JP2022089294A - 空気入りタイヤ - Google Patents
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Abstract
【課題】 サイドウォールのプロテクション性能を向上させることができる空気入りタイヤを提供する。【解決手段】 空気入りタイヤにおいては、第1溝は、第1及び第2サイドブロックをタイヤ径方向の全長に亘って分断するように、タイヤ径方向へ延び、第1サイドブロックは、第1トレッドブロックに交差する第1タイヤ子午面と交差し且つ第2トレッドブロックに交差する第2タイヤ子午面と交差するように、タイヤ周方向へ延び、第1溝の幅寸法は、第1サイドブロックのタイヤ周方向の寸法の5%以下である。【選択図】 図4
Description
本開示は、空気入りタイヤに関する。
従来、例えば、空気入りタイヤのサイドウォールは、タイヤ幅方向へ突出する複数のサイドブロックと、隣接するサイドブロック間に配置される溝とを備えている(例えば、特許文献1)。そして、溝は、隣接するサイドブロックをタイヤ径方向の全長に亘って分断するように、タイヤ径方向へ延びている。
これにより、例えば、サイドブロックによって、サイドウォールのゴム厚みが厚くなるため、サイドウォールのプロテクション性能(例えば、石、岩等が衝突したときに、カット傷が生じることを抑制する性能)を向上させることができる。しかしながら、特許文献1に係る空気入りタイヤにおいては、溝の幅が広いため、サイドウォールのプロテクション性能を十分に向上できていない。
そこで、本開示の目的は、サイドウォールのプロテクション性能を向上させることができる空気入りタイヤを提供することである。
タイヤは、タイヤ径方向に延びるサイドウォールと、前記タイヤ径方向の外側にトレッド面を有し、前記サイドウォールの前記タイヤ径方向の外端に連接されるトレッドと、を備え、前記トレッドは、タイヤ幅方向の外端まで延びる複数の幅溝と、前記複数の幅溝に区画され、タイヤ周方向に並ぶ複数のトレッドブロックと、を備え、前記複数のトレッドブロックは、前記タイヤ周方向で隣接される第1及び第2トレッドブロックを含み、前記サイドウォールは、前記タイヤ幅方向へ突出して前記タイヤ周方向に並ぶ複数のサイドブロックを備え、前記複数のサイドブロックは、前記タイヤ周方向で隣接される第1及び第2サイドブロックを含み、前記サイドウォールは、前記第1及び第2サイドブロック間に配置される第1溝をさらに備え、前記第1溝は、前記第1及び第2サイドブロックを前記タイヤ径方向の全長に亘って分断するように、前記タイヤ径方向へ延び、前記第1サイドブロックは、前記第1トレッドブロックに交差する第1タイヤ子午面と交差し且つ前記第2トレッドブロックに交差する第2タイヤ子午面と交差するように、前記タイヤ周方向へ延び、前記第1溝の幅寸法は、前記第1サイドブロックの前記タイヤ周方向の寸法の5%以下である。
以下、空気入りタイヤにおける一実施形態について、図1~図5を参照しながら説明する。なお、各図において、図面の寸法比と実際の寸法比とは、必ずしも一致しておらず、また、各図面の間での寸法比も、必ずしも一致していない。
図1に示すように、空気入りタイヤ(以下、単に「タイヤ」ともいう)1は、一対のビード11と、各ビード11からタイヤ径方向D2の外側へ延びるサイドウォール12と、一対のサイドウォール12の各々のタイヤ径方向D2の外端に連接され、地面と接するトレッド面13aをタイヤ径方向D2の外側に有するトレッド13とを備えている。なお、タイヤ1は、リム(図示していない)に装着される。
各図において、第1の方向D1は、タイヤ回転軸と平行であるタイヤ幅方向D1であり、第2の方向D2は、タイヤ1の直径方向であるタイヤ径方向D2であり、第3の方向D3は、タイヤ回転軸周りの方向であるタイヤ周方向D3である。また、タイヤ赤道面S1とは、タイヤ回転軸に直交する面で且つタイヤ幅方向D1の中心に位置する面であり、タイヤ子午面S2,S3とは、タイヤ回転軸を含む面であって、タイヤ赤道面S1と直交する面である。
