをクリアして、S320の処理へ進む。S320では、電流検出回路43から出力された駆動電流値に基づいて、駆動電流値が正常範囲内か否か判定する。駆動電流値が正常範囲外(過電流)であると判定した場合は、S330の処理へ進む。S330では、駆動電流エラーフラグをセットして、S360の処理へ進む。
一方、S320において、駆動電流値が正常範囲内であると判定した場合は、S325の処理へ進む。S325では、駆動電流エラーフラグをクリアして、S340の処理へ進む。S340では、信号端子270からメインマイコン30へ放電許可信号が出力されているか否か判定する。放電禁止信号が出力されていると判定した場合は、S350の処理へ進む。S350では、放電禁止エラーフラグをセットして、S360の処理へ進む。
一方、S340において、放電許可信号が出力されていると判定した場合は、S345の処理へ進む。S345では、放電禁止エラーフラグをクリアして、S240の処理へ進む。
S240では、第2のトリガ回路240bから出力された第2のトリガ操作信号、すなわち、モータ40の回転速度の速度指令値を読み込む。
続いて、S250では、読み込んだ速度指令値に応じた、制御信号を生成して、モータドライバ42へ出力する。制御信号は、パルス幅変調(以下、PWM)信号であり、速度指令値に応じて、PWM信号のオン時間とオフ時間の比(以下、デューティ)を設定する。なお、デューティは、回転速度の上限値に応じて制限される。続いて、S210の処理へ戻る。
続いて、S250では、読み込んだ速度指令値に応じた、制御信号を生成して、モータドライバ42へ出力する。制御信号は、パルス幅変調(以下、PWM)信号であり、速度指令値に応じて、PWM信号のオン時間とオフ時間の比(以下、デューティ)を設定する。なお、デューティは、回転速度の上限値に応じて制限される。続いて、S210の処理へ戻る。
S360では、モータ40を非励磁状態にする。
続いて、S370では、第1表示部15のLEDを点灯又は点滅させて、エラーを表示する。このとき、セットされているエラーフラグの種類に応じて、点滅パターンを変化させてもよい。また、エラー情報をメモリ30bに保存してもよい。
続いて、S370では、第1表示部15のLEDを点灯又は点滅させて、エラーを表示する。このとき、セットされているエラーフラグの種類に応じて、点滅パターンを変化させてもよい。また、エラー情報をメモリ30bに保存してもよい。
<2-2.監視マイコン処理>
次に、監視マイコン60が実行する監視マイコン処理について、図4を参照して説明する。監視マイコン60は、メインマイコン30がアクティブモードにした時から、又は、監視マイコン60のリセット状態が解除された時から、本処理を開始する。
次に、監視マイコン60が実行する監視マイコン処理について、図4を参照して説明する。監視マイコン60は、メインマイコン30がアクティブモードにした時から、又は、監視マイコン60のリセット状態が解除された時から、本処理を開始する。
まず、S400では、初期化を実行する。具体的には、監視マイコン60は、RAM及び/又はレジスタを初期化する。
続いて、S410では、モータ40の通電を許可する。具体的には、第3スイッチ55をオンにする通電信号をハイサイドドライバ54に出力して、第3スイッチ55をオン可能な状態にする。
続いて、S410では、モータ40の通電を許可する。具体的には、第3スイッチ55をオンにする通電信号をハイサイドドライバ54に出力して、第3スイッチ55をオン可能な状態にする。
続いて、S420において、タイマ割り込みをスタートする。
続いて、S430において、ホールIC割り込みをスタートする。位置センサ41を構成するホールICから入力されるホールIC割り込みは、3個のホールセンサのいずれかから位置信号が出力されたことに応じて発生する。ホールIC割り込みが発生すると、監視マイコン60は、図5に示すホールIC割り込み処理のサブルーチンを実行する。
続いて、S430において、ホールIC割り込みをスタートする。位置センサ41を構成するホールICから入力されるホールIC割り込みは、3個のホールセンサのいずれかから位置信号が出力されたことに応じて発生する。ホールIC割り込みが発生すると、監視マイコン60は、図5に示すホールIC割り込み処理のサブルーチンを実行する。
まず、S600では、現時点のタイマ値を、今回時間としてメモリ60bに格納する。この今回時間は、モータ40の回転速度を算出するために用いられる。
続いて、S610では、タイマ値をクリアする。これにより、タイマ値の加算を0から再スタートする。すなわち、今回時間としてメモリ60bに格納するタイマ値は、前回ホールIC割り込みが発生してから、今回ホールIC割り込みが発生するまでの時間を示すことから、モータ40が所定角度回転するのに要した時間となる。
続いて、S610では、タイマ値をクリアする。これにより、タイマ値の加算を0から再スタートする。すなわち、今回時間としてメモリ60bに格納するタイマ値は、前回ホールIC割り込みが発生してから、今回ホールIC割り込みが発生するまでの時間を示すことから、モータ40が所定角度回転するのに要した時間となる。
続いて、S620では、割り込み元のホールICとその信号の向きを今回特定値としてメモリ60bに格納する。すなわち、今回位置信号の出力元(すなわち、U相立ち上がり、U相立ち下がり、V相立ち上がり、V相立ち下がり、W相立ち上がり、W相立ち下がり、のいずれか)を今回特定値としてメモリ60bに格納する。
続いて、S630では、ホールIC割り込みが発生したことを示す、ホールICフラグをセットする。
よって、モータ40が回転を続けている間は、位置センサ41の位置信号が出力され、ホールIC割り込みが発生する都度、タイマ値がクリアされる。一方、モータ40の回転が停止すると、位置信号が出力されず、タイマ値がクリアされず、タイマ値が設定された値に到達すると、すなわち所定時間が経過すると、タイマ割り込みが発生する。
よって、モータ40が回転を続けている間は、位置センサ41の位置信号が出力され、ホールIC割り込みが発生する都度、タイマ値がクリアされる。一方、モータ40の回転が停止すると、位置信号が出力されず、タイマ値がクリアされず、タイマ値が設定された値に到達すると、すなわち所定時間が経過すると、タイマ割り込みが発生する。
監視マイコン60は、タイマ値の加算を0から開始した時点から1秒経過するまでの間にタイマ値がクリアされない場合には、モータ40が停止したと判断し、タイマ割り込みを発生させる。タイマ割り込みが発生すると、監視マイコン60は、図6に示すタイマ割り込み処理のサブルーチンを実行する。
まず、S700では、待機カウンタNを1にセットする。回転速度、回転加速度、回転減速度、及び回転方向の算出には、2回以上のホールICの割り込みが必要である。待機カウンタNは、2回以上のホールICの割り込みがあったかを示すフラグである。待機カウンタN値が1であることは、ホールICの割り込みが1回以下であることを示し、待機カウンタNの値が0であることは、ホールICの割り込みが2回以上であることを示す。
続いて、S710では、タイマ値をクリアして、タイマ値の加算を0から再スタートする。
続いて、S720では、タイマ割り込みを再開する。詳しくは、1秒以内にタイマ値がクリアされない場合に、タイマ割り込みを発生させる。
続いて、S720では、タイマ割り込みを再開する。詳しくは、1秒以内にタイマ値がクリアされない場合に、タイマ割り込みを発生させる。
次に、S450では、WDT65をスタートさせる。
続いて、S460~S565において、モータ40の監視処理を開始する。本実施形態では、まず、S460では、第1の正逆転回路260aが出力する、第1の回転方向信号を読み込み、モータ40の回転指示方向を取得する。
続いて、S460~S565において、モータ40の監視処理を開始する。本実施形態では、まず、S460では、第1の正逆転回路260aが出力する、第1の回転方向信号を読み込み、モータ40の回転指示方向を取得する。
続いて、S470では、S460において取得した回転指示方向をメモリ60bに格納する。
続いて、S480では、エラーフラグチェック処理を実行する。後述する処理において、モータ40の回転速度、回転加速度、回転減速度、及び回転方向が許容値と異なる場合に、対応するエラーフラグがセットされる。S480では、いずれかのエラーフラグがセットされているか否か判定し、エラーフラグがセットされているか否かに応じて、対応する処理を実行する。エラーフラグチェック処理の詳細は後述する。
続いて、S480では、エラーフラグチェック処理を実行する。後述する処理において、モータ40の回転速度、回転加速度、回転減速度、及び回転方向が許容値と異なる場合に、対応するエラーフラグがセットされる。S480では、いずれかのエラーフラグがセットされているか否か判定し、エラーフラグがセットされているか否かに応じて、対応する処理を実行する。エラーフラグチェック処理の詳細は後述する。
