JP2022091600A - 操業ガイダンス方法、高炉の操業方法、溶銑の製造方法及び操業ガイダンス装置 - Google Patents

操業ガイダンス方法、高炉の操業方法、溶銑の製造方法及び操業ガイダンス装置 Download PDF

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Abstract

【課題】高炉の操業異常を定量化し、異常をその根拠とともに示すことができる操業ガイダンス方法、高炉の操業方法、溶銑の製造方法及び操業ガイダンス装置を提供する。【解決手段】出力変数に溶銑温度を含む、高炉の内部の状態を計算可能な物理モデルを用いて、高炉の操業を支援する操業ガイダンス方法であって、物理モデルを用いて、溶銑温度と相関のある炉熱指標を予測するステップ(S1)と、操業中の高炉における実測値に基づいて炉熱指標を計算するステップ(S2)と、予測された炉熱指標と実測値に基づいて計算された炉熱指標との差分を計算するステップ(S3)と、差分に基づいて高炉の操業異常と判定された場合に、異常要因を表示させるステップ(S5)と、を含む。【選択図】図9

Description

本開示は、操業ガイダンス方法、高炉の操業方法、溶銑の製造方法及び操業ガイダンス装置に関する。
製鉄業における高炉プロセスにおいて溶銑温度(Hot Metal Temperature:HMT)は重要な管理指標である。溶銑温度が高くなると余剰な還元材を消費するのみならず、炉内ガスの膨張により原料降下が不安定となる。また溶銑温度が極端に低下するとスラグの排滓性が悪化し高炉の生産性が低下する。溶銑温度のばらつきを低減することにより、高炉の生産性を犠牲にすることなく温度目標値を低下させることが可能となり、還元材比の低減につながる。
高炉プロセスは固体が充填された状態で操業を行うためプロセス全体の熱容量が大きく、操業アクションに対する応答の時定数が長いという特徴がある。そのため適切に高炉の操業を実行するために、予測に基づいた制御が行われることがある。予測に基づいた高炉の制御方法として、例えば特許文献1のような物理モデルを用いるものがある。
特開平11-335710号公報
特許文献1は、溶銑温度の予測値が管理目標範囲を逸脱する場合に、高炉の操業異常があるとして操業アクションをとることが可能であると記載する。ただし、特許文献1の技術は、どのような操業アクションをとるかの判断に用いられる異常要因まで提示するものでない。
以上の問題を解決すべくなされた本開示の目的は、高炉の操業異常を定量化し、異常をその根拠とともに示すことができる操業ガイダンス方法、高炉の操業方法、溶銑の製造方法及び操業ガイダンス装置を提供することにある。
本開示の一実施形態に係る操業ガイダンス方法は、
出力変数に溶銑温度を含む、高炉の内部の状態を計算可能な物理モデルを用いて、前記高炉の操業を支援する操業ガイダンス方法であって、
前記物理モデルを用いて、前記溶銑温度と相関のある炉熱指標を予測するステップと、
操業中の前記高炉における実測値に基づいて前記炉熱指標を計算するステップと、
予測された前記炉熱指標と前記実測値に基づいて計算された前記炉熱指標との差分を計算するステップと、
前記差分に基づいて前記高炉の操業異常と判定された場合に、異常要因を表示させるステップと、を含む。
本開示の一実施形態に係る高炉の操業方法は、
上記の操業ガイダンス方法によって示された前記異常要因に基づいて操業条件を変更する。
本開示の一実施形態に係る溶銑の製造方法は、
上記の高炉の操業方法によって操業される前記高炉を用いて溶銑を製造する。
本開示の一実施形態に係る操業ガイダンス装置は、
出力変数に溶銑温度を含む、高炉の内部の状態を計算可能な物理モデルを用いて、前記高炉の操業を支援する操業ガイダンス装置であって、
前記物理モデルを記憶する記憶部と、
前記物理モデルを用いて、前記溶銑温度と相関のある炉熱指標を予測する予測部と、
操業中の前記高炉における実測値に基づいて前記炉熱指標を計算する炉熱指標計算部と、
