JP2022076491A - 容器移送装置 - Google Patents
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Abstract
Description
試料を収容した容器が載置され、前記容器を交換エリアとサンプリングエリアとの間で移動させる回転テーブルと、
前記回転テーブルに載置されている前記容器を上方に引き抜き可能に保持する保持体と、
サンプリングエリアで前記容器を上方に抜け止め状態に固定する固定手段と、
を備えることにある。
前記容器は、括れ部を有しており、
前記固定手段は、前記括れ部に対し相対移動可能な可動体によって前記括れ部を引っ掛けることで前記容器を上方に抜け止め状態に固定するように構成されていることが好ましい。
前記容器の括れ部に対する前記可動体の引っ掛け状態と非引っ掛け状態とを、サンプリングエリアと交換エリアとで切り換える切換手段を備えることが好ましい。
前記切換手段は、
前記容器の括れ部に向けて前記可動体を付勢する付勢部材と、
前記回転テーブルを回転させるための回転動力を利用して、交換エリアにおいて前記容器の括れ部から前記可動体を引き離す方向に前記可動体を移動させるカムと、
を含むことが好ましい。
交換エリアにおいて前記容器に対する前記可動体の非引っ掛け状態を維持するピン部材を備えることが好ましい。
前記ピン部材は、前記保持体に上下動可能に取り付けられ、
前記ピン部材が下降位置のときに前記可動体と係合状態となって非引っ掛け状態が維持され、前記ピン部材が上昇位置のときに前記可動体と非係合状態となって非引っ掛け状態が維持されないように構成されており、
前記回転テーブルを回転させるための回転動力を利用して、サンプリングエリアにおいて前記ピン部材を前記上昇位置へと押し上げるピン押上げブロックを備えることが好ましい。
<自動分析装置の全体構成>
図1は、本発明の第一実施形態に係る容器移送装置を具備する自動分析装置の全体を正面側から見た斜視図である。図1に示す自動分析装置1Aは、試料を収容した容器を交換エリアとサンプリングエリアとの間で移送する容器移送装置5Aと、サンプリングエリアにおいて容器から試料を吸引し分注する分注装置10とを備えている。交換エリア及びサンプリングエリアに関する定義については後に詳述する。また、本例で使用される容器の形状・構造についても後に詳述する。
分注装置10は、ノズルユニット11と駆動ユニット12とを備えて構成され、容器移送装置5Aにおける後述するケーシング20の後側右コーナ部に設置されている。ノズルユニット11は、上下方向に延びる先端(下端)が鋭利なノズル13を備え、ノズル13を介して試料を吸引したり吐出したりすることができるように構成されている。駆動ユニット12は、詳細図示による説明は省略するが、水平Y軸方向(前後方向)にノズルユニットを直線移動させるためのY軸駆動機構と、鉛直Z軸方向(上下方向)にノズルユニットを直線移動させるためのZ軸駆動機構とが組み合わされてなり、ノズルユニット11を前後方向と上下方向との二方向に移動させることができるように構成されている。
図2は、図1のA-A線断面図である。図2に示すように、容器移送装置5Aは、ケーシング20と、ケーシング20上に配設される回転体21と、ケーシング20の内部に配設される回転駆動機構22とを備えている。ここで、ケーシング20は、上下方向に所定間隔を存して配される平面視矩形状の上面板25及び下面板26と、上面板25及び下面板26の外周部同士を繋ぐように配設される枠体27とにより構成されている。
図3は、複数の容器が載置された状態の回転体の平面図である。図3に示すように、回転体21は、複数の容器200を交換エリアとサンプリングエリアとの間で移動させるものである。ここで、回転体21の平面視において、回転体21の回転中心に原点Oを一致させるようにX-Y直交軸を設定し、左向きを正の向きとして左右方向に延びる軸をX軸とし、後ろ向きを正の向きとして前後方向に延びる軸をY軸とし、X軸の正の向きの軸を基準(0°)として、原点Oを中心に時計回りを正の回転方向(正転方向)と定める。この場合、例えば、回転体21における0°以上120°以下の回転エリアを、容器200から試料を抽出するためのサンプリングエリア(図3中記号「S」で示す両矢印の範囲)と定め、回転体21における180°を超え360°未満の回転エリアを、容器200を交換するための交換エリア(図3中記号「K」で示す両矢印の範囲)と定める。なお、サンプリングエリア及び交換エリアに関し、上記に例示した角度の数値範囲については、これに限定されるものではなく、後述する可動体33の設置個数や周方向長さ等の調整により、適宜に設定し得るものである。
