以下、本開示の一実施形態について、図面を参照して説明する。各図面中、同一又は相当する部分には、同一符号を付している。本実施形態の説明において、同一又は相当する部分については、説明を適宜省略又は簡略化する。
[比較例]
特許文献1には、プラント機器の運転制御を行うプラント監視制御システムにおいて、オペレータ監視操作端末に表示される監視画面に対して接触式操作を行うためのオペレーションシステムが記載されている。この構成では、ユーザは、プラント機器を示すシンボルに対してタッチ操作を行うことにより、プラントシステムの構成を示す図面の詳細を表示したり、表示態様を切り替えたりすることができる。
プラント等のシステムにおいては、複数のプラント機器が一定の配置で組み合わされて複数の個所で用いられることがある。そのため、プラント等の構成を示すP&ID等の図面を作成又は更新する段階においては、ユーザは、少なくとも1つの要素からなる特定の要素群に適合する各要素群に対して編集又は修正等を行う場合がある。そのような場合、ユーザは、図面から編集又は修正等の対象となる要素群をユーザの目視により選択して抽出する必要があった。
しかし、ユーザの目視による要素群の抽出は工数がかかり、抽出すべき要素群の抽出が漏れたり抽出すべきでない要素群を誤って抽出するなどの人為的なミスも招きやすい。特に、プラント等の大規模なシステムの図面から目視により要素群を抽出する場合、莫大な工数又は手間を要し、ミスが発生する可能性も高くなる。
[本開示の実施形態]
以下、本開示の一実施形態について、図面を参照して説明する。各図面中、同一又は相当する部分には、同一符号を付している。本実施形態の説明において、同一又は相当する部分については、説明を適宜省略又は簡略化する。
<第1実施形態>
(情報処理システムの構成)
図1は、本開示の一実施形態に係る情報処理装置10を含む情報処理システム1の構成を示す図である。情報処理システム1は、情報処理装置10、入力部14、表示部15、端末120、端末130、外部記憶装置140、及びネットワーク150を備える。情報処理装置10、端末120、端末130、及び外部記憶装置140は、互いにネットワーク150で通信可能に接続されている。端末120、端末130の数量に条件はなく、デスクトップ端末、携帯端末(ノートPC<Personal Computer>、タブレット、又はスマートフォン等)等が適宜利用されてよい。
情報処理装置10は、ユーザ201により選択された要素群に適合する要素群を図面中から自動的に検索することで、少ない工数で図面から特定の要素群に適合する全ての要素群を容易に抽出することを可能にする。情報処理装置10は、1つ又は互いに通信可能な複数のサーバ装置である。情報処理装置10自体が表示部を備え、ユーザに要素群の検索等の結果を表示してもよいし、情報処理装置10にて行った処理を他の端末で受信し、結果を表示してもよい。情報処理装置10は、WS(Work Station)、PC(Personal Computer)等の任意の汎用の電子機器であってもよいし、専用の他の電子機器であってもよい。図1に示すように、情報処理装置10は、制御部11、記憶部12、及び通信部13を備え、入力部14、及び表示部15と通信可能に接続されている。
制御部11は、1つ以上のプロセッサを含む。一実施形態において「プロセッサ」は、汎用のプロセッサ、又は特定の処理に特化した専用のプロセッサであるが、これらに限定されない。制御部11は、情報処理装置10を構成する各構成部と通信可能に接続され、情報処理装置10全体の動作を制御する。
記憶部12は、HDD、SSD、EEPROM、ROM、及びRAMを含む任意の記憶モジュールを含む。記憶部12は、例えば、主記憶装置、補助記憶装置、又はキャッシュメモリとして機能してもよい。記憶部12は、情報処理装置10の動作に用いられる任意の情報を記憶する。例えば、記憶部12は、システムプログラム、アプリケーションプログラム、及び通信部13によって受信された各種情報等を記憶してもよい。記憶部12は、情報処理装置10に内蔵されているものに限定されず、USB等のデジタル入出力ポート等によって接続されている外付けのデータベース又は外付け型の記憶モジュールであってもよい。HDDはHard Disk Driveの略称である。SSDはSolid State Driveの略称である。EEPROMはElectrically Erasable Programmable Read-Only Memoryの略称である。ROMはRead-Only Memoryの略称である。RAMはRandom Access Memoryの略称である。USBはUniversal Serial Busの略称である。
本実施形態では、記憶部12は、グループ記憶部121、ルール記憶部122、及び図面記憶部123を備える。グループ記憶部121は、図面に含まれる少なくとも1つの要素からなる要素の集合(グループ)である要素群を示すグループリスト131を記憶する。情報処理装置10は、プラント等のシステムの構成を表す図面を取り扱う。図面中の各要素は、システムを構成する各種機器を示す。
ルール記憶部122は、図面から要素群を検索したり、要素群を解釈したりする際に用いられる意味モデル等132のルールを記憶する。本実施形態では、情報処理装置10は、図面、及び図面中に示される要素群の構成要素並びに要素間の繋がりをパターンマッチング、又は画像認識等により外形・形状的に認識する他、要素群の内容を把握・解釈するために意味モデル、グラフ理論、オントロジー等を用いてよい。ルール記憶部122は、これらの検索及び解釈に必用な情報を記憶する。意味モデルとは、プロセス制御システムのエンジニアリングで用いられる図面類を、図面類に含まれる要素を示す第1情報と要素同士の関係を示す第2情報とによって表したものである。また、ルール記憶部122には、検索等の処理対象となる図面の記載ルールが記憶されてもよい。図面の記載ルールとは、図面毎に異なる表記ルールであり、例えば、この図面ではタンクをこの記号で示す、赤色の実線は〇〇を示す、等の一連の規則である。これらに限らず、ルール記憶部122には、図面の処理に必要となるルールに関する情報が少なくとも1つ記憶されればよい。
図面記憶部123は、図面133のデータを記憶する。図面は、多数の要素を用いて、プラント等の大規模システムを表す。図面においては、各要素の種類及び属性情報、並びに要素の配列等が規定されている。属性情報は要素の性質や動作時の条件等を示す情報であり、図面中の要素の各々には少なくとも1つの属性情報が付与されている。例えば、要素「タンク」の性質として、タンクの材質(例えば、ステンレス製)等を示す属性情報が付与されてもよい。あるいは、例えば、動作時の条件として、例えば内容物の量が一定値(例えば、500リットル)を超えたら、特定の動作を行う条件である値等が属性情報として付与されてもよい。また、図面中の互いに接続関係にある2つの要素の間にいずれの要素が上流又は下流に存在するかを示す情報が予め定められており、そのような情報が図面133自体に記憶されていてもよい。接続関係にある要素のうちいずれの要素が上流又は下流に存在するかを示す情報は、例えば図面の左上、上方にあるものが上流に対応すること等のように図面上の位置関係から判定されることを指示する情報としてもよいし、あるいは、例えば、デジタルP&IDにおいてFrom/Toの情報等としてもよい。グループ記憶部121、ルール記憶部122、及び図面記憶部123に記憶される情報の一部又は全部は、外部記憶装置140に記憶されてもよい。図面は、デジタルP&ID等においてベクトルデータ等として保持されるが、これに代えて、紙面上に記載された図面(手書きの図面又はCAD等により作成されてプリントアウトされた図面等)をスキャンして取得されたたビットマップデータ、あるいはそれを異なる形式に変換したデータ(例えば、ラスターデータ、ベクトルデータ等)として保持されてもよい。
通信部13は、任意の通信技術によって入力部14、表示部15、又は端末130等の他の装置と通信接続可能な、任意の通信モジュールを含む。通信部13は、さらに、他の装置との通信を制御するための通信制御モジュール、及び他の装置との通信に必要となる識別情報等の通信用データを記憶する記憶モジュールを含んでもよい。
入力部14は、ユーザ201の入力操作を受け付けて、ユーザ201の操作に基づく入力情報を取得する1つ以上の入力インタフェースを含む。本実施形態では、一例として、入力部14が、表示部15のディスプレイと一体的に設けられたタッチスクリーンにより構成された場合を説明する。もっとも、入力部14は、これに代えて、物理キー、静電容量キー、キーボード、又はポインティングデバイス等により構成されてもよい。カーソル等をポインティングデバイス、トラックボール、又はタッチパッド等の操作で所望の位置へ移動させること等により、図面中の領域が選択されてよい。
表示部15は、ユーザ201に対して図面等の情報を示す画像を表示するディスプレイである。表示部15は、例えば、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)又は有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ等により構成される。なお、上述の入力部14及び表示部15の少なくとも一方は、情報処理装置10と一体に構成されてもよいし、別体として設けられてもよい。例えば、情報処理装置10は専ら処理に特化し、処理結果を受信した端末120又は端末130等の表示部にてユーザが表示確認を行ってもよい。
情報処理装置10の機能は、本実施形態に係るプログラム(コンピュータプログラム)を、制御部11に含まれるプロセッサで実行することにより実現されうる。すなわち、情報処理装置10の機能は、ソフトウェアにより実現されうる。プログラムは、情報処理装置10の動作に含まれるステップの処理をコンピュータに実行させることで、各ステップの処理に対応する機能をコンピュータに実現させる。すなわち、プログラムは、コンピュータを本実施形態に係る情報処理装置10として機能させるためのプログラムである。
プログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録しておくことができる。コンピュータで読み取り可能な記録媒体は、例えば、磁気記録装置、光ディスク、光磁気記録媒体、又は半導体メモリである。プログラムの流通は、例えば、プログラムを記録したDVD又はCD-ROMなどの可搬型記録媒体を販売、譲渡、又は貸与することによって行う。「DVD」は、Digital Versatile Discの略称である。「CD-ROM」は、Compact Disc Read Only Memoryの略称である。プログラムをサーバのストレージに格納しておき、ネットワークを介して、サーバから他のコンピュータにプログラムを転送することにより、プログラムは流通されてもよい。プログラムはプログラムプロダクトとして提供されてもよい。
コンピュータは、例えば、可搬型記録媒体に記録されたプログラム又はサーバから転送されたプログラムを、一旦、主記憶装置に格納する。そして、コンピュータは、主記憶装置に格納されたプログラムをプロセッサで読み取り、読み取ったプログラムに従った処理をプロセッサで実行する。コンピュータは、可搬型記録媒体から直接プログラムを読み取り、プログラムに従った処理を実行してもよい。コンピュータは、コンピュータにサーバからプログラムが転送される度に、逐次、受け取ったプログラムに従った処理を実行してもよい。このような処理は、サーバからコンピュータへのプログラムの転送を行わず、実行指示及び結果取得のみによって機能を実現する、いわゆるASP型のサービスによって実行されてもよい。「ASP」は、Application Service Providerの略称である。プログラムには、電子計算機による処理の用に供する情報であってプログラムに準ずるものが含まれる。例えば、コンピュータに対する直接の指令ではないがコンピュータの処理を規定する性質を有するデータは、「プログラムに準ずるもの」に該当する。
情報処理装置10の一部又は全ての機能が、制御部11に含まれる専用回路により実現されてもよい。すなわち、情報処理装置10の一部又は全ての機能が、ハードウェアにより実現されてもよい。また、情報処理装置10は単一の情報処理装置により実現されてもよいし、複数の情報処理装置や端末120、130等との協働により実現されてもよい。
端末120は、ユーザ202が使用する情報処理装置である。端末130は、ユーザ203が使用する情報処理装置である。本実施形態では、ユーザ201が入力部14及び表示部15を介して情報処理装置10を操作する例を説明するが、端末120又は端末130等の装置からネットワーク150を介して情報処理装置10が使用されてもよい。
外部記憶装置140は、情報処理装置10の記憶部12の記憶を補完する記憶装置である。前述のように、外部記憶装置140は、グループ記憶部121、ルール記憶部122、及び図面記憶部123に記憶される情報の一部又は全部を記憶してもよい。外部記憶装置140は、HDD又はSSD等の任意の記憶装置により実現することができる。
(動作例)
図2~図4は、情報処理装置10に接続された表示部15の画面の一例を示す図である。図2に示すように、表示部15の画面は、プラントの構成を示す図面の表示エリア151及び図面において選択された要素群の情報を示す表示エリア152が表示されている。
図2は、ユーザ201がタッチパネルのタッチ操作81により図面中の領域21を選択し、バルブ、要素A、及び要素Bの要素からなる要素群(グループ)が選択されている場合の例を示している。要素群の選択は、指やタッチペン等によるタッチパネルに対する接触操作に代えて、ポインティングデバイス等によるカーソル移動操作等により行われてもよい。
選択された要素群、その配列、及び属性情報等は、登録グループ情報として記憶部12のグループ記憶部121に記憶されてよい。図2の例では、選択された要素群は2つ目に登録されたグループであり、グループNo.002という識別子が付与されている。情報処理装置10は、多数の要素群のグループを記憶しておき、追って再利用できるようにしてよい。
図2は、画面右側の表示エリア152に、選択したグループに関する要素の表示エリア31、及び、そのグループに設定された属性情報等の情報の表示エリア32が表示された例を示している。表示エリア152は、ユーザ201が、グループに関する情報を参照したり、編集、情報分析、又は画面遷移等の操作をしたりするためのUI(User Interface)として用いられてよい。表示エリア152に表示される情報は、図面中においてユーザ201により選択された領域21の近傍において、ポップアップウィンドウ等により表示されてもよい。
図3は、領域21に含まれる要素群に適合する要素群が図面中から検索する処理を説明している。情報処理装置10の制御部11は、ユーザ201が領域21を選択して要素群を選択したことに応じて、その要素群を検索要素群として、その検索要素群に適合する要素群を図面から検索し、検索した要素群を表示部15に表示された図面と合わせて表示させる。
図3の例では、ユーザにより選択された要素群は、上流からバルブ、要素A、及び要素Bの3つの要素からなる。制御部11は、まず、図面上から、検索要素群に含まれる最上流のバルブと同一のバルブ(属性情報、例えば型番及び設定等、必要な条件が一致しているもの)を検索する。次に、制御部11は、検索したバルブの下流側に隣接して接続される要素Aが存在するか確認する。次に、制御部11は、最下流に要素Bが存在するか確認する。制御部11は、全ての要素と配列が検索要素群と一致した場合は、同一グループと判定する。図3の例では、要素Aを検索するプロセスまでは図3中の要素群21~24が候補として抽出されている。しかし、要素群23は、最下流の要素として検索要素群と異なる要素Cを備えるので、制御部11は、要素群23を検索対象に属さないと判定する。
このように、制御部11は、検索要素群に含まれる要素群の中で、例えば最も上流にある要素を優先すべき優先要素として特定し、図面中で当該優先要素に適合する要素を検索する。次に、制御部11は、優先要素を起点に、他の隣接要素が検索要素群に適合するか否かを順に判定する。したがって、優先要素が検出されても、隣接する要素が適合しない場合、適合しなかった時点でその優先要素に関して検索要素群と照合する処理は中断されるので、処理を効率化することが可能である。なお、制御部11は、少なくとも1つの図面において互いに接続関係にある少なくとも2つの要素のうちより上流にある要素を、図面の情報を踏まえ、要素の接続関係に基づき判定する。具体的には、例えば、互いに接続関係にある2つの要素の間にいずれの要素が上流又は下流に存在するかを示す情報が予め定められており、制御部11は、この情報を参照して、上流にある要素を特定してもよい。あるいは、例えば、図面中においてより上流にある要素が左方又は上方に記載されるという記載ルールが存在する場合、制御部11は、その記載ルールに基づき、互いに接続関係にある複数の要素の位置関係を参照して、どちらの要素が上流にあるのかを判別してもよい。その際、図面中において、原則としてより上流にある要素は左方又は上方に記載されるものの、特定の流体(例えば、ガス等)については、より上流にある要素が下方に記載されるといった記載ルールが適用される場合は、そのような記載ルールに基づき、制御部11は、より上流にある要素を判定してもよい。あるいは、既に述べたように、図面自体が要素間においていずれが上流又は下流に存在するかを示す情報(デジタルP&IDにおいてFrom/To等)を保持している場合は、制御部11は、これを利用して上流にある要素を判定してもよい。また、優先要素は検索要素群内で最上流のものに限らず、図面や要素群の中で重要度の高いものが、システム内のルール記憶部122等に記憶されたルールデータ内の優先順に従って決定されたり、ユーザの指定により設定されてもよい。