予測された前記炉熱指標と前記実測値に基づいて計算された前記炉熱指標との差分を計算する差分計算部と、
前記差分に基づいて前記高炉の操業異常と判定された場合に、異常要因を表示させる表示制御部と、を備える。
本開示によれば、高炉の操業異常を定量化し、異常をその根拠とともに示すことができる操業ガイダンス方法、高炉の操業方法、溶銑の製造方法及び操業ガイダンス装置を提供することができる。
図1は、本開示で用いられる物理モデルの入出力情報を示す図である。 図2は、炉内の下部での熱収支の概念図を示す。 図3は、正常操業下における実炉及び物理モデルの炉熱指標の推移を示す図である。 図4は、実炉及び物理モデルの炉熱指標と溶銑温度との相関を示す図である。 図5は、異常操業下における実炉及び物理モデルの炉熱指標の推移を示す図である。 図6は、炉熱指標の項目ごとの差分の例を示す図である。 図7は、図6の差分を百分率で示した図である。 図8は、一実施形態に係る操業ガイダンス装置の構成例を示す図である。 図9は、一実施形態に係る操業ガイダンス方法を示すフローチャートである。
以下、図面を参照して本開示の一実施形態に係る操業ガイダンス方法、高炉の操業方法、溶銑の製造方法及び操業ガイダンス装置が説明される。本開示において用いられる物理モデルは、参考文献1(羽田野道春ら、「高炉非定常モデルによる火入れ操業の検討」、鉄と鋼、vol.68、p.2369)に記載の方法と同様、鉱石の還元、鉱石とコークスとの間の熱交換及び鉱石の融解等の物理現象を考慮した偏微分方程式群から構成された、非定常状態における高炉の内部(炉内)の状態を計算可能な物理モデルである。この物理モデルを、以下において非定常モデルと称することがある。
図1に示すように、非定常モデルに与えられる入力変数の中で時間変化する主なものは、送風流量、送風酸素流量、微粉炭流量、コークス比、送風湿分、送風温度である。これらの入力変数は高炉の操作変数又は操業因子である。送風流量、送風酸素流量、微粉炭流量は、それぞれ、高炉に送られる空気、酸素、微粉炭の流量である。コークス比は、炉頂部におけるコークス比であって、1トンの溶銑生成量に対して使用されるコークス重量である。送風湿分は、高炉に送られる空気の湿度である。送風温度は、高炉に送られる空気の温度である。
また、非定常モデルの主な出力変数は、炉頂ガス組成、造銑速度、溶銑温度である。非定常モデルを用いて時々刻々変化する溶銑温度、造銑速度を計算可能である。また、本実施形態に係る操業ガイダンス方法において、非定常モデルを用いて、後述する炉熱指標が計算される。この計算の時間間隔は特に限定されないが、本実施形態において30分である。後述する非定常モデルの式の「t+1」と「t」との時間差が、本実施形態では30分である。
ここで、非定常モデルは、原料が炉内を円滑に降下することが前提条件となっている。前提条件が成立しない場合、溶銑温度の予測精度が低下する。つまり、前提条件が成立しない場合、非定常モデルの複数の出力変数のうちの溶銑温度に影響が生じやすい。また、非定常モデルの入力変数である炉頂部におけるコークス比に計測誤差、分析誤差が生じる場合、溶銑温度の計算値と実績値とが解離する。したがって、非定常モデルと実測データとの乖離を監視することにより非定常モデルの前提条件及び設定条件からの解離、換言すれば炉熱状態にかかわる操業異常を判定することができる。さらにその操業異常を要素ごとに分解することができれば異常の種別に応じた操業アクションを実施し異常な炉熱状態からの回復を図ることができる。
非定常モデルを以下の式により表すことができる。
Figure 2022091600000002
ここでx(t)は非定常モデル内で計算される状態変数である。状態変数は、例えばコークスの温度、鉄の温度、鉱石の酸化度、原料の降下速度などである。y(t)は溶銑温度である。u(t)は上記の入力変数であって、高炉の操業を行うオペレータが操作可能な変数である。つまり、入力変数は、送風流量BV(t)、送風酸素流量BVO(t)、微粉炭流量PCI(t)、コークス比CR(t)、送風湿分BM(t)、送風温度BT(t)である。u(t)=(BV(t),BVO(t),PCI(t),CR(t),BM(t),BT(t))で表すことができる。
