JP2022081314A - バックライト - Google Patents

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量 田村
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Abstract

【課題】 高輝度の線状光源を用いた場合でも光学シートが劣化することを防止することが可能なバックライトを提供する。【解決手段】 遮光部材8は、ケース6bの内側の側面側に配置された第1端辺8a及び導光板3の上部に配置された第2端辺8bを含み、第1端辺8aと第2端辺8bとの間で、線状光源2から出射されて光学シートへ向かう直接光を遮光するように導光板3と光学シート5との間に配置される。複数の発光素子24から遮光部材8までの垂直方向の距離をH、複数の発光素子24を封止する封止材27の表面27aの直上から第2端辺8bまでの距離をDとした場合、H/Dが、1.0以下である。このようにH/Dを設定することによって、光学シート5を劣化させることなく、バックライトの高輝度化を達成することが可能となる。【選択図】 図6

Description

本発明は、バックライトに関する。
液晶ディスプレイ等の表示装置用の光源又はシーリングライト等の照明装置用の光源として、面状に光を照射するバックライトが用いられる。バックライトは、ケースの側面に配置された光源が出射する光を、導光板を用いて面状の光に変換してバックライトの主面から照射する、いわゆるエッジライト型のバックライトとして構成されることが一般的である。
エッジライト型のバックライトとして、複数(例えば、40個)の表面実装型の発光素子を予め決定されたピッチ(例えば、7.3mm)を以って予め決定された幅(例えば、4.0mm)で形成された基板がケースの側面に配置されたエッジライト型のバックライトが提案されている。
40個の表面実装型の発光素子が形成された基板がケースの側面に配置されたエッジライト型のバックライトの発光領域のサイズが293.8mm×111.4mmの場合、40個の表面実装型の発光素子に10Wの電力を供給したときの発光効率及び輝度はそれぞれ123lm/W及び14580cd/m2となる。
表面実装型の発光素子の輝度は、表面実装型の発光素子に供給する電力が35W以下であるときには、電力が大きくなるに従って上昇するが、表面実装型の発光素子に供給する電力が35Wより大きいときには、熱等の影響により上昇しなくなり、30000cd/m2を超えない。
一方、エッジライト型のバックライトとして、線状光源がケースの側面に配置されたエッジライト型のバックライトが提案されている(例えば、特許文献1)。線状光源は、発光領域を有する基板、発光領域に実装された複数(例えば、40個)の発光素子、複数の発光素子の周囲に配置された枠体、及び、枠体の内側で複数の発光素子を封止する封止材を含む。線状光源は、高輝度、例えば、30000cd/m2以上の輝度の光を出射することができる。
40個の発光素子を含む線状光源がケースの側面に配置されたエッジライト型のバックライトの発光領域のサイズが293.8mm×111.4mmの場合、線状光源に10Wの電力を供給したときの発光効率及び輝度はそれぞれ158lm/W及び19400cd/m2となる。
すなわち、発光効率は、エッジライト型のバックライトのケースの側面に配置される光源に表面実装型の発光素子を用いる場合に比べて29%高くなり、輝度は、エッジライト型のバックライトのケースの側面に配置される光源に表面実装型の発光素子を用いる場合に比べて33%高くなる。
したがって、線状光源がケースの側面に配置されたエッジライト型のバックライトの発光効率及び輝度は、表面実装型の発光素子が形成された基板がケースの側面に配置されたエッジライト型のバックライトよりも優れている。
特開2005-38771号公報
30000cd/m2以上の輝度、例えば、30000cd/m2以上且つ60000cd/m2以下の輝度の光を出射する線状光源を用いる場合、線状光源から出射する直接光によって拡散シート等の光学シートが短時間で変色して劣化してしまうことを本発明の発明者は発見した。これは、30000cd/m2を超えない輝度の光を出射する表面実装型の発光素子をエッジライト型のバックライトの光源として用いる場合には見られなかった現象である。光学シートが劣化すると、光学シートの光学性能が低下してしまう。