続いて、S490では、WDT65をクリアし、WDT65のタイマ値の加算を0から再スタートする。その後、モータ40の回転関連値を監視し、モータ40が誤動作したと判定した場合には、後述するエラーフラグチェック処理において、エラーフラグがセットされ、S480の処理に戻る。
本実施形態では、回転関連値として、回転速度、回転加速度、回転減速度、及び回転方向を取得する。監視マイコン60は、規定された所定時間Ta内に、監視処理が一巡するように構成されている。監視マイコン60は、監視処理が所定時間Ta内に一巡せず、WDT65のタイマ値が所定時間Taを超える前にクリアされなかった場合には、WDTが監視マイコンをリセットする。所定時間Taの詳細は後述する。
続いて、S500では、第1のトリガ回路240aから入力される第1のトリガ信号に基づいて、トリガスイッチ240がオンか否か判定する。トリガスイッチ240がオフであると判定した場合は、S510の処理へ進む。
S510では、第1のトリガ回路240aが出力する第1のトリガ信号の入力ラインの故障診断処理を実行する。故障診断処理の詳細は、後述する。そして、S510の処理の後、S460の処理へ戻る。
一方、S500において、トリガスイッチ240がオンであると判定した場合は、S530の処理へ進む。S530では、モータ40の回転速度監視処理を実行する。そして、モータ40の回転速度が上限値を超える場合に、回転速度超過フラグをセットする。回転速度監視処理の詳細は後述する。
続いて、S540では、回転加減速度監視処理を実行する。そして、回転加速度が加速許容値と異なる場合に、急加速フラグをセットする。また、回転減速度が減速許容値と異なる場合に、急減速フラグをセットする。回転加減速度監視処理の詳細は後述する。
続いて、S550では、回転方向監視処理を実行する。そして、モータ40の回転方向が、メモリ60bに格納されている回転指示方向と異なる場合に、回転不一致フラグをセットする。回転方向監視処理の詳細は後述する。
続いて、S560では、待機カウンタNの値を「1」減算した値に更新する。ここで、待機カウンタNの値が0であった場合は0のままとし、S565の処理へ進む。
続いて、S565では、ホールICフラグをクリアし、S480の処理へ戻る。
続いて、S565では、ホールICフラグをクリアし、S480の処理へ戻る。
<2-2-1.トリガスイッチ診断処理>
次に、監視マイコン60がS510において実行する第1のトリガ信号の故障診断処理について、図7のサブルーチンを参照して説明する。
次に、監視マイコン60がS510において実行する第1のトリガ信号の故障診断処理について、図7のサブルーチンを参照して説明する。
トリガスイッチ240のオンが検出できない故障が生じている場合、監視マイコン60は、モータ40の動作監視の内、少なくとも回転減速度に基づいた誤動作判定をすることができなくなり、作業精度に影響することがある。ここでは、モータ40の回転減速度を監視できる状態か否かを判定する。
S15では、駆動電流値が0か否か判定する。ここで、トリガスイッチ240がオフの時は、メインマイコン30がモータ40を非励磁状態にする制御信号をモータドライバ42へ出力し、駆動電流値が0となる。つまり、トリガスイッチ240がオフの時は、駆動電流値が0となる。
この条件から、監視マイコン60は、トリガスイッチ240のオフを検出している間、駆動電流値が0ではないことを検出した場合、トリガスイッチ240のオン状態が検出できない故障が発生したと診断ができる。
また、監視マイコン60が駆動電流値を常に0と検出するような故障をしている場合、上記故障診断ではトリガスイッチ240の故障検出ができない。従って、後述する回転加減速監視において、駆動電流値を常に0と検出する故障をしているか否か故障診断を行う。
S15において、駆動電流値が0であると判定した場合は、S16の処理へ進み、駆動電流値が0でないと判定した場合は、S25の処理へ進む。
S16では、後述する電流検出エラーフラグがセットされているか否か判定する。電流検出エラーフラグがセットされていると判定した場合は、S25の処理へ進み電動作業機1の使用を禁止する。電流検出エラーフラグがセットされていないと判定した場合は、本サブルーチンを終了し、S460の処理へ戻る。
S16では、後述する電流検出エラーフラグがセットされているか否か判定する。電流検出エラーフラグがセットされていると判定した場合は、S25の処理へ進み電動作業機1の使用を禁止する。電流検出エラーフラグがセットされていないと判定した場合は、本サブルーチンを終了し、S460の処理へ戻る。
S25では、モータ40の通電を禁止する。続いて、S35では、WDT65のタイマ値をクリアする。その後、S25の処理へ戻り、S25及びS35の処理を繰り返し実行する。すなわち、トリガスイッチ240のオンが検出できない故障、つまり、信号ラインL3の故障が検出された場合には、モータ40の回転減速度が監視できなくなり、作業精度が低下する可能性があるため、モータ40への通電遮断を継続し、電動作業機1の使用を禁止する。
<2-2-2.速度監視処理>
次に、監視マイコン60がS530において実行する回転速度監視処理について、図8のサブルーチンを参照して説明する。
次に、監視マイコン60がS530において実行する回転速度監視処理について、図8のサブルーチンを参照して説明する。
まず、S105では、待機カウンタNの値が0か否か判定する。すなわち、ホールIC割り込みが2回以上発生したか否か判定する。S105において、待機カウンタNの値が0と異なると判定した場合は、本サブルーチンを終了して、S540の処理へ進む。
一方、S105において、待機カウンタNの値が0であると判定した場合は、S115の処理へ進む。
S115では、S600において格納した今回時間をメモリ60bから読み込む。
S115では、S600において格納した今回時間をメモリ60bから読み込む。
続いて、S125では、今回時間が所定値以上か否か判定する。今回時間は、連続するホールIC割り込みの間隔に相当する。すなわち、今回時間は、モータ40が、電気角120°を回転した時間に相当する。よって、今回時間が所定値以上である場合は、モータ40の回転速度が速度許容値以下である。今回時間が所定値未満である場合は、モータ40の回転速度が速度許容値よりも大きい。速度許容値は、モータ40の負荷側軸40aに接続される先端工具の限界速度までの値、あるいは、工具本体の耐久性を高めるため、又は、工具本体の低騒音化等の感能値を高めるために、システムに対して設定する、又は、システムに対して設定されている、モータ40の回転速度の最大値までの値である。すなわち、速度許容値は、モータ40の回転速度が取り得る範囲の値である。
S125において、今回時間が所定値以上であると判定した場合は、本サブルーチンを終了して、S540の処理へ進む。一方、S125において、今回時間が所定値未満であると判定した場合は、S135の処理へ進む。
モータ40の回転速度の超過は、速度指令値に基づいて算出されるモータドライバ42へ出力するPWM信号のデューティが、メインマイコン30のシステムエラーにより、又はノイズにより、誤ったデューティとなり、本来の値よりも大きくなった場合に生じ得る。そして、モータ40の回転速度が超過した状態で作業を続けると、作業精度が低下する可能性がある。よって、S135では、エラーフラグの1種である回転速度超過フラグをセットする。回転速度超過フラグのセットにより、この後の処理において、モータ40への通電が遮断される。S135の処理の後、本サブルーチンを終了して、S540の処理へ進む。
<2-2-3.回転加減速度監視処理>
次に、監視マイコン60がS540において実行する回転加減速度監視処理について、図9のサブルーチンを参照して説明する。
次に、監視マイコン60がS540において実行する回転加減速度監視処理について、図9のサブルーチンを参照して説明する。
まず、S205では、S600において格納した今回時間をメモリ60bから読み込む。
続いて、S215では、待機カウンタNの値が0か否か判定する。待機カウンタNの値が0ではないと判定した場合は、S225~S295の処理を飛ばして、S305の処理へ進む。
続いて、S215では、待機カウンタNの値が0か否か判定する。待機カウンタNの値が0ではないと判定した場合は、S225~S295の処理を飛ばして、S305の処理へ進む。
一方、S215において、待機カウンタNの値が0であると判定した場合は、S225の処理へ進む。S225では、前回時間をメモリ60bから読み込む。前回時間は、今回時間の1つ前のホールIC割り込みにより、その時にメモリ60bに格納されたタイマ値、すなわちホールIC割り込みの発生間隔(時間)に相当する。
