JP2022078399A - 光学ローパスフィルタ、光学ローパスフィルタの製造方法、光学機器、及びドローン - Google Patents

光学ローパスフィルタ、光学ローパスフィルタの製造方法、光学機器、及びドローン Download PDF

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Abstract

【課題】薄型の光学ローパスフィルタを提供することである。【解決手段】本発明の一態様にかかる光学ローパスフィルタ1は、ニオブ酸リチウムを用いて構成され、直線偏光である入射光を通常光線と異常光線とに光分離する複屈折層11と、SRFを用いて構成され、複屈折層11を通過した直線偏光を円偏光に変換する偏光解消層12と、ニオブ酸リチウムを用いて構成され、偏光解消層12を通過した光を通常光線と異常光線とに光分離する複屈折層13と、を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、光学ローパスフィルタ、光学ローパスフィルタの製造方法、光学機器、及びドローンに関する。
スマートフォン等では、レンズによって結像した像を撮像するため、CMOSイメージセンサ等の撮像素子が用いられる。こうした撮像素子は、受光素子が格子状に配列されたベイヤー配列を有している。そのため、撮像する像の空間周波数が受光素子配列のサンプリング周波数よりも高い場合、モアレ等の偽信号が発生することが知られている。このような偽信号を防止するため、一般に、撮像素子の手前側に光学ローパスフィルタが挿入されている。
特許文献1には、赤外線吸収機能を有する軽量の光学ローパスフィルタに関する技術が開示されている。特許文献1に開示されている光学ローパスフィルタは、4点分離型の光学ローパスフィルタであり、2枚の複屈折板の間に位相板あるいは複屈折板を挟み、かつ、1枚の複屈折板と位相板との間に赤外線吸収剤が保持された構造を備える。
特開2006-208470号公報
しかし、上記のような光学ローパスフィルタでは、複屈折板は水晶で構成されており、厚みを軽減するには限界がある。スマートフォンなどの更なる小型化、薄型化が期待される現状を考慮すると、より薄型の光学ローパスフィルタが望まれる。
本発明は上記の事情に鑑みて成されたものであり、本発明の目的は、薄型の光学ローパスフィルタ、光学ローパスフィルタの製造方法、光学機器、及びドローンを提供することである。
本発明の一態様にかかる光学ローパスフィルタは、ニオブ酸リチウムを用いて構成され、直線偏光である入射光を通常光線と異常光線とに光分離する第1の複屈折層と、SRF(Super Retardation Film)を用いて構成され、前記第1の複屈折層を通過した直線偏光を円偏光に変換する偏光解消層と、ニオブ酸リチウムを用いて構成され、前記偏光解消層を通過した光を通常光線と異常光線とに光分離する第2の複屈折層と、を備える。
本発明の一態様にかかる光学機器は、上述の光学ローパスフィルタと撮像素子とを備える。
本発明の一態様にかかるドローンは、上述の光学機器を備える。
本発明の一態様にかかる光学ローパスフィルタの製造方法は、ニオブ酸リチウムを用いて構成され、直線偏光である入射光を通常光線と異常光線とに光分離する第1の複屈折層を準備する工程と、SRF(Super Retardation Film)を用いて構成され、前記第1の複屈折層を通過した直線偏光を円偏光に変換する偏光解消層を準備する工程と、ニオブ酸リチウムを用いて構成され、前記偏光解消層を通過した光を通常光線と異常光線とに光分離する第2の複屈折層を準備する工程と、前記第1の複屈折層、前記偏光解消層、及び前記第2の複屈折層を貼り合わせる工程と、を備える。
本発明によれば、薄型の光学ローパスフィルタ、光学ローパスフィルタの製造方法、光学機器、及びドローンを提供することができる。
実施の形態1にかかる光学ローパスフィルタの構成例を説明するための断面図である。 複屈折層の光学的性質を説明するための図である。 実施の形態1にかかる光学ローパスフィルタで生成される点像分離の一例を説明するための図である。 実施の形態1にかかる光学ローパスフィルタの構成例を説明するため表である。 実施の形態2にかかる光学ローパスフィルタの構成例を説明するための断面図である。 実施の形態2にかかる光学ローパスフィルタの製造方法を説明するためのフローチャートである。 実施の形態3にかかる光学ローパスフィルタの構成例を説明するための断面図である。 実施の形態3にかかる光学ローパスフィルタの製造方法を説明するためのフローチャートである。 直線偏光された光が偏光解消層を通過した後の偏光状態を表す図である。 光学ローパスフィルタを通過した光の点像を模式的に示す図である。 本発明にかかる光学ローパスフィルタを搭載したデジタルカメラを説明するための断面図である。 本発明にかかる光学ローパスフィルタを搭載した光学機器を備えるドローンを説明するための正面図である。
<発明者等による偏光解消層の検討>
