JP2022085737A - 熱交換装置及び熱交換用具 - Google Patents

熱交換装置及び熱交換用具 Download PDF

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Abstract

【課題】使用感を向上できる、熱交換装置及び熱交換用具を、提供する。【解決手段】本発明の熱交換装置1は、熱交換素子21を含む、熱交換ユニットと、熱交換素子に接触している、熱伝導部材5と、を備えた、熱交換装置であって、熱伝導部材は、連通気泡型の多孔質体からなる。【選択図】図2

Description

本発明は、熱交換装置及び熱交換用具に関する。
従来、熱交換素子(例えば、ペルチェ素子)を備えた熱交換装置が提案されている(例えば、特許文献1)。
特開2020-97799号公報
しかしながら、従来の熱交換装置においては、使用感に関し、向上の余地があった。
本発明は、使用感を向上できる、熱交換装置及び熱交換用具を、提供することを目的とする。
本発明の熱交換装置は、
熱交換素子を含む、熱交換ユニットと、
前記熱交換素子に接触している、熱伝導部材と、
を備えた、熱交換装置であって、
前記熱伝導部材は、連通気泡型の多孔質体からなる。
本発明の熱交換装置において、
前記熱伝導部材は、密度が0.001g/cm~0.5g/cmであり、前記熱伝導部材における前記熱交換ユニットとは反対側の面から前記熱交換素子までの距離が0.1cm以上10cm未満であると、好適である。
本発明の熱交換装置において、
前記熱伝導部材は、2層以上の熱伝導部材層が積層されてなるものでもよい。
本発明の熱交換装置において、
前記2層以上の熱伝導部材層のうち、積層方向において前記熱交換ユニットから最も離れた熱伝導部材層が、最も低い通気性を有するものでもよい。
本発明の熱交換装置において、
前記熱交換ユニットは、少なくとも1つのファンを含むと、好適である。
本発明の熱交換装置において、
前記熱交換素子は、ペルチェ素子であってもよい。
本発明の熱交換装置において、
前記熱交換素子は、ヒーターであってもよい。
本発明の熱交換装置において、
前記熱交換ユニットは、人体に対して使用されるように構成された用品によって保持されるように構成されていてもよい。
本発明の熱交換装置において、
前記熱交換ユニットは、前記熱伝導部材の内部に保持されていてもよい。
本発明の熱交換装置において、
前記熱交換ユニットを内部に保持する、保持部材を、さらに備え、
前記保持部材は、前記熱伝導部材の上に積層されていてもよい。
保持部材は熱伝導部材よりも通気性が低い材料が選ばれる。また、保持部材には通気性が無くても本発明の目的を達成できる。
本発明の熱交換用具は、
上記の熱交換装置と、
人体に対して使用されるように構成された用品と、
を備えている。
本発明の熱交換用具において、
前記用品は、衣服又は帽子であってもよい。
本発明の熱交換用具において、
前記用品は、椅子又は寝具であってもよい。
本発明によれば、使用感を向上できる、熱交換装置及び熱交換用具を、提供することができる。
本発明の第1実施形態に係る熱交換装置を示す、斜視図である。 図1の熱交換装置の本体部を、図1のA-A線に沿った断面により示す、A-A断面図である。 図2の熱交換装置の本体部と、当該熱交換装置を備えた本発明の第1実施形態に係る熱交換用具を示す、断面図である。 本発明の第2実施形態に係る熱交換装置の本体部と、当該熱交換装置を備えた本発明の第2実施形態に係る熱交換用具を示す、断面図である。 本発明の第3実施形態に係る熱交換装置の本体部と、当該熱交換装置を備えた本発明の第3実施形態に係る熱交換用具を示す、断面図である。 本発明の第4実施形態に係る熱交換装置の本体部を示す、断面図である。 本発明の第5実施形態に係る熱交換装置の本体部を示す、断面図である。 本発明の第6実施形態に係る熱交換装置を示す、平面図である。 本発明の第7実施形態に係る熱交換装置の本体部を示す、断面図である。 図9の本体部を示す、斜視図である。 本発明の熱交換用具の具体例1を説明するための図面である。 本発明の熱交換用具の具体例2を説明するための図面である。 本発明の熱交換用具の具体例3を説明するための図面である。 熱伝導性能実験で使用した熱交換装置の実施例及び比較例の構成を説明するための図面である。
本発明の熱交換装置及び熱交換用具は、人体を冷却又は加熱するために好適に利用できるものである。
以下、本発明に係る、熱交換装置及び熱交換用具の実施形態について、図面を参照しながら例示説明する。
各図において共通する構成要素には同一の符号を付している。
図1~図2は、本発明の第1実施形態に係る熱交換装置1を説明するための図面である。図1は、本発明の第1実施形態に係る熱交換装置1を示す、斜視図である。図2は、図1の熱交換装置1の本体部1Bを、図1のA-A線に沿った断面により示す、A-A断面図である。
本実施形態の熱交換装置1は、熱交換ユニット3と、熱伝導部材5とを、備えている。
熱交換ユニット3は、1つ又は複数の熱交換素子21を含んでいる。本実施形態において、熱交換ユニット3は、1つ又は複数の熱交換素子21に加えて、コントローラ22と、1つ又は複数のファン23とを、含んでいる。本実施形態において、熱交換ユニット3は、1つ又は複数の電気部品からなる。ただし、熱交換ユニット3は、電気部品以外のものを含んでもよい。熱交換ユニット3と熱伝導部材5とは、本体部1Bを構成している。
本実施形態において、熱交換装置1は、バッテリー24及びスイッチ25を、さらに備えている。
熱交換装置1が備える各電気部品(本実施形態では、熱交換素子21、コントローラ22、ファン23、バッテリー24、及び、スイッチ25)どうしは、配線26等を介して、互いに電気的に接続されている。
熱交換素子21は、熱交換素子21に電流が流されることによって、自身の温度が下がる冷却機能、又は、自身の温度が上がる加熱機能を、発揮するように構成された、電気部品である。熱交換素子21は、例えば、ペルチェ素子又はヒーターから構成される。
熱交換素子21は、機能発揮面21aと、機能発揮面21aとは反対側の裏面21bとを、有する。熱交換素子21は、機能発揮面21aによって、上述のような冷却機能又は加熱機能を発揮するように構成される。
熱交換素子21がペルチェ素子から構成される場合、熱交換素子21は、熱交換素子21に所定方向に電流が流されることによって機能発揮面21aが冷却機能を発揮する(このとき、裏面21bは加熱機能を発揮する)一方、熱交換素子21に当該所定方向とは逆方向に電流が流されることによって機能発揮面21aが加熱機能を発揮する(このとき、裏面21bは冷却機能を発揮する)ように、構成される。熱交換素子21がペルチェ素子から構成される場合、冷却と加熱との両方が可能であるという利点がある。
熱交換素子21がヒーターから構成される場合、熱交換素子21は、熱交換素子21に電流が流されることによって、少なくとも機能発揮面21aが、加熱機能を発揮するように、構成される。熱交換素子21がヒーターから構成される場合、熱交換素子21がペルチェ素子から構成される場合に比べて、コストを低減できるという利点がある。
なお、熱交換素子21は、冷却機能のみを発揮できるように構成されたものであってもよい。
熱交換ユニット3は、熱交換素子21を、1つのみ含んでもよいし、複数含んでもよい。
平面視における熱交換素子21の形状は、図1の例のように四角形状でもよいし、円形状、三角形状等、任意でよい。
