1.遊技機の構成
本発明の実施形態であるパチンコ遊技機について、図面に基づいて説明する。なお、以下の説明において遊技機の一例としてのパチンコ遊技機の各部の左右方向は、そのパチンコ遊技機に対面する遊技者にとっての左右方向に一致させて説明する。また、パチンコ遊技機の各部の前方向をパチンコ遊技機に対面する遊技者に近づく方向とし、パチンコ遊技機の各部の後方向をパチンコ遊技機に対面する遊技者から離れる方向として説明する。
図1に示すように、実施形態のパチンコ遊技機PY1は、遊技機枠2と、遊技機枠2内に取り付けられた遊技盤1(図2参照)とを備えている。遊技機枠2は、パチンコ遊技機PY1の外郭を形成するものであり、外側に配されている外枠22と、外枠22の内側に組付けられる内枠21と、外枠22及び内枠21の前面側に配されている前扉23(前枠)とを備えている。前扉23は、遊技盤1を保護する縦長方形状のものであり、外枠22及び内枠21に対して回動自在になっている。前扉23の中央部には、遊技者が後述する遊技領域6を視認できるように、透明のガラス板23t(窓部)が取付けられている。
前扉23には、回転角度に応じた発射強度で遊技球を発射させるためのハンドル72k(遊技球打込手段)、遊技球を貯留する打球供給皿(上皿)34、及び打球供給皿34に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿(下皿)35が設けられている。また前扉23には、遊技の進行に伴って実行される演出時などに遊技者が操作し得る演出ボタン40k及びセレクトボタン42kが設けられている。なおセレクトボタン(十字キー)42kは、上方向ボタンと下方向ボタンと左方向ボタンと右方向ボタンとによって構成されている。また前扉23には、装飾用の枠ランプ212及び音を出力するスピーカ(図1において不図示)が設けられている。
図2に示すように、遊技盤1には、ハンドル72kの操作により発射された遊技球が流下する遊技領域6が、レール部材62で囲まれて形成されている。また遊技盤1には、装飾用の盤ランプ54が多数設けられている。なお遊技盤1は、前側に配されている板状部材と、後側に配されている裏ユニット(後述する各種制御基板、画像表示装置50、ハーネス等を取付けるユニット)とが一体化されたものである。
遊技領域6には、遊技球を誘導する複数の遊技くぎが突設されている。また遊技領域6の中央付近には、液晶表示装置である画像表示装置50(表示手段)が配されている。なお画像表示装置は、有機EL表示装置などの他の画像表示装置であってもよい。画像表示装置50の表示画面50a(表示部)には、後述の第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示(変動表示)に同期した演出図柄(装飾図柄)EZの可変表示(変動表示)を行う演出図柄表示領域がある。なお、演出図柄EZを表示する演出を演出図柄変動演出という。演出図柄変動演出を「装飾図柄変動演出」や単に「変動演出」と称することもある。
演出図柄表示領域は、例えば「左」「中」「右」の3つの図柄表示エリアからなる。左の図柄表示エリア(後述する左演出図柄領域50b1)には左演出図柄EZ1が表示され、中の図柄表示エリア(後述する中演出図柄領域50b2)には中演出図柄EZ2が表示され、右の図柄表示エリア(後述する右演出図柄領域50b3)には右演出図柄EZ3が表示される。演出図柄EZはそれぞれ、例えば「1」~「9」までの数字をあらわした複数の図柄からなる。画像表示装置50は、左演出図柄EZ1、中演出図柄EZ2、右演出図柄EZ3の組合せによって、後述の第1特図表示器81aおよび第2特図表示器81bにて表示される第1特別図柄(特図1)および第2特別図柄(特図2)の可変表示の結果(つまりは大当たり抽選の結果)を、わかりやすく表示する。
例えば大当たりに当選した場合には「777」などのゾロ目で演出図柄を停止表示する。また小当たりに当選した場合には「246」などの予め定めたチャンス目で演出図柄を停止表示する。また、はずれであった場合には「263」などのバラケ目で演出図柄を停止表示する。これにより、遊技者にとっては遊技の進行状況の把握が容易となる。つまり遊技者は、一般的には大当たり抽選の結果を第1特図表示器81aや第2特図表示器81bにより把握するのではなく、画像表示装置50にて把握する。なお、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の表示領域の位置は固定的でなくてもよい。また、演出図柄の変動表示の態様としては、例えば上下方向にスクロールする態様がある。また、各抽選結果に応じてどのような演出図柄の組み合わせを停止表示するかは任意に変更可能であり、小当たり当選時にバラケ目で演出図柄を停止表示するようにしてもよい。
画像表示装置50は、上記のような演出図柄EZを用いた演出図柄変動演出のほか、大当たり遊技に並行して行われる大当たり演出や、客待ち用のデモ演出(客待ち演出)などを表示画面50aに表示する。なお演出図柄変動演出では、数字等の演出図柄EZのほか、背景画像やキャラクタ画像などの演出図柄EZ以外の演出画像も表示される。
また画像表示装置50の表示画面50aには、後述する第1特図保留の記憶数に応じて第1保留アイコンHA(演出保留画像)を表示する第1保留アイコン表示領域がある。第1保留アイコンHAの表示により、後述の第1特図保留表示器83a(図4参照)にて表示される第1特図保留(特図1保留)の記憶数を遊技者にわかりやすく示すことができる。また、後述する第2特図保留の記憶数に応じて第2保留アイコンHB(演出保留画像)を表示する第2保留アイコン表示領域がある。第2保留アイコンHBの表示により、後述の第2特図保留表示器83b(図4参照)にて表示される第2特図保留(特図2保留)の記憶数を遊技者にわかりやすく示すことができる。
遊技領域6の中央付近であって画像表示装置50の前方には、センター枠61(内側壁部)が配されている。センター枠61の下部には、上面を転動する遊技球を、後述の第1始動口11へと誘導可能なステージ部61sが形成されている。またセンター枠61の左部には、入口から遊技球を流入させ、出口からステージ部61sへ遊技球を流出させるワープ部61wが設けられている。またセンター枠61の上部には、上下動可能な盤可動体55kが設けられている。盤可動体55kは、表示画面50aの上方の原点位置から表示画面50aの中央と前後方向に重なる演出位置に移動可能なものである。
遊技領域6における画像表示装置50の下方で、左右方向の中央には、遊技球の入球し易さが常に変わらない第1始動口11(入球口の一例)を備える第1始動入賞装置11Dが設けられている。第1始動口11への遊技球の入賞は、第1特別図柄(特図1)の抽選(大当たり抽選、すなわち大当たり乱数等の取得と判定)の契機となっている。第1始動口11を、第1特図1始動口や、特図1固定入球口、第1入球口、第1始動入賞口、第1始動領域ともいう。また第1始動入賞装置11Dを、第1特図1始動入賞装置や、特図1固定入球手段、第1入球手段ともいう。
また、遊技領域6における第1始動口11の右上方には、第2大入賞口15(特別入賞口の一例)を備えた第2大入賞装置15Dが設けられている。第2大入賞装置15Dを、第2アタッカー(AT)や、第2特別入賞手段、第2特別可変入賞装置ともいう。第2大入賞装置15Dは、開状態と閉状態とをとる第2AT開閉部材15kを備え、第2AT開閉部材15kの作動により第2大入賞口15を開閉するものである。第2AT開閉部材15kは、第2大入賞口ソレノイド15s(図5参照)により駆動される。第2大入賞口15は、第2AT開閉部材15kが開状態であるときだけ遊技球が入球可能となる。この第2大入賞口15は、後述する小当たり遊技の実行中に開放して、大当たり遊技の実行中に開放することはない。つまり、小当たり遊技における専用のアタッカーになっている。
また、遊技領域6における第2大入賞装置15Dの右上方には、遊技球の入球し易さが変化可能な第2始動口12(入球口の一例)を備える普通可変入賞装置(普通電動役物いわゆる電チュー)12Dが設けられている。第2始動口12への遊技球の入賞は、第1始動口11への遊技球の入賞と同様、第1特別図柄(特図1)の抽選の契機となっている。第2始動口12を、第2特図1始動口や、可変始動口、可変入球口、第2入球口、第2始動入賞口、第2始動領域ともいう。また電チュー12Dを、第2特図1始動入賞装置や、可変入球手段、第2入球手段、第2始動入賞装置ともいう。電チュー12Dは、前後方向に移動(進退)可能であって開状態と閉状態とをとる電チュー開閉部材12kを備え、電チュー開閉部材12kの作動によって第2始動口12を開閉するものである。電チュー開閉部材12kは、後述の電チューソレノイド12sにより駆動される。
電チュー開閉部材12kが開状態にあるときには、後方側に退避していて、第2始動口12への遊技球の入球が可能になる。一方、電チュー開閉部材12kが閉状態にあるときには、前方側に進出していて、第2始動口12への遊技球の入球が不可能になる。こうして、第2始動口12は、遊技球の入球し易さが変化可能な始動口である。なお、電チューは、電チュー開閉部材が開状態にあるときの方が閉状態にあるときよりも第2始動口への入球を容易にするものであれば、閉状態にあるときに第2始動口への入球を不可能とするものでなくてもよい。また電チューは、前後方向に移動(進退)可能な開閉部材を有するものに限られず、回動可能な開閉部材や、左右方向に移動可能な開閉部材を有するものであっても良い。
また、遊技領域6における電チュー12Dの左方には、遊技球の入球し易さが常に変わらない第3始動口13(入球口の一例)を備える第3始動入賞装置13Dが設けられている。第3始動口13への遊技球の入賞は、第2特別図柄(特図2)の抽選(大当たり抽選、すなわち大当たり乱数等の取得と判定)の契機となっている。第3始動口13を、特図2始動口や、特図2固定入球口、第3入球口、第3始動入賞口、第3始動領域ともいう。また第3始動入賞装置13Dを、特図2始動入賞装置や、特図2固定入球手段、第3入球手段ともいう。
また、遊技領域6における電チュー12Dの左上方には、第1大入賞口14(特別入賞口の一例)を備えた第1大入賞装置14Dが設けられている。第1大入賞装置14Dを、第1アタッカー(AT)や、第1特別入賞手段、第1特別可変入賞装置ともいう。第1大入賞装置14Dは、開状態と閉状態とをとる第1AT開閉部材14kを備え、第1AT開閉部材14kの作動により第1大入賞口14を開閉するものである。第1AT開閉部材14kは、第1大入賞口ソレノイド14s(図5参照)により駆動される。第1大入賞口14は、第1AT開閉部材14kが開状態であるときだけ遊技球が入球可能となる。この第1大入賞口14は、後述する大当たり遊技の実行中に開放して、小当たり遊技の実行中に開放することはない。つまり、大当たり遊技における専用のアタッカーになっている。
また、遊技領域6における第1大入賞装置14Dの右上方には、遊技球が通過可能なゲート16が設けられている。ゲート16を、通過口や通過領域ともいう。ゲート16への遊技球の通過は、電チュー12Dを開放するか否かを決める普通図柄抽選(すなわち普通図柄乱数(当たり乱数)の取得と判定)の実行契機となっている。さらに遊技領域6の下部であって第1始動口11への左方には、一般入賞口10が設けられている。また遊技領域6の最下部には、遊技領域6へ打ち込まれたもののいずれの入賞口にも入賞しなかった遊技球を遊技領域6外へ排出するアウト口19が設けられている。
このように各種の入賞口等が配されている遊技領域6には、左右方向の中央より左側の左遊技領域6L(第1遊技領域)と、右側の右遊技領域6R(第2遊技領域)とがある。左遊技領域6Lを遊技球が流下するように遊技球を発射する打方を、左打ちという。一方、右遊技領域6Rを遊技球が流下するように遊技球を発射する打方を、右打ちという。本形態のパチンコ遊技機PY1では、左打ちにて遊技したときに遊技球が流下する流路を、第1流路R1といい、右打ちにて遊技したときに遊技球が流下する流路を、第2流路R2という。
第1流路R1上には、第1始動口11と、一般入賞口10と、アウト口19が配されている。遊技者は第1流路R1を流下するように遊技球を打込むことで、第1始動口11や一般入賞口10への入賞を狙うことができる。なお、第1流路R1上にゲート16は配されていない。よって、左打ちをしている場合に電チュー12Dが開放されることはない。
一方、第2流路R2上には、ゲート16と、第1大入賞口14(第1大入賞装置14D)と、第2始動口12(電チュー12D)と、第3始動口13と、第2大入賞口15(第2大入賞装置15D)と、アウト口19とが配されている。遊技者は第2流路R2を流下するように遊技球を打込むことで、ゲート16への通過や、第1大入賞口14、第2始動口12、第3始動口13、第2大入賞口15への入賞を狙うことができる。
ここで、図3に基づいて、電チュー開閉部材12kが開状態であるときの遊技球の流れと、電チュー開閉部材12kが閉状態であるときの遊技球の流れについて説明する。なお本形態では、右打ちによって右遊技領域6Rに向けて打込まれた遊技球は、図2に示すように、ほぼゲート16を通過して、電チュー開閉部材12kの上方に到達するようになっている。
図3(A)に示すように、電チュー開閉部材12kが開状態であるときには、電チュー開閉部材12kの上方に到達した遊技球は、電チュー開閉部材12kが後方に退避しているため、第2始動口12にそのまま入球する。つまり、電チュー12Dよりも左方に配されている第3始動口13や第2大入賞口15の方に向かうことがない。よって、後述する電サポ制御状態(時短状態)では、電チュー開閉部材12kが頻繁に開放しているため、右打ちされた遊技球は、ほとんど第2始動口12に入球して、第3始動口13に入球することがほとんどない。更に、後述する小当たり遊技の実行によって、仮に第2大入賞口15が開放されていても、第2大入賞口15に入球することがほとんどない。なお、第2始動口12への遊技球の入賞は、特図1の抽選の契機である。
一方、図3(B)に示すように、電チュー開閉部材12kが閉状態であるときには、電チュー開閉部材12kの上方に到達した遊技球は、電チュー開閉部材12kが前方に進出しているため、電チュー開閉部材12kに当接した後に左方へ流下する。これにより、左方に流下した遊技球は、第3始動口13の方に向かうと共に、第2大入賞口15の方に向かう。よって、後述する非電サポ制御状態(非時短状態)では、電チュー開閉部材12kがほぼ閉鎖しているため、右打ちされた遊技球は、頻繁に第3始動口13に入球することが可能である。更に、後述する小当たり遊技の実行によって開放した第2大入賞口15に入球することが可能である。なお、第3始動口13への遊技球の入賞は、特図2の抽選の契機である。
図2に示す遊技盤1の説明に戻る。図2に示すように、遊技盤1の右下部には表示器類8が配置されている。表示器類8には、図4に示すように、第1特別図柄(第1図柄、識別図柄の一例)を可変表示する第1特図表示器81a、第2特別図柄(第2図柄、識別図柄の一例)を可変表示する第2特図表示器81b、及び、普通図柄を可変表示する普図表示器82が含まれている。第1特別図柄を第1特図又は特図1ともいい、第2特別図柄を第2特図又は特図2ともいう。また、普通図柄を普図ともいう。
また表示器類8には、第1特図表示器81aの作動保留(第1特図保留)の記憶数を表示する第1特図保留表示器83a、第2特図表示器81bの作動保留(第2特図保留)の記憶数を表示する第2特図保留表示器83b、および普図表示器82の作動保留(普図保留)の記憶数を表示する普図保留表示器84が含まれている。
第1特別図柄の可変表示は、第1始動口11又は第2始動口12への遊技球の入賞を契機として行われる。第2特別図柄の可変表示は、第3始動口13への遊技球の入賞を契機として行われる。なお以下の説明では、第1特別図柄および第2特別図柄を総称して特別図柄(特図)ということがある。また、第1特図表示器81aおよび第2特図表示器81bを総称して特図表示器81ということがある。また、第1特図保留表示器83aおよび第2特図保留表示器83bを総称して特図保留表示器83ということがある。また第1特図保留および第2特図保留を総称して特図保留ということがある。
特図表示器81では、特別図柄を可変表示(変動表示)したあと停止表示することにより、第1始動口11、第2始動口12、又は第3始動口13への入賞に基づく抽選(特別図柄抽選、大当たり抽選)の結果を報知する。停止表示される特別図柄(停止図柄、可変表示の表示結果として導出表示される特別図柄)は、特別図柄抽選によって複数種類の特別図柄の中から選択された一つの特別図柄である。停止図柄が予め定めた大当たり図柄(大当たり停止態様の特別図柄)である場合には、停止表示された大当たり図柄の種類(つまり当選した大当たりの種類)に応じた開放パターンにて第1大入賞口14を開放させる大当たり遊技(特別遊技の一例)が行われる。また、停止図柄が予め定めた小当たり図柄(小当たり停止態様の特別図柄)である場合には、停止表示された小当たり図柄に応じた開放パターンにて第2大入賞口15を開放させる小当たり遊技(特別遊技の一例)が行われる。大当たり遊技における第1大入賞口14の開放パターンと、小当たり遊技における第2大入賞口15の開放パターンについては後述する。
具体的には特図表示器81は、例えば横並びに配された8個のLED(Light Emitting Diode)から構成されており、その点灯態様によって大当たり抽選の結果に応じた特別図柄を表示するものである。例えば大当たり(後述の複数種類の大当たりのうちの一つ)に当選した場合には、「○○●●○○●●」(○:点灯、●:消灯)というように左から1,2,5,6番目にあるLEDが点灯した大当たり図柄を表示する。また、小当たり(後述の複数種類の小当たりのうちの一つ)に当選した場合には、「○●●○○●●●」というように左から1,4,5番目にあるLEDが点灯した小当たり図柄を表示する。また、ハズレである場合には、「●●●●●●●○」というように一番右にあるLEDのみが点灯したハズレ図柄を表示する。ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させる態様を採用してもよい。また、特別図柄が停止表示される前には所定の変動時間にわたって特別図柄の変動表示がなされるが、その変動表示の態様は、例えば左から右へ光が繰り返し流れるように各LEDが点灯するという態様である。なお変動表示の態様は、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなどなんでもよい。
本パチンコ遊技機PY1では、第1始動口11、第2始動口12、又は第3始動口13への遊技球の入賞(入球)があると、その入賞に対して取得した大当たり乱数等の各種乱数の値(数値情報、判定情報)は、後述の特図保留記憶部105に一旦記憶される。詳細には、第1始動口11(第1特図1始動口)又は第2始動口12(第2特図1始動口)への入賞であれば第1特図保留として、後述の第1特図保留記憶部105aに記憶され、第3始動口13(特図2始動口)への入賞であれば第2特図保留として、後述の第2特図保留記憶部105bに記憶される。各々の特図保留記憶部105に記憶可能な特図保留の数には上限があり、本形態における上限値はそれぞれ「4」となっている。
特図保留記憶部105に記憶された特図保留は、その特図保留に基づく特別図柄の可変表示が可能となったときに消化される。特図保留の消化とは、その特図保留に対応する大当たり乱数等を判定して、その判定結果を示すための特別図柄の可変表示を実行することをいう。従って本パチンコ遊技機PY1では、第1始動口11、第2始動口12、又は第3始動口13への遊技球の入賞に基づく特別図柄の可変表示がその入賞後にすぐに行えない場合、すなわち、大当たり遊技又は小当たり遊技の実行中に入賞があった場合であっても、所定数を上限として、その入賞に対する大当たり抽選の権利を留保することができるようになっている。なお本形態のパチンコ遊技機PY1は、第1特別図柄の変動表示中であっても第2特別図柄の変動表示を実行可能であり、第2特別図柄の変動表示中であっても第1特別図柄の変動表示を実行可能なパチンコ遊技機(所謂「同時変動可能なパチンコ遊技機」)である。
特図保留の数は、特図保留表示器83に表示される。具体的には特図保留表示器83はそれぞれ、例えば4個のLEDで構成されており、特図保留の数だけLEDを点灯させることにより特図保留の数を表示する。
普通図柄の可変表示は、ゲート16への遊技球の通過を契機として行われる。普図表示器82では、普通図柄を可変表示(変動表示)したあと停止表示することにより、ゲート16への遊技球の通過に基づく普通図柄抽選の結果を報知する。停止表示される普通図柄(普図停止図柄、可変表示の表示結果として導出表示される普通図柄)は、普通図柄抽選によって複数種類の普通図柄の中から選択された一つの普通図柄である。停止表示された普通図柄が予め定めた特定普通図柄(所定の停止態様の普通図柄すなわち普通当たり図柄)である場合には、現在の遊技状態に応じた開放パターンにて第2始動口12(電チュー12Dに係る始動口)を開放させる補助遊技が行われる。なお、第2始動口12の開放パターンについては後述する。
具体的には普図表示器82は、例えば2個のLEDから構成されており(図4参照)、その点灯態様によって普通図柄抽選の結果に応じた普通図柄を表示するものである。例えば抽選結果が当たりである場合には、「○○」(○:点灯、●:消灯)というように両LEDが点灯した普通当たり図柄を表示する。また抽選結果がハズレである場合には、「●○」というように右のLEDのみが点灯した普通ハズレ図柄を表示する。普通ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させる態様を採用してもよい。普通図柄が停止表示される前には所定の変動時間にわたって普通図柄の変動表示がなされるが、その変動表示の態様は、例えば両LEDが交互に点灯するという態様である。なお変動表示の態様は、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなどなんでもよい。
本パチンコ遊技機PY1では、ゲート16への遊技球の通過があると、その通過に対して取得した普通図柄乱数(当たり乱数)の値は、後述の普図保留記憶部106に普図保留として一旦記憶される。普図保留記憶部106に記憶可能な普図保留の数には上限があり、本形態における上限値は「4」となっている。
普図保留記憶部106に記憶された普図保留は、その普図保留に基づく普通図柄の可変表示が可能となったときに消化される。普図保留の消化とは、その普図保留に対応する普通図柄乱数(当たり乱数)を判定して、その判定結果を示すための普通図柄の可変表示を実行することをいう。従って本パチンコ遊技機PY1では、ゲート16への遊技球の通過に基づく普通図柄の可変表示がその通過後にすぐに行えない場合、すなわち普通図柄の可変表示の実行中や補助遊技の実行中に入賞があった場合であっても、所定数を上限として、その通過に対する普通図柄抽選の権利を留保することができるようになっている。
そしてこのような普図保留の数は、普図保留表示器84に表示される。具体的には普図保留表示器84は、例えば4個のLEDで構成されており、普図保留の数だけLEDを点灯させることにより普図保留の数を表示する。
2.遊技機の電気的構成
次に図5及び図6に基づいて、本パチンコ遊技機PY1における電気的な構成を説明する。図5及び図6に示すようにパチンコ遊技機PY1は、大当たり抽選や遊技状態の移行などの遊技利益に関する制御を行う遊技制御基板100(主制御基板)、遊技の進行に伴って実行する演出に関する制御を行う演出制御基板120(サブ制御基板)、遊技球の払い出しに関する制御を行う払出制御基板170等を備えている。なお、遊技制御基板100は、メイン制御部を構成し、演出制御基板120は、後述する画像制御基板140、音声制御基板161、及びサブドライブ基板162とともにサブ制御部を構成する。
なお、サブ制御部は、少なくとも演出制御基板120を備え、演出手段(画像表示装置50やスピーカ610、盤ランプ54、枠ランプ212、盤可動体55k等)を用いた遊技演出を制御可能であればよい。
またパチンコ遊技機PY1は、電源基板190を備えている。電源基板190は、遊技制御基板100、演出制御基板120、及び払出制御基板170に対して電力を供給するとともに、これらの基板を介してその他の機器に対して必要な電力を供給する。電源基板190には、バックアップ電源回路192が設けられている。バックアップ電源回路192は、本パチンコ遊技機PY1に対して電力が供給されていない場合に、後述する遊技制御基板100の遊技用RAM(Random Access Memory)104や演出制御基板120の演出用RAM124に対して電力を供給する。従って、遊技制御基板100の遊技用RAM104や演出制御基板120の演出用RAM124に記憶されている情報は、パチンコ遊技機PY1の電断時であっても保持される。また電源基板190には、電源スイッチ191が接続されている。電源スイッチ191のON/OFF操作により、電源の投入/遮断が切替えられる。なお、遊技制御基板100の遊技用RAM104に対するバックアップ電源回路を遊技制御基板100に設けたり、演出制御基板120の演出用RAM124に対するバックアップ電源回路を演出制御基板120に設けたりしてもよい。
図5に示すように、遊技制御基板100には、プログラムに従ってパチンコ遊技機PY1の遊技の進行を制御する遊技制御用ワンチップマイコン(以下「遊技制御用マイコン」)101が実装されている。遊技制御用マイコン(遊技制御手段)101には、遊技の進行を制御するためのプログラム等を記憶した遊技用ROM(Read Only Memory)103、ワークメモリとして使用される遊技用RAM104、遊技用ROM103に記憶されたプログラムを実行する遊技用CPU(Central Processing Unit)102、データや信号の入出力を行うための遊技用I/O(Input/Output)ポート118が含まれている。遊技用RAM104には、上述した特図保留記憶部105(第1特図保留記憶部105aおよび第2特図保留記憶部105b)と普図保留記憶部106が設けられている。なお、遊技用ROM103は外付けであってもよい。
遊技制御基板100には、中継基板110を介して各種センサやソレノイドが接続されている。そのため、遊技制御基板100には各センサから信号が入力され、各ソレノイドには遊技制御基板100から信号が出力される。具体的にはセンサ類としては、第1始動口センサ11a、第2始動口センサ12a、第3始動口センサ13a、ゲートセンサ16a、第1大入賞口センサ14a、第2大入賞口センサ15a、および一般入賞口センサ10aが接続されている。
第1始動口センサ11aは、第1始動口11内に設けられて、第1始動口11に入賞した遊技球を検出するものである。第2始動口センサ12aは、第2始動口12内に設けられて、第2始動口12に入賞した遊技球を検出するものである。第3始動口センサ13aは、第3始動口13内に設けられて、第3始動口13に入賞した遊技球を検出するものである。ゲートセンサ16aは、ゲート16内に設けられてゲート16を通過した遊技球を検出するものである。第1大入賞口センサ14aは、第1大入賞口14内に設けられて、第1大入賞口14に入賞した遊技球を検出するものである。第2大入賞口センサ15aは、第2大入賞口15内に設けられて、第2大入賞口15に入賞した遊技球を検出するものである。一般入賞口センサ10aは、一般入賞口10内に設けられて、一般入賞口10に入賞した遊技球を検出するものである。
またソレノイド類としては、電チューソレノイド12s、第1大入賞口ソレノイド14s、および第2大入賞口ソレノイド15sが接続されている。電チューソレノイド12sは、電チュー12Dの電チュー開閉部材12kを駆動するものである。第1大入賞口ソレノイド14sは、第1大入賞装置14Dの第1AT開閉部材14kを駆動するものである。第2大入賞口ソレノイド15sは、第2大入賞装置15Dの第2AT開閉部材15kを駆動するものである。
さらに遊技制御基板100には、特図表示器81(第1特図表示器81aおよび第2特図表示器81b)、普図表示器82、特図保留表示器83(第1特図保留表示器83aおよび第2特図保留表示器83b)、および普図保留表示器84が接続されている。すなわち、これらの表示器類8の表示制御は、遊技制御用マイコン101によりなされる。
また遊技制御基板100は、払出制御基板170に各種コマンドや信号を送信するとともに、払い出し監視のために払出制御基板170から信号を受信する。払出制御基板170には、カードユニットCU(パチンコ遊技機PY1に隣接して設置され、挿入されているプリペイドカード等の情報に基づいて球貸しを可能にするもの)、および賞球払出装置73が接続されているとともに、発射制御回路175を介して発射装置72が接続されている。発射装置72には、ハンドル72k(図1参照)が含まれる。
払出制御基板170は、遊技制御用マイコン101からの信号や、パチンコ遊技機PY1に接続されたカードユニットCUからの信号に基づいて、賞球払出装置73の賞球モータ73mを駆動して賞球の払い出しを行ったり、貸球の払い出しを行ったりする。払い出される賞球は、その計数のため賞球センサ73aにより検知されて、賞球センサ73aによる検知信号が払出制御基板170に出力される。
なお遊技者による発射装置72のハンドル72k(図1参照)の操作があった場合には、タッチスイッチ72aがハンドル72kへの接触を検知し、発射ボリューム72bがハンドル72kの回転量を検知する。そして、発射ボリューム72bの検知信号の大きさに応じた強さで遊技球が発射されるよう発射ソレノイド72sが駆動されることとなる。本パチンコ遊技機PY1においては、0.6秒程度で一発の遊技球が発射されるようになっている。
また遊技制御基板100は、演出制御基板120に対し各種コマンドを送信する。遊技制御基板100と演出制御基板120との接続は、遊技制御基板100から演出制御基板120への信号の送信のみが可能な単方向通信接続となっている。すなわち、遊技制御基板100と演出制御基板120との間には、通信方向規制手段としての図示しない単方向性回路(例えばダイオードを用いた回路)が介在している。
図6に示すように、演出制御基板120には、プログラムに従ってパチンコ遊技機PY1の演出を制御する演出制御用ワンチップマイコン(以下「演出制御用マイコン」)121が実装されている。演出制御用マイコン121には、遊技の進行に伴って演出を制御するためのプログラム等を記憶した演出用ROM123、ワークメモリとして使用される演出用RAM124、演出用ROM123に記憶されたプログラムを実行する演出用CPU122、データや信号の入出力を行うための演出用I/Oポート138が含まれている。なお、演出用ROM123は外付けであってもよい。
また図6に示すように、演出制御基板120には、画像制御基板140、音声制御基板161(音声制御回路)、およびサブドライブ基板162が接続されている。サブドライブ基板162には、枠ランプ212、盤ランプ54、盤可動体55kが接続されている。
演出制御基板120の演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から受信したコマンドに基づいて、画像制御基板140の画像用CPU141に画像表示装置50の制御を行わせる。画像制御基板140は、画像表示等の制御のためのプログラム等を記憶した画像用ROM142、ワークメモリとして使用される画像用RAM143、及び、画像用ROM142に記憶されたプログラムを実行する画像用CPU141を備えている。なお、画像用ROM142には、画像表示装置50に表示される静止画データや動画データ、具体的にはキャラクタ、アイテム、図形、文字、数字および記号等(演出図柄を含む)や背景画像等の画像データが格納されている。