以下に、高炉の操業異常を判定するための炉熱指標が定義される。上記のように、非定常モデルの出力変数である溶銑温度について、計算値と実績値との解離から操業異常を判定することができる。ただし、その操業異常を要素ごとに分解することを容易にするために、すなわち、異常の根拠を効率的に判定可能にするために、溶銑温度と相関のある炉熱指標が定義される。
図2は、炉内の下部での熱収支の概念図を示す。熱収支の概念については、例えば参考文献2(小野陽一、Rist操業線図(I)、鉄と鋼、79(1993)、N618)に記載されている。炉内には熱保存帯が存在し、その上部(炉上部)と下部(炉下部)との熱収支を独立に扱って差し支えない。本実施形態において、炉熱指標は、炉下部における熱収支の構成要素を用いる。図2に示すように、炉下部における熱収支は、入熱についての2つの要素(Q1及びQ2)と、出熱についての3つの要素(Q3、Q4及びQ5)と、を含む。ここで、本開示における炉熱指標は一例であり、例えば参考文献3(A.Agrawal et.al.、Ironmaking and Steelmaking、Vol.46(2019)、pp.133-140)などに記載される、その他の炉熱指標であってよい。
まず、入熱について、下記の式(3)で示される羽口からの吹き込まれる熱風の送風顕熱Q1(t)[MJ/min]がある。
Figure 2022091600000003
ここで、Cp,gはガス比熱である。送風顕熱Q1(t)は、熱保存帯温度を1000℃と仮定し、1000℃を基準とする顕熱としている。
その他の入熱の要素として、下記の式(4)で示される羽口でのコークス及び微粉炭の燃焼熱Q2(t)がある。
Figure 2022091600000004
ここで、PCI_Cは微粉炭中の炭素の割合を意味する。ΔH(coke)はコークス中の炭素の燃焼熱である。ΔH(PC)は微粉炭中の炭素の燃焼熱に微粉炭の分解熱を加えた羽口での発熱量である。また、TotalCは炭素燃焼速度[kg/min]であって、下記の式(5)で示される。
Figure 2022091600000005
ここで、PCI_Oは微粉炭中の酸素の割合を意味する。
また、出熱として、下記の式(6)で示される送風湿分の分解熱Q3(t)、式(7)で示される直接還元による吸熱Q4(t)及び式(8)で示される炉体のヒートロスQ5(t)がある。
Figure 2022091600000006
ここで、SLC(t)は直接還元反応により消費される時間当りの炭素量である。SLC(t)は、例えば参考文献4(Y.Hashimoto et.al.、ISIJ Int.、Vol.59(2019)、pp.1534-1544)に記載されているように、炉内の炭素収支により計算可能である。
炉熱指標TQ(t)は、iを1から5の整数として、単位時間当りの熱量であるQi(t)を造銑速度Vprod(t)で除した1トンの溶銑当りの熱量であるqi(t)を合計することで定義される。換言すると、炉熱指標TQ(t)は、単位量当たりの熱量指標である。炉熱指標TQ(t)は下記の式(9)で示される。
Figure 2022091600000007
造銑速度Vprod(t)は、下記の式(10)に示す通り、酸素収支により計算可能である。
Figure 2022091600000008
ここで、v out(t)[kg/min]は炉頂から排出される酸素流量である。v in(t)[kg/min]は酸素の羽口への吹込流量である。Ore[kg/t]は1トンの銑鉄を製造するために必要な被還元酸素量である。v out(t)は炉内反応の結果であり鉱石の被還元性に依存する。そのため、造銑速度Vprod(t)は、高炉の操業を行うオペレータが操作可能な変数から一意に決定されるものでない。