なお、制御部11は、検索要素群と、要素群を構成する各要素の種類、各要素が保持する属性情報、及び要素間の配列(接続順)が一致すると判定される要素群を、検索要素群に適合する要素群として図面から検索するが、検索要素群に適合すると判断する基準はこれに限られない。例えば、制御部11は、検索要素群と、要素群を構成する各要素の種類及び要素間の配列が一致する要素群であれば、少なくとも一部の属性情報が同一でなくても、検索要素群に適合する要素群として検索するようにしてもよい。制御部11は、どのような範囲の要素群を検索要素群に適合する要素群と判定するかの設定をユーザ201から受け付けるようにしてもよい。このような設定で利用頻度の高いものは、ルール記憶部122等に記憶され、必要に応じて利用されてよい。ユーザが新たに設定したり、既存の設定を変更したものもルール記憶部122等に記憶して再利用されてよい。
図4は、表示エリア151の領域21に含まれる要素群に適合する要素群が図面中から検索されて、表示されている例を示している。制御部11は、検索した要素群が他の要素とは異なる態様で表示されるように、図面を表示部15に表示させてもよい。図4では、検索要素群21と適合すると判定された要素群21、25、26が他の要素とは異なる態様で表示される。例えば、制御部11は、検索要素群に適合する要素を、他の要素とは異なる色で表示したり、特定のマークを付して表示したりしてもよい。あるいは、制御部11は、検索された要素群を、線種変更、又は、グループ番号若しくはグループ名等のグループを特定する情報の付与等により表示してもよい。制御部11は、上述のもののいずれかを組み合わせて表示してもよい。このように、検索された要素群が他の要素と異なる態様で表示部15に表示されるため、ユーザ201は、表示部15に表示された図面において、検索された要素群を一目で容易に認識することが可能である。
図4の例では、画面右側の表示エリア33に、検索要素群と適合する要素群として検索した要素群の個数が表示されている。表示エリア33は、検索要素群に適合する要素群が、表示エリア152に表示されている図面中には3箇所、表示エリア152に表示されていない他の頁を含めた図面全体(例えば、プラントの図面全体)には45箇所存在することを表示している。
図4の表示エリア34には、プラント全体における検索要素群に適合する要素群の分布が表示されている。枠341は表示エリア151に表示されている箇所を示す。矩形342、343、344は、それぞれプラント全体において検索対象の要素群が存在している領域を示す。矩形342の構成要素には検索要素群に適合する要素群が10箇所存在し、その中で3箇所の要素群が表示エリア151に表示されている。矩形343の構成要素には検索要素群に適合する要素群が15箇所存在し、矩形344の構成要素には検索要素群に適合する要素群が20箇所存在する。図4の例では、矩形表示により検索要素群に適合する要素群の分布を示しているが、表示方法はこれに限られない。例えば、制御部11は、要素群が1つ存在することを点で示し、その密集度合いで要素群の存在と集中度を示したり、要素群の数に応じて異なる大きさの、円等の幾何学図形を示してもよい。また、制御部11は、検索要素群に適合する要素群の分布に応じた画像のみを表示してもよいし、あるいは、そのような画像と要素群の数量を共に表示してもよい。このように、制御部11は、検索した要素群の各々の図面における分布を示す画像を表示部15に表示させてもよい。ユーザ201は、検索した要素群の分布を示す画像を参照することで、図面中のどこに検索された要素群が存在するかを容易に把握することができる。このような表示は、図面の設計及びメンテナンスにおいて、あるグループに特化して作業を行いたい場合に有用である。このような作業には、要素の修正、又は、検索要素群の分布の確認が含まれうる。また、制御部11は、プラント全体ではなく、ユーザ201により選択された特定のエリアを検索対象範囲として設定した上で、検索要素群に適合する要素群の検索を行ってもよい。
制御部11は、ユーザ201が指定した要素群が登録(検索要素群として記憶部12に記憶)され、図面中からその要素群に適合する要素群が抽出されたら、抽出された要素群の位置情報を記憶部12に記憶させてもよい。要素群の位置情報は、例えば、分割される図面の頁(あるいは図面番号)、複数の図面が重畳される場合はレイヤー、要素群の場所を特定する図面内の座標、要素群がその上に存在する配管又は配線、基準となる配管等から何番目にあるか等の情報の少なくともいずれかとしてもよい。情報処理装置10は、このような情報を記憶することで、一度検出されたグループの情報を、再検索することなく利用することができる。
なお、制御部11は、検索要素群が選択された場合、ユーザ201から明示的な検索又は検索結果の登録の指示がなくても、自動的に、その検索要素群に適合する要素群を図面中から検索し、検索した要素群の位置情報等を記憶部12に記憶させるようにしてもよい。これにより、ユーザ201は、必要に応じて、その検索結果を利用することができる。例えば、ユーザ201は、外出先等でタブレット端末等を利用して手軽にグループを抽出しておき、追って本格的に図面編集等の作業をする際に、自動的に記憶された検索結果の情報を利用することができる。
また、本実施形態において、制御部11は、上流のバルブ及びその下流に隣接する要素Aの適合を判定後、次の下流の要素が要素Bに適合しない場合(例えば、要素Cとなっている)は、単純に要素群に適合しないとして、その要素については処理を中断するが、必要に応じて異なる処理が行われてもよい。例えば、上流のバルブ及び要素Aが適合しており、最後の要素だけが異なる場合、検索要素群と、適合性を検証している要素群との間には共通性がある。場合によっては、この共通性を踏まえて処理を行うと、作業が効率化するケースも考えられる。そこで、制御部11は、バルブ及び要素Aが適合することを検出したら、次の要素(要素B)が適合しなくても、複数の要素が検索要素群と適合している要素群を記憶部12に記憶してもよい。その際、制御部11は、下流が要素Cのもの、要素Dのもの‥と分類して要素群を記憶部12に記憶させてもよい。このような処理を行うことにより、1つのグループ(検索要素群)の検索において、検索要素群中の一部であり、より少数の共通の要素群を含む上位グループを抽出しておき、後に必要に応じて再利用することができる。例えば、制御部11は、当初選択されたバルブ、要素A、要素Bからなる要素群を、より上位の「上流にバルブ、要素Aを含むグループ」のバリエーション(下位グループ)として位置づけ、記憶部12に記憶させてもよい。要素群を階層化する例については、第4実施形態、及び、第5実施形態で詳述する。
(動作手順)
次に、図5を参照して、情報処理装置10の動作を説明する。図5を参照して説明する情報処理装置10の動作は本実施形態に係る情報処理方法に相当し、各ステップの動作は制御部11の制御に基づき実行される。図5は、本開示の一実施形態に係る情報処理装置10の動作例を示すフローチャートである。
ステップS1において、制御部11は、ユーザ201の入力部14に対する操作により、図面上における要素群の選択を受け付ける。ここで選択される要素群は、一定の機能を果たすひとまとまりの要素の集合とすることができる。具体的には、制御部11は、タッチパネル操作等により、要素群の選択を受け付けるが、これに代えて、ポインティングデバイス等の操作によるカーソル移動により要素群の選択を受け付けてもよい。要素群の選択に関する発展的な手法について、第7実施形態及び第8実施形態においても説明する。なお、ユーザが新たに選択せずとも既に選択済(記憶部12に記憶されている)要素群を検索要素群として利用してもよいので、このステップS1は省略可能である。
ステップS2において、制御部11は、選択された要素群を記憶部12に記憶させる。これにより、制御部11は、選択された要素群を登録する。具体的には、制御部11は、グループを構成する要素の種別、及び、各要素の接続関係又は配列を記憶部12に記憶する。必要に応じ、制御部11は、各要素に付与されている属性情報も記憶部12に記憶する。さらに、制御部11は、図面中から要素群を検索する際における検索条件を、ユーザの指示に応じて設定してもよい。すなわち、制御部11は、(a)検索要素群と、各要素の少なくとも一部の属性情報は異なっていても、要素群を構成する各要素の種類及び要素間の配列が同一の要素からなる要素群であれば、検索要素群に適合する要素群として検索するか、又は、(b)検索要素群と、要素群を構成する各要素の種類、各要素に付与された属性情報、及び要素間の配列が一致する要素群のみを検索するか等の検索条件の設定をユーザから受け付けてもよい。あるいは、制御部11は、属性情報が一定の範囲にある要素は属性情報が同一とみなす旨の設定を受け付けてもよい。これらの検索条件についても、ルール記憶部122等に記憶された設定条件から選択されても、設定条件をユーザがカスタマイズしても、あるいは、ユーザが新たに独自で設定してもよい。いずれの場合も、設定条件は、ルール記憶部122に記憶され、以降再利用されるようにしてもよい。
ステップS3において、制御部11は、選択された検索要素群に含まれる要素の中で優先すべき優先要素に適合する要素を図面から検索する。具体的には、制御部11は、より上流にある要素を優先要素として、検索要素群に適合する要素群を図面から検索する。検索要素群の検索は、前述のルール記憶部122に記憶されたルールを用いて行われる。検索の結果、制御部11は、図面中に優先要素が存在する場合(ステップS3でYES)はステップS4へ進み、存在しない場合(ステップS3でNO)はフローチャートの処理を終了する。
ステップS4において、制御部11は、検索要素群に含まれる優先要素と隣接する要素に適合する要素を、図面において検索された優先要素に適合する要素に隣接する要素から検索する。このような処理を順次繰り返した上で、制御部11は、検索された要素群のうち優先要素以外の各要素が検索要素群に適合するものが存在するか否かを判定する。存在する場合(ステップS4でYES)はステップS5へ進み、存在しない場合(ステップS4でNO)は処理を終了する。
ステップS5において、制御部11は、検索された要素群(全ての要素の種類・配列を満たした図面上の箇所)を、ステップS1で選択を受け付けた要素群に適合すると判定する。
ステップS6において、制御部11は、検索された要素群に関する情報、例えば位置情報等を、記憶部12に記憶させる。制御部11は、ステップS6において、検索した要素群が図面内のどこに存在するかの情報を記憶部12に記憶させた上でフローチャートの処理を終了してもよい。すなわち、S7、S8に該当する処理は必須ではなく、省略されてもよい。一度要素群を検索して該当するものの位置情報等を記憶しておけば、以降、図面上での表示やその他の処理が必要な際に、それらの情報を呼び出して利用することができる。制御部11は、以降、ユーザがその情報を参照して、必要に応じて要素群がどこにあるかを確認できるようにしたり、処理が必要な際に呼び出してその位置情報を表示してもよい。
ステップS7において、制御部11は、検索された要素群に含まれる要素を示す図形を他の要素とは異なる態様で表示部15に表示させる。例えば、検索された要素群を強調表示してもよい。なお、ステップS7の処理は、検索された要素群を他の要素と異なる態様で表示することをユーザから指示された場合にのみ行うようにしてもよい。
ステップS8において、制御部11は、検索した要素群の各々の図面における分布を示す画像を表示部15に表示させてもよい。ステップS8の処理は、検索された要素群の分布を表示することをユーザから指示された場合にのみ行うようにしてもよい。
なお、要素群を検索する対象の図面は、1つの図面ではなく、複数の図面としてもよい。また、検索対象の図面は、同一のプラントを1つの図面で表したものだけでなく、複数の図面で表したものであってもよい。あるいは、検索対象の図面は、同一のプラントに関する図面ではなく、複数のプラントの図面としてもよい。1つの図面は1つのファイルとして保持されてもよいし、複数のファイルとして保持されてもよい。また、複数の図面の各々が1つのファイルとして保持されてもよいし、あるいは、複数の図面がまとめて1つのファイルとして保持されてもよい。また、データ保持フォルダやデータシート等の数は問わずに、任意の個数の図面が検索対象になり得る。
上記のように、本実施形態に係る情報処理装置10は、少なくとも1つの図面において用いられている少なくとも1つの要素からなる要素群である検索要素群の選択をユーザから受け付ける。具体的には、情報処理装置10は、例えば、表示部15に表示された少なくとも1つの図面に含まれるいずれかの図面において、ユーザにより少なくとも1つの要素の選択を受け付けて、その要素からなる要素群を検索要素群とする。そして、情報処理装置10は、選択を受け付けた検索要素群に適合する要素群を少なくとも1つの図面から検索し、検索した要素群を表示部15に図面上での位置を識別可能に表示させる。このように、ユーザにより選択された要素群に適合する要素群を自動的に検索して図面上の位置と対応させて表示部15に表示させるため、ユーザは目視により要素群を抽出する必要がなく、少ない工数で図面から特定の要素群に適合する全ての要素群を容易に抽出することが可能となる。また、表示部15に表示された図面上において検索対象の要素群の選択を受け付けるため、ユーザは、検索対象の要素群を容易に選択することが可能である。したがって、本実施形態によれば、複雑かつ膨大な図面における要素群の選択作業を効率化するとともに、作業時間及び人件コストを低減し、作業ミスを軽減することが可能である。
なお、本実施形態では、ステップS1において、ユーザは、表示部15に表示された図面中から、例えば、第7、第8実施形態の発展的な手法等を利用して検索要素群を選択するが、検索要素群の選択手法は図面中から選択するものに限られない。例えば、制御部11は、複数の検索要素群の候補を表示部15に表示されている図面とは別に、図面外の位置に要素群の構成や形状を図等で示したり、登録(記憶部12に記憶)している複数の要素群をテキスト等でメニュー情報として選択可能に表示して、ユーザが所望の検索要素群を選択できるようにしてもよい。あるいは、例えば、制御部11は、ユーザが所望の検索要素群を指定するためのUIを提供してもよい。
また、情報処理装置10は、ユーザの設定に応じて、検索要素群と、要素群を構成する各要素の種類及び要素間の配列が一致する要素群、又は、これらに加えて各要素に付与された属性情報が一致する要素群を図面から検索する。したがって、情報処理装置10は、検索要素群と、要素群を構成する各要素の種類及び要素間の配列が同一の要素からなる要素群、又は、これらに加えて各要素に付与された属性情報までもが一致する要素群を自動的に検索することが可能である。属性情報の一致に関しては、設定の変更やユーザの指定により、完全一致、部分一致(主要なものや指定したものが一致)等が自由に設定されるようにしてよい。主要な属性情報が一致していれば同一とみなしてよい場合には、後者が選択される。例えば、タグNOのように、図面内の要素間で異なっていることが当然の情報は、適合判定の対象から除外される。このような判定上のルール情報も、ルール記憶部等に記憶され、必要に応じて利用されてよい。
また、情報処理装置10は、検索要素群に含まれる要素の中で優先すべき優先要素に適合する要素を図面から検索し、次に、検索要素群に含まれる優先要素と隣接する要素に適合する要素を、検索された優先要素に適合する要素に隣接する要素から検索する。具体的には、情報処理装置10は、例えば、検索要素群に含まれる要素のうちより上流にあるものから順に検索する。このように、情報処理装置10は、検索要素群に含まれる要素のうち優先要素から順に検索して検索対象を絞り込んでいくため、効率的な検索が可能である。換言すると、制御部11は、3つの要素からなる要素群を図面中から検索する場合に、1個目の要素(優先要素)がない箇所はスルーし、1個目の要素があっても、隣接する2個目の要素がないことが判明したら、その時点で不適合として検索を中断する。したがって、本実施形態によれば、無駄な処理を行わず、効率的な検索を行うことができる。
<第2実施形態>
本実施形態では、ユーザ201により選択された共通の処理を同一の複数の要素群の各々に対して実行することで、各要素群に対し簡易な操作で同一の処理を一括して行うことを可能にする構成を説明する。第1実施形態と共通の構成には同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
(動作例)
第2実施形態では、まず制御部11は、少なくとも1つの図面において用いられている少なくとも1つの要素からなる同一の複数の要素群を取得して登録する。制御部11は、第1実施形態のように、ユーザにより選択された要素群と同一の要素群を図面から検索することで同一の複数の要素群を取得してもよいが、予め記憶部12に記憶された同一の複数の要素群を記憶部12から読み出すことにより取得してもよい。
