JP2022090402A - 共重合体、結着剤、成形品および共重合体の製造方法 - Google Patents

共重合体、結着剤、成形品および共重合体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】耐屈曲性と柔軟性とを兼ね備えており、耐電解液膨潤性に優れる電極材料層を得ることができる共重合体を提供すること。【解決手段】ビニリデンフルオライド単位、および、一般式(1):CX11X12=CX13(CF2)nY(一般式(1)中、X11、X12およびX13は、独立に、H、F、CH3、CH2F、CHF2またはCF3であり、ただし、X11、X12およびX13のうち、少なくとも1つはF、CH2F、CHF2またはCF3であり、nは2~6の整数であり、YはHまたはFである。)で示される単量体(1)単位を含有する共重合体を提供する。【選択図】 なし

Description

本開示は、共重合体、結着剤、成形品および共重合体の製造方法に関する。
ポリビニリデンフルオライドは、耐薬品性に優れていることから、高分子多孔質膜などの多くの用途で用いられている。
また、ビニリデンフルオライドとコモノマーとの共重合体も知られている。特許文献1には、フッ化ビニリデンに基づく重合単位と(ポリフルオロアルキル)エチレンに基づく重合単位とを含む共重合体が記載されている。
特開平10-334947号公報
本開示では、耐屈曲性と柔軟性とを兼ね備えており、耐電解液膨潤性に優れる電極材料層を得ることができる共重合体を提供することを目的とする。
本開示によれば、ビニリデンフルオライド単位、および、
一般式(1):CX1112=CX13(CF
(一般式(1)中、X11、X12およびX13は、独立に、H、F、CH、CHF、CHFまたはCFであり、ただし、X11、X12およびX13のうち、少なくとも1つはF、CHF、CHFまたはCFであり、nは2~6の整数であり、YはHまたはFである。)で示される単量体(1)単位を含有する共重合体が提供される。
本開示の共重合体において、単量体(1)単位の含有量が、全単量体単位に対して、3.0~15.0質量%であることが好ましい。
本開示の共重合体は、融点が、160℃以上であることが好ましい。
本開示の共重合体は、溶液粘度が、2000mPa・s以下であることが好ましい。
一般式(1)中、X11およびX12が、独立に、HまたはFであることが好ましい。
単量体(1)が、2,3,3,4,4,4-ヘキサフルオロ-1-ブテン、パーフルオロ(1,1,5-トリハイドロ-1-ペンテン)およびパーフルオロ(1,1,7-トリハイドロ-1-ヘプテン)からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。
また、本開示によれば、上記の共重合体を含有する結着剤が提供される。
また、本開示によれば、上記の共重合体を含有する成形品であって、前記成形品が、フィルム、シート、チューブまたは溶融紡糸である成形品が提供される。
また、本開示によれば、上記の共重合体を製造する製造方法であって、ビニリデンフルオライドおよび単量体(1)を重合する製造方法が提供される。
本開示の製造方法において、重合中に到達する重合温度が30℃以上かつ最高圧力が4.38MPa以上であることが好ましい。
本開示の製造方法においては、パーオキサイド重合開始剤の存在下に懸濁重合することが好ましい。
本開示の製造方法においては、連鎖移動剤の存在下に重合することが好ましい。
本開示によれば、耐屈曲性と柔軟性とを兼ね備えており、耐電解液膨潤性に優れる電極材料層を得ることができる共重合体を提供することができる。
以下、本開示の具体的な実施形態について詳細に説明するが、本開示は、以下の実施形態に限定されるものではない。
本開示の共重合体は、ビニリデンフルオライド(VdF)単位および単量体(1)単位を含有する。
単量体(1)単位は、一般式(1)で示される単量体(1)に基づく単量体単位である。
一般式(1):CX1112=CX13(CF
(一般式(1)中、X11、X12およびX13は、独立に、H、F、CH、CHF、CHFまたはCFであり、ただし、X11、X12およびX13のうち、少なくとも1つはF、CHF、CHFまたはCFであり、nは2~6の整数であり、YはHまたはFである。)
11およびX12としては、独立に、HまたはFであることが好ましく、いずれもHであることがより好ましい。X11およびX12がH若しくはFである場合、または、X11およびX12がいずれもHである場合、X13はH、F、CH、CHF、CHFまたはCFであってよい。また、X11、X12およびX13としては、独立に、HまたはFが好ましく、この場合、X11、X12およびX13のうち、少なくとも1つはFである。
11、X12およびX13のうち、少なくとも1つはF、CHF、CHFまたはCFである。X11、X12およびX13のうち、少なくとも1つがF、CHF、CHFまたはCFであって、かつ、少なくとも1つがHまたはCHであることが好ましい。
nは、2~6の整数であり、好ましくは2~5の整数である。
Yとしては、Hが好ましい。
単量体(1)としては、一般式(1-1)で示される単量体が好ましい。
一般式(1-1):CH=CF(CF
(一般式(1-1)中、nおよびYは上記したとおりである。)
単量体(1)としては、2,3,3,4,4,4-ヘキサフルオロ-1-ブテン、パーフルオロ(1,1,5-トリハイドロ-1-ペンテン)およびパーフルオロ(1,1,7-トリハイドロ-1-ヘプテン)からなる群より選択される少なくとも1種が好ましい。
共重合体の単量体(1)単位の含有量は、共重合体を構成する全単量体単位に対して、好ましくは3.0~15.0質量%であり、より好ましくは4.0質量%以上であり、さらに好ましくは5.0質量%以上であり、より好ましくは13.0質量%以下であり、さらに好ましくは11.0質量%以下であり、特に好ましくは9.0質量%以下である。
共重合体のVdF単位の含有量は、共重合体を構成する全単量体単位に対して、好ましく85.0~97.0質量%である。共重合体のVdF単位の含有量は、より好ましくは87.0質量%以上であり、さらに好ましくは89.0質量%以上であり、特に好ましくは91.0質量%以上であり、より好ましくは96.0質量%以下であり、さらに好ましくは95.0質量%以下である。
共重合体は、VdF単位および単量体(1)単位以外の、VdFおよび単量体(1)と共重合可能な単量体単位をさらに含有してもよい。VdFおよび単量体(1)と共重合可能な単量体としては、フッ素化単量体(ただし、VdFおよび単量体(1)を除く)、非フッ素化単量体等が挙げられ、フッ素化単量体が好ましい。フッ素化単量体としては、たとえば、テトラフルオロエチレン、フッ化ビニル、トリフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン、フルオロアルキルビニルエーテル、ヘキサフルオロプロピレン、(パーフルオロアルキル)エチレン等が挙げられる。非フッ素化単量体としては、エチレン、プロピレン等が挙げられる。VdFおよび単量体(1)と共重合可能な単量体単位の含有量は、好ましくは0~5.0質量%であり、より好ましくは0~3.0質量%であり、さらに好ましくは0~1.0質量%である。共重合体は、VdF単位および単量体(1)単位のみからなることも好ましい。
共重合体の単量体単位の含有量は、19F-NMR測定により測定できる。
共重合体の融点は、共重合体の耐屈曲性および柔軟性が一層向上し、耐電解液膨潤性に一層優れる電極材料層を得ることができるだけでなく、共重合体の耐熱性も向上することから、好ましくは150℃以上であり、より好ましくは155℃以上であり、さらに好ましくは160℃以上であり、特に好ましくは161℃以上であり、上限は特に限定されないが、175℃以下であってよく、170℃以下であってよい。
共重合体の融点は、示差走査熱量測定(DSC)装置を用い、30℃から220℃まで10℃/分の速度で昇温し、その後10℃/分で30℃まで降下させ、再度10℃/分の速度で220℃まで昇温したときの融解熱曲線における極大値に対する温度として求めることができる。
共重合体の溶液粘度は、共重合体の耐屈曲性および柔軟性が一層向上し、耐電解液膨潤性に一層優れる電極材料層を得ることができることから、好ましくは10mPa・s以上であり、より好ましくは50mPa・s以上であり、さらに好ましくは100mPa・s以上であり、特に好ましくは150mPa・s以上であり、好ましくは2000mPa・s以下であり、より好ましくは1800mPa・s以下であり、さらに好ましくは1500mPa・s以下であり、特に好ましくは1200mPa・s以下である。
共重合体の溶液粘度は、5質量%の共重合体を含有するN-メチル-2-ピロリドン(NMP)溶液の粘度である。NMP溶液の粘度は、B型粘度計を用いて25℃で測定することができる。
共重合体の重量平均分子量(ポリスチレン換算)は、共重合体の耐屈曲性および柔軟性が一層向上し、耐電解液膨潤性に一層優れる電極材料層を得ることができることから、好ましくは50000~3000000であり、より好ましくは80000以上であり、さらに好ましくは100000以上であり、特に好ましくは200000以上であり、より好ましくは2400000以下であり、さらに好ましくは2200000以下であり、特に好ましくは2000000以下である。重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により溶媒としてジメチルホルムアミドを用いて測定することができる。
共重合体の数平均分子量(ポリスチレン換算)は、共重合体の耐屈曲性および柔軟性が一層向上し、耐電解液膨潤性に一層優れる電極材料層を得ることができることから、好ましくは20000~1500000であり、より好ましくは40000以上であり、さらに好ましくは70000以上であり、特に好ましくは140000以上であり、より好ましくは1400000以下であり、さらに好ましくは1200000以下であり、特に好ましくは1100000以下である。数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により溶媒としてジメチルホルムアミドを用いて測定することができる。
共重合体の25℃における貯蔵弾性率は、弾性率が低すぎると成形後の樹脂が変形しやすくなるおそれがあるため、好ましくは50MPa以上であり、より好ましくは100MPa以上であり、さらに好ましくは200MPa以上であり、弾性率が高すぎると成形後の樹脂の耐屈曲性が劣るおそれがあるため、好ましくは3000MPa以下であり、より好ましくは2800MPa以下であり、さらに好ましくは2500MPa以下である。
貯蔵弾性率は、長さ30mm、巾5mm、厚み50~300μmのサンプルについて、アイティー計測制御社製動的粘弾性装置DVA220で動的粘弾性測定により引張モード、つかみ巾20mm、測定温度-30℃から160℃、昇温速度2℃/min、周波数10Hzの条件で測定した際の25℃での測定値である。
測定サンプルは、たとえば、共重合体を230℃、5.0MPaの条件で、プレス成形して、厚さ50~300μmのフィルムを作製し、得られた厚さ50~300μmのフィルムを、長さ30mm、巾5mmにカットすることで作製することができる。
