JP2022075184A - 吸水紙及び吸水紙の製造方法 - Google Patents

吸水紙及び吸水紙の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】優れた吸水力を有する吸水紙を提供すること。【解決手段】茶殻とパルプ繊維とを含有し、前記茶殻における葉と茎との質量比が、葉:茎=3:7~10:0であり、前記茶殻の彩度が、13.8以上19.2以下である、吸水紙。【選択図】なし

Description

本発明の実施形態は、吸水紙、及び、吸水紙の製造方法に関する。
茶葉を飲料以外の分野へ利用する試みとして、茶葉に含まれるカテキン、ポリフェノール等の有効成分による抗菌、消臭機能を紙に付与することが検討されている。
例えば、特許文献1には、衛生用紙が、一種以上のお茶の溶解性固形物を、坪量が20g/mの衛生用紙を基準にして、衛生用紙1平方メートルあたりに、0.2グラム以上の量で含有していることを特徴とする衛生用紙が記載されている。
特開2004-100135号公報
一方、環境への関心が高まるなか、年々増大する茶飲料抽出後の残渣、所謂茶殻の有効活用が求められている。茶殻を配合した紙は製造されているが、紙にお茶の抗菌及び/又は消臭機能を担保するためのものが大半である。
本発明の実施形態は、優れた吸水力を有する吸水紙を提供することを課題とする。本発明の他の実施形態は、優れた吸水力を有する吸水紙の製造方法を提供することを課題とする。
本発明には様々な実施形態が含まれる。実施形態の例を以下に列挙する。本発明は以下の実施形態に限定されない。
(1)茶殻とパルプ繊維とを含有し、前記茶殻における葉と茎との質量比が、葉:茎=3:7~10:0であり、前記茶殻の彩度が、13.8以上19.2以下である、吸水紙。
(2)前記茶殻の含有量が、3質量%以上30質量%以下である、上記(1)に記載の吸水紙。
(3)吸水紙抽出液のpHが、9.0未満である、上記(1)~(3)のいずれかに記載の吸水紙。
(4)葉と茎との質量比が葉:茎=3:7~10:0であり、彩度が13.8以上19.2以下である茶殻を含有する含水茶殻と、パルプとを準備すること、及び、前記含水茶殻と前記パルプとを混合し、混合物を得ること、を含む、吸水紙の製造方法。
(5)前記吸水紙における茶殻の含有量が、3~30質量%である、上記(4)に記載の製造方法。
(6)混合に使用する前記含水茶殻のpHが、6.0以下である、上記(4)又は(5)に記載の製造方法。
(7)前記含水茶殻の粒径が、0.3mm以上5mm未満である、上記(4)~(6)のいずれかに記載の製造方法。
本発明の実施形態によれば、優れた吸水力を有する吸水紙を提供することができる。本発明の他の実施形態によれば、優れた吸水力を有する吸水紙の製造方法を提供することができる。
本発明の実施形態について説明する。本発明は以下の実施形態に限定されない。
<吸水紙>
本発明の実施形態である吸水紙は、茶殻とパルプ繊維とを含有する。茶殻中の葉と茎との質量比は、葉:茎=3:7~10:0であり、茶殻の彩度は、13.8以上19.2以下である。吸水紙は、着色剤、消泡剤、紙力増強剤、pH調整剤等の任意の成分を含んでよい。
(茶殻)
茶殻は、原料茶から茶成分を水で抽出した後の葉及び茎を含む残渣である。茶殻には、葉残渣と茎残渣とが含まれる。本明細書において「原料茶」には、茶として抽出され得る有効成分を含む茶樹組織が含まれ、具体的には、葉及び茎が含まれる。原料茶は、不発酵茶、半発酵茶、発酵茶、又はこれらの混合物のいずれであってよい。不発酵茶の例として緑茶が挙げられ、半発酵茶の例として烏龍茶が挙げられ、発酵茶の例として紅茶が挙げられる。原料茶は、緑茶であることが好ましく、緑茶の例として、蒸し茶、煎茶、玉露、番茶、玉緑茶、釜入り茶、中国緑茶等が挙げられる。原料茶は、1種のみからなる原料茶であっても、又は、2種以上の原料茶を含む混合原料茶であってよい。