図3は、正常操業下における実炉及び物理モデルの炉熱指標の推移の一例を示す図である。図3において、実炉の実測値に基づいて計算された炉熱指標TQ(t)、炉熱指標TQ(t)を構成する項目であるq1(t)~q5(t)及び造銑速度Vprod(t)が実線で示されている。また、図3は、上記のQ1(t)~Q5(t)についても示す。これらについて、物理モデルを用いた予測として計算された値が破線で示されている。
図3に示されるように、Q1(t)、Q2(t)、Q3(t)については実測値に基づく結果と予測とで差がない。Q1(t)、Q2(t)、Q3(t)は操作可能な変数(境界条件)によって一意に決定されるためである。ここで、造銑速度Vprod(t)で差があるため、q1(t)、q2(t)、q3(t)には差分が生じている。また、実際の炉内反応と物理モデルとで差があるため、Q4(t)、Q5(t)については差分が生じている。ただし、生じている差分はいずれも小さい。つまり、炉熱指標TQ(t)及び炉熱指標TQ(t)を構成する項目であるq1(t)~q5(t)について、実測値に基づく結果と予測とで値の変動の傾向は一致している。
また、図4は、実炉及び物理モデルの炉熱指標TQと溶銑温度HMTとの相関を示す図である。ここで、炉熱指標TQの方が溶銑温度HMTよりも先行して変化するため、溶銑温度HMTは炉熱指標TQの4時間後のデータを用いて対応させている。図4に示すように、炉熱指標TQと溶銑温度HMTとの間には良好な相関が認められる。そのため、溶銑温度HMTを用いる場合と同様に、炉熱指標TQを用いて高炉を操業することができる。つまり、高炉の操業指標として炉熱指標TQを用いることができる。また、図3を参照して説明したように、炉熱指標TQ(t)及びq1(t)~q5(t)について、実測値に基づく実績値と予測値とで、正常操業下における値の変動の傾向は一致している。そのため、炉熱指標TQ(t)及びq1(t)~q5(t)について、実測値に基づく実績値と予測値との乖離に基づいて、操業異常を判定することが可能である。
図5は、異常操業下における実炉及び物理モデルの炉熱指標の推移を示す図である。TQ(t)、q1(t)~q5(t)、Q1(t)~Q5(t)、Vprod(t)及び実線と破線の意味については、図3と同じである。また、これらと同じ時系列で、微粉炭流量PCI(t)及び溶銑温度HMT(t)が示されている。目標値は、溶銑温度HMTの目標温度である。
図5の例において、炉熱指標TQ(t)の実線と破線との差分が大きく、溶銑温度HMT(t)の推移についても同様である。つまり、予測された炉熱指標TQ(t)と実測値に基づいて計算された炉熱指標TQ(t)との差分が後半部分で大きくなっており、溶銑温度HMT(t)についても同様の傾向が見られる。このとき、物理モデルを用いた予測としての計算では、微粉炭流量PCI(t)を増加させており、炉熱指標TQ(t)及び溶銑温度HMT(t)がともに上昇する結果となっている。これに対して、実炉では両者ともに低下する傾向を示している。このことは、実炉において微粉炭流量PCI(t)を増加させる操作による効果(炉熱上昇)が発揮されなかったことを示しており、高炉の操業異常といえる。
異常要因、すなわち、この異常が何に由来しているのかは、炉熱指標TQ(t)を構成する項目であるq1(t)~q5(t)の乖離に基づいて判定可能である。このとき、q1(t)~q5(t)の差分の割合である寄与率を用いることによって、効率的な異常要因の判定が可能である。
寄与率は次のように計算され得る。qiAct(t)は、iを1から5の整数として、実炉の実測値に基づいて計算された炉熱指標TQ(t)のqi(t)である。また、qiMod(t)は、物理モデルを用いた予測として計算された炉熱指標TQ(t)のqi(t)である。寄与率は、これらの差分であるΔqi(t)=|qiAct(t)-qiMod(t)|を、Δqi(t)のi=1~5の総和との比を計算することで得られる。図6は、図5の例におけるqi(t)ごとの差分を示す図である。図7は、図6における差分をΔqi(t)の総和との比で示したもの(百分率で表示したもの)であって、寄与率に対応する。
