JP2022072592A - 密閉型リチウムイオン二次電池の製造方法 - Google Patents

密閉型リチウムイオン二次電池の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2022072592A
JP2022072592A JP2020182116A JP2020182116A JP2022072592A JP 2022072592 A JP2022072592 A JP 2022072592A JP 2020182116 A JP2020182116 A JP 2020182116A JP 2020182116 A JP2020182116 A JP 2020182116A JP 2022072592 A JP2022072592 A JP 2022072592A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
battery case
electrode body
ion secondary
battery
secondary battery
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2020182116A
Other languages
English (en)
Other versions
JP7334142B2 (ja
Inventor
隆行 北條
Takayuki Hojo
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Prime Planet Energy and Solutions Inc
Original Assignee
Prime Planet Energy and Solutions Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Prime Planet Energy and Solutions Inc filed Critical Prime Planet Energy and Solutions Inc
Priority to JP2020182116A priority Critical patent/JP7334142B2/ja
Publication of JP2022072592A publication Critical patent/JP2022072592A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7334142B2 publication Critical patent/JP7334142B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P70/00Climate change mitigation technologies in the production process for final industrial or consumer products
    • Y02P70/50Manufacturing or production processes characterised by the final manufactured product

Landscapes

  • Secondary Cells (AREA)

Abstract

【課題】初回充電等により発生するガスの残留が低減された捲回電極体を備えた密閉型リチウムイオン二次電池を、安定的に供給することができる製造方法を提供すること。【解決手段】ここで開示される密閉型リチウムイオン二次電池の製造方法では、捲回電極体および非水電解液を、電池ケース内に収容する電池の収容工程(S1)、上記電池ケース内を、負圧にした状態で封止する封止工程(S2)、上記封止工程後に、初回充電を行う初回充電工程(S3)、および、上記初回充電工程後に、捲回軸と水平面との間の角度をθとしたとき、θが1°≦θ<45°となるように上記電池ケースを傾けた状態で、該電池ケースに振動を付与することにより、上記捲回電極体中に存在する気泡を脱泡する脱泡工程(S4)を包含する。【選択図】図3