本開示の共重合体は、VdFおよび単量体(1)を反応器中で重合する製造方法により、好適に製造することができる。所望により、VdFおよび単量体(1)と共重合可能な単量体を重合してもよい。VdFおよび単量体(1)と共重合可能な単量体については上述したとおりである。
上記の製造方法においては、0~55℃の重合温度でVdFおよび単量体(1)を重合することが好ましい。重合温度が高すぎると、融点が高く、耐熱性に優れる共重合体を得ることができず、重合温度が低すぎると、重合が円滑に進行せず、共重合体の生産効率が低下する。重合温度としては、融点が高い共重合体を一層容易に製造できることから、より好ましくは30℃以上あり、さらに好ましくは35℃以上であり、好ましくは50℃以下であり、より好ましくは45℃以下である。
上記の製造方法においては、重合の任意の時点において、重合温度が上記の範囲内に調整されていればよい。融点が高く、耐熱性に優れる共重合体を一層容易に得ることができる観点からは、少なくとも重合開始時に上記範囲内に重合温度を調整しておくことが好ましく、重合開始時に上記範囲内に重合温度を調整し、さらに重合終了までの全ての期間において上記範囲内に重合温度を調整することがより好ましい。
上記の製造方法においては、重合中に到達する最高圧力(最高到達圧力)が4.38MPa以上であることが好ましい。最高圧力としては、好ましくは4.80MPa以上であり、より好ましくは5.30MPa以上であり、さらに好ましくは5.80MPa以上である。最高圧力の上限は、特に制限はないが、圧力が高すぎると、耐圧性の高い反応器が必要となり、反応器の設計および製作にコストを要する。したがって、最高圧力の上限としては、安全かつ低コストで生産する観点から好ましくは12.00MPa以下であり、より好ましくは10.00MPa以下であり、さらに好ましくは7.00MPa以下である。
上記の製造方法においては、重合中の重合圧力は変動してよい。最高圧力(最高到達圧力)は、重合中に到達する最も高い反応器の内圧である。最高圧力は、重合温度、反応器中のVdFおよび単量体(1)の密度などによって決まる。
融点が高い共重合体を効率的に製造できることから、VdFが超臨界状態となる条件で、VdFおよび単量体(1)を重合することも好ましい。VdFの臨界温度は30.1℃、臨界圧力は4.38MPaである。
融点が高い共重合体を効率的に製造できることから、反応器中のVdFおよび単量体(1)の密度が十分に高くなるように、VdFおよび単量体(1)を反応器に供給することも好ましい。反応器中のVdFおよび単量体(1)の重合初期温度における密度としては、好ましくは0.20g/cm以上であり、より好ましくは0.25g/cm以上であり、さらに好ましくは0.30g/cm以上であり、上限は特に制限はないが、密度が高すぎると、反応器内の温度の変化による反応器内の圧力変化が大きくなりすぎる傾向があるので、安全に生産する観点から0.70g/cm以下が好ましい。反応器中のVdFおよび単量体(1)の密度は、反応器に供給した単量体混合物の供給量(g)を、反応器の内容積(cm)から水の体積(cm)を減じた値で除することにより、求めることができる。
上記の重合においては、重合開始剤、界面活性剤、連鎖移動剤および溶媒を使用することができ、それぞれ従来公知のものを使用することができる。上記重合開始剤としては、油溶性ラジカル重合開始剤または水溶性ラジカル重合開始剤を使用できる。
油溶性ラジカル重合開始剤としては、公知の油溶性の過酸化物であってよく、たとえば、
ジノルマルプロピルパーオキシジカーボネート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジsec-ブチルパーオキシジカーボネートなどのジアルキルパーオキシカーボネート類;
t-ブチルパーオキシイソブチレート、t-ブチルパーオキシピバレート、t-ヘキシルパーオキシ2-エチルヘキサノエート、t-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート、1,1,3,3-テトラメチルブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート、t-アミルパーオキシピバレートなどのパーオキシエステル類;
ジt-ブチルパーオキサイドなどのジアルキルパーオキサイド類;
ジ[フルオロ(またはフルオロクロロ)アシル]パーオキサイド類;
などが代表的なものとしてあげられる。
ジ[フルオロ(またはフルオロクロロ)アシル]パーオキサイド類としては、[(RfCOO)-](Rfは、パーフルオロアルキル基、ω-ハイドロパーフルオロアルキル基またはフルオロクロロアルキル基)で表されるジアシルパーオキサイドが挙げられる。
ジ[フルオロ(またはフルオロクロロ)アシル]パーオキサイド類としては、たとえば、ジ(ω-ハイドロ-ドデカフルオロヘキサノイル)パーオキサイド、ジ(ω-ハイドロ-テトラデカフルオロヘプタノイル)パーオキサイド、ジ(ω-ハイドロ-ヘキサデカフルオロノナノイル)パーオキサイド、ジ(パーフルオロブチリル)パーオキサイド、ジ(パーフルオロパレリル)パーオキサイド、ジ(パーフルオロヘキサノイル)パーオキサイド、ジ(パーフルオロヘプタノイル)パーオキサイド、ジ(パーフルオロオクタノイル)パーオキサイド、ジ(パーフルオロノナノイル)パーオキサイド、ジ(ω-クロロ-ヘキサフルオロブチリル)パーオキサイド、ジ(ω-クロロ-デカフルオロヘキサノイル)パーオキサイド、ジ(ω-クロロ-テトラデカフルオロオクタノイル)パーオキサイド、ω-ハイドロ-ドデカフルオロヘプタノイル-ω-ハイドロヘキサデカフルオロノナノイル-パーオキサイド、ω-クロロ-ヘキサフルオロブチリル-ω-クロロ-デカフルオロヘキサノイル-パーオキサイド、ω-ハイドロドデカフルオロヘプタノイル-パーフルオロブチリル-パーオキサイド、ジ(ジクロロペンタフルオロブタノイル)パーオキサイド、ジ(トリクロロオクタフルオロヘキサノイル)パーオキサイド、ジ(テトラクロロウンデカフルオロオクタノイル)パーオキサイド、ジ(ペンタクロロテトラデカフルオロデカノイル)パーオキサイド、ジ(ウンデカクロロトリアコンタフルオロドコサノイル)パーオキサイドなどが挙げられる。
水溶性ラジカル重合開始剤としては、公知の水溶性過酸化物であってよく、たとえば、過硫酸、過ホウ酸、過塩素酸、過リン酸、過炭酸等のアンモニウム塩、カリウム塩、ナトリウム塩、ジコハク酸パーオキシド、ジグルタル酸パーオキシド等の有機過酸化物、t-ブチルパーマレエート、t-ブチルハイドロパーオキサイド等が挙げられる。サルファイト類のような還元剤を過酸化物に組み合わせて使用してもよく、その使用量は過酸化物に対して0.1~20倍であってよい。
重合方法としては、上記の重合温度で円滑に重合を開始させることができ、融点が高く、耐熱性に優れる共重合体を容易に製造することできることから、パーオキサイド重合開始剤の存在下に懸濁重合する方法、レドックス重合開始剤の存在下に乳化重合する方法が好ましい。パーオキサイド重合開始剤としては、上記した油溶性の過酸化物が挙げられる。レドックス重合開始剤としては、上記した過酸化物と還元剤との組み合わせが挙げられる。
界面活性剤としては、公知の界面活性剤が使用でき、たとえば、非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤等が使用できる。なかでも、含フッ素アニオン性界面活性剤が好ましく、エーテル結合を含んでもよい(すなわち、炭素原子間に酸素原子が挿入されていてもよい)、炭素数4~20の直鎖または分岐した含フッ素アニオン性界面活性剤がより好ましい。界面活性剤の添加量(対溶媒)は、好ましくは50~5000ppmである。
連鎖移動剤の存在下に重合することにより、得られる共重合体の溶液粘度、重量平均分子量などを適切に調整することができ、融点が高く、耐熱性に優れる共重合体を容易に得ることができる。連鎖移動剤としては、たとえば、エタン、イソペンタン、n-ヘキサン、シクロヘキサン等の炭化水素類;トルエン、キシレン等の芳香族類;アセトン等のケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル等の酢酸エステル類;メタノール、エタノール等のアルコール類;メチルメルカプタン等のメルカプタン類;四塩化炭素、クロロホルム、塩化メチレン、塩化メチル等のハロゲン化炭化水素等が挙げられる。
連鎖移動剤の添加量は、連鎖移動剤の連鎖移動定数の大きさにより変わりうるが、通常、溶媒に対して0.01~20質量%である。
溶媒としては、水、水とアルコールとの混合溶媒等が挙げられる。
懸濁重合などの重合において、水に加えて、フッ素系溶媒を使用してもよい。フッ素系溶媒としては、CHCClF、CHCClF、CFCFCClH、CFClCFCFHCl等のハイドロクロロフルオロアルカン類;CFClCFClCFCF、CFCFClCFClCF等のクロロフルオロアルカン類;パーフルオロシクロブタン、CFCFCFCF、CFCFCFCFCF、CFCFCFCFCFCF等のパーフルオロアルカン類;CFHCFCFCFH、CFCFHCFCFCF、CFCFCFCFCFH、CFCFCFHCFCF、CFCFHCFHCFCF、CFHCFCFCFCFH、CFHCFHCFCFCF、CFCFCFCFCFCFH、CFCH(CF)CFCFCF、CFCF(CF)CFHCFCF、CFCF(CF)CFHCFHCF、CFCH(CF)CFHCFCF、CFHCFCFCFCFCFH、CFCFCFCFCHCH、CFCHCFCH等のハイドロフルオロカーボン類;F(CFOCH、F(CFOC、(CFCFOCH、F(CFOCH等の(ペルフルオロアルキル)アルキルエーテル類;CFCHOCFCHF、CHFCFCHOCFCHF、CFCFCHOCFCHF等のヒドロフルオロアルキルエーテル類等が挙げられ、なかでも、パーフルオロアルカン類が好ましい。フッ素系溶媒の使用量は、懸濁性および経済性の面から、溶媒に対して10~100質量%が好ましい。
懸濁重合においては、メチルセルロース、メトキシ化メチルセルロース、プロポキシ化メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキシド、ゼラチン等の懸濁剤を用いることができる。懸濁剤の添加量(対溶媒)は、好ましくは0.005~1.0質量%、より好ましくは0.01~0.4質量%である。
懸濁重合に用いる重合開始剤としては、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジノルマルプロピルパーオキシジカーボネート、ジノルマルヘプタフルオロプロピルパーオキシジカーボネート、ジ(セカンダリーブチル)パーオキシカーボネート、イソブチリルパーオキサイド、ジ(クロロフルオロアシル)パーオキサイド、ジ(パーフルオロアシル)パーオキサイド、t-ブチルパーオキシピバレート、t-アミルパーオキシピバレートなどが挙げられる。その使用量は、単量体合計量に対して0.1~5質量%であることが好ましい。重合開始剤の添加量を調整することにより、得られる共重合体の溶液粘度、重量平均分子量などを適切に調整することができる。