実施の形態の説明をする前に、本発明者等が偏光解消層として、SRF(Super Retardation Film)の適用を検討した内容について説明する。
従来の設計では、例えば可視光領域の略中心である波長600nm付近で直線偏光された光を、偏光解消層にλ/4水晶を用いて、通常光線と異常光線とで1/4波長ずらし、円偏光を実現していた。本発明者等は、通常光線と異常光線の位相差を非常に大きくできるSRF(例えば、0.08mmの厚さで10000nmの位相差を実現できる)を偏光解消層に適用することを検討した。
図9は直線偏光された光が、偏光解消層を通過した後の偏光状態を表す図であり、横軸が光の波長、縦軸が偏光状態である。図9では、偏光解消層として、λ/4水晶を用いた場合と、SRFを用いた場合を比較している。なお、偏光状態は、(sin(位相差×円周率/波長))という式で定義され、グラフにおいて、縦軸(偏光状態)の中心が円偏光、縦軸の最上部、最下部が直線偏光である。図9より、SRFはλ/4水晶に比べて、偏光状態の波長に対する変化の周期が短いことが分かる。つまり、偏光解消層にSRFを用いることで、様々な波長範囲の直線偏光を、円偏光へ変換可能であることが分かる。
図10は、光軸方向に2つの複屈折層に挟まれるように偏光解消層が配置された光学ローパスフィルタを通過した光の点像を模式的に示す図である。偏光解消層にλ/4水晶を用いる場合と、SRFを用いる場合について、白色光、黄色光、緑色光、水色光の場合を比較している。図10において、4点の像は、光の強度を色の濃淡で表しており、濃い色の方が光の強度が強い。図10の4点の像の写り具合より、偏光解消層としてλ/4水晶よりもSRFを用いる方が、効率的に偏光変換(直線偏光から円偏光への変換)されていることがわかる。つまり、偏光解消層にλ/4水晶を用いるよりも、SRFを用いる方が、光の正方4点分離に有効であることが分かる。以上のように発明者等の事前検討により、光学ローパスフィルタの偏光解消層に、SRFが適用可能であることが確認できた。
<実施の形態1>
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1は、実施の形態1にかかる光学ローパスフィルタの構成例を説明するための断面図である。図1に示すように、本実施の形態にかかる光学ローパスフィルタ1は、複屈折層11、偏光解消層12、及び複屈折層13が光軸方向に配置された構造を備える。なお、本実施の形態にかかる光学ローパスフィルタ1は、複屈折層11、偏光解消層12、及び複屈折層13を少なくとも備えていればよく、これら以外の層を更に備えていてもよい。
複屈折層11はニオブ酸リチウム(Lithium Niobate、以下LNと表記する場合もある)を用いて構成され、直線偏光である入射光を通常光線と異常光線とに光分離する層である。偏光解消層12はSRF(Super Retardation Film)を用いて構成され、複屈折層11を通過した直線偏光を円偏光に変換する層である。複屈折層13はLNを用いて構成され、偏光解消層12を通過した光を通常光線と異常光線とに光分離する層である。以下、本実施の形態にかかる光学ローパスフィルタ1の光学的機能について詳細に説明する。
図2は、複屈折層11、13の光学的性質を説明するための図である。図2では、入射光Lのうち、紙面に垂直な偏光成分(垂直偏光と称する)を黒点で、紙面に平行な偏光成分(水平偏光と称する)を両矢印で示している。入射光Lは、紙面上から材料M(複屈折層11、13に対応)の入射面に垂直に入射する。このとき、材料Mの光学軸AXが入射面に対して傾斜角度θをなしている。材料Mは複屈折性を有しているので、例えば垂直偏光は材料Mに入射してからそのまま直進して、材料Mから出射する(いわゆる、通常光線OD)。これに対し、例えば水平偏光は材料Mに入射してから屈折して、通常光線とは異なる方向へ進み、材料Mの出射面から通常光線と平行な方向に出射する(いわゆる、異常光線EX)。本実施の形態において分離量d(分離幅とも称される)とは、垂直偏光(通常光線)と水平偏光(異常光線)との出射位置の距離のことを指すものである。
材料Mの厚みをt、通常光線に対する材料Mの屈折率をno、異常光線に対する材料Mの屈折率をneとすると、このときの分離量dは、以下の式で表されることが知られている。
Figure 2022078399000002
なお、上述した分離量dは、光学軸の傾斜角度θが45°のときに最大となることが知られている。すなわち、傾斜角度が(45-α)°における分離量は、傾斜角度が(45+α)°における分離量と等しくなる。
本実施の形態にかかる光学ローパスフィルタ1は、光学ローパスフィルタ1に入射した入射光を点像分離するように構成されている。光学ローパスフィルタ1で形成される点像分離の像は、複屈折層11および複屈折層13の光学的性質によって決定される。本実施の形態では、複屈折層11の光分離方向と複屈折層13の光分離方向とが90°ずれるように構成している。ここで光分離方向とは、複屈折層に入射した入射光が通常光線と異常光線とに分離された際、通常光線に対して異常光線が分離された方向を意味している。図2に示す例では、光分離方向は、紙面右方向である。