Description

本発明は、密閉型リチウムイオン二次電池の製造方法に関する。詳しくは、捲回電極体と、非水電解液と、電池ケースとを備えた密閉型リチウムイオン二次電池の製造方法に関する。
リチウムイオン二次電池等の非水電解液二次電池は、既存の電池に比べて軽量かつエネルギー密度が高いことから、車両搭載用の高出力電源、或いはパソコンおよび携帯端末の電源として好ましく利用されている。特に、軽量で高エネルギー密度が得られるリチウムイオン二次電池は、電気自動車(EV)、ハイブリッド自動車(HV)、プラグインハイブリッド自動車(PHV)等の車両の駆動用高出力電源として好ましく用いられている。
かかるリチウムイオン二次電池の一形態として、密閉型リチウムイオン二次電池が挙げられる。かかる密閉型リチウムイオン二次電池は、典型的には、長尺なシート状の正極および負極が、セパレータを介して捲回されてなる捲回電極体と、非水電解液とを、電池ケースに収容した後、負圧下等において封口(密閉)することにより構築される。この種の密閉型リチウムイオン二次電池の製造方法としては、例えば下記特許文献1に開示されている製造方法が挙げられる。
特開2013-125650号公報 特開2017-073337号公報 特開2017-084508号公報
ところで、密閉型リチウムイオン二次電池では、初回充電の際に電極体に含まれる微量な水分や電解質成分等の一部が電極表面で分解され、ガスが発生することがある。そして、本発明者の検討によると、捲回電極体は非開口部を有するため、かかるガスが電極体内に残留し易く、初回充電時に負極活物質表面に形成される被膜にムラが生じ易いことが分かった。これにより、例えば活性化後(即ち、初回充電・本充電完了後)の密閉型リチウムイオン二次電池に対して急速充電を行った場合に、抵抗のばらつき等により負極活物質表面に金属リチウムが析出するおそれがあるため、好ましくない。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、その主な目的は、初回充電等により発生するガスの残留が低減された捲回電極体を備えた密閉型リチウムイオン二次電池を、安定的に供給することができる製造方法を提供することである。なお、上記特許文献2には、組電池構築後の電極体のガス抜きについて記載されており、上記特許文献3には、ラミネート封止前の電極体のガス抜きについて記載されているが、これら文献には、初回充電時等において発生するガスを、当該電池の使用開始前に電極体内から排出する技術に関する内容の開示はない。
かかる目的を実現するべく、本発明は、長尺なシート状の正極および負極が、セパレータを介して捲回されてなる捲回電極体と、非水電解液と、密閉可能な電池ケースとを備えた密閉型リチウムイオン二次電池を製造する製造方法を提供する。上記製造方法は、以下の工程:
上記捲回電極体および上記電解液を、上記電池ケース内に収容する工程,ここで、該捲回電極体は、捲回軸が水平方向に沿うようにして収容される;
上記電池ケース内を、負圧にした状態で封止する封止工程;
上記封止工程後に、初回充電を行う初回充電工程;および
上記初回充電工程後に、捲回軸と水平面との間の角度をθとしたとき、θが1°≦θ<45°となるように上記電池ケースを傾けた状態で、該電池ケースに振動を付与することにより、上記捲回電極体中に存在する気泡を脱泡する脱泡工程;
を包含する。
かかる製造方法によると、捲回電極体内に残留しているガスが、脱泡工程において、電極体の捲回軸方向の端部に存在する開口部(即ち、端部積層面)から外部へと効率よく排出される。これにより、電極体内におけるガスの残留を低減することができる。
ここで開示される密閉型リチウムイオン二次電池の製造方法における好ましい一態様では、上記脱泡工程において、上記θ(以下、「傾斜角」ともいう)は15°≦θ≦30°の範囲内である。
傾斜角θを上記範囲内とすることにより、捲回電極体内のガスをより効率よく排出しつつ、安定した電池性能を維持することができる。
ここで開示される密閉型リチウムイオン二次電池の製造方法における好ましい一態様では、上記捲回電極体は扁平形状である。
側面から押しつぶされた扁平形状を有する捲回電極体では、電極体のコーナー部分(いわゆるR部)と直線部分とで面圧が異なるため、初回充電等により発生したガスは面圧の低い直線部に残留し易い傾向にある。したがって、ここで開示される技術を適用する対象として好適である。
一実施形態に係る密閉型リチウムイオン二次電池の外形および内部構成を模式的に示す断面図である。 一実施形態に係る捲回電極体の構成を模式的に示す斜視図である。 一実施形態に係る密閉型リチウムイオン二次電池の製造方法を説明するための大まかなフローチャート(工程図)である。 一実施形態に係る密閉型リチウムイオ二次電池を傾けた態様を模式的に示す図である。