以下、登録済の複数の要素群に対し修正等の処理を実行する例を説明する。図6~図8は、情報処理装置10に接続された表示部15の画面の一例を示す図である。図6~図8では、領域21に含まれるバルブ、要素A、及び要素Bからなる要素群と同一の要素群が予め選択(取得)されている。表示エリア152に示されているように、領域21に含まれるバルブ、要素A、及び要素Bからなる要素群と同一の要素群は、表示エリア151に現在表示されている図面内には3箇所存在し、この図面を含む図面全体(プラント全体の図面等)には45箇所存在する。制御部11は、図面内においてこれらの要素群が存在する箇所を色変更等で強調表示してもよい。
図6では、処理対象として、領域21(内にある要素群)がユーザ201により選択されている。ユーザ201は、81で示す部分をタッチパネルの指又はタッチペン等による接触による指定、あるいはトラックボール等を含むポインティングデバイスの操作により、画面内に表示されたカーソルを移動させて、UI36を介して要素群(グループ)に対して実施する処理を選択する。図6の例では「変更」が選択されている。次に、ユーザ201は、変更内容を設定する。図6の例では、表示エリア37及び38により示されるように、ユーザ201は、円形の記号で示された要素Bを四角形の記号で示されたものに変更する処理を設定している。次に、ユーザ201は、表示エリア39を介して、変更を適用する範囲を選択する。図6の例では、変更対象を現在選択されている領域21のみ(1箇所)を対象とする「現在の選択箇所のみに適用」と図面全体の範囲(45箇所)を対象とする「図面全体に適用」が選択肢として表示されている。選択肢はこれらに限られず、例えば、現在表示エリア151に表示されている図面内に存在する箇所のみ(3箇所)に変更を適用したり、ユーザが指定した範囲の図面にのみ変更を適用する「図面の一部に適用」等も用意されてよい。以下、「図面全体に適用」が選択された場合を説明する。
制御部11は、図面中に複数存在する同一の要素群のうちの1つの修正(処理対象の要素群と、処理内容、さらには必要に応じて処理を施す範囲を指定すること)により、図面内の他の箇所にある同一の要素群にも修正を適用することができる。図7に示されるように、バルブ、要素A、及び要素Bからなる複数の要素群41~43は、いずれも円形記号で示された要素Bが矩形記号で示されたBに変更されている。制御部11は、これから変更が適用される(変更が適用された)箇所が識別できるように、そのような個所を他とは異なる態様で強調表示してもよい。なお、図6のように図面内で処理対象の要素群21をユーザが指定した際に、図7のように図面内に存在する同一の要素群の位置が示される場合において、この要素群が過去に検索済(記憶部12に記憶済)であり、図面内から検索して図面内における特定情報(例えば位置情報)と共に既に記憶部12に記憶されているときは、再検索は不要である。このような場合、ユーザが過去に検索済みの要素群21を指定すると、それに応じて、情報処理装置10は、検索済情報を利用してすぐに図7のような、図面内の過去に検索された要素群42、43の箇所を他とは異なる態様で表示する。一方、処理対象の要素群21をユーザが指定した場合に、これが記憶部12に記憶されていない(未検索の)要素群である場合には、情報処理装置10は、図面内のその要素群を検索し、図面内の特定情報(例えば位置情報)と共に、記憶部12に記憶する処理を行う。検索の実行がなされれば、情報処理装置10は、図7のように、図面内の検索された要素群42、43の箇所が他とは異なる態様で表示する(図面中の処理対象となる部位を示す)ことができるようになる。
なお、制御部11は、条件設定ウィンドウ等により「上流のタンクと接続」等の条件の設定を受け付け、そのような条件に合致するもののみに一括変更を行ってもよい。その際、制御部11は、「図面全体15箇所/条件該当箇所1箇所」等の情報を表示して、全ての要素群の個数と条件に合致する要素群の個数をユーザに通知してもよい。制御部11は、登録済の要素群に対する編集として、グループリスト、又は、図7の表示エリア44のようなグループ編集用UIから変更を受け付けても、図面中から変更したい場所の選択を受け付けて変更を受け付けてもよい。ここでは、円形記号で示された要素Bを矩形記号で示されたものに変更する処理を一例として説明しているが、処理内容はこれに限らず、例えば、属性情報若しくは文字情報の設定、変更、及び修正、又は要素群の置換等が行われてもよい。要素群に対し適用可能な処理であれば、複数の要素群に一括して実行する処理は、これらに限らない。
また、制御部11は、図8に示すUI45を表示するなどして、修正箇所を選択した時点で、これから行う処理が個別変更か、又は、図面全体へ適用する一括変更かをユーザ201が選択できるようにしてもよい。さらに、制御部11は、グループ一括選択変更を選択後、適用範囲は「図面全体か」「部分(条件付き)か」等を選択するUI、及び条件を入力するUIを表示して、ユーザの選択を受け付けてもよい。ここで、条件とは、変更の処理を行う対象の要素群を、登録済みの要素群から絞り込む条件であり、例えば、「(同じ要素群中)上流にタンクがあるもの」「設定値が〇〇であるもの」等である。図8の例では、「ここだけ変更」(選択されている21のみ)、「条件付き変更」、「図面全体を変更」の選択肢があり、「条件付き変更」が選択された場合、図示しない条件設定画面により「上流にタンクがあるもの」等の条件が設定される。ユーザにより条件が選択された場合、制御部11は、「図面全体 15箇所」「設定した条件に該当する箇所 1箇所」等の数量の情報、及びそれらの位置分布に関する情報等を表示してもよい。
制御部11は、処理を行う箇所が要素群として登録(検出)済の箇所であることを認識していないユーザ201が図面中の処理(例えば、変更)を実行したい箇所を指定したことに応じて、それがグループ登録済の要素群であることを表示してもよい。制御部11は、「登録済(検索済)です」のメッセージや、登録時に付与した番号を表示させてもよいし、図面内の該当箇所を他とは異なる態様で表示させてもよい。制御部11は、図面内の要素群の数等の情報を表示させてもよい。要素群が未登録の場合には、制御部11は、それを認識させる情報「未登録です」等のメッセージを表示させてもよいし、速やかに図面内からの要素群検索を実行した上で、該当する要素群の情報(図面内の位置や数)を表示させてもよい。また、変更に際し、ユーザ201に指定された箇所のみの個別変更か、又は図面の所定箇所、あるいは図面全体の一括変更かを、ユーザが選択できるようにしてもよい。
(動作手順)
次に、図9A~図9Cを参照して、情報処理装置10の動作を説明する。図9A~図9Cを参照して説明する情報処理装置10の動作は本実施形態に係る情報処理方法に相当し、各ステップの動作は制御部11の制御に基づき実行される。図9A~図9Cは、本開示の一実施形態に係る情報処理装置10の動作例を示すフローチャートである。
ステップS11において、制御部11は、ユーザから、図面上で処理を施したい要素群(検索要素群)の指定を受け付ける。この検索要素群が初めて指定されたものであり、未検索の、まだ記憶部12に記憶されていない要素群である場合には、図面中から新規に検索を行う必要がある。検索要素群が既に指定されている、検索済で記憶部12に記憶されている場合は、図9BのステップS4にて説明する。
ステップS12において、制御部11は、ユーザにより指定された検索要素群と適合する要素群を図面内から検索する。要素群の検索は、例えば、第1実施形態で説明した手法により行ってもよい。
ステップS13において、制御部11は、図面からユーザにより指定した検索要素群と適合する要素群を検索し、それらを特定する情報(例えば、夫々の図面内での位置を特定する位置情報)を記憶部12に記憶する。これ以上の処理をすぐに行わない場合、制御部11は、ここでフローチャートの処理を終了してもよい。記憶部12に記憶された要素群は、追って処理が必要な際に呼び出して利用することができる。なお、ここまでが未検索の要素群を図面から検索する処理であり、検索された要素群に対して処理を行う場合は、図9Bのフローに従い処理が行われる。図9Aの処理から時間が経過している場合には、図9BのS14(要素群の選択)から処理が行われてよい。一方、図9Aで選択、検索した要素群に対しそのまま処理を行う場合は、既に要素群は選択されているので、図9BのS15以降の処理が実施されればよい。
ステップS14において、制御部11は、ユーザから、図面上で処理を施したい要素群の指定を受け付ける。この要素群が過去に検索済(検索結果を記憶部12に記憶済)である場合は、制御部11は、要素群が指定されたことに応じて、その要素群は登録済(検索・記憶済)の要素群である旨を表示部15に表示して、ユーザに通知する。制御部11は、図面上で、該当する要素群を他とは異なる態様で表示させてもよい。あるいは、制御部11は、該当する要素群に関して、「検索済(登録済)要素群」とのテキスト情報やマークを、図面上、あるいは図面外のメニューや作業画面等に表示させてもよい。なお、ここで処理対象として指定した要素群がまだ検索されていない場合は、図9Aの検索処理が行われる。その際、要素群は既に指定されているので、ステップS12以降の処理が行われればよい。
ステップS15において、制御部11は、要素群の検索がなされていれば、ユーザから、選択された要素群に対する処理内容の指定を受け付ける。要素群に対する処理は、変更、修正、異なる要素群への置換、又は、異なるデータ形式への変換等である。例えば、要素群に含まれる全て又は一部の要素をユーザが選択した少なくとも1つの要素で置換する処理、要素の種類及び配列の少なくともいずれかを変更する処理、又は、少なくともいずれかの要素の属性情報を変更する処理等が含まれる。
ステップS16において、制御部11は、処理を適用する範囲の指定をユーザから受け付ける。制御部11は、適用範囲として、例えば、次の(1)~(3)のいずれかの選択を受け付けてもよい。
(1)ユーザが図面全体を指定すれば、ステップS11又はS14で選択された要素群と適合する図面中に存在する全ての要素群が処理対象となる。例えば、図面内にある要素群が100箇所存在したとすれば、この100箇所の要素群全体が処理対象となる。図8の「図面全体を変更」は(1)の一例である。
(2)複数箇所の要素群に一括して処理を施したいが、処理を施したい対象が、ステップS11又はS14で選択された要素群と適合する図面中の要素群のうちの一部の要素群に対してのみである場合、ユーザは、その処理の適用範囲を指定するための条件を設定する。例えば、現在画面上に表示されている図面のみとしたり、画面上から適用図面の範囲を選択したり、あるいは、特定の条件に合致する要素群のみ(例えば、上流にタンクがあるもの等)を指定して、指定した範囲にのみ処理が適用されるようにしてよい。この場合の処理対象要素群数をXとすると、1<X<100である。図8の「条件付き変更」は(2)の一例である。
(3)図面上でタッチパネルへのタッチや、カーソル指定で選択している要素群のみ、1箇所だけに処理を施すことも可能である。この場合は、処理対象となる要素群数は1である。図8の「ここだけ変更」は(3)の一例である。
(1)~(3)のいずれの場合も、図面に例示しているように、UI(ユーザインタフェース)による範囲選択のユーザ指定補助が行われてよい。要素群が選択されている状態で、いずれの範囲を処理適用対象とするかの選択肢を表示して選択させてもよい。ユーザによる設定入力により範囲を指定させてもよい。UIの一例としては、図6の39、図8の81で示されているものである。
ステップS17において、制御部11は、ステップS16で指定された適用範囲の各要素群に対して、ステップS16で指定された処理を一括して行う。例えば、ステップS16で(1)が選択された場合は、制御部11は、ステップS11又はS14で選択された要素群と適合する図面中に存在する全ての要素群に対して処理を行う。ステップS16で(2)又は(3)が選択された場合は、制御部11は、該当する要素群に対してのみ処理を行う。そして、制御部11は、フローチャートの処理を終了する。
なお、上記ではフローチャートを図9A、図9Bに分けて制御部11の動作を説明しているが、これらのフローチャートは判定処理を加えた1つのフロー(動作)としてもよい。すなわち、制御部11は、ステップS14で要素群の選択を受け付けた際に、その要素群が検索済か否かの判定を行い、検索済の場合はS15に進み、未検索の場合はS12以降の処理を行ってもよい。この場合、S13に続き処理を行う場合には、S15の処理内容の指定を受け付け、すぐに処理を行わない場合は、S13で処理を終了してよい。このような判定処理を有する処理フローの例を図9Cに示す。図9Cにおいて、ステップS91の処理は、図9AのステップS11、及び、図9BのステップS14と同じである。ステップS92において、制御部11は、選択された要素群について以前に検索済みであるか否かを判定する。制御部11は、検索済みの場合(ステップS92でYES)はステップS96へ進み、検索済みでない場合(ステップS92でNO)はステップS93へ進む。ステップS93、ステップS94の処理は、図9AのステップS12、ステップS13と同じである。ステップS95において、制御部11は、すぐに処理を行うか否かを判定する。制御部11は、例えば、ステップS94の処理を行ってから一定時間内にユーザから指示があった場合は、すぐに処理を行うと判定してもよい。制御部11は、すぐに処理を行う場合(ステップS95でYES)はステップS96へ進み、そうでない場合(ステップS95でNO)は処理を終了する。ステップ96~ステップ98の処理は図9BのステップS15~ステップS17と同じである。ステップS98の処理を終えると、制御部11は、フローチャートの処理を終了する。
以上のように、情報処理装置10は、図面中の同一の複数の要素群の各々に対してユーザが選択した処理を実行するため、各要素群に対し簡易な操作で同一の処理を一括して行うことが可能である。また、情報処理装置10は、複数の要素群に含まれるいずれかの要素群に対して処理の選択を受け付けたことに応じて、その処理を、複数の要素群に含まれる要素群の各々に対して実行する。そのため、情報処理装置10は、複数の要素群に含まれる全ての要素群に対して漏れなく共通の処理を実行することができる。
また、情報処理装置10は、共通の処理として要素群(要素群そのものや、要素群内の一部要素)の一括置換、要素の種類及び配列の少なくともいずれかの一括変更、及び、要素の属性情報の一括変更等の、任意の処理の選択を受け付けるため、ユーザは所望の処理を効率的に実行させることが可能である。また、情報処理装置10は、共通の処理の対象となる複数の要素群を、その複数の要素群に含まれない要素とは異なる態様で表示部15に表示させてもよい。つまり、制御部11は、図面中でその要素群の位置が容易に識別できるように強調表示を行う。例えば、制御部11は、強調表示として、色や線種を変更したり、記号を付したり、それらを組み合わせて表示してもよい。そのため、ユーザは、共通の処理を一括して行う対象の要素群を容易に確認することが可能である。さらに、情報処理装置10は、ユーザから選択を受け付けた検索要素群に適合する要素群を図面から検索して、複数の要素群を取得してもよい。それにより、情報処理装置10は、共通の処理を一括して行う対象の複数の要素群を自動的に取得することが可能である。
なお、上記の処理(グループ置換及び設定変更処理)は、ユーザが「このグループ(要素群)をこの内容に変更/置換する」等と逐一指定することにより実行されてもよい。これに代えて、情報処理装置10は、登録されたグループに関係者による変更があったことを検知して、自動的に反映してもよい。あるいは、情報処理装置10は、各関係者の変更を踏まえて、所定期間毎に定期的に実行するようにしてもよい。
<第3実施形態>
本実施形態では、ユーザにより選択された検索要素群に適合する要素群として完全に同一の要素群だけでなく部分的に相違する要素群を含めて自動的に検索し、検索要素群との相違点に基づき分類して記憶部12に記憶させる構成を説明する。本実施形態の構成によれば、ユーザが欠陥又は不備のある要素を容易に抽出することが可能である。第1実施形態と共通の構成には同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
本実施形態に係る情報処理装置10は、検索要素群と一部異なる要素群も検索要素群に適合するものとして検索する。すなわち、第1実施形態の構成では、ユーザ設定により一致すべき属性条件等を設定し得るものの、原則的には、選択した要素群と完全に同一のものを検索対象とする。しかしながら、ユーザのミス等により一部の属性の設定が漏れていたり、誤記があったりすると、本来は同一の要素群であるのに一部条件が一致しないものが生じ、検索すべき要素群が検索されないことがある。本実施形態の情報処理装置10は、このような要素群をも漏れなく検出する。検索から漏れた場合、実際に図面内に存在する要素群と検出した(本来検索されるべき)要素群の数が合わず、検索漏れが生じる上、図面内に間違いや不備を含む要素群が残ったままになる。漏れたものを個別に人手で抽出したり、間違いを見つけ出して修正すると、作業は大変な手間になるので、漏れの無い検出を行いつつ、修正の手間を解消するためのものである。したがって、上記の「部分的に相違する要素群」とは、検索要素群との相違点が微差の要素群であり、別の要素群と評価すべき大きな差異を有する要素群は含まれない。検索要素群との相違が微差であるとは、属性情報又は要素の表記に差異があるものが想定される。部分的に相違する要素群の具体例は、以下の説明中で示す。