また演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から受信したコマンドに基づいて、音声制御基板161を介してスピーカ610から音声、楽曲、効果音等を出力する。スピーカ610から出力する音声等の音響データ(音声データともいう)は、演出制御基板120の演出用ROM123に格納されている。なお、音声制御基板161にCPUを実装してもよく、その場合、そのCPUに音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、音声制御基板161にROMを実装してもよく、そのROMに音響データを格納してもよい。また、スピーカ610を画像制御基板140に接続し、画像制御基板140の画像用CPU141に音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、画像制御基板140の画像用ROM142に音響データを格納してもよい。
また演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から受信したコマンドに基づいて、サブドライブ基板162を介して、枠ランプ212や盤ランプ54等のランプの点灯制御を行う。詳細には演出制御用マイコン121は、各ランプ(LED)の発光態様を決める発光データ(点灯/消灯や発光色等を決めるデータ、ランプデータともいう)を作成し、発光データに従って各ランプ(LED)の発光を制御する。なお、発光データの作成には演出制御基板120の演出用ROM123に格納されているデータを用いる。
さらに演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から受信したコマンドに基づいて、サブドライブ基板162を介して盤可動体55kの駆動制御を行う。詳細には演出制御用マイコン121は、盤可動体55kの動作態様を決める動作パターンデータ(駆動データともいう)を作成し、動作パターンデータに従って盤可動体55kを駆動させるためのモータの駆動制御を行う。動作パターンデータの作成には演出制御基板120の演出用ROM123に格納されているデータを用いる。
また演出制御基板120には、演出ボタン検知センサ40a及びセレクトボタン検知センサ42aが接続されている。演出ボタン検知センサ40aは、演出ボタン40k(図1参照)が押下操作されたことを検出するものである。演出ボタン40kが押下操作されると演出ボタン検知センサ40aから演出制御基板120に対して検知信号が出力される。また、セレクトボタン検知センサ42aは、セレクトボタン42k(図1参照)が押下操作されたことを検出するものである。セレクトボタン42kが押下操作されるとセレクトボタン検知センサ42aから演出制御基板120に対して検知信号が出力される。
なお図5及び図6は、あくまで本パチンコ遊技機PY1における電気的な構成を説明するための機能ブロック図であり、図5及び図6に示す基板だけが設けられているわけではない。遊技制御基板100を除いて、図5又は図6に示す何れか複数の基板を1つの基板として構成しても良く、図5又は図6に示す1つの基板を複数の基板として構成しても良い。
3.遊技機における主な遊技
次に、パチンコ遊技機PY1により行われる主な遊技について説明する。パチンコ遊技機PY1は、第1始動口11、第2始動口12、又は第3始動口13への入賞に基づいて、特図関係乱数を取得する。特図関係乱数には、図7(A)に示すように、大当たり乱数、図柄種別乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数がある。大当たり乱数は、大当たりの当否判定や小当たりの当否判定に用いられる。大当たり乱数は、0~65535までの範囲で値をとる。図柄種別乱数は、大当たり図柄の種別判定や小当たり図柄の種別判定に用いられる。図柄種別乱数は、0~199までの範囲で値をとる。
また、リーチ乱数は、当否判定の結果がはずれである場合に、その結果を示す変動演出においてリーチを発生させるか否かを決める乱数である。リーチ乱数は、0~255までの範囲で値をとる。なお、リーチとは、複数の演出図柄のうち変動表示されている演出図柄が残り一つとなっている状態であって、変動表示されている演出図柄がどの図柄で停止表示されるか次第で大当たり当選を示す演出図柄の組み合わせとなる状態(例えば「7↓7」の状態)のことである。リーチ状態において停止表示されている演出図柄は、表示画面50a内で多少揺れているように表示されていたり、拡大と縮小を繰り返すように表示されていたりしてもよい。このような停止表示を、仮停止表示と称し、全く動いていない停止表示を、確定停止表示(確定的な停止表示)や最終停止表示(最終的な停止表示)と称する。
また、変動パターン乱数は、変動時間を含む変動パターンを決めるための乱数である。変動パターン乱数は、0~99までの範囲で値をとる。なお、乱数を判定情報とも言う。
また、パチンコ遊技機PY1は、ゲート16への遊技球の通過に基づいて、図7(B)に示す普通図柄乱数(当たり乱数)を取得する。普通図柄乱数は、電チュー12Dを開放させる補助遊技を行うか否かの抽選(普通図柄抽選)のための乱数である。普通図柄乱数は、0~65535までの範囲で値をとる。
パチンコ遊技機PY1は、第1始動口11、第2始動口12、又は第3始動口13への入賞に基づいて取得した大当たり乱数を、図8(A)に示す大当たり判定テーブルに従って判定することにより、大当たりか否か、及び、小当たりか否かを決定する。本形態では、大当たり当選確率の異なる2つの遊技状態がある。通常確率状態(低確率状態)と高確率状態である。図8(A)に示すように、低確率状態では、第1始動口11又は第2始動口12への入賞に基づく第1特別図柄(特図1)の抽選も、第3始動口13への入賞に基づく第2特別図柄(特図2)の抽選も、大当たり当選確率は約1/300である。一方、高確率状態では、特図1の抽選も特図2の抽選も、大当たり当選確率は約1/100である。このように高確率状態は、低確率状態よりも大当たりに当選し易い遊技状態である。また本形態では、特図2の抽選において小当たりに当選可能であるが、小当たり当選確率は、高確率状態も低確率状態も同じである。
パチンコ遊技機PY1は、大当たり当選と判定した場合、図柄種別乱数を、図8(B)に示す大当たり図柄種別判定テーブルに従って判定することにより、大当たり図柄の種別を決定する。特図1の抽選では、20%の割合で「特図1_大当たり図柄A」に決定し、70%の割合で「特図1_大当たり図柄B」に決定し、10%の割合で「特図1_大当たり図柄C」に決定する。一方、特図2の抽選では、20%の割合で「特図2_大当たり図柄D」に決定し、80%の割合で「特図2_大当たり図柄E」に決定する。当選した大当たり図柄の種別が異なると、大当たり遊技における大入賞口の開放パターンや、大当たり遊技後の遊技状態に関する設定が異なる(図9参照)。この点については後述する。
またパチンコ遊技機PY1は、小当たり当選と判定した場合、図柄種別乱数を、図8(C)に示す小当たり図柄種別判定テーブルに従って判定することにより、小当たり図柄の種別を決定する。具体的には特図2の抽選では、80%の割合で「特図2_小当たり図柄a」に決定し、20%の割合で「特図2_小当たり図柄b」に決定する。当選した小当たり図柄の種別が異なると、小当たり遊技における大入賞口の開放パターンが異なる(図9参照)。この点については後述する。
またパチンコ遊技機PY1は、ハズレと判定した場合、リーチ乱数を、図8(D)に示すリーチ判定テーブルに従って判定することにより、変動演出において演出図柄EZ1,EZ2,EZ3をリーチにするか否かを決定する。リーチ有りと判定される確率は、遊技状態が後述の時短状態であるか否かによって異なっている。時短状態でないときの方が、時短状態であるときよりも、リーチ有りと判定される確率が高い。
次に、大当たりの種類、小当たりの種類について、図9に基づいて詳細に説明する。上述したように、特別図柄抽選(特図1の抽選や特図2の抽選)の結果には、「大当たり」、「小当たり」、「はずれ」がある。「大当たり」のときには、特図表示器81に「大当たり図柄」が停止表示される。大当たり図柄には、「特図1_大当たり図柄A」、「特図1_大当たり図柄B」、「特図1_大当たり図柄C」、「特図2_大当たり図柄D」、「特図2_大当たり図柄E」がある。また、「小当たり」のときには、特図表示器81に「小当たり図柄」が停止表示される。小当たり図柄には、「特図2_小当たり図柄a」、「特図2_小当たり図柄b」がある。「はずれ」のときには、特図表示器81に「ハズレ図柄」が停止表示される。本形態ではハズレ図柄の種類は1つである。ハズレ図柄の種類を複数設けてもよい。この場合、複数のハズレ図柄の中に、時短状態への移行契機となる特定のハズレ図柄を設けてもよい。
特別図柄抽選にて大当たりに当選すると、停止表示された大当たり図柄の種別に応じた開放パターンにて第1大入賞口14を開放させる「大当たり遊技」が実行される。小当たりに当選すると、停止表示された小当たり図柄の種別に応じた開放パターンにて第2大入賞口15を開放させる「小当たり遊技」が実行される。
大当たり遊技は、本形態では、複数回のラウンド遊技(単位開放遊技)と、初回のラウンド遊技が開始される前のオープニング(OPとも表記する)と、最終回のラウンド遊技が終了した後のエンディング(EDとも表記する)とを含んでいる。各ラウンド遊技は、OPの終了又は前のラウンド遊技の終了によって開始し、次のラウンド遊技の開始又はEDの開始によって終了する。ラウンド遊技間の大入賞口の閉鎖の時間(インターバル時間)は、その閉鎖前の開放のラウンド遊技に含まれる。
また小当たり遊技は、本形態では、第2大入賞口15を開放する小当たり開放遊技と、小当たり開放遊技が開始される前のオープニング(開放前インターバル)と、小当たり開放遊技が終了した後のエンディング(閉鎖後インターバル)とを含んでいる。
特別図柄抽選の結果、大当たりに当選すると、第1大入賞口14を開放させる大当たり遊技が実行される。本形態では図9に示すように、第1特別図柄(特図1)の抽選で当選可能な大当たり図柄(第1特図表示器81aに停止表示される大当たり図柄)の種別は3種類あり、第2特別図柄(特図2)の抽選で当選可能な大当たり図柄(第2特図表示器81bに停止表示される大当たり図柄)の種別は2種類ある。具体的には特図1の抽選では、「特図1_大当たり図柄A」、「特図1_大当たり図柄B」、「特図1_大当たり図柄C」に当選する可能性がある。また特図2の抽選では、「特図2_大当たり図柄D」、「特図2_大当たり図柄E」に当選する可能性がある。
図9に示すように、「特図1_大当たり図柄A」及び「特図1_大当たり図柄B」は、4R(ラウンド)大当たりであり、「特図1_大当たり図柄C」は、10R大当たりである。いずれの大当たりも、1Rあたりの第1大入賞口14の開放回数は1回であり、その最大開放時間は29.5秒である。
また、「大当たり図柄A」に当選した場合の大当たり遊技後の遊技状態は、後述の「低確・時短状態」であり、時短回数(時短状態における特図変動の上限実行回数)は30回に設定される。また、「大当たり図柄B」に当選した場合の大当たり遊技後の遊技状態は、後述の「高確・時短状態」であり、確変回数(高確率状態における特図変動の上限実行回数)および時短回数は共に、10000回に設定される。確変回数や時短回数が10000回であるということは、実質的に次の大当たり遊技が実行されるまで、高確率状態や時短状態が継続することを意味する。すなわち本形態のパチンコ遊技機PY1は、高確率状態が次回の大当たりまで継続する所謂確変ループ機である。また、「大当たり図柄C」に当選した場合の大当たり遊技後の遊技状態は、後述の「高確・非時短状態」(小当たりラッシュ)であり、確変回数は10000回に設定される。なお、遊技状態の詳細については後述する。
また、「特図2_大当たり図柄D」、及び「特図2_大当たり図柄E」は、10R(ラウンド)大当たりであり、1Rあたりの第1大入賞口14の開放回数は1回であり、その最大開放時間は29.5秒である。「大当たり図柄D」に当選した場合の大当たり遊技後の遊技状態は、後述の「低確・時短状態」であり、時短回数は30回に設定される。また、「大当たり図柄E」に当選した場合の大当たり遊技後の遊技状態は、後述の「高確・時短状態」であり、確変回数および時短回数は共に、10000回に設定される。
また特図2の抽選の結果、小当たりに当選すると、第2大入賞口15を開放させる小当たり遊技が実行される。本形態では図9に示すように、特図2の抽選で当選可能な小当たり図柄(第2特図表示器81bに停止表示される小当たり図柄)の種別は2種類ある。具体的には特図2の抽選では、「特図2_小当たり図柄a」、「特図2_小当たり図柄b」に当選する可能性がある。
「小当たり図柄a」に基づく小当たり遊技では、0.008秒のオープニング時間の経過後、第2大入賞口15の0.3秒開放が1回行われる。これに対して、「小当たり図柄b」に基づく小当たり遊技では、0.008秒のオープニング時間の経過後、第2大入賞口15の1.8秒開放が1回行われる。よって、「小当たり図柄b」に基づく小当たり遊技の方が、「小当たり図柄a」に基づく小当たり遊技よりも、第2大入賞口15への入賞が多く見込める。
ここで、本形態のパチンコ遊技機PY1の遊技状態について説明する。本形態では、遊技状態として、低確非時短状態(低確率状態且つ非時短状態)、低確時短状態(低確率状態且つ時短状態)、高確時短状態(高確率状態且つ時短状態)、高確非時短状態(高確率状態且つ非時短状態)がある。低確非時短状態を、低確率低ベース遊技状態(低確低ベース状態)や通常遊技状態ともいい、低確時短状態を、低確率高ベース遊技状態(低確高ベース状態)ともいい、高確時短状態を、高確率高ベース遊技状態(高確高ベース状態)ともいい、高確非時短状態を、高確率低ベース遊技状態(高確低ベース状態)ともいう。パチンコ遊技機PY1を初めて遊技する場合において電源投入後の遊技状態は、低確非時短状態(通常遊技状態)である。
高確率状態は、図8(A)に示すように、低確率状態(通常確率状態)と比べて、大当たりの当選確率が高い遊技状態である。すなわち、高確率状態では、特図表示器81の確率変動機能が作動する。高確率状態は、所定の上限実行回数の特別図柄の変動表示が実行されるか、又は、大当たりに当選してその大当たり遊技が実行されることにより終了する。高確率状態における上限実行回数(確変回数)は、何れの確変大当たりに当選した場合でも、10000回に設定される(図9参照)。
また時短状態は、非時短状態と比べて、電チュー12Dに遊技球が入賞し易くなる遊技状態である。より詳細には、時短状態では、図10(A)に示すように、普通図柄抽選の当選確率が、非時短状態よりも高くなる。すなわち時短状態では、普図表示器82の確率変動機能が作動する。なお本形態では、非時短状態における普通図柄抽選ではほぼハズレと判定され、時短状態における普通図柄抽選ではほぼ当たりと判定される。
また時短状態では、図10(B)に示すように、普通図柄の変動時間が、非時短状態よりも短くなる。本形態では、普通図柄の変動時間は、非時短状態では30秒であるが、時短状態では1.5秒である。すなわち時短状態では、普図表示器82の変動時間短縮機能が作動する。
また時短状態では、図10(C)に示すように、補助遊技における電チュー12Dの開放時間が、非時短状態よりも長くなる。本形態では、電チュー12Dの開放時間は、非時短状態では1回あたり0.1秒であるが、時短状態では2秒である。すなわち時短状態では、電チュー12Dの開放時間延長機能が作動する。
また時短状態では、図10(C)に示すように、補助遊技における電チュー12Dの開放回数が、非時短状態よりも多くなる。本形態では、電チュー12Dの開放回数は、非時短状態では1回であるが、時短状態では2回である。すなわち時短状態では、電チュー12Dの開放回数増加機能が作動する。
普図表示器82の確率変動機能や、普図表示器82の変動時間短縮機能、電チュー12Dの開放時間延長機能、電チュー12Dの開放回数増加機能が作動している状況下では、これらの機能が作動していない場合に比して、電チュー12Dが頻繁に開放され、第2始動口12へ遊技球が頻繁に入賞することとなる。その結果、発射球数に対する賞球数の割合であるベースが高くなる。従って、これらの機能が作動している状態(すなわち時短状態)を「高ベース状態」ともいい、作動していない状態(すなわち非時短状態)を「低ベース状態」ともいう。高ベース状態では、手持ちの遊技球を大きく減らすことなく大当たりを狙うことができる。なお、高ベース状態とは、いわゆる電サポ制御(電チュー12Dにより第2始動口12への入賞をサポートする制御)が実行されている状態である。そのため、高ベース状態を電サポ制御状態ともいう。また低ベース状態を非電サポ制御状態ともいう。時短状態(高ベース状態)は、「特典遊技状態」の一例である。また、通常遊技状態(低確非時短状態)は第1遊技状態の一例であり、低確時短状態は第2遊技状態の一例である。低確時短状態を第1遊技状態とし、低確非時短状態を第2遊技状態としてもよい。
なお、時短状態(高ベース状態)は、上記の全ての機能が作動するものでなくてもよい。すなわち、普図表示器82の確率変動機能、普図表示器82の変動時間短縮機能、電チュー12Dの開放時間延長機能、及び、電チュー12Dの開放回数増加機能のうち一つ以上の機能の作動によって、その機能が作動していないときよりも電チュー12Dに係る第2始動口12に遊技球が入賞し易くなっていればよい。
時短状態は、所定の上限実行回数の特別図柄の変動表示が実行されるか、又は、大当たりに当選してその大当たり遊技が実行されることにより終了する。時短状態における上限実行回数(時短回数)は、時短状態の制御契機となった特別図柄の種別に基づいて決定される。本形態では、時短回数が、30回に設定される場合と、10000回に設定される場合とがある(図9参照)。また、後述する天井到達に基づいて時短状態に制御される場合には、時短回数が777回に設定される。
ここで本形態では、電サポ制御を伴う時短状態(低確時短状態や高確時短状態)では、右打ちにより右遊技領域6R(図2参照)へ遊技球を進入させた方が有利に遊技を進行できる。電サポ制御により電チュー12Dが開放されやすくなっており、第1始動口11への入賞よりも第2始動口12への入賞の方が容易となっているからである。そのため、普通図柄抽選の契機となるゲート16へ遊技球を通過させつつ、第2始動口12へ遊技球を入賞させるべく右打ちを行う。これにより左打ちをするよりも、多数の始動入賞(始動口への入賞)を得ることができる。なお本パチンコ遊技機PY1では、第2始動口12への入賞は特図1の抽選の実行契機である。また本パチンコ遊技機PY1では、大当たり遊技中も右打ちにて遊技を行う。
これに対して、電サポ制御を伴わない通常遊技状態(低確非時短状態)では、左打ちにより左遊技領域6L(図2参照)へ遊技球を進入させた方が有利に遊技を進行できる。電チュー12Dがほぼ開放されないことにより、特図1に係る第2始動口12への入賞は見込めない上、特図2に係る第3始動口13に入賞しても、後述するように通常遊技状態(低確非時短状態)で特図2の変動表示が実行されると、600000ms(図11(A)の表の特図2の欄参照)という極めて長い間、変動表示が継続されてしまい、特図2の抽選結果をしばらく得ることができないためである。そのため、特図1に係る第1始動口11へ遊技球を入賞させるべく左打ちを行う。これにより右打ちするよりも、スムーズに遊技を進めることができる。
ここで電サポ制御を伴う高確時短状態や低確時短状態の場合、電チュー開閉部材12kが頻繁に開放するため、右打ちされた遊技球は、図3(A)に示すように、ほとんど特図1に係る第2始動口12に入球し、特図2に係る第3始動口13に入賞することはほとんどない。
これに対して、電サポ制御を伴わない高確非時短状態の場合、電チュー開閉部材12kがほぼ閉鎖しているため、右打ちされた遊技球は、図3(B)に示すように、電チュー開閉部材12kの上面を転動して、第3始動口13の方へ向かう。よって、特図2に係る第3始動口13への入賞が頻繁に生じる。そして高確非時短状態では、特図2の変動時間は、図11(B)に示すように、リーチ無しのハズレ変動で13000ms又は4000ms、大当たり変動でも70000ms又は30000msといった具合に、低確非時短状態よりもかなり短い。そのため、特図2の抽選が頻繁に実行されることとなる。
そして本形態のパチンコ遊技機PY1は、図8(A)に示したように、特図2の抽選において、約4分の1の確率で小当たりに当選するように設定されている。そのため、高確非時短状態では、小当たりに比較的頻繁に当選する。すなわち、小当たり遊技が比較的頻繁に実行され、第2大入賞口15が比較的頻繁に開放される。
ここで高確非時短状態では、右打ちされた遊技球のうち第3始動口13へ入球しなかった遊技球は、図3(B)に示すように、小当たり遊技の実行によって開放された第2大入賞口15に向かう。このように高確非時短状態では、第3始動口13に、ある程度頻繁に遊技球を入球させることができると共に、第2大入賞口15にもある程度、遊技球を入賞させることができる。
よって、電サポ制御を伴わない高確非時短状態は、電サポ制御を伴う高確時短状態よりも、多くの賞球を獲得することができる有利な遊技状態である。つまり、高確時短状態では、ベース(発射球数に対する賞球数の割合)が「1」を超えないように設定されているのに対して、高確非時短状態では、ベースが「1」を超えるように設定されている。こうして、本形態の高確非時短状態は、小当たり当選に基づく第2大入賞口15の開放により、第2大入賞口15へ入賞し易い有利な遊技状態となるため、以下では「小当たりラッシュ状態」や単に「小当たりラッシュ」とも称する。小当たりラッシュ状態(高確非時短状態)は「第3遊技状態」や「特定の遊技状態」の一例である。
ここで本形態では、電サポ制御を伴わない高確非時短状態において、右打ちされた遊技球が頻繁に第3始動口13(特図2に係る始動口)に入球し得るようにしたため、電サポ制御を伴わない通常遊技状態(低確非時短状態)でも、右打ちされた場合には、遊技球が第3始動口13に入球できることになっている。このため、通常遊技状態において右打ちされないように対策を施す必要がある。
そこで本形態のパチンコ遊技機PY1では、特図1と特図2とが同時に変動可能になっていて、図11(A)に示すように、低確非時短状態における特図2の変動時間が、「600000ms(10分)」という極めて長い時間に設定されている。即ち、低確非時短状態において、特図2の変動時間が極めて長くなるように、低確非時短状態での専用の特図変動パターン判定テーブルを備えている。従って、電サポ制御を伴わない通常遊技状態(低確非時短状態)で遊技者が右打ちを行って、第3始動口13に入球すると、特図1の変動表示中であっても、特図2が10分間、変動表示を続けることになる。よって遊技者は、特図2の抽選結果を10分という極めて長い間得ることができない。以上のような右打ち対策により、通常遊技状態で遊技者が右打ちをしても、不当に利益を得ることができないようになっている。
次に、特別図柄の変動パターン(特図変動パターン)の決定について説明する。パチンコ遊技機PY1は、低確非時短状態と、高確非時短状態と、時短状態とで異なる特図変動パターン判定テーブルに従って、特図変動パターンを決定する(図11及び図12参照)。具体的には、パチンコ遊技機PY1は、低確非時短状態では図11(A)に示す特図変動パターン判定テーブルに基づいて特図変動パターンを選択し、高確非時短状態では図11(B)又は図11(C)に示す特図変動パターン判定テーブルに基づいて特図変動パターンを選択し、時短状態(低確時短状態および高確時短状態)では図12に示す特図変動パターン判定テーブルに基づいて特図変動パターンを選択する。
ここでパチンコ遊技機PY1は、高確非時短状態における特図1と特図2の合計の変動回数が1回~80回までは図11(B)に示す特図変動パターン判定テーブルに基づいて特図変動パターンを選択し、特図1と特図2の合計の変動回数が81回以降は図11(C)に示す特図変動パターン判定テーブルに基づいて特図変動パターンを選択する。すなわち、本形態のパチンコ遊技機PY1では、特図の変動回数に基づく特図変動パターンの切替シナリオが組まれている。特図の変動回数が1回~80回までの高確非時短状態を高確非時短状態Aと言い、特図の変動回数が81回以降の高確非時短状態を高確非時短状態Bと言う。高確非時短状態Bで用いられる特図変動パターン判定テーブルは、高確非時短状態Aで用いられる特図変動パターン判定テーブルよりも、大当たりやリーチ有りハズレの場合に選択される変動時間が短くなっている。
また、時短状態における特図変動パターン判定テーブル(図12)は、非時短状態(低確非時短状態、高確非時短状態A)における特図変動パターン判定テーブル(図11(A)(B))に比べて、変動時間が短い変動パターンが選択され易いテーブルである。なお、特図変動パターン判定テーブルの詳細については、後述する。
4.特図入賞コマンドについて
本形態のパチンコ遊技機PY1は、後述するように所謂先読み演出を実行可能である。先読み演出とは、始動入賞(始動口への入賞)によって取得された判定情報(大当たり乱数等の乱数値)に基づいて特定された特図入賞コマンドを利用して、その始動入賞に基づく特図変動(特別図柄の変動表示)の開始直前の当否判定よりも前にその始動入賞に対する当選期待度を示唆する演出である。
図13-1は、非時短状態において用いられる特図入賞コマンド特定テーブルであり、図13-2は、時短状態において用いられる特図入賞コマンド特定テーブルである。図13-1及び図13-2に示すように、本形態において生成される特図入賞コマンドには、入賞時の遊技状態を示す遊技状態情報が含まれている。また、本形態の特図入賞コマンドには、特図1に係る始動口(第1始動口11や第2始動口12)と特図2に係る始動口(第3始動口13)のどちらの始動口に入賞したのかの始動口情報(特図情報)が含まれている。また、本形態の特図入賞コマンドには、大当たり又は小当たりか否かの当否情報が含まれている。また、本形態の特図入賞コマンドには、SPリーチ、Nリーチ、リーチ無し、即当たり演出等の特図変動パターンに関連付けられている演出を示す変動パターン情報が含まれている。なお、特図入賞コマンドには当否情報が含まれていればよく、当否情報の他に、特図入賞コマンドにどのような情報を含ませるかは適宜変更可能である。特図入賞コマンドを生成するために各種の乱数を判定することを先読み判定と言う。
5.遊技制御用マイコン101の動作
[主制御メイン処理]次に図14~図38に基づいて遊技制御用マイコン101の動作について説明する。なお、遊技制御用マイコン101の動作説明にて登場するカウンタ、タイマ、フラグ、ステータス、バッファ等は、遊技用RAM104に設けられている。遊技制御基板100に備えられた遊技制御用マイコン101は、パチンコ遊技機PY1の電源がオンされると、遊技用ROM103から図14に示した主制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。同図に示すように、主制御メイン処理では、まず初期設定を行う(ステップS001)。初期設定では例えば、スタックの設定、定数設定、割り込み時間の設定、遊技用CPU102の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間の管理のための回路)の設定や、各種のフラグ、ステータス及びカウンタ等のリセット等を行う。フラグの初期値は「0」つまり「OFF」であり、ステータスの初期値は「1」であり、カウンタの初期値は「0」である。なお初期設定(S001)は、電源投入後に一度だけ実行され、それ以降は実行されない。
初期設定(S001)に次いで、割り込みを禁止し(S002)、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)を実行する。この普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)では、図8に示した種々の乱数カウンタ値を1だけ加算して更新する。各乱数カウンタ値は上限値に至ると「0」に戻って再び加算される。なお各乱数カウンタの周期初期値は「0」以外の値であってもよく、ランダムに変更されるものであってもよい。また各乱数は、カウンタIC等からなる公知の乱数生成回路を利用して生成される所謂ハードウェア乱数であってもよい。
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)が終了すると、割り込みを許可する(S004)。割り込み許可中は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)の実行が可能となる。メイン側タイマ割り込み処理(S005)は、例えば4msec周期で遊技用CPU102に繰り返し入力される割り込みパルスに基づいて実行される。すなわち、例えば4msec周期で実行される。そして、メイン側タイマ割り込み処理(S005)が終了してから、次にメイン側タイマ割り込み処理(S005)が開始されるまでの間に、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)による各種カウンタ値の更新処理が繰り返し実行される。なお、割り込み禁止状態のときに遊技用CPU102に割り込みパルスが入力された場合は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)はすぐには開始されず、割り込み許可(S004)がされてから開始される。
[メイン側タイマ割り込み処理]次に、メイン側タイマ割り込み処理(S005)について説明する。図15に示すように、メイン側タイマ割り込み処理(S005)では、まず出力処理を実行する(S101)。出力処理(S101)では、以下に説明する各処理において遊技制御基板100の遊技用RAM104に設けられた出力バッファにセットされたコマンド等を、演出制御基板120や払出制御基板170等に出力する。
出力処理(S101)に次いで行われる入力処理(S102)では、主にパチンコ遊技機PY1に取り付けられている各種センサ(第1始動口センサ11a、第2始動口センサ12a、第3始動口センサ13a、第1大入賞口センサ14a、第2大入賞口センサ15a、一般入賞口センサ10a等(図5参照))が検知した検出信号を読み込み、賞球情報として遊技用RAM104の出力バッファに記憶する。賞球情報が払出制御基板170に出力されると、払出制御基板170は、賞球情報に応じた賞球の払出を行う。なお、各入賞口への入賞に応じた賞球数は、遊技に支障をきたさない範囲で適宜設定可能である。また入力処理(S102)では、下皿35の満杯を検出する下皿満杯スイッチからの検出信号も取り込み、下皿満杯データとして遊技用RAM104の出力バッファに記憶する。
次に行われる普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)は、図14の主制御メイン処理で行う普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)と同じである。即ち、図7に示した各種乱数カウンタ値(普通図柄乱数カウンタ値も含む)の更新処理は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)の実行期間と、それ以外の期間(メイン側タイマ割り込み処理(S005)の終了後、次のメイン側タイマ割り込み処理(S005)が開始されるまでの期間)との両方で行われている。
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)に次いで、後述するセンサ検出処理(S104)、普通動作処理(S105)、第1特別動作処理(S106)、第2特別動作処理(S107)を実行する。その後、その他の処理(S108)を実行して、メイン側タイマ割り込み処理(S005)を終了する。その他の処理(S108)としては、後述の特図保留球数に基づいて特図保留表示器83をその数を示す表示態様に制御したりする。そして、次に遊技用CPU102に割り込みパルスが入力されるまでは主制御メイン処理のステップS002~S004の処理が繰り返し実行され(図14参照)、割り込みパルスが入力されると(約4msec後)、再びメイン側タイマ割り込み処理(S005)が実行される。再び実行されたメイン側タイマ割り込み処理(S005)の出力処理(S101)においては、前回のメイン側タイマ割り込み処理(S005)にて遊技用RAM104の出力バッファにセットされたコマンド等が出力される。