なお、タイヤ幅方向D1において、内側とは、タイヤ赤道面S1に近い側のことであり、外側とは、タイヤ赤道面S1から遠い側のことである。また、タイヤ径方向D2において、内側とは、タイヤ回転軸に近い側のことであり、外側とは、タイヤ回転軸から遠い側のことである。また、タイヤ周方向D3のうち、第1側D31は、第1周方向側D31ともいい、第2側D32は、第2周方向側D32ともいう。
ビード11は、環状に形成されるビードコア11aと、ビードコア11aのタイヤ径方向D2の外側に配置されるビードフィラー11bとを備えている。例えば、ビードコア11aは、ゴム被覆されたビードワイヤ(例えば、金属線)を積層して形成され、ビードフィラー11bは、硬質ゴムを、タイヤ径方向D2の外側に向けてテーパ状にして形成されている。
また、タイヤ1は、一対のビードコア11a,11aの間に架け渡されるカーカス14と、カーカス14の内側に配置され、空気が充填されるタイヤ1の内部空間に面するインナーライナ15とを備えている。カーカス14及びインナーライナ15は、ビード11、サイドウォール12及びトレッド13に亘って、タイヤ内周に沿って配置されている。
ビード11は、リムに接触する外表面を構成すべく、カーカス14のタイヤ幅方向D1の外側に配置されるリムストリップゴム11cを備えている。サイドウォール12は、外表面を構成すべく、カーカス14のタイヤ幅方向D1の外側に配置されるサイドウォールゴム12aを備えている。
トレッド13は、トレッド面13aを構成するトレッドゴム13bと、トレッドゴム13bとカーカス14との間に配置されるベルト13cとを備えている。ベルト13cは、複数(図1においては、4つ)のベルトプライ13dを備えている。例えば、ベルトプライ13dは、平行配列した複数本のベルトコード(例えば、有機繊維や金属)と、ベルトコードを被覆するトッピングゴムとを備えている。
カーカス14は、少なくとも1つ(図1においては、2つ)のカーカスプライ14aで構成されている。カーカスプライ14aは、ビードコア11aを巻き込むようにビードコア11aの周りで折り返されている。また、カーカスプライ14aは、タイヤ周方向D3に対して略直交する方向に配列した複数のプライコード(例えば、有機繊維や金属)と、プライコードを被覆するトッピングゴムとを備えている。
インナーライナ15は、空気圧を保持するために、気体の透過を阻止する機能に優れている。なお、サイドウォール12において、本実施形態のように、インナーライナ15は、カーカス14の内周側に密接しており、インナーライナ15及びカーカス14間には、他の部材は介在していない、という構成でもよい。
また、例えば、最も内周側に配置されるカーカスプライ14aとタイヤ内周面(インナーライナ15の内周面)との間の距離において、サイドウォール12の当該距離は、トレッド13の当該距離の90%~180%としてもよい。また、例えば、サイドウォール12の当該距離は、トレッド13の当該距離の120%~160%としてもよい。
なお、サイドウォール12は、タイヤ最大幅となる位置(具体的には、カーカス14のタイヤ幅方向D1の外側同士間の距離W1のうち、最大距離となる位置)とタイヤ径方向D2で同じ位置12bを、外表面に備えている。以下、当該位置12bを、タイヤ最大幅位置12bという。
また、サイドウォール12は、ビードフィラー11bのタイヤ径方向D2の外端11dと、タイヤ径方向D2で同じ位置12cを、外表面に備えている。以下、当該位置12cを、ビード端位置12cという。
図1~図3に示すように、トレッドゴム13bは、トレッド面13aのタイヤ周方向D3の全域に亘って、タイヤ周方向D3へ連続して延びる複数の主溝13eを備えている。そして、トレッドゴム13bは、タイヤ幅方向D1の外端まで延びる複数の幅溝13fと、タイヤ幅方向D1の最も外側に配置される主溝13eと複数の幅溝13fとによって区画される複数のトレッドブロック2とを備えている。