図10~図15は、情報処理装置10に接続された表示部15の画面の一例を示す図である。図10は、ユーザ201がタッチ操作等により図面中の領域21を選択し、要素C、要素A、及び要素Bの要素からなる要素群(グループ)が選択されている場合の例を示している。第1実施形態と同様に、要素群の選択は、タッチパネルの接触操作に代えて、ポインティングデバイス等によるカーソル移動操作等により行われてもよい。
情報処理装置10の制御部11は、ユーザ201が領域21を選択して要素群を選択したことに応じて、その要素群を検索要素群として、その検索要素群に適合する要素群を図面から検索する。制御部11は、検索要素群と同一の要素群だけではなく、同一の可能性が高いが、部分的に異なっている要素群も図面から検索する。その際に、制御部11は、その異なる内容が何であるか(相違点)を示す情報も含めて記憶してもよい。検索要素群と完全に同じものだけを検索対象とすると、本来同じ(検索対象)であるにかもかかわらず、誤記、設定漏れ、図面上の欠損で一部が際に生じていること等により、異なる要素群と判断してしまい、検索すべき要素群が検索から漏れてしまう場合がありうる。本実施形態に係る情報処理装置10は、検索要素群に適合する要素群として完全に同一の要素群だけでなく部分的に相違する要素群を含めて検索することで、このような問題に対処する。制御部11は、検索した要素群を図面上の位置と対応させて表示部15に表示させる。
図11は、検索結果を示す画面を示している。要素群46は検索要素群と適合する要素群である。検索要素群と完全に一致する要素群46には、そのことを示す「Correct」のマーク47が近傍に付されている。検索要素群と一部が一致しない要素群53には、検索要素群と完全には一致しないことを示す「Error?」のマーク48が近傍に付されている。図12を参照して後述するように、要素群53の要素Bの機種番号が検索要素群の要素Bと異なっているため、要素群53の近傍には「Error?」のマーク48が付されている。表示エリア49には、検索された各要素群のうち、「Correct」に該当するもの、及び、「Error?」該当するものの、個数、及び一致度を示す数値が表示されている。「Error?」のマーク48は、その色や線種等が「Correct」のマーク47と異なるように表示してもよい。図11の例では、マークを用いて識別しており、要素群46と要素群53は同じ線種(破線)で強調表示されているが、両者の表示方法は識別可能に変更してもよい。問題のない、検索要素群と完全一致の要素群であること、及び、検索要素群と同じ要素群であると思われるが一部が異なること、の2種を識別できる表現や記号であれば、これに限らず多様な表現が用いられてよい。
情報処理装置10は、「Error?」のマーク48がユーザにより選択されたことに応じて、その要素群の検索要素群との相違点の内容を表示部15に表示させる。図12では、要素群53において、要素Bの図形を他の要素とは異なる色、あるいは線種等で表示することで、要素Bが検索要素群と完全には一致しないことが示されている。表示エリア152には、より詳細な情報が表示されている。図12の例では、要素群53の要素Bの機種番号が検索要素群の要素Bと異なっている。表示エリア51には、検索要素群が表示されている。表示エリア52には、検索要素群の要素Bの機種番号「ABC110」が示されている。表示エリア54には、要素群53の要素Bの機種番号「ADC110」が示され、機種番号の2つ目の文字「D」を強調表示することで、その文字が検索要素群と異なることが表示されている。表示エリア152の最下部には「修正実行」のボタン55が表示され、ユーザによる修正指示の選択を受け付け可能となっている。ユーザはこの情報を確認し、「ADC110」なる機種番号が存在しないこと、又は、ABC110の間違いであることなどを踏まえて修正を行う。情報処理装置10は、ユーザ201によるボタン55の選択(実行)に応じて、要素群53の要素Bの機種番号「ADC110」を検索要素群に含まれる要素Bの機種番号「ABC110」に修正する。
図13は、要素群56及び要素群57が検索要素群と完全には一致しない場合の表示例を示している。要素群56は要素Bの機種番号が検索要素群の要素Bと異なる。そのため、要素群56の近傍には、機種番号が検索要素群と異なることを示す「Model No」のマーク58が示されている。要素群57は要素Bに値が設定されていない点が検索要素群の要素Bと異なる。そのため、要素群57の近傍には、値が設定されていないことを示す「Value Blank」のマーク59が示されている。制御部11は、このような表示により、同一要素群と思われる(ただし、部分的に差異がある)要素群を、検索要素群との間で違いがあるから別物とは判定せず、同一要素群(候補)として抽出した上で、「異なる内容は何であるか」を特段の操作等を行うことなくユーザに認識させる。
図14は、要素群56及び要素群57が検索要素群と完全には一致しない内容を図面上の各要素群と対応づけて表示した例を示している。要素群46は検索要素群と完全に一致しているため、異常(検索要素群と差異があること)を示す表示がなく、付随する画像61には正しい機種番号と設定値の内容が表示されている。要素群56には検索要素群とは機種番号が異なっていることを示す「Model No」のマーク58と、要素群に設定された属性情報の内容を示す画像62が表示されている。要素群57には、検索要素群では設定されている値が設定されていないことを示す「Value Blank」のマーク59と、要素群に設定された属性情報の内容を示す画像63が表示されている。
画像62及び画像63は、夫々検索要素群と完全には一致しない要素の機種番号、及び設定値に設定されている内容を表示するとともに、これらの値を修正するための「修正」ボタンを表示している。画像62は、要素群53の要素Bの機種番号「ADC110」を表示しており、検索要素群との差異(相違点)となるDの文字が強調されている。画像63は、要素群57の要素Bに値が設定されていないことを表示している。そのため、ユーザ201は、画像61、画像62及び画像63を参照し、各要素群の設定内容を相互比較することで、要素群56、57がいかなる点で検索要素群と完全に一致しないのかを確認することができる。また、ユーザ201は、確認の上で「修正」ボタンを選択(実行)して、これらの値を検索要素群(完全一致している要素群)と同一になるように、又は、任意の値に修正することができる。情報処理装置10は、ユーザ201による「修正」ボタンの選択(実行)により、その要素のみを修正し、又は、検索要素群と完全に一致しない全ての要素を一括して修正するようにしてもよい。
画像62、63では、例示のために2つの属性項目のみを表示しているが、多数の項目が存在する場合、制御部11は、例えば十数又は数十の項目が存在する場合には、項目毎に修正ボタンを設け、項目単位で修正が実行できるようにしてもよい。あるいは、図14に示すように、制御部11は、1つの修正ボタンで全ての項目が一括修正できるようにしてもよい。制御部11は、「特定項目のみの修正」、「全体の一括修正」等のための複数のボタンを表示して、ユーザがいずれかを選択の上実行できるようにしてもよい。
また、制御部11は、多数の属性項目の中から、ある要素群において検索要素群と差異がある項目のみを抽出して、画像62や63に表示するようにしてもよい。このような処理により、多数の項目が存在しても、ユーザは、異なっている項目を速やかに認識でき、要素群に関するあまりにも多くの情報が表示されることにより、図面そのものの表示が妨げられることを防ぐことができる。すなわち、情報の視認性を向上できる。
情報処理装置10は、検索された要素群を、検索要素群との相違点に基づき同一の要素群(同一である可能性の高いものを含む)の集合として、差異内容毎に分類して、記憶部12に記憶させるが、これらの検索された要素群をその相違点に基づく分類を識別できるように表示部15に表示させてもよい。本実施形態の情報処理装置10は、検索された要素群の「分析」の指示をユーザから受け付けたことに応じて、検索された要素群を検索要素群との相違点に基づき分類した画面を表示する。図15では、領域21の選択に応じて、この選択された要素群に対し行うべき処理を選択するための画像65が表示され、ユーザにより「分析」ボタンが選択されている場合を示している。情報処理装置10は、「分析」ボタンの選択(実行)に応じて、検索された要素群を分類した画面を表示する。表示エリア152にも「分析」ボタンが表示されているが、情報処理装置10は、表示エリア152の「分析」ボタンが選択された場合にも、検索された要素群を分類した画面を表示する。
図16は、要素群の相違点に基づく分類を示す画像153の一例を示す図である。図16の例では、検索要素群は、「抽出対象グループX」として表示されている。検索要素群に適合すると判定される(完全に一致する要素群だけでなく、概ね合致していながら、前述の誤記や設定漏れ、設定ミス等により一部異なる要素も該当し得る)要素群は、図面中に100個検索されている。検索要素群に含まれる要素Bは、「機種:ABC110」、及び「設定値:22.5」の属性値(属性情報)を有する。
図16の例では、検索要素群に完全に一致する要素群は70個存在する。検索された100個の要素群のうちの、残りの30個は、検索要素群との相違点に応じて、3つの類型に分類されている。図16では、相違点が幾何学的欠損である要素群は2個、相違点が型番の表記ミスであるものは8個、相違点が要素の設定値が未設定であるものは20個存在する。幾何学的欠損は要素(記号)の表記上の問題であり、型番の表記ミス及び設定値の未設定は属性情報の問題である。
幾何学的欠損は、要素Aを示す図形が歪んでいることである。例えば、要素Aを示す記号の輪郭が四角形か円形かを判別できない場合は、幾何学的欠損として分類される。図形の歪みは、図面がスキャンにより取得されたものである場合等に生じうる。例えば、元の紙図面の問題であったり、異物を巻き込んだり、あるいはスキャンの過程で線が歪んだりすること等により、円形の記号が真円でなくなったり、一部欠損したりして、円と認識されない場合等である。型番の表記ミスは、「機種番号」が情報の伝達ミス又は作業者の入力ミス等により検索要素群と一致しないことである。値未設定は、要素に値が設定されていないことである。ユーザ201は、相違点に基づき分類して表示された検索要素群に少なくとも部分的に不一致である(検索要素群と同一要素群であるはずだが不備がある)要素群を閲覧することで、図面中の欠陥又は不備のある要素を一見して容易に把握することができる。
情報処理装置10は、検索要素群と同じ可能性が高いが部分的に異なっている要素群の、検索要素群と適合する度合いを示す数値である一致度(類似度)を数値化して管理してもよい。このような一致度の算出について図17A~図17C及び図18を参照して説明する。図17A~図17Cは、要素群の相違点に基づく分類項目の一例を示す図である。図17Aにおいて、要素群66は、検索要素群と完全に一致する要素群である。要素群66は、要素A、要素B、及び要素Cをこの順序の配列で備える。要素群66の各要素のうち要素Aは属性情報1(属性情報a1)、属性情報2(属性情報a2)を備える。表67は、要素群66が、検索要素群と完全に一致することを示している。
図17Bの要素群68は、検索要素群と同一の種類の要素A、要素B、及び要素Cを備えるものの、これらを要素A、要素C、及び要素Bの順序で備える点で、検索要素群と要素の配列が異なる。要素群68のそれ以外の内容は、検索要素群と一致する。表69は、要素群68と検索要素群との異同を示している。要素B、要素Cの配列欄が不一致であり、「×」となっている。
図17Cの要素群70は、要素A、要素D、及び要素Eがこの順序で接続されて構成されており、要素Aを備えている点では一致するものの、要素B及び要素Cを備えていない点で、要素の種類及び配列が検索要素群と相違する。また、要素群70の要素Aは、その図形及び属性情報2が、検索要素群と異なる。表71は、要素群70と検索要素群との異同を示している。図17Cにおいて、一致しない項目は、「×」により示されている。
情報処理装置10は、表67、表69、及び表71のような検索要素群の異同に関する各項目にウェイト付けして、一致度を計算してもよい。一致度はルール記憶部122に記憶された一致度の計算に関するルールにより計算されてよい。要素群を構成する要素や、構成要素の配列が検索要素群と異なる場合、相違点が多くなるに従って一致度は70%、50%、30%等と低くなる。一致点が予め定められた値(例えば、90%)を下回る場合、そのような要素群は、そもそも検索要素群とは異なる要素群であるので、このようなものが検索要素群と同一の可能性がある要素として検索されることはない。
情報処理装置10は、例えば、要素違いは-10点、属性違いは-0.5点といったように、類似性又は差異を決する重要度の大小に応じて相違点を点数化し、その点数の合計値を100点に加算して一致度を算出してもよい。この際、一致度の判定に大きな影響を及ぼす相違点の項目の点数(減点)は高く設定され、影響が小さいものの点数(減点)は低く設定される。また、一致度は、パーセント表示のような他の表記により表示されてもよい。あるいは、完全一致を100点とする減点方式に限らず、「乖離度」として数値を求め、完全一致の場合は0、乖離度が高いほど数値が大きくなるようにしてもよい。
図18は、要素群の相違点に基づく点数化の一例を示す図である。図18において、「基準」は検索要素群の内容を示す。「1a」は、構成要素、その配列、並びに全ての設定値が検索要素群と一致する要素群を示し、100点の一致度が算出されている。このような要素群は検索要素群と「完全同一」と評価される。「1b」の要素群は、構成要素、その配列、並びに要素1(要素C)、要素2(要素A)の属性が検索要素群と一致しているが、要素3(要素B)の設定値だけが異なる。要素3の設定値の相違する点は-2点と評価され、「1b」の要素群の一致度は98点と算出されている。検索要素群との一致度が予め定められた値(例えば、90%)を下回る場合、その要素群はもはや異なる要素と評価すべきであるが、一致度が一定の点数(例えば、90点)以上の要素群は、検索要素群と同一の要素群が何らかの原因で誤って記載されたことが疑われる。そこで、同一と思われるが、誤差を含んでいることを示す「誤差?」という評価がなされる。「1b」の要素群も「誤差?」と評価されている。「1c」の要素群は、検索要素群と、構成要素及びその配列並びに要素3の機器No.以外の属性が一致しているが、要素3の機器Noだけが異なる。「1c」の要素群の一致度は95点と算出され、「誤差?」と評価されている。「2」の要素群は要素1の種類自体が検索要素群と異なり、「3」の要素群は要素の配列が検索要素群と異なる。そのため、これらの要素群の一致度は90点を下回る点数が算出されており、「別物」という評価がされている。情報処理装置10は、このような点数に基づき検索された要素群を分類してもよい。
(動作手順)
次に、図19を参照して、情報処理装置10の動作を説明する。図19を参照して説明する情報処理装置10の動作は本実施形態に係る情報処理方法に相当し、各ステップの動作は制御部11の制御に基づき実行される。図19は、本開示の一実施形態に係る情報処理装置10の動作例を示すフローチャートである。
ステップS21において、制御部11は、少なくとも1つの図面において用いられている少なくとも1つの要素からなる要素群である検索要素群の選択をユーザから受け付ける。要素群の取得は、第1実施形態で説明したように、ユーザにより選択された要素群を検索して行われてもよいし、記憶部12に記憶された要素群を読み出すことにより行われてもよい。
ステップS22において、制御部11は、選択された要素群を記憶部12に記憶させる。これにより、制御部11は、選択された要素群を登録する。この処理は、図5のステップS2と同様である。記憶部12に記憶された要素群を読みだして利用する場合は、このステップは不要である。
ステップS23において、制御部11は、検索要素群に適合する要素群を(一致すると思われるが一部相違点があるものを含めて)少なくとも1つの図面から検索する。検索は、ルール記憶部122に記憶されたルールを用いて行われる。
ステップS24において、制御部11は、検索された要素群に検索要素群との相違点がある場合には、の位置情報等と対応づけて検索要素群との相違点の情報、すなわち、どの項目が異なっているのか、異なっている内容、及び数値(一致度)の少なくともいずれかの情報を共に記憶部12に記憶する。相違点に関する項目は、例えば、表記違い、図形上の不備、データ欠損、誤字、番号間違い、又は、情報未設定等である。
ステップS25において制御部11は、検索された要素群を、相違点に基づく要素群の分類を識別できるように表示部15に表示させる。その際、制御部11は、検索された要素群の分類ごとに、相違点の種別を示す文字列及び画像の少なくともいずれかを表示部15に表示させてもよい。そして、制御部11は、処理を終了する。