図6及び図7においてΔq2が最も大きい。つまり、図5の例ではq2が主な異常要因と考えられる。また、図5に示すように、コークス及び微粉炭の燃焼熱Q2については差がないことから、さらに詳細な異常要因は造銑速度Vprod(t)の違いであることがわかる。これは、例えば式(10)のv out(t)の乖離によるものであって、荷下り、炉頂コークス比、鉱石の被還元性について、物理モデルが実炉と異なっていることが考えられる。
別の例として、Δq4が他のΔqiと比較して大きい場合は、直接還元による吸熱Q4が物理モデルと実炉で異なる挙動を示したということである。詳細な異常要因は、鉱石の被還元性、炉内ガスの偏流によるCOガスと鉱石の接触状態の変化、鉱石粒度の変化による反応比表面積について、物理モデルが実炉と異なっていることが考えられる。さらに別の例として、Δq5が他のΔqiと比較して大きい場合は、炉体のヒートロスQ5が物理モデルと実炉で異なる挙動を示したということである。詳細な異常要因は、装入物分布に起因した融着帯形状の変化、炉内ガスの偏流などについて、物理モデルが実炉と異なっていることが考えられる。
このような解析によって、本開示においては、少なくとも、炉熱指標TQを構成する5つの項目のうちで、どれが異常要因として支配的であるかを示すことができる。
図8は、一実施形態に係る操業ガイダンス装置10の構成例を示す図である。図8に示すように、本実施形態に係る操業ガイダンス装置10は、記憶部11と、予測部12と、炉熱指標計算部13と、差分計算部14と、異常判定部15と、表示制御部16と、を備える。操業ガイダンス装置10は、高炉に備えられたセンサから各種の測定値である実測値を取得する。また、操業ガイダンス装置10は、高炉の操業のためのガイダンスを表示部20に表示させる。具体的に言うと、操業ガイダンス装置10は、高炉の操業異常と判定した場合に、その異常要因を表示部20に表示させる。表示部20は、液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display)又は有機ELパネル(Organic Electro-Luminescence Panel)などの表示装置であってよい。
記憶部11は、物理モデルを記憶する。また、記憶部11は、操業異常の判定に関するプログラム及びデータを記憶する。記憶部11は、半導体記憶デバイス、光記憶デバイス及び磁気記憶デバイスなどの任意の記憶デバイスを含んでよい。半導体記憶デバイスは例えば半導体メモリを含んでよい。記憶部11は、複数の種類の記憶デバイスを含んでよい。
予測部12は、物理モデルを用いて、溶銑温度と相関のある炉熱指標を予測する。予測部12は、将来の炉熱指標を、上記の式に従って計算する。本実施形態において、将来は30分後である。また、予測部12は、炉熱指標を構成する項目ごとに計算を実行する。
炉熱指標計算部13は、操業中の高炉における実測値に基づいて炉熱指標を計算する。炉熱指標計算部13は、炉熱指標を構成する項目ごとに計算を実行する。
差分計算部14は、予測部12によって予測された炉熱指標と、炉熱指標計算部13によって実測値に基づいて計算された炉熱指標との差分を計算する。詳細に言うと、差分計算部14は、炉熱指標の差分に加えて、炉熱指標を構成する項目ごとの差分を計算する。ここで、差分計算部14は、予測部12が計算した炉熱指標と炉熱指標計算部13が計算した炉熱指標との時間差を考慮して、差分を計算する。本実施形態において、差分計算部14は、予測部12によって予測された炉熱指標と、30分後に取得された実測値に基づいて計算された炉熱指標との差分を計算する。
異常判定部15は、差分計算部14によって計算された差分に基づいて、高炉の操業異常を判定する。異常判定部15は、差分が大きい場合に操業異常と判定する。異常判定部15は、操業異常と判定した場合に、項目ごとの差分に基づいて異常要因を判定する。異常判定部15は、上記の寄与率を計算して、異常要因を判定してよい。つまり、異常判定部15は、異常要因を構成する項目の差分の割合に基づいて、異常要因を特定してよい。
