JP2022085279A - 積層フィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】スクアリリウム化合物などの色素化合物が備えている優れた色再現性を実現することができ、しかも、色素化合物の色素活性を失活させないように硬化させることで耐溶剤性に優れ、かつ、熱安定性にも優れた、新たな積層フィルムを提供する。【解決手段】(A)色素化合物、(B)バインダー樹脂を含む樹脂層(1)と、(C)アクリル樹脂、(D)オキサゾリン系架橋剤に由来する架橋構造を含む架橋樹脂層(2)とを、この順に積層してなる構成を備え、(C)アクリル樹脂のガラス転移温度が90℃以上である積層フィルム。【選択図】図2

Description

本発明は、積層フィルム、及び該積層フィルムの使用用途、例えば偏光板、画像表示装置に関する。
近年、画像表示装置において、従来の液晶画像表示装置のみならず、光源の長寿命化に伴い、自発光による有機ELディスプレイも画像表示装置として採用される傾向にある。
色規格として、例えば、CIE1931-XYZ表色系のxy色度図において、青色座標(xB,yB)、緑色座標(xG,yG)、赤色座標(xR,yR)の三点を結んだ三角形で示される領域を用いる場合がある。画像表示装置では通常、このような赤、緑、青色画素の3点による三角形で示される領域が、再現できる色の限界となるため、当該三角形領域が大きいほど、画像表示装置が画面上で再現できる色の範囲すなわち色再現域が広いことを示す。
広い色再現域を有する色空間を達成するためには、分光スペクトルを構成する各色度、例えば赤色、緑色、青色それぞれの領域のピークをシャープにする、言い方を変えれば、“色純度”を高めることが効果的である。しかし、現状、組み合わせている蛍光体では、特定の波長領域の波長吸収性能が低い傾向にあり、より広い色再現域を達成するのが困難な状況にあった(特許文献1)。特に青色LEDと緑色及び赤色発光の蛍光体とで構成された液晶表示装置は、色温度を上げることで高色純度となって色再現域が広がるため、色再現性が良好となる反面、色温度を上げるために理想的な発光スペクトルを持つLEDの作製が困難であった。
このような課題に対する解決手段として、例えば特許文献2には、スクアリリウム化合物と、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタン樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ビニルエステル樹脂等の熱硬化性樹脂とを含有する樹脂組成物が開示されており、色調補正機能を有する架橋樹脂層を設ける提案が為されている。
特許文献3には、カラーフィルターを製造するための着色硬化性組成物として、所定の構造を有する染料化合物と、該染料化合物とは構造の異なる重合性化合物と、染料とを含む着色硬化性組成物が開示されている。
特許文献4には、700~1200nmの範囲に極大吸収波長を有する、近赤外線吸収性色素多量体であって、溶剤に溶解して用いられる染料であって近赤外線吸収性色素に由来する近赤外線吸収性色素構造と、硬化性基と、を有する近赤外線吸収性色素多量体が開示されている。
また、特許文献5には、(A)色素多量体、(B)重合性化合物、(C)光重合開始剤、及び(D)有機溶剤を含有し、(X)色素骨格を含まない無機金属塩の染料固形分に対する含有量が0.1質量%以下である着色感放射線性組成物が開示されている。
特開2011-162445号公報 特開2019-31638号公報 特開2014-25009号公報 特開2019-174813号公報 特開2012-181502号公報
特許文献2~5に開示されているように、色素を含む層を架橋樹脂層とすることで、該架橋樹脂層上にさらにコーティングを施した際に該架橋樹脂層がコーティング溶剤へ相溶することなく、さらには色純度が良好な画像表示装置が得られることが期待できる。
しかしながら、特許文献2~5に開示されているように150℃以上の高温での熱処理を行って架橋樹脂層を形成する場合、樹脂組成物の製造に時間がかかるばかりか、高温に耐え得る製造設備が必要である。さらには、熱によって、基板として樹脂フィルムを用いた場合は当該樹脂フィルムの平面性が損なわれる、または、色素骨格が切断され光学色素活性が失活してしまうことも懸念される。
そこで本発明者は、上述のような熱によるダメージを抑えるべく、光架橋性樹脂として通常使用される“光硬化性アクリル樹脂”に、色素としてスクアリリウム化合物を混ぜ合せて光架橋させて架橋樹脂層を形成した。しかし、その結果、当該スクアリリウム化合物の色素活性が失活してしまうことが判明した。
本発明は、スクアリリウム化合物などの色素化合物が備えている優れた色再現性を実現し、しかも、該色素化合物の色素活性を失活させないように硬化させることで耐溶剤性に優れ、かつ、熱安定性にも優れた、新たな積層フィルムを提供せんとするものである。
本発明は、(A)波長550~650nmに吸収ピークの極大値を有し、該極大値の吸光係数が10,000L/(mоl・cm)以上である化合物、及び、(B)バインダー樹脂を含む樹脂層(1)と、(C)アクリル樹脂、及び、(D)オキサゾリン系架橋剤に由来する架橋構造を含む架橋樹脂層(2)とを、この順に積層してなる構成を備え、前記(C)アクリル樹脂のガラス転移温度が90℃以上である積層フィルムを提案する。
(A)波長550~650nmに吸収ピークの極大値を有し、該極大値の吸光係数が10,000L/(mоl・cm)以上である化合物は、波長380~450nmの短波長領域における副吸収が少なく、波長550~650nmにおいて吸収ピークを有するため、それを含むフィルムを使用することにより、色純度が良好な色再現性を実現することができる。
そして、このような(A)化合物を含む樹脂層(1)と、(C)アクリル樹脂及び(D)オキサゾリン系架橋剤に由来する架橋構造を含む架橋樹脂層(2)とを、この順に積層してなる構成を備えた積層フィルムであれば、前記(A)化合物が備えている優れた色再現性を得ることができ、しかも、スクアリリウム化合物の色素活性を失活させないように硬化させることができる。
さらに、前記(C)アクリル樹脂として、ガラス転移温度が90℃以上である樹脂を使用することにより、過酷な湿熱条件下においても、樹脂層(1)と架橋樹脂層(2)とが界面剥離することなく、熱安定性にも優れたものとすることができる。
よって、例えば、青色発光LEDと緑色及び赤色発光の蛍光体で構成された白色LEDをバックライト光源に用いた画像表示装置において、前記白色LED光源から画像表示面に至る途中の何れかの位置に前記積層フィルム又は機能性フィルムを挟んで用いた場合、光源に含まれる550~650nm領域の光を減少させることが可能であり、色再現性に優れた画像表示装置を提供することが可能である。
画像表示装置の構成例を示す。 本発明の機能性フィルムの一例を用いた偏光板の構成例を示す。
以下、本発明を実施するための形態について説明する。ただし、本発明は、以下に説明する実施形態の例に限定されるものではない。
<<本積層フィルム>>
本発明の実施形態の一例に係る積層フィルム(以下「本積層フィルム」と称することがある)は、(A)波長550~650nmに吸収ピークの極大値を有し、該極大値の吸光係数が10,000L/(mоl・cm)以上である化合物(以下「色素化合物」と称することがある)、及び、(B)バインダー樹脂を含む樹脂層(1)と、(C)アクリル樹脂、及び、(D)オキサゾリン系架橋剤に由来する架橋構造を含む架橋樹脂層(2)とを、この順に積層してなる構成を備えた積層フィルムである。
本積層フィルムは、樹脂層(1)及び架橋樹脂層(2)を備えていれば、他の層を備えていてもよい。
他の層を含む本積層フィルムの一例としては、本積層フィルムは、基材フィルム(以下「本基材フィルム」と称することがある)、の少なくとも片面側に、前記樹脂層(1)と、前記架橋樹脂層(2)とを、この順に積層してなる構成を備えた積層フィルムが挙げられる。
<樹脂層(1)>
樹脂層(1)は、(A)波長550~650nmに吸収ピークの極大値を有し、該極大値の吸光係数が10,000L/(mоl・cm)以上である化合物(「色素化合物」)及び(B)バインダー樹脂を含む層であればよい。
樹脂層(1)は、(A)色素化合物を、失活させずに分散状態で定着させることができる層であればよい。
樹脂層(1)は、未架橋状態の層、すなわち架橋構造を含まない層であるのが好ましい。架橋されているか否かは、後述するように、TOFSIMSやIRなどの装置を用いて結晶構造を分析して架橋構造の有無を判断することができる。但し、このような方法に限定するものではない。
((A)色素化合物)
樹脂層(1)は、(A)波長550~650nmに吸収ピークの極大値を有し、該極大値のモル吸光係数が10,000L/(mоl・cm)以上である化合物(色素化合物)を必須成分として含有する。
色素化合物はその構造骨格が壊れていない場合であっても、(B)バインダー樹脂と混合する前後で、その光学特性が変化する場合がある。通常は光学特性は樹脂層(1)中に存在する場合であっても変化することは少ないが、変化する場合は樹脂層(1)に含まれる状態のときに、すなわち本積層フィルムの状態で以下に示す光学特性を示す色素化合物であればよい。
(A)波長550~650nmに吸収ピークの極大値を有し、該極大値の吸光係数が10,000L/(mоl・cm)以上である化合物の例としては、スクアリリウム化合物、ジインモニウム化合物、フタロシアニン化合物、ジチオール金属錯体化合物、ナフタロシアニン化合物、アゾ化合物、ポリメチン化合物、アントラキノン化合物、ピリリウム化合物、チオピリリウム化合物、クロコニウム化合物、テトラデヒドオコリン化合物、トリフェニルメタン化合物などの各種化合物が挙げられる。これらの化合物は、単独で使用してもよいし、また2種以上を混合して使用してもよい。
これらの化合物は、さまざまな外部環境下において必ずしも安定した色素活性を有するものではないが、本積層フィルムに用いることにより、ディスプレイ用途等の環境下においても長期に色素活性を維持することができる。これは、本積層フィルムでは、色素に影響を及ぼす硬化反応が進行する架橋樹脂層(2)を、(A)色素化合物を含む樹脂層(1)とは別の層として設け、且つ、架橋樹脂層(2)の硬化反応を、高温に加熱しなくても反応が済むように設計したことなどによるものである。
これらの中でも、近赤外域の吸収が大きく、半値幅が狭く、可視光域の透過率も高いという観点から、樹脂層(1)は、スクアリリウム化合物を含むことが好ましい。
(A)色素化合物は、波長550~650nmに吸収ピークの極大値を有するのが好ましく、570~620nmに吸収ピークの極大値を有するのがより好ましい。550~650nmに吸収ピークの極大値を有することで、色調補正機能に優れたディスプレイ用途に本積層フィルムを用いることができる。
そして、当該極大値の吸光係数はいずれも、10,000L/(mоl・cm)以上であることが好ましく、中でも50,000L/(mоl・cm)以上、その中でも100,000L/(mоl・cm)以上であるのがさらに好ましい。