図2~図4に示すように、サイドウォールゴム12aは、タイヤ幅方向D1へ突出してタイヤ周方向D3に並ぶ複数のサイドブロック3と、タイヤ周方向D3で隣接するサイドブロック3,3間に配置される第1溝4とを備えている。第1溝4は、隣接するサイドブロック3,3をタイヤ径方向D2の全長に亘って分断するように、タイヤ径方向D2へ延びている。
サイドブロック3は、タイヤ周方向D3へ延びている。具体的には、タイヤ周方向D3で隣接される第1及び第2トレッドブロック2,2に対して、サイドブロック3は、第1トレッドブロック2に交差する第1タイヤ子午面S2と交差し、且つ、第2トレッドブロック2に交差する第2タイヤ子午面S3と交差している。
サイドウォールゴム12aは、例えば、本実施形態のように、第1トレッドブロック2からタイヤ幅方向D1の外側へ突出する第1幅凸部5aと、第2トレッドブロック2からタイヤ幅方向D1の外側へ突出する第2幅凸部5bとを備えている、という構成でもよい。また、トレッドブロック2は、例えば、本実施形態のように、タイヤ幅方向D1へ凹む幅凹部2aを備えている、という構成でもよい。
例えば、第1幅凸部5aのタイヤ周方向D3の寸法は、タイヤ径方向D2の外側へ行くにつれて、大きくなっていてもよい。また、例えば、第2幅凸部5bのタイヤ周方向D3の寸法は、タイヤ径方向D2の内側へ行くにつれて、大きくなっていてもよい。また、例えば、幅凹部2aは、幅凸部5a,5bのタイヤ周方向D3側の端縁と連接し、且つ、幅凸部5a,5bのタイヤ径方向D2の外側の端縁と連接している。
また、サイドウォールゴム12aは、例えば、本実施形態のように、タイヤ幅方向D1の外側へ突出し且つタイヤ周方向D3へ延びる環状突出部6を備えていてもよい。環状突出部6は、例えば、サイドウォールゴム12aのタイヤ周方向D3の全域に亘って、タイヤ周方向D3へ連続して延びていてもよい。
なお、環状突出部6は、例えば、本実施形態のように、サイドブロック3よりもタイヤ径方向D2の外側に配置されていてもよい。また、幅凸部5a,5b及び幅凹部2aは、例えば、本実施形態のように、環状突出部6よりもタイヤ径方向D2の外側に配置されていてもよい。即ち、幅凸部5a,5b及び幅凹部2aは、例えば、サイドブロック3よりもタイヤ径方向D2の外側に配置されていてもよい。
そして、サイドブロック3、幅凸部5a,5b、及び幅凹部2aは、面やエッジの成分を備えている。そして、泥、砂、岩に接地する部分に、凹凸形状が形成されることにより、泥、砂、岩に接地する面積が、大きくなったり、また、その凹凸形状による面やエッジが、さまざまな位置の泥、砂、岩に接地し易くなったりする。これにより、泥、砂、岩に接地する部分に、凹凸形状が形成されることで、トラクション性能が向上する。
例えば、サイドブロック3、幅凸部5a,5b、及び幅凹部2aが泥、砂をせん断するときに、当該せん断の抵抗によってトラクションが発生する。また、例えば、サイドブロック3、幅凸部5a,5b、及び幅凹部2aが岩と接触するときに、当該接触の摩擦によってトラクションが発生する。
そして、サイドブロック3、幅凸部5a,5b、及び幅凹部2aは、ビード端位置12c(図1参照)よりもタイヤ径方向D2の外側に配置されている。例えば、サイドブロック3、幅凸部5a,5b、及び幅凹部2aは、本実施形態のように、タイヤ最大幅位置12b(図1参照)よりもタイヤ径方向D2の外側に配置されていることが好ましい。
これにより、サイドブロック3、幅凸部5a,5b、及び幅凹部2aは、泥濘地や砂地において、車両の重みによりタイヤ1が沈降し、泥や砂に埋没した状態で接地したり、また、岩場において、凹凸の岩に接地したりできる。即ち、サイドブロック3、幅凸部5a,5b、及び幅凹部2aは、泥濘地、砂地、及び岩場といった悪路において、接地する。
なお、サイドブロック3、幅凸部5a,5b、及び幅凹部2aは、トレッド面13aよりもタイヤ径方向D2の内側に配置されている。これにより、サイドブロック3、幅凸部5a,5b、及び幅凹部2aは、平坦な道路において、通常走行時に接地しない。
