JP2022081990A - 位相差層付偏光板およびそれを用いた有機エレクトロルミネセンス表示装置 - Google Patents

位相差層付偏光板およびそれを用いた有機エレクトロルミネセンス表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】有機EL表示装置に適用した場合に脱色が顕著に抑制される位相差層付偏光板を提供する。【解決手段】位相差層付偏光板100は、偏光子11と、前記偏光子の片側に配置され、位相差層20を含むブロック層30と、を有し、前記ブロック層のアンモニアガスの透過量は70g/m2・24h以下である。【選択図】図1

Description

本発明は、位相差層付偏光板およびそれを用いた有機エレクトロルミネセンス(EL)表示装置に関する。
近年、薄型ディスプレイの普及と共に、有機ELパネルを搭載したディスプレイ(有機EL表示装置)が提案されている。有機ELパネルは反射性の高い金属層を有するため、外光反射や背景の映り込み等の問題を生じやすい。そこで、円偏光板を視認側に設けることにより、これらの問題を防ぐことが知られている(例えば、特許文献1および特許文献2)。しかし、有機EL表示装置に設けられた円偏光板は、脱色しやすいという問題がある。
特開2002-372622号公報 特許第3325560号公報
本発明は上記従来の課題を解決するためになされたものであり、その主たる目的は、有機EL表示装置に適用した場合に脱色が顕著に抑制される位相差層付偏光板を提供することにある。
本発明の実施形態によれば、位相差層付偏光板が提供される。この位相差層付偏光板は、偏光子と、前記偏光子の片側に配置され、位相差層を含むブロック層と、を有し、前記ブロック層のアンモニアガスの透過量は70g/m・24h以下である。
1つの実施形態においては、上記位相差層のアンモニアガスの透過量は70g/m・24h以下である。
1つの実施形態においては、上記ブロック層は上記偏光子の保護層を含む。
1つの実施形態においては、上記保護層のアンモニアガスの透過量は70g/m・24h以下である。
1つの実施形態においては、上記位相差層付偏光板は、上記偏光子のもう片側に配置される保護層を有する。
1つの実施形態においては、上記偏光子の単体透過率は40%以上45%以下である。
1つの実施形態においては、上記位相差層のRe(450)/Re(550)は0.8以上1未満である。
1つの実施形態においては、上記偏光子の厚みは10μm以下である。
1つの実施形態においては、上記位相差層付偏光板の厚みは150μm以下である。
本発明の別の局面によれば、有機エレクトロルミネセンス表示装置が提供される。この有機エレクトロルミネセンス表示装置は、上記の位相差層付偏光板を有する。
本発明の実施形態によれば、位相差層付偏光板において、偏光子の片側に所定のアンモニアガスの透過量を満足する層を設けることにより、有機EL表示装置に適用した場合に脱色が顕著に抑制される位相差層付偏光板を実現することができる。
本発明の1つの実施形態による位相差層付偏光板の概略の構成を示す模式的な断面図である。 本発明の1つの実施形態による有機EL表示装置において、有機ELパネルに位相差層付偏光板が配置された状態の概略を示す模式的な断面図である。
以下、本発明の実施形態について説明するが、本発明はこれらの実施形態には限定されない。
(用語および記号の定義)
本明細書における用語および記号の定義は下記の通りである。
(1)屈折率(nx、ny、nz)
「nx」は面内の屈折率が最大になる方向(すなわち、遅相軸方向)の屈折率であり、「ny」は面内で遅相軸と直交する方向(すなわち、進相軸方向)の屈折率であり、「nz」は厚み方向の屈折率である。
(2)面内位相差(Re)
「Re(λ)」は、23℃における波長λnmの光で測定した面内位相差である。例えば、「Re(550)」は、23℃における波長550nmの光で測定した面内位相差である。Re(λ)は、層(フィルム)の厚みをd(nm)としたとき、式:Re(λ)=(nx-ny)×dによって求められる。
(3)厚み方向の位相差(Rth)
「Rth(λ)」は、23℃における波長λnmの光で測定した厚み方向の位相差である。例えば、「Rth(550)」は、23℃における波長550nmの光で測定した厚み方向の位相差である。Rth(λ)は、層(フィルム)の厚みをd(nm)としたとき、式:Rth(λ)=(nx-nz)×dによって求められる。
(4)Nz係数
Nz係数は、Nz=Rth/Reによって求められる。
(5)角度
本明細書において角度に言及するときは、当該角度は基準方向に対して時計回りおよび反時計回りの両方を包含する。したがって、例えば「45°」は±45°を意味する。
A.位相差層付偏光板
図1は、本発明の1つの実施形態による位相差層付偏光板の概略の構成を示す模式的な断面図である。位相差層付偏光板100は、偏光子11と、偏光子11の視認側に配置された保護層(視認側保護層)12と、偏光子11の視認側とは反対側に配置されたブロック層30とを有する。ブロック層30は、視認側から、偏光子11の保護層(内側保護層)13と位相差層20とをこの順に含む。このように、偏光子11の視認側とは反対側に保護層13が配置されているが、保護層13は目的等に応じて省略されてもよい。具体的には、ブロック層30は、保護層13を含まなくてもよい。例えば、位相差層20が樹脂フィルムの延伸フィルムで構成され、偏光子の保護層を兼ねることができる場合には、保護層13は省略されてもよい。一方、位相差層20が液晶化合物の配向固化層である場合には、代表的には、保護層13は配置される。位相差層20は、単一層であってもよいし、二層以上が積層された積層構造を有していてもよい。なお、偏光子と保護層との積層体を偏光板と称する。図示例においては、偏光板10は、偏光子11と保護層12,13とを有する。