以下、ここで開示される密閉型リチウムイオン二次電池の製造方法に関する好適な一実施形態について、適宜図面を参照しつつ詳細に説明する。本明細書において特に言及している事項以外の事柄であって実施に必要な事柄は、当該分野における従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。本発明は、本明細書に開示されている内容と当該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。
以下の実施形態は、ここで開示される技術を限定することを意図したものではない。また、本明細書にて示す図面では、同じ作用を奏する部材・部位に同じ符号を付して説明している。そして、各図における寸法関係(長さ、幅、厚さ等)は実際の寸法関係を反映するものではない。なお、本明細書において数値範囲をA~B(ここでA,Bは任意の数値)と記載している場合は、一般的な解釈と同様であり、A以上B以下を意味するものである。
本明細書において「リチウムイオン二次電池」とは、非水電解液中のリチウムイオンが電荷の移動を担う二次電池をいう。また、「電極体」とは、正極、負極、および正負極間にセパレータとして機能し得る多孔質絶縁層を含む電池の主体を成す構造体をいう。「正極活物質」または「負極活物質」は、電荷担体となる化学種(リチウムイオン二次電池においてはリチウムイオン)を可逆的に吸蔵および放出可能な化合物をいう。
なお、以下の実施形態では、扁平形状の捲回電極体を例にして説明するが、捲回電極体の形状をかかる形状に限定することを意図したものではない。例えば、円筒状に捲回された捲回電極体等であってもよい。
<密閉型リチウムイオン二次電池の全体構成>
図1に示すように、本実施形態に係る密閉型リチウムイオン二次電池1は、大まかにいって、捲回電極体100と、該捲回電極体および図示しない非水電解液を収容する矩形状角形の電池ケース本体10と、当該電極体を収容するための開口部を塞ぐ蓋体20とを備えている(なお、電池ケース本体10および蓋体20を併せて電池ケース12という)。また、蓋体20には外部接続用の正極端子30および負極端子40が設けられている。さらに、蓋体20には、密閉型リチウムイオン二次電池1の内圧が所定レベル以上に上昇した場合に該内圧を開放するように設定された安全弁24と、非水電解液を電池ケース12内に注入するための注液孔22が設けられている。なお、蓋体20を電池ケース本体10の開口部の周縁に溶接することにより、該電池ケース本体と該蓋体との境界部を接合(密閉)することができる。
図1および図2に示すように、本実施形態に係る捲回電極体100は、長尺状の正極シート(正極)32と、長尺状の負極シート(負極)42と、長尺状のセパレータ50とが積層されて長手方向に捲回され扁平形状に成形された電極体である。
具体的には、本実施形態に係る捲回電極体100は、長尺状の正極集電体33の片面または両面(ここでは両面)に長手方向に沿って正極活物質層34が形成された正極シート32と、長尺状の負極集電体43の片面または両面(ここでは両面)に長手方向に沿って負極活物質層44が形成された負極シート42とを、長尺状のセパレータ(セパレータシート)50を介して重ね合わせて長尺方向に扁平形状に捲回して形成された電極体である。ここで、正負極集電体、セパレータ、正負極活物質層を構成する材料は、従来公知のリチウムイオン二次電池において使用され得るものを特に制限なく使用することができる。なお、ここで開示される技術は、上記材料により特徴づけられるものではないため、これ以上の詳細な説明は省略する。
また、捲回電極体100の捲回軸方向における中央部分には、正極活物質層34と、負極活物質層44と、セパレータ50とが密に積層された捲回電極体コア部分100aが形成されている。図2に示す捲回電極体100には、扁平な平坦部61と、湾曲した曲面を有する上部R部60および下部R部62が存在する。そして、捲回電極体100の捲回軸方向の両端にそれぞれはみ出した正極活物質層非形成部分35および負極合材層非形成部分45には、正極集電板31および負極集電板41がそれぞれ接合され、電池の集電構造を形成するが、かかる構造は従来公知の捲回電極体を備えるリチウムイオン二次電池と同様であり、これ以上の詳細な説明は省略する。
図3に示すように、本実施形態に係る密閉型リチウムイオン二次電池1の製造方法は、次の4つの工程:(ステップS1)電極体の収容工程;(ステップS2)封止工程;(ステップS3)初回充電工程;(ステップS4)脱泡工程を包含する。以下、各工程の好ましい態様について説明する。
<(ステップS1)電極体の収容工程>
まず、電極体の収容工程(ステップS1)について説明する。かかる工程では、捲回電極体100および非水電解液を、電池ケース12内に収容する。ここでは、捲回電極体100は、電池ケース12の底面を水平面としたとき、捲回軸Lが水平方向に沿うようにして収容される。
