JP2022091576A - タイヤ加硫用のブラダーの製造方法及び製造装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 ブラダーの成形不良を防ぐことが可能な製造方法及び製造装置を提供する。【解決手段】 タイヤ加硫用のブラダーを製造するための方法である。モールド2は、上モールド3と、下モールド4と、上モールド3及び下モールド4の内部に配されるコアモールド5と、上モールド3とコアモールド5との間の隙間である第1隙間6と、下モールド4とコアモールド5との間の隙間である第2隙間7とを備える。方法は、下モールド4に未加硫ゴム材料13を配置する工程と、上モールド3及び下モールド4を閉じるために、上モールド3と下モールド4とを上下方向で接近させながら、これらの間で未加硫ゴム材料13を押圧して第1隙間6側及び第2隙間7側へ流動させるゴム押圧工程と、ゴム押圧工程中に、第1隙間6及び第2隙間7が均等に近づくように、コアモールド5を、上モールド3及び下モールド4の双方に対して移動させるコアモールド移動工程とを含む。【選択図】図3
Description
本発明は、タイヤ加硫用のブラダーの製造方法及び製造装置に関する。
下記特許文献1には、タイヤ加硫用ブラダーの製造方法が記載されている。この方法では、ブラダーの外表面を成形する外型と、ブラダーの内表面を成形するコアとを有する金型が用いられている。外型は、下型と上型とに分割されている。そして、この方法では、外型とコアとの間の隙間に、未加硫ゴムが導入されてブラダーが加硫成形される。
上記の方法において、コアが設置された下型に対して上型が閉められていくと、ゴム流動抵抗の小さい上型とコアとの大きな隙間に相対的に多くの未加硫ゴムが流動した後、前記未加硫ゴムの一部が、下型とコアとの隙間へ巻き返すように流動する傾向がある。このような未加硫ゴムの流動により、未加硫ゴムへのエアーの抱き込みや、ブラダーのゲージが不均一になるなど、ブラダーの成形不良を招くという問題があった。
本発明は、以上のような実状に鑑み案出されたもので、ブラダーの成形不良を防ぐことが可能な製造方法及び製造装置を提供することを主たる目的としている。
本発明は、モールドを用いてタイヤ加硫用のブラダーを製造するための方法であって、前記モールドは、上モールドと、下モールドと、前記上モールド及び前記下モールドの内部に配されるコアモールドと、前記上モールドと前記コアモールドとの間の隙間である第1隙間と、前記下モールドと前記コアモールドとの間の隙間である第2隙間とを備え、前記方法は、前記下モールドに未加硫ゴム材料を配置する工程と、前記上モールド及び前記下モールドを閉じるために、前記上モールドと前記下モールドとを上下方向で接近させながら、これらの間で前記未加硫ゴム材料を押圧して前記第1隙間側及び前記第2隙間側へ流動させるゴム押圧工程と、前記ゴム押圧工程中に、前記第1隙間及び前記第2隙間が均等に近づくように、前記コアモールドを、前記上モールド及び前記下モールドの双方に対して移動させるコアモールド移動工程とを含むことを特徴とする。
本発明に係る前記タイヤ加硫用のブラダーの製造方法において、前記コアモールド移動工程は、前記上モールドと前記コアモールドとの間の第1距離、及び、前記下モールドと前記コアモールドとの間の第2距離を測定する工程と、前記第1距離と前記第2距離との差が、予め定められた閾値以下になるように、前記コアモールドを移動させる工程とを含んでもよい。
本発明に係る前記タイヤ加硫用のブラダーの製造方法において、前記閾値は、0~20mmであってもよい。
本発明は、上記いずれかに記載のタイヤ加硫用のブラダーの製造方法に用いられる製造装置であって、前記第1隙間及び前記第2隙間を測定するための測定装置と、前記第1隙間及び前記第2隙間が均等に近づくように、前記コアモールドを移動させる制御装置とを含むことを特徴とする。
本発明に係る前記タイヤ加硫用のブラダーの製造装置において、前記測定装置は、前記上モールドに対する前記コアモールドの相対位置を特定するための第1測定部を含み、前記第1測定部は、前記コアモールドを昇降させるための第1昇降装置に設けられてもよい。
本発明に係る前記タイヤ加硫用のブラダーの製造装置において、前記測定装置は、前記上モールドに対する前記下モールドの相対位置を特定するための第2測定部を含み、前記第2測定部は、前記下モールドを昇降させるための第2昇降装置に設けられてもよい。
本発明のタイヤ加硫用のブラダーの製造方法は、上記の構成を採用することにより、ブラダーの成形不良を防ぐことが可能となる。
