以下に、本発明の各実施形態を、図面を参照して説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る生理用品提供装置および方法を実現するネットワーク環境の一例を示す構成図である。
生理用品提供装置1は、図1に例示するように、例えばインターネットのような通信ネットワーク200に接続された生理用品提供管理サーバ10と、トイレ、例えば、女性用トイレの各個室にそれぞれ配置された複数のディスペンサ60とによって実現される。なお、図1では、複数のディスペンサ60として、ディスペンサ60-1、60-2、・・・60-n(nは、3以上の整数)が例示されているが、ディスペンサ60の数は、1つ、または2つであっても、本発明は成立する。
なお、図1に例示するようなネットワーク環境には、イーサネット(登録商標)等のLAN、あるいは公衆回線や専用回線を介して複数のLANが接続されるWAN等を含み得る。LANの場合には、必要に応じてルータを介した多数のサブネットから構成される。また、WANの場合には、公衆回線に接続するためのファイアウォール等を適宜備えているが、ここではその図示及び詳細説明を省略する。
図2は、トイレの個室に設置されたディスペンサの構成例を示す外形図である。
ディスペンサ60は、このように女性用トイレの各個室に設置される。各ディスペンサ60には、ディスペンサ固有の情報として、ディスペンサ識別情報(以下、「ディスペンサID」と称する)が予め付与され、内蔵する記憶装置(後述する記憶装置90)に記憶されている。
図3は、ディスペンサの内部構造を説明するための概念図である。
ディスペンサ60は、例えばナプキンやタンポン等の生理用品Sを内部に保持しており、例えばユーザのスマートフォンであるユーザ端末100を介してなされるユーザからの提供要求に応じて、生理用品提供管理サーバ10から許可があった場合に、保持している生理用品Sを1つ排出する。
通常時は、図3(a)に示すように、前扉64が施錠65されており、生理用品Sは、排出されると、排出口62に落下する。ユーザは、排出口62に落下した生理用品Sを入手することができる。なお、内部に収納している生理用品Sの盗難を防止するために、ディスペンサ60は、排出口62からディスペンサ60の内部へアクセスできないような盗難防止機構(図示せず)を備えている。
ディスペンサ60のメンテナンスや、生理用品Sの在庫補充の際には、図3(b)に示すように、施錠65を開錠し、図3(c)に示すように、前扉64を開くことによって、在庫補充作業者は、収納部61に生理用品Sを補充することができる。
ディスペンサ60は、前扉64に、例えばデジタルサイネージのような表示画面63を備えている。また、トイレの個室には、人感センサ(図示せず)が設けられており、人感センサは、ユーザがトイレの個室に居ることを感知する。このような人感センサによる感知と連動して、表示画面63から広告映像(静止画、動画等)などの表示を開始する。
広告映像は、ストリーミング配信されても、ディスペンサ60毎にローカルにインストールされたものであってもよい。表示時間は、ユーザのトイレ個室への1回の入室毎に2分程度とし、それ以上長く表示はしない。これによって、ユーザが広告映像に見入ってしまい、ついトイレに長居するようなことがないにようにしている。2分の間に効果的に広告を表示するために、例えば、15秒尺程度の1つまたは2つ程度の広告映像を、2分の間に繰り返し表示する。
生理用品提供装置1によってサービスを提供する提供者は、広告スポンサーを募り、このように表示画面63から、および/または、後述するようにユーザ端末10から、広告を表示することによって広告収入を得、その収入の一部で生理用品Sを購入し、ディスペンサ60に補充するサイクルを繰り返すことによって、ユーザに対して生理用品Sを無償で提供するというビジネスモデルを実施することも可能となる。
次に、ディスペンサ60の電子回路構成について説明する。
図4は、ディスペンサの電子回路構成例を示すブロック図である。
ディスペンサ60は、ユーザ端末100を介してなされるユーザからの提供要求に応じて、生理用品提供管理サーバ10によって許可された場合には、収納部61に保持している生理用品Sを1つ排出する動作を行う。このため、ユーザ端末100および生理用品提供管理サーバ10と通信したり、生理用品提供管理サーバ10からの指示に基づいて動作するための電子回路として、バス71によって互いに接続されたCPU72、記録媒体読取部74、通信部75、ビーコン送信部76、メモリ80、記憶装置90、および表示画面63を備えている。
メモリ80は、暗号化プログラム81、排出機構制御プログラム82、および排出信号生成プログラム83を記憶している。
これらプログラム81~83は、メモリ80に予め記憶されていてもよいし、あるいはメモリカード等の外部記録媒体73から記録媒体読取部74を介してメモリ80に読み込まれ記憶されたものであってもよい。これらプログラム81~83は、書き換えできないようになっている。
メモリ80は、このようなユーザ書き換え不可能なエリアの他に、書き換え可能なデータを記憶するエリアとして、書込可能データエリア89を確保している。
CPU72は、コンピュータであって、メモリ80に記憶されている各プログラム81~83に従い回路各部の動作を制御する。
記憶装置90は、例えばSSD(Solid State Drive)やHDD(Hard Disk Drive)等からなり、ディスペンサID記憶部91、広告映像データ記憶部92、および共有鍵記憶部93を記憶している。
ディスペンサID記憶部91は、ディスペンサIDを記憶している。
広告映像データ記憶部92は、広告映像のためのデータ(以下、「広告映像データ」と称する)を記憶している。前述したように、広告映像は、ストリーミング配信される場合も、ディスペンサ60毎にローカルにインストールされる場合もあり得る。広告映像データ記憶部92は、広告映像データがローカルにインストールされる場合に、広告映像データを記憶するためのエリアである。広告映像データをローカルにインストールする場合、外部記録媒体73に記録された広告映像データが、記録媒体読取部74によって読み取られて、広告映像データ記憶部92に書き込まれ、記憶される。
共有鍵記憶部93は、暗号化プログラム81において使用される共有鍵Kを記憶している。この共有鍵Kは、ディスペンサ60毎に固有のものである。
次に、専用アプリについて説明する。
ユーザは、ディスペンサ60から生理用品Sの提供を受けるためには、ユーザ端末100に、専用アプリをインストールする必要がある。専用アプリのインストールは、ディスペンサ60の筐体(例えば、前扉64)にシール等によって貼付された、あるいは印刷されたQRコード(登録商標)66またはバーコード(図示せず)を使って(例えば、撮影して)、ユーザ端末100から専用アドレスにアクセスすることによって実施できる。
あるいは、この代わりに、表示画面63からQRコード66やバーコードの画像を表示し、表示されたQRコード66やバーコードを使って(例えば、撮影して)、ユーザ端末100から専用アドレスにアクセスすることによって実施することもできる。
専用アプリのインストール後、ユーザは、専用アプリを使って、ユーザIDやパスワード等の登録を行うことができる。専用アプリに従って、ユーザがユーザIDやパスワード等を含むユーザ情報を入力すると、専用アプリは、ユーザ情報を、生理用品提供管理サーバ10に送信する。これを受けて生理用品提供管理サーバ10は、ユーザ情報を、後述するユーザ登録情報データベース35に格納する。これによって、ユーザ登録が完了し、ユーザは、専用アプリを使って、ディスペンサ60に対して生理用品Sの提供を要求できるようになる。
また、生理用品提供管理サーバ10は、前述したような広告を、ディスペンサ60の表示画面63から表示させるだけではなく、専用アプリをインストールしたユーザ端末10から表示させることもできる。この場合、広告をユーザ端末10から表示させるタイミングは、特に限定されず、例えば、専用アプリが起動されたタイミングと同時に表示を開始したり、専用アプリによるユーザ動作の合間にのみ表示するようにしたり、あるいは、専用アプリが起動されていない場合であっても、任意のタイミングで、ユーザ端末10へプッシュ通知することで表示してもよい。
ユーザは、自分が居るトイレの個室に設けられたディスペンサ60に対して生理用品Sの提供を要求する場合には、専用アプリを起動した状態で、ユーザ端末100を、ディスペンサ60にかざす等によって近づける。
一方、ディスペンサ60では、暗号化プログラム81が、共有鍵記憶部93に記憶された共有鍵Kを用いて、分単位までの現在時刻(たとえば、2020年1月2日23時4分であれば、「202001022304」)に基づく時間ベースのハッシュ演算を行い、ディスペンサIDを、1分毎に暗号化することによって、ビーコン信号Aを生成し、ビーコン送信部76へ出力する。
これを受けて、ビーコン送信部76は、このように1分毎にデータが切り替わるビーコン信号Aを、例えばBLEやNFC通信によって常時を送信している。
したがって、ユーザ端末100は、ディスペンサ60に近づけられると、ビーコン送信部76から送信されたビーコン信号Aを受信することができる。
ビーコン送信部76から送信されたビーコン信号Aが、ユーザ端末100によって受信されると、専用アプリは、ビーコン信号Aの強度が、所定強度以上であるか否かを判定する。専用アプリは、ビーコン信号Aの強度が所定強度以上であると判定した場合、生理用品Sの提供を求める提供要求Bを生成する。専用アプリはまた、提供要求Bに、ユーザIDを含める。専用アプリはさらに、提供要求Bにビーコン信号Aを含め、提供要求Bを、通信ネットワーク200を介して、生理用品提供管理サーバ10へ送信する。
このように、提供要求Bには、ユーザIDと、ユーザが居る個室に設置されているディスペンサ60のディスペンサIDと、ビーコン信号Aとが含まれている。ビーコン信号Aは、共有鍵Kと現在時刻のハッシュであるので、提供要求Bには、ユーザIDと、ディスペンサIDとが含まれることになる。
