JP2022083788A - 表示モジュール、虚像表示装置、および導光光学装置の製造方法 - Google Patents

表示モジュール、虚像表示装置、および導光光学装置の製造方法 Download PDF

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Abstract

Figure 2022083788000001
【課題】不要光を良好に除去できる、表示モジュール、虚像表示装置、および導光光学装置の製造方法を提供する。
【解決手段】本発明の表示モジュールは、表示素子と、表示素子から射出された画像光を導光させ、射出瞳を形成する導光光学装置と、を備え、導光光学装置は、第1光学面と、第2光学面と、第1光学面に形成される第1遮光部と、第2光学面に形成される第2遮光部と、を含む軸外し光学系であり、第1遮光部は、第1開口を介して第1光学面の一部を露出させ、第2遮光部は、第2開口を介して第2光学面の一部を露出させており、第1開口および第2開口は互いに異なる形状を有している。
【選択図】図3

Description

本発明は、表示モジュール、虚像表示装置、および導光光学装置の製造方法に関する。
下記特許文献1には、光学系を構成するプリズム部材の入射面に開口制限手段を設けることで不要光を除去するようにしたヘッドマウントディスプレイが開示されている。
特開2016-90910号公報
上記文献では、軸対称性を有する光学系において開口制限手段を用いるため、開口制限手段の開口形状は軸対称性を有している。
軸対称性を有しない光学系では、各画像光の主光線が重なる場所において各画像光の光束幅に差が生じる。そのため、例えば、軸対称性を有しない光学系に上記文献の開口制限手段を用いた場合、不要光として遮光すべき光の一部が軸対称性を有する開口部を通過してしまい、不要光を十分に除去することが難しい。
本発明の1つの態様によれば、表示素子と、前記表示素子から射出された画像光を導光させ、射出瞳を形成する導光光学装置と、を備え、前記導光光学装置は、第1光学面と、第2光学面と、前記第1光学面に形成される第1遮光部と、前記第2光学面に形成される第2遮光部と、を含む軸外し光学系であり、前記第1遮光部は、第1開口を介して前記第1光学面の一部を露出させ、前記第2遮光部は、第2開口を介して前記第2光学面の一部を露出させており、前記第1開口および前記第2開口は互いに異なる形状を有していることを特徴とする表示モジュールが提供される。
本発明の1つの態様によれば、上記態様の表示モジュールを備える虚像表示装置が提供される。
本発明の1つの態様によれば、表示素子から射出された画像光を導光させ、射出瞳を形成する導光光学装置の製造方法であって、光学部材の光学面上の一部にマスクを形成する工程と、前記光学部材の前記光学面のうち前記マスクを形成しない領域に遮光部を形成する工程と、前記遮光部を形成した前記光学部材から前記マスクを剥離する工程と、備え、前記マスクの形成工程では、前記光学部材を支持する支持部材を用いて、マスク形成用部材を前記光学面上に位置決めした後、前記マスク形成用部材上にマスク形成材料を塗布する塗布工程と、前記光学面上から前記マスク形成部材を除去することで、前記マスク形成部材の開口部に対応した位置に前記マスクを形成する除去工程と、を含むことを特徴とする導光光学装置の製造方法が提供される。
本発明の1つの態様によれば、表示素子から射出された画像光を導光させ、射出瞳を形成する導光光学装置の製造方法であって、光学部材の光学面上にカバー部材を配置し、前記光学面の一部を覆うカバー工程と、前記光学部材の前記光学面の所定領域に遮光部を形成する遮光工程と、前記遮光部を形成した前記光学部材から前記カバー部材を取り外す取り外し工程と、備え、前記カバー工程では、前記カバー部材として、枠状のベース部と、前記光学面を覆い、前記ベース部の内側に位置するカバー部と、前記光学面に対して隙間を生じさせた状態で前記ベース部および前記カバー部材を連結する連結部と、を有する部材を用い、前記遮光工程では、前記光学部材を支持する支持部材を用いて、前記カバー部材を前記光学面上に位置決めした後、前記光学面のうち前記カバー部材で覆われない前記所定領域に遮光性塗膜を形成することを特徴とする導光光学装置の製造方法が提供される。
第1実施形態の虚像表示装置の装着状態を示す外観斜視図である。 虚像表示装置の縦断面図である。 虚像表示装置の内部構造を示す縦断面図である。 投射レンズの入射面の平面図である。 投射レンズの射出面の平面図である。 導光光学系の製造方法の一例を示す工程図である。 第2実施形態の表示モジュールの内部構造を示す断面図である。 第2実施形態におけるプリズムの入射面の平面図である。 第2実施形態におけるプリズムの射出面の平面図である。 第2実施形態におけるプリズムの内反射面の平面図である。 第2実施形態における導光光学系の製造方法の一例を示す工程図である。 第1変形例に係る導光光学系の構成を示す図である。 第2変形例に係る導光光学系の構成を示す図である。
(第1実施形態)
以下、本発明の一実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、以下の各図においては、各部材を認識可能な程度の大きさにするため、各部材の尺度や角度を実際とは異ならせている。
図1は、本実施形態の虚像表示装置の装着状態を示す外観斜視図である。図2は、虚像表示装置の縦断面図である。図3は、虚像表示装置の内部構造を示す縦断面図である。
図1および図2に示すように、本実施形態の虚像表示装置100は、眼鏡のような外観を有するヘッドマウントディスプレイ(HMD)であり、これを装着する使用者または使用者USに虚像としての映像を認識させる。図1および図2において、X、Y、およびZは、直交座標系である。+X方向は、虚像表示装置100を装着した使用者USの両眼の並ぶ方向に対応し、本明細書では横方向と定義する。+Y方向は、使用者USにとっての両眼の並ぶ横方向に直交する上方向に対応し、+Z方向は、使用者USにとっての前方向または正面方向に対応する。
虚像表示装置100は、右眼に対して虚像を形成する第1表示モジュール101Aと、左眼に対して虚像を形成する第2表示モジュール101Bと、第1表示モジュール101Aと第2表示モジュール101Bとを支持するテンプル状のテンプル部材101Cと、を備える。すなわち、虚像表示装置100において、第1表示モジュール101Aおよび第2表示モジュール101Bは横方向に並んで配置されている。
第1表示モジュール101Aは、上部に配置される光学ユニット102と、メガネレンズ状で全体を覆う外観部材103と、を含む。第2表示モジュール101Bは、第1表示モジュール101Aと同様、上部に配置される光学ユニット102と、メガネレンズ状で全体を覆う外観部材103と、を含む。テンプル部材101Cは、外観部材103の背後に配置された不図示の部材によって、第1表示モジュール101Aと第2表示モジュール101Bとを外観部材103の上端側において支持している。第2表示モジュール101Bは、第1表示モジュール101Aと同様の構造を有するため、以下では、第1表示モジュール101Aを例に挙げて説明し、第2表示モジュール101Bについては説明を省略する。以下の説明では、第1表示モジュール101Aを単に表示モジュール101と称する。
図2および図3に示すように、表示モジュール101は、表示素子10と、導光光学系(導光光学装置)12と、を備える。
