JP2022079605A - 塩化マグネシウム及び乳酸カリウムを含有する即席麺 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、ナトリウムの使用量を抑制しつつも、良好な食感と塩味を有する即席麺を提供することを目的とする。【解決手段】塩化ナトリウムに代えて、塩味の強い塩化マグネシウムと、塩化マグネシウムの苦味を抑制する効果のある乳酸カリウムを併用することにより、ナトリウム使用量を抑制しながらも、塩味に優れ、苦味と酸味が抑制された即席麺を提供することができる。具体的には、塩化マグネシウム及び乳酸カリウムを含んでなる即席麺であって、即席麺全量中、塩化マグネシウムを0.05~1.50重量%、且つ乳酸カリウムを0.10~2.50重量%含有することにより本発明の課題を解決した。【選択図】なし

Description

本発明は、塩化マグネシウムと乳酸カリウムを併用することで、ナトリウム使用量の抑制された即席麺を提供するものである。
一般的に、麺の製造においては、小麦粉等の原料粉から麺線を製造する際に食塩(塩化ナトリウム)が添加されることが多い。これは、麺線に含まれるグルテンに塩化ナトリウムを作用させて、麺線の弾性や伸展性を強化し、製麺性や食感を改善するためである。
ところが、近年、高血圧予防のため、塩化ナトリウム含量を低減したいわゆる減塩商品が多数上市されている。厚生労働省の「日本人の食事摂取基準」2010年度版では、一日の食塩摂取目標値が成人男性で9g未満、成人女性で7.5g未満であったのに対し、2015年度版では、一日の食塩摂取目標値が成人男性で8g未満、成人女性で7g未満とそれぞれ一日の食塩摂取目標値が減少していることからも、今後もさらに減塩志向が高まっていくと考えられる。
塩化ナトリウムの使用量を抑制しつつ充分な弾性や伸展性を実現する技術としては、キサンタンガム、ローストビーンガム等の増粘剤、アルギニンを添加する方法が開示されている(特許文献1及び2)。また、塩化ナトリウム使用量を減らしても、湯戻りが良く、湯伸びを抑制する技術としては、グリセリン有機酸脂肪酸エステルを添加する方法が開示されている(特許文献3)。しかしながら、これらの素材には塩味が無いため、塩味を補うものにはなりえなかった。
また、塩化ナトリウムに代えて、塩化マグネシウムを多く含有するにがりを練り込んだ麺製品が開発されている(特許文献4、5)。しかしながら、塩化マグネシウムを用いた麺は、苦味が強い傾向があった。
さらに、塩化ナトリウムの代わりに、乳酸ナトリウムを加えて麺の食感を改善する方法も知られているが、乳酸ナトリウム自体がナトリウムの供給源になってしまうため、ナトリウムイオン低減という課題に対しては、解決策になり得なかった。
特開2015-84772号公報 特開2015-213434号公報 特開2016-067293号公報 WO2005/077206 WO2012/176882
本発明は、ナトリウムの使用量を抑制しつつも、良好な食感と塩味を有する即席麺を提供することを目的とする。
本発明者らは、塩化ナトリウムに代えて、塩味の強い塩化マグネシウムと、塩化マグネシウムの苦味を抑制する効果のある乳酸カリウムを併用することにより、ナトリウム使用量を抑制しながらも、塩味に優れ、苦味と酸味が抑制された即席麺を提供することができることを見出した。
すなわち、本発明は、塩化マグネシウム及び乳酸カリウムを含んでなる即席麺であって、即席麺全量中、塩化マグネシウムを0.05~1.50重量%、且つ乳酸カリウムを0.10~2.50重量%含有することを特徴とするものである。
本発明によれば、ナトリウムの使用量を抑えながらも、塩味と食感が良好な即席麺を提供できる。
以下、本発明の実施形態について、具体的に説明する。なお、本発明においては即席麺の種類に特に限定はなく、当該技術分野で知られているものであればよい。具体的には、うどん、蕎麦、中華麺、パスタ、フォー等が挙げられる。
1.原料
本発明に用いる原料について、詳細に説明する。
1-1.塩化マグネシウム