本発明の目的は、高輝度の線状光源を用いた場合でも光学シートが劣化することを防止することが可能なバックライトを提供することである。
本発明によるバックライトは、ケースと、発光領域を有する基板、発光領域に実装された複数の発光素子、複数の発光素子の周囲に配置された枠体、及び、枠体の内側で複数の発光素子を封止する封止材を含み、ケースの内側の側面に沿って配置された線状光源と、線状光源から出射された光を入射する入光面と、入光面から入射した光を出射する出光面とを含み、入光面を線状光源に対向させてケース内に配置された導光板と、出光面の全体を覆うように配置された光学シートと、ケースの内側の側面側に配置された第1端辺及び導光板の上部に配置された第2端辺を含み、第1端辺と第2端辺との間で、線状光源から出射されて光学シートへ向かう直接光を遮光するように導光板と光学シートとの間に配置された遮光部材と、を有し、複数の発光素子から遮光部材までの垂直方向の距離をH、封止材の表面の直上から第2端辺までの距離をDとした場合、H/Dが、1.0以下である、ことを特徴とする。
好適には、線状光源は、30000cd/m2以上且つ60000cd/m2以下の輝度の光を出射する。
好適には、光学シートは、偏光シートを含む。
好適には、本発明によるバックライトは、少なくとも、導光板、光学シート及び遮光部材を前記ケース内に収納するように、ケースとはめ合わされる枠部材を更に有する。
好適には、本発明によるバックライトは、線状光源から出射されて光学シートへ向かう直接光を遮光する遮光部材の面に配置された透光部材を更に有する。
本発明によれば、本発明によるバックライトは、バックライトに高輝度の線状光源を用いた場合でも光学シートが劣化することを防止することが可能である。
本発明に係る一実施形態のバックライトを模式的に示した斜視図である。 図1に示したバックライトの分解斜視図である。 線状光源の構成を模式的に示した図である。 バックライトの構成を模式的に示した平面図である。 図4に示したバックライトのB-B’’線に沿った断面図である。 図4に示したバックライトのB-B’線に沿った拡大断面図である。 線状光源が30000cd/m2の輝度の光を出射する場合の線状光源からの距離と光束量の関係を示すグラフである。 線状光源が45000cd/m2の輝度の光を出射する場合の線状光源からの距離と光束量の関係を示すグラフである。 線状光源が60000cd/m2の輝度の光を出射する場合の線状光源からの距離と光束量の関係を示すグラフである。 バックライトの変形例の拡大断面図である。
以下、本発明の好適な実施形態について図面を用いて説明する。なお、本発明は以下の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。また、各図において同一又は相当する機能を有するものは、同一符号を付し、その説明を省略又は簡潔にすることもある。
図1は、本発明に係る一実施形態のバックライト1を模式的に示した斜視図である。バックライト1は、不図示の外部電源からケーブル23を介して電力を供給され、枠部材6a上の発光面10から面状に光を照射する。バックライト1は、例えば、液晶ディスプレイ等の表示装置用の光源又はシーリングライト等の照明装置用の光源として用いられる。図1に示すバックライト1は、所定の方向に伸延した扁平な直方体の形状を有しているが、バックライト1の形状は用途に合わせて適宜決定されてよい。バックライト1の発光面10の形状も適宜決定されてよく、発光面10は、矩形状以外に、5角形以上の多角形又は楕円形等の形状を有してもよい。
図2は、図1に示したバックライト1の分解斜視図である。バックライト1は、線状光源2、導光板3、反射シート4、及び光学シート5等と、これらを収納するケース6bの他に枠部材6aを備える。まず、これらのバックライト1の構成要素について、図2を参照して簡単に説明した後、図3以降を参照してより詳細に説明する。
線状光源2は、その長手方向がケース6bの長手方向と一致するように、ケース6bの一つの内側の側面に沿って配置される。線状光源2は、基板20の長手方向にLED(Light-Emitting Diode)等が密集して並べて実装された発光領域21を有する。線状光源2は、ケーブル23を介して電力を供給され、30000cd/m2以上かつ45000cd/m2以下の輝度の光を、発光領域21から線状に出射する。バックライト1の中心部の輝度が100cd/m2のときの線状光源2の全光束量は1lm/mm2となる。