生理用品提供管理サーバ10には、各ディスペンサ60の共有鍵記憶部93に記憶された共有鍵Kと同じ共有鍵Kが、各ディスペンサ60のディスペンサIDに紐付けられて、共有鍵データベース36に記憶されている。
したがって、ディスペンサIDが含まれた提供要求Bが生理用品提供管理サーバ10へ送信されると、生理用品提供管理サーバ10では、各ディスペンサ60の共有鍵Kのいずれかと、分単位までの現在時刻とが用いられて、ビーコン信号Aと同じようにハッシュを算出する。算出されたハッシュが、ビーコン信号Aと同じ場合、提供要求Bは正しいものと判定できる。なお、暗号化プログラム81によって暗号化されたときの現在時刻と、生理用品提供管理サーバ10において復号するときの現在時刻とは厳密には一致しないが、1分以上ズレることはない。したがって、分単位の現在時刻であれば、生理用品提供管理サーバ10は、暗号化プログラム81によって暗号化されたときの現在時刻と同じ時刻を計時できるので、計時した時刻情報を使って生理用品提供管理サーバ10上でハッシュを算出することができる。このハッシュとビーコン信号Aが同じ内容であれば、提供要求Bが不正なデータではないと判定できる。稀に、暗号化プログラム81によって暗号化されたときの現在時刻が、例えば2020年1月2日23時4分59秒であり、生理用品提供管理サーバ10が復号するときに2020年1月2日23時5分00秒と計時するような場合、暗号化プログラム81における暗号化において使用される現在時刻が「202001022304」となり、生理用品提供管理サーバ10における復号において使用される現在時刻が「202001022305」となり一致しない場合もあり得る。このような場合には、専用アプリに対して、提供要求Bを再度生成させ、送信するように要求すればよい。
生理用品提供サーバ10は、算出したハッシュとビーコン信号Aとが同じであれば、提供要求Bが真正なものであると判定する。一方、算出したハッシュとビーコン信号Aに矛盾がある場合には、この提供要求Bは不正なものであると判定し、生理用品提供管理サーバ10は、この提供要求Bを無視する。このように、生理用品提供管理サーバ10は、真正な提供要求Bしか受け付けないので、例えば、不正な提供要求Bによるサイバー攻撃等を受けることはない。
なお、変形例として、ユーザが、ユーザ端末100を介して専用アプリにディスペンサIDを入力することによって、ディスペンサ60から、暗号化プログラム81および共有鍵記憶部93を省略することもできる。
この場合、ディスペンサ60の筐体に、ディスペンサIDを印刷したり、あるいは印刷されたシールを貼付したり、あるいは、ディスペンサIDを表示画面63から表示する等によって、ユーザにディスペンサIDを伝える必要がある。
ディスペンサ60では、暗号化プログラム81および共有鍵記憶部93が省略された場合も、ビーコン送信部76が、ビーコン信号A’を常時送信しているが、暗号化プログラム81および共有鍵記憶部93が省略された場合、このビーコン信号A’には、暗号化されたディスペンサIDは含まれていない。しかしながら、ユーザが、ユーザ端末100から、ディスペンサIDを入力することによって、提供要求BにディスペンサIDを含めることができる。
なお、暗号化プログラム81および共有鍵記憶部93が省略された場合であっても、ビーコン送信部76から送信されたビーコン信号A’が、ユーザ端末100によって受信されると、専用アプリは、ビーコン信号A’の強度が所定強度以上であるか否かを判定する。そして、専用アプリは、ビーコン信号A’の強度が所定強度以上であると判定すると、生理用品Sの提供を求める提供要求Bを生成し、さらに、提供要求Bに、ユーザによって入力されたディスペンサIDを含めて、通信ネットワーク200を介して、生理用品提供管理サーバ10へ送信する。
このように、ディスペンサ60から、暗号化プログラム81および共有鍵記憶部93を省略しても、ディスペンサIDが含まれた提供要求Bを、生理用品提供管理サーバ10へ送信できるので、生理用品提供管理サーバ10では、送信された提供要求Bに、正しいディスペンサIDが含まれているか否かを確認することによって、提供要求Bが真正なものであるか否かを判定することができる。
なお、専用アプリが、ビーコン信号A(または、ビーコン信号A’)の強度が所定強度以上である場合にのみ提供要求Bを生成するようにしたのは、同じトイレ内の隣の個室に設けられたディスペンサ60のビーコン送信部76から送信されたビーコン信号Aによって提供要求Bを生成しないようにしたためである。
後述するように、生理用品提供管理サーバ10は、ユーザ端末100から提供要求Bがあった場合、ディスペンサ60毎に生理用品Sの提供の可否を判定する。したがって、例えば、ユーザ端末100が、ユーザが居る個室に設けられたディスペンサ60からのものではなく、隣の個室のディスペンサ60から送信されたビーコン信号Aを受信して、提供要求Bを生成し、生理用品提供管理サーバ10へ送信した場合、仮に生理用品提供管理サーバ10によって提供可と判定された場合であっても、それは隣の個室のディスペンサ60からの提供が可能と判定されたものとなるので、ユーザが居る個室に設けられているディスペンサ60から生理用品Sは排出されない。このような不具合を避けるために、専用アプリは、ビーコン信号A(または、ビーコン信号A’)の強度が所定強度以上である場合にのみ提供要求Bを生成するようにしている。
提供要求Bに応じて、生理用品提供管理サーバ10において、生理用品Sの排出が許可されると、生理用品提供管理サーバ10から、通信ネットワーク200を介して、ディスペンサ60に対して許可信号Cが送信される。
通信部75は、この許可信号Cを受信し、メモリ80へ出力する。
メモリ80は、この許可信号Cを、排出機構制御プログラム82へ送る。すると、排出機構制御プログラム82は、許可信号Cに応じて、収納部61の排出機構(図示せず)に対して、収納部61に収納されている1つの生理用品Sを排出するように指示する。なお、排出機構については特に図示していないが、収納部61において生理用品Sの落下を阻止する複数の爪(第1の爪、第2の爪)によって実現することができる。通常時には、第1の爪によって、収納部61内の最下層にある生理用品Sの下側を支え、第2の爪によって、下から2層目にある生理用品Sの下側を支えており、排出機構制御プログラム82によって排出指示がなされた場合には、第1の爪による支えのみを解除することによって、収納部61から排出口62へと1つの生理用品Sを排出させることができる。
排出信号生成プログラム83は、このような排出機構の排出動作に応じて、ディスペンサIDを含む排出信号Dを生成し、通信部75へ出力する。
なお、排出機構の排出動作に応じて排出信号Dを生成する代わりに、収納部61の内部に、生理用品Sの排出を検出する排出センサ(図示せず)を備え、この排出センサが排出を検出した際に、排出信号生成プログラム83が、排出信号Dを生成しても良い。
通信部75は、排出信号Dを、通信ネットワーク200を介して生理用品提供管理サーバ10へ送信する。
次に、生理用品提供管理サーバ10の構成について説明する。
図5は、第1の実施形態における生理用品提供管理サーバの電子回路構成例を示すブロック図である。
生理用品提供管理サーバ10は、各ディスペンサ60からユーザへの生理用品Sの提供を管理する装置であって、その電子回路は、バス11によって互いに接続されたCPU12、記録媒体読取部14、通信部15、メモリ20、および記憶装置30を備えている。
メモリ20は、在庫管理プログラム21、ユーザ管理プログラム22、特定プログラム23、判定プログラム24、および排出許可プログラム25を記憶している。これらプログラム21~25は、メモリ20に予め記憶されていてもよいし、あるいはメモリカード等の外部記録媒体13から記録媒体読取部14を介してメモリ20に読み込まれ記憶されたものであってもよい。これらプログラム21~25は、書き換えできないようになっている。
メモリ20は、このようなユーザ書き換え不可能なエリアの他に、書き換え可能なデータを記憶するエリアとして、書込可能データエリア29も確保している。
CPU12は、コンピュータであって、メモリ20に記憶されている各プログラム21~25に従い回路各部の動作を制御する。
記憶装置30は、例えばSSD(Solid State Drive)やHDD(Hard Disk Drive)等からなり、在庫状況データベース31、ユーザ提供履歴データベース32、判定条件データベース33、ディスペンサ設置場所データベース34、ユーザ登録情報データベース35、および共有鍵データベース36を記憶している。
在庫状況データベース31は、各ディスペンサ60の在庫状況に関する情報を記憶している在庫状況データテーブル41を含んでいる。
ユーザ提供履歴データベース32は、過去に生理用品提供装置1によって生理用品Sの提供を受けたユーザ毎に、生理用品Sの提供履歴に関する情報を記憶しているユーザ提供履歴データテーブル42を含んでいる。
判定条件データベース33は、ユーザ提供履歴データテーブル42に記憶されている生理用品Sの提供履歴に関する情報から、ユーザの生理期間および生理周期を推定するための推定式や、判定プログラム24がユーザへの生理用品の提供の可否を判定するために使用する判定条件を格納しているデータベースである。
ディスペンサ設置場所データベース34は、各ディスペンサ60の設置場所に関する情報を記憶しているディスペンサ設置場所データテーブル44を含んでいる。
ユーザ登録情報データベース35は、ユーザ情報およびパスワード等を含むユーザ情報を記憶しているデータベースである。
通信部15は、通信ネットワーク200を介して、各ディスペンサ60や、ユーザ端末100等との通信を行い、受信した情報を、プログラム21~25のいずれかに提供するために、メモリ20に出力する。また、プログラム21~25のいずれかから出力された情報を、対応する各ディスペンサ60や、ユーザ端末100等へ送信する。