ここで、第1溝4の構成について、図4及び図5を参照しながら説明する。
図4及び図5に示すように、第1溝4がタイヤ径方向D2へ延びることによって、隣接されるサイドブロック3,3がタイヤ径方向D2の全長に亘って分断されている。これにより、例えば、サイドブロック3のエッジ成分が多くなるため、サイドブロック3によるトラクション性能を向上させることができる。
また、隣接されるサイドブロック3,3がタイヤ径方向D2の全長に亘って分断されることによって、サイドブロック3のタイヤ周方向D3側の側面の表面積は、大きくなる。これにより、例えば、サイドブロック3の放熱性能(例えば、サイドブロック3の温度が上昇して耐久性が低下することを抑制する性能)を向上させることができる。
そして、第1溝4の幅寸法W2は、サイドブロック3のタイヤ周方向D3の寸法W3の5%以下となっており、例えば、4%以下であることが好ましく、また、例えば、3%以下であることがさらに好ましい。これにより、第1溝4の幅が狭くなっているため、サイドウォール12のプロテクション性能を向上させることができる。
なお、第1溝4の幅寸法W2は、第1溝4の幅寸法のうち、最も狭い幅寸法W2のことである。また、サイドブロック3のタイヤ周方向D3の寸法W3は、サイドブロック3のタイヤ周方向D3の寸法のうち、最も大きい寸法W3のことである。
次に、サイドブロック3の構成について、説明する。
図4及び図5に示すように、サイドブロック3は、タイヤ周方向D3の中間部に、タイヤ径方向D2へ延びる第2溝3aを備えている。なお、中間部とは、サイドブロック3をタイヤ周方向D3で三等分した部分のうち、タイヤ周方向D3の中央に配置される部分のことである。
そして、サイドブロック3は、第2溝3aによって区画される第1突出部3b及び第2突出部3cを備えている。具体的には、サイドブロック3は、第2溝3aよりも第1周方向側D31に配置される第1突出部3bと、第2溝3aよりも第2周方向側D32に配置される第2突出部3cとを備えている。
これにより、第2溝3aによってサイドブロック3の表面積が大きくなるため、例えば、サイドブロック3の放熱性能を向上させることができる。また、第2溝3aによるエッジ成分が存在するため、例えば、サイドブロック3によるトラクション性能を向上させることができる。また、例えば、第1突出部3bにカット傷が生じた場合に、第2溝3aによって、第2突出部3cへカット溝が延びることを抑制することができるため、サイドブロック3のプロテクション性能を向上させることができる。
なお、第2溝3aの存在により、ゴム厚みが薄くなるため、ゴム厚みに起因するサイドブロック3のプロテクション性能を低下する虞がある。そこで、第2溝3aの幅寸法W4は、第1溝4の幅寸法W2以下となっている。
これにより、第2溝3aの幅が広くなることを抑制しているため、サイドブロック3のプロテクション性能が第2溝3aの存在によって低下することを抑制することができている。なお、第2溝3aの幅寸法W4は、第2溝3aの幅寸法のうち、最も狭い幅寸法W4のことである。
第1溝4の幅寸法は、例えば、本実施形態のように、全長に亘って、一定(同じだけでなく、±5%以内の差異を含む略同じも含む)である、という構成でもよい。なお、第1溝4の幅寸法は、例えば、タイヤ径方向D2の内側へ行くにつれて、大きくなる、という構成でもよく、また、例えば、タイヤ径方向D2の内側へ行くにつれて、小さくなる、という構成でもよい。
第2溝3aの幅寸法は、例えば、本実施形態のように、全長に亘って、一定(同じだけでなく、±5%以内の差異を含む略同じも含む)である、という構成でもよい。なお、第2溝3aの幅寸法は、例えば、タイヤ径方向D2の内側へ行くにつれて、大きくなる、という構成でもよく、また、例えば、タイヤ径方向D2の内側へ行くにつれて、小さくなる、という構成でもよい。
