JP2022079548A - 合成ダイヤモンド光学素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】合成ダイヤモンド材料を有する光学素子を提供する。【解決手段】光学素子であって、合成ダイヤモンド材料と、合成ダイヤモンド材料の少なくとも1つの表面内に直接形成されたゾーンプレート、フレネルレンズ、又は非球面レンズの形態をした扁平化レンズ表面構造体とを有し、合成ダイヤモンド材料は、室温で測定して10.6μmの波長で0.5cm-1以下の吸収係数を有し、合成ダイヤモンド材料は、次の特性のうちの一方又は両方を満たすレーザ誘導損傷しきい値を有し、これら特性は、レーザ誘導損傷しきい値が、パルス持続時間を100ns、パルス繰り返し周波数を1~10Hzの範囲として波長10.6μmのパルスレーザを用いて測定して少なくとも30Jcm2であるという特性及びレーザ誘導損傷しきい値が、波長10.6μmの連続波レーザを用いて測定して少なくとも1MW/cm2であるという特性であることを特徴とする光学素子。【選択図】図2

Description

本発明は、合成ダイヤモンド光学素子、特に合成ダイヤモンド材料表面内に直接形成されたゾーンプレート、フレネルレンズ、又は非球面レンズの形態をした扁平化レンズ表面構造体を有する合成ダイヤモンド光学素子に関する。特定の実施形態は、ハイパワー(high power)光学用途に適した光学特性、熱的特性、及び機械的特性を備えた合成ダイヤモンド光学素子に関するが、本明細書において説明する合成ダイヤモンド光学素子は、材料費及び光学性能を含む要因に起因して、低パワー光学用途にも使用できる。
ゾーンプレート、フレネルレンズ、又は非球面レンズの形態をした扁平化レンズ構造体は、種々の光学用途について十分に確立しており、種々の材料を用いて作製されている。かかる扁平化レンズ構造体は、同等の従来型レンズよりも薄く作製でき、従来型レンズ設計によって必要とされる材料の質量及び体積を用いないで大きなアパーチュア及び短い焦点距離のレンズの製作を可能にしている。
フレネルレンズ構造体は、標準レンズの連続表面を同一の曲率の1組の表面に効果的に分割しており、これら表面相互間には段階的な不連続性が存在する。これにより、従来型レンズ構造体を非常に平べったく作ることができ、他方、その他の点においては標準レンズと同様な仕方で屈折により光を合焦又は集束させるよう機能することができる。
ゾーンプレートは、光を合焦させるために屈折ではなく回折を用いており、一般に、吸収ゾーンと透過ゾーンが交互に位置した一連の同心円形ゾーンの形態をしている関連の「扁平化レンズ」型構造体である。合焦効果は、透過ゾーンを通る波の強め合う干渉によって作られる。
非球面レンズは、球又は円柱の一部分ではない表面プロフィールを備えたレンズである。非球面レンズは、球面収差を減少させ又はなくすことができ、更に従来型レンズと比較して他の光学収差を減少させることができる表面プロフィールを有する。さらに、非球面レンズにより、光学性能を損なわないで薄くて平べったいレンズを作ることができる。
かかる扁平化レンズ構造体について選択される材料及び幾何学的形状は、所望の動作波長、焦点距離及びかくして最終用途で決まることになる。特に、扁平化レンズ構造体は、動作波長で透明である基板材料を必要とし、扁平化レンズのゾーン構造体は、この動作波長において光を所望の仕方で合焦させるよう最適化された幾何学的形状を有することになる。
伝統的に、可視波長扁平化レンズ構造体は、ガラス及びプラスチック材料中に作製されており、かかる扁平化レンズ構造体は、極めて大きなレンズ構造体から極めて小さなレンズ構造体まで様々である用途を有し、かかる用途としては、灯台、読書補助具、プロジェクタ、カメラ光学系、及びマイクロオプティクスにおける利用が挙げられる。
赤外領域における長い波長の用途に関し、赤外線に対して透明な適当な基板材料としては、CaF2、Si、Ge、AnSe、及びMgOが挙げられる。例えば、エム・シー・ハットレイ他(M. C. Hutley et al.),[「ブレイズド・ゾーン・プレーツ・フォア・ザ・インフラレッド(Blazed Zone Plates For The Infrared)」,プロシーディングス・オブ・エスピーアイシー0916番(Proc. SPIE 0916),インフラレッド・システムズ-デザイン・アンド・テスティング(Design and Testing),1988年,p.40]は、フォトレジスト中に記録された円形干渉縞パターンを表面中にイオンエッチングすることによりゲルマニウム中に作製された赤外線を集束させるゾーンプレートを報告した。10.6μmにおいて64%の効率が測定された。エフ・ゴンザレス他(F. Gonzalez at el.),[「インフラレッド・アンテナズ・カップルド・トゥ・リソグラフィック・フレスネル・ゾーン・プレート・レンジズ(Infrared antennas coupled to lithographic Fresnel zone plate lenses)」,アプライド・オプティクス(Applied Optics),2004年,第43巻,第33号]も又、シリコン基板を利用した赤外線を集束するゾーンプレートを報告した。
長い波長の用途に関し、石英、CaF2、BaF2及びサファイアを含むUVに対して透明な材料がオプティクスにおいて広く用いられている。例えば、石英のフレネルレンズは、ハイパワーエキシマレーザ及びNd:YAGレーザのためのビームホモジナイザとして利用されている。石英は、248nm以上の波長では適当な光学材料であるが、波長が短い場合、石英の吸収性が極めて増大する。したがって、CaF2、BaF2、及びサファイアは、248nmを下回るUV領域ではより望ましい光学材料である。ジー・コピトコバス他(G. Kopitkovas et al.),[「サーフェス・マイクロマシニング・オブ・ユーブイ・トランスパレント・マテリアルズ(Surface micromachining of UV transparent materials)」,シン・ソリッド・フィルムズ(Thin Solid Films),2004年,453-454,31-35]は、かかるUVに透明な材料のための表面微細機械加工方法を報告したが、かかる方法は、XeClエキシマレーザ及びUV光学構造体の精密な構造化のためにかかるUV透明材料と接触状態にある吸収性液体を利用している。加うるに、ディー・ジル他(D. Gil et al. ),[「ジャーナル・オブ・バキューム・サイエンス・アンド・テクノロジー・ビー(J. Vac. Sci. Technol. B )」,2003年,第21号,p.6]は、UV領域及び遠UV領域で動作する回折光学素子を製作するために吸収材料、例えばクロムを含む溶融石英基板上における水素シルセスキオキサン(HSQ)の使用を報告した。
X線用途に関し、原子番号の大きな金属、例えばTa、Au、Ir、及びWで作られたゾーンプレートが伝統的に用いられているが、2~12keVの光量子エネルギー範囲で生じた高い熱負荷は、かかる金属を劣化させる場合がある。ウー他(Wu et al.),[「ハード・エックス-レイ・ゾーン・プレーツ:リーセント・プログレス(Hard x-ray Zone Plates: Recent Progress)」,マテリアルズ(Materials),2012年,第5巻,p.1752~1773]は、高透過性のX線(光量子エネルギーが1~2keV以上)を合焦させる技術が2009年から2012年までの期間で大幅な進歩を遂げ、この技術進歩は、フレネルゾーンプレート概念に基づくレンズについて特に目覚ましいということを報告した。この3年間の間、かかるX線ゾーンプレートの空間分解能は、3倍になり、具体的には生物医学的研究において新たな用途範囲を完全に開いたことが報告されている。また、ダイヤモンドを利用したゾーンプレートが開発され、かかるダイヤモンドを利用したゾーンプレートは、ウーレン他、デイビッド他、及びヴォイチク他による研究を引用した極めて高いレーザ強度で安定であることが報告されており、これについては以下に詳細に説明する。