導光板3は、一つの主面を出光面32とし、また、少なくとも一つの側面を入光面31として、出光面32を上にしてケース6bに配置される。入光面31に平行な方向における入光面31の中間に線状光源2の発光領域21が配置され、線状光源2の発光領域21から出射した光は、入光面31から導光板3内へ入光する。導光板3の出光面32と反対側の下面には微細な凹凸構造が設けられており、入光面31から導光板3内へ入射した光は、この凹凸構造により進行方向を変えられて、出光面32から導光板3外へ出射する。導光板3は、例えば、ポリカーボネート又はアクリル等の樹脂、又は耐光性の高いガラス等を用いて形成される。
反射シート4は、導光板3とケース6bの間に配置される。導光板3の出光面32と反対側の下面から導光板3の外へ出射した光は、反射シート4で反射して導光板3内へ戻される。これにより、線状光源2が出射する光の利用効率が向上する。反射シート4は、例えば、アルミニウム、銀等の光反射率の高い金属を、ナイロン、液晶ポリマー、ポリエチレンテレフタレート等の樹脂に蒸着又は塗装して形成される。反射シート4の表面には、更に、増反射膜等がコーティングされてもよい。また、反射シート4として、光を反射しやすい白色のシート等が用いられてもよい。
光学シート5は、拡散シート、集光シート、偏光シート等、或いはこれらのシートの組み合わせで構成され、導光板3の出光面32の側に配置される。導光板3の出光面32から出射した光は、光学シート5によって各種の光学的効果が加えられた後、バックライト1の発光面10(図1参照)となる枠部材6aの窓61から面状に照射される。
光学シート5の例を挙げると、例えば、拡散シートは、導光板3の出光面32から出射する光を拡散させる。拡散シートは、例えば、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート又はアクリル等の樹脂に、シリカ粒子等を分散させて形成される。また、集光シートは、導光板3の出光面32から出射する光の配光分布を調整する。集光シートは、例えば、アクリル等の樹脂からなるプリズムシートが用いられる。また、偏光シートは、導光板3の出光面32から出射する光の互いに直交する偏光成分のうちの一方を透過し、他方を吸収又は反射する。偏光シートは、例えば、樹脂等により形成される多層膜構造を有する。光学シート5は、これらのシートがどの順で配置されてもよく、これら以外のシートを更に有してもよい。
枠部材6a及びケース6bは、プラスチック又は金属等で形成され、上記の線状光源2、導光板3、反射シート4、及び光学シート5等を収納する。ケース6bの少なくとも一つの内側の側面には、線状光源2が配置され、ケース6bの内側の底面には、反射シート4、導光板3及び光学シート5が、概ね輪郭を一致させてこの順に配置される。そして、枠部材6aがケース6bを覆うように配置されて、バックライト1が形成される。枠部材6aは、大きな窓61を有しており、この窓61から光学シート5が露出する。また、ケース6bは、四隅の一つに孔62を有しており、この孔62から、線状光源2と接続されたケーブル23が外部へ引き出される。
弾性部材7は、ゴム等の樹脂からなり、ケース6bの線状光源2が配置された側面と対向する反対側の側面と、導光板3の入光面31と反対側の側面との間に配置され、導光板3を線状光源2へ押圧する。これにより、線状光源2及び導光板3がケース6b内で弾性的に固定される。弾性部材7は、通常、黒色等の遮光性を有した材料であるが、反射性能を持つ白色の材料が好ましい。これにより、弾性部材7と導光板3が接触していても暗部にならず、バックライト1の狭額縁化が可能となる。
遮光部材8は、ケース6bの内側の側面側に配置された第1端辺8a及び導光板3の上部に配置された第2端辺8bを含み、第1端辺8aと第2端辺8bとの間で、線状光源2から出射されて光学シートへ向かう直接光を遮光するように導光板3と光学シート5との間に配置される。これにより、線状光源2から出射する直接光によって光学シート5が変色して劣化することが防止される。