ここで、電池ケース12を構成する材料としては、ここで開示される技術の効果が発揮される限り特に限定されないが、例えば、アルミニウム、スチール等の金属材料や、ポリオレフィン系樹脂あるいはポリイミド樹脂等の樹脂材料が挙げられる。なかでも、放熱性やエネルギー密度を向上させ得る等の理由から、比較的軽量な金属材料(例えば、アルミニウムやアルミニウム合金)が好ましく用いられ得る。また、電池ケース12の形状(容器の外形)も、ここに開示される技術の効果が発揮される限り特に限定されないが、例えば、六面体形(直方体形、立方体形)、および、それらを加工し変形させた形状等であり得る。
また、使用される非水電解液は、従来公知のリチウムイオン二次電池において使用され得るものを特に制限なく使用することができる。例えば、フッ素元素を有するリチウム塩の好適例として、LiPF、LiBF等が挙げられる。また、非水系溶媒(即ち有機溶媒)の好適例として、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)等の環状カーボネート系溶媒、ジメチルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート(EMC)等の鎖状カーボネート系溶媒、エチルプロピオネート(EP)等のエステル系溶媒が挙げられる。これら非水系溶媒中に0.1~5mol/L程度の濃度でリチウム塩を含有させることにより、リチウムイオン二次電池用の非水電解液を調製することができる。
なお、種々の目的により、ガス発生剤、皮膜形成剤、分散剤、増粘剤等の添加剤を非水電解液に添加してもよい。例えば、ジフルオロリン酸リチウム(LiPO)等のフルオロリン酸塩、リチウムビスオキサレートボレート(LiBOB)等のオキサレート錯体、ビニレンカーボネート等は、電池の性能向上に寄与する好適な添加剤である。また、シクロヘキシルベンゼン、ビフェニル等の過充電防止剤を用いてもよい。
<(ステップS2)封止工程>
次に、封止工程(ステップS2)について説明する。かかる工程では、ステップS1において捲回電極体100および非水電解液が収容された電池ケース12内を、負圧にした状態で封止する。
かかる工程では、まず、封止前の電池ケース12の開口部に真空ポンプ等を接続し、該電池ケース内の気体(典型的には、乾燥空気や不活性ガス)を吸引する等の処理を行うことにより、当該電池ケース内を負圧された状態にする。かかる真空引き処理により、電池ケース12内を、例えば10kPa~60kPa程度に減圧処理する。
そして、上記のとおり電池ケース12内を負圧にした状態で、該電池ケースを封止する。かかる封止は、従来公知の密閉型リチウムイオン二次電池に用いられる方法により実施することができる。例えば、金属製の電池ケースを用いた場合は、レーザー溶接、抵抗溶接、電子ビーム溶接等の手法を用いることができる。また、非金属製(例えば、樹脂材料等)を用いた場合は、接着剤による接着や、超音波溶接等の手法を用いることができる。
なお、本工程は、通常、湿度が非常に低い状態で保持された環境(即ち、ドライ環境)に保たれているクリーンルームやグローブボックス内において行われる。ドライ環境内は、例えば、乾燥空気やアルゴンなどの不活性ガスで充填されている。また、上記では、電池ケース内を減圧する作業と、該電池ケースを封止する作業とを別々に説明したが、これらを一連の操作として行ってもよい。
<(ステップS3)初回充電工程>
次に、初回充電工程(ステップS3)について説明する。かかる工程では、ステップS2において封止された電池に対して、初回充電を行う。初回充電では、電極部材に含まれる微量な水分や非水電解液の一部が電極表面で分解され、ガス(例えば水素(H))が生じるとともに、負極活物質表面にSEI(Solid Electrolyte Interphase)被膜(以下、単に「被膜」ともいう)が形成され得る。かかる被膜により、負極表面と非水電解液との界面が安定化され、非水電解液成分の更なる分解を防止することができる。
かかる初回充電は、例えば、密閉後(即ち、封止工程後)の電池に対して、外部接続用の正極端子30および負極端子40の間に外部電源を接続し、常温(典型的には25℃程度)で充電開始から正負極端子間の電圧が所定値に到達するまで0.1C~10C程度の電流で充電する定電流充電(CC充電)により実施することができる。あるいは、充電開始から正負極端子間の電圧が所定値に到達するまで0.1C~10C程度の定電流で充電し、さらに定電圧で所定時間充電する定電流定電圧充電(CC-CV充電)により実施することもできる。なお、初回充電は1回でもよく、2回以上の充放電操作を繰り返し行ってもよい。初回充電は、例えば後述する実施例に記載の方法等により行うことができる。
<(ステップS4)脱泡工程>