吸水紙に含まれる茶殻は、葉と茎とを、葉:茎=3:7~10:0の質量比(乾燥固形分の質量比)で調整する。吸水紙に含まれる茶殻は、収穫した茶をそのまま使用して得た茶殻でよい。又は、葉と茎の比率は茶の収穫時期と収穫年で変化することから、安定した吸水紙を得るため、好ましくは吸水紙に含まれる茶殻は、分離された葉と茎とを、前記質量比となるように混合して得た混合物でよい。葉と茎の質量比は、葉:茎=5:5~10:0であることが好ましく、6:4~10:0であることがより好ましく、7:3~10:0であることが更に好ましい。葉の質量比が3以上である場合、良好な吸水力が得られる。葉の質量比の上限は特に限定されず、収穫した茶から茎を取り除いた茶のみの10であってよい。
吸水紙に含まれる茶殻の彩度は、13.8以上19.2以下である。彩度が13.8以上19.2以下である場合、優れた吸水力を得ることができる。彩度は、14.5以上であることが好ましく、15.0以上であることがより好ましい。彩度は、19.0未満であることが好ましく、18.8未満であることがより好ましく、18.0未満であることが更に好ましい。彩度は、特に17.4未満であることが好ましく、17.0未満であることがより好ましい。
茶殻の彩度は、吸水紙中から茶殻をピンセットなどを用いて採取し、採取した茶殻を粒径1mm以下に粉砕した後に測定する。茶殻の彩度(C*)は、分光光度計を使用して測定した明度L*と色度a*及びb*とから算出することができる。
吸水紙中の茶殻の含有量(乾燥固形分の質量%)は、吸水紙の質量を基準として、好ましくは3質量%以上である。茶殻の含有量が3質量%以上である場合、吸水力の高い向上効果が得られる傾向がある。茶殻の含有量は、好ましくは3~30質量%であり、より好ましくは3~15質量%であり、更に好ましくは5~15質量%である。茶殻の含有量は、10質量%以上であってもよい。
(パルプ繊維)
吸水紙は、パルプ繊維を含有する。パルプ繊維は、パルプに由来する繊維である。パルプとしては、例えば、広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)、針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)、広葉樹未晒クラフトパルプ(LUKP)、針葉樹未晒クラフトパルプ(NUKP)、広葉樹半晒クラフトパルプ(LSBKP)、針葉樹半晒クラフトパルプ(NSBKP)、広葉樹亜硫酸パルプ、針葉樹亜硫酸パルプ等の化学パルプ;ストーングランドパルプ(SGP)、加圧ストーングランドパルプ(PGW)、リファイナーグランドパルプ(RGP)、サーモグランドパルプ(TGP)、ケミグランドパルプ(CGP)、砕木パルプ(GP)、サーモメカニカルパルプ(TMP)等の機械パルプ;切茶古紙、無地茶古紙、雑袋古紙、雑誌古紙、新聞古紙、チラシ古紙、オフィス古紙、段ボール古紙、上白古紙、ケント古紙、模造古紙、地券古紙等から製造される離解古紙パルプ;古紙を離解及び脱墨して得られるパルプ;古紙を離解、脱墨及び漂白して得られるパルプ;ケナフ、麻、葦等の非木材繊維から化学的又は機械的に製造されたパルプなどが挙げられる。パルプ繊維は、1種のみからなる繊維であっても、又は、2種以上のパルプ繊維を含む混合繊維であってもよい。