図3は、本実施の形態にかかる光学ローパスフィルタで生成される点像分離の一例を説明するための図である。図3では一例として、偏光解消層12が直交する2つの偏光成分にλ/4の位相差をつけ、複屈折層11の光分離方向が90°、複屈折層13の光分離方向が0°である場合の点像分離を示している。
複屈折層11の光分離方向は90°であるので、図1に示す複屈折層11に入射光(直交する2つの直線偏光)が入射すると、図3に示すように、入射光は通常光線61と異常光線62とに光分離される。その後、複屈折層11を通過した直線偏光は偏光解消層12に入射して、直線偏光から円偏光に変換される。つまり、偏光解消層12は、入射した直線偏光の一方の位相をλ/4ずらす性質(所謂、λ/4板)を有するので、複屈折層11を通過した直線偏光は偏光解消層12に入射して円偏光に変換される。換言すると、偏光解消層12は直線偏光の偏光を解消するための層として機能する。その後、偏光解消層12を通過した光は複屈折層13に入射する。複屈折層13の光分離方向は0°であるので、図3に示すように、複屈折層13に入射した光は、通常光線61、62と異常光線63、64とに光分離される。
直線偏光が円偏光に変換される原理は上記通りであり、本発明者等による偏光解消層の検討で記した通り、偏光解消層12にSRFを用いる場合は、約10000nmの位相差を実現できるため、直線偏光が円偏光に変換される波長に対する周期は短くなっている。
以上で説明した理由から、本実施の形態にかかる光学ローパスフィルタ1を用いることで、入射光を4つの像に正方分離することができる。
図4は、本実施の形態にかかる光学ローパスフィルタの構成例を説明するため表である。図4に示すような光学的性質を有する複屈折層11、偏光解消層12、及び複屈折層13を組み合わせることで、図4に示す点像分離が得られる。なお、図4においてθ1は、上述の光分離方向に対応している。また、θ2は、図2の光学軸の傾斜角度θに対応している。
図4では、一例として2つの構成例(1)、(2)を示している。図4の構成例(1)では、入射光が0°方向、及び90°方向と平行な方向に正方分離される構成例を示している。また、構成例(2)では、入射光が45°方向、及び135°方向と平行な方向に正方分離される構成例を示している。
図4に示す構成例では、複屈折層11および複屈折層13のθ2を45°としたが、θ2の値は、1°以上45°以下又は45°以上89°以下となるように構成してもよい。つまり、光学ローパスフィルタの光学的設計に応じて、θ2の値を変更してもよい。なお、θ2が45°のときに分離量dが最大となるのは上述した通りである。
また、複屈折層11および複屈折層13のθ1の値についても、光学ローパスフィルタの光学的設計に応じて適宜変更してもよい。偏光解消層12の回転角についても、光学ローパスフィルタの光学的設計に応じて適宜変更することができる。例えば、偏光解消層12の回転角は、45°、90°、225°、270°とすることができる。なお、偏光解消層12は偏光を解消するための層であるので、θ2の値は0°(つまり、光軸に垂直)となる。
以上で説明した本実施の形態にかかる光学ローパスフィルタ1では、ニオブ酸リチウムを用いて複屈折層11および複屈折層13を構成している。ニオブ酸リチウムは水晶と比べて屈折率が大きいため、単位厚さあたりの分離量dを大きくすることができる。したがって、水晶を用いて複屈折層を構成した場合よりも、複屈折層11、13の厚さを薄くすることができる。
また、本実施の形態にかかる光学ローパスフィルタ1では、SRF(Super Retardation Film)を用いて偏光解消層12を構成している。このようにSRFを用いて偏光解消層12を構成した場合は、水晶を用いて偏光解消層を構成した場合よりも、偏光解消層12の厚さを薄くすることができる。すなわち、SRFは面内位相差値が大きいフィルムであり、水晶を用いた場合よりも偏光解消層12を薄く構成することができる。例えば、SRFはポリエチレンテレフタレートフィルムを用いて構成することができる。一例を挙げると、SRFとして、東洋紡製、コスモシャイン(登録商標)を用いることができる。
例えば、水晶の屈折率をno=1.5443、ne=1.5534とし、LNの屈折率をno=2.2997、ne=2.2142とする(いずれも波長589.3nmで算出した値である)。この場合、図1に示した構成の光学ローパスフィルタを用いて5μmの正方分離特性を得るためには、複屈折層11、13の厚さをそれぞれ0.132mmとし、偏光解消層12の厚さを0.08mmとする必要がある。なお、複屈折層11、13の傾斜角度θ2は45°とした。各々の層を接着する接着層の厚さを0.015mmとした場合、光学ローパスフィルタ(本発明)の厚さは、0.374mmとなる。