塩化マグネシウムとしては、純度の高い塩化マグネシウムに限らず、苦汁(にがり)等の塩化マグネシウムを主成分とする添加物を用いることができる。塩化マグネシウムは苦味の強い素材であるため、塩化ナトリウム使用量を減らしたことによる塩味の低下を、塩化マグネシウムのみで補おうとすると苦味が強く出てしまい、喫食に適さなくなってしまう。
しかしながら、後述する乳酸カリウムとは苦味の質が異なるため、乳酸カリウムと一定比率で併用することで、塩化マグネシウム特有の苦味を抑えた範囲で塩味を強化することが可能である。さらに、本発明では、原料粉がマスキング効果のある澱粉を含んでいるため、塩味や苦味が澱粉によってマスキングされ、より塩化ナトリウムとの差異が解りにくくなる。
なお、通常、塩化マグネシウムは六水和物として販売されているが、本発明において“塩化マグネシウム”という場合には、塩化マグネシウム無水物を指すものとする。
本発明では、即席麺全量に対して、塩化マグネシウムを0.05~1.50重量%含有することが必要である。塩化マグネシウムが0.05重量%未満の場合には、塩味が弱く、塩化ナトリウムの代替になり得ない。また、塩化マグネシウムが1.50重量%を超える場合には、塩化マグネシウムの苦味が強くなりすぎてしまう。なお、併用する塩化ナトリウム及び乳酸カリウムの量にもよるが、即席麺全量に対して、塩化マグネシウムを0.1~0.70重量%含有することがより好ましい。
1-2.乳酸カリウム
乳酸カリウムは、単独では酸味や苦味が強いが、塩味増強効果があり、且つ上述の塩化マグネシウムとは苦味の質が異なるため、塩化マグネシウムと一定比率で併用することで、乳酸カリウム特有の酸味や苦味を抑えつつ塩味を強化することが可能である。さらに、原料粉がマスキング効果のある澱粉を含んでいるため、塩味、苦味、酸味が澱粉によってマスキングされて、より塩化ナトリウムとの差異が解りにくくなる。
さらに、前述の塩化マグネシウムの苦味は主にマグネシウムイオンによるものだが、乳酸カリウムの苦味は主にカリウムイオンによるものであると推定される。このため、塩化マグネシウムと乳酸カリウムとでは苦味の質が異なる。具体的には、塩化マグネシウムのみ、又は乳酸カリウムのみで塩味を強化する場合に比べて、塩化マグネシウムと乳酸カリウムを併用した方が苦味を感じにくい傾向がある。
具体的には、即席麺全量に対して、乳酸カリウムを0.10~2.50重量%含有することが必要である。乳酸カリウムの含有量が0.10重量%未満の場合には、塩味増強効果が弱い。一方、乳酸カリウムの含有量が2.50重量%を超える場合には、乳酸カリウムの酸味が強すぎて麺の風味が低下する。また、吸水性が高くなり過ぎてしまい、麺が伸びやすくなる傾向がある。なお、乳酸カリウム含有量は、即席麺全量に対して0.20~1.50重量%が好ましく、0.25~1.00重量%がより好ましい。
1-3.塩化ナトリウム
本発明では、一定量の塩化ナトリウムを配合してもよい。塩化ナトリウムを過剰に摂取すると高血圧症や心疾患等のリスクが高まるといわれているが、塩味を誘起する最も一般的な物質であり、代替物(塩化マグネシウムや乳酸カリウム)の異味を緩和することができる。また、上述の通り、塩化ナトリウムは、グルテンに作用して麺線の弾性や伸展性を強化し、製麺性や食感を改善する。このため、本発明においても塩化ナトリウムを一定量配合することが好ましい。
次に、塩化マグネシウム、乳酸カリウム、及び塩化ナトリウムの配合比率と、苦味及び酸味との関係について説明する。なお、以下の記載において「塩味成分」とは、塩化マグネシウム、乳酸カリウム、及び塩化ナトリウムの総称である。
塩化ナトリウムの配合量としては、塩味成分に対する塩化ナトリウムの重量比(以下、単に「重量比」と称する)が0.50~0.85であることが好ましい。重量比が0.85を超える場合(塩化ナトリウム使用量が多い場合)には、ほとんどの塩味成分が塩化ナトリウムで占められてしまうため、ナトリウム使用量の抑制という点で不十分である。また、重量比が0.50を下回る場合(塩化ナトリウム使用量が少ない場合)には、異味が強くなりすぎて喫食に向かなくなってしまう。なお、異味が少なく、塩化ナトリウム使用量を抑制できる重量比としては0.55~0.80が好ましい。
1-4.原料粉