以下、本発明の実施形態が図面に基づき説明される。図面は、発明の内容の理解を助けるために、誇張表現や、実際の構造の寸法比とは異なる表現が含まれることが理解されなければならない。また、各実施形態を通して、同一又は共通する要素については同一の符号が付されており、重複する説明が省略される。さらに、実施形態及び図面に表された具体的な構成は、本発明の内容理解のためのものであって、本発明は、図示されている具体的な構成に限定されるものではない。
[タイヤ加硫用のブラダーの製造装置]
図1は、タイヤ加硫用のブラダーの製造装置(以下、単に「製造装置」ということがある。)の一例を示す子午線断面図である。図1では、製造装置1が部分的に示されている。本実施形態の製造装置1では、タイヤの加硫時に用いられる円筒状に形成されたブラダーが製造される。本実施形態の製造装置1には、モールド2が含まれる。
図1は、タイヤ加硫用のブラダーの製造装置(以下、単に「製造装置」ということがある。)の一例を示す子午線断面図である。図1では、製造装置1が部分的に示されている。本実施形態の製造装置1では、タイヤの加硫時に用いられる円筒状に形成されたブラダーが製造される。本実施形態の製造装置1には、モールド2が含まれる。
[モールド]
モールド2は、ブラダー10(図5に示す)を加硫成形するためのものである。モールド2は、上モールド3と、下モールド4と、コアモールド5と、第1隙間6と、第2隙間7とを備えている。本実施形態では、上モールド3、下モールド4、及び、コアモールド5が、既知の加熱手段(図示省略)によって加熱されうる。
モールド2は、ブラダー10(図5に示す)を加硫成形するためのものである。モールド2は、上モールド3と、下モールド4と、コアモールド5と、第1隙間6と、第2隙間7とを備えている。本実施形態では、上モールド3、下モールド4、及び、コアモールド5が、既知の加熱手段(図示省略)によって加熱されうる。
本実施形態のモールド2は、ブラダー10(図5に示す)の加硫成形時において、上モールド3が固定された状態で、下モールド4及びコアモールド5を上昇させることによって閉じられる。一方、下モールド4及びコアモールド5を下降させることにより、モールド2が開かれる。なお、モールド2の開閉は、このような態様に限定されない。
[上モールド]
本実施形態の上モールド3は、従来の上モールド(図示省略)と同様に構成されており、成形面11と押圧部12とが設けられている。成形面11は、図5に示したブラダー10の外面19のうち、ブラダー赤道Cに対して一方側(図において、上側)の外面を成形するためのものである。押圧部12は、下モールド4に配置された未加硫ゴム材料13を押圧するためのものである。
本実施形態の上モールド3は、従来の上モールド(図示省略)と同様に構成されており、成形面11と押圧部12とが設けられている。成形面11は、図5に示したブラダー10の外面19のうち、ブラダー赤道Cに対して一方側(図において、上側)の外面を成形するためのものである。押圧部12は、下モールド4に配置された未加硫ゴム材料13を押圧するためのものである。
本実施形態の上モールド3は、上エンドプレート14に固定されている。本実施形態の上エンドプレート14は、製造装置1の筐体(図示省略)に支持されている。
[下モールド]
本実施形態の下モールド4は、従来の下モールド(図示省略)と同様に構成されており、成形面15と載置部16とを含んで構成されている。成形面15は、図5に示したブラダー10の外面19のうち、ブラダー赤道Cに対して他方側(図において、下側)の外面を成形するためのものである。載置部16は、未加硫ゴム材料13を配置するためのものである。載置部16は、モールド2(上モールド3及び下モールド4)が閉じられることにより、上モールド3の押圧部12に嵌合される。これにより、未加硫ゴム材料13が押圧部12によって押圧されて、第1隙間6及び第2隙間7に流動される。
本実施形態の下モールド4は、従来の下モールド(図示省略)と同様に構成されており、成形面15と載置部16とを含んで構成されている。成形面15は、図5に示したブラダー10の外面19のうち、ブラダー赤道Cに対して他方側(図において、下側)の外面を成形するためのものである。載置部16は、未加硫ゴム材料13を配置するためのものである。載置部16は、モールド2(上モールド3及び下モールド4)が閉じられることにより、上モールド3の押圧部12に嵌合される。これにより、未加硫ゴム材料13が押圧部12によって押圧されて、第1隙間6及び第2隙間7に流動される。
本実施形態の下モールド4は、下エンドプレート17に固定されている。本実施形態の下エンドプレート17は、後述の第2昇降装置24を介して、製造装置1の筐体(図示省略)に支持されている。
[コアモールド]