懸濁重合において、酢酸エチル、酢酸メチル、アセトン、メタノール、エタノール、n-プロパノール、アセトアルデヒド、プロピルアルデヒド、プロピオン酸エチル、四塩化炭素等の連鎖移動剤を添加して、得られる重合体の重合度を調節してもよい。その使用量は、通常は、単量体合計量に対して0.1~5質量%、好ましくは0.5~3質量%である。連鎖移動剤の添加量を調整することにより、得られる共重合体の溶液粘度、重量平均分子量などを適切に調整することができる。
単量体の合計仕込量は、単量体合計量:水の質量比で1:1~1:10、好ましくは1:2~1:5である。
重合終了後、重合反応により共重合体を含む水性分散液が得られる場合は、水性分散液中に含まれる共重合体を凝析させ、洗浄し、乾燥することにより、共重合体を回収できる。また、重合反応により共重合体がスラリーとして得られる場合は、反応器からスラリーを取り出し、洗浄し、乾燥することにより、共重合体を回収できる。乾燥することによりパウダーの形状で共重合体を回収できる。
本開示の共重合体および上記した製造方法により得られる共重合体は、フィルム、シート、チューブ、溶融紡糸、結着剤などとして好適に利用することができる。
(結着剤)
以下、本開示のVdF単位および単量体(1)単位を含有する共重合体((以下、共重合体(1)ということがある)を結着剤として用いる場合について、説明する。
本開示の共重合体(1)は、耐屈曲性と柔軟性とを兼ね備えており、耐電解液膨潤性に優れる電極材料層を得ることができることから、結着剤として好適に利用することができる。本開示の共重合体(1)を含有する結着剤を、二次電池、キャパシタなどの電極を形成するための結着剤として用いることにより、耐電解液膨潤性に優れる電極が得られる。したがって、本開示の結着剤は、電池用結着剤として好適である。
本開示の結着剤は、上述した共重合体(1)以外の他の重合体を含有してもよい。他の重合体としては、フルオロポリマー(ただし、共重合体(1)を除く)、ポリメタクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリロニトリル、ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリカーボネート、スチレンゴム、ブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴム、ポリアクリル酸などが挙げられる。
他の重合体としては、なかでも、フルオロポリマー(ただし、共重合体(1)を除く)が好ましく、ポリビニリデンフルオライド(ただし、共重合体(1)を除く)およびビニリデンフルオライド重合体(ただし、共重合体(1)を除く)からなる群より選択される少なくとも1種がより好ましく、ポリビニリデンフルオライド(ただし、共重合体(1)を除く)がさらに好ましい。
本開示の結着剤は、ポリビニリデンフルオライド(ただし、共重合体(1)を除く)をさらに含有することも好ましい。ポリビニリデンフルオライド(PVdF)は、VdF単位を含有する重合体であり、上述した共重合体(1)とは異なる重合体である。PVdFは、VdF単位のみからなるVdFホモポリマーであってよいし、VdF単位およびVdFと共重合可能な単量体単位を含有する重合体であってもよい。
上記PVdFにおいて、VdFと共重合可能な単量体としては、フッ素化単量体、非フッ素化単量体等が挙げられ、フッ素化単量体が好ましい。上記フッ素化単量体としては、単量体(1)以外の単量体であることが好ましく、たとえば、フッ化ビニル、トリフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン(CTFE)、フルオロアルキルビニルエーテル、ヘキサフルオロプロピレン(HFP)、(パーフルオロアルキル)エチレン等が挙げられる。上記非フッ素化単量体としては、エチレン、プロピレン等が挙げられる。
上記PVdFにおいて、VdFと共重合可能な単量体としては、CTFE、フルオロアルキルビニルエーテルおよびHFPからなる群より選択される少なくとも1種のフッ素化単量体が好ましく、CTFE、HFPおよびフルオロアルキルビニルエーテルからなる群より選択される少なくとも1種のフッ素化単量体がより好ましい。
上記PVdFにおいて、VdFと共重合可能な単量体単位の含有量は、全単量体単位に対して、好ましくは0~5.0モル%であり、より好ましくは0~3.0モル%である。上記PVdFにおいて、フッ素化単量体単位(ただし、VdF単位を除く。)の含有量は、全単量体単位に対して、好ましくは5.0モル%未満であり、より好ましくは3.0モル%未満であり、さらに好ましくは1.0モル%未満である。
本開示において、PVdFの組成は、たとえば、19F-NMR測定により測定できる。
上記PVdFは、極性基を有していてもよい。結着剤として、共重合体(1)および極性基を有するPVdFを用いることにより、金属箔への密着性により一層優れた電極材料層を形成することができる。
上記極性基としては、極性を有する官能基であれば特に限定されないが、カルボニル基含有基、エポキシ基、ヒドロキシ基、スルホン酸基、硫酸基、リン酸基、アミノ基、アミド基およびアルコキシ基からなる群より選択される少なくとも1種が好ましく、カルボニル基含有基、エポキシ基およびヒドロキシ基からなる群より選択される少なくとも1種がより好ましく、カルボニル基含有基がさらに好ましい。上記ヒドロキシ基には、上記カルボニル基含有基の一部を構成するヒドロキシ基は含まれない。また、上記アミノ基とは、アンモニア、第一級または第二級アミンから水素を除去した1価の官能基である。
上記カルボニル基含有基とは、カルボニル基(-C(=O)-)を有する官能基である。上記カルボニル基含有基としては、一般式:-COOR(Rは、水素原子、アルキル基またはヒドロキシアルキル基を表す)で表される基またはカルボン酸無水物基が好ましく、一般式:-COORで表される基がより好ましい。アルキル基およびヒドロキシアルキル基の炭素数としては、好ましくは1~16であり、より好ましくは1~6であり、さらに好ましくは1~3である。一般式:-COORで表される基として、具体的には、-COOCHCHOH、-COOCHCH(CH)OH、-COOCH(CH)CHOH、-COOH、-COOCH、-COOC等が挙げられる。一般式:-COORで表される基が、-COOHであるか、-COOHを含む場合、-COOHは、カルボン酸金属塩、カルボン酸アンモニウム塩等のカルボン酸塩であってもよい。
また、上記カルボニル基含有基としては、一般式:-X-COOR(Xは主査が原子数2~15で構成され、Xで示される原子団の分子量は350以下が好ましい。Rは、水素原子、アルキル基またはヒドロキシアルキル基を表す)で表される基であってもよい。アルキル基およびヒドロキシアルキル基の炭素数としては、好ましくは1~16であり、より好ましくは1~6であり、さらに好ましくは1~3である。
上記アミド基としては、一般式:-CO-NRR’(RおよびR’は、独立に、水素原子または置換もしくは非置換のアルキル基を表す。)で表される基、または、一般式:-CO-NR”-(R”は、水素原子、置換もしくは非置換のアルキル基または置換もしくは非置換のフェニル基を表す。)で表される結合が好ましい。
上記極性基は、VdFと上記極性基を有する単量体(以下、極性基含有単量体という)とを重合させることにより、PVdFに導入することもできるし、PVdFと上記極性基を有する化合物とを反応させることにより、PVdFに導入することもできるが、生産性の観点からは、VdFと上記極性基含有単量体とを重合させることが好ましい。
VdFと上記極性基含有単量体とを重合させると、VdF単位および極性基含有単量体に基づく単位(以下、極性基含有単量体単位という)を含有するPVdFが得られる。すなわち、PVdFは、上記極性基含有単量体単位を含有することが好ましい。上記極性基含有単量体単位の含有量は、全単量体単位に対して、好ましくは0.001~5.0モル%であり、より好ましくは0.01~3.0モル%であり、さらに好ましくは0.10~1.5モル%である。
本開示において、PVdFにおける極性基含有単量体単位の含有量は、たとえば、極性基がカルボン酸等の酸基である場合、酸基の酸-塩基滴定によって測定できる。
上記極性基含有単量体としては、ヒドロキシエチルアクリレート、2-ヒドロキシプロピルアクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート;(メタ)アクリル酸、クロトン酸、ビニル酢酸(3-ブテン酸)、3-ペンテン酸、4-ペンテン酸、3-ヘキセン酸、4-ヘプテン酸等の不飽和一塩基酸;マレイン酸、無水マレイン酸、シトラコン酸、無水シトラコン酸等の不飽和二塩基酸;メチリデンマロン酸ジメチル等のアルキリデンマロン酸エステル;ビニルカルボキシメチルエーテル、ビニルカルボキシエチルエーテル等のビニルカルボキシアルキルエーテル;2-カルボキシエチルアクリレート、2-カルボキシエチルメタクリレート等のカルボキシアルキル(メタ)アクリレート;アクリロイルオキシエチルコハク酸、メタクリロイルオキシエチルコハク酸、アクリロイルオキシエチルフタル酸、アクリロイルオキシプロピルコハク酸、メタクリロイルオキシエチルフタル酸等の(メタ)アクリロイルオキシアルキルジカルボン酸エステル;マレイン酸モノメチルエステル、マレイン酸モノエチルエステル、シトラコン酸モノメチルエステル、シトラコン酸モノエチルエステル等の不飽和二塩基酸のモノエステル;等が挙げられる。
PVdFと上記極性基を有する化合物とを反応させて、上記極性基をPVdFに導入する場合には、上記極性基を有する化合物として、上記極性基含有単量体、または、PVdFと反応性の基と加水分解性基とを有するシラン系カップリング剤もしくはチタネート系カップリング剤を用いることができる。上記加水分解性基としては、好ましくはアルコキシ基である。カップリング剤を用いる場合には、溶媒に溶解または膨潤させたPVdFと反応させることによって、PVdFに付加させることができる。
PVdFとしては、また、PVdFを塩基で部分的に脱フッ化水素処理した後、部分的に脱フッ化水素処理されたPVdFを酸化剤とさらに反応させて得られたものを用いることもできる。上記酸化剤としては、過酸化水素、次亜塩素酸塩、ハロゲン化パラジウム、ハロゲン化クロム、過マンガン酸アルカリ金属、過酸化合物、過酸化アルキル、過硫酸アルキル等が挙げられる。
PVdFのVdF単位の含有量は、柔軟性および金属箔への密着性により一層優れた電極材料層を形成することができることから、全単量体単位に対して、好ましくは95.0モル%超であり、より好ましくは97.0モル%超であり、さらに好ましくは99.0モル%超である。
また、PVdFのVdF単位の含有量は、柔軟性および金属箔への密着性により一層優れた電極材料層を形成することができることから、全単量体単位に対して、好ましくは95.0~99.999モル%であり、より好ましくは95.0モル%超であり、さらに好ましくは97.0モル%以上であり、特に好ましくは98.5モル%以上であり、より好ましくは99.99モル%以下であり、さらに好ましくは99.90モル%以下である。