以上のように、情報処理装置10は、ユーザ201により選択された検索要素群に一致している要素群だけではなく、一致している(可能性が高い)が部分的に異なっているものを含めて検索要素群に適合する要素群として自動的に検索する。そして、情報処理装置10は、検索要素群との相違点に基づき(そのまま、あるいは必要に応じ分類した上で)記憶部12に記憶させる。したがって、ユーザ201は、記憶した情報の表示時に相違点の情報、あるいは相違点に基づき分類された結果を参照することができる。そのため、ユーザ201は、同一の要素群を漏れなく、また、欠陥又は不備の内容を含めて抽出することが可能となる。また、情報処理装置10は、検索された要素群を、相違点、相違点に基づく分類、及び分析の結果等を識別できるように表示部15に表示させる。そのため、ユーザ201は、相違点に基づき分類して表示された検索要素群に一致している(可能性が高い)が部分的に異なっている要素群を閲覧することで、図面中の欠陥又は不備のある要素群(要素群内の要素)を漏れなく検出しつつ、一見して容易にどこが異なるのか、一致(乖離)の度合い等を把握することが可能である。その際、検索された要素群の分類ごとに、相違点の種別を示す文字列及び画像の少なくともいずれかが表示されるため、ユーザ201は、これらを参照して、検索された要素群は何が検索要素群と異なっているのか、及び、どこに問題があるのかを容易に認識することが可能である。また、制御部11は、検索された要素群の検索要素群との相違点を数値に対応付け、その数値に基づき前記検索された要素群を前記少なくとも1つの要素群の集合に分類するため、ユーザ201は、検索要素群との相違点、つまり図面の欠陥なのか、情報に誤記(誤入力)があるのか、又は、未設定の値があるのか等を容易に判別することかでき、状況の確認や、修正による適正化の処理等も容易になる。
S24の記憶、S25の表示の少なくともいずれかにおいて、制御部11は、検索された要素群を相違点に基づき分類してもよい。すなわち、制御部11は、S24で記憶していた相違点に基づき、S25での表示時に(自動的に、あるいはユーザの要求した条件に応じて)、検索された要素群を分類して表示してもよい。あるいは、制御部11は、S24で相違点に基づいた要素群の分類を実施しておき、S25での表示時に分類した内容を表示してもよい。図10の例では、相違点の有無に基づき「完全一致(Correct)」か「同一と思われるが不一致の要素がある(Erroe?)」かに大きく二分する分類が行われている。図12の例では、相違点そのものが記号等の識別子や色変更等で識別可能に表示されている。図16の例では、完全一致か/相違点があるか、どの項目に相違があるか、夫々の件数はどれくらいか、一致度を数値化するとどれ位か、といった相違点に基づく分類情報が表示されている。これらは少なくともいずれかのみが利用されてもよいし、又は、併用されてもよい。さらに、検索された要素群は、制御部11により、予め分類されて記憶部12に記憶されてもよいし、記憶した情報の表示時に分類されてもよいし、又は、記憶・表示の双方で分類や分析の処理が行われてもよい。検索された要素群の分類は、相違点の項目又は一致度のいずれか一方に着目してなされてもよいし、それらが併用されてなされてもよい。
また、ステップS23の検索について、制御部11は、検索要素群と一致している(可能性が高い)要素群だが部分的に異なっているものとして要素群を検索する際の検索条件の設定をユーザ201から受け付け、その設定に基づき検索を行ってもよい。それにより、ユーザ201は、用途及び目的に応じて所望の検索条件を設定することが可能となる。
また、制御部11は、少なくとも1つの要素群の集合に含まれるいずれかの集合である処理対象の集合に属する要素群の各々に対して行う共通の処理の選択をユーザから受け付け、その共通の処理を処理対象の集合に属する要素群の各々に対して実行してもよい。具体的には、情報処理装置10は、第2実施形態と同様の処理を行うことにより、一括処理を行うことができる。これにより、ユーザ201は、検索要素群との相違点に基づき分類された要素群の集合のいずれかである処理対象の集合に属する各要素群に対し、簡易な操作で同一の処理を一括して行うことが可能である。例えば、ユーザ201は、誤記又は誤差と考えられる要素についてのみ一括して、誤りの修正を一括して行うことができる。また、情報処理装置10は、少なくとも1つの要素群の集合の中から処理対象の集合の選択をユーザから受け付けてもよい。これ値より、ユーザ201は、同一の処理を一括して行う対象の集合を選択することができる。
<第4実施形態>
本実施形態では、複数の要素群から共通の要素群を抽出し、抽出された要素群が複数の要素群の上位の階層に属するように階層化する構成を説明する。本実施形態によれば、ユーザは、より上位の階層に属する要素群に基づき作業を行うことで、下位の階層の複数の要素群の各々に対して個別に作業を行うのと比べてより効率的に作業を進めることが可能となる。第1実施形態と共通の構成には同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
図20は、共通に含む要素群に基づき階層化された要素群を模式的に示す図である。図20において、要素群72、要素群73、及び要素群74は、3つの要素からなる要素群であるが、要素A及び要素Bの2つの要素が接続された要素群75を共通に有する。情報処理装置10が、図面中のこのような要素群72、要素群73、及び要素群74に対して、一括処理等の何らかの処理を行う場合、要素群75に対する処理は共通していることが多い。要素群に対する処理としては、例えば、設計変更、構成要素の置換、構成要素に設定されたデータの変更、異なる形式のデータへの変換等が含まれ得る。構成要素である要素A、要素Bに関する処理を行うような場合は、要素群72、要素群73、及び要素群74のそれぞれ(3種類)に着目して別個に処理を行うよりも、これらの要素群に共通する要素群75(1種類)に着目して共通の処理を行った方が効率的である。そこで、本実施形態の情報処理装置10は、ユーザが抽出したり、記憶部12に記憶されている複数の要素群から共通の要素群(共通要素群)を抽出し、抽出された共通要素群が複数の要素群の上位の階層に属するように階層化する処理を行う。
次に、図21を参照して、情報処理装置10の動作を説明する。図21を参照して説明する情報処理装置10の動作は本実施形態に係る情報処理方法に相当し、各ステップの動作は制御部11の制御に基づき実行される。図21は、本開示の一実施形態に係る情報処理装置10の動作例を示すフローチャートである。
ステップS31において、制御部11は、少なくとも1つの図面において用いられている少なくとも2つの要素からなる、第1の要素群及び第2の要素群を取得する。要素群の取得は、第1実施形態で説明したように、ユーザにより選択された要素群を検索して行われてもよいし、記憶部12に記憶された要素群を読み出すことにより行われてもよい。
ステップS32において、制御部11は、第1の要素群及び第2の要素群に共通して含まれる要素群として抽出するための条件の設定をユーザから受け付けてもよい。このステップは必須ではない。選択済の要素群に共通部分があることに気づいたユーザが再分類を指示することも考えられるが、ユーザが選択した複数の要素群、又は既に図面中から検索済であり記憶部12に記憶された複数の要素群を、ユーザが意識したり、特段の作業を行わずとも、共通部分で括り出して自動的に再分類すると高効率である。ルール記憶部122等に記憶された共通部分を抽出する実行条件データ等が利用されてよい。デフォルトの情報を利用する場合、ユーザは何ら操作や指示を行う必要はない。ユーザは必要に応じて、適宜この設定を変更してもよい。抽出条件としては、例えば、次のようなものがありうる。
・第1の要素群及び第2の要素群に共通して含まれる、同一の配列で互いに接続された要素であって、対応する各要素の種類及び属性情報が同一のもののうち、要素の数が最大のものを抽出する。
・第1の要素群及び第2の要素群に共通して含まれる、少なくとも1つの要素であって、対応する各要素の種類が同一であるが、少なくとも一部の属性情報の同一性は問わない。
・第1の要素群及び第2の要素群に共通して含まれる、同一の配列で互いに接続された少なくとも1つの要素であって、対応する各要素の種類及び属性情報が同一であり、特定の要素がその要素群の外部の同一の種類の要素に隣接しているものと、その外部の同一要素とからなる要素群を抽出する。
これらは一例であり、制御部11は、元となる複数の要素群の間で、より少数の要素からなる要素群を接続数が最大数となるように抽出したり、共通する少なくとも1つの要素を抽出したりしてもよい。その際、制御部11は、属性情報も含めて完全に一致する場合にのみ要素が共通すると評価してもよいし、又は、一部の属性情報は異なる場合も要素が共通すると評価してもよい。あるいは、制御部11は、属性情報は問わずに要素の共通性を評価してもよい。要素の共通性を評価する際は、このような条件が適宜組み合わせて利用されてよく、これらは事前設定されてルール記憶部122等に記憶されていてもよいし、あるいは、ユーザが必要に応じて設定したり変更を加えてもよい。
また、3つ以上の要素群に共通して含まれる要素群を抽出する場合は、全ての要素群に共通して含まれる要素群を抽出するという条件の他、一部の要素群に共通して含まれる要素群を抽出するという条件もありうる。
情報処理装置10は、予め設定されている(上に例示した)条件に基づき階層化を行うことで、特段の作業を行わずとも要素群を適切に階層化して作業の効率化に資することが可能となる。また、ユーザは、第1の要素群及び前記第2の要素群に共通して含まれる要素群として抽出する際の条件を任意に設定することもできるため、用途及び目的に応じて、要素群を適切に階層化することが可能となる。情報処理装置10は、上に例示したいずれかの条件をデフォルトの条件として予め設定しておいてもよい。
ステップS33において、制御部11は、第1の要素群及び第2の要素群に共通して含まれる要素群である第3の要素群を、第1の要素群及び第2の要素群から自動的に抽出する。図20を例にとって説明すると、ユーザは要素間の関係等何も意識することなく、要素群72(上流から要素C、要素A、要素B)、要素群73(バルブ、要素A、要素B)、要素群75(要素D、要素A、要素B)を異なるタイミングで選択したり、あるいは複数のユーザが個別に図面上から選択する(夫々図面から検索され、図面上の位置情報等、特定する情報と共に記憶部に記憶される)。ここで、情報処理装置10は、これらの要素に上流から要素A、要素Bが共通していることを検出(判定)し、要素A、要素Bからなる上位階層の要素群を生成し、元の各要素群72、要素群73、要素群75をその下位階層の要素群として階層化する。これは、自動的に(条件設定等が必要ない)共通条件を元に再階層化処理を行う例であるが、階層化条件が記憶部12等に記憶されていればその条件に合致するものは、ユーザが選択等の作業を行わずとも、自動的に再階層化がなされてよい。あるいはユーザにより抽出条件が選択される場合には、ステップS32で選択されて、設定された条件に基づき、第1の要素群及び第2の要素群に共通して含まれる要素群である第3の要素群を、第1の要素群及び第2の要素群から抽出してもよい。
ステップS34において、制御部11は、第1の要素群、第2の要素群、及び第3の要素群を、第3の要素群が第1の要素群及び第2の要素群の上位の階層に属するように階層化する。
ステップS35において、制御部11は、第1の要素群、第2の要素群、及び第3の要素群を、その階層の関係を示す情報とともに、記憶部12に記憶させる。
ステップS36において、制御部11は、第1の要素群、第2の要素群、及び第3の要素群の階層関係を示す画像を表示部15に表示させる。要素間の階層関係を示す画像は、例えば、図20のようなツリー構造により階層関係を表示してもよい。要素間の階層関係を示す画像は、各階層に属する要素群の個数を併せて表示してもよい。制御部11がこのような画像を表示部15に表示させることで、ユーザは、要素群の階層関係を容易に把握することが可能である。なお、制御部11は、画像でなくテキスト情報により、要素間の階層関係を表示部15に表示させてもよい。あるいは、制御部11は、図22又は図23のように、図面中において選択された要素群の中で、共通の要素群を示して上位の要素群を表示することで階層関係を表示してもよい。そして、処理を終了する。
以上のように、本実施形態では、第1の要素群及び第2の要素群に共通して含まれる要素群である第3の要素群が自動的に抽出されて、第3の要素群が第1の要素群及び第2の要素群の上位の階層に属するように階層化して記憶される。したがって、ユーザは、より上位の階層に属する第3の要素群に基づき作業を行うことができ、第1、第2の要素群の各々について別個に作業を行うのと比べてより効率的に作業を進めることが可能となる。
図22及び図23は、共通に含む要素群に基づき分類された要素群の一例を示す図である。図22において、枠線80に含まれる要素群77及び要素群78は、3つの要素である要素A、要素B、及び要素Eからなる要素群を共通の要素群として有する。一方で、枠線167に含まれる要素群77、要素群78、及び要素群79は、2つの要素である要素A及び要素Bからなる要素群を共通の要素群として有する。そのため、要素群77、要素群78、及び要素群79からは、要素A、要素B、及び要素Eからなる要素群、又は、要素A及び要素Bからなる要素群を上位の階層に属すべき要素群として抽出することが考えられる。ユーザは、用途及び目的に応じて、いずれの要素群を上位の階層に属すべき要素群として抽出するかを設定することができる。要素A、要素B、要素Eからなる要素群についての処理が必要な場合は、要素群77や78個別ではなく、枠線80内の全体に処理がなされるべきであり、その方が効率がよい。要素A、要素Bからなる要素群について共通する処理が必要な場合は、やはり3つの要素群77、78、79個別ではなく167内の要素群全てに処理がなされる方が効率がよい。ユーザが図面に対して処理を行おうとする際に、選択済要素群(グループ)のメニューに、画像もしくはテキストで図22のような階層情報が表示されているとする。このような場合、ユーザは要素A、要素B、要素Eの要素群に処理を行いたい場合は枠線80により示される要素群を選択し、要素A,要素Bの要素群に処理を行いたい場合は枠線167により示される要素群を選択することができる。
ユーザが何も表示されていない図面上で要素群77(要素C、要素A、要素B、及び要素Eから成る)を選択した場合には、制御部11は、図22に示すように、要素A、B、Eからなる上位要素群(枠線80により示される)が存在することをユーザに提示してもよい。このように表示制御をすることで、ユーザは要素群77を選択後に、これを介して、枠線80により示される要素群を処理対象として指定してもよい。すなわち、要素A、要素B、及び要素Eを囲む枠線80を指定することで枠線80により示される要素群が選択されたり、枠線80により示される上位の要素群を選択するかどうかを示す選択メニュー等が表示されるなどの、UI上の処理が行われてもよい。また、このような表示補助を行わない場合でも、ユーザが要素群77を指定して、要素A、要素B、要素Eに対して処理を実行するよう指示した際に、「要素A、B、Eを含む上位要素群80に処理を適用するか」を確認するメッセージが表示され、実行する/しないを選択できてもよい。あるいは、このような確認をせずとも制御部11が自動的に必要な処理を実行してもよい。
図23において、要素群82及び要素群83は、要素A及び要素Bからなる要素群を共通の要素群として有する。一方で、要素群82の要素B及び要素群83の要素Bはいずれも、要素群の外部に存在する要素Eと隣接している。そこで、情報処理装置10は、要素A、要素B、及び要素Eからなる要素群を共通の要素群84、85として抽出し、要素群の階層構造を再構成してもよい。これはユーザが図面上から選択した要素群が82、83である場合等に、ユーザが意図せずとも、情報処理装置10(制御部11)が、要素Eも共通することを検出し、これをまとめてより大きな要素群として上位階層化して記憶部12に記憶したり、上位階層化できることをユーザに提示したりしてもよい。
<第5実施形態>
本実施形態では、第1の要素群に着目して第1の要素群に適合する要素群を図面から抽出するとともに、さらに、抽出した要素群を予め定められた条件に基づき第2、第3の要素群に細分化(下位階層を生成)する構成を説明する。本実施形態の構成によれば、特定の要素群に着目しつつ、さらにユーザの所望の条件に適合する要素群に対して効率的に作業を行うことが可能である。第1実施形態と共通の構成には同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
図24は、要素群を、隣接して接続された要素に基づき分類する処理を模式的に示す図である。要素群86は、要素C、要素A、及び要素Bがこの順序で配列されて構成される。ユーザ201は、このような要素群のうち、一定の条件を満たすもののみについて、共通の処理を行いたいと考える場合がありうる。例えば、ユーザ201は、要素Cの上流に隣接してタンク90が接続された要素群86のみを、共通の処理の対象としたいと考える場合がありうる。そこで、本実施形態の情報処理装置10は、予め定められた一定の条件に基づき、与えられた要素群をこのような条件に応じて複数の要素群に細分化し、元の要素群の下位階層に属するように階層化する。すなわち、情報処理装置10は、元の要素群が、細分化した要素群の上位の階層に属するように階層化する。
