JP6673347B2 - 電動作業機 - Google Patents

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Description

本発明は、蓄電池の電力によりモータを駆動して動作する電動作業機に関する。
電動作業機に動作電力を供給する蓄電池は、定格出力電圧が36Vや18Vであることが多い。蓄電池の電力によって動作する自走式芝刈機等の電動作業機の中には、相互に定格出力電圧の異なる複数種類の蓄電池を択一的に装着可能なものがある。装着する蓄電池の定格出力電圧が変わった場合には、モータを駆動するためのPWM信号のデューティを変化させる等によりモータへの印加電圧の実効値を一定にすることで、実質的に同じ出力条件でモータを駆動することができる。下記特許文献1は、自走式芝刈機の制御について開示する。下記特許文献2は、自走式装置用の充電装置の構成を開示する。
特開平5−23002号公報 特開2007−336672号公報
例えば自走式芝刈機における車輪の回転制御では、低速回転の回転制御が重要である。ここで、一例として、装着する蓄電池の定格出力電圧が18Vから36Vに変わった場合を仮定する。この場合、モータを駆動するためのPWM信号のデューティを半分に落とせば、定格出力電圧が変わる前と同じようにモータを駆動することができる。しかし、モータドライバのスイッチング素子の最低スイッチング時間の制約により、PWM信号のデューティを低くするにも限界がある。そのため、相互に定格出力電圧の異なる複数種類の蓄電池を択一的に装着可能な電動作業機において定格出力電圧の高い蓄電池を装着した場合には、低速回転の制御が困難になる問題があった。
本発明はこうした状況を認識してなされたものであり、その目的は、従来と比較して低速回転の制御を容易に実行することの可能な、電動作業機を提供することにある。
本発明のある態様は、電動作業機である。この電動作業機は、
蓄電池を着脱可能な蓄電池取付部を備え、前記蓄電池の電力により駆動するモータを内部に収容する本体と、
駆動電源制御部を備え、前記蓄電池の出力電圧を変圧して出力可能な駆動電源回路と、 前記駆動電源制御部とは別に設けられ、前記変圧された出力電圧の実効値を変換可能なメイン制御部と、を備え、
前記本体は、前記駆動電源回路と、前記メイン制御部と、の各々を内部に備え、
前記駆動電源回路と前記メイン制御部とにより変換された出力電圧を用いて前記モータを駆動前記駆動電源回路は、前記メイン制御部の制御とは独立して出力を停止可能である
相互に定格出力電圧の異なる複数種類の蓄電池を択一的に装着可能であってもよい。
前記駆動電源回路は、前記駆動電源回路の出力に基づき、前記駆動電源制御部の動作を監視する出力電圧監視回路を備え、前記出力電圧監視回路により、前記メイン制御部の制御とは独立して前記駆動電源回路の出力を停止可能であってもよい。
停止用スイッチを備え、前記停止用スイッチからの停止信号が前記メイン制御部を介さずに前記駆動電源回路に送信され、前記駆動電源回路の出力を停止させてもよい。
前記メイン制御部は、マイクロコンピュータを備え、前記駆動電源制御部は、マイクロコンピュータを備えない回路であってもよい。
前記駆動電源回路が降圧型電源回路であってもよい。
前記駆動電源回路は、本電動作業機に装着可能な蓄電池のうち定格出力電圧が最も低い蓄電池の定格出力電圧以下の駆動電圧を出力してもよい。
前記モータが複数であってもよい。
前記モータがブラシレスモータであり、前記モータを駆動するモータ駆動回路は複数のスイッチング素子を備え、前記メイン制御部は前記スイッチング素子を制御することで前記実効値を変換してもよい。
自走式芝刈機であって、前記モータが、刈刃を駆動する刈刃モータ、左車輪を駆動する左車輪モータ、及び右車輪を駆動する右車輪モータを含んでもよい。
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本発明の表現を方法やシステムなどの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
