JP2022083458A - 火災報知装置の改修方法、および火災報知装置 - Google Patents

火災報知装置の改修方法、および火災報知装置 Download PDF

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Abstract

【課題】空気管式熱感知器を用いた既設の火災報知装置から、吸引式煙感知器を用いた火災報知装置にリニューアルすることに適した、火災報知装置の改修方法及び火災報知装置を提供する。【解決手段】空気管120および空気管式熱感知器110を備えた既設の火災報知装置を、吸引式煙感知器10を備えた新たな火災報知装置に改修する火災報知装置の改修方法であって、空気管式熱感知器110に接続されている空気管120を残し、空気管120の基端部から空気管式熱感知器110を取り外す第1ステップと、空気管120を吸引式煙感知器に接続されるサンプリング管に変更するために、空気管120に対して煙を吸引するための穴をあける第2ステップと、空気管120に穴をあけた空気管20の基端部に、吸引式煙感知器10を取り付ける第3ステップと、を有する。【選択図】図1

Description

本発明は、火災報知装置の改修方法、および火災報知装置に関し、特に、既に設置された空気管式熱感知器を用いた火災報知装置から、吸引式煙感知器を用いた火災報知装置にリニューアルする改修方法および装置に関する。
近年発生した文化財の火災事故により、文化財の防災対策への関心が高まっている。重要文化財などにおいて火災検知を行う従来技術としては、空気管式熱感知器を用いる場合が多い。
文化財の火災検知に空気管式熱感知器を用いる理由としては、特に、以下の2つのメリットが挙げられる。
メリット1:通常のビル等の建物に設けられるスポット型の火災感知器に比べ、空気管式熱感知器を用いることで、監視対象である文化財の美観を損なわずに、感知器を設置することができる。
メリット2:空気管式熱感知器は、空気管となる銅パイプを、文化財の建物の天井等の屋内に張り巡らせることで、比較的広範囲な場所を監視できる点で優れている。
これらのメリットを得るための別の従来技術としては、空気管式熱感知器の代わりに光ファイバを用いて火災検知を行うものがある(例えば、特許文献1参照)。このタイプの火災感知においても、火災時の熱を感知し、かつファイバの敷設が目立たないため、監視対象である文化財の美観を損なわないという点では、空気管式熱感知器と同じメリットが得られる。
特開平7-265459号公報
しかしながら、従来技術には、以下のような問題がある。
美観を考慮した上述したような熱感知タイプの火災検知手法は、煙検知タイプの火災検知手法に比べ、火災の検知までに時間がかかってしまうという課題がある。特に、重要文化財の建造物は、美観を損なわないことが重要になるとともに、その資産的価値から、火災を早期に検知して、速やかに火災を消火することが望まれている。
従って、監視対象である文化財の美観を損なわずに、かつ、熱感知タイプの火災検知手法よりも迅速に火災を検知することが強く望まれている。
さらに、すでに設置されている空気管式熱感知器を用いた火災報知装置をリニューアルすることで、改修期間および改修コストの低減を図ることが期待できる。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、空気管式熱感知器を用いた既設の火災報知装置から、吸引式煙感知器を用いた火災報知装置にリニューアルすることに適した、火災報知装置の改修方法、および火災報知装置を得ることを目的とする。
本発明に係る火災報知装置の改修方法は、空気管および空気管式熱感知器を備えた既設の火災報知装置を、吸引式煙感知器を備えた新たな火災報知装置に改修する火災報知装置の改修方法であって、空気管式熱感知器に接続されている空気管を残し、空気管の基端部から空気管式熱感知器を取り外す第1ステップと、空気管を吸引式煙感知器に接続されるサンプリング管に変更するために、空気管に対して煙を吸引するための穴をあける第2ステップと、空気管の基端部に、吸引式煙感知器を取り付ける第3ステップとを有するものである。
また、本発明に係る火災報知装置は、熱感知タイプの火災報知装置で使用される空気管に対して、煙を吸引するための穴を設けることで形成されたサンプリング管と、サンプリング管の基端部に接続され、サンプリング管を介して吸引された空気に基づいて煙が発生しているか否かを感知する吸引式煙感知器とを備えるものである。
本発明によれば、空気管式熱感知器を用いた既設の火災報知装置から、吸引式煙感知器を用いた火災報知装置にリニューアルすることに適した、火災報知装置の改修方法、および火災報知装置を得ることができる。
本発明の実施の形態1におけるリニューアル前の火災報知装置、およびリニューアル後の火災報知装置の概略構成図である。 本発明の実施の形態1において、既設の火災報知装置から吸引式煙感知器を備えた新たな火災報知装置に改修するためのリニューアル手順を示したフローチャートである。
以下、本発明の火災報知装置の改修方法、および火災報知装置の好適な実施の形態につき、図面を用いて説明する。
本発明に係る火災報知装置の改修方法、および火災報知装置は、空気管式熱感知器を用いた火災報知装置で使用される空気管を流用し、吸引式煙感知器を用いた火災報知装置にリニューアルすることができる方法および構成を備える点を技術的特徴としている。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1におけるリニューアル前の火災報知装置、およびリニューアル後の火災報知装置の概略構成図である。具的的には、上段の図1(a)は、リニューアル前の空気管式熱感知器を用いた火災報知装置を示しており、下段の図1(b)は、リニューアル後の吸引式煙感知器を用いた火災報知装置を示している。
まず、図1(a)に示したリニューアル前の、空気管式熱感知器を用いた火災報知装置について説明する。空気管式熱感知器を用いた火災報知装置100は、空気管式熱感知器に相当する熱感知器110、および空気管120を備えて構成されている。