パルプ繊維は、針葉樹パルプ繊維を含むことが好ましい。パルプ繊維が針葉樹パルプ繊維を含む場合、吸水力の高い向上効果が得られる傾向がある。針葉樹パルプ繊維の含有量は、吸水紙に含まれる全パルプ繊維の合計質量を基準として、30~100質量%であることが好ましく、50~100質量%であることがより好ましく、70~100質量%であることが更に好ましく、90~100質量%であることが特に好ましい。
吸水紙中のパルプ繊維の含有量(乾燥固形分の質量)は、吸水紙の質量を基準として、好ましくは70質量%以上である。パルプ繊維の含有量が70質量%以上である場合、吸水紙が十分な強度を有する傾向がある。パルプ繊維の含有量は、吸水紙の質量を基準として、好ましくは70~97質量%であり、より好ましくは85~97質量%であり、更に好ましくは85~95質量%である。パルプ繊維の含有量は、90質量%以下であってもよい。
(吸水紙抽出液のpH)
吸水紙抽出液のpHは、良好な吸水力を得る観点から、好ましくは9.0未満である。pHは、より好ましくは5.0以上9.0未満であり、更に好ましくは6.0以上8.5未満であり、特に好ましくは6.5以上8.5未満である。pH9以上である場合、吸水紙内で茶殻の繊維が壊れて茶殻が粒子状で混在するが、pHが9.0未満である場合、茶殻の繊維が解繊されて、吸水紙内に定着していると考えられる。吸水紙抽出液は、吸水紙を所定時間にわたり水中に浸漬することにより得られる液体である。具体的には、吸水紙抽出液のpHは、次の方法により測定することができる。
(1)100mLビーカーを使用し、吸水紙1gを25℃の蒸留水100gに3分間にわたり浸漬する。吸水紙を浸す前の蒸留水のpHは、7.0とする。
(2)浸漬後に得られる吸水紙含有液を、濾過により液体と固体とに分離する。分離後の液体を、吸水紙抽出液とする。
(3)吸水紙抽出液の25℃におけるpHを、pHメーターを用いて測定する。pHメーターは、pH緩衝液(pH=4.0、7.0、及び9.0)を用いて3点校正する。測定を5回行い、5回の平均値を吸水紙抽出液のpHとする。
吸水紙の厚さは特に限定されず、用途に応じた適切な厚さであってよい。吸水紙の坪量は、例えば、14~600g/mである。吸水紙は、一層抄造された吸水紙であっても、多層抄造された吸水紙であってもよい。また、吸水紙は、複数の吸水紙を重ねる、又は、貼り合せて得られる多層構造の吸水紙であってもよい。
吸水紙は、例えば、オムツ、ペットシーツ、揮散紙(芳香シート、防虫剤シート)、油取り紙、衛生用品(トイレットペーパー、ティッシュ、生理用品など)、汚物処理剤、ペット用品、介護用品、キッチンペーパー、紙ナプキン等として使用できる。
<吸水紙の製造方法>
本発明の実施形態である吸水紙の製造方法は、葉と茎との質量比が葉:茎=3:7~10:0であり、彩度が13.8以上19.2以下である茶殻を含有する含水茶殻と、パルプとを準備すること(以下、「準備工程」という場合がある。);及び、前記含水茶殻と前記パルプとを混合し、混合物を得ること(以下、「混合工程」という場合がある。)、を含む。吸水紙の製造方法は、更に、抄造のために行われる一般的な工程(抄造工程)を含んでよい。抄造工程として、例えば、含水茶殻とパルプとを含有する混合物を濾過すること(濾過工程)、濾過後に圧搾すること(圧搾工程)、圧搾後に乾燥させること(乾燥工程)等が挙げられる。なお、「工程」には、独立した工程だけではなく、他の工程と明確に区別できない場合であっても、当該「工程」において規定される操作が実施される限り、他の工程と明確に区別できない工程も含まれる。
[準備工程]
準備工程では、少なくとも、含水茶殻と、パルプとを準備する。
(含水茶殻)