コントローラ22は、本発明の熱交換装置本体の温度制御あるいは熱交換素子21やファン23を制御するように構成されている。コントローラ22は、簡単なバイメタル構造の素子によるON-OFF制御動作あるいは温度により抵抗が変化するサーミスタ素子による温度制御動作する回路により本発明の目的は達成されるが、環境温度に対応して精密な制御をCPU又はMPUで行っても良い。コントローラ22は無くても本発明の目的を達成できるが、安全性の観点から少なくとも熱暴走を防止する素子を少なくとも一つ含む回路から構成される。
バッテリー24は、熱交換装置1が備える他の電気部品(本実施形態では、熱交換素子21、コントローラ22、ファン23、スイッチ25、及び、配線26)に対して電力を供給するように構成されている。
スイッチ25は、熱交換素子21やファン23の起動及び停止を切り替えるように構成されている。熱交換素子21がペルチェ素子から構成される場合、スイッチ25は、熱交換素子21へ流れる電流の方向も切り替えられるように構成されると、好適である。また、スイッチ25は、熱交換素子21へ流れる電流の大きさの調節、ひいては熱交換素子21の温度調節もできるように構成されると、好適である。
熱交換ユニット3は、熱交換装置1が備える電気部品(本実施形態では、熱交換素子21、コントローラ22、ファン23、バッテリー24、スイッチ25、及び、配線26)のうち、層厚方向LDの投影面において熱伝導部材5と重複するように配置される電気部品から構成される。熱交換ユニット3は、少なくとも熱交換素子21を備える。熱交換ユニット3は、熱交換素子21のみを含んでもよいし、あるいは、熱交換素子21に加えて、熱交換装置1が備える他の電気部品(本実施形態では、コントローラ22、ファン23、バッテリー24、スイッチ25、及び、配線26)のうち任意の1つ又は複数を含んでもよい。
熱交換ユニット3は、コントローラ22を含んでいると、好適である。ただし、熱交換ユニット3は、コントローラ22を含んでいなくてもよい。すなわち、熱交換装置1は、コントローラ22を、本体部1Bの外部に備えてもよい。
熱交換ユニット3は、少なくとも1つのファン23を含んでいると、好適である。ファンを装着する場合に一つは熱伝導部材へ冷気を送る、あるいは熱伝導部材の空気を攪拌するように設置すると短時間に熱交換を促進するので好ましい。また、ファンの装着を熱交換ユニットの熱暴走を防ぐ目的で装着するのは、本発明の装置を安全に運転できるので好ましい。ただし、熱交換ユニット3は、ファン23を含んでいなくてもよい。その場合、熱交換装置1は、1つ又は複数のファン23を、本体部1Bの外部に備えてもよいし、あるいは、ファン23を備えていなくてもよい。
バッテリー24は熱交換ユニットが動作しているときに公知のように発熱するため、熱交換ユニット3は、バッテリー24を含んでいないと、好適である。すなわち、熱交換装置1は、バッテリー24を、本体部1Bの外部に備えると、好適である。これにより、バッテリー24の発熱が熱交換装置1の本体部1Bの冷却又は加熱機能に影響を与えるのを防止できる。ただし、熱交換ユニット3は、その設計仕様で発熱量が少ないならばバッテリー24を含んでもよい。
ユーザの操作性向上の観点から、熱交換ユニット3は、スイッチ25を含んでいないと、好適である。すなわち、熱交換装置1は、スイッチ25を、本体部1Bの外部に備えていると、好適である。ただし、熱交換ユニット3は、スイッチ25を含んでもよい。
図1~図2に示す本実施形態では、熱交換ユニット3は、熱交換素子21、コントローラ22、ファン23、及び、これらを電気的に接続する配線26(図示せず)を含んでいる。
熱伝導部材5は、熱交換素子21に接触している。熱伝導部材5は、熱交換素子21の機能発揮面21aに接触するようにされる。熱伝導部材5は、接着等により熱交換素子21に固定されていてもよいし、あるいは、熱交換素子21に固定されずに単に熱交換素子21に接触しているだけでもよい。熱伝導部材5は、連通気泡型の多孔質体からなる。熱伝導部材5は、可撓性を有すると好適である。ここで、「連通気泡型」とは、多孔質体の気泡(セル孔、気室)どうしが連通していることを指す。
熱伝導部材5は、図1~図2に示すように、平板状あるいは帯状に構成されていると、好適である。
本明細書では、熱伝導部材5の層厚方向両側の面のうち、熱交換ユニット3とは反対側の面51を、「第1面51」といい、熱交換ユニット3側の面52を、「第2面52」という。
図3は、本実施形態の熱交換装置1の使用時の様子の一例を示している。図3に示すように、熱交換装置1の本体部1Bは、例えば、熱伝導部材5の第1面51が人体Hに向けられた状態(具体的には、衣服を介して又は介さずに人体Hに対して接触した状態)で使用される。
ただし、熱交換装置1の本体部1Bは、熱伝導部材5の第1面51が動物の体に向けられた状態(具体的には、衣服を介して又は介さずに動物の体に対して接触した状態)で使用されてもよい。
図3に示すように、熱交換装置1の本体部1Bは、用品8に取り付けられてもよい。この場合、本体部1Bは、本体部1Bにおける熱交換ユニット3側(すなわち、熱伝導部材5の第2面52側)が用品8に向いた状態で、用品8に取り付けられる。使用時において、本体部1Bにおける熱伝導部材5の第1面51は、人体H又は動物の体に向けられる。この場合、本実施形態の熱交換装置1と用品8とは、本発明の第1実施形態に係る熱交換用具7を構成する。すなわち、本実施形態の熱交換用具7は、本実施形態の熱交換装置1と用品8とを備えている。
用品8は、例えば、人体Hに対して使用されるように構成される。用品8は、衣服を介して又は介さずに人体Hに対して接触した状態で使用されるように構成されていると、好適である。用品8としては、例えば、衣服、帽子、椅子、又は寝具が好適であるが、それ以外であってもよい。ただし、用品8は、動物の体に対して使用されるように構成されてもよい。
あるいは、熱交換装置1の本体部1Bは、用品8に取り付けられていなくてもよく、例えば、熱伝導部材5の第1面51が人体Hに向けられた状態で、衣服のポケットに入れられて使用されてもよい。
上述した本実施形態の熱交換装置1及び熱交換用具7によれば、上述のように、熱伝導部材5が連通気泡型の多孔質体からなるので、仮に熱伝導部材5が非多孔質体又は独立気泡型の多孔質体からなる場合に比べて、熱伝導部材5を柔らかく構成することができる。よって、熱伝導部材5における第1面51がユーザの人体に対して衣服を介して又は介さずに接触されたときに、ユーザが感じる触感を柔らかくすることができ、また、第1面51をユーザの人体に沿って密着させることができるので、ユーザの使用感を向上できる。
また、上述した本実施形態の熱交換装置1及び熱交換用具7によれば、上述のように、熱交換装置1が、熱交換素子21に接触している熱伝導部材5を備えているので、仮に熱交換装置1が熱伝導部材5を備えていない場合に比べて、熱交換素子21の温度、ひいては、熱交換素子21の冷却機能又は加熱機能を、熱伝導部材5の全体にわたって効率的に拡散させることができる。よって、熱伝導部材5における第1面51がユーザの人体に対して衣服を介して又は介さずに接触されたときに、ユーザの人体を、第1面51の全体で、効果的にかつ均一に、冷却又は加熱することができる。すなわち、熱交換素子21を小さくしたり個数を少なくしたりしても、人体を、広い範囲で冷却又は加熱することができる。ひいては、人体の局所的な冷却又は加熱を回避できる。また、熱交換素子21を小さくしたり個数を少なくしたりすることができるので、軽量化、消費電力の低減、及び、コストの低減が、可能になる。