図3(a)は、線状光源2の構成を模式的に示した平面図であり、図3(b)は、図3(a)に示した線状光源2のA-A’線に沿った断面図である。線状光源2は、LED等の発光素子24が所定の方向に並べて配置された基板20を有する。
基板20は、互いに貼り合わされた実装基板20a及び回路基板20bを有する。実装基板20a及び回路基板20bは、ともに細長い矩形の形状を有する。実装基板20a及び回路基板20bの長手方向は、線状光源2の長手方向と一致し、実装基板20a及び回路基板20bの幅方向は、線状光源2の幅方向と一致する。また、回路基板20bは、開口部29を有し、開口部29の長手方向は線状光源2の長手方向と一致し、開口部29の幅方向は線状光源2の幅方向と一致する。
実装基板20aは、アルミニウム若しくは銅等の金属又はセラミックスを主成分とする熱伝導率の高い材料で形成される。実装基板20aは平坦な表面を有し、回路基板20bの開口部29に露出した実装基板20aの平坦な表面上に、複数の発光素子24が直接配置される。これにより、複数の発光素子24が発光している発光状態において、発光素子24が発する熱が、熱伝導率の高い実装基板20aを伝導して効率よく放熱される。
回路基板20bは、フェノール、エポキシ、ポリイミド又はポリエステル等の樹脂を主成分とする絶縁性の高い樹脂で形成される。回路基板20bの表面には、一対の配線25a,25bが、回路基板20bの開口部29を挟むように幅方向に間隔を開けて、回路基板20bの長手方向に伸延するように形成される。配線25a,25bの長手方向の少なくとも一方の端部には、コネクタ22a,22bが形成される。コネクタ22a,22bは、ケーブル23を介して供給される正負の電位を、配線25a,25bを介して発光素子24にそれぞれ供給する。配線25a,25b及びコネクタ22a,22bは、例えば、回路基板20b上に金又は銅等の金属がパターニングされて形成される。配線25a,25b及びコネクタ22a,22bは、更に、絶縁性膜であるソルダレジスト等により覆われて保護されてもよい。また、回路基板20bは、ケース6bと導光板3の間に線状光源2を固定するための、導光板3と当接する当接領域28を有する。
発光素子24は、例えば、LEDのダイ等がダイボンドによって実装基板20aの表面上に接着された後、LEDのカソード端子及びアノード端子がワイヤ等により配線25a,25bに電気的に接続されて形成される。なお、図3(a)に示す複数の発光素子24は、その辺同士が対向するように配置されているが、発光素子24を45度回転させて、その頂点同士が対向するように配置されてもよい。複数の発光素子24は、その上面が実装基板20aの表面と平行となるように配置されることが好ましい。発光素子24は、例えば、紫、青、緑、赤などの可視光を発するが、赤外線のような不可視光を含んでもよいし、これらの組み合わせの光を含んでもよい。
複数の発光素子24は、ワイヤにより互いに電気的に接続されて一つの列を形成する。一つの列に接続される発光素子24の数は、ケーブル23を介して供給される電圧等に応じて適宜決定されてよい。例えば、順電圧が約3Vの発光素子24が8個直列に接続されて一つの列が形成される場合、少なくとも24Vを超える電源電圧が供給されることが好ましい。各列の両端に位置する発光素子24は、ワイヤを介して配線25a又は配線25bに電気的に接続される。なお、図3(a)では、便宜上、封止材27により封止された発光素子24及びワイヤを、破線でなく実線で示している。発光素子24は、ケーブル23から、コネクタ22a,22b、配線25a,25b及びワイヤを介して電圧を供給されて発光する。配線25aと配線25bの間には、発光素子24に過電圧が印加されることを防止するツェナーダイオード等が接続されてもよい。
枠体26は、ダム材等の連続体が回路基板20bの開口部29を囲むように環状又は矩形状に配置されて形成される。枠体26は、例えば、シリコン樹脂又はエポキシ樹脂で形成される。枠体26は、光を反射しやすい酸化チタン等の微粒子が分散された白色の樹脂で形成されることが好ましい。これにより、発光素子24から出射する光が線状光源2の上方へ反射するため、発光素子24から出射する光の利用効率が向上する。