含水茶殻は、茶殻と水とを含有する。前記実施形態における茶殻に関する説明を吸水紙の製造方法における茶殻に適用することができる。
含水茶殻の含水率(すなわち、含水茶殻中の水の含有量)は、含水茶殻の質量を基準として、65~95質量%であることが好ましく、70~90質量%であることがより好ましく、70~85質量%であることが更に好ましい。茶殻は含水率が95%超になると茶殻と水とが分離するため、吸水紙製造時の茶殻の添加量に影響が及ぶ場合がある。含水茶殻は保水性が良いため、機械脱水では65%未満に含水率を調整することが不可能であり、石油資源などを使用した乾燥を必要とする。
含水茶殻として、原料茶から茶成分を抽出した後に得られる水を含む残渣をそのまま使用することができる。抽出後の水を含む残渣に更に水を加えて含水率を調整してもよい。又は、水を含む残渣を乾燥させ、乾燥茶殻を得て、乾燥茶殻と水とを混合してよく馴染ませて得られる含水茶殻を使用することができる。
抽出の条件は葉の種類に応じて設定することができる。抽出に使用する水は、例えば、水道水、天然水、蒸留水、イオン交換水等である。水の温度は、好ましくは50~100℃、より好ましくは60~95℃、更に好ましくは65~90℃である。抽出時間は、好ましくは1~30分、より好ましくは2~20分、更に好ましくは3~10分である。使用する水の量は、原料茶の質量10gに対し、好ましくは0.1~10L、より好ましくは0.2~8L、更に好ましくは0.3~5Lである。
葉と茎との質量比(乾燥固形分の質量比)は、上述のとおり葉:茎=3:7~10:0である。葉:茎=3:7~10:0である原料茶を抽出した後に得られる残渣を、葉と茎の比率をそのままとして使用してもよい。葉と茎との分離には、木茎選別機を使用することができる。また、残渣を葉と茎とに分離した後、葉:茎=3:7~10:0を満たすように混合した混合物を使用してもよい。
茶殻の彩度は、上述のとおり13.8以上19.2以下である。茶殻の彩度は、抽出前に行われる原料茶への加熱条件が強いほど小さくなる傾向がある。例えば、加熱温度が高い及び/又は加熱時間が長い場合は、茶殻の彩度は小さくなる。一方、加熱温度が低い及び/又は加熱時間が短い場合は、茶殻の彩度は大きくなる。
茶殻の彩度は、茶殻を乾燥させた後に測定することができる。乾燥は、茶殻の彩度への影響を抑え、かつ、十分に乾燥させる条件で行う。乾燥温度は、例えば、70~105℃であることが好ましく、90~105℃であることがより好ましく、90~100℃であることが更に好ましい。乾燥時間は、例えば、3~24時間であることが好ましく、3~12時間であることがより好ましく、3~8時間であることが更に好ましい。
含水茶殻の粒径は、0.3mm以上5mm未満であることが好ましい。含水茶殻の粒径は、より好ましくは0.3mm以上3mm未満であり、更に好ましくは0.3mm以上1mm未満である。粒径が0.3mm以上である場合、パルプと茶殻が絡まず、吸水紙から茶殻が脱離することを防止しやすい傾向がある。粒径が5mm未満である場合、吸水力の十分な向上効果が得られやすい傾向がある。含水茶殻の粒径は、例えば、抽出後に得られる残渣に水を加え、湿式粉砕することによって調整できる。湿式粉砕にはミキサー、ミル、リファイナー、パルパー、臼等を使用できる。含水茶殻の粒径は、ふるい分け法により測定することができる。
