JP2022084094A - 赤外線検出器、及び撮像システム - Google Patents

赤外線検出器、及び撮像システム Download PDF

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Yuichi Yamazaki
康夫 松宮
Yasuo Matsumiya
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Abstract

【課題】熱サイクル下で用いられる赤外線検出器においてアンダーフィルの影響を低減する。【解決手段】赤外線検出器は、読み出し回路基板と、接続電極によって前記読み出し回路基板にフリップチップ接合されている受光素子基板と、前記接続電極の周囲に設けられるアンダーフィルと、を有し、前記受光素子基板は、光入射面を有する第1基板と、赤外光に感度を有する光吸収層を含み前記第1基板の前記光入射面と反対側の面に設けられるメサと、前記メサを間に挟んで前記第1基板と対向する第2基板と、を有し、前記第1基板と前記第2基板の間に前記メサを取り囲む空気または真空の空間が設けられており、前記アンダーフィルは、前記第2基板と前記読み出し回路基板の間に充填されている。【選択図】図1

Description

本開示は、赤外線検出器、及び撮像システムに関する。
赤外線検出器のうち、入射光の強度に対応した量の電流を生成する量子型の赤外線検出器は、熱雑音を抑制して検出効率を上げるために、60K~100K(-213℃~-173℃)の低温で使用される。このため、量子型の赤外線検出器は、冷却型赤外線検出器とも呼ばれる。低温で冷却することで素子の暗電流を抑制して、信号対雑音(S/N)比が改善される。赤外線検出器の動作終了後は、室温(約300K)に戻され、極低温と室温との熱サイクルが繰り返される。
一般的に、赤外線検出器の受光素子基板には、GaAs、GaSbなどの化合物半導体が用いられ、読み出し回路基板にはSiが用いられる。熱膨張係数の違いによる接合部の位置ずれを防止するために、受光素子基板と読み出し回路基板をフリップチップ接合した後に、受光素子基板と読み出し回路基板の間にアンダーフィル剤が注入される。
受光素子アレイと読み出し回路アレイとの間の熱膨張係数の相違に起因する電気的接続不良を抑制するために、読み出し回路アレイと受光素子アレイの間に固体電解質を配置する構成が知られている(たとえば、特許文献1参照)。半導体受光素子に発生する応力を低減するために、各画素を形成するメサとメサの間を、酸化アルミニウムとエポキシ樹脂体の少なくとも一方で埋め込む構成が提案されている(たとえば、特許文献2参照)。
特開2018-110194号公報 特開2017-195327号公報
受光素子基板は、アンダーフィルによって読み出し回路基板との接合部の機械的強度が補強された状態で、赤外線検出器に求められる特性を満たすように数ミクロンにまで薄層化される。受光素子基板よりも熱膨張係数の大きいアンダーフィルの体積が大きいと、冷却時の収縮の影響が顕著になる。熱サイクルの繰り返しによるストレスによって、受光素子基板が破損する場合がある。また、受光素子の光吸収層の側壁にアンダーフィルが存在すると、光吸収層に横方向からストレスが加わり、暗電流が増加する。
本開示は、熱サイクル下で用いられる赤外線検出器において、アンダーフィルの影響を低減することを目的とする。
本開示の一形態では、赤外線検出器は、
読み出し回路基板と、接続電極によって前記読み出し回路基板にフリップチップ接合されている受光素子基板と、前記接続電極の周囲に設けられるアンダーフィルと、を有し、
前記受光素子基板は、光入射面を有する第1基板と、赤外光に感度を有する光吸収層を含み前記第1基板の前記光入射面と反対側の面に設けられるメサと、前記メサを間に挟んで前記第1基板と対向する第2基板と、を有し、
前記第1基板と前記第2基板の間に前記メサを取り囲む空気または真空の空間が設けられており、
前記アンダーフィルは、前記第2基板と前記読み出し回路基板の間に充填されている。
熱サイクル下で用いられる赤外線検出器においてアンダーフィルの影響が低減される。
実施形態の赤外線検出器の構成を示す模式図である。 実施形態の受光素子基板の製造工程図である。 実施形態の受光素子基板の製造工程図である。 実施形態の受光素子基板の製造工程図である。 実施形態の受光素子基板の製造工程図である。 実施形態の受光素子基板の製造工程図である。 実施形態の受光素子基板の製造工程図である。 実施形態の受光素子基板の製造工程図である。 実施形態の受光素子基板の製造工程図である。 実施形態の受光素子基板の製造工程図である。 実施形態の受光素子基板の製造工程図である。 実施形態の受光素子基板の製造工程図である。 受光素子基板と読み出し回路基板の接合工程を示す図である。 受光素子基板と読み出し回路基板の接合工程を示す図である。 受光素子基板と読み出し回路基板の接合工程を示す図である。 受光素子基板と読み出し回路基板の接合工程を示す図である。 赤外線検出器を用いた撮像システムの模式図である。