コアモールド5は、上モールド3及び下モールド4の内部に配されている。コアモールド5には、ブラダー10の内面20(図5に示す)を成形するための成形面18が設けられている。本実施形態のコアモールド5は、従来のコアモールド(図示省略)と同様に構成されうる。
コアモールド5は、上モールド3及び下モールド4の内部に配されている。コアモールド5には、ブラダー10の内面20(図5に示す)を成形するための成形面18が設けられている。本実施形態のコアモールド5は、従来のコアモールド(図示省略)と同様に構成されうる。
本実施形態のコアモールド5は、上部材5Aと、下部材5Bとを含んで構成されている。これらの上部材5A及び下部材5Bは、分解可能に連結されている。上部材5A及び下部材5Bが一体として連結されることにより、成形面18が形成される。本実施形態の上部材5A及び下部材5Bは、後述の第1昇降装置21を介して、製造装置1の筐体(図示省略)に支持されている。
[第1隙間]
第1隙間6は、上モールド3とコアモールド5との間の隙間である。この第1隙間6には、ブラダーの製造(加硫成形時)時において、未加硫ゴム材料13が流動される。そして、第1隙間6では、図5に示したブラダー10の一方側が加硫成形される。
第1隙間6は、上モールド3とコアモールド5との間の隙間である。この第1隙間6には、ブラダーの製造(加硫成形時)時において、未加硫ゴム材料13が流動される。そして、第1隙間6では、図5に示したブラダー10の一方側が加硫成形される。
[第2隙間]
第2隙間7は、下モールド4とコアモールド5との間の隙間である。この第2隙間7には、ブラダーの製造(加硫成形時)時において、未加硫ゴム材料13が流動される。そして、第2隙間7では、図5に示したブラダー10の他方側が加硫成形される。
第2隙間7は、下モールド4とコアモールド5との間の隙間である。この第2隙間7には、ブラダーの製造(加硫成形時)時において、未加硫ゴム材料13が流動される。そして、第2隙間7では、図5に示したブラダー10の他方側が加硫成形される。
[第1昇降装置]
本実施形態の製造装置1には、コアモールド5を昇降させるための第1昇降装置21が含まれる。本実施形態の第1昇降装置21は、コアモールド5のうち、上部材5Aを昇降させるための上側昇降部22と、下部材5Bを昇降させるための下側昇降部23とを含んで構成されている。
本実施形態の製造装置1には、コアモールド5を昇降させるための第1昇降装置21が含まれる。本実施形態の第1昇降装置21は、コアモールド5のうち、上部材5Aを昇降させるための上側昇降部22と、下部材5Bを昇降させるための下側昇降部23とを含んで構成されている。
本実施形態の上側昇降部22及び下側昇降部23は、既知の油圧シリンダーとして構成されている。なお、上側昇降部22及び下側昇降部23は、コアモールド5を昇降可能なものであれば、特に限定されない。これらの上側昇降部22及び下側昇降部23は、製造装置1の筐体(図示省略)にそれぞれ支持されている。
本実施形態の上側昇降部22のピストンロッド22aは、上部材5Aの上端に固定されている。これにより、上側昇降部22は、ピストンロッド22aを伸縮させることにより、上部材5Aを昇降させることができる。
本実施形態の下側昇降部23のピストンロッド23aは、下部材5Bの下端に固定されている。これにより、下側昇降部23は、ピストンロッド23aを伸縮させることにより、下部材5Bを昇降させることができる。
第1昇降装置21は、上部材5A及び下部材5Bを連結させた状態で、上側昇降部22のピストンロッド22a及び下側昇降部23のピストンロッド23aを、同一方向かつ同一速度で伸縮させることで、上部材5A及び下部材5Bを一体として昇降させうる。一方、第1昇降装置21は、ピストンロッド22a、23aの各伸縮速度、又は、各伸縮方向を異ならせることにより、上部材5Aと下部材5Bとを離間させることができる。
[第2昇降装置]
本実施形態の製造装置1には、下モールド4を昇降させるための第2昇降装置24が含まれる。本実施形態の第2昇降装置24は、既知の油圧シリンダーとして構成されている。なお、第2昇降装置24は、下モールド4を昇降可能なものであれば、特に限定されない。第2昇降装置24は、製造装置1の筐体(図示省略)に支持されている。
本実施形態の製造装置1には、下モールド4を昇降させるための第2昇降装置24が含まれる。本実施形態の第2昇降装置24は、既知の油圧シリンダーとして構成されている。なお、第2昇降装置24は、下モールド4を昇降可能なものであれば、特に限定されない。第2昇降装置24は、製造装置1の筐体(図示省略)に支持されている。