続いて、S235では、回転加速度及び回転減速度を算出する。具体的には、今回時間から前回時間を減算して、差分値を算出する。今回時間が前回時間よりも大きい場合は、回転速度が減速している。よって、差分値が正である場合、差分値を回転減速値とし、回転加速度は0とする。今回時間が前回時間よりも小さい場合、回転速度が加速している。よって、差分値が負である場合、差分値の絶対値を回転加速度とし、回転減速値は0とする。
続いて、S245では、算出した回転加速度が加速許容値と一致するか否か判定する。加速許容値は、0から回転加速度の上限値までの範囲の値である。算出した回転加速度が加速許容値と一致する場合は、S256の処理へ進む。算出した回転加速度が加速許容値と一致しない場合、すなわち、算出した回転加速度が回転加速度の上限値を超えている場合は、S255の処理へ進む。
回転速度の回転加速値が上限値を超えると、比較的大きな反動トルクが生じる。比較的大きな反動トルクが生じると、使用者が電動作業機1に振り回される。よって、モータ40の急加速が発生すると、作業精度が低下する可能性がある。よって、S255では、エラーフラグの1種である急加速フラグをセットして、S305の処理へ進む。急加速フラグのセットにより、この後の処理において、モータ40への通電が遮断される。
モータ40の急加速は、メインマイコン30にシステムエラーが発生したことにより、又はノイズにより、モータドライバ42へ出力するPWM信号のオンデューティが、小さい値から大きい値へ突然変化した時に発生する。
監視マイコン60がこの急加速を検出して、直ちにモータ40への通電を遮断するため、反動トルクの持続時間は短い。但し、メインマイコン30と監視マイコン60の両方に、システムエラーが発生した場合は、この限りではない。
ここで、急加速によって発生した反動トルクにより電動作業機1が振り回される量(すなわち、使用者の手首を中心として、反動トルクによって振り回される角度)が、所定角度を超えると、使用者が電動作業機1を保持することが難しくなる。よって、急加速を検出した時点から、所定時間Taが経過するまでの間に、モータ40への通電を遮断できれば、反動トルクが発生しても、使用者は電動作業機1を保持できる。
したがって、所定時間Ta(すなわち、WDTのカウントアップ時間)を、電動作業機1の振り回し量が所定角度を超えないように設定する。
そのように設定すれば、メインマイコン30のシステムエラーにより急加速が発生したと同時に、監視マイコン60にもシステムエラーが発生し、モータ40の監視が出来なくなったとしても、電動作業機1が振り回される量が所定角度を超える前に、監視マイコン60がWDTによりリセットされ、モータ40への通電は遮断されるため、使用者は電動作業機1を保持できる。
そのように設定すれば、メインマイコン30のシステムエラーにより急加速が発生したと同時に、監視マイコン60にもシステムエラーが発生し、モータ40の監視が出来なくなったとしても、電動作業機1が振り回される量が所定角度を超える前に、監視マイコン60がWDTによりリセットされ、モータ40への通電は遮断されるため、使用者は電動作業機1を保持できる。
所定時間Ta(すなわち、監視マイコンにシステムエラーが発生してから、モータ40への通電を遮断するまでの時間)は、負荷側軸40aが、所定角度を回転するのに、一定の回転加速度で、停止状態から最大回転速度に達するまでに要する時間に相当する。さらに、負荷側軸40aが、最大回転速度で一定速回転している時に、所定角度の2倍を回転するのに要する時間に相当する。
また、本実施形態では、所定角度は90°に設定する。人の手首の可動範囲はおおよそ90°である。よって、比較的大きな反動トルクが発生した場合、負荷側軸40aが90°回転する前に、モータ40への通電を遮断することで、使用者は電動作業機1を保持し続けることができる。
S256では、監視マイコン60が駆動電流値を常に0と検出するような故障状態か否かを判定する。モータ40が加速状態ならば、モータ40には加速するためのエネルギーが供給されるため、駆動電流が必ず流れる。駆動電流を常に0と検出するような故障の判定は、この駆動電流が0か否かを確認することにより行う。
つまり、モータ40の回転加速度を検出したS256のタイミングで、駆動電流値が0より大きいことが確認できれば、監視マイコン60が、入力される駆動電流値を常に0と読込むような故障をしていないと言える。ひいては、S510の故障診断が完了したと言える。
具体的に、S256では、S235で算出した回転加速度が0より大きいか否か、すなわち加速しているか否かを判定する。算出した回転加速度が0以下の場合は、S265の処理へ進む。算出した回転加速度が0より大きい場合は、S257の処理へ進む。
S257では、電流検出回路43から出力された駆動電流値に基づいて、駆動電流値が0より大きいか否かを判定する。
検出した駆動電流値が0の場合は、S258の処理へ進む。続いて、S258では、エラーフラグの1種である電流検出エラーフラグをセットして、S305の処理へ進む。検出した駆動電流値が0より大きい場合は、S265の処理に進む。
検出した駆動電流値が0の場合は、S258の処理へ進む。続いて、S258では、エラーフラグの1種である電流検出エラーフラグをセットして、S305の処理へ進む。検出した駆動電流値が0より大きい場合は、S265の処理に進む。
ここでは、S235で算出した回転加速度を0と比較したが、電流検出回路43の出力公差を考え、0より大きな値と比較しても良い。
続いて、S265では、算出した回転減速度が減速許容値と一致するか否か判定する。減速許容値は、0から回転減速度の上限値までの範囲の値である。回転加速度と同様に、算出した回転減速度が上限値を超えると、比較的大きな反動トルクが生じる。算出した回転減速度が減速許容値と一致する場合は、S305の処理へ進む。算出した回転減速度が減速許容値と一致しない場合、すなわち、算出した回転減速度が回転減速度の上限値を超えている場合は、S275の処理へ進む。
続いて、S265では、算出した回転減速度が減速許容値と一致するか否か判定する。減速許容値は、0から回転減速度の上限値までの範囲の値である。回転加速度と同様に、算出した回転減速度が上限値を超えると、比較的大きな反動トルクが生じる。算出した回転減速度が減速許容値と一致する場合は、S305の処理へ進む。算出した回転減速度が減速許容値と一致しない場合、すなわち、算出した回転減速度が回転減速度の上限値を超えている場合は、S275の処理へ進む。
続いて、S275では、トリガスイッチ240がオンか否か判定する。トリガスイッチ240がオフの場合は、使用者がトリガスイッチ240をオフにしたことによって、モータ40が減速している。よって、この場合は、メインマイコン30のシステムエラーとは異なる。したがって、トリガスイッチ240がオフであると判定した場合は、エラーフラグをセットせず、S305の処理へ進む。
一方、S275において、トリガスイッチ240がオンであると判定した場合は、S285の処理へ進む。S285では、駆動電流値が0か否か判定する。トリガスイッチ240がオン且つ駆動電流値が0でない場合は、例えば、モータ40がロックされて急減速していることがある。例えば、ノコ刃230が固い物体に当たると、ノコ刃230が固定され、モータ40がロックされて急減速する。この場合は、急減速するモータ40を動かそうとして、より多くの駆動電流が流れるため、駆動電流は0にはならない。よって、トリガスイッチ240がオン且つ駆動電流が0でない場合は、メインマイコン30のシステムエラーとは異なる。したがって、駆動電流が0でないと判定した場合は、エラーフラグをセットせず、S305の処理へ進む。
一方、S285において、駆動電流が0であると判定した場合は、S295の処理へ進む。S295では、使用者の意図しないモータ40の急減速が発生しているため(すなわち、トリガスイッチ240をオンにしている場合に、例えば作業中に、メインマイコン30のシステムエラーによるモータブレーキが突然発生し、急減速している状態)、エラーフラグの1種である急減速フラグをセットする。
続いて、S305では、今回時間を前回時間としてメモリ60bに格納して、本サブルーチンを終了し、S550の処理へ進む。
<2-2-4.回転方向監視処理>
次に、監視マイコン60がS550において実行する回転方向監視処理について、図10のサブルーチンを参照して説明する。
<2-2-4.回転方向監視処理>
次に、監視マイコン60がS550において実行する回転方向監視処理について、図10のサブルーチンを参照して説明する。
まず、S405において、S620において格納した今回特定値をメモリ60bから読み込む。
続いて、S415において、待機カウンタNの値が0か否か判定する。S415において、待機カウンタNの値が0でないと判定した場合は、S475の処理へ進む。