ウーレン他(Uhlen et al.),[「ニュー・ダイアモンド・ナノファブリケーション・プロセス・フォア・ハード・エックス-レイ・ゾーン・プレーツ(New diamond nanofabrication process for hard x-ray zone plates)」,ジャーナル・オブ・バキューム・サイエンス・アンド・テクノロジー・ビー29(J. Vac. Sci. Technol. B29 ),2011年,06FG03]は、ダイヤモンドがその高い熱伝導率及び高透過性のX線のその低い吸収に起因してX線用途にとって最適なゾーンプレート材料であることを示した。ダイヤモンド材料で回折格子構造体を製作する多くのマスキング及びエッチング技術が記載されている。ダイヤモンドのナノ構造化が主として酸素プラズマを利用したエッチングにより達成され、ハードマスクと酸素の処方の種々の組み合わせが用いられていることが述べられている。ハードマスクの例がHSQ、Ni-Ti、及びAlを含むものとして開示されている。著者は、高いアスペクト比でダイヤモンドゾーンプレートレンズを製作するための新たなタングステン-ハードマスクを利用したダイヤモンドドライエッチングプロセスについて報告している。タングステンハードマスクを三層レジスト-クロム-タングステンスタック中のCl2/O2及びSF6/O2反応性イオンエッチングと一緒に電子ビームリソグラフィによって構造化した。次に、下に位置するダイヤモンド(ダイアモンド・マテルアルズ・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクター・ハフトゥング(Diamond materials GmbH)から調達される寸法5mm×5mm×100μm)を以下のパラメータ、即ち、10sccmO2ガス流、3mTorr圧力、100W rf電力、200W ICP及び20℃サンプル温度の使用によりO2プラズマ中でエッチングした。著者は、80nmまでの半ピッチ及び2.6μmの高さを有するダイヤモンド格子並びに75μm直径及び100nmの最も外側のゾーン幅を有するゾーンプレートを報告している。ゾーンプレートの回折効率を8keV X線エネルギーで14.5%まで測定し、イメージング特性を100nm以下の分解能を示す走査電子顕微鏡構成で調べた。ウーレン他は、これらレンズのイメージング特性及び熱的特性がレンズを高輝度X線自由電子レーザ源との併用に適したものにすることを示唆している。
シー・デイビッド他(C. David et al.),[「サイエンティフィック・リポーツ(Scientific Reports)」,2011年,第1巻,アーティクルナンバー57]は又、高透過性X線自由電子レーザパルスの集束に適したダイヤモンドを利用したフレネルゾーンプレートの製作を開示している。これら3つの形式のゾーンプレートは、以下に説明するようにデイビッド他によって作製されて試験された。
デイビッド他によって作製されたゾーンプレートの第1の形式は、ダイヤモンドを利用したゾーンプレートではなく金属を利用したゾーンプレートであり、金ナノ構造体から成っていた。デイビッド他は、数種類のレンズをX線で照射し、ゾーンプレートが迅速に劣化し、3分以内に完全に破壊されたことが判明したことを報告している。パルス1つ当たり金構造体に送られるX線照射量は、約0.1eV/原子であったが、これは、溶融を開始させるのに必要な照射量(0.4eV/原子)よりも低い。しかしながら、熱消散が貧弱なことに起因して、ゾーン構造体の温度は、迅速に上昇し、金の再結晶化をトリガした。
放射線のかたさ(hardness)を向上させるため、デイビッド他によってダイヤモンド材料を主成分として第2の形式のゾーンプレートが作製された。デイビッド他は、ダイヤモンド材料の優れた熱伝導率、低いX線吸収率、及び高い融点がダイヤモンド材料をこの用途に理想的に適したものにしていることを示唆している。ダイヤモンドを利用したゾーンプレートをSiフレームによって支持された研磨済みの4~5μm厚さのダイヤモンドメンブレン(ダイアモンド・マテルアルズ・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクター・ハフトゥング)上に作製した。これらメンブレンを5nm厚さのCr接着剤及び導電性層で蒸気被覆し、そして次に、ネガティブ・トーン(negative-tone)現像の水素シルセスキオキサン(HSQ)レジスト(FOx-16溶液、ダウ・コーニング・コーポレーション(Dow Corning Corp))の400~550nm厚さの層でスピン塗布した。ゾーンプレートパターンを電子ビームリソグラフィによってHSQ中に形成し、Cr層をCl2/CO2プラズマ内のドライエッチングによって除去し、それにより下に位置するダイヤモンド表面を露出させた。次に、ダイヤモンド層を誘導結合プラズマ反応性イオンエッチング装置でエッチングした。用いられたダイヤモンドエッチングのパラメータは、バビネック・ティー・エム他(Babinec, T. M. et al.),[「ア・ダイアモンド・ナノワイヤ・シングル-フォトン・ソース(A diamond nanowire single-photon source)」,ネイチャー・ナノテクノロジー(Nature Nanotechnology),2010年,第5巻,p.195~199]に記載されたパラメータとほぼ同じであることが報告されている。
上述の金を主成分とするゾーンプレートとは異なり、ダイヤモンドゾーンプレートは、X線暴露によっては損傷を受けなかった。しかしながら、デイビッド他は、ハード(hard)光量子エネルギーでは、ダイヤモンドの主要な欠点が高い光量子エネルギーではダイヤモンドの屈折率減分が低いことにあり、それにより回折効率が極めて低くなるということを述べている。フォーカルスポット中に回折する光量子の数を多くするため、ダイヤモンドゾーン構造体が原子層堆積法(ALD)によりイリジウムで満たされた第3の形式のゾーンプレートを作製した。この方式は、最適化された熱消散が得られるよう組み合わせ型ダイヤモンド冷却フィンの構造体と密な接触状態にあるこの極めて高密度の耐火材料(密度:22.5g/cm3、融点:2739K)の強い移相特性をもたらしている。デイビッド他は、純粋ダイヤモンドデバイスが到来する8keV放射線の2.1%だけを焦点に回折させることができるが、Ir充填ダイヤモンドゾーンプレートが同じ光量子エネルギーで13.2%の効率に達したことを報告している。さらに、ダイヤモンド利用デバイスは、金ゾーンプレートを破壊したのと同じパルスエネルギー及びパルスレートを利用したときに構造的健全性又は光学性能のそれほどの変化を示さなかったことが報告されている。
上述したように、Ir充填ダイヤモンドゾーンプレートを作製したデイビッド他とは対照的に、ヴォイチク他(Wojcik et al.),[「ジャーナル・オブ・バキューム・サイエンス・アンド・テクノロジー・ビー28(J. Vac. Sci. Technol. B28)」,2010年,C6P30]は、電気メッキにより、ウルトラナノ結晶(ultrananocrystalline)ダイヤモンドモールド上に金を被着させることによってX線ゾーンプレートを作製した。
上述の非特許文献は、X線ゾーンプレート用のダイヤモンド材料の使用を示唆したが、ゾーンプレート構造体は、電磁スペクトルの赤外領域、可視領域、及び紫外領域の長い波長での利用には適していない。さらに、本発明者は、特に赤外領域、可視領域、及び紫外領域におけるハイパワー光学用途について長い波長で動作するよう上述の構造体の幾何学的形状を単に変化させた場合の多くの潜在的な問題を突き止めた。これは、ダイヤモンド材料がX線波長では比較的透明であるが、高品質光学等級のダイヤモンド材料(例えば、エレメント・シックス・リミテッド(Element Six Ltd )から入手できる)だけが電磁スペクトルの赤外領域、可視領域、及び紫外領域全体にわたって所望の透明性を有しているからである。さらに、高品質光学等級のダイヤモンド材料が光学面を有するようパターン付けされた場合であっても、所望の光学性能を達成すると共に電磁スペクトルの赤外領域、可視領域、及び紫外領域において高いレーザ誘導損傷しきい値を備えた堅牢な光学素子を提供することが、課題である。かかる表面仕上げの光学性能は、ダイヤモンド材料の硬度が極めて高く且つ靱性が低いのでダイヤモンド材料中に正確に規定された表面パターンをつける際の困難に起因して変化しやすかった。さらに、光学表面構造体をダイヤモンド材料中に形成するのに必要な処理方法の結果として、相当な表面及び表面下結晶損傷がダイヤモンド材料中に生じた。合成ダイヤモンド光学素子中のこの表面及び表面下損傷により、多くの相互に関連する悪影響が生じ、かかる悪影響としては、(1)合成ダイヤモンド光学素子のレーザ誘導損傷しきい値の減少、(2)合成ダイヤモンド光学素子の動作可能なパワーの減少、及び(3)表面及び表面下損傷により生じるビーム収差の結果として合成ダイヤモンド光学素子の光学性能の低下が挙げられる。したがって、表面及び表面下結晶損傷を生じさせることなく高品質光学等級合成ダイヤモンド材料中に正確に規定された扁平化レンズ構造体を形成して高いレーザ誘導損傷しきい値及び合成ダイヤモンド光学素子を通る透過の際のビーム収差を最小限に抑えた高い光学性能を有する合成ダイヤモンド光学素子を達成する方法を開発することが望ましい。かかる合成ダイヤモンド光学素子は、光学性能及び高いレーザパワーに対する堅牢さがダイヤモンド材料のバルク結晶品質、パターン付けされた光学表面仕上げの品質、及び光学表面仕上げの作製の際に引き起こされる何らかの表面又は表面下結晶損傷の存在に極めて敏感であるレンズ用途向けに電磁スペクトルの赤外領域、可視領域、及び紫外領域の波長で使用できる。