図24の例では、情報処理装置10は、要素群86を、要素Cの上流に隣接してタンク90が接続された要素群87と、要素Cの上流に隣接してタンクがない(タンク以外の要素が接続された場合を含む。)要素群88と、に細分化する。そして、情報処理装置10は、(上流のタンクの有無という条件によって)新たに発生した要素群87及び要素群88を、元の要素群86の下位階層に属するように階層化する。したがって、ユーザ201は、要素群88をひと固まりの集合としてしか扱えず、上流にタンクがあるもののみに処理が必要な場合に個別の検索や処理を実行するのではなく、要素群87に着目することで、手間なく所望の要素群に対してのみ効率的に作業を進めることが可能である。例えば、ユーザ201は、情報処理装置10に、要素群87に適合する要素群(上流にタンクが接続されているもののみ)を検索させ、その要素群に対して一括処理を行わせることができる。この情報は記憶部12に記憶されるので、同じ要素群に処理を行いたい場合には再利用できる。なお、上流にタンクが接続されているか否かに基づき要素群を分類して細分化し、階層化する処理は説明のための一例であり、これに限らず多様な条件で下位階層の分類が行われてよい。このような条件(上流に〇〇が接続されている)が処理上多用される場合等も考えられる。このような条件を記憶部12に記憶しておき、図面上の要素群に対して条件合致の検索を行い、自動的に階層化を行ってユーザに提示したり、自動的に実行して記憶部12に記憶しておいてもよい。
次に、図25を参照して、情報処理装置10の動作を説明する。図25を参照して説明する情報処理装置10の動作は本実施形態に係る情報処理方法に相当し、各ステップの動作は制御部11の制御に基づき実行される。図25は、本開示の一実施形態に係る情報処理装置10の動作例を示すフローチャートである。
ステップS51において、制御部11は、少なくとも1つの図面において用いられている少なくとも1つの要素からなる第1の要素群の選択をユーザから受け付ける。制御部11は、グループ記憶部121に登録されている要素群についてユーザからの選択を受け付けてもよい。
ステップS52において、制御部11は、選択された第1の要素群に対する処理内容の指定をユーザから受け付ける。ここで、制御部11は、選択された第1の要素群に適合する要素群の全てを処理対象とするのか、又は、一定の条件を満たすもののみを処理対象とするのかの条件の指定もユーザから受け付ける。このような条件としては、例えば、次のようなものがありうる。
・第1の要素群に含まれる要素が第1の要素群の外部の要素と特定の関係にあること(例えば、上流にタンクがあること)
・第1の要素群に含まれる少なくとも1つの要素の属性情報が一定の条件を満たすこと。
・第1の要素群に隣接する要素が、特定の要素である、特定の設定値が設定されているなどの一定の条件を満たすこと。
後述するように、制御部11は、ステップS54以降で第1の要素群に適合する要素群をその要素群に含まれる要素の属性情報、及び、隣接する要素等の一定の条件に基づき細分化する。そのため、情報処理装置10によれば、特定の要素群に着目しつつ、さらにユーザの所望の条件に適合する要素群に対して効率的に作業を行うことが可能である。
ステップS53において、制御部11は、ユーザが一定の条件を満たす要素群(例えば、上流にタンクがある要素群)のみを処理対象として指定しているのか否かを判定する。制御部11は、一定の条件を満たす要素群のみを処理対象とする場合(ステップS53でYES)はステップS54へ進む。そうでない場合(ステップS53でNO)は、制御部11は、ステップS57へ進み、図面中の選択された要素群に適合する要素群の全てを処理対象として、一括処理を実行し、フローチャートの処理を終了する。
ステップS54において、制御部11は、第1の要素群のうち、ステップS52で選択された一定の条件(例えば、上流にタンクがあること等)に適合するものを検索する。
ステップS55において、制御部11は、第1の要素群を、ステップS52でユーザにより指定された一定の条件を満たす第2の要素群(例えば、上流にタンクがある要素群)と、一定の条件を満たさない第3の要素群(例えば、上流にタンクがない要素群)とに分類する。さらに、制御部11は、第1の要素群、第2の要素群、及び第3の要素群を、第1の要素群が第2の要素群及び第3の要素群の上位の階層に属するように階層化する。
ステップS56において、制御部11は、階層化された第1の要素群、第2の要素群、及び第3の要素群を、記憶部12に記憶させる。
ステップS57において、制御部11は、ユーザが一定の条件を満たす要素群のみを処理対象として指定した場合(S53でYES)は、第1の要素群のうち一定の条件を満たす第2の要素群に適合する各要素群に対して一括処理を行う。したがって、ユーザ201は、第1の要素群に適合する要素群のうち一定の条件を満たすものに対してのみ、所望の処理を実行させることが可能である。なお、ステップS52において、ユーザが一定の条件を満たす要素群のみを処理対象として指定しなかった場合(S53でNO)は、制御部11は、図面中の選択された要素群に適合する要素群の全てを処理対象として、一括処理を実行することは前述のとおりである。ステップS57の処理を終えると、制御部11は、フローチャートの処理を終了する。
上記のように、本実施形態の情報処理装置10は、第1の要素群に着目して第1の要素群に適合する要素群を図面から抽出するとともに、ユーザが指定した条件に基づき第2、第3の要素群に細分化する。制御部11は、予め定められた条件に基づき第2、第3の要素群に細分化してもよい。そのため、ユーザは、特定の要素群に着目しつつ、さらに所望の条件に適合する要素群のみに対して効率的に作業を行うことが可能である。例えば、ユーザは、第1の要素群のうち、特定の条件を満たすもののみに対して、一括処理を情報処理装置10に行わせることができる。
なお、制御部11は、第1の要素群、第2の要素群、及び第3の要素群の階層関係を示す画像を表示部15に表示させてもよい。図26は、そのような画像の一例として、要素群をその不備の内容に基づき分類する処理を模式的に示す図である。図26においては、第1の要素群に少なくとも部分的に適合する要素群が不備なしグループと、不備を含むグループとに細分化されている。図26では、第1の要素群との適合する度合いがパーセント表示されており、「100%」は不備なしグループに当たる要素群は完全に第1の要素群に適合することを示す。「<100%」は、不備を含むグループに当たる要素群は完全に第1の要素群に完全には適合しないことを示す。不備を含むグループの要素群は、型番ミスと、未設定データ有との要素群に細分化され、型番ミスの要素群は要素Aを含む要素群と含まない要素群とに細分化される。要素Aを含む要素群は、要素Bを含む要素群と含まない要素群に細分化され、要素Bを含む要素群は、要素A、B、Bの要素群、要素A、B、Cの要素群、及び要素A、B、Dの要素群に細分化される。制御部11は、階層化された要素群の各々に適合する要素群の個数を併せて表示してもよい。情報処理装置10がこのような画像を表示部15に表示させることで、ユーザは、要素群の階層関係を容易に把握することが可能である。
図27は、要素群を様々な基準により分類する処理を模式的に示す図である。図27において、枠線96に含まれる要素群93及び要素群94は、要素A、要素B、及び要素Cからなる点で共通する。枠線97に含まれる要素群94及び要素群95は、要素Bの機種の値が正しくは「ABC110」であるのにも関わらず誤って「ADC110」と設定されている点で共通する。同じ要素群か(要素A、B、Cからなりその配列が一致しているか)という観点でいえば要素群94と要素群95に共通点はないが、要素Bの機種番号が誤って記載されているという観点でいえば共通の条件でグループとして括り出す(階層化する)ことができる。図27から明らかなように、要素群94に適合する要素群は、枠線96に対応する要素群にグルーピングすることも、あるいは、枠線97に対応する要素群にグルーピングすることも可能である。1つの同じ要素群(図の例では要素群94)が複数の要素群(グループ)に属すこともあり、ユーザが実施する処理上の観点によって、多様な分類(階層化)が想定される。そこで、制御部11は、要素間の階層関係を示す画像として、図27のような画像を表示部15に表示させてもよい。
また、制御部11は、少なくとも1つの図面を、第1の要素群、第2の要素群、及び第3の要素群に該当する部分を識別できるように表示部15に表示させてもよい。具体的には、制御部11は、要素群を示す図形の色及び線を他の要素とは異ならせたり、特定の記号又は文字により、要素群に該当する部分を示したりしてもよい。また、制御部11は、各要素群が図面全体においてどのように分布しているかを示す画像を表示してもよい。これにより、ユーザは、図面においてどの部分が第1の要素群、第2の要素群、及び第3の要素群に該当するかを容易に把握することが可能である。
<第6実施形態>
本実施形態では、第1のユーザからの第2のユーザに対する伝達事項を、図面の位置又は領域に対応させて表示させる構成を説明する。本実施形態によれば、第2のユーザは、図面において確認又は修正を行うべき位置又は領域と、その位置又は領域に対応して記憶され、表示される伝達事項を容易に把握することができ、複数人で効率的に図面の修正等の作業を行うことが可能である。第1実施形態と共通の構成には同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
図28は、本開示の一実施形態に係る情報処理装置10を含む情報処理システム2の構成を示す図である。情報処理システム2は、入力部14及び表示部15を操作するユーザ211に加えて、入力部16及び表示部17を操作するユーザ212も図面の作成に関与する。また、情報処理システム2の情報処理装置10は、記憶部12に指摘・対処記憶部124を有する。指摘・対処記憶部124は、一方のユーザが図面において選択した指摘エリアの位置、指摘エリアに付与した指摘内容、及び、その指摘内容に対する他方のユーザの対処等を示すデータを記憶する。本実施形態では、このようなデータは指摘・対処データと称される。指摘・対処データは、図面にマッピングされて図面上の位置と対応付けられる。ここでは、図面上で指摘・対処箇所が特定可能に表示できるように、指摘対象の要素や、図面上の座標等の位置情報と紐づける形で記憶される。
図29及び図30は、情報処理装置10に接続された表示部15の画面の一例を示す図である。本実施形態では、ユーザ211が操作する表示部15に表示される画面と同一の画面が、ユーザ212が操作する表示部17に表示される場合の例を説明する。以下、ユーザ211はユーザA(第1のユーザ)とも称され、ユーザ212はユーザB(第2のユーザ)とも称される。これらのユーザ数は2名以上であってよく、双方が図面の作成や修正に関与するエンジニアの場合に限らず、一方が顧客で、他方が顧客要望に応じて図面の修正等を行うエンジニアであってよい。
図29において、画面の表示エリア151に表示された図面から、ユーザA(修正依頼者等)は、要修正箇所21を指定する。図29では、ユーザAは、手101によりタッチパネルを操作して要修正箇所21をしている。
ユーザAは、要修正箇所が要素群のようなエリア(グループ)の場合はエリア選択する。選択対象は、複数の要素からなる要素群に限らず、単一の要素であってもよい。ユーザAは、要修正箇所が機器等の要素の場合はポイント指定する。要素群又は要素群の指定は既存の多様な方法が用いられてよいが、第7、第8実施形態において発展的な手法を詳述する。ユーザAは、要修正箇所を指定し、これに関し、ユーザBへの指摘及び修正希望、確認依頼の詳細等(修正に限らず、確認又はその他の作業を促すものであってよい)の伝達事項をメッセージとして入力する。ユーザAは、メッセージの入力ではなく、選択ボタンからメッセージ(指摘や依頼内容の種別)を選択してもよい(図31B参照)。例えば、情報処理装置10が「型番ミス」「値設定漏れ」「図形崩れ」等の選択ボタンを表示し、ユーザAがこれらから選択するようにすれば、ユーザAは、テキスト入力の手間なく効率的に指示・指摘概要を入力することができる。また、選択ボタンによる伝達事項の入力によれば、キーボード入力等を伴わずとも、効率よく作業指定でき、例えば、スマートフォン等を利用した指示、又はポインティングデバイスの操作のみでの効率的な入力等も想定される。また、このような既成のメッセージ(タグ、共通分類)を利用すると、伝達事項は、入力者毎に異なるメッセージ(集約しづらい内容となる)とは異なり、一定の類型に共通化するので、その後の分析及び分類も容易になる。具体的には、例えば、100箇所の伝達事項における指摘の内訳を、型番ミス20件、値設定漏れ70件、図形崩れ10件といった形で、集計して定量的に分析すること等が容易になる。もちろん、伝達事項をテキストにより入力する方式と、予め設定された選択肢から選択して入力する方式とが併用されてもよい。例えば、「型番ミス」を選択した上で、ユーザAが正しいと考える型番情報、及び詳細な伝達事項等を入力してもよい。
図29の例では、表示エリア152内の表示エリア102には、ユーザAにより選択された要素群(表示エリア151内の21)が表示されている。表示エリア103には、選択された要素群に含まれる要素Bの情報が表示されている。表示エリア104には、ユーザAからユーザBへの伝達事項が表示されている。情報処理装置10は、表示エリア104に対し、ユーザAがコメントを記入することで、選択を受け付けた位置又は領域に対するユーザAからユーザBへの伝達事項を付与することができるようにしている。
図30は、ユーザBが画面に対して操作する様子を示している。図30において、ユーザAが指摘した箇所108は、図面内で強調表示される。ユーザB(修正作業者等)は、この箇所を選択する。例えば、ユーザBは、105に示すようにタッチパネルをタッチ操作したり、ポインティングデバイスその他の入力デバイスの操作によってこの部分にカーソルを移動させること等により、強調表示された箇所108を選択する。それに応じて、図面外の表示欄(図30の例では画面右側の表示エリア152)に、作業方針及び修正内容に関するユーザAからユーザBへの伝達事項を示すメッセージが表示される。あるいは、図面上の指摘エリアに当たる箇所108の近辺にメッセージが表示されてもよい。この場合は、ユーザBがエリアを指定するまではメッセージは図面の閲覧を邪魔しないように隠れていてもよい。制御部11は、指摘内容等の詳細については、図面の視認性を妨げない形で、例えば、別のエリアに表示したり、又はポップアップの形式で表示してもよい。
ユーザBはこのメッセージを確認し、その内容及び方針に応じて修正作業等を実施する。なお、メッセージに対する対処は修正作業をするものに限られず、例えば、ユーザAの質問に対しユーザBが回答する等でもよい。図30の例では、表示エリア103において、機種が「ADC110」から「ABC110」に修正されるとともに、未設定であった設定値に値25が設定されている。
ユーザBは指摘箇所の修正、漏れていた値の設定等の作業を行ったり、回答メッセージの入力を行ったりする。ユーザBは、このような作業とメッセージ入力のいずれか一方を行ってもよい。要望に応えて作業を実施すればメッセージは不要の場合もある。ユーザBが、作業は行わずに、作業不要である旨のメッセージのみを入力したり、修正作業を行った上でそれに関連する伝達事項を入力したりする場合もある。図30の例では、表示エリア110にユーザBからユーザAへの伝達事項が入力されている。
ユーザBによる作業が完了すると、この指摘エリアには、作業が完了した旨を示す強調表示がなされてよい。これは、図30の例のように「済」等の文字を含むマーク107の他、文字、マーク又は色等のいずれか、あるいはこれらを併用したものであってよい。作業が完了したことは、ユーザBがその旨を入力することにより設定される。あるいは、指摘したユーザAが了承しなければ完了が確定しない場合は、ユーザBが修正等を行った後に、ユーザAがこれを確認(了承)することによって完了のステータスが設定されてもよい。
このようなマークが付与されると、関係するユーザは、図面上の指摘エリアがどこに存在し、どこが対処済でどこが未了か(次はどこを対処すべきか)等を直感的に視認できる。また、ユーザは、このマークが付与された箇所を検索したり、集計分析したりすることもできる。例えば、情報処理装置10は、100箇所の指摘エリアについて、70箇所分の作業が終わった場合、集計ボタン等を押すことにより(あるいは、指示しなくても自動的に)指摘箇所数100、作業済箇所70、残30等の表示をしてもよい。
ユーザAが入力した情報とユーザBが入力した情報とは、互いに異なる色で表示されてもよい。これに限らず、ユーザ毎に色や記号等の表示を変更し、誰が入力したものかが容易に識別できるようにしてよい。図面上での作業者の分布も把握でき、図面に関与する複数のユーザがいる中で、ある特定の作業者がユーザAの指摘及び要望に対処する等のルールや役割分担が予め決められている場合等には、作業者やその対処状況の把握が容易となる。