続いて、S415において、待機カウンタNの値が0か否か判定する。S415において、待機カウンタNの値が0でないと判定した場合は、S475の処理へ進む。
一方、S415において、待機カウンタNの値が0であると判定した場合は、S425の処理へ進む。S425では、前回特定値をメモリ60bから読み込む。前回特定値は、今回特定値の直前の位置センサ41を構成するホールICの割り込み元に相当する。
続いて、S435において、今回特定値と前回特定値とから、モータ40の回転方向を算出する。
続いて、S445において、S470において格納した回転指示方向をメモリ60bから読み込む。
続いて、S445において、S470において格納した回転指示方向をメモリ60bから読み込む。
続いて、S455において、S435において算出した回転方向が、S445において読み込んだ回転指示方向と一致するか否か判定する。回転方向が一致すると判定した場合は、S475へ進む。S475では、今回特定値を前回特定値としてメモリ60bに格納する。
一方、S455において、回転方向が一致しないと判定した場合は、S465の処理へ進む。回転方向の不一致は、メインマイコン30のシステムエラーにより生じ得る。そして、指示と異なる回転方向にモータ40が回転した状態で作業を続けると、作業精度が低下する可能性がある。よって、S465では、エラーフラグの1種である回転方向不一致フラグをセットする。その後、サブルーチンを終了して、S560の処理へ進む。
<2-2-5.エラーフラグチェック処理>
次に、監視マイコン60がS480において実行するエラーフラグチェック処理について、図11のサブルーチンを参照して説明する。
次に、監視マイコン60がS480において実行するエラーフラグチェック処理について、図11のサブルーチンを参照して説明する。
まず、S800では、速度超過フラグがセットされているか否か判定する。回転速度超過フラグがセットされていると判定した場合は、S840の処理へ進み、回転速度超過フラグがセットされていないと判定した場合は、S810の処理へすすむ。
S810では、急加速フラグがセットされているか否か判定する。急加速フラグがセットされていると判定した場合は、S840の処理へ進み、急加速フラグがセットされていないと判定した場合は、S820の処理へ進む。
S820では、急減速フラグがセットされているか否か判定する。急減速フラグがセットされていると判定した場合は、S840の処理へ進み、急減速フラグがセットされていないと判定した場合は、S830の処理へ進む。
S830では、回転方向不一致フラグがセットされているか否か判定する。回転方向不一致フラグがセットされていると判定した場合は、S840の処理へ進む。回転方向不一致フラグがセットされていないと判定した場合は、本サブルーチンを終了して、S490の処理へ進む。
S840では、リセット信号の出力済みフラグがセットされているか否か判定する。出力済みフラグがセットされていると判定した場合は、メインマイコン30へ出力するリセット信号が、連続して複数回出力するのを防ぐため、S843~S870の処理を飛ばして、S880の処理へ進む。出力済みフラグがセットされていないと判定した場合は、S843の処理へ進む。
S843では、急減速フラグがセットされているか否かを判定する。急減速フラグがセットされていると判定した場合、つまり、モータ40が急減速しているため、モータ40への通電遮断より、メインマイコン30へのリセット出力を優先する場合は、S845の処理へ進む。
急減速フラグがセットされていないと判定した場合、つまり、メインマイコン30へのリセット出力を優先していない場合は、S851の処理へ進む。
S845では、メインマイコン30をシステムエラーから復帰させるため、メインマイコン30へ所定時間リセット信号を出力する。これにより、メインマイコン30は、初期化して、システムエラーから復帰する。ここで、監視マイコン60が、メインマイコン30へリセット信号を出力し、メインマイコン30がリセットする。リセット中のメインマイコン30は第2スイッチ39をオンにする信号を出力できなくなるので、監視マイコン60への電源供給路が遮断され、監視マイコン60の電源電圧が低下し始める。
S845では、メインマイコン30をシステムエラーから復帰させるため、メインマイコン30へ所定時間リセット信号を出力する。これにより、メインマイコン30は、初期化して、システムエラーから復帰する。ここで、監視マイコン60が、メインマイコン30へリセット信号を出力し、メインマイコン30がリセットする。リセット中のメインマイコン30は第2スイッチ39をオンにする信号を出力できなくなるので、監視マイコン60への電源供給路が遮断され、監視マイコン60の電源電圧が低下し始める。
つまり、監視マイコン60から出力するリセット信号の出力時間が長いと、第2スイッチ39の出力電圧が低下し、電圧保証回路36の第2の保証回路36bの下限電圧を下回り、監視マイコン60もリセットされることになる。
従って、監視マイコン60が出力するリセット時間は、メインマイコン30がリセットできる時間より長く、第2スイッチ39がオフしてから、第2スイッチ39の出力電圧が第2の保証回路36bの下限電圧に達するまでの時間内に設定される。
続いて、S847では、第3スイッチ55をオフにする遮断信号を、ハイサイドドライバ54に出力して、モータ40の通電を禁止し、S870の処理へ進む。
急減速フラグがセットされている場合、モータ40への通電を遮断しても、回転減速度による反動トルクが発生し続ける。よって、回転減速度に基づいて誤動作を検出した場合には、リセット信号の出力をモータ40の通電遮断よりも優先して実行することにより、早期に反動トルクが消失する。S851では、第3スイッチ55をオフにする遮断信号を、ハイサイドドライバ54に出力して、モータ40の通電を禁止し、S861の処理へ進む。
急減速フラグがセットされている場合、モータ40への通電を遮断しても、回転減速度による反動トルクが発生し続ける。よって、回転減速度に基づいて誤動作を検出した場合には、リセット信号の出力をモータ40の通電遮断よりも優先して実行することにより、早期に反動トルクが消失する。S851では、第3スイッチ55をオフにする遮断信号を、ハイサイドドライバ54に出力して、モータ40の通電を禁止し、S861の処理へ進む。
続いて、S861では、メインマイコン30をシステムエラーから復帰させるため、メインマイコン30へ所定時間リセット信号を出力する。これにより、メインマイコン30は、初期化して、システムエラーから復帰させ、S870の処理へ進む。
続いて、S870では、メインマイコン30への多重のリセット信号の出力を回避するため、出力済みフラグをセットする。
続いて、S880では、第1のトリガ回路240aから入力されるトリガ信号に基づいて、トリガスイッチ240がオフか否か判定する。トリガスイッチ240がオンであると判定した場合は、本サブルーチンを終了して、S490の処理へ進む。
続いて、S880では、第1のトリガ回路240aから入力されるトリガ信号に基づいて、トリガスイッチ240がオフか否か判定する。トリガスイッチ240がオンであると判定した場合は、本サブルーチンを終了して、S490の処理へ進む。
一方、S880において、トリガスイッチ240がオフであると判定した場合は、S890の処理へ進む。
続いて、S890では、第3スイッチ55をオンにする通電信号をハイサイドドライバ54に出力して、モータ40の通電を許可する。トリガスイッチ240がオフであるため、監視マイコン60が、モータ40への通電を許可しても、オフ状態のトリガスイッチ240からハイサイドドライバ54に遮断信号が入力されるため、第3スイッチ55はオフのままであり、モータ40が突然回転を開始することがない。よって、このタイミングで第3スイッチ55をオンにする通電信号をハイサイドドライバ54へ出力する。これにより、トリガスイッチ240がオンに操作され、ハイサイドドライバ54に入力される信号が全て通電信号になり、メインマイコン30がS210においてトリガスイッチ240のオンを検出し、S250においてモータドライバ42へ制御信号を出力したときに、モータ40が直ちに回転開始する。
続いて、S890では、第3スイッチ55をオンにする通電信号をハイサイドドライバ54に出力して、モータ40の通電を許可する。トリガスイッチ240がオフであるため、監視マイコン60が、モータ40への通電を許可しても、オフ状態のトリガスイッチ240からハイサイドドライバ54に遮断信号が入力されるため、第3スイッチ55はオフのままであり、モータ40が突然回転を開始することがない。よって、このタイミングで第3スイッチ55をオンにする通電信号をハイサイドドライバ54へ出力する。これにより、トリガスイッチ240がオンに操作され、ハイサイドドライバ54に入力される信号が全て通電信号になり、メインマイコン30がS210においてトリガスイッチ240のオンを検出し、S250においてモータドライバ42へ制御信号を出力したときに、モータ40が直ちに回転開始する。