表示制御部16は、異常判定部15によって高炉の操業異常と判定された場合に、異常要因を表示部20に表示させる。表示制御部16は、例えば鉱石の被還元性、炉内ガスの偏流によるCOガスと鉱石の接触状態の変化など、詳細な異常要因の候補を表示部20に表示させてよい。また、表示制御部16は、炉熱指標を構成する5つの項目のうちで、どれが異常要因として支配的であるかを、表示部20に表示させてよい。
オペレータは、表示部20に示された異常要因に基づいて、高炉の操業における操業条件を変更してよい。オペレータは、例えば送風湿分の分解熱に関する上記のq3が異常要因として支配的であると示された場合に、送風を調整することによって今後の操業を安定させてよい。このような高炉の操業は、溶銑を製造する製造方法の一部として実行され得る。高炉において、原料の鉄鉱石が溶解、還元されて銑鉄となり、溶銑として出銑される。
操業ガイダンス装置10は、例えば高炉の操業を制御するプロセスコンピュータなどのコンピュータによって実現されてよい。コンピュータは、例えばメモリ及びハードディスクドライブ(記憶装置)、CPU(処理装置)、ディスプレイなどの表示装置を制御する表示制御装置を備える。オペレーティングシステム(OS)及び各種の処理を実施するためのアプリケーションプログラムは、ハードディスクドライブに格納することができ、CPUにより実行される際にはハードディスクドライブからメモリに読み出される。必要に応じてCPUは、表示制御装置を制御してディスプレイに必要な画像を表示させる。また、処理途中のデータについては、メモリに格納され、必要があればHDDに格納される。各種機能は、CPU、メモリ等のハードウエアとOS及び必要なアプリケーションプログラムとを有機的に協働させることにより実現される。記憶部11は、例えば記憶装置で実現されてよい。予測部12、炉熱指標計算部13、差分計算部14及び異常判定部15は、例えばCPUで実現されてよい。表示制御部16は、例えば表示制御装置で実現されてよい。
図9は、一実施形態に係る操業ガイダンス方法を示すフローチャートである。操業ガイダンス装置10は、図9に示されるフローチャートに従って、高炉の操業の異常時に回復を支援するガイダンスを実行する。図9に示される操業ガイダンス方法は、高炉の操業方法及び溶銑の製造方法の一部として実行されてよい。
操業ガイダンス装置10の予測部12は、物理モデルを用いて、溶銑温度と相関のある炉熱指標を予測する(ステップS1)。
操業ガイダンス装置10の炉熱指標計算部13は、操業中の高炉における実測値を取得し、実測値に基づいて炉熱指標を計算する(ステップS2)。
操業ガイダンス装置10の差分計算部14は、予測された炉熱指標と、実測値に基づいて計算された炉熱指標との差分を計算する(ステップS3)。このとき、操業ガイダンス装置10の差分計算部14は、炉熱指標の差分に加えて、炉熱指標を構成する項目ごとの差分を計算する。
操業ガイダンス装置10の異常判定部15は、計算された差分に基づいて、高炉の操業異常を判定する(ステップS4)。
操業ガイダンス装置10の表示制御部16は、高炉の操業異常と判定された場合に(ステップS4のYes)、異常要因を表示部20に表示させる(ステップS5)。上記のように、異常要因は、項目の差分の割合に基づいて特定されてよい。
操業ガイダンス装置10は、操業異常と判定しない場合に(ステップS4のNo)、一連の処理を終了する。このとき、操業ガイダンス装置10の表示制御部16は、一連の処理を終了する前に、操業異常がないことを表示部20に表示させてよい。
以上のように、本実施形態に係る操業ガイダンス方法、高炉の操業方法、溶銑の製造方法及び操業ガイダンス装置10は、上記の構成によって高炉の温度分布の乱れの状態を自動で判定して分類し、操業異常を定量化できる。また、本実施形態に係る操業ガイダンス方法、高炉の操業方法、溶銑の製造方法及び操業ガイダンス装置10は、操業異常をその根拠とともに示すことができる。例えばオペレータは、示された異常要因に基づいて操業条件を変更して、早期に高炉の温度分布の乱れを解消することができる。また、例えば高炉の操業を制御するプロセスコンピュータなどによって、異常要因に基づいて操業条件を変更することも可能であり、操業の自動化率を高めることができる。