図31A及び図31Bは、要素の設定を修正するユーザインタフェースを模式的に示す図である。要素Bについて設定を変更する場合、図31Aに示すように、ユーザAは、要素Bを示す図形を選択する。これに応じて、情報処理装置10は、図31Bに示すように、行うべき修正(指摘)内容の種別等の選択肢をポップアップ等で選択可能に表示する。図31Bの例では、「設定漏れ」、「誤記」、及び「図形崩れ」の選択が可能である(一例であり、選択肢はこれらに限られない)。ユーザAはこれらの中から必要な修正内容を選択して、要素Bについての修正(指摘)内容等を入力する。ユーザAに限らず、ユーザB側のコメント等も、このような選択肢を提示して選ばせることで、入力の手間を排除し、共通的な内容で分類や修正を行いやすいような形で処理を行ってよい。
図32は、情報処理装置10に接続された表示部15の画面の一例を示す図である。図面において、指摘エリアが強調表示されていると、ユーザは、一目で場所を特定でき効果的である。しかし、複数の指摘エリアが広い図面の中に点在するとき、ユーザがスクロール等による画面遷移や作業ポイントの移動等を手動で行い、対処すべき指摘エリア間の移動を行う必要がある。ある場所(指摘エリアの対処)が終わったら次の場所へ移動するために、ポインティングデバイス又はキーボード等でカーソルを大きく移動させる等の操作が必要になる。特に、広大なプラントを示す図面において指摘エリアが点在している場合、新たな指摘エリアを確認する毎に画面のスクロールや作業ポイントの移動を行う必要があるため、指摘エリアの発見が困難になったり、指摘エリアまだたどり着くまでに煩わしい操作が必要になったりする。
そこで、本実施形態に係る情報処理装置10は、単純操作、例えば、画面上に表示された「次ポイントへ移動」ボタンの押下や、例えば入力デバイスの特定のボタンの押下等によるユーザの特定の操作入力に応じて、伝達事項が付与された位置又は領域(指摘エリア)を切り替えて表示部15に表示させる。ここでいう単純操作は、単一ボタン押下やワンクリック等の特定の操作である。画面上から目視で作業ポイントを探す作業や、探すための画面スクロールでポインティングデバイスのホイールを回し続ける操作や、探した上でその位置へカーソルを移動させたりするような、手間や時間のかかる作業とは異なる、所定のボタンやコマンドを簡潔な動作で速やかに実行する(ワンクリック等)ことを示す。これにより、ユーザの操作入力(単純操作)に応じて伝達事項が付与された位置又は領域が切り替えて表示されるため、ユーザは、伝達事項が付与された箇所を手間なく、かつ漏れなく確認することが可能である。具体的には、指摘エリアの記録がなされ指摘エリアが図面上にマッピングされる際に、情報処理装置10は、指摘エリアの位置情報を保持する。指摘エリアの位置情報は、複数図面に分かれている場合はどの図面か、図面上の座標、又は行列情報等の情報である。
そして、情報処理装置10は、入力部14に対する予め定められた操作入力(単純操作)に応じて、次の指摘エリアに遷移するよう制御してもよい。このような操作入力としては、画面上に表示された「次ポイントへ移動」等の表示を付した送りボタン、あるいはキーボード等の入力デバイスに割り当てられた所定のキー(送りボタン)等の選択・実行操作、又はポインティングデバイスのクリック操作等がありうる。これにより、ユーザは、逐一目視で該当箇所を探したり、複雑な操作を行うことなく単純の操作で次の指摘エリアへ遷移して表示させることができる。したがって、ユーザは、指摘エリアの場所を探す必要もなく、指摘エリアの確認漏れを防ぐことができる。図32の例では、情報処理装置10は、ユーザの操作入力(入力デバイスの送りボタン等の押下)に応じて、対処すべき指摘エリアを要素群111、要素群112、要素群113、及び要素群115へと(各指摘エリアの確認を終える毎に)順番に次の指摘エリアへ遷移させ、適宜表示エリアや内容を切り替えて表示してもよい。
さらには、情報処理装置10は、要素群に対する対処作業が完了すると、その指摘エリアに自動的に完了マーク(図では「済」)を付し、自動的に近隣の次の指摘エリアへ遷移してもよい。このようにすることで、指摘エリアを切り替えるための入力操作すらなくなり、さらに作業が効率化する。前述のように、指摘したユーザAの確認が必要な場合には、ユーザAも同様に指摘エリア(すなわち、ユーザBにより対処が行われたエリア)の遷移を行いながら確認する。新たな指摘がないエリアは順次完了ステータスとなり、完了マークが付与されるようにしてもよい。したがって、指摘エリアを一例として説明したが、指摘ポイント(エリア)と対処ポイント(エリア)の双方について、このような遷移制御が行われてよい。
また、情報処理装置10は、指摘エリアを切り替える際に、ただ最寄りの指摘エリアへ移動するだけ、あるいは上流から下流、図面上の上から下等の大まかなルールに従って移動するだけでもよいが、指摘エリアに重要度を設定しておき、この重要度の高い順に遷移してもよい。例えば、全図面中に100箇所の指摘エリアがある中で、重要度大の指摘エリアが10箇所、重要度中の指摘エリアが20箇所、重要度並の指摘エリアが70箇所存在するとする。この場合、単純に最寄りの指摘エリアに移動する制御においては、優先度の低いものを先に作業し、優先度の高い箇所が後回しになる場合がある。そこで、情報処理装置10は、設定された重要度(優先度)情報を利用し、まず重要度大の10箇所に遷移することで、ユーザは、先にこれらの重要なものに対処することができる。情報処理装置10は、重要度大の指摘エリアに対する対処操作が終わったら、次は重要度中の20箇所の指摘エリアを遷移するよう制御する。重要度とは、指摘エリアに対し、優先して修正や変更等の対処を行うべき程度を示す指標である。重要度は、例えば、指摘エリアを選択したユーザにより付与・設定される。重要度は、具体的には、例えば、その位置や領域における設定のミスや誤記の内容・程度、修正や変更を要する度合い、その位置や領域の現在の内容等が及ぼす図面で表される設備等に対する影響度の深刻さを反映したランクや値である。すなわち、重要度は、数値で表示されてもよいし、例えば重要度大、中、小や、ランクA、B、C等のような段階で設定されてもよい。
情報処理装置10は、重要度大に分類された10箇所に対する作業を受け付ける場合においても、遷移の順序をランダムに決定するのではなく、より重要度が高い指摘エリアから順に遷移するようにしてもよい。これにより、より重要な指摘エリアから優先的に作業を行うことができる。
あるいは、情報処理装置10は、作業内容に類似性の高い指摘エリアの間で順に遷移してもよい。この際には、作業の共通性等を規定する情報が手動、もしくは自動により設定され、この情報を元に遷移の制御がなされる。例えば、図31Bで示した例のように、作業種別等の選択肢が用意されていれば、これを利用して、同じ種別のものはまとめて対処するように遷移する。これにより、ユーザは、類似性又は共通性がある作業をまとめて行うことができ、効率的に作業を進めることができる。例えば、作業内容として、設定漏れ対処、誤記修正、及び図形崩れ修正が必要な指摘エリアが10個ずつ存在する場合を考える。この場合、情報処理装置10は、設定漏れ対処が必要な10個の指摘エリアを遷移した後、誤記修正が必要な10個の指摘エリア、図形崩れ修正が必要な10個の指摘エリアへと遷移してもよい。これにより、ユーザは、同種の作業をまとめて行うことができ、作業を効率的に進めるとともに、ミスを予防することが可能である。
これらの遷移ルールは、記憶部12に記憶され、ユーザが遷移ルールを選択したり、又は、アレンジしたりできるようにしてもよい。また、ユーザが情報処理装置10にインストールされたアプリケーション等で「重要度」「類似性(作業種別)」等と適用対象を切り替えることにより、その遷移ルールが適用されるようにしてもよい。これらはON、OFFで切り替えられてもよい。例えば、「重要度」かつ「類似性」がONとなっている場合、情報処理装置10は、重要な指摘エリアから優先的に遷移されると同時に、類似の作業が必要な作業エリアがまとめて順に切り替えられるように制御する。あるいは、ユーザが遷移のルールを選ばなくても、情報処理装置10は、デフォルトの設定として、重要な指摘エリアから、同種の作業を要するものをまとめて順に遷移制御するようにしてもよい。
なお、図面中においては同内容の作業を要する指摘エリアが複数存在し得る。そこで、情報処理装置10は、同内容の作業を要する指摘エリアが複数存在する場合は、そのような指摘エリアのいずれかをユーザAが指定した場合は、それ以外の同種のエリアを自動的に指定してもよい。情報処理装置10は、ユーザAがある指摘エリアに対して伝達事項を付与した場合は、他の同種の指摘エリアに対しても自動的に同一の伝達事項を付与してもよい。つまり、1箇所の指定により、同じ修正をすべき箇所が図面全体に10箇所あれば、その10箇所が指摘エリアとなる。また、情報処理装置10は、同内容の作業を要する指摘エリアのいずれかに対してユーザBが対処作業を行った場合は、それ以外の同種の指摘エリアに対しても同じ対処作業を自動的に実行してもよい。従来はユーザAが個別に10箇所に対して指摘をし、ユーザBも個別に10箇所に対処することとなるので、極めて手間がかかり、抽出や対処作業の漏れ等も発生し得た。これに対して、本実施形態の構成によれば、1箇所の指摘で図面中の同じ指摘箇所を自動検出してマーキングし、対処も1箇所について行うことでまとめて処理できる。これらの処理により、ユーザA及びユーザBの作業を効率化することが可能である。
表示部15の画面は、図29、図30、及び図32に例示した構成のものに限られない。図33は、情報処理装置10に接続された表示部15の画面の一例を示す図である。図33では、図面の表示エリア151の左にユーザAの作業を示す表示エリア154が存在し、表示エリア151の右にユーザBの作業を示す表示エリア152が存在する。ユーザは、タッチパネルのタッチや入力デバイスによるカーソルに移動により116の箇所を指定して、図面内で117、118等の領域を選択することができる。情報処理装置10は、ユーザによる作業・対処内容や、その集計情報等を表示エリア152、154に表示する。また、図33の例では、ユーザ間の伝達事項は図面の表示エリア151内にも表示されている。ユーザAからユーザBへの伝達事項を示す文章が要素群118に関連付けて付与されている。ユーザAの要求が119に表示されており、それに対して、ユーザBの回答を示す内容を示す161が表示されている。指摘と対処の内容は、図面上の指摘・対処エリアを指定した際に、表示エリア151内、152、154に適宜表示されてよい。指摘と対処の内容を示す表示は、いずれか一方でも、併用されてもよい。図33の例では、指摘と対処の数量、進捗等が集計して表示され、状況の確認・管理が可能になっている。8/10にユーザAが45箇所の指摘を行い、ユーザBは対処したが、ユーザAからの再指摘があり、5箇所が未了の状態で残っている(表示エリア152、154参照。)。さらに8/18にユーザAから新たな30箇所の指摘があり、現在未処理の5箇所と新たな指摘30箇所の、合計35箇所の要対処箇所が残っていることを、各ユーザ間で共有できる。制御部11は、ユーザBが「新着」や「30件」の部分を選択(指定)することで、これまでに説明したように、図中の30箇所の場所を図面に対応づけて表示したり、各指摘ポイントを遷移できるように制御してもよい。「未 35件」についても同様に、作業が終わっていない場所を図面上に表示したり、各ポイントを遷移させることができる。
次に、図34を参照して、情報処理装置10の動作を説明する。図34を参照して説明する情報処理装置10の動作は本実施形態に係る情報処理方法に相当し、各ステップの動作は制御部11の制御に基づき実行される。図34は、本開示の一実施形態に係る情報処理装置10の動作例を示すフローチャートである。
ステップS61において、制御部11は、少なくとも1つの図面における位置又は領域(指摘ポイントまたは指摘エリア)の選択を第1のユーザから受け付ける。位置又は領域の選択については、従来の多様な方法が用いられてよいが、発展的な手法の詳細については、第7実施形態及び第8実施形態で後述する。
ステップS62において、制御部11は、第1のユーザからの新規に選択を受け付けた位置又は領域に対する第1のユーザから第2のユーザへの伝達事項の付与を受け付ける。または、制御部11は、第1のユーザが選択済の位置又は領域に対する、第2のユーザの選択と、対処に関する伝達事項の付与を受け付ける。伝達事項は、第1ユーザからの指摘、第2ユーザの対処、第1ユーザによる再指摘等を含んでよい。新たな図面上の位置又は領域を選択するのは、最初に指摘するユーザのみである。そこで、最初に選択された位置又は領域については、ステップS61を除く形で、選択済の位置又は領域に対する対処や再指摘といった新たな伝達事項が、この位置又は領域に対応づけて追加される形で記憶部12に記憶されてよい。既に説明したように、その位置又は領域に対する処理が完了するまでは、追加の処理(対処や再指摘)が繰り返される。
ステップS63において、制御部11は、第1のユーザからの選択を受け付けた位置又は領域を示す情報であるマーキング情報と、伝達事項を示す伝達情報とを関連付けて記憶部12に記憶させる。上述のとおり、第2のユーザの場合は新たな位置や領域のマーキングは不要だが、制御部11は、既にマーキングされた箇所に、対処に関する伝達事項を、関連付けて記憶する。マーキング情報に対して既に他の伝達情報が関連付けて記憶されている場合は、制御部11は、マーキング情報ではなく、その他の伝達情報と関連付けて、伝達情報を記憶部12に記憶させてもよい。
ステップS64において、制御部11は、上記の伝達事項を、その伝達事項が付与された位置又は領域に対応させて、表示部15に表示させる。第1のユーザからの第2のユーザに対する伝達事項が、位置又は領域に対応させて表示されるため、第2のユーザは、図面において確認すべき位置又は領域と、その位置又は領域に対応させられた伝達事項を容易に把握することができる(第2ユーザの対処が第1ユーザに伝達される際も同様である)。したがって、複数人で効率的に図面の修正等の作業、及びそのための情報伝達を行うことが可能である。ここで、制御部11は、マーキング情報により示される位置又は領域を他とは異なる態様で表示してもよい。色や線種の変更、第1のユーザや第2のユーザを示すマーク等の付与により強調して図面を表示部15に表示させてもよい。この際、ユーザ毎に色を変えてもよい。このように、伝達事項が付与された図面の位置又は領域が強調して表示されるため、各ユーザは、伝達事項が付与された図面の位置又は領域を容易に把握することができる。
前述のように、制御部11は、第1のユーザ又は第2のユーザの操作入力に応じて、伝達事項が付与された位置又は領域を切り替えて表示部15に表示させる。ステップS65では、制御部11は、そのような操作入力があったか否かを判定する。制御部11は、そのような操作入力があった場合(ステップS65でYES)はステップS66へ進み、なかった場合(ステップS65でNO)はフローチャートの処理を終了する。
ステップS66において、制御部11は、ユーザが、各位置や領域に関する他のユーザの伝達事項を確認したり作業を行う場合には、伝達事項が付与された位置又は領域をについて、伝達事項の内容を表示する。ユーザが、その位置や領域の確認を終え、次の位置や領域に移動する場合には、位置や領域を切り替えて表示部15に表示させる。したがって、ユーザは、伝達事項が付与された箇所を漏れなく確認することが可能である。
なお、制御部11は、第1のユーザからの選択を受け付けた位置又は領域の各々に対して重要度の選択を第1のユーザから受け付けてもよい。そして、制御部11は、第1のユーザからの選択を受け付けた位置又は領域の各々について、その位置又は領域の重要度を示す情報である重要度情報を、マーキング情報と関連付けて記憶部12に記憶させてもよい。さらに、制御部11は、第1のユーザ又は第2のユーザの操作入力に応じて、伝達事項が付与された位置又は領域を、重要度が高い位置又は領域の順に切り替えて表示部15に表示させてもよい。したがって、ユーザの操作入力に応じて、位置又は領域が重要度の高い順に切り替えて表示されるため、ユーザは、伝達事項が付与された箇所を検討の必要性が高い順に確認することが可能である。
また、制御部11は、伝達事項が付与された位置又は領域に対して、第2のユーザが対処したか否かを示す対処情報を、マーキング情報ごとに、対応するマーキング情報と関連付けて記憶部12に記憶させてもよい。そして、制御部11は、伝達事項が付与された位置又は領域の各々について、対処情報に基づき、伝達事項に対するステータスとして、第2のユーザが対処済であることを示す標記である対処済情報(例えば、「済み」と表示する画像、マーク又は文字列等)を、表示部15に表示させてもよい。このように、第1のユーザにより伝達事項が付与された位置又は領域に対して第2のユーザが対処したか否かが画像等により示されるため、ユーザは、対処済みの箇所と対処未了の箇所を容易に識別することが可能である。位置または領域を遷移する際に、対処済の部分は確認不要となるので、制御部11は、対処未了のポイントのみ順に切り替えて遷移するように制御してもよい。
また、制御部11は、文字入力又は選択肢からの選択操作により、伝達事項の付与を受け付けてもよい。したがって、ユーザは、文字入力又は選択肢からの選択操作により、図面中の位置又は領域に対して、伝達事項を付与することが可能である。