続いて、S900では、出力済みフラグをクリアする。
続いて、S910では、各エラーフラグをクリアする。すなわち、回転速度超過フラグ、急加速フラグ、急減速フラグ、及び回転方向不一致フラグをクリアする。その後、本サブルーチンを終了して、S490の処理へ進む。
続いて、S910では、各エラーフラグをクリアする。すなわち、回転速度超過フラグ、急加速フラグ、急減速フラグ、及び回転方向不一致フラグをクリアする。その後、本サブルーチンを終了して、S490の処理へ進む。
ここで、電動作業機1を用いた作業中に、メインマイコン30と監視マイコン60に同時にシステムエラーが発生し、モータ誤動作が発生したとする。この場合、まず監視マイコン60のWDTが作動し、監視マイコン60がリセット、再起動し、即座にモータ40の監視動作を再開するため、作業精度の低下を抑止することができる。
<3.効果>
以上説明した第1実施形態によれば、以下の効果が得られる。
(1)監視マイコン60が、モータ40が誤動作したと判定した場合に、メインマイコン30へ所定時間リセット信号を出力し、モータ40への回転制御処理を停止する。これによりメインマイコン30は初期化され、トリガスイッチ240がオフされた後再びオンされるまで、メインマイコン30での回転制御処理は再開されない。したがって、メインマイコン30にシステムエラーが発生しモータ停止した後に、使用者によるトリガ操作がされることなく、突然モータが再起動することがないため、大きな反動トルクが突然発生することによる作業精度及び作業効率の低下を抑制することができる。
以上説明した第1実施形態によれば、以下の効果が得られる。
(1)監視マイコン60が、モータ40が誤動作したと判定した場合に、メインマイコン30へ所定時間リセット信号を出力し、モータ40への回転制御処理を停止する。これによりメインマイコン30は初期化され、トリガスイッチ240がオフされた後再びオンされるまで、メインマイコン30での回転制御処理は再開されない。したがって、メインマイコン30にシステムエラーが発生しモータ停止した後に、使用者によるトリガ操作がされることなく、突然モータが再起動することがないため、大きな反動トルクが突然発生することによる作業精度及び作業効率の低下を抑制することができる。
(2)モータ40の回転速度、回転加速度、回転減速度、及び回転方向のうちの少なくとも一つが、正常な回転制御において許容される値と異なる場合に、モータ40が誤動作したと判定することができる。
(3)反動トルクが発生した時点から、反動トルクにより電動作業機1が振り回される量が、使用者の手首の可動範囲内に収まるように、所定時間Taを設定する。したがって、誤動作を検出した時点から所定時間Taが経過するまでの間に、モータ40への通電を遮断して、モータ40を停止させることにより、使用者が電動作業機1を保持した状態を維持できる。
(4)所定時間Taを最大値に設定することにより、好適に、反動トルクにより電動作業機1が振り回される量を、使用者の手首の可動範囲内に収めることができる。
(5)所定時間Ta内に監視マイコン60のWDTのタイマ値を設定することにより、監視マイコン60にシステムエラーが発生しても好適に、反動トルクにより電動作業機1が振り回される量を、使用者の手首の可動範囲内に収めることができる。
(5)所定時間Ta内に監視マイコン60のWDTのタイマ値を設定することにより、監視マイコン60にシステムエラーが発生しても好適に、反動トルクにより電動作業機1が振り回される量を、使用者の手首の可動範囲内に収めることができる。
(6)手首の可動範囲は90°程度であるため、所定角度を90°に設定することにより、使用者による電動作業機1の保持を維持できる。
(7)少なくともトリガスイッチ240がオンの間、つまり、モータ40を通電している間のみ監視処理を実行することにより、モータ40回転制御中のモータ40の誤動作を検出して、メインマイコン30をリセットすることができ、モータ40の回転制御をしていない間の監視処理を休止し、その分の消費電力を削減できる。
(7)少なくともトリガスイッチ240がオンの間、つまり、モータ40を通電している間のみ監視処理を実行することにより、モータ40回転制御中のモータ40の誤動作を検出して、メインマイコン30をリセットすることができ、モータ40の回転制御をしていない間の監視処理を休止し、その分の消費電力を削減できる。
(8)急減速フラグが設定された場合、モータ40への通電を遮断しても、急減速による反動トルクが発生し続ける。よって、急減速フラグが設定された場合に、リセット信号の出力をモータ40の通電遮断よりも優先して実行することにより、早期にモータ40の急減速による反動トルクを消失させることができる。
(9)トリガスイッチ240がオン且つ駆動電流の値が0である場合に、モータ40の回転減速度を取得することにより、使用者の電動作業機1の扱いにより生じた回転減速度ではなく、メインマイコン30のシステムエラーにより生じた回転減速度を取得することができる。
(10)モータ40の通電を遮断した後、トリガスイッチ240のオフが検出されたことに応じて、第3スイッチ55をオンすることにより、再度トリガスイッチ240がオンした時に、メインマイコン30はモータ40を高速で再起動することができる。
(11)メインマイコン30がモータ40の駆動を開始しようとした時に、監視マイコンエラーフラグがセットされ、第3スイッチ55をオフにする遮断信号が出力されていると、モータ40の停止が継続される。これに対して、第3スイッチ55をオンにする通電信号が出力された後に、モータドライバ42を通電することにより、メインマイコン30がモータ40の回転を開始しようとした時に、モータ40の回転を開始できないことを抑制できる。
(第2実施形態)
第2実施形態は、基本的な構成は第1実施形態と同様であるため、相違点について以下に説明する。なお、第1実施形態と同じ符号は、同一の構成を示すものであって、先行する説明を参照する。
第2実施形態は、基本的な構成は第1実施形態と同様であるため、相違点について以下に説明する。なお、第1実施形態と同じ符号は、同一の構成を示すものであって、先行する説明を参照する。
<1.構成>
図12に、第2実施形態に係る電動作業機1の電気的構成を示す。第2実施形態では、メインマイコン30に加えて監視マイコン60が、第2スイッチ39のオンオフを制御する点で、第1実施形態と相違する。
図12に、第2実施形態に係る電動作業機1の電気的構成を示す。第2実施形態では、メインマイコン30に加えて監視マイコン60が、第2スイッチ39のオンオフを制御する点で、第1実施形態と相違する。
メインマイコン30は、ウェイクアップすると、レジスタ内のWDTをクリアする。そして、メインマイコン30は、第2スイッチ39をオフにして、スリープ状態へ移行する。ここで、メインマイコン30が、メインマイコン30のエラー発生時にWDTで自動リセットするように構成されている場合、待機モードの時においてメインマイコン30のスリープ電流を削減できない。WDT検出時間(クリア時間)Taは短時間となるため、メインマイコン30が消費電流の少ないスリープモードに入っても、直ぐにウェイクアップ(消費電流の多い通常モードへ復帰)し、WDTのクリアの実行が必要となり消費電流を削減できない。よって、消費電流を削減するため、メインマイコン30に加えて、WDT付きの監視マイコン60が必要となる。
また、本実施形態では、監視マイコン60は、メインマイコン30の誤作動により、特定の回転エラーが生じた場合に、再起動許可をメインマイコン30へ出力する。特定の回転エラーは、急加速、急減速及び速度超過のいずれかである。メインマイコン30の誤作動による回転エラーが生じてから、メインマイコン30がリセット信号を受信して再起動するまでの時間は非常に短い。そのため、メインマイコン30の再起動直後において、モータ40は、回転エラーが検出されたときと同じ回転速度で惰性回転している。また、再起動したときにはメインマイコン30は正常動作に復帰している。
急加速、急減速及び速度超過のいずれかのエラーが発生した後、正常動作に復帰したメインマイコン30で、惰性回転しているモータ40への通電を直ちに再開しても、大きな反動トルクは生じない。モータ40への通電を直ちに再開することにより、モータ40が完全に停止する前に通電再開できることもあり得る。よって、メインマイコン30のシステムエラーの発生に伴う作業効率の低下を必要最低限に抑えることができる。
一方で、回転エラーが、モータ40の実際の回転方向が設定方向と異なるエラーである場合、設定方向と逆向きに惰性回転しているときに、メインマイコン30が再起動してモータ40へ通電を再開すると、回転方向が設定方向へ変わる。その結果、大きな反動トルクが生じて、作業精度が低下する。したがって、監視マイコン60は、特定の回転エラー以外の回転エラーが生じた場合には、メインマイコン30へ再起動許可を出力しない。