図4は、図3のC-C線要部断面図を示し、(a)は非引っ掛け状態図、(b)は引っ掛け状態図である。図4(a)に示すように、容器200は、容器本体201と蓋体202とにより構成されている。容器本体201は、上方に開放された開口を形成する円筒部205と、円筒部205より大径で試料を収容可能な有底円筒部206と、円筒部205と有底円筒部206とを接続する傾斜部207とを有し、有底円筒部206、傾斜部207及び円筒部205が下側から上側に向けてこの記載順に一体的に連設されて構成されている。蓋体202は、円筒部205の開口を覆うシール材208と、シール材208の平面視中央部を外部に露出させた状態でシール材208を保持するシール材保持部209とを有し、円筒部205の外周面に形成された雄螺子とシール材保持部209の内周面に形成された雌螺子とを螺合させて蓋体202を締め付けることにより、容器本体201を蓋体202により密閉状態に閉じることができる。容器200においては、円筒部205と傾斜部207との境界及びその境界の上下近傍部分(有底円筒部206と蓋体202との間の部分)により、括れ部210が形成されている。
図6は、回転体における回転テーブルと保持体との間の部分の分解斜視図である。図6に示すように、回転テーブル31は、複数(本例では最大で30個)の容器200を同時に載置するのに十分な広さの載置面を有する所定厚みの中空円盤状部材により構成されている。回転テーブル31の中央には、後述するロータ93が通過可能な大きさの円形孔状の中央開口部34が形成されている。回転テーブル31と保持体32との間には、支持円盤35が配設されている。
図7は、回転体における保持体と複数の可動体との間の部分の分解斜視図である。図7に示すように、保持体32は、中空円盤状部材により構成されている。保持体32の中央部には、円形孔状の中央開口部36が形成されている。保持体32における中央開口部36の周辺の内周縁近傍部と外周との間の平坦面には、上下方向に貫通する複数(本例では30個)の丸孔状の保持体貫通孔部40が形成されている。
複数(本例では3個)の可動体33は、保持体32の円周方向に沿って並ぶように、保持体32の上方に配設されている。各可動体33は、保持体32の中央開口部36の半径よりも若干大きい半径で中心角が約110°程度の扇形の円弧に相当する円弧長さの内側円弧部45と、保持体32の半径と同程度の大きさの半径で中心角が110°程度の扇形の円弧に相当する外側円弧部46とを有し、保持体32の平面視の全領域の1/3程度の領域よりも若干小さい領域を覆うように保持体32の円周方向に沿って延在する所定厚みの部分円環状部材により構成されている。可動体33は、容器200括れ部210に対し相対移動可能であり、括れ部210を引っ掛けることで容器200を上方に抜け止め状態に固定する固定手段として機能する。
図8は、可動体の一部を破断して示す容器非載置状態の回転体の平面図である。図9(a)は、図8のE-E線要部断面図、図9(b)は、図8のF-F線要部断面図である。図8及び図9(a)に示すように、保持体32の内周縁近傍部には、円周方向に等角度(60°毎)で6個の柱状の起立ピン71が立設されている。可動体33の部分内周縁近傍部寄りの周方向両端部には、下方に垂れるように垂下ピン72が垂設されている。起立ピン71と垂下ピン72との間には、引張コイルばね75が架設されている。図8に示すように、各々の可動体33と保持体32との間には、一対の引張コイルばね75が、外周側に進むに従って互いの距離が大きくなるように配置されている。このような配置により、一対の引張コイルばね75の弾性力の合力(ベクトル)が、保持体32の半径方向に沿って保持体32の中心に向かって作用する。引張コイルばね75は、容器200の括れ部210(図4(a)参照)に向けて可動体33を付勢する付勢部材として機能する。