PVdFの重量平均分子量(ポリスチレン換算)は、好ましくは50000~3000000であり、より好ましくは80000以上であり、さらに好ましくは100000以上であり、特に好ましくは200000以上であり、より好ましくは2400000以下であり、さらに好ましくは2200000以下であり、特に好ましくは2000000以下である。重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により溶媒としてN,N-ジメチルホルムアミドを用いて測定することができる。また、柔軟性および金属箔への密着性に非常に優れた電極材料層を形成することができることから、PVdF(A)の重量平均分子量は、1000000以上であってもよく、1500000以上であってもよい。
PVdFの数平均分子量(ポリスチレン換算)は、好ましくは20000~1500000であり、より好ましくは40000以上であり、さらに好ましくは70000以上であり、特に好ましくは140000以上であり、より好ましくは1400000以下であり、さらに好ましくは1200000以下であり、特に好ましくは1100000以下である。数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により溶媒としてジメチルホルムアミドを用いて測定することができる。
PVdFの融点(2次融点)は、好ましくは100~240℃である。上記融点は、示差走査熱量測定(DSC)装置を用い、30℃から220℃まで10℃/分の速度で昇温し、その後10℃/分で30℃まで降下させ、再度10℃/分の速度で220℃まで昇温したときの融解熱曲線における極大値に対する温度として求めることができる。
PVdFは、例えば、VdFおよび上記極性基含有単量体や、重合開始剤等の添加剤を適宜混合して、溶液重合や懸濁重合を行う等の従来公知の方法により製造することができる。
PVdFの30℃における貯蔵弾性率は、好ましくは2000MPa以下であり、より好ましくは1800MPa以下である。
PVdFの60℃における貯蔵弾性率は、好ましくは1500MPa以下であり、より好ましくは1300MPa以下である。
PVdFの30℃における貯蔵弾性率は、好ましくは1000MPa以上であり、より好ましくは1100MPa以上である。
PVdFの60℃における貯蔵弾性率は、好ましくは600MPa以上であり、より好ましくは700MPa以上である。
PVdFの貯蔵弾性率は、共重合体(1)の貯蔵弾性率と同様の方法により測定できる。
本開示の結着剤において、共重合体(1)とポリビニリデンフルオライドとの質量比(共重合体(1)/ポリビニリデンフルオライド)としては、好ましくは99/1~1/99であり、より好ましくは97/3以下であり、さらに好ましくは95/5以下であり、より好ましくは3/97以上であり、さらに好ましくは5/90以上である。
本開示の結着剤は、ビニリデンフルオライド重合体(ただし、共重合体(1)を除く)を含有してもよい。ビニリデンフルオライド(VdF)重合体(ただし、共重合体(1)を除く)としては、VdF単位およびフッ素化単量体単位(ただし、VdF単位を除く。)を含有する重合体が挙げられる。
フッ素化単量体(ただし、VdFを除く)としては、単量体(1)以外の単量体であることが好ましく、たとえば、テトラフルオロエチレン(TFE)、フッ化ビニル、トリフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン(CTFE)、フルオロアルキルビニルエーテル、ヘキサフルオロプロピレン(HFP)、(パーフルオロアルキル)エチレン等が挙げられる。なかでも、柔軟性および金属箔への密着性により一層優れた電極材料層を形成することができることから、TFE、CTFEおよびHFPからなる群より選択される少なくとも1種が好ましく、TFEおよびHFPからなる群より選択される少なくとも1種がより好ましく、TFEが特に好ましい。
フッ素化単量体単位は、極性基を有していても有していなくてもよい。
VdF重合体のVdF単位の含有量は、全単量体単位に対して、50モル%超99モル%以下であることが好ましい。VdF単位の含有量が上記範囲にあることにより、柔軟性および金属箔への密着性に一層優れた電極材料層を形成することができる。
VdF重合体のVdF単位の含有量としては、柔軟性および金属箔への密着性により一層優れた電極材料層を形成することができることから、全単量体単位に対して、好ましくは57.0モル%以上であり、より好ましくは60.0モル%以上であり、さらに好ましくは63.0モル%以上であり、好ましくは99.0モル%以下であり、より好ましくは97.0モル%以下であり、さらに好ましくは95.0モル%以下であり、特に好ましくは90.0モル%以下であり、最も好ましくは85.0モル%以下である。
VdF重合体のフッ素化単量体単位(ただし、VdF単位を除く)の含有量は、特に限定されないが、柔軟性および金属箔への密着性により一層優れた電極材料層を形成することができることから、全単量体単位に対して、好ましくは1.0モル%以上であり、より好ましくは3.0モル%以上であり、さらに好ましくは5.0モル%以上であり、特に好ましくは10.0モル%以上であり、最も好ましくは15.0モル%以上であり、好ましくは50モル%未満であり、より好ましくは43.0モル%以下であり、さらに好ましく40.0モル%以下であり、特に好ましくは37.0モル%以下である。
本開示において、VdF重合体の組成は、たとえば、19F-NMR測定により測定できる。
VdF重合体は、非フッ素化単量体単位をさらに含有してもよい。上記非フッ素化単量体としては、エチレン、プロピレン等の極性基を有しない非フッ素化単量体、極性基を有する非フッ素化単量体(以下、極性基含有単量体ということがある)等が挙げられる。
非フッ素化単量体として、極性基を有するものを用いると、VdF重合体に極性基が導入され、これによって、正極材料層と集電体とのより一層優れた密着性が得られる。VdF重合体が有し得る極性基としては、カルボニル基含有基、エポキシ基、ヒドロキシ基、スルホン酸基、硫酸基、リン酸基、アミノ基、アミド基およびアルコキシ基からなる群より選択される少なくとも1種が好ましく、カルボニル基含有基、エポキシ基およびヒドロキシ基からなる群より選択される少なくとも1種がより好ましく、カルボニル基含有基がさらに好ましい。上記ヒドロキシ基には、上記カルボニル基含有基の一部を構成するヒドロキシ基は含まれない。また、上記アミノ基とは、アンモニア、第一級または第二級アミンから水素を除去した1価の官能基である。
上記カルボニル基含有基とは、カルボニル基(-C(=O)-)を有する官能基である。上記カルボニル基含有基としては、一般式:-COOR(Rは、水素原子、アルキル基またはヒドロキシアルキル基を表す)で表される基またはカルボン酸無水物基が好ましい。アルキル基およびヒドロキシアルキル基の炭素数としては、好ましくは1~16であり、より好ましくは1~6であり、さらに好ましくは1~3である。一般式:-COORで表される基として、具体的には、-COOCHCHOH、-COOCHCH(CH)OH、-COOCH(CH)CHOH、-COOH、-COOCH、-COOC等が挙げられる。一般式:-COORで表される基が、-COOHであるか、-COOHを含む場合、-COOHは、カルボン酸金属塩、カルボン酸アンモニウム塩等のカルボン酸塩であってもよい。
また、上記カルボニル基含有基としては、一般式:-X-COOR(Xは主査が原子数2~15で構成され、Xで示される原子団の分子量は350以下が好ましい。Rは、水素原子、アルキル基またはヒドロキシアルキル基を表す)で表される基であってもよい。アルキル基およびヒドロキシアルキル基の炭素数としては、好ましくは1~16であり、より好ましくは1~6であり、さらに好ましくは1~3である。
上記アミド基としては、一般式:-CO-NRR’(RおよびR’は、独立に、水素原子または置換もしくは非置換のアルキル基を表す。)で表される基、または、一般式:-CO-NR”-(R”は、水素原子、置換もしくは非置換のアルキル基または置換もしくは非置換のフェニル基を表す。)で表される結合が好ましい。
上記極性基含有単量体としては、ヒドロキシエチルアクリレート、2-ヒドロキシプロピルアクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート;メチリデンマロン酸ジメチル等のアルキリデンマロン酸エステル;ビニルカルボキシメチルエーテル、ビニルカルボキシエチルエーテル等のビニルカルボキシアルキルエーテル;2-カルボキシエチルアクリレート、2-カルボキシエチルメタクリレート等のカルボキシアルキル(メタ)アクリレート;アクリロイルオキシエチルコハク酸、アクリロイルオキシプロピルコハク酸、メタクリロイルオキシエチルコハク酸、アクリロイルオキシエチルフタル酸、メタクリロイルオキシエチルフタル酸等の(メタ)アクリロイルオキシアルキルジカルボン酸エステル;マレイン酸モノメチルエステル、マレイン酸モノエチルエステル、シトラコン酸モノメチルエステル、シトラコン酸モノエチルエステル等の不飽和二塩基酸のモノエステル;一般式(3):
Figure 2022090402000001
(式中、R~Rは、独立に、水素原子または炭素数1~8の炭化水素基を表す。Rは、単結合または炭素数1~8の炭化水素基を表す。Yは、無機カチオンおよび/または有機カチオンを表す。)で表される単量体(3);等が挙げられる。
VdF重合体が含有し得る上記極性基含有単量体単位としては、一般式(3)で表される単量体(3)に基づく単位が好ましい。
一般式(3)において、Yは、無機カチオンおよび/または有機カチオンを表す。無機カチオンとしては、H、Li、Na、K、Mg、Ca、Al、Fe等のカチオンが挙げられる。有機カチオンとしては、NH、NH、NH 、NHR 、NR (Rは、独立に、炭素数1~4のアルキル基を表す。)等のカチオンが挙げられる。Yとしては、H、Li、Na、K、Mg、Ca、Al、NHが好ましく、H、Li、Na、K、Mg、Al、NHがより好ましく、H、Li、Al、NHがさらに好ましく、Hが特に好ましい。なお、無機カチオンおよび有機カチオンの具体例は、便宜上、符号および価数を省略して記載している。
一般式(3)において、R~Rは、独立に、水素原子または炭素数1~8の炭化水素基を表す。上記炭化水素基は、1価の炭化水素基である。上記炭化水素基の炭素数は4以下が好ましい。上記炭化水素基としては、上記炭素数のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基等が挙げられ、メチル基またはエチル基が好ましい。RおよびRは、独立に、水素原子、メチル基またはエチル基であることが好ましく、Rは、水素原子またはメチル基であることが好ましい。
一般式(3)において、Rは、単結合または炭素数1~8の炭化水素基を表す。上記炭化水素基は、2価の炭化水素基である。上記炭化水素基の炭素数は4以下が好ましい。上記炭化水素基としては、上記炭素数のアルキレン基、アルケニレン基等が挙げられ、なかでも、メチレン基、エチレン基、エチリデン基、プロピリデン基およびイソプロピリデン基からなる群より選択される少なくとも1種が好ましく、メチレン基がより好ましい。
単量体(3)としては、(メタ)アクリル酸およびその塩、ビニル酢酸(3-ブテン酸)およびその塩、3-ペンテン酸およびその塩、4-ペンテン酸およびその塩、3-ヘキセン酸およびその塩、4-ヘプテン酸およびその塩、ならびに、5-ヘキセン酸およびその塩からなる群より選択される少なくとも1種が好ましく、3-ブテン酸およびその塩、ならびに、4-ペンテン酸およびその塩からなる群より選択される少なくとも1種がより好ましい。