本実施形態の第2昇降装置24のピストンロッド24aは、下エンドプレート17の下端に固定されている。これにより、第2昇降装置24は、ピストンロッド24aを伸縮させることにより、下エンドプレート17を介して、下モールド4を昇降させることができる。
[測定装置]
本実施形態の製造装置1には、第1隙間6及び第2隙間7を測定するための測定装置25(図示省略)が設けられている。本実施形態の測定装置25には、第1測定部25A及び第2測定部25Bが含まれる。
本実施形態の製造装置1には、第1隙間6及び第2隙間7を測定するための測定装置25(図示省略)が設けられている。本実施形態の測定装置25には、第1測定部25A及び第2測定部25Bが含まれる。
[第1測定部]
第1測定部25A(図示省略)は、コアモールド5の相対位置を特定するためのものである。本実施形態の第1測定部25Aは、第1昇降装置21に設けられている。これにより、第1測定部25Aは、第1昇降装置21によるコアモールド5の昇降とともに、上モールド3に対するコアモールド5の相対位置を精度良く特定することができる。
第1測定部25A(図示省略)は、コアモールド5の相対位置を特定するためのものである。本実施形態の第1測定部25Aは、第1昇降装置21に設けられている。これにより、第1測定部25Aは、第1昇降装置21によるコアモールド5の昇降とともに、上モールド3に対するコアモールド5の相対位置を精度良く特定することができる。
本実施形態の第1測定部25Aは、第1昇降装置21として構成される油圧シリンダーに組み込まれたリニアセンサーとして構成されている。なお、第1測定部25Aは、コアモールド5の相対位置を特定できるものであれば、このような態様に限定されない。
本実施形態の第1測定部25Aは、例えば、モールド2が閉じられた状態(図4に示す)を基準として、上モールド3に対するコアモールド5の相対位置(上下方向の離間距離)が特定される。これにより、第1測定部25Aは、第1隙間6の上下方向の距離(上モールド3とコアモールド5との間の第1距離)D1を測定することができる。
[第2測定部]
第2測定部25Bは、下モールド4の昇降位置を特定するためのものである。本実施形態の第2測定部25Bは、第2昇降装置24に設けられている。これにより、第2測定部25Bは、第2昇降装置24による下モールド4の昇降とともに、上モールド3に対する下モールド4の相対位置を精度良く特定することができる。
第2測定部25Bは、下モールド4の昇降位置を特定するためのものである。本実施形態の第2測定部25Bは、第2昇降装置24に設けられている。これにより、第2測定部25Bは、第2昇降装置24による下モールド4の昇降とともに、上モールド3に対する下モールド4の相対位置を精度良く特定することができる。
本実施形態の第2測定部25Bは、第2昇降装置24として構成される油圧シリンダーに組み込まれたリニアセンサーとして構成されている。なお、第2測定部25Bは、下モールド4の相対位置を特定できるものであれば、このような態様に限定されない。
本実施形態の第2測定部25Bは、モールド2が閉じられた状態(図4に示す)を基準として、上モールド3に対する下モールド4の相対位置(上下方向の離間距離D3)が特定される。そして、下モールド4の離間距離D3から、第1測定部25Aで測定された第1隙間6の距離(第1距離)D1、及び、コアモールド5の上下方向の長さL1が減じられる。これにより、第2隙間7の上下方向の距離(下モールド4とコアモールド5との間の第2距離)D2が測定されうる。
本実施形態の製造装置1では、第1距離D1及び第2距離D2に同一となれば、第1隙間6及び第2隙間7も均等になるように、上モールド3、下モールド4及びコアモールド5の各位置が調整されている。「均等になる」とは、ブラダー赤道C(図5に示す)で対称となる第1隙間6及び第2隙間7の各位置において、図3に示した上モールド3とコアモールド5との間の距離D4と、下モールド4とコアモールド5との間の距離D5とが同一となることを意味する。距離D4は、図3において、上モールド3とコアモールド5との間の距離の一例を示しており、第1距離D1を含む。距離D5は、図3において、下モールド4とコアモールド5との間の距離の一例を示しており、第2距離D2を含む。また、「距離が同一」及び「隙間が均等」には、例えば、製造誤差等が許容されるものとする。
[制御装置]
本実施形態の製造装置1には、制御装置26(図2に示す)が含まれる。図2は、制御装置26の一例を示す概念図である。
本実施形態の製造装置1には、制御装置26(図2に示す)が含まれる。図2は、制御装置26の一例を示す概念図である。