位相差層付偏光板の厚み(視認側保護層から位相差層までの厚み)は、好ましくは150μm以下、より好ましくは120μm以下であり、さらに好ましくは100μm以下であり、特に好ましくは80μm以下である。位相差層付偏光板の厚みの下限は、好ましくは20μmであり、より好ましくは45μmである。このような位相差層付偏光板は、例えば、優れた可撓性および折り曲げ耐久性を有し得る。その結果、位相差層付偏光板は、湾曲、屈曲、折り曲げ、巻き取りなどが可能な有機EL表示装置に適用され得る。
図示しないが、位相差層付偏光板は、その他の機能層をさらに有していてもよい。位相差層付偏光板が有し得る機能層の種類、特性、数、組み合わせ、配置等は、目的に応じて適切に設定され得る。例えば、位相差層付偏光板は、導電層または導電層付等方性基材をさらに有していてもよい。導電層または導電層付等方性基材を有する位相差層付偏光板は、例えば、有機ELパネル内部にタッチセンサが組み込まれた有機EL表示装置に適用される。別の例としては、位相差層付偏光板は、その他の位相差層をさらに有していてもよい。その他の位相差層の光学的特性(例えば、屈折率特性、面内位相差、Nz係数、光弾性係数)、厚み、配置等は、目的に応じて適切に設定され得る。具体例として、偏光板10の視認側には、偏光サングラスを介して視認する場合の視認性を改善するその他の位相差層(代表的には、(楕)円偏光機能を付与する層、超高位相差を付与する層)が設けられていてもよい。このような層を有することにより、偏光サングラス等の偏光レンズを介して表示画面を視認した場合でも、優れた視認性を実現することができる。したがって、得られる偏光板(位相差層付偏光板)は、屋外で用いられ得る画像表示装置にも好適に適用され得る。
位相差層付偏光板を構成する各部材は、任意の適切な接着層(図示せず)を介して積層され得る。接着層の具体例としては、接着剤層、粘着剤層が挙げられる。具体的には、位相差層20は、接着剤層を介して(好ましくは、活性エネルギー線硬化型接着剤を用いて)偏光子11または保護層13に貼り合わせられてもよいし、粘着剤層(例えば、アクリル系粘着剤)を介して偏光子11または保護層13に貼り合わせられてもよい。位相差層20が二層以上の積層構造を有する場合、それぞれの位相差層は、例えば、接着剤層を介して(好ましくは、活性エネルギー線硬化型接着剤を用いて)貼り合わせられている。ブロック層30は、偏光子11と位相差層20との間に配置される接着層を含んでいてもよい。
図示しないが、実用的には、位相差層20の偏光子11が配置われている側とは反対側に(具体的には、視認側とは反対側の最外層として)粘着剤層が設けられ、位相差層付偏光板は有機ELパネル本体に貼り付け可能とされている。さらに、粘着剤層の表面には、位相差層付偏光板が使用に供されるまで、剥離フィルム(セパレーター)が仮着されていることが好ましい。剥離フィルムを仮着することにより、粘着剤層を保護するとともに、位相差層付偏光板のロール形成が可能となる。
位相差層付偏光板は、長尺状であってもよいし、枚葉状であってもよい。ここで、「長尺状」とは、幅に対して長さが十分に長い細長形状をいい、例えば、幅に対して長さが10倍以上、好ましくは20倍以上の細長形状をいう。長尺状の位相差層付偏光板は、ロール状に巻回可能である。
A-1.ブロック層
ブロック層30は、そのアンモニアガスの透過量が70g/m・24h以下であり、好ましくは60g/m・24h以下であり、より好ましくは50g/m・24h以下であり、さらに好ましくは40g/m・24h以下であり、特に好ましくは30g/m・24h以下である。このようなブロック層を設けることにより、脱色を顕著に抑制することができる。本発明者らは、位相差層付偏光板を有機EL表示装置に適用した場合に、位相差層付偏光板が脱色するという新たな課題に直面し、当該課題について鋭意検討した結果、脱色の原因は、有機ELパネルを構成する部材に由来するアンモニア(実質的には、アンモニウムイオン)であることを発見した。このようなブロック層30により、偏光子11に到達するアンモニアをできる限り遮断することにより、脱色を顕著に抑制することができる。具体的には、偏光子に含まれる二色性物質(代表的には、ヨウ素錯体)の分解が抑制され得る。ブロック層30のアンモニアガスの透過量は、例えば3.0g/m・24h以上である。
上記ブロック層30のアンモニアガスの透過量は、ブロック層30に含まれる少なくとも1つの層が満足していてもよいし、ブロック層30に含まれる2以上の層の組み合わせにより満足していてもよい。具体的には、上記ブロック層30のアンモニアガスの透過量は、偏光子11の保護層13により達成してもよいし、位相差層20により達成してもよいし、上記接着層(例えば、粘着剤層)により達成してもよいし、これらの組み合わせにより達成してもよい。1つの実施形態においては、位相差層20および保護層13の両方、または、いずれか一方のアンモニアガスの透過量は、70g/m・24h以下である。
上記アンモニアガスの透過量は、アンモニア水溶液の透過量と水の透過量を測定し、これらの差から求めることができる。