VdF重合体の上記極性基含有単量体単位の含有量は、全単量体単位に対して、好ましくは0.05~2.0モル%であり、より好ましくは0.10モル%以上であり、さらに好ましくは0.25モル%以上であり、特に好ましくは0.40モル%以上であり、より好ましくは1.5モル%以下である。
本開示において、VdF重合体における極性基含有単量体単位の含有量は、たとえば、極性基がカルボン酸等の酸基である場合、酸基の酸-塩基滴定によって測定できる。
VdF重合体としては、たとえば、VdF/TFE共重合体、VdF/HFP共重合体、VdF/TFE/HFP共重合体、VdF/TFE/(メタ)アクリル酸共重合体、VdF/HFP/(メタ)アクリル酸共重合体、VdF/CTFE共重合体、VdF/TFE/4-ペンテン酸共重合体、VdF/TFE/3-ブテン酸共重合体、VdF/TFE/HFP/(メタ)アクリル酸共重合体、VdF/TFE/HFP/4-ペンテン酸共重合体、VdF/TFE/HFP/3-ブテン酸共重合体、VdF/TFE/2-カルボキシエチルアクリレート共重合体、VdF/TFE/HFP/2-カルボキシエチルアクリレート共重合体、VdF/TFE/アクリロイルオキシエチルコハク酸共重合体、VdF/TFE/HFP/アクリロイルオキシエチルコハク酸共重合体等が挙げられる。
VdF重合体としては、なかでも、柔軟性および金属箔への密着性により一層優れた電極材料層を形成することができることから、VdF単位、TFE単位、および、任意の非フッ素化単量体単位のみからなるVdF重合体が好ましい。
VdF重合体がVdF単位およびTFE単位を含有する場合の、VdF単位とTFE単位とのモル比(VdF単位/TFE単位)は、好ましくは50/50超99/1以下であり、より好ましくは57/43~97/3であり、さらに好ましくは60/40~95/5であり、特に好ましくは63/37~90/10であり、最も好ましくは63/37~85/15である。
VdF重合体の重量平均分子量(ポリスチレン換算)は、好ましくは50000~3000000であり、より好ましくは80000以上であり、さらに好ましくは100000以上であり、特に好ましくは200000以上であり、より好ましくは2400000以下であり、さらに好ましくは2200000以下であり、特に好ましくは2000000以下である。上記重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により溶媒としてジメチルホルムアミドを用いて測定することができる。
VdF重合体の数平均分子量(ポリスチレン換算)は、好ましくは20000~1500000であり、より好ましくは40000以上であり、さらに好ましくは70000以上であり、特に好ましくは140000以上であり、より好ましくは1400000以下であり、さらに好ましくは1200000以下であり、特に好ましくは1100000以下である。上記数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により溶媒としてジメチルホルムアミドを用いて測定することができる。
VdF重合体の融点(2次融点)は、好ましくは100~170℃であり、より好ましくは110~165℃であり、さらに好ましくは120~163℃である。上記融点は、示差走査熱量測定(DSC)装置を用い、30℃から220℃まで10℃/分の速度で昇温し、その後10℃/分で30℃まで降下させ、再度10℃/分の速度で220℃まで昇温したときの融解熱曲線における極大値に対する温度として求める。
VdF重合体は、破断点伸度が100%以上であることが好ましい。上記破断点伸度は、200%以上がより好ましく、300%以上が更に好ましい。
上記破断点伸度は、以下の方法により測定できる。すなわち、VdF重合体を濃度が10~20質量%になるようにN-メチル-2-ピロリドン(NMP)に溶解させて得たVdF重合体溶液を、ガラス板上にキャストし100℃で12時間乾燥し、更に真空下で100℃で12時間乾燥し、厚さ50~100μmのフィルムを得る。当該フィルムを、ダンベル型に打ち抜きオートグラフにて25℃における破断点伸度を測定する。
VdF重合体は、30℃における貯蔵弾性率が1100MPa以下であり、かつ、60℃における貯蔵弾性率が500MPa以下であることが好ましい。
VdF重合体の30℃における貯蔵弾性率は、より好ましくは800MPa以下であり、さらに好ましくは600MPa以下である。
VdF重合体の60℃における貯蔵弾性率は、より好ましくは350MPa以下である。
VdF重合体の30℃における貯蔵弾性率は、好ましくは100MPa以上であり、より好ましくは150MPa以上であり、さらに好ましくは200MPa以上である。
VdF重合体の60℃における貯蔵弾性率は、好ましくは50MPa以上であり、より好ましくは80MPa以上であり、さらに好ましくは130MPa以上である。
VdF重合体の貯蔵弾性率は、共重合体(1)の貯蔵弾性率と同様の方法により測定できる。
本開示の結着剤において、共重合体(1)と共重合体(1)以外の他の重合体との質量比(共重合体(1)/他の重合体)としては、好ましくは99/1~1/99であり、より好ましくは97/3以下であり、さらに好ましくは95/5以下であり、より好ましくは3/97以上であり、さらに好ましくは5/95以上である。
本開示の結着剤において、共重合体(1)とVdF重合体との質量比(共重合体(1)/VdF重合体)としては、好ましくは99/1~1/99であり、より好ましくは97/3以下であり、さらに好ましくは95/5以下であり、より好ましくは3/97以上であり、さらに好ましくは5/95以上である。
本開示の結着剤は、二次電池、キャパシタなどの電池を形成する材料として好適に用いることができる。電池は、一次電池であってもよく、蓄電池(二次電池)または蓄電素子であってもよい。電池は非水電解液電池であってもよい。非水電解液電池には、電解液および発電素子を備える電池が全て含まれる。非水電解液電池としては、たとえば、リチウムイオン一次電池、リチウムイオン二次電池、ニッケル水素電池、リチウムイオンキャパシタ、電気二重層キャパシタなどが挙げられる。
本開示の結着剤は、十分な耐電解液膨潤性を示す電極材料層を形成できることから、二次電池、キャパシタなどの電池の電極に用いる結着剤として好適である。本開示の結着剤は、また、二次電池のセパレータコーティングの結着剤として用いることもできる。
本開示の結着剤は、非水電解液電池用結着剤であることが好ましい。また、本開示の結着剤は、二次結着剤であってよい。本開示において、二次結着剤には、二次電池の正極、負極、セパレータに用いる結着剤が含まれる。二次電池はリチウムイオン二次電池であることが好ましい。
本開示の結着剤は、粉末電極材料、水または非水溶剤とともに電極合剤を構成することもできる。本開示の結着剤を適用する対象となる二次電池は、正極合剤が正極集電体に保持されてなる正極、負極合剤が負極集電体に保持されてなる負極および電解液を備えている。
本開示の電極合剤は、上述した結着剤、粉末電極材料、および、水または非水溶剤を含有する。本開示の電極合剤は、非水電解液電池用電極合剤であることが好ましい。本開示の電極合剤は、二次電池用電極合剤であってよく、リチウムイオン二次電池用電極合剤であってよい。
電極合剤は、正極の作製に用いる正極合剤であってもよく、負極の作製に用いる負極合剤であってもよい。本開示の電極合剤から形成される電極材料層は、上述した結着剤および粉末電極材料を含有するものであれば、正極材料層であってもよいし、負極材料層であってもよい。
粉末電極材料は、電池に用いられる粉末電極材料であり、電極活物質を含むことが好ましい。電極活物質は、正極活物質および負極活物質に分けられる。リチウムイオン二次電池の場合、正極活物質としては、電気化学的にリチウムイオンを吸蔵・放出可能なものであれば特に制限はないが、リチウム複合酸化物が好ましく、リチウム遷移金属複合酸化物がより好ましい。上記正極活物質としては、リチウム含有遷移金属リン酸化合物も好ましい。上記正極活物質が、リチウム遷移金属複合酸化物、リチウム含有遷移金属リン酸化合物等の、リチウムと少なくとも1種の遷移金属を含有する物質であることも好ましい。
リチウム遷移金属複合酸化物の遷移金属としてはV、Ti、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu等が好ましく、リチウム遷移金属複合酸化物の具体例としては、LiCoO等のリチウム・コバルト複合酸化物、LiNiO等のリチウム・ニッケル複合酸化物、LiMnO、LiMn、LiMnO等のリチウム・マンガン複合酸化物、これらのリチウム遷移金属複合酸化物の主体となる遷移金属原子の一部をAl、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Li、Ni、Cu、Zn、Mg、Ga、Zr、Si等の他の金属で置換したもの等が挙げられる。上記置換したものとしては、リチウム・ニッケル・マンガン複合酸化物、リチウム・ニッケル・コバルト・アルミニウム複合酸化物、リチウム・ニッケル・コバルト・マンガン複合酸化物、リチウム・マンガン・アルミニウム複合酸化物、リチウム・チタン複合酸化物等が挙げられ、より具体的には、LiNi0.5Mn0.5、LiNi0.85Co0.10Al0.05、LiNi0.33Co0.33Mn0.33、LiNi0.5Mn0.3Co0.2、LiNi0.6Mn0.2Co0.2、LiNi0.8Mn0.1Co0.1、LiMn1.8Al0.2、LiMn1.5Ni0.5、LiTi12、LiNi0.82Co0.15Al0.03等が挙げられる。
リチウム含有遷移金属リン酸化合物の遷移金属としては、V、Ti、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu等が好ましく、リチウム含有遷移金属リン酸化合物の具体例としては、たとえば、LiFePO、LiFe(PO、LiFeP等のリン酸鉄類、LiCoPO等のリン酸コバルト類、これらのリチウム遷移金属リン酸化合物の主体となる遷移金属原子の一部をAl、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Li、Ni、Cu、Zn、Mg、Ga、Zr、Nb、Si等の他の金属で置換したもの等が挙げられる。
特に、高電圧、高エネルギー密度、あるいは、充放電サイクル特性等の観点から、LiCoO、LiNiO、LiMn、LiNi0.82Co0.15Al0.03、LiNi0.33Mn0.33Co0.33、LiNi0.5Mn0.3Co0.2、LiNi0.6Mn0.2Co0.2、LiNi0.8Mn0.1Co0.1、LiFePOが好ましい。
また、リチウム遷移金属複合酸化物としては、リチウム・ニッケル系複合酸化物が好ましく、一般式(4):
一般式(4):LiNi1-x
(式中、xは、0.01≦x≦0.5、yは、0.9≦y≦1.2であり、Mは金属原子(但しNiを除く)を表す。)
で表されるリチウム・ニッケル系複合酸化物がより好ましい。このようにニッケル含有率が高いリチウム遷移金属複合酸化物は、二次電池の高容量化に有益である。