パルプとの混合に使用する含水茶殻のpHは、好ましくは6.0以下である。pHは、より好ましくは2.8~6.0であり、更に好ましくは3.0~6.0であり、特に好ましくは3.0~5.5である。pHが2.8以上の場合は、茶殻が溶けて吸水紙製造時に脱離することを防止しやすい傾向がある。pHが7.0以下である場合、茶殻の繊維が解繊していると考えられる。また、pHが7.0以下であることは、茶殻が黒く変色して吸水紙が黒ずむことを防止できるという点においても好ましい。含水茶殻のpHは、pH調整剤を使用して調整してもよい。pH調整剤として、塩酸、硫酸、酢酸等の酸、又は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア等の塩基が挙げられる。また、含水茶殻のpHを、pH調整剤を使用して一旦小さくした後に、更にpH調整剤を使用して大きくすることによって、パルプとの混合に使用する含水茶殻のpHが2.8以上7.0以下の範囲となるように調整してもよい。
吸水力が向上し、かつ、黒ずみがない吸水紙を得る観点から、含水茶殻のpHは、含水茶殻をパルプと混合するまでに、少なくとも所定の時間にわたり6.0以下に保たれることが好ましい。所定の時間は、茶殻が腐敗しない時間とする。所定の時間は、例えば6時間~60日であり、好ましくは12時間~45日であり、より好ましくは24時間~30日である。また、pHは、より好ましくは3.0~6.0であり、更に好ましくは3.0~4.0である。pHの調整には、上記のpH調整剤を使用できる。
(パルプ)
前記実施形態におけるパルプに関する説明を吸水紙の製造方法で使用するパルプに適用することができる。パルプは、水に懸濁させたパルプスラリーの状態で含水茶殻と混合されることが好ましい。パルプスラリーは、パルプに水を加え、市販のミキサー、リファイナー、ミル等を用いて混合することによって調製できる。パルプスラリーの含水率(パルプスラリー中の水の含有量)は、パルプスラリーの質量を基準として、97質量%以上が好ましく、98質量%以上がより好ましく、98.5質量%以上が更に好ましい。
[混合工程]
混合工程では、含水茶殻とパルプとを少なくとも混合し、混合物を調製する。混合物中の茶殻の含有量(乾燥固形分の質量%)は、3質量%以上であってよい。茶殻の含有量は、混合物の質量(ただし水の質量は除く)を基準として、好ましくは3~30質量%であり、より好ましくは3~15質量%であり、更に好ましくは5~15質量%である。茶殻の含有量は、10質量%以上であってもよい。混合物中のパルプの含有量(乾燥固形分の質量%)は、混合物の質量(ただし水の質量は除く)を基準として、好ましくは70~97質量%であり、より好ましくは85~97質量%であり、更に好ましくは85~95質量%である。パルプの含有量は、90質量%以下であってもよい。
[抄造工程]
吸水紙の製造方法は、抄造工程を更に含んでよい。抄造工程として、濾過工程、圧搾工程、乾燥工程等が挙げられる。いずれの工程においても公知の方法を用いることができる。濾過工程では、例えば、混合物を網の上に流し、水を分離し、含水紙を得る。網の目開きは、例えば500μm未満とできる。圧搾工程では、例えば、含水紙をロールとフェルトとに挟み、含水紙から水を絞り出す。乾燥工程では、例えば、脱水後の含水紙を加熱により乾燥させ、水を十分に除去し、吸水紙を得る。加熱の温度は。例えば100~160℃とできる。
本発明の実施形態について実施例により具体的に説明する。本発明の実施形態は以下の実施例に限定されない。
[実施例1]
(含水茶殻の調製)
