JP2022090894A - 栄養繁殖性植物の増殖方法および栽培方法 - Google Patents

栄養繁殖性植物の増殖方法および栽培方法 Download PDF

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Abstract

【課題】効率的に高い収量を実現することが可能な栄養繁殖性植物の増殖方法および栽培方法を提供することを課題とする。【解決手段】栄養繁殖性植物のウィルスフリーの植物体、および、無機成分を含む培地を、光透過性容器内に載置する載置工程と、前記光透過性容器に載置された前記植物体を圃場環境下で培養して前記栄養繁殖性植物の苗を得る培養工程とを含む栄養繁殖性植物の増殖方法。【選択図】 なし

Description

本発明は、栄養繁殖性植物の増殖方法および栽培方法に関する。特に、ウィルスフリーの植物体を、光透過性容器中に用意された培地中で培養する工程を含む、栄養繁殖性植物の増殖方法および栽培方法に関する。
ジャガイモに代表される栄養繁殖性の植物は、小麦、大麦、及び米と並んで、食用の作物としてその重要性が近年非常に高まっている。小麦、大麦、及び米などの種子繁殖性の植物は、1個の種子から100個~1,000個もの種子を収穫することが可能である。他方、栄養繁殖性の植物は、1個の栄養体からせいぜい4~15個程度の新個体を収穫できるにとどまる。したがって、その収量の増加又は栽培の効率化を目指した研究が行われるようになってきた。
非特許文献1は、マイクロチューバーを利用したジャガイモの大量増殖技術が記載されている。しかし、このようなマイクロチューバーを用いた栽培技術においては、植物体の増殖において、人工光の照射や適切な温度管理の必要性があった。
Terttu Kamarainen-Karppinenら,Plant Cell, Tissue and Organ Culture (PCTOC),May 2010, Volume 101, Issue 2, pp245-249
そこで、本発明においては、効率的に高い収量を実現することが可能な栄養繁殖性植物の増殖方法および栽培方法を提供する。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を行い、ウィルスフリーの植物体を、無機成分を含む培地とともに光透過性容器内で培養することで、効率的に高い収量で栄養繁殖性植物を収穫できることを見出した。すなわち、本発明は:
[1]栄養繁殖性植物のウィルスフリーの植物体、および、無機成分を含む培地を、光透過性容器内に載置する載置工程と、
前記光透過性容器に載置された前記植物体を圃場環境下で培養して前記栄養繁殖性植物の苗を得る培養工程と
を含む栄養繁殖性植物の増殖方法;
[2]前記培地中のカルシウムイオンのモル濃度が、1.0~10.5mmol/Lであり、
前記培地中のリン酸イオンのモル濃度が、0.4~4.4mmol/Lであり、
前記培地中のマグネシウムイオンのモル濃度が、0.5~5.3mmol/Lである、[1]に記載の増殖方法;
[3]前記培地中のカルシウムイオン:リン酸イオン:マグネシウムイオンのモル濃度比が、30:12:15である、[1]または[2]に記載の増殖方法;
[4]前記無機成分が、
・塩化カルシウム、
・リン酸二水素カリウムおよびリン酸二水素ナトリウムから選択されるリン酸二水素塩、および
・硫酸マグネシウム
である、[1]~[3]のいずれか1項に記載の栄養繁殖性植物の増殖方法;
[5]前記無機成分が、塩化カルシウム二水和物、リン酸二水素カリウムおよび硫酸マグネシウム七水和物である、[1]~[4]のいずれか1項に記載の栄養繁殖性植物の増殖方法;
[6]前記塩化カルシウム二水和物:前記リン酸二水素カリウム:前記硫酸マグネシウム七水和物の重量比が、44:17:37である、[5]に記載の増殖方法;
[7]前記光透過性容器が、ガラス製容器又は樹脂製容器である、[1]~[6]のいずれか1項に記載の栄養繁殖性植物の増殖方法;
[8]前記樹脂製容器は、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂およびポリ塩化ビニル系樹脂から選択される少なくとも一つを含み、かつ、袋状容器である、[1]~[7]のいずれか一項に記載の増殖方法;