本発明によれば、従来と比較して低速回転の制御を容易に実行することの可能な、電動作業機を提供することができる。
本発明の実施の形態に係る電動作業機としての自走式芝刈機1の使用環境説明図。 自走式芝刈機1、充電ベース50、及びACアダプタ60を示す概略図。 他の種類の電動作業機としてのヘッジトリマ7に蓄電池30を装着した状態の斜視図。 自走式芝刈機1のブロック図。 図4の駆動電源回路17の概略的な回路図。
以下、図面を参照しながら本発明の好適な実施の形態を詳述する。なお、各図面に示される同一または同等の構成要素、部材等には同一の符号を付し、適宜重複した説明は省略する。また、実施の形態は発明を限定するものではなく例示であり、実施の形態に記述されるすべての特徴やその組み合わせは必ずしも発明の本質的なものであるとは限らない。
図1は、本発明の実施の形態に係る電動作業機としての自走式芝刈機1の使用環境説明図である。図2は、自走式芝刈機1、充電ベース50、及びACアダプタ60を示す概略図である。自走式芝刈機1は、左右の車輪3A,3B及び刈刃4を有する本体2と、本体2の電池パック取付部5に着脱自在に装着される蓄電池(電池パック)30とを備える。自走式芝刈機1は、蓄電池30の電力によって動作し、蓄電池30の残容量が低下すると、充電ベース50まで自走して蓄電池30を充電する。自走式芝刈機1に着脱可能な蓄電池30は、好ましくは他の種類の電動作業機でも共用可能であり、図3では蓄電池30をヘッジトリマ7に装着した状態を示している。
図1に示すガイドワイヤ(誘導ワイヤ)80は、充電ベース50に接続され、自走式芝刈機1の走行エリア、すなわち芝刈り領域を区画するために配設される(例えば埋設される)。ガイドワイヤ80には充電ベース50から電流が供給され、自走式芝刈機1は、ガイドワイヤ80に流れる電流により発生する磁界を不図示のガイドワイヤセンサ(例えば本体2の前後に配置されるコイル等の磁気検出手段)によって検出し、芝刈り領域を認識する。充電ベース50は、芝刈り領域の隅に設置され、ケーブル70によってACアダプタ60に接続される。ケーブル70は、一端がACアダプタ60の出力端子に着脱自在であり、他端が充電ベース50の入力端子に着脱自在である。ACアダプタ60は、商用交流電源等の外部交流電源90に接続され、外部交流電源90から供給される交流電圧(例えば100V)を、直流電圧(例えば21V)に変換する。ACアダプタ60が出力する直流電圧は、ケーブル70によって充電ベース50に伝達され、充電ベース50の2つの直流出力端子51,52間に出力される。充電ベース50の出力電圧は、好ましくは25V以下であり、そうすることで充電ベース50の出力電圧を受ける自走式芝刈機1の回路部品を耐圧が25V以下の安価なものにすることができる。
図4は、自走式芝刈機1のブロック図である。自走式芝刈機1は、充電ベース50の直流出力端子51,52と接続、離脱可能な充電端子10a,10bを本体2に有する。充電ベース50から充電端子10a,10bに入力されるDC21Vは、被判別回路11及び充電回路としての昇降圧回路13に供給され、また逆流防止用ダイオードD1を通して制御用電源回路14に供給される。なお、制御用電源回路14には、逆流防止用ダイオードD2を通して後述の駆動電源回路17の出力電圧(例えばDC18V)も供給される。
被判別回路11は、充電ベース50に自走式芝刈機1の本体2が接続されたことを、充電ベース50側にて判別させるために設けられており、蓄電池30の電力で動作するものではなく、充電ベース50からの電力供給で動作し、蓄電池30の放電が進んでいわゆる電池切れ(残容量が実質的にゼロ)になった場合にも充電ベース50側にて判別可能にする。被判別回路11は、例えば所定のCR時定数回路である。充電ベース50の直流出力端子51,52間が短絡されたような場合には、充電ベース50は、自走式芝刈機1の本体2が接続されたとは認識せず、動作を停止することができる。