なお、(A)色素化合物の吸収ピークの極大値は、当該色素化合物を、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン等の溶媒に溶解させた溶液を作製して、紫外可視分光光度計を用いた吸収スペクトルから得ることができる。(A)色素化合物に対する溶媒としてはテトラヒドロフランが好ましい。
前記極大値の吸光係数(モル吸光係数)についても、同様にして測定することができる。
さらに、(A)色素化合物の吸収ピークのうち最もピーク強度の高い吸収ピークの半値全幅は、特に限定されない。好ましくは、(A)色素化合物の当該半値全幅は40nm以下であるのが好ましく、35nm以下であることがより好ましい。また、通常25nm以上である。
当該吸収ピークの半値全幅を前記上限値以下とすることで、色再現性が向上される傾向がある。
吸収ピークの半値全幅(FWHM)は、前述の吸収スペクトルにて、極大吸収波長(λmax)における吸光度Aの半値となる波長A1及び波長A2を読み取り、波長A1波長A2の差の絶対値を算出することで得られる。
色素化合物が、混合物である場合、前記半値全幅は混合物の吸収スペクトルにおける値となる。
以下、色素化合物の代表例として、スクアリリウム化合物について詳述する。
スクアリリウム化合物は、波長380~450nmの短波長領域における副吸収が少なく、波長550~650nmにおいて吸収極大すなわち吸収ピークを有する。そのため、色素としてスクアリリウム化合物を用いることにより、色純度が良好で優れた色再現性を実現することができる色調補正用積層フィルムを得ることができる。
本発明において「スクアリリウム化合物」とは、下記式(I)で示されるように、少なくとも2つのカルボニル基からなる四員環を有する化合物を言う。例えば、中央に四員環を有し、その左右に環を有するものを挙げることができる。左右の環は同一のものでも異なるものでもよく、対称スクアリリウム化合物であっても非対称スクアリリウム化合物であってもよい。
Figure 2022085279000002
式(I)中、A及びAは各々独立に、置換基を有していてもよい芳香族環基を表す。
上記芳香族環基としては、芳香族炭化水素環基及び芳香族複素環基を挙げることができる。
芳香族環基の炭素数は、特に限定するものではなく、2以上が好ましく、3以上がより好ましく、4以上がさらに好ましく、5以上がよりさらに好ましく、6以上が特に好ましい。その一方、12以下が好ましく、10以下がより好ましい。
芳香族環基の炭素数を前記下限値以上とすることで、電子供与性基の導入が容易となる傾向があり、また、前記上限値以下とすることで、芳香族環の副吸収が抑えられる傾向がある。
上記芳香族炭化水素環基における環としては、単環であっても縮合環であってもよい。
芳香族炭化水素環基としては、例えば、1個の遊離原子価を有する、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、ペリレン環、テトラセン環、ピレン環、ベンズピレン環、クリセン環、トリフェニレン環、アセナフテン環、フルオランテン環、フルオレン環などの基を挙げることができる。
このように、芳香族炭化水素環基における環は5員環でも、6員環でもよく、また、単環でも、縮合環でもよい。副吸収を抑えるためには単環であることがさらに好ましく、ベンゼン環が特に好ましい。
上記芳香族複素環基における環としては、単環であっても縮合環であってもよい。
上記芳香族複素環基としては、例えば、1個の遊離原子価を有する、フラン環、ベンゾフラン環、チオフェン環、ベンゾチオフェン環、ピロール環、ピラゾール環、イミダゾール環、オキサジアゾール環、インドール環、カルバゾール環、ピロロイミダゾール環、ピロロピラゾール環、ピロロピロール環、チエノピロール環、チエノチオフェン環、フロピロール環、フロフラン環、チエノフラン環、ベンゾイソオキサゾール環、ベンゾイソチアゾール環、ベンゾイミダゾール環、ピリジン環、ピラジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、トリアジン環、キノリン環、イソキノリン環、シノリン環、キノキサリン環、フェナントリジン環、ベンゾイミダゾール環、ペリミジン環、キナゾリン環、キナゾリノン環、アズレン環などの基を挙げることができる。
上記芳香族環基が有していてもよい置換基とは、任意の置換基である。好ましくは、フッ素原子、塩素原子、炭素数1~20のアルキル基、炭素数1~20のアルコキシ基、炭素数2~20アルコキシカルボニル基、炭素数2~20のアルキルカルボニル基、炭素数2~20のPEG型ヒドロキシエチル基、トリフルオロメチル基、炭素数1~20の置換基を有していてもよいシリル基、炭素数1~20のアルキルチオ基、炭素数1~20の置換基を有していてもよいアミノ基、フッ素原子を有するアルキル基、水酸基などを挙げることができる。
スクアリリウム化合物の中でも、耐熱性、耐光性の観点から、下記一般式(II)で表されるスクアリリウム化合物が好ましい。
Figure 2022085279000003
式(II)中、X及びXは各々独立に、カルボニル基、又はスルホニル基を表す。R及びRは各々独立に、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよい芳香族環基、又はハロゲン原子を表す。
(X、X
前記式(II)中、X及びXは各々独立に、カルボニル基、又はスルホニル基を表す。中でも、吸収波長の観点からカルボニル基が好ましく、一方で吸収波長を短波長化する観点からスルホニル基が好ましい。X及びXは同じものでも異なるものでもよい。但し、耐光性や耐熱性の観点から同じものであることが好ましい。
(R及びR
前記式(II)中、R及びRは各々独立に、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよい芳香族環基又はハロゲン原子を表す。
前記アルキル基としては、直鎖状、分岐鎖状又は環状のアルキル基を挙げることができる。アルキル基の炭素数は特に限定されない。中でも、1以上が好ましく、2以上がより好ましく、また、13以下が好ましく、12以下がより好ましい。前記下限値以上とすることで溶解性が向上する傾向があり、また、前記上限値以下とすることで耐熱性が向上する傾向がある。
前記アルキル基の具体例としては、例えばエチル基、n-プロピル基、2-プロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、n-ヘキシル基、n―オクチル基、2-エチルヘキシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等を挙げることができる。これらの中でも、溶解性の観点から、直鎖または分岐アルキル基が好ましい。
前記アルキル基が有していてもよい置換基としては、アルコキシ基、ハロゲン原子、アリールオキシ基、アルキル基を有してもよりアミノ基などを挙げることができる。
前記芳香族環基としては、芳香族炭化水素環基と芳香族複素環基を挙げることができる。芳香族環基の炭素数は特に限定されない。中でも2以上が好ましく、3以上がより好ましく、4以上がさらに好ましく、5以上がよりさらに好ましく、6以上が特に好ましい。他方、12以下であるのが好ましく、10以下がより好ましい。前記下限値以上とすることで溶解性が向上する傾向があり、また、前記上限値以下とすることでスペクトル形状がシャープになる傾向がある。
前記芳香族炭化水素環基における環としては、単環であっても縮合環であってもよい。芳香族炭化水素環基としては、例えば、1個の遊離原子価を有する、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、ペリレン環、テトラセン環、ピレン環、ベンズピレン環、クリセン環、トリフェニレン環、アセナフテン環、フルオランテン環、フルオレン環などの基を挙げることができる。
一方、前記芳香族複素環基における環としては、単環であっても縮合環であってもよい。
芳香族複素環基としては、例えば、1個の遊離原子価を有する、フラン環、ベンゾフラン環、チオフェン環、ベンゾチオフェン環、ピロール環、ピラゾール環、イミダゾール環、オキサジアゾール環、インドール環、カルバゾール環、ピロロイミダゾール環、ピロロピラゾール環、ピロロピロール環、チエノピロール環、チエノチオフェン環、フロピロール環、フロフラン環、チエノフラン環、ベンゾイソオキサゾール環、ベンゾイソチアゾール環、ベンゾイミダゾール環、ピリジン環、ピラジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、トリアジン環、キノリン環、イソキノリン環、シノリン環、キノキサリン環、フェナントリジン環、ベンゾイミダゾール環、ペリミジン環、キナゾリン環、キナゾリノン環、アズレン環などの基を挙げることができる。
芳香族環基が有していてもよい置換基としては、例えばアルコキシ基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等を挙げることができる。
前記ハロゲン原子としては、例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などを挙げることができる。これらの中でも溶解性の観点からフッ素、塩素原子が好ましい。
これらの中でも、R及びRとしては、溶解性の観点から、置換基を有していてもよい。その中でも、アルキル基が好ましく、分岐アルキル基がさらに好ましい。
スクアリリウム化合物は、一種を単独であっても、2種以上からなる混合物であってもよい。よって、本発明における「スクアリリウム化合物」は、スクアリリウム化合物のみからなる混合物も包含する。
なお、スクアリリウム化合物は、次に3例示すように、共鳴構造を複数挙げることができる。但し、これらの共鳴構造は特に断らない限り同義である。
Figure 2022085279000004
上記共鳴構造を示す3つの式において、A,Aの芳香族環基としては、芳香族炭化水素環基と芳香族複素環基を挙げることができる。
芳香族環基の炭素数は、特に限定されない。中でも2以上が好ましく、3以上がより好ましく、4以上がさらに好ましく、5以上がよりさらに好ましく、6以上が特に好ましく、また、12以下が好ましく、10以下がより好ましい。
炭素数を上記下限値以上とすることで、電子供与性基の導入が容易となる傾向があり、また、上記上限値以下とすることで芳香族環の副吸収が抑えられる傾向がある。
以下、スクアリリウム化合物の具体例を挙げる。但し、これらに限定するものではない。
Figure 2022085279000005
Figure 2022085279000006
Figure 2022085279000007
Figure 2022085279000008
Figure 2022085279000009
スクアリリウム化合物は、公知の方法で製造することができる。例えばTop.Heterocycl.Chem.14,133-181(2008)に記載の方法に準じて製造することができる。
本発明において、スクアリリウム化合物は、波長550~650nmに吸収ピークの極大値を有し、該極大値の吸光係数が10,000L/(mоl・cm)以上にあるスクアリリウム化合物である。
また、スクアリリウム化合物は、570~620nmの範囲内に吸収ピークを有するスクアリリウム化合物であるのが好ましい。