[9]前記植物体を、圃場環境下で、1日~250日間培養する、[1]~[8]のいずれか1項に記載の増殖方法;
[10][1]~[9]のいずれか1項に記載の増殖方法により得られた前記栄養繁殖性植物の苗を順化させずに圃場環境下に植え付け栽培する工程を含む、栄養繁殖性植物の栽培方法;
[11]前記栄養繁殖性植物が、地下茎由来の植物である、[10]に記載の栽培方法;
[12]前記栄養繁殖性植物が、ジャガイモ又はサツマイモである、[10]または[11]に記載の栽培方法
に関する。
本発明により、効率的に高い収量を実現することが可能な栄養繁殖性植物の増殖方法および栽培方法を提供することができる。
以下では、本発明の増殖方法および栽培方法を実施する形態を詳細に説明する。ただし、その実施形態は本発明を説明するための一例であり、本発明を当該実施形態のみに限定することを意図するものではない。
本実施形態にかかる栄養繁殖性植物の増殖および栽培は、以下で例示する栄養繁殖性植物に関するものである。
本明細書において、「栄養繁殖性植物」は、栄養器官由来の栄養繁殖によって次の世代の植物を繁殖させ個体を増殖させる植物である。栄養器官としては、地下茎に由来する鱗茎、塊茎、球茎、根茎、及びライナーなど、根に由来する根塊、及び横走根などが挙げられる。本発明において用いられる栄養繁殖性植物は、好ましくは鱗茎、塊茎、球茎、根茎などの地下茎由来の植物であり、より好ましくは、塊茎由来の植物である。栄養繁殖性植物としては、例えば、ジャガイモ、サトイモ、ニンニク、サツマイモが挙げられる。本明細書において、栄養繁殖性植物は、好ましくは、ジャガイモ又はサツマイモであり、最も好ましくはジャガイモである。本発明にかかる増殖方法および栽培方法は、上記のとおり例示した栄養繁殖性植物のうち、食用又は飼料用に栽培される作物の栽培に適用するのが好ましい。
本発明の一側面は、栄養繁殖性植物の増殖方法に関し、当該増殖方法は、以下の工程を含む:
(i)栄養繁殖性植物のウィルスフリーの植物体、および、無機成分を含む培地を、光透過性容器内に載置する載置工程と、
(ii)前記光透過性容器に載置された前記植物体を圃場環境下で培養して前記栄養繁殖性植物の苗を得る培養工程。
1.載置工程
1.1.植物体
本工程において、栄養繁殖性植物は、ウィルスフリーの植物体として用いられる。ここで、栄養繁殖性植物の植物体に関し、「ウィルスフリー」の語は、植物体がウイルスに感染していない状態のことを言い、植物体がウィルスフリーであることは、当該分野で既知の手段によって、例えば、抗原抗体反応およびPCRによって確認することができる。ウィルスフリーの植物体の入手方法は、特に限定されず、ウィルスフリーの植物体は、例えば、公知の生長点培養技術によって植物体の生長点を人工的に成長させて入手することができる。
生長点培養では、植物において細胞分裂が盛んに行われている生長点と呼ばれる組織を取り出して、生長点培養用の培地で培養する。例えば、栄養繁殖性植物がジャガイモである場合、主に茎頂がその培養に用いられる。この生長点培養を行うことによって、ウィルスフリー化された植物体を作製することが可能となる。
生長点培養には、例えばMS(ムラシゲスクーグ)培地が用いられる。当該培地には、水、主要無機成分、微量無機成分、ビタミン類、有機化合物、寒天に加えて、培養に好適な範囲にpHを調整するためのバッファー等が含まれる。具体的には、MS培地は、主要無機成分として、塩化カルシウム二水和物(440mg/L)、リン酸二水素カリウム(170mg/L)、硫酸マグネシウム七水和物(370mg/L)、硝酸アンモニウム(1650mg/L)及び硝酸カリウム(1900mg/L)のうちの少なくともいずれか一つを含む。また、MS培地は、微量無機成分として、硫酸マンガン五水和物(24.1mg/L)、硫酸亜鉛七水和物(8.6mg/L)、硫酸銅五水和物(0.025mg/L)、ホウ酸(6.2mg/L)、ヨウ化カリウム(0.83mg/L)、モリブデン酸ナトリウム二水和物(0.25mg/L)、塩化コバルト(II)六水和物(0.025mg/L)、硫酸鉄七水和物(27.8mg/L)、エチレンジアミン四酢酸-ナトリウム(37.3mg/L)などのうちの少なくともいずれか一つを含む。なお、上記成分は一例であり、用途に応じて他の成分を添加してもよいし、上記成分の添加をしなくてもよい。