エム・シー・ハットレイ他(M. C. Hutley et al.),「ブレイズド・ゾーン・プレーツ・フォア・ザ・インフラレッド(Blazed Zone Plates For The Infrared )」,プロシーディングス・オブ・エスピーアイシー0916番(Proc. SPIE 0916),インフラレッド・システムズ-デザイン・アンド・テスティング(Design and Testing),1988年,p.40 エフ・ゴンザレス他(F. Gonzalez at el.),「インフラレッド・アンテナズ・カップルド・トゥ・リソグラフィック・フレスネル・ゾーン・プレート・レンジズ(Infrared antennas coupled to lithographic Fresnel zone plate lenses)」,アプライド・オプティクス(Applied Optics),2004年,第43巻,第33号 ジー・コピトコバス他(G. Kopitkovas et al.),「サーフェス・マイクロマシニング・オブ・ユーブイ・トランスパレント・マテリアルズ(Surface micromachining of UV transparent materials)」,シン・ソリッド・フィルムズ(Thin Solid Films),2004年,453-454,31-35 ディー・ジル他(D. Gil et al.),「ジャーナル・オブ・バキューム・サイエンス・アンド・テクノロジー・ビー(J. Vac. Sci. Technol. B )」,2003年,第21号,p.6 ウー他(Wu et al.),「ハード・エックス-レイ・ゾーン・プレーツ:リーセント・プログレス(Hard x-ray Zone Plates: Recent Progress)」,マテリアルズ(Materials ),2012年,第5巻,p.1752~1773 ウーレン他(Uhlen et al.),「ニュー・ダイアモンド・ナノファブリケーション・プロセス・フォア・ハード・エックス-レイ・ゾーン・プレーツ(New diamond nanofabrication process for hard x-ray zone plates)」,ジャーナル・オブ・バキューム・サイエンス・アンド・テクノロジー・ビー29(J. Vac. Sci. Technol. B29),2011年,06FG03 シー・デイビッド他(C. David et al.),「サイエンティフィック・リポーツ(Scientific Reports)」,2011年,第1巻,アーティクルナンバー57 バビネック・ティー・エム他(Babinec, T. M. et al.),「ア・ダイアモンド・ナノワイヤ・シングル-フォトン・ソース(A diamond nanowire single-photon source )」,ネイチャー・ナノテクノロジー(Nature Nanotechnology),2010年,第5巻,p.195~199 ヴォイチク他(Wojcik et al.),「ジャーナル・オブ・バキューム・サイエンス・アンド・テクノロジー・ビー28(J. Vac. Sci. Technol. B28)」,2010年,C6P30
上述の説明に照らして、本発明の実施形態の目的は、合成ダイヤモンド材料の少なくとも1つの表面中に直接形成されるゾーンプレート、フレネルレンズ、又は非球面レンズの形態をした扁平化レンズ表面構造体を有し、高い光学等級合成ダイヤモンド材料で作られると共に僅かな表面及び表面下結晶損傷を有し、かくして電磁スペクトルの赤外領域、可視領域、及び/又は紫外領域において高いレーザ誘導損傷しきい値を示す合成ダイヤモンド光学素子を提供することにある。もう1つの目的は、かかる扁平化レンズ構造体を合成ダイヤモンド材料中に作製する比較的迅速且つ低コストの技術を開発することにある。
本発明の第1の観点によれば、光学素子であって、
合成ダイヤモンド材料と、
合成ダイヤモンド材料の少なくとも1つの表面内に直接形成されたゾーンプレート、フレネルレンズ、又は非球面レンズの形態をした扁平化レンズ表面構造体とを有し、
合成ダイヤモンド材料は、室温で測定して10.6μmの波長で0.5cm-1以下の吸収係数を有し、
合成ダイヤモンド材料は、次の特性のうちの一方又は両方を満たすレーザ誘導損傷しきい値を有し、これら特性は、
レーザ誘導損傷しきい値が、パルス持続時間を100ns、パルス繰り返し周波数を1~10Hzの範囲として波長10.6μmのパルスレーザを用いて測定して少なくとも30Jcm-2であるという特性、及び
レーザ誘導損傷しきい値が、波長10.6μmの連続波レーザを用いて測定して少なくとも1MW/cm2であるという特性であることを特徴とする光学素子が提供される。
本発明の第2の観点によれば、光学系であって、
上述の光学素子と、
光を少なくとも20kWのパワーで発生させ、電磁スペクトルの赤外領域、可視領域、又は紫外領域の動作波長で光学素子を通って光を透過させるよう構成された光源とを含むことを特徴とする光学系が提供される。
次に、本発明を一層良く理解するため、そして本発明をどのようにすれば実施することができるかを示すために、添付の図面を参照して本発明の実施形態を説明するが、これは例示であるに過ぎない。
合成ダイヤモンド材料から成る光学素子を作製する方法の概略流れ図であり、扁平化されたレンズ表面構造体が合成ダイヤモンド材料の表面中に直接形成される状態を示す図である。 ハイパワーレーザ源及び合成ダイヤモンド材料で形成された光学素子を含むハイパワーレーザシステムの略図であり、扁平化されたレンズ表面構造体が合成ダイヤモンド材料の表面中に直接形成された状態を示す図である。
本発明者は、量子センシング及び量子情報処理の分野における高純度単結晶CVDダイヤモンド材料の処理における最近の開発を本明細書の背景技術の項において概要説明した課題を解決して合成ダイヤモンド材料の少なくとも1つの表面中に直接形成されるゾーンプレート、フレネルレンズ、又は非球面レンズの形態をした扁平化レンズ表面構造体を有し、高い高額品質の合成ダイヤモンド材料、例えば光学等級多結晶CVDダイヤモンドで形成されると共に更に表面及び表面下結晶損傷が僅かであり、かくして電磁スペクトルの赤外領域、可視領域、及び/又は紫外領域において高いレーザ誘導損傷しきい値を示す合成ダイヤモンド光学素子の作製を達成するようハイパワーレーザオプティクスに転用することができるということを認識した。
量子センシング及び量子情報処理分野における高純度単結晶CVDダイヤモンド材料の使用に対する研究は、ダイヤモンド結晶格子内に見受けられる特定種類の点欠陥、即ち、負に帯電した窒素-空孔欠陥(NV-)に的が絞られている。NV-欠陥は、量子ビットとして又は別法として量子センシング素子として機能するよう操作できる電子スピンを有する。NV-欠陥は、マイクロ波を用いて光学的に励起され、操作されることが可能であり、かかるNV-欠陥は、その電子スピン状態に特有の蛍光を出す。
量子センシング及び量子情報処理用途に関する一要件は、NV-電子スピン欠陥が長い量子コヒーレンス時間を有することが必要であるということであり、このためには、NV-電子スピン欠陥を結晶欠陥の低い濃度を有すると共に小さい内部応力を有する非常に純粋なダイヤモンド格子環境内に配置することが必要であり、もしそうでなければ、かかる非常に純粋なダイヤモンド格子環境は、ダイヤモンド結晶格子内に設けられているNV-スピン欠陥の量子コヒーレンス時間を有害なほど減少させる場合がある。量子センシング及び量子情報処理用途に関するもう1つの要件は、NV-電子スピン欠陥から放出された蛍光がダイヤモンド材料から適当な構成のプロセッサ又は検出器に効率的に取り出される必要があるということにあり、この点に関し、ナノワイヤ、光導波路構造体、及びフォトニック共振器構造体をダイヤモンド材料中に作製してNV-電子スピン欠陥から放出された光量子を効果的に取り出すことが望ましい。誘導結合プラズマエッチング(ウプサラ・ユニバーシティ(Uppsala University)により用いられ、そして本明細書の背景技術の項で上述した誘導結合プラズマエッチングとほぼ同じである)がかかる光学構造体を作製するために用いられている。しかしながら、作製プロセスは、表面及び表面下損傷をダイヤモンド結晶構造中に生じさせ、かかる損傷が光学表面構造体に結合された表面近くのところのNV-電子スピン欠陥の量子コヒーレンス時間に悪影響を及ぼすことが判明した。さらに、望ましい表面構造体の品質及び所望の表面構造体相互間の望ましくないエッチンググラス(etch grass)の形成は、用いられるエッチングマスクのタイプ及びエッチング条件に敏感であることが判明した。