ユーザ登録情報データベース35は、ユーザ情報およびパスワード等を含むユーザ情報を記憶している。ユーザ情報は、登録時にユーザによって入力され、専用アプリによって、生理用品提供管理サーバ10へ送信される。生理用品提供管理サーバ10では、通信部15が、このユーザ情報を受信し、メモリ20に出力する。このようにしてメモリ20にユーザ情報が出力されると、ユーザ管理プログラム22が、ユーザ情報を、ユーザ登録情報データベース35に書き込む。これによって、ユーザ登録が完了する。
共有鍵データベース36は、各ディスペンサ60の共有鍵記憶部93に記憶された共有鍵Kを、対応するディスペンサIDと紐付けて記憶している。
特定プログラム23は、ユーザ端末100から提供要求Bが送信された場合、提供要求Bを通信部15から受け取り、共有鍵データベース36に記憶された共有鍵のいずれかと、分単位までの時刻情報と用いて提供要求Bを復号する。
なお、暗号化プログラム81によって暗号化されたときの現在時刻と、特定プログラム23が復号するときの現在時刻とは厳密には一致しないが、1分以上ズレることはない。したがって、分単位の現在時刻であれば、生理用品提供管理サーバ10は、暗号化プログラム81によって暗号化されたときの現在時刻と同じ時刻を計時できるので、特定プログラム23は、この時刻情報を使って生理用品提供管理サーバ10上でハッシュを算出することができる。このハッシュとビーコン信号Aとが同じ内容であれば、提供要求Bが不正なデータでないと判定できる。稀に、暗号化プログラム81によって暗号化されたときの現在時刻が、例えば2020年1月2日23時4分59秒であり、特定プログラム23が復号するときに、生理用品提供管理サーバ10が2020年1月2日23時5分00秒と計時するような場合、暗号化プログラム81における暗号化において使用される現在時刻が「202001022304」となり、特定プログラム23によって復号時に使用される現在時刻が「202001022305」となり一致しない場合もあり得る。このような場合には、専用アプリに対して、提供要求Bを再度生成させ、送信するように要求すればよい。
このような時刻情報と、正しい共有鍵Kとを用いて復号がなされた場合、特定プログラム23は、提供要求Bの復号に成功する。算出したハッシュとビーコン信号Aとが同じであれば、特定プログラム23は、提供要求Bが真正なものであると判定できる。一方、算出したハッシュとビーコン信号Aとに矛盾がある場合、特定プログラム23は、この提供要求Bを無視する。
提供要求Bが真正なものであると判定した場合、特定プログラム23はさらに、提供要求Bの復号結果により得られたユーザIDに基づいて、ユーザを特定し、さらに、ディスペンサIDに基づいて、ディスペンサ設置場所データベース34から、ユーザが居る場所に設置されているディスペンサ60、すなわち、ユーザが生理用品Sの提供を要求しているディスペンサ60を特定する。
図6は、ディスペンサ設置場所データベースに含まれるディスペンサ設置場所データテーブルの一例を示すデータ構成図である。
ディスペンサ設置場所データベース34は、図6に示すようなデータ構成のディスペンサ設置場所データテーブル44を有している。
ディスペンサ設置場所データテーブル44は、各ディスペンサ60の設置場所に関する情報を記憶したデータベースであり、ディスペンサ60のディスペンサID毎に、例えば、設置場所に対応する緯度経度情報、住所情報、および設置場所情報を記録している。このため、ディスペンサ設置場所データテーブル44は、ディスペンサIDを書き込むためのディスペンサID欄a、緯度経度情報を書き込むための緯度経度情報欄i、住所情報を書き込むための住所情報欄j、および設置場所情報を書き込むための設置場所情報欄kからなる各項目を備えている。
判定プログラム24は、特定プログラム23によって特定されたユーザへの生理用品Sの提供の可否を判定する。
この判定のために、判定プログラム24はまず、ユーザ提供履歴データベース32へアクセスし、特定プログラム23によって特定されたユーザのユーザ提供履歴データテーブル42を参照し、判定条件データベース33に記憶されている推定式を使って、該ユーザの生理期間および生理周期を推定する。
図7は、ユーザ提供履歴データベースに含まれるユーザ提供履歴データテーブルの一例を示すデータ構成図である。
ユーザ提供履歴データベース32は、ユーザ毎に設けられたユーザ提供履歴データテーブル42-1、42-2、・・42-n(nは、3以上の整数)を含んでいる。なお、ユーザ提供履歴データテーブル42の数は、3つ以上に限定されず、使用するユーザが1人の場合は、1つとなり、使用するユーザが2人の場合は、2つとなり、この場合であっても、本発明は成立する。
ユーザ提供履歴データテーブル42は、ユーザID毎に設けられており、図7に例示するように、各ユーザ提供履歴データテーブル42は、ユーザIDを書き込むためのユーザID欄f、時刻情報を書き込むための時刻情報欄c、ディスペンサIDを書き込むためのディスペンサID欄a、および生理用品種類を書き込むための生理用品種類欄gからなる各項目を備えている。
時刻情報は、生理用品Sが取り出された時刻を示す情報であり、ディスペンサIDは、生理用品Sが取り出されたディスペンサ60の識別情報であり、生理用品種類は、取り出された生理用品Sの種類を示す。
このような各ユーザ提供履歴データテーブル42は、後述するように在庫管理プログラム21によって更新される。
判定条件データベース33は、ユーザ提供履歴データテーブル42に格納された時刻情報から、生理期間および生理周期を推定するための推定式を格納している。
判定プログラム24は、特定プログラム23によって特定されたユーザのユーザ提供履歴データテーブル42と、判定条件データベース33に記憶されている推定式とを使って、該ユーザの生理期間および生理周期を推定する。なお、ここでいう生理期間とは、実際の生理期間ではなく、生理用品Sを提供しても良い期間のことを意味している。したがって、実際の生理期間のズレを考慮して、安全側に、長めの期間とする。
判定プログラム24は、これら推定結果に基づいて、現在、該ユーザが生理期間中であるか否かを判定する。そして、現在、該ユーザが生理期間中であると判定すると、提供可と判定することができる。判定プログラム23はさらに、該ユーザが生理期間中であることに加えて、ユーザ提供履歴データテーブル42および判定条件データベース33に基づいて、生理用品Sが提供された直近の時刻から所定時間(例えば、2時間以上)経過しているか否かを判定し、経過している場合、該ユーザに、生理用品Sを提供可と判定してもよい。あるいは、該ユーザが生理期間中であることに加えて、生理期間中にユーザに提供可能な生理用品Sの最大数を決めておき、この値に達していない場合には、提供可と判定するようにしてもよい。
このために、判定条件データベース33はさらに、前述した所定時間(例えば、2時間以上)や最大数といった判定条件を記憶している。
このようにして、判定プログラム24は、該ユーザへの生理用品Sの提供の可否を判定する。このような判定によって、生理期間ではないユーザへの生理用品Sの提供を制限することができる。また、生理期間中のユーザであっても、必要以上に生理用品Sを提供しないように制限することができる。
また、該ユーザの生理期間および生理周期の推定に必要な推定式や、該ユーザへの生理用品Sの提供の可否の判定に必要な判定条件を、判定条件データベース33に記憶する方式を採用することによって、推定式や判定条件に、変更や追加があった場合であっても、判定条件データベース33に格納されている推定式や判定条件を更新することによって、容易に反映できる。
なお、上記では、ユーザ提供履歴データテーブル42に記憶されている生理用品Sの提供履歴に関する情報から、ユーザの生理期間や生理周期を推定し、推定結果を、判定プログラム24による生理用品Sの提供可否の判定に使用する例について説明した。しかしながら、ユーザの生理期間として、このような推定値に代えて、ユーザ自身から申告された生理期間を使用することもできる。同様に、生理周期もまた、推定値に代えて、ユーザ自身から申告された生理周期を使用することもできる。
この場合、専用アプリが、ユーザに対して、生理期間および/または生理周期の入力を促し、これに応じて、ユーザが、ユーザ端末100から生理期間および/または生理周期を入力する。これによって、入力された生理期間および/または生理周期が、生理用品提供管理サーバ10へ送信され、判定プログラム24による生理用品Sの提供可否の判定に使用される。
この際、ユーザは、例えば、非特許文献2で開示されているアプリを使って求められた生理期間および生理周期を入力して良い。あるいは、専用アプリを、非特許文献2で開示されているアプリと連携させることによって、専用アプリへのユーザによる入力操作を排除し、専用アプリが、非特許文献2で開示されているアプリから、生理期間および生理周期を自動的に取得するようにしても良い。
なお、該ユーザが、過去にまだ生理用品Sの提供を受けていない場合には、該ユーザのユーザ提供履歴データテーブル42は生成されていないので、生理期間および生理周期を推定することはできない。したがって、この場合は、現在、該ユーザが生理期間中であるか否かを判定する判定プログラム24による処理はスキップされる。
排出許可プログラム25は、判定プログラム24によって提供可と判定された場合、提供要求Bの送信元のディスペンサ60に生理用品Sの在庫があるのであれば、1つの生理用品Sの排出を許可する許可信号Cを生成する。
排出許可プログラム25は、提供要求Bの送信元のディスペンサ60に、生理用品Sの在庫が有るか否かを確認するために、在庫状況データベース31に含まれている、送信元のディスペンサ60の在庫状況データテーブル41を参照する。
図8は、在庫状況データベースに含まれる在庫状況データテーブルの一例を示すデータ構成図である。