複数の吸収ピークの極大値が存在する場合、そのうちの少なくとも一つが550~650nmの範囲内に存在すればよい。
なお、吸収ピークの極大吸収波長は、前述の通り、スクアリリウム化合物をテトラヒドロフラン、ジクロロメタン等の溶媒に溶解させた溶液を作製して測定した吸収スペクトルから算出することができる。溶媒としてはテトラヒドロフランを用いるのが好ましい。スクアリリウム化合物が、置換基の結合位置が異なる異性体の混合物である場合、前記極大吸収波長は混合物の吸収スペクトルにおける値である。
さらに、スクアリリウム化合物の吸収ピークのうち最もピーク強度の高い吸収ピークの半値全幅は、特に限定されない。中でも、当該半値全幅は40nm以下であることが好ましく、35nm以下であることがより好ましい。また、通常25nm以上である。
当該吸収ピークの半値全幅が前記上限値以下であることで、色再現性が向上される傾向がある。
吸収ピークの半値全幅(FWHM)は、前述の吸収スペクトルにて、極大吸収波長(λmax)における吸光度Aの半値となる波長A1及び波長A2を読み取り、波長A1波長A2の差の絶対値を算出することで得られる。
スクアリリウム化合物が、置換基の結合位置が異なる異性体の混合物である場合、前記半値全幅は混合物の吸収スペクトルにおける値である。
スクアリリウム化合物において、波長550~650nmにおける吸収ピークの数は、特に限定されない。中でも、輝度低下を抑制する観点から、好ましくは1つである。吸収ピークの数は、前述の吸収スペクトルから算出することができる。
なお、波長550~650nmにおける吸収ピークの数は、吸収スペクトルに含まれる吸収ピークのうち、その極大吸収波長が波長550~650nmに含まれるものの数を意味する。
他方、スクアリリウム化合物の380~450nmの波長域における光透過率は、80%以上であることが好ましく、85%以上であることがより好ましく、90%以上であることがさらに好ましく、また、この透過率は通常100%以下である。透過率を前記下限値以上とすることで、フィルムの色再現性を向上する傾向がある。透過率は前述の吸収スペクトルから算出することができる。
本積層フィルムでは特に、上記構造を有するスクアリリウム化合物を用いることで光吸収性能が良好となるので、好ましい。
樹脂層(1)中、色素化合物の含有割合は特に限定されない。中でも、樹脂層(1)を構成する全固形分に対して0.01質量%以上であるのが好ましく、0.05質量%以上がより好ましく、0.1質量%以上がさらに好ましい。その一方、10質量%以下であるのが好ましく、5質量%以下がより好ましく、1質量%以下であるのが特に好ましい。
色素化合物の含有割合を上記範囲にすることで、所望する色再現性を達成しやすい、あるいは色素化合物の析出防止などの利点を有する。
また、樹脂層(1)において、(A)色素化合物の含有割合は、(B)バインダー100質量部に対して0.01質量部以上であるのが好ましく、0.05質量部以上であるのがより好ましく、0.1質量部以上であるのがさらに好ましい。その一方、10質量部以下であるのが好ましく、5質量部以下がより好ましく、1質量部以下であるのが特に好ましい。
色素化合物の含有割合を上記範囲にすることで、所望する色再現性を達成しやすい、あるいは色素化合物の析出防止などの利点を有する。
((B)バインダー樹脂)
バインダー樹脂としては、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂などを挙げることができる。中でも、色素の性能を阻害しにくい観点から、アクリル樹脂が好ましい。
(B)バインダー樹脂として用いるアクリル樹脂は、アクリル酸エステルあるいはメタクリル酸エステルの(共)重合体であればよく、中でも、カルボキシル基含有モノマー由来の構造単位を含むものが好ましく、その他の構造単位として(メタ)アクリル酸アルキルエステル系モノマー由来の構造単位や、カルボキシル基含有モノマー以外の官能基含有モノマー由来の構造単位、さらにその他の共重合性モノマー由来の構造単位を含んでいてもよい。
樹脂層(1)の(B)バインダー樹脂としてのアクリル樹脂は、色素の失活防止の観点から、反応点となるカルボキシル基数が少ない方が好ましいから、(B)バインダー樹脂としてのアクリル樹脂の酸価は18以下であるのが好ましく、中でも16以下、中でも14以下であるのがさらに好ましい。下限値に関しては、5以上であるのが好ましく、中でも8以上、その中でも10以上であるのがさらに好ましい。
なお、酸価とは、試料1g中に含有されている遊離脂肪酸、樹脂酸などの酸成分を中和するのに要する水酸化カリウムのmg数であり、アクリル樹脂の場合には、カルボキシル基数の代替指標ともなる。JIS K 0070に記載の方法に準ずる方法により測定することができるものである。
樹脂層(1)の(B)バインダー樹脂としてのアクリル樹脂は、質量平均分子量が20万~250万であるのが好ましく、中でも60万以上或いは180万以下であるのがさらに好ましい。
前記カルボキシル基含有モノマーとしては、例えば(メタ)アクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、フマール酸、(メタ)アクリルアミドN-グリコール酸、ケイ皮酸、(メタ)アクリル酸のミカエル付加物、(メタ)アクリル酸ダイマー、(メタ)アクリル酸トリマー、(メタ)アクリル酸テトラマー、2-(メタ)アクリロイルオキシエチルジカルボン酸モノエステル(例えば、2-(メタ)アクリロイルオキシエチルコハク酸モノエステル、2-(メタ)アクリロイルオキシエチルフタル酸モノエステル、2-(メタ)アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸モノエステル等)等を挙げることができる。
前記(メタ)アクリル酸アルキルエステル系モノマーとしては、例えばメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、iso-ブチル(メタ)アクリレート、tert-ブチル(メタ)アクリレート、n-プロピル(メタ)アクリレート、n-ヘキシル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n-オクチル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート等を挙げることができる。これらは単独で用いてもよいし2種以上を併用してもよい。
前記カルボキシル基含有モノマー以外の官能基含有モノマーとしては、例えば水酸基含有モノマー、窒素含有モノマー、グリシジル基含有モノマー等を挙げることができる。これらの官能基含有モノマーは、単独で用いてもよいし2種以上を併用してもよい。
その他の共重合性モノマーとしては、例えば、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-3-フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、オルトフェニルフェノキシエチル(メタ)アクリレート等の芳香環含有モノマー;シクロへキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシルオキシアルキル(メタ)アクリレート、t-ブチルシクロヘキシルオキシエチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート等の脂環含有モノマー;2-メトキシエチル(メタ)アクリレート、2-エトキシエチル(メタ)アクリレート、3-メトキシブチル(メタ)アクリレート、2-ブトキシエチル(メタ)アクリレート、2-ブトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、オクトキシポリエチレングリコール-ポリプロピレングリコール-モノ(メタ)アクリレート、ラウロキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ステアロキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート等のエーテル鎖含有モノマー等を挙げることができる。これらは単独で用いてもよいし2種以上を併用してもよい。
(B)バインダー樹脂のガラス転移温度は、熱安定性の観点から、90~150℃であるのが好ましく、中でも100~150℃、その中でも105~150℃であるのがさらに好ましい。
(層厚)
樹脂層(1)の厚さは、均質な層とし、且つ(A)色素化合物が有する光吸収特性を好適に発揮させる観点から、0.1μm以上が好ましく、中でも0.5μm以上、その中でも1.0μm以上であるのがさらに好ましい。他方、隣の層との接着性確保の観点から、20μm以下であるのが好ましく、中でも15μm以下、その中でも10μm以下であるのがさらに好ましい。
<樹脂層(1)形成組成物>
樹脂層(1)は、(A)色素化合物及び(B)バインダー樹脂を含む樹脂組成物(「樹脂層(1)形成組成物」と称する)を塗布するなどして形成することができる。ただし、これに限定するものではない。
(その他成分)
樹脂層(1)形成組成物は、必要に応じて、三フッ化ホウ素や、酸増殖剤、シラン系あるいはチタネート系のカップリング剤、可塑剤、希釈剤、シリコーン化合物等の可撓性付与剤、分散剤、湿潤剤、着色剤、顔料、染料、無機質充填剤等の無機添加剤、紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系光安定剤等の光安定剤、酸化防止剤、脱泡剤、離型剤、流れ調整剤等を配合してもよい。
<架橋樹脂層(2)>
架橋樹脂層(2)は、(C)アクリル樹脂及び(D)オキサゾリン系架橋剤に由来する架橋構造を含む層であればよい。
架橋樹脂層(2)は、色素である(A)色素化合物を溶剤から保護するなど、樹脂層(1)を保護する役割を有する。但し、この役割に限定するものではない。
架橋樹脂層(2)は、架橋状態の層、すなわち架橋構造を含んでいる層である。
架橋されているか否かは、後述するように、TOFSIMSやIRなどの装置を用いて結晶構造を分析して架橋構造の有無を判断することができる。但し、このような方法に限定するものではない。
架橋樹脂層(2)を構成する(C)アクリル樹脂は、樹脂層(1)における(B)バインダー樹脂としてのアクリル樹脂と同様のアクリル樹脂であってもよい。
樹脂層(1)における(B)バインダー樹脂としてのアクリル樹脂と、架橋樹脂層(2)における(C)アクリル樹脂は、同じアクリル樹脂であっても、異なるアクリル樹脂であってもよい。
但し、架橋樹脂層(2)における(C)アクリル樹脂は、架橋し易いものが好ましい一方、樹脂層(1)における(B)バインダー樹脂としてのアクリル樹脂は、架橋樹脂層(2)を形成する際の溶媒などに溶けないものが好ましいから、架橋樹脂層(2)における(C)アクリル樹脂は、反応点となるカルボキシル基数が多い方が好ましい。よって、樹脂層(1)における(B)バインダー樹脂としてのアクリル樹脂に比べて、酸価が高い方が好ましい。
かかる観点から、架橋樹脂層(2)における(C)アクリル樹脂、すなわち架橋前の(C)アクリル樹脂の酸価は20以上であるのが好ましく、中でも22以上、その中でも24以上であるのがさらに好ましい。上限値に関して300以下であるのが好ましく、中でも250以下、中でも200以下であるのがさらに好ましい。