生長点培養で用いるMS培地は、植物体の成長に必要な酸素摂取を容易にする観点から、固形培地であることが望ましい。MS培地を固形培地として用いる場合には、MS培地は例えば、8g/L~15g/Lの寒天を含む。MS培地は、植物体の成長を妨げないよう節部切片が十分に酸素を摂取できる静置状態を保つことができれば、液体培地として用いても良い。液体培地の形態としては、節部切片が完全に液体培地の中に埋まらないよう、節部切片を台上に静置し節部切片の一部が常に液体培地に接触させる形態が一例としてあげられる。
典型的には、生長点培養は、以下の手順で行われる。まず、エチルアルコールや次亜塩素酸ナトリウム溶液を用いて表面殺菌された栄養繁殖性植物から、生長点である茎頂を含む組織片を無菌的に取り出す。次いで、取り出された組織片を、培養用容器内に分注された上記培地上に置床し、所定期間培養することで植物体を成長させる。成長した植物体の中で、1つの茎頂分裂組織に由来する茎と葉の部位を「シュート」と称し、複数のシュートから構成される植物体を「マルチプルシュート」または「多芽体」と呼ぶ。
シュート又は多芽体の培養期間は、各シュートの大きさが5~10cm程度となるまで適切な期間で培養すると、光透過性容器への載置作業が容易となり、作業効率や収率を高めることができる。ただし、生長点培養の培養期間が長すぎると、多芽体の成長に必要な培地中の栄養素の量が不足して多芽体が枯れるため、多芽体が枯れない期間未満で培養を終え光透過性容器に載置する必要がある。
生長点培養においては、培養の妨げとなる雑菌による汚染を防ぐために、培養容器は密閉されていることが望ましい。ただし、例えば雑菌繁殖を抑制するための農薬を加えるなど、雑菌による汚染を防ぐ対策を行えば必ずしも培養容器を密閉する必要はない。
上記のように生長点培養を行うことによって得られたシュートまたは多芽体から1芽以上を含むシュートを、切り出す、摘み取る、または、はさみで切り取ることにより、ウィルスフリーの植物体(すなわちシュート)を得ることができる。このように、載置工程で用いられる栄養繁殖性植物のウィルスフリーの植物体は、MS培地を用いて培養した栄養繁殖性植物のシュートまたは多芽体から得られる。
次いで、栄養繁殖性植物のウィルスフリーの植物体、および、無機成分を含む培地を、光透過性容器内に載置する。ここで、光透過性容器は、成長チャンバーとして用いられる。具体的には、ウィルスフリーの植物体は、光透過性容器内に分注された培地上に載置される。培地に載置された植物体は、その後、所定期間増殖に供される。本工程において、シュートは、当該容器1つ当たり、1~40個、好ましくは5~20個、より好ましくは10~15個の密度で載置する。シュートは、当該容器において、例えば0.02~0.67本/cm、好ましくは0.08~0.34本/cm、より好ましくは0.17~0.25本/cmの密度で載置される。本工程で使用する容器は、例えば、マゼンタボックス(メルク社製、Magenta(商標) vessel GA-7)である。
1.2.培地
載置工程において光透過性容器内に載置される培地は、例えば、改良MS培地である。改良MS培地には、MS培地と同様の成分が含まれ、具体的には、水、主要無機成分、微量無機成分、ビタミン類、有機化合物に加えて、培養に好適な範囲にpHを調整するためのバッファー等が含まれる。なお、上記改良MS培地にはMS培地と同様、用途に応じて他の成分を添加してもよいし、必ずしもMS培地に含まれる全ての成分を添加しなくてもよい。
改良MS培地は、カルシウムイオン、リン酸イオンおよびマグネシウムイオンからなる群より選択される無機成分を含む。改良MS培地は、好ましくは、カルシウムイオン、リン酸イオンおよびマグネシウムイオンのすべてを含む。かかるイオンを含むことにより、栽培に先立って順化を行うことなく栽培を行うことができるので、栽培期間を短縮し、効率を高め、且つ、収量を高めることができる。
無機成分は、塩化カルシウム、リン酸塩(例えばリン酸二水素カリウムおよびリン酸二水素ナトリウム)、硫酸マグネシウム、硝酸アンモニウム及び硝酸カリウムからなる群より選択される。無機成分は、好ましくは、塩化カルシウム、リン酸二水素塩(リン酸二水素カリウムおよびリン酸二水素ナトリウムから選択される)及び硫酸マグネシウムである。一態様において、培地は、無機成分として、塩化カルシウム、リン酸二水素カリウム及び硫酸マグネシウムのすべてを含む。