封止材27は、枠体26によって囲まれた実装基板20aの開口部29を封止して発光素子24を保護する。封止材27によって封止された領域は、線状光源2の発光領域21(図2参照)として機能する。封止材27は、発光素子24が発する光に対して透光性を有するエポキシ又はシリコン等の樹脂で形成される。封止材27は、発光素子24が発する光をより長波長の光に波長変換する蛍光体を含有してもよい。この蛍光体は、例えば、発光素子24が発する青色光を吸収して黄色光を発するYAG(Yttrium Aluminum Garnet)等の粒子状の蛍光体材料とすることができる。発光素子24の発する青色光と、蛍光体によって波長変換された黄色光とが混合されて、白色光が得られる。封止材27は、青色光を黄色光以外の例えば赤色光又は緑色光に波長変換する蛍光体を有していてもよいし、蛍光体を全く有していなくてもよい。なお、封止材27を形成してから、枠体26を取り除き、封止材27のみとしてもよい。
図4は、バックライト1の構成を模式的に示した平面図である。また、図5は、図4に示したバックライト1のB-B’’線に沿った断面図である。
線状光源2は、その長手方向がケース6bの長手方向と一致するように、ケース6bの一つの内側の側面に沿って配置される。線状光源2は、発光領域21と反対側の裏面において、ケース6bの側面に、接着シート、接着テープ、又は接着剤等によって接着される。或いは、線状光源2は、位置決めの精度を向上させるために、ケース6bにねじ止めされてもよいし、線状光源2の基板20又はケース6bの側面に形成された貫通孔を介してピン等により固定されてもよい。なお、線状光源2から出射した後に反射シート4で反射されて導光板3に戻る光を、図5において破線で概略的に示す。
導光板3は、線状光源2に向いた凸部33を入光面31側に有する。図4に示すように、導光板3の凸部33は、当接領域28(図2参照)にそれぞれ対応するように、入光面31の両端に位置する。導光板3は、弾性部材7により押圧されて、凸部33において線状光源2の基板20をケース6bの内側の側面へ押圧する。よって、弾性部材7は、図4に示されるように、導光板3の凸部33が設けられた箇所と反対側の側面にそれぞれ配置されることが好ましい。これにより、線状光源2と導光板3との位置関係が、ケース6b内で正確に定められる。
図6は、図4に示したバックライト1のB-B’線に沿った拡大断面図である。
遮光部材8は、導光板3と3枚の光学シート5との間で、導光板3の上部の一部を覆うように配置されている。また、遮光部材8は、線状光源2側に第1端辺8a、導光板3側に第2端辺8bを有する矩形のシート状部材である。さらに、遮光部材8は、導光板3側に遮光面8cを有する。遮光面8cを、光を通過させないインク等の印刷(グラデーション)によって形成してもよい。
図6では、遮光部材8の第1端辺8aは、ケース6bの端面の直上付近に位置している。発光素子24から出射された光は、線状光源2の枠体26によって遮られるため、遮光部材8の第1端辺8aは、少なくとも枠体26の最上部の直上より、ケース6b側に配置されることが好ましい。遮光部材8の第1端辺8aは、線状光源2の実装基板20aの側面の直上に配置されてもよい。
また、図6では、遮光部材8の遮光面8cは、線状光源2から出射され、導光板3を経由せずに位置9a’で光学シート5に直接到達するような直接光9a、及び、導光板3を経由して位置9b’で光学シート5に到達する光9bを、遮る役目を有している。なお、線状光源2から出射され、遮光面8cで遮られることなく、位置9c’を経由して光学シート5へ向かう光9cも存在する。
遮光部材8は、図6に示すように、単に導光板3と光学シート5との間に挟み込んでバックライト1内に配置している。ケース6bに対して、枠部材6aが上からはめ込まれているため、遮光部材8は所定位置に位置決めされることとなる。しかしながら、位置決めをより正確に行う為に、ケース6bの端面に接着テープ等により貼り付けるようにしてもよい。また、遮光部材8をケース6bと一体的に樹脂成型するようにしてもよい。更に、ケース6bが金属材料で形成されている場合には、プレス加工等によって折り曲げて形成されてもよい。また、遮光部材8は線状光源2の実装基板20aの側面に接着テープ等により貼り付けるようにしてもよい。
遮光部材8の遮光面8cは、線状光源2からの光を導光板3側へ反射する反射面であってもよい。反射面とすることによって、線状光源2から出射した光を再利用できるので、線状光源2から出射する光の利用効率が向上する。