一方、水晶を用いて同様の光学特性を有する光学ローパスフィルタを構成した場合は、複屈折層11、13の厚さをそれぞれ0.85mmとし、偏光解消層12の厚さを0.215mmとする必要がある。なお、複屈折層11、13の傾斜角度θ2は45°とした。各々の層を接着する接着層の厚さを0.015mmとした場合、光学ローパスフィルタ(比較例)の厚さは、1.945mmとなる。
このように、比較例にかかる光学ローパスフィルタの厚さは1.945mmであるのに対して、本発明にかかる光学ローパスフィルタの厚さは0.374mmとなる。したがって、比較例に比べて光学ローパスフィルタの厚さを1.571mm薄くすることができる(約81%厚さを薄くすることができる)。
設計値の一例を挙げると、本実施の形態にかかる光学ローパスフィルタでは、例えば、5.88μm以上8.40μmの正方分離特性を得るためには、複屈折層11の厚さを0.15mm以上0.22mm以下とし、偏光解消層12の厚さを0.05mm以上0.08mm以下とし、複屈折層13の厚さを0.15mm以上0.22mm以下とする。また、4.18μm以上5.97μmの正方分離特性を得るためには、複屈折層11の厚さを0.11mm以上0.16mm以下とし、偏光解消層12の厚さを0.05mm以上0.08以下とし、複屈折層13の厚さを0.11mm以上0.16mm以下とする。なお、上述の設計値は一例であり、本実施の形態にかかる光学ローパスフィルタでは、所定の光学特性を得るために複屈折層11、偏光解消層12、及び複屈折層13の厚さ等のパラメータを適宜変更してもよい。
次に、本実施の形態にかかる光学ローパスフィルタの製造方法について説明する。
本実施の形態にかかる光学ローパスフィルタを製造する際は、ニオブ酸リチウムを用いて構成され、直線偏光である入射光を通常光線と異常光線とに光分離する複屈折層11を準備する。また、SRFを用いて構成され、複屈折層11を通過した直線偏光を円偏光に変換する偏光解消層12を準備する。また、ニオブ酸リチウムを用いて構成され、偏光解消層12を通過した光を通常光線と異常光線とに光分離する複屈折層13を準備する。そして、準備した複屈折層11、偏光解消層12、及び複屈折層13を貼り合わせることで、本実施の形態にかかる光学ローパスフィルタを製造することができる。なお、光学ローパスフィルタの具体的な製造方法については、実施の形態2、3で詳細に説明する。
以上で説明したように、本実施の形態にかかる発明では、ニオブ酸リチウムを用いて複屈折層11および複屈折層13を構成し、SRFを用いて偏光解消層12を構成している。したがって、上述の比較例のように水晶を用いて構成した光学ローパスフィルタと比べて、光学ローパスフィルタを薄くすることができる。
<実施の形態2>
次に、本発明の実施の形態2について説明する。実施の形態2では、光学ローパスフィルタの具体的な構成例について説明する。なお、実施の形態1で説明した光学ローパスフィルタ1と同一の構成要素については同一の符号を付し、重複した説明は省略する。
図5は、本実施の形態にかかる光学ローパスフィルタの構成例を説明するための断面図である。図5に示すように、本実施の形態にかかる光学ローパスフィルタ2は、光学ガラス22、複屈折層11、赤外線吸収層21(IRカット層)、偏光解消層12、及び複屈折層13が光軸方向に配置された構造を備える。光学ローパスフィルタ2を構成するこれらの材料は、接着剤を用いて接着されている。
なお、本実施の形態においても、ニオブ酸リチウムを用いて複屈折層11および複屈折層13を構成し、SRFを用いて偏光解消層12を構成している。また、本実施の形態では、複屈折層11の光分離方向を90°とし、複屈折層13の光分離方向を0°としている。この場合、偏光解消層12の回転角は45°とする。
光学ガラス22は、光学ローパスフィルタ2の最表面に配置されており、光学ローパスフィルタ2を保護する機能を有する。光学ガラス22は、所定の厚さ(例えば、0.32mm程度)を有するガラスを用いて構成することができる。光学ガラスの表面31には、UV-IRカット層がコーティングされている。UV-IRカット層は、紫外線(UV)と赤外線(IR)をカットする層であり、例えばTiO、SiOなどを蒸着して積層することで形成できる。
複屈折層(LN90°)11は、ニオブ酸リチウムを用いて構成されている。複屈折層(LN90°)11の光学ガラス22側の表面32および赤外線吸収層21側の表面33には、接着剤の屈折率と複屈折層(LN90°)11の屈折率とをマッチングさせるためのマッチング層がそれぞれ形成されている。つまり、複屈折層(LN90°)11を構成しているニオブ酸リチウムは高い屈折率を有するので、複屈折層(LN90°)11の両面の接着剤と複屈折層(LN90°)11との間に、これらの屈折率をマッチングするためのマッチング層を設ける。マッチング層は、例えばLaTi、SiOなどを蒸着することで形成できる。
赤外線吸収層21は、入射光に含まれる赤外線を吸収する層(赤外線をカットする層)であり、例えば赤外線カットガラスを用いて構成することができる。赤外線吸収層21の厚さは特に限定されないが、例えば0.3mm程度の赤外線カットガラスを用いることができる。