[センサ検出処理]図16-1に示すように、センサ検出処理(S104)ではまず、遊技球がゲート16を通過したか否か、即ち、ゲートセンサ16aによって遊技球が検出されたか否か判定する(S201)。ゲート16を遊技球が通過していなければ(S201でNO)、ステップS203に進む。遊技球が通過していれば(S201でYES)、後述するゲート通過処理(S202)を行って、ステップS203に進む。
ステップS203では、第1始動口11又は第2始動口12に遊技球が入賞したか否か、即ち第1始動口センサ11a又は第2始動口センサ12aによって遊技球が検出されたか否かを判定する。第1始動口11にも第2始動口12にも遊技球が入賞していない場合には(S203でNO)ステップS209に進むが、第1始動口11又は第2始動口12に遊技球が入賞した場合には(S203でYES)、特図1保留球数(第1特図保留の数、具体的には遊技用RAM104に設けた第1特図保留の数をカウントするカウンタの数値)が「4」に達しているか否かを判定する(S204)。そして、特図1保留球数が「4」に達している場合には(S204でYES)、ステップS209に進むが、特図1保留球数が「4」未満である場合には(S204でNO)、特図1保留球数に「1」を加算する(S205)。
続いて、特図1関係乱数取得処理を行う(S206)。特図1関係乱数取得処理(S206)では、大当たり乱数カウンタの値(ラベル-TRND-Aの値)、図柄種別乱数カウンタの値(ラベル-TRND-ASの値)、リーチ乱数カウンタの値(ラベル-TRND-RCの値)及び変動パターン乱数カウンタの値(ラベル-TRND-T1の値)を取得し(つまり図7(A)に示す乱数値群を取得し)、それら取得乱数値を第1特図保留記憶部105aのうち現在の特図1保留球数に応じた記憶領域に格納する。
続いて特図1入賞コマンド特定処理(S207)を行う。特図1入賞コマンド特定処理(S207)では、ステップS206で格納した乱数値群に基づき、図13-1及び図13-2に示す特図入賞コマンド特定テーブルに従って特図1入賞コマンド(入賞情報の一例)を特定する。具体的には、現在の遊技状態が低確非時短状態であって、大当たり乱数が「65535」で、リーチ乱数が「255」で、変動パターン乱数が「89」であれば、図13-1の特図入賞コマンド特定テーブルにおける低確非時短状態且つ特図1の箇所に従って、特図1入賞コマンドとして「E1H01H」というコマンドを特定する。なおコマンドは、2バイトの情報(1バイトの上位コマンド(例えばE1H)と1バイトの下位コマンド(例えば01H))からなっている。
図13-1及び図13-2に示すテーブルにおける大当たり乱数、リーチ乱数、変動パターン乱数の区分けはそれぞれ、大当たり判定テーブル(図8(A)参照)、リーチ判定テーブル(図8(D))、特図変動パターン判定テーブル(図11、図12参照)における区分けと対応している。
本形態の特図入賞コマンドでは、16進数で二桁の上位コマンドのうち上の桁の値は、コマンドの種類(特図入賞コマンドであること)を指定する情報である。また、上位コマンドのうち下の桁の値は、特図の種類(第1始動口11又は第2始動口12への入賞に係る特図1か、第3始動口13への入賞に係る特図2か)を指定する特図情報である。
また、16進数で二桁の下位コマンドのうち上の桁の値は、入賞時の遊技状態を示す遊技状態情報である。具体的には「0」は低確非時短状態を示し、「1」は高確非時短状態Aを示し、「2」は高確非時短状態Bを示し、「3」は低確時短状態を示し、「4」は高確時短状態を示している。
また、下位コマンドのうち下の桁の値は、大当たり、小当たり、ハズレの何れであるかの当否情報、及び、SPリーチ、Nリーチ、リーチ無し、即当たり演出等の何れの演出を行う変動パターンであるかの変動パターン情報である。具体的には「1」「2」「8」は大当たりであることを示し、「3」は小当たりであることを示し、「4」「5」「6」「9」はハズレであることを示している。また、「1」「4」は、変動演出を行う場合はSPリーチを行う変動パターンであることを示し、「2」「5」は、変動演出を行う場合はNリーチで終わる変動パターンであることを示し、「6」は、変動演出を行う場合はリーチ無しで外れる変動パターンであることを示し、「8」は当選の即当たり演出を行う変動パターンであることを示し、「9」は落選の即当たり演出を行う変動パターンであることを示している。
なお、このような特図入賞コマンドの生成に関するルールは、一例であり、任意に変更可能である。
続いて遊技制御用マイコン101は、ステップS207で特定した特図1入賞コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする(S208)。
続いてセンサ検出処理(S104)では、第3始動口13に遊技球が入賞したか否か、即ち、第3始動口センサ13aによって遊技球が検出されたか否かを判定する(S209)。第3始動口13に遊技球が入賞していない場合には(S209でNO)本処理を終えるが、第3始動口13に遊技球が入賞した場合には(S209でYES)、特図2保留球数(第2特図保留の数、具体的には遊技用RAM104に設けた第2特図保留の数をカウントするカウンタの数値)が「4」に達しているか否かを判定する(S210)。そして、特図2保留球数が、「4」に達している場合には(S210でYES)、本処理を終えるが、特図2保留球数が「4」に達していない場合には(S210でNO)、特図2保留球数に「1」を加算する(S211)。
続いて特図2関係乱数取得処理を行う(S212)。特図2関係乱数取得処理(S212)では、特図1関係乱数取得処理(S206)と同様に、大当たり乱数カウンタ値(ラベル-TRND-A)、図柄種別乱数カウンタ値(ラベル-TRND-AS)、リーチ乱数カウンタ値(ラベル-TRND-RC)及び変動パターン乱数カウンタ値(ラベル-TRND-T1)を取得し(つまり図7(A)に示す乱数値群を取得し)、それら取得乱数値を第2特図保留記憶部105bのうち現在の特図2保留球数に応じた記憶領域に格納する。
続いて特図2入賞コマンド特定処理(S213)を行う。特図2入賞コマンド特定処理(S213)では、ステップS212で格納した乱数値群に基づき、図13-1及び図13-2に示す特図入賞コマンド特定テーブルに従って特図2入賞コマンド(入賞情報の一例)を特定する。具体的には、現在の遊技状態が高確非時短状態Aであって、大当たり乱数が「65535」で、リーチ乱数が「255」で、変動パターン乱数が「89」であれば、図13-1の特図入賞コマンド特定テーブルにおける高確非時短状態A且つ特図2の箇所に従って、特図2入賞コマンドとして「E2H11H」というコマンドを特定する。特定された特図2入賞コマンドには、上述した特図1入賞コマンドと同様、コマンドの種類を示す情報や、特図情報、遊技状態情報、当否情報、変動パターン情報が含まれている。
続いて遊技制御用マイコン101は、ステップS213で特定した特図2入賞コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする(S214)。
[ゲート通過処理]図16-2に示すようにゲート通過処理(S202)ではまず、普図保留球数(普図保留の数、具体的には遊技用RAM104に設けた普図保留の数をカウントするカウンタの数値)が「4」に達しているか否かを判定する(S221)。そして、普図保留球数が「4」に達している場合には(S221でYES)、本処理を終えるが、普図保留球数が「4」未満である場合には(S221でNO)、普図保留球数に「1」を加算する(S222)。
続いて、普図関係乱数取得処理を行う(S223)。普図関係乱数取得処理(S223)では、普通図柄乱数カウンタの値(ラベル-TRND-Hの値、図7(B)参照)を取得し、その取得乱数値を普図保留記憶部106のうち現在の普図保留球数に応じた記憶領域に格納する。
[普通動作処理]遊技制御用マイコン101は、センサ検出処理(S104)に次いで普通動作処理(S105)を行う(図15参照)。図17に示すように、普通動作処理(S105)ではまず、電チュー12Dの作動中か否かを判定する(S401)。電チュー12Dの作動中でなければ(S401でNO)、続いて、普通図柄の停止表示中か否かを判定する(S402)。普通図柄の停止表示中でなければ(S402でNO)、続いて、普通図柄の変動表示中か否かを判定する(S403)。普通図柄の変動表示中でなければ(S403でNO)、続いて、普通図柄の保留球数が「0」か否かを判定する(S404)。普通図柄の保留球数が「0」であれば(S404でYES)、本処理を終える。
ステップS404において普通図柄の保留球数が「0」でなければ(S404でNO)、当たり判定処理を行う(S405)。当たり判定処理(S405)では、普図保留記憶部106に格納されている普通図柄乱数カウンタ値(ラベル-TRND-Hの値)を読み出し、非時短状態であれば、非時短状態用の普通図柄当たり判定テーブル(図10(A)に示すテーブルの非時短状態の欄参照)に基づいて当たりか否か判定し、時短状態であれば、時短状態用の普通図柄当たり判定テーブル(図10(A)に示すテーブルの時短状態の欄参照)に基づいて当たりか否か判定する。そして、当たり判定の結果に応じた普図停止図柄データを遊技用RAM104の所定の記憶領域にセットする図柄決定処理を行う(S406)。つまり図柄決定処理(S406)では、「ハズレ」であれば「普通ハズレ図柄」に応じたデータをセットし、「当たり」であれば「普通当たり図柄」に応じたデータをセットする。
続いて遊技制御用マイコン101は、普通図柄変動時間決定処理を行う(S407)。普通図柄変動時間決定処理(S407)では、図10(B)に示す普通図柄変動パターン選択テーブルを参照して、遊技状態が非時短状態であれば、普通図柄の変動時間が30秒の普通図柄変動パターンを選択する。一方、遊技状態が時短状態であれば、普通図柄の変動時間が1.5秒の普通図柄変動パターンを選択する。
次いで遊技制御用マイコン101は、普通図柄保留球数を1ディクリメントする(S408)。そして、普図保留記憶部106における各普図保留の格納場所(記憶領域)を現在の位置から読み出される側に一つシフトするとともに、普図保留記憶部106における保留4個目に対応する記憶領域(読み出される側から最も遠い記憶領域)をクリアする(S409)。このようにして、普図保留が保留された順に消化されるようにしている。その後、遊技制御用マイコン101は、ステップS407で選択した普通図柄変動パターンにて普通図柄の変動表示を開始する(S410)。なおこれに伴い、演出制御基板120に普通図柄の変動開始を知らせるため、普通図柄変動開始コマンドをセットする。
上述のステップS403にて普通図柄の変動表示中であれば(S403でYES)、続いて、普通図柄の変動時間が経過したか否か判定し(S411)、経過していなければ処理を終える。一方、経過していれば(S411でYES)、普通図柄の変動表示を、普通図柄乱数の判定結果に応じた表示結果(普通当たり図柄又は普通ハズレ図柄)で停止させる(S412)。そして、演出制御基板120に普通図柄の変動停止を知らせるための普通図柄変動停止コマンドをセットするとともに(S413)、普通図柄の停止時間(本形態では500ms、図10(B)参照)をセットして(S414)、本処理を終える。
また、上述のステップS402にて普通図柄の停止表示中であれば(S402でYES)、続いて、ステップS414でセットした普通図柄の停止時間が経過したか否か判定し(S415)、経過していなければ処理を終える。一方、経過していれば(S415でYES)、普通当たり図柄の普図停止図柄データがセットされているか否かを判定し(S416)、普通当たり図柄のデータでなければ(つまり当たりでなければ(S416でNO))、本処理を終える。一方、普通当たり図柄のデータであれば(つまり当たりであれば(S416でYES))、電チュー12Dの開放パターンをセットする(S417)。詳細には、非時短状態中であれば、電チュー12Dの開放パターンとして非時短状態用の開放パターン(図10(C)の電チュー開放TBL1参照)をセットする。これに対して、時短状態中であれば、電チュー12Dの開放パターンとして時短状態用の開放パターン(図10(C)の電チュー開放TBL2参照)をセットする。そして、ステップS417でセットした開放パターンに従って、電チュー12Dを作動させる(S418)。
また、上述のステップS401にて電チュー12Dの作動中であれば(S401でYES)、続いて、電チュー12Dの作動時間が経過したか否かを判定し(S419)、経過していなければ処理を終える。一方、経過していれば(S419でYES)、電チュー12Dの作動を終了させる(S420)。
[第1特別動作処理]遊技制御用マイコン101は、普通動作処理(S105)に次いで、図18に示す第1特別動作処理を行う(S106)。第1特別動作処理(S106)は、特図1の抽選に基づく大当たり遊技に関する処理である。図18に示すように、第1特別動作処理(S106)では、特図表示器81(主に第1特図表示器81a)および大入賞装置(第1大入賞装置14D)に関する処理を4つの段階に分け、それらの各段階に「第1特別動作ステータス1,2,3,4」を割り当てている。なお第1特別動作ステータスは、初期設定では「1」である。
第1特別動作処理(S106)ではまず、遊技制御用マイコン101は、「第2特別動作ステータス」が「4」又は「5」であるか否かを判定する(S1001)。第2特別動作ステータスが「4」であれば(S1001でYES)、後述するように特図2の抽選に基づく大当たり遊技の実行中を意味する。また第2特別動作ステータスが「5」であれば(S1001でYES)、後述するように特図2の抽選に基づく小当たり遊技の実行中を意味する。第2特別動作ステータスが「4」又は「5」であれば(S1001でYES)、直ちに処理を終える。つまり、特図2の抽選に基づく大当たり遊技の実行中又は小当たり遊技の実行中には、特図1の抽選に基づく大当たり遊技に関する処理を行わないことになる。
これに対して、第2特別動作ステータスが「4」又は「5」の何れでもなくて(S1001でNO)、「第1特別動作ステータス」が「1」である場合には(S1002でYES)、後述する第1特別図柄待機処理を行い(S1003)、「第1特別動作ステータス」が「2」である場合には(S1002でNO、S1004でYES)、後述する第1特別図柄変動中処理を行い(S1005)、「第1特別動作ステータス」が「3」である場合には(S1002,S1004で共にNO、S1006でYES)、後述する第1特別図柄確定処理を行い(S1007)、「第1特別動作ステータス」が「4」である場合には(S1002,S1004,S1006で全てNO)、大当たり遊技を行うべく、後述する特別電動役物処理1を行う(S1009)。
[第2特別動作処理]遊技制御用マイコン101は、第1特別動作処理(S106)に次いで、図19に示す第2特別動作処理を行う(S107)。第2特別動作処理(S107)は、特図2の抽選に基づく大当たり遊技又は小当たり遊技の発生に関する処理である。図19に示すように、第2特別動作処理(S107)では、特図表示器81(主に第2特図表示器81b)および大入賞装置(第1大入賞装置14D,第2大入賞装置15D)に関する処理を5つの段階に分け、それらの各段階に「第2特別動作ステータス1,2,3,4,5」を割り当てている。なお第2特別動作ステータスは、初期設定では「1」である。
第2特別動作処理(S107)ではまず、遊技制御用マイコン101は、「第1特別動作ステータス」が「4」であるか否かを判定する(S1101)。第1特別動作ステータスが「4」であれば(S1001でYES)、特図1の抽選に基づく大当たり遊技の実行中を意味する。第1特別動作ステータスが「4」であれば(S1101でYES)、直ちに処理を終える。つまり、特図1の抽選に基づく大当たり遊技の実行中には、特図2の抽選に基づく大当たり遊技又は小当たり遊技の発生に関する処理を行わないことになる。
これに対して、第1特別動作ステータスが「4」ではなくて(S1101でNO)、「第2特別動作ステータス」が「1」である場合には(S1102でYES)、後述する第2特別図柄待機処理を行い(S1103)、「第2特別動作ステータス」が「2」である場合には(S1102でNO、S1104でYES)、後述する第2特別図柄変動中処理を行い(S1105)、「第2特別動作ステータス」が「3」である場合には(S1102,S1104で共にNO、S1106でYES)、後述する第2特別図柄確定処理を行い(S1107)、「第2特別動作ステータス」が「4」である場合には(S1102,S1104,S1106でNO、S1108でYES)、大当たり遊技を行うべく、後述する特別電動役物処理1を行い(S1109)、「第2特別動作ステータス」が「5」である場合には(S1102,S1104,S1106,S1108で全てNO)、小当たり遊技を行うべく、後述する特別電動役物処理2を行う(S1110)。
[第1特別図柄待機処理]図20に示すように、第1特別図柄待機処理(S1003)ではまず、特図1保留球数が「0」であるか否かを判定する(S1201)。特図1保留球数が「0」である場合(S1201でYES)、即ち、第1始動口11又は第2始動口12への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶(特図1の保留情報)がない場合には、本処理を終える。一方、特図1保留球数が「0」でない場合(S1201でNO)、即ち、第1始動口11又は第2始動口12への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶が1つ以上ある場合には、後述の特図1大当たり判定処理(S1202)、特図1変動パターン選択処理(S1203)、及び遊技状態管理処理(S1204)を行う。
その後、遊技制御用マイコン101は、特図1保留球数を1ディクリメントする(S1205)。そして、第1特図保留記憶部105aにおける各種カウンタ値の格納場所(記憶領域)を現在の位置から読み出される側に一つシフトするとともに、第1特図保留記憶部105aにおける保留4個目に対応する記憶領域(読み出される側から最も遠い記憶領域)をクリアする(S1206)。このようにして、第1特図保留は保留された順に消化される。
続いて遊技制御用マイコン101は、特図1変動開始処理を実行する(S1207)。特図1変動開始処理(S1207)では、第1特別動作ステータスを「2」にセットするとともに、特図1変動開始コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。そして、上記の特図1変動パターン選択処理(S1203)でセットされた変動パターンに応じた変動時間(特図1の変動時間)を、特図1変動時間タイマにセットするとともに、第1特図表示器81a上で第1特別図柄の変動表示を開始する。なお、特図1変動開始処理(S1207)でセットされる特図1変動開始コマンドには、特図1大当たり判定処理(S1202)でセットされた特図停止図柄データの情報や特図1変動パターン選択処理(S1203)でセットされた変動パターンの情報(特図1の変動時間及び停止時間の情報を含む情報)が含まれている。
[特図1大当たり判定処理]図21に示すように、特図1大当たり判定処理(S1202)ではまず、判定値として、大当たり乱数カウンタ値(ラベル-TRND-Aの値)を読み出す(S1301)。詳細には、第1特図保留記憶部105aに一つ目の保留情報として記憶されている大当たり乱数カウンタ値を読み出す。
次に、遊技状態に応じた大当たり判定テーブル(図8(A))をセットする(S1302)。すなわち、通常確率状態(低確率状態)であれば、大当たり判定テーブルのうち特図1且つ低確率状態用のテーブルをセットする。一方、高確率状態であれば、大当たり判定テーブルのうち特図1且つ高確率状態用のテーブルをセットする。
次いで、第2大当たりフラグがONか否かを判定する(S1303)。第2大当たりフラグは、後述する特図2の抽選において大当たりと判定されたことを示すフラグである(図25のステップS1705参照)。第2大当たりフラグがONであれば(S1303でYES)、後述する大当たりの当否判定(S1304)を行うことなく、ハズレ図柄に対応する特図停止図柄データをセットして(S1309)、本処理を終える。このようにするのは、本形態では特図1の処理と特図2の処理とを並行して行っているところ、特図2の抽選で大当たりと判定されている状況にも拘わらず、特図1の抽選でも重複して大当たりと判定されないようにするためである。具体的には、大当たり当選を示す特図2の変動表示中に、特図1大当たり判定処理(S1202)が実行されても、ハズレと判定されることを意味している。
ステップS1303で第2大当たりフラグがONでなければ(S1303でNO)、ステップS1302でセットした大当たり判定テーブル(図8(A)参照)に基づいて大当たりか否かを判定する(S1304)。大当たりの当否判定の結果が「大当たり」であれば(S1304でYES)、第1大当たりフラグをONする(S1305)。そして、図柄種別乱数カウンタ値(ラベル-TRND-ASの値)を読み出して、図8(B)に示す大当たり図柄種別判定テーブルに基づいて大当たり図柄の種別を判定するとともに(S1306)、その大当たり図柄の種別に対応する特図停止図柄データをセットして(S1307)、処理を終える。一方、「大当たり」でなければ(S1304でNO)、ハズレ図柄に対応する特図停止図柄データをセットして(S1309)、処理を終える。
[特図1変動パターン選択処理]次に図22-1、図22-2および図22-3に基づいて特図1変動パターン選択処理(S1203)について説明する。図22-1に示すように、特図1変動パターン選択処理(S1203)ではまず、遊技状態が非時短状態か否か(時短フラグがOFFか否か)を判定する(S1401)。
非時短状態であれば(S1401でYES)、続いて遊技状態が低確率状態であるか否か(確変フラグがOFFか否か)を判定する(S1402)。そして低確率状態であれば(S1402でYES)、続いて第1大当たりフラグがONか否かを判定する(S1403)。ONであれば(S1403でYES)、低確非時短状態中大当たり用のテーブル(図11(A)に示すテーブルのうち特図1且つ大当たりに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル-TRND-T1の値)に基づいて変動パターンを選択する(S1404)。図11(A)に示すように、変動パターンが決まれば変動時間も決まる。
なお、変動パターンには変動演出が関連付けられており、変動パターンが決定されると、その変動パターンに応じた変動演出が実行される。具体的には例えば、変動パターンP1に基づく変動演出ではSPリーチが実行され、変動パターンP2に基づく変動演出ではノーマルリーチ(Nリーチ)が実行される(図11(A)に示すテーブルの備考欄参照)。ここでSPリーチ(スーパーリーチ)とは、ノーマルリーチよりもリーチ後の変動時間が長いリーチであり、当選期待度(大当たり当選に対する期待度)がノーマルリーチよりも高くなるようにテーブルの振分率が設定されている。本形態では、スーパーリーチはノーマルリーチを経て発展的に実行される。
またステップS1402において、第1大当たりフラグがONでなければ(S1403でNO)、ハズレであるため、続いて、リーチ乱数カウンタ値(ラベル-TRND-RCの値)がリーチ成立乱数値か否かを判定する(S1405)。図8(D)に示すように、リーチ成立乱数値は時短状態であれば「0」~「11」であり、非時短状態であれば「0」~「27」である。すなわち、時短状態の方が非時短状態よりもハズレ時のリーチがかかりにくくなっている。これは、時短状態において変動時間の短いリーチ無しハズレがより多く選択されるようにすることで、特図保留の消化スピードを早めるためである。リーチ乱数カウンタ値がリーチ成立乱数値である場合(S1405でYES)、即ち、リーチ有りハズレの場合には、低確非時短状態中リーチ有りハズレ用のテーブル(図11(A)に示すテーブルのうち特図1且つリーチ有りハズレに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1406)。
一方、リーチ乱数カウンタ値がリーチ成立乱数値でない場合(S1405でNO)、即ち、リーチ無しハズレの場合には、低確非時短状態中リーチ無しハズレ用のテーブル(図11(A)に示すテーブルのうち特図1且つリーチ無しハズレに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1407)。
なお、非時短状態におけるリーチ無しハズレ時には、保留球数に応じた短縮変動の機能が働くようになっている。すなわち、特別図柄の保留球数が「3」又は「4」であるときは、特別図柄の保留球数が「0」~「2」であるときに比して変動時間の短い変動パターンが選択されるようになっている。これは、高確非時短状態における特図2の変動パターンの判定についても同様である。
またステップS1402において、遊技状態が低確率状態でないと判定した場合(S1402でNO)、すなわち高確率状態であると判定した場合には、図22-2に示すように、続いて高確非時短状態Aであるか否か(後述する遊技状態フラグの値が「4」であるか否か)を判定し(S1411)、高確非時短状態Aであれば(S1411でYES)、ステップS1412に進む。ステップS1412では、第1大当たりフラグがONか否かを判定する。この判定結果がYESであれば(S1412でYES)、高確非時短状態A中大当たり用のテーブル(図11(B)に示すテーブルのうち特図1且つ大当たりに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1413)。具体的には、変動時間が600000ms(10分)の特図変動パターンP11を選択する。
またステップS1412において、第1大当たりフラグがONでなければ(S1412でNO)、ハズレであるため、高確非時短状態A中ハズレ用のテーブル(図11(B)に示すテーブルのうち特図1且つハズレに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1414)。具体的には、変動時間が600000ms(10分)の特図変動パターンP13を選択する。
またステップS1411において、高確非時短状態Aでなければ(S1411でNO)、高確非時短状態Bであるため、ステップS1415に進み、第1大当たりフラグがONか否かを判定する。この判定結果がYESであれば(S1415でYES)、高確非時短状態B中大当たり用のテーブル(図11(C)に示すテーブルのうち特図1且つ大当たりに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1416)。具体的には、変動時間が600000ms(10分)の特図変動パターンP81を選択する。
またステップS1415において、第1大当たりフラグがONでなければ(S1415でNO)、ハズレであるため、高確非時短状態B中ハズレ用のテーブル(図11(C)に示すテーブルのうち特図1且つハズレに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1417)。具体的には、変動時間が600000ms(10分)の特図変動パターンP83を選択する。
このように本形態では、高確非時短状態Aおよび高確非時短状態Bの両高確非時短状態(小当たりラッシュ状態)における特図1の変動時間は、特図1の抽選の結果が大当たりであってもハズレであっても、10分に設定される。このようにしている理由は次の通りである。すなわち、小当たりラッシュ状態は、特図2の抽選によって小当たり遊技を頻繁に発生させて遊技者に賞球を獲得させるゲーム性の遊技状態である。そのため、このゲーム性において「主」となる特図(つまり特図2)ではない「逆」の特図(つまり特図1)の変動表示を生じ難くしておく必要がある。そのため、高確非時短状態では、特図1の変動時間を10分としている。なお、特図1および特図2のうち、ある遊技状態でのゲーム性において「主」となる方の特図を「主特図」と言い、主特図ではない方の特図を「逆特図」と言うものとする。高確非時短状態では特図2が主特図となり、特図1が逆特図となるが、それ以外の遊技状態(すなわち、高確時短状態、低確時短状態、低確非時短状態)では、特図1が主特図となり、特図2が逆特図となる。
またステップS1401において、遊技状態が非時短状態でないと判定した場合(S1401でNO)、すなわち時短状態であると判定した場合には、図22-3に示すように、第1大当たりフラグがONか否かを判定し(S1421)、ONであれば(S1421でYES)、時短状態中大当たり用のテーブル(図12に示すテーブルのうち特図1且つ大当たりに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1422)。
またステップS1421において、第1大当たりフラグがONでなければ(S1421でNO)、ハズレであるため、続いて、リーチ乱数カウンタ値がリーチ成立乱数値か否かを判定する(S1423)。そして、リーチ乱数カウンタ値がリーチ成立乱数値である場合(S1423でYES)、即ち、リーチ有りハズレの場合には、時短状態中リーチ有りハズレ用のテーブル(図12に示すテーブルのうち特図1且つリーチ有りハズレに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1424)。
一方、リーチ乱数カウンタ値がリーチ成立乱数値でない場合(S1423でNO)、即ち、リーチ無しハズレの場合には、時短状態中リーチ無しハズレ用のテーブル(図12に示すテーブルのうち特図1且つリーチ無しハズレに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1425)。
なお、時短状態中の特図変動パターン判定テーブル(図12参照)では、リーチ無しハズレ時の保留球数に応じた短縮変動の機能が保留球数「2」~「4」のときに働く。すなわち、非時短状態中よりも短縮変動が選択され易くなっている。また、大当たり当選時に変動時間の長い変動パターンが選択される確率が非時短状態中よりも低くなっている。すなわち、非時短状態中よりも変動時間の短い変動パターンが選択され易くなっている。つまり、時短状態中の特図変動パターン判定テーブルは、非時短状態中の特図変動パターン判定テーブルよりも変動時間が短くなるようなテーブルとなっている。
上記のようにして変動パターンの選択を行った後は、図22-1に示すように、選択した特図変動パターンをセットして(S1440)、本処理を終える。ステップS1440でセットした特図変動パターンの情報は、第1特別図柄待機処理(S1003)におけるステップS1207でセットされる特図1変動開始コマンドに含められる。
[遊技状態管理処理]図23-1に基づいて遊技状態管理処理について説明する。ここでは、上述した第1特別図柄待機処理(S1003)中の遊技状態管理処理(S1204)と、後述する第2特別図柄待機処理(ステップS1103、図24参照)中の遊技状態管理処理(S1604)とをまとめて説明する。図23-1に示すように、遊技状態管理処理(S1204,S1604)ではまず、高確率状態中を示す確変フラグがONか否か判定する(S1501)。ONであれば(S1501でYES)、高確率状態中に実行した特別図柄の変動表示の回数をカウントする確変カウンタの値を1ディクリメントするとともに(S1502)、確変カウンタの値が「0」か否か判定する(S1503)。「0」であれば(S1503でYES)、確変フラグをOFFして(S1504)、ステップS1505に進む。一方、ステップS1501又はS1503の判定結果がNOであれば、ステップS1505に進む。なお本パチンコ遊技機PY1では後述するように、高確率状態への移行時には確変カウンタの値が「10000」にセットされる。高確率状態は、所定の上限実行回数(確変回数)の特図変動が行われること、又は、次の大当たり遊技が実行されることのいずれかの終了条件の成立により終了する。