実施形態では、冷却型の赤外線検出器で、アンダーフィルが充填される空間を制限することで、赤外線検出器におけるアンダーフィルの影響を軽減する。より具体的には、受光素子基板の各画素を区画する画素分離溝にアンダーフィルを充填せずに、受光素子基板と読み出し回路基板とのバンプ接合部の周囲をアンダーフィルによって補強する。これにより、受光素子基板の破損や暗電流を抑制し、製造歩留まりと動作の信頼性を確保する。
以下で、図面を参照して、実施形態の赤外線検出器の具体的な構成を説明する。図中で同じ構成要素には同じ符号を付けて、重複する説明を省略する場合がある。
図1は、一実施形態の赤外線検出器10の模式図である。赤外線検出器10は、受光素子基板30を読み出し回路基板20にフリップチップ接合することで形成される。接合前の状態で、受光素子基板30は、基板31の上に、共通電極32と、共通電極32に接続される複数のメサ35と、メサ35を間に挟んで基板31と対向する第2基板38と、第2基板38から突出するバンプ44を有する。複数のメサ35は互いに分離されており、各メサ35が受光素子または画素を構成する。
メサ35を挟んで基板31と対向する第2基板38は、基板31と同じ材料で形成されていてもよいし、異なる材料の基板であってもよい。第2基板38は、バンプ44を突出させた状態で各メサ35の積層方向の上部を覆い、基板31と第2基板38の間に、メサ35を取り囲む空間39が設けられている。
メサ35は、共通電極32の側から順に、第1コンタクト層351、光吸収層352、及び第2コンタクト層353を有する。メサ35の側壁と積層方向の上面の一部は、絶縁性の保護膜36で覆われている。光吸収層352は所望の波長の赤外光に感度を有し、第1コンタクト層351を介して共通電極32に接続されている。メサ35の積層方向の上部に第2基板38を貫通する貫通電極37が設けられている。光吸収層312は第2コンタクト層353を介して貫通電極37に接続されている。貫通電極37は、第2基板38から突出する接合用のバンプ44に接続されている。
図1の例では、第2基板38は、メサ35の上面の一部を覆う保護膜36に接して配置されている。貫通電極37は、保護膜36と第2基板38を貫通してバンプ44に接続されている。バンプ44は、第2基板38から空間39と反対側に突出している。
第2基板38が存在しない場合、隣接するメサ35の間は画素分離溝となり、読み出し回路基板20への接合時にアンダーフィルが充填される。実施形態の赤外線検出器10では、メサ35の積層方向の上部を第2基板38で覆うことで、隣接するメサ35とメサ35の間にアンダーフィル注入用の空間とは独立した空間39が設けられている。
読み出し回路基板20は、受光素子基板30の各メサ35に対応する位置に、電極23を有する。電極23に、接合用の金属パッド24が設けられている。電極23は、基板21に形成された対応する駆動回路セルと電気的に接続されている。読み出し回路基板20の駆動回路セルには、リセットトランジスタ、チャッタトランジスタ、蓄積容量、バイアス用のトランジスタ等が形成されている。
受光素子基板30を読み出し回路基板20にフリップチップ接合するときは、受光素子基板30の第2基板38から突出しているバンプ44と、読み出し回路基板20の金属パッド24を、熱圧着により接合する。この熱圧着により、受光素子基板30と読み出し回路基板20を機械的かつ電気的に接続する接続電極45が形成される。
フリップチップ接合後に、読み出し回路基板20と、受光素子基板30の第2基板38の間にアンダーフィル15が注入される。アンダーフィル15によって、接続電極45の機械的な強度が補強される。受光素子基板30の第2基板38の存在により、アンダーフィル15は、読み出し回路基板20の電極23と接続電極45の周囲にだけ充填され、メサ35の周りには充填されない。アンダーフィル15によって受光素子基板30と読み出し回路基板20の接合強度が担保される一方で、動作時のアンダーフィル15の影響は抑制される。
アンダーフィル15の充填後に、受光素子基板30の基板31は所定の厚さに薄層化されて、赤外線検出器10が得られる。受光素子基板30の薄層化された基板を、第1基板301とする。第1基板301のメサ35と反対側の面が光入射面303となる。第1基板301には、基板31の薄層化された残部と共通電極32とが含まれていてもよいし、基板31のすべてが除去されていてもよい。基板31の全体を除去する場合は、共通電極32の露出面に反射防止膜が形成されていてもよい。