表示素子10は、例えば有機エレクトロルミネッセンス(EL)素子、無機EL素子、発光ダイオード(LED)アレイ、有機LED、レーザーアレイ、量子ドット発光型素子等に代表される自発光型の表示デバイスで構成される。表示素子10は、2次元の画像射出面10aにカラーの静止画または動画を形成する。表示素子10は、不図示の駆動制御回路に駆動されて表示動作を行う。
表示素子10として有機ELディスプレイまたは表示器を用いる場合、有機EL制御部を備える構成とする。表示素子10として量子ドット発光型ディスプレイを用いる場合、青色発光ダイオード(LED)の光を量子ドットフィルムに照射することにより、緑や赤の色光を射出する構成とする。表示素子10は、自発光型の表示素子に限らず、液晶ディスプレイ(LCD)、またはその他の光変調素子で構成され、当該光変調素子をバックライト等の光源によって照明することにより画像を形成するものであってもよい。表示素子10には、LCDに代えて、LCOS(Liquid crystal on silicon, LCOSは登録商標)、デジタルマイクロミラーデバイス等を用いることもできる。
導光光学系12は、表示素子10から射出される画像光MLを瞳位置PPに導く観点で導光光学装置と称することもある。導光光学系12は、投射レンズ(第1光学部材)21と、プリズム22と、シースルーミラー23と、第1遮光部24と、第2遮光部25と、を備える。第1遮光部24および第2遮光部25の詳細については後述する。
図3に示すように、投射レンズ21は、表示素子10から射出された画像光MLを平行光束に近い状態に集光する。投射レンズ21は、図示の例では単レンズであり、入射面(第1光学面)21aと、射出面(第2光学面)21bと、を有する。なお、投射レンズ21は、複数枚のレンズで構成されていてもよい。本実施形態において、表示素子10は投射レンズ21の前方向(+Z方向)に配置されている。
プリズム22は、入射面22aと、内反射面22bと、射出面22cと、を有する。プリズム22は、投射レンズ21から射出された画像光MLを入射面22aにおいて屈折させつつ入射させ、内反射面22bで全反射させ、射出面22cから屈折させつつ射出させる。プリズム22は、シースルーミラー23の上方向(+Y方向)に位置する。シースルーミラー23は、プリズム22から射出された画像光MLを瞳位置PPに向けて反射させて射出瞳SPを形成する。射出瞳SPが形成される位置を瞳位置PPと称する。瞳位置PPには、画像射出面10a上の各点からの画像光が所定の発散状態または平行状態で画像射出面10a上の各点の位置に対応する角度方向から重畳するように入射する。画像光は眼EYの網膜EM上で結像する。本実施形態の導光光学系12においては、例えば、FOV(field of view)が44°となっている。導光光学系12による虚像の表示領域は矩形であり、上記44°は対角方向における角度である。
投射レンズ21とプリズム22とは、表示素子10とともにケース51に収納されている。ケース51は、遮光性の材料で形成され、表示素子10を動作させる不図示の駆動回路を内蔵している。ケース51は開口51aを有しており、開口51aはプリズム22からシースルーミラー23に向かう画像光MLがケース51に干渉しないサイズを有する。ケース51の開口51aは、光透過性を有する保護カバー52で覆われている。保護カバー52は、光学的なパワーを有しておらず、画像光MLを減衰させることなく通過させる樹脂等の材料で形成される。保護カバー52により、ケース51内の収納空間を密閉状態とすることができ、防塵、防露、光学面への接触防止等の機能を高めることができる。すなわち、保護カバー52はケース51における防塵部材としての機能を有する。
ケース51に対しては、支持板54を介してシースルーミラー23が支持されている。ケース51または支持板54は、図1に示すテンプル部材101Cに支持されており、支持板54とシースルーミラー23とによって外観部材103が構成されている。
本実施形態の導光光学系12は、軸外し光学系で構成され、投射レンズ21、プリズム22、およびシースルーミラー23は、軸外し系を形成するように配置されている。ここで、軸外し光学系とは、導光光学系12を構成する投射レンズ21、プリズム22、およびシースルーミラー23において、少なくとも1つの反射面または屈折面への光線の入射の前後で光路が全体として折れ曲がることを意味する。すなわち軸外し系である導光光学系12においては、紙面に対応する軸外し面SOに沿って光軸AXが延びるように光軸AXの折り曲げが行われている。
すなわち、本実施形態の導光光学系12では、軸外し面SO内で光軸AXの折り曲げを行うことにより、軸外し面SOに沿って投射レンズ21、プリズム22、およびシースルーミラー23が配列されている。軸外し面SOは、軸外し系に多段階で非対称性を生じさせている面となっている。本明細書において、光軸AXは、表示素子10の画像射出面10aの中心から射出される画像光の主光線の光路に沿って延び、アイポイントに相当するアイリングERまたは瞳の中心を通る軸と定義する。すなわち、光軸AXが配置される軸外し面SOは、YZ面に平行であり、表示素子10の中心と、アイポイントに相当するアイリングERの中心とを通る。光軸AXは、横断面で見た場合、Z字状の配置となっている。すなわち、軸外し面SOにおいて、投射レンズ21から内反射面22bまでの光路P1と、内反射面22bからシースルーミラー23までの光路P2と、シースルーミラー23から瞳位置PPまでの光路P3とが、Z字状に2回折り返される配置となっている。
導光光学系12のうち、投射レンズ21から内反射面22bまでの光路P1は、正面方向(Z方向)において表示素子10側からプリズム22側に向かうにつれて上に向かうように傾いた配置となっている。ここで、正面方向とは、使用者の眼が真正面を向いた際の視線方向を意味する。すなわち、光路P1において、光軸AXは、Z方向または正面方向に対して略平行に延びている。投射レンズ21は、Z方向または正面方向に関して、プリズム22と表示素子10とに挟まれる位置に配置されている。この場合、上述のようにプリズム22から表示素子10にかけての光路P1はプリズム22側が上になるように傾いている。光路P1における光軸AXの向きは、Z方向に沿って下向きを負、上向きを正として、平均的に-30°~+30°程度の範囲内に収めることが望ましい。光路P1の光軸AXがZ方向に向かって下向き-30°以上の状態とすることで、投射レンズ21または表示素子10がシースルーミラー23と干渉することを回避できる。また、光路P1の光軸AXがZ方向に向かって上向き+30°以下の状態とすることで、投射レンズ21や表示素子10が上部に突起して外観上目立つものとなることが抑えられる。
内反射面22bからシースルーミラー23までの光路P2において、光軸AXは、Z方向に沿って下向きを負、上向きを正として、平均的に-70°~-45°程度の範囲内に収めることが望ましい。光路P2の光軸AXがZ方向に向かって下向き-70°以上の状態とすることで、シースルーミラー23の全体的傾斜が過度に大きくなることを回避できる。また、光路P2の光軸AXがZ方向に向かって下向き-45°以下の状態とすることで、プリズム22がシースルーミラー23に対して-Z方向または背面方向に大きく突出する配置になることを回避でき、導光光学系12の厚みが増すことを回避することができる。
シースルーミラー23から瞳位置PPまでの光路P3は、正面方向(Z方向)においてシースルーミラー23側から眼EY側に向かうにつれて上に向かうように傾いた配置となっている。図示の例では、光軸AXは、Z方向に沿って下向きを負として、-10°程度となっている。これは、人間の視線が水平方向より下側に約10°傾いた若干の伏し目状態で安定するためである。