改良MS培地中のカルシウムイオン濃度は、
・例えば1.0mmol/L~10.5mmol/L、
・好ましくは3.0mmol/L超10.5mmol/L以下、
・より好ましくは3.3mmol/L~9.0mmol/L、
・さらにより好ましくは4.5mmol/L~9.0mmol/L
である。
改良MS培地には好ましくは、無機成分として塩化カルシウムが含まれる。塩化カルシウムは、好ましくは、塩化カルシウム二水和物として培地に含まれる。培地中の塩化カルシウム二水和物の濃度は、
・例えば146mg/L~1540mg/L、
・好ましくは440mg/L超1540mg/L以下、
・より好ましくは484mg/L~1320mg/L、
・さらにより好ましくは660mg/L~1320mg/L
である。
改良MS培地中のリン酸イオン濃度は、
・例えば0.4mmol/L~4.4mmol/L、
・好ましくは1.2mmol/L超4.4mmol/L以下、
・より好ましくは1.4mmol/L~3.7mmol/L以下、
・さらにより好ましくは1.9mmol/L~3.7mmol/L
である。
改良MS培地には好ましくは、無機成分としてリン酸塩が含まれる。リン酸塩は、好ましくは、リン酸二水素カリウムまたはリン酸二水素ナトリウムとして培地に含まれる。培地中のリン酸二水素カリウムまたはリン酸二水素ナトリウムの濃度は、
・例えば56mg/L~595mg/L、
・好ましくは170mg/L超595mg/L以下、
・より好ましくは187mg/L~510mg/L、
・さらにより好ましくは255mg/L~510mg/L
である。
改良MS培地中のマグネシウムイオン濃度は、
・例えば0.5mmol/L~5.3mmol/L、
・好ましくは1.5mmol/L超5.3mmol/L以下、
・より好ましくは1.7mmol/L~4.5mmol/L、
・さらにより好ましくは2.3mmol/L~4.5mmol/L
である。
改良MS培地には好ましくは、無機成分として硫酸マグネシウムが含まれる。硫酸マグネシウムは、好ましくは、硫酸マグネシウム七水和物として培地に含まれる。培地中の硫酸マグネシウムの濃度は、
・例えば123mg/L~1295mg/L、
・好ましくは370mg/L超1295mg/L以下、
・より好ましくは407mg/L~1110mg/L、
・さらにより好ましくは555mg/L~1110mg/L
である。
一態様において、塩化カルシウム二水和物、リン酸二水素塩、硫酸マグネシウム七水和物以外の改良MS培地内の成分についてはMS培地と同じ濃度で含まれる。
上記3成分が規定の量で含まれる改良MS培地を用いることによって、栄養繁殖性植物の収量をより効果的に高めることが可能となる。
当該改良MS培地の主要無機成分として少なくとも塩化カルシウム、リン酸カリウム、硫酸マグネシウムの全てを含む場合、3成分の割合を一定にすることでさらに栄養繁殖性植物の収量をより効果的に高めることが可能となる。具体的には、カルシウムイオン、リン酸イオン、マグネシウムイオンのモル濃度比として、30:12:15の割合で含まれることが好ましい。あるいは、塩化カルシウム二水和物、リン酸二水素カリウム、硫酸マグネシウム七水和物の重量比として、塩化カルシウム二水和物:リン酸二水素カリウム:硫酸マグネシウムが44:17:37の割合で含まれることが好ましい。このモル濃度比又は重量割合は厳密なものではなく、おおよそ上記の割合を保てば収量を高めることが可能となる。
塩化カルシウム、リン酸二水素カリウム、硫酸マグネシウムの全てを培地に含む場合、これら3成分の濃度は、上述のモル濃度比又は重量割合が保たれていれば限定されず、従来のMS培地よりも低濃度であっても高濃度であっても良い。但し、濃度が薄過ぎる場合には培養に必要となる栄養素が不足し植物体が所定の大きさまで成長しなかったり枯れたりする可能性があるため、具体的にはMS培地の1/3程度までの濃度が好ましい。また濃度が濃過ぎる場合には成長障害が起きて植物体の成長が遅くなるため、具体的には3.5倍程度までの濃度が好ましい。より好ましくは上述3成分の濃度はMS培地よりも高濃度である。