なお、本実施形態においては、第2溝3aの幅寸法W4は、第1溝4の幅寸法W2と同じであるが、例えば、第2溝3aの幅寸法W4は、第1溝4の幅寸法W2よりも、小さくてもよい。また、本実施形態においては、第2溝3aは、タイヤ径方向D2の内端で開放されており、タイヤ径方向D2の外端で閉止されている。これにより、タイヤ径方向D2の内端にエッジ成分が存在するため、例えば、トラクション性能が向上する。
特に限定されないが、第2溝3aのタイヤ径方向D2の寸法W5は、サイドブロック3のタイヤ径方向D2の寸法W6の33%(=1/3)以上であることが好ましく、また、例えば、50%(=1/2)以上あることが好ましく、また、例えば、67%(=2/3)以上であることがさらに好ましい。なお、サイドブロック3のタイヤ径方向D2の寸法W6は、サイドブロック3のタイヤ径方向D2の寸法のうち、最も大きい寸法W6のことである。
また、限定されないが、例えば、第1溝4がタイヤ径方向D2に対して傾斜する向きは、第2溝3aがタイヤ径方向D2に対して傾斜する向きと、同じであってもよい。本実施形態においては、第1溝4及び第2溝3aは、タイヤ径方向D2の内側へ行くにつれて、第1周方向側D31へ向かっている。これにより、例えば、タイヤ1が第1周方向側D31へ回転するときに、雪に対するトラクション性能を向上させることができる。
サイドブロック3は、例えば、本実施形態のように、第1突出部3b及び第2突出部3cの突出高さH1,H2よりも低い突出高さH3である低突出部3d,3eを備えていてもよい。第1低突出部3dは、例えば、第1突出部3bの第1周方向側D31の端部に連接されていてもよく、第2低突出部3eは、例えば、第1突出部3b及び第2突出部3cのタイヤ径方向D2の内端部に連接されていてもよい。
なお、図5に示すように、サイドウォールゴム12aは、ウォール本体部12dを備えており、サイドブロック3は、ウォール本体部12dからタイヤ幅方向D1の外側へ突出している。そして、ウォール本体部12dのタイヤ幅方向D1の外側面は、サイドウォール12のプロファイル面S4を構成している。
例えば、図1に示すように、タイヤ子午面の断面において、サイドウォール12のプロファイル面S4は、曲率半径が異なる複数の円弧で構成されていてもよい。なお、サイドブロック3(の各部3a~3e)の突出高さとは、プロファイル面S4の法線方向へ突出する高さをいう。
図4及び図5に戻り、第2突出部3cの突出高さH2は、第1突出部3bの突出高さH1よりも、低くなっている。即ち、タイヤ径方向D2の同じ位置において、第2突出部3cは、第1突出部3bよりも、タイヤ幅方向D1の内側に配置されている。これにより、第2突出部3cのゴム厚みが、第1突出部3bのゴム厚みよりも、薄くなっているため、例えば、サイドブロック3によってゴム重量が大きくなり過ぎることを抑制することができる。したがって、ユニフォミティを向上させることができる。
しかも、第1突出部3bのタイヤ幅方向D1視の面積は、第2突出部3cのタイヤ幅方向D1視の面積よりも、大きくなっている。これにより、ゴム厚みが厚い第1突出部3bの領域が、大きくなるため、サイドブロック3のプロテクション効果を向上させることができる。
特に限定されないが、例えば、本実施形態のように、第1溝4の底面は、プロファイル面S4と一致しており、第1溝4の底面の突出高さは、ゼロである、という構成でもよい。なお、第1溝4は、ウォール本体部12d(プロファイル面S4)から凹んでおり、第1溝4の底面は、プロファイル面S4よりもタイヤ幅方向D1の内側に配置されている、という構成でもよい。
そして、第2溝3aの底面の突出高さは、第1溝4の底面の突出高さよりも、高くなっている。即ち、タイヤ径方向D2の同じ位置において、第2溝3aの底面は、第1溝4の底面よりも、タイヤ幅方向D1の外側に配置されている。特に限定されないが、第2溝3aの底面の突出高さH4は、例えば、本実施形態のように、第2低突出部3eの突出高さH3と同じであってもよい。