次に、脱泡工程(ステップS4)について説明する。かかる工程では、捲回軸Lと水平面Hとの間の角度θ(即ち、傾斜角)が1°≦θ<45°となるように電池ケース12を傾けた状態(図4を参照)で、該電池ケースに振動を付与することにより、捲回電極体100中に存在する気泡を脱泡する。具体的には、電池ケース12の底面を水平面とすると、該電池ケースの内部に収容されている捲回電極体100の捲回軸Lは、該底面と平行、即ち水平方向に配置されている。このとき、電池ケース12の底面を捲回軸方向と平行とみなし、該電池ケースを傾斜角θだけ傾けるとよい。
以下、特に限定解釈されることを意図したものではないが、例えば電池ケース12を傾けなかった場合(即ち、傾斜角θが0°の場合)は、上部R部60にガスが滞留し易くなる。一方、例えば電池ケース12を大きく傾けた場合(具体的には、傾斜角θを45°以上とした場合)は、捲回電極体100内から非水電解液が流出し易くなる。したがって、傾斜角θが0°あるいは45°以上の場合は、安定した電池性能を維持するという観点から、好ましくないといえる。上記内容を踏まえて、ここで開示される技術では、脱泡工程(ステップS4)において、傾斜角θを1°≦θ<45°の範囲内としている。また、傾斜角θは、好ましくは15°≦θ≦30°の範囲内である。傾斜角θを上記範囲内とすることにより、捲回電極体100内のガスをより効率よく排出しつつ、安定した電池性能を維持することができる。
また、電池ケース12に振動を付与する方法としては、ここで開示される技術の効果が発揮される限り特に限定されないが、例えば、超音波装置を用いて超音波振動を付与する方法等が挙げられる。そして、電池ケース12に付与する振動の振動数(即ち、周波数)としては、電池性能に影響を与えない限り特に限定されないが、例えば電池の固有振動数をFn[Hz]、電池のばね定数をk[N/m]、電池の質量をm[kg]としたときに、式:Fn=(1/2π)×(k/m)1/2により算出される振動数を採用することができる。かかる振動数は、電池のサイズ(具体的には、電池ケース内に収容される捲回電極体のサイズ)等により適宜変更を要するが、例えば通常の角型電池の場合、凡そ1~10kHz(例えば、2~8kHzや3~7kHz)とすることができる。また、振動を付与する時間に関しても同様に、電池性能に影響を与えない限り特に限定されないが、ガスが捲回電極体100から実質的に抜けるまで(具体的には、該捲回電極体中に存在するガスが凡そ90%以上、好ましくは95%以上抜けるまで)行うことが好ましい。かかる振動時間は、電池のサイズ(具体的には、電池ケース内に収容される捲回電極体のサイズ)等により適宜変更を要するが、例えば通常の角型電池の場合、凡そ5~60秒間(例えば10~50秒間、典型的には10~30秒間)とすることができる。振動数および振動時間は、例えば後述する実施例に記載のように2kHz、10秒間等とすることができる。
なお、上記脱泡工程(ステップS4)後に、本充電を行ってもよい。かかる本充電は、例えば、初回充電後の電池に対して、外部接続用の正極端子30および負極端子40との間に外部電源を接続し、常温(典型的には25℃程度)で充電開始から正負極端子間の電圧が所定値に到達するまで0.1C~10C程度の電流で充電する定電流充電(CC充電)により実施することができる。あるいは、充電開始から正負極端子間の電圧が所定値に到達するまで0.1C~10C程度の定電流で充電し、さらに定電圧で所定時間充電する定電流定電圧充電(CC-CV充電)により実施することもできる。ここで、上記「予め定められた電圧」とは、典型的には、上記初回充電工程(ステップS3)における電圧以上であって、電解液が酸化分解されない程度の電圧以下の電圧であり得る。本充電は、例えば後述する実施例に記載の方法等により行うことができる。
以下、本発明に関する実施例について説明するが、ここで開示される技術をかかる実施例に示すものに限定することを意図したものではない。
1.各サンプルの作製
本実施例では、脱泡工程において電池ケースの傾斜角を異ならせた6種類の密閉型リチウムイオン二次電池(サンプル1~6)を準備した。以下、各々のサンプルについて説明する。
<サンプル2の作製>
まず、正極活物質粉末としてのLiNi1/3Co1/3Mn1/3(LNCM)粉末と、導電材としてのアセチレンブラック(AB)と、バインダとしてのポリフッ化ビニリデン(PVdF)とを、これら材料の質量比率が91:6:3となり、かつ、NV値が55質量%となるようにN-メチルピロリドン(NMP)と混合し、正極スラリーを調製した。かかるスラリーを、厚み凡そ15μmの長尺状アルミニウム箔(正極集電体)の両面に塗布して正極合材層を形成し、乾燥後プレスすることでシート状の正極(正極シート)を得た。
次に、負極活物質としての天然黒鉛とバインダとしてのスチレンブタジエンゴム(SBR)と、分散剤としてのカルボキシメチルセルロース(CMC)とを、これら材料の質量比が98:1:1となり、かつ、NV値が50質量%となるようにイオン交換水と混合し、負極スラリーを調製した。かかるスラリーを、厚み凡そ10μmの長尺状銅箔(負極集電体)の両面に塗布して負極合材層を形成し、乾燥後プレスすることでシート状の負極(負極シート)を得た。