一般式(4)において、xは、0.01≦x≦0.5を充足する係数であり、さらに高容量の二次電池を得ることができることから、好ましくは0.05≦x≦0.4であり、さらに好ましくは0.10≦x≦0.3である。
一般式(4)において、Mの金属原子としては、V、Ti、Cr、Mn、Fe、Co、Cu、Al、Zn、Mg、Ga、Zr、Si等が挙げられる。Mの金属原子としては、V、Ti、Cr、Mn、Fe、Co、Cu等の遷移金属、または、上記遷移金属と、Al、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Cu、Zn、Mg、Ga、Zr、Si等の他の金属との組み合わせが好ましい。
ニッケル含有率が高いリチウム遷移金属複合酸化物としては、LiNi0.80Co0.15Al0.05、LiNi0.82Co0.15Al0.03、LiNi0.33Mn0.33Co0.33、LiNi0.5Mn0.3Co0.2、LiNi0.6Mn0.2Co0.2、LiNi0.8Mn0.1Co0.1、および、LiNi0.90Mn0.05Co0.05からなる群より選択される少なくとも1種が好ましく、LiNi0.82Co0.15Al0.03、LiNi0.6Mn0.2Co0.2、および、LiNi0.8Mn0.1Co0.1からなる群より選択される少なくとも1種がより好ましい。
また、これら正極活物質の表面に、主体となる正極活物質を構成する物質とは異なる組成の物質が付着したものを用いることもできる。表面付着物質としては酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化ホウ素、酸化アンチモン、酸化ビスマス等の酸化物、硫酸リチウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム、硫酸アルミニウム等の硫酸塩、炭酸リチウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等の炭酸塩等が挙げられる。
これら表面付着物質は、たとえば、溶媒に溶解または懸濁させて正極活物質に含浸添加、乾燥する方法、表面付着物質前駆体を溶媒に溶解または懸濁させて正極活物質に含浸添加後、加熱等により反応させる方法、正極活物質前駆体に添加して同時に焼成する方法等により正極活物質表面に付着させることができる。
表面付着物質の量としては、正極活物質に対して質量で、下限として好ましくは0.1ppm以上、より好ましくは1ppm以上、さらに好ましくは10ppm以上、上限として好ましくは20%以下、より好ましくは10%以下、さらに好ましくは5%以下で用いられる。表面付着物質により、正極活物質表面での非水電解液の酸化反応を抑制することができ、電池寿命を向上させることができるが、その付着量が少なすぎる場合その効果は十分に発現せず、多すぎる場合には、リチウムイオンの出入りを阻害するため抵抗が増加する場合がある。
正極活物質の粒子の形状は、従来用いられるような、塊状、多面体状、球状、楕円球状、板状、針状、柱状等が用いられるが、中でも一次粒子が凝集して、二次粒子を形成して成り、その二次粒子の形状が球状ないし楕円球状であるものが好ましい。通常、電気化学素子はその充放電に伴い、電極中の活物質が膨張収縮をするため、そのストレスによる活物質の破壊や導電パス切れ等の劣化がおきやすい。そのため一次粒子のみの単一粒子活物質であるよりも、一次粒子が凝集して、二次粒子を形成したものである方が膨張収縮のストレスを緩和して、劣化を防ぐため好ましい。また、板状等軸配向性の粒子であるよりも球状ないし楕円球状の粒子の方が、電極の成形時の配向が少ないため、充放電時の電極の膨張収縮も少なく、また電極を作製する際の導電剤との混合においても、均一に混合されやすいため好ましい。
正極活物質のタップ密度は、通常1.3g/cm以上、好ましくは1.5g/cm以上、さらに好ましくは1.6g/cm以上、最も好ましくは1.7g/cm以上である。正極活物質のタップ密度が上記下限を下回ると正極材料層形成時に、必要な分散媒量が増加すると共に、導電剤や結着剤の必要量が増加し、正極材料層への正極活物質の充填率が制約され、電池容量が制約される場合がある。タップ密度の高い金属複合酸化物粉体を用いることにより、高密度の正極材料層を形成することができる。タップ密度は一般に大きいほど好ましく特に上限はないが、大きすぎると、正極材料層内における非水電解液を媒体としたリチウムイオンの拡散が律速となり、負荷特性が低下しやすくなる場合があるため、通常2.5g/cm以下、好ましくは2.4g/cm以下である。
正極活物質のタップ密度は、目開き300μmの篩を通過させて、20cmのタッピングセルに試料を落下させてセル容積を満たした後、粉体密度測定器(たとえば、セイシン企業社製タップデンサー)を用いて、ストローク長10mmのタッピングを1000回行なって、その時の体積と試料の重量から求めた密度をタップ密度として定義する。
正極活物質の粒子のメジアン径d50(一次粒子が凝集して二次粒子を形成している場合には二次粒子径)は通常0.1μm以上、好ましくは0.5μm以上、より好ましくは1μm以上、最も好ましくは3μm以上で、通常20μm以下、好ましくは18μm以下、より好ましくは16μm以下、最も好ましくは15μm以下である。上記下限を下回ると、高嵩密度品が得られなくなる場合があり、上限を超えると粒子内のリチウムの拡散に時間がかかるため、電池性能の低下をきたしたり、電池の正極作製すなわち活物質と導電剤や結着剤等を溶媒でスラリー化し、薄膜状に塗布する際に、スジを引いたりする等の問題を生ずる場合がある。ここで、異なるメジアン径d50をもつ正極活物質を2種類以上混合することで、正極作製時の充填性をさらに向上させることもできる。
なお、本開示におけるメジアン径d50は、公知のレーザー回折/散乱式粒度分布測定装置によって測定される。粒度分布計としてHORIBA社製LA-920を用いる場合、測定の際に用いる分散媒として、0.1質量%ヘキサメタリン酸ナトリウム水溶液を用い、5分間の超音波分散後に測定屈折率1.24を設定して測定される。
一次粒子が凝集して二次粒子を形成している場合には、正極活物質の平均一次粒子径としては、通常0.01μm以上、好ましくは0.05μm以上、さらに好ましくは0.08μm以上、最も好ましくは0.1μm以上で、通常3μm以下、好ましくは2μm以下、さらに好ましくは1μm以下、最も好ましくは0.6μm以下である。上記上限を超えると球状の二次粒子を形成し難く、粉体充填性に悪影響を及ぼしたり、比表面積が大きく低下するために、出力特性等の電池性能が低下する可能性が高くなる場合がある。逆に、上記下限を下回ると、通常、結晶が未発達であるために充放電の可逆性が劣る等の問題を生ずる場合がある。なお、一次粒子径は、走査電子顕微鏡(SEM)を用いた観察により測定される。具体的には、10000倍の倍率の写真で、水平方向の直線に対する一次粒子の左右の境界線による切片の最長の値を、任意の50個の一次粒子について求め、平均値をとることにより求められる。
正極活物質のBET比表面積は、0.2m/g以上、好ましくは0.3m/g以上、さらに好ましくは0.4m/g以上で、4.0m/g以下、好ましくは2.5m/g以下、さらに好ましくは1.5m/g以下である。BET比表面積がこの範囲よりも小さいと電池性能が低下しやすく、大きいとタップ密度が上がりにくくなり、正極材料層形成時の塗布性に問題が発生しやすい場合がある。
BET比表面積は、表面積計(たとえば、大倉理研製全自動表面積測定装置)を用い、試料に対して窒素流通下150℃で30分間、予備乾燥を行なった後、大気圧に対する窒素の相対圧の値が0.3となるように正確に調整した窒素ヘリウム混合ガスを用い、ガス流動法による窒素吸着BET1点法によって測定した値で定義される。
正極活物質の製造法としては、無機化合物の製造法として一般的な方法が用いられる。特に球状ないし楕円球状の活物質を作製するには種々の方法が考えられるが、たとえば、遷移金属硝酸塩、硫酸塩等の遷移金属原料物質と、必要に応じ他の元素の原料物質を水等の溶媒中に溶解ないし粉砕分散して、攪拌をしながらpHを調節して球状の前駆体を作製回収し、これを必要に応じて乾燥した後、LiOH、LiCO、LiNO等のLi源を加えて高温で焼成して活物質を得る方法、遷移金属硝酸塩、硫酸塩、水酸化物、酸化物等の遷移金属原料物質と、必要に応じ他の元素の原料物質を水等の溶媒中に溶解ないし粉砕分散して、それをスプレードライヤー等で乾燥成型して球状ないし楕円球状の前駆体とし、これにLiOH、LiCO、LiNO等のLi源を加えて高温で焼成して活物質を得る方法、また、遷移金属硝酸塩、硫酸塩、水酸化物、酸化物等の遷移金属原料物質と、LiOH、LiCO、LiNO等のLi源と、必要に応じ他の元素の原料物質とを水等の溶媒中に溶解ないし粉砕分散して、それをスプレードライヤー等で乾燥成型して球状ないし楕円球状の前駆体とし、これを高温で焼成して活物質を得る方法等が挙げられる。
なお、本開示において、正極活物質粉体は1種を単独で用いても良く、異なる組成または異なる粉体物性の2種以上を任意の組み合わせおよび比率で併用しても良い。
負極活物質としては、電気化学的にリチウムイオンを吸蔵・放出可能なものであれば、特に制限はなく、炭素質材料、酸化錫や酸化ケイ素等の金属酸化物、金属複合酸化物、リチウム単体やリチウムアルミニウム合金等のリチウム合金、SnやSi等のリチウムと合金形成可能な金属等が挙げられる。これらは、1種を単独で用いても、2種以上を任意の組み合わせおよび比率で併用しても良い。なかでも炭素質材料またはリチウム複合酸化物が安全性の点から好ましく用いられる。
金属複合酸化物としては、リチウムを吸蔵、放出可能であれば特には制限されないが、構成成分としてチタン及び/又はリチウムを含有していることが、高電流密度充放電特性の観点で好ましい。
炭素質材料としては、
(1)天然黒鉛、
(2)人造炭素質物質並びに人造黒鉛質物質;炭素質物質{たとえば天然黒鉛、石炭系コークス、石油系コークス、石炭系ピッチ、石油系ピッチ、或いはこれらピッチを酸化処理したもの、ニードルコークス、ピッチコークスおよびこれらを一部黒鉛化した炭素材、ファーネスブラック、アセチレンブラック、ピッチ系炭素繊維等の有機物の熱分解物、炭化可能な有機物(たとえば、軟ピッチから硬ピッチまでのコールタールピッチ、或いは乾留液化油等の石炭系重質油、常圧残油、減圧残油の直留系重質油、原油、ナフサ等の熱分解時に副生するエチレンタール等分解系石油重質油、さらにアセナフチレン、デカシクレン、アントラセン、フェナントレン等の芳香族炭化水素、フェナジンやアクリジン等のN環化合物、チオフェン、ビチオフェン等のS環化合物、ビフェニル、テルフェニル等のポリフェニレン、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、これらのものの不溶化処理品、含窒素性のポリアクリロニトリル、ポリピロール等の有機高分子、含硫黄性のポリチオフェン、ポリスチレン等の有機高分子、セルロース、リグニン、マンナン、ポリガラクトウロン酸、キトサン、サッカロースに代表される多糖類等の天然高分子、ポリフェニレンサルファイド、ポリフェニレンオキシド等の熱可塑性樹脂、フルフリルアルコール樹脂、フェノール-ホルムアルデヒド樹脂、イミド樹脂等の熱硬化性樹脂)およびこれらの炭化物、または炭化可能な有機物をベンゼン、トルエン、キシレン、キノリン、n-ヘキサン等の低分子有機溶媒に溶解させた溶液およびこれらの炭化物}を400から3200℃の範囲で一回以上熱処理された炭素質材料、