図8及び図9(b)に示すように、回転体21においては、各々の可動体33に対応するように、ピン部材80が上下動可能に取り付けられている。図9(b)に示すように、ピン部材80は、大径軸部81と小径軸部82と細長軸部83とを有し、上側から下側に向かって大径軸部81、小径軸部82及び細長軸部83が、互いの軸心を一致させた状態でこの記載順に一体的に連設されてなるものである。ピン部材80において、小径軸部82は、可動体33に設けられた異形孔部55における円弧状孔部56に嵌合可能である。大径軸部81は、小径軸部82が円弧状孔部56に嵌合したときに円弧状孔部56の周縁部上に載ることができるとともに、手指で掴むことができる程度の外径と高さとに設定されている。細長軸部83は、保持体32と回転テーブル31とを貫通するように上下方向に延在し、上下方向に移動可能で水平方向に移動不能に保持体32及び回転テーブル31に支持されている。細長軸部83の下端部には、回転テーブル31の下面に当接可能なストッパ84が取り付けられている。ストッパ84は、小径軸部82が円弧状孔部56に嵌合し、且つ大径軸部81が円弧状孔部56の周縁部上に載っている状態からピン部材80を引き上げ、円弧状孔部56から小径軸部82が抜け出て非嵌合状態となり、更にピン部材80を引き上げようとしたときに、回転テーブル31の下面に当接してピン部材80のそれ以上の引き上げ動作を止めて、回転テーブル31から細長軸部83が抜け出ないようにする。
図7に示すように、保持体32と可動体33とは、両者間に所要の摺動部材60が介在された状態で締結具により締着されている。このような構成により、可動体33は、保持体32に対し、摺動部材60と共に、内側主スリット41及び外側主スリット42の延在する方向、つまり保持体32の半径方向に摺動可能とされ、保持体32の半径方向に沿って非引っ掛け位置と引っ掛け位置との間で往復移動可能とされている。ここで、可動体33の非引っ掛け位置とは、図4(a)に示すように、可動体貫通孔部50及び保持体貫通孔部40を通して回転テーブル31上に載置されている容器200の括れ部210に可動体33が引っ掛かっていない位置である。すなわち、可動体33に設けられる可動体貫通孔部50の位置と保持体32に設けられる保持体貫通孔部40の位置とが平面視で一致するとともに、可動体33に設けられる大円弧状切欠き部51及び小円弧状切欠き部52(図7参照)のそれぞれの位置と保持体32に設けられる保持体貫通孔部40の位置とが平面視で一致するような保持体32に対する可動体33の相対位置である。また、可動体33の引っ掛け位置とは、容器200の括れ部210に可動体33が引っ掛かっている位置である。すなわち、可動体33が非引っ掛け位置から保持体32の半径方向に沿って保持体32の中心側に所定距離進み、可動体33に設けられる可動体貫通孔部50、大円弧状切欠き部51及び小円弧状切欠き部52(図7参照)のそれぞれの縁部が容器200の括れ部210に入り込んでいるような保持体32に対する可動体33の相対位置である。
図2に示すように、回転駆動機構22は、駆動モータ91、回転軸92及びロータ93を備えている。駆動モータ91は、当該駆動モータ91の出力軸がケーシング20の上面板25を貫通してケーシング20の内部に配されるように、ケーシング20における後側左コーナ部に設置されている。回転軸92は、回転体21と同軸を成すように上下方向に延在し、駆動モータ91の出力軸と所定の軸間距離を存してケーシング20の上面板25を貫通するように配設されている。回転軸92は、ケーシング20の上面板25に軸受部材94を介して回転自在に支持されている。駆動モータ91の出力軸には、駆動タイミングプーリ95が固定されている。回転軸92の下端部には、従動タイミングプーリ96が固定されている。駆動タイミングプーリ95と従動タイミングプーリ96とには、タイミングベルト97が巻き掛け装着されている。ロータ93は、回転軸92の上端部に、回転軸92と同軸を成して固定されている。ロータ93には、回転体21における支持円盤35が同軸を成して着脱可能に固定されている。回転駆動機構22においては、駆動モータ91の出力軸からの回転動力が、駆動タイミングプーリ95、タイミングベルト97、従動タイミングプーリ96、回転軸92及びロータ93を介して回転体21に伝達される。これにより、駆動モータ91の正転/逆転作動により、回転体21を正転方向/逆転方向に回転させることができる。