なお、本実施形態の虚像表示装置100において、瞳位置PPに対して水平方向の中心軸は、虚像表示装置100を装着した使用者USが直立姿勢でリラックスして正面に向いて水平方向または水平線を注視した場合を想定している。虚像表示装置100を装着する個々の使用者USの眼の配置、耳の配置等を含む頭部の形状や姿勢は、様々であるが、使用者USの平均的な頭部形状または頭部姿勢を想定することで、着目する虚像表示装置100について、平均的な中心軸を設定することができる。本実施形態の虚像表示装置100の場合、プリズム22の内反射面22bにおいて、光軸AXに沿った光線の反射角は、10°~60°程度とされる。また、シースルーミラー23において、光軸AXに沿った光線の反射角は、20°~45°程度とされる。
主光線の光路P2および光路P3に関して、シースルーミラー23とプリズム22との間の第1距離は、シースルーミラー23と瞳位置PPとの間の第2距離以下に設定されている。この場合、プリズム22がシースルーミラー23の周囲、すなわち上方に突出する突出量を抑えることができる。ここで、第1距離および第2距離は、光軸AXに沿った距離とする。シースルーミラー23の内側において光路P2,P3上に他の光学要素が追加される場合、追加された光学要素を光路長または光学的距離に換算して第1距離および第2距離の値を決定すればよい。
本実施形態の導光光学系12においては、Y方向に関して、瞳位置PPの中心を基準として、縦方向の最も上側を通る光線の位置が30mm以下とすることが望ましい。このような範囲に光線を収めることで、投射レンズ21または表示素子10が上方向または+Y方向にはみ出して配置されることを回避することができる。これにより、投射レンズ21または表示素子10が眉の上方に張り出す量を抑えてデザイン性を確保することができる。すなわち、表示素子10、投射レンズ21、およびプリズム22を含む光学ユニット102を小型化できる。
また、本実施形態の導光光学系12においては、正面方向またはZ方向に関して、瞳位置PPを基準として、シースルーミラー23から表示素子10にかけての全光線の位置が13mm以上に設定されている。このような範囲に光線を収めることで、特にシースルーミラー23を瞳位置PPに対して正面方向または+Z方向に十分離して配置することができる。
また、本実施形態の導光光学系12においては、正面方向またはZ方向に関して、瞳位置PPを基準として、シースルーミラー23から表示素子10にかけての全光線の位置が40mm以下に設定されている。このような範囲に光線を収めることで、特にシースルーミラー23を瞳位置PPに対して正面方向または+Z方向に過度に離れないように配置することができる。これにより、シースルーミラー23、表示素子10等の前方への突出が抑えられ、デザイン性を確保しやすくなる。プリズム22の下端については、縦方向またはY方向に関して、瞳位置PPの中心を基準として、10mm以上の位置に配置される。これにより、例えば上向き20°といったシースルー時の視野の確保が容易になる。
本実施形態の導光光学系12において、投射レンズ21を構成する光学面である入射面21aおよび射出面21bの形状は、YZ面に平行な軸外し面SO内にあって、光軸AXと直交する方向に関して光軸AXを挟んで非対称性(非軸対称性)を有し、横方向(X方向)に関して光軸AXを挟んで対称性(軸対称性)を有する。
投射レンズ21は、例えば樹脂で形成されるが、ガラス製とすることもできる。投射レンズ21の入射面21aおよび射出面21bのそれぞれは、例えば自由曲面で構成されている。なお、入射面21aと射出面21bとは、自由曲面に限らず、非球面とすることもできる。投射レンズ21において、入射面21aと射出面21bとを自由曲面または非球面とすることにより、収差の低減を図っている。特に自由曲面を用いた場合、軸外し光学系または非共軸光学系である導光光学系12の収差を低減し易くなる。なお、自由曲面は、回転対称軸を持たない面であり、自由曲面の面関数としては、各種多項式を用いることができる。また、非球面は、回転対称軸を持つ面であるが、放物面や多項式で表される球面以外の面である。詳細な説明は省略するが、入射面21aおよび射出面21b上には、反射防止膜が形成されている。
そのため、投射レンズ21において軸外し系としての導光光学系12の偏心を部分的に補償することができ、諸収差の改善に寄与する。また、入射面21aと射出面21bとの相対的な傾きにより、投射レンズ21の色収差を部分的に補償するようにしている。
プリズム22は、ミラーとレンズとを複合させた機能を有する屈折反射光学部材である。したがって、プリズム22は、投射レンズ21から射出される画像光MLを屈折させつつ反射する。より詳細には、プリズム22において、画像光MLは、屈折面である入射面22aを経て内部に入射し、反射面である内反射面22bによって非正反射方向に全反射され、屈折面である射出面22cを経て外部に射出される。
入射面22aと射出面22cとは、曲面からなる光学面であり、反射面のみの場合、または入射面22aおよび射出面22cを平面とした場合に比較して解像度の向上に寄与する。プリズム22を構成する光学面である入射面22a、内反射面22b、および射出面22cは、YZ面に平行な軸外し面SO内にあって、光軸AXと交差する縦方向に関して、光軸AXを挟んで非対称性を有し、横方向(X方向)に関して光軸AXを挟んで対称性を有する。プリズム22は、物理的な外形だけでなく、光学的な有効領域に関しても、縦方向またはY方向の縦幅より横方向またはX方向の横幅が大きい。これにより、横方向またはY方向の画角を大きくすることができる。また、眼EYの移動が横に大きいことに対応して、視線が横方向に大きく変化しても画像を視認することができる。
プリズム22は、例えば樹脂で形成されるが、ガラス製とすることもできる。プリズム22の本体の屈折率は、画像光MLの反射角を参酌して内面での全反射が達成されるような値に設定されている。プリズム22の本体の屈折率やアッべ数は、投射レンズ21との関係も考慮して設定されることが望ましい。特にプリズム22または投射レンズ21のアッベ数を大きくすることにより、色分散を少なくすることができる。
プリズム22の光学面、すなわち入射面22a、内反射面22b、および射出面22cのそれぞれは、例えば自由曲面で構成されている。なお、入射面22a、内反射面22b、および射出面22cのそれぞれは、自由曲面に限らず、非球面とすることもできる。プリズム22において、入射面22a、内反射面22b、および射出面22cのそれぞれを自由曲面または非球面とすることにより、収差を低減することができる。特に自由曲面を用いた場合、軸外し光学系または非共軸光学系である導光光学系12の収差を低減することが容易になり、解像度を向上させることができる。内反射面22bについては、全反射によって画像光MLを反射するものに限らず、金属膜または誘電体多層膜からなる反射面とすることもできる。この場合、内反射面22b上に、例えばAl、Ag等の金属で形成された単層膜または多層膜からなる反射膜を蒸着等によって成膜する、あるいは金属で形成されたシート状の反射膜を貼り付ける。詳細な説明は省略するが、入射面22aおよび射出面22c上には、反射防止膜が形成されている。
プリズム22は、入射面22aと内反射面22bと射出面22cとを射出成形によって一括して形成されるため、部品点数が少なくなり、3面の相互位置についても、比較的安価に例えば20μm以下といったレベルで高精度化することができる。