当該培地は、微量無機成分として、ホウ酸、塩化コバルト、硫酸銅、硫酸鉄、硫酸マンガン、ヨウ化カリウム、モリブデン酸ナトリウム、硫酸亜鉛などのうちの少なくともいずれか一つを含んでよい。これらの微量無機成分は、所望の培養環境や培養する栄養繁殖性植物の種類および品種に応じて適宜調整することが可能である。
1.3.容器
上記のように、ウィルスフリーの植物体は、光透過性容器内に載置される。光透過性容器は、自然光に対して5%以上の透過率、より好ましくは60%以上の透過率、さらに好ましくは70%以上の透過率を有する。このような透過率を有する光透過性容器を用いることで、栄養繁殖性植物の収量をより効果的に高めることが可能である。容器の透過率は、当該分野で公知の方法によって測定される。
光透過性容器の材質は、シュートの育成に十分な量の自然光が容器を透過してシュートに照射される材質であれば良く、容器の材質としては例えば、ガラス、樹脂、ゴムが挙げられる。
光透過性容器の少なくとも一部が樹脂からなる樹脂製容器の場合、当該樹脂製容器には、ポリエチレン系樹脂、環状ポリオレフィン系樹脂、フッ素系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、アクリロニトリル‐ブタジエン‐スチレン共重合体(ABS樹脂)、アクリロニトリル‐スチレン共重合体(AS樹脂)、ポリ塩化ビニル系樹脂、フッ素系樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリフェニレンスルフィド系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、ポリアリールフタレート系樹脂、シリコーン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、アセタール系樹脂、セルロース系樹脂、及びこれらの混合物を主成分として含む容器が用いられることができる。これらのうち、好ましくは、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、より好ましくはポリエチレン系樹脂を主成分として含む容器が用いられる。
当該樹脂製容器の形状、大きさ及び厚みは、シュートの成長を妨げない形状および大きさで有り、かつ、物理的に破損しない厚みであれば良い。樹脂製容器は、例えば50mm~2,000mm四方、より好ましくは700mm~1,000mm四方、さらに好ましくは100mm~500mm四方の大きさであり、かつ、例えば1μm~2,000μm、より好ましくは5μm~500μm、さらに好ましくは10μm~100μmの厚みを有する袋状容器である。袋状容器としては、典型的には、いわゆるポリ袋が用いられる。上記のような光透過性容器を増殖に用いることによって、栄養繁殖性植物の収量を効率的に高めることが可能である。
後述するとおり、培養工程は複数の培養工程を含む、すなわち、増殖を複数の工程に分けて行うことができる。例えば、2つの工程に分けて培養を行う場合、第1培養工程においては、雑菌汚染防止の観点から、光透過性容器として、密閉状態を保ちやすいガラス製容器やハード樹脂製容器を用いることができ、第2培養工程では、コストの観点から、ソフト樹脂製容器を用いることができる。
培養工程を複数工程に分けずに1つの工程で行う場合には、ウィルスフリーのシュートをソフト樹脂製容器に入れ増殖させることで更にコストを抑え多芽体を得ることが可能となる。
光透過容器には、10mL~5,000mL、より好ましくは50mL~1,000mL、さらに好ましくは100mL~500mLの改良MS培地が分注される。分注された培地には、ウィルスフリーの植物体が載置される。
2.培養工程
本工程では、光透過性容器に載置されたウィルスフリーの植物体を、圃場環境下で培養する。「圃場環境」とは、特に温度と日射量が人工的に制御されていない自然環境と同じ環境をいう。圃場としては、例えば、ハウス、露地が挙げられ、したがって、圃場環境は例えば、ハウス環境、露地環境である。