したがって、ダイヤモンド量子デバイスのための構造体を開発するグループによる最近の研究は、相当な量の表面及び表面下損傷をダイヤモンド結晶構造体中にもたらさないで、表面近くのNV-電子スピン欠陥のための光学取り出し構造体の作製を可能にすると同時に光学構造体相互間に望ましくないエッチンググラスを生じさせないでダイヤモンド表面中に明確に規定された光学構造体を達成するために誘導結合(ICP)エッチングプロセスを改良することに的が絞られた。この研究は、多くの刊行物に記載されており、かかる刊行物としては、ビー・ハウスマン他(B. Hausmann et al.),「ファブリケーション・オブ・ダイアモンド・ナノワイヤズ・フォア・クアンタム・インフォメーション・プロセッシング・アプリケーション(Fabrication of diamond nanowires for quantum information processing applications)」,ダイアモンド・アンド・リレイティッド・マテリアルズ19(Diamond and Related Materials 19),2010年,p.621~629、エム・ブレク他(M. Burek et al.),「フリー-スタンディング・メカニカル・アンド・フォトニック・ナノストラクチャーズ・イン・シングル・クリスタル・ダイアモンド(Free-standing mechanical and photonic nanostructures in single crystal diamond)」,ナノ・レターズ(Nano Lett.),2012年、及び米国特許出願公開第2001/0309265号明細書が挙げられる。
ダイヤモンド量子デバイスのための構造体を開発するグループは、相当な量の表面及び表面下結晶損傷を単結晶CVDダイヤモンド構造体中にもたらすことなく光学取り出し構造体を単結晶CVDダイヤモンド材料内に作製するガス流量、ICPパワー、及び圧力の多種多様な組み合わせにより実験した。例えば、以下の誘導結合プラズマ反応性イオンエッチング(ICP RIE)方式がこの目的に適しているものとして文献に報告されており、即ち、酸素エッチング剤が30~50sccmO2の酸素ガス流量を有し、チャンバ圧力が約10mTorrであり、ICPパワーが約700Wであった。このエッチング方式は、極めて明確に規定された表面構造体の形成を可能にする一方で、所望の表面構造体相互間のエッチンググラスの形成を回避していることが報告されている。加うるに、ダイヤモンド表面中のエッチングされた光学構造体の形状及び量は、エッチングプロセス中、ICPパワーを変化させることによって制御できるということが報告されている。例えば、単結晶CVDダイヤモンド材料の表面中におけるナノワイヤの作製にあたり、700WのICPパワーを2分間かけ、600WのICPパワーを3分間かけ、そして1000WのICPパワーを5分間かけるマルチステップICP RIEプロセスが報告されている。さらに又、Al23粒子、Au粒子、SiO2粒子、蒸発AU及びFOx 電子ビームレジストを含む多種多様なエッチングマスクがダイヤモンド量子デバイス関連文献に報告されている。
上述の説明に照らして、ダイヤモンド格子中の欠陥を利用した構造体をダイヤモンド量子デバイスのための高純度単結晶CVDダイヤモンド材料中に生じさせる技術を開発しているグループは、ダイヤモンド材料中に明確に規定された表面構造体を形成することができるICP RIEプロセスを首尾良く開発したことが明らかであり、その場合、かかる構造体相互間には望ましくないエッチンググラスが形成されることなく、しかも多量の表面及び表面下結晶損傷がもたらされることがなかった。この技術は、特に、NV-電子スピン欠陥から放出された光量子を効果的に取り出すことを目的としたダイヤモンド材料中へのナノワイヤ、光導波路構造体、及びフォトニック共振器構造体の形成を含む量子センシング及び量子情報処理用途においてNV-電子スピン欠陥から放出された蛍光を効果的に取り出すために開発された。
本発明者は、例えば量子センシング及び量子情報処理用途においてナノワイヤ、光導波路構造体、及びフォトニック共振器構造体のような取り出し構造体に関する要件が電磁スペクトルの赤外領域、可視領域、及び紫外領域においてハイパワーレーザ用途に適した透過型ダイヤモンド光学素子内への良好な扁平化されたレンズ表面構造体、例えばゾーンプレート、フレネルレンズ、及び非球面レンズの作製に関する要件に非常に似ているということを認識した。すなわち、量子センシング及び量子情報処理用途向きに開発されたエッチング技術を光学等級合成ダイヤモンド材料、例えば光学等級多結晶CVDダイヤモンドを用いて作製される透過型光学素子に利用することができ、それにより、相当な表面及び表面下結晶損傷を引き起こすことなく、正確に規定された扁平化レンズ表面構造体を合成ダイヤモンド材料の表面中に直接形成し、その結果、この光学素子が高いレーザ誘導損傷しきい値及びビーム収差が僅かな状態の良好な集光(光学的合焦)と組み合わさった低光吸収率を呈するようになる。量子センシング及び量子情報処理用途向きに開発されたエッチング技術は、蛍光NV-欠陥を含む単結晶CVDダイヤモンド材料中にナノワイヤ、光導波路構造体、及びフォトニック共振器構造体をエッチングするために利用されるが、本発明の実施形態によれば、かかるエッチング技術を低吸収率光学的特性のダイヤモンド材料、例えば高品質多結晶CVDダイヤモンド材料に利用してかかるダイヤモンド材料内に表面損傷の少ない扁平化レンズ表面構造体を作製し、かくして高いレーザ誘導損傷しきい値及びビーム収差が僅かな良好な集光と組み合わせた低光学吸収率を有する光学素子を製造する。
図1に示されているように、光学素子の作製方法が提供されており、この方法は、
パターン付けレジスト層2を合成ダイヤモンド材料4の少なくとも1つの表面上に形成するステップと、
パターン付けレジスト層2を介して合成ダイヤモンド材料4の少なくとも1つの表面をエッチングする(3)ステップと、
パターン付けレジスト層を除去して合成ダイヤモンド材料4の少なくとも1つの表面中に直接形成された扁平化レンズ表面構造体6を残すステップとを含み、
エッチングは、例えば、酸素ガス流量が20~50sccmO2、チャンバ圧力が5~20mTorr、ICPパワーが600~1100Wの誘導結合プラズマ反応性イオンエッチング(ICP RIE)プロセスから成る。
オプションとして、誘導結合プラズマ反応性イオンエッチングプロセスは、25~35sccmO2の酸素流量、7~15mTorrのチャンバ圧力、及び700~1000WのICPパワーのうちの1つ又は2つ以上を含む。誘導結合プラズマ反応性イオンエッチングプロセスは、扁平化レンズ表面構造体の表面プロフィールを制御するために種々のICPパワーを含む多数のステップを更に含むのが良い。さらに、パターン付けされたレジスト層は、Al23粒子、Au粒子、SiO2粒子、蒸発Au、及びFOx 電子ビームレジストのうちの1つで形成されるのが良い。実際には、レジストは、制御されたマクロエッチングに対して耐性があるよう選択される。例えば、レジストは、2μm以上、4μm以上、6μm以上、8μm以上、又は10μm以上の高さを備えた表面エッチング特徴部の形成と適合性があるよう選択されるのが良い。
上述した説明に加えて、背景技術の項で説明した或る特定の先行技術の方式は、エッチングに先立ってレジストのパターン付けのための直接描画式電子ビームリソグラフィプロセスを利用していることが注目された、この直接描画式電子ビームリソグラフィプロセスは、幾分時間がかかり、しかも費用が嵩む。したがって、レジスト層をパターン付けする迅速且つ費用効果の良い方式を提供することができる1つの別のオプションによれば、干渉リソグラフィ技術を用いてパターン付けされたレジスト層を形成することが提案される。当該技術分野においては、他の材料中にモスアイ(moth eye)型反射防止構造体を形成するための干渉リソグラフィ技術が既に知られている。例えば、Telaztec(商標)は、或る範囲の材料中にモスアイ型反射防止構造体を作製するためにこの方式を利用している。ここでは、レジスト層をパターン付けするかかる干渉リソグラフィ技術をハイパワーレーザ用途向きの扁平化レンズ構造体を含む透過型ダイヤモンド光学素子を作製する商用的に有用な仕方を提供する方式として僅かな表面/表面下結晶損傷エッチング技術と組み合わせるのが良いことが提案される。
上述の方法論を適用すると、本発明の一観点は、光学素子であって、
合成ダイヤモンド材料と、
合成ダイヤモンド材料の少なくとも1つの表面内に直接形成されたゾーンプレート、フレネルレンズ、又は非球面レンズの形態をした扁平化レンズ表面構造体とを有し、
合成ダイヤモンド材料は、室温で測定して10.6μmの波長で0.5cm-1以下、0.4cm-1以下、0.3cm-1以下、0.2cm-1以下、0.1cm-1以下、0.07cm-1以下又は0.05cm-1以下の吸収係数を有し、
合成ダイヤモンド材料は、次の特性のうちの一方又は両方を満たすレーザ誘導損傷しきい値を有し、これら特性は、
