JP2022080494A - 時計 - Google Patents
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Abstract
Description
つまり、ユーザーの嗜好や、用途などに応じて、ボタンを取り換え可能な時計が求められていた。
***時計の概要***
図1は、本実施形態に係る時計の正面から見た平面図である。
本実施形態の時計100は、アナログ式の腕時計であり、ストップウォッチ機能、及び、カレンダー機能を備えた、所謂、クロノグラフモデルである。
胴部30は、ケースであり、ステンレスや、チタンなどの硬質金属から構成されている。
文字板10には、時針2、分針3、クロノグラフ秒針4、24時間針5、クロノグラフ分針6、秒針7、日付窓8、目盛などが設けられている。時針2、分針3、クロノグラフ秒針4は、円形をなした文字板10の中央に配置されている。24時間針5は、文字板10の3時方向に配置された小文字板の中心に設けられる。クロノグラフ分針6は、文字板10の6時方向に配置された小文字板の中心に設けられる。秒針7は、文字板10の9時方向に配置された小文字板の中心に設けられ、秒を指示する。
ボタン20は、胴部30の2時方向に設けられた操作用の押しボタンであり、1押しするとクロノグラフが開始し、もう1押しするとクロノグラフが停止する。クロノグラフがスタートすると、クロノグラフ秒針4、クロノグラフ分針6、24時間針5が、それぞれ経過時間を表示する。ボタン20の形状は、胴部30の外形の円弧に沿った曲面を有し、1時半から2時半の位置にかけて略台形状に設けられている。
ボタン50は、胴部30の4時方向に設けられた操作用の押しボタンであり、クロノグラフをリセットする機能が割り当てられている。クロノグラフ計時後に、ボタン50を押すと、クロノグラフ秒針4、クロノグラフ分針6、24時間針5が、リセットされて12時位置に戻る。ボタン50の形状はボタン20と同じであるが、3時半から4時半の方向に設けられている。
風防ガラス11は、透明なガラスから構成された風防ガラスである。
ベゼル12は、風防ガラス11を囲うリング状の部材であり、胴部30と同じ材質で構成される。なお、本実施形態では、ベゼル12を固定式としているが、回転可能なベゼルであっても良い。
また、時計100は、クロノグラフ以外の機能を備えていても良く、例えば、クロノグラフに加えて、アラーム機能、月齢表示、気圧表示機能などを備えていても良い。その場合、操作用のボタンを、例えば、7時側や、10時側にさらに有していても良い。
図2は、図1のB-B´断面における断面図であり、ボタン20の周辺構造の断面図である。なお、以下説明において、裏蓋35から風防ガラス11に向かう方向を上側、風防ガラス11から裏蓋35に向かう方向を下側という。
図2に示すように、胴部30の内部には、ムーブメント70が収納されている。ムーブメント70は、時針2、分針3などの各指針を駆動するための輪列機構や、ステッピングモーターなどを含む駆動部であり、駆動用のICが実装された回路基板71を備えている。回路基板71には、スイッチ金具72が実装されている。また、回路基板71の端部には、スイッチパターン71aが形成されており、スイッチ金具72が押込みされた際に、スイッチ金具72がスイッチパターン71aに接触する構成となっている。
胴部30の下側には、裏蓋35が取付けられている。胴部30と裏蓋35との間には、パッキン63が挟持されており、防水性が確保されている。なお、パッキン63も、平面的には閉じた形状となっている。
胴部30の側面には、貫通穴31が形成されている。貫通穴31の中心軸を軸C1とする。貫通穴31には、ボタン20のパイプ部23が挿入される。
図3は、ボタン、及び、リング体の斜視図であり、ボタン20、リング体28を裏蓋35側から観察した図である。なお、図3は、ボタン20を裏蓋35側から観察した図であるため、ネジ38による押圧部が上になっている。
ここでは、ボタン20周辺の詳細な構成について、図2、図3を用いて説明する。
ボタン20は、頭部21、軸部22、パイプ部23、戻しバネ25、Cリング26などから構成されている。
頭部21は、ユーザーが指で触れて操作するボタンの操作部であり、図2に示すように側面視では、曲面を持った形状をしている。頭部21の内面には、凹部21aが形成されている。凹部21aの底面に、棒状の軸部22の一端がロウ付け固定されている。
パイプ部23は、中空のパイプ状の部位と、パイプ状から外形が広がる底部23aとから構成されている。図2に示すように、底部23aの内部には、戻しバネ25の受け部23cが形成されている。