茶(株式会社伊藤園製)を、木茎選別機(株式会社服部製作所製)を用いて葉と茎とに分離した。表1に示す比率となるように葉と茎とを混合し、フライパンで加熱して、加熱の度合いの異なる原料茶を調製した。原料茶から茶成分を抽出し(原料茶10g/水1L、80℃、5分)、茶と含水率85%の残渣とを得た。残渣に水を加えてミキサー(株式会社グルーセブ ジャパン製「BL310AJP」)で粉砕した。得られた粉砕物を、目開き5mmと1mmの篩を用いて篩い分けし、粒径1mm以上5mm未満の含水茶殻を調製した。各原料茶の彩度を表1に示す。彩度測定用のサンプルは、粉砕物を105℃で5時間にわたり加熱して乾燥させた後、ミキサーで1mm以下に粉砕することによって調製した。彩度は、分光光度計(日本電色工業株式会社製「SE6000」)を用いて測定した。
(パルプスラリーの調製)
N材に水を加えて含水率97%に調整し、ミキサー(株式会社グルーセブ ジャパン製「BL310AJP」)で5分間にわたり湿式粉砕し、パルプスラリーを得た。
(吸水紙の作製(抄造))
パルプスラリー(乾燥固形分の質量9g)に含水茶殻(乾燥固形分の質量1g)を混合し、混合物を得た。混合物を目開き300μmのワイヤー上に流し込み、16cm×11cmの含水紙を調製した。その後、含水紙を105℃にて12時間にわたり加熱し、乾燥させて、絶乾状態の吸水紙(坪量560g/m、茶殻含有量10質量%)を作製した。
(吸水率の測定)
吸水紙を3cm×3cmにカットし、シャーレに水60mLと共に加えて、室温で1分間静置した。その後、目開き1mmのメッシュ上で5分間静置し、吸水した状態の吸水紙の重量(A(g))を測定した。次いで、105℃の乾燥機で5時間にわたり加熱し、乾燥させた後、絶乾状態の吸水紙の重量(B(g))を測定した。乾燥前の吸水紙と乾燥後の吸水紙の重量とから、吸水率を重量法により算出した(吸水率(%)=[(A-B)/A)]×100)。結果を表1に示す。
Figure 2022075184000001
表1に示すとおり、葉と茎との質量比が葉:茎=3:7~10:0である茶殻であって、茶殻の彩度が13.8以上19.2以下である茶殻を含有する吸水紙は、高い吸水力を有していた。
[実施例2]
(含水茶殻の調製)
抽出後含水率80%の緑茶残渣(株式会社伊藤園製、緑茶(葉:茎=8:2))に水を加えて含水率97%に調整し、ミキサー(株式会社グルーセブ ジャパン製「BL310AJP」)で5分間にわたり湿式粉砕した。得られた粉砕物を、目開き5mm、1mm、500μm、及び300μmの篩を用いて篩い分けし、粒径5mm以上;1mm以上5mm未満;500μm以上1mm未満;及び、300μm以上500μm未満;300μm未満の含水茶殻(彩度15.8)を得た。彩度は、実施例1と同様の方法により測定した。
(乾燥茶殻の調製)
抽出後の含水率80%の緑茶残渣(株式会社伊藤園製、緑茶(葉:茎=8:2))を105℃の乾燥機で24時間乾燥させ、絶乾状態にした。その後、ミキサー(岩谷産業株式会社製「Silent MILLSER」)で粉砕した。得られた粉砕物を、目開き5mm、1mm、500μm、及び300μmの篩を用いて篩い分けし、粒径5mm以上;1mm以上5mm未満;500μm以上1mm未満;及び、300μm以上500μm未満;300μm未満の乾燥茶殻を得た。
(パルプスラリーの調製)
実施例1と同様の方法によりパルプスラリーを調製した。
(吸水紙の作製(抄造))
パルプスラリー(乾燥固形分の質量9g)に含水茶殻又は乾燥茶殻(乾燥固形分の質量1g)を混合し、混合物を得た。その後、実施例1と同様の方法により、絶乾状態の吸水紙(坪量560g/m、茶殻含有量10質量%)を作製した。
(吸水率の測定)
実施例1と同様の方法により吸水紙の吸水率を求めた。結果を表2に示す。
Figure 2022075184000002
表2に示すとおり、含水茶殻を用いた製造方法により製造された吸水紙は、高い吸水力を有していた。
[実施例3]
(含水茶殻の調製)