シースルーミラー23は、凹の表面ミラーとして機能する板状の光学部材であり、プリズム22から射出される画像光MLを反射する。シースルーミラー23は、眼EYまたは瞳孔が配置される瞳位置PPを覆うとともに瞳位置PPから見て凹形状を有する。シースルーミラー23は、板状体23bの一方の表面上にミラー膜からなる反射面23aを形成した構造を有する。
シースルーミラー23の反射面23aの形状は、YZ面に平行な軸外し面SO内にあって、光軸AXと交差する縦方向に関して、光軸AXを挟んで非対称性を有し、横方向またはX方向に関して光軸AXを挟んで対称性を有する。シースルーミラー23の反射面23aは、例えば自由曲面で構成されている。なお、反射面23aは、自由曲面に限らず、非球面とすることもできる。シースルーミラー23を自由曲面または非球面とすることにより、収差の低減を図っている。特に自由曲面を用いた場合、軸外し光学系または非共軸光学系である導光光学系12の収差を低減し易くなる。
シースルーミラー23は、反射面23aが自由曲面および非球面のいずれである場合においても、曲面式の原点がシースルーミラー23の有効領域よりも投射レンズ21側または表示素子10側にシフトした形状を有する。この場合、光学系の設計に過度の負担を掛けることなく、Z字状の光路を実現するシースルーミラーの傾斜面を設計することができる。
シースルーミラー23は、シースルーミラー23に入射した光の一部を反射させ、他の一部の光を透過させる透過型の反射素子である。したがって、シースルーミラー23の反射面23aは、半透過性を有する。これにより、外界光OLがシースルーミラー23を通過するため、外界のシースルー視が可能になり、使用者は外界像に虚像が重なった状態を視認することができる。
シースルーミラー23の板状体23bを数mm程度以下に薄くすることにより、外界像の倍率変化を小さく抑えることができる。反射面23aの画像光MLや外界光OLに対する反射率は、画像光MLの輝度の確保、またはシースルーによる外界像の観察を容易にする観点から、想定される画像光MLの入射角範囲において10%以上、50%以下とすることが望ましい。
シースルーミラー23の基材である板状体23bは、例えば樹脂で形成されるが、ガラス製とすることもできる。板状体23bは、板状体23bを周囲から支持する支持板54と同一の材料で形成され、支持板54と同一の厚みを有する。反射面23aは、例えば膜厚を調整した複数の誘電体層からなる誘電体多層膜で形成される。反射面23aは、膜厚を調整したAl、Ag等の金属の単層膜または多層膜で構成されていてもよい。反射面23aは、上記の膜を積層することによって形成できるが、シート状の反射膜を貼り付けることによっても形成できる。
本実施形態の導光光学系12は、軸外し面SOにおいて、投射レンズ21とプリズム22の内反射面22bとの間であって投射レンズ21および内反射面22bよりもプリズム22の入射面22a側に、中間瞳IPを形成する。より具体的には、中間瞳IPは、プリズム22の入射面22aの位置又はその近傍に形成する。例えば、中間瞳IPは、プリズム22の入射面22aに対して内反射面22b側に配置される。この場合、中間瞳IPの位置は、内反射面22bよりも入射面22aに近い状態とされる。中間瞳IPは、プリズム22の入射面22aに対して投射レンズ21側に配置されてもよい。この場合、中間瞳IPの位置は、投射レンズ21の射出面21bよりも入射面22aに近い状態とされる。中間瞳IPは、プリズム22の入射面22aと交差するものであってもよい。中間瞳IPは、表示素子10の画像射出面10a上の各点からの画像光の主光線が集まる位置に相当し、アイリングER又は瞳位置PPの共役点に対応する。
中間像IMは、プリズム22とシースルーミラー23との間に形成されている。中間像IMは、シースルーミラー23よりもプリズム22の近くに形成される。中間像IMは、アイリングERよりも光路上流であって表示素子10の画像射出面10aに対して共役な位置に形成される実像である。
ここで、表示素子10の画像射出面10aの各画素から画像光はランバート発光されるため、各画像光は所定の角度分布を有している。画像光の一部が迷光として導光光学系12内の所定の光路と異なる経路を通って瞳位置PPに入射するとゴースト等の使用者USに視認される画像を低下させる要因となる。そこで、ゴースト等の要因となる不要光を予め遮光し、瞳位置PPに入射させないようにすることで、使用者USに良質な画像を視認させることが可能となる。例えば、中間瞳IPの位置又はその近傍に絞り部材(開口絞り)を配置することが考えられる。本実施形態の導光光学系12では、中間瞳IPの一部がプリズム22内に配置されるため、絞り部材を中間瞳IPに配置することが難しい。
本実施形態の導光光学系12では、中間瞳IPの近傍に絞り部材を設けることに代えて、表示素子10から射出された画像光MLの光路上に位置する光学部材の光学面に遮光性塗料を塗布することで遮光部を形成し、画像光MLに含まれる不要光を遮光するようにした。
図3では、画像射出面10a上の3点から射出された画像光MLを示している。図3において、最も上側(+Y側)に位置する画像光MLを上段画像光ML1と称す。また、図3において、最も下側(-Y側)に位置する画像光MLを下段画像光ML3と称す。また、図3において、上段画像光ML1および下段画像光ML3の間に位置する画像光MLを中段画像光ML2と称す。
本実施形態の場合、導光光学系12が軸外し光学系であるため、画像射出面10aの各画素から射出されて、軸外し面SO内の中間瞳IPに集まった上段画像光ML1、中段画像光ML2および下段画像光ML3の光束幅に差が生じる。
本実施形態において、例えば、上段画像光ML1における瞳位置PPまでの光路長は、下段画像光ML3における瞳位置PPまでの光路長よりも短いため、上段画像光ML1は下段画像光ML3に比べて光束幅を拡げるように導光させる必要がある。そのため、中間瞳IPにおいて、上段画像光ML1の光束幅は下段画像光ML3の光束幅よりも大きくなる。
したがって、本実施形態の導光光学系12のような軸外し光学系を用いる場合、1つの光学面に遮光部を形成するのみでは不要光を十分に遮光することが難しい。
これに対して本実施形態の導光光学系12では、投射レンズ21の2つの光学面である入射面21aおよび射出面21bに第1遮光部24および第2遮光部25を形成することで、導光光学系12を経由して瞳位置PPに入射する不要光を遮光するようにした。
以下、第1遮光部24および第2遮光部25の構成について説明する。
図4は投射レンズ21の入射面21aを光軸AXに沿う法線方向から視た平面図である。図5は投射レンズ21の射出面21bを光軸AXに沿う法線方向から視た平面図である。
なお、図4および図5では、図3に示した上段画像光ML1、中段画像光ML2および下段画像光ML3をそれぞれ区別して異なる線種で示し、これら上段画像光ML1、中段画像光ML2および下段画像光ML3を射出した画素の周辺画素から射出された他の画像光MLを同じ線種で示した。
以下、図4および図5内において各部材の配置関係を説明するに際し、便宜上、各図内での上方を上側、各図内での下方を下側と呼ぶ場合もある。
図3および図4に示すように、第1遮光部24は、入射面21aに形成される。第1遮光部24は、第1開口241を介して入射面21aの一部を露出させる。第1遮光部24は、入射面21aに塗布された遮光性塗膜により形成される。本実施形態の場合、入射面21aにおける第1遮光部24の形成領域には微小な凹凸形状部62(図6参照)が形成されている。これにより、第1遮光部24を構成する遮光性塗膜63(図6参照)が凹凸形状部62を介して入射面21aに良好に密着した状態とされる。