培養工程は複数の段階を含んでいてもよい。増殖を複数段階に分けることで、シュートの数や大きさ等、成長具合に応じて適切な光透過性容器を使い分けて効率的に培養および増殖させることができる。具体的には、植物体(具体的にはシュート)の大きさに対して大きすぎる容器は必要以上の培地を使用してしまい、加えて作業性が悪い。一方で、植物体は容器の大きさに達すると成長が止まる。そのため、段階ごとに、植物体の成長具合に応じて適切な大きさの容器を選択し、効率的に植物体を培養および増殖させることが可能である。
培養は、1日間~250日間、好ましくは3日間~180日間、より好ましくは7日間~100日間の期間行われる。ここで、培養の期間は、培養工程を複数工程に分ける場合は、各工程の合計期間とする。上記のような期間、植物体を培養することで、後続の栽培工程に用いるために十分成長した苗を得ることができる。培養は、植物体を光透過性容器内に載置した状態で、圃場環境下で行う。適切な期間、圃場環境下で培養すると栽培工程への移行作業が容易となり、作業効率や収率を高めることができる。培養工程の期間が短すぎる場合、栽培工程に移行したときに、大きな環境変化をうけた植物体がその自然環境になじまず枯れてしまうことがある。培養工程の期間が長すぎる場合、植物体の成長に必要な量の培地中成分が不足して植物体が枯れることがある。
培養の期間中、培養および増殖の妨げとなる雑菌による汚染を防ぐために、光透過性容器は密閉されていることが望ましい。ただし、例えば雑菌繁殖を抑制する農薬を加えるなど、雑菌による汚染を防ぐ対策を行えば、必ずしも光透過性容器を密閉する必要はない。
本実施形態においては、特に温度と日射量が自然と同じ圃場環境下であれば、ヒーターや冷房などの温度制御設備や、LEDライトなどの日照時間制御設備を特段要することなく、通常のハウス栽培又は露地栽培などの圃場環境下で培養することが可能である。
本実施形態においては、上記のとおり、上記生長点培養によって得られたウィルスフリーの植物体(具体的にはシュート)を所定の組成の培地を入れた光透過性容器に載置して、圃場環境下で所定期間培養することによって、栄養繁殖性植物の苗を得る。このようにして得られた栄養繁殖性植物の苗は、通常行われる順化工程を行うことなく、直接圃場に植え付けて栽培に供することができる。
本発明の別の側面は、上記増殖方法によって増殖した植物体、すなわち、栄養繁殖性植物の苗を栽培する栽培工程を含む、栄養繁殖性植物の栽培方法に関する。本栽培方法では、上記に述べたとおり、栄養繁殖性植物の苗は、順化工程を行うことなく、直接植え付けて栽培に供することができる。
3.栽培工程
栽培工程において、栄養繁殖性植物の苗は、露地やハウス環境等の圃場環境下で栽培される。本工程では、具体的には、上記培養工程によって得られた栄養繁殖性植物の苗を、露地栽培又はハウス栽培環境等の圃場環境に植え付けて、栽培する。より具体的には、本工程においては、培養工程によって得られた苗を、1又は複数本ずつ採取し、それぞれ圃場に植え付ける。なお、その栽培環境、及び栽培期間は、露地栽培やハウス栽培などの公知の栽培環境で、通常の栽培期間を採用することが可能である。当該栽培期間に達すると、栄養繁殖性植物の種類および品種に応じた収穫方法で適宜収穫物の収穫を行う。
マイクロチューバーやミニチューバーを使ったインビトロ環境下で植物体を増殖させる場合、通常の圃場環境下で栽培するにあたって、苗を前もって順化が必須である。ここで、「順化」とは、植物体が、異なる環境に移された場合、当該異なる環境で、一定期間、植物体を適応させることをいう。これは、インビトロ環境下から圃場環境下に苗を移すにあたって、苗が、大きな環境変化からストレスを受けるのを軽減するために行われる。例えば、順化は通常、光透過性のビニール容器またはプラスチック容器で植物体(具体的にはシュート)を覆い、湿度を保つ。このとき、湿度を保つために、容器内には、霧吹きなどを用いて水が噴霧される。順化が終了すると、植物体に水を供給する。一方、本発明においては、所定の成分を含んだ培地を用い、且つ、光透過性容器内で、圃場環境下で培養することにより、このような順化の工程を実施する必要はない。具体的には、本発明においては、「順化」を行わずとも、直接、植物体を新しい環境に置くことで、植物体が枯れずに成長することができる。なお、ここで、新しい環境においた植物体に水やりは必須ではないが、水をやるとことで定着率が上がり、水やりを行うことで、水やりをしない場合の2倍成長することがわかっている。したがって、本発明にかかる増殖方法または栽培方法によれば、短期間で栄養繁殖性植物の収穫量を高めることが可能となり、効率的に高い収量を実現することができる。