また、上述した本実施形態の熱交換装置1及び熱交換用具7によれば、上述のように、熱伝導部材5が連通気泡型の多孔質体からなるので、仮に熱伝導部材5が非多孔質体又は独立気泡型の多孔質体からなる場合に比べて、熱伝導部材5の熱伝導性能を優れたものとすることができる。それにより、熱交換素子21の温度、ひいては、熱交換素子21の冷却機能又は加熱機能を、熱伝導部材5の全体にわたって効率的に拡散させることができる。よって、熱伝導部材5における第1面51がユーザの人体に対して衣服を介して又は介さずに接触されたときに、ユーザの人体を、第1面51の全体で、効果的にかつ均一に、冷却又は加熱することができる。すなわち、熱交換素子21を小さくしたり個数を少なくしたりしても、人体を、広い範囲で冷却又は加熱することができる。ひいては、熱交換装置1の機能部分である熱交換素子21の発生する熱エネルギー(発熱の場合には正の熱エネルギーで、冷却の場合には吸熱となるので負の熱エネルギー)を熱伝導部材により間接的に伝えることになるので人体の局所的な冷却又は加熱を回避できる。また、熱交換素子21を小さくしたり個数を少なくしたりすることができるので、軽量化、消費電力の低減、及び、コストの低減が、可能になる。なお、一般的に、空気は、例えば樹脂からなる非多孔質体よりも、比較的、熱伝導率が低いことが知られている。それにもかかわらず、熱伝導部材5が連通気泡型の多孔質体からなる場合(ひいては、熱伝導の媒体を空気とする場合)に熱伝導部材5の熱伝導性能を優れたものとすることができる理由は、熱交換素子21と人体Hとの温度差により生じる対流によって、空気が多孔質体(熱伝導部材5)の内部を動くことができ、そのように空気が動くことにより、熱交換素子21の温度が効率的に多孔質体(熱伝導部材5)の内部に伝導されるからであるものと想像される。熱伝導部材5が連通気泡型の多孔質体からなる場合に熱伝導部材5の熱伝導性能を優れたものとすることができることは、本発明の発明者らが新たに見出したことであり、後述する熱伝導性能実験の結果により示されることである。
また、上述した本実施形態の熱交換装置1及び熱交換用具7によれば、上述のように、熱伝導部材5が連通気泡型の多孔質体からなるので、仮に熱伝導部材5が非多孔質体又は独立気泡型の多孔質体からなる場合に比べて、熱伝導部材5の湿気放出性能を優れたものとすることができる。よって、例えば人体からの汗が熱伝導部材5にこもるのを抑制できる。
なお、熱交換装置1を動物の体に使用する場合についても、同様である。
以下、本発明の熱交換装置1及び熱交換用具7の変形例や好適な構成等について説明する。以下に説明する各変形例においても、熱交換装置1は、熱交換素子21を含む、熱交換ユニット3と、熱交換素子21に接触している、熱伝導部材5と、を備え、熱伝導部材5は、連通気泡型の多孔質体からなるものとする。また、熱交換用具7は、熱交換装置1と、用品8とを、備えているものとする。よって、これらの各変形例においても、上述した第1実施形態と同様の効果を奏する。
本明細書では、熱伝導部材5(具体的には、熱伝導部材5を構成する多孔質体)を構成する材料を、「熱伝導部材用材料C」と呼ぶ。
本明細書で説明する各実施形態において、熱伝導部材用材料Cは、単一の材料であってもよいし、複数の材料を含むものであってもよい。
本明細書で説明する各実施形態において、熱伝導部材用材料Cは、高分子材料を含むと、好適である。当該高分子材料としては、例えば、エラストマー、ゴム、シリコーンゴム、樹脂が好適である。樹脂としては、ポリプロピレン(PP)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリスチレン(PS)、シリコーン樹脂、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ナイロン66(PA)、ポリウレタン等が挙げられ、特にポリウレタンが好適である。熱伝導部材用材料Cは、高分子材料のみを含んでいてもよい。熱伝導部材用材料Cは、高分子材料に加えて又は代えて、金属及びセラミックスのうち少なくとも一方を含んでもよい。熱伝導部材用材料Cは、可撓性を有すると、好適である。熱伝導部材用材料Cは、任意の材料からなる繊維やフィラーを、含んでもよいし、含んでいなくてもよい。
本明細書で説明する各実施形態において、熱伝導部材用材料Cは、高分子材料に加えて、熱伝導材料を含んでもよい。これにより、熱伝導部材用材料Cの熱伝導率を高めることができる。当該熱伝導材料としては、金属、カーボン、熱伝導性セラミックス(炭化ケイ素、窒化ホウ素等)等が好適である。
本明細書で説明する各実施形態において、熱伝導部材5を構成する多孔質体は、ポリウレタンフォームのように製造時に発泡させて製造された発泡体であってもよいし、不織布のように繊維を絡み合わせて空隙を形成させたものであってもよいし、絡み合わせた繊維を加熱したり、放射線を当て架橋点を持たせたものであってもよいし、あるいは、繊維の織物を重ね合わせて空隙を形成したものであってもよい。熱伝導部材5を構成する多孔質体は、特に、発泡体が好ましく、ポリウレタンフォームがより好ましい。発泡体、特に、ポリウレタンフォームは、気泡がほぼ均一なものを安価に製造できるからである。
発泡反応を用いずに製造された多孔質体としては、例えば、不織布の積層体、織物の積層体、カルファイバー(パネフリ工業(株)の商品名)と呼ばれるクッション材、綿などが例示される。
本明細書で説明する各実施形態においては、熱伝導部材5の熱伝導性能を向上させる観点から、熱伝導部材5(ひいては熱伝導部材用材料C)は、密度が、0.5g/cm以下であると好適であり、0.1g/cm以下であるとより好適である。一方、熱伝導部材5の耐久性を向上させる観点から、熱伝導部材5(ひいては熱伝導部材用材料C)は、密度が、0.001g/cm以上であると好適であり、0.01g/cm以上であるとより好適である。
ここで、熱伝導部材5の「密度」とは、K 7222:2005に準拠して求められる見掛け密度を指す。
本明細書で説明する各実施形態においては、熱交換素子21からの温度が熱伝導部材5を介して人体Hに効果的に届くようにする観点から、熱伝導部材5は、第1面51から熱交換素子21(具体的には、機能発揮面21a)までの距離が、10cm未満であると好適であり、5cm以下であるとより好適である。一方、使用感の向上等の観点から、熱伝導部材5は、第1面51から熱交換素子21(具体的には、機能発揮面21a)までの距離が、0.1cm以上であると好適であり、0.5cm以上であるとより好適である。
本明細書で説明する各実施形態において、熱伝導部材5の熱伝導性能を向上させる観点から、熱伝導部材5を構成する多孔質体は、気泡(セル孔)の直径の平均値が、0.5μm以上であると好適である。また、人体に接触した時の快適性と十分な強度を確保する観点から、当該多孔質体は、気泡の直径の平均値が、2cm以下であると好適である。
本明細書で説明する各実施形態において、熱伝導部材用材料Cは、織物又は編物であってもよい。この場合、空気の対流効果による伝熱を利用できるので、熱伝導部材5の熱伝導性能を向上できるとともに、ユーザの使用感を向上できる。熱伝導部材5の熱伝導性能を向上させる観点から、当該織物又は編物は、開孔の直径の平均値が、0.5μm以上であると好適である。また、十分な強度を確保する観点から、当該織物又は編物は、開孔の直径の平均値が、1cm以下であると好適である
本明細書で説明する各実施形態において、軽量化、消費電力の低減、コストの低減、及び、ユーザが感じる違和感の低減の観点等から、熱交換素子21は、最も長い辺の長さが、10cm以下であると好適であり、5cm未満であるとより好適であり、3cm未満であるとさらに好適である。
一方、十分な熱交換効率を確保する観点から、熱交換素子21は、最も長い辺の長さが、1mm以上であると好適である。