上記のとおり作製した正極シートと負極シートとを、2枚のセパレータ(ここでは、多孔質ポリエチレンシート(PE)を用いた)を介して重ね合わせて捲回し、扁平形状に押しつぶすことにより捲回電極体(幅110mm×高さ60mm×奥行10mm)を作製した。かかる電極体を非水電解液(ここでは、エチレンカーボネート(EC)とジメチルカーボネート(DMC)とジメチルカーボネート(EMC)とを3:4:3の体積比で含む混合溶媒に、電解質としてのLiPFを凡そ1mol/Lの濃度で溶解した電解液を用いた)とともに矩形状角形の電池ケース(幅140mm×高さ60mm×奥行15mm、肉厚0.5mm,アルミニウム製)に収容した。
そして、電池ケース内を真空引きして負圧(ここでは、16kPaとした)にした状態で、レーザー溶接により該電池ケースを封止することにより、電池を構築した。
次に、上記のとおり構築した電池を、25℃において、正負極端子間の電圧が3.5Vに到達するまで1Cのレートで10分間CC充電を行った(初回充電工程)。そして、初回充電後の電池を水平面に配置し、該水平面に対して電池ケースを15°傾けた状態(即ち、傾斜角θが15°の状態)で(図4を参照)、超音波装置を用いて2kHzの振動を10秒間付与した。その後、電池を1Cの充電レートで4.1Vまで定電流充電した(本充電)。これにより、サンプル2に係る密閉型リチウムイオン二次電池を作製した。
<サンプル1,3~6>
上記傾斜角θを、表1の該当欄に示すとおりとした以外は、サンプル2と同様な方法により、サンプル1,3~6に係る密閉型リチウムイオン二次電池を作製した。
2.各サンプルの評価
上記のとおり作製した各サンプルについて、金属リチウム析出の評価を行った。具体的には、上記作製したサンプル1~6に係る密閉型リチウムイオン二次電池を、-10℃の環境下において静置した。そして、1Cの充電レートで電圧が4.2VとなるまでCC充電を行い、次いで、1Cの放電レートで電圧が3.0VとなるまでCC放電する充放電操作を1サイクルとし、これを1000サイクル実施した。かかるサイクル充放電後の電池を解体し、捲回電極体において金属リチウムが析出しているか否かを確認した。表1に、金属リチウム析出の有無と、金属リチウムの析出箇所を示した。
Figure 2022072592000002
表1に示すように、初回充電工程後に、傾斜角θを15°程度とした状態で脱泡したサンプル2と、傾斜角θを30°程度とした状態で脱泡したサンプル3とでは、上部R部および下部R部の表面において、金属リチウムの析出が確認されなかった。一方、初回充電工程後に電池ケースを傾けずに脱泡を行ったサンプル1では、上部R部で金属リチウムの析出が確認された。そして、傾斜角θを45°以上とした状態で脱泡を行ったサンプル4~6では、下部R部で金属リチウムの析出が確認された。
以下、特に限定解釈されることを意図したものではないが、傾斜角θを1°≦θ<45°の範囲内(例えば10°~40°、好ましくは15°≦θ≦30°)としたサンプル2および3では、捲回電極体中のガス抜けが良いため、金属リチウムが析出しなかったと考えられ得る。一方、傾斜角θを45°以上と大きく傾けたサンプル4~6では、捲回電極体外に非水電解液が流出し、かつ、流出した非水電解液には未反応分の添加剤が含まれていることにより、元に戻した際に電池ケース底部における添加物成分が多くなると考えられる。これにより、下部R部において被膜が厚く形成されて抵抗が高くなるため、金属リチウムが析出したと考えられ得る。そして、傾斜を設けなかったサンプル1では、上部R部にガスが滞留することにより、正極および負極間の距離が増大したため、上部R部において金属リチウムが析出したと考えられ得る。
このように、ここで開示される技術によると、初回充電等により発生するガスの残留が低減された捲回電極体を備えた密閉型リチウムイオン二次電池を提供することができる。
以上、本発明を詳細に説明したが、上述の説明は例示にすぎない。すなわち、ここで開示される技術には上述した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
1 電池(密閉型リチウムイオン二次電池)
10 電池ケース本体
12 電池ケース
20 蓋体
22 注液孔
24 安全弁
30 正極端子
31 正極集電板
32 正極シート(正極)
33 正極集電体
34 正極活物質層
35 正極活物質層非形成部分
40 負極端子
41 負極集電板
42 負極シート(負極)
43 負極集電体
44 負極活物質層
45 負極活物質層非形成部分
50 セパレータ
60 上部R部
61 平坦部
62 下部R部
100 捲回電極体
100a 捲回電極体コア部分
L 捲回軸
H 水平面
θ 傾斜角