図6に示すように、発光素子24の直上の封止材27の表面から遮光部材8の第2端辺8bまでの距離をD(mm)、発光素子24の中心位置から遮光部材8までの垂直方向の距離をH(mm)とする。なお、図6では、便宜上、導光板3の上下には間隔を空けて図示しているが、実際には導光板3は上下に隙間なく配置されているので、距離Hは、導光板3の厚さの1/2とほぼ等しい。
次に、図4及び図6に示すバックライト1において、複数の発光素子24を含んで構成される線状光源2からの出射光量及び距離H(導光板の厚さの1/2)の値を変更させながら、光学シート5の下面位置での光束量(lm)をシミュレーションにより計算する。シミュレーションでは、SYNOPSYS社のLighttoolsのソフトウェアを使用した。また、シミュレーションでは、線状光源2の配光はランバーシアンであり、輝度を、30000cd/m2、45000cd/m2、及び、60000cd/m2の3種類とした。さらに、シミュレーションでは、距離Hは、0.7mm、1.0mm、1.25mm、1.5mm、1.6mm、1.75mm、2.0mm、及び、3.0mmの8種類とし、それぞれの2倍の厚さを有する導光板3を利用するものとした。
図7は、図4及び図6に示すバックライト1において、複数の発光素子24を含んで構成される線状光源2が30000cd/m2の輝度の光を出射する場合に、光学シート5の下面位置での光束量(lm)(縦軸)と距離D(mm)(横軸)との関係を示すグラフである。図7において、曲線40a~曲線40hは、それぞれ、距離Hが0.7mm(導光板3の厚さが1.4mm)、距離Hが1.0mm(導光板3の厚さが2.0mm)、距離Hが1.25mm(導光板3の厚さが2.5mm)、距離Hが1.5mm(導光板3の厚さが3.0mm)、距離Hが1.6mm(導光板3の厚さが3.2mm)、距離Hが1.75mm(導光板3の厚さが3.5mm)、距離Hが2.0mm(導光板3の厚さが4.0mm)、及び、距離Hが3.0mm(導光板3の厚さが6.0mm)に対応している。
図8は、図4及び図6に示すバックライト1において、複数の発光素子24から構成される線状光源が45000cd/m2の輝度の光を出射する場合に、光学シート5の下面位置での光束量(lm)(縦軸)と距離D(mm)(横軸)との関係を示すグラフである。図8において、曲線41a~曲線41hは、それぞれ、距離Hが0.7mm(導光板3の厚さが1.4mm)、距離Hが1.0mm(導光板3の厚さが2.0mm)、距離Hが1.25mm(導光板3の厚さが2.5mm)、距離Hが1.5mm(導光板3の厚さが3.0mm)、距離Hが1.6mm(導光板3の厚さが3.2mm)、距離Hが1.75mm(導光板3の厚さが3.5mm)、距離Hが2.0mm(導光板3の厚さが4.0mm)、及び、距離Hが3.0mm(導光板3の厚さが6.0mm)に対応している。
図9は、図4及び図6に示すバックライト1において、複数の発光素子24を含んで構成される線状光源2が60000cd/m2の輝度の光を出射する場合に、光学シート5の下面位置での光束量(lm)(縦軸)と距離D(mm)(横軸)との関係を示すグラフである。図9において、曲線42a~曲線42hは、それぞれ、距離Hが0.7mm(導光板3の厚さが1.4mm)、距離Hが1.0mm(導光板3の厚さが2.0mm)、距離Hが1.25mm(導光板3の厚さが2.5mm)、距離Hが1.5mm(導光板3の厚さが3.0mm)、距離Hが1.6mm(導光板3の厚さが3.2mm)、距離Hが1.75mm(導光板3の厚さが3.5mm)、距離Hが2.0mm(導光板3の厚さが4.0mm)、及び、距離Hが3.0mm(導光板3の厚さが6.0mm)に対応している。
光学シート5表面で受光する光の光束量(lm)が、0.012を超えると、使用を継続した場合、光学シート5、その中で特に偏光シートの劣化が顕著に表れることが、実際の装置を用いた経験上判明している。したがって、図7~図9において、光束量(lm)が0.012を超えないような、導光板3の厚さの選択、及び、遮光部材8の第2端辺8bの位置の選択をすれば、光学シート5の劣化を防止できる。