本開示に係る実施形態について、諸図面及び実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形又は修正を行うことが容易であることに注意されたい。従って、これらの変形又は修正は本開示の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各構成部又は各ステップなどに含まれる機能などは論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の構成部又はステップなどを1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。本開示に係る実施形態は装置が備えるプロセッサにより実行されるプログラム又はプログラムを記録した記憶媒体としても実現し得るものである。本開示の範囲にはこれらも包含されるものと理解されたい。
図8に示される操業ガイダンス装置10の構成は一例である。操業ガイダンス装置10は、図8に示す構成要素の全てを含まなくてよい。また、操業ガイダンス装置10は、図8に示す以外の構成要素を備えてよい。例えば、操業ガイダンス装置10は、さらに表示部20を備える構成であってよい。
10 操業ガイダンス装置
11 記憶部
12 予測部
13 炉熱指標計算部
14 差分計算部
15 異常判定部
16 表示制御部
20 表示部

Claims (8)

  1. 出力変数に溶銑温度を含む、高炉の内部の状態を計算可能な物理モデルを用いて、前記高炉の操業を支援する操業ガイダンス方法であって、
    前記物理モデルを用いて、前記溶銑温度と相関のある炉熱指標を予測するステップと、
    操業中の前記高炉における実測値に基づいて前記炉熱指標を計算するステップと、
    予測された前記炉熱指標と前記実測値に基づいて計算された前記炉熱指標との差分を計算するステップと、
    前記差分に基づいて前記高炉の操業異常と判定された場合に、異常要因を表示させるステップと、を含む、操業ガイダンス方法。
  2. 前記差分を計算するステップは、前記炉熱指標の差分に加えて、前記炉熱指標を構成する項目ごとの差分を計算するステップを含み、
    前記異常要因は、前記項目の差分に基づいて特定される、請求項1に記載の操業ガイダンス方法。
  3. 前記異常要因は、前記項目の差分の割合に基づいて特定される、請求項2に記載の操業ガイダンス方法。
  4. 前記項目は、送風顕熱、コークス及び微粉炭の燃焼熱、送風湿分の分解熱、直接還元による吸熱及びヒートロスのうちの1つ以上を含む、請求項2又は3に記載の操業ガイダンス方法。
  5. 炉熱指標は、単位量当たりの当たりの熱量指標である、請求項1から4のいずれか一項に記載の操業ガイダンス方法。
  6. 請求項1から5のいずれか一項に記載の操業ガイダンス方法によって示された前記異常要因に基づいて操業条件を変更する、高炉の操業方法。
  7. 請求項6に記載の高炉の操業方法によって操業される前記高炉を用いて溶銑を製造する、溶銑の製造方法。
  8. 出力変数に溶銑温度を含む、高炉の内部の状態を計算可能な物理モデルを用いて、前記高炉の操業を支援する操業ガイダンス装置であって、
    前記物理モデルを記憶する記憶部と、
    前記物理モデルを用いて、前記溶銑温度と相関のある炉熱指標を予測する予測部と、
    操業中の前記高炉における実測値に基づいて前記炉熱指標を計算する炉熱指標計算部と、
    予測された前記炉熱指標と前記実測値に基づいて計算された前記炉熱指標との差分を計算する差分計算部と、
    前記差分に基づいて前記高炉の操業異常と判定された場合に、異常要因を表示させる表示制御部と、を備える、操業ガイダンス装置。
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