レーザ誘導損傷しきい値が、パルス持続時間を100ns、パルス繰り返し周波数を1~10Hzの範囲として波長10.6μmのパルスレーザを用いて測定して少なくとも30Jcm-2、少なくとも50Jcm-2、少なくとも75Jcm-2、少なくとも100Jcm-2、少なくとも150Jcm-2、又は少なくとも200Jcm-2であるという特性、及び
レーザ誘導損傷しきい値が、波長10.6μmの連続波レーザを用いて測定して少なくとも1MW/cm2、少なくとも5MW/cm2、少なくとも10MW/cm2、少なくとも20MW/cm2、又は少なくとも50MW/cm2であるという特性であることを特徴とする光学素子にある。
光学素子の吸光度及びレーザ誘導損傷しきい値は、当業者によって容易に測定可能である(例えば、ISO21254-2:2011は、レーザ誘導損傷しきい値を測定する方法を記載しており、他方、サスマン他(Sussmann et al.),[ダイアモンド・アンド・リレイテッド・マテリアルズ(Diamond and Related Materials ),1994年,3,1173~117]は、CVDダイヤモンド窓へのレーザ損傷試験の特定の応用を記載している)。
扁平化レンズ表面構造体は、電磁スペクトルの赤外領域、可視領域、又は紫外領域の動作波長で光を合焦させるよう構成されるのが良い。当該技術分野においては、特定の動作波長向きのゾーンプレート、フレネルレンズ、又は非球面レンズ表面構造体の設計の最適化の仕方が知られている。本発明において新規であると考えられることは、電磁スペクトルの赤外領域、可視領域、又は紫外領域において低い光吸収度、僅かな表面及び表面下結晶損傷、及び高いレーザ誘導損傷しきい値を有するゾーンプレート、フレネルレンズ、又は非球面レンズ表面構造体を合成ダイヤモンド材料中に提供することができるということにある。例えば、光学素子は、10.6μm、1.06μm、532nm、355nm、又は266nmの中から選択された1つの動作周波数で光を合焦させるよう構成されているのが良く、10.6μmの動作周波数が或る特定の商業的用途にとって好ましい。光学素子は、好ましくは、光学素子の動作周波数で3%以下、2%以下、1.5%以下、1%以下、又は0.5%以下の反射率を有する。さらに、光学素子は、好ましくは、光学素子の動作周波数で少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%の透過率を有する。
高いレーザ誘導損傷しきい値と組み合わせて低吸光度及び高品質光学性能を提供する合成ダイヤモンド光学素子が提供される。これは、ハイパワーレーザオプティクス向きの重要なパラメータの組み合わせであると考えられる。したがって、本発明は、ハイパワーレーザシステム用の実施可能な技術であると考えられる。さらに、本明細書において説明した方法論を適用することによって、合成ダイヤモンド光学素子は、低ビーム収差及び低光学散乱量を備えた扁平化レンズ構造体を有するよう構成されるのが良い。例えば、光学素子は、好ましくは、前方半球中に光学素子の動作波長で2%以下、1%以下、0.5%以下、又は0.1%以下の積分全散乱量(total integrated scatter:TIS)を有する。
ゾーンプレート、フレネルレンズ、及び非球面レンズは、標準レンズ構造体としてダイヤモンド材料のかかる厚手の部品を必要としない扁平化レンズ構造体を効果的に提供する。ゾーンプレートが或る特定の分野については好ましいといえる。というのは、かかるゾーンプレートは、湾曲面を必要としないからであり、これに対して、フレネルレンズ及び非球面レンズは、ダイヤモンド材料中に加工するのが困難な湾曲面を有する。とは言うものの、NV-欠陥を含む単結晶CVDダイヤモンド材料向きに量子デバイス分野において開発されたダイヤモンドエッチング技術は、極めて制御可能であることが判明しており、かくして、フレネルレンズ及び非球面レンズに適した湾曲面は、これらエッチング技術を用いて達成できる。
オプションとして、合成ダイヤモンド材料は、以下の特性のうちの1つ又は2つ以上を有するのが良く、これら特性は、
室温で測定して145GHzにおいて2×10-4以下、10-4以下、5×10-5以下、10-5以下、5×10-6以下、又は10-6以下の誘電損失係数tanδ、
5mm-2以下、3mm-2以下、1mm-2以下、0.5mm-2以下又は0.1mm-2以下の平均ブラックスポット密度、
任意の3mm2領域内に5個以下、4個以下、3個以下、2個以下、又は1個以下のブラックスポットが存在するようなブラックスポット分布、
2760cm-1~3030cm-1の補正直線背景で測定したときに0.20cm-2以下、0.15cm-2以下、0.10cm-2以下、又は0.05cm-2以下の単位厚さ当たりの積分吸収能、
1800Wm-1-1以上、1900Wm-1-1以上、2000Wm-1-1以上、2100Wm-1-1以上、又は2200Wm-1-1以上の熱伝導率、及び
二次イオン質量分析計によって測定して1017cm-3以下、5×1016cm-3以下、1016cm-3以下、5×1015cm-3以下、又は1015cm-3以下のシリコンコンセントレーション、及び
酸素を末端基とする表面である。
かかる光学特性は、本明細書において説明したようなパターン付け技術を高品質光学等級合成ダイヤモンド材料、例えばエレメント・シックス・リミテッドから入手できる高品質光学等級多結晶CVDダイヤモンドに利用することによって達成できる。また、このパターン付け技術を或る特定の用途について、光学等級単結晶CVDダイヤモンド(これ又、エレメント・シックス・リミテッドから入手できる)に利用することができるということが想定される。有利には、光学要素は、扁平化レンズ表面構造体が形成されている合成ダイヤモンド光学素子の表面の面積の少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、又は少なくとも100%にわたり本明細書において説明した光学特性のうちの1つ又は2つ以上を満たす。この点に関し、ダイヤモンド光学素子は、比較的広い面積に合わせて作成されるのが良い。例えば、合成ダイヤモンドコンポーネントは、最も大きな直線寸法が少なくとも10mm、少なくとも20mm、少なくとも40mm、少なくとも60mm、少なくとも80mm、少なくとも100mm、少なくとも120mm、又は少なくとも140mmであるよう作成されるのが良い。かかる合成ダイヤモンドコンポーネントは、200μm以上、250μm以上、350μm以上、450μm以上、又は550μm以上の厚さ及び/又は1000μm以下、750μm以下、650μm以下、550μm以下、又は450μm以下の厚さ及び/又はこれらの下限と上限の任意の組み合わせにより定められる範囲内にある厚さを備えた状態で作成されるのが良い。
有利には合成ダイヤモンド材料は、最終の光学素子に必要な厚さよりも大きな標的厚さまで成長させ、次にダイヤモンド材料の核生成フェースを処理して初期の核生成ダイヤモンドを除去することによって作製される。初期の核生成ダイヤモンドが最終の光学素子に混入した場合、これにより、熱コンダクタンスの減少及び光吸収度の増大が起こる場合がある。合成ダイヤモンド材料を最終の光学素子に必要な厚さよりも大きな標的厚さまで成長させることにより、初期の核生成ダイヤモンドを除去し、かくして高い熱コンダクタンス及び低い光吸収度を備えた光学素子を提供することが可能である。初期核生成ダイヤモンドの除去により、その結果として、不可避的に合成ダイヤモンド材料の強度の僅かな低下が起こる。しかしながら、製造業者、例えばエレメント・シックス・リミテッドは、初期核生成ダイヤモンドの除去を可能にする一方で最終用途に十分な機械的強度を保持する高い引張破壊強度を備えた合成ダイヤモンド材料の厚手のウェーハ、例えば多結晶CVDダイヤモンドウェーハを作製することができる。例えば、合成ダイヤモンド材料は、以下の構造特性のうちの1つ又は2つ以上を有するのが良く、これら特性は、
合成ダイヤモンド材料の核生成フェースが張力下にある状態で、200~500μmの厚さの場合に760MPa×n以上、500~750μmの厚さの場合に700MPa×n以上、750~1000μmの厚さの場合に650MPa×n以上、1000~1250μmの厚さの場合に600MPa×n以上、1250~1500μmの厚さの場合に550MPa×n以上、1500~1750μmの厚さの場合に500MPa×n以上、1750~2000μmの厚さの場合に450MPa×n以上、2000μm以上の厚さの場合に400MPa×n以上の引張破壊強度、乗率nは、1.0、1.1、1.2、1.4、1.6、1.8、又は2であり、