(層厚)
架橋樹脂層(2)の厚さは、均質な層とし、且つ(A)色素化合物が有する光吸収特性を好適に発揮させる観点から、0.1μm以上が好ましく、中でも0.5μm以上、その中でも1.0μm以上であるのがさらに好ましい。他方、隣の層との接着性確保の観点から、20μm以下であるのが好ましく、中でも15μm以下、その中でも10μm以下であるのがさらに好ましい。
前記樹脂層(1)と架橋樹脂層(2)の厚み比は、1:0.1~10であることが好ましく、1:0.5~5であることがより好ましく、1:1~3であることが特に好ましい。厚み比が0.1~10であることにより、薄い膜厚であっても、優れた耐溶剤性、及び、色素活性を備えた積層フィルムとなりやすくなる。
<架橋樹脂層(2)形成組成物>
架橋樹脂層(2)は、例えば(C)アクリル樹脂、(D)オキサゾリン系架橋剤および(E)SP値が11~15の溶媒を含む樹脂組成物(「架橋樹脂層(2)形成組成物」と称する)を硬化させて形成することができる。ただし、これに限定するものではない。
((C)アクリル樹脂)
架橋樹脂層(2)形成組成物に用いる(C)アクリル樹脂は、オキサゾリン系架橋剤と架橋構造を形成することで、(A)色素化合物を含む樹脂層(1)の耐溶剤性を付与することができる。
(C)アクリル樹脂のガラス転移温度は、90℃以上であるのが好ましく、中でも100℃以上、その中でも105℃以上であるのがさらに好ましい。
(C)アクリル樹脂のガラス転移温度が90℃以上であることで、過酷な湿熱条件下においても、樹脂層(1)と架橋樹脂層(2)とが界面剥離することなく、熱安定性に優れたものとすることができる。
なお、当該ガラス転移温度の上限については特に制限はないが、通常150℃以下である。
界面剥離を生じる原因は、高湿熱条件においては水分子が塗膜中に拡散・浸透し、塗膜/色素層界面に凝集することで、付着活性点を失活させているためであると推測している。架橋樹脂層(2)に用いるアクリル樹脂のガラス転移温度が90℃以上であれば、樹脂の分子鎖が動かないため、水分子の浸透を抑制できていると考えられる。
なお、本発明において、(C)アクリル樹脂のガラス転移温度は、アクリル樹脂を構成するモノマーの質量分率およびガラス転移温度から、下のFOXの式を用いて計算されたものである。実施例で示す値も同様である。
1/Tg=W1/T1+W2/T2+・・・Wn/Tn
この式中、Tgは理論ガラス転移温度(K)であり、W1、W2・・・Wnは各モノマーの質量分率であり、T1、T2・・・Tnは各モノマーの実測ガラス転移温度(K)である。
架橋樹脂層(2)形成組成物に用いるアクリル樹脂は、架橋剤と熱硬化することで、架橋し得る性質を備えたアクリル樹脂であるのが好ましい。
このようなアクリル樹脂としてのアクリル酸エステル類としては、例えばアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n-プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n-ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸sec-ブチル、アクリル酸tert-ブチル、アクリル酸アミル、アクリル酸イソアミル、アクリル酸n-ヘキシル、アクリル酸2-エチルヘキシル、アクリル酸ペンタデシル、アクリル酸ドデシルなどのアクリル酸非環状アルキルエステル;アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸イソボルニルなどのアクリル酸環状アルキルエステル;アクリル酸フェニル、アクリル酸ナフチルなどのアクリル酸アリールエステル;アクリル酸2-ヒドロキシエチル、アクリル酸2-メトキシエチル、アクリル酸グリシジルなどの官能基含有アクリル酸非環状アルキルエステル等を例示することができる。
また、メタクリル酸エステル類としては、例えばメタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n-プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸n-ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸sec-ブチル、メタクリル酸tert-ブチル、メタクリル酸アミル、メタクリル酸イソアミル、メタクリル酸n-ヘキシル、メタクリル酸2-エチルヘキシル、メタクリル酸ペンタデシル、メタクリル酸ドデシルなどのメタクリル酸非環状アルキルエステル;メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸イソボルニルなどのメタクリル酸環状アルキルエステル;メタクリル酸フェニルなどのメタクリル酸アリールエステル;メタクリル酸2-ヒドロキシエチル、メタクリル酸2-メトキシエチル、メタクリル酸グリシジルなどの官能基含有メタクリル酸非環状アルキルエステル等を例示することができる。これらは単独でも2種類以上を併用してもよい。
上記の中でも、熱硬化性アクリル樹脂として、透明性、耐熱性および反応性が良好となる観点から、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチル又はメタクリル酸エチル、又は、これら2種類以上の組み合わせからなるものを、共重合性モノマーとして含有するアクリル樹脂が好ましい。
一方、(C)アクリル樹脂としては、例えば架橋性単量体としてのアクリル樹脂や、架橋性モノマーとしてのアクリル酸エステル、メタクリル酸エステル類なども挙げることができる。
前記架橋性単量体とは、一分子中に1つまたは2つ以上の重合性官能基を有する単量体のことを指す。
当該架橋性単量体としては、例えばアクリル酸アリル、メタクリル酸アリル、1-アクリロキシ-3-ブテン、1-メタクリロキシ-3-ブテン、1,2-ジアクリロキシ-エタン、1,2-ジメタクリロキシ-エタン、1,2-ジアクリロキシ-プロパン、1,3-ジアクリロキシ-プロパン、1,4-ジアクリロキシ-ブタン、1,3-ジメタクリロキシ-プロパン、1,2-ジメタクリロキシ-プロパン、1,4-ジメタクリロキシ-ブタン、トリエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、1,6-ヘキサンジオールジメタクリレート、1,9-ノナンジオールジメタクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、1,6-ヘキサンジオールジアクリレート、1,9-ノナンジオールジアクリレート、1,4-ペンタジエン、トリメチロールプロパントリアクリレート、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマール酸、クロトン酸、スチレンスルホン酸などが例示される。
また、水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物としては、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、6-ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチルアクリロイルホスフェート、2-(メタ)アクリロイロキシエチル-2-ヒドロキシプロピルフタレート、カプロラクトン変性2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、脂肪酸変性-グリシジル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-3-(メタ)アクリロイロキシプロピル(メタ)アクリレート、等のエチレン性不飽和基を1つ含有する(メタ)アクリレート系化合物;グリセリンジ(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-3-アクリロイル-オキシプロピルメタクリレート等のエチレン性不飽和基を2つ含有する(メタ)アクリレート系化合物;ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート等のエチレン性不飽和基を3つ以上含有する(メタ)アクリレート系化合物がなどを挙げることができる。
ビニル基を有する架橋性単量体として、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、β-メチルグルシジル(メタ)アクリレート、o-ビニルベンジルグリシジルエーテル、m-ビニルベンジルグリシジルエーテル、p-ビニルベンジルグリシジルエーテル、α-メチル-o-ビニルベンジルグリシジルエーテル、α-メチル-m-ビニルベンジルグリシジルエーテル、α-メチル-p-ビニルベンジルグリシジルエーテルを例示することができ、その中ではo-ビニルベンジルグリシジルエーテル、m-ビニルベンジルグリシジルエーテル、p-ビニルベンジルグリシジルエーテル、3,4-エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレートが例示される。これらは単独でも2種類以上を併用してもよい。
(C)アクリル樹脂は、質量平均分子量が1000~500,000であるのが好ましく、中でも3000以上或いは400,000以下、その中でも5000以上或いは250,000以下であるのがさらに好ましい。
((D)オキサゾリン系架橋剤)
架橋樹脂層(2)形成組成物が架橋剤を含有すれば、架橋密度が高い緻密な架橋樹脂層(2)を形成することができ、各種製造工程において、より好適な傷付き防止性を付与することができる。
この際、(A)色素化合物の性能低下がない観点から、オキサゾリン化合物からなる架橋剤、すなわちオキサゾリン系架橋剤を用いるのが好ましい。
但し、架橋剤として、オキサゾリン系架橋剤と組み合わせて別の架橋剤を併用してもよい。
なお、これらの架橋剤とともに硬化する成分として、本発明の主旨を損なわない範囲において、任意の重合性モノマーを塗布液に含有していてもよい。
オキサゾリン化合物は、分子内にオキサゾリン基を有する化合物であり、特にオキサゾリン基を含有する重合体が好ましく、該重合体は、付加重合性オキサゾリン基含有モノマー単独もしくは「他のモノマー」との重合によって作製できる。
オキサゾリン化合物は、アクリル樹脂のカルボキシル基との反応によりアミドエステル結合を生成して硬化物を形成することができる。しかも、この反応は、150℃より低い温度で進行させることができる。
中でも、オキサゾリン化合物は、付加重合性オキサゾリン基含有モノマーと(メタ)アクリロイル基を有するモノマーであるアクリルモノマーとの共重合体であるアクリル系ポリマーが好ましく、アクリル系ポリマーはポリアルキレンオキシド鎖を有してもよい。
なお、本明細書において、(メタ)アクリロイル基という表現を用いた場合、「アクリロイル基」と「メタクリロイル基」の一方又は両方を意味するものとし、他の類似する用語も同様である。