A-2.偏光子
上記偏光子は、代表的には、二色性物質(代表的には、ヨウ素)を含むフィルムである。
偏光子の厚みは、例えば、薄型化の観点から、好ましくは15μm以下であり、より好ましくは12μm以下であり、さらに好ましくは10μm以下であり、特に好ましくは8μm以下である。一方、偏光子の厚みは、好ましくは1μm以上であり、より好ましくは2μm以上であり、さらに好ましくは3μm以上である。偏光子の厚みがこのような範囲であれば、加熱時のカールを良好に抑制することができ、および、良好な加熱時の外観耐久性が得られる。
偏光子は、好ましくは、波長380nm~780nmのいずれかの波長で吸収二色性を示す。偏光子の単体透過率は、例えば40.0%以上であり、好ましくは41.5%以上であり、より好ましくは43.0%以上であり、さらに好ましくは44.5%以上である。一方、単体透過率は、例えば46.0%以下であり、45.0%以下であってもよい。偏光子の偏光度は、好ましくは97.0%以上であり、より好ましくは99.0%以上であり、さらに好ましくは99.9%以上である。
偏光子は、任意の適切な方法で作製され得る。具体的には、偏光子は、単層の樹脂フィルムから作製してもよいし、二層以上の積層体を用いて作製してもよい。
上記単層の樹脂フィルムから偏光子を製造する方法は、代表的には、樹脂フィルムに、ヨウ素や二色性染料等の二色性物質による染色処理と延伸処理とを施すことを含む。樹脂フィルムとしては、例えば、ポリビニルアルコール(PVA)系フィルム、部分ホルマール化PVA系フィルム、エチレン・酢酸ビニル共重合体系部分ケン化フィルム等の親水性高分子フィルムが用いられる。好ましくは、光学特性に優れることから、PVA系フィルムをヨウ素で染色し一軸延伸して偏光子を得る。
上記ヨウ素による染色は、例えば、PVA系フィルムをヨウ素水溶液に浸漬することにより行われる。上記一軸延伸の延伸倍率は、好ましくは3~7倍である。延伸は、染色後に行ってもよいし、染色しながら行ってもよい。また、延伸してから染色してもよい。必要に応じて、PVA系フィルムに、膨潤処理、架橋処理、洗浄処理、乾燥処理等が施される。例えば、染色の前にPVA系フィルムを水に浸漬して水洗することで、PVA系フィルム表面の汚れやブロッキング防止剤を洗浄することができるだけでなく、PVA系フィルムを膨潤させて染色ムラなどを防止することができる。
上記積層体を用いて得られる偏光子の具体例としては、樹脂基材と当該樹脂基材に積層されたPVA系樹脂層(PVA系樹脂フィルム)との積層体、あるいは、樹脂基材と当該樹脂基材に塗布形成されたPVA系樹脂層との積層体を用いて得られる偏光子が挙げられる。樹脂基材と当該樹脂基材に塗布形成されたPVA系樹脂層との積層体を用いて得られる偏光子は、例えば、PVA系樹脂溶液を樹脂基材に塗布し、乾燥させて樹脂基材上にPVA系樹脂層を形成して、樹脂基材とPVA系樹脂層との積層体を得ること;当該積層体を延伸および染色してPVA系樹脂層を偏光子とすること;により作製され得る。本実施形態においては、好ましくは、樹脂基材の片側に、ハロゲン化物とポリビニルアルコール系樹脂とを含むポリビニルアルコール系樹脂層を形成する。延伸は、代表的には積層体をホウ酸水溶液中に浸漬させて延伸することを含む。さらに、延伸は、必要に応じて、ホウ酸水溶液中での延伸の前に積層体を高温(例えば、95℃以上)で空中延伸することをさらに含み得る。加えて、本実施形態においては、好ましくは、積層体は、長手方向に搬送しながら加熱することにより幅方向に2%以上収縮させる乾燥収縮処理に供される。代表的には、本実施形態の製造方法は、積層体に、空中補助延伸処理と染色処理と水中延伸処理と乾燥収縮処理とをこの順に施すことを含む。補助延伸を導入することにより、熱可塑性樹脂上にPVAを塗布する場合でも、PVAの結晶性を高めることが可能となり、高い光学特性を達成することが可能となる。また、同時にPVAの配向性を事前に高めることで、後の染色工程や延伸工程で水に浸漬された時に、PVAの配向性の低下や溶解などの問題を防止することができ、高い光学特性を達成することが可能になる。さらに、PVA系樹脂層を液体に浸漬した場合において、PVA系樹脂層がハロゲン化物を含まない場合に比べて、ポリビニルアルコール分子の配向の乱れ、および配向性の低下が抑制され得る。これにより、染色処理および水中延伸処理など、積層体を液体に浸漬して行う処理工程を経て得られる偏光子の光学特性を向上し得る。さらに、乾燥収縮処理により積層体を幅方向に収縮させることにより、光学特性を向上させることができる。得られた樹脂基材/偏光子の積層体はそのまま用いてもよく(すなわち、樹脂基材を偏光子の保護層としてもよく)、樹脂基材/偏光子の積層体から樹脂基材を剥離した剥離面に、もしくは、剥離面とは反対側の面に目的に応じた任意の適切な保護層を積層して用いてもよい。このような偏光子の製造方法の詳細は、例えば特開2012-73580号公報、特許第6470455号に記載されている。これらの公報は、その全体の記載が本明細書に参考として援用される。
A-3.保護層