合成ダイヤモンド材料の成長フェースが張力下にある状態で、200~500μmの厚さの場合に330MPa×n以上、500~750μmの厚さの場合に300MPa×n以上、750~1000μmの厚さの場合に275MPa×n以上、1000~1250μmの厚さの場合に250MPa×n以上、1250~1500μmの厚さの場合に225MPa×n以上、1500~1750μmの厚さの場合に200MPa×n以上、1750~2000μmの厚さの場合に175MPa×n以上、2000μm以上の厚さの場合に150MPa×n以上の引張破壊強度、乗率nは、1.0、1.1、1.2、1.4、1.6、1.8、又は2である。
かかる合成ダイヤモンド材料は、5μm以下、4μm以下、3μm以下、2μm以下、1μm以下、0.5μm以下、0.2μm以下、又は0.1μm以下の表面平坦度及び/又は200nm以下、150nm以下、100nm以下、80nm以下、60nm以下、40nm以下、20nm以下、又は10nm以下の表面粗さRaまで加工されるのが良い。
合成ダイヤモンド材料の熱伝導率に対するそれ以上の改善は、材料の天然の1.1%13C含有量を減少させることによって行うことができる。したがって、合成ダイヤモンド材料は、1.0%未満、0.8%未満、0.6%未満、0.4%未満、0.2%未満、0.1%未満、0.05%未満、又は0.01%未満の13C含有量を有する少なくとも一部分を有するのが良い。この点に関し、注目されるべきこととして、同位体的に純化された炭素原料ガスは、高価である。光学素子全体を同位体的に純化されたダイヤモンド材料から作製するのではなく、光学素子の一部分だけを同位体的に純化されたダイヤモンド材料で作製することが有利であると言える。例えば、合成ダイヤモンド材料の1つ又は2つ以上の表面層は、内部バルクが高い13C含有量、好ましくは天然存在度を用いて作製された同位体的に純化されたダイヤモンド材料で作られるのが良い。特に有用な一実施形態では、扁平化レンズ表面構造体を有する表面層が扁平化レンズ表面構造体の熱伝導率を増大させ、かくして局所加熱を減少させると共に扁平化レンズ表面構造体のレーザ誘導損傷しきい値を増大させるよう同位体的に純化されたダイヤモンド材料で作られる。この場合、合成ダイヤモンド材料の下に位置する部分は、合成に要するコストを減少させるよう高い濃度、好ましくは、天然存在度の13Cを含むのが良い。
本発明の扁平化レンズ表面構造体は、合成ダイヤモンド材料の表面の大部分にわたり、例えば、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%又は表面全体にわたり形成されるのが良い。したがって、扁平化レンズ表面構造体は、少なくとも50mm2、少なくとも100mm2、少なくとも200mm2、少なくとも300mm2、少なくとも500mm2、少なくとも700mm2、少なくとも1000mm2、少なくとも1500mm2、少なくとも2000mm2、少なくとも3000mm2、少なくとも5000mm2、少なくとも7000mm2、少なくとも10000mm2、少なくとも15000mm2、又は20000mm2の領域にわたって形成されるのが良い。
扁平化レンズ表面構造体でパターン付けされた表面は、例えば、ダイヤモンド窓の主要な光学出口及び/又は入口フェースを形成することができ、光学素子の光学出口及び/又は入口フェースの大部分又は全体は、扁平化レンズ表面構造体でパターン付けされている。幾つかの用途では、光学素子の取り付けのために透過型光学素子の周辺領域の周りに非パターン付け部分を残すことが望ましい場合がある。オプションとして、扁平化レンズ表面構造体は、合成ダイヤモンド材料の少なくとも2つの表面上に形成される。例えば、扁平化レンズ表面構造体は、光学素子の光学入口フェース及び光学出口フェースのうちの一方又は両方上、例えば、ダイヤモンド窓の互いに反対側の主要なフェース上に形成されるのが良い。
有利には、合成ダイヤモンド材料は、酸素を末端基とする表面を有し、というのは、これは、ハイパワーレーザ用途に関し、水素を末端基とする表面よりも熱的安定性が高いからである。或る特定の用途の場合、扁平化レンズ表面構造体は、反射防止膜で被覆される。代替的に又は追加的に、反射防止表面パターン、例えばモスアイ構造体が本明細書で説明しているようなエッチング技術を用いて合成ダイヤモンド材料の少なくとも1つの表面中に直接形成されても良い。例えば、光学素子は、光学素子の一方の閉鎖中にエッチングされた反射防止表面パターン及び光学素子の反対側のフェース中にエッチングされた扁平化レンズ構造体を備えるのが良い。変形例として、反射防止表面構造体は、良好な合焦又は集束特性及び低い表面反射率の両方を有する表面構造体が提供されるよう扁平化レンズ表面構造体上に形成されても良い。また、合成ダイヤモンド光学素子の機能性を更に改変するため、ゾーン構造体が固体材料で満たされた扁平化レンズ表面構造体を提供することが可能であり、この固体材料は、扁平化レンズ表面構造体の回折及び/又は屈折効率を高めるよう選択される。
高品質光学等級合成ダイヤモンド材料で作製されていて本明細書において説明した扁平化レンズ表面構造体を有する光学素子は、電磁スペクトルの赤外領域、可視領域、及び/又は紫外領域内の動作波長でのこれらのレーザ誘導損傷しきい値が高いのでハイパワー光学系に用いるのに適している。したがって、本発明のもう1つの観点によれば、図2に示されている光学系であって、
本明細書において説明したような扁平化レンズ表面構造体を有する合成ダイヤモンド光学素子10と、
光14を少なくとも20kW、少なくとも25kW、少なくとも30kW、少なくとも35kW、少なくとも40kW、少なくとも45kW、又は少なくとも50kWのパワーで発生させ、そして電磁スペクトルの赤外領域、可視領域、又は紫外領域内の動作周波数で合成ダイヤモンド光学素子10を通ってこの光を透過させるよう構成された光源12(例えば、レーザ)を有する光学系が提供される。
上述した内容に関し、注目されるように、上述の光学系の動作パワーは、1MW/cm2という従来規定された連続波レーザ誘導損傷しきい値よりも著しく低い。しかしながら、注目されるべきこととして、長い動作寿命を有する光学素子を提供するためには、合成ダイヤモンド光学素子のレーザ誘導損傷しきい値は、光学系の動作パワーよりも著しく高いことが必要である。
図2の例示の実施形態では、光学素子10は、透過型ダイヤモンド窓の形態をしており、ゾーンプレート16がこの窓の両方の主要なフェース内に作製されている。注目されるべきこととして、図1及び図2に示されている表面パターンは、長方形の形を有しているが、これは、例示目的であるに過ぎない。本明細書において説明したようなエッチング技術は、ある範囲の断面形状を作ることができ、かくして、光学レンズ効果を最適化する一方で、特定の用途に関する要件向きに高いレーザ誘導損傷しきい値を維持するために表面構造体のプロフィールを自由に設定することが可能である。
オプションとして、上述の光学系は、合成ダイヤモンド光学素子を冷却するための冷却系を更に含むのが良い。この点に関し、本発明者は、エレメント・シックス・リミテッドの光学等級合成ダイヤモンド材料が低温において光吸収度の大幅な減少を示すことに注目した。この作用効果は、或る特定の他のダイヤモンド材料については同じ程度までは見受けられない。
要約すると、本明細書において説明したような光学素子は、ハイパワーレーザシステムにおけるダイヤモンドレンズに関するパラメータの重要な組み合わせを含むと考えられる。従って、本発明は、レンズ効果構造体を必要とするハイパワーレーザシステム用の実施可能な技術であると考えられる。さらに、本明細書において説明したような光学素子は、従来型のダイヤモンドレンズと比較したときに低い材料費及び高い光学性能を利用することができる状態で低パワー光学用途に利用できることも又想定される。
実施形態を参照して本発明を具体的に図示すると共に説明したが、当業者には理解されるように、特許請求の範囲に記載された本発明の範囲から逸脱することなく、形態及び細部における種々の変更を行うことができる。
実施形態を参照して本発明を具体的に図示すると共に説明したが、当業者には理解されるように、特許請求の範囲に記載された本発明の範囲から逸脱することなく、形態及び細部における種々の変更を行うことができる。
なお、好ましい構成態様として、本発明を次のように構成することも出来る。
1. 光学素子であって、
合成ダイヤモンド材料と、
前記合成ダイヤモンド材料の少なくとも1つの表面内に直接形成されたゾーンプレート、フレネルレンズ、又は非球面レンズの形態をした扁平化レンズ表面構造体とを有し、
前記合成ダイヤモンド材料は、室温で測定して10.6μmの波長で0.5cm -1 以下の吸収係数を有し、
前記合成ダイヤモンド材料は、次の特性のうちの一方又は両方を満たすレーザ誘導損傷しきい値を有し、前記特性は、
前記レーザ誘導損傷しきい値が、パルス持続時間を100ns、パルス繰り返し周波数を1~10Hzの範囲として波長10.6μmのパルスレーザを用いて測定して少なくとも30Jcm -2 であるという特性、及び
前記レーザ誘導損傷しきい値が、波長10.6μmの連続波レーザを用いて測定して少なくとも1MW/cm 2 であるという特性である、光学素子。