ステップS1505では、時短状態中を示す時短フラグがONか否か判定する(S1505)。ONであれば(S1505でYES)、時短状態中に実行した特別図柄の変動表示の回数をカウントする時短カウンタの値を1ディクリメントするとともに(S1506)、時短カウンタの値が「0」か否か判定する(S1507)。「0」であれば(S1507でYES)、時短フラグをOFFして(S1508)、ステップS1509に進む。一方、ステップS1505又はS1507の判定結果がNOであれば、ステップS1509に進む。なお本パチンコ遊技機PY1では後述するように、時短状態への移行時には時短カウンタの値が「30」(大当たり遊技後の低確時短状態)、「10000」(高確時短状態)、又は、「777」(後述する天井到達に基づく低確時短状態)にセットされるようになっている。時短状態は、所定の上限実行回数(時短回数)の特図変動が行われること、又は、次の大当たり遊技が実行されることのいずれかの終了条件の成立により終了する。
ステップS1509では、遊技制御用マイコン101は、遊技状態フラグ更新処理を行う。遊技状態フラグ更新処理(S1509)では、遊技状態フラグの値を、現在の遊技状態に応じた値にセットする。図23-1中の表に示すように、遊技状態フラグの値は、低確・非時短状態であれば「1」にセットされ、低確・時短状態であれば「2」にセットされ、高確・時短状態であれば「3」にセットされ、高確・非時短状態Aであれば「4」にセットされ、高確・非時短状態Bであれば「5」にセットされる。この遊技状態フラグ更新処理(S1509)では、確変フラグがONであるか否か、時短フラグがONであるか否か等に基づいて、遊技状態フラグの値を更新する。
続いて遊技制御用マイコン101は、遊技状態フラグの値が「4」であるか否か、すなわち、高確非時短状態A中であるか否かを判定する(S1510)。この判定結果がYESであれば、高確非時短状態Aから高確非時短状態Bへの変更までの残りの特図変動(特別図柄の変動表示)の回数をカウントする変パタカウンタの値を1ディクリメントするとともに(S1511)、変パタカウンタの値が「0」か否か判定する(S1512)。「0」であれば(S1512でYES)、遊技状態フラグの値を「5」にセットして(S1513)、ステップS1514に進む。一方、ステップS1510又はS1512の判定結果がNOであれば、ステップS1514に進む。なお本パチンコ遊技機PY1では後述するように、高確非時短状態Aへの移行時には変パタカウンタの値が「80」にセットされるようになっている(図37参照)。
ステップS1514では、遊技制御用マイコン101は、後述する天井処理(S1514)を行う。そして、遊技状態フラグの情報(すなわち現在の遊技状態の情報)を含む遊技状態指定コマンドを、遊技用RAM104の出力バッファにセットして(S1515)、本処理を終える。遊技状態指定コマンドが出力されることにより、演出制御基板120に現在の遊技状態の情報が通知される。
[天井処理]天井処理(S1514)は、天井到達に基づく時短状態への制御に関する処理である。ここで、本形態のパチンコ遊技機PY1は、低確率状態において所定回数の特図変動(特別図柄の変動表示)が行われたことを契機として、大当たり遊技を経ることなく、非時短状態から時短状態に制御する。この所定回数を天井回数と称し、本形態では800回に定められている。低確率状態における特図変動の実行回数が、天井回数に到達することを、天井到達と称する。なお本形態のパチンコ遊技機PY1は、次の大当たり遊技が実行されるまで高確率状態が実質的に継続する確変ループタイプの遊技機であるため、低確率状態における特図変動の実行回数を、大当たり遊技後の特図変動の実行回数と言い換えることができる。
図23-2に示すように、天井処理(S1514)ではまず、遊技制御用マイコン101は、確変フラグがOFFであるか否かを判定する(S1520)。確変フラグがOFFでなければ、直ちに本処理を終了するが、確変フラグがOFFであれば、続いて、天井カウンタの値が0より大きいか否かを判定する(S1521)。なお、天井カウンタは、天井到達までの残りの特図変動の回数をカウントするカウンタであり、大当たり遊技の終了のタイミングで「800」にセットされる。
ステップS1521の判定結果がNOであれば、直ちに本処理を終了するが、この判定結果がYESであれば、天井カウンタの値を1ディクリメントするとともに(S1522)、天井カウンタの値が0であるか否かを判定する(S1523)。そして、天井カウンタの値が0でなければ(S1523でNO)、直ちに本処理を終了するが、天井カウンタの値が0であれば(S1523でYES)、天井到達であるため、時短フラグをONするとともに(S1524)、天井到達に応じた時短回数(本形態では777回)を時短カウンタにセットし(S1525)、遊技状態フラグ更新処理(S1526)を行う。
この遊技状態フラグ更新処理(S1526)では、天井到達に基づいて時短フラグをONしたところであるため、遊技状態フラグの値を、低確時短状態に対応する値「2」にセットする。これにより、時短回数が777回の低確時短状態(天井時短状態)に制御される。
このように本形態では、特別図柄の変動表示の開始時に、遊技状態の変更に係る処理を行う(図23-1、図23-2)。そのため、例えば、時短回数が30回に設定される低確時短状態では、その最終変動の開始時に、大当たり判定処理と変動パターン選択処理が済めば、低確非時短状態に変更される(時短フラグがOFFされる)こととなる。すなわち、低確時短状態における最終変動の終了を迎える前に、低確非時短状態に変更されることとなる。
また、天井到達に基づく低確非時短状態から低確時短状態への変更においても、天井回数である800回転目の特図変動の開始時に、大当たり判定処理と変動パターン選択処理が済めば、低確時短状態に変更される(時短フラグがONされる)こととなる。すなわち、天井回数である800回転目の特図変動の終了を迎える前に、低確時短状態に変更されることとなる。
また、高確非時短状態Aから高確非時短状態Bへの変更においても、高確非時短状態Aにおける80回転目の特図変動の開始時に、大当たり判定処理と変動パターン選択処理が済めば、高確非時短状態Bに変更される(遊技状態フラグの値が「5」に変更される)こととなる。
[第2特別図柄待機処理]図24に示すように、第2特別図柄待機処理(S1103)ではまず、特図2保留球数が「0」であるか否かを判定する(S1601)。特図2保留球数が「0」である場合(S1601でYES)、即ち、第3始動口13への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶(特図2の保留情報)がない場合には、本処理を終える。一方、特図2保留球数が「0」でない場合(S1601でNO)、即ち、第3始動口13への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶が1つ以上ある場合には、後述の特図2大当たり判定処理(S1602)及び特図2変動パターン選択処理(S1603)を行う。続いて、遊技制御用マイコン101は、遊技状態管理処理(S1604)を行う。遊技状態管理処理(S1604)は、図23-1に基づいて既に説明した通りであるため、説明を省略する。
その後、遊技制御用マイコン101は、特図2保留球数を1ディクリメントする(S1605)。そして、第2特図保留記憶部105bにおける各種カウンタ値の格納場所(記憶領域)を現在の位置から読み出される側に一つシフトするとともに、第2特図保留記憶部105bにおける保留4個目に対応する記憶領域(読み出される側から最も遠い記憶領域)をクリアする(S1606)。このようにして、第2特図保留は保留された順に消化される。
続いて遊技制御用マイコン101は、特図2変動開始処理を実行する(S1607)。特図2変動開始処理(S1607)では、第2特別動作ステータスを「2」にセットするとともに、特図2変動開始コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。そして、上記の特図2変動パターン選択処理(S1603)でセットされた変動パターンに応じた変動時間(特図2の変動時間)を、特図2変動時間タイマにセットするとともに、第2特図表示器81b上で第2特別図柄の変動表示を開始する。なお、特図2変動開始処理(S1607)でセットされる特図2変動開始コマンドには、特図2大当たり判定処理(S1602)でセットされた特図停止図柄データの情報や特図2変動パターン選択処理(S1603)でセットされた変動パターンの情報(特図2の変動時間及び停止時間の情報を含む情報)が含まれている。
[特図2大当たり判定処理]図25に示すように、特図2大当たり判定処理(S1602)ではまず、判定値として、大当たり乱数カウンタ値(ラベル-TRND-Aの値)を読み出す(S1701)。詳細には、第2特図保留記憶部105bに一つ目の保留情報として記憶されている大当たり乱数カウンタ値を読み出す。
次に、遊技状態に応じた大当たり判定テーブル(図8(A))をセットする(S1702)。すなわち、通常確率状態(低確率状態)であれば、大当たり判定テーブルのうち低確率状態且つ特図2用のテーブルをセットする。一方、高確率状態であれば、大当たり判定テーブルのうち高確率状態且つ特図2用のテーブルをセットする。
次いで、第1大当たりフラグがONか否かを判定する(S1703)。第1大当たりフラグは、上述した特図1の抽選において大当たりと判定されたことを示すフラグである(図21のステップS1305参照)。ステップS1703で第1大当たりフラグがONでなければ(S1703でNO)、ステップS1702でセットした大当たり判定テーブル(図8(A)参照)に基づいて大当たりか否かを判定する(S1704)。大当たりの当否判定の結果が「大当たり」であれば(S1704でYES)、第2大当たりフラグをONする(S1705)。そして、図柄種別乱数カウンタ値(ラベル-TRND-ASの値)を読み出して、図8(B)に示す大当たり図柄種別判定テーブルに基づいて大当たり図柄種別の判定を行うとともに(S1706)、大当たり図柄種別に対応する特図停止図柄データをセットして(S1707)、処理を終える。
一方、ステップS1704において「大当たり」でないと判定した場合には(S1704でNO)、続いて、ステップS1702でセットした大当たり判定テーブル(図8(A)参照)に基づいて小当たりか否かを判定する(S1708)。小当たりの当否判定の結果が「小当たり」であれば(S1708でYES)、小当たりフラグをONする(S1709)。そして、図柄種別乱数カウンタ値(ラベル-TRND-ASの値)を読み出して、図8(C)に示す小当たり図柄種別判定テーブルに基づいて小当たり図柄種別の判定を行うとともに(S1710)、小当たり図柄種別に対応する特図停止図柄データをセットして(S1711)、処理を終える。
また、ステップS1708において「小当たり」でないと判定した場合には(S1708でNO)、ハズレであるため、ハズレ図柄に対応する特図停止図柄データをセットして(S1712)、処理を終える。
また、ステップS1703において第1大当たりフラグがONであると判定した場合には(S1703でYES)、大当たりの当否判定(S1704)や小当たりの当否判定(S1708)を行うことなく、ハズレ図柄に対応する特図停止図柄データをセットして(S1712)、処理を終える。このように本形態では、大当たり当選を示す特図1の変動表示中に、特図2大当たり判定処理(S1602)が実行されても、ハズレと判定される。
[特図2変動パターン選択処理]次に図26~図28に基づいて特図2変動パターン選択処理(S1603)について説明する。図26に示すように、特図2変動パターン選択処理(S1603)ではまず、遊技状態が非時短状態であるか否か(時短フラグがOFFであるか否か)を判定する(S1801)。
非時短状態であれば(S1801でYES)、続いて、遊技状態が低確率状態であるか否か(確変フラグがOFFであるか否か)を判定する(S1802)。低確率状態であれば(S1802でYES)、続いて第2大当たりフラグがONか否かを判定する(S1803)。ONであれば(S1803でYES)、低確非時短状態中大当たり用のテーブル(図11(A)に示すテーブルのうち特図2且つ大当たりに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル-TRND-T1の値)に基づいて変動パターンを選択する(S1804)。具体的には、変動時間が600000ms(10分)の特図変動パターンP21を選択する。
またステップS1803において、第2大当たりフラグがONでなければ(S1803でNO)、続いて、小当たりフラグがONか否かを判定する(S1805)。ONであれば(S1805でYES)、低確非時短状態中小当たり用のテーブル(図11(A)に示すテーブルのうち特図2且つ小当たりに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1806)。具体的には、変動時間が600000ms(10分)の特図変動パターンP22を選択する。
またステップS1805において、小当たりフラグがONでなければ(S1805でNO)、低確非時短状態中ハズレ用のテーブル(図11(A)に示すテーブルのうち特図2且つハズレに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1807)。具体的には、変動時間が600000ms(10分)の特図変動パターンP23を選択する。
このように本形態のパチンコ遊技機PY1は、低確非時短状態においては、逆特図である特図2の抽選結果がいずれであっても、特図2の変動パターンとして、600000ms(10分)という極めて長い変動時間の変動パターンP21,P22,又はP23を選択する。これにより、低確非時短状態において、遊技者が右打ちを行って、第3始動口13に入球させても、特図2の抽選結果を10分という極めて長い間得ることができない。よって、低確非時短状態において右打ちという意図しない遊技が行われるのを回避することが可能である。
またステップS1802において低確率状態でないと判定した場合(S1802でNO)、高確非時短状態(小当たりラッシュ状態)である。この場合には、図27に示すように、高確非時短状態Aであるか否か(すなわち遊技状態フラグの値が「4」であるか否か)を判定するS1810)。そしてこの判定結果がYESであれば、第2大当たりフラグがONか否かを判定し(S1811)、ONであれば(S1811でYES)、高確非時短状態A中大当たり用のテーブル(図11(B)に示すテーブルのうち特図2且つ大当たりに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1812)。
またステップS1811において第2大当たりフラグがONでなければ(S1811でNO)、続いて、小当たりフラグがONか否かを判定する(S1813)。ONであれば(S1813でYES)、高確非時短状態A中小当たり用のテーブル(図11(B)に示すテーブルのうち特図2且つ小当たりに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1814)。具体的には、変動時間が4000ms(4秒)の特図変動パターンP33を選択する。このようにパチンコ遊技機PY1は、高確非時短状態(小当たりラッシュ状態)において特図2の抽選に基づいて小当たりに当選した場合には、比較的短時間のうちに小当たり遊技が実行され、第2大入賞口15への入賞に基づく賞球の獲得ができるようになっている。
またステップS1813において小当たりフラグがONでなければ(S1813でNO)、続いて、リーチ乱数カウンタ値(ラベル-TRND-RCの値)がリーチ成立乱数値か否かを判定する(S1815)。図8(D)に示すように、リーチ成立乱数値は時短状態であれば「0」~「11」であり、非時短状態であれば「0」~「27」である。すなわち、時短状態の方が非時短状態よりもハズレ時のリーチがかかりにくくなっている。これは、時短状態において変動時間の短いリーチ無しハズレがより多く選択されるようにすることで、特図保留の消化スピードを早めるためである。リーチ乱数カウンタ値がリーチ成立乱数値である場合(S1815でYES)、即ち、リーチ有りハズレの場合には、高確非時短状態A中リーチ有りハズレ用のテーブル(図11(B)に示すテーブルのうち特図2且つリーチ有りハズレに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1816)。
一方、リーチ乱数カウンタ値がリーチ成立乱数値でない場合(S1815でNO)、即ち、リーチ無しハズレの場合には、高確非時短状態A中リーチ無しハズレ用のテーブル(図11(B)に示すテーブルのうち特図2且つリーチ無しハズレに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1817)。
またステップS1810において高確非時短状態Aでないと判定した場合(S1810でNO)、高確非時短状態Bであるため、続いて、第2大当たりフラグがONか否かを判定し(S1818)、ONであれば(S1818でYES)、高確非時短状態B中大当たり用のテーブル(図11(C)に示すテーブルのうち特図2且つ大当たりに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1819)。具体的には、変動時間が10000ms(10秒)の特図変動パターンP91を選択する。特図変動パターンP91が選択された場合には、SPリーチやNリーチといったリーチ演出が行われることはなく、これらのリーチ演出に比べて短時間で当落の結果(ここでは当選)が示される即当たり演出が行われる。このように本形態では、高確非時短状態A(高確非時短状態における80回転まで)よりも、高確非時短状態B(高確非時短状態における81回転以降)の方が、速く遊技が進行していく(特図変動が実行されていく)ため、高確非時短状態において次の大当たりに中々当選せずに遊技が間延びするのを防止することが可能である。
またステップS1818において第2大当たりフラグがONでなければ(S1818でNO)、続いて、小当たりフラグがONか否かを判定する(S1820)。ONであれば(S1820でYES)、高確非時短状態B中小当たり用のテーブル(図11(C)に示すテーブルのうち特図2且つ小当たりに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1821)。具体的には、変動時間が4000ms(4秒)の特図変動パターンP93を選択する。このようにパチンコ遊技機PY1は、高確非時短状態(小当たりラッシュ状態)において特図2の抽選に基づいて小当たりに当選した場合には、比較的短時間のうちに小当たり遊技が実行され、第2大入賞口15への入賞に基づく賞球の獲得ができるようになっている。
またステップS1820において小当たりフラグがONでなければ(S1820でNO)、続いて、リーチ乱数カウンタ値(ラベル-TRND-RCの値)がリーチ成立乱数値か否かを判定する(S1822)。リーチ乱数カウンタ値がリーチ成立乱数値である場合(S1822でYES)、即ち、リーチ有りハズレの場合には、高確非時短状態B中リーチ有りハズレ用のテーブル(図11(C)に示すテーブルのうち特図2且つリーチ有りハズレに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1823)。具体的には、変動時間が10000ms(10秒)の特図変動パターンP94を選択する。特図変動パターンP94が選択された場合には、SPリーチやNリーチといったリーチ演出が行われることはなく、これらのリーチ演出に比べて短時間で当落の結果(ここでは落選)が示される即当たり演出が行われる。このように本形態では、高確非時短状態A(高確非時短状態における80回転まで)よりも、高確非時短状態B(高確非時短状態における81回転以降)の方が、速く遊技が進行していく(特図変動が実行されていく)ため、高確非時短状態において次の大当たりに中々当選せずに遊技が間延びするのを防止することが可能である。
一方、リーチ乱数カウンタ値がリーチ成立乱数値でない場合(S1822でNO)、即ち、リーチ無しハズレの場合には、高確非時短状態B中リーチ無しハズレ用のテーブル(図11(C)に示すテーブルのうち特図2且つリーチ無しハズレに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1824)。
またステップS1801において遊技状態が非時短状態でないと判定した場合(S1801でNO)には、時短状態(低確時短状態又は高確時短状態)である。この場合には、図28に示すように、第2大当たりフラグがONか否かを判定する(S1831)。ONであれば(S1831でYES)、時短状態中大当たり用のテーブル(図12に示すテーブルのうち特図2且つ大当たりに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1832)。具体的には、変動時間が600000ms(10分)の特図変動パターンP51を選択する。
またステップS1831において、第2大当たりフラグがONでなければ(S1831でNO)、続いて、小当たりフラグがONか否かを判定する(S1833)。ONであれば(S1833でYES)、時短状態中小当たり用のテーブル(図12に示すテーブルのうち特図2且つ小当たりに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1834)。具体的には、変動時間が600000ms(10分)の特図変動パターンP52を選択する。
またステップS1833において、小当たりフラグがONでなければ(S1833でNO)、時短状態中ハズレ用のテーブル(図12に示すテーブルのうち特図2且つハズレに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1835)。具体的には、変動時間が600000ms(10分)の特図変動パターンP53を選択する。
このように本形態のパチンコ遊技機PY1は、時短状態においては、逆特図である特図2の抽選結果がいずれであっても、特図2の変動パターンとして、600000ms(10分)という極めて長い変動時間の変動パターンP51,P52,又はP53を選択する。これにより、時短状態において、第3始動口13に遊技球が入球しても、特図2の抽選結果を10分という極めて長い間得ることができない。よって、特図2の抽選に基づく小当たり遊技が頻繁に行われるのを防止することが可能である。
上記のようにして特図変動パターンの選択を行った後は、図26に示すように、選択した特図変動パターンをセットして(S1840)、本処理を終える。ステップS1840でセットした特図変動パターンの情報は、第2特別図柄待機処理(S1103)におけるステップS1607でセットされる特図2変動開始コマンドに含められる。
[第1特別図柄変動中処理]図29に示すように、第1特別図柄変動中処理(S1005)ではまず、特図1変動時間タイマにセットされている値(特図1の変動時間)を減算する(S1901)。そして特図1の変動時間が経過したか、即ち特図1変動時間タイマにセットされている値が「0」になったか否かを判定する(S1902)。「0」でなければ(S1902でNO)、第1特図表示器81aで第1特別図柄が変動表示し続けることになり、本処理を終える。一方、「0」であれば(S1902でYES)、特図1変動停止コマンドをセットするとともに(S1903)、第1特別動作ステータスを「3」にセットする(S1904)。そして、第1特別図柄の変動表示を、セットされている特図停止図柄データに応じた図柄(大当たり図柄又はハズレ図柄)で停止させて(S1905)、この処理を終える。
[第2特別図柄変動中処理]図30に示すように、第2特別図柄変動中処理(S1105)ではまず、特図2変動時間タイマにセットされている値(特図2の変動時間)を減算する(S2001)。そして特図2の変動時間が経過したか、即ち特図2変動時間タイマにセットされている値が「0」になったか否かを判定する(S2002)。「0」でなければ(S2002でNO)、第2特図表示器81bで第2特別図柄が変動表示し続けることになり、本処理を終える。一方、「0」であれば(S2002でYES)、特図2変動停止コマンドをセットするとともに(S2003)、第2特別動作ステータスを「3」にセットする(S2004)。そして、第2特別図柄の変動表示を、セットされている特図停止図柄データに応じた図柄(大当たり図柄、小当たり図柄、又は、ハズレ図柄)で停止させて(S2005)、この処理を終える。
[第1特別図柄確定処理]図31に示すように、第1特別図柄確定処理(S1007)ではまず、第1特別図柄の停止時間が経過したか否かを判定する(S2101)。経過していなければ(S2101でNO)、直ちにこの処理を終える。一方、停止時間が経過していれば(S2101でYES)、続いて、第1大当たりフラグがONであるか否かを判定する(S2102)。ONであれば(S2102でYES)、第1特別動作ステータスを「4」にセットする(S2103)。そして、遊技制御用マイコン101は、後述の特図2強制停止処理を行うとともに(S2104)、後述の遊技状態リセット処理を行う(S2105)。その後、大当たり遊技を開始するべく、大当たりのオープニングコマンドをセットして(S2106)、大当たり遊技のオープニングを開始する(S2107)。
ステップS2107に続いて、遊技制御用マイコン101は、当選した大当たりの種類に応じた開放パターン(詳しくは図9参照)をセットして(S2108)、本処理を終える。なおこのときに、大当たり遊技中の第1大入賞口14の開放回数をカウントする大入賞口開放カウンタの値を、当選した大当たりの種類に応じた値にセットする。
一方、ステップS2102において第1大当たりフラグがONでなければ(S2102でNO)、特図1の抽選に基づく大当たり遊技を開始しないため、第1特別動作ステータスを「1」にセットして(S2109)、本処理を終える。
[特図2強制停止処理]特図2強制停止処理(S2104)は、特図2の変動表示中に、特図1の抽選に基づく大当たり遊技を開始する場合に、特図2の変動表示を強制的にハズレ図柄で終了させるための処理である。図32に示すように、特図2強制停止処理(S2104)ではまず、第2特別動作ステータスが「2」であるか否かを判定する(S2301)。「2」でなければ(S2301でNO)、特図2の変動表示中でないため、本処理を終える。これに対して「2」であれば(S2301でYES)、遊技制御用マイコン101は、特図2をハズレ図柄で停止表示することを示す特図2変動停止コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする(S2302)。続いて、変動表示中の第2特別図柄を強制的に停止表示する(S2303)。これにより、第2特図表示器81bには、ハズレ図柄が停止表示される。これを「強制はずれ」と言う。そして、遊技制御用マイコン101は、第2特別動作ステータスを「1」にセットして(S2304)、本処理を終える。
[遊技状態リセット処理]図33に基づいて遊技状態リセット処理について説明する。ここでは、上述した第1特別図柄確定処理(S1007)中の遊技状態リセット処理(S2105)と、後述する第2特別図柄確定処理(ステップS1107、図34参照)中の遊技状態リセット処理(S2505)とをまとめて説明する。図33に示すように、遊技状態リセット処理(S2105,S2505)ではまず、確変フラグがONか否かを判定し(S2401)、ONであれば確変フラグをOFFする(S2402)。また、時短フラグがONか否かを判定し(S2403)、ONであれば時短フラグをOFFする(S2404)。つまり、大当たり遊技の実行中は、通常確率状態(低確率状態)且つ非時短状態に制御される。そして、確変カウンタの値を「0」にリセットするとともに(S2405)、時短カウンタの値を「0」にリセットする(S2406)。その後、高確非時短状態において高確非時短状態Bへの変更までの特図変動の実行回数をカウントしている変パタカウンタの値を「0」にリセットするとともに(S2407)、天井到達までの特図変動の実行回数をカウントしている天井カウンタの値を「0」にリセットして(S2408)、本処理を終える。
[第2特別図柄確定処理]図34に示すように、第2特別図柄確定処理(S1107)ではまず、第2特別図柄の停止時間が経過したか否かを判定する(S2501)。経過していなければ(S2501でNO)、直ちにこの処理を終える。一方、停止時間が経過していれば(S2501でYES)、続いて、第2大当たりフラグがONであるか否かを判定する(S2502)。第2大当たりフラグがONであれば(S2502でYES)、第2特別動作ステータスを「4」にセットする(S2503)。そして、遊技制御用マイコン101は、後述の特図1強制停止処理を行うとともに(S2504)、遊技状態リセット処理を行う(S2505)。遊技状態リセット処理(S2505)は、図33に基づいて既に説明した通りであるため、説明を省略する。その後、大当たり遊技を開始するべく、大当たりのオープニングコマンドをセットして(S2506)、大当たり遊技のオープニングを開始する(S2507)。
ステップS2507に続いて、遊技制御用マイコン101は、当選した大当たりの種類に応じた開放パターン(詳しくは図9参照)をセットして(S2508)、本処理を終える。なおこのときに、大当たり遊技中の第1大入賞口14の開放回数をカウントする大入賞口開放カウンタの値を、当選した大当たりの種類に応じた値にセットする。
一方、ステップS2502において第2大当たりフラグがONでなければ(S2502でNO)、小当たりフラグがONであるか否かを判定する(S2509)。小当たりフラグがONであれば(S2509でYES)、第2特別動作ステータスを「5」にセットする(S2510)。そして、遊技制御用マイコン101は、後述の特図1強制停止処理を行う(S2511)。その後、小当たり遊技を開始するべく、小当たりのオープニングコマンド(小当たりオープニングコマンド)をセットして(S2512)、小当たり遊技のオープニングを開始する(S2513)。続いて遊技制御用マイコン101は、当選した小当たりの種類に応じた開放パターン(詳しくは図9参照)をセットして(S2514)、本処理を終える。
また、第2大当たりフラグ及び小当たりフラグが共にONでなければ(S2502及びS2509で共にNO)、特図2の抽選に基づく大当たり遊技及び小当たり遊技を開始しないため、第2特別動作ステータスを「1」にセットして(S2515)、本処理を終える。
[特図1強制停止処理]特図1強制停止処理(S2504,S2511)は、特図1の変動表示中に、特図2の抽選に基づく大当たり遊技を開始する場合や、小当たり遊技を開始する場合に、特図1の変動表示を強制的にハズレ図柄で終了させるための処理である。図35に示すように、特図1強制停止処理(S2504,S2511)ではまず、第1特別動作ステータスが「2」であるか否かを判定する(S2601)。「2」でなければ(S2601でNO)、特図1の変動表示中でないため、本処理を終える。これに対して「2」であれば(S2601でYES)、遊技制御用マイコン101は、特図1をハズレ図柄で停止表示することを示す特図1変動停止コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする(S2602)。続いて、変動表示中の特図1を強制的に停止表示する(S2603)。これにより、第1特図表示器81aには、ハズレ図柄が停止表示される。これを「強制はずれ」と言う。そして、遊技制御用マイコン101は、第1特別動作ステータスを「1」にセットする(S2604)。
その後、遊技制御用マイコン101は、第1大当たりフラグがONであるか否かを判定し(S2605)、ONでなければ、直ちに本処理を終えるが、ONであれば、第1大当たりフラグをOFFして(S2606)、本処理を終える。このように本形態では、特図2の小当たり変動(小当たり当選の判定結果に基づく変動)の実行中に特図1の抽選で大当たり当選と判定されても、特図2の小当たり遊技の開始時に特図1が強制的にハズレ図柄で停止表示されるようになっている。
[特別電動役物処理1(大当たり遊技)]特別電動役物処理1は、大当たり遊技の実行のための処理である。以下では、特図1の抽選に基づく大当たり遊技の実行のための特別電動役物処理1(S1009)と、特図2の抽選に基づく大当たり遊技の実行のための特別電動役物処理1(S1109)とをまとめて説明する。図36に示すように、特別電動役物処理1(S1009又はS1109)ではまず、大当たり終了フラグがONであるか否かを判定する(S2701)。大当たり終了フラグは、実行中の大当たり遊技において大入賞装置(第1大入賞装置14D)の開放が全て終了したことを示すフラグである。