上記保護層は、偏光子の保護層として使用できる任意の適切なフィルムで構成される。保護層を構成する材料としては、例えば、トリアセチルセルロース(TAC)等のセルロース系樹脂、ポリノルボルネン等のシクロオレフィン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル系樹脂、ポリエチレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂が挙げられる。(メタ)アクリル系樹脂の代表例としては、ラクトン環構造を有する(メタ)アクリル系樹脂が挙げられる。ラクトン環構造を有する(メタ)アクリル系樹脂は、例えば、特開2000-230016号公報、特開2001-151814号公報、特開2002-120326号公報、特開2002-254544号公報、特開2005-146084号公報に記載されている。これらの公報は、本明細書に参考として援用されている。
位相差層付偏光板は、代表的には有機EL表示装置の視認側に配置され、視認側保護層12には、必要に応じて、ハードコート処理、反射防止処理、スティッキング防止処理、アンチグレア処理等の表面処理が施されていてもよい。
視認側保護層12の厚みは、適切に設定され得る。視認側保護層12の厚みは、好ましくは10μm~80μmであり、より好ましくは15μm~70μmであり、さらに好ましくは20μm~50μmである。なお、表面処理が施されている場合、視認側保護層12の厚みは、表面処理層の厚みを含めた厚みである。
1つの実施形態においては、保護層13のアンモニアガスの透過量は、70g/m・24h以下であり、好ましくは60g/m・24h以下であり、より好ましくは50g/m・24h以下であり、さらに好ましくは40g/m・24h以下であり、特に好ましくは30g/m・24h以下である。この場合、保護層13を構成する材料としては、好ましくは、セルロース系樹脂、シクロオレフィン系樹脂およびポリエステル系樹脂から選択される少なくとも1つが用いられる。
1つの実施形態においては、保護層13は、光学的に等方性であることが好ましい。本明細書において「光学的に等方性である」とは、面内位相差Re(550)が0nm~10nmであり、厚み方向の位相差Rth(550)が-10nm~+10nmであることをいう。保護層13の厚みは、例えば、所望のアンモニアガスの透過量に応じて適切に設定され得る。保護層13の厚みは、好ましくは10μm~80μmであり、より好ましくは20μm~70μmであり、さらに好ましくは30μm~50μmである。位相差層20が樹脂フィルムの延伸フィルムである場合、例えば、薄型化の観点から、保護層13を省略してもよい。
A-4.位相差層
位相差層20は、単一層であってもよく、積層構造(実質的には、二層構造)を有していてもよい。
位相差層20が単一層である場合、位相差層20は代表的にはλ/4板として機能し得る。位相差層は、代表的には、有機EL表示装置に反射防止特性を付与するために設けられる。位相差層は、代表的には、屈折率特性がnx>ny=nzの関係を示す。位相差層の面内位相差Re(550)は、好ましくは100nm~190nmであり、より好ましくは110nm~170nmであり、さらに好ましくは120nm~160nmである。なお、ここで「ny=nz」はnyとnzが完全に等しい場合だけではなく、実質的に等しい場合を包含する。したがって、本発明の効果を損なわない範囲で、ny>nzまたはny<nzとなる場合があり得る。
位相差層のNz係数は、好ましくは0.9~1.5であり、より好ましくは0.9~1.3である。このような関係を満たすことにより、非常に優れた反射色相を有する有機EL表示装置が得られ得る。
位相差層が単一層である場合、位相差層は、好ましくは、位相差値が測定光の波長に応じて大きくなる逆分散波長特性を示す。この場合、位相差層のRe(450)/Re(550)は、好ましくは0.8以上1未満であり、より好ましくは0.8以上0.95以下である。このような構成であれば、非常に優れた反射防止特性を実現することができる。
位相差層の遅相軸と偏光子の吸収軸とのなす角度は、好ましくは40°~50°であり、より好ましくは42°~48°であり、さらに好ましくは約45°である。角度がこのような範囲であれば、上記のように位相差層をλ/4板とすることにより、非常に優れた反射防止特性を有する有機EL表示装置が得られ得る。
位相差層は、上記のような特性を満足し得る限りにおいて、任意の適切な材料で構成され得る。具体的には、位相差層は、樹脂フィルムの延伸フィルムであってもよく、液晶化合物の配向固化層(以下、液晶配向固化層)であってもよい。
位相差層が樹脂フィルムの延伸フィルムである場合、樹脂フィルムを構成する樹脂の代表例としては、ポリカーボネート系樹脂またはポリエステルカーボネート系樹脂(以下、単にポリカーボネート系樹脂と称する場合がある)が挙げられる。ポリカーボネート系樹脂としては、所望の透湿度が得られる限りにおいて、任意の適切なポリカーボネート系樹脂を用いることができる。例えば、ポリカーボネート系樹脂は、フルオレン系ジヒドロキシ化合物に由来する構造単位と、イソソルビド系ジヒドロキシ化合物に由来する構造単位と、脂環式ジオール、脂環式ジメタノール、ジ、トリまたはポリエチレングリコール、ならびに、アルキレングリコールまたはスピログリコールからなる群から選択される少なくとも1つのジヒドロキシ化合物に由来する構造単位と、を含む。好ましくは、ポリカーボネート系樹脂は、フルオレン系ジヒドロキシ化合物に由来する構造単位と、イソソルビド系ジヒドロキシ化合物に由来する構造単位と、脂環式ジメタノールに由来する構造単位ならびに/あるいはジ、トリまたはポリエチレングリコールに由来する構造単位と、を含み;さらに好ましくは、フルオレン系ジヒドロキシ化合物に由来する構造単位と、イソソルビド系ジヒドロキシ化合物に由来する構造単位と、ジ、トリまたはポリエチレングリコールに由来する構造単位と、を含む。