本明細書で説明する各実施形態において、熱交換ユニット3は、図1~図2の実施形態のように、少なくとも1つのファン23を含んでもよい。
ファン23は、図1~図2の例のように、熱交換素子21に対して、熱伝導部材5とは反対側に配置されると、好適である。この場合、図1~図2の例のように、ファン23と熱交換素子21とは、層厚方向LDの投影面において互いに重複するように配置されると、好適である。このように配置されることで、ファン23は、熱交換素子21を効果的に冷却することができる。この場合、図1~図2の例のように、層厚方向LDにおける熱交換素子21とファン23との間には、熱交換ユニット3における他の電気部品(図1~図2の例では、コントローラ22)が配置されてもよい。この場合、図1~図2の例のように、ファン23と当該他の電気部品とは、層厚方向LDの投影面において互いに重複するように配置されると、好適である。これにより、ファン23は、当該他の電気部品をも効果的に冷却することができる。このような熱交換装置で公知のように放熱用のフィンとファンを組み合わせる、あるいは放熱用のフィンだけを取り付けても良い。
熱交換素子21の機能発揮面21aが冷却機能を発揮する場合、ファン23は、熱交換素子21とは反対側(すなわち、熱伝導部材5とは反対側)に向かって送風するようにされていると、好適である。すなわち、熱交換素子21の裏面21bおよびその他の電気部品の作動により生じる余分な熱を、熱交換装置1の外部へ向かうファン23の送風により、外部へ放出するように構成されていると、好適である。一方、熱交換素子21の機能発揮面21aが加熱機能を発揮する場合、ファン23は、熱交換素子21側(すなわち、熱伝導部材5側)に向かって送風するようにされていてもよい。この場合、熱交換素子21の機能発揮面21aが発生させる熱を、加熱対象である例えば人体へ向かうファン23の送風により、加熱対象へより効果的に伝達することができる。ただし、ファン23は、熱交換素子21とは反対側(すなわち、熱伝導部材5とは反対側)に向かって送風するようにされていてもよい。
熱交換ユニット3は、ファン23を複数含んでいてもよい。例えば、熱交換ユニット3が複数の熱交換素子21を含む場合、熱交換ユニット3は、熱交換素子21毎にファン23を1つずつ含んでもよい。
熱交換ユニット3は、ファン23を含んでいなくてもよい。
本明細書に説明する各実施形態において、熱交換装置1の熱交換ユニット3は、用品8によって保持されてもよい。
具体的に、例えば、図3に示す実施形態のように、本体部1Bの熱交換ユニット3は、用品8に設けられた収容穴8bの内部に収容されることによって、用品8によって保持されてもよい。この場合、熱交換ユニット3は、用品8の収容穴8bに接着等により固定されてもよい。なお、収容穴8bは、少なくともファン23と対向する位置において用品8を貫通する貫通穴8aであると好適である。これにより、ファン23を用品8の外部に露出させることができ、ファン23の送風機能を向上できる。ただし、用品8の収容穴8bは、用品8の内面に開口しつつ用品8の外面に至る手前で終端する窪みであってもよく、ひいては、ファン23を用品8の外部に露出させなくてもよい。
あるいは、図示は省略するが、熱交換ユニット3は、用品8の内面(人体H側の面)に接着等により固定されることによって、用品8によって保持されてもよい。この場合も、用品8は、ファン23と対向する位置に貫通穴8aを有していると好適であるが、貫通穴8aを有していなくてもよい。
本明細書に説明する各実施形態において、熱伝導部材用材料Cの硬さは、熱交換ユニット3の硬さ(具体的には、熱交換ユニット3を構成する各部品のそれぞれの硬さ)未満であると、好適である。これにより、熱伝導部材5における第1面51がユーザの人体に対して衣服を介して又は介さずに接触されたときに、ユーザが感じる触感を柔らかくすることができ、また、第1面51をユーザの人体に沿って密着させることができるので、ユーザの使用感を向上できる。
本明細書に説明する各実施形態において、熱交換装置1の熱交換ユニット3は、図3の実施形態のように、熱伝導部材5の第2面52の上に配置されてもよい。
図4は、本発明の第2実施形態に係る熱交換装置1及び熱交換用具7を示している。本実施形態の熱交換用具7は、本実施形態の熱交換装置1と用品8とを備えている。本明細書に説明する各実施形態において、熱交換装置1の熱交換ユニット3は、図4の実施形態のように、熱伝導部材5の内部に保持されていてもよい。より具体的に、熱交換ユニット3の一部又は全部は、熱伝導部材5が有する収容穴54の内部に収容されることによって、熱伝導部材5の内部に保持されていてもよい。この場合、熱交換ユニット3は、接着等によって熱伝導部材5の収容穴54に固定されていてもよいし、あるいは、収容穴54に固定されずに単に収容されていてもよい。
本実施形態の熱交換用具7においては、熱伝導部材5の第2面52は、脱着できないように又は脱着可能に、用品8に固定されていると好適である。熱伝導部材5の第2面52を用品8に固定する方法としては、例えば、縫い付け、接着剤による接着、融着、面ファスナによる固定等が挙げられる。
図5は、本発明の第3実施形態に係る熱交換装置1及び熱交換用具7を示している。本実施形態の熱交換用具7は、本実施形態の熱交換装置1と用品8とを備えている。本明細書に説明する各実施形態において、熱交換装置1は、図5の実施形態のように、熱交換ユニット3を内部に保持する、保持部材4を、さらに備えてもよい。この場合、保持部材4は、熱伝導部材5の上(具体的には、熱伝導部材5の第2面52の上)に積層される。
保持部材4は、熱交換ユニット3を保持するための収容穴41を有している。熱交換ユニット3は、収容穴41の内部に収容されることで、保持部材4によって保持される。
保持部材4は、収容穴41を複数有してもよい。その場合、例えば、各収容穴41には、別々の熱交換素子21が収容されてもよい。この場合、各収容穴41には、別々のファン23も収容されると、好適である。
本実施形態の熱交換用具7においては、保持部材4における熱伝導部材5とは反対側の面43が、脱着できないように又は脱着可能に、用品8に固定されていると好適である。保持部材4における熱伝導部材5とは反対側の面43を用品8に固定する方法としては、例えば、縫い付け、接着剤による接着、融着、面ファスナによる固定等が挙げられる。
第3実施形態において、熱交換ユニット3が保持部材4の収容穴41の内部に収容されていない状態における収容穴41の容積は、熱交換ユニット3の容積よりも小さいと、好適である。この場合、保持部材4が、より効果的に、熱交換ユニット3を保持できる。ただし、熱交換ユニット3が収容穴41の内部に収容されていない状態における収容穴41の容積は、熱交換ユニット3の容積以上であってもよい。
第3実施形態において、保持部材4の収容穴41は、図5の例のように、保持部材4を層厚方向LDに貫通していると、好適である。ただし、収容穴41は、保持部材4を層厚方向LDに貫通していなくてもよい。その場合、収容穴41は、保持部材4における熱伝導部材5側の面42のみに開口していてもよい。
第3実施形態において、熱交換ユニット3は、保持部材4によって脱着可能に保持されていると、好適である。言い換えれば、熱交換装置1は、熱交換ユニット3を収容穴41から取り出したり収容穴41に収容したりすることが可能にされていると、好適である。これにより、ユーザは、熱交換装置1の本体部1Bのうち熱交換ユニット3以外の部分(保持部材4及び熱伝導部材5)を洗浄することができる。