偏光解消層12はSRFを用いて構成されている。SRFは面内位相差値が大きいフィルムである。例えば、SRFはポリエチレンテレフタレートフィルムを用いて構成することができる。一例を挙げると、SRFとして、東洋紡製、コスモシャイン(登録商標)を用いることができる。
複屈折層(LN0°)13は、ニオブ酸リチウムを用いて構成されている。複屈折層(LN0°)13の偏光解消層12側の表面35には、接着剤の屈折率と複屈折層(LN0°)13の屈折率とをマッチングさせるためのマッチング層が形成されている。つまり、複屈折層(LN0°)13を構成しているニオブ酸リチウムは高い屈折率を有するので、複屈折層(LN0°)13の偏光解消層12側の接着剤と複屈折層(LN0°)13との間に、これらの屈折率をマッチングするためのマッチング層を設ける。マッチング層は、例えばLaTi、SiOなどを蒸着することで形成できる。また、複屈折層(LN0°)13の外側の表面36には、反射防止膜(ARコート)が形成されている。反射防止膜は、例えばSiO、Ti、Alなどを蒸着することで形成できる。
光学ガラス22、複屈折層(LN90°)11、赤外線吸収層(IRカット)21、偏光解消層(SRF)12、及び複屈折層(LN0°)13は、各々の界面32~35に接着剤を塗布することで張り合わされている。例えば、接着剤にはエポキシ樹脂を含む接着剤を用いることができる。
次に、本実施の形態にかかる光学ローパスフィルタの製造方法について説明する。図6は、本実施の形態にかかる光学ローパスフィルタの製造方法を説明するためのフローチャートである。本実施の形態にかかる光学ローパスフィルタを製造する際は、まず、複屈折層(LN90°)11の両面にマッチング層を形成する(ステップS1)。マッチング層は、複屈折層(LN90°)11の両面にLaTi、SiOなどを蒸着することで形成できる。蒸着には、電子ビーム(EB)蒸着法などを用いることができる。
次に、複屈折層(LN0°)13の一方の面35にマッチング層を、他方の面36に反射防止膜を形成する(ステップS2)。マッチング層は、複屈折層(LN90°)11の一方の面35にLaTi、SiOなどを蒸着することで形成できる。反射防止膜は、複屈折層(LN90°)11の他方の面36にSiO、Ti、Alなどを蒸着することで形成できる。
次に、光学ガラス22の表面31にUV-IRカット層を形成する(ステップS3)。UV-IRカット層は、例えばTiO、SiOなどを蒸着することで形成できる。
次に、光学ガラス22、複屈折層(LN90°)11、赤外線吸収層(IRカット)21、偏光解消層(SRF)12、及び複屈折層(LN0°)13の各々の界面32~35に接着剤を塗布し、これらの部材を張り合わせる(ステップS4)。例えば、各々の界面32~35に接着剤を塗布した後、スピンコーターで接着剤を伸ばし、その後乾燥させることで、光学ガラス22、複屈折層(LN90°)11、赤外線吸収層(IRカット)21、偏光解消層(SRF)12、及び複屈折層(LN0°)13を張り合わせることができる。例えば、接着剤にはエポキシ樹脂を含む接着剤を用いることができる。一例を挙げると、スピンコーターの条件は、回転速度3500rpm、回転時間30秒とすることができる。
以上で説明した方法を用いることで、本実施の形態にかかる光学ローパスフィルタを製造することができる。なお、上述のステップS1~S3の順番については、これらの順番に限定されることはなく、任意の順番としてもよい。
以上で説明した本実施の形態にかかる光学ローパスフィルタ2においても、ニオブ酸リチウムを用いて複屈折層11および複屈折層13を構成し、SRFを用いて偏光解消層12を構成している。したがって、水晶を用いて構成した光学ローパスフィルタと比べて、光学ローパスフィルタを薄くすることができる。
<実施の形態3>
次に、本発明の実施の形態3について説明する。実施の形態3では、光学ローパスフィルタの具体的な構成例について説明する。なお、実施の形態1、2で説明した光学ローパスフィルタ1、2と同一の構成要素については同一の符号を付し、重複した説明は省略する。
図7は、本実施の形態にかかる光学ローパスフィルタの構成例を説明するための断面図である。図7に示すように、本実施の形態にかかる光学ローパスフィルタ3は、光学ガラス22、複屈折層13、赤外線吸収層21(IRカット層)、偏光解消層12、及び複屈折層11が光軸方向に配置された構造を備える。光学ローパスフィルタ3を構成するこれらの材料は、接着剤を用いて接着されている。
なお、本実施の形態においても、ニオブ酸リチウムを用いて複屈折層11および複屈折層13を構成し、SRFを用いて偏光解消層12を構成している。また、本実施の形態では、複屈折層11の光分離方向を90°とし、複屈折層13の光分離方向を0°としている。この場合、偏光解消層12の回転角は45°とする。
本実施の形態にかかる光学ローパスフィルタ3は、実施の形態2にかかる光学ローパスフィルタ2と比べて、複屈折層(LN90°)11の位置と複屈折層(LN0°)13の位置が逆になっている点が異なる。