制御用電源回路14は、充電端子10a,10b間のDC21V又は後述の駆動電源回路17が出力するDC18Vを入力とし、DC5Vをメイン制御部としての制御部(マイクロコンピュータ)15に供給するものであり、具体的にはDC−DCコンバータ(電圧変換手段)である。蓄電池30が電池切れになった場合にも充電ベース50への接続時には充電ベース50から制御用電源回路14に電力が供給され、制御部15は、充電のための制御を実行可能である。すなわち、蓄電池30が電池切れになった場合、消費電力をゼロにするため制御用電源回路14への蓄電池30経由の電力供給(駆動電源回路17からの電力供給)は無くなるが、そのような場合にも充電ベース50への接続時には充電のための制御部15による制御を支障なく行うことができる。
昇降圧回路13は、蓄電池30の定格出力電圧に応じて充電端子10a,10b間のDC21Vを昇圧又は降圧し、蓄電池30の定格出力電圧に適合する充電電圧で蓄電池30を充電するDC−DCコンバータ(電圧変換手段)である。なお、昇降圧回路13による降圧は、例えば蓄電池30の定格出力電圧が18Vで消耗が激しい場合に緩やかに充電したいときや、18Vより低い蓄電池を使用可能とし、例えば14Vの蓄電池を充電したい場合に行われる。図2に示す本体2の電池パック取付部5に蓄電池30が装着されると、蓄電池30の各端子(図4に示す+端子、−端子、C+端子、5V端子、LD端子、T端子、LS端子)が、本体2の電池接続用の各ターミナルに接続される。制御部15は、T端子から蓄電池30の種類(定格出力電圧等)の識別信号を受信し、装着された蓄電池30の定格出力電圧に合わせた電圧で昇降圧回路13が充電動作を行うように制御する。制御部15による蓄電池30の種類の識別は、蓄電池30が装着される毎に、あるいは充電ベース50と本体2が接続される毎に行われる。ここでは、蓄電池30の定格出力電圧が、36Vと18Vの2種類である場合を想定している。蓄電池30の定格出力電圧が36Vの場合、昇降圧回路13は、充電端子10a,10b間のDC21Vを、36Vよりやや高い直流電圧に昇圧して出力する。蓄電池30の定格出力電圧が18Vの場合、昇降圧回路13は、充電端子10a,10b間のDC21Vを、18Vよりやや高い直流電圧に降圧して出力する。
駆動電源回路17は、少なくとも降圧が可能なDC−DCコンバータであり、自走式芝刈機1に装着可能な蓄電池30のうち定格出力電圧が最も低い蓄電池の定格出力電圧以下の駆動電圧を出力する。ここでは、駆動電源回路17は、蓄電池30の出力電圧を、18Vの安定した直流電圧に変換して出力する。駆動電源回路17の出力電圧は、逆流防止用ダイオードD2を介して制御用電源回路14に供給されるとともに、モータ駆動回路としての左車輪ドライバ18、右車輪ドライバ19、及び刈刃ドライバ20にそれぞれ供給される。左車輪ドライバ18、右車輪ドライバ19、及び刈刃ドライバ20はそれぞれ、三相ブリッジ接続されたFETやIGBT等の複数の(図示の例では6つの)スイッチング素子を有する。左車輪ドライバ18は、左車輪3Aを回転駆動する左車輪モータ22Aに、例えばPWM制御で電力供給する。右車輪ドライバ19は、右車輪3Bを回転駆動する右車輪モータ22Bに、例えばPWM制御で電力供給する。刈刃ドライバ20は、刈刃4を駆動する刈刃モータ22Cに、例えばPWM制御で電力供給する。左車輪モータ22A、右車輪モータ22B、及び刈刃モータ22Cは、好ましくはブラシレスモータである。左車輪ドライバ18、右車輪ドライバ19、及び刈刃ドライバ20は、制御部15により制御される。具体的には、各ドライバ(モータ駆動回路)は複数のスイッチング素子を有し、各スイッチング素子が制御部15により例えばPWM制御されることで、各モータへの出力電圧の実効値が変換される。