ただし、熱交換ユニット3は、保持部材4によって脱着できないように保持されていてもよい。その場合、熱交換ユニット3は、防水機能を有していると、好適である。それにより、ユーザは、熱交換装置1の本体部1Bを丸ごと洗浄することができる。
第3実施形態において、保持部材4の収容穴41は、保持部材4における熱伝導部材5とは反対側の面43に開口しており、ファン23は、外部に露出するように収容穴41内に配置されると、好適である。これにより、ファン23の送風機能を向上できる。
第3実施形態において、保持部材4は、保持部材4における熱伝導部材5とは反対側の面43に開口するとともに収容穴41に連通する第1スリット(図示せず)を有してもよい。第1スリットは、保持部材4に外力が加わっていない自然状態では閉じているが、ユーザによって広げられることによって開くように構成される。これにより、仮に、収容穴41における熱伝導部材5とは反対側の開放端面41aが熱交換ユニット3を通すことができないほど小さいか、あるいは、収容穴41が保持部材4における熱伝導部材5とは反対側の面43に開口していない場合であっても、ユーザは、保持部材4における熱伝導部材5とは反対側から第1スリットを開口することにより、熱交換ユニット3を収容穴41から取り出したり収容穴41に収容したりすることが可能になる。
第3実施形態において、熱伝導部材5は、熱伝導部材5における第1面51に開口するとともに保持部材4の収容穴41に連通する第2スリット(図示せず)を有してもよい。第2スリットは、熱伝導部材5に外力が加わっていない自然状態では閉じているが、ユーザによって広げられることによって開くように構成される。これにより、ユーザは、熱伝導部材5における保持部材4とは反対側から第2スリットを開口することにより、熱交換ユニット3を収容穴41から取り出したり収容穴41に収容したりすることが可能になる。
第3実施形態において、保持部材4における熱伝導部材5側の面42と熱伝導部材5における保持部材4側の面52(第2面52)とは、接着剤6によって接着されていると、好適である。
ただし、保持部材4と熱伝導部材5とは、接着剤6による固定以外の任意の方法で、互いに固定されていてもよい。例えば、保持部材4における熱伝導部材5側の面42と熱伝導部材5における保持部材4側の面52(第2面52)とは、融着により互いに固定されていてもよい。あるいは、保持部材4と熱伝導部材5とは、保持部材4の外周面と熱伝導部材5の外周面とに共通のテープが貼られることによって、互いに固定されていてもよい。
あるいは、保持部材4と熱伝導部材5とは、互いに脱着可能に固定されていてもよい。例えば、保持部材4における熱伝導部材5側の面42と熱伝導部材5における保持部材4側の面52(第2面52)とは、面ファスナにより互いに脱着可能に固定されていてもよい。これにより、ユーザは、熱伝導部材5を保持部材4から脱着させて洗浄したり別の熱伝導部材5と交換したりすることができる。
保持部材4は、保持部材用材料(以下、「保持部材用材料D」と表記する。)から構成されている。
保持部材用材料Dは、多孔質体(例えば、発泡体)であると、好適であるが、多孔質体でなくてもよい。
第3実施形態において、熱伝導部材用材料Cの熱伝導率は、保持部材用材料Dの熱伝導率以上であると、好適である。
これにより、熱伝導部材5は、比較的高い熱伝導率を有することとなる。これにより、熱交換素子21の温度、ひいては、熱交換素子21の冷却機能又は加熱機能を、熱伝導部材5の全体にわたって効率的に拡散させることができる。
同様の観点から、熱伝導部材用材料Cの熱伝導率は、保持部材用材料Dの熱伝導率よりも高いと、より好適である。ただし、熱伝導部材用材料Cの熱伝導率は、保持部材用材料Dの熱伝導率以下であってもよい。
ここで、熱伝導部材用材料Cの熱伝導率と保持部材用材料Dの熱伝導率とは、それぞれ熱伝導部材用材料C及び保持部材用材料Dの3次元構造も考慮した熱伝導率を指すものとする。例えば、熱伝導部材用材料C又は保持部材用材料Dが多孔質体である場合、熱伝導部材用材料C又は保持部材用材料Dの熱伝導率は、熱伝導部材用材料C又は保持部材用材料Dである多孔質体としての熱伝導率を指すものであり、その場合、原材料が同じであっても、密度、セル孔の大きさ、セル膜の有無等によって、当該熱伝導率は変わり得る。
なお、本明細書において、ある材料(例えば、熱伝導部材用材料C又は保持部材用材料D)の「熱伝導率」は、中央部分に縦Kcm×横Kcmの正方形の穴をあけた縦3Kcm横3Kcm×厚さ1cmの発泡スチロールの中央部分に当該材料からなる縦Kcm×横Kcm×厚さ1cmかつ初期温度25℃のサンプルをセットし、このサンプルの厚さ方向の一方側の面に、縦Kcm×横Kcm×厚さ1cmかつ60℃の金属板を当ててから60秒後における、当該サンプルの厚さ方向の他方側の面の温度によって評価するものとし、当該温度が高いほど当該熱伝導率が高いと評価するものとする。ここで、K=5であるが、当該サンプルの採取等が困難な場合は、K<5としてもよい。また、熱伝導部材用材料Cの熱伝導率と保持部材用材料Dの熱伝導率とを比較するにあたっては、熱伝導部材用材料Cと保持部材用材料Dとで、Kの値(ひいては、発泡スチロール、サンプル、及び金属板の寸法)を同じにするものとする。
第3実施形態において、保持部材用材料Dの硬さは、熱交換ユニット3の硬さ(具体的には、熱交換ユニット3を構成する各部品のそれぞれの硬さ)未満であると、好適である。また、第3実施形態において、熱伝導部材用材料Cの硬さは、保持部材用材料Dの硬さ以下であると、好適である。
これにより、比較的硬い熱交換ユニット3が、比較的柔らかい熱伝導部材5及び保持部材4によって包まれることとなる。よって、熱伝導部材5における第1面51がユーザの人体に対して衣服を介して又は介さずに接触されたときに、ユーザが感じる触感を柔らかくすることができ、また、当該第1面51をユーザの人体に沿って密着させることができるので、ユーザの使用感を向上できる。また、保持部材用材料Dの硬さを熱伝導部材用材料Cの硬さ以上とすることで、保持部材4が熱交換ユニット3をより確実に保持することができ、熱交換ユニット3が保持部材4から外れて落下するのをより効果的に抑制できる。
同様の観点から、熱伝導部材用材料Cの硬さは、保持部材用材料Dの硬さ未満であると、好適である。
ただし、熱伝導部材用材料Cの硬さは、保持部材用材料Dの硬さ以上であってもよい。
本明細書において、保持部材用材料Dの硬さと熱伝導部材用材料Cの硬さとは、それぞれ保持部材用材料D及び熱伝導部材用材料Cの3次元構造も考慮した硬さを指すものとする。例えば、保持部材用材料D又は熱伝導部材用材料Cが多孔質体である場合、保持部材用材料D又は熱伝導部材用材料Cの硬さは、保持部材用材料D又は熱伝導部材用材料Cである多孔質体としての硬さを指すものであり、その場合、原材料が同じであっても、密度、セル孔の大きさ、セル膜の有無等によって、当該硬さは変わり得る。
なお、本明細書において、ある材料(例えば、熱伝導部材用材料C又は保持部材用材料D)の「硬さ」は、当該材料からなる縦Pcm×横Pcm×厚さ1cmのサンプルを厚さ方向に1%圧縮させる(1%圧縮歪みを生じさせる)のに必要な力によって評価するものとし、当該力が大きいほど当該硬さが高い(硬い)と評価するものとする。ここで、P=5であるが、当該サンプルの採取等が困難な場合は、P<5としてもよい。また、熱伝導部材用材料Cの硬さと保持部材用材料Dの硬さとを比較するにあたっては、熱伝導部材用材料Cと保持部材用材料Dとで、Pの値(ひいては、サンプルの寸法)を同じにするものとする。