在庫状況データベース31は、ディスペンサ60毎、すなわち、ディスペンサ60-1、60-2、・・・60-n毎に設けられた在庫状況データテーブル41-1、41-2、・・41-n(nは、3以上の整数)を含んでいる。
在庫状況データテーブル41は、ディスペンサIDを書き込むためのディスペンサID欄aの他に、イベント情報を書き込むためのイベント情報欄b、時刻情報を書き込むための時刻情報欄c、在庫変動数を書き込むための在庫変動数欄d、在庫数を書き込むための在庫数欄e、ユーザIDを書き込むためのユーザID欄f、および生理用品種類を書き込むための生理用品種類欄gからなる各項目を備えている。
在庫状況データテーブル41は、ディスペンサ60からの生理用品Sの排出や、ディスペンサ60への生理用品Sの在庫補充に応じて、後述するように在庫管理プログラム21によって更新される。
在庫数欄dの最新のレコードに、「0」(ゼロ)が書き込まれている場合、生理用品Sの在庫がないことを示す。
したがって、排出許可プログラム25は、提供要求Bの送信元のディスペンサ60の在庫状況データテーブル41の在庫数欄dの最新のレコードに「0」(ゼロ)が書き込まれていなければ、このディスペンサ60に対する許可信号Cを生成し、通信部15へ出力する。一方、提供要求Bの送信元のディスペンサ60の在庫状況データテーブル41の在庫数欄dの最新のレコードに「0」(ゼロ)が書き込まれていれば、このディスペンサ60に対する許可信号Cを生成しない。
通信部15は、許可信号Cを、通信ネットワーク200を介して、提供要求Bの送信元のディスペンサ60へ送信する。
ディスペンサ60では、通信部75が、許可信号Cを受信し、メモリ80へ出力する。
メモリ80は、許可信号Cを排出機構制御プログラム82へ送る。すると、排出機構制御プログラム82が、許可信号Cに応じて、収納部61の排出機構(図示せず)に対して、収納部61に収納されている1つの生理用品Sを排出するように指示する。
これに応じて、排出機構が動作し、収納部61から排出口62へと、1つの生理用品Sが排出される。
排出信号生成プログラム83は、このような排出機構の排出動作に応じて、ディスペンサIDと、排出イベントを示すイベント情報と、生理用品Sが排出された時刻を示す時刻情報と、ユーザIDとを含む排出信号Dを生成し、通信部75へ出力する。
なお、このように排出機構の排出動作に応じて排出信号Dを生成する代わりに、収納部61の内部に、生理用品Sの排出を検出する排出センサ(図示せず)を備え、この排出センサが排出を検出した際に、排出信号生成プログラム83が、排出信号Dを生成するようにしても良い。
通信部75は、排出信号Dを、通信ネットワーク200を介して生理用品提供管理サーバ10へ送信する。
生理用品提供管理サーバ10では、この排出信号Dを、通信部15が受信し、メモリ20へ出力する。さらに、メモリ20は、排出信号Dを、在庫管理プログラム21およびユーザ管理プログラム22へ送る。
ユーザ管理プログラム22は、排出信号Dに含まれるユーザIDに基づいて、対応するユーザ提供履歴データテーブル42にアクセスし、さらに、排出信号Dに含まれる時刻情報およびディスペンサIDを、時刻情報欄cおよびディスペンサID欄aに書き込むことによって、各ディスペンサ60から各ユーザに対して生理用品Sが提供された履歴を更新する。
在庫管理プログラム21は、排出信号Dに含まれるディスペンサIDに基づいて、対応する在庫状況データテーブル41にアクセスし、排出信号Dに含まれる排出を示すイベント情報に基づいて、イベント情報欄bに「排出」と書き込み、排出信号Dに含まれる時刻情報およびユーザIDを、時刻情報欄cおよびユーザID欄fに書き込むことによって、各ディスペンサ60における生理用品Sの在庫を更新する。
在庫管理プログラム21は、在庫状況データテーブル41のイベント情報欄bに「排出」を書き込むと、在庫変動数欄dに、数値「-1」を入力し、さらに、在庫変動数欄dに入力された数値に基づいて、在庫数を更新する計算(すなわち、現在の在庫数から1を減算する演算)を行い、結果を在庫数欄eに書き込む。例えば、図8の在庫状況データテーブル41-1の例で説明すると、上から2つ目の「排出」イベントの時刻情報欄cに示されているように、「2019年12月3日15時23分41秒」に送信された排出信号Dによって、在庫数は、12個から1個が減算され11個となるので、在庫数欄eに「11」が書き込まれるという具合である。
また、在庫状況データテーブル41の生理用品種類欄gに書き込まれている生理用品Sの種類(例えば、「α1」)を、対応するユーザのユーザ提供履歴データテーブル42の生理用品種類欄gに書き込む。
このように、在庫管理プログラム21は、在庫状況データベース31に含まれる各ディスペンサ60の在庫状況データテーブル41を更新することによって、各ディスペンサ60に収納されている生理用品Sの在庫状況を管理する。そして、在庫数が、所定数を下回った、あるいは無くなった(在庫数欄eが「0」(ゼロ)となった)ディスペンサ60があった場合には、在庫補充作業者の端末(以下、「在庫補充者端末」と称する)に対して、生理用品Sを補充せよとのメッセージを、該当するディスペンサ60のディスペンサIDとともに送信する。
これに応じて在庫補充作業者が、該当するディスペンサ60に赴き、収納部61に生理用品Sを補充する。そして、補充作業が完了すると、在庫補充作業者のスマートフォンやタブレットのような在庫補充者端末150において、在庫補充信号Eを生成し、通信ネットワーク200を介して、生理用品提供管理サーバ10へ送信する。
在庫補充信号Eは、在庫補充がなされたディスペンサ60のディスペンサIDと、在庫補充イベントを示すイベント情報と、在庫を補充した時刻を示す時刻情報と、在庫補充後の個数を示す個数情報と、生理用品種類情報(例えば、製品名)とを含んでいる。
生理用品提供管理サーバ10では、この在庫補充信号Eを、通信部15が受信し、メモリ20へ出力する。さらに、メモリ20は、在庫補充信号Eを、在庫管理プログラム21へ送る。
在庫管理プログラム21は、在庫補充信号Eに含まれるディスペンサIDに基づいて、対応する在庫状況データテーブル41(例えば、在庫状況データテーブル41-1)にアクセスし、在庫補充信号Eに含まれる在庫補充を示すイベント情報に基づいて、イベント情報欄bに「補充」と書き込み、在庫補充信号Eに含まれる時刻情報を、時刻情報欄cに書き込み、在庫補充信号Eに含まれる個数情報を、在庫数欄eに書き込み、補充した生理用品Sの種類を、生理用品種類欄gに書き込む。
在庫管理プログラム21は、在庫状況データテーブル41のイベント情報欄bに「補充」と書き込まれた場合、在庫変動数欄dおよびユーザID欄fへの入力を無効にする。例えば、図8の在庫状況データテーブル41-1の例で説明すると、時刻情報欄cに示されているように、「2019年12月25日09時03分21秒」に送信された在庫補充信号Eによって、イベント情報欄bに「補充」と書き込まれているので、在庫変動数欄dおよびユーザID欄fへの入力は無効とされ、それぞれ「NA」と表示されている。また、在庫補充信号Eに含まれる個数情報に基づいて、在庫数欄eに「25」個と書き込まれ、補充した生理用品Sの種類である「β1」が、生理用品種類欄gに書き込まれる。
このように、在庫管理プログラム21は、各ディスペンサ60から送信される排出信号Dのみならず、在庫補充時に在庫補充者端末150から送信される在庫補充信号Eに基づいて在庫状況データテーブル41を更新することによって、各ディスペンサ60における在庫状況を管理する。
なお、上記例では、排出信号Dおよび在庫補充信号Eに、時刻情報が含まれている。すなわち、ディスペンサ60および補充作業者端末150の時計によって計時され、時刻情報が生成されている。
しかしながら、ディスペンサ60および補充作業者端末150は、時刻情報を含まない排出信号Dおよび在庫補充信号Eを送信することもできる。この場合、通信部15が、排出信号Dおよび在庫補充信号Eを受信したときに、受信時刻を添付して、メモリ20へ出力する。そして、在庫管理プログラム21は、この受信時刻を、在庫状況データテーブル41の時刻情報欄cに書き込む。このようにすることによって、ディスペンサ60および補充作業者端末150は、排出信号Dおよび在庫補充信号Eを送信する際に、時刻情報を含める必要はなくなるので、データ送信量を低減することができる。なお、ディスペンサ60および補充作業者端末150によって計時されたときの時刻と、通信部15によって受信されたときの時刻との間には、若干の時間差があるが、この時間差は、本願発明を実施する上では問題にはならない。
また、ディスペンサ60および補充作業者端末150は、排出信号Dおよび在庫補充信号Eを送信する際に、適宜、暗号化して送信してもよい。暗号化については公知の技術を用いることができるので、暗号化の詳細については説明を省略する。
また、在庫状況の管理方法としては、上述したように在庫状況データテーブル41を使う方法に限定されない。例えば、各ディスペンサ60に、収納部61に収納している生理用品Sの数をカウントするカウントセンサ(図示せず)を備え、カウントセンサから、ディスペンサIDとともに、カウントされた数である在庫数を、生理用品提供管理サーバ10へ送信するようにしてもよい。このような構成によっても、在庫管理プログラム21は、各ディスペンサ60の在庫状況を把握できる。
このようにして在庫管理プログラム21は、各ディスペンサ60に収納されている生理用品Sの在庫状況を管理することができる。そして、各ディスペンサ60の在庫数を示す在庫情報Zを生成し、生成した在庫情報Zに、対応するディスペンサ60のディスペンサIDを付与して、通信部15へ出力する。これに応じて、通信部15は、付与されたディスペンサIDから、送信先のディスペンサ60を認識し、認識したディスペンサ60に向けて在庫情報Zを送信する。
これに応じて、送信先のディスペンサ60では、通信部75において在庫情報Zを受信し、記憶装置90または書込可能データエリア89に在庫情報Zを記憶する。ディスペンサ60は、このように記憶した在庫情報Zを、後述するように在庫補充作業者による操作(例えば、表示画面63からのタッチパネル操作)に応じて、表示画面63から表示することができる。