第1遮光部24の第1開口241の形状は入射面21aの有効領域に対応して形成される。ここで、有効領域とは、入射面21aの全領域のうち、入射した各画像光を瞳位置PPまで迷光ではなく有効な光として導くことが可能な所定の領域を意味する。つまり、有効領域の外側に入射した画像光は瞳位置PPに迷光として入射するおそれのある不要な光(不要光)となる。
第1開口241は、軸外し面SO内にあって、導光光学系12の光軸AXに直交する第1方向(図4の上下方向)に関して光軸AXを挟んで非対称な形状を有し、第1方向に直交する第2方向(図4の左右方向)に関して軸外し面SOを挟んで対称な形状を有する。すなわち、第1開口241の開口形状は上下方向において非対称性を有し、左右方向において対称性を有している。つまり、第1開口241の開口形状は軸対称性を有しない。
本実施形態の第1遮光部24は、入射面21aの有効領域外に入射する成分をカットし、第1開口241を介して入射面21aの有効領域に入射した成分を透過させることができる。これにより、画像光MLに含まれる不要光をカットすることができる。
図3および図5に示すように、第2遮光部25は、射出面21bに形成される。第2遮光部25は、第2開口251を介して射出面21bの一部を露出させる。第2遮光部25の第2開口251は射出面21bの有効領域に対応して形成される。第2遮光部25は、射出面21bに塗布された遮光性塗膜により形成される。本実施形態の場合、射出面21bにおける第2遮光部25の形成領域には微小な凹凸形状が形成されている。これにより、第2遮光部25を構成する遮光性塗膜が凹凸形状を介して射出面21bに良好に密着している。
第1開口241と同様、第2開口251の開口形状は図5の上下方向において非対称性を有し、図5の左右方向において対称性を有している。つまり、第2開口251の開口形状は軸対称性を有しない。
上述のように本実施形態の導光光学系12は軸対称性を有しない軸外し光学系であるため、射出面21bの有効領域の形状と入射面21aの有効領域の形状とが異なる。したがって、第1開口241および第2開口251は互いに異なる形状を有している。
また、投射レンズ21の入射面21aに入射した光は収束された状態で射出面21bから射出されるため、射出面21b上における各画像光MLの位置は入射面21a上における各画像光の位置よりも互いに近づく。そのため、第2開口251の開口面積は、第1開口241の開口面積よりも小さくなっている。
本実施形態の第2遮光部25は、射出面21bの有効領域外に入射する成分をカットし、第2開口251を介して射出面21bの有効領域に入射した成分を透過させることができる。これにより、画像光MLに含まれる不要光をカットすることができる。
ここで、本実施形態の導光光学系12の製造方法について説明する。図6は導光光学系12の製造方法の一例を示す工程図である。以下では、一例として、投射レンズ21の入射面21aに第1遮光部24を形成する工程について説明する。
図6に示すように、本実施形態の導光光学系12の製造方法は、保護層形成工程(第1形成工程)と、遮光部形成工程(第2形成工程)と、剥離工程と、を有している。
保護層形成工程は、投射レンズ21の入射面21aに保護層60を形成する工程である。本工程では、投射レンズ21を支持するケース(支持部材)51を用いて光学面上にマスクMを位置決めした後、マスクMを覆うように保護層形成材料61を塗布する。なお、投射レンズ21の入射面21aの全体は金型面を反映した鏡面とされている。
マスクMには開口部M1が形成されている。開口部M1の形状は第1開口241の開口形状に対応している。マスクMはケース51に当接することで投射レンズ21に対して所定の位置に位置決めされる。すなわち、マスクMは、入射面21aの有効領域(第1遮光部24の形成領域)に開口部M1が位置決めされる。
そのため、マスクMを覆うように塗布された保護層形成材料61のうち開口部M1内に塗布された部分は入射面21aの有効領域に塗布された状態とされる。なお、保護層形成材料61としては、後述のサンドブラスト処理から入射面21aを保護可能な材料であれば特に限定されない。
続いて、保護層形成材料61の塗布後、入射面21aからマスクMを除去する。このとき、マスクMを覆う保護層形成材料61はマスクMとともに入射面21aから除去され、開口部M1内に塗布された部分のみが入射面21a上に選択的に残る。これにより、マスクMの開口部M1に対応した位置、すなわち、入射面21aの有効領域に保護層60が形成される。
以上により保護層形成工程が終了する。
保護層形成工程の後、遮光部形成工程に進む。遮光部形成工程は、入射面21aのうち保護層60を形成しない領域に第1遮光部24を形成する工程である。本工程では、入射面21aのうち保護層60で覆われない領域に微小な凹凸形状部62を形成する。凹凸形状部62は、例えばサンドブラスト処理を用いることで入射面21aに形成される。続いて、凹凸形状部62を黒塗りすることで凹凸形状部62に遮光性塗膜63を形成する。
以上により入射面21a上に第1遮光部24が形成され、遮光部形成工程が終了する。
遮光部形成工程の後、剥離工程に進む。剥離工程は、第1遮光部24を形成した投射レンズ21から保護層60を剥離する工程である。本工程により、入射面21aから保護層60が剥離されて、投射レンズ21の入射面21aに第1遮光部24を形成することができる。
以上のようにして、投射レンズ21の入射面21aに第1遮光部24を形成することができる。なお、上記第1遮光部24と同様の工程を行うことで、投射レンズ21の射出面21bに第2遮光部25を形成することができる。
投射レンズ21に第1遮光部24および第2遮光部25を形成した後、プリズム22をケース51内に収容し、支持板54を介してケース51にシースルーミラー23を取り付けることで導光光学系12を製造することができる。
続いて、本実施形態の表示モジュール101における光路について説明する。
表示素子10からの画像光MLは、投射レンズ21に入射して略コリメートされた状態で射出される。投射レンズ21を通過した画像光MLは、プリズム22に入射して入射面21aから屈折されつつ射出され、内反射面22bによって100%に近い高い反射率で反射され、再度射出面22cで屈折される。プリズム22からの画像光MLは、シースルーミラー23に入射して反射面23aによって50%程度以下の反射率で反射される。シースルーミラー23で反射された画像光MLは、使用者USの眼EYまたは瞳孔が配置される瞳位置PPに入射する。プリズム22とシースルーミラー23との間であって、プリズム22の射出面22c寄りには、中間像IMが形成される。瞳位置PPには、シースルーミラー23やその周囲の支持板54を通過した外界光OLも入射する。すなわち、虚像表示装置100を装着した使用者USは、外界像に重ねて、画像光MLによる虚像を観察することができる。
したがって、本実施形態の導光光学系12によれば、軸対称性を有しないことで絞り部材を中間瞳IPに配置できない場合であっても、投射レンズ21の2つの光学面である入射面21aおよび射出面21bに形成した第1遮光部24および第2遮光部25を備えることで、絞り部材を用いることなく、瞳位置PPに入射する不要光をカットすることができる。よって、本実施形態の表示モジュール101によれば、上記導光光学系12を備えるため、使用者USに良質な画像を視認させることができる。