また、制御部11は、第1のユーザからの選択を受け付けた位置又は領域に対する第2のユーザからの伝達事項である第2の伝達事項の付与を受け付けてもよい。そして、制御部11は、第2の伝達事項を示す伝達情報である第2の伝達情報を、その第2の伝達事項の付与を受け付けた位置又は領域を示す情報であるマーキング情報、又は、そのマーキング情報と関連付けて既に記憶された他の伝達情報と関連付けて記憶部12に記憶させてもよい。さらに、制御部11は、第2の伝達事項を、その第2の伝達事項が付与された位置又は領域に対応させて、表示部15に表示させてもよい。このように、第1のユーザからの伝達事項だけでなく、第2のユーザからの伝達事項が、図面中の位置又は領域に対応させて表示されるため、ユーザは、図面中において注目すべき箇所における議論を容易に把握することが可能である。
<第7実施形態>
本実施形態では、ユーザにより選択された領域の内部に部分的にでも含まれる全ての図形により示される要素を要素群として選択するのではなく、領域の境界が交差する(交点を有する)図形(要素)の中から、領域の境界とその図形との位置関係に基づき、要素群に含める要素を抽出する構成を説明する。本実施形態の構成によれば、ユーザは、精密かつ慎重な作業をすることなく、簡易な操作で手早く所望の要素群を選択することが可能である。本実施形態に係るユーザが要素群を選択する手法は、第1実施形態~第6実施形態のいずれの構成においても適用することが可能である。第1実施形態と共通の構成には同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
次に、図35を参照して、情報処理装置10の動作を説明する。図35を参照して説明する情報処理装置10の動作は本実施形態に係る情報処理方法に相当し、各ステップの動作は制御部11の制御に基づき実行される。図35は、本開示の一実施形態に係る情報処理装置10の動作例を示すフローチャートである。
ステップS71において、制御部11は、図形により要素が示される図面において、領域の選択をユーザから受け付ける。図36は、要素群を選択する操作を模式的に示す図である。図36では、ユーザ201の162(タッチパネル上をタッチする指やタッチペン、あるいは、入力デバイスにより操作される画面上のカーソルであってよい)により図面上に選択領域の外周(境界)を示す軌跡163が描かれ、軌跡163を境界とする領域が選択されている。図36では、ユーザ201は、バルブ、要素A、及び要素Bからなる要素群を選択しようとしているが、軌跡163の内部に完全に含まれるのは、バルブの図形164、及び要素Aの図形125のみである。一方、軌跡163は、要素Bの図形126の他、ユーザが選択を意図していない、要素Eの図形127及び要素Fの図形128と交差している。なお、領域を選択する操作については、図38A及び図38Bを参照して後述する。
ステップS72において、制御部11は、選択を受け付けた領域(選択対象要素はこの時点では確定されていない)の内部に含まれる図形により示される第1の要素を図面から抽出する。図36の例では、図形164及び図形125が領域の内部に含まれるので、制御部11は、バルブ及び要素Aを第1の要素として抽出する。
ステップS73において、制御部11は、選択を受け付けた領域の境界が交差する図形により示される第2の要素を図面から抽出する。図36の例では、領域の境界を画定する軌跡163は、図形126、図形127、及び図形128と交差している。そこで、制御部11は、要素B、要素E、及び要素Fを夫々第2の要素として抽出することになる。
ステップS74において、制御部11は、ステップS73で抽出した第2の要素を示す図形と境界との位置関係が予め定められた関係にあるか否を判定する。制御部11は、予め定められた位置関係にある場合(ステップS74でYES)はステップS75へ進み、そのような関係にない場合
(ステップS74でNO)はステップS76へ進む。
ステップS75において、制御部11は、処理対象の第2の要素を第3の要素として抽出する。
ステップS76において、制御部11は、ステップS73で抽出した第2の要素の全てについてステップS73~ステップS75の処理を行ったか否かを判定する。処理が行われている場合(ステップS76でYES)、制御部11は、ステップS77へ進む。処理が行われていない場合(ステップS76でNO)、制御部11は、ステップS73へ戻り、他の第2の要素について処理を継続する。
ステップS77において、制御部11は、第1の要素及び第3の要素からなる要素の集合を、ユーザ201により選択された要素群として記憶部12に記憶させる。そして、制御部11は、フローチャートの処理を終了する。
このように、制御部11は、単にユーザにより選択された領域の内部に部分的にでも含まれる図形により示される要素を要素群として選択するのではなく、領域の境界が交差する図形の要素の中から、領域の境界とその図形との位置関係に基づき、要素群に含める要素を抽出し、含めるべきではない要素は除外する。したがって、ユーザは、入り組んだ図面の中で、余分な要素を示す図形と選択領域の境界線が交差しないよう、時間をかけて精密かつ慎重な選択作業をすることなく、簡易な操作で手早く所望の要素群を選択することが可能である。
なお、制御部11は、ステップS74において、予め定められた位置関係として、例えば、第2の要素を示す図形の領域の内部に含まれる部分の面積のその図形の全体の面積に対する割合が予め定められた値(例えば、50%等)以上であるか否かを判定してもよい。
このような基準を採用した場合、制御部11は、図36の要素Bのように、領域の境界から部分的に図形がはみ出している要素も要素群に含める。そのため、ユーザは、時間をかけて精密かつ慎重な選択作業をすることなく、簡易な操作で手早く所望の要素群を選択することが可能である。
あるいは、図面において接続線により要素の間の接続関係が示されている場合、制御部11は、ステップS74において、例えば、第2の要素のうち、第1の要素のいずれかと同一の接続線で接続されているか(すなわち、同一の接続線上で隣接関係にあるか)否かを判定してもよい。このような基準を採用した場合、制御部11は、図36の要素Bのように、領域の境界が交差している図形の要素のうち、領域の内部に図形の一部が含まれる第1の要素(図36の例ではバルブ、要素A)と接続関係にあるものを要素群に含める。つまり、確実に選択されているバルブ、要素Aと同一接続線上で隣接している関係にある要素Bを選択対象とする。一方で、バルブ、要素Aと図面上の位置が近いために領域の内部に図形の一部が含まれているが、同一接続線上にない要素E、要素Fについては除外する。そのため、ユーザは、精密かつ慎重な作業をすることなく、簡易な操作で手早く所望の要素群を選択することが可能である。
あるいは、制御部11は、ステップS74において、例えば、領域の境界と第2の要素を示す図形の中心との位置関係が特定の関係にあるか否かを判定してもよい。あるいは、制御部11は、ステップS74において、例えば、領域の境界と第2の要素を示す図形の周縁部とが交差する点と、その第2の要素を示す図形の中心との位置関係が特定の関係にあるか否かを判定してもよい。
図37は、要素群を示す図形と選択された領域の境界との関係を模式的に示す図である。図形165の周縁部は、ユーザ201により描かれた軌跡134と、2つの交点135及び135において交差している。図形165は中心点139を有する。点137は、2つの交点135及び136を通過する直線と、その直線に直行する図形165の中心点139を通過する直線との交点である。図37のような例において、制御部11は、領域の境界と第2の要素を示す図形の中心との位置関係として、例えば、図形165の中心点139が軌跡134により画定される領域の内部に含まれるか否かを判定してもよい。また、制御部11は、領域の境界と第2の要素を示す図形の周縁部とが交差する点と、その第2の要素を示す図形の中心との位置関係として、例えば、制御部11は、点137が中心点139のどちら側にあるか(例えば、図面において上側、下側のいずれかに位置するか)を判定してもよい。制御部11は、このような位置関係に基づき要素群に含めるべき要素を抽出するため、ユーザは、精密かつ慎重な作業をすることなく、簡易な操作で手早く所望の要素群を選択することが可能である。
また、ここに例示したステップS74の判定基準は、組み合わせて用いられてもよい。
すなわち、制御部11は、第2の要素が複数の基準を全て充足する場合に要素群に含めるようにしてもよいし、あるいは、第2の要素が複数の基準の少なくともいずれかを充足する場合に要素群に含めるようにしてもよい。
ステップS71において、ユーザ201が、領域を選択する操作について、図38A及び図38Bを参照して説明する。図38A及び図38Bは、要素群を選択する操作を模式的に示す図である。
図38Aにおいて、制御部11は、ポインティングデバイス又はタッチパネルにより、図面の第1の位置に対する第1の操作を受け付け、さらに、ポインティングデバイス又はタッチパネルにより、図面の第2の位置に対する第2の操作を受け付ける。そして、制御部11は、第1の位置と第2の位置とを対角線の両端として有する矩形の領域の選択をユーザから受け付ける。したがって、ユーザは、ポインティングデバイスによるによるカーソル移動操作又はタッチパネルに対するタッチ操作により、容易に所望の要素群を選択することが可能である。
図38Bにおいて、制御部11は、ポインティングデバイスによる操作又はタッチパネルに対する操作による軌跡を領域の境界として、領域の選択をユーザから受け付ける。したがって、ユーザは、ポインティングデバイスによる操作又はタッチパネルに対する操作により、容易に所望の要素群を選択することが可能である。
<第8実施形態>
本実施形態に係る構成は、領域の選択からそれに続く領域外の図形(要素)の選択までの間の時間と、選択された領域とそれに続いて選択される領域外の図形(要素)との間の距離との少なくともいずれかに基づき、領域の選択後に選択された図形が示す要素を追加選択要素として、領域内に選択済の要素群に含めるか否かを判別する。したがって、領域の選択の後に行われた操作が、直近の選択操作に関連するものなのか、又は、新たな選択操作に当たるのかを自動的に判定することができ、いったん選択した要素群に対し、追加すべき要素を簡易な操作で追加することが可能となる。本実施形態に係るユーザが要素群を選択する手法は、第1実施形態~第7実施形態のいずれの構成においても適用することが可能である。第1実施形態と共通の構成には同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
図39を参照して、情報処理装置10の動作を説明する。図39を参照して説明する情報処理装置10の動作は本実施形態に係る情報処理方法に相当し、各ステップの動作は制御部11の制御に基づき実行される。図39は、本開示の一実施形態に係る情報処理装置10の動作例を示すフローチャートである。以下、図面において、要素の間の接続関係が接続線により示されている場合の例を説明する。
ステップS81において、制御部11は、図形により要素が示される図面において、第1の要素を示す図形を内部に複数含む領域の選択をユーザから受け付ける。図40A~図41Bは、要素群を選択する操作を模式的に示す図である。図40A及び図41Aにおいて、ユーザ201は、バルブ及び要素Aを第1の要素として含む領域を選択している。
ステップS81における領域の選択を受け付けた後に、ステップS82において、制御部11は、第2の要素を示す図形の選択をユーザから受け付ける。図40Bにおいて、ユーザ201は、要素Bを第2の要素として選択している。図41Bにおいて、ユーザ201は、要素Cを第2の要素として選択している。
ステップS83において、制御部11は、第1の要素の図形を含む領域の選択を受け付けてから第2の要素を示す図形の選択を受け付けるまでの時間が予め定められた時間(例えば、3秒)以内であるか否かを判定する。この時間は、ユーザにより変更可能に設定されてよい。制御部11は、予め定められた時間以内である場合(ステップS83でYES)はステップS84へ進み、そうでない場合(ステップS83でNO)はフローチャートの処理を終了する。
ステップS84において、制御部11は、(1)第1の要素の図形を含む領域と、第2の要素を示す図形との間の距離が予め定められた距離以下であるか、又は、(2)第2の要素が第1の要素のいずれかと同一の接続線で接続されているかを判定する。制御部11は、(1)(2)の少なくともいずれかの条件を充足する場合(ステップS84でYES)はステップS85へ進み、そうでない場合(ステップS84でNO)はフローチャートの処理を終了する。
ステップS85において、制御部11は、第1の要素及び第2の要素からなる要素の集合を、ユーザにより選択された要素群として記憶部12に記憶させる。そして、制御部11は、フローチャートの処理を終了する。
制御部11は、第1の要素の図形を内部に含む領域の選択を受け付けてから第2の要素を示す図形の選択を受け付けるまでの時間が予め定められた時間以内であり、領域と第2の要素とが特定の位置関係にある場合に、第2の要素を選択された要素群に含めている(ステップS83~S85、図40C)。したがって、ユーザは、いったん要素群を選択した後、予め定められた時間以内に、要素群の近傍にある要素又は要素群に含まれる要素と同一の接続線で接続されている要素を選択することで、その要素をその直前に選択した要素群に追加することができる。そのため、ユーザは、要素群を選択し直さなくても、いったん選択した要素群に対し、追加すべき要素を簡易な操作で追加することが可能である。図39のフローにおいては時間的条件、位置的条件の双方を記載しているが、いずれかの手順を省略し、いずれか一方のみで判断されるようにしてもよい。
このように、制御部11は、領域の選択から図形の選択までの間の時間と、選択された領域と図形との間の距離と、選択された領域と図形との接続関係との少なくともいずれかに基づき、領域の選択後に選択された図形が示す要素を要素群に含めるかを判別している。したがって、制御部11は、領域の選択の後に行われた操作が、直近の選択操作に関連するものなのか、又は、新たな選択操作に当たるのかを自動的に判定することができ、いったん選択した要素群に対し、追加すべき要素を簡易な操作で追加することが可能となる。
なお、図39では、制御部11は、次の(ア)~(ウ)の条件のうち、(ア)と、(イ)及び(ウ)の少なくともいずれかと、が充足される場合に、第2の要素を選択された要素群に含めているが、第2の要素を要素群に含める条件はこれに限られない。例えば、制御部11は、次の条件のうちのいずれか1つ以上の条件を充足する場合、いずれか2つ以上の条件を充足する場合、又は、全ての条件を充足する場合に第2の要素を選択された要素群に含めるようにしてもよい。
(ア)第1の要素の図形を含む領域の選択を受け付けてから第2の要素を示す図形の選択を受け付けるまでの時間が予め定められた時間以内であること。
(イ)第1の要素の図形を含む領域と、第2の要素を示す図形との間の距離が予め定められた距離以下であること。
(ウ)第2の要素が、第1の要素のいずれかと同一の接続線で接続されていること。
また、ステップS81において、制御部11は、第7実施形態に示したように、選択を受け付けた領域の内部に含まれる図形により示される要素に加えて、領域の境界が交差する図形により示される要素を、第1の要素として抽出してもよい。ユーザは、選択した領域の内部に図形全体が含まれる要素だけでなく、領域の境界が交差する図形の要素も第1の要素として抽出することができるため、簡易な操作で所望の要素群を選択することができる。
また、制御部11は、第1の要素の図形を含む領域の選択を受け付けた後に、第2の要素の図形を領域へドラッグする操作がユーザからなされた場合は、第1の要素及び第2の要素からなる要素の集合を、ユーザにより選択された要素群として判別してもよい。図42は、要素群を選択する操作を模式的に示す図である。図42では、バルブ、要素A、及び要素Bからなる要素群1が選択された後、バルブ、要素C、及びバルブからなる要素群2が選択されている。その後に、要素Eが要素群1の領域へドラッグする操作がなされている。このような場合、制御部11は、要素Eを要素群1に追加して、記憶部12に記憶させる。このような処理によれば、ユーザは、直感的に理解しやすい操作により、所望の要素群を選択することができる。この際、ユーザが、表示された領域内に完全にドラッグせずとも、要素追加したい領域の方向へ向けてドラッグすれば、制御部11により、その方向に存在する領域に要素が追加されるようにしてよい。すなわち、第2の要素の図形を領域へドラッグする操作には、要素を領域内にドラッグすることだけではなく、領域が存在する方向に向けてドラッグすることも含まれる。
本開示は上述の実施形態に限定されるものではない。例えば、ブロック図に記載の複数のブロックは統合されてもよいし、又は1つのブロックは分割されてもよい。フローチャートに記載の複数のステップは、記述に従って時系列に実行する代わりに、各ステップを実行する装置の処理能力に応じて、又は必要に応じて、並列的に又は異なる順序で実行されてもよい。その他、本開示の趣旨を逸脱しない範囲での変更が可能である。各実施例の開示は、プラントの図面を例に説明しているが、プラントに限らず、複数の図形要素で示される図面を扱う分野において適用されてよい。