Claims (3)

  1. 長尺なシート状の正極および負極が、セパレータを介して捲回されてなる捲回電極体と、
    非水電解液と、
    密閉可能な電池ケースと、
    を備えた密閉型リチウムイオン二次電池を製造する方法であって、以下の工程:
    前記捲回電極体および前記非水電解液を、前記電池ケース内に収容する工程、ここで、該捲回電極体は、捲回軸が水平方向に沿うようにして収容される;
    前記電池ケース内を、負圧にした状態で封止する封止工程;
    前記封止工程後に、初回充電を行う初回充電工程;および
    前記初回充電工程後に、捲回軸と水平面との間の角度をθとしたとき、θが1°≦θ<45°となるように前記電池ケースを傾けた状態で、該電池ケースに振動を付与することにより、前記捲回電極体中に存在する気泡を脱泡する脱泡工程;
    を包含する、密閉型リチウムイオン二次電池の製造方法。
  2. 前記脱泡工程において、前記θは15°≦θ≦30°の範囲内である、請求項1に記載の密閉型リチウムイオン二次電池の製造方法。
  3. 前記捲回電極体は、扁平形状である、請求項1または2に記載の密閉型リチウムイオン二次電池の製造方法。

JP2020182116A 2020-10-30 2020-10-30 密閉型リチウムイオン二次電池の製造方法 Active JP7334142B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020182116A JP7334142B2 (ja) 2020-10-30 2020-10-30 密閉型リチウムイオン二次電池の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020182116A JP7334142B2 (ja) 2020-10-30 2020-10-30 密閉型リチウムイオン二次電池の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2022072592A true JP2022072592A (ja) 2022-05-17
JP7334142B2 JP7334142B2 (ja) 2023-08-28

Family

ID=81604010

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020182116A Active JP7334142B2 (ja) 2020-10-30 2020-10-30 密閉型リチウムイオン二次電池の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7334142B2 (ja)

Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013125650A (ja) * 2011-12-14 2013-06-24 Toyota Motor Corp 密閉型リチウム二次電池とその製造方法
JP2014027239A (ja) * 2012-07-30 2014-02-06 Sharp Corp 太陽電池モジュール搬送装置
CN105633473A (zh) * 2015-12-31 2016-06-01 天津市捷威动力工业有限公司 一种控制软包钛酸锂锂离子电池保液量一致性的方法
KR20170001147A (ko) * 2015-06-25 2017-01-04 주식회사 엘지화학 이차 전지 제조 방법 및 이차 전지의 젖음 공정 장치
JP2017084508A (ja) * 2015-10-23 2017-05-18 日産自動車株式会社 二次電池の製造方法とその製造装置
JP2018515891A (ja) * 2015-08-20 2018-06-14 エルジー・ケム・リミテッド 振動を利用した電池セル製造用ガストラップ除去装置
JP2019053929A (ja) * 2017-09-15 2019-04-04 株式会社東芝 電池の製造方法 、及び製造装置。
JP2020113369A (ja) * 2019-01-08 2020-07-27 トヨタ自動車株式会社 電池の製造方法

Patent Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013125650A (ja) * 2011-12-14 2013-06-24 Toyota Motor Corp 密閉型リチウム二次電池とその製造方法
JP2014027239A (ja) * 2012-07-30 2014-02-06 Sharp Corp 太陽電池モジュール搬送装置
KR20170001147A (ko) * 2015-06-25 2017-01-04 주식회사 엘지화학 이차 전지 제조 방법 및 이차 전지의 젖음 공정 장치
JP2018515891A (ja) * 2015-08-20 2018-06-14 エルジー・ケム・リミテッド 振動を利用した電池セル製造用ガストラップ除去装置
JP2017084508A (ja) * 2015-10-23 2017-05-18 日産自動車株式会社 二次電池の製造方法とその製造装置
CN105633473A (zh) * 2015-12-31 2016-06-01 天津市捷威动力工业有限公司 一种控制软包钛酸锂锂离子电池保液量一致性的方法
JP2019053929A (ja) * 2017-09-15 2019-04-04 株式会社東芝 電池の製造方法 、及び製造装置。
JP2020113369A (ja) * 2019-01-08 2020-07-27 トヨタ自動車株式会社 電池の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP7334142B2 (ja) 2023-08-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5924552B2 (ja) 非水電解液二次電池とその製造方法
US10096860B2 (en) Method of manufacturing nonaqueous electrolyte secondary battery
EP3048661B1 (en) Nonaqueous electrolyte secondary battery
JP2013125650A (ja) 密閉型リチウム二次電池とその製造方法
JP2010113920A (ja) リチウムイオン二次電池、車両、電池搭載機器及びリチウムイオン二次電池の製造方法
CN106654168B (zh) 非水电解液二次电池及其制造方法、非水电解液二次电池用导电助剂及其制造方法
JP6836727B2 (ja) 非水電解液リチウムイオン二次電池
JP6738865B2 (ja) リチウムイオン二次電池
JP6722388B2 (ja) 非水電解液二次電池
JP7169524B2 (ja) 非水電解質二次電池
JP6441778B2 (ja) リチウムイオン二次電池
JP6722384B2 (ja) リチウムイオン二次電池
JP2020123434A (ja) 非水電解液二次電池の製造方法
JP2022072592A (ja) 密閉型リチウムイオン二次電池の製造方法
JP2011124058A (ja) リチウムイオン二次電池、車両及び電池搭載機器
KR20190012359A (ko) 셀의 재생방법
JP7096981B2 (ja) リチウムイオン二次電池
JP5821665B2 (ja) リチウムイオン二次電池及びその製造方法
JP6895079B2 (ja) 非水電解液二次電池
JP6778396B2 (ja) 非水電解質二次電池
JP2017054736A (ja) リチウムイオン二次電池用電解液、およびリチウムイオン二次電池の製造方法
JP2017050156A (ja) 非水電解液二次電池
JP2021089805A (ja) 非水電解液二次電池の製造方法
JP2021082479A (ja) 非水電解液二次電池
JP2020119867A (ja) リチウム二次電池用非水電解液

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20211104

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20220908

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20220922

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20221115

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20230302

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230426

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20230803

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20230816

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7334142

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150