原料粉としては、小麦粉、米粉、ライ麦粉、大麦粉、はとむぎ粉、ひえ粉、あわ粉、トウモロコシ粉、小豆粉、大豆粉、ソバ粉及びキヌア粉等の穀粉、馬鈴薯澱粉、タピオカ澱粉及びコーンスターチ等の澱粉、並びにアセチル化澱粉、エーテル化澱粉及び架橋デンプン等の加工澱粉などを使用することができる。
本発明では、原料粉がタンパク質を含むことが好ましい。原料粉がタンパク質を含むことにより、メイラード反応が起こり、好ましい調理感や外観を実現し易くなる。なお、原料粉がタンパク質を含まない場合には、調理感や外観の付与をカラメル反応に頼らざる得ないため、好適な調理感や外観を実現しにくくなる。
さらに、本発明では、原料粉がタンパク質の一種であるグルテンを含むことが好ましい。原料粉がグルテンを含むことにより、好適な調理感や外観が実現されると共に、製麺性が向上する。なお、本発明におけるグルテンとは、より詳細にはグルテニンとグリアジン又はグルテンである。グルテリンの一種であるグルテニンと、プロラミンの一種であるグリアジンを水分の介在下で反応させると互いに結合させるとグルテンとなる。したがって、グルテニンとグリアジンの組み合せも、グルテンと同じように取り扱う。
本発明に用いる原料粉としては小麦粉が好ましい。小麦粉はグルテニンとグリアジンを含有するため、水を加えて麺生地に練り上げるだけでグルテンを得ることができる。小麦粉は、タンパク含有量の違いから薄力粉、中力粉、強力粉及びデュラム粉等に分類されるが、いずれも好適に用いることができる。
小麦粉以外の米粉、大麦粉、タピオカ澱粉等のグルテンを含まない原料粉を使用する場合には、別途、グルテンを加えることが好ましい。グルテンを含まない原料粉を使用する場合であっても、別途グルテンを加えることで、小麦粉と同じような製麺性や調理感を得ることが可能になる。
原料粉は、即席麺の主たる成分であり、本発明に用いる全原料に対して50重量%以上を占めることが好ましい。原料粉が50重量%未満の場合には、製麺性が低く、好ましい調理感や外観も得られにくい。
本発明では、麺線全量中、グルテンを2~30重量%含有することが好ましい。グルテンを2~30重量%含有している場合には、麺の弾性や伸展性のバランスが良く、麺の食感が良好である。また、適度にメイラード反応が起こるため調理感や外観が良好である。
1-5.かんすい
本発明では、必要に応じてかんすいを加えても良い。かんすいとは、中華麺の製造に用いるアルカリ塩のことを指し、具体的には、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム等の炭酸塩、ピロリン酸四カリウム、ピロリン酸等のピロリン酸塩、ポリリン酸カリウム、ポリリン酸ナトリウム等のポリリン酸塩、メタ燐酸カリウム、メタ燐酸ナトリウム等のメタリン酸塩、リン酸三カリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸三ナトリウム等のリン酸塩などが挙げられる。
かんすいは、中華麺に必須の成分であり、以下のような効果が得られる。
(1)かんすいが有機物に作用し、ピロリジンやトリメチルアミン等のアルカリ臭が生じる。
(2)かんすい加えることで、小麦に含まれるグルテンが収斂し、コシや滑らかさが向上する。
(3)かんすいが小麦に含まれるフラボノイド系色素に作用し、中華麺特有の淡黄色に呈色する。
1-6.その他原料(以下「副原料」と称する)
本発明では、必要に応じて、その他原料を添加することができる。例えば、塩化ナトリウムの塩味代替物として広く使用されている塩化カリウム、麺の食感を調整するために使用されるキサンタンガム、ペクチン等の増粘多糖類、麺の色相を調整するために使用される全卵(中華麺)やほうれん草(翡翠麺)、麺の風味を調整するために添加される香料等、麺の生産性を高めるための油脂等を使用できる。
2.製法
次に即席麺の製造方法について例示するが、これに限定されるものではない。
(工程1)麺生地(ドウ)の製造工程(混捏)