大当たり終了フラグがONでなければ(S2701でNO)、第1大入賞口14の開放中か否か(すなわち第1大入賞装置14Dの開放中か否か)を判定する(S2702)。開放中でなければ(S2702でNO)、第1大入賞口14を開放させる時間に至ったか否か、すなわち大当たりのオープニングの時間が経過して第1大入賞口14の開放を開始する時間に至ったか、又は、開放間のインターバルの時間が経過して次の開放を開始する時間に至ったか否かを判定する(S2703)。
ステップS2703の判定結果がNOであれば、そのまま処理を終える。一方、ステップS2703の判定結果がYESであれば、大当たりの種類に応じた開放パターン(図9参照)に従って大入賞口(第1大入賞口14)を開放させる(S2704)。続いてステップS2705では、ラウンド指定コマンド送信判定処理を行って、本処理を終える。ラウンド指定コマンド送信判定処理(S2705)では、ステップS2704での第1大入賞口14の開放が1回のラウンド遊技での初めての開放か否かを判定し、そうであれば、実行中の大当たり遊技のラウンド数の情報を含むラウンド指定コマンドを、遊技用RAM104の出力バッファにセットする。なお本形態では、1回のラウンド遊技中に複数回の第1大入賞口14の開放がなされることはない。そのため、このステップS2705では、必ずラウンド指定コマンドがセットされることとなる。
特別電動役物処理1(S1009又はS1109)のステップS2702において、第1大入賞口14の開放中であれば、第1大入賞口14の閉鎖条件が成立しているか否かを判定する(S2706)。本形態では、閉鎖条件は、そのラウンド遊技における第1大入賞口14への入賞個数が規定の最大入賞個数(本形態では1R当たり10個)に達したこと、又は、第1大入賞口14を閉鎖させる時間に至ったこと(すなわち第1大入賞口14を開放してから所定の開放時間(図9参照)が経過したこと)のいずれかが満たされていることである。そして、第1大入賞口14の閉鎖条件が成立していなければ(S2706でNO)、処理を終える。
これに対して、第1大入賞口14の閉鎖条件が成立している場合(S2706でYES)には、第1大入賞口14を閉鎖(閉塞)する(S2707)。そして1回のラウンド遊技(ラウンドインターバル)が終了したかを判定する(S2708)。終了していなければ(S2708でNO)、処理を終える。一方、ラウンド遊技が終了する場合には(S2708でYES)、ラウンドカウンタの値を1ディクリメントし(S2709)、ラウンドカウンタの値が「0」であるか否か判定する(S2710)。「0」でなければ(S2710でNO)、次のラウンド遊技を開始するためにそのまま処理を終える。
一方「0」であれば(S2710でYES)、大当たり遊技を終了させる大当たり終了処理として、大当たりのエンディングコマンドをセットするとともに(S2711)、大当たりのエンディングを開始する(S2712)。そして、大当たり終了フラグをセットして(S2713)、処理を終える。
またステップS2701において大当たり終了フラグがONであれば(S2701でYES)、最終ラウンドが終了しているので、大当たり遊技のエンディング時間が経過したか否かを判定し(S2714)、エンディング時間が経過していなければ(S2714でNO)、本処理を終える。一方、エンディング時間が経過していれば(S2714でYES)、大当たり終了フラグをOFFする(S2715)。そして、後述する遊技状態設定処理を行う(S2716)。続いて、特図1の抽選に基づく大当たり遊技の終了であれば第1大当たりフラグをOFFし、特図2の抽選に基づく大当たり遊技の終了であれば第2大当たりフラグをOFFする(S2717)。その後、特図1の抽選に基づく大当たり遊技の終了であれば第1特別動作ステータスを「1」にセットし、特図2の抽選に基づく大当たり遊技の終了であれば第2特別動作ステータスを「1」にセットして(S2718)、本処理を終える。こうして特図1の抽選に基づく大当たり遊技の実行で、第1特別動作ステータスが「4」にセットされている間は、図19に示す第2特別動作処理(S107)における各処理S1103,S1105,S1107,S1109,S1110が実行されない。また、特図2の抽選に基づく大当たり遊技の実行で、第2特別動作ステータスが「4」にセットされている間は、図18に示す第1特別動作処理(S106)における各処理S1003,S1005,S1007,S1009が実行されないことになる。
[遊技状態設定処理]遊技状態設定処理(S2716)は、当選した大当たり図柄(大当たり)の種類(図9参照)に基づいて、大当たり遊技後の遊技状態を、低確率状態且つ時短状態、高確率状態且つ時短状態、又は、高確率状態且つ非時短状態(小当たりラッシュ)に制御するための処理である。図37に示すように、遊技状態設定処理(S2716)ではまず、今回の大当たり遊技の実行契機となった大当たり図柄が、時短状態への制御契機となる図柄(図9参照)であるか否かを判定する(S2801)。この判定結果がNOであればステップS2804に進むが、判定結果がYESであれば、時短フラグをONするとともに(S2802)、大当たり図柄の種別に応じた時短回数(すなわち「30」又は「10000」)を時短カウンタにセットして(S2803)、ステップS2804に進む。
ステップS2804では、今回の大当たり遊技の実行契機となった大当たり図柄が、高確率状態への制御契機となる図柄(図9参照)であるか否かを判定する。この判定結果がNOであればステップS2807に進むが、判定結果がYESであれば、確変フラグをONするとともに(S2805)、確変回数(すなわち「10000」)を確変カウンタにセットして(S2806)、ステップS2807に進む。
ステップS2807では、遊技制御用マイコン101は、遊技状態フラグ更新処理(S2807)を行う。遊技状態フラグ更新処理(S2807)では、遊技状態フラグの値を、現在の遊技状態に応じた値にセットする。具体的には、この遊技状態フラグ更新処理(S2807)では、時短フラグがONであって確変フラグがOFFであれば低確率状態且つ時短状態であるため、遊技状態フラグの値を「2」にセットし、時短フラグ及び確変フラグが共にONであれば高確率状態且つ時短状態であるため、遊技状態フラグの値を「3」にセットし、時短フラグがOFFであって確変フラグがONであれば高確率状態且つ非時短状態(詳細には高確非時短状態A)であるため、遊技状態フラグの値を「4」にセットする(図23-1中の表参照)。
続いて遊技制御用マイコン101は、高確非時短状態Aに設定したか否か(遊技状態フラグの値が「4」であるか否か)を判定する(S2808)。この判定結果がNOであればステップS2810に進むが、判定結果がYESであれば、高確非時短状態Bへの変更までの残りの特図変動の回数をカウントする変パタカウンタの値を「80」にセットして(S2809)、ステップS2810に進む。
ステップS2810では、遊技制御用マイコン101は、更新した遊技状態フラグの情報(すなわち現在の遊技状態の情報)を含む遊技状態指定コマンドを、遊技用RAM104の出力バッファにセットする(S2810)。このコマンドが出力されることにより、演出制御基板120に現在の遊技状態の情報が通知される。その後、遊技制御用マイコン101は、天井カウンタの値を「800」にセットして(S2811)、本処理を終える。
[特別電動役物処理2(小当たり遊技)]特別電動役物処理2は、小当たり遊技の実行のための処理である。図38に示すように、特別電動役物処理2(S1110)ではまず、小当たり終了フラグがONであるか否かを判定する(S2901)。小当たり終了フラグは、実行中の小当たり遊技において大入賞装置(第2大入賞装置15D)の開放が全て終了したことを示すフラグである。
小当たり終了フラグがONでなければ(S2901でNO)、第2大入賞口15の開放中か否か(すなわち第2大入賞装置15Dの開放中か否か)を判定する(S2902)。開放中でなければ(S2902でNO)、第2大入賞口15を開放させる時間に至ったか否か、すなわち所定の開放前インターバル時間が経過して第2大入賞口15の開放を開始する時間に至ったか否かを判定する(S2903)。本形態では開放前インターバル時間(OP時間)は「0.008秒」であり(図9参照)、極めて短い時間に設定している。
ステップS2903の判定結果がNOであれば、そのまま処理を終える。一方、ステップS2903の判定結果がYESであれば、所定の開放パターン(図9の小当たりの欄参照)に従って第2大入賞口15を開放させる(S2904)。
ステップS2902において第2大入賞口15の開放中であれば(S2902でYES)、第2大入賞口15への入賞個数が規定の最大入賞個数(本形態では3個)に達しているか否かを判定する(S2905)。規定入賞個数に達していなければ(S2905でNO)、第2大入賞口15の開放時間が経過したか否か(すなわち第2大入賞口15を開放してから所定の開放時間(本形態では小当たり図柄aであれば0.3秒、小当たり図柄bであれば1.8秒)が経過したか否か)を判定する(S2906)。そして、第2大入賞口15の開放時間が経過していなければ(S2906でNO)、処理を終える。なお、第2大入賞口15への最大入賞個数は、遊技に支障をきたさない範囲で適宜変更可能である。
これに対して、規定入賞個数に達している場合(S2905でYES)又は第2大入賞口15の開放時間が経過した場合(S2906でYES)、すなわち2つの開放終了条件のうちのいずれかが満たされている場合には、第2大入賞口15を閉鎖(閉塞)する(S2907)。そして、小当たり終了フラグをセットして(S2908)処理を終える。
またステップS2901において小当たり終了フラグがONであれば(S2901でYES)、小当たり遊技における第2大入賞口15の閉鎖後の所定時間(閉鎖後インターバル時間)が経過したか否かを判定し(S2909)、閉鎖後インターバル時間が経過していなければ(S2909でNO)処理を終える。本形態では閉鎖後インターバル時間(ED時間)は、「0.3秒」であり、極めて短い時間に設定している。なおED時間を、第2大入賞装置15D内へ入賞した遊技球が当該第2大入賞装置15D外へ排出されるのを確認可能な時間(1000ms程度の短時間)としても良い。
一方、閉鎖後インターバル時間が経過していれば(S2909でYES)、小当たり終了フラグをOFFするとともに(S2910)、小当たりフラグをOFFする(S2911)。続いて、演出制御基板120(演出制御用マイコン121)に小当たり遊技の終了を知らせるべく、小当たり遊技終了コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする(S2912)。そして、第2特別動作ステータスを「1」にセットして(S2913)、本処理を終える。こうして特図2の抽選に基づく小当たり遊技の実行で、第2特別動作ステータスが「5」にセットされている間は、図18に示す第1特別動作処理(S106)における各処理S1003,S1005,S1007,S1009が実行されないことになる。
6.演出制御用マイコン121の動作
次に、図39~図45-2に基づいて演出制御用マイコン121の動作について説明する。なお、演出制御用マイコン121の動作の説明において登場するカウンタ、タイマ、フラグ、バッファ等は、演出用RAM124に設けられている。
[サブ制御メイン処理]演出制御用マイコン121は、パチンコ遊技機PY1が電源投入されると、図39に示したサブ制御メイン処理のプログラムを演出用ROM123から読み出して実行する。同図に示すように、サブ制御メイン処理では、最初に、電源投入に応じた電源投入時処理を行う(S4001)。電源投入時処理では、例えば、演出用CPU122の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間の管理のための回路)等の設定等を行う。
次に、割り込みを禁止し(S4002)、乱数更新処理を実行する(S4003)。乱数更新処理(S4003)では、種々の演出に関する判定を行うための種々の演出判定用乱数カウンタの値を更新する。種々の演出についての演出判定用乱数カウンタの更新方法は、一例として、前述の遊技制御基板100が行う乱数更新処理と同様の方法をとることができる。更新に際して乱数値を1ずつ加算するのではなく、2ずつ加算するなどしてもよい。これは、前述の遊技制御基板100が行う乱数更新処理においても同様である。
乱数更新処理が終了すると、コマンド送信処理を実行する(S4004)。コマンド送信処理(S4004)では、演出制御基板120の演出用RAM124内の出力バッファに格納されている各種のコマンドを、画像制御基板140に送信する。コマンドを受信した画像制御基板140は、受信したコマンドに従って、表示画面50a(表示部)に画像を表示する(画像による種々の演出を実行する)。なお、演出制御基板120は、画像制御基板140によって行われる種々の演出とともに、音声制御基板161を介してスピーカ610から音声を出力させたり(音声による種々の音演出を実行したり)、サブドライブ基板162を介して盤ランプ54や枠ランプ212を発光させたり(発光による種々の発光演出を実行したり)、盤可動体55kを作動させたり(動作による種々の可動体演出を実行したり)する。このようにして、各種の演出(変動演出、保留演出、可動体演出、操作演出、先読み演出、その他の予告演出、特別遊技に伴うオープニング演出、開放遊技演出、エンディング演出、客待ち演出、演出モードの制御など)が実現される。
演出制御用マイコン121は続いて、割り込みを許可する(S4005)。以降、ステップS4002~S4005をループさせる。割り込み許可中においては、受信割り込み処理(S4010)、1msタイマ割り込み処理(S4011)、および10msタイマ割り込み処理(S4012)の実行が可能となる。
受信割り込み処理(S4010)は、遊技制御基板100から送られた各種のコマンドが演出制御用マイコン121に入力される度に実行される。受信割り込み処理(S4010)では、演出制御用マイコン121は遊技制御基板100の出力処理(S101)により送信されてきて受信した各種のコマンドを演出用RAM124の受信バッファに格納する。この受信割り込み処理は、他の割り込み処理(S4011,S4012)に優先して実行される。
[1msタイマ割り込み処理]1msタイマ割り込み処理(S4011)は、演出制御基板120に1msec周期の割り込みパルスが入力される度に実行される。1msタイマ割り込み処理(S4011)では、図40に示すように、入力処理(S4101)、発光データ出力処理(S4102)、可動体制御処理(S4103)、ウォッチドッグタイマ処理(S4104)を順次行う。
入力処理では、演出ボタン検知センサ40aやセレクトボタン検知センサ42aなどの遊技者が操作可能な操作部に対する操作を検出し、検出結果に応じてコマンドをセットしたり演出用データを作成したりする。発光データ出力処理では、入力処理や後述する演出データ作成処理等で作成された演出用データに基づいて、画像による演出等に合うタイミングなどで枠ランプ212、および盤ランプ54などのランプを発光させるべく、発光データ(ランプデータ)をサブドライブ基板162に出力する。つまり、演出制御用マイコン121は、発光データに従って枠ランプ212、および盤ランプ54などを所定の発光態様で発光させる。可動体制御処理では、入力処理や後述する演出データ作成処理等で作成された演出用データに基づいて、所定のタイミングで盤可動体55kなどの可動体を動作させる可動体演出を行うべく、駆動データを出力する。つまり、演出制御用マイコン121は、駆動データに従って、盤可動体55kなどを所定の動作態様で動作させる可動体演出を行う。ウォッチドッグタイマ処理では、ウォッチドッグタイマのリセット設定を行う。
[10msタイマ割り込み処理]10msタイマ割り込み処理(S4012)は、演出制御基板120に10msec周期の割り込みパルスが入力される度に実行される。10msタイマ割り込み処理(S4012)では、図41に示すように、受信コマンド解析処理(S4201)、演出タイマ更新処理(S4202)、音声制御処理(S4203)、演出用データ作成処理(S4204)を順次行う。
受信コマンド解析処理では、受信割り込み処理(S4010)によって演出用RAM124の受信バッファに格納されたコマンドを解析し、そのコマンドに応じた処理(例えば演出の選択や演出モードの設定、コマンドのセット等)を行う。受信コマンド解析処理については後に詳述する。演出タイマ更新処理では、各演出に関する時間を計測するためのタイマを更新する。例えば、演出タイマ更新処理では、演出ボタン40kやセレクトボタン42kといった操作部の操作有効期間の開始タイミングや終了タイミングを計測する。音声制御処理では、入力処理や受信コマンド解析処理の処理結果に基づいて、音声データ(スピーカ610からの音声の出力を制御するデータ)の作成と音声制御基板161への出力が行われる。演出用データ作成処理では、受信コマンド解析処理の処理結果に基づいて、演出用データの作成が行われる。
[受信コマンド解析処理]次に、受信コマンド解析処理(S4201)について、図42に基づいて詳述する。受信コマンド解析処理(S4201)ではまず、図42に示すように、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から特図入賞コマンド(特図1入賞コマンド又は特図2入賞コマンド)を受信したか否か判定し(S4401)、受信していれば後述の先読み演出判定処理(S4402)を行う。
続いて、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から遊技状態指定コマンドを受信したか否か判定し(S4403)、受信していれば後述の演出モード更新処理(S4404)を行う。
続いて、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から変動開始コマンド(特図1変動開始コマンド又は特図2変動開始コマンド)を受信したか否か判定し(S4405)、受信していれば後述の変動演出開始処理(S4406)を行う。
続いて、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から変動停止コマンドを受信したか否か判定し(S4407)、受信していれば後述の変動演出終了処理(S4408)を行う。
続いて、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100からオープニングコマンドを受信したか否か判定し(S4409)、受信していればオープニング演出選択処理(S4410)を行う。オープニング演出選択処理(S4410)では、オープニングコマンドを解析して、その解析結果に基づいて、特別遊技(大当たり遊技、小当たり遊技)のオープニング中に実行するオープニング演出のパターン(内容)を選択する。そして、選択したオープニング演出パターンにてオープニング演出を開始するためのオープニング演出開始コマンドを演出用RMA124の出力バッファにセットする。
続いて、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100からラウンド指定コマンドを受信したか否か判定し(S4411)、受信していればラウンド演出選択処理(S4412)を行う。ラウンド演出選択処理(S4412)では、ラウンド指定コマンドを解析して、その解析結果に基づいて、ラウンド遊技中に実行するラウンド演出(開放遊技演出)のパターン(内容)を選択する。そして、選択したラウンド演出パターンにてラウンド演出を開始するためのラウンド演出開始コマンドを演出用RMA124の出力バッファにセットする。
続いて、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100からエンディングコマンドを受信したか否か判定し(S4413)、受信していればエンディング演出選択処理(S4414)を行う。エンディング演出選択処理(S4414)では、エンディングコマンドを解析して、その解析結果に基づいて、大当たり遊技のエンディング中に実行するエンディング演出のパターン(内容)を選択する。そして、選択したエンディング演出パターンにてエンディング演出を開始するためのエンディング演出開始コマンドを演出用RMA124の出力バッファにセットする。
続いて、演出制御用マイコン121は、その他の処理(S4415)として、上記のコマンド以外の受信コマンドに基づく処理を行って、受信コマンド解析処理を終える。
[先読み演出判定処理]図43-1に示すように、先読み演出判定処理(S4402)ではまず、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から受信した特図入賞コマンドを演出用RMA124の特図保留演出記憶部(第1特図保留演出記憶部又は第2特図保留演出記憶部)に記憶する(S5001)。詳細には、受信したコマンドが特図1入賞コマンドであれば、第1特図保留演出記憶部に記憶し、特図2入賞コマンドであれば、第2特図保留演出記憶部に記憶する。なお、特図入賞コマンドは、各特図保留演出記憶部において第1~第4まである記憶領域のうち当該コマンドが記憶されていない最も番号の小さい記憶領域に記憶される。これにより、特図保留の記憶順に対応した順で特図入賞コマンドが記憶されていくことになる。
続くステップS5002では、ステップS5001で記憶した特図入賞コマンドが特図1入賞コマンドであれば、演出用RMA124に設けられた第1特図保留演出カウンタの値を「1」加算して更新し、特図2入賞コマンドであれば、演出用RMA124に設けられた第2特図保留演出カウンタの値を「1」加算して更新する。なお、第1特図保留演出カウンタは、第1特図保留の数を計数するサブ側(演出制御基板120側)のカウンタである。同様に、第2特図保留演出カウンタは、第2特図保留の数を計数するサブ側のカウンタである。
続いて演出制御用マイコン121は、先読み演出の実行抽選処理(S5003)を行う。
[先読み演出の実行抽選処理]先読み演出の実行抽選処理(S5003)では、ステップS5001で格納した特図入賞コマンドに基づいて、所謂連続予告や保留変化予告などの先読み演出を行うか否かを決定し、行う場合には、先読み演出に関する各種の設定を行う。なお、連続予告とは、複数回の特図変動にわたって実行され得る相互に関連した予告演出のことである。また、保留変化予告とは、通常表示態様の演出保留画像に代えて、通常表示態様よりも大当たり当選期待度が高い特別表示態様の演出保留画像を表示する予告演出のことである。
具体的には図43-2に示すように、先読み演出の実行抽選処理(S5003)ではまず、演出制御用マイコン121は、現在の遊技状態が高確非時短状態であるか否かを判定する(S5011)。なお、特図入賞コマンドには入賞時の遊技状態を示す遊技状態情報が含まれている。
ステップS5011の判定結果がYESである場合、高確非時短状態であるため、続いて、特図2に係る入賞コマンドであるか否かを判定する(S5012)。特図2に係る入賞コマンドでなければ、特図1に係る入賞コマンドであるため、ステップS5013~S5017の処理を行うことなく、ステップS5020に進む。このようにしているのは、高確非時短状態では主特図が特図2であるため、特図2に係る入賞に対してのみ先読み演出を行い、特図1に係る入賞に対しては先読み演出を行わないためである。
ステップS5012において特図2に係る入賞コマンドであると判定した場合には、続いて、今回受信した特図2入賞コマンドが示す先読み判定の結果が小当たりであるか否かを判定する(S5013)。この判定結果がNOであればステップS5015に進むが、判定結果がYESであれば、小当たり保留カウンタの値を1インクリメントしてから(S5014)、ステップS5015に進む。小当たり保留カウンタは、小当たり保留(特図変動の開始時の大当たり判定処理において小当たり当選と判定される予定の特図保留)の数をカウントするカウンタである。
ステップS5015では、演出制御用マイコン121は、先読み演出の実行可能条件(「先読み演出条件」とも言う)を満たすか否かを判定する。そして、先読み演出条件を満たしている場合には(S5015でYES)、先読み演出の抽選を行って(S5016)、ステップS5020に進む。一方、先読み演出条件を満たしていなければ(S5015でNO)、続いて、後述の小当たりラッシュ演出モードB(高確非時短状態Bに対応する演出モード)であるか否かを判定し(S5017)、小当たりラッシュ演出モードBであれば(S5017でYES)、先読み演出の抽選を行うが(S5016)、小当たりラッシュ演出モードBでなければ(S5017でNO)、先読み演出の抽選を行うことなく(ステップS5016を行うことなく)、ステップS5020に進む。
先読み演出条件については後に詳述するが、簡単に言うと、高確非時短状態(より詳細には、後述の小当たりラッシュ演出モードAであるとき)における先読み演出の実行可能条件(言い換えれば、禁則条件)を、小当たり遊技の実行による特図1の強制停止による特図変動回数の増加を考慮しつつも、先読み演出が最大限行われるように定めたものである。この先読み演出条件は、本形態のパチンコ遊技機PY1の特徴の1つである。なお、ステップS5014でカウントしている小当たり保留カウンタの値は、先読み演出条件における変数の1つである。
ここで、ステップS5016における先読み演出の抽選の具体例を図43-2中の表に基づいて説明する。図43-2は、小当たりラッシュ演出モードA(高確非時短状態Aに対応する演出モード)における先読み演出抽選テーブルのうち、変動時エフェクトの連続予告(以下単に「変動時エフェクト」とも言う)に係るものを示している。変動時エフェクトは、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の変動開始に際して、各演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の周囲等に特定エフェクト画像GEを表示する先読み演出である(図55参照)。変動時エフェクトについては、後に具体的に説明する。
変動時エフェクトの抽選では、演出制御用マイコン121は、図43-2中の表に示すように、特図2入賞コマンドが示す先読み判定(入賞時に行われる当否等の判定)の結果が、SPリーチを行う大当たり(SPリーチ大当たり)である場合、及び、SPリーチは行わないがNリーチを行う大当たり(Nリーチ大当たり)である場合には、30%の確率で変動時エフェクトを行う決定をする。また、特図2入賞コマンドが示す先読み判定の結果が、SPリーチを行うハズレ(SPリーチハズレ)である場合、及び、SPリーチは行わないがNリーチを行うハズレ(Nリーチハズレ)である場合には、15%の確率で変動時エフェクトを行う決定をする。また、特図2入賞コマンドが示す先読み判定の結果が、リーチ無しハズレである場合には、5%の確率で変動時エフェクトを行う決定をする。なお、特図2入賞コマンドが示す先読み判定の結果が、小当たりである場合には、変動時エフェクトを行う旨の決定をすることはない(実行確率0%)。
このように、変動時エフェクトは、大当たり当選の先読み判定結果である場合の方が、ハズレや小当たり当選の先読み判定結果である場合よりも実行確率が高いため、大当たりに当選する期待度(大当たり期待度)が高いことを示唆する演出として機能する。また、変動時エフェクトは、SPリーチハズレやNリーチハズレの先読み判定結果である場合の方が、リーチ無しハズレの先読み判定結果である場合よりも実行確率が高いため、リーチが成立する期待度(リーチ期待度)が高いことを示唆する演出としても機能する。
なおここでは、変動時エフェクトのみを説明したが、本形態のパチンコ遊技機PY1は、変動時エフェクト以外の公知の先読み演出(保留変化予告、ゾーン予告、演出用の可動体を動作させる連続予告など)を適宜実行可能であるものとし、ステップS5016では、これらの先読み演出についても抽選しているものとする。また、小当たりラッシュ演出モードB(高確非時短状態Bに対応する演出モード)における先読み演出には、高確非時短状態Aで実行され得る先読み演出とは異なる種類のものが含まれ、小当たりラッシュ演出モードBにおける先読み演出の抽選は、小当たりラッシュ演出モードAとは異なる抽選テーブルに基づいて行われるものとする。
ステップS5011において高確非時短状態でないと判定した場合(S5011でNO)、低確非時短状態であるか時短状態(低確時短状態、高確時短状態)であるため、続いて、特図1に係る入賞コマンドであるか否かを判定する(S5018)。特図1に係る入賞コマンドであれば、先読み演出の実行抽選を行ってステップS5020に進むが、特図1に係る入賞コマンドでなければ、特図2に係る入賞コマンドであるため、先読み演出の抽選を行うことなくステップS5020に進む。このようにしているのは、高確非時短状態以外の遊技状態では主特図が特図1であるため、特図1に係る入賞に対してのみ先読み演出を行い、特図2に係る入賞に対しては先読み演出を行わないためである。なお、高確非時短状態以外の遊技状態における先読み演出の実行可能条件(禁則条件)については説明を省略するが、遊技に支障をきたさない範囲で適宜定められているものとする。
ステップS5020では、上述の先読み演出の抽選(ステップS5016,S5019)において先読み演出を実行すると決定したか否かを判定する。先読み演出を実行しない場合(先読み演出の抽選に当選していない場合)には、ステップS5021を行うことなく、本処理を終える。一方、先読み演出を実行する場合(先読み演出の抽選に当選した場合)には、その先読み演出の実行設定処理を行う(S5021)。
先読み演出の実行設定処理(S5021)では、当選した先読み演出を実行するための各種の設定を行う。例えば、変動時エフェクトを行う場合には、連続予告中であることを示す連続予告フラグをONにしたり、連続予告の回数をカウントする連続予告カウンタに値をセットしたりする。先読み演出の実行設定処理の詳細については省略するが、各種の先読み演出について公知の処理が行われることで、各種の先読み演出が実行可能となっているものとする。
[演出モード更新処理]図44に示すように、演出モード更新処理(S4404)ではまず、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から受信した遊技状態指定コマンドを解析して(S5101)、遊技状態指定コマンドが示す遊技状態と、演出用RAM124の所定の記憶領域に記憶されている遊技状態とが異なるか否か、即ち、遊技状態の変更が有ったか否かを判定する(S5102)。遊技状態の変更があった場合には、今回、遊技状態指定コマンドにより取得した遊技状態の情報を、演出用RAM124の所定の記憶領域に記憶する(S5103)。つまり、演出制御用マイコン121が自身で保持している現在の遊技状態に関する情報を更新する。
続いて、遊技制御用マイコン101は、大当たり遊技の直後であるか否か、すなわち、今回の演出モード更新処理が大当たり遊技の終了に際して遊技制御基板100から送信された遊技状態指定コマンドに基づくものであるか否かを判定する(S5104)。なお、遊技状態指定コマンドには、送信タイミングの情報(すなわち、大当たり遊技の終了に際して送られたものであるのか、特図変動の開始に際して送られたものであるのかの情報)が含まれているものとする。
ステップS5104の判定結果がYESである場合、演出モードを示すモードステータスの値を、現在の遊技状態に応じた値に更新して(S5105)、そのモードステータスが示す演出モードに設定するための演出モード設定コマンドを、演出用RAM124の出力バッファにセットする(S5106)。演出モード設定コマンドが画像制御基板140に送信されると、画像制御基板140は、受信した演出モード設定コマンドが示す演出モードに対応する背景画像等を表示画面50aに表示させる。
なお、演出モードとは、画像表示装置50、スピーカ610、盤ランプ54、及び枠ランプ212等を用いた演出の態様であり、演出モードが異なると、例えば画像表示装置50に表示されるキャラクタや背景画像等が異なり、変動演出も演出モードに応じた態様で実行される。