空気管120は、火災の監視対象である例えば文化財の、天井等の屋内に、閉ループを形成するように張り巡らせているとともに、2つの基端部121を有している。熱感知器110は、空気管120の2つの基端部121と接続されている。そして、熱感知器110は、空気管120内部の空気が熱膨張することで、ダイアフラムが偏移し、火災検出接点がON状態となることで、監視対象である文化財で火災が発生したことを検知する。
空気管120は、銅管(銅パイプ)から構成され、その長さは100m程度のものが使用される。空気管120は、非常に長いことから、室内に設置する場合には、図1のように一部を折り曲げて配設することで、室内全体の温度上昇を検知できるようにしてある。
なお、図示しないが、熱感知器110には、警報および火災表示用の受信機が接続され、この受信機には、複数の熱感知器110が接続されている。
空気管式熱感知器を用いた火災報知装置101は、天井等の屋内に空気管120を張り巡らせることで、文化財の美観を損ねることを抑制している。しかしながら、熱感知タイプの火災検知手法は、煙検知タイプの火災検知手法に比べ、火災の検知までに時間がかかってしまうという課題がある。
そこで、次に、図1(b)に示したリニューアル後の、吸引式煙感知器を用いた火災報知装置について説明する。吸引式煙感知器を用いた火災報知装置1は、煙感知器10、サンプリング管20、およびポンプ30を備えて構成されている。
サンプリング管20は、火災の監視対象である例えば文化財の、天井等の屋内に、閉ループを形成するように張り巡らせているとともに、監視対象で発生する煙を吸い込むための穴21が設けられている。
本実施の形態1では、図1(a)で示した既設の空気管120に対して、複数箇所に穴21をあけることで、空気管120を流用してサンプリング管20を形成することができる。
穴21の形状は、特に正円である必要はない。例えば、楕円形状でもよく、目詰まりを防止できる程度の開口を有する、一方向に長いスリット形状であることが望ましい。これは、空気管式熱感知器として使用される空気管120の管径が非常に小さいためである。
煙感知器10の後段に設けられたポンプ30は、サンプリング管20内の空気を吸引し、煙感知器10に取り込む役目を果たす。このポンプ30の働きにより、煙感知器10は、サンプリング管20に設けられた複数の穴21を介して、監視対象の空気を取得し、取得した空気に煙の粒子が含まれているか否かを感知することで、煙発生の有無を判断できる。なお、ポンプ30の位置は、図では煙感知器10の後段であるが、ポンプ30の位置は、前段であってもよい。
ここで、煙感知器10とポンプ30とをまとめて、吸引式煙感知器と称することもできる。なお、煙感知器10は、上述した図示しない受信機に接続され、煙感知器10を所定濃度以上の煙を感知したときには、この受信機で火災が発生したことを警報するとともに、火災が発生した場所を表示する。
ポンプ30は、この受信機または図示しない制御盤、もしくは煙感知器10を収容した筐体内にある制御部からの信号によって、逆回転をさせることが可能である。これは、空気管120が細いことから、穴21が目詰まりしたときの対策であり、定期的にポンプ30を逆回転させることで、穴21に詰まった塵埃などを吹き飛ばして、穴21から正しく室内の空気をサンプリングできるようにする。
ポンプ30の逆回転は、空気を吸い込む正回転よりも大きい回転速度で行われ、例えば、受信機等に設けたタイマ制御により、1日に1回定まった時刻に所定時間だけ逆回転が行われる。
次に、空気管および空気管式熱感知器を備えた既設の火災報知装置100を、吸引式煙感知器を備えた新たな火災報知装置1に改修する具体的な手順について、フローチャートを用いて説明する。
図2は、本発明の実施の形態1において、既設の火災報知装置100から吸引式煙感知器を備えた新たな火災報知装置1に改修するためのリニューアル手順を示したフローチャートである。ここでは、図1(a)に示した既設の火災報知装置100を、図1(b)に示したリニューアル後の火災報知装置1に改修する場合を例に、具体的に説明する。
まず、ステップS201において、作業者は、空気管式熱感知器に相当する熱感知器110に接続されている空気管120を残し、空気管120の基端部121から熱感知器110を取り外す。
次に、ステップS202において、作業者は、既設の空気管120を、煙感知器10に接続されるサンプリング管20に変更するために、空気管120の複数箇所に対して、煙を吸引するための穴21をあける。ここで、複数の穴21は、図1(b)に示すように、空気管120の長さ方向に対して等ピッチであけられる必要はなく、監視空間内でほぼ均等に配置されるようにあけられる。すなわち、室内の中央部分に設けられる空気管120が折り返されて二重にわたった配設される部分には、一方の空気管120の部分にのみ穴21が設けられる。
このような作業の結果、美観を損なわないように配置された既設の空気管120を利用して、煙吸引用のサンプリング管20を得ることができる。
次に、ステップS203において、作業者は、先のステップS202で作成されたサンプリング管20の基端部に、煙感知器10およびポンプ30で構成された吸引式煙感知器を取り付ける。なお、熱感知器110の場合には、空気管120の端部を両方とも熱感知器110に接続して閉ループとする必要があるが、煙感知器10の場合には、サンプリング管20の一方の端部を煙感知器10に接続すれば十分である。
このように、ステップS201~ステップS203の一連処理を行うことで、例えば、重要文化財の建物に既に設置されていた空気管120を利用して、煙の有無に基づく火災感知ができる装置に改修することができる。この結果、本実施の形態1に係る火災報知装置の改修方法、および火災報知装置は、以下のような効果を実現できる。
効果1:感知器が目立たないという美観上の効果を維持することができる。
効果2:火災の感知方式を、熱感知から煙感知に変更することで、従来に比べ、建物内の火災検知を迅速化することが可能となる。
効果3:流用可能な既存部品を活用することで、改修期間および改修コストの低減を図ることができる。
従って、本実施の形態1によれば、空気管式熱感知器を用いた既設の火災報知装置から、吸引式煙感知器を用いた火災報知装置にリニューアルすることに適した、火災報知装置の改修方法、および火災報知装置を得ることができる。
1 火災報知装置、10 煙感知器、20 サンプリング管、21 穴、30 ポンプ。