第3実施形態において、熱交換装置1の本体部1Bは、熱交換ユニット3以外の部分が、保持部材4と熱伝導部材5との積層構造からなるので、上述のように本体部1Bのうち熱交換ユニット3以外の部分を比較的柔らかく構成しつつも、仮に熱交換ユニット3以外の部分が保持部材4の1層のみ(単層構造)からなる場合に比べて、保持部材4が熱交換ユニット3をより確実に保持することができ、熱交換ユニット3が保持部材4から外れて落下するのをより効果的に抑制できる。この効果は、保持部材4を構成する保持部材用材料Dと熱伝導部材5を構成する熱伝導部材用材料Cとが異なる場合に限られず、両者が同じ場合でも得られる。つまり、熱交換ユニット3以外の部分を、単層構造ではなく、積層構造にすることで、保持部材4による熱交換ユニット3の保持性能が向上する。これは、積層構造においては、層間に界面が存在することで、制振性能ひいては保持性能が向上するためであると考えられる。
第3実施形態において、層厚方向LDにおける熱交換素子21の位置での層厚方向LDに垂直な方向EDにおける保持部材4の最大断面積は、層厚方向LDに垂直な方向EDにおける熱交換素子21の最大断面積の4.8倍以上であると、好適である。
これにより、上述のように本体部1Bのうち熱交換ユニット3以外の部分を比較的柔らかく構成しつつも、保持部材4が熱交換ユニット3をより確実に保持することができ、熱交換ユニット3が保持部材4から外れて落下するのをより効果的に抑制できる。
同様の観点から、層厚方向LDにおける熱交換素子21の位置での層厚方向LDに垂直な方向EDにおける保持部材4の最大断面積は、層厚方向LDに垂直な方向EDにおける熱交換素子21の最大断面積の7.3倍以上であると好適であり、10.3倍以上であるとより好適である。
ここで、層厚方向LDに垂直な方向EDにおける「最大断面積」とは、層厚方向LDに垂直な方向EDにおける断面積が最大となる層厚方向LD位置での当該断面積を指す。
第3実施形態において、保持部材用材料Dは、単一の材料であってもよいし、複数の材料を含むものであってもよい。
第3実施形態において、保持部材用材料Dは、高分子材料を含むと、好適である。当該高分子材料としては、例えば、エラストマー、ゴム、シリコーンゴム、樹脂(ポリウレタン等)が好適である。保持部材用材料Dは、高分子材料のみを含んでいてもよい。保持部材用材料Dは、高分子材料に加えて又は代えて、金属及びセラミックスのうち少なくとも一方を含んでもよい。保持部材用材料Dは、可撓性を有すると、好適である。保持部材用材料Dは、任意の材料からなる繊維やフィラーを、含んでもよいし、含んでいなくてもよい。
保持部材用材料Dは、多孔質体(例えば、ポリウレタンフォーム)であると、好適である。当該多孔質体は、可撓性を有すると、好適である。当該多孔質体は、気泡どうしが連通した連通気泡型であってもよいし、気泡どうしが連通していない独立気泡型であってもよい。ただし、保持部材用材料Dは、多孔質体でなくてもよい。
保持部材用材料Dは、織物又は編物であってもよい。
保持部材用材料Dは、金属箔、樹脂板、又は樹脂フィルムであってもよい。
図示は省略するが、第3実施形態において、保持部材4は、それぞれ保持部材用材料Dからなる2層以上の保持部材層が積層されてなるものでもよい。この場合、保持部材4が積層構造からなることで、仮に保持部材4が単層構造からなる場合(図5)に比べて、保持部材4による熱交換ユニット3の保持性能を向上できる。この場合、各保持部材層を構成する保持部材用材料Dどうしは、同じであってもよいし、異なっていてもよい。
保持部材4を構成する2層以上の保持部材層のうち一部(1層又は複数層)の保持部材層を構成する保持部材用材料Dを、金属箔、樹脂板、樹脂フィルムのうちいずれか1つとし、当該2層以上の保持部材層のうち残りの保持部材層を構成する保持部材用材料Dを、高分子材料を含むとともに可撓性を有するものとしてもよい。この場合、保持部材4による熱交換ユニット3の保持性能を向上できる。
保持部材4を構成する保持部材層の総数は、製造容易性の観点から、4層以下であると好適であるが、5層以上であってもよい。
図6は、本発明の第4実施形態に係る熱交換装置1を示している。図示は省略するが、本実施形態の熱交換用具7は、本実施形態の熱交換装置1と用品8とを備えている。本明細書に説明する各実施形態において、熱伝導部材5は、図6の実施形態のように、それぞれ熱伝導部材用材料Cからなる2層以上の熱伝導部材層5a、5bが積層されてなるものでもよい。この場合、各熱伝導部材層5a、5bを構成する熱伝導部材用材料Cどうしは、同じであってもよいし、異なっていてもよい。
熱伝導部材5を構成する熱伝導部材層5a、5bの総数は、柔らかさの確保の観点から、4層以下であると好適であるが、5層以上であってもよい。
第4実施形態のように熱伝導部材5が2層以上の熱伝導部材層5a、5bが積層されてなる場合、当該2層以上の熱伝導部材層5a、5bのうち、積層方向(ひいては層厚方向LD)において熱交換ユニット3から最も離れた熱伝導部材層5b(すなわち、第1面51を有する熱伝導部材層5b)が、最も低い通気性を有してもよい。この場合、この熱交換ユニット3から最も離れた熱伝導部材層5bが、蓋のような機能を発揮して、熱交換素子21からの温度を熱伝導部材5の内部に閉じ込めて保温することができる。これにより、人体を、より効果的に、冷却又は加熱することができる。
図7は、本発明の第5実施形態に係る熱交換装置1を示している。図示は省略するが、本実施形態の熱交換用具7は、本実施形態の熱交換装置1と用品8とを備えている。本明細書に説明する各実施形態において、熱伝導部材5は、熱伝導部材5を層厚方向LDに貫通する貫通穴53を有してもよい。この貫通穴53は、熱交換素子21が冷却機能を発揮する場合に特に好適なものであるが、熱交換素子21が加熱機能を発揮する場合に存在していてもよい。すなわち、この貫通穴53は、熱交換素子21が、ペルチェ素子であるか、あるいは、冷却機能のみを発揮するように構成されている場合に、特に好適なものである。熱交換素子21がヒーターである場合は、熱伝導部材5は、貫通穴53を有しないのが好適であるが、貫通穴53を有してもよい。
この貫通穴53により、ユーザの人体の体温による対流が促進されるので、熱交換素子21による冷却機能が熱伝導部材5の全体にわたってより効果的に拡散され、ひいては、局部的な冷却を効果的に回避できる。
熱伝導部材5は、貫通穴53を、1つのみ有してもよいし、あるいは、複数有してもよい。
貫通穴53の中心軸線は、任意の方向及び形状に沿って延在していてよく、例えば、図7の例のように層厚方向LDに対し平行であってもよいし、あるいは、層厚方向LDに対して直線状に傾斜していてもよいし、あるいは、湾曲線状若しくはジグザグ状に延在していてもよい。
図7の例のように、熱交換素子21の少なくとも一部は、貫通穴53に面していると、好適である。これにより、ユーザの人体の体温による対流がさらに促進されるので、熱交換素子21による冷却機能が熱伝導部材5の全体にわたってさらに効果的に拡散され、ひいては、局部的な冷却をさらに効果的に回避できる。ただし、熱交換素子21の全部が貫通穴53に面していなくてもよい。
図7の例のように、熱交換素子21の少なくとも一部は、貫通穴53における保持部材4とは反対側の開放端面53aと、いかなる部材をも介さずに、層厚方向LDに対向していると、好適である。これにより、ユーザの人体の体温による対流がさらに促進されるので、熱交換素子21による冷却機能が熱伝導部材5の全体にわたってさらに効果的に拡散され、ひいては、局部的な冷却をさらに効果的に回避できる。ただし、熱交換素子21及び貫通穴53は、この構成とされていなくてもよい。