上述のとおり、受光素子基板30と読み出し回路基板20では材料が異なり、熱膨張係数も異なる。読み出し回路基板20の基板21がSi基板の場合、その熱膨張係数は約3.34×10-6[K-1]である。一方、受光素子基板30に化合物半導体としてGaSb系の材料を用いる場合の熱膨張係数は7.74×10-6[K-1]であり、Siの熱膨張係数の約2倍である。
接続電極45の周囲はアンダーフィル15によって固定されているので、赤外線検出器10が熱サイクル下で使用されても、受光素子基板30と読み出し回路基板20の熱膨張係数の差による接続劣化を防止できる。
典型的なアンダーフィル15の熱膨張係数は、約50×10-6[K-1]であり、受光素子基板30で用いられる化合物半導体の熱膨張係数よりも1ケタ大きい。赤外線検出器10の低温での動作時にアンダーフィル15が収縮しても、接続電極45にかかる応力は等方的であり、受光素子基板30と読み出し回路基板20の間の位置ずれや物理的ストレスによる接続劣化は生じにくい。また、各メサ35の周囲に、空気または真空の空間39が設けられており、アンダーフィル15の収縮による応力が薄い第1基板301や光吸収層352に加わることが抑制される。
赤外線検出器10では、アンダーフィル15が注入される空間が接続電極45の周囲に制限され、熱サイクル下でメサ35や第1基板301に対するアンダーフィル15の影響が軽減される。薄い第1基板301の破損や暗電流の増大が抑制され、歩留まりと動作の信頼性が向上する。
図2Aから図2Kは、受光素子基板30の製造工程の一例を示す。図2Aで、基板31の上に、共通電極32と、共通電極32に接続される複数のメサ35を形成する。具体的には、基板31の上に、共通電極32、第1コンタクト層351、光吸収層352、及び第2コンタクト層353をこの順でエピタキシャル成長する。この積層体に、共通電極32に到達する画素分離溝41を形成して、所定の形状のメサ35を、所定の配列で形成する。メサ35は、共通電極32の側から順に、第1コンタクト層351、光吸収層352、及び第2コンタクト層353を有する。
基板31は、GaAs、InP、GaSb等の化合物半導体の基板である。メサ35として形成される各受光素子が目的波長の光を検知できるかぎり、エピタキシャル成長される各層の材料、光検出のための層構造などに特に制限はない。以下では、n型のGaSb基板を用いて、1波長の赤外線(波長8~12μm)を検知する構成を例にとって説明する。
共通電極32として、GaSbと格子整合したInAsSbの層を厚さ1μmに成長する。共通電極32には、Be等のp型の不純物が添加されている。第1コンタクト層351として、p型の不純物を添加したInAs/GaSb超格子を成長する。一例として、厚さ4.2nmのInAsと、厚さ2.1nmのGaSbを100周期繰り返す。
光吸収層352として、ノンドープ、すなわち意図的な不純物添加がなされていないInAs/GaSb超格子を成長する。一例として、厚さ4.2nmのInAsと、厚さ2.1nmのGaSbを500周期繰り返す。第2コンタクト層353として、たとえば、Si等のn型の不純物が添加されたInAs/GaSb超格子を成長する。n型のInAs/GaSb超格子は、厚さ4.2nmのInAsと、厚さ2.1nmのGaSbを100周期繰り返して形成される。第2コンタクト層353から共通電極32に到達する画素分離溝41は、反応性エッチングで形成される。
図2Bで、各メサ35の積層方向の上部に、金属層371を形成する。金属層371はリフトオフ法などで形成することができる。すなわち、フォトレジストの塗布、及び露光により、メサ35の上部に開口を有するリフトオフ用のマスクを形成し、蒸着またはスパッタ法で全面に金属膜を堆積する。フォトレジストのマスクをリフトオフで除去することで、メサ35の上面に金属層371が形成される。金属層371は、Ti/Au、Ti/Al、Ti/Cuなどの二層構造であってもよい。リフトオフ後に全体をアニール処理してもよい。
図2Cで、全面に保護膜36を形成する。保護膜36として、シリコン酸化膜、シリコン窒化膜などを化学気相成長(CVD:Chemical Vapor Deposition)法により形成してもよい。
図2Dで、メサ35が形成された基板31に、第2基板作製のための基板を張り合わせる。一例として、基板31と同じ径のGaSb基板383を用意し、フリップチップボンディングにより、GaSb基板383を保護膜36で覆われたメサ35の上面に張り付ける。