(3)負極材料層が少なくとも2種類以上の異なる結晶性を有する炭素質から成り立ちかつ/又はその異なる結晶性の炭素質が接する界面を有している炭素質材料、
(4)負極材料層が少なくとも2種類以上の異なる配向性を有する炭素質から成り立ちかつ/又はその異なる配向性の炭素質が接する界面を有している炭素質材料、
から選ばれるものが初期不可逆容量、高電流密度充放電特性のバランスが良く好ましい。
電極活物質(正極活物質または負極活物質)の含有量は、得られる電極の容量を増やすために、電極合剤中40質量%以上が好ましい。
上記粉末電極材料は、さらに導電剤を含んでもよい。導電剤としては、たとえば、アセチレンブラック、ケッチェンブラック等のカーボンブラック類やグラファイト等の炭素材料、カーボンファイバー、カーボンナノチューブ、カーボンナノホーン、グラフェン等が挙げられる。
電極合剤中の粉末電極材料(活物質および導電剤)と上述した結着剤との割合は、通常、質量比で80:20~99.5:0.5程度であり、粉体成分の保持、集電体への密着性、電極の導電性を考慮して決められる。
上述のような配合割合では、集電体上に形成される電極材料層では、上述した結着剤は、粉体成分間の空隙を完全に充填することはできないが、溶媒として結着剤を良く溶解または分散する水または非水溶剤を用いると、乾燥後の電極材料層において、結着剤が均一に分散、編み目状になり、粉体成分をよく保持するので好ましい。
本開示の電極合剤は、水または非水溶剤を含有する。非水溶剤としては、たとえば、N-メチル-2-ピロリドン、N,N-ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド等の含窒素系有機溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶剤;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶剤;さらに、それらの混合溶剤等の低沸点の汎用有機溶剤を挙げることができる。
本開示の電極合剤は、なかでも、電極合剤の安定性、塗工性に優れている点から、非水溶剤を含有することが好ましく、N-メチル-2-ピロリドンおよびN,N-ジメチルアセトアミドからなる群より選択される少なくとも1種を含有することが好ましく、N-メチル-2-ピロリドンを含有することがより好ましい。
上記電極合剤中の水または非水溶剤の量は、集電体への塗布性、乾燥後の薄膜形成性等を考慮して決定される。通常、結着剤と水または非水溶剤との割合は、質量比で0.5:99.5~20:80が好ましい。
上記電極合剤は、集電体との密着性をさらに向上させるため、たとえば、ポリアクリル酸、ポリメタクリレート、ポリメチルメタアクリレート等のアクリル系樹脂、ポリイミド、ポリアミドおよびポリアミドイミド系樹脂、スチレンゴム、ブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴム等をさらに含んでいてもよい。
上記電極合剤は、電極スラリーの分散安定性を向上させるために、界面活性作用等を有する樹脂系やカチオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤等の分散剤を添加してもよい。
電極合剤における結着剤の含有量としては、電極合剤の質量に対して、好ましくは0.1~20質量%であり、より好ましくは0.2~10質量%であり、さらに好ましくは0.5~3質量%である。
電極合剤を調製する方法としては、結着剤を水または非水溶剤に溶解または分散させた溶液または分散液に上記粉末電極材料を分散、混合させるといった方法が挙げられる。そして、得られた電極合剤を、金属箔、金属網等の集電体に均一に塗布、乾燥、必要に応じてプレスして集電体上へ薄い電極材料層を形成し薄膜状電極とする。
そのほか、結着剤と電極材料の粉末とを先に混合した後、水または非水溶剤を添加し電極合剤を作製してもよい。また、結着剤と電極材料の粉末とを加熱溶融し、押出機で押し出して薄膜の電極合剤を作製しておき、導電性接着剤や汎用有機溶剤を塗布した集電体上に貼り合わせて電極シートを作製することもできる。さらに、予め予備成形した電極材料に結着剤と電極材料の粉末との溶液または分散液を塗布してもよい。このように、結着剤としての適用方法は特に限定されない。
本開示の電極は、上述した結着剤を含有する。本開示の電極は、非水電解液電池用電極であることが好ましい。本開示の電極は、上述した結着剤を含有することから、高密度化のため粉末電極材料を厚塗りし捲回、プレスしても電極が割れることがなく、粉末電極材料の脱落や集電体からの剥離もない。さらに、本開示の電極は、耐電解液膨潤性にも優れている。
上記電極は、集電体と、当該集電体上に形成された、上記粉末電極材料および上述した結着剤を含有する電極材料層とを備えることが好ましい。上記電極は、正極であっても負極であってもよいが、正極であることが好ましい。
集電体(正極集電体および負極集電体)としては、たとえば、鉄、ステンレス鋼、銅、アルミニウム、ニッケル、チタン等の金属箔あるいは金属網等が挙げられる。中でも、正極集電体としては、アルミ箔等が好ましく、負極集電体としては銅箔等が好ましい。
本開示の電極は、たとえば上述した方法によって製造することができる。上記の電極合剤は塗工性に優れるものであるため、本開示の電極が備える電極材料層を上記の電極合剤を用いて作製することにより、平滑で均一な厚い電極材料層を備える電極を容易に作製することができる。
本開示の二次電池は、上述した電極を備える。本開示の二次電池は、非水電解液二次電池であることが好ましい。本開示の二次電池においては、正極および負極の少なくとも一方が、上述した電極であればよく、正極が上述した電極であることが好ましい。二次電池はリチウムイオン二次電池であることが好ましい。
本開示の二次電池は、さらに非水電解液を備えることが好ましい。上記非水電解液は特に限定されるものではないが、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ブチレンカーボネート、γ-ブチルラクトン、1,2-ジメトキシエタン、1,2-ジエトキシエタン、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート等の公知の炭化水素系溶媒;フルオロエチレンカーボネート、フルオロエーテル、フッ素化カーボネート等のフッ素系溶媒の1種または2種以上が使用できる。電解質も従来公知のものがいずれも使用でき、LiClO、LiAsF、LiPF、LiBF、LiCl、LiBr、CHSOLi、CFSOLi、炭酸セシウム等を用いることができる。
また、正極と負極との間にセパレータを介在させてもよい。セパレータとしては、従来公知のものを使用してもよいし、上述した結着剤をコーティングに使用したセパレータを使用してもよい。
二次電池(好ましくはリチウムイオン二次電池)の正極、負極およびセパレータの少なくとも1つに上述した結着剤を用いることも好ましい。
上述した結着剤からなる二次電池用フィルムも、本開示の好適な形態の1つである。
基材と、当該基材上に形成された、上述した結着剤からなる層とを有する二次電池用積層体も、本開示の好適な形態の1つである。上記基材としては、上記集電体として例示したものや、二次電池のセパレータに用いられる公知の基材(多孔質膜等)等が挙げられる。
本開示の電極は、柔軟性に優れるものであり、かつ、電池特性に優れた二次電池を形成することができるものであることから、捲回型二次電池用電極として、好適に利用できる。また、本開示の二次電池は、捲回型二次電池であってよい。
本開示の電極は、非水電解液二次電池用として、以上に説明した液状電解質を用いたリチウムイオン二次電池だけでなく、ポリマー電解質リチウム二次電池にも有用である。また、電気二重層キャパシタ用としても有用である。
本開示の共重合体および上記した製造方法により得られる共重合体は、いかなる形態であってもよく、水性分散液、粉末、ペレット等であってよい。
本開示の共重合体は、様々な成形品に成形することができる。また、本開示の共重合体は、所望の寸法および形状を有する成形品に容易に成形できる。
共重合体の成形方法は、特に限定されず、たとえば、圧縮成形、押出成形、ブロー成形、トランスファー成形、射出成形、ロト成形、ロトライニング成形、静電塗装等が挙げられる。
本開示の共重合体に、充填剤、可塑剤、加工助剤、離型剤、顔料、難燃剤、滑剤、光安定剤、耐候安定剤、導電剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、発泡剤、香料、オイル、柔軟化剤、脱フッ化水素剤などを混合した後、成形してもよい。充填剤としては、ポリテトラフルオロエチレン、マイカ、シリカ、タルク、セライト、クレー、酸化チタン、硫酸バリウム等が挙げられる。導電剤としてはカーボンブラック等があげられる。可塑剤としては、ジオクチルフタル酸、ペンタエリスリトール等が挙げられる。加工助剤としては、カルナバワックス、スルホン化合物、低分子量ポリエチレン、フッ素系助剤等が挙げられる。脱フッ化水素剤としては有機オニウム、アミジン類等が挙げられる。
本開示の共重合体(1)は、耐屈曲性と柔軟性とを兼ね備えていることから、種々の用途に用いる成形品として、好適に利用することができる。また、本開示の共重合体(1)は、粉体塗料、水性塗料としても用いることができる。また、本開示の共重合体(1)は、建材鋼板、石油採掘材などにも利用することができる。
成形品としては、フィルム、シート、チューブ、パイプ、糸、継手、バルブ、ポンプ、丸棒、厚板、ボルト、ナット、絶縁材、電線被覆材、圧電体、焦電体、水処理膜などであってよい。糸は、溶融紡糸(溶融紡糸により得られる糸)、単繊維(モノフィラメント)などであってよい。
更に、以下の成形品の成形材料としても好適に利用できる。
食品包装用フィルム、食品製造工程で使用する流体移送ラインのライニング材、パッキン、シール材、シート等の食品製造装置用流体移送部材;
薬品用の薬栓、包装フィルム、薬品製造工程で使用される流体移送ラインのライニング材、パッキン、シール材、シート等の薬液移送部材;
化学プラントや半導体工場の薬液タンクや配管の内面ライニング部材;
自動車の燃料系統並びに周辺装置に用いられるO(角)リング・チューブ・パッキン、バルブ芯材、ホース、シール材等、自動車のAT装置に用いられるホース、シール材等の燃料移送部材;
自動車のエンジン並びに周辺装置に用いられるキャブレターのフランジガスケット、シャフトシール、バルブステムシール、シール材、ホース等、自動車のブレーキホース、エアコンホース、ラジエーターホース、電線被覆材等のその他の自動車部材;
半導体製造装置のO(角)リング、チューブ、パッキン、バルブ芯材、ホース、シール材、ロール、ガスケット、ダイヤフラム、継手等の半導体装置用薬液移送部材;
塗装設備用の塗装ロール、ホース、チューブ、インク用容器等の塗装・インク用部材;
飲食物用のチューブ又は飲食物用ホース等のチューブ、ホース、ベルト、パッキン、継手等の飲食物移送部材、食品包装材、ガラス調理機器;
廃液輸送用のチューブ、ホース等の廃液輸送用部材;