2. 前記レーザ誘導損傷しきい値は、前記パルスレーザを用いて測定して少なくとも50Jcm -2 、少なくとも75Jcm -2 、少なくとも100Jcm -2 、少なくとも150Jcm -2 、又は少なくとも200Jcm -2 である、上記1記載の光学素子。
3. 前記レーザ誘導損傷しきい値は、前記連続波レーザを用いて測定して少なくとも5MW/cm 2 、少なくとも10MW/cm 2 、少なくとも20MW/cm 2 、又は少なくとも50MW/cm 2 である、上記1又は2記載の光学素子。
4. 前記扁平化レンズ表面構造体は、電磁スペクトルの赤外領域、可視領域、又は紫外領域内の動作波長の光を集束させるよう構成されている、上記1~3のうちいずれか一に記載の光学素子。
5. 前記光学素子は、前記光学素子の前記動作周波数で3%以下、2%以下、1.5%以下、1%以下、又は0.5%以下の反射率を有する、上記4記載の光学素子。
6. 前記光学素子は、前記光学素子の前記動作周波数で少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%の透過率を有する、上記4又は5記載の光学素子。
7. 前記光学素子は、前方半球中に前記光学素子の前記動作波長で2%以下、1%以下、0.5%以下、又は0.1%以下の積分全散乱量(total integrated scatter:TIS)を有する、上記4~6のうちいずれか一に記載の光学素子。
8. 前記合成ダイヤモンド材料は、室温で測定して10.6μmの波長で0.4cm -1 以下、0.3cm -1 以下、0.2cm -1 以下、0.1cm -1 以下、0.07cm -1 以下、又は0.05cm -1 以下の吸収係数を有する、上記1~7のうちいずれか一に記載の光学素子。
9. 前記合成ダイヤモンド材料は、室温で測定して145GHzにおいて2×10 -4 以下、10 -4 以下、5×10 -5 以下、10 -5 以下、5×10 -6 以下、又は10 -6 以下の誘電損失係数tanδを有する、上記1~8のうちいずれか一に記載の光学素子。
10. 前記合成ダイヤモンド材料は、以下の特性のうちの1つ又は2つ以上を有し、前記特性は、
5mm -2 以下、3mm -2 以下、1mm -2 以下、0.5mm -2 以下又は0.1mm -2 以下の平均ブラックスポット密度、
任意の3mm 2 領域内に5個以下、4個以下、3個以下、2個以下、又は1個以下のブラックスポットが存在するようなブラックスポット分布、
2760cm -1 ~3030cm -1 の補正直線背景で測定したときに0.20cm -2 以下、0.15cm -2 以下、0.10cm -2 以下、又は0.05cm -2 以下の単位厚さ当たりの積分吸収能、
1800Wm -1 -1 以上、1900Wm -1 -1 以上、2000Wm -1 -1 以上、2100Wm -1 -1 以上、又は2200Wm -1 -1 以上の熱伝導率、及び
二次イオン質量分析計によって測定して10 17 cm -3 以下、5×10 16 cm -3 以下、10 16 cm -3 以下、5×10 15 cm -3 以下、又は10 15 cm -3 以下のシリコンコンセントレーションである、上記1~9のうちいずれか一に記載の光学素子。
11. 前記光学素子は、以下の特性のうちの1つ又は2つ以上を有し、前記特性は、
前記合成ダイヤモンド材料の核生成フェースが張力下にある状態で、200~500μmの厚さの場合に760MPa×n以上、500~750μmの厚さの場合に700MPa×n以上、750~1000μmの厚さの場合に650MPa×n以上、1000~1250μmの厚さの場合に600MPa×n以上、1250~1500μmの厚さの場合に550MPa×n以上、1500~1750μmの厚さの場合に500MPa×n以上、1750~2000μmの厚さの場合に450MPa×n以上、2000μm以上の厚さの場合に400MPa×n以上の引張破壊強度、乗率nは、1.0、1.1、1.2、1.4、1.6、1.8、又は2であり、
前記合成ダイヤモンド材料の成長フェースが張力下にある状態で、200~500μmの厚さの場合に330MPa×n以上、500~750μmの厚さの場合に300MPa×n以上、750~1000μmの厚さの場合に275MPa×n以上、1000~1250μmの厚さの場合に250MPa×n以上、1250~1500μmの厚さの場合に225MPa×n以上、1500~1750μmの厚さの場合に200MPa×n以上、1750~2000μmの厚さの場合に175MPa×n以上、2000μm以上の厚さの場合に150MPa×n以上の引張破壊強度、乗率nは、1.0、1.1、1.2、1.4、1.6、1.8、又は2である、上記1~10のうちいずれか一に記載の光学素子。
12. 前記合成ダイヤモンド材料の少なくとも一部分は、 13 C含有量が1.0%未満、0.8%未満、0.6%未満、0.4%未満、0.2%未満、0.1%未満、0.05%未満、又は0.01%未満の同位体的に純化された合成ダイヤモンド材料で作られている、上記1~11のうちいずれか一に記載の光学素子。
13. 前記扁平化レンズ表面構造体を有する表面層は、前記同位体的に純化された合成ダイヤモンド材料で作られ、合成ダイヤモンド材料の下に位置する部分は、 13 Cについて高いコンセントレーションを有する、上記12記載の光学素子。
14. 前記扁平化レンズ表面構造体は、前記合成ダイヤモンド材料の少なくとも1つの表面に、少なくとも50mm 2 、少なくとも100mm 2 、少なくとも200mm 2 、少なくとも300mm 2 、少なくとも500mm 2 、少なくとも700mm 2 、少なくとも1000mm 2 、少なくとも1500mm 2 、少なくとも2000mm 2 、少なくとも3000mm 2 、少なくとも5000mm 2 、少なくとも7000mm 2 、少なくとも10000mm 2 、少なくとも15000mm 2 、又は20000mm 2 の領域にわたって形成されている、上記1~13のうちいずれか一に記載の光学素子。
15. 前記光学素子は、前記領域の少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、又は少なくとも100%にわたって上記1~13のうちいずれか一に記載の要件を満たす、上記14記載の光学素子。
16. 前記扁平化レンズ表面構造体は、前記合成ダイヤモンド材料の少なくとも2つの表面に形成されている、上記1~15のうちいずれか一に記載の光学素子。
17. 前記合成ダイヤモンド材料は、単結晶CVDダイヤモンド又は多結晶CVDダイヤモンドである、上記1~16のうちいずれか一に記載の光学素子。
18. 前記合成ダイヤモンド材料は、200μm以上、250μm以上、350μm以上、450μm以上、又は500μm以上の厚さを有する、上記1~17のうちいずれか一に記載の光学素子。
19. 前記合成ダイヤモンド材料は、1000μm以下、750μm以下、650μm以下、550μm以下、又は450μm以下の厚さを有する、上記1~18のうちいずれか一に記載の光学素子。
20. 前記合成ダイヤモンド材料は、酸素を末端基とする表面を有する、上記1~19のうちいずれか一に記載の光学素子。
21. 前記扁平化レンズ表面構造体は、反射防止膜で被覆されている、上記1~20のうちいずれか一に記載の光学素子。
22. 反射防止表面構造体が前記合成ダイヤモンド材料の少なくとも1つの表面中に直接形成されている、上記1~20のうちいずれか一に記載の光学素子。
23. 前記扁平化レンズ表面構造体は、前記扁平化レンズ表面構造体の回折効率及び/又は屈折効率を高めるよう選択された固体材料で満たされたゾーン構造体を含む、上記1~22のうちいずれか一に記載の光学素子。
24. 光学系であって、
上記1~23のうちいずれか一に記載の光学素子と、
光を少なくとも20kWのパワーで発生させ、電磁スペクトルの赤外領域、可視領域、又は紫外領域の動作波長で前記光学素子を通って前記光を透過させるよう構成された光源とを含む、光学系。
25. 前記光源は、光を少なくとも25kW、少なくとも30kW、少なくとも35kW、少なくとも40kW、少なくとも45kW、又は少なくとも50kWのパワーで発生させるよう構成されている、上記24記載の光学系。
26. 前記光学素子を冷却する冷却系を更に含む、上記24又は25記載の光学系。

Claims (26)

  1. 光学素子であって、
    合成ダイヤモンド材料と、
    前記合成ダイヤモンド材料の少なくとも1つの表面内に直接形成されたゾーンプレート、フレネルレンズ、又は非球面レンズの形態をした扁平化レンズ表面構造体とを有し、
    前記合成ダイヤモンド材料は、室温で測定して10.6μmの波長で0.5cm-1以下の吸収係数を有し、
    前記合成ダイヤモンド材料は、次の特性のうちの一方又は両方を満たすレーザ誘導損傷しきい値を有し、前記特性は、