<2.処理>
<2-1.メインマイコン処理>
第2実施形態に係るメインマイコン30が、図3Aに示す回転制御処理の一部に替えて実行する回転制御処理の一部について、図13A及び図13Bのフローチャートを参照して説明する。
<2-1.メインマイコン処理>
第2実施形態に係るメインマイコン30が、図3Aに示す回転制御処理の一部に替えて実行する回転制御処理の一部について、図13A及び図13Bのフローチャートを参照して説明する。
第2実施形態では、第1実施形態と比べて、S30の処理とS40の処理の間に、S31、S32、S33、S34、及びS35の処理を追加で実行する。
S30において、トリガスイッチ240がオフであると判定した場合は、S35の処理へ進み、モータ40の通常の起動処理を実行する。一方、トリガスイッチ240がオンであると判定した場合は、S31の処理へ進み、トリガスイッチ240がオンのままで、モータ40を再起動できるか否か、すなわち、モータ40への通電を再開できるか否か判定する。モータ40を再起動しても大きな反動トルクが生じない場合には、トリガスイッチ240がオンのままで、モータ40を再起動できる。すなわち、モータ40の特例の起動処理を実行できる。モータ40を再起動すると大きな反動トルクが生じる場合には、トリガスイッチ240が一旦オフに切り替わるまで、モータ40を再起動できない。すなわち、モータ40の通常の起動処理しかできない。
S31では、監視マイコン60から再起動許可を受けているか否か判定する。再起動許可を受けていると判定した場合は、S32の処理へ進み、再起動許可を受けていないと判定した場合は、S35の処理へ進む。
S32では、現在のモータ40の回転速度が、予め設定された所定値よりも大きいか否か判定する。メインマイコン30は、位置センサ41から出力された位置信号に基づいて、回転速度を算出する。所定値以下の回転速度でモータ40が惰性回転している場合、モータ40は略停止している。モータ40が略停止している状態でモータ40への通電を再開すると、モータ40の回転速度が突然上昇し、大きな反動トルクが生じる。したがって、回転速度が所定値よりも大きい場合には、S33の処理へ進み、トリガスイッチ240がオンのままモータ40を再起動できるか否かの判定を続ける。回転速度が所定値以下である場合には、S35の処理へ進み、モータ40の通常の起動処理を実行する。
S33では、回転方向信号を読み込み、回転方向信号が示す回転方向(すなわち、設定方向)を取得する。
S34では、S33で取得した設定方向と、モータ40の実回転方向とが一致するか否か判定する。設定方向と実回転方向とが一致する場合は、モータ40への通電を再開しても、大きな反動トルクの発生を回避できる。したがって、この場合、S200の処理へ進む。その後、S200~S370において、トリガスイッチ240がオンのままでモータ40の起動処理を実行する。
S34では、S33で取得した設定方向と、モータ40の実回転方向とが一致するか否か判定する。設定方向と実回転方向とが一致する場合は、モータ40への通電を再開しても、大きな反動トルクの発生を回避できる。したがって、この場合、S200の処理へ進む。その後、S200~S370において、トリガスイッチ240がオンのままでモータ40の起動処理を実行する。
一方、設定方向と実回転方向とが一致しない場合は、S35の処理へ進む。S35では、トリガスイッチ240がオフか否か判定する。トリガスイッチ240がオンであると判定した場合は、トリガスイッチ240がオフであると判定するまで、繰り返しS35の処理を実行する。トリガスイッチ240がオフであると判定した場合は、S40の処理へ進む。その後、S40~S370において、セルフチェックを行い、モータ40の通常の起動処理を実行する。
<2-2.エラーフラグチェック処理>
第2実施形態に係る監視マイコン60が、監視マイコン処理におけるS480において、図11に示すエラーフラグチェック処理に替えて実行するエラーフラグチェック処理について、図14A及び図14Bを参照して説明する。
第2実施形態に係る監視マイコン60が、監視マイコン処理におけるS480において、図11に示すエラーフラグチェック処理に替えて実行するエラーフラグチェック処理について、図14A及び図14Bを参照して説明する。
第2実施形態では、第1実施形態と比べて、S800の処理の前に、S770~S790の処理を追加で実行する。また、S820とS830の処理の間に、S821、S822、S824、S826及びS828の処理を追加で実行する。また、S843、S845、S847、S851、S861、S910の処理の代わりに、S850、S860、S870、S873及びS913の処理を実行する。
S770では、再起動許可をメインマイコン30へ出力中か否か判定する。再起動許可を出力中であると判定した場合は、S780の処理へ進み、再起動許可を出力中でないと判定した場合は、S800の処理へ進む。
S780では、トリガスイッチ240がオフか否か判定する。トリガスイッチ240がオンであると判定した場合は、再起動許可の出力を継続して、S800の処理へ進む。トリガスイッチ240がオフであると判定した場合は、S790の処理へ進み、メインマイコン30への再起動許可の出力を停止する。
監視マイコン60は、通常、トリガスイッチ240がオンのときには、モータ40の再起動を許可しない。監視マイコン60は、トリガスイッチ240がオンのときに、特定の条件下でモータ40の再起動を許可する場合に、メインマイコン30へ再起動許可を出力する。トリガスイッチ240がオフになった場合には、メインマイコン30へ再起動許可を出力する必要がないため、再起動許可の出力を停止する。監視マイコン60は、後述する処理においてリセット信号の出力を停止し、且つ、トリガスイッチ240のオフが検出された後に、再起動許可の出力を停止する。なお、本実施形態では、再起動許可が本開示の特定エラー信号の一例に相当する。
続いて、S800~S820の処理を実行する。S800~S820のいずれかの判定において、肯定判定した場合には、S821の処理へ進む。すなわち、回転エラーが、急加速、急減速、及び速度超過のいずれかである場合には、S821の処理へ進む。
S821では、メインマイコン30をシステムエラーから復帰させるため、メインマイコン30へリセット信号を出力する。このリセット信号は、パルス信号である。監視マイコン60は、1パルス分のリセット信号を出力した後、リセット信号の出力を停止する。
続いて、S822では、メインマイコン30へ再起動許可の出力を開始する。
続いて、S824では、回転速度超過フラグをクリアする。続いて、S826では、急加速フラグをクリアする。続いて、S828では、急減速フラグをクリアする。
続いて、S824では、回転速度超過フラグをクリアする。続いて、S826では、急加速フラグをクリアする。続いて、S828では、急減速フラグをクリアする。
続いて、S830の処理を実行し、回転方向の不一致フラグがある場合、すなわち、特定の回転エラー以外の回転エラーが生じた場合には、S840の処理へ進む。
S840では、リセット信号の出力済みフラグがセットされているか否か判定する。出力済みフラグがセットされていると判定した場合は、S880の処理へ進む。出力済みフラグがセットされていないと判定した場合は、S850の処理へ進む。
S840では、リセット信号の出力済みフラグがセットされているか否か判定する。出力済みフラグがセットされていると判定した場合は、S880の処理へ進む。出力済みフラグがセットされていないと判定した場合は、S850の処理へ進む。
S850では、メインマイコン30へリセット信号を出力する。このリセット信号は、パルス信号である。
続いて、S860では、第3スイッチ55をオフにする遮断信号を、ハイサイドドライバ54に出力して、モータ40への通電を禁止する。
続いて、S860では、第3スイッチ55をオフにする遮断信号を、ハイサイドドライバ54に出力して、モータ40への通電を禁止する。
続いて、S870では、リセット信号の出力済みフラグをセットする。
続いて、S873では、特定エラー以外の回転エラーが発生しているため、メインマイコン30への再起動許可の出力を停止する。
続いて、S873では、特定エラー以外の回転エラーが発生しているため、メインマイコン30への再起動許可の出力を停止する。
続いて、S880~S900の処理を実行し、S913において、回転方向不一致フラグをクリアする。以上で、本サブルーチンを終了して、S490の処理へ進む。
<3.効果>
以上説明した第2実施形態によれば、以下の効果を奏する。
<3.効果>
以上説明した第2実施形態によれば、以下の効果を奏する。