高温液体輸送用のチューブ、ホース等の高温液体輸送用部材;
スチーム配管用のチューブ、ホース等のスチーム配管用部材;
船舶のデッキ等の配管に巻き付けるテープ等の配管用防食テープ;
電線被覆材、光ファイバー被覆材、太陽電池の光起電素子の光入射側表面に設ける透明な表面被覆材および裏面剤等の各種被覆材;
ダイヤフラムポンプのダイヤフラムや各種パッキン類等の摺動部材;
農業用フィルム、各種屋根材・側壁等の耐侯性カバー;
建築分野で使用される内装材、不燃性防火安全ガラス等のガラス類の被覆材;
家電分野等で使用されるラミネート鋼板等のライニング材;
以上、実施形態を説明したが、特許請求の範囲の趣旨および範囲から逸脱することなく、形態や詳細の多様な変更が可能なことが理解されるであろう。
つぎに本開示の実施形態について実施例をあげて説明するが、本開示はかかる実施例のみに限定されるものではない。
実施例の各数値は以下の方法により測定した。
<共重合体の単量体組成>
NMR分析装置(アジレント・テクノロジー社製、VNS400MHz)を用いて、共重合体のDMF-d溶液の19F-NMR測定により求めた。
<重量平均分子量>
ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により測定した。東ソー社製のAS-8010、CO-8020、カラム(GMHHR-Hを3本直列に接続)および島津製作所社製RID-10Aを用い、溶媒としてジメチルホルムアミド(DMF)を流速1.0ml/分で流して測定したデータ(リファレンス:ポリスチレン)より算出した。
<溶液粘度>
共重合体のNMP溶液(5質量%)を調製した。B型粘度計(東機産業社製、TV-10M)を用いて、25℃、ロータNo.M4、回転速度6rpmの条件にて、測定開始から10分経過後のNMP溶液の粘度を測定した。
<融点>
示差走査熱量測定(DSC)装置を用い、30℃から220℃まで10℃/分の速度で昇温し、その後10℃/分で30℃まで降下させ、再度10℃/分の速度で220℃まで昇温したときの融解熱曲線における極大値に対する温度を、融点として求めた。
<MIT値>
230℃、5.0MPaの条件で、共重合体をプレス成形して、厚さ0.20~0.23mmのフィルムを作製した。得られたフィルムから、幅1.3cm、長さ90mmの短冊状に切り出して、サンプルを得た。これをMIT式耐屈曲疲労試験機(安田精機製作所社製)に装着し、ASTM D-2176に準拠した条件(荷重1.25kg、折り曲げ角度135度、175回/分)にて繰り返し折り曲げ試験を行い、破断するまでに要した折り曲げ回数を測定した。
<マンドレル試験>
両面に正極材料層を備える正極を切り取ることにより、2cm×10cmの試験片を作製し、直径1.0mmの丸棒、直径2.0mmの丸棒、直径3.0mmの丸棒に巻き付けて、正極を目視で観察し、正極材料層のひび割れの有無を確認し、以下の基準で評価した。
Φ1:直径1.0mmの丸棒に巻き付けても、正極材料層にひび割れが確認されなかった。
Φ2:直径2.0mmの丸棒に巻き付けても、正極材料層にピンホールが確認されなかったが、直径1.0mmの丸棒に巻き付けると、正極材料層にひび割れが観察された。
Φ3:直径3.0mmの丸棒に巻き付けても、正極材料層にピンホールが確認されなかったが、直径2.0mmの丸棒に巻き付けると、正極材料層にひび割れが観察された。
<耐電解液膨潤性>
共重合体のNMP溶液(8質量%)を、ガラス製シャーレ上にキャストし、100℃で6時間真空乾燥を行って、厚み200μmフィルムを作製した。得られたフィルムを10mmΦの大きさに切り取り、電解液(エチレンカーボネートとエチルメチルカーボネートの3/7(体積比)の溶媒にLiPFを1M濃度で溶解した溶液)が入ったサンプル瓶に入れ、60℃で1週間静置した後、次式より重量増加率を求めることで、耐電解液膨潤性を評価した。
重量増加率(%)=(電解液浸漬後のフィルム重量/電解液浸漬前のフィルム重量)×100
実施例1
内容積2.5リットルのオートクレーブに、純水1,400g、メチルセルロース0.7g、2,3,3,4,4,4-ヘキサフルオロ-1-ブテン(コモノマー(a))を24g、VdFを400g、酢酸エチル3.0g、およびジノルマルプロピルパーオキシジカーボネート1gを仕込み、1.5時間かけて45℃まで昇温した後、45℃を18時間維持した。この間の最高到達圧力は6.0MPaGであった。
45℃への昇温完了時から18時間後に重合を終了した。重合終了後、得られた重合体スラリーを回収し、脱水および水洗し、さらに118℃で12時間乾燥して、共重合体の粉末を得た。
(正極合剤の調製)
得られた共重合体の粉末を用いて、正極合剤(スラリー)を調製した。得られた共重合体(結着剤)を、N-メチル-2-ピロリドン(NMP)に溶解させ、濃度が8質量%の共重合体溶液を調製した。NMC811(LiNi0.8Mn0.1Co0.1)(正極活物質)、アセチレンブラック(導電助剤)および共重合体(結着剤)溶液を、撹拌機を用いて混合し、各成分の質量比(正極活物質/導電助剤/結着剤)が、97.0/1.5/1.5である混合液を得た。得られた混合液に、NMPをさらに加えて混合して、固形分濃度が70質量%の正極合剤を調製した。
(正極の作製)
得られた正極合剤を、正極集電体(厚さ20μmのアルミ箔)の両面に、塗布量が22.5mg/cmとなるように均一に塗布し、NMPを完全に揮発させた後、ロールプレス機を用いてプレスすることにより、正極材料層および正極集電体を備える正極を作製した。
上記した方法により、共重合体および正極の特性を評価した。結果を表1に示す。
実施例2
内容積2.0リットルのオートクレーブに、純水1,050g、メチルセルロース0.525g、パーフルオロ(1,1,5-トリハイドロ-1-ペンテン)(コモノマー(b))を2.0g、VdFを400g、酢酸エチル2.0g、およびジノルマルプロピルパーオキシジカーボネート0.4gを仕込み、1.5時間かけて44℃まで昇温した後、44℃を3時間45分間維持した。この間の最高到達圧力は7.0MPaGであった。
44℃への昇温完了時から3時間45分後に重合を終了した。重合終了後、得られた重合体スラリーを回収し、脱水および水洗し、さらに118℃で12時間乾燥して、共重合体の粉末を得た。
得られた粉末を用いて、実施例1と同様にして、正極合剤を調製し、正極を作製した。上記した方法により、共重合体および正極の特性を評価した。結果を表1に示す。
実施例3
内容積2.0リットルのオートクレーブに、純水1,050g、メチルセルロース0.525g、パーフルオロ(1,1,5-トリハイドロ-1-ペンテン)(コモノマー(b))を4.0g、VdFを400g、酢酸エチル1.0g、およびジノルマルプロピルパーオキシジカーボネート0.8gを仕込み、1.5時間かけて43℃まで昇温した後、43℃を4時間維持した。この間の最高到達圧力は7.0MPaGであった。
43℃への昇温完了時から4時間後に重合を終了した。重合終了後、得られた重合体スラリーを回収し、脱水および水洗し、さらに118℃で12時間乾燥して、共重合体の粉末を得た。
得られた粉末を用いて、実施例1と同様にして、正極合剤を調製し、正極を作製した。上記した方法により、共重合体および正極の特性を評価した。結果を表1に示す。
実施例4
内容積2.0リットルのオートクレーブに、純水1,050g、メチルセルロース0.525g、パーフルオロ(1,1,7-トリハイドロ-1-ヘプテン)(コモノマー(c))を6.0g、VdFを400g、酢酸エチル0.4g、およびジノルマルプロピルパーオキシジカーボネート0.8gを仕込み、1.5時間かけて43℃まで昇温した後、43℃を14時間維持した。この間の最高到達圧力は7.0MPaGであった。
43℃への昇温完了時から14時間後に重合を終了した。重合終了後、得られた重合体スラリーを回収し、脱水および水洗し、さらに118℃で12時間乾燥して、共重合体の粉末を得た。
得られた粉末を用いて、実施例1と同様にして、正極合剤を調製し、正極を作製した。上記した方法により、共重合体および正極の特性を評価した。結果を表1に示す。
比較例1
PVdF(VdFホモポリマー、商品名「KF7200」、クレハ社製)を用いて、実施例1と同様にして、正極合剤を調製し、正極を作製した。上記した方法により、PVdFおよび正極の特性を評価した。結果を表1に示す。
比較例2
内容積2.5リットルのオートクレーブに、純水1,400g、メチルセルロース0.7g、ヘキサフルオロプロピレン(コモノマー(d))を27g、VdFを495g、酢酸エチル2.5g、およびジノルマルプロピルパーオキシジカーボネート1.0gを仕込み、1.5時間かけて44℃まで昇温した後、44℃を5時間45分間維持した。この間の最高到達圧力は6.0MPaGであった。
44℃への昇温完了時から5時間45分後に重合を終了した。重合終了後、得られた重合体スラリーを回収し、脱水および水洗し、さらに118℃で12時間乾燥して、共重合体の粉末を得た。
得られた粉末を用いて、実施例1と同様にして、正極合剤を調製し、正極を作製した。上記した方法により、共重合体および正極の特性を評価した。結果を表1に示す。
Figure 2022090402000002

Claims (12)

  1. ビニリデンフルオライド単位、および、
    一般式(1):CX1112=CX13(CF
    (一般式(1)中、X11、X12およびX13は、独立に、H、F、CH、CHF、CHFまたはCFであり、ただし、X11、X12およびX13のうち、少なくとも1つはF、CHF、CHFまたはCFであり、nは2~6の整数であり、YはHまたはFである。)で示される単量体(1)単位を含有する共重合体。
  2. 単量体(1)単位の含有量が、全単量体単位に対して、3.0~15.0質量%である請求項1に記載の共重合体。
  3. 融点が、160℃以上である請求項1または2に記載の共重合体。
  4. 溶液粘度が、2000mPa・s以下である請求項1~3のいずれかに記載の共重合体。
  5. 一般式(1)中、X11およびX12が、独立に、HまたはFである請求項1~4のいずれかに記載の共重合体。
  6. 単量体(1)が、2,3,3,4,4,4-ヘキサフルオロ-1-ブテン、パーフルオロ(1,1,5-トリハイドロ-1-ペンテン)およびパーフルオロ(1,1,7-トリハイドロ-1-ヘプテン)からなる群より選択される少なくとも1種である請求項1~5のいずれかに記載の共重合体。
  7. 請求項1~6のいずれかに記載の共重合体を含有する結着剤。
  8. 請求項1~6のいずれかに記載の共重合体を含有する成形品であって、前記成形品が、フィルム、シート、チューブまたは溶融紡糸である成形品。
  9. 請求項1~6のいずれかに記載の共重合体を製造する製造方法であって、ビニリデンフルオライドおよび単量体(1)を重合する製造方法。
  10. 重合中に到達する重合温度が30℃以上かつ最高圧力が4.38MPa以上である請求項9に記載の製造方法。
  11. パーオキサイド重合開始剤の存在下に懸濁重合する請求項9または10に記載の製造方法。
  12. 連鎖移動剤の存在下に重合する請求項9~11のいずれかに記載の製造方法。
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