光学ガラス22は、光学ローパスフィルタ3の最表面に配置されており、光路長を調整する機能や光学ローパスフィルタ3を保護する機能を有する。光学ガラス22は、所定の厚さ(例えば、0.32mm程度)を有するガラスを用いて構成することができる。光学ガラスの表面41には、UV-IRカット層がコーティングされている。UV-IRカット層は、紫外線(UV)と赤外線(IR)をカットする層であり、例えばTiO、SiOなどを蒸着することで形成できる。
複屈折層(LN0°)13は、ニオブ酸リチウムを用いて構成されている。複屈折層(LN0°)13の光学ガラス22側の表面42および赤外線吸収層21側の表面43には、接着剤の屈折率と複屈折層(LN0°)13の屈折率とをマッチングさせるためのマッチング層がそれぞれ形成されている。つまり、複屈折層(LN0°)13を構成しているニオブ酸リチウムは高い屈折率を有するので、複屈折層(LN0°)13の両面の接着剤と複屈折層(LN0°)13との間に、これらの屈折率をマッチングするためのマッチング層を設ける。マッチング層は、例えばLaTi、SiOなどを蒸着することで形成できる。
赤外線吸収層21は、入射光に含まれる赤外線を吸収する層(赤外線をカットする層)であり、例えば赤外線カットガラスを用いて構成することができる。赤外線吸収層21の厚さは特に限定されないが、例えば0.3mm程度の赤外線カットガラスを用いることができる。
偏光解消層12はSRFを用いて構成されている。SRFは面内位相差値が大きいフィルムである。例えば、SRFはポリエチレンテレフタレートフィルムを用いて構成することができる。一例を挙げると、SRFとして、東洋紡製、コスモシャイン(登録商標)を用いることができる。
また、本実施の形態では、偏光解消層12の赤外線吸収層21側の表面44および複屈折層(LN90°)11側の表面45のそれぞれに、ウレタンアクリレート系の材料をコーティングしている。このように、偏光解消層12の表面44、45にウレタンアクリレート系の材料をコーティングすることで、偏光解消層12の表面44、45に気泡が発生したり白濁化したりすることを抑制できる。
すなわち、偏光解消層12の表面をコーティングしていない場合は、熱や光などの影響によって偏光解消層12の表面に炭素中心のラジカルが発生する場合がある。そしてこの炭素中心のラジカルが酸化することで水素が発生し、偏光解消層12の表面にガスだまりが発生する場合がある。また、これにより、偏光解消層12が白濁化する場合がある。このような問題を解決するために、本実施の形態では、偏光解消層12の表面44、45に、ウレタンアクリレート系の材料をコーティングしている。このように、偏光解消層12の表面44、45にウレタンアクリレート系の材料をコーティングすることで、偏光解消層12の表面44、45に気泡が発生したり白濁化したりすることを抑制できる。
複屈折層(LN90°)11は、ニオブ酸リチウムを用いて構成されている。複屈折層(LN90°)11の偏光解消層12側の表面45には、接着剤の屈折率と複屈折層(LN90°)11の屈折率とをマッチングさせるためのマッチング層が形成されている。つまり、複屈折層(LN90°)11を構成しているニオブ酸リチウムは高い屈折率を有するので、複屈折層(LN90°)11の偏光解消層12側の接着剤と複屈折層(LN90°)11との間に、これらの屈折率をマッチングするためのマッチング層を設ける。マッチング層は、例えばLaTi、SiOなどを蒸着することで形成できる。また、複屈折層13の外側の表面46には、反射防止膜(ARコート)が形成されている。反射防止膜は、例えばSiO、Ti、Alなどを蒸着することで形成できる。
光学ガラス22、複屈折層(LN0°)13、赤外線吸収層(IRカット)21、偏光解消層(SRF)12、及び複屈折層(LN90°)11は、各々の界面42~45に接着剤を塗布することで張り合わされている。例えば、接着剤にはエポキシ樹脂を含む接着剤を用いることができる。
次に、本実施の形態にかかる光学ローパスフィルタの製造方法について説明する。図8は、本実施の形態にかかる光学ローパスフィルタの製造方法を説明するためのフローチャートである。本実施の形態にかかる光学ローパスフィルタを製造する際は、まず、複屈折層(LN0°)13の両面にマッチング層を形成する(ステップS11)。マッチング層は、複屈折層(LN0°)13の両面にLaTi、SiOなどを蒸着することで形成できる。蒸着には、電子ビーム(EB)蒸着法などを用いることができる。
次に、複屈折層(LN90°)11の一方の面45にマッチング層を、他方の面46に反射防止膜を形成する(ステップS12)。マッチング層は、複屈折層(LN90°)11の一方の面45にLaTi、SiOなどを蒸着することで形成できる。反射防止膜は、複屈折層(LN90°)11の他方の面46にSiO、Ti、Alなどを蒸着することで形成できる。
次に、偏光解消層12の赤外線吸収層21側の表面44および複屈折層(LN90°)11側の表面45のそれぞれに、ウレタンアクリレート系の材料をコーティングする(ステップS13)。このときのコーティング層の厚さは、1μm以上とすることが好ましい。