また、サイドブロック3は、例えば、本実施形態のように、線状に延びる線状突起3f~3hを備えていてもよい。例えば、第1線状突起3fは、第1突出部3bから突出し且つタイヤ径方向D2へ延び、第2線状突起3gは、第1突出部3bから突出し且つタイヤ周方向D3へ延び、第3線状突起3hは、第2低突出部3eの第2周方向側D32で、第2低突出部3eのタイヤ径方向D2の内端に沿って延びる、という構成でもよい。
これにより、線状突起3f~3hによってサイドブロック3の表面積が大きくなるため、例えば、サイドブロック3の放熱性能を向上させることができる。また、線状突起3f~3hによるエッジ成分が存在するため、例えば、サイドブロック3によるトラクション性能を向上させることができる。また、線状突起3f~3hによりゴム厚みが厚くなるため、例えば、サイドブロック3のプロテクション効果を向上させることができる。
なお、上述した各寸法値、位置関係及び大小関係等は、タイヤ1を正規リムに装着して正規内圧を充填した無負荷の正規状態で測定したものである。正規リムは、タイヤ1が基づいている規格を含む規格体系において、当該規格がタイヤ1ごとに定めるリムであり、例えば、JATMAであれば標準リム、TRA及びETRTOであれば「Measuring Rim」となる。
また、正規内圧は、タイヤ1が基づいている規格を含む規格体系において、各規格がタイヤ1ごとに定めている空気圧であり、JATMAであれば最高空気圧、TRAであれば表「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」に記載の最大値、ETRTOであれば「INFLATIONPRESSURE」である。
以上より、本実施形態のように、タイヤ1は、タイヤ径方向D2に延びるサイドウォール12と、前記タイヤ径方向D2の外側にトレッド面13aを有し、前記サイドウォール12の前記タイヤ径方向D2の外端に連接されるトレッド13と、を備え、前記トレッド13は、タイヤ幅方向D1の外端まで延びる複数の幅溝13fと、前記複数の幅溝13fに区画され、タイヤ周方向D3に並ぶ複数のトレッドブロック2と、を備え、前記複数のトレッドブロック2は、前記タイヤ周方向D3で隣接される第1及び第2トレッドブロック2,2を含み、前記サイドウォール12は、前記タイヤ幅方向D1へ突出して前記タイヤ周方向D3に並ぶ複数のサイドブロック3を備え、前記複数のサイドブロック3は、前記タイヤ周方向D3で隣接される第1及び第2サイドブロック3,3を含み、前記サイドウォール12は、前記第1及び第2サイドブロック3,3間に配置される第1溝4をさらに備え、前記第1溝4は、前記第1及び第2サイドブロック3,3を前記タイヤ径方向D2の全長に亘って分断するように、前記タイヤ径方向D2へ延び、前記第1サイドブロック3は、前記第1トレッドブロック2に交差する第1タイヤ子午面S2と交差し且つ前記第2トレッドブロック2に交差する第2タイヤ子午面S3と交差するように、前記タイヤ周方向D3へ延び、前記第1溝4の幅寸法W2は、前記第1サイドブロック3の前記タイヤ周方向D3の寸法W3の5%以下である、という構成が好ましい。
斯かる構成によれば、第1溝4がタイヤ径方向D2へ延びることによって、第1及び第2サイドブロック3,3がタイヤ径方向D2の全長に亘って分断されている。そして、第1溝4の幅寸法W2が、第1サイドブロック3のタイヤ周方向D3の寸法W3の5%以下であるため、第1溝4の幅が狭くなっている。これにより、サイドウォール12のプロテクション性能を向上させることができる。
また、本実施形態のように、空気入りタイヤ1においては、前記第1サイドブロック3は、前記タイヤ周方向D3の中間部に、前記タイヤ径方向D2へ延びる第2溝3aを備え、前記第2溝3aは、前記タイヤ径方向D2の内端で開放される、という構成が好ましい。
斯かる構成によれば、第2溝3aがタイヤ径方向D2へ延びているため、第1サイドブロック3は、第2溝3aによって、タイヤ周方向D3で分断される。これにより、例えば、第1サイドブロック3にカット傷が生じた場合に、第2溝3aによって、カット溝が延びることを抑制することができる。