前記の付加重合性オキサゾリン基含有モノマーとして、2-ビニル-2-オキサゾリン、2-ビニル-4-メチル-2-オキサゾリン、2-ビニル-5-メチル-2-オキサゾリン、2-イソプロペニル-2-オキサゾリン、2-イソプロペニル-4-メチル-2-オキサゾリン、2-イソプロペニル-5-エチル-2-オキサゾリン等を挙げることができ、これらの1種または2種以上の混合物を使用することができる。これらの中でも2-イソプロペニル-2-オキサゾリンが工業的にも入手しやすく好適である。付加重合性オキサゾリン基含有モノマーは、1種単独で使用してもよいし、2種以上のモノマーを使用することができる。
前記の他のモノマーとしては、付加重合性オキサゾリン基含有モノマーと共重合可能なモノマーであれば制限はない。例えばアルキル(メタ)アクリレート(アルキル基としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、t-ブチル基、2-エチルヘキシル基、シクロヘキシル基)等の(メタ)アクリル酸エステル類;アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマール酸、クロトン酸、スチレンスルホン酸およびその塩(塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩、第三級アミン塩等)等の不飽和カルボン酸類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等の不飽和ニトリル類;(メタ)アクリルアミド、N-アルキル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジアルキル(メタ)アクリルアミド、(アルキル基としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、t-ブチル基、2-エチルヘキシル基、シクロヘキシル基等)等の不飽和アミド類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル類;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル等のビニルエーテル類;エチレン、プロピレン等のα-オレフィン類;塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニル等の含ハロゲンα,β-不飽和モノマー類;スチレン、α-メチルスチレン等のα,β-不飽和芳香族モノマー等を挙げることができる。
また、他のモノマーとして、ポリアルキレンオキシド鎖を有するモノマーも使用できる。ポリアルキレンオキシド鎖を有するモノマーとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸などの不飽和カルボン酸類のカルボキシル基にポリアルキレンオキシドを付加させたエステル等を好ましく例示することができる。ここで、ポリアルキレンオキシド鎖としては、例えば、ポリメチレンオキシド、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリブチレンオキシド等を好ましく例示できる。ポリアルキレンオキシド鎖の繰り返し単位は例えば3~100の範囲であるとよい。
オキサゾリン化合物に使用される他のモノマーは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
オキサゾリン化合物のオキサゾリン基量は、好ましくは0.5~10mmol/g、より好ましくは1mmol/g以上或いは9mmol/g以下、さらに好ましくは3mmol/g以上或いは8mmol/g以下、特に好ましくは4mmol/g以上或いは6mmol/g以下の範囲である。上記範囲で使用することで、塗膜の耐久性が向上しやすくなる。
架橋樹脂層(2)形成組成物中に含まれる架橋剤は、塗布層を形成する際の乾燥過程や、製膜過程において、反応させて塗布層の性能を向上させる設計で用いることができる。塗布液から形成された塗布層中には、これら架橋剤の未反応物、反応後の化合物、あるいはそれらの混合物が存在しているものと推測できる。
架橋樹脂層(2)形成組成物の架橋剤の含有量は、架橋樹脂層(2)形成組成物中の全不揮発成分に対して、5~60質量%であるのが好ましく、中でも10質量%以上或いは50質量%以下、その中でも15質量%以上或いは40質量%以下、その中でも20質量%以上或いは40質量%以下であるのがさらに好ましい。
架橋樹脂層(2)形成組成物中の全不揮発成分に対する架橋剤の含有量が5~60質量%である場合は、架橋樹脂層(2)形成組成物から形成される架橋樹脂層(2)の強度が向上し、より傷付き防止性を向上させるとともに、滑り性を同時に満足させることができる。
さらに、架橋樹脂層(2)形成組成物中に必要に応じて帯電防止剤を含む場合に、架橋樹脂層(2)中からの帯電防止剤のブリードアウトを抑制し、ブリードアウトによるフィルムの汚染を防止することができる。架橋樹脂層(2)形成組成物中の全不揮発成分に対する架橋剤の含有量が5質量%未満の場合には、十分な傷付き防止性能が得られない場合がある。
架橋樹脂層(2)形成組成物中に架橋触媒を含有する場合には、架橋触媒の含有量は、架橋樹脂層(2)形成組成物中の不揮発成分に対して、0.4~10質量%であるのが好ましく、中でも0.6質量%以上或いは8質量%以下、その中でも0.8質量%以上或いは5質量%以下であるのがさらに好ましい。
架橋触媒の含有量が0.4~10質量%であると、望ましい傷付き防止性能を有する塗布膜が得られる傾向にある。
((E)溶媒)
色素である(A)色素化合物を含有する樹脂層(1)に架橋樹脂層(2)を積層する場合、特に樹脂層(1)が未架橋状態の層である場合、当該(A)色素化合物の色素活性を維持するためには、架橋樹脂層(2)を形成する際に使用する溶媒によって、樹脂層(1)のバインダーが溶解しないようにすることが一つの解決手段となることが分かった。
すなわち、架橋樹脂層(2)形成組成物に用いる溶媒は、(C)アクリル樹脂を溶解できる一方で、下層すなわち樹脂層(1)のバインダーは溶解しない溶媒であるのが好ましい。
かかる観点から、SP値が11~15の溶媒を用いるのが好ましい。中でも、該溶媒のSP値は、12以上であるのがさらに好ましく、14以下であるのがさらに好ましい。
SP値が11~15の溶剤としては、例えばメトキシプロパノールプロピレングリコールモノメチルエーテル(「PGM」(11.4))、エチレングリコール(14.6)、エタノール(12.7)、1,4-ブタンジオール(12.1)、1,3-ブタンジオール(11.6)、ジエチレングリコール(12.1)、エチレングリコールモノメチルエーテル(メチルセロソルブ)(12.6)、ベンジルアルコ-ル(12.1)等を挙げることができ、これらの溶剤は必要に応じて2種又はそれ以上の混合溶剤として使用することもできる。括弧内の数値は各化合物のSP値である。ちなみに、水のSP値は23.4である。
特に(C)アクリル樹脂あるいは(D)架橋剤の溶解性や安定性に応じて選定すればよい。
(その他成分)
架橋樹脂層(2)形成組成物は、必要に応じて、三フッ化ホウ素、熱重合開始剤、酸増殖剤、シラン系あるいはチタネート系のカップリング剤、可塑剤、希釈剤、シリコーン化合物等の可撓性付与剤、分散剤、湿潤剤、着色剤、顔料、染料、無機質充填剤等の無機添加剤、紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系光安定剤等の光安定剤、酸化防止剤、脱泡剤、離型剤、流れ調整剤等を配合してもよい。
<本基材フィルム>
本基材フィルムは、単層構成であっても、多層構成であってもよい。
本基材フィルムが多層構成の場合、2層、3層構成以外にも本発明の要旨を越えない限り、4層またはそれ以上の多層であってもよい。
多層から構成される例として、例えば、内層、中間層、及び外層を有する3層から構成されていてもよく、3層以上から構成されていてもよい。
本基材フィルムは、単層構成であっても、多層構成であっても、各層の主成分樹脂が加熱により軟化する性質を有する熱可塑性樹脂であれば、特に限定されない。
本基材フィルムは、(A)色素化合物を含む樹脂層(1)を形成しない側の面には、本発明の主旨を損なわない範囲において、その他の層として易接着層、帯電防止層、オリゴマー析出防止層などの機能層を、所望する用途に応じて形成することができる。
(熱可塑性樹脂)
本基材フィルムを構成する各層の主成分樹脂としての前記熱可塑性樹脂としては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン等のポリオレフィン;ポリプロピレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン-2,6-ナフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル;4フッ化エチレン樹脂、3フッ化エチレン樹脂、3フッ化塩化エチレン樹脂、4フッ化エチレン-6フッ化プロピレン共重合体、ポリフッ化ビニリデン等のフッ素樹脂;ポリアミド、アラミド、ポリメチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、エチレン酢酸ビニルコポリマー、ポリアセタール、ポリグリコール酸、ポリスチレン、スチレン共重合ポリメタクリル酸メチル、ポリカーボネート、ポリエーテルサルフォン、ポリエーテルエーテルケトン、変性ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルイミド、ポリイミド、ポリアリレート;等を挙げることができる。
これらの熱可塑性樹脂は、単独で用いてもよく、或いは2種以上を併用して混合樹脂としてもよい。
なお、上記「各層の主成分樹脂」とは、本基材フィルムの各層を構成する樹脂のうち最も含有割合の多い樹脂を意味し、例えば本基材フィルムを構成する各層を構成する樹脂のうち50質量%以上、特に70質量%以上、中でも80質量%以上(100質量%を含む)を占める樹脂である。
各層の主成分樹脂は、中でもポリエステル又はポリイミド(PI)であるのが好ましい。このようなフィルムを「ポリエステルフィルム」又は「ポリイミドフィルム」と称する。
本基材フィルムを構成する各層が、その主成分樹脂がポリエステル又はポリイミドであれば、ポリエステル又はポリイミド以外のその他の樹脂或いは樹脂以外の成分を含有していてもよい。
中でも、本積層フィルムを光学用途に用いる場合、本基材フィルムとして、ポリエステルフィルム、ポリイミドフィルムが好適に用いられる。
(ポリエステル)
本基材フィルムを構成する各層の主成分樹脂としてのポリエステル(「本ポリエステル」と称する)は、ホモポリエステルであっても、共重合ポリエステルであってもよい。
本ポリエステルが、ホモポリエステルからなる場合、芳香族ジカルボン酸と脂肪族グリコールとを重縮合させて得られるものが好ましい。
前記芳香族ジカルボン酸としては、例えばテレフタル酸、2,6-ナフタレンジカルボン酸などを挙げることができる。
前記脂肪族グリコールとしては、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、1,4-シクロヘキサンジメタノール等を挙げることができる。