原料粉に、かんすい、塩化ナトリウム等を含有する練水を給水し、これを混捏してドウを製造する。混捏時間には特に限定はないが、5~30分混捏するのが一般的である。また、混捏に使用するミキサーの種類には特に限定はなく、バッチ型ミキサーやフロージェットミキサー等を適宜使用できる。また、練水には、必須成分である還元糖や、増粘多糖類及びかんすい等の副原料を添加しても良い。
(工程2)生麺線の製造工程
生麺線の製造方法としては、(ア)工程1で得られたドウを複合・圧延して所定の厚さの麺帯を製造し、切刃等を用いて切出す方法(切出麺)、(イ)ドウを所定のサイズの穴から押し出す方法(押出麺)、(ウ)ドウによりをかけながら延ばして麺状に成型する方法(手延麺)等が挙げられる。なお、切出麺としては中華麺、うどん等、押出麺としてはスパゲティー等、手延麺としては素麺等が例示できる。また、これらの方法を組み合わせても良く、例えば、押出によって麺帯を製造し、切出す方法(製法(ア)と製法(イ)の組合せ)等が利用できる。
(工程3)蒸煮及び/又はボイル工程
本発明では、必要に応じて生麺線を蒸煮及び/又はボイルによってα化させる。小麦粉等に含まれる澱粉は、生澱粉と呼ばれ分子構造が緻密で消化が悪いが、水を加えて加熱すれば分子構造が崩れてα化澱粉となり消化しやすくなる。処理温度には特に制限はなく、常圧の水蒸気で蒸煮する場合やボイルする場合の処理温度は95~100℃、過熱水蒸気を用いる場合には100~350℃で処理するのが一般的である。
なお、予めα化された原料粉(α化小麦粉やα化澱粉)を用いる場合には、蒸煮及び/又はボイル工程を実施する必要はない。
(工程4)着味工程
本発明では、必要に応じて着味工程を設ける。着味方法には特に限定はないが、麺線を着味液に浸漬させる浸漬方式や、着味液を麺線に吹付けるシャワー方式等を適宜用いることができる。なお、着味後、自然乾燥等で水分調整しても良い。なお、着味工程において、本発明の必須成分である塩化マグネシウム及び還元糖を添加しても良い。
(工程5)切出・型詰工程
切出麺の場合、麺線は着味工程までは連続してコンベヤ上を運ばれるのが通常であり、切出工程において一食分にとりまとめるために切断される。そして、切断された麺線はリテーナー(金属製型枠)に自動的に型詰される。なお、押出麺や手延麺の場合は切出・型詰工程を経ずに乾燥工程に移行するのが一般的である。
(工程6)乾燥工程
麺線を100℃以上で乾燥することによってメイラード反応が進行し、好ましい調理感や外観を実現できる。したがって、本発明では100℃以上で乾燥させる工程を設けることが好ましい。なお、乾燥温度としては100~200℃がより好ましい。
以下乾燥工程について詳細に説明する。乾燥工程を経る前の麺線は水分を25~65重量%含有するため、即席麺の保存性を高めるために、水分が1~15重量%になるまで乾燥する必要がある。代表的な乾燥方法としては、瞬間油熱乾燥法と熱風乾燥法が挙げられる。
<瞬間油熱乾燥法>
瞬間熱乾燥法とは、麺線を100~200℃の熱油に1~4分通過させることにより、麺線の水分を2~5重量%程度まで脱水乾燥させる方法である。なお、瞬間油熱乾燥法は切出麺は、型詰を要しない押出麺や手延麺には一般的には用いられない。
<熱風乾燥法>
熱風乾燥法とは、麺線を50~170℃の熱風に10~180分晒すことにより、麺線の水分を8~15重量%程度まで乾燥させる方法である。熱風乾燥法では、麺線を型詰する必要が無いため、切出麺だけでなく押出麺や手延麺にも利用することができる。
(比較例1)
小麦粉900g、タピオカアセチル化デンプン100部を粉体混合し、水345部、塩化ナトリウム15部、かんすい3部(炭酸カリウム:炭酸ナトリウム=3:2)からなる練り水を加え、バッチ型ミキサーで15分間ミキシングして麺生地(ドウ)を製造した。
次に、ロールを用いて、ドウを複合、圧延して0.9mmの麺帯を製造し、切刃ロール(丸刃20番:溝巾1.5mm)で切断して麺線(切出麺)とした。さらに、麺線を270kg/hの飽和蒸気で2分間蒸煮してα化麺線1を製造した。
α化麺線1を、水および塩化ナトリウム90部からなる着味液(1リットル)に20秒間浸漬し、約30cm(100g)に切断した後、リテーナに充填し、リテーナごとに麺線を150℃のパーム油で2分30秒乾燥(瞬間油熱乾燥法)し、水分が2重量%の即席麺1(比較例1)を製造した。なお、リテーナに充填した麺線は100g、乾燥後の即席麺1の重量は66gだった。