Claims (4)

  1. 空気管および空気管式熱感知器を備えた既設の火災報知装置を、吸引式煙感知器を備えた新たな火災報知装置に改修する火災報知装置の改修方法であって、
    前記空気管式熱感知器に接続されている前記空気管を残し、前記空気管の基端部から前記空気管式熱感知器を取り外す第1ステップと、
    前記空気管を前記吸引式煙感知器に接続されるサンプリング管に変更するために、前記空気管に対して煙を吸引するための穴をあける第2ステップと、
    前記空気管の前記基端部に、吸引式煙感知器を取り付ける第3ステップと
    を有する
    火災報知装置の改修方法。
  2. 熱感知タイプの火災報知装置で使用される空気管に対して、煙を吸引するための穴を設けることで形成されたサンプリング管と、
    前記サンプリング管の基端部に接続され、前記サンプリング管を介して吸引された空気に基づいて煙が発生しているか否かを感知する吸引式煙感知器と
    を備える火災報知装置。
  3. 前記煙を吸引するための穴は、目詰まりを防止できる程度の開口を有する、一方向に長いスリット形状である
    請求項2に記載の火災報知装置。
  4. 前記サンプリング管内の空気を吸引し、前記吸引式煙感知器に取り込む役目を果たすポンプを設け、前記ポンプをタイマ制御により、定期的に所定時間だけ逆回転させる
    請求項2または3に記載の火災報知装置。
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