ここで、図44中の表に示すように、演出制御用マイコン121は、遊技状態が「低確非時短状態」である場合には、通常演出モード(昼背景モード)に設定する。通常演出モードに対応するモードステータスの値は「1」である。また、遊技状態が「低確時短状態」である場合には、時短演出モード(特殊昼背景モード)に設定する。時短演出モードに対応するモードステータスの値は「2」である。また、遊技状態が「高確時短状態」である場合には、確変演出モード(夜背景モード)に設定する。確変演出モードに対応するモードステータスの値は「3」である。また、遊技状態が「高確非時短状態A」である場合には、小当たりラッシュ演出モードA(超夜背景モード)に設定する。小当たりラッシュ演出モードAに対応するモードステータスの値は「4」である。また、遊技状態が「高確非時短状態B」である場合には、小当たりラッシュ演出モードB(宇宙背景モード)に設定する。小当たりラッシュ演出モードBに対応するモードステータスの値は「5」である。なお、各演出モードについては、後に具体的に説明する。
ステップS5106に続いて、演出制御用マイコン121は、小当たりラッシュ演出モードA(高確非時短状態Aに対応する演出モード)であるか否かを判定する(S5107)。この判定結果がNOであれば、本処理を終えるが、判定結果がYESであれば、変更残カウンタの値を「80」にセットしてから(S5108)、本処理を終える。変更残カウンタは、小当たりラッシュ演出モードA(超夜背景モード)から小当たりラッシュ演出モードB(宇宙背景モード)に変更するまでの残りの変動回数をカウントするカウンタである。
また、ステップS5104の判定結果がNOである場合、演出制御用マイコン121は、モード変更予定フラグをONして(S5109)、本処理を終える。また、ステップS5102の判定結果がNOである場合、演出制御用マイコン121は、続いて、モード変更予定フラグがONであるか否かを判定する(S5110)。モード変更予定フラグがONでない場合には直ちに本処理を終えるが、ONである場合には、モード変更予定フラグをOFFして(S5111)、ステップS5105およびステップS5106の処理を行う。すなわち、モードステータスの値を、現在の遊技状態に応じた値に更新して(S5105)、そのモードステータスが示す演出モードに設定するための演出モード設定コマンドを、演出用RAM124の出力バッファにセットする(S5106)。その後、ステップS5107の判定結果がNOとなるので、本処理を終える。
このように本形態のパチンコ遊技機PY1は、特図変動の開始時の遊技状態管理処理(S1204,S1604、図23-1参照)において遊技状態が変更された場合には、その特図変動の開始時に直ちに演出モードを変更するわけではなく、次の特図変動の開始時に遊技状態指定コマンドを受信したことに応じて、演出モードを変更する。これにより、特図変動の開始時に遊技制御用マイコン101が遊技状態を変更したとしても、低確時短状態における最終変動となる30回転目の特図変動が終了するまでは時短演出モードを継続させることができ、また、天井到達となる800回転目の特図変動が終了するまでは通常演出モードを継続させることができる。また、高確非時短状態において80回転目の特図変動が終了するまでは小当たりラッシュ演出モードA(超夜背景モード)が継続され、81回転目の特図変動の開始に際して、小当たりラッシュ演出モードB(宇宙背景モード)に変更されることとなる。
[変動演出開始処理]図45-1に示すように、変動演出開始処理(S4406)ではまず、演出制御用マイコン121は、変動開始コマンド(特図1変動開始コマンド又は特図2変動開始コマンド)を解析する(S5201)。変動開始コマンドには、特図1変動パターン選択処理(S1203)でセットされた特図変動パターンの情報、又は、特図2変動パターン選択処理(S1603)でセットされた特図変動パターンの情報が含まれている。
続くステップS5202では、ステップS5201で解析した変動開始コマンドが特図1変動開始コマンドであれば、第1特図保留演出カウンタのカウンタ値を「1」減算し、特図2変動開始コマンドであれば、第2特図保留演出カウンタのカウンタ値を「1」減算する。そして、特図保留演出記憶部(第1特図保留演出記憶部又は第2特図保留演出記憶部)に記憶されているデータのシフト処理を行う(S5203)。
各特図(特図1、特図2)に関するシフト処理では、各特図保留演出記憶部の第1記憶領域~第4記憶領域に記憶されている特図入賞コマンド等の各データを1つ前の記憶領域にシフトさせるとともに、第4記憶領域をクリアする。例えば、第1特図保留演出記憶部の第4記憶領域に記憶されているデータは、第1特図保留演出記憶部の第3記憶領域にシフトされ、第4記憶領域はクリアされる。また、第1特図保留演出記憶部の第1記憶領域に記憶されているデータは、第1特図保留演出記憶部および第2特図保留演出記憶部に共通の当該変動用演出記憶部(第0記憶領域)にシフトされ、当該変動用演出記憶部に記憶されていたデータは消去される。
続いて、演出制御用マイコン121は、現在の遊技状態が低確非時短状態、低確時短状態、及び、高確時短状態の何れかであるか否かを判定する(S5204)。この判定結果がYESである場合には、続いて、今回受信した変動開始コマンドが特図1変動開始コマンドであるか否かを判定する(S5205)。そして、特図1変動開始コマンドであれば、モードステータスを参照して(S5206)、変動演出パターン選択処理(S5207)を行う。変動演出パターン選択処理(S5207)では、ステップS5206で参照したモードステータス及びステップS5201で解析した変動開始コマンドが示す特図変動パターンに基づいて、変動演出の演出内容(変動演出パターン)を選択する。また、この変動演出パターン選択処理(S5207)では、変動演出に伴う各種の予告演出の設定も行う。例えば、上述の先読み演出の実行抽選処理(S5003)において連続予告(予告演出の一種)を行うと決定している場合には、変動演出に連続予告を伴わせるよう設定を行う。
その後、演出制御用マイコン121は、ステップS5207で選択した変動演出パターンの変動演出や、設定された予告演出を開始するための変動演出開始コマンドを、演出用RMA124の出力バッファにセットして(S5208)、本処理を終える。ステップS5208でセットされた変動演出開始コマンドが、コマンド送信処理(S4004)により画像制御基板140に送信されると、画像制御基板140は、受信した変動演出開始コマンドに基づいて画像表示装置50の表示画面50aにて変動演出や各種の予告演出を行う。
また、遊技制御用マイコン101は、ステップS5205の判定結果がNOである場合、すなわち、今回受信した変動開始コマンドが特図2変動開始コマンドである場合には、直ちに本処理を終える。すなわち、変動演出パターンの選択や変動演出開始コマンドのセットを行わない。このように本形態のパチンコ遊技機PY1は、低確非時短状態、低確時短状態、及び、高確時短状態では、主特図である特図1の変動表示に伴って変動演出を行うが、逆特図である特図2の変動表示に伴って変動演出を行うことはない。
また、遊技制御用マイコン101は、ステップS5204の判定結果がNOである場合、すなわち、現在の遊技状態が高確非時短状態(小当たりラッシュ状態)である場合には、続いて、今回受信した変動開始コマンドが特図2変動開始コマンドであるか否かを判定する(S5209)。そして、特図2変動開始コマンドであれば、続いて、今回変動を開始する特図2の変動が小当たり変動(小当たり当選の判定結果に基づく変動)であるか否かを判定する(S5210)。小当たり変動でなければステップS5211を行うことなくステップS5206に進むが、小当たり変動であれば、小当たり保留カウンタの値を1ディクリメントしてから(S5211)、ステップS5206に進む。そして、演出制御用マイコン121は、モードステータスを参照して(S5206)、変動演出パターン選択処理(S5207)を行い、ステップS5207で選択した変動演出パターンの変動演出や、設定した各種の予告演出を開始するための変動演出開始コマンドを、演出用RMA124の出力バッファにセットして(S5208)、本処理を終える。なお、特図2の変動演出に伴う予告演出には、先読み演出としての変動時エフェクトが含まれる。
一方、ステップS5209の判定結果がNOである場合、すなわち、今回受信した変動開始コマンドが特図1変動開始コマンドである場合には、変動演出パターンの選択や変動演出開始コマンドのセットを行うことはなく、直ちに本処理を終える。このように本形態のパチンコ遊技機PY1は、高確非時短状態(小当たりラッシュ状態)では、主特図である特図2の変動表示に伴って変動演出を行うが、逆特図である特図1の変動表示に伴って変動演出を行うことはない。
このように本形態のパチンコ遊技機PY1では、何れの遊技状態においても主特図の変動表示に並行して、これに対応する変動演出を行う一方で、逆特図の変動表示が行われても、これに対応する変動演出を行わないため、演出が煩雑となるのを防止でき、遊技興趣の低下を抑制することが可能である。なお、特図1の変動表示に伴って行われる変動演出を第1の変動演出と言い、特図2の変動表示に伴って行われる変動演出を第2の変動演出と言う。
[変動演出終了処理]図45-2に示すように、変動演出終了処理(S4408)ではまず、演出制御用マイコン121は、変動停止コマンド(特図1変動停止コマンド又は特図2変動停止コマンド)を解析する(S5301)。
続くステップS5302では、現在の遊技状態が低確非時短状態、低確時短状態、又は、高確時短状態の何れか(すなわち特図1が主特図である遊技状態)であるか否かを判定する。この判定結果がYESであれば続いて、今回受信した変動停止コマンドが特図1変動停止コマンドであるか否かを判定し(S5303)、特図1変動停止コマンドでなければステップS5306に進むが、特図1変動停止コマンドであれば、特図1に係る変動演出において演出図柄EZ1,EZ2,EZ3を確定的に停止表示させるための変動演出終了コマンドを演出用RMA124の出力バッファにセットして(S5304)、ステップS5306に進む。
一方、ステップS5302の判定結果がNOであれば、高確非時短状態(すなわち特図2が主特図である遊技状態)であるため、続いて、今回受信した変動停止コマンドが特図2変動停止コマンドであるか否かを判定し(S5305)、特図2変動停止コマンドでなければステップS5306に進むが、特図2変動停止コマンドであれば、特図2に係る変動演出において演出図柄EZ1,EZ2,EZ3を確定的に停止表示させるための変動演出終了コマンドを演出用RMA124の出力バッファにセットして(S5304)、ステップS5306に進む。
ステップS5306でセットされた変動演出終了コマンドが、コマンド送信処理(S4004)により画像制御基板140に送信されると、画像制御基板140は、受信した変動演出終了コマンドに基づいて、画像表示装置50の表示画面50aにて演出図柄EZ1,EZ2,EZ3を確定的に停止表示させる。
ステップS5306では、演出制御用マイコン121は、高確非時短状態Aに対応する小当たりラッシュ演出モードA(超夜背景モード)であるか否かを判定する。そして、小当たりラッシュ演出モードAでなければ(S5306でNO)、本処理を終えるが、小当たりラッシュ演出モードAであれば(S5306でYES)、高確非時短状態Aに対応する小当たりラッシュ演出モードAから、高確非時短状態Bに対応する小当たりラッシュ演出モードB(宇宙背景モード)への変更までの残りの変動回数をカウントするための変更残カウンタの値を1ディクリメントして(S5307)、本処理を終える。
7.特別図柄の強制停止についての説明
上述したように、本形態のパチンコ遊技機PY1は、特図1(第1特別図柄)および特図2(第2特別図柄)のうちの一方の抽選に基づいて大当たり遊技又は小当たり遊技を実行する場合には、その開始に際して、他方の特図を強制的にハズレ図柄で停止表示することとしている。このことについて、図46のタイミングチャートに基づいて、具体的に説明する。
図46に示す例では、特図2の抽選に基づく小当たり変動と、特図1の抽選に基づくハズレ変動とが同時に実行されている(図46(A)(C)参照)。なおこの例は、高確非時短状態(小当たりラッシュ状態)であるとする。この例において、特図2の小当たり変動の変動時間および停止時間が経過すると、小当たり遊技(第2大入賞口15の開放と、その前後の閉鎖インターバルを含む)が実行される(図46(B)参照)。そして、この小当たり遊技の開始とともに、特図1のハズレ変動は、その変動時間の経過を待つことなく、ハズレ図柄で強制的に停止表示される(図46(B)(C)参照)。本形態のパチンコ遊技機PY1では、高確非時短状態における特図1の変動時間は10分と極めて長く設定されているところ、このように小当たり遊技が実行されることで、10分経過しなくても特図1の変動が終了することとなる。
なお、特図2の抽選に基づいて大当たり遊技が実行される場合も、その大当たり遊技の開始とともに、特図1の変動はハズレ図柄で強制的に停止表示される。また、特図1の抽選に基づいて大当たり遊技が実行される場合も、その大当たり遊技の開始とともに、特図2の変動はハズレ図柄で強制的に停止表示される。これは、何れの遊技状態であっても同じである。
8.本形態における遊技の流れ
次に、本形態のパチンコ遊技機PY1における遊技の流れについて、図47に基づいて説明する。図47に示すように、まず、低確非時短状態(通常遊技状態)においては左打ちにて遊技を進行し、第1始動口11への入賞に基づく特図1の抽選にて、大当たり当選を狙う。
第1始動口11への入賞に基づく特図1の抽選にて大当たりに当選した場合、大当たり図柄の種別が「特図1_大当たり図柄A」(4R通常大当たり)であれば、4Rの大当たり遊技の後、時短回数が30回の低確率状態且つ時短状態に移行する(図9参照)。また、大当たり図柄の種別が「特図1_大当たり図柄B」(4R確変大当たり)であれば、4Rの大当たり遊技の後、確変回数及び時短回数が共に10000回の高確率状態且つ時短状態(次の大当たりまで継続する高確時短状態)に移行する(図9参照)。また、大当たり図柄の種別が「特図1_大当たり図柄C」(10R確変大当たり)であれば、10Rの大当たり遊技の後、確変回数が10000回の高確率状態且つ非時短状態(次の大当たりまで継続する高確非時短状態)に移行する(図9参照)。なお、高確非時短状態には、高確非時短状態A(80回転まで)と高確非時短状態B(81回転以降)とが含まれる。
時短状態(低確時短状態、高確時短状態)中は、右打ちにて遊技を進行し、電チュー12Dに係る第2始動口12への入賞に基づく特図1の抽選にて、大当たり当選を狙う。第2始動口12への入賞に基づく特図1の抽選にて大当たりに当選した場合には、第1始動口11への入賞に基づいて大当たりに当選した場合と同様、「特図1_大当たり図柄A」(4R通常大当たり)、「特図1_大当たり図柄B」(4R確変大当たり)、「特図1_大当たり図柄C」(10R確変大当たり)の何れかに振り分けられる。
これに対して、高確非時短状態中は、右打ちにて遊技を進行し、第3始動口13への入賞に基づく特図2の抽選にて、大当たり当選を狙う。この高確非時短状態は、小当たり当選に基づいて開放される第2大入賞口15への入賞が容易な「小当たりラッシュ」である。この小当たりラッシュ中、第2大入賞口15への入賞によって、遊技者は持ち球を増加させることが可能である。そのため遊技者は、小当たりラッシュができるだけ長く継続することに期待しながら遊技を進行する。小当たりラッシュは、第3始動口13への入賞に基づく特図2の抽選にて大当たりに当選することで終了する。特図2の抽選にて大当たりに当選した場合には、大当たり図柄の種別が「特図2_大当たり図柄D」(10R通常大当たり)であれば、10Rの大当たり遊技の後、時短回数が30回の低確率状態且つ時短状態に移行する(図9参照)。また、大当たり図柄の種別が「特図2_大当たり図柄E」(10R確変大当たり)であれば、10Rの大当たり遊技の後、確変回数及び時短回数が共に10000回の高確率状態且つ時短状態(次の大当たりまで継続する高確時短状態)に移行する(図9参照)。
低確時短状態において特図変動が30回実行されると、低確非時短状態(通常遊技状態)に戻る。そして低確非時短状態では、再び左打ちにて遊技を進行し、第1始動口11への入賞に基づく特図1の抽選にて大当たり当選を狙うこととなる。なお、低確非時短状態への移行は、低確時短状態における30回転目の特図変動の開始時に行われる。
ここで、本形態では、低確率状態において特図変動が800回行われると、言い換えれば、大当たり遊技の終了後に特図変動が800回行われると、天井到達となり、時短回数が777回の低確時短状態(天井時短状態)に移行する。低確時短状態では、右打ちにより遊技を進行し、電チュー12Dに係る第2始動口12への入賞に基づく特図1の抽選にて、大当たり当選を狙う。低確時短状態では、遊技者は持ち球を大きく減らすことなく、次の大当たり当選を狙うことが可能である。つまり本形態のパチンコ遊技機PY1では、天井到達に基づいて低確時短状態に移行することで、前回の大当たり遊技の終了から何変動もの間、遊技者に有利でない遊技が続くのを防止している。なお、天井到達に基づく低確時短状態への移行は、天井回数である800回転目の特図変動の開始時に行われる。
9.本形態における演出例
9-1.演出モード
次に、本形態のパチンコ遊技機PY1における演出例について、図48~図52に基づいて説明する。まず、演出モードについて説明する。演出モードとは、画像表示装置50、スピーカ610、盤ランプ54、及び枠ランプ212等を用いた演出の態様であり、演出モードが異なると、例えば画像表示装置50に表示されるキャラクタやアイテム、背景画像等が異なり、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3を用いた変動演出も演出モードに応じた態様で実行される。
本形態の演出モードには、図48(A)に示す通常の昼の背景画像が表示される通常演出モード(昼背景モード)、図48(B)に示す特別な昼の背景画像(通常の昼の背景画像と炎のエフェクト画像が組み合わされた背景画像)が表示される時短演出モード(特殊昼背景モード)、図48(C)に示す通常の夜の背景画像が表示される確変演出モード(夜背景モード)、図48(D)に示す特別な夜の背景画像(通常の夜の背景画像と星の画像が組み合わされた背景画像)が表示される小当たりラッシュ演出モードA(超夜背景モード)、図48(E)に示す宇宙の背景画像が表示される小当たりラッシュ演出モードB(宇宙背景モード)が含まれている。
昼背景モード(図48(A))は、低確非時短状態である場合に設定される演出モードである。つまり、低確非時短状態であって第1始動口11に係る特図1の抽選を主として遊技が進行される状態において設定される演出モードである。
特殊昼背景モード(図48(B))は、低確時短状態である場合に設定される演出モードである。つまり、低確時短状態であって第2始動口12に係る特図1の抽選を主として遊技が進行される状態において設定される演出モードである。時短状態では、右打ちにて第2始動口12への入賞を狙って遊技を進行させるため、特殊昼背景モードでは、演出制御用マイコン121は、右打ちにて遊技を行うべき旨を報知する右打ち報知画像RIを表示画面50aの右上部に表示する。また、特殊昼背景モードでは、当該演出モードの終了時期を示唆するため、演出制御用マイコン121は、当該演出モードの残りの変動回数を示す残回数表示ZIを表示画面50aの右下部に表示する。残回数表示ZIを、終了時期示唆表示とも言う。特殊昼背景モードにおける残回数表示ZIは、時短状態の残りの変動回数を示唆する表示としても機能する。
夜背景モード(図48(C))は、高確時短状態である場合に設定される演出モードである。つまり、高確時短状態であって第2始動口12に係る特図1の抽選を主として遊技が進行される状態において設定される演出モードである。夜背景モードにおいても、特殊昼背景モードと同様、右打ち報知画像RIが表示画面50aに表示される。
超夜背景モード(図48(D))は、高確非時短状態(小当たりラッシュ)のうち高確非時短状態A(80回転まで)である場合に設定される演出モードである。つまり、高確非時短状態Aであって第3始動口13に係る特図2の抽選を主として遊技が進行される状態において設定される演出モードである。超夜背景モードにおいても、夜背景モード等と同様、右打ち報知画像RIが表示画面50aに表示される。
宇宙背景モード(図48(E))は、高確非時短状態(小当たりラッシュ)のうち高確非時短状態B(81回転以降)である場合に設定される演出モードである。つまり、高確非時短状態Bであって第3始動口13に係る特図2の抽選を主として遊技が進行される状態において設定される演出モードである。宇宙背景モードにおいても、超夜背景モード等と同様、右打ち報知画像RIが表示画面50aに表示される。
9-2.変動演出
次に、変動演出について説明する。パチンコ遊技機PY1は、特別図柄の変動表示が開始されると、特別図柄の変動表示に係る変動パターンおよび特別図柄抽選の結果(大当たり判定や小当たり判定の結果、図柄種別判定の結果、リーチ判定の結果、および、変動パターン判定の結果)などに基づいて、変動演出を実行する。変動演出では、表示画面50aにおいて、所定の背景画像に重畳的に、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の変動表示が行われる。演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の変動表示では、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が変動した後に停止する。すなわち、特別図柄の変動時間にわたって、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の変動表示が行われた後に、当該変動が停止して、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の停止表示が行われる。そして、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の停止表示によって特別図柄抽選の結果が報知される。
9-2-1.演出図柄表示領域
画像表示装置50の表示画面50aには、図49(A)に示すように、表示画面50aを水平方向に3つに略均等に分けた左側、中央および右側それぞれに、左演出図柄領域50b1、中演出図柄領域50b2、および右演出図柄領域50b3が設けられている。左演出図柄領域50b1は、変動演出における演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の停止表示のときに、左演出図柄EZ1を表示する領域である。同様に、中演出図柄領域50b2および右演出図柄領域50b3は、中演出図柄EZ2および右演出図柄EZ3を表示する領域である。
また、図49(A)に示すように、表示画面50aの上端部の左端の一区画(左上部)には、小図柄領域50cが設けられている。小図柄領域50cは、特別図柄の変動表示が行われているときに小図柄KZ1,KZ2,KZ3を変動表示する領域である。なお、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3は、変動演出中に非表示となることがあるのに対して、小図柄KZ1,KZ2,KZ3は非表示となることがない。この点において、小図柄KZ1,KZ2,KZ3は演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の役割を補う図柄として機能する。
なお、図49(A)において、左演出図柄領域50b1、中演出図柄領域50b2、右演出図柄領域50b3、および小図柄領域50cは二点鎖線で明示されているが、これは左演出図柄領域50b1、中演出図柄領域50b2、右演出図柄領域50b3、および小図柄領域50cの範囲を表すために記載したものであり、実際には表示されていない。また、各領域の範囲は適宜に変更可能である。
9-2-2.通常変動
パチンコ遊技機PY1は、変動演出において、先ず通常変動を行うことが可能である。通常変動は、特別図柄の変動表示が開始されたことを示唆する演出として機能する。
特別図柄の変動表示が開始されると、例えば、図49(A)に示すように、表示画面50aにおいて、左演出図柄EZ1、中演出図柄EZ2および右演出図柄EZ3が停止表示されていると共に、左小図柄KZ1、中小図柄KZ2および右小図柄KZ3が停止表示されており、特別図柄の変動表示が行われておらず、特別図柄の変動表示を待機している状態から、図49(B)に示すように、その開始に伴って演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の変動表示が開始されると共に、小図柄KZ1,KZ2,KZ3の変動表示が開始される。そして、この特別図柄の変動表示の変動パターンが、例えば「通常ハズレ変動」(リーチ無しハズレの変動)の場合には、図49(C―1)に示すように、左演出図柄EZ1と右演出図柄EZ3とが異なる停止態様で仮停止してから、図49(D)に示すように、ハズレを示唆する停止態様(所謂バラケ目)で演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が停止表示する。このとき、小図柄KZ1,KZ2,KZ3もハズレを示唆する停止態様で一斉に停止表示する。一方、特別図柄の変動表示の変動パターンが、例えば「Nハズレ変動」(ノーマルリーチによってハズレが示されるリーチ有りハズレの変動)などのリーチ有りの変動パターンの場合には、図49(C―2)に示すように、左演出図柄EZ1と右演出図柄EZ3とが同じ停止態様で仮停止して、リーチが成立する。このとき、小図柄KZ1,KZ2,KZ3の変動表示は継続して行われ、変動パターンに応じたリーチ演出が行われる。なお、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の停止順序や停止態様は、適宜に変更することが可能である。
9-2-3.Nリーチ(ノーマルリーチ)
パチンコ遊技機PY1は、通常変動においてリーチが成立するとNリーチを行うことが可能である。Nリーチは、特別図柄抽選の結果が「大当たり」であった可能性があることを示唆する演出であり、遊技者に大当たりを期待させるための演出として機能する。
Nリーチでは、図50(A)に示すように、リーチが成立した状態が所定時間(例えば、10秒)維持され、図50(B)に示すように、中演出図柄EZ2の変動速度が徐々に減速していく。そして、特別図柄の変動表示の変動パターンが、例えば「Nハズレ変動」の場合には、図50(C―1)に示すように、ハズレを示唆する停止態様(所謂バラケ目)で演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が停止表示する。このとき、小図柄KZ1,KZ2,KZ3もハズレを示唆する停止態様で一斉に停止表示する。一方、特別図柄の変動表示の変動パターンが、例えば「N大当たり変動」(ノーマルリーチによって大当たり当選が示される大当たり変動)の場合には、図50(C-2)に示すように、大当たりを示唆する停止態様(所謂ゾロ目)で停止表示する。このとき、小図柄KZ1,KZ2,KZ3も大当たりを示唆する停止態様で一斉に停止表示する。なお、Nリーチの演出内容は、中演出図柄EZ2が徐々に減速することに限られず、適宜に変更または追加することが可能である。
また、ハズレを示唆する演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の停止態様に関して、リーチが成立しない場合のバラケ目を「非リーチバラケ目」や「非リーチハズレ目」と称し、リーチが成立する場合のバラケ目を「リーチバラケ目」や「リーチハズレ目」と称する。非リーチバラケ目を構成する各演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の組み合わせをどのようにするか(例えば「2・3・1」や「5・8・6」等)、および、リーチバラケ目を構成する各演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の組み合わせをどのようにするか(例えば「2・1・2」や「5・4・5」等)は、演出制御用マイコン121によって選択される。また、大当たりを示唆する停止態様(ゾロ目)を構成する各演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の組み合わせをどのようにするか(例えば「2・2・2」や「7・7・7」等)は、当選した大当たり図柄の種別に基づいて、演出制御用マイコン121によって選択される。
9-2-4.SPリーチ
パチンコ遊技機PY1は、Nリーチの後にSPリーチを行うことが可能である。SPリーチは、特別図柄抽選の結果が「大当たり」であった可能性が、Nリーチよりも高いことを示唆する演出であり、遊技者に大当たりを期待させるための演出として機能する。
SPリーチでは、Nリーチの後に、例えば、図51(A)に示すように、表示画面50aにSPリーチ専用の背景画像(SPリーチ用背景画像G113)が表示され、表示画面50aの中央にSPリーチが開始されたことを表す画像(SPリーチ開始タイトル画像)G1が表示される。その後、図51(B)に示すように、SPリーチ専用演出(例えばバトル演出)が行われる。そして、SPリーチ専用演出の最終局面を迎えると、特別図柄の変動表示の変動パターンが、例えば「SP大当たり変動」(SPリーチによって大当たり当選が示される大当たり変動)の場合には、図51(C―1)に示すように、表示画面50aに、大当たりを示唆する成功演出(例えば、主人公キャラクタ(味方キャラクタの一人)がバトルに勝利して仁王立ちしている表示、勝利演出)が行われるとともに、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が大当たりを示唆する停止態様(所謂ゾロ目)で停止表示する。このとき、小図柄KZ1,KZ2,KZ3も大当たりを示唆する停止態様で一斉に停止表示する。一方、特別図柄の変動表示の変動パターンが、例えば「SPハズレ変動」(SPリーチによってハズレが示されるリーチ有りハズレの変動)の場合には、図51(C―2)に示すように、ハズレを示唆する失敗演出(例えば、敵キャラクタがバトルに勝利して仁王立ちしている表示、敗北演出)が行われるとともに、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3がハズレを示唆する停止態様(所謂バラケ目)で停止表示する。このとき、小図柄KZ1,KZ2,KZ3もハズレを示唆する停止態様で一斉に停止表示する。なお、SPリーチの演出内容は、適宜に変更または追加することが可能である。本形態では、何れの遊技状態であってもSPリーチとして、図51に示す演出が実行されるものとする。
9-2-5.天井到達に基づく時短状態への移行に基づく演出モードの変更
次に、天井到達に基づく時短状態への移行に基づく演出モードの変更について、図52に基づいて説明する。上述したように、遊技制御用マイコン101(遊技制御基板100)は、天井到達となる800回転目の特図変動の開始時に時短状態に移行させるが(時短フラグをONするが)、演出制御用マイコン121(演出制御基板120)による演出モードの変更は、次の特図変動(すなわち前回の大当たり遊技の終了から801回転目の特図変動)の開始時となる。本形態のパチンコ遊技機PY1は、この演出モードの変更をスムーズに繋げるため、天井到達となる800回転目の特図変動に係る変動演出の終了に際して、図52(A)~(C)に示すように、シャッター画像GSが表示画面50aの外側から内側に向かって閉塞する動きをするシャッター閉塞演出を行う。