(12)メインマイコン30のシステムエラーにより生じた回転エラーがモータ40の急加速、急減速及び速度超過のいずれかである場合には、監視マイコン60がメインマイコン30にモータ40への通電再開を許可する。これにより、トリガスイッチ240がオフになる前にメインマイコン30がモータ40を再起動するため、作業精度及び作業効率の低下を抑制することができる。
(13)回転エラーの種類が急加速、急減速及び速度超過のいずれかである場合には、監視マイコン60からメインマイコン30へ、リセット信号に加えて再起動許可が出力される。これにより、メインマイコン30は、回転エラーが急加速、急減速及び速度超過のいずれかである場合には、トリガスイッチ240がオフになる前にモータ40への通電を再開することができる。
(14)メインマイコン30は、自身が再起動したときに、監視マイコン60から再起動許可を受信し、且つ、トリガスイッチ240のオンを検出した場合には、モータ40への通電を再開して、作業効率の低下を抑制することができる。
(15)メインマイコン30が再起動し、トリガスイッチ240のオフが検出された場合には、再起動許可の出力が不要になる。したがって、監視マイコン60は、リセット信号の出力停止後、且つトリガスイッチ240のオフが検出された後に、再起動許可の出力を停止することにより、不要な信号の出力を抑制できる。
(16)メインマイコン30は、自身が再起動したときに再起動許可を受信していない場合には、モータ40への通電を再開せず停止し続ける。これにより、メインマイコン30の再起動時に、大きな反動トルクが生じることを抑制し、ひいては、作業精度の低下を抑制することができる。
(17)メインマイコン30は、自身が再起動したときに、モータ40の回転速度が所定値以下の場合には、モータ40への通電を再開せず停止し続ける。これにより、メインマイコン30の再起動時に、大きな反動トルクが生じることを抑制し、ひいては、作業精度の低下を抑制することができる。
(18)監視マイコン60は、回転エラーとして、設定方向と実回転方向との不一致を検出した場合に、メインマイコン30へ再起動許可を出力しない。これにより、メインマイコン30は、自身が再起動したときに、設定方向と実回転方向とが異なる場合には、モータ40への通電を再開せず停止し続ける。したがって、メインマイコン30の再起動時に、大きな反動トルクの発生を抑制し、作業精度の低下を抑制することができる。
(第3実施形態)
第3実施形態は、基本的な構成は第2実施形態と同様であるため、相違点について以下に説明する。なお、第2実施形態と同じ符号は、同一の構成を示すものであって、先行する説明を参照する。
第3実施形態は、基本的な構成は第2実施形態と同様であるため、相違点について以下に説明する。なお、第2実施形態と同じ符号は、同一の構成を示すものであって、先行する説明を参照する。
<1.エラーフラグチェック処理>
第3実施形態に係る監視マイコン60が、監視マイコン処理におけるS480において、図14A及び図14Bに示すエラーフラグチェック処理に替えて実行するエラーフラグチェック処理について、図15A及び図15Bを参照して説明する。
第3実施形態に係る監視マイコン60が、監視マイコン処理におけるS480において、図14A及び図14Bに示すエラーフラグチェック処理に替えて実行するエラーフラグチェック処理について、図15A及び図15Bを参照して説明する。
S755,S765及びS775では、S770、S780及びS790と同様の処理を実行する。
続いて、S785では、メインマイコン30へのリセット信号の出力を停止する。このリセット信号は、後述するS845の処理で出力される連続信号である。リセット信号が出力されている間、メインマイコン30は、モータ40を通電させることができない。
続いて、S785では、メインマイコン30へのリセット信号の出力を停止する。このリセット信号は、後述するS845の処理で出力される連続信号である。リセット信号が出力されている間、メインマイコン30は、モータ40を通電させることができない。
続いて、S795、S805、及びS815では、S800、S810及びS820と同様の処理を実行する。
続いて、S825では、位置信号から算出した現在のモータ40の回転速度が、所定値以下か否か判定する。回転速度が所定値よりも大きいと判定した場合は、S835の処理へ進み、回転速度が所定値以下であると判定した場合は、S845の処理へ進む。
続いて、S825では、位置信号から算出した現在のモータ40の回転速度が、所定値以下か否か判定する。回転速度が所定値よりも大きいと判定した場合は、S835の処理へ進み、回転速度が所定値以下であると判定した場合は、S845の処理へ進む。
S835では、メインマイコン30へパルス信号のリセット信号を出力する。すなわち、監視マイコン60は、1パルス分のリセット信号を出力した後、リセット信号の出力を停止する。メインマイコン30は、リセット信号の出力が停止した後、再起動する。その後、S855の処理へ進む。したがって、回転速度が所定値よりも大きい場合、メインマイコン30は、1パルス分のリセット信号を受信して直ぐに再起動する。
一方、S845では、メインマイコン30へ連続信号のリセット信号を出力する。すなわち、監視マイコン60は、リセット信号を継続的に出力し、トリガスイッチ240がオフになったときに、リセット信号の出力を停止する。
したがって、メインマイコン30は、回転エラーが生じた時に、回転速度が所定値よりも大きい場合には、回転エラー発生後に直ちに再起動して、モータ40を通電させることができる。一方、メインマイコン30は、回転エラーが生じた時に、回転速度が所定値以下である場合には、トリガスイッチ240がオフになるまで再起動できず、ひいては、モータ40を通電させることができない。
続いて、S855、S865、S875、S885、S895、S905、S915、S925、S935、S945、S955、S965、S975及びS985では、S822、S824、S826、S828、S830、S840、S850、S860、S870、S873、S880、S890、S900及びS913と同様の処理を実行する。
<2.効果>
以上説明した第3実施形態によれば、第2実施形態が奏する効果(12)~(18)と同様の効果を奏するとともに、以下の効果を奏する。
以上説明した第3実施形態によれば、第2実施形態が奏する効果(12)~(18)と同様の効果を奏するとともに、以下の効果を奏する。
(19)監視マイコン60は、リセット信号を出力するときに、モータ40の回転速度が所定以下の場合には、トリガスイッチ240のオフが検出されるまで、リセット信号の出力を継続する。これにより、メインマイコン30が再起動したときに、モータ40が略停止した状態から突然回転速度が上昇することを抑制できる。
(他の実施形態)
以上、本開示を実施するための形態について説明したが、本開示は上述の実施形態に限定されることなく、種々変形して実施することができる。
以上、本開示を実施するための形態について説明したが、本開示は上述の実施形態に限定されることなく、種々変形して実施することができる。
(a)上記実施形態では、回転関連値として、モータ40の回転速度、回転加速度、回転減速度、及び回転方向を取得して監視したが、モータ40の回転加速度及び回転減速度を取得して監視するだけでもよい。
(b)上記実施形態では、位置信号に基づいて、モータ40の回転加速度及び回転減速度を算出したが、制御信号(すなわち、PWM信号)のデューティの増減に基づいて、モータ40の回転加速度及び回転減速度を算出してもよい。
(c)上記実施形態における1つの構成要素が有する複数の機能を、複数の構成要素によって実現したり、1つの構成要素が有する1つの機能を、複数の構成要素によって実現したりしてもよい。また、複数の構成要素が有する複数の機能を、1つの構成要素によって実現したり、複数の構成要素によって実現される1つの機能を、1つの構成要素によって実現したりしてもよい。また、上記実施形態の構成の一部を省略してもよい。また、上記実施形態の構成の少なくとも一部を、他の上記実施形態の構成に対して付加又は置換してもよい。
(d)上述した電動作業機の他、当該電動作業機を構成要素とするシステム、監視マイコンを機能させるためのプログラム、メインマイコンを機能させるためのプログラム、これらのプログラムを記録した半導体メモリ等の非遷移的実態的記録媒体、方法など、種々の形態で本開示を実現することもできる。