ただし、熱伝導部材5は、貫通穴53を有していなくてもよい。
図8は、本発明の第6実施形態に係る熱交換装置1を示している。図示は省略するが、本実施形態の熱交換用具7は、本実施形態の熱交換装置1と用品8とを備えている。本明細書に説明する各実施形態において、ファン23と熱交換ユニット3におけるその他の電気部品(熱交換素子21、コントローラ22等)との位置関係は、任意でよい。例えば、図8に示す第6実施形態のように、ファン23と熱交換ユニット3におけるその他の電気部品(図8の例では、コントローラ22)とは、層厚方向LDの投影面において互いに重複しないように配置されてもよい。
なお、図8に示す例では、熱交換装置1は、第3実施形態(図5)の構成を有しているが、第6実施形態では、本明細書で説明する任意の実施形態に係る熱交換装置1を同様に採用することができる。
図9~図10は、本発明の第7実施形態に係る熱交換装置1を示している。図示は省略するが、本実施形態の熱交換用具7は、本実施形態の熱交換装置1と用品8とを備えている。本明細書に説明する各実施形態において、熱交換ユニット3は、図9~図10の実施形態のように、仕切板27を含んでもよい。仕切板27は、その中央に、貫通穴27aを有する。仕切板27の貫通穴27aの内周側には、熱交換素子21が配置されている。この場合、熱交換素子21は、ペルチェ素子であると、好適である。仕切板27により、熱交換素子21の裏面21bからの温度が熱交換素子21の機能発揮面21a側に至るのを抑制できるので、人体を、より効果的に、冷却又は加熱することができる。
仕切板27の貫通穴27aの面積及び形状は、層厚方向LDに対し垂直な方向EDにおける熱交換素子21の面積及び形状とほぼ同じであると、好適である。
仕切板27は、熱伝導率が比較的低いことが好適である。このような観点から、仕切板27は、例えば、樹脂(例えば、アクリル)から構成されると好適である。仕切板27は、非発泡体から構成されると好適である。
仕切板27の効果を向上させる観点から、平面視における仕切板27の面積は、平面視における熱交換素子21を含む全体の平面の面積が熱交換素子21の2倍以上であると好適であり、6倍以上であるとより好適である。仕切り板27の大きさには制限はなく、熱伝導部材5と同等の大きさでも構わないが、本体部1Bの使用感を向上させる観点から、平面視における仕切板27の面積は、熱伝導部材5よりも小さくするほうが好ましく、平面視における熱伝導部材5面積の1倍以下であると好適であり、1/2倍以下であるとより好適である。
平面視における仕切板27の面積は、図10の例のように、平面視における熱伝導部材5の面積より小さくてもよいし、平面視における熱伝導部材5の面積とほぼ同じでもよい。
仕切板27の効果を向上させる観点から、仕切板27の厚さは、0.1mm以上であると好適であり、0.8mm以上であるとより好適である。本体部1Bの使用感を向上させる観点から、仕切板27の厚さは、2.0mm以下であると好適であり、1.5mm以下であるとより好適である。
仕切板27の厚さは、図9の例のように熱交換素子21の厚さより薄くてもよいし、熱交換素子21の厚さとほぼ同じでもよいし、熱交換素子21の厚さより厚くてもよい。
平面視における仕切板27の形状は、図10の例のように四角形状でもよいし、円形状、三角形状等、任意でよい。
熱交換素子21は、仕切り板27の中央に置かれるのが最も好ましい実施態様だが、本発明の適用対象により、仕切り板27の中央から外れた位置に設置されても良い。
本明細書に説明する各実施形態において、熱交換ユニット3は、図9~図10の実施形態のように、放熱部材28を含んでもよい。放熱部材28は、熱伝導率が比較的高いことが好適である。このような観点から、放熱部材28は、金属(例えば、アルミニウムあるいは銅)から構成されると好適である。放熱部材28は、例えば、放熱フィンである。この場合、熱交換素子21は、ペルチェ素子であると好適であり、特に、機能発揮面21aが冷却機能を発揮するように構成されたペルチェ素子であると好適である。ペルチェ素子を機能発揮面21a面が冷却機能として用いた場合に裏面21bは発熱するので放熱部材28は、熱交換素子21の裏面21bに接触していると、好適である。放熱部材28により、熱交換素子21の裏面21bからの温度をより効果的に熱伝導部材5とは反対側に向かって逃がすことができるので、人体を、より効果的に、冷却することができる。
この場合、ファン23は、図9のように放熱部材28における熱交換素子21とは反対側の面に接触するように配置されてもよい。あるいは、放熱部材28を環状に構成して、ファン23を、放熱部材28の内周側に配置してもよい。
なお、図9の例において、熱交換ユニット3は、熱交換素子21と、仕切板27と、放熱部材28と、ファン23とを、含んでいる。
本明細書に説明する各実施形態において、ファン23は、図8や図10の各例のように、熱伝導部材5とは反対側(用品8側)に、網状のファンガード23aを有していると、好適である。これにより、ファン23に用品8等が入り込むのを抑制できる。
つぎに、図11~図13を参照しつつ、本発明の熱交換用具7の具体例1~3について説明する。熱交換用具7は、熱交換装置1と用品8とを備えている。なお、図11~図13に示す各例では、熱交換装置1は、第3実施形態(図5)の構成を有しているが、具体例1~3では、上述した任意の実施形態に係る熱交換装置1を同様に採用することができる。
図11に示す具体例1では、用品8が、衣服であり、より具体的には上半身用衣服(トップス)である。図11(a)は、熱交換用具7を前側から見た様子を示しており、図11(b)は、熱交換用具7を後側から見た様子を示している。熱交換装置1の本体部1Bは、上半身用衣服8のうち、ユーザの背中に当てられるように構成された部分(後身頃)における、ユーザ側の面に、取り付けられている。ただし、熱交換装置1の本体部1Bは、上半身用衣服8のうち、任意の部分に取り付けられてよい。
図12に示す具体例2では、用品8が、衣服であり、より具体的には腹巻である。図12(a)は、熱交換用具7をユーザの胴体の周りに巻いた様子を示しており、図12(b)は、図12(a)の状態から熱交換用具7を開いて熱交換用具7の一部をユーザの胴体から離した様子を示している。熱交換装置1の本体部1Bは、腹巻8における、ユーザ側の面に、取り付けられている。この場合、熱交換素子21は、ヒーターであると好適である。
図13に示す具体例3では、用品8が、椅子であり、より具体的にはベビーカーである。熱交換装置1の本体部1Bは、ベビーカー8のうち、ユーザの背中及び頭部を支持するように構成された部分(背もたれ)における、ユーザ側の面に、取り付けられている。ただし、熱交換装置1の本体部1Bは、ベビーカー8のうち、ユーザの臀部及び脚部を支持するように構成された部分(座部)に取り付けられてもよい。
図11及び図12の各例において、用品8は、ファン23と対向する位置に、貫通穴8aを有している。
本発明の熱交換装置1における熱伝導部材5の熱伝導性能を確認するために、熱伝導性能実験を行ったので、説明する。