本実施形態の制御装置26は、第1昇降装置21(上側昇降部22及び下側昇降部23)、第2昇降装置24、及び、測定装置25(第1測定部25A及び第2測定部25B)を制御するためのものである。なお、制御装置26では、他の装置の制御が行われてもよい。本実施形態の制御装置26は、コンピュータによって構成されている。制御装置26は、例えば、製造装置1の筐体(図示省略)等に設置されうる。
本実施形態の制御装置26は、CPU(中央演算装置)からなる演算部31と、後述の製造方法の処理手順が記憶されている記憶部32と、記憶部32に記憶された処理手順等を読み込むための作業用メモリ33とを含んで構成されている。
演算部31には、入力手段34が接続されている。入力手段34は、例えば、操作ボタン、タッチパネル及びキーボード等によって構成されている。この入力手段34により、例えば、オペレータからの指示情報が、演算部31に伝達されうる。演算部31には、出力手段35が接続されている。出力手段35は、例えば、ディスプレイとして構成されている。
演算部31には、第1昇降装置21(上側昇降部22及び下側昇降部23)が接続されている。これにより、演算部31は、第1昇降装置21に信号を伝達することにより、図1に示した上部材5A及び下部材5Bを昇降させることができる。
演算部31には、第2昇降装置24が接続されている。これにより、演算部31は、第2昇降装置24に信号を伝達することにより、図1に示した下モールド4を昇降させることができる。
演算部31には、測定装置25(第1測定部25A及び第2測定部25B)が接続されている。これにより、演算部31は、測定装置25に信号を伝達することにより、図1に示した上モールド3に対するコアモールド5の相対位置及び下モールド4の相対位置を測定させ、かつ、その測定結果を、演算部31に伝達させることができる。本実施形態では、これらの測定結果が伝達されることにより、演算部31が、第1隙間6及び第2隙間7を測定(計算)することができる。
[タイヤ加硫用のブラダーの製造方法]
次に、タイヤ加硫用のブラダーの製造方法(以下、単に「製造方法」ということがある。)が説明される。本実施形態の製造方法では、モールド2を含む製造装置1(図1に示す)が用いられる。
次に、タイヤ加硫用のブラダーの製造方法(以下、単に「製造方法」ということがある。)が説明される。本実施形態の製造方法では、モールド2を含む製造装置1(図1に示す)が用いられる。
[前工程]
本実施形態の製造方法では、先ず、図1に示されるように、モールド2が開かれる(前工程S1)。本実施形態の前工程S1は、上モールド3及び下モールド4を上下方向に離間させるとともに、コアモールド5を上モールド3及び下モールド4に対して離間させている。このような前工程S1は、例えば、記憶部32(図2に示す)に記憶されている処理手順に基づいて、演算部31が、第1昇降装置21(上側昇降部22及び下側昇降部23)及び第2昇降装置24に信号を伝達することによって実施されうる。
本実施形態の製造方法では、先ず、図1に示されるように、モールド2が開かれる(前工程S1)。本実施形態の前工程S1は、上モールド3及び下モールド4を上下方向に離間させるとともに、コアモールド5を上モールド3及び下モールド4に対して離間させている。このような前工程S1は、例えば、記憶部32(図2に示す)に記憶されている処理手順に基づいて、演算部31が、第1昇降装置21(上側昇降部22及び下側昇降部23)及び第2昇降装置24に信号を伝達することによって実施されうる。
[配置工程]
次に、本実施形態の製造方法では、下モールド4に未加硫ゴム材料13が配置される(配置工程S2)。未加硫ゴム材料13は、ブラダー10(図5に示す)の原料となるものであり、従来と同様に、円環状に形成されている。未加硫ゴム材料13は、モールド2が開かれた状態において、下モールド4の載置部16に配置される。
次に、本実施形態の製造方法では、下モールド4に未加硫ゴム材料13が配置される(配置工程S2)。未加硫ゴム材料13は、ブラダー10(図5に示す)の原料となるものであり、従来と同様に、円環状に形成されている。未加硫ゴム材料13は、モールド2が開かれた状態において、下モールド4の載置部16に配置される。
[ゴム押圧工程]
次に、本実施形態の製造方法では、未加硫ゴム材料13を押圧して、第1隙間6側及び第2隙間7の側へ流動させる(ゴム押圧工程S3)。ゴム押圧工程S3では、上モールド3と下モールド4とを上下方向で接近させて、上モールド3及び下モールド4が閉じられる。図3は、モールド2が閉められる状態の一例を示す断面図である。