以上説明したように、本実施形態の虚像表示装置100によれば、光学系の小型化、ひいては装置全体の小型化を達成できる。したがって、本実施形態の虚像表示装置100は、解像度を確保しつつ小型化できる。
(第2実施形態)
続いて、第2実施形態の表示モジュールについて説明する。本実施形態の表示モジュールと第1実施形態との違いは遮光部を設ける光学面の位置である。第1実施形態と共通の構成及び部材については同じ符号を付し、詳細については説明を省略する。
図7は本実施形態の表示モジュール201の内部構造を示す断面図である。図7は第1実施形態の図3に対応する図であり、説明に関係のない部材や符号の図示を省略している。
図7に示すように、本実施形態の表示モジュール201における導光光学系112では、プリズム22の入射面(第1光学面)22a、射出面(第2光学面)22cおよび内反射面(第3光学面、反射面)22bに第1遮光部124、第2遮光部125および第3遮光部126を形成することで、導光光学系112を経由して瞳位置PPに入射する不要光を遮光するようにしている。
以下、第1遮光部124、第2遮光部125および第3遮光部126の構成について説明する。
図8はプリズム22の入射面22aを光軸AXに沿う法線方向から視た平面図である。図9はプリズム22の射出面22cを光軸AXに沿う法線方向から視た平面図である。図10はプリズム22の内反射面22bを光軸AXに沿う法線方向から視た平面図である。
なお、図7から図10では、上段画像光ML1、中段画像光ML2および下段画像光ML3をそれぞれ区別して異なる線種で示し、これら上段画像光ML1、中段画像光ML2および下段画像光ML3を射出した画素の周辺画素から射出された他の画像光MLを同じ線種で示した。
図7および図8に示すように、第1遮光部124は、プリズム22の入射面22aに形成される。第1遮光部124は、第1開口1241を介して入射面22aの一部を露出させる。第1遮光部124は、入射面22aの一部を黒塗りすることで形成される。第1遮光部124の第1開口1241の形状は入射面22aの有効領域に対応して形成される。
第1開口1241の開口形状は図8の上下方向において非対称性を有し、図8の左右方向において対称性を有している。つまり、第1開口1241の開口形状は軸対称性を有しない。本実施形態の第1遮光部124は、入射面22aの有効領域外に入射する成分をカットし、第1開口1241を介して入射面22aの有効領域に入射した成分を透過させることができる。これにより、画像光MLに含まれる不要光をカットすることができる。
図7および図9に示すように、第2遮光部125は、射出面22cに形成される。第2遮光部125は、第2開口1251を介して射出面22cの一部を露出させる。第2遮光部125の第2開口1251は射出面22cの有効領域に対応して形成される。第2遮光部125は、射出面22cに塗布された遮光性塗膜により形成される。本実施形態の場合、射出面22cにおける第2遮光部125の形成領域には微小な凹凸形状部が形成されている。これにより、第2遮光部125を構成する遮光性塗膜が凹凸形状部を介して射出面22cに良好に密着している。
第1開口1241と同様、第2開口1251の開口形状は図9の上下方向において非対称性を有し、図9の左右方向において対称性を有している。つまり、第2開口251の開口形状は軸対称性を有しない。
本実施形態の導光光学系112は軸対称性を有しない軸外し光学系であるため、射出面22cの有効領域の形状と入射面22aの有効領域の形状とが異なる。したがって、第1開口1241および第2開口1251は互いに異なる形状を有している。
本実施形態の第2遮光部125は、射出面22cの有効領域外に入射する成分をカットし、第2開口1251を介して射出面22cの有効領域に入射した成分を透過させることができる。これにより、画像光MLに含まれる不要光をカットすることができる。
図7および図10に示すように、第3遮光部126は、内反射面22bに形成される。第3遮光部126は、第3開口1261を介して内反射面22bの一部を露出させる。第3遮光部126の第3開口1261は内反射面22bの有効領域に対応して形成される。第3遮光部126は、内反射面22bに塗布された遮光性塗膜により形成される。本実施形態の場合、内反射面22bにおける第3遮光部126の形成領域には微小な凹凸形状が形成されている。これにより、第3遮光部126を構成する遮光性塗膜が凹凸形状を介して内反射面22bに良好に密着している。
ここで、図7において、例えば、射出面22cに入射する下段画像光ML3を示す3本の光線のうち、主光線よりも左側に位置する光線ML3aに着目する。上段画像光ML1は、第1遮光部124の第1開口1241、第3遮光部126の第3開口1261および第2遮光部125の第2開口1251を経由して瞳位置PPに入射する。
光線ML3aは、第2遮光部125の第2開口1251の開口端よりも内側を通過するため、第2開口1251は光線ML3aよりも右側に含まれる不要光をカット(遮光)できないが、光線ML3aは第3遮光部126の第3開口1261の開口端でカットできる。
このように本実施形態の導光光学系112によれば、プリズム22の3つの光学面(入射面22a、射出面22cおよび内反射面22b)に形成した第1遮光部124、第2遮光部125および第3遮光部126を備えることで、絞り部材を用いることなく、瞳位置PPに入射する不要光をカットすることができる。よって、本実施形態の表示モジュール201によれば、上記導光光学系12を備えるため、使用者USに良質な画像を視認させることができる。
続いて、本実施形態の導光光学系112の製造方法について説明する。図11は導光光学系112の製造方法の一例を示す工程図である。
以下では、一例として、プリズム(光学部材)22の入射面(光学面)22aに第1遮光部(遮光部)124を形成する工程について説明する。本実施形態の導光光学系112の製造方法は、カバー工程と、遮光工程と、取り外し工程と、を有している。
カバー工程は、プリズム22の入射面22a上にカバー部材を配置し、入射面22aの一部を覆う工程である。図11に示すように、本工程で用いるカバー部材70は、枠状のベース部71と、入射面22aを覆い、ベース部71の内側に位置するカバー部72と、入射面22aに対して隙間を生じさせた状態でベース部71およびカバー部72を連結する連結部73と、を有している。
遮光工程は、プリズム22の入射面22aの所定領域に第1遮光部124を形成する工程である。本工程では、プリズム22を支持するケース51を用いて、入射面22a上にカバー部材70を位置決めした後、入射面22aのうちカバー部材70で覆われない所定領域に遮光性材料80を塗布することで第1遮光部124を形成する。
カバー部材70において、ベース部71とカバー部72との間には、第1開口241に対応する形状の開口部70Mが形成されている。カバー部材70はケース51に当接することでプリズム22に対して所定の位置に位置決めされる。すなわち、カバー部材70は、入射面22aの有効領域(第1遮光部124の形成領域)に開口部70Mが位置決めされる。そのため、入射面22aのうちカバー部材70で覆われない所定領域とは開口部70Mにより露出される領域に相当する。
本工程では、開口部70Mにより露出される入射面22aに遮光性材料80を塗布することで第1遮光部124を形成する。例えば、塗布装置により上側から開口部70M内に遮光性材料80を塗布した場合、連結部73の下方には遮光性材料80が良好に塗布され難い。