図2Eで、貼り合わせたGaSb基板383をグラインダ等により薄層化して、所定の厚さの第2基板38とする。第2基板28と基板31の間に、メサ35を取り囲む空間39が形成される。第2基板38の薄層化された面381が、読み出し回路基板20との対向面になる。
図2Fで、貼り合わせた第2基板38の表面381に、絶縁膜49を介して、貫通ビア形成用のレジストマスク42を形成する。第2基板38の表面381に、CVD法等により、シリコン酸化膜、シリコン窒化膜等の絶縁膜49を形成する。絶縁膜49上にフォトレジストを塗布し、露光により、所定の開口パターンを有するレジストマスク42を形成する。
図2Gで、レジストマスク42を用い、反応性イオンエッチングにより、絶縁膜49、第2基板38、及び保護膜36を順にエッチング除去して、メサ35の上面に到達するビアホール43を形成する。ビアホール43の内部に、金属層371が露出する。その後、レジストマスク42を薬液またはアッシングにより除去する。
図2Hで、全面にめっき用のシード層46をスパッタ法で形成し、シード層46の上に所定の開口パターンを有するめっき用のマスク48を形成する。
図2Iで、めっき処理により、ビアホール43内に金属層47を成長する。金属層47はCu、Ni、Ag等の良導体である。
図2Jで、めっき用のマスク48を薬液またはアッシングで除去し、不要なシード層46を反応性イオンエッチングまたはイオンミリングで除去する。その後、化学機械研磨(CMP:Chemical Mechanical Polishing)法でめっき表面を平坦化する。CMPは、第2基板38上の絶縁膜49で止めてもよい。これにより、第2基板38を貫通して金属層371に接続する貫通電極37が得られる。
図2Kで、レジストプロセスと金属膜の蒸着を用いたリフトオフ法により、貫通電極37上にバンプ44を形成する。バンプ44はInなどの比較的柔らかな金属で形成されていてもよい。バンプ44は、第2基板38から突出して、読み出し回路基板20との接合に用いられる。これにより、受光素子基板30が得られる。
図3Aから図3Dは、受光素子基板30と読み出し回路基板20の接合工程を示す。図3Aで、読み出し回路基板20のバンプ44を、読み出し回路基板20の金属パッド24に位置合わせする。位置合わせは、一般的なフリップチップボンダにより行われる。
図3Bで、フリップチップボンディングにより、バンプ44を金属パッド24に接合する。フリップチップボンディングは、超音波を利用して熱圧着するフリップチップボンディングであってもよい。この接合プロセスは、ウエハレベルでもチップレベルでも実施可能である。実施形態では、ダイシングによりシリコンウエハを個々の読み出し回路基板20に切断し、第2基板38が貼り付けられた化合物半導体ウエハを個々の受光素子基板30のチップに切断したあとに、フリップチップボンディングによりバンプ44と金属パッド24を接合する。このバンプ接合により、受光素子基板30と読み出し回路基板20を機械的、かつ電気的に接続する接続電極45が形成される。
図3Cで、読み出し回路基板20と、受光素子基板30の第2基板38の間に、アンダーフィル15を充填する。アンダーフィル15により、接続電極45の接続強度が向上する。アンダーフィル15は、受光素子基板30のメサ35の周囲には注入されず、メサ35の周囲に空間39が維持される。
アンダーフィル15で接続電極45を固定した状態で、受光素子基板30の基板31を薄層化して所望の厚さの第1基板301とすることで、赤外線検出器10が得られる。基板31は、たとえば、背面研削と化学的なエッチングを組み合わせることで、薄層化できる。共通電極32を含む薄い第1基板301が、赤外線検出器10の光入射側になる。
十分な量の入射光を光吸収層352に透過させるために、第1基板301の厚さを10μm以下、より好ましくは、数μm~5μmとする。第1基板301の厚さが10μmを超えると、散乱等の影響により光吸収層352への光の入射量が減少する可能性がある。基板31の全体を除去する場合は、共通電極32の光入射側に反射防止膜を形成して第1基板301としてもよい。これにより、入射赤外光を各メサ35の光吸収層352へと効率的に透過させる。
実施形態の赤外線検出器10では、光吸収層352を有するメサ35の周囲にアンダーフィル15は充填されない。実際の動作では、赤外線検出器10の全体が真空冷却チャンバー内に配置され、極低温下で使用される。低温下でアンダーフィル15が収縮しても、薄い第1基板301や、メサ35への影響は少ない。第1基板301の破損や暗電流の増大が抑制され、赤外線検出器10の信頼性、歩留まり等が向上する。