1…電動作業機、30…メインマイコン、30a,60a…CPU、30b,60b…メモリ、36…電圧保証回路、36a…第1の保証回路、36b…第2の保証回路、38…第1スイッチ、39…第2スイッチ、40…モータ、40a…負荷側軸、41…位置センサ、42…モータドライバ、43…電流検出回路、44…過電流検出ラッチ回路、51…温度検出回路、51a…第1の温度検出回路、51b…第2の温度検出回路、52…バッテリ電圧検出回路、52a…第1の電圧検出回路、52b…第2の電圧検出回路、53…サージキラーコンデンサ、54…ハイサイドドライバ、55…第3スイッチ、60…監視マイコン、240…トリガスイッチ、240a…第1のトリガ回路、240b…第2のトリガ回路、260…正逆転スイッチ、260a…第1の正逆転回路、260b…第2の正逆転回路、270…信号端子、290…表示部、300…バッテリパック。
Claims (15)
- 回転力を発生するように構成されたモータと、
オンで前記モータを駆動させ、オフで前記モータを停止させるように構成されたトリガスイッチと、
前記回転力により駆動するように構成された先端工具と、
第1のマイクロコンピュータと、
第2のマイクロコンピュータと、を備え、
前記第2のマイクロコンピュータは、
前記モータの回転エラーを検出するように構成された回転エラー検出部と、
前記回転エラー検出部により前記回転エラーが検出された場合に、前記第1のマイクロコンピュータへリセット信号を出力するように構成された信号出力部と、を備え
前記第1のマイクロコンピュータは、
前記トリガスイッチの状態を検出するように構成された第1のトリガ検出部と、
前記モータの通電中に前記リセット信号を受信して再起動したときに、前記回転エラーが前記モータの急加速、急減速、及び速度超過のいずれかであり、且つ、前記第1のトリガ検出部により前記トリガスイッチのオンが検出された場合には、前記モータへの通電を再開するように構成された通電制御部と、を備える、
電動作業機。 - 前記信号出力部は、前記回転エラー検出部により検出された前記回転エラーの種類が急加速、急減速、及び速度超過のいずれかである場合に、前記リセット信号に加えて、特定エラー信号を前記第1のマイクロコンピュータへ出力するように構成されている、
請求項1に記載の電動作業機。 - 前記通電制御部は、前記第1のマイクロコンピュータが再起動したときに、前記特定エラー信号を受信し、且つ、前記第1のトリガ検出部により前記トリガスイッチのオンが検出された場合には、前記モータへの通電を再開するように構成されている、
請求項2に記載の電動作業機。 - 前記第2のマイクロコンピュータは、前記トリガスイッチの状態を検出するように構成された第2のトリガ検出部を更に備え、
前記信号出力部は、前記リセット信号の出力を停止し、且つ、前記第2のトリガ検出部により前記トリガスイッチのオフが検出された後に、前記特定エラー信号の出力を停止するように構成されている、
請求項2又は3に記載の電動作業機。 - 前記通電制御部は、前記第1のマイクロコンピュータが再起動したときに、前記特定エラー信号を受信しておらず、且つ、前記第1のトリガ検出部により前記トリガスイッチのオンが検出された場合には、前記モータへの通電を停止するように構成されている、
請求項2~4のいずれか1項に記載の電動作業機。 - 前記通電制御部は、前記第1のマイクロコンピュータが再起動したときに、前記モータの回転速度が所定値以下の場合には、前記モータへの通電を停止するように構成されている、
請求項2~5のいずれか1項に記載の電動作業機。 - 前記第2のマイクロコンピュータは、前記トリガスイッチの状態を検出するように構成された第2のトリガ検出部を更に備え、
前記信号出力部は、前記リセット信号を出力するときに、前記モータの回転速度が所定値以下の場合には、前記第2のトリガ検出部により前記トリガスイッチのオフが検出されるまで、前記リセット信号の出力を継続するように構成されている、
請求項2~6のいずれか1項に記載の電動作業機。 - 前記モータの回転方向を指示するように構成された方向設定部を更に備え、
前記回転エラー検出部は、前記回転エラーとして、前記方向設定部により設定された前記回転方向と、前記モータの実回転方向との不一致を検出するように構成されており、
前記信号出力部は、前記回転エラー検出部により前記回転エラーとして前記不一致が検出された場合に、前記特定エラー信号の出力を停止するように構成されている、
請求項2~7のいずれか1項に記載の電動作業機。 - 前記通電制御部は、前記第1のマイクロコンピュータが再起動したときに、前記特定エラー信号を受信しておらず、且つ、前記第1のトリガ検出部により前記トリガスイッチのオンが検出された場合には、前記第1のトリガ検出部により一旦前記トリガスイッチのオフが検出され、その後に前記第1のトリガ検出部により前記トリガスイッチのオンが検出されるまで、前記モータへの通電を停止させる、
請求項5に記載の電動作業機。 - 前記回転エラー検出部は、
前記モータの回転加速度が加速許容値と異なる場合に、前記回転エラーとして前記急加速を検出し、
前記モータの回転減速度が減速許容値と異なる場合に、前記回転エラーとして前記急減速を検出し、
前記モータの回転速度が速度許容値と異なる場合に、前記回転エラーとして前記速度超過を検出するように構成されている、
請求項2~9のいずれか1項に記載の電動作業機。 - 前記第2のマイクロコンピュータは、前記トリガスイッチの状態を検出するように構成された第2のトリガ検出部を更に備え、
前記回転エラー検出部は、少なくとも前記第2のトリガ検出部により前記トリガスイッチのオンが検出されている間、前記回転エラーを検出するように構成されている、
請求項2~10のいずれか1項に記載の電動作業機。 - 前記第2のマイクロコンピュータは、
前記モータを流れる電流の値を検出するように構成された電流検出部を更に備え、
前記回転エラー検出部は、前記第2のトリガ検出部により前記トリガスイッチのオンが検出され、且つ、前記電流検出部により検出された前記電流の値が0である場合に、前記モータの回転減速度を取得するように構成されている、
請求項11に記載の電動作業機。 - 前記電動作業機は、
電力供給源から前記モータへの供給ラインに設けられた第1の通電回路を更に備え、
前記第2のマイクロコンピュータは、
前記回転エラー検出部により前記回転エラーとして前記不一致が検出された場合に、前記第1の通電回路へ第1の遮断信号を出力して前記第1の通電回路を遮断するように構成された第1の遮断部と、
前記トリガスイッチの状態を検出するように構成された第2のトリガ検出部と、
前記第1の遮断部により前記モータへの通電が遮断された後に、前記第2のトリガ検出部により前記トリガスイッチのオフが検出された場合に、前記第1の通電回路へ第1の通電信号を出力して前記第1の通電回路を通電させるように構成されている第1の通電部と、を備える、
請求項8に記載の電動作業機。 - 前記第1の遮断部は、前記第2のマイクロコンピュータに入力される電源電圧が低下した場合に、前記第1の通電回路へ前記第1の遮断信号を出力するように構成されている、
請求項13に記載の電動作業機。 - 前記電動作業機は、
前記供給ラインに設けられた第2の通電回路を更に備え、
前記第1のマイクロコンピュータは、
前記第2の通電回路へ第2の遮断信号を出力して前記第2の通電回路を遮断するように構成された第2の遮断部と、
前記第1の遮断部から出力された前記第1の遮断信号又は前記第1の通電部から出力された前記第1の通電信号を検出するように構成された信号検出部と、
前記第1のマイクロコンピュータが再起動したときに、前記特定エラー信号を受信していない場合において、前記第2の遮断部により前記第2の通電回路が遮断された後、前記第1のトリガ検出部により前記トリガスイッチのオフが検出され、且つ、前記信号検出部により前記第1の通電信号が検出された後、前記第1のトリガ検出部により前記トリガスイッチのオンが検出されたことに応じて、前記第2の通電回路へ第2の通電信号を出力して前記第2の通電回路を通電させるように構成された第2の通電部と、を更に備える、
請求項13又は14に記載の電動作業機。
Applications Claiming Priority (2)
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JP2020204486 | 2020-12-09 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2024009939A1 (ja) * | 2022-07-08 | 2024-01-11 | パナソニックホールディングス株式会社 | 電動工具 |
-
2021
- 2021-11-30 JP JP2021194524A patent/JP2022091703A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2024009939A1 (ja) * | 2022-07-08 | 2024-01-11 | パナソニックホールディングス株式会社 | 電動工具 |
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