次に、本実施形態の製造方法では、未加硫ゴム材料13を押圧して、第1隙間6側及び第2隙間7の側へ流動させる(ゴム押圧工程S3)。ゴム押圧工程S3では、上モールド3と下モールド4とを上下方向で接近させて、上モールド3及び下モールド4が閉じられる。図3は、モールド2が閉められる状態の一例を示す断面図である。
本実施形態では、上モールド3に対して、コアモールド5を上昇させている。これにより、ゴム押圧工程S3では、コアモールド5を、上モールド3に接近させることができる。さらに、本実施形態では、上モールド3に対して、下モールド4を上昇させることにより、上モールド3及び下モールド4を接近させることができる。これにより、ゴム押圧工程S3では、載置部16に配置された未加硫ゴム材料13を、上モールド3の押圧部12によって押圧して、未加硫ゴム材料13を、第1隙間6側及び第2隙間7の側へ流動させつつ、モールド2を閉じることができる。
このようなゴム押圧工程S3は、例えば、図2に示した記憶部32に記憶されている処理手順に基づいて、演算部31が、第1昇降装置21(上側昇降部22及び下側昇降部23)及び第2昇降装置24に信号を伝達することによって実施されうる。
[コアモールド移動工程]
本実施形態の製造方法では、ゴム押圧工程S3中に、第1隙間6及び第2隙間7が均等に近づくように、コアモールド5を、上モールド3及び下モールド4の双方に対して移動させている(コアモールド移動工程S4)。本実施形態のコアモールド移動工程S4は、下モールド4及びコアモールド5の上昇が開始してから(図1に示す)、モールド2が閉じられるまで(図4に示す)の間、後述の測定工程S41及び移動工程S42が繰り返し(単位時間ごとに)実施される。
本実施形態の製造方法では、ゴム押圧工程S3中に、第1隙間6及び第2隙間7が均等に近づくように、コアモールド5を、上モールド3及び下モールド4の双方に対して移動させている(コアモールド移動工程S4)。本実施形態のコアモールド移動工程S4は、下モールド4及びコアモールド5の上昇が開始してから(図1に示す)、モールド2が閉じられるまで(図4に示す)の間、後述の測定工程S41及び移動工程S42が繰り返し(単位時間ごとに)実施される。
[測定工程]
本実施形態のコアモールド移動工程S4では、上モールド3とコアモールド5との間の第1距離D1、及び、下モールド4とコアモールド5との間の第2距離D2が測定される(測定工程S41)。
本実施形態のコアモールド移動工程S4では、上モールド3とコアモールド5との間の第1距離D1、及び、下モールド4とコアモールド5との間の第2距離D2が測定される(測定工程S41)。
本実施形態の測定工程S41では、先ず、図2に示した演算部31が、測定装置25(第1測定部25A及び第2測定部25B)に信号を伝達して、上モールド3に対するコアモールド5の相対位置、及び、下モールド4の相対位置を測定させる。
次に、測定工程S41では、コアモールド5の相対位置に基づいて、演算部31が、上モールド3とコアモールド5との間の第1距離D1が特定される。さらに、測定工程S41では、演算部31が、下モールド4の相対位置(離間距離D3(図1に示す))から、第1距離D1及びコアモールド5の上下方向の長さL1(図1に示す)を減じる。これにより、下モールド4とコアモールド5との間の第2距離D2が特定される。第1距離D1及び第2距離D2は、作業用メモリ33(図2に示す)に記憶される。
[移動工程]
次に、本実施形態のコアモールド移動工程S4では、第1距離D1と第2距離D2との差が、予め定められた閾値以下になるように、コアモールド5を移動させる(移動工程S42)。
次に、本実施形態のコアモールド移動工程S4では、第1距離D1と第2距離D2との差が、予め定められた閾値以下になるように、コアモールド5を移動させる(移動工程S42)。
上述したように、本実施形態では、第1距離D1及び第2距離D2に同一となれば、第1隙間6及び第2隙間7も均等になるように、上モールド3、下モールド4及びコアモールド5の各位置が調整されている。したがって、コアモールド移動工程S4では、第1距離D1と第2距離D2との差が、予め定められた閾値以下になるように、上モールド3及び下モールド4の双方に対して、コアモールド5を移動することにより、第1隙間6及び第2隙間7が均等に近づけうる。
コアモールド5の移動は、図2に示した演算部31が、第1距離D1及び第2距離D2の測定結果に基づいて、第1昇降装置21(上側昇降部22及び下側昇降部23)及び第2昇降装置24に信号を伝達することによって実施されうる。