熱交換装置1の実施例1~3、比較例1~2を試作した。実施例1~3、比較例1~2の熱交換装置1の本体部1Bは、上述した第7実施形態(図9~図10)の構成を有していた。図14は、各例の熱交換装置1の本体部1Bを上から(ファン23側から)平面視した様子を概略的に示している。実施例1~3、比較例1~2の各例は、熱伝導部材5を構成する熱伝導部材用材料Cのみが異なり、その他の構成は同じであった。熱伝導部材5は、四角形であり、寸法は300mm×300mm×10mmであった。熱伝導部材5の第2面52の上には、仕切板27が配置されていた。仕切板27は、アクリル樹脂からなる非多孔質体で構成されており、寸法は150mm×150mm×1mmであり、中央に20mm×20mmの四角形の貫通穴27aを有していた。仕切板27の貫通穴27aの内周側には、熱交換素子21が配置されていた。熱交換素子21は、ペルチェ素子であり、その機能発揮面21aは冷却機能を発揮するように構成されていた。熱交換素子21の機能発揮面21aは、熱伝導部材5の第2面52に接触していた。熱交換素子21の裏面27bの上には、放熱部材28が載せられていた。放熱部材28は、放熱フィンからなり、アルミニウム製であった。放熱部材28における熱交換素子21とは反対側においては、放熱部材28の上に、ファン23が配置されていた。ファン23は、熱交換素子21とは反対側に向かって送風するようにされていた。各例の熱交換装置1の熱交換素子21には、電源と手動操作のスイッチとが接続されていた。
実施例1における熱伝導部材5を構成する熱伝導部材用材料Cは、連通気泡型の多孔質体であり、具体的には、株式会社イノアックコーポレーション製のポリウレタン発泡体であるCFH-13であった。CFH-13は、見かけ密度が30kg/mであり、セル数が13個/25mmである。CFH-13は、厚さ10mmのサンプルを用いて風速1m/secで測定した時の圧力損失が1mmH2Oであり、良好な通気性を有している。
実施例2における熱伝導部材5を構成する熱伝導部材用材料Cは、連通気泡型の多孔質体であり、具体的には、株式会社イノアックコーポレーション製のポリウレタン発泡体であるCFH-20であった。CFH-20は、見かけ密度が30kg/mであり、セル数が20個/25mmである。CFH-20は、厚さ10mmのサンプルを用いて風速1m/secで測定した時の圧力損失が1mmH2Oであり、良好な通気性を有している。
実施例3における熱伝導部材5を構成する熱伝導部材用材料Cは、連通気泡型の多孔質体であり、具体的には、パネフリ工業株式会社製のポリプロピレン多孔質体であるカルファイバー(登録商標)であった。カルファイバーは、見かけ密度が82kg/mであり、セル数が4個/25mmである。カルファイバーは、厚さ10mmのサンプルを用いて風速1m/secで測定した時の圧力損失が1mmH2Oであり、良好な通気性を有している。
比較例1における熱伝導部材5を構成する熱伝導部材用材料Cは、アクリル樹脂からなる非多孔質体であった。
比較例2における熱伝導部材5を構成する熱伝導部材用材料Cは、ポリプロピレン樹脂からなる非多孔質体であった。
各例の熱伝導性能実験においては、まず、図14に示すように、机の上の地点A及び地点Bにそれぞれ熱電対の接点を配置し、各接点をテープにより机の上に固定し、その上に、各例の熱交換装置1の本体部1Bを、熱伝導部材5の第1面51側を下にして、置いた。熱電対には、温度表示装置を接続した。そして、空調機にて室温を30℃に保ちながら、熱交換素子21の稼働開始直後、稼働開始から1分後、及び、稼働開始から10分後のそれぞれにおいて、地点A及び地点Bの温度を、それぞれ測定した。地点Aは、層厚方向LDの投影面において熱交換素子21と重複する位置であった。地点Bは、層厚方向LDの投影面において仕切板27の4隅のうち1つと重複する位置であった。また、ペルチェ素子の動作電圧は2Vであり、実験中電流は0.4±0.02Aで安定に流れていた。表1はこの条件で稼働した時の結果を示す。表1からわかるように、実施例1~3の熱交換装置1は、比較例1~2の熱交換装置1に比べて、地点A及び地点Bでの温度が速く下がり、ひいては、熱伝導部材5が優れた熱伝導性能を有していた。外気温度よりも2℃前後低下しただけであるが、触感では冷気を十分に感じる結果だった。
同様に、動作電圧を3Vにした場合の結果を表2に示す。電流は0.6±0.02A流れた。表2からわかるように、実施例1から3における地点Aでの10分後の到達温度は、いずれも27℃以下まで下がり、地点Bでは28℃以下と観察された。しかし、比較例ではいずれの地点でも温度が安定せず29℃より下がることは無かった。
本実験結果から、連通気泡型の多孔質体では空気の拡散により伝熱が熱伝導部材5全体に行われるが、非多孔質体の樹脂板では表面における伝熱の影響が大きく、冷気が樹脂板裏面まで到達することなく空気中へ逃げているものと思われる。
Figure 2022085737000002
Figure 2022085737000003
本発明の熱交換装置及び熱交換用具は、人体を冷却又は加熱するために好適に利用できるものである。
1 熱交換装置
1B 本体部
21 熱交換素子
21a 機能発揮面
21b 裏面
22 コントローラ
23 ファン
23a ファンガード
24 バッテリー
25 スイッチ
26 配線
27 仕切板
27a 貫通穴
28 放熱部材
3 熱交換ユニット
4 保持部材
41 収容穴
41a 収容穴における熱伝導部材とは反対側の開放端面
42 保持部材における熱伝導部材側の面
43 保持部材における熱伝導部材とは反対側の面
5 熱伝導部材
5a、5b 熱伝導部材層
51 第1面
52 第2面
53 貫通穴
53a 貫通穴における第1面側の開放端面
54 収容穴
6 接着剤
7 熱交換用具
8 用品
8a 貫通穴
8b 収容穴
LD 層厚方向
ED 層厚方向に垂直な方向
H 人体
T 熱電対
A、B 地点

Claims (13)

  1. 熱交換素子を含む、熱交換ユニットと、
    前記熱交換素子に接触している、熱伝導部材と、
    を備えた、熱交換装置であって、
    前記熱伝導部材は、連通気泡型の多孔質体からなる、熱交換装置。
  2. 前記熱伝導部材は、密度が0.001g/cm~0.5g/cmであり、前記熱伝導部材における前記熱交換ユニットとは反対側の面から前記熱交換素子までの距離が0.1cm以上10cm未満である、請求項1に記載の熱交換装置。
  3. 前記熱伝導部材は、2層以上の熱伝導部材層が積層されてなる、請求項1又は2に記載の熱交換装置。
  4. 前記2層以上の熱伝導部材層のうち、積層方向において前記熱交換ユニットから最も離れた熱伝導部材層が、最も低い通気性を有する、請求項3に記載の熱交換装置。
  5. 前記熱交換ユニットは、少なくとも1つのファンを含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の熱交換装置。
  6. 前記熱交換素子は、ペルチェ素子である、請求項1~5のいずれか一項に記載の熱交換装置。
  7. 前記熱交換素子は、ヒーターである、請求項1~5のいずれか一項に記載の熱交換装置。
  8. 前記熱交換ユニットは、人体に対して使用されるように構成された用品によって保持されるように構成されている、請求項1~7のいずれか一項に記載の熱交換装置。
  9. 前記熱交換ユニットは、前記熱伝導部材の内部に保持されている、請求項1~7のいずれか一項に記載の熱交換装置。
  10. 前記熱交換ユニットを内部に保持する、保持部材を、さらに備え、
    前記保持部材は、前記熱伝導部材の上に積層されている、請求項1~7のいずれか一項に記載の熱交換装置。
  11. 請求項1~10のいずれか一項に記載の熱交換装置と、
    人体に対して使用されるように構成された用品と、
    を備えた、熱交換用具。
  12. 前記用品は、衣服又は帽子である、請求項11に記載の熱交換用具。
  13. 前記用品は、椅子又は寝具である、請求項11に記載の熱交換用具。
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