上記のとおり、本発明にかかる増殖方法または栽培方法において、ウィルスフリーの植物体を、特定のイオン組成または成分組成を有する培地を分注した光透過性容器を用いて圃場環境下で増殖させることで、マイクロチューバーやミニチューバーなどの培養設備を必要とする従来の栽培に比して、効率的に収量を高めることが可能となる。また、培養工程において、特定の無機成分が一定の割合で含まれる培地を利用することによって、さらに効率的に収量を高めることが可能となる。
本明細書において、「~」を用いて示された数値範囲は、「~」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を示す。本明細書に段階的に記載されている数値範囲において、ある段階の数値範囲の上限値又は下限値は、他の段階の数値範囲の上限値又は下限値と任意に組み合わせることができる。
<1>生長点培養による植物体の取得
ウィルスフリーの植物体(具体的にはシュート)を得るため、まず生長点培養を行った。
栄養繁殖性植物として、ジャガイモ(Solanum tuberosum)を用いた。当該ジャガイモの塊茎から発芽した芽の先端部分(茎頂)の組織片を無菌的に切り取り採取した。そして、採取した組織片を試験管内に15mL分注したMS固形培地上に置床し、21日間培養しウィルスフリーシュートを得た。使用したMS固形培地の組成を下記表1に示す。このMS固形培地の成分のうち、カルシウムイオン、リン酸イオン、及びマグネシウムイオンの主要3イオンの各濃度について、表2に示した。
Figure 2022090894000001
Figure 2022090894000002
<2>光透過性容器内への載置および培養
[比較例、実施例1~6]
比較例および実施例1~6として、以下の材料及び方法を用いた。培養は、以下で述べるとおり、第1培養および第2培養の2つの工程に分けて増殖を行った。
上記<1>で生長点培養によって得られたウィルスフリーのシュートを光透過性容器内に40mL分注した培地上に載置し、21日間培養した(第1培養)。
培地として、比較例にはMS固形培地を、実施例1~6には改良MS固形培地を用いた。
比較例では、表1に示したMS固形培地の組成と同じ組成を有する培地を使用してウィルスフリーのシュートを培養し、第2培養において用いるシュートを得た。
実施例1~6では、塩化カルシウム二水和物、リン酸二水素カリウム、及び硫酸マグネシウム七水和物の濃度が、表3に示すとおりであり、その他の成分の濃度が表1に示すとおりである改良MS固形培地を使用してウィルスフリーのシュートを培養し、第2培養において用いるシュートを得た。
実施例1~4では、第1培養時の光透過性容器としてハード樹脂製の容器である77mm×77mm×97mmのマゼンタボックス(メルク社製、Magenta(商標) vessel GA-7)を用い、シュートを載置後、容器を密閉した。
実施例5および実施例6では、第1培養時の光透過性容器としてガラス製の容器を用いた。このうち、実施例5は、シュートを載置後、容器を密閉せず開放系で第1培養を行い、実施例6は、シュートを載置後、容器を密閉したまま第1培養を行った。
第1培養は、比較例及び実施例1~6の全てにおいて、ジャガイモのハウス栽培用に設置されたハウス内に、培地に接触しているシュートが入った光透過性容器を安置した。なお、このとき、ハウス内でヒーターや冷房を用いず、またLED照明などを用いた照度時間調整などは行わなかった。
培養工程の第2培養段階では、比較例及び実施例1~6の全て、第1培養で得られた植物体(多芽体)の一塊であるシュートを、100mLの培地が入った150mm×260mm四方で厚さ30μmのポリエチレン製の袋(無色透明)に載置した。なお、このとき、60mm×40mmのポリスチレン製の容器を、シュートを支持するために上記ポリエチレン製の袋内で用いた。培地は比較例及び実施例1~6の全てにおいて、第1培養時と同じものを使用した。