なお、図52に示す演出例は、天井到達となる800回転目の特図変動と、その次の特図変動が、共に特図1のリーチ無しのハズレ変動である例とする。シャッター画像GSは、背景画像や演出図柄EZ1,EZ2,EZ3よりも前面側のレイヤに表示される。よって、シャッター画像GSが閉塞しているときには、背景画像も演出図柄EZ1,EZ2,EZ3も共に、遊技者から視認不能となる(図52(B)(C)参照)。つまり、シャッター閉塞演出は、背景画像と演出図柄EZ1,EZ2,EZ3を隠す演出である。シャッター閉塞演出は、左演出図柄EZ1および右演出図柄EZ3が停止表示され、中演出図柄EZ2が停止に向けて変動速度を遅くしているときに開始される(図52(A)(B)参照)。そして、シャッター画像GSが背景画像および演出図柄EZ1,EZ2,EZ3を完全に隠している後ろで、中演出図柄EZ2が停止表示されて、変動演出が終了する(図52(C)(D)参照)。
変動演出の終了に際して小図柄KZ1,KZ2,KZ3も停止表示されるが、小図柄KZ1,KZ2,KZ3は、シャッター画像GSよりも前面側のレイヤに表示されている(図52(C)(D)参照)。そのため遊技者は、シャッター画像GSにより演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が隠されても、小図柄KZ1,KZ2,KZ3を視認することで、変動中である否かを確認することが可能である。
そしてパチンコ遊技機PY1は、次の特図変動に係る変動演出の開始に際して、図52(D)~(F)に示すように、閉じた状態で表示されているシャッター画像GSが表示画面50aの内側から外側に向かって開放する動きをするシャッター開放演出を行う。また、パチンコ遊技機PY1は、このタイミングで、演出モードを通常演出モード(昼背景モード)から時短演出モード(特殊昼背景モード)に変更している。よって、シャッター画像GSが開放される動きをすることで視認可能となる背景画像および演出図柄EZ1,EZ2,EZ3は、時短演出モードの演出態様のものである。なお、時短演出モードでは、表示画面の右上部に右打ち報知画像RIが表示され、表示画面50aの右下部に残回数表示ZIが表示される。また、シャッター閉塞演出とシャッター開放演出とを合わせてシャッター演出と称する。シャッター演出は、天井到達に基づく時短状態への移行を報知する演出としても機能する。このため、シャッター演出を、天井時短突入演出とも称する。
本形態では、このようにして、天井到達時の演出モードの変更がスムーズになされる。特に、演出モードの変更がなされると、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の表示態様が通常演出モードの表示態様から時短演出モードの表示態様に変更されることとなるが、シャッター演出を行うことなく演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が遊技者から視認されている状態で演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の表示態様の変更を行ってしまうと、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が確定的に停止表示されていない、すなわち天井到達となる800回転目の変動演出が終了していないように見えてしまう可能性がある。そこで本形態では、天井到達となる800回転目の変動演出の終了に際してシャッター演出を行うことで、天井到達となる800回転目の特図変動と次の特図変動との境目が分かり難くなってしまうのを抑制することが可能である。
10.遊技状態の変更タイミングについての説明
本形態のパチンコ遊技機PY1は、特図1および特図2の2つの特図のうちの一方の変動表示中であっても他方の変動表示を開始することが可能ないわゆる同時変動の遊技機である。そして、低確非時短状態における天井回数(800回)の特図変動の実行に基づいて、低確時短状態に移行させることが可能である。天井回数のカウントのための天井カウンタは、特図1が変動した場合でも特図2が変動した場合でも更新される。低確非時短状態では左打ちにて遊技を進行するため、正しく遊技されている場合には、第1始動口11への入賞に基づく特図1の変動表示しか生じないが生じない。しかし、誤ってあるいは意図的に右打ちがなされると、第3始動口13への入賞が生じる可能性があり、この場合には特図2の変動表示が実行される。低確非時短状態では特図2の変動時間は、いずれの抽選結果であっても、600000ms(10分)である(図11(A)参照)。そのため、天井到達となる800回転目の特図変動が特図2の変動となってしまうと、図53(A)に示すように、800回転目の特図変動の変動時間Txが10分となる。
このため、天井到達に基づく低確非時短状態から低確時短状態への変更タイミング(時短フラグをOFFからONにするタイミング)を、図53(B)に点線で示すように、天井到達となる特図変動の終了時(特図停止時間の経過時)としてしまうと、天井到達がなされているのにもかかわらず10分もの長い時間、時短状態への変更が行われないことなり、遊技者に不利益を与えてしまう。
そこで本形態のパチンコ遊技機PY1では、特図変動の実行に起因する遊技状態の変更タイミングを、特図変動の開始時としている。そのため本形態では、図53(B)に実線で示すように、天井到達となる800回転目の特図変動が開始されるタイミングで、時短状態への変更が行われる(時短フラグがONされる)。従って仮に、天井到達となる特図変動が特図2の10分の変動となっても、その変動時間の経過を待つことなく、時短状態による利益を受けることが可能である。
なお、天井到達となる800回転目の特図変動が特図1の変動となった場合にももちろん、その変動の開始時に遊技状態が時短状態に変更される。また、天井到達の1変動前となる779回転目の特図変動が特図2の変動となっても、天井到達となる800回転目の特図変動として特図1の変動が実行され得るため、遊技者にとって不利益は生じない。
このように本形態のパチンコ遊技機PY1では、特図変動の実行に起因する遊技状態の変更タイミングを特図変動の開始時としているが、遊技状態に応じた演出モードへの変更タイミングについては、図53(C)に示すように、天井到達となる特図変動の次の特図変動の開始時としている。これにより遊技者の見た目には、低確率状態において800回転目の特図変動が終了すると、時短状態に移行したかのように見える。そのため、遊技者が想定している時短状態への突入タイミングと、見た目上の時短状態への突入タイミングが一致することとなり、違和感のない遊技が可能となっている。
なお、天井到達となる800回転目の特図変動が特図2の変動となった場合には、10分間は通常演出モードが継続するため、特図2の変動開始に応じて右打ち報知画像RIを表示画面50aに表示するようにして、通常演出モードであっても右打ちにて遊技を進行すべきことを遊技者に報知するとよい。具体的には演出制御用マイコン121が、天井到達に係る特図2変動開始コマンドを受信したことに基づいて、右打ち報知画像RIを表示画面50aに表示するとよい。若しくは、天井到達となる800回転目の特図変動が特図2の変動となった場合には、その10分間の特図2の変動表示中であっても、次の特図1の変動表示の開始に応じて、時短演出モードに変更するとともに右打ち報知画像RIを表示画面50aに表示することとしてもよい。
また本形態のパチンコ遊技機PY1は、低確時短状態における時短回数(30回)の特図変動の実行に基づいて、低確非時短状態(通常遊技状態)に移行させる。時短回数のカウントのための時短カウンタは、特図1が変動した場合でも特図2が変動した場合でも更新される。低確時短状態では右打ちにて遊技が進行されるため、電サポ制御によって右打ちされた遊技球はほぼ電チュー12Dに係る第2始動口12に入賞する。しかし、この右打ちによって、第3始動口13への入賞が生じる可能性が全く無いとは言えない。そして第3始動口13への入賞が生じた場合には、特図2の変動表示が実行される。低確時短状態では特図2の変動時間は、いずれの抽選結果であっても、600000ms(10分)である(図12参照)。そのため、時短状態における最終変動である30回転目の特図変動が特図2の変動となってしまうと、図54(A)に示すように、30回転目の特図変動の変動時間Tyが10分となる。
このため、低確時短状態から低確非時短状態への変更タイミング(時短フラグをONからOFFにするタイミング)を、図54(B)に点線で示すように、30回転目の特図変動の終了時(特図停止時間の経過時)としてしまうと、時短回数分の特図変動がなされたにもかかわらず10分もの長い時間、非時短状態への変更が行われないことなり、遊技者に不当に大きな利益(具体的には、電サポ制御が続く中で特図1の抽選を何度も受けられる利益)を与えてしまう。
そこで本形態のパチンコ遊技機PY1では、特図変動の実行に起因する遊技状態の変更タイミングを、特図変動の開始時としている。そのため本形態では、図54(B)に実線で示すように、低確時短状態における30回転目の特図変動が開始されるタイミングで、低確非時短状態への変更が行われる(時短フラグがONされる)。従って仮に、低確時短状態における30回転目の特図変動が特図2の10分の変動となっても、その変動時間の経過を待つことなく、低確非時短状態に戻すことが可能である。
なお、低確時短状態の最終変動が特図1の変動となった場合にももちろん、その変動の開始時に遊技状態が低確非時短状態に変更される。また、低確時短状態の最終変動の1変動前となる29回転目の特図変動が特図2の変動となっても、低確時短状態の最終変動として特図1の変動が実行され得るため、遊技者が不当に大きな利益を得ることはない。
このように本形態のパチンコ遊技機PY1では、特図変動の実行に起因する遊技状態の変更タイミングを特図変動の開始時としているが、遊技状態に応じた演出モードへの変更タイミングについては、図54(C)に示すように、低確時短状態の最終変動の次の特図変動の開始時としている。これにより遊技者の見た目には、低確時短状態において30回転目の特図変動が終了すると、低確非時短状態(通常遊技状態)に戻ったかのように見える。そのため、遊技者が想定している通常遊技状態への復帰タイミングと、見た目上の通常遊技状態への復帰タイミングが一致することとなり、違和感のない遊技が可能となっている。
なお、低確時短状態の最終変動となる30回転目の特図変動が特図2の変動となった場合には、10分間は時短演出モードが継続するため、特図2の変動開始に応じて右打ち報知画像RIの表示を終了して、左打ちを行うべき旨を報知する左打ち報知画像を表示画面50aに表示するとよい。具体的には演出制御用マイコン121が、低確時短状態の最終変動に係る特図2変動開始コマンドを受信したことに基づいて、右打ち報知画像RIの表示を終了するとともに、左打ち報知画像の表示を開始するとよい。若しくは、低確時短状態の最終変動となる30回転目の特図変動が特図2の変動となった場合には、その10分間の特図2の変動表示中であっても、次の特図1の変動表示の開始に応じて、通常演出モードに変更するとともに右打ち報知画像RIの表示を終了して、左打ちを行うべき旨を報知する報知画像を表示画面50aに表示することとしてもよい。
11.高確非時短状態における先読み演出の実行についての説明
次に、高確非時短状態における先読み演出の実行について、図55~図59に基づいて説明する。まず、小当たりラッシュ演出モードA(高確非時短状態Aに対応する演出モード)である場合に実行される先読み演出である「変動時エフェクト」の具体例について説明する。
図55は、「変動時エフェクト」が、連続する4回の特図変動に伴う各変動演出の開始時に実行される様子を示している。なお、図55では第2保留アイコンHBの図示を省略している。図55に示すように、演出制御用マイコン121は、例えば4つ目の特図2保留の発生時の抽選において変動時エフェクトを実行すると決定した場合、1つ目の特図2保留に基づく変動演出の開始時と(図55(A)(B))、2つ目の特図2保留に基づく変動演出の開始時と(図55(C)(D))、3つ目の特図2保留に基づく変動演出の開始時と(図55(E)(F))、4つ目の特図2保留(今回の先読み演出の実行契機となった保留、ターゲット保留という)に基づく変動演出の開始時(図55(G)(H))の、計4回の変動演出の開始時において、変動時エフェクトを実行することがある。
変動時エフェクトは、図55(B)(D)(F)(H)に示すように、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の周囲に、特定エフェクト画像GEを表示する演出である。特定エフェクト画像GEは、星が輝く様子を表現したエフェクト画像であり、小当たりラッシュ演出モードA(超夜背景モード)の背景画像に含まれる星の画像に合うエフェクト画像となっている。つまり、変動時エフェクトは、小当たりラッシュ演出モードA(超夜背景モード)用の先読み演出であり、他の演出モード(具体的には小当たりラッシュ演出モードB)に変更された場合には実行されないことが望ましい。なお、特定エフェクト画像GEは、所定時間(例えば2秒)表示された後、非表示とされる。
上述したように、変動時エフェクトが実行された場合には、遊技者は、大当たり期待度が高いこと、及び、リーチ期待度(SPリーチ等のリーチ演出が実行される期待度)が高いことを認識する。すなわち、変動時エフェクトの連続予告が実行されたことで、遊技者は、リーチ演出の実行に期待しながら遊技を行うこととなる。
ここでパチンコ遊技機では、特図変動パターンの変更タイミング(言い換えれば、演出モードの変更タイミング)を跨いで先読み演出(連続予告など)を行わないことが望ましい。変更前の先読み判定の結果(例えばSPリーチを行う変動であること)と、変更後の当否判定や変動パターン判定の結果(例えば即当たり演出を行う変動であること)とが一致せず、先読み演出で示唆した内容と、変動演出(ターゲット保留に基づく変動演出)の内容に、食い違いが生じる可能性があるからである。
特に本形態のパチンコ遊技機PY1は、特図1の変動表示と特図2の変動表示とを同時に進行することが可能な同時変動の遊技機である。このため、次のような遊技の状況を考慮して、先読み演出の実行可能条件(禁則条件)を設定する必要がある。すなわち、図56に<状況A>として示すように、小当たりラッシュ演出モードAの変動(高確非時短状態Aで開始される変動)として、主特図である特図2の変動が行われたとする。この特図2の変動は、小当たり変動(小当たり当選の判定結果に基づく変動)であり、この変動の開始時には、特図2保留も特図1保留も零であり、特図1の変動表示は行われていないものとする。
そして、この特図2の小当たり変動の実行中に、図56に<状況B>として示すように、特図2保留が4つ溜まるとともに、逆特図である特図1の変動が行われて、さらに特図1保留が4つ溜まるとする。この特図2保留は全て、小当たり保留(小当たりと判定される予定の保留)であり、特図1の変動は、ハズレ変動(ハズレの判定結果に基づく変動)であり、特図1保留は全て、ハズレ保留(ハズレと判定される予定の保留)であるとする。なお本明細書では、実行中の変動表示を「当該変動」と表現し、特図2保留や特図1保留における1つ目の保留(次に消化される保留)を「保留1」と表現し、2つ目の保留を「保留2」と表現し、3つ目の保留を「保留3」と表現し、4つ目の保留を「保留4」と表現する。
ここで、図56の<状況A>から<状況B>となるまでに生じた9個の入賞については、入賞時には小当たりラッシュ演出モードAであるが、変動開始時には小当たりラッシュ演出モードBとなる可能性がある。特図2の小当たり変動の終了に応じて小当たり遊技が実行される際に、特図1のハズレ変動が強制的に停止されるからである。すなわち、本形態では高確非時短状態における特図1の変動時間は、大当たりであってもハズレであっても600000ms(10分)に設定されているため、特図1保留は消化され難くなっているが、特図2の抽選に基づいて小当たり遊技が実行される場合には、その分だけ特図1保留が消化されるからである。
具体的には例えば図57に示すように、高確非時短状態において80変動目となる特図2の小当たり変動が停止して小当たり遊技が実行される際に、高確非時短状態において81変動目となる特図1のハズレ変動が強制的に停止され、以降4回の特図2に係る小当たり変動の終了および小当たり遊技の実行に際して、4回の特図1に係るハズレ変動が強制的に停止されることがある。このため、同時変動の遊技機における先読み演出の禁則手法の1つとして、図58に示すように、演出モード変更(モードステータス変更)のタイミングの9変動前から先読み演出を行わないようにする方法がある。つまり、高確非時短状態(小当たりラッシュ)における累積変動回数が72~80の間、言い換えれば、モードステータス変更までの残変動回数(すなわち上述した「変更残カウンタ」の値)が9~1の間は、先読み演出を行わないという方法である。この禁則手法を採用した場合には、高確非時短状態における累積変動回数が1回~71回までの間と、81回以降とが、先読み演出の実行可能期間となる。
しかしながら、図58に示す禁則手法は、特図2に係る「当該変動」が小当たり変動であり、「保留1」~「保留4」の全てが小当たり保留である場合を想定して、先読み演出の禁止期間を定めたものである。そのため、特図2保留に「ハズレ保留」が含まれた場合には、過剰に先読み演出を禁止していることとなる。先読み演出が一定期間禁止されることによる遊技興趣の低下を抑制するためには、先読み演出を禁止する期間は、できる限り短いことが望ましい。
そこで本形態のパチンコ遊技機PY1では、特図2保留に占める「小当たり保留」の数を考慮した先読み演出の実行可能条件(禁則条件)を定めている。具体的には、本形態に係る先読み演出の実行可能条件は、図59に示すように、特図2保留の数(第2特図保留演出カウンタの値)と、当該特図2保留に占める小当たり保留の数(小当たり保留カウンタの値)との合計値が、モードステータス変更までの残変動回数(変更残カウンタの値)よりも小さいことである。言い換えれば、特図2保留に占める小当たり保留の数が、モードステータス変更までの残変動回数から特図2保留の数を引いた値よりも小さいことである。なお、この条件式において、特図2保留内の小当たり保留の数は、特図1(逆特図)の消化数を表している。また、モードステータス変更までの残変動回数は、遊技制御用マイコン101による特図変動パターンの切替までの残変動回数と対応している。
このように本形態では、特図2保留内の小当たり保留の数に基づく先読み演出の実行可能条件を定めており、パチンコ遊技機PY1は、この先読み演出の実行可能条件を満たしている場合に、先読み演出の抽選を行う。すなわち、図43-2のステップS5015では、図59に示す先読み演出の実行可能条件(先読み演出条件)を満たしているか否かを判定する。そして本形態では、このような先読み演出の実行可能条件の設定により、小当たり保留の数が多い場合、すなわち特図1の変動が多く実行される場合には、先読み演出の禁止期間が長くなるが、小当たり保留の数が少ない場合、すなわち特図1の変動があまり実行されない場合には、先読み演出の禁止期間を短くすることが可能である。このことについて、図59に基づいて具体的に説明する。
図59に示すように、まずパチンコ遊技機PY1は、高確非時短状態(小当たりラッシュ)における累積変動回数が81回以降、すなわち小当たりラッシュ演出モードB(モードステータスは「5」)への変更後においては、特図2に係る先読み演出を制限無く実行可能である。小当たりラッシュ演出モードBへの変更後は、図59に示す先読み演出条件を満たしていなくても、先読み演出の抽選を行うからである(図43-2参照)。またパチンコ遊技機PY1は、高確非時短状態(小当たりラッシュ)における累積変動回数が71回までも、特図2に係る先読み演出を制限無く実行可能である。図59に示す先読み演出条件を必ず満たすからである。
またパチンコ遊技機PY1は、図59に示すように、モードステータス変更までの残変動回数(変更残カウンタの値)が「1」である場合、すなわち、高確非時短状態(小当たりラッシュ)における累積変動回数が80回である場合(小当たりラッシュ演出モードAのラスト変動の実行中)には、先読み演出条件の条件式において右辺が「1」となるため、小当たり保留の数が「0」であっても、先読み演出条件を満たすことがない。よって、この場合には、特図2に係る先読み演出を実行することはない。
またパチンコ遊技機PY1は、モードステータス変更までの残変動回数が「2」である場合、すなわち、小当たりラッシュにおける累積変動回数が79回である場合には、先読み演出条件の条件式において右辺が「2」となるため、特図2保留内の小当たり保留の数が「0」でありハズレ保留の数が「1」であれば、先読み演出条件を満たすこととなる。よって、このような状況下では、特図2に係る先読み演出を実行することがある。このハズレ保留に基づく変動が開始されるのは、演出モードの変更前となるため、上述した演出上の問題が生じないからである。但し、小当たり保留を1つでも含む場合には、先読み演出条件を満たすことはないため、特図2に係る先読み演出を実行することはない。
またパチンコ遊技機PY1は、モードステータス変更までの残変動回数が「3」である場合(小当たりラッシュにおける累積変動回数が78回である場合)には、先読み演出条件の条件式において右辺が「3」となるため、特図2保留内の小当たり保留の数が「0」であれば、ハズレ保留の数が「2」となるまでは、先読み演出条件を満たす。また、特図2保留内の小当たり保留の数が「1」であれば、ハズレ保留の数が「0」のときは、先読み演出条件を満たす。よって、このような状況下では、特図2に係る先読み演出を実行することがある。但し、小当たり保留の数が「2」以上であれば、先読み演出条件を満たすことはないため、特図2に係る先読み演出を実行することはない。
またパチンコ遊技機PY1は、モードステータス変更までの残変動回数が「4」である場合(小当たりラッシュにおける累積変動回数が77回である場合)には、先読み演出条件の条件式において右辺が「4」となるため、特図2保留内の小当たり保留の数が「0」であれば、ハズレ保留の数が「3」となるまでは、先読み演出条件を満たす。また、特図2保留内の小当たり保留の数が「1」であれば、ハズレ保留の数が「1」となるまでは、先読み演出条件を満たす。よって、このような状況下では、特図2に係る先読み演出を実行することがある。但し、小当たり保留の数が「2」以上であれば、先読み演出条件を満たすことはないため、特図2に係る先読み演出を実行することはない。
またパチンコ遊技機PY1は、モードステータス変更までの残変動回数が「5」である場合(小当たりラッシュにおける累積変動回数が76回である場合)には、先読み演出条件の条件式において右辺が「5」となるため、特図2保留内の小当たり保留の数が「0」であれば、ハズレ保留の数が「4」となるまでは、先読み演出条件を満たす。また、特図2保留内の小当たり保留の数が「1」であれば、ハズレ保留の数が「2」となるまでは、先読み演出条件を満たす。また、特図2保留内の小当たり保留の数が「2」であれば、ハズレ保留の数が「0」のときは、先読み演出条件を満たす。よって、このような状況下では、特図2に係る先読み演出を実行することがある。但し、小当たり保留の数が「3」以上であれば、先読み演出条件を満たすことはないため、特図2に係る先読み演出を実行することはない。
またパチンコ遊技機PY1は、モードステータス変更までの残変動回数が「6」である場合(小当たりラッシュにおける累積変動回数が75回である場合)には、先読み演出条件の条件式において右辺が「6」となるため、特図2保留内の小当たり保留の数が「0」であれば、ハズレ保留の数が「4」となるまでは、先読み演出条件を満たす。また、特図2保留内の小当たり保留の数が「1」であれば、ハズレ保留の数が「3」となるまでは、先読み演出条件を満たす。また、特図2保留内の小当たり保留の数が「2」であれば、ハズレ保留の数が「1」となるまでは、先読み演出条件を満たす。よって、このような状況下では、特図2に係る先読み演出を実行することがある。但し、小当たり保留の数が「3」以上であれば、先読み演出条件を満たすことはないため、特図2に係る先読み演出を実行することはない。
またパチンコ遊技機PY1は、モードステータス変更までの残変動回数が「7」である場合(小当たりラッシュにおける累積変動回数が74回である場合)には、先読み演出条件の条件式において右辺が「7」となるため、特図2保留内の小当たり保留の数が「0」であれば、ハズレ保留の数が「4」となるまでは、先読み演出条件を満たす。また、特図2保留内の小当たり保留の数が「1」であれば、ハズレ保留の数が「3」となるまでは、先読み演出条件を満たす。また、特図2保留内の小当たり保留の数が「2」であれば、ハズレ保留の数が「2」となるまでは、先読み演出条件を満たす。また、特図2保留内の小当たり保留の数が「3」であれば、ハズレ保留の数が「0」のときは、先読み演出条件を満たす。よって、このような状況下では、特図2に係る先読み演出を実行することがある。但し、小当たり保留の数が「4」であれば、先読み演出条件を満たすことはないため、特図2に係る先読み演出を実行することはない。
またパチンコ遊技機PY1は、モードステータス変更までの残変動回数が「8」である場合(小当たりラッシュにおける累積変動回数が73回である場合)には、先読み演出条件の条件式において右辺が「8」となるため、特図2保留内の小当たり保留の数が「0」であれば、ハズレ保留の数が「4」となるまでは、先読み演出条件を満たす。また、特図2保留内の小当たり保留の数が「1」であれば、ハズレ保留の数が「3」となるまでは、先読み演出条件を満たす。また、特図2保留内の小当たり保留の数が「2」であれば、ハズレ保留の数が「2」となるまでは、先読み演出条件を満たす。また、特図2保留内の小当たり保留の数が「3」であれば、ハズレ保留の数が「1」となるまでは、先読み演出条件を満たす。よって、このような状況下では、特図2に係る先読み演出を実行することがある。但し、小当たり保留の数が「4」であれば、先読み演出条件を満たすことはないため、特図2に係る先読み演出を実行することはない。
またパチンコ遊技機PY1は、モードステータス変更までの残変動回数が「9」である場合(小当たりラッシュにおける累積変動回数が72回である場合)には、先読み演出条件の条件式において右辺が「9」となるため、特図2保留内の小当たり保留の数が「0」であれば、ハズレ保留の数が「4」となるまでは、先読み演出条件を満たす。また、特図2保留内の小当たり保留の数が「1」であれば、ハズレ保留の数が「3」となるまでは、先読み演出条件を満たす。また、特図2保留内の小当たり保留の数が「2」であれば、ハズレ保留の数が「2」となるまでは、先読み演出条件を満たす。また、特図2保留内の小当たり保留の数が「3」であれば、ハズレ保留の数が「1」となるまでは、先読み演出条件を満たす。また、特図2保留内の小当たり保留の数が「4」である場合(すなわち特図2保留が全て小当たり保留である場合)にも、先読み演出条件を満たす。よって、モードステータス変更までの残変動回数が「9」である場合には、特図2に係る先読み演出を制限無く実行可能である。
このように本形態のパチンコ遊技機PY1は、小当たりラッシュ演出モードAに設定されている場合、図59に示す先読み演出条件を満たすか否かを判定し、この判定結果を満たしていれば、先読み演出の抽選を行う(図43-2のステップS5015,S5016参照)。そのため、図58に比較例として示した先読み演出の禁則手法に比べて、先読み演出が実行され得る状況を増やすことが可能であり、遊技興趣を向上させることが可能である。
12.本形態の効果
以上詳細に説明したように本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、特図1(第1図柄)の変動表示と特図2(第2図柄)の変動表示とが同時に行われる遊技機において、低確非時短状態(通常遊技状態)および低確時短状態の一方から他方への移行契機となる変動表示が、移行前の遊技状態では変動を予定されていない特図2の変動表示となっても、その特図2の変動表示が終了するのを待つことなく、遊技状態の移行をスムーズに行うことが可能である(図53、図54参照)。よって、遊技状態の移行が円滑に進まないことによる遊技興趣の低下を、抑制することが可能である。
特に本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、特図変動が所定の天井回数(800回)行われたことに基づいて、低確非時短状態から低確時短状態に移行させる遊技機であるところ、天井到達となる特図変動が、低確非時短状態において変動を予定されていない特図2の変動となっても、その特図2の変動が終了するのを待つことなく、低確時短状態への移行をスムーズに行うことが可能である。よって、遊技興趣の低下を抑制することが可能である。
また本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、低確非時短状態において逆特図にあたる特図2の変動時間が600000ms(10分)と極めて長くなっているが、そのように長い変動時間の特図2の変動が終了するのを待つことなく、遊技状態の変更をスムーズに行うことが可能である。よって、電チュー12Dに係る第2始動口12への入球がなかなか容易とならない事態の発生を防止でき、遊技興趣の低下を抑制することが可能である。
また本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、低確非時短状態や時短状態において変動演出を伴う特図1の変動でなく、変動演出を伴わない特図2の変動が、移行前の遊技状態における最終変動となっても、その特図2の変動表示が終了するのを待つことなく、遊技状態の移行をスムーズに行うことが可能である。その結果、演出面からも、遊技興趣の低下を抑制することが可能である。
また本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、第3始動口13に係る特図2の変動表示が実行され易い高確非時短状態(小当たりラッシュ状態)では、小当たり遊技の実行により第2大入賞口15への入賞に基づく賞球の獲得が可能であるため、遊技興趣の向上が見込めると共に、低確非時短状態や時短状態では特図2の変動表示が実行され難くなっているため、高確非時短状態(小当たりラッシュ状態)になっていないのに小当たり遊技の実行による賞球の獲得がなされるのを抑制することが可能である。
また本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、特図1の変動表示と特図2の変動表示とを同時に実行可能であって、一方の図柄に係る抽選結果が小当たり当選である場合に、他方の図柄を強制的に停止表示させることがあるいわゆる同時変動機において、小当たり保留(特定保留)の数に基づいて、先読み演出を行うか否かが決まる(図59参照)。そのため、全保留が小当たり保留であると仮定して先読み演出の禁止期間を設ける構成(図58参照)よりも、先読み演出を実行できる場合を増やすことが可能となる。その結果、先読み演出の実行が禁止されることによる遊技興趣の低下を抑制することが可能である。
また本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、高確非時短状態(小当たりラッシュ状態)では特図2の変動表示が主に行われるところ、特図2の抽選の結果が小当たり当選である場合には、その抽選結果の分だけ、本来あまり実行される予定ではなかった特図1の変動表示が行われることとなる。そこで、特図2保留に占める小当たり保留の数に基づいて、特図2に係る先読み演出の実行可否を判断することで(図59、図43-2参照)、実行される可能性のある特図1の変動表示の回数を考慮した正確な先読み演出の実行可否の判断を行うことが可能となる。
また本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、高確非時短状態において特図1又は特図2の変動表示が所定の切替回数(具体的には80回)行われた場合には、特図変動パターン判定テーブル(変動パターンの選択基準)を変更する。そのため、特図変動パターン判定テーブルが変更される前に、特図2に係る先読み演出が行われ、特図変動パターン判定テーブルが変更されてからその先読み演出に対応する特図2の抽選(特図2大当たり判定処理)が実際に行われると、先読み演出の内容が、選択される変動パターンに合わないおそれがある。そこで本形態では、特図2保留の数と、その保留内の小当たり保留の数とによって、特図変動パターン判定テーブルの変更までの残りの変動回数を正確に把握する。これにより、先読み演出を行ってもよいタイミングで、先読み演出を禁止してしまう事態の発生を防止することが可能である。その結果、最大限、先読み演出が実行されることとなり(図59参照)、遊技興趣の向上が見込める。