次に、専用アプリの機能について補足する。
スマートフォンのようなユーザ端末100には、多くの場合、GPSのような位置決め機能が標準的に搭載されているので、専用アプリは、この機能を使って、ユーザ端末100の位置を把握することができる。
専用アプリは、このようにユーザ端末100の位置を把握するとともに、ディスペンサ設置場所データベース34のディスペンサ設置場所データテーブル44にアクセスし、ユーザ端末100の位置と、緯度経度情報欄iに書き込まれた緯度経度情報とを比較することによって、ユーザ端末100の近傍(例えば、半径100m以内)に設置されたディスペンサ60の場所を、ユーザ端末100から地図表示することができる。
専用アプリはまた、ディスペンサ設置場所データテーブル44の住所情報欄jや、設置場所情報欄kを参照することによって、地図上に表示されたディスペンサ60の近傍に、住所や、設置場所等を表示することもできる。
専用アプリはさらに、在庫状況データベース31の在庫状況データテーブル41にアクセスし、在庫数欄eや生理用品種類欄gを参照することによって、地図上に表示されたディスペンサ60の近傍に、ディスペンサ60に収納されている生理用品Sの在庫数および種類を、文字情報として表示することができる。
専用アプリはさらにまた、ユーザが居るトイレの個室に備えられたディスペンサ60からビーコン信号Aを受信した場合、ビーコン信号AからディスペンサIDを識別し、対応するディスペンサIDの在庫状況データテーブル41(例えば、在庫状況データテーブル41-1)にアクセスし、在庫数欄eや生理用品種類欄gを参照することによって、このディスペンサ60に収納されている生理用品Sの在庫数および種類を、文字情報として表示することができる。
専用アプリはまた、ユーザ提供履歴データベース32に含まれるユーザ提供履歴データテーブル42にアクセスし、時刻情報欄cや生理用品種類欄gを参照することによって、このユーザが、過去にディスペンサ60から生理用品Sを入手したときの時刻情報や、入手した生理用品Sの種類といった履歴情報を、ユーザ端末100から表示することができる。
これら専用アプリの機能によって、ユーザは、近傍でディスペンサ60が設置されている場所や、各ディスペンサ60に収納されている生理用品Sの個数や種類を、ユーザ端末100から確認することができる。また、自分が過去にディスペンサ60から生理用品Sを入手したときの時刻情報や、入手した生理用品Sの種類といった履歴情報を、ユーザ端末100から確認することができる。
次に、以上のように構成した本発明の第1の実施形態に係る生理用品提供装置および方法の動作例について説明する。
図9は、本発明の第1の実施形態に係る生理用品提供装置および方法の動作例を説明する処理フロー図である。
図10Aから図10Cは、本発明の第1の実施形態に係る生理用品提供装置および方法の動作例を説明するフローチャートである。
ユーザは、ディスペンサ60に生理用品Sの提供を要求するためには、ユーザ端末100に、専用アプリをインストールする必要がある。専用アプリのインストールは、ディスペンサ60の筐体(例えば、前扉64)にシール等によって貼付された、あるいは印刷された、あるいは表示画面63から表示されたQRコード66やバーコードを使って(例えば、撮影して)、ユーザ端末100から専用アドレスにアクセスすることによって行われる(S1)。
あるいは、事前に検索サイトを使って専用アドレスにアクセスし、そこから専用アプリをダウンロードすることによって、事前にインストールしていてもよい。(S1’)。
インストール後、ユーザは、ユーザ登録を行う。ユーザ登録は、ユーザが、ユーザ端末100の入力機能を使って、専用アプリにしたがってユーザIDやパスワード等のユーザ情報を入力し、入力されたユーザ情報が、専用アプリによって生理用品提供管理サーバ10へ送信され、ユーザ登録情報データベース35に書き込まれることによって完了する(S2)。
これによって、ユーザは、専用アプリを使用することが可能となり、個室に設置されているディスペンサ60に対して生理用品Sの提供を要求することが可能となる。それに加えて、例えば、近傍でディスペンサ60が設置されている場所や、各ディスペンサ60に収納されている生理用品Sの個数や種類を、ユーザ端末100から確認することが可能となる。また、自分が過去にディスペンサ60から生理用品Sを入手したときの時刻情報や、入手した生理用品Sの種類といった履歴情報を、ユーザ端末100から確認することも可能となる。
ユーザは、ディスペンサ60から生理用品Sの提供を受けたい場合、トイレの個室に入り、専用アプリを起動した状態で、ユーザ端末100を、ディスペンサ60に近づける(かざす)(S3)。
ディスペンサ60では、暗号化プログラム81によって、ビーコン信号Aが生成され、ビーコン送信部76から常時送信されている。例えば、暗号化プログラム81では、共有鍵記憶部93に記憶された共有鍵Kが用いられ、現在時刻に基づく時間ベースのハッシュ演算がなされ、当該ディスペンサ60のディスペンサIDを、例えば1分毎に暗号化することによって、ビーコン信号Aが生成されている。これによって、ビーコン送信部76からは、1分毎にデータが切り替わるビーコン信号Aが常に送信される。
ディスペンサ60にユーザ端末100を近付けることによって、ビーコン送信部76から送信されたビーコン信号Aが、ユーザ端末100によって受信される(S4)と、専用アプリによって、ビーコン信号Aの強度が、所定強度以上であるか否かが判定される(S5)。
そして、専用アプリによって、ビーコン信号Aの強度が所定強度以上であると判定された場合(S5:Yes)、専用アプリによって、生理用品Sの提供を求める提供要求Bが生成される(S6)。さらに、提供要求Bは、専用アプリによって、ユーザIDおよびビーコン信号Aが含められた後、通信ネットワーク200を介して、生理用品提供管理サーバ10へ送信される。
このように、提供要求Bは、ビーコン信号Aの強度が所定強度以上ではない場合(S5:No)には生成されないので、同じトイレ内の隣の個室に設けられたディスペンサ60のビーコン送信部76から送信されたビーコン信号Aによって提供要求Bが生成されることはない。
生理用品提供管理サーバ10へ送信された提供要求Bは、通信部15によって受信され、メモリ20へ出力され、さらにメモリ20から特定プログラム23へ送られる。
特定プログラム23では、共有鍵データベース36に記憶された共有鍵のいずれかと、時刻情報と用いて提供要求Bが復号される。正しい共有鍵Kが用いられた場合、提供要求Bの復号に成功する。算出したハッシュとビーコン信号Aとが同じであれば、特定プログラム23によって、提供要求Bは真正なものであると判定される。一方、算出したハッシュとビーコン信号Aに矛盾がある場合、特定プログラム23によって、この提供要求Bは無視される。提供要求Bが真正なものであると判定された場合、特定プログラム23ではさらに、提供要求Bの復号結果により得られたユーザIDに基づいて、ユーザが特定され、さらに、ディスペンサIDに基づいて、ディスペンサ設置場所データベース34から、ユーザが居る場所に設置されているディスペンサ60、すなわち、ユーザが生理用品Sの提供を要求しているディスペンサ60が特定される(S7)。
判定プログラム24では、特定プログラム23によって特定されたユーザへの生理用品Sの提供の可否が判定される。
この判定のために、判定プログラム24では、特定プログラム23によって特定されたユーザのユーザ提供履歴データテーブル42と、判定条件データベース33に格納されている推定式とが使用され、該ユーザの生理期間および生理周期が推定される(S8)。なお、ここでいう生理期間とは、実際の生理期間ではなく、生理用品Sを提供しても良い期間のことを意味している。したがって、実際の生理期間のズレを考慮して、長めになるように推定される。
さらに、判定プログラム24では、これら推定結果に基づいて、現在、該ユーザの生理期間中であるか否かが判定される(S9)。そして、現在、該ユーザの生理期間中であると判定される(S9:Yes)と、さらにユーザ提供履歴データテーブル42および判定条件データベース33に基づいて、生理用品Sの提供を受けた直近の時刻から所定時間(例えば、2時間以上)経過しているか否かが判定され(S10)、経過している場合(S10:Yes)、該ユーザに、生理用品Sを提供可と判定される(S11)。あるいは、またはさらに、生理期間中にユーザに提供可能な生理用品Sの最大数を決めておき、この値に達していない場合には、提供可と判定することもできる。
なお、これら判定条件は、前述した推定式とともに、判定条件データベース33に記憶されているので、推定式や、判定条件の変更や追加があった場合であっても、判定条件データベース33に記憶されている推定式や判定条件を更新することによって、新たな推定式や判定条件に基づく推定および判定を、容易に実施することができる。
生理期間中であると判定されなかった場合(S9:No)や、生理用品Sの提供を受けた直近の時刻から所定時間経過していない場合(S10:No)には、生理用品Sを提供不可と判定される(S12)。
このようにして、判定プログラム24によって、該ユーザへの生理用品Sの提供の可否が判定される。このような判定によって、生理期間ではないユーザへの生理用品Sの提供が制限される。また、生理期間中のユーザであっても、必要以上に生理用品Sを提供しないように制限される。
なお、ステップS9、S10の処理を行う場合、ユーザ提供履歴データテーブル42に記憶されている生理用品Sの提供履歴に関する情報から推定される生理期間や生理周期を使用する代わりに、ユーザ自身から申告された生理期間や、ユーザ自身から申告された生理周期を使用しても良い。