図7~図9に示したシミュレーション結果より、光学シート5に入射される光の光束量を0.012lm未満に抑制するのに必要な最小のH/Dの値の関係を以下の表1に示す。表において、最上行は、距離H(導光板の厚さの1/2)を示し、最右列は、線状光源2から出射する光の輝度を示している。なお、図7~図9に示した曲線を見ると、シミュレーション上は距離Dが0.5mmの近傍以内で光の光束量が0.012lmを下回る場合があるが、実際の装置では、そのような状況は起こり得ないので、H/Dの値の最小値を考慮する上では除外している。なお、表において、H/Dの値の記載のない箇所は、最小のH/Dの値についての制約がない事を示している。
Figure 2022081314000002
表1に示すように、線状光源2から出射する光の輝度が30000cd/m2以上且つ60000cd/m2 以下である場合に光学シート5に入射される光の光束量を0.012lm未満に抑制するのに必要な最小のH/Dの値は、1.0となる。すなわち、H/Dの値が1.0以下であるように、導光板3の厚さの選択、及び、遮光部材8の第2端辺8bの位置の選択をすれば、光学シート5の劣化を防止できる。
図10は、バックライトの変形例の拡大断面図である。図10の拡大断面図に示す構成は、遮光部材8の遮光面8cに配置された透光部材9を更に有する点を除いて、図6に示す構成と同一であるが、図8では、直接光9a、光9b及び光9c(図6)の代わりに光9dを示す。
透光部材9は、無色透明である、すなわち、黄色又は赤者褐色のポリイミド色ではない。透光部材9を設けることによって、遮光部材8の遮光面8cに入射する光の損失を低減することができる。
なお、遮光部材8の遮光面8cに平行な方向の透光部材9の長さは、線状光源2の封止材27の表面27aと導光板3の入光面31の間の間隔が長くなるに従って短くなる。また、線状光源2の封止材27の表面27aの上方から第2端辺8bまでの距離Dが線状光源2の封止材27の表面27aと導光板3の入光面31の間の間隔より短い場合、遮光部材8を透光部材9によって支持してもよい。さらに、透光部材9の一部が遮光部材8によって覆われない場合、透光部材9のうちの遮光部材8によって覆われない部分において光を拡散させてもよい。
1 バックライト
2 線状光源
3 導光板
4 反射シート
5 光学シート
6a 枠部材
6b ケース
7 弾性部材
8 遮光部材
8a 第1端辺
8b 第2端辺
8c 遮光面
9 透光部材
10 発光面
20 基板
20a 実装基板
20b 回路基板
21 発光領域
22a,22b コネクタ
23 ケーブル
24 発光素子
25a,25b 配線
26 枠体
27 封止材
27a 表面
28 当接領域
31 入光面
32 出光面
33 凸部

Claims (5)

  1. ケースと、
    発光領域を有する基板、前記発光領域に実装された複数の発光素子、前記複数の発光素子の周囲に配置された枠体、及び、前記枠体の内側で前記複数の発光素子を封止する封止材を含み、前記ケースの内側の側面に沿って配置された線状光源と、
    前記線状光源から出射された光を入射する入光面と、前記入光面から入射した光を出射する出光面とを含み、前記入光面を前記線状光源に対向させて前記ケース内に配置された導光板と、
    前記出光面の全体を覆うように配置された光学シートと、
    前記ケースの内側の側面側に配置された第1端辺及び前記導光板の上部に配置された第2端辺を含み、前記第1端辺と前記第2端辺との間で、前記線状光源から出射されて前記光学シートへ向かう直接光を遮光するように前記導光板と前記光学シートとの間に配置された遮光部材と、を有し、
    前記複数の発光素子から前記遮光部材までの垂直方向の距離をH、前記封止材の表面の直上から前記第2端辺までの距離をDとした場合、H/Dが、1.0以下である、
    ことを特徴とするバックライト。
  2. 前記線状光源は、30000cd/m以上且つ60000cd/m以下の輝度の光を出射する、請求項1に記載のバックライト。
  3. 前記光学シートは、偏光シートを含む、請求項1又は2に記載のバックライト。
  4. 少なくとも、前記導光板、前記光学シート及び前記遮光部材を前記ケース内に収納するように、前記ケースとはめ合わされる枠部材を更に有する、請求項1~3の何れか一項に記載のバックライト。
  5. 前記線状光源から出射されて前記光学シートへ向かう直接光を遮光する前記遮光部材の面に配置された透光部材を更に有する、請求項1~4の何れか一項に記載のバックライト。
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