戻しバネ25は、金属製のコイルばねであり、軸部22の回りに嵌められて、頭部21の凹部21aの底面と、底部23aの受け部23cとの間に、バネ性を持って圧入される。
胴部30の貫通穴31の頭部21側には、貫通穴31の直径よりも広い凹部31aが形成されている。凹部31aは、リング体28の形状に対応したD字状の凹部であり、凹部31aにはリング体28が挿入される。
そして、パイプ部23は、リング体28の挿管穴28aと胴部30の貫通穴31とを、貫いて組付けられる。組込み状態では、リング体28と、パイプ部23の底部23aとが当接した状態となる。
なお、スイッチ金具72とスイッチパターン71aとの距離d1は、頭部21の許容動作長さである距離d2よりも、短く設定されている。換言すれば、スイッチストロークである距離d1が、ボタン20の許容動作距離d2よりも短く設定されているため、確実にスイッチ操作を行うことができる。
図2に示すように、ボタン20は、ネジ38により、胴部30に押圧固定される。詳しくは、胴部30には、貫通穴31と対となるネジ穴32が形成されており、ネジ穴32の中心軸である軸C2と、貫通穴31の軸C1とは交差している。そして、ネジ38は、裏蓋35を介してネジ穴32に螺合され、リング体28を介して、パイプ部23を押圧固定する。
好適例としてネジ38は、なべ頭のプラスネジを用いる。裏蓋35には、ネジ穴32と対応する穴36が形成されており、穴36の下側には、ネジ38の頭を収納する凹部36aが設けられている。胴部30のネジ穴32には、雌ネジが形成されている。
つまり、ネジ38により、ボタンの取り換えが可能な構成となっており、ボタン20と異なる頭部形状のボタンと取り換えることができる。なお、ボタン50の構造も、ボタン20と同じであり、ネジ38により取り換え可能な構成となっている。換言すれば、胴部30には、貫通穴31とネジ穴32との対が、ボタンの数に応じて複数ヶ所形成される。
図4に示すように、裏蓋35は、胴部30に対して6本のネジで固定されている。ボタン20,50に対応するネジ38は、前述のプラスネジである。その他の4本のネジ48は、固定ネジであり、六角星型のねじ頭を有するトルクス(登録商標)ネジを用いている。ネジ48は、ボタンと対応していない固定ネジであるため、一般ユーザーが外すことが困難なタイプのネジを採用している。このように、頭部の形状を変えることにより、どれがボタンの取り換えネジ38であるか、一目で識別することができる。
なお、頭部の形状を変えることに限定するものではなく、取り換えネジ38であることが識別できれば良く、ネジの色調を変えることであっても良い。例えば、固定のネジ48は黒色とし、取り換えネジ38は青色としても良い。
時計100は、貫通穴31、及び、ネジ穴32を有する胴部30と、貫通穴31に挿入されるパイプ部23を有するボタン20と、ネジ穴32に挿入されるネジ38と、を備え、パイプ部23は、ネジ38により胴部30に押圧固定される。
よって、ユーザーの嗜好や、用途などに応じて、ボタン20を取り換え可能な時計100を提供することができる。
この構成によれば、ボタン20のパイプ部23を、ネジ38で交差する方向から押圧するため、ボタン20を確実に固定することができる。
この構成によれば、複数の操作ボタンを備えた時計100に適用することができる。
この構成によれば、パイプ部23をCリング26が取付けられた状態で、貫通穴31から抜くことが可能なため、ネジ38を外すだけで、ボタン20の抜き差しを容易に行うことができる。
この構成によれば、ボタン20固定用のネジ38により、裏蓋35の固定も兼ねることができる。よって、裏蓋35固定用の専用ネジを設ける場合に比べて、部品数を削減することができる。
これによれば、ネジ頭部の形状を変えることにより、どれがボタンの取り換えネジ38であるか、一目で識別することができる。
***ボタンの異なる構成***
図5は、本実施形態のボタン周辺構造の断面図であり、図2に対応している。図6は、ボタン40の斜視図であり、図3と対応している。
本実施形態の時計110は、実施形態1のボタン20、裏蓋35とは異なる構造のボタン40、裏蓋45を備えている。これらの点以外は、実施形態1の時計100と同様である。以下、実施形態1と同じ構成部位には、同一の附番を附し、重複する説明は省略する。
パイプ部43の底部43aの角部には、リング状に溝49aが形成されており、当該溝には、図5に示すように、リング状の樹脂製のパッキン49が取り付けられ、防水性が確保される。