他方、本ポリエステルが、共重合ポリエステルである場合、そのジカルボン酸成分としては、例えばイソフタル酸、フタル酸、テレフタル酸、2,6-ナフタレンジカルボン酸、セバシン酸などの一種または2種以上を挙げることができる。他方、そのグリコール成分としては、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、ネオペンチルグリコール等の一種または2種以上を挙げることができる。
代表的なポリエステルの具体例としては、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリブチレンナフタレート(PBN)などを例示することができる。中でも、PET、PENが取扱い性の点で好ましい。
なお、本基材フィルムを構成する各層の主成分樹脂が、例えばポリエチレンテレフタレートである場合、そのフィルムを「ポリエチレンテレフタレートフィルム」と称する。他の樹脂が各層の主成分樹脂である場合も同様である。
(ポリイミド)
本基材フィルムは、ポリエステルフィルムの他に、ポリイミドフィルムも好適である。
前記ポリイミドのイミド化に関しては、例えばジアミンとジアンヒドリド、特に芳香族ジアンヒドリドと芳香族ジアミンとを1:1の当量比でポリアミド酸重合した後にイミド化する方法を例示することができる。
当該芳香族ジアンヒドリドとしては、例えば2,2-ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物(6FDA)、4-(2,5-ジオキソテトラヒドロフラン-3-イル)-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-1,2-ジカルボン酸二無水物(TDA)、ピロメリット酸二無水物(1,2,4,5-ベンゼンテトラカルボン酸二無水物、PMDA)、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物(BTDA)、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)、及びビスカルボキシフェニルジメチルシラン二無水物(SiDA)などを例示することができる。これらは単独で用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。
また、前記芳香族ジアミンとしては、例えばオキシジアニリン(ODA)、p-フェニレンジアミン(pPDA)、m-フェニレンジアミン(mPDA)、p-メチレンジアニリン(pMDA)、m-メチレンジアニリン(mMDA)、ビストリフルオロメチルベンジジン(TFDB)、シクロヘキサンジアミン(13CHD、14CHD)、及びビスアミノヒドロキシフェニルヘキサフルオロプロパン(DBOH)などを例示することができる。これらは単独で用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。
(他の成分)
本基材フィルムには、所望する用途に応じて、可塑剤、造膜助剤、増粘剤、顔料、顔料分散剤、耐候性改良剤、及び熱安定剤などの添加剤を含有してもよい。
(厚み)
本基材フィルムの厚みは、ハンドリング性の観点から9μm以上であるのが好ましく、中でも12μm以上、その中でも25μm以上、その中でも特に38μm以上であるのがさらに好ましい。その一方、薄膜化の観点から、350μm以下であるのが好ましく、中でも300μm以下、中でも250μm以下であるのがさらに好ましい。
(本基材フィルムの製法)
本基材フィルムは、例えば樹脂組成物を溶融製膜方法や溶液製膜方法によりフィルム形状にすることにより形成することができる。多層構造の場合は、共押出してもよい。
また、一軸延伸又は二軸延伸したものであってもよい。剛性の点からは、二軸延伸フィルムが好ましい。
本基材フィルムは、樹脂層(1)を形成する前、或いは、その他の層を形成する前に、予め、コロナ処理、プラズマ処理などの表面処理を施してもよい。
<本積層フィルムの製造方法>
本積層フィルムは、樹脂層(1)形成組成物を例えば塗布して樹脂層(1)を形成した後、該樹脂層(1)上に、架橋樹脂層(2)形成組成物を例えば塗布し、該架橋樹脂層(2)形成組成物を硬化させて架橋樹脂層(2)を形成するようにして本積層フィルムを製造することができる。但し、本積層フィルムの製造方法をこの方法に限定するものではない。
(各層の形成方法)
樹脂層(1)又は架橋樹脂層(2)を形成する方法としては、特に限定されず、従来公知の方法を用いることができる。例えば、溶融押出し成形法(Tダイ法、インフレーション法を含む)、カレンダー加工法、ロール加工法、押出成型加工法、ブロー成型法、インフレーション成型法、溶融流延法、加圧成型加工法、ペースト加工法、粉体成型法、及び塗布法などを挙げることができる。
これらの中でも、(A)色素化合物が耐熱性に乏しい性質を有するため、また簡便な方法であることから、樹脂層(1)及び架橋樹脂層(2)の形成には塗布法を用いることが好ましい。
例えば樹脂層(1)形成組成物を塗布する場合には、(A)色素化合物と(B)バインダー樹脂を、溶媒中に分散あるいは溶解させて樹脂層(1)形成組成物を調製するようにするのが好ましい。
次いで、調製した樹脂層(1)形成組成物を、基材フィルム上に塗布し、乾燥させることによって、基材フィルムの少なくとも片面に樹脂層(1)を形成するのが好ましい。
次に、(C)アクリル樹脂及び(D)オキサゾリン系架橋剤を溶媒中に分散あるいは溶解させて架橋樹脂層(2)形成組成物を調製し、該架橋樹脂層(2)形成組成物を樹脂層(1)上に塗布し、乾燥させるようにするのが好ましい。
樹脂層(1)形成組成物又は架橋樹脂層(2)形成組成物の塗布する方法(塗布法式)としては、例えば、リバースグラビアコート方式、ダイレクトグラビアコート方式、ロールコート方式、ダイコート方式、バーコート方式、及びカーテンコート方式などを挙げることができる。なお、塗工方式に関しては「コーティング方式」槇書店 原崎勇次著1979年発行に記載例がある。
樹脂層(1)形成組成物又は架橋樹脂層(2)形成組成物の調製において、溶媒の使用量は、適宜調整すればよく特に限定されない。中でも固形分濃度が0.1~50質量%となる割合で用いることが好ましい。好ましくは1~30質量%、その中でも特に5~20質量%がよい。
本発明において、「固形分濃度」は、該当組成物中の溶媒を除外した残りの全体を意味する。
また、(A)色素化合物の使用量は、特に限定されない。例えば、(B)バインダー樹脂100質量部に対して0.01~10質量部となる割合で用いることが好ましく、中でも0.05質量部以上或いは5質量部以下、その中でも特に0.1質量部以上或いは3質量部以下の割合とするのが特に好ましい。
<本積層フィルムの特性>
(光吸収特性)
本積層フィルムは、波長550~650nmに吸収ピークの極大値を有するのが好ましく、中でも570~650nm或いは550~620nm、中でも575~615nm、その中でも特に585~600nmに吸収ピークの極大値を有するのがさらに好ましい。
ここで「吸収ピークの極大値」とは、分光吸収スペクトルにおいて、複数の吸収ピークすなわち吸収極大が存在する場合、その中で最大のピーク強度すなわち吸光度を示す吸収ピークのピーク強度すなわち吸収極大値を意味する。
本積層フィルムの吸収ピークの極大値を示す波長は、色素化合物の種類のほか、光重合開始剤の種類や硬化方法などによって上記範囲に調整することができる。但し、これに限定するものではない。
(透過率)
本積層フィルムは、400~500nmの波長域の光透過率が90%以上であり、600nmの波長域の光透過率が50%以下であり、700nm~800nmの波長域の光透過率が90%以上であるのが好ましい。
本積層フィルムの透過率が、この範囲であることによって、色純度が良好な色再現性を実現するフィルムとすることができる。
かかる観点から、400~500nmの波長域の光透過率は90~100%であるのが好ましく、中でも92%以上或いは99%以下であるのがより好ましい。600nmの波長域の光透過率は0~50%であるのが好ましく、中でも1%以上或いは40%以下であるのがより好ましい。700nm~800nmの波長域の光透過率は、90%~100%であるのが好ましく、中でも92%以上或いは99%以下であるのがより好ましい。
本積層フィルムにおいて、透過率を上記のように調整するには、例えば、色素化合物の種類のほか、光重合開始剤の種類や硬化方法などによって調整することができる。但し、これに限定するものではない。
(耐溶剤性)
本積層フィルムは、架橋樹脂層(2)自体が緻密な架橋構造を形成することができるため、耐溶剤性を良好とすることができる。
<本積層フィルムの形態>
本積層フィルムは、架橋樹脂層(2)上に機能層を設けて機能性フィルム(「本機能性フィルム」と称する)とすることができる。
機能層とは、本発明に係る(A)色素化合物に由来する光吸収特性などとは異なる機能を有する層のことを指している。機能層の具体例としては、例えばハードコート層、粘着剤層などを代表例として挙げることができる。
(ハードコート層)
前記ハードコート層の形成に用いられる樹脂は、主として紫外線硬化型樹脂、電子線硬化型樹脂に代表される活性エネルギー線硬化型樹脂である。この他にも高硬度、高耐擦傷性、基材との密着性、透明性など、ハードコートとして必要な物理的強度と光学的性能を有するものであれば、特に限定されるわけではない。また、これらは単独で用いてもよいし、他の成分(モノマーあるいはプレポリマー)と混合して用いてもよく、目的や用途に応じ、有機粒子、無機粒子、酸化防止剤、表面改質剤など樹脂以外のその他成分を併用してもよい。
(粘着剤層)
前記粘着剤層の形成に用いられる粘着剤は、従来から公知の粘着剤を適宜選択して使用できる。例えばアクリル系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ポリエステル系粘着剤、ゴム系粘着剤などの透明性を有する粘着剤によって形成される。
なお、粘着剤層の厚みは、通常15~50μm程度である。厚みが薄すぎると粘着力(接着力)が弱くなり、厚過ぎるとコスト高となる上、粘着剤による糊汚れが発生し易くなる傾向にあるので、好ましくは20~30μmである。
本積層フィルム及び本機能性フィルムは、特に色調補正を目的とした、光学フィルムとして用いることができる。本発明に係る積層フィルムを用いれば、光吸収特性が良好であるために、効率良く色調補正することができる。
<<画像表示装置>>
本積層フィルムの用途として、例えば、光源と、本積層フィルム又は本機能性フィルムと、を備えた画像表示装置を挙げることができる。画像表示装置としては例えば、液晶表示装置、有機ELが挙げられる。
ここで、画像表示装置の一例として、液晶表示装置(「本液晶表示装置」と称する)の構成事例を中心にして説明する。但し、本積層フィルムの用途が以下の構成事例に何ら限定させるわけではない。
本画像表示装置は、前記白色LEDから画像表示面に至る途中の何れかの位置に、本積層フィルム又は本機能性フィルムを備えたものであればよい。