また本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、特図1の抽選の結果や特図2の抽選の結果に応じた特図変動パターンに基づいて変動演出が行われるところ、特図変動パターン判定テーブルの切替の前後で、適切に先読み演出の実行可否を判断できるため、先読み演出の内容と変動演出の内容が合わない事態の発生を適切に防止することが可能である。
また本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、高確非時短状態では、主に実行される予定の特図2の変動表示に対応した変動演出は行われるが、実行を予定されていない特図1の変動表示に対応した変動演出は行われないところ(図45-1参照)、特図2の変動表示に対応した変動演出の内容(例えば即当たり演出)と、特図2の抽選の結果を示唆する先読み演出の内容(例えばSPリーチが実行される可能性が高いという内容)とが合わない事態の発生を、適切に防止することが可能である。なお、即当たり演出とは、NリーチやSPリーチといったリーチ演出は実行されずに、左演出図柄EZ1が停止された後、中演出図柄EZ2と右演出図柄EZ3とが左演出図柄EZ1と同じ図柄で同時に停止表示されることで大当たり当選を報知したり(当選態様の即当たり演出)、中演出図柄EZ2と右演出図柄EZ3とが左演出図柄EZ1と同じ図柄で同時に停止表示されそうに見せて異なる図柄で停止表示されることにより落選を報知したり(落選態様の即当たり演出)する演出であり、リーチ演出よりも短い変動時間で実行される演出である。
また本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、高確非時短状態では特図1の変動時間が600000ms(10分)と長いため、特図1の変動表示はあまり実行されない(図11(B)(C)参照)。にもかかわらず、特図1の変動表示が実行されることまで考慮して先読み演出の禁止期間を図58に示したように設定すると、本当は先読み演出を実行しても問題無い場合にまで、先読み演出を禁止してしまう可能性がある。そこで本形態では、特図2保留に占める小当たり保留の数を、実行される特図1の変動表示の回数と見て、先読み演出の実行可否の判断に用いている(図59参照)。そのため、先読み演出の禁止期間を最短に抑えることが可能となり、先読み演出が実行されないことによる遊技興趣の低下を最小限に抑えることが可能である。
13.変更例
以下、変更例について説明する。なお、変更例の説明において、上記形態のパチンコ遊技機PY1と同様の構成については、同じ符号を付して説明を省略する。勿論、変更例に係る構成同士を適宜組み合わせて構成してもよい。また、上記形態および下記変更例中の技術的特徴は、本明細書において必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
上記形態では、特図2の抽選に基づく小当たり遊技の開始の際に、特図1の変動表示が行われている場合、その特図1の変動表示が、ハズレの判定結果に基づくハズレ変動であっても、大当たり当選の判定結果に基づく大当たり変動であっても、強制的にハズレ図柄で特図1を停止表示させる構成とした。これに対して、特図1の変動表示がハズレ変動であれば、強制的にハズレ図柄で停止表示させるが、大当たり変動であれば、その大当たり変動を中断して(変動時間のカウントを停止して)、小当たり遊技の終了後にその大当たり変動を再開する(変動時間のカウントを再開する)構成としてもよい。この場合、特図2大当たり判定処理(S1602)において第1大当たりフラグがONであっても(S1703でYES)小当たりか否かの判定(S1708)を行うようにしてもよい。
また上記形態では、特図1の抽選に基づいて小当たりに当選することのない構成としたが、特図1の抽選に基づいて小当たりに当選可能に構成してもよい。この場合、特図1の小当たり当選確率は、1/50程度とするなど、特図2の小当たり当選確率よりも低くするとよい。またこの場合、特図1の抽選に基づく小当たり遊技の実行によって、特図2の変動をハズレ図柄で強制停止させるとよい。なお、特図2の変動がハズレ変動であれば強制停止させるが、特図2の変動が大当たり変動であれば、その大当たり変動を中断して、小当たり遊技の終了後にその大当たり変動を再開する構成としてもよい。
また上記形態では、低確非時短状態、低確時短状態、高確時短状態では、逆特図である特図2の変動時間は、600000ms(10分)の1種類だけとした。また、高確非時短状態では、逆特図である特図1の変動時間は、600000ms(10分)の1種類だけとした。これに対して、逆特図の変動時間を複数設けてもよい。具体的には例えば、低確非時短状態、低確時短状態、あるいは高確時短状態では、特図2の抽選結果が大当たりである場合の特図2の変動時間は、180000ms(3分)とし、小当たりやハズレである場合の特図2の変動時間は、600000ms(10分)としてもよい。また、特図2の抽選結果がハズレである場合の特図2の変動時間に、600000ms(10分)と、180000ms(3分)の2種類を設けてもよい。逆特図である特図2の変動時間に複数の種類を設ける場合、その複数の種類の変動時間のうちの最短の変動時間(例えば180000ms)が、主特図である特図1の最長の変動時間(例えば70000ms)よりも長いことが好ましい。逆特図の変動が実行され易くなり過ぎるのを防止するためである。
また、高確非時短状態では、特図1の抽選結果が大当たりである場合の特図1の変動時間は、180000ms(3分)とし、ハズレである場合の特図1の変動時間は、600000ms(10分)としてもよい。また、特図1の抽選結果がハズレである場合の特図1の変動時間に、600000ms(10分)と、180000ms(3分)の2種類を設けてもよい。逆特図である特図1の変動時間に複数の種類を設ける場合、その複数の種類の変動時間のうちの最短の変動時間(例えば180000ms)が、主特図である特図2の最長の変動時間(例えば70000ms)よりも長いことが好ましい。逆特図の変動が実行され易くなり過ぎるのを防止するためである。
また上記形態における特別図柄の変動時間は、遊技に支障をきたさない範囲で適宜変更可能である。
また上記形態では、逆特図に伴う演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の変動表示(変動演出)を行わない構成としたが、行う構成としてもよい。この場合、表示画面50aの左下部等に相対的に小さい表示領域(小領域)を設けて、主特図に伴う変動演出を妨げないように、その小領域で行うことが望ましい。
また上記形態では、小当たり遊技の実行による第2大入賞口15への入賞に基づく賞球によって持ち球を増やすことが可能な小当たりラッシュ状態に制御可能な遊技機としたが、このような遊技状態を設けない構成としてもよい。
また上記形態とは別の手法により小当たりラッシュ(小当たり当選に基づいて開放される第2大入賞口15への入賞が頻繁に生じる状態)を実現してもよい。具体的には例えば、右遊技領域6Rに設けた可変始動口も固定始動口も、特図2の抽選の契機となる始動口とし、時短状態中は小当たり遊技が実行されても可変始動口が頻繁に開放されることで第2大入賞口15への入賞がほぼ発生せず、非時短状態中は可変始動口がほぼ開放されないことで、固定始動口への入賞に基づく小当たり遊技が実行されると第2大入賞口15への入賞が発生する構成としてもよい。すなわち、可変始動口に係る特図を特図2としてもよい。
また次のような手法により小当たりラッシュを実現してもよい。すなわち、右遊技領域6Rには可変始動口を設けるが固定始動口は設けない構成として、その可変始動口に係る特図を特図2とする。そして、非時短状態における可変始動口への入賞し易さを、時短状態と比べれば低いものの、ある程度は入賞できるように構成する。このように構成すれば、
時短状態中は小当たり遊技が実行されても可変始動口が頻繁に開放されることで第2大入賞口15への入賞がほぼ発生せず、非時短状態中は可変始動口の開放頻度が減ることで、小当たり遊技が実行されれば第2大入賞口15への入賞が発生するようになるため、小当たりラッシュを実現することが可能である。
また上記形態における盤面構成(つまり、各始動口の配置位置や各大入賞口の配置位置等)は、遊技に支障をきたさない範囲(小当たりラッシュを実現できる範囲等)で、適宜変更可能である。
また上記形態では、所謂「確変ループ機」として構成したが、所謂「ST機」(確変の回数切りの遊技機)など、確変ループ機以外のタイプの遊技機としてもよい。
また上記形態では、確変回数が10000回に設定される構成としたが、確変回数は、遊技に支障をきたさない範囲で適宜変更可能である。また上記形態では、時短回数が30回、777回、10000回の何れかに設定される構成としたが、種々の時短回数は、遊技に支障をきたさない範囲で適宜変更可能である。
また上記形態では、高確率状態中は天井カウンタを更新しない構成としたが、高確率状態中であっても天井カウンタを更新する構成としてもよい。すなわち、天井到達までの特図変動の実行回数に、高確率状態中の特図変動の実行回数を含める構成としてもよい。
また上記形態では、特図1の抽選に基づいて大当たり遊技が実行された場合よりも、特図2の抽選に基づいて大当たり遊技が実行された場合の方が、遊技者が獲得可能な特典が大きい構成としたが、逆若しくは同じであってもよい。なお、遊技者が獲得可能な特典には、大当たり遊技において獲得可能な賞球の量や、大当たり遊技後の遊技状態に関する各種の設定(時短状態に制御されるか否かや、時短状態に制御された場合の時短回数など)が含まれる。
また上記各形態では、高確非時短状態では、小当たり当選に基づく第2大入賞口15の開放により、遊技球が第2大入賞口15へ入賞し易い小当たりラッシュ状態になるという点で、遊技者に有利であった。しかしながら、高確非時短状態において、必ずしも小当たりラッシュ状態になる必要はなく、通常遊技状態や高確時短状態よりも有利になっていれば良い。例えば、高確非時短状態で大当たりに当選した場合には、通常遊技状態や高確時短状態で大当たりに当選した場合よりも、出玉(実質的なラウンド数)が多い大当たりに当選し易かったり、高確率状態への移行割合が高いように設定されていても良い。
また上記形態では、特図2の抽選が特図1の抽選よりも実行され易い高確非時短状態における先読み演出の実行可能条件(先読み演出条件)を、図59に示すような小当たり保留の数を考慮した条件とした。しかしながら、特図1の抽選結果に小当たりを含む構成とした場合には、通常遊技状態や時短状態などの他の遊技状態において、主特図である特図1の抽選での小当たり当選に基づいて、特図2が強制停止されることになる。そのため、このような構成とした場合には、主特図が特図1となる遊技状態では、特図1保留の数と、当該特図1保留に占める小当たり保留の数との和が、モードステータス変更までの残変動回数よりも小さい場合には、先読み演出の抽選を行うように構成することが望ましい。この場合には、特図2が「第1図柄」に相当し、特図1が「第2図柄」に相当し、主特図が特図1となる遊技状態(通常遊技状態、時短状態)が「特定の遊技状態」に相当する。また、特図2の抽選が「第1の抽選」に相当し、特図1の抽選が「第2の抽選」に相当する。
具体例としては例えば、低確時短状態(時短演出モード)において通常遊技状態(通常演出モード)への切り替わり前の数変動を先読み演出の禁止期間とする場合に、図59に示す先読み演出の実行可能条件を転用してもよい。なおこの例では、低確時短状態において特図変動が所定の切替回数(30回)行われるまでは、時短状態用の特図変動パターン判定テーブル(第1の選択基準の一例)に基づいて特図変動パターンが選択され、低確時短状態において特図変動が所定の切替回数行われた場合には、低確非時短状態用の特図変動パターン判定テーブル(第2の選択基準の一例)に基づいて特図変動パターンが選択されることとなる。ちなみに上記形態では、高確非時短状態において特図変動が所定の切替回数(80回)行われるまでは、高確非時短状態A用の特図変動パターン判定テーブル(第1の選択基準の一例)に基づいて特図変動パターンが選択され、高確非時短状態において特図変動が所定の切替回数行われた場合には、高確非時短状態B用の特図変動パターン判定テーブル(第2の選択基準の一例)に基づいて特図変動パターンが選択されていることとなる。
なお上記形態では、特図の変動開始時に遊技制御用マイコン101が遊技状態を変更する構成としたが、図59に示す先読み演出の実行可能条件は、特図の変動停止時に遊技制御用マイコン101が遊技状態を変更する構成に対しても好適に採用することができる。すなわち、特図の変動停止時に遊技制御用マイコン101が遊技状態を変更する構成としてもよく、この場合に、図59に示す先読み演出の実行可能条件を採用してもよい。
また上記形態では、高確非時短状態Aから高確非時短状態Bへの変更に応じて特図変動パターン判定テーブルを、図11(B)に示すものから図11(C)に示すものへと変更し、これにより、特図2の変動時間が変更されるよう構成した。そのため、高確非時短状態Aにおける先読み判定の結果に基づいて連続予告などの先読み演出を実行中に、高確非時短状態Bに変更されると、連続予告の演出尺がとれないなどの不都合が生じる可能性があり、このことも先読み演出の禁止期間を設ける理由の1つであった。これに対して、高確非時短状態中に遊技制御用マイコン101が用いる特図変動パターン判定テーブルが変更されることはないが、演出制御用マイコン121による演出モードの変更(小当たりラッシュ演出モードAから小当たりラッシュ演出モードBへの変更)は行われる構成とした場合にも、図59に示す先読み演出の実行可能条件を採用するとよい。このような構成では、演出モードの変更の前後で、選択され得る変動時間が変更されることはないが、変更前の演出モードに対応した先読み演出の実行中に、演出モードの変更が行われると、先読み演出の演出内容と演出モードの内容とが合わない事態を招く可能性があるからである。
また上記形態では、高確非時短状態に高確非時短状態Aと高確非時短状態Bとが含まれる構成としたが、高確非時短状態の種類は1種類でもよい。この場合、高確非時短状態において、図11(B)に示した特図変動パターン判定テーブルを用いてもよいし、図11(C)に示した特図変動パターン判定テーブルを用いてもよい。
また上記形態では、図59に示す先読み演出条件を満たす場合に抽選される先読み演出として、変動時エフェクトを例示したが、ゾーン予告(連続する複数の変動表示にわたって所定の演出態様(専用のゾーン背景画像が表示されたり、ゾーンを示す帯画像が表示されたりする態様)に制御する先読み演出)や保留変化予告などの他の先読み演出の抽選も、図59に示す先読み演出条件を満たした場合に抽選されるものとする。なお、ゾーン予告の開始タイミングは、ゾーン予告の実行契機となったターゲット保留の発生後、新たな変動が開始したタイミングとしてもよいし、ターゲット保留の発生時(始動入賞時)としてもよい。ゾーン予告を行う遊技機では、ある演出モードに対応したゾーン予告の実行中に、他の演出モードに変更されると、ゾーン予告の内容と他の演出モードの内容が合わない等の不都合が生じる可能性があるため、先読み演出の禁止期間を適切に設定することが望ましい。
また上記形態では、変動演出を行う表示部を、1つの表示装置の表示画面(画像表示装置50の表示画面50a)によって構成したが、2つ以上の表示装置の各表示画面によって構成してもよい。例えば、メイン表示装置としての画像表示装置50の他に、サブ表示装置を備えている構成では、メイン表示装置の表示画面にて演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の変動演出を行い、サブ表示装置の表示画面にて小図柄KZ1,KZ2,KZ3の変動演出を行うように構成してもよい。なお、タッチセンサと液晶表示装置からなるタッチパネルを遊技機枠2に搭載し、このタッチパネルにおける液晶表示装置をサブ表示装置としてもよい。
また上記形態では、第1始動口11、第2始動口12、又は第3始動口13への入賞に基づいて取得する乱数(判定情報)として、大当たり乱数等の4つの乱数を取得することとしたが、一つの乱数を取得してその乱数に基づいて、大当たり又は小当たりか否か、大当たり図柄、小当たり図柄の種別、リーチの有無、及び変動パターンの種類を決めるようにしてもよい。すなわち、始動入賞に基づいて取得する乱数の個数および各乱数において何を決定するようにするかは任意に設定可能である。
14.本明細書に開示されている発明
この[発明を実施するための形態]における前段落までには、以下の発明が開示されている。以下の説明では、実施形態における対応する構成の名称や表現、図面に使用した符号を参考のためにかっこ書きで付記している。但し、各発明の構成要素はこの付記に限定されるものではない。なお、発明Aは、以下の発明A1~A5の総称である。また、発明Bは、以下の発明B1~B6の総称である。
発明A1:
第1の抽選(特図1の抽選)の結果に基づいて当該第1の抽選の結果を示す第1図柄(特図1)の変動表示を行うことと、第2の抽選(特図2の抽選)の結果に基づいて当該第2の抽選の結果を示す第2図柄(特図2)の変動表示を行うこととが可能であり、前記第1図柄および前記第2図柄のうちの一方の変動表示中であっても他方の変動表示を開始することが可能な変動表示手段(遊技制御用マイコン101による特図変動の実行に係る処理)と、
第1遊技状態(例えば低確非時短状態)に制御することと、当該第1遊技状態と比べて可変始動口(第2始動口12)への入球し易さが異なる第2遊技状態(例えば低確時短状態)に制御することとが可能な遊技状態制御手段(遊技制御用マイコン101による遊技状態の変更に関する処理)と、を備え、
前記第1遊技状態では、前記第1図柄の変動表示が前記第2図柄の変動表示よりも実行され易い構成とされ、
前記遊技状態制御手段は、
前記第1図柄の変動表示および前記第2図柄の変動表示の合計の実行回数が所定回数(例えば天井回数、実施形態では800回)になったことに基づいて、前記第1遊技状態から前記第2遊技状態への変更制御を行うことが可能であり、
前記変更制御を、前記第1図柄の変動表示あるいは前記第2図柄の変動表示を開始する際に行う(図20や図24に示す特別図柄待機処理(S1003,S1103)において遊技状態管理処理(S1204,S1604)を行う)ものであることを特徴とする遊技機。
この構成の遊技機によれば、第1図柄の変動表示と第2図柄の変動表示とが同時に行われる遊技機において、第1遊技状態から第2遊技状態への移行前の最後の変動表示が、第1遊技状態において変動を予定されていない第2図柄(変動され難い第2図柄)となっても、その第2図柄の変動表示が終了するのを待つことなく、第2遊技状態への移行をスムーズに行うことが可能である。よって、遊技興趣の低下を抑制することが可能である。
発明A2:
発明A1に記載の遊技機であって、
前記第2遊技状態は、前記第1遊技状態(低確非時短状態)よりも前記可変始動口への入球が容易な遊技状態(低確時短状態)であることを特徴とする遊技機。
この構成の遊技機によれば、第1図柄および第2図柄の変動表示が所定回数行われたことに基づいて、可変始動口への入球が容易な第2遊技状態に制御される場合に、第2遊技状態への移行前の最後の変動表示が、第1遊技状態において変動を予定されていない第2図柄(変動され難い第2図柄)となっても、その第2図柄の変動表示が終了するのを待つことなく、可変始動口への入球が容易な第2遊技状態への移行をスムーズに行うことが可能である。よって、遊技興趣の低下を抑制することが可能である。
発明A3:
発明A2に記載の遊技機であって、
前記第1遊技状態(低確非時短状態)では、前記第1の抽選の結果が大当たりである場合に選択される前記第1図柄の変動時間(70000ms、図11(A)参照)よりも、前記第2の抽選の結果がハズレである場合に選択される前記第2図柄の変動時間(600000ms、図11(A)参照)の方が長いことを特徴とする遊技機。
この構成の遊技機によれば、第1遊技状態から第2遊技状態への移行前の最後の変動表示が、第1遊技状態において変動され難くて相対的に変動時間が長い第2図柄となっても、その第2図柄の変動表示が終了するのを待つことなく、第2遊技状態への移行をスムーズに行うことが可能である。よって、可変始動口への入球がなかなか容易とならない事態の発生を防止でき、遊技興趣の低下を抑制することが可能である。
発明A4:
発明A2又は発明A3に記載の遊技機であって、
前記第1図柄の変動表示に並行して前記第1の抽選の結果を示す第1の変動演出を行うことと、前記第2図柄の変動表示に並行して前記第2の抽選の結果を示す第2の変動演出を行うこととが可能な変動演出実行手段(演出制御用マイコン121)を備え、
前記変動演出実行手段は、前記第1遊技状態では前記第1の変動演出を実行するが、前記第2の変動演出を実行しない(図45-1参照)ことを特徴とする遊技機。
この構成の遊技機によれば、変動演出が行われる第1図柄でなく、変動演出が行われない第2図柄が、第1遊技状態から第2遊技状態への移行前の最後の変動表示となっても、その第2図柄の変動表示が終了するのを待つことなく、第2遊技状態への移行をスムーズに行うことが可能である。その結果、遊技興趣の低下を抑制することが可能である。
発明A5:
発明A1から発明A4までの何れかに記載の遊技機であって、
前記第2の抽選は、前記第1の抽選よりも、所定の大入賞口(第2大入賞口15)を開放させる小当たり遊技の実行契機となる小当たりに当選し易い抽選であり(図8(A)参照)、
前記遊技状態制御手段は、前記第1遊技状態とも前記第2遊技状態とも異なる遊技状態であって、前記第2図柄の変動表示が前記第1図柄の変動表示よりも実行され易い第3遊技状態(高確非時短状態すなわち小当たりラッシュ状態)に制御することがあり、
前記第3遊技状態では、前記小当たり遊技が実行されることにより前記所定の大入賞口への入賞に基づく賞球の獲得が可能であることを特徴とする遊技機。
この構成の遊技機によれば、第2の抽選に基づく第2図柄の変動表示が実行され易い第3遊技状態では、小当たり遊技の実行により大入賞口への入賞に基づく賞球の獲得が可能であるため、遊技興趣の向上が見込めるとともに、第1遊技状態では第2図柄の変動表示が実行され難くなっているため、第3遊技状態になっていないのに小当たり遊技の実行による賞球の獲得がなされるのを抑制することが可能である。
ところで従来より、遊技機の一例であるパチンコ遊技機として、例えば特開2016-146990号公報に記載されているように、特図1の抽選に基づく特図1の変動表示と、特図2の抽選に基づく特図2の変動表示とを同時に実行可能な遊技機(いわゆる同時変動の遊技機)が知られている。そしてこの遊技機では、通常遊技状態に制御されたり、通常遊技状態よりも可変始動口に遊技球が入球し易い時短状態に制御されたりといった具合に、複数の遊技状態の間で遊技状態の変更が行われる。しかしながら、いわゆる同時変動の遊技機において、ある遊技状態では特図1と特図2の一方の変動表示が主に行われ他方の変動表示は行われ難い構成とした場合には、遊技状態の変わり目で他方の変動表示が行われることにより、円滑な遊技状態の移行が妨げられる可能性がある。
上記した発明Aは、特開2016-146990号公報に記載の遊技機に対して、「第1図柄の変動表示および第2図柄の変動表示の合計の実行回数が所定回数になったことに基づいて、第1遊技状態から第2遊技状態への変更制御を行うことが可能であり、この変更制御を、第1図柄の変動表示あるいは第2図柄の変動表示を開始する際に行う」という点で相違している。これにより、発明Aは、「遊技状態の移行が円滑に行われるようにすることで、遊技興趣の低下を抑制する」という課題を解決する(作用効果を奏する)ことが可能である。
発明B1:
第1の抽選(特図1の抽選)の結果を示す第1図柄(特図1)の変動表示、及び、第2の抽選(特図2の抽選)の結果を示す第2図柄(特図2)の変動表示のうちの一方の変動表示中であっても他方の変動表示を開始可能な変動制御手段(遊技制御用マイコン101による特別図柄の変動表示に関する処理)と、
演出を制御可能な演出制御手段(演出制御用マイコン121)と、を備え、
前記変動制御手段は、特定の抽選結果(小当たり)を示す特定停止態様(小当たり停止態様)で前記第1図柄及び前記第2図柄のうちの一方を停止させた場合には、他方をその変動時間の経過を待たずに停止させることが可能であり、
前記演出制御手段は、前記第1の抽選の保留(特図1保留)又は前記第2の抽選の保留(特図2保留)に占める前記特定の抽選結果となる予定の特定保留(小当たり保留)の数が所定条件(先読み演出条件)を満たす場合に、前記第1の抽選又は前記第2の抽選の結果をその実行前から示唆する先読み演出(例えば変動時エフェクトの連続予告)を行うことが可能である(図59参照)ことを特徴とする遊技機(パチンコ遊技機PY1)。
この構成の遊技機によれば、第1図柄の変動表示と第2図柄の変動表示とを同時に実行可能であって、一方の図柄に係る抽選結果が特定の抽選結果である場合に、他方の図柄を強制的に停止させることがあるいわゆる同時変動機において、特定の抽選結果となる予定の特定保留の数に基づいて、先読み演出を行うか否かが決まる。そのため、全保留が特定保留であると仮定して先読み演出の禁止期間を設ける構成よりも、先読み演出を実行できる場合を増やすことが可能となる。その結果、遊技興趣の低下を抑制することが可能である。
発明B2:
発明B1に記載の遊技機であって、
前記第2の抽選の結果には、前記特定の抽選結果(小当たり)が含まれており、
特定の遊技状態(高確非時短状態)では、前記第1図柄(特図1)の変動表示よりも前記第2図柄(特図2)の変動表示の方が実行され易い構成とされ、
前記演出制御手段は、前記特定の遊技状態において、前記第2の抽選の保留に占める前記特定保留の数(小当たり保留)が前記所定条件を満たす場合に、前記第2の抽選の結果をその実行前から示唆する先読み演出を行うことが可能である(図59参照)ことを特徴とする遊技機。
この構成の遊技機によれば、特定の遊技状態では第2図柄の変動表示が主に行われるところ、第2図柄に係る抽選の結果が特定の抽選結果である場合には、その抽選結果の分だけ、本来あまり実行される予定ではなかった第1図柄の変動表示が行われることとなる。そこで、第2の抽選の保留に占める特定保留の数に基づいて、第2の抽選に関する先読み演出の実行可否を判断することで、実行される可能性のある第1図柄の変動表示の回数を考慮した正確な先読み演出の実行可否の判断を行うことが可能となる。
発明B3:
発明B2に記載の遊技機であって、
前記第1の抽選の結果に基づいて前記第1図柄の変動パターン(特図1変動パターン)を選択し、前記第2の抽選の結果に基づいて前記第2図柄の変動パターン(特図2変動パターン)を選択する変動パターン選択手段(遊技制御用マイコン101による特図変動パターンの選択に関する処理)を備え、
前記変動パターン選択手段は、前記特定の遊技状態(高確非時短状態)において前記第1図柄の変動表示および前記第2図柄の変動表示が合計で所定の切替回数(実施形態では80回)行われた場合、前記変動パターンの選択基準(特図変動パターン判定テーブル)を変更するものであり(図11(B)(C)参照)、
前記所定条件は、前記第2の抽選の保留の数と、当該保留に占める前記特定保留(小当たり保留)の数との和が、前記切替回数までの残りの変動回数よりも小さいことである(図59参照)ことを特徴とする遊技機。
この構成の遊技機によれば、特定の遊技状態において第1図柄又は第2図柄の変動表示が所定の切替回数行われた場合には、変動パターンの選択基準を変更する。そのため、変動パターンの選択基準が変更される前に、第2の抽選に関する先読み演出が行われ、変動パターンの選択基準が変更されてからその先読み演出に対応する第2の抽選が実際に行われると、先読み演出の内容が、選択される変動パターンに合わないおそれがある。そこで本発明では、第2の抽選の保留の数と、その保留内の特定保留の数とによって、変動パターンの選択基準の変更までの残りの変動回数を正確に把握する。これにより、先読み演出を行ってもよいタイミングで、先読み演出を禁止してしまう事態の発生を防止することが可能である。その結果、最大限、先読み演出が実行されることとなり、遊技興趣の向上が見込める。
発明B4:
発明B3に記載の遊技機であって、
前記演出制御手段は、前記変動パターン選択手段によって選択された変動パターンに基づいて、前記第1の抽選又は前記第2の抽選の結果を報知する変動演出を行うことが可能である(図45-1参照)ことを特徴とする遊技機。
この構成の遊技機によれば、第1の抽選の結果や第2の抽選の結果に応じた変動パターンに基づいて変動演出が行われるところ、変動パターンの選択基準の切替の前後で、適切に先読み演出の実行可否を判断できるため、先読み演出の内容と変動演出の内容が合わない事態の発生を適切に防止することが可能である。
発明B5:
発明B4に記載の遊技機であって、
前記演出制御手段は、前記特定の遊技状態では、前記第2図柄の変動表示に並行して前記第2の抽選の結果を報知する変動演出を行うが、前記第1図柄の変動表示に並行して前記第1の抽選の結果を報知する変動演出を行わない(図45-1参照)ことを特徴とする遊技機。
この構成の遊技機によれば、特定の遊技状態では、主に実行が予定されている第2図柄の変動表示に対応した変動演出は行われるが、実行を予定されていない第1図柄の変動表示に対応した変動演出は行われないところ、第2図柄の変動表示に対応した変動演出の内容と、第2図柄に係る抽選の結果を示唆する先読み演出の内容とが合わない事態の発生を、適切に防止することが可能である。
発明B6:
発明B2から発明B5までの何れかに記載の遊技機であって、
前記特定の遊技状態(高確非時短状態)では、前記第2の抽選の結果が大当たりである場合に選択される前記第2図柄の変動時間(70000ms、30000ms、又は10000ms、図11(B)(C)参照)よりも、前記第1の抽選の結果がハズレである場合に選択される前記第1図柄の変動時間(600000ms、図11(B)(C)参照)の方が長いことを特徴とする遊技機。
この構成の遊技機によれば、特定の遊技状態では相対的に第1図柄の変動時間が長いため、第1図柄の変動表示はあまり実行されない。にもかかわらず、第1図柄の変動表示が実行されることまで考慮して先読み演出の禁止期間を設定すると、本当は先読み演出を実行しても問題無い場合にまで、先読み演出を禁止してしまう可能性がある。そこで本発明では、第2の抽選の保留に占める特定保留の数を、実行される第1図柄の変動表示の回数と見て、先読み演出の実行可否の判断に用いている。そのため、先読み演出の禁止期間を最短に抑えることが可能となり、先読み演出が実行されないことによる遊技興趣の低下を最小限に抑えることが可能である。
ところで従来より、遊技機の一例であるパチンコ遊技機として、例えば特開2016-146990号公報に記載されているように、特図1の抽選に基づく特図1の変動表示と、特図2の抽選に基づく特図2の変動表示とを同時に実行可能な遊技機(いわゆる同時変動の遊技機)が知られている。ところで、いわゆる同時変動の遊技機において、特図1の抽選や特図2の抽選の結果をその抽選の実行前から示唆する先読み演出を行う場合には、両方の特図が実行され得ることを考慮して、先読み演出の実行可能期間を定める必要がある。しかしながら、先読み演出の実行可能期間を必要以上に短くしてしまうと、先読み演出が実行されないことによって遊技興趣の低下を招くおそれがある。
上記した発明Bは、特開2016-146990号公報に記載の遊技機に対して、「特定の抽選結果を示す特定停止態様で第1図柄及び第2図柄のうちの一方を停止させた場合には、他方をその変動時間の経過を待たずに停止させることが可能であり、第1の抽選の保留又は第2の抽選の保留に占める特定の抽選結果となる予定の特定保留の数が所定条件を満たす場合に、第1の抽選又は第2の抽選の結果をその実行前から示唆する先読み演出を行う」という点で相違している。これにより、発明Bは、「いわゆる同時変動の遊技機において先読み演出の実行可能期間が短くなり過ぎないようにすることで、遊技興趣の低下を抑制する」という課題を解決する(作用効果を奏する)ことが可能である。