停止用スイッチとしての停止ボタン27は、例えば緊急時に自走式芝刈機1を停止するための緊急時停止用スイッチであり、停止ボタン27を操作すると(押すと)2つのスイッチ27a,27bが機械的に同時にオンする構成となっている。スイッチ27a,27bの出力は、ORゲート(論理和回路)28に入力され、ORゲート28の出力が停止信号として駆動電源回路17に送信される。停止信号は、スイッチ27a,27bの少なくともいずれかがオンになるとアクティブ(ハイレベル)となり、駆動電源回路17を停止させる信号である。すなわち、駆動電源回路17は、停止信号を受信し、スイッチ27a,27bの少なくともいずれかがオンになったことを検出すると(停止信号がアクティブになると)動作を停止する。
図5は、図4の駆動電源回路17の概略的な回路図である。駆動電源回路17は、図示の例では降圧型電源回路であり、駆動電源制御部としてのASIC等の駆動電源制御IC23によりマイクロコンピュータを介さずにFETやIGBT等のスイッチング素子Tr2,Tr3をオンオフ制御(例えばPWM制御)し、コイルL及びコンデンサCの相互接続点に18Vの安定した直流電圧を出力するものである。すなわち、駆動電源制御IC23は、駆動電源回路17の出力電圧のピーク値を低下させる変圧(降圧)制御を行っている。前記相互接続点の電圧は、駆動電源制御IC23に入力され、駆動電源制御IC23は、駆動電源回路17の出力(前記相互接続点の電圧)が一定になるようにフィードバック制御を行う。相互接続点の電圧はさらに、出力電圧監視回路24にもフィードバックされ、出力電圧監視回路24は、通常時は駆動電源回路17の入力端子に接続されたFETやIGBT等のスイッチング素子Tr1をオンにしていて、前記相互接続点の電圧が所定の閾値電圧以上に上昇した場合に、駆動電源制御IC23に何らかの異常が生じたと判断し、スイッチング素子Tr1をオフにする。換言すれば、出力電圧監視回路24は、駆動電源制御IC23の動作を監視しており、例えば駆動電源制御IC23により18Vの直流電圧を出力する制御を行う場合、前記制御電圧より若干高い20V程度を閾値電圧として動作する。
以上の自走式芝刈機1の構成において、本体2の電池取付部5に蓄電池30を装着し、本体2を充電ベース50に接続すれば(本体側充電端子10a,10bを充電ベース50の直流出力端子51,52に接続すれば)、充電ベース50は被判別回路11を判別して21Vの直流電圧を本体2に供給する。本体2において、昇降圧回路13は、蓄電池30の定格出力電圧を識別した制御部15の指令に従って、蓄電池30の定格出力電圧(36V又は18V)に適合する直流電圧で蓄電池30を充電する。
充電完了後、自走式芝刈機1は、充電ベース50から離脱して、制御部15により予め定められた自動走行動作及び芝刈り動作を行う。自走式芝刈機1は、要求された芝刈り動作が終了したとき、又は蓄電池30の残容量が低下したときは、充電ベース50に帰還する。なお、蓄電池30の残容量が低下したと判断するしきい値は、接続される蓄電池30の定格出力電圧によって変更される(例えば定格出力電圧に対する所定の割合とされる)。すなわち、制御部15は、蓄電池30の定格出力電圧が36Vの場合、蓄電池30の定格出力電圧が18Vの場合よりも高い電圧で残容量が低下したと判断し、充電ベース50への帰還動作を開始する。
本実施の形態によれば、下記の効果を奏することができる。
(1) 蓄電池30からの供給電圧を駆動電源回路17で例えば18Vの駆動電圧に変換して左車輪ドライバ18、右車輪ドライバ19、及び刈刃ドライバ20に供給するため、左車輪ドライバ18、右車輪ドライバ19、及び刈刃ドライバ20の制御を変更しなくても複数種の定格出力電圧の蓄電池30の使用が可能である。
(2) 36V等の高い定格出力電圧の蓄電池30を使用する場合でも、駆動電源回路17により18Vの駆動電圧に変換して各ドライバに供給することで、36Vをそのまま供給する場合と比較して、低速回転制御が可能となる。すなわち、高い定格出力電圧の蓄電池30を使用する場合、各ドライバのスイッチング素子の最低スイッチング時間の制約により低速回転制御が困難となる場合があるが、本実施の形態では、蓄電池30の出力電圧を18Vの駆動電圧に変換して各ドライバに供給し、各ドライバは変換された駆動電圧の実効値を変換することで、蓄電池30の定格出力電圧が高い場合でも好適に低速回転制御が可能となる。特に自走式芝刈機1では車輪の走行等、低速で行う必要があり、低速回転の詳細制御を行える意義は大きい。