次に、光学ガラス22、複屈折層(LN0°)13、赤外線吸収層(IRカット)21、偏光解消層(SRF)12、及び複屈折層(LN90°)11の各々の界面42~45に接着剤を塗布し、これらの部材を張り合わせる(ステップS14)。例えば、各々の界面42~45に接着剤を塗布した後、スピンコーターで接着剤を伸ばし、その後乾燥させることで、光学ガラス22、複屈折層(LN0°)13、赤外線吸収層(IRカット)21、偏光解消層(SRF)12、及び複屈折層(LN90°)11を張り合わせることができる。例えば、接着剤にはエポキシ樹脂を含む接着剤を用いることができる。一例を挙げると、スピンコーターの条件は、回転速度3500rpm、回転時間30秒とすることができる。
次に、光学ガラス22の表面31にUV-IRカット層を形成する(ステップS15)。UV-IRカット層は、例えばTiO、SiOなどを蒸着することで形成できる。ここで本実施の形態では、ステップS14において各部材を貼り合わせた後にUV-IRカット層を形成する。例えば、実施の形態2で説明した製造方法(図6参照)のように、光学ガラス22単体の表面にUV-IRカット層を形成した場合は(ステップS3)、薄い光学ガラス22単体の表面に複数層からなるUV-IRカット層が形成されるため、光学ガラス22単体が反り返る場合がある。この場合は各部材を貼り合わせた際に光学ガラス22単体が反り返っている状態となり、光学ローパスフィルタの厚みムラが大きくなるという問題があった。
これに対して本実施の形態では、ステップS14において各部材を貼り合わせた後にUV-IRカット層を形成している。したがって、光学ガラス22単体が反り返るのではなく、貼り合わせた後の全部材が反り返るようにすることができるので、面精度を保つことができる。また、光学ローパスフィルタの厚みムラも小さくすることができる。
なお、この場合は、接着剤の耐熱性の問題から、蒸着温度を低くする必要がある。このため、本実施の形態では、UV-IRカット層の蒸着にIAD(Ion Assisted Deposition)法を用いることが好ましい。IAD法を用いることで蒸着温度を低く(130℃程度)することができる。
以上で説明した方法を用いることで、本実施の形態にかかる光学ローパスフィルタ3を製造することができる。なお、上述のステップS11~S13の順番については、これらの順番に限定されることはなく、任意の順番とすることができる。
以上で説明した本実施の形態にかかる光学ローパスフィルタ3においても、ニオブ酸リチウムを用いて複屈折層11および複屈折層13を構成し、SRFを用いて偏光解消層12を構成している。したがって、水晶を用いて構成した光学ローパスフィルタと比べて、光学ローパスフィルタを薄くすることができる。
また、本実施の形態にかかる光学ローパスフィルタ3では、偏光解消層12と複屈折層(LN90°)11とが隣接するように配置している。この理由は下記の通りである。
上述のように、本実施の形態では、ステップS14において各部材を貼り合わせた後にUV-IRカット層を形成している。UV-IRカット層を形成する際は、貼り合わせた部材の温度を上昇させるが、このとき各層の反り方向の違い(熱膨張の違い)により、各層間に熱応力が発生し、この熱応力起因して接着剤が剥がれる場合がある。そして、接着剤が剥がれた箇所に空気や水などの接着剤以外の成分が侵入し、その箇所が光学的な欠陥となる場合がある。
ところで、デジタルカメラ等で使用されている撮像素子は長辺と短辺とを有する矩形状であるため、光学ローパスフィルタも長辺と短辺とを有する矩形状としている。ここで、複屈折層11、13、及び偏光解消層(SRF)12の反り方向は、光学軸方向に依存する。具体的には、複屈折層(LN0°)13は長辺方向に反りが発生しやすく、複屈折層(LN90°)11および偏光解消層(SRF)12は短辺方向に反りが発生しやすいという性質を有する。なお、光学ローパスフィルタの長辺方向が光分離方向0°に対応しているものとする。
この点を考慮して本実施の形態にかかる光学ローパスフィルタ3では、図7に示すように、短辺方向に反りが発生しやすい複屈折層(LN90°)11と偏光解消層(SRF)12とを隣接するように配置している。このような配置とした場合は、実施の形態2にかかる光学ローパスフィルタ2と比べて、複屈折層(LN90°)11と偏光解消層(SRF)12との間に働く熱応力を低減することができる。よって、複屈折層(LN90°)11と偏光解消層(SRF)12との間において接着剤が剥がれることを抑制できる。
<その他の実施の形態>
上述の本発明にかかる光学ローパスフィルタは、様々な光学機器、スマートフォン等の携帯機器、電子デバイス等に用いることができる。本発明にかかる光学ローパスフィルタと撮像素子とを備える光学機器の一例としてデジタルカメラがある。図11は、本発明にかかる光学ローパスフィルタを搭載したデジタルカメラを説明するための断面図である。