また、本実施形態のように、空気入りタイヤ1においては、前記第2溝3aの幅寸法W4は、前記第1溝4の幅寸法W2以下である、という構成が好ましい。
斯かる構成によれば、第2溝3aの幅寸法W4が第1溝4の幅寸法W2以下であるため、第2溝3aの幅が広くなることを抑制している。これにより、例えば、第1サイドブロック3のプロテクション性能が第2溝3aの存在によって低下することを抑制することができる。
また、本実施形態のように、空気入りタイヤ1においては、前記第1サイドブロック3は、前記第2溝3aよりも前記タイヤ周方向D3の第1側D31に配置される第1突出部3bと、前記第2溝3aよりも前記タイヤ周方向D3の第2側D32に配置される第2突出部3cと、を備え、前記第2突出部3cの突出高さH2は、前記第1突出部3bの突出高さH1よりも、低い、という構成が好ましい。
斯かる構成によれば、第2突出部3cの突出高さH2が第1突出部3bの突出高さH1よりも低いため、第2突出部3cのゴム厚みは、第1突出部3bのゴム厚みよりも、薄くなっている。これにより、第1サイドブロック3によるゴム重量が大きくなり過ぎることを抑制することができる。
また、本実施形態のように、空気入りタイヤ1においては、前記第1突出部3bの前記タイヤ幅方向D1視の面積は、前記第2突出部3cの前記タイヤ幅方向D1視の面積よりも、大きい、という構成が好ましい。
斯かる構成によれば、第1サイドブロック3において、突出高さH1が高い第1突出部3bの面積が、大きくなる。これにより、ゴム厚みが厚い第1突出部3bの領域が、大きくなるため、例えば、第1サイドブロック3のプロテクション効果を向上させることができる。
なお、空気入りタイヤ1は、上記した実施形態の構成に限定されるものではなく、また、上記した作用効果に限定されるものではない。また、空気入りタイヤ1は、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、下記する各種の変更例に係る構成や方法等を任意に一つ又は複数選択して、上記した実施形態に係る構成や方法等に採用してもよいことは勿論である。
(1)上記実施形態に係る空気入りタイヤ1においては、第2溝3aは、タイヤ径方向D2の内端で開放され、タイヤ径方向D2の外端で閉止される、という構成である。しかしながら、空気入りタイヤ1は、斯かる構成に限られない。
例えば、第2溝3aは、タイヤ径方向D2の内端で閉止され、タイヤ径方向D2の外端で開放される、という構成でもよい。また、例えば、第2溝3aは、タイヤ径方向D2の内端で開放され、タイヤ径方向D2の外端で開放される、という構成でもよい。また、例えば、第2溝3aは、タイヤ径方向D2の内端で閉止され、タイヤ径方向D2の外端で閉止される、という構成でもよい。
(2)また、上記実施形態に係る空気入りタイヤ1においては、サイドブロック3は、タイヤ径方向D2へ延びる第2溝3aを備えている、という構成である。しかしながら、空気入りタイヤ1は、斯かる構成に限られない。例えば、サイドブロック3は、タイヤ径方向D2へ延びる第2溝3aを備えていない、という構成でもよい。
(3)また、上記実施形態に係る空気入りタイヤ1においては、第2溝3aの幅寸法W4は、第1溝4の幅寸法W2以下である、という構成である。しかしながら、空気入りタイヤ1は、斯かる構成に限られない。例えば、第2溝3aの幅寸法W4は、第1溝4の幅寸法W2よりも、大きい、という構成でもよい。
(4)また、上記実施形態に係る空気入りタイヤ1においては、第2突出部3cの突出高さH2は、第1突出部3bの突出高さH1よりも、低い、という構成である。しかしながら、空気入りタイヤ1は、斯かる構成に限られない。例えば、第2突出部3cの突出高さH2は、第1突出部3bの突出高さH1よりも、高い、という構成でもよい。また、例えば、第2突出部3cの突出高さH2は、第1突出部3bの突出高さH1と、同じ、という構成でもよい。