本実施形態の場合、連結部73は入射面22aを上方に迂回する形状を有し、連結部73と入射面22aとの間に隙間が設けられる。そのため、例えば、連結部73の下方に塗布ノズルNZを個別に挿入することで連結部73の下方に位置する入射面22aに遮光性材料80を塗布することができる。これにより、開口部70Mの全域に遮光性材料80が塗布され、入射面22a上に第1遮光部124を形成できる。
取り外し工程では、第1遮光部124を形成したプリズム22からカバー部材70が取り外される。本工程により、入射面22a上に第1遮光部124が形成されたプリズム22を製造できる。なお、入射面22aのうち、カバー部材70のベース部71で覆われていた部分には遮光性材料80(第1遮光部124)が形成されない。なお、ベース部71で覆われていた部分は、通常、ケース51に取り付けられる部品で覆われるため、遮光性材料80を塗布する必要はないが、必要に応じて遮光性材料80を塗布してもよい。
以上のようにして、プリズム22の入射面22aに第1遮光部124を形成することができる。なお、上記第1遮光部124と同様の工程を行うことで、プリズム22の射出面22cおよび内反射面22bに第2遮光部125および第3遮光部126をそれぞれ形成することができる。
プリズム22に第1遮光部124、第2遮光部125および第3遮光部126を形成した後、投射レンズ21をケース51内に収容し、支持板54を介してケース51にシースルーミラー23を取り付けることで導光光学系112を製造することができる。
(変形例及びその他)
以上、上述した実施形態に基づいて本発明を説明したが、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような形態にも適用可能である。
上記実施形態では、遮光部を投射レンズ21またはプリズム22のいずれかに形成する場合を例に挙げたが、例えば、第1の遮光部(第1遮光部に相当)を投射レンズ21の入射面21a、射出面21bのいずれかに形成し、第2の遮光部(第2遮光部に相当)をプリズム22の入射面22a、内反射面22b、射出面22cのいずれかに形成してもよい。
図12は第1変形例に係る導光光学系12Aの構成を示す図である。
図12に示すように、本変形例の表示モジュール301における導光光学系12Aでは、投射レンズ21の入射面21aに形成された第1遮光部124Aと、プリズム22の入射面22aに形成された第2遮光部125Aと、プリズム22の射出面22cに形成された第3遮光部126Aと、を備えている。この場合において、投射レンズ21の射出面21bは特許請求の範囲に記載の「第3光学面」に相当し、プリズム22の内反射面22bは特許請求の範囲に記載の「第4光学面」に相当する。
なお、第1遮光部124Aが投射レンズ21の射出面21bに形成され、第2遮光部125Aまたは第3遮光部126Aがプリズム22の内反射面22bに形成されていてもよい。
また、上記実施形態では、遮光部を形成する光学面として、投射レンズ21の入射面21a、射出面21bあるいはプリズム22の入射面22a、内反射面22b、射出面22cを例に挙げたが、遮光部を形成する光学面として、防塵部材として機能する保護カバー52の表面52aを用いてもよい。
図13は第2変形例に係る導光光学系12Bの構成を示す図である。
図13に示すように、本変形例の表示モジュール401における導光光学系12Bでは、投射レンズ21の入射面21aに形成された第1遮光部124Bと、投射レンズ21の射出面21bに形成された第2遮光部125Bと、保護カバー52の表面52aに形成された第3遮光部126Bと、を備えている。この場合において、保護カバー52の表面52aは特許請求の範囲に記載の「第3光学面」に相当する。
また、投射レンズ21、プリズム22および保護カバー52にそれぞれ1つずつ遮光部を形成する工程を採用してもよい。
また、上記実施形態では、表示素子10として有機EL素子等の自発光型の表示デバイスやLCD及びその他の光変調素子を用いているが、本発明はこれに限られない。例えば、表示素子10に代えて、複数の表示素子と複数の表示素子からの画像光を合成する合成プリズムとを組み合わせた画像形成装置やレーザー光源とポリゴンミラー等であるスキャナーとを組みあわせたレーザースキャナーを用いた画像形成装置を適用することも可能である。
なお、シースルーミラー23の外界側には、シースルーミラー23の透過光を制限することで調光を行う調光デバイスを取り付けることも可能である。調光デバイスは、例えば電動で透過率を調整する。調光デバイスとして、ミラー液晶、電子シェード等を用いることができる。調光デバイスは、外光照度に応じて透過率を調整するものであってもよい。調光デバイスによって外界光OLを遮断する場合、外界像の作用を受けていない虚像のみを観察することができる。また、本願発明の虚像表示装置は、外光を遮断し画像光のみを視認させるいわゆるクローズ型の頭部搭載型表示装置(HMD)に適用できる。この場合、虚像表示装置と撮像装置とで構成されるいわゆるビデオシースルーの製品に対応させたりするものとしてもよい。
また、上記説明では、虚像表示装置100が頭部に装着されて使用されることを前提としたが、上記虚像表示装置100は、頭部に装着せず双眼鏡のようにのぞき込むハンドヘルドディスプレイとしても用いることができる。つまり、本発明において、ヘッドマウントディスプレイには、ハンドヘルドディスプレイも含まれる。
本発明の一態様の表示モジュールは、以下の構成を有していてもよい。
本発明の一態様の表示モジュールは、表示素子と、表示素子から射出された画像光を導光させ、射出瞳を形成する導光光学装置と、を備え、導光光学装置は、第1光学面と、第2光学面と、第1光学面に形成される第1遮光部と、第2光学面に形成される第2遮光部と、を含む軸外し光学系であり、第1遮光部は、第1開口を介して第1光学面の一部を露出させ、第2遮光部は、第2開口を介して第2光学面の一部を露出させており、第1開口および第2開口は互いに異なる形状を有している。
本発明の一つの態様の表示モジュールにおいて、導光光学装置は、第1光学面および第2光学面を含む第1光学部材を有する構成としてもよい。
本発明の一つの態様の表示モジュールにおいて、第1光学部材は、投射レンズ、プリズムおよび防塵部材のいずれかであり、第1光学面および第2光学面は、入射面、反射面または射出面のいずれかである構成としてもよい。
本発明の一つの態様の表示モジュールにおいて、第1光学部材は第3光学面をさらに含み、導光光学装置は、第3光学面に形成される第3遮光部を含む構成としてもよい。
本発明の一つの態様の表示モジュールにおいて、導光光学装置は、第1光学面および第3光学面を含む第1光学部材と、第2光学面および第4光学面を含む第2光学部材と、を有する構成としてもよい。
本発明の一つの態様の表示モジュールにおいて、第1光学部材および第2光学部材は、投射レンズ、プリズムおよび防塵部材のいずれかであり、第1光学面、第2光学面、第3光学面および第4光学面は、入射面、反射面または射出面のいずれかである構成としてもよい。
本発明の一つの態様の表示モジュールにおいて、導光光学装置は、第3光学面および第4光学面の少なくとも一方に形成される第3遮光部を含む構成としてもよい。
本発明の一つの態様の表示モジュールにおいて、第1開口および第2開口の開口形状は、軸外し光学系の軸外し面内にあって、導光光学装置の光軸に直交する方向において、非対称性を有している構成としてもよい。
本発明の一態様の虚像表示装置は、以下の構成を有していてもよい。
本発明の一態様の虚像表示装置は、上記態様の表示モジュールを備える。
本発明の一態様の導光光学装置の製造方法は、以下の構成を有していてもよい。