実施例2と同様の方法により、含水茶殻を調製した。
(パルプスラリーの調製)
(1)L材パルプ
N材をL材に変えた以外は実施例1と同様の方法により、パルプスラリーを調製した。
(2)N材パルプ
実施例1と同様の方法によりパルプスラリーを調製した。
(3)混合パルプ
N材を混合パルプ(古紙パルプ:N材パルプ=7:3(質量比))に変えた以外は実施例1と同様の方法により、パルプスラリーを調製した。
(吸水紙の作製(抄造))
L材パルプスラリー、N材パルプスラリー、又は古紙パルプスラリー(乾燥固形分の質量10g)に、各粒径の含水茶殻を表3に示す含有量となるように混合し、混合物を得た。その後、実施例1と同様の方法により、絶乾状態の吸水紙(坪量560g/m、茶殻含有量10質量%)を作製した。
(吸水率の測定)
実施例1と同様の方法により吸水紙の吸水率を求めた。求めた吸水率を用い、茶殻含有量が0%である吸水紙の吸水率に対する、各茶殻含有量である吸水紙の吸水率の比率(百分率)を算出した。結果を表3に示す。
Figure 2022075184000003
[実施例4]
(含水茶殻の調製)
抽出後の含水率が80%の緑茶残渣(株式会社伊藤園製、緑茶(葉:茎=5:5))に水を加えて含水率97%に調整し、ミキサー(株式会社グルーセブ ジャパン製「BL310AJP」)で5分間にわたり湿式粉砕した。得られた粉砕物を、篩を用いて篩い分けし、粒径1mm以上5mm未満の含水茶殻(彩度18.2)を得た。彩度は、実施例1と同様の方法により測定した。含水茶殻の25℃におけるpHは、6.5であった。pHは、上述の方法に従い測定した。
次いで、含水茶殻にpH調整剤を添加して混合し、表4に示す各pHを示す含水茶殻を得た。pH調製前及びpH調整後の含水茶殻を1日にわたり静置した。pH調整剤としては塩酸及び水酸化ナトリウム水溶液を使用した。
(パルプスラリーの調製)
実施例1と同様の方法によりパルプスラリーを調製した。
(吸水紙の作製(抄造))
パルプスラリー(乾燥固形分の質量9g)にpH調整した含水茶殻(乾燥固形分の質量1g)を混合して、実施例1と同様の方法により、絶乾状態の吸水紙(坪量560g/m、茶殻含有量10質量%)を作製した。各吸水紙について、上述の方法に従い吸水紙抽出液のpHを測定した。結果を表4に示す。
(吸水率の測定)
実施例1と同様の方法により吸水紙の吸水率を求めた。結果を表4に示す。
Figure 2022075184000004

Claims (7)

  1. 茶殻とパルプ繊維とを含有し、
    前記茶殻における葉と茎との質量比が、葉:茎=3:7~10:0であり、
    前記茶殻の彩度が、13.8以上19.2以下である、
    吸水紙。
  2. 前記茶殻の含有量が、3~30質量%である、請求項1に記載の吸水紙。
  3. 吸水紙抽出液のpHが、9.0未満である、請求項1又は2に記載の吸水紙。
  4. 葉と茎との質量比が葉:茎=3:7~10:0であり、彩度が13.8以上19.2以下である茶殻を含有する含水茶殻と、パルプとを準備すること、及び
    前記含水茶殻と前記パルプとを混合し、混合物を得ること、
    を含む、吸水紙の製造方法。
  5. 前記吸水紙における茶殻の含有量が、3~30質量%である、請求項4に記載の製造方法。
  6. 混合に使用する前記含水茶殻のpHが、6.0以下である、請求項4又は5に記載の製造方法。
  7. 前記含水茶殻の粒径が、0.3mm以上5mm未満である、請求項4~6のいずれかに記載の製造方法。
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