ユーザ自身が申告する場合、専用アプリが、ユーザに対して、生理期間および/または生理周期の入力を促し、これに応じて、ユーザがユーザ端末100から生理期間および/または生理周期を入力する。そして、入力された生理期間および/または生理周期がユーザ端末100から生理用品提供管理サーバ10へ送信され、判定プログラム24による生理用品Sの提供可否の判定に使用される。
なおユーザは、このとき、例えば、非特許文献2で開示されているアプリを使って求めた生理期間および生理周期を入力することもできる。あるいは、専用アプリを、非特許文献2で開示されているアプリと連携させることによって、専用アプリへのユーザによる入力操作を排除し、専用アプリが、非特許文献2で開示されているアプリから、生理期間および生理周期を自動的に取得して、生理用品提供管理サーバ10へ送信するようにしても良い。
また、ステップS10の処理を省略し、ステップS9だけの処理で、生理用品Sの提供の可否を判定しても良い。なお、ユーザが、過去にまだ生理用品Sの提供を受けていない場合には、このユーザのユーザ提供履歴データテーブル42は生成されておらず、生理期間および生理周期を推定することはできないので、ステップS8からステップS12までの処理はスキップされる。
ステップS11において提供可と判定された場合、排出許可プログラム25によって、提供要求Bの送信元のディスペンサ60の在庫状況データテーブル41が参照され、このディスペンサ60に、生理用品Sの在庫がある(S13:Yes)のであれば、排出許可プログラム25によって、このディスペンサ60に対して、1つの生理用品Sの排出を許可する許可信号Cが生成され(S14)、通信部15から、通信ネットワーク200を介してディスペンサ60へ送信される。一方、このディスペンサ60に、生理用品Sの在庫がない(S13:No)のであれば、後述するステップS22へ移行した後に、在庫補充作業(図11参照)が実施される(S30)。
ディスペンサ60に送信された許可信号Cは、通信部75によって受信され、通信部75からメモリ80へ出力され、さらに排出機構制御プログラム82へ送られる(S15)。排出機構制御プログラム82からは、この許可信号Cに応じて、収納部61の排出機構に対して、収納部61に収納されている1つの生理用品Sを排出するように指示がなされる(S16)。
この排出指示によって、収納部61から排出口62へと1つの生理用品Sが排出される(S17)。ユーザは、排出口62から、生理用品Sを取り出し、使用することができる。
一方、ステップS17の排出動作に応じて、排出信号生成プログラム83によって、ディスペンサIDを含む排出信号Dが生成され、通信部75から、通信ネットワーク200を介して生理用品提供管理サーバ10へ送信される(S18)。
生理用品提供管理サーバ10では、この排出信号Dが、通信部15によって受信され、通信部15からメモリ20へ出力され、さらに、在庫管理プログラム21およびユーザ管理プログラム22へ送られる。
ユーザ管理プログラム22では、排出信号Dに含まれるユーザIDに基づいて、対応するユーザ提供履歴データテーブル42の内容が更新される(S19)。
また、在庫管理プログラム21では、排出信号Dに含まれるディスペンサIDに基づいて、対応する在庫状況データテーブル41の内容が更新される(S20)。
このように、在庫管理プログラム21によって、在庫状況データテーブル41が更新されることによって、各ディスペンサ60に収納されている生理用品Sの在庫状況の管理がなされる。そして、在庫数が、所定数を下回った、あるいは無くなった(在庫数欄eが「0」(ゼロ)となった)ディスペンサ60があった場合(S21:Yes)には、在庫管理プログラム21によって、在庫補充者端末に対して、生理用品Sを補充せよとのメッセージが、該当するディスペンサ60のディスペンサIDとともに送信され(S22)、在庫補充作業が促されることによって、図11に示すような在庫補充作業が開始される(S30)。
次に、在庫補充作業の動作例について説明する。
図11は、在庫補充動作の流れを示すフローチャートである。
前述したステップS22において、在庫補充者端末150にメッセージが送信されることによって、在庫補充作業者は、と、メッセージとともに送信されたディスペンサIDから、生理用品Sの在庫がなくなったディスペンサ60を把握する(S31)。
これに応じて在庫補充作業者が、該当するディスペンサ60に赴き、収納部61に生理用品Sを補充する(S32)。そして、補充作業を完了すると、在庫補充したディスペンサ60のディスペンサIDと、在庫補充イベントを示すイベント情報と、在庫を補充した時刻を示す時刻情報と、在庫補充後の個数を示す在庫数と、生理用品Sの種類情報(例えば、製品名)とを含む在庫補充信号Eを生成し、在庫補充者端末150から、通信ネットワーク200を介して、生理用品提供管理サーバ10へ送信する(S33)。
生理用品提供管理サーバ10では、在庫補充信号Eが、通信部15によって受信され、メモリ20へ出力され、さらに、在庫管理プログラム21へ送られる。
そして、在庫管理プログラム21では、在庫補充信号Eに含まれるディスペンサIDに基づいて、対応する在庫状況データテーブル41(例えば、在庫状況データテーブル41-1)にアクセスされ、在庫補充信号Eに含まれる在庫補充を示すイベント情報に基づいて、イベント情報欄bに「補充」と書き込まれ、在庫補充信号Eに含まれる時刻情報が、時刻情報欄cに書き込まれ、在庫補充信号Eに含まれる在庫数が、在庫数欄eに書き込まれ、補充された生理用品Sの種類が、生理用品種類欄gに書き込まれる。
このように、在庫管理プログラム21によって、在庫補充信号Eに基づいて在庫状況データテーブル41が更新され(S34)、各ディスペンサ60における在庫状況が管理される。
上述したように、本発明の第1の実施形態に係る生理用品提供装置および方法によれば、上記のような作用により、ユーザから生理用品Sの提供要求Bがあった場合には、ユーザが生理期間中であるか否か、ユーザへの生理用品Sの提供履歴、および要求されたディスペンサ60における生理用品Sの在庫状況に基づいて、提供の可否を判定し、提供可な場合にのみ生理用品Sを提供することができる。
また、ディスペンサ60に収納されている生理用品Sの在庫数は、在庫状況データテーブル41が更新されることによって常に管理されているので、在庫がなくなった、あるいはなくなりそうなディスペンサ60への在庫補充を、在庫補充作業者に対して、迅速に指示することができる。
これらによって、生理用品Sの無制限な提供を阻止することができるのみならず、常に在庫を確保することができるので、生理用品をたまたま持ち合わせておらず、すぐに使用を希望しているユーザに対して、生理用品Sを確実に提供することが可能となる。
また、ディスペンサ60には表示画面63が備えられているので、広告スポンサーを募り、表示画面63から広告を表示することによって広告収入を得、その収入の一部で生理用品Sを購入し、ディスペンサ60に収納することによって、ユーザに対して生理用品Sを無償で提供することも可能となるので、女性に対する優れた福利厚生サービスとなる。
さらには、生理用品Sがディスペンサ60から排出されるということも、女性に対して大きな安心感を与えることができるので、重要なメリットである。例えば、女性用トイレの洗面台のわきに、生理用品がおかれた籠を配置している飲食店やホテルもある。このような場合、希望者は籠から生理用品を自由に取り出し、使用することが可能である。しかしながら、単に籠の中におかれているだけの生理用品は、それまでに、誰が触ったのかも分からない。特に現在のようなコロナ禍においては、誰が触ったか分からないものに触れること自体非常に不安であるために、使用を躊躇する人もいる。
しかしながら、本発明の第1の実施形態に係る生理用品提供装置および方法では、生理用品Sはディスペンサ60の中に収納されており、使用するときに1つずつ排出されるので、生理用品Sは、不特定多数の人によって触られることはない。したがって、ユーザは、前述したような不安を感じることなく、生理用品Sを安心して使用することができる。
このように、本発明の第1の実施形態に係る生理用品提供装置および方法は、ユーザに対して安心感も提供することができる。
なお、上記実施形態では、在庫管理プログラム21が、在庫状況データテーブル41を更新することによって、ディスペンサ60毎の正確な在庫数を把握することによって生理用品Sの在庫管理を行う例について説明したが、在庫管理プログラム21によってなされる在庫管理は、このように、正確な在庫数を把握する実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下のように、在庫状況データテーブル41を用いずに、おおまかな在庫数を把握する変形例でも実施することができる。
在庫状況データテーブル41を用いずに在庫管理を行う場合、各ディスペンサ60に複数の在庫センサを備える。在庫センサは、限定されないが、一例として光センサとすることができる。在庫センサとして、光センサを適用した場合を、図12および図13を用いて説明する。
図12は、在庫センサが配置されたディスペンサの一例を示す正面図である。
図13は、在庫センサが適用された場合のディスペンサの電子回路構成例を示すブロック図である。
この例では、ディスペンサ60の収納部61に4対の在庫センサ67(#1)~(#4)が配置されている。
すなわち、右側の収納部61(#1)内の最頂部付近に一対の在庫センサ67(#1L)、67(#1R)が、収納部61(#1)内の中間高さ付近に一対の在庫センサ67(#2L)、67(#2R)が、左側の収納部61(#2)内の最頂部付近に一対の在庫センサ67(#3L)、67(#3R)が、収納部61(#2)内の中間高さ付近に一対の在庫センサ67(#4L)、67(#4R)が配置されている。
一対の在庫センサ67同士は、各収納部61内において、同じ高さに、対面するように配置されており、一方が発光部、他方が受光部である。例えば、1対の在庫センサ67(#1L)、67(#1R)の場合、一方の在庫センサ67(#1L)が発光部であり、他方の在庫センサ67(#1R)が受光部である。発光部は、受光部に向けて光を発することができるように、受光部は、発光部からの光を受光できるように調整されている。受光部は、発光部からの光を受光すると、検出信号Fを出力する。