図11に示すように、デジタルカメラ100は、筐体101の内部に、レンズ群102、光学ローパスフィルタ103、撮像素子104を備える。例えば、撮像素子104は、CMOSイメージセンサやCCDイメージセンサである。光学ローパスフィルタ103は撮像素子104と隣接するように配置されている。デジタルカメラ100に入射した入射光は、レンズ群102を通過した後、光学ローパスフィルタ103を通過して、撮像素子104に到達する。本実施の形態では、入射光が光学ローパスフィルタ103を通過した際、入射光が正方分離される。そして、光学ローパスフィルタ103で正方分離された光が撮像素子104へと導入される。
また、本発明にかかる光学ローパスフィルタを搭載した光学機器は、様々な電子デバイス、車両、飛翔体等に搭載することができる。図12は、本発明にかかる光学ローパスフィルタを搭載した光学機器を備えるドローンを説明するための正面図である。図12に示すように、ドローン200は、本体部201と、複数のプロペラ202、203を備える。なお、図12は正面図なので図示しているプロペラの数は2つであるが、ドローン200は、4つのプロペラが対角線上に配置された構造を備える。ドローン200には光学機器(カメラ)204が搭載されている。したがって、複数のプロペラ202、203が回転してドローン200が飛行している際、光学機器(カメラ)204を用いてドローン200の周囲の風景を撮影することができる。
以上、本発明を上記実施形態に即して説明したが、本発明は上記実施の形態の構成にのみ限定されるものではなく、本願特許請求の範囲の請求項の発明の範囲内で当業者であればなし得る各種変形、修正、組み合わせを含むことは勿論である。
1、2、3 光学ローパスフィルタ
11 複屈折層
12 偏光解消層
13 複屈折層
21 赤外線吸収層
22 光学ガラス
100 デジタルカメラ
101 筐体
102 レンズ群
103 光学ローパスフィルタ
104 撮像素子
200 ドローン
201 本体部
202、203 プロペラ
204 光学機器

Claims (12)

  1. ニオブ酸リチウムを用いて構成され、直線偏光である入射光を通常光線と異常光線とに光分離する第1の複屈折層と、
    SRF(Super Retardation Film)を用いて構成され、前記第1の複屈折層を通過した直線偏光を円偏光に変換する偏光解消層と、
    ニオブ酸リチウムを用いて構成され、前記偏光解消層を通過した光を通常光線と異常光線とに光分離する第2の複屈折層と、を備える、
    光学ローパスフィルタ。
  2. 前記第1及び第2の複屈折層は、前記入射光に対する光学軸の傾斜角度が45°である、請求項1に記載の光学ローパスフィルタ。
  3. 前記第1の複屈折層の光分離方向と前記第2の複屈折層の光分離方向とが90°ずれている、請求項1または2に記載の光学ローパスフィルタ。
  4. 前記第1の複屈折層の光分離方向が0°であり、
    前記第2の複屈折層の光分離方向が90°である、
    請求項3に記載の光学ローパスフィルタ。
  5. 前記第1の複屈折層の厚さが0.11mm以上0.22mm以下であり、
    前記偏光解消層の厚さが0.05mm以上0.08mm以下であり、
    前記第2の複屈折層の厚さが0.11mm以上0.22mm以下である、
    請求項4に記載の光学ローパスフィルタ。
  6. 前記偏光解消層と前記第2の複屈折層とが隣接するように配置されている、請求項5に記載の光学ローパスフィルタ。
  7. 前記偏光解消層の前記第2の複屈折層が配置されている側と反対側の面に配置された赤外線吸収層を更に備える、請求項1~6のいずれか一項に記載の光学ローパスフィルタ。
  8. 前記偏光解消層の表面がウレタンアクリレート系の材料でコーティングされている、請求項1~7のいずれか一項に記載の光学ローパスフィルタ。
  9. 前記第1の複屈折層、前記偏光解消層、及び前記第2の複屈折層がエポキシ樹脂を含む接着剤で張り合わされている、請求項1~8のいずれか一項に記載の光学ローパスフィルタ。
  10. 請求項1~9のいずれか一項に記載の光学ローパスフィルタと、
    撮像素子と、を備える、光学機器。
  11. 請求項10に記載の光学機器を備える、ドローン。
  12. ニオブ酸リチウムを用いて構成され、直線偏光である入射光を通常光線と異常光線とに光分離する第1の複屈折層を準備する工程と、
    SRF(Super Retardation Film)を用いて構成され、前記第1の複屈折層を通過した直線偏光を円偏光に変換する偏光解消層を準備する工程と、
    ニオブ酸リチウムを用いて構成され、前記偏光解消層を通過した光を通常光線と異常光線とに光分離する第2の複屈折層を準備する工程と、
    前記第1の複屈折層、前記偏光解消層、及び前記第2の複屈折層を貼り合わせる工程と、を備える、
    光学ローパスフィルタの製造方法。
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