本実施形態のコアモールド移動工程S4では、モールド2が閉められていく際に、第1隙間6側及び第2隙間7側に、未加硫ゴム材料13を均等に流動させることができる。これにより、本実施形態の製造方法では、例えば、第1隙間6及び第2隙間7の一方側に、相対的に多くの未加硫ゴム材料13が流動した後に、その未加硫ゴム材料13の一部が、第1隙間6及び第2隙間7の他方側に巻き返すように流動するのを防ぐことができる。したがって、本実施形態の製造方法は、未加硫ゴム材料13へのエアーの抱き込みや、ブラダー10のゲージが不均一になるのを抑制でき、ひいては、ブラダー10の成形不良を防ぐことが可能となる。
このような作用を効果的に発揮させるために、閾値は、20mm以下に設定されるのが望ましい。閾値が20mm以下に設定されることにより、第1隙間6及び第2隙間7を均等に近づけることができ、第1隙間6側及び第2隙間7側に、未加硫ゴム材料13を均等に流動させることが可能となる。このような観点より、閾値は、より好ましくは10mm以下に設定されるのが望ましい。
本実施形態のコアモールド移動工程S4は、下モールド4及びコアモールド5の上昇が開始してから(図1に示す)、モールド2が閉じられるまで(図4に示す)の間、後述の測定工程S41及び移動工程S42が繰り返し(単位時間ごとに)実施される。これにより、モールド2を閉じ始めてから、完全に閉じられるまで、第1隙間6側及び第2隙間7側に、未加硫ゴム材料13を均等に流動させることができる。
[加硫工程]
次に、本実施形態の製造方法では、モールド2が閉じられた後に、未加硫ゴム材料13が加硫される(加硫工程S5)。図4は、モールド2が閉じられた製造装置1の一例を示す断面図である。
次に、本実施形態の製造方法では、モールド2が閉じられた後に、未加硫ゴム材料13が加硫される(加硫工程S5)。図4は、モールド2が閉じられた製造装置1の一例を示す断面図である。
本実施形態の加硫工程S5では、既知の加熱手段(図示省略)によって、上モールド3、下モールド4、及び、コアモールド5が加熱されることによって行われる。これらの加熱等は、制御装置26によって制御される。これにより、ブラダー10が加硫成形される。
[取出工程]
次に、本実施形態の製造方法では、ブラダー10が加硫成形された後に、図1に示されるように、下モールド4及びコアモールド5を下降させた後、コアモールド5からブラダー10が取り出される(取出工程S6)。これにより、本実施形態の製造方法では、ブラダー10が製造されうる。図5は、ブラダー10の一例を示す断面図である。
次に、本実施形態の製造方法では、ブラダー10が加硫成形された後に、図1に示されるように、下モールド4及びコアモールド5を下降させた後、コアモールド5からブラダー10が取り出される(取出工程S6)。これにより、本実施形態の製造方法では、ブラダー10が製造されうる。図5は、ブラダー10の一例を示す断面図である。
以上、本発明の特に好ましい実施形態について詳述したが、本発明は図示の実施形態に限定されることなく、種々の態様に変形して実施しうる。
図1に示した基本構造を有するタイヤ加硫用のブラダーの製造装置を用いて、1000本のブラダー(サイズ:16/480T)がそれぞれ製造された(実施例1~3)。
実施例1~3では、先ず、下モールドに未加硫ゴム材料を配置する工程が実施された。次に、実施例1~3では、上モールド及び下モールドを閉じるために、上モールドと下モールドとを上下方向で接近させながら、これらの間で未加硫ゴム材料を押圧して第1隙間側及び第2隙間側へ流動させるゴム押圧工程が実施された。そして、実施例1~3では、ゴム押圧工程中に、第1隙間及び第2隙間が均等に近づくように、コアモールドを、上モールド及び下モールドの双方に対して移動させるコアモールド移動工程が実施された。
コアモールド移動工程では、上モールドとコアモールドとの間の第1距離と、下モールドとコアモールドとの間の第2距離との差が、予め定められた閾値以下になるように、コアモールドが移動させられた。実施例1~3には、それぞれ異なる閾値が設定された。
比較のために、特許文献1の手順に基づいて、タイヤ加硫用のブラダーが、上記の本数分製造された(比較例)。比較例では、先ず、コアが設置された下モールドに、未加硫ゴム材料が配置された。次に、比較例では、上型を閉めながら未加硫ゴム材料が押圧されて、その未加硫ゴム材料が第1隙間側及び第2隙間側へと流動させられた。なお、比較例では、実施例1~3のようなコアモールド移動工程は実施されなかった。
そして、実施例1~3及び比較例で製造されたブラダーについて、ゲージの均一性、及び、エアーの抱き込み(エアイン)の発生率が評価された。