例えば、図12(a)に示す例では、発光部である在庫センサ67(1#L)が発光する光は、受光部である在庫センサ67(1#R)によって受光され、在庫センサ67(1#R)からは検出信号F(#1)が出力される。一方、在庫センサ67(#2)の場合、発光部である在庫センサ67(#2L)が発光する光は、生理用品Sによって遮られるために、受光部である在庫センサ67(#2R)によって受光されない。したがって、在庫センサ67(#2R)からは検出信号F(#2)は出力されない。同様に、在庫センサ67(#3)、在庫センサ67(#4)の場合も、発光部である在庫センサ67(#3L)、(#4L)が発光する光は、生理用品Sによって遮られるために、受光部である在庫センサ67(#3R)、(#4R)によって受光されない。したがって、在庫センサ67(#3R)、(#4R)からは検出信号F(#3)、(#4)は出力されない。
通信部75は、検出信号Fを、ディスペンサIDを付加して、生理用品提供管理サーバ10へ送信する。
図12(a)に示す例では、在庫センサ67(1#R)のみが検出信号F(#1)を出力する。したがって、通信部75は、検出信号F(#1)を、ディスペンサIDを付加して、生理用品提供管理サーバ10へ送信する。
一方、在庫がもう少し減って、図12(b)のように、在庫センサ67(#2)の高さよりも低くなると、在庫センサ67(#2R)も検出信号F(#2)を出力するようになる。この場合、通信部75は、2つの検出信号F、すなわち、検出信号F(#1)と、検出信号F(#2)とを、ディスペンサIDを付加して、生理用品提供管理サーバ10へ送信する。
生理用品提供管理サーバ10では、ディスペンサIDが付加された検出信号Fを、通信部15が受信し、在庫管理プログラム21へ出力する。
在庫管理プログラム21は、ディスペンサIDに基づいて、対応するディスペンサ60を識別する。さらに、検出信号Fに応じて、このディスペンサ60の在庫を把握し、把握した結果を、ディスペンサIDに紐付けて、在庫状況データベース31に書き込む。
図12(a)に示すように、在庫が減って最初に送信される検出信号は検出信号F(#1)である。検出信号F(#1)のみを受信した場合、在庫管理プログラム21は、在庫が3/4以上、すなわち75%以上あると把握することができる。
図12(b)に示すように、さらに在庫が減ると、検出信号F(#1)に加えて検出信号(#2)も送信されるようになる。在庫管理プログラム21は、検出信号F(#1)に加えて検出信号(#2)も受信した場合、在庫が2/4以上、3/4以下、すなわち50%以上、75%以下あると把握することができる。
図示は省略するが、さらに在庫が減って、収納部61(#1)に収納される生理用品Sがなくなり、収納部61(#2)に収納されている生理用品Sが排出されるようになると、検出信号F(#3)も送信されるようになる。在庫管理プログラム21は、検出信号F(#1)、(#2)に加えて検出信号(#3)も受信した場合、在庫が1/4以上、2/4以下、すなわち25%以上、50%以下であると把握することができる。
さらに在庫が減って、在庫センサ67(#4)の高さよりも低くなると、在庫センサ67(#4R)も検出信号F(#4)を出力するようになる。在庫管理プログラム21は、検出信号F(#1)、(#2)、(#3)に加えて検出信号(#4)も受信した場合、在庫が1/4以下、すなわち25%以下であると把握することができる。
このように、本変形例では、在庫状況データベース31を使わなくても、ディスペンサ60毎におおまかな在庫数を把握することができる。
また、在庫を補充する際、本変形例では、以下のような在庫補充方法を採用することができる。
在庫管理プログラム21は、在庫が例えば25%以下となったディスペンサ60を把握した場合、在庫補充者端末150に対して、生理用品Sを補充せよとのメッセージを、該当するディスペンサ60のディスペンサIDとともに送信する。
これを受けて、在庫補充作業者は、当該ディスペンサ60に対する在庫補充のために出動する。
しかしながら、このように1つのディスペンサ60に着目して在庫補充の有無が判定される場合、極端な話、他のディスペンサ60の在庫がさほど減少してない場合であっても、1つのディスペンサ60だけ在庫の減少が激しければ、在庫補充作業者は、在庫補充のために出動することになる。1回の出動であまり在庫を補充できず、在庫補充作業の効率が悪い。
このため、在庫管理プログラム21は、1つのディスペンサ60に着目するのではなく、複数のディスペンサ60からなるグループ毎の在庫数に応じて、在庫補充の有無を判定するようにしても良い。この場合、グループとは、例えば、近隣、あるいは、同じ施設内とすることができる。
例えば、施設Tに、m個(ここで、mは、2以上の整数とする)のディスペンサ60(#1)~60(#m)が設置されており、これらm個のディスペンサ60(#1)~60(#m)で合計して100枚の生理用品Sが納品されていた場合、これを施設T全体の在庫数として考える。
そして、施設Tに設置されたあるディスペンサ60(ここでは、ディスペンサ60(#1)とする)において、生理用品Sが1つ利用されると、在庫管理プログラム21は、ディスペンサ60(#1)の在庫数が1つ減ったことを認識するのみならず、施設Tに設置されたm個すべてのディスペンサ60(#1)~60(#m)での合計在庫数が100枚から1枚減少して、99枚になったと把握する。
このような在庫管理の仕組みによって、個別のディスペンサ60の在庫状況だけではなく、施設T全体の在庫状況も把握することも可能となる。すなわち、施設T全体のリアルタイムの在庫管理が可能となるので、例えば施設T全体の生理用品Sの在庫数が、あらかじめ設定された所定量を下回った場合、在庫プログラム21は、あらかじめ設定された数量の生理用品Sの発注を、生理用品提供管理サーバ10を通じて外部に自動的に行うことができる。
これによって、生理用品Sの自動発注を行うことが可能となるので、在庫発注業務の効率を向上させることができる。
なお、上記では、在庫補充が必要になった場合、生理用品提供管理サーバ10から在庫補充者端末150へ通知される場合について説明したが、必要であれば、在庫補充作業者は、在庫補充者端末150から在庫状況データベース31にアクセスすることによって、各ディスペンサ60の在庫を自発的に把握することもができる。これによって、どのディスペンサ60に優先的に在庫補充するべきか、あるいはどれくらいの在庫を用意して行けば良いのかを予め把握することができる。
また、前述したように、各ディスペンサ60の表示画面63から在庫情報Zを表示できるので、在庫補充作業者は、現場において、例えば、表示画面63からのタッチパネル操作によって、表示画面63から在庫情報Zを表示させ、面前にあるディスペンサ60の在庫数を把握することもできる。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態に係る生理用品提供装置および方法について説明する。
第2の実施形態に係る生理用品提供装置および方法は、第1の実施形態に係る生理用品提供装置および方法の変形例である。したがって、以下の第2の実施形態の説明において、第1の実施形態と同一部分については、同一符号を用いて示すことで、重複説明を避け、異なる点について説明する。
図14は、第2の実施形態における生理用品提供管理サーバ10Aの電子回路構成例を示すブロック図である。
図14に示す生理用品提供管理サーバ10Aは、メモリ20に、暗号化プログラム26が記憶されている構成が、図5に示す生理用品提供管理サーバ10とは異なる。
図15は、第2の実施形態におけるディスペンサ60Aの電子回路構成例を示すブロック図である。
図15に示すディスペンサ60Aは、メモリ80に、復号プログラム84が記憶され、バス71にBluetooth(登録商標)通信部77が接続され、通信部75を備えていない構成が、図4に示すディスペンサ60とは異なる。
第1の実施形態では、図10BのステップS14に示すように、生理用品提供管理サーバ10において、排出許可プログラム25によって、許可信号Cが生成され、生成された許可信号Cは、通信部15から、通信ネットワーク200を介して、ディスペンサ60へ送信される。そして、送信された許可信号Cは、図10CのステップS15に示すように、ディスペンサ60によって受信される。なお、許可信号Cは、暗号化されていない。
それに対して、本実施形態では、以下に概説するように、第1の実施形態とは異なる。
まず、生理用品提供管理サーバ10Aにおいて、排出許可プログラム25が許可信号Cを生成すると、暗号化プログラム26が、共有鍵データベース36に記憶されている、ディスペンサIDに紐付けられた共有鍵Kを用いて、許可信号Cを暗号化する。そして、暗号化プログラム26は、暗号化した許可信号Cを、通信部15から、通信ネットワーク200を介して、ディスペンサ60Aではなく、ユーザ端末100へ送信する。そして、ユーザ端末100は、この暗号化された許可信号Cを、受信すると、ディスペンサ60Aへ送信する。
上記のような本実施形態の、第1の実施形態との相違点の詳細について以下に説明する。
まず、暗号化について説明する。
第1の実施形態で説明したように、許可信号Cは、ユーザ端末100から、生理用品提供管理サーバ10へ送信された提供要求Bに応じて生成される。そして、提供要求Bには、ユーザIDと、ディスペンサIDと、ビーコン信号Aとが含まれている。また、共有鍵データベース36には、各ディスペンサ60の共有鍵記憶部93に記憶された共有鍵Kが、対応するディスペンサIDに紐付けて記憶されている。
したがって、暗号化プログラム26は、提供要求Bから、ディスペンサIDを抽出する。そして、このディスペンサIDに紐付けて記憶されている共有鍵Kを、共有鍵記憶部93から取得する。そして、この共有鍵Kを用いて、許可信号Cを暗号化する。