(3) 自走式芝刈機1では、複数のモータを使用するため、モータ駆動用に多数のスイッチング素子が必要となり、各スイッチング素子を36Vに対応可能な高い耐圧の素子にすると高コストになるという問題があるが、本実施の形態では、蓄電池30の出力電圧を18Vの駆動電圧に変換して各ドライバに供給することで、各スイッチング素子を耐圧の低い安価な素子にすることができ、コスト安である。
(4) 停止ボタン27を押すと2つのスイッチ27a,27bが機械的に同時にオンする構成であり、スイッチ27a,27bの出力の論理和を停止信号とするため、スイッチ27a,27bの片方が故障した場合でも、停止ボタン27が押されれば駆動電源回路17を停止できる。すなわち、停止ボタン27が押された際に駆動電源回路17を確実に停止することができる。
(5) 駆動電源回路17の制御は、制御部15とは別に設けられた駆動電源制御IC23によって行われ、停止ボタン27からの停止信号(ORゲート28の出力信号)は、制御部15を介さずに駆動電源制御IC23に送信されるため、制御部15に不具合が発生しても停止ボタン27が押されれば確実に駆動電源回路17を停止できる(各モータを停止できる)。
(6) 被判別回路11を本体2が有しているため、充電ベース50は自走式芝刈機1が接続されたことを認識でき、また直流出力端子51,52間の短絡等の不測の事態を判別できる。
(7) 蓄電池30が電池切れになった場合にも充電ベース50への接続時には充電ベース50から制御用電源回路14に電力が供給され、制御部15は、充電のための制御を実行可能なため、蓄電池30が電池切れとなっても充電ベース50に自走式芝刈機1を接続することで充電動作を開始できる。
(8) 自走式芝刈機1は、本体2に充電回路としての昇降圧回路13を有し、昇降圧回路13により充電ベース50からの供給電圧を蓄電池30の定格出力電圧に応じた直流電圧に変換して蓄電池30を充電するため、定格出力電圧が36Vの蓄電池30を確実に満充電にすることができる。
(9) 自走式芝刈機1では二次側回路内に着脱部が必要となり、充電ベース50からの直流出力電圧は42V以下にすることが求められるが、本実施の形態では本体2に昇降圧回路13を設けたことで、充電ベース50の出力電圧は42Vに対して余裕を大きく取ることができ、設計上有利であると共に、充電ベース50の出力電圧が加わる自走式芝刈機1の回路部品を耐圧の低い安価な部品にすることができ、コスト安である。また、充電ベース50の出力電圧が低いため、自走式芝刈機1においては制御部15の電源となるDC5Vを一段の電源回路(制御用電源回路14)で作成でき、充電ベース50の出力電圧が高くDC5Vの作成に二段以上の電源回路が必要な場合と比較して部品点数を削減できる。
(10) ACアダプタ60は、出力電圧がDC21V程度の汎用性が高いものでよいため、低コスト化に有利である。
(11) 昇降圧回路13で蓄電池30を充電するため、複数種の定格出力電圧の蓄電池30の充電が可能である。
(12) 従来の自走式芝刈機は専用の蓄電池を内蔵しており、内蔵蓄電池の残容量が低下した場合は充電のために動作させることができなかったが、本実施の形態に係る自走式芝刈機1は、本体2に蓄電池30を着脱自在に装着する構造であり、蓄電池30の残容量が低下した場合には、充電済みの蓄電池と交換することで、芝刈り作業を続行可能である。
(13) 蓄電池30は、他の種類の電動作業機でも共用可能なため、操作者は自走式芝刈機1と他の種類の電動作業機との間で蓄電池30を互いに流用できて便利である。
以上、実施の形態を例に本発明を説明したが、実施の形態の各構成要素や各処理プロセスには請求項に記載の範囲で種々の変形が可能であることは当業者に理解されるところである。以下、変形例について触れる。