ポリカーボネート系樹脂は、必要に応じてその他のジヒドロキシ化合物に由来する構造単位を含んでいてもよい。位相差層は、上記のようなポリカーボネート系樹脂で構成されるフィルムを、任意の適切な延伸条件で延伸することにより形成され得る。なお、ポリカーボネート系樹脂および位相差層の形成方法の詳細は、例えば、特開2014-10291号公報、特開2014-26266号公報、特開2015-212816号公報、特開2015-212817号公報、特開2015-212818号公報、特開2017-54093号公報、特開2018-60014号公報に記載されている。これらの公報の記載は本明細書に参考として援用される。
位相差層が液晶配向固化層である場合、液晶化合物を用いることにより、得られる位相差層のnxとnyとの差を非液晶材料に比べて格段に大きくすることができるので、所望の面内位相差を得るための位相差層の厚みを格段に小さくすることができる。その結果、位相差層付偏光板(結果として、有機EL表示装置)のさらなる薄型化を実現することができる。本明細書において「配向固化層」とは、液晶化合物が層内で所定の方向に配向し、その配向状態が固定されている層をいう。なお、「配向固化層」は、液晶モノマーを硬化させて得られる配向硬化層を包含する概念である。本実施形態においては、代表的には、棒状の液晶化合物が位相差層の遅相軸方向に並んだ状態で配向している(ホモジニアス配向)。液晶化合物の具体例および液晶配向固化層の形成方法の詳細は、例えば、特開2006-163343号公報、特開2006-178389号公報に記載されている。これらの公報の記載は本明細書に参考として援用される。
位相差層の厚みは、代表的には、λ/4板として適切に機能し得る厚みに設定され得る。位相差層が樹脂フィルムの延伸フィルムである場合、位相差層の厚みは、例えば10μm~60μmであり得る。位相差層が液晶配向固化層である場合、位相差層の厚みは、例えば1μm~5μmであり得る。
位相差層20が積層構造を有する場合、位相差層は、代表的には、第1の液晶配向固化層と第2の液晶配向固化層の2層構造を有する。この場合、第1の液晶配向固化層または第2の液晶配向固化層のいずれか一方はλ/2板として機能し得、他方はλ/4板として機能し得る。ここでは、第1の液晶配向固化層がλ/2板として機能し得、第2の液晶配向固化層がλ/4板として機能し得る場合を説明するが、これらは逆であってもよい。第1の液晶配向固化層の厚みは、λ/2板の所望の面内位相差が得られるよう調整され得、例えば2.0μm~4.0μmであり得る。第2の液晶配向固化層の厚みは、λ/4板の所望の面内位相差が得られるよう調整され得、例えば1.0μm~2.5μmであり得る。第1の液晶配向固化層の面内位相差Re(550)は、好ましくは200nm~300nmであり、より好ましくは230nm~290nmであり、さらに好ましくは250nm~280nmである。第2の液晶配向固化層の面内位相差Re(550)は、上記のとおり、好ましくは100nm~190nmであり、より好ましくは110nm~170nmであり、さらに好ましくは120nm~160nmである。第1の液晶配向固化層の遅相軸と偏光子の吸収軸とのなす角度は、好ましくは10°~20°であり、より好ましくは12°~18°であり、さらに好ましくは約15°である。第2の液晶配向固化層の遅相軸と偏光子の吸収軸とのなす角度は、好ましくは70°~80°であり、より好ましくは72°~78°であり、さらに好ましくは約75°である。このような構成であれば、理想的な逆波長分散特性に近い特性を得ることが可能であり、結果として、非常に優れた反射防止特性を実現することができる。
1つの実施形態においては、位相差層20のアンモニアガスの透過量は、70g/m・24h以下であり、好ましくは60g/m・24h以下であり、より好ましくは50g/m・24h以下であり、さらに好ましくは40g/m・24h以下であり、特に好ましくは30g/m・24h以下である。この場合、位相差層20として、好ましくは、上記樹脂フィルムの延伸フィルムが用いられる。樹脂フィルムの延伸フィルムである位相差層20と組み合わせる保護層13の構成材料として、シクロオレフィン系樹脂およびポリエステル系樹脂から選択される少なくとも1つを用いることが好ましい。このような組み合わせによれば、脱色が極めて顕著に抑制され得る。
液晶配向固化層である位相差層20と組み合わせる保護層13の構成材料として、セルロース系樹脂を用いることが好ましい。このような組み合わせによれば、脱色が極めて顕著に抑制され得る。
B.有機EL表示装置
上記位相差層付偏光板は、有機EL表示装置に適用され得る。したがって、本発明の実施形態による有機EL表示装置は、上記位相差層付偏光板を有する。
図2は、本発明の1つの実施形態による有機EL表示装置において、有機ELパネルに位相差層付偏光板が配置された状態の概略を示す模式的な断面図である。位相差層付偏光板100は、そのブロック層30が偏光子11よりも有機ELパネル本体40側となるように配置されている。具体的には、有機ELパネル本体40に位相差層付偏光板100が粘着剤層(図示せず)を介して貼り付けられている。有機ELパネル本体40は、基板60と、薄膜トランジスタ(TFT)等を含む回路層、有機発光ダイオード(OLED)、OLEDを封止する封止膜等を含む上部構造層80とを有する。上部構造層80には、例えば、窒素含有層(例えば、窒化物層)が含まれ、上部構造層80からアンモニア(アンモニアイオン)が生じ得る。上記位相差層付偏光板によれば、有機EL表示装置において、脱色が顕著に抑制され得る。また、有機ELパネル本体の構成を設計変更することなく、脱色の課題を解決し得る。