本画像表示装置の構成例としては、例えば、バックライト/プリズムシート/偏光板/表示面(タッチパネル)からなる構成が挙げられ、特に本液晶表示装置の構成例としては、図1に示すように、バックライト/プリズムシート/偏光板/液晶層/電極又は配光膜/カラーフィルター/ガラス基板/偏光板/表示面(タッチパネル)からなる構成例などを挙げることができる。
この際、前記偏光板として、本機能性フィルムの本基材フィルムが、接着層を介して、偏光子の片側に貼り合わされ、機能層が、接着層を介して、保護フィルムに貼り合わされてなる構成を備えた偏光板を挙げる。
但し、本画像表示装置の構成を上記構成例に限定するものではない。
また、バックライトとプリズムシートの間、プリズムシートと偏光板の間には、拡散シート、DBEF(Dual Brightness Enhancement Film)などを配置してもよい。
また、図1に示すように、バックライトと液晶層との間には、ガラス基板、偏向板、プリズムシート、拡散シートなどのうちのいずれかの部材が少なくとも1種類以上配置されていてもよい。各部材の配置される順序は表示装置の特性に応じて、適宜選択可能である。
(バックライト部材)
前記バックライト部材の光源としては、例えば、青色発光LEDと、緑色及び赤色発光の蛍光体とで構成された白色LED光源をバックライト光源に用いたものを挙げることができる。但し、これに限定するものではない。
そして、例えば、前記白色LED光源と、当該白色LED光源から発する点光または線光を面光へと変換する導光板と、導光板上に配置され導光板から照射された光を拡散及び集光させる光学シート等と、導光板の下部に配置され導光板の下部方向へ進行する光を液晶セル方向へ反射させる反射シートを含む構成例をバックライト部材の構成例として挙げることができる。
当該バックライト部材は、液晶セルの反視認側に配置され、液晶セルの背面側から光を照射することができる。
前記光学シート等は、光を拡散させる拡散シートと、光を集光させる集光シートと、前記集光シートを保護するための保護シートを含んでいてもよい。
なお、上記LED光源としては、青色LEDと赤色・緑色蛍光体(RG蛍光体)とを組み合わせて白色光を生成するLED光源(B-RG方式)及び青色LEDとイットリウム・アルミニウム・ガーネット蛍光体(YAG蛍光体)とを組み合わせて白色光を生成するLED光源(B-YAG方式)を好ましく挙げることができる。
RG蛍光体としては、青色光を吸収して赤色蛍光と緑色蛍光を発光する蛍光体であればよい。例えば、特開2003-141905号公報に記載の従来公知のRG蛍光体を用いることができる。
YAG蛍光体としては、青色光を吸収して緑色蛍光を発光する蛍光体であればよく、例えば、特開2008-218486号公報に記載の従来公知のYAG蛍光体を用いることができる。
白色LED光源は、導光板の表側と裏側以外の面(端面)に配置(サイドライト型面光源)してもよいし、導光板の裏側に配置(直下型面光源)してもよい。サイドライト型面光源のなかでも、導光板の一側面だけに白色LED光源を配置したエッジライト型面光源は、小型化の可能な観点から好ましい。
(導光板)
導光板(側面から入れた光を拡散させ、表面に均一の光を出す薄く光るパネル)や、例えば図1で示されるプリズムシートや拡散シートなどは、従来公知の熱可塑性樹脂等を用いることができる。
当該熱可塑性樹脂としては、例えばアクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエステル樹脂等を挙げることができる。これらの樹脂は、一種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(偏光板)
バックライト側偏光板及び画像表示面側偏光板は、特定の振動方向(偏光軸)の直線偏光のみを通過させる機能を有する部材である。通常、バックライト側偏光板と画像表示面側偏光板は、その偏光軸が互いに直交するように配置される。バックライト部材から射出した非偏光のうち特定の振動方向の直線偏光だけがバックライト側偏光板を通過し、射出し、液晶セルに入射する。次いで、液晶セルに入射した偏光のうち一部は、液晶セルを通過中に偏光軸(振動方向)が90°又は-90°変えられた直線偏光になり、射出し、画像表示面側偏光板に入射する。そして、液晶セルを通過中に偏光軸(振動方向)が90°又は-90°変えられた直線偏光だけが画像表示面側偏光板を通過し、画像表示光となって射出される。
偏光板としては、従来公知の液晶表示装置に用いられている偏光板を用いることができる。偏光板は、上述したような偏光特性を有する偏光子のみから構成されている態様や当該偏光子の一面側にのみ保護フィルムが設けられている態様でもよい。ただし、通常、保護フィルム/偏光子/保護フィルムのように偏光子を保護フィルムで挟んだ構成を有する。
本発明においては、前述のように、前記偏光板の保護フィルムの一つを置き換えて、ハードコート層付きの本機能性フィルム(機能層が外側)に接着層を介して、偏光子の片側に貼り合わされ、もう一方に接着層を介して、保護フィルムが貼り合わされた偏光板としてもよい(図2)。このように、本機能性フィルムと、偏光子とを組み合わせて積層して偏光板を構成することができるように、本機能性フィルムと、偏光子とを備えた偏光板を構成することができる。
(液晶セル)
本発明に用いられる液晶セルは、従来の液晶表示装置の液晶セルと同様の構成であり、一般的には、駆動基盤、液晶層、カラーフィルターで構成される。
液晶セルは、例えば、カラーフィルターと、薄膜トランジスタ(TFT:Thin Film Transistor)基板等の駆動基板とを対向させて1~10μm程度の間隙部を設け、当該間隙部内に液晶化合物を充填して液晶層を形成し、その周囲をシール材で密封した構造を有する。カラーフィルターと対向する電極基板の内面側には液晶を配向させるための液晶配向膜が設けられる。
(カラーフィルター)
カラーフィルターは、例えば、赤(R)緑(G)青(B)の画素(着色層)を所定の二次元パターン状に配列し、各画素間をブラックマトリクス(BM)層で仕切った構成を有している。
液晶表示装置の駆動方式としては、特に限定されず、一般的な液晶表示装置に用いられている駆動方式を採用することができる。このような駆動方式としては、上記したTFT方式以外に、例えば、TN(Twisted Nematic)方式、IPS(In-Plane Switching)方式、OCB(Optically Compensated Bend)方式、及びMVA(Multi-domain Vertical Alignment)方式等を挙げることができる。本発明においてはこれらのいずれの方式であっても好適に用いることができる。
液晶層の液晶化合物としては、液晶表示装置の駆動方式等に応じて、誘電異方性の異なる各種液晶、及びこれらの混合物を用いることができる。
<<語句の説明>>
本発明において「X~Y」(X,Yは任意の数字)と表現する場合、特にことわらない限り「X以上Y以下」の意と共に、「好ましくはXより大きい」或いは「好ましくはYより小さい」の意も包含する。
また、「X以上」(Xは任意の数字)或いは「Y以下」(Yは任意の数字)と表現した場合、「Xより大きいことが好ましい」或いは「Y未満であることが好ましい」旨の意図も包含する。
また、本発明において「シート」とは、シート、フィルム、テープを概念的に包含するものである。
以下の実施例により、本発明をさらに具体的に説明する。但し、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
〔基材フィルムF1〕
三菱ケミカル製 二軸延伸PETフィルム(O300Eタイプ、 厚さ250μm)
〔(A)色素化合物〕
以下の実施例及び比較例で(A)色素化合物(A-1)~(A-3)は以下のようにして合成した。
[色素化合物(A-1)~(A-3)の合成:化合物-1]
特開2002-363434号公報の実施例3に記載の方法により、以下の化学構造の色素化合物(A-1)~(A-3)の混合物である化合物-1を合成した。
なお、色素化合物の混合物である化合物-1について、テトラヒドロフランを溶媒として、分光光度計を用いて、波長400~800nmの範囲の吸光度を測定したところ、波長592nmに吸収ピークの極大値を有し、該極大値の吸光係数が175,000L/(mоl・cm)であり、その半値全幅は34nmであった。また400~550nm、及び650nm~800nmのモル吸光係数は10,000L/(mоl・cm)未満であった。
Figure 2022085279000010
Figure 2022085279000011
Figure 2022085279000012
<実施例1>
基材フィルムF1上に下記の樹脂組成物1を塗布して、90℃で2分乾燥することで、厚み1.6μmの樹脂層(1)を設けた。次に、樹脂層(1)上に下記の樹脂組成物2を塗布し、80℃で2分間の乾燥した後、120℃で5分、続いて80℃で24時間の加熱処理を行うことで、厚み3.0μmの架橋樹脂層(2)を有する積層フィルムを得た。
(樹脂組成物1)
(A)色素化合物(化合物-1) 0.56質量部
(B)バインダー樹脂 アクリル樹脂(B-1):質量平均分子量100,000、ガラス転移温度104℃ 100質量部
(樹脂組成物2)
(C)アクリル樹脂(C-1):質量平均分子量25,000、 ガラス転移温度112℃) 100質量部
(D)オキサゾリン架橋剤(D-1):オキサゾリンWS-500(株式会社日本触媒製、 オキサゾリン基量4.5mmol/g) 20.2質量部
(E)溶媒 646質量部
上記配合により、溶媒以外の成分すなわち固型分の濃度は16質量%となった。
<実施例2>
実施例1において、樹脂組成物2を樹脂組成物2Aに変更した以外は、実施例1と同様の操作を行うことで、積層フィルムを得た。
(樹脂組成物2A)
(C)アクリル樹脂(C-1):質量平均分子量25,000、 ガラス転移温度112℃ 100質量部
(D)オキサゾリン架橋剤(D-2):オキサゾリンWS-300(株式会社日本触媒製、 オキサゾリン基量7.7mmol/g) 48.6質量部
(E)溶媒 618質量部
上記配合により、溶媒以外の成分すなわち固型分の濃度は19.4質量%となった。
<実施例3>
実施例1において、基材フィルムをポリイミドフィルムに変更した以外は、実施例1と同様の操作を行うことで積層フィルムを得た。
<比較例1>
実施例1において、樹脂組成物2を樹脂組成物2Bに変更した以外は、実施例1と同様の操作を行うことで、積層フィルムを得た。
(樹脂組成物2B)
(C)アクリル樹脂(C-2):質量平均分子量40,000、 ガラス転移温度58℃100質量部
(D)カルボジイミド架橋剤(D-3):カルボジライトV-05(日清紡ケミカル株式会社製) 53.2質量部
(E)溶媒 793質量部
上記配合により、溶媒以外の成分すなわち固型分の濃度は16質量%となった。
<比較例2>
実施例1において、樹脂組成物2を樹脂組成物2Cに変更した以外は、実施例1と同様の操作を行うことで積層フィルムを得た。
(樹脂組成物2C)
(C)アクリル樹脂(C-3):NeocrylA-1127(楠本化成株式会社製) 100質量部
上記配合により、溶媒以外の成分すなわち固型分の濃度は44質量%となった。
なお、(C-3)は、別途の架橋剤を利用しなくとも、アクリル樹脂同士を架橋反応することができる性質を有している。
<比較例3>