図10は、図2のB部拡大図である。ケーシング20の上面板25における回転体21のサンプリングエリアに対応する部分には、回転テーブル31の下面から突出しているピン部材80の細長軸部83の下端部と接触可能にピン押上げブロック100が固定状態で載置されている。ピン押上げブロック100は、回転テーブル31の接線方向と平行な平面視長方形状のブロック材で構成されている。ピン押上げブロック100は、回転体21の正転方向に向かって上向きに傾斜する第一傾斜面部101と、回転体21の逆転方向に向かって上向きに傾斜する第二傾斜面部102と、水平面部103とを有し、回転体21の正転方向に向かって第一傾斜面部101、水平面部103及び第二傾斜面部102がこの記載順に配されている。第一傾斜面部101は、回転体21の正転方向への回転時に、回転体21と共に移動する、下降位置にあるピン部材80における細長軸部83の下端側と当接し、回転体21の回転に伴い、ピン部材80を上昇位置へと押し上げる。第二傾斜面部102は、回転体21の逆転方向への回転時に、回転体21と共に移動する、下降位置にあるピン部材80における細長軸部83の下端側と当接し、回転体21の回転に伴い、ピン部材80を上昇位置へと押し上げる。こうして、下降位置にあるピン部材80は、回転体21の正転方向及び逆転方向の回転により、サンプリングエリアを移動中に、上昇位置へと押し上げられる。
図13は、本発明の第二実施形態に係る容器移送装置を具備する自動分析装置の全体を正面側から見た斜視図である。第二実施形態において、第一実施形態と同一又は同様のものについては図に同一符号を付すに留めてその詳細な説明を省略することとし、以下においては、第二実施形態に特有の部分を中心に説明することとする。
切換手段110は、容器200の括れ部210に向けて可動体33を付勢する付勢部材としての引張コイルばね75と、回転体21を回転させるための回転動力を利用して、交換エリア(K)において容器200の括れ部210から可動体33を引き離す方向に移動させるカム111とにより構成されている。
カム111は、保持体32の中心を基準として略90°程度の中心角の略扇形状に形成された所定厚みの板状部材で構成され、全体として中空円盤状に形成された回転体21の中空状の中心部における交換エリア(K)内において可動体33の内側円弧部45と当接可能な高さ位置に配設されている。カム111は、回転駆動機構22におけるロータ93及び回転軸92(図2参照)のそれぞれの軸中心部を貫通してケーシング20の下面板26上に固定状態で設置される支持軸112の上端部に固定されている。
5A,5B 容器移送装置
31 回転テーブル
32 保持体
33 可動体(固定手段)
75 引張コイルばね(付勢部材)
80 ピン部材
100 ピン押上げブロック
110 切換手段
111 カム
200 容器
210 括れ部
K 交換エリア
S サンプリングエリア
Claims (6)
- 試料を収容した容器が載置され、前記容器を交換エリアとサンプリングエリアとの間で移動させる回転テーブルと、
前記回転テーブルに載置されている前記容器を上方に引き抜き可能に保持する保持体と、
サンプリングエリアで前記容器を上方に抜け止め状態に固定する固定手段と、
を備える容器移送装置。 - 前記容器は、括れ部を有しており、
前記固定手段は、前記括れ部に対し相対移動可能な可動体によって前記括れ部を引っ掛けることで前記容器を上方に抜け止め状態に固定するように構成されている請求項1に記載の容器移送装置。 - 前記容器の括れ部に対する前記可動体の引っ掛け状態と非引っ掛け状態とを、サンプリングエリアと交換エリアとで切り換える切換手段を備える請求項2に記載の容器移送装置。
- 前記切換手段は、
前記容器の括れ部に向けて前記可動体を付勢する付勢部材と、
前記回転テーブルを回転させるための回転動力を利用して、交換エリアにおいて前記容器の括れ部から前記可動体を引き離す方向に前記可動体を移動させるカムと、
を含む請求項3に記載の容器移送装置。 - 交換エリアにおいて前記容器に対する前記可動体の非引っ掛け状態を維持するピン部材を備える請求項3又は4に記載の容器移送装置。
- 前記ピン部材は、前記保持体に上下動可能に取り付けられ、
前記ピン部材が下降位置のときに前記可動体と係合状態となって非引っ掛け状態が維持され、前記ピン部材が上昇位置のときに前記可動体と非係合状態となって非引っ掛け状態が維持されないように構成されており、
前記回転テーブルを回転させるための回転動力を利用して、サンプリングエリアにおいて前記ピン部材を前記上昇位置へと押し上げるピン押上げブロックを備える請求項5に記載の容器移送装置。
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