ゲージの均一性の評価は、先ず、図5に示されるように、第1隙間で加硫成形された上側のゲージ(厚さ)W1、中央側(ブラダー赤道側)のゲージ(厚さ)W2、及び、第2隙間で加硫成形された下側のゲージ(厚さ)W3が測定された。これらのゲージW1~W3は、実施例1~3及び比較例について、上記の本数分のブラダーの平均値である。そして、上側のゲージW1と下側のゲージW2との差の絶対値(以下、ゲージ差)が0.80mm以下であれば、ブラダーのゲージが均一であると評価された。なお、ゲージW1~W3の設計寸法は、5.0mmである。
エアーの抱き込みは、製造されたブラダーを解体して、エアーの抱き込み(エアイン)の有無が、目視にて確認された。そして、上記の製造された本数に対して、エアーの抱き込みが発生した本数の割合(発生率)が取得された。発生率が12%以下であれば、エアーの抱き込みが少なく、良好であると評価された。結果が、表1に示される。
テストの結果、実施例1~3は、比較例に比べてゲージ差を小さくでき、いずれも0.80mm以下に設定された。したがって、実施例1~3は、比較例に比べて、ブラダーのゲージを均一にすることができた。さらに、実施例1~3は、比較例に比べて、エアーの抱き込み(エアイン)の発生率を小さくすることができ、いずれも12%以下であった。したがって、実施例1~3は、比較例に比べて、ブラダーの成形不良を防ぐことができた。
また、閾値が20mm以下に設定された実施例1~2は、閾値が30mmに設定された実施例3に比べて、ゲージ差を小さくでき、ブラダーのゲージをより均一にすることができた。さらに、閾値が10mmに設定された実施例1は、閾値が20mmに設定された実施例2に比べて、エアーの抱き込み(エアイン)を効果的に防ぐことができた。
2 モールド
3 上モールド
4 下モールド
5 コアモールド
6 第1隙間
7 第2隙間
13 未加硫ゴム材料
3 上モールド
4 下モールド
5 コアモールド
6 第1隙間
7 第2隙間
13 未加硫ゴム材料
Claims (6)
- モールドを用いてタイヤ加硫用のブラダーを製造するための方法であって、
前記モールドは、
上モールドと、
下モールドと、
前記上モールド及び前記下モールドの内部に配されるコアモールドと、
前記上モールドと前記コアモールドとの間の隙間である第1隙間と、
前記下モールドと前記コアモールドとの間の隙間である第2隙間とを備え、
前記方法は、
前記下モールドに未加硫ゴム材料を配置する工程と、
前記上モールド及び前記下モールドを閉じるために、前記上モールドと前記下モールドとを上下方向で接近させながら、これらの間で前記未加硫ゴム材料を押圧して前記第1隙間側及び前記第2隙間側へ流動させるゴム押圧工程と、
前記ゴム押圧工程中に、前記第1隙間及び前記第2隙間が均等に近づくように、前記コアモールドを、前記上モールド及び前記下モールドの双方に対して移動させるコアモールド移動工程とを含む、
タイヤ加硫用のブラダーの製造方法。 - 前記コアモールド移動工程は、前記上モールドと前記コアモールドとの間の第1距離、及び、前記下モールドと前記コアモールドとの間の第2距離を測定する工程と、
前記第1距離と前記第2距離との差が、予め定められた閾値以下になるように、前記コアモールドを移動させる工程とを含む、請求項1に記載のタイヤ加硫用のブラダーの製造方法。 - 前記閾値は、0~20mmである、請求項2に記載のタイヤ加硫用のブラダーの製造方法。
- 請求項1ないし3のいずれか1項に記載のタイヤ加硫用のブラダーの製造方法に用いられる製造装置であって、
前記第1隙間及び前記第2隙間を測定するための測定装置と、
前記第1隙間及び前記第2隙間が均等に近づくように、前記コアモールドを移動させる制御装置とを含む、
タイヤ加硫用のブラダーの製造装置。 - 前記コアモールドを昇降させるための第1昇降装置をさらに含み、
前記測定装置は、前記コアモールドの昇降位置を特定するための第1測定部を含む、請求項4に記載のタイヤ加硫用のブラダーの製造装置。 - 前記下モールドを昇降させるための第2昇降装置をさらに含み、
前記測定装置は、前記下モールドの昇降位置を特定するための第2測定部を含む、請求項4又は5に記載のタイヤ加硫用のブラダーの製造装置。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2020204485A JP2022091576A (ja) | 2020-12-09 | 2020-12-09 | タイヤ加硫用のブラダーの製造方法及び製造装置 |
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-
2020
- 2020-12-09 JP JP2020204485A patent/JP2022091576A/ja active Pending
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