本発明の一態様の導光光学装置の製造方法は、表示素子から射出された画像光を導光させ、射出瞳を形成する導光光学装置の製造方法であって、光学部材の光学面上の一部に保護層を形成する第1形成工程と、光学部材の光学面のうち保護層を形成しない領域に遮光部を形成する第2形成工程と、遮光部を形成した光学部材から保護層を剥離する剥離工程と、備え、第1形成工程では、光学部材を支持する支持部材を用いて光学面上にマスクを位置決めした後、マスク上に保護層形成材料を塗布し、保護層形成材料の塗布後、光学面上からマスクを除去することで、マスクの開口部に対応した位置に保護層を形成する。
本発明の一態様の導光光学装置の製造方法において、第2形成工程では、光学面の保護層で覆われない領域に凹凸形状部を形成し、凹凸形状部に遮光性塗膜を形成する製造方法としてもよい。
本発明の別態様の導光光学装置の製造方法は、以下の構成を有していてもよい。
本発明の別態様の導光光学装置の製造方法は、表示素子から射出された画像光を導光させ、射出瞳を形成する導光光学装置の製造方法であって、光学部材の光学面上にカバー部材を配置し、光学面の一部を覆うカバー工程と、光学部材の光学面のうちカバー部材で覆われない所定領域に遮光部を形成する遮光工程と、遮光部を形成した光学部材からカバー部材を取り外す取り外し工程と、備え、カバー工程では、カバー部材として、枠状のベース部と、光学面を覆い、ベース部の内側に位置するカバー部と、光学面に対して隙間を生じさせた状態でベース部およびカバー部を連結する連結部と、を有する部材を用い、遮光工程では、光学部材を支持する支持部材を用いて、光学面上にカバー部材を位置決めした後、カバー部材のベース部およびカバー部で覆われない所定領域に遮光性材料を塗布することで遮光部を形成する。
10…表示素子、12,112,12A,12B…導光光学系(導光光学装置)、21…投射レンズ(第1光学部材)、21a,22a…入射面(第1光学面)、21b,22c…射出面(第2光学面、第3光学面、第4光学面)、22…プリズム(第2光学部材)、22b…内反射面(第3光学面、反射面)、24,124,124A,124B…第1遮光部、25,125,125A,125B…第2遮光部、51…ケース(支持部材)、52…保護カバー(防塵部材)、60…保護層、61…保護層形成材料、62…凹凸形状部、63…遮光性塗膜、70…カバー部材、70M…開口部、71…ベース部、72…カバー部、73…連結部、80…遮光性材料、100…虚像表示装置、101,201,301,401…表示モジュール、124…第1遮光部(遮光部)、126,126A,126B…第3遮光部、241,1241…第1開口、251,1251…第2開口、AX…光軸、M…マスク、ML…画像光、SO…軸外し面、SP…射出瞳。

Claims (12)

  1. 表示素子と、
    前記表示素子から射出された画像光を導光させ、射出瞳を形成する導光光学装置と、を備え、
    前記導光光学装置は、第1光学面と、第2光学面と、前記第1光学面に形成される第1遮光部と、前記第2光学面に形成される第2遮光部と、を含む軸外し光学系であり、
    前記第1遮光部は、第1開口を介して前記第1光学面の一部を露出させ、
    前記第2遮光部は、第2開口を介して前記第2光学面の一部を露出させており、
    前記第1開口および前記第2開口は互いに異なる形状を有している
    ことを特徴とする表示モジュール。
  2. 前記導光光学装置は、前記第1光学面および前記第2光学面を含む第1光学部材を有する
    ことを特徴とする請求項1に記載の表示モジュール。
  3. 前記第1光学部材は、投射レンズ、プリズムおよび防塵部材のいずれかであり、
    前記第1光学面および前記第2光学面は、入射面、反射面または射出面のいずれかである
    ことを特徴とする請求項2に記載の表示モジュール。
  4. 前記第1光学部材は第3光学面をさらに含み、
    前記導光光学装置は、前記第3光学面に形成される第3遮光部を含む
    ことを特徴とする請求項2または請求項3に記載の表示モジュール。
  5. 前記導光光学装置は、前記第1光学面および第3光学面を含む第1光学部材と、前記第2光学面および第4光学面を含む第2光学部材と、を有する
    ことを特徴とする請求項1に記載の表示モジュール。
  6. 前記第1光学部材および前記第2光学部材は、投射レンズ、プリズムおよび防塵部材のいずれかであり、
    前記第1光学面、前記第2光学面、前記第3光学面および前記第4光学面は、入射面、反射面または射出面のいずれかである
    ことを特徴とする請求項5に記載の表示モジュール。
  7. 前記導光光学装置は、前記第3光学面および前記第4光学面の少なくとも一方に形成される第3遮光部を含む
    ことを特徴とする請求項5または請求項6に記載の表示モジュール。
  8. 前記第1開口および前記第2開口の開口形状は、前記軸外し光学系の軸外し面内にあって、導光光学装置の光軸に直交する方向において、非対称性を有している
    ことを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の表示モジュール。
  9. 請求項1から請求項8のうちのいずれか一項に記載の表示モジュールを備える
    ことを特徴とする虚像表示装置。
  10. 表示素子から射出された画像光を導光させ、射出瞳を形成する導光光学装置の製造方法であって、
    光学部材の光学面上の一部に保護層を形成する第1形成工程と、
    前記光学部材の前記光学面のうち前記保護層を形成しない領域に遮光部を形成する第2形成工程と、
    前記遮光部を形成した前記光学部材から前記保護層を剥離する剥離工程と、備え、
    前記第1形成工程では、
    前記光学部材を支持する支持部材を用いて前記光学面上にマスクを位置決めした後、前記マスク上に保護層形成材料を塗布し、
    前記保護層形成材料の塗布後、前記光学面上から前記マスクを除去することで、前記マスクの開口部に対応した位置に前記保護層を形成する
    ことを特徴とする導光光学装置の製造方法。
  11. 前記第2形成工程では、前記光学面の前記保護層で覆われない領域に凹凸形状部を形成し、前記凹凸形状部に遮光性塗膜を形成する
    ことを特徴とする請求項10に記載の導光光学装置の製造方法。
  12. 表示素子から射出された画像光を導光させ、射出瞳を形成する導光光学装置の製造方法であって、
    光学部材の光学面上にカバー部材を配置し、前記光学面の一部を覆うカバー工程と、
    前記光学部材の前記光学面のうち前記カバー部材で覆われない所定領域に遮光部を形成する遮光工程と、
    前記遮光部を形成した前記光学部材から前記カバー部材を取り外す取り外し工程と、備え、
    前記カバー工程では、
    前記カバー部材として、枠状のベース部と、前記光学面を覆い、前記ベース部の内側に位置するカバー部と、前記光学面に対して隙間を生じさせた状態で前記ベース部および前記カバー部を連結する連結部と、を有する部材を用い、
    前記遮光工程では、
    前記光学部材を支持する支持部材を用いて、前記光学面上に前記カバー部材を位置決めした後、前記カバー部材の前記ベース部および前記カバー部で覆われない前記所定領域に遮光性材料を塗布することで前記遮光部を形成する
    ことを特徴とする導光光学装置の製造方法。
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