第2培養は、比較例及び実施例1~6の全てにおいて、ジャガイモのハウス栽培用に設置されたハウス内に、培地に接触しているシュートが入ったポリエチレン袋を安置し、30日~90日間増殖培養した。なお、このとき、ハウス内でヒーターや冷房を用いず、またLED照明などを用いた照度時間調整などは行わなかった。
第2培養の結果、シュートの増殖具合に差を生じながらも、全ての実施例および比較例で苗を培養することができた。
表3には比較例および実施例1~6の培地濃度に対応する、各物質および各イオンのモル濃度を示す。
Figure 2022090894000003
<3>苗の栽培
上記増殖によって得られた苗のうち、比較例、実施例1、実施例3で得られた苗を、表面を0.05メッシュのマルチで被覆したハウス栽培環境下の圃場に植え付けた。このとき、実施例1と3は、培養工程から当該栽培工程に至る過程で、順化工程を経ることなく行った。そして、60日間、自然環境で栽培し、成長したジャガイモの塊茎を収穫し、その収量を測定した(表4)。尚、比較例は7日間の順化工程を経てから自然環境下での栽培を60日間行った。
Figure 2022090894000004
表4に示すとおり、比較例に示す従来の栽培方法と比較して、本発明に係る栽培方法で栽培した実施例1と3は、多量の塊茎を収穫することができた。
実施例1および3の栽培においては、生長点培養で得られたシュートを最終的に袋状樹脂製容器に入れ圃場環境下で増殖させた。したがって、実施例1~6の栽培方法では、従来のマイクロチューバーやミニチューバーによる増殖やそのための設備の必要がなく、さらには従来方法や比較例の栽培方法のように、順化やそのための設備も必要がなく、極めて効率的に、かつ安価に多量の塊茎を収穫することができた。

Claims (12)

  1. 栄養繁殖性植物のウィルスフリーの植物体、および、無機成分を含む培地を、光透過性容器内に載置する載置工程と、
    前記光透過性容器に載置された前記植物体を圃場環境下で培養して前記栄養繁殖性植物の苗を得る培養工程と
    を含む栄養繁殖性植物の増殖方法。
  2. 前記培地中のカルシウムイオンのモル濃度が、1.0~10.5mmol/Lであり、
    前記培地中のリン酸イオンのモル濃度が、0.4~4.4mmol/Lであり、
    前記培地中のマグネシウムイオンのモル濃度が、0.5~5.3mmol/Lである、請求項1に記載の増殖方法。
  3. 前記培地中のカルシウムイオン:リン酸イオン:マグネシウムイオンのモル濃度比が、30:12:15である、請求項1または2に記載の増殖方法。
  4. 前記無機成分が、
    ・塩化カルシウム、
    ・リン酸二水素カリウムおよびリン酸二水素ナトリウムから選択されるリン酸二水素塩、および
    ・硫酸マグネシウム
    である、請求項1~3のいずれか1項に記載の栄養繁殖性植物の増殖方法。
  5. 前記無機成分が、塩化カルシウム二水和物、リン酸二水素カリウムおよび硫酸マグネシウム七水和物である、請求項1~4のいずれか1項に記載の栄養繁殖性植物の増殖方法。
  6. 前記塩化カルシウム二水和物:前記リン酸二水素カリウム:前記硫酸マグネシウム七水和物の重量比が、44:17:37である、請求項5に記載の増殖方法。
  7. 前記光透過性容器が、ガラス製容器又は樹脂製容器である、請求項1~6のいずれか1項に記載の栄養繁殖性植物の増殖方法。
  8. 前記樹脂製容器は、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂およびポリ塩化ビニル系樹脂から選択される少なくとも一つを含み、かつ、袋状容器である、請求項1~7のいずれか一項に記載の増殖方法。
  9. 前記植物体を、圃場環境下で、1日~250日間培養する、請求項1~8のいずれか1項に記載の増殖方法。
  10. 請求項1~9のいずれか1項に記載の増殖方法により得られた前記栄養繁殖性植物の苗を順化させずに圃場環境下に植え付け栽培する工程を含む、栄養繁殖性植物の栽培方法。
  11. 前記栄養繁殖性植物が、地下茎由来の植物である、請求項10に記載の栽培方法。
  12. 前記栄養繁殖性植物が、ジャガイモ又はサツマイモである、請求項10または11に記載の栽培方法。
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