    前記レーザ誘導損傷しきい値が、パルス持続時間を100ns、パルス繰り返し周波数を1~10Hzの範囲として波長10.6μmのパルスレーザを用いて測定して少なくとも30Jcm-2であるという特性、及び
    前記レーザ誘導損傷しきい値が、波長10.6μmの連続波レーザを用いて測定して少なくとも1MW/cm2であるという特性である、光学素子。
  2. 前記レーザ誘導損傷しきい値は、前記パルスレーザを用いて測定して少なくとも50Jcm-2、少なくとも75Jcm-2、少なくとも100Jcm-2、少なくとも150Jcm-2、又は少なくとも200Jcm-2である、請求項1記載の光学素子。
  3. 前記レーザ誘導損傷しきい値は、前記連続波レーザを用いて測定して少なくとも5MW/cm2、少なくとも10MW/cm2、少なくとも20MW/cm2、又は少なくとも50MW/cm2である、請求項1又は2記載の光学素子。
  4. 前記扁平化レンズ表面構造体は、電磁スペクトルの赤外領域、可視領域、又は紫外領域内の動作波長の光を集束させるよう構成されている、請求項1~3のうちいずれか一に記載の光学素子。
  5. 前記光学素子は、前記光学素子の前記動作周波数で3%以下、2%以下、1.5%以下、1%以下、又は0.5%以下の反射率を有する、請求項4記載の光学素子。
  6. 前記光学素子は、前記光学素子の前記動作周波数で少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%の透過率を有する、請求項4又は5記載の光学素子。
  7. 前記光学素子は、前方半球中に前記光学素子の前記動作波長で2%以下、1%以下、0.5%以下、又は0.1%以下の積分全散乱量(total integrated scatter:TIS)を有する、請求項4~6のうちいずれか一に記載の光学素子。
  8. 前記合成ダイヤモンド材料は、室温で測定して10.6μmの波長で0.4cm-1以下、0.3cm-1以下、0.2cm-1以下、0.1cm-1以下、0.07cm-1以下、又は0.05cm-1以下の吸収係数を有する、請求項1~7のうちいずれか一に記載の光学素子。
  9. 前記合成ダイヤモンド材料は、室温で測定して145GHzにおいて2×10-4以下、10-4以下、5×10-5以下、10-5以下、5×10-6以下、又は10-6以下の誘電損失係数tanδを有する、請求項1~8のうちいずれか一に記載の光学素子。
  10. 前記合成ダイヤモンド材料は、以下の特性のうちの1つ又は2つ以上を有し、前記特性は、
    5mm-2以下、3mm-2以下、1mm-2以下、0.5mm-2以下又は0.1mm-2以下の平均ブラックスポット密度、
    任意の3mm2領域内に5個以下、4個以下、3個以下、2個以下、又は1個以下のブラックスポットが存在するようなブラックスポット分布、
    2760cm-1~3030cm-1の補正直線背景で測定したときに0.20cm-2以下、0.15cm-2以下、0.10cm-2以下、又は0.05cm-2以下の単位厚さ当たりの積分吸収能、
    1800Wm-1-1以上、1900Wm-1-1以上、2000Wm-1-1以上、2100Wm-1-1以上、又は2200Wm-1-1以上の熱伝導率、及び
    二次イオン質量分析計によって測定して1017cm-3以下、5×1016cm-3以下、1016cm-3以下、5×1015cm-3以下、又は1015cm-3以下のシリコンコンセントレーションである、請求項1~9のうちいずれか一に記載の光学素子。
  11. 前記光学素子は、以下の特性のうちの1つ又は2つ以上を有し、前記特性は、
    前記合成ダイヤモンド材料の核生成フェースが張力下にある状態で、200~500μmの厚さの場合に760MPa×n以上、500~750μmの厚さの場合に700MPa×n以上、750~1000μmの厚さの場合に650MPa×n以上、1000~1250μmの厚さの場合に600MPa×n以上、1250~1500μmの厚さの場合に550MPa×n以上、1500~1750μmの厚さの場合に500MPa×n以上、1750~2000μmの厚さの場合に450MPa×n以上、2000μm以上の厚さの場合に400MPa×n以上の引張破壊強度、乗率nは、1.0、1.1、1.2、1.4、1.6、1.8、又は2であり、
    前記合成ダイヤモンド材料の成長フェースが張力下にある状態で、200~500μmの厚さの場合に330MPa×n以上、500~750μmの厚さの場合に300MPa×n以上、750~1000μmの厚さの場合に275MPa×n以上、1000~1250μmの厚さの場合に250MPa×n以上、1250~1500μmの厚さの場合に225MPa×n以上、1500~1750μmの厚さの場合に200MPa×n以上、1750~2000μmの厚さの場合に175MPa×n以上、2000μm以上の厚さの場合に150MPa×n以上の引張破壊強度、乗率nは、1.0、1.1、1.2、1.4、1.6、1.8、又は2である、請求項1~10のうちいずれか一に記載の光学素子。
  12. 前記合成ダイヤモンド材料の少なくとも一部分は、13C含有量が1.0%未満、0.8%未満、0.6%未満、0.4%未満、0.2%未満、0.1%未満、0.05%未満、又は0.01%未満の同位体的に純化された合成ダイヤモンド材料で作られている、請求項1~11のうちいずれか一に記載の光学素子。
  13. 前記扁平化レンズ表面構造体を有する表面層は、前記同位体的に純化された合成ダイヤモンド材料で作られ、合成ダイヤモンド材料の下に位置する部分は、13Cについて高いコンセントレーションを有する、請求項12記載の光学素子。
  14. 前記扁平化レンズ表面構造体は、前記合成ダイヤモンド材料の少なくとも1つの表面に、少なくとも50mm2、少なくとも100mm2、少なくとも200mm2、少なくとも300mm2、少なくとも500mm2、少なくとも700mm2、少なくとも1000mm2、少なくとも1500mm2、少なくとも2000mm2、少なくとも3000mm2、少なくとも5000mm2、少なくとも7000mm2、少なくとも10000mm2、少なくとも15000mm2、又は20000mm2の領域にわたって形成されている、請求項1~13のうちいずれか一に記載の光学素子。
  15. 前記光学素子は、前記領域の少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、又は少なくとも100%にわたって請求項1~13のうちいずれか一に記載の要件を満たす、請求項14記載の光学素子。
  16. 前記扁平化レンズ表面構造体は、前記合成ダイヤモンド材料の少なくとも2つの表面に形成されている、請求項1~15のうちいずれか一に記載の光学素子。
  17. 前記合成ダイヤモンド材料は、単結晶CVDダイヤモンド又は多結晶CVDダイヤモンドである、請求項1~16のうちいずれか一に記載の光学素子。
  18. 前記合成ダイヤモンド材料は、200μm以上、250μm以上、350μm以上、450μm以上、又は500μm以上の厚さを有する、請求項1~17のうちいずれか一に記載の光学素子。
  19. 前記合成ダイヤモンド材料は、1000μm以下、750μm以下、650μm以下、550μm以下、又は450μm以下の厚さを有する、請求項1~18のうちいずれか一に記載の光学素子。
  20. 前記合成ダイヤモンド材料は、酸素を末端基とする表面を有する、請求項1~19のうちいずれか一に記載の光学素子。
  21. 前記扁平化レンズ表面構造体は、反射防止膜で被覆されている、請求項1~20のうちいずれか一に記載の光学素子。
  22. 反射防止表面構造体が前記合成ダイヤモンド材料の少なくとも1つの表面中に直接形成されている、請求項1~20のうちいずれか一に記載の光学素子。
  23. 前記扁平化レンズ表面構造体は、前記扁平化レンズ表面構造体の回折効率及び/又は屈折効率を高めるよう選択された固体材料で満たされたゾーン構造体を含む、請求項1~22のうちいずれか一に記載の光学素子。
  24. 光学系であって、
    請求項1~23のうちいずれか一に記載の光学素子と、
    光を少なくとも20kWのパワーで発生させ、電磁スペクトルの赤外領域、可視領域、又は紫外領域の動作波長で前記光学素子を通って前記光を透過させるよう構成された光源とを含む、光学系。
  25. 前記光源は、光を少なくとも25kW、少なくとも30kW、少なくとも35kW、少なくとも40kW、少なくとも45kW、又は少なくとも50kWのパワーで発生させるよう構成されている、請求項24記載の光学系。
  26. 前記光学素子を冷却する冷却系を更に含む、請求項24又は25記載の光学系。
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