実施の形態では充電ベース50とACアダプタ60が別体である場合を説明したが、充電ベース50がACアダプタ60の機能(交流電圧を直流電圧に変換する機能)を内蔵してもよい。実施の形態では充電回路として昇降圧回路13を例示したが、定格出力電圧が36Vの蓄電池30を確実に満充電にする観点では、充電回路は少なくとも昇圧機能を有していればよい。駆動電源回路17の出力電圧で刈刃モータ22Cを駆動する場合、蓄電池30の定格出力電圧が変わったときに制御を変更する必要が無いため、刈刃モータ22Cはブラシ付きモータとしてもよい。自走式芝刈機1は、定格出力電圧の異なる3種類以上の蓄電池を択一的に装着可能であってもよい。実施の形態で例示した具体的な数値、例えば蓄電池30の定格出力電圧や充電ベース50の出力電圧及びその上限値等は、説明上の一例に過ぎず、実際の使用環境に合わせて適宜設定されるものである。電動作業機は、実施の形態で例示した自走式芝刈機1に限定されず、他の種類のものであってもよい。
1…自走式芝刈機、2…本体、3A…左車輪、3B…右車輪、4…刈刃、5…電池パック取付部、7…ヘッジトリマ、10a,10b…充電端子、11…被判別回路、13…昇降圧回路、14…制御用電源回路、15…制御部(マイコン)、17…駆動電源回路、18…左車輪ドライバ、19…右車輪ドライバ、20…刈刃ドライバ、22A…左車輪モータ、22B…右車輪モータ、22C…刈刃モータ、23…駆動電源制御IC、24…出力電圧監視回路、27…停止ボタン(停止用スイッチ)、28…ORゲート(論理和回路)、30…蓄電池(電池パック)、50…充電ベース、60…ACアダプタ、70…ケーブル、80…ガイドワイヤ(誘導ワイヤ)、90…外部交流電源、D1,D2…逆流防止用ダイオード

Claims (10)

  1. 蓄電池を着脱可能な蓄電池取付部を備え、前記蓄電池の電力により駆動するモータを内部に収容する本体と、
    駆動電源制御部を備え、前記蓄電池の出力電圧を変圧して出力可能な駆動電源回路と、 前記駆動電源制御部とは別に設けられ、前記変圧された出力電圧の実効値を変換可能なメイン制御部と、を備え、
    前記本体は、前記駆動電源回路と、前記メイン制御部と、の各々を内部に備え、
    前記駆動電源回路と前記メイン制御部とにより変換された出力電圧を用いて前記モータを駆動前記駆動電源回路は、前記メイン制御部の制御とは独立して出力を停止可能である、電動作業機。
  2. 相互に定格出力電圧の異なる複数種類の蓄電池を択一的に装着可能である、請求項1に記載の電動作業機。
  3. 前記駆動電源回路は、前記駆動電源回路の出力に基づき、前記駆動電源制御部の動作を監視する出力電圧監視回路を備え、前記出力電圧監視回路により、前記メイン制御部の制御とは独立して前記駆動電源回路の出力を停止可能である、請求項1又は2に記載の電動作業機。
  4. 停止用スイッチを備え、前記停止用スイッチからの停止信号が前記メイン制御部を介さずに前記駆動電源回路に送信され、前記駆動電源回路の出力を停止させる、請求項1から3のいずれか一項に記載の電動作業機。
  5. 前記メイン制御部は、マイクロコンピュータを備え、前記駆動電源制御部は、マイクロコンピュータを備えない回路である、請求項1から4のいずれか一項に記載の電動作業機。
  6. 前記駆動電源回路が降圧型電源回路である、請求項1から5のいずれか一項に記載の電動作業機。
  7. 前記駆動電源回路は、本電動作業機に装着可能な蓄電池のうち定格出力電圧が最も低い蓄電池の定格出力電圧以下の駆動電圧を出力する、請求項6に記載の電動作業機。
  8. 前記モータが複数である、請求項1から7のいずれか一項に記載の電動作業機。
  9. 前記モータがブラシレスモータであり、前記モータを駆動するモータ駆動回路は複数のスイッチング素子を備え、前記メイン制御部は前記スイッチング素子を制御する、請求項1から8のいずれか一項に記載の電動作業機。
  10. 自走式芝刈機であって、前記モータが、刈刃を駆動する刈刃モータ、左車輪を駆動する左車輪モータ、及び右車輪を駆動する右車輪モータを含む、請求項1から9のいずれか一項に記載の電動作業機。
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