例えば、基板60として可撓性基板(例えば、樹脂基板)を用いる場合、得られる有機EL表示装置は、湾曲、屈曲、折り曲げ、巻き取りなどが実現され得る。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例によって限定されるものではない。各特性の測定方法は以下の通りである。なお、特に明記しない限り、実施例および比較例における「部」および「%」は重量基準である。
(1)厚み
10μm以下の厚みは、干渉膜厚計(大塚電子社製、製品名「MCPD-3000」)を用いて測定した。10μmを超える厚みは、デジタルマイクロメーター(アンリツ社製、製品名「KC-351C」)を用いて測定した。
(2)アンモニアガスの透過量
2つのカップA,Bを用意し、カップAには10%のアンモニア水溶液を150g入れ、カップBには水150gを入れ、直径6cmの円形に切り取った試験片(フィルム)で密閉し、この状態でカップA,Bを40℃に設定したオーブン内(大気圧下)に24時間静置し、静置前後のカップA,Bの重量変化を測定した。カップAの重量変化量(アンモニアガスと水の透過量)とカップBの重量変化量(水の透過量)との差を算出し、アンモニアガスの透過量(g/m・24h)を求めた。
[実施例1]
1.偏光子の作製
熱可塑性樹脂基材として、長尺状で、吸水率0.75%、Tg約75℃である、非晶質のイソフタル共重合ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚み:100μm)を用いた。樹脂基材の片面に、コロナ処理を施した。
ポリビニルアルコール(重合度4200、ケン化度99.2モル%)およびアセトアセチル変性PVA(日本合成化学工業社製、商品名「ゴーセファイマーZ410」)を9:1で混合したPVA系樹脂100重量部に、ヨウ化カリウム13重量部を添加したものを水に溶かし、PVA水溶液(塗布液)を調製した。
樹脂基材のコロナ処理面に、上記PVA水溶液を塗布して60℃で乾燥することにより、厚み13μmのPVA系樹脂層を形成し、積層体を作製した。
得られた積層体を、130℃のオーブン内で周速の異なるロール間で縦方向(長手方向)に2.4倍に自由端一軸延伸した(空中補助延伸処理)。
次いで、積層体を、液温40℃の不溶化浴(水100重量部に対して、ホウ酸を4重量部配合して得られたホウ酸水溶液)に30秒間浸漬させた(不溶化処理)。
次いで、液温30℃の染色浴(水100重量部に対して、ヨウ素とヨウ化カリウムを1:7の重量比で配合して得られたヨウ素水溶液)に、最終的に得られる偏光膜の単体透過率(Ts)が43.0%となるように濃度を調整しながら60秒間浸漬させた(染色処理)。
次いで、液温40℃の架橋浴(水100重量部に対して、ヨウ化カリウムを3重量部配合し、ホウ酸を5重量部配合して得られたホウ酸水溶液)に30秒間浸漬させた(架橋処理)。
その後、積層体を、液温70℃のホウ酸水溶液(ホウ酸濃度4.0重量%、ヨウ化カリウム5.0重量%)に浸漬させながら、周速の異なるロール間で縦方向(長手方向)に総延伸倍率が5.5倍となるように一軸延伸を行った(水中延伸処理)。
その後、積層体を液温20℃の洗浄浴(水100重量部に対して、ヨウ化カリウムを4重量部配合して得られた水溶液)に浸漬させた(洗浄処理)。
その後、90℃に保たれたオーブン中で乾燥しながら、表面温度が75℃に保たれたSUS製の加熱ロールに約2秒接触させた(乾燥収縮処理)。乾燥収縮処理による積層体の幅方向の収縮率は5.2%であった。
このようにして、樹脂基材上に厚み5μmの偏光子を形成した。
2.偏光板の作製
上記で得られた樹脂基材/偏光子の積層体の偏光子表面に、紫外線硬化型接着剤を介して、厚み25μmのTACフィルムを貼り合わせた。具体的には、硬化型接着剤の厚みが1.0μmになるように塗工し、ロール機を使用して貼り合わせた。その後、UV光線をTACフィルム側から照射して接着剤を硬化させた。次いで、偏光子から樹脂基材を剥離し、当該剥離面にシクロオレフィン系樹脂フィルム(厚み13μm、アンモニアガスの透過量54g/m・24h:以下、COPフィルム)を上記と同様にして貼り合わせた。このようにして、TACフィルム/偏光子/COPフィルムの構成を有する偏光板を得た。
3.位相差層を構成する位相差フィルムの作製
3-1.ポリエステルカーボネート系樹脂の重合