実施例1において、樹脂組成物2を樹脂組成物2Eに変更し、かつ80℃、120秒で菅そごう高圧水銀灯を用いて、積算光量が400mJ/cmになるように波長250~340nmの紫外線を照射した以外は、実施例1と同様の操作を行うことで、積層フィルムを得た。
(樹脂組成物2E)
(C)アクリル樹脂(C-4):KAYARAD DPCA-60(日本化薬株式会社製) 100質量部
(D)架橋剤 光開始剤(D-4):IRGACURE184(株式会社日本触媒製) 10質量部
(E)溶媒 233質量部
上記配合により、溶媒以外の成分すなわち固型分の濃度は32質量%となった。
<比較例4>
実施例1において、樹脂組成物2を樹脂組成物2Dに変更した以外は、実施例1と同様に製造し、積層フィルムを得た。
(樹脂組成物2D)
(C)アクリル樹脂(C-2):質量平均分子量40,000、ガラス転移温度58℃ 100質量部
(D)オキサゾリン架橋剤(D-1):オキサゾリンWS-500(株式会社日本触媒製、 オキサゾリン基量4.5mmol/g) 58.3質量部
(E)溶媒 1143質量部
上記配合により、溶媒以外の成分すなわち固型分の濃度は8.6質量%となった。
実施例・比較例で得た積層フィルムについて以下の評価を行い、結果を表1に示した。
(1)光透過性、色素活性
光透過率の測定は、分光光度計(株式会社島津製作所 紫外可視分光光度計 型式名:UV-2450)を用いて、架橋樹脂層面側を測定面として、測定波長400~800nmにおける積層フィルムの光透過率(「透過率」とも称する)を測定した。
樹脂組成物2を塗布する前の積層フィルム(基材フィルム/樹脂層(1))と、樹脂組成物2を塗布して架橋構造形成処理後の積層フィルム(基材フィルム/樹脂層(1)/架橋樹脂層(2))とについてそれぞれ光透過率を測定し、光透過性及び色素活性の評価を行った。
この際、光透過性の評価では、光透過率が90~100%の場合を「〇」、50%超で90%未満の場合を「△」、0~50%の場合を「×」と判定した。
また、色素活性の評価では、架橋樹脂層(2)の形成前後において光透過性の変化がない場合を、色素化合物の色素活性は失われていない(「〇」)と評価した。一方、光透過性の変化があり、特に550~650nmの光吸収特性が損なわれていた場合、色素活性は失われている(「×」)と評価した。
(2)耐溶剤性
積層フィルムの架橋樹脂層(2)の表面に評価用溶剤1gを滴下し、5秒経過後にラビングテスター(キムワイプ使用)で50往復ラビング処理を行った。評価用溶媒は、酢酸エチル、エタノール、アセトン、トルエンの4種類を使用した。
いずれの溶媒を滴下しても、塗膜の外観に変化がないものを「○(合格)」と評価し、いずれかの溶媒を滴下した場合に、塗膜の外観に変化が生じたものを「×(不合格)」と評価した。
(3)密着性
JIS D0202の4.15に記載の碁盤目付着性試験に準じて、密着性の評価を実施した。
すなわち、架橋樹脂層面に1mm幅で碁盤目100個(10×10)を作り、碁盤目の上にJIS Z 1522に記載のセロハン粘着テープ(幅18mm)を完全に付着させ、直ちにテープの一端を試験面に直角に保ち、瞬間的に引き離し、完全に剥がれないで残った碁盤目の数を調べた。積層フィルムは、塗布後と60℃90%RH環境下で48時間放置した2種類で評価した。
〇(合格)・・・高温・多湿条件下でも全く剥がれなかった。
△(不合格)・・・高温・多湿条件下で剥がれた。
×(不合格)・・・通常環境下において剥がれた。
Figure 2022085279000013
<考察>
上記実施例1~3の結果より、色素化合物を含む樹脂層(1)に対して、バインダーとしてガラス転移温度が90℃以上であるアクリル樹脂、架橋剤としてオキサゾリン架橋剤を用いて得られた架橋樹脂層(2)を積層したフィルムは、色素活性を失うことなく、耐溶剤性及び層間密着性に優れたフィルムであることが分かった。
オキサゾリン系架橋剤を用いて得られる本発明の積層フィルムは、架橋反応時に150℃以上に加熱しなくても、しっかり架橋させることができ、硬化層を形成できるため、大量生産時の生産性に優れると考えられる。
一方、オキサゾリン系架橋剤の代わりに、カルボジイミド系架橋剤を用いた比較例1では、色素活性が失活した。これは、カルボジイミドが色素化合物を不安定化させているものと考えられる。
架橋剤を用いていない比較例2においては、溶剤により色素を含む層が溶解した。
比較例3は、紫外線架橋反応により得られたフィルムであり、光吸収特性が失われた。紫外線により色素化合物の構造が変化したものと考えられる。
比較例4は、架橋樹脂層(2)に、ガラス転移温度が90℃より低いアクリル樹脂を用いた結果、積層フィルムの高温・多湿条件下における層間密着性に問題が生じた。
上記実施例及び比較例の結果、並びに、これまで本発明者が行ってきた試験結果より、アクリル系樹脂組成物を用いても上述の通り、反応過程が異なると、結果的に所望する性能、本発明では特定波長範囲における光吸収性能が発現しないことが分かった。
かかる観点より、アクリル樹脂の重合メカニズムを用いた場合でも、架橋剤および溶媒の選択により、従来は取り扱いが困難とされていた、色素化合物の色素を失活させることなく、特定波長範囲における光吸収性能を好ましく実現でき、色素化合物が備えている優れた色再現性をも実現できることが分かった。
これまで本発明者が行ってきた試験結果から、光架橋性樹脂と色素化合物とを混ぜ合せて光架橋させると、色素化合物の色素活性が失活してしまうことが分かった。具体的には、特定波長範囲における光吸収性能が発現しないことが分かった。
他方、色素安定化のため、架橋してないバインダー樹脂中に色素化合物を分散させて膜を形成すると、それ単独からなる樹脂層自体は、耐溶剤性に乏しく、後工程で機能層などを塗布するのが困難な状況であった。そこで、色素化合物を含有する樹脂層を、溶媒によるダメージを極力与えないように保護するため、別の架橋樹脂層を積層化するのが好ましいと考えられた。
以上の点から、色素化合物を含有する樹脂層に、別層としての架橋樹脂層を積層するのが好ましく、その架橋樹脂層の硬化反応は、色素に影響を及ぼすアミンを使用した硬化反応や、紫外線硬化反応を採用しない必要があると考えた。
かかる観点で本発明者が試験を行った結果、色素化合物を含有する樹脂層に積層する別層(上層)を形成する際の硬化方法は、カルボキシル基を含有するアクリル樹脂と、オキサゾリン系架橋剤とを組み合わせて用いた加熱架橋であれば、150℃以上に加熱しなくても、しっかり架橋させることができ、硬化層を形成できることが分かった。また、加熱処理した後、ラビング試験を行った結果、酢酸エチルやエタノールに対する耐溶剤性が良好であることが分かった。
さらに、これまで本発明者が行ってきた試験結果から、架橋樹脂層を形成する際に用いる溶媒によって、下層である樹脂層中の色素化合物の色素活性が失活してしまうことがあることが分かった。具体的には、架橋樹脂層を形成する際に用いる希釈溶媒は、スクアリリウム化合物(色素)を含有する樹脂層に影響のない溶媒を選択することが好ましいこと、特に該樹脂層のバインダー樹脂を溶解しないような極性溶媒を選択することが好ましいと考えられた。
かかる観点で本発明者が試験を行った結果、SP値が11~15の溶媒であれば、下層で用いるアクリル樹脂を溶解することがなく、樹脂層中のスクアリリウム化合物の色素活性を失活させることなく、特定波長範囲における光吸収性能を好ましく実現することができることが分かった。
以上の点から、基材フィルムの少なくとも片面側に、(A)波長550~650nmに吸収ピークの極大値を有し、該極大値の吸光係数10,000L/(mоl・cm)以上である化合物、及び、(B)バインダー樹脂を含む樹脂層(1)と、(C)アクリル樹脂、及び、(D)オキサゾリン系架橋剤に由来する架橋構造を含む架橋樹脂層(2)とを、この順に積層してなる構成を備え、前記(C)アクリル樹脂のガラス転移温度が90℃以上である積層フィルムであれば、色素化合物の色素活性を失活させないように硬化させることができ、熱安定性にも優れたものとなることが分かった。

Claims (17)

  1. (A)波長550~650nmに吸収ピークの極大値を有し、該極大値の吸光係数が10,000L/(mоl・cm)以上である化合物、及び、(B)バインダー樹脂を含む樹脂層(1)と、(C)アクリル樹脂、及び、(D)オキサゾリン系架橋剤に由来する架橋構造を含む架橋樹脂層(2)とを、この順に積層してなる構成を備え、前記(C)アクリル樹脂のガラス転移温度が90℃以上である積層フィルム。
  2. 400~500nmの波長域における光透過率が90%以上であり、600nmの波長域における光透過率が50%以下であり、700nm~800nmの波長域における光透過率が90%以上である、請求項1に記載の積層フィルム。
  3. 波長550~650nmに吸収ピークの極大値を有する、請求項1又は2に記載の積層フィルム。
  4. 前記樹脂層(1)は、(B)バインダー樹脂100質量部に対して、(A)波長550~650nmに吸収ピークの極大値を有し、該極大値の吸光係数が10,000L/(mоl・cm)以上である化合物を0.01質量部~10質量部含有する請求項1~3のいずれか1項に記載の積層フィルム。
  5. (A)波長550~650nmに吸収ピークの極大値を有し、該極大値の吸光係数が10,000L/(mоl・cm)以上である化合物が、スクアリリウム化合物である請求項1~4のいずれか1項に記載の積層フィルム。
  6. 基材フィルムの少なくとも片面側に、前記樹脂層(1)と、前記架橋樹脂層(2)とを、この順に積層してなる構成を備えた請求項1~5のいずれか1項に記載の積層フィルム。
  7. 前記基材フィルムが、ポリエステルフィルムである、請求項6に記載の積層フィルム。
  8. 前記基材フィルムが、ポリイミドフィルムである、請求項6に記載の積層フィルム。
  9. 前記(B)バインダー樹脂が、酸価が18以下であるアクリル樹脂である、請求項1~8のいずれか1項に記載の積層フィルム。
  10. 前記(C)アクリル樹脂が、酸価が20以上であるアクリル樹脂である、請求項1~9のいずれか1項に記載の積層フィルム。
  11. 請求項1~10のいずれか1項に記載の積層フィルムの架橋樹脂層(2)の上に、さらに機能層を備えた機能性フィルム。
  12. 前記機能層が、ハードコート層である、請求項11に記載の機能性フィルム。
  13. 前記機能層が、粘着層である、請求項11に記載の機能性フィルム。
  14. 請求項11~13のいずれか1項に記載の機能性フィルムと、偏光子を備えた偏光板。
  15. 光源と、請求項1~10のいずれか1項に記載の積層フィルム又は請求項11~13のいずれか1項に記載の機能性フィルムを備えた画像表示装置。
  16. 白色LEDをバックライト光源として用いた画像表示装置であり、該白色LEDから画像表示面に至る途中の何れかの位置に、請求項1~10のいずれか1項に記載の積層フィルム、又は、請求項11~13のいずれか1項に記載の機能性フィルムを備えた画像表示装置。
  17. 前記白色LEDが、青色発光LEDと、緑色及び赤色発光の蛍光体とで構成された請求項16に記載の画像表示装置。

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