このような構成において、ネジ38bを外すと、ボタン40を胴部30から取り外すことができる。詳しくは、ネジ38を外すことにより、押圧されていた底部43aが緩むため、胴部30の貫通穴31から、パイプ部43を引き抜くことができる。
図7に示すように、裏蓋45は、4本の専用のネジ48により固定されている。裏蓋45と、胴部30との間には、平面的に閉じた形状のパッキン63(図5)が設けられており、防水性が確保されている。
そして、ボタン40,50に対応するネジ38bは、専用のボタン取り換えネジ38としている。
ボタン40では、リング体と一体化したパイプ部43を採用している。
これにより、部品点数を削減することができる。また、リング体として機能する底部43aは、肉厚に構成されて剛性が高いため、ネジ38bにより押圧されても、パイプ部43の偏芯を防ぐことができる。よって、操作性の良いボタン40とすることができる。
この構成によれば、ボタン用のネジ38bを着脱しても、裏蓋45用のネジ48には何も影響を及ぼさないため、時計110の気密性を確実に確保することができる。
***ボタンの頭部形状のバリエーション***
図8は、本実施形態の時計の平面図であり、図1に対応している。
本実施形態の時計120は、上記各実施形態のボタンとは異なる頭部形状のボタン80~84を備えている。また、2時方向、4時方向のボタン80,81に加えて、7時方向、9時方向、10時方向にも、ボタン82~84を備えている。これらの点以外は、上記実施形態の時計100,110と同様である。以下、上記実施形態と同じ構成部位には、同一の附番を附し、重複する説明は省略する。
7時方向のボタン82の頭部も、略直線となっているが、角部は胴部30に向かって真っ直ぐな形状となっている。
9時方向のボタン83の頭部は、略正方形をなしており、ボタン20(図1)に比べて、胴部30から突出する高さは高いが、ボタンの長さが短くなっている。
10時方向のボタン84の頭部は、ボタン20(図1)と同様な形状であるが、ボタンの長さが短くなっている。
ボタンを取り換え可能な構造としたことにより、用途や、ユーザーの嗜好に応じて、時計のボタンを取り換えることができる。これにより、意匠性を高めるとともに、操作性も向上させることができる。
Claims (10)
- 貫通穴、及び、ネジ穴を有する胴部と、
前記貫通穴に挿入されるパイプ部を有するボタンと、
前記ネジ穴に挿入されるネジと、を備え、
前記パイプ部は、前記ネジにより前記胴部に押圧固定される、
時計。 - 前記貫通穴の軸と、前記ネジ穴の軸とが交差する、
請求項1に記載の時計。 - 前記貫通穴と前記ネジ穴とは対として設けられ、
前記胴部には、前記貫通穴と前記ネジ穴との対が、複数ヶ所設けられる、
請求項1または2に記載の時計。 - 前記ボタンは、頭部と、前記頭部から延在する軸部とを、さらに有し、
前記軸部は、前記パイプ部に挿入されており、
前記パイプ部から露出する前記軸部の先端には、前記パイプ部の先端における外形よりも大きいCリングが取付けられ、前記Cリングの外形は前記貫通穴の直径よりも小さい、
請求項1~3のいずれか一項に記載の時計。 - 裏蓋をさらに備え、
前記裏蓋には、前記ネジ穴と対応する穴が設けられており、
前記ネジは、前記裏蓋を介して前記ネジ穴に螺合される、
請求項1~4のいずれか一項に記載の時計。 - 裏蓋をさらに備え、
前記裏蓋は、複数の固定ネジにより、前記胴部に固定されており、
前記ネジの頭部における色調、及び、形状は、
前記固定ネジにおける色調、及び、形状とは異なる、
請求項1~4のいずれか一項に記載の時計。 - 前記ボタンは、前記パイプ部が挿管される挿管穴を有するリング体をさらに有し、
前記リング体は、前記挿管穴を中心とした環状部材であり、
前記胴部には、前記貫通穴と連通し、前記リング体が配置される凹部が設けられており、
前記リング体は、前記凹部に収納され、
前記パイプ部を含む前記リング体は、前記ネジ穴を介して、前記ネジにより前記胴部に押圧固定される、
請求項1~6のいずれか一項に記載の時計。 - 前記貫通穴の軸方向からの平面視において、前記リング体は、外周の一部が切り欠かれた形状をなしており、
前記ネジは、前記切り欠かれた部分に直交する方向から、前記リング体を押圧固定する、
請求項7に記載の時計。 - 前記リング体と前記胴部の前記凹部とが当接する部分に、パッキンが設けられている、
請求項7または8に記載の時計。 - 前記リング体と前記パイプ部とは一体である、
請求項7~9のいずれか一項に記載の時計。
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