(実施例1)
α化麺線1を、水、塩化ナトリウム70部、塩化マグネシウム六水和物20部、乳酸カリウム(純度78%)5部からなる着味液(1000ml)に20秒間浸漬し、比較例1と同様の条件で乾燥させて水分が2重量%の即席麺11(実施例1)を製造した。
(実施例2~22、比較例2~6)
着味液を表1~3の通り変更して即席麺2~6(比較例2~6)、及び即席麺12~32(実施例2~22)を得た。各即席麺の塩化マグネシウム、乳酸カリウム及び塩化ナトリウムの濃度は表1~3に記載の通りである。
Figure 2022079605000001
Figure 2022079605000002
Figure 2022079605000003
(評価基準)
即席麺(66g/個)に熱湯300mlを注ぎ、蓋をして3分静置して麺を湯戻した。湯戻しした麺を箸でほぐした後、充分に湯切りしてから、パネラー10名により塩味、苦味及び酸味の感応評価試験を行った。
(塩味)
ポジティブコントロール(比較例1)とネガティブコントロール(比較例2)を基準に、以下の通り評価した。
×:比較例2と比較して塩味が同等、又塩味が弱いと評価したパネラーが9名以上
○:比較例1と比較して塩味が同等、又塩味が強い評価したパネラーが9名以上
△:上記以外(○と×の中間)の評価
(酸味)
ポジティブコントロール(比較例1)とネガティブコントロール(比較例3)を基準に、以下の通り評価した。
×:比較例3と比較して酸味が同等、又は酸味が強い(悪い)評価したパネラーが9名以上
○:比較例1と比較して酸味が同等、又は酸味を感じないと評価したパネラーが9名以上
△:上記以外(○と×の中間)の評価
(苦味)
ポジティブコントロール(比較例1)とネガティブコントロール(比較例5)を基準に、以下の通り評価した。
×:比較例5と比較して苦味が同等、又は苦味が強い(悪い)評価したパネラーが9名以上
○:比較例1と比較して苦味が同等、又は苦味を感じないと評価したパネラーが9名以上
△:上記以外(○と×の中間)の評価
(評価まとめ)
乳酸カリウムの添加量を増やすと酸味が強まる傾向があるが、塩化マグネシウムと併用することで、酸味を抑制されることがわかった(比較例1、3、4、実施例1~6、12~17参照)。また、乳酸カリウムの添加量が少ない場合には塩味と苦味の評価が低い傾向だが、適正量添加することで塩味と苦味の評価が改善した(実施例1~3、12~14)。
一方、塩化マグネシウムの添加量を増やすと苦味が強まる傾向があるが、乳酸ナトリウムと併用することで、苦味を抑制されることがわかった(比較例1、5、6、実施例7~11、18~22)。

Claims (4)

  1. 塩化マグネシウム、乳酸カリウム、塩化ナトリウム及び原料粉を含んでなる即席麺であって、
    即席麺全量に対して、塩化マグネシウムを0.05~0.70重量%、乳酸カリウムを0.10~1.00重量%含有することを特徴とする即席麺。
  2. 更に、即席麺が塩化ナトリウムを含有し、
    且つ
    塩化ナトリウム/塩味成分の重量比が0.50~0.85であることを特徴とする請求項1記載の即席麺。
    ただし、塩味成分とは即席麺に含まれる塩化マグネシウム、乳酸カリウム、及び塩化ナトリウムを指す。
  3. 即席麺全量に対して、乳酸カリウムを0.20~1.00重量%含有することを特徴とする請求項1又は2記載の即席麺。
  4. 塩化ナトリウム/塩味成分の重量比が0.55~0.80であることを特徴とする請求項2記載の即席麺。
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小島麻美: "新規食品添加物「乳酸カリウム」について", ニューフードインダストリー, vol. 57, no. 12, JPN6021027855, 2015, pages 11 - 16, ISSN: 0005054470 *

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