図4は、赤外線検出器10を用いた撮像システム1の模式図である。撮像システム1は、赤外線検出器10と、赤外線検出器10の出力に接続される演算処理回路2と、演算処理回路2の出力に接続される表示装置3とを含む。赤外線検出器10は、光入射用の窓が設けられた真空冷却チャンバー5内に配置されている。赤外線検出器10の光入射側に、入射光を受光素子基板30の第1基板301に集光する光学系が配置されていてもよい。
受光素子基板30の各メサ35、すなわち画素ごとに検出された赤外光の情報は、観測対象の温度分布、ガス濃度分布等を表す。受光素子基板30の各画素への赤外光の入射量は、光電流または電荷として読み出し回路基板20に読み出され、電圧信号として出力される。赤外線検出器10から出力される電圧信号は、演算処理回路2に入力される。電圧信号が演算処理回路2に入力される前に、デジタル信号に変換されてもよい。演算処理回路2は、赤外線検出器10からの出力信号に、感度ばらつき等の補正処理や、画像処理を施して、観測対象の温度分布やガス分布に応じた画像信号を生成する。表示装置3は、画像信号で形成される画像を表示する。
赤外線検出器10は、観察対象から発せられる赤外線を検出し、夜間の監視、火災等の発熱監視など、セキュリティ、インフラ点検の分野で広く用いられる。赤外線検出器10は受光素子の光電効果を用いた高感度の赤外線センサである。メサ35の上面を覆う第2基板38を設けることで、冷却化で用いられても、アンダーフィルの収縮による薄い第1基板301の破壊やメサ35に流れる暗電流が防止され、動作の信頼性が維持される。
以上、特定の例に基づいて本開示を説明してきたが、本開示は、上述した例に限定されない。目的波長の光を検出できるのであれば、受光素子基板30の材料、メサ構造等は特に限定されない。GaSb基板をベースにしたInAs/GaSbタイプII超格子(T2SL:Type-II Superlattice)の他に、GaAs基板をベースにしたQWIPやQDIPのような受光素子であってもよい。光検知の構成として、pin接続のようなダイオード構造を用いてもよいし、nBn、pBp、CBIRD(Complementary Barrier Infrared Detector)ダブルヘテロ構造のように、暗電流を低減する1以上のバリア層を光吸収層と組み合わせてもよい。メサ35で形成される各受光素子は、1波長の光を検出する検知素子であってもよいし、2波長以上を検出するマルチバンド検知素子であってもよい。
1 撮像システム
2 演算処理回路
3 表示装置
10 赤外線検出器
15 アンダーフィル
20 読み出し回路基板
21 基板
23 電極
24 金属パッド
30 受光素子基板
301 第1基板
303 光入射面
32 共通電極
35 メサ
351 第1コンタクト層
352 光吸収層
353 第2コンタクト層
37 貫通電極
38 第2基板
39 空間
44 バンプ
45 接続電極

Claims (6)

  1. 読み出し回路基板と、
    接続電極によって前記読み出し回路基板にフリップチップ接合されている受光素子基板と、
    前記接続電極の周囲に設けられるアンダーフィルと、
    を有し、
    前記受光素子基板は、光入射面を有する第1基板と、赤外光に感度を有する光吸収層を含み前記第1基板の前記光入射面と反対側の面に設けられるメサと、前記メサを間に挟んで前記第1基板と対向する第2基板と、を有し、
    前記第1基板と前記第2基板の間に前記メサを取り囲む空気または真空の空間が設けられており、
    前記アンダーフィルは、前記第2基板と前記読み出し回路基板の間に充填されている、
    赤外線検出器。
  2. 前記第2基板を貫通して前記メサに接続される貫通電極、
    を有し、前記接続電極は前記貫通電極に接続されている、
    請求項1に記載の赤外線検出器。
  3. 前記メサを覆う保護膜、
    を有し、
    前記保護膜と前記第2基板は、前記メサの前記第1基板と反対側の面で積層になっており、前記貫通電極は、前記第2基板と前記保護膜を貫通して前記メサに接続されている、
    請求項2に記載の赤外線検出器。
  4. 前記接続電極は、前記第2基板から突出して前記読み出し回路基板の上の電極に接続されている、
    請求項1から3のいずれか1項に記載の赤外線検出器。
  5. 前記第1基板は共通電極を含み、
    前記メサは前記共通電極に接続されている、
    請求項1から4のいずれか1項に記載の赤外線検出器。
  6. 請求項1~5のいずれか1項に記載の赤外線検出器と、
    前記赤外線検出器の出力に接続される演算処理回路と、
    前記演算処理回路に接続される表示装置と、
    を有する撮像システム。
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