(5)また、上記実施形態に係る空気入りタイヤ1においては、第1突出部3bのタイヤ幅方向D1視の面積は、第2突出部3cのタイヤ幅方向D1視の面積よりも、大きい、という構成である。しかしながら、空気入りタイヤ1は、斯かる構成に限られない。例えば、第1突出部3bのタイヤ幅方向D1視の面積は、第2突出部3cのタイヤ幅方向D1視の面積よりも、小さい、という構成でもよい。また、例えば、第1突出部3bのタイヤ幅方向D1視の面積は、第2突出部3cのタイヤ幅方向D1視の面積と、同じ、という構成でもよい。
(6)また、空気入りタイヤ1においては、サイドブロック3は、一方側のサイドウォール12にのみ備えられている、という構成でもよく、両方のサイドウォール12に備えられている、という構成でもよい。特に限定されないが、例えば、サイドブロック3は、一対のサイドウォール12のうち、車両装着時に外側に配置されるサイドウォール12に、少なくとも備えられている、という構成としてもよい。
1…空気入りタイヤ、2…トレッドブロック、2a…幅凹部、3…サイドブロック、3a…第2溝、3b…第1突出部、3c…第2突出部、3d…第1低突出部、3e…第2低突出部、3f…第1線状突起、3g…第2線状突起、3h…第3線状突起、4…第1溝、5a…第1幅凸部、5b…第2幅凸部、6…環状突出部、11…ビード、11a…ビードコア、11b…ビードフィラー、11c…リムストリップゴム、11d…外端、12…サイドウォール、12a…サイドウォールゴム、12b…タイヤ最大幅位置、12c…ビード端位置、12d…ウォール本体部、13…トレッド、13a…トレッド面、13b…トレッドゴム、13c…ベルト、13d…ベルトプライ、13e…主溝、13f…幅溝、14…カーカス、14a…カーカスプライ、15…インナーライナ、D1…タイヤ幅方向、D2…タイヤ径方向、D3…タイヤ周方向、D31…第1周方向側、D32…第2周方向側、S1…タイヤ赤道面、S2…タイヤ子午面、S3…タイヤ子午面、S4…プロファイル面
Claims (5)
- タイヤ径方向に延びるサイドウォールと、
前記タイヤ径方向の外側にトレッド面を有し、前記サイドウォールの前記タイヤ径方向の外端に連接されるトレッドと、を備え、
前記トレッドは、タイヤ幅方向の外端まで延びる複数の幅溝と、前記複数の幅溝に区画され、タイヤ周方向に並ぶ複数のトレッドブロックと、を備え、前記複数のトレッドブロックは、前記タイヤ周方向で隣接される第1及び第2トレッドブロックを含み、
前記サイドウォールは、前記タイヤ幅方向へ突出して前記タイヤ周方向に並ぶ複数のサイドブロックを備え、前記複数のサイドブロックは、前記タイヤ周方向で隣接される第1及び第2サイドブロックを含み、
前記サイドウォールは、前記第1及び第2サイドブロック間に配置される第1溝をさらに備え、
前記第1溝は、前記第1及び第2サイドブロックを前記タイヤ径方向の全長に亘って分断するように、前記タイヤ径方向へ延び、
前記第1サイドブロックは、前記第1トレッドブロックに交差する第1タイヤ子午面と交差し且つ前記第2トレッドブロックに交差する第2タイヤ子午面と交差するように、前記タイヤ周方向へ延び、
前記第1溝の幅寸法は、前記第1サイドブロックの前記タイヤ周方向の寸法の5%以下である、空気入りタイヤ。 - 前記第1サイドブロックは、前記タイヤ周方向の中間部に、前記タイヤ径方向へ延びる第2溝を備え、
前記第2溝は、前記タイヤ径方向の内端で開放される、請求項1に記載の空気入りタイヤ。 - 前記第2溝の幅寸法は、前記第1溝の幅寸法以下である、請求項2に記載の空気入りタイヤ。
- 前記第1サイドブロックは、前記第2溝よりも前記タイヤ周方向の第1側に配置される第1突出部と、前記第2溝よりも前記タイヤ周方向の第2側に配置される第2突出部と、を備え、
前記第2突出部の突出高さは、前記第1突出部の突出高さよりも、低い、請求項2又は3に記載の空気入りタイヤ。 - 前記第1突出部の前記タイヤ幅方向視の面積は、前記第2突出部の前記タイヤ幅方向視の面積よりも、大きい、請求項4に記載の空気入りタイヤ。
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