撹拌翼および100℃に制御された還流冷却器を具備した縦型反応器2器からなるバッチ重合装置を用いて重合を行った。ビス[9-(2-フェノキシカルボニルエチル)フルオレン-9-イル]メタン29.60質量部(0.046mol)、イソソルビド(ISB)29.21質量部(0.200mol)、スピログリコール(SPG)42.28質量部(0.139mol)、ジフェニルカーボネート(DPC)63.77質量部(0.298mol)及び触媒として酢酸カルシウム1水和物1.19×10-2質量部(6.78×10-5mol)を仕込んだ。反応器内を減圧窒素置換した後、熱媒で加温を行い、内温が100℃になった時点で撹拌を開始した。昇温開始40分後に内温を220℃に到達させ、この温度を保持するように制御すると同時に減圧を開始し、220℃に到達してから90分で13.3kPaにした。重合反応とともに副生するフェノール蒸気を100℃の還流冷却器に導き、フェノール蒸気中に若干量含まれるモノマー成分を反応器に戻し、凝縮しないフェノール蒸気は45℃の凝縮器に導いて回収した。第1反応器に窒素を導入して一旦大気圧まで復圧させた後、第1反応器内のオリゴマー化された反応液を第2反応器に移した。次いで、第2反応器内の昇温および減圧を開始して、50分で内温240℃、圧力0.2kPaにした。その後、所定の攪拌動力となるまで重合を進行させた。所定動力に到達した時点で反応器に窒素を導入して復圧し、生成したポリエステルカーボネート系樹脂を水中に押し出し、ストランドをカッティングしてペレットを得た。
3-2.位相差フィルムの作製
得られたポリエステルカーボネート系樹脂(ペレット)を80℃で5時間真空乾燥をした後、単軸押出機(東芝機械社製、シリンダー設定温度:250℃)、Tダイ(幅200mm、設定温度:250℃)、チルロール(設定温度:120~130℃)および巻取機を備えたフィルム製膜装置を用いて、厚み135μmの長尺状の樹脂フィルムを作製した。得られた長尺状の樹脂フィルムを、幅方向に、延伸温度133℃、延伸倍率2.8倍で延伸し、厚み47μmの位相差フィルムを得た。得られた位相差フィルムのRe(550)は141nmであり、Re(450)/Re(550)は0.82であり、Nz係数は1.12であった。また、得られた位相差フィルムのアンモニアガスの透過量は10g/m・24hであった。
4.粘着剤の調製
4-1.アクリル系ポリマーの調製
攪拌羽根、温度計、窒素ガス導入管、冷却器を備えた4つ口フラスコに、ブチルアクリレート91部、アクリロイルモルホリン(ACMO)6部、アクリル酸2.7部および4-ヒドロキシブチルアクリレート0.3部を含有するモノマー混合物を仕込んだ。さらに、このモノマー混合物100部に対して、重合開始剤として2,2’-アゾビスイソブチロニトリル0.1部を酢酸エチル100部と共に仕込み、緩やかに攪拌しながら窒素ガスを導入して窒素置換した後、フラスコ内の液温を55℃付近に保って8時間重合反応を行ってアクリル系ポリマー溶液を調製した。
4-2.粘着剤の調製
得られたアクリル系ポリマー溶液の固形分100部に対して、トリメチロールプロパン/トリレンジイソシアネート付加物(東ソー社製、商品名「コロネートL」)0.1部、過酸化物架橋剤(ベンゾイルパーオキサイド)0.3部およびエポキシ基含有シランカップリング剤(信越化学工業社製、商品名「KBM-403」)0.2部を配合して粘着剤を得た。得られた粘着剤(厚み20μm)のアンモニアガスの透過量は118g/m・24hであった。
5.位相差層付偏光板の作製
上記2.で得られた偏光板のCOPフィルム面に、上記3.で得られた位相差フィルムを、上記4.で得られた粘着剤(厚み20μm)を介して貼り合わせた。このとき、偏光子の吸収軸と位相差フィルムの遅相軸とが45°の角度をなすようにして貼り合わせた。このようにして、位相差層付偏光板を得た。
[実施例2]
偏光板の作製において、COPフィルムのかわりにPETフィルム(厚み30μm、アンモニアガスの透過量53g/m・24h)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、位相差層付偏光板を得た。
[実施例3]
偏光板の作製において、COPフィルムのかわりにTACフィルム(厚み25μm、アンモニアガスの透過量30g/m・24h)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、位相差層付偏光板を得た。
[実施例4]
偏光板の作製において、COPフィルムのかわりにラクトン環構造を有するアクリルフィルム(厚み20μm、アンモニアガスの透過量78g/m・24h)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、位相差層付偏光板を得た。
[実施例5]
偏光板の作製において、偏光子に紫外線硬化型接着剤を用いてCOPフィルムを貼り合わせなかったこと以外は実施例1と同様にして、位相差層付偏光板を得た。
[実施例6]
位相差層として、下記の液晶配向固化層を用いたこと以外は実施例1と同様にして、位相差層付偏光板を得た。
(位相差層を構成する液晶配向固化層の作製)
式(I)で表される化合物55部、式(II)で表される化合物25部、式(III)で表される化合物20部をシクロペンタノン(CPN)400部に加えた後、60℃に加温、撹拌して溶解させ、溶解が確認された後、室温に戻し、イルガキュア907(BASFジャパン株式会社製)3部、メガファックF-554(DIC株式会社製)0.2部、p-メトキシフェノール(MEHQ)0.1部を加えて、さらに撹拌を行い、溶液を得た。溶液は、透明で均一であった。得られた溶液を0.20μmのメンブランフィルターでろ過し、重合性組成物を得た。一方、配向膜用ポリイミド溶液を厚さ0.7mmのガラス基材にスピンコート法を用いて塗布し、100℃で10分乾燥した後、200℃で60分焼成することにより塗膜を得た。得られた塗膜をラビング処理し、配向膜を形成した。ラビング処理は、市販のラビング装置を用いて行った。基材(実質的には、配向膜)に、上記で得られた重合性組成物をスピンコート法で塗布し、100℃で2分乾燥した。得られた塗布膜を室温まで冷却した後、高圧水銀ランプを用いて、30mW/cmの強度で30秒間紫外線を照射して液晶配向固化層を得た。得られた液晶配向固化層の面内位相差Re(550)は130nmであり、Re(450)/Re(550)は0.851であり、液晶配向固化層は逆分散波長特性を示した。また、得られた液晶配向固化層のアンモニアガスの透過量は103g/m・24hであった。