そして、暗号化プログラム26は、暗号化した許可信号Cを、通信部15に対して、通信ネットワーク200を介して、ディスペンサ60Aではなく、提供要求Bの送信元のユーザ端末100へ送信させる。
提供要求Bの送信元のユーザ端末100では、専用アプリが起動されている。専用アプリは、ユーザ端末100の通信機能を使って、暗号化された許可信号Cを受信する。
暗号化された許可信号Cが、ユーザ端末100によって受信されると、専用アプリは、ユーザ端末100のBluetooth(登録商標)機能を使って、ディスペンサ60Aと接続を行う。
接続後、Bluetooth通信部77とユーザ端末100との間でのBluetoothによる通信が可能になると、専用アプリは、暗号化された許可信号Cを、ユーザ端末100のBluetooth機能を使って、Bluetooth通信部77へ送信する。
Bluetooth通信部77は、暗号化された許可信号Cを受信し、バス71を介して、メモリ80へ出力する。
メモリ80へ、暗号化された許可信号Cが出力されると、復号プログラム84が、暗号化された許可信号Cを、共有鍵記憶部93に記憶されている共有鍵Kを用いて復号する。この共有鍵Kは、生理用品提供管理サーバ10Aの暗号化プログラム26による暗号化の際に使用された共有鍵Kと同じものであるので、復号プログラム84は、暗号化された許可信号Cを、この共有鍵Kを用いて復号し、許可信号Cを得ることができる。
その後、ディスペンサ60Aは、図10CのフローチャートにおけるステップS15~S17に示すように、ディスペンサ60と同様に動作し、排出機構制御プログラム82が、許可信号Cに応じて、収納部61の排出機構に対して、収納部61に収納されている1つの生理用品Sを排出するように指示し、この排出指示にしたがって、収納部61の排出機構が動作し、生理用品Sを排出する。これによって、ユーザは、排出口62から、生理用品Sを取り出し、使用することができる。
また、この排出動作に応じて、ディスペンサ60Aは、図10CのフローチャートにおけるステップS18に示すように動作し、排出信号生成プログラム83が、ディスペンサIDを含む排出信号Dを生成する。生成した排出信号Dを、排出信号生成プログラム83は、第1の実施形態では、通信部75から生理用品提供管理サーバ10へ送信しているが、本実施形態では、Bluetooth通信部77から、Bluetooth機能を使って、接続しているユーザ端末100へ送信する。
ユーザ端末100で起動している専用アプリは、送信された排出信号Dを、ユーザ端末100のBluetooth機能を使って受信する。ユーザ端末100によって排出信号Dが受信されると、専用アプリは、排出信号Dを、ユーザ端末100の通信機能を使って、通信ネットワーク200を介して生理用品提供管理サーバ10Aへ送信する。
生理用品提供管理サーバ10Aでは、この排出信号Dを、通信部15が受信し、バス11を介してメモリ20へ出力する。
その後は、生理用品提供管理サーバ10Aは、生理用品提供管理サーバ10と同様に、図10CのフローチャートにおけるステップS19~S22に示すように動作し、ユーザ管理および在庫管理を行う。
上述したように、本発明の第2の実施形態に係る生理用品提供装置および方法は、第1の実施形態に係る生理用品提供装置および方法と同等の機能を実現することができるが、生理用品提供管理サーバ10Aとディスペンサ60Aとの間の通信は、直接的にはなされず、ユーザ端末100を中継してなされる。
このため、ディスペンサ60Aは、ディスペンサ60が備えているような通信部75を備える必要はないので、構成を簡素化することができ、もって、コストダウンを図ることができる。
なお、生理用品提供管理サーバ10Aとディスペンサ60Aとの間の通信が、ユーザ端末100を中継してなされる場合、特に、ユーザ端末100が、生理用品提供管理サーバ10Aから許可信号Cを受信し、受信した許可信号Cを、ディスペンサ60Aへ送信する場合、許可信号Cが暗号化されていないと、ユーザ端末100において、許可信号Cが不正に書き換えられ、ディスペンサ60Aが不正使用される恐れもある。しかしながら、本実施形態では、暗号化された許可信号Cが、生理用品提供管理サーバ10Aからディスペンサ60A送信されるので、許可信号Cが不正に書き換えられることはなく、ディスペンサ60Aの不正使用を防止することができる。
なお、不正使用の防止を考慮する必要がないのであれば、生理用品提供管理サーバ10Aから暗号化プログラム26を排除し、許可信号Cを暗号化することなく、生理用品提供管理サーバ10Aからユーザ端末100へ送信することも可能である。
この場合、許可信号Cを復号する必要もないので、ディスペンサ60Aから復号プログラム84を排除することも可能である。
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態に係る生理用品提供装置および方法について説明する。第3の実施形態に係る生理用品提供装置および方法は、第2の実施形態に係る生理用品提供装置および方法の変形例である。したがって、以下の第3の実施形態の説明において、第1および第2の実施形態と同一部分については、同一符号を用いて示すことで、重複説明を避け、異なる点について説明する。
図16は、第3の実施形態における生理用品提供管理サーバ10Bの電子回路構成例を示すブロック図である。
図16に示す生理用品提供管理サーバ10Bは、メモリ20に、暗号化プログラム26は記憶されておらず、時間ベースハッシュ生成部27が記憶されている構成が、図14に示す生理用品提供管理サーバ10Aとは異なる。
図17は、第3の実施形態におけるディスペンサ60Bの電子回路構成例を示すブロック図である。
図17に示すディスペンサ60Bは、メモリ80に、復号プログラム84は記憶されておらず、ハッシュ検証部85が記憶されている構成が、図15に示すディスペンサ60Aとは異なる。
第1の実施形態では、図10BのステップS14に示すように、生理用品提供管理サーバ10において、排出許可プログラム25によって、許可信号Cが生成され、生成された許可信号Cは、通信部15から、通信ネットワーク200を介して、ディスペンサ60へ送信される。そして、送信された許可信号Cは、図10CのステップS15に示すように、ディスペンサ60によって受信される。なお、許可信号Cは、暗号化されていない。
それに対して、本実施形態では、以下に概説するように、第1の実施形態とは異なる。
まず、本実施形態では、生理用品提供管理サーバ10Bにおいて、排出許可プログラム25が許可信号Cを生成すると、時間ベースハッシュ生成部27が、共有鍵データベース36に記憶されている、ディスペンサIDに紐付けられた共有鍵Kを用いて、時間ベースハッシュHを生成する。そして、時間ベースハッシュ生成部27は、時間ベースハッシュHを、許可信号Cとともに、通信部15から、通信ネットワーク200を介して、提供要求Bの送信元のユーザ端末100へ送信する。
提供要求Bの送信元のユーザ端末100では、専用アプリが起動されている。専用アプリは、ユーザ端末100の通信機能を使って、時間ベースハッシュHを、許可信号Cとともに受信する。
ユーザ端末100と、ディスペンサ60Bとは、第2の実施形態で説明したように、Bluetoothによる接続がされている。
時間ベースハッシュHおよび許可信号Cが、ユーザ端末100によって受信されると、専用アプリは、Bluetooth機能を使って、時間ベースハッシュHおよび許可信号Cを、Bluetooth通信部77へ送信する。
Bluetooth通信部77は、時間ベースハッシュHおよび許可信号Cを受信し、バス71を介してメモリ80へ出力する。
一方、第1の実施形態で説明したように、暗号化プログラム81では、時間ベースのハッシュ演算が行われている。
メモリ80へ、時間ベースハッシュHおよび許可信号Cが出力されると、ハッシュ検証部85は、メモリ80へ出力された時間ベースハッシュHと、暗号化プログラム81で演算された時間ベースハッシュとの同一性を検証する。
そして、ハッシュ検証部85は、同一であることを確認した場合、メモリ80へ出力された許可信号Cを、排出機構制御プログラム82へ送る。
その後、ディスペンサ60Bは、図10CのフローチャートにおけるステップS15~S17に示すように、ディスペンサ60と同様に動作し、排出機構制御プログラム82が、許可信号Cに応じて、収納部61の排出機構に対して、収納部61に収納されている1つの生理用品Sを排出するように指示し、この排出指示にしたがって、収納部61の排出機構が動作し、生理用品Sを排出する。これによって、ユーザは、排出口62から、生理用品Sを取り出し、使用することができる。
また、この排出動作に応じて、ディスペンサ60Bは、第2の実施形態におけるディスペンサ60Aと同様に動作し、生理用品提供管理サーバ10Bでは、ユーザ端末100から送信される排出信号Dを、通信部15が受信し、メモリ20へ出力する。
その後、生理用品提供管理サーバ10Bは、生理用品提供管理サーバ10と同様に、図10CのフローチャートにおけるステップS19~S22に示すように動作し、ユーザ管理および在庫管理を行う。
上述したように、本発明の第3の実施形態に係る生理用品提供装置および方法もまた、第2の実施形態と同様に、生理用品提供管理サーバ10Bとディスペンサ60Bとの間の通信を、ユーザ端末100が中継する場合であっても、ディスペンサ60Bの不正使用を防止することができる。
ただしこれは、生理用品提供管理サーバ10Bにおいて、時間ベースハッシュHを生成し、ディスペンサ60Bにおいて生成された時間ベースハッシュとの同一性を検証することによって、許可信号Cを暗号化せずに実現できるという点において、第2の実施形態とは異なる。
以上、本発明を実施するための最良の形態について、添付図面を参照しながら説明したが、本発明はかかる構成に限定されない。特許請求の範囲の発明された技術的思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及び修正例についても本発明の技術的範囲に属するものと了解される。