Figure 2022081990000002
Figure 2022081990000003
[実施例7]
偏光板の作製において、COPフィルムのかわりにTACフィルム(厚み25μm、アンモニアガスの透過量30g/m・24h)を用いたこと、および、位相差層として上記液晶配向固化層を用い、偏光板への貼り合わせに際し、上記粘着剤を用いずに紫外線硬化型接着剤(厚み1.0μm)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、位相差層付偏光板を得た。
[比較例1]
偏光板の作製において、厚み25μmのTACフィルムのかわりに厚み40μmのTACフィルムを用い、COPフィルムのかわりにラクトン環構造を有するアクリルフィルム(厚み20μm、アンモニアガスの透過量78g/m・24h)を用いたこと、および、位相差層として、上記液晶配向固化層を用いたこと以外は実施例1と同様にして、位相差層付偏光板を得た。
[比較例2]
偏光板の作製において、厚み25μmのTACフィルムのかわりに厚み40μmのTACフィルムを用いたこと、および、位相差層として、上記液晶配向固化層を用いたこと以外は実施例5と同様にして、位相差層付偏光板を得た。
[比較例3]
偏光板の作製において、厚み25μmのTACフィルムのかわりにラクトン環構造を有するアクリルフィルム(厚み20μm)を用い、COPフィルムのかわりにラクトン環構造を有するアクリルフィルム(厚み20μm、アンモニアガスの透過量78g/m・24h)を用いたこと、および、位相差層として、上記液晶配向固化層を用いたこと以外は実施例1と同様にして、位相差層付偏光板を得た。
実施例および比較例について、下記の評価を行った。評価結果を位相差層付偏光板(ブロック層)の構成とともに表1にまとめる。
<評価>
〇単体透過率および偏光度
実施例および比較例の偏光板について、紫外可視分光光度計(大塚電子社製「LPF-2000」)を用いて測定した単体透過率Ts、平行透過率Tp、直交透過率Tcをそれぞれ、偏光子のTs、TpおよびTcとした。これらのTs、TpおよびTcは、JIS Z8701の2度視野(C光源)により測定して視感度補正を行なったY値である。得られたTpおよびTcから、下記式により偏光度Pを求めた。
偏光度P(%)={(Tp-Tc)/(Tp+Tc)}1/2×100
〇アンモニア脱色試験
ガラス瓶(直径30mm、深さ50mmの円筒状)に10%のアンモニア水溶液10gを入れ、実施例および比較例で得られた位相差層付偏光板でガラス瓶の開口部を覆って(位相差層が開口部に接して)密閉し、この状態でガラス瓶を65℃で2時間加熱した。加熱後、ガラス瓶の開口部に対応する箇所の偏光度を測定し、位相差層付偏光板(実質的には、偏光子)の加熱前の偏光度をP、加熱後の偏光度をP’として、下記式からΔPを算出した。ΔPが小さいほど、アンモニアによる脱色が抑制されていることを意味する。
ΔP=P-P’
Figure 2022081990000004
実施例においては、ΔPは20%を下回っており、アンモニアに曝されても偏光度がほとんど変化しない(脱色しない)位相差層付偏光板が得られる。一方、比較例においては、偏光度が大幅に減少しており、偏光機能がほとんど消失しているものも確認される。
本発明の位相差層付偏光板は、例えば、有機EL表示装置の反射防止用円偏光板として好適に用いられる。
10 偏光板
11 偏光子
12 保護層(視認側保護層)
13 保護層(内側保護層)
20 位相差層
30 ブロック層
100 位相差層付偏光板

Claims (10)

  1. 偏光子と、
    前記偏光子の片側に配置され、位相差層を含むブロック層と、
    を有し、
    前記ブロック層のアンモニアガスの透過量が70g/m・24h以下である、
    位相差層付偏光板。
  2. 前記位相差層のアンモニアガスの透過量が70g/m・24h以下である、請求項1に記載の位相差層付偏光板。
  3. 前記ブロック層が前記偏光子の保護層を含む、請求項1または2に記載の位相差層付偏光板。
  4. 前記保護層のアンモニアガスの透過量が70g/m・24h以下である、請求項3に記載の位相差層付偏光板。
  5. 前記偏光子のもう片側に配置される保護層を有する、請求項1から4のいずれかに記載の位相差層付偏光板。
  6. 前記偏光子の単体透過率が40%以上45%以下である、請求項1から5のいずれかに記載の位相差層付偏光板。
  7. 前記位相差層のRe(450)/Re(550)が0.8以上1未満である、請求項1から6のいずれかに記載の位相差層付偏光板。
  8. 前記偏光子の厚みが10μm以下である、請求項1から7のいずれかに記載の位相差層付偏光板。
  9. 厚みが150μm以下である、請求項1から8のいずれかに記載の位相差層付偏光板。
  10. 請求項1から9のいずれかに記載の位相差層付偏光板を有する、有機エレクトロルミネセンス表示装置。
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