JP2022071428A - 端末装置、プログラム - Google Patents

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Abstract

Figure 2022071428000001
【課題】着信対象の状況に応じて着信を報知する形態を変更する技術を提供する。
【解決手段】制御部38は、自端末装置16による外部機器20の操作に関する操作履歴情報を生成する。制御部38は、生成した前記操作履歴情報をもとに、自端末装置16のユーザが着信を認識する程度を示す通信容易性指標を算出する。通信部34は、制御部38において算出した通信容易性指標を管理装置に送信し、通信容易性指標に対応した着信報知形態を示す制御情報を管理装置から受信する。制御部38は、通信部34が他の端末装置から送信された通信開始要求を受信した場合に、制御情報にしたがった形態で着信を報知する。
【選択図】図6

Description

本発明は、通信技術に関し、特に着信可能である端末装置、プログラムに関する。
複数の端末装置により構成される通信システムにおいて、複数種類の通信モードがサポートされる場合がある。例えば、第1通信モードでは、呼出信号を受信した端末装置において所定の操作が行われた後に通信が開始され、第2通信モードでは、呼出信号を受信した端末装置において所定の操作が行われない場合であっても通信が開始される。第1通信モードでは、呼出を受けたユーザが所定の操作を行った後に通信が開始されるため、ユーザが知らないうちに通信が開始されることがなく、ユーザは通信の存在を確実に把握できる。一方、第2通信モードでは、所定の操作が行われない場合でも通信が開始されるため、迅速に通信を開始することができる。このように、複数種類の通信モードでは、それぞれ異なる特性やメリットがある。
また、特許文献1では、無線通信機と電話機との通信をネットワーク経由で中継装置が中継するシステムが提案されている。このシステムにおいて、中継装置は、電話機からの着呼に対して、子機の無線通信機から確実な応答指示があったことを条件に応答する。ここで、中継装置は、単独着信の場合に通話モードを実行し、同報着信の場合に無線呼出モードを実行し、無線通信機の発呼の場合にSIP(Session Initiation Protocol)発呼モードを実行する。
特開2011-135290号公報
特許文献1では、中継装置の同報着信用の電話番号に着信があった場合、無線呼出モードに移行し、呼出対象の無線通信機において着信を知らせる音、すなわち着信音を出力させる。着信音を認識した無線通信機のユーザが、それに応答することにより、最先で応答した1台の無線通信機のみを相手装置(発呼した電話通信装置)に接続させることができる。一方、中継装置の単独着信用の電話番号に着信があった場合、通話モードに移行し、無線通信機に着信音を出力させずに通話を開始する。しかしながら、特許文献1では、着信音すなわち着信を報知(通知)する形態を着信対象(通信相手)の状況に応じて変更することは、十分には考慮されていない。例えば、着信対象となるユーザが無線通信機の近くにいる場合と、離れた場所にいる場合とでは、着信を報知する形態を変えることが望ましいが、このようなことは考慮されていない。
本発明はこうした状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、着信対象の状況に応じて着信を報知する形態を変更する技術を提供することである。
上記課題を解決するために、本発明のある態様の端末装置は、自端末装置による操作に関する操作履歴情報を生成する生成部と、生成部において生成した操作履歴情報をもとに、自端末装置のユーザが着信を認識する程度を示す通信容易性指標を算出する算出部と、算出部において算出した通信容易性指標を管理装置に送信し、通信容易性指標に対応した着信報知形態を示す制御情報を管理装置から受信する通信部と、通信部が他の端末装置から送信された通信開始要求を受信した場合に、制御情報にしたがった形態で着信を報知する制御部と、を備える。
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本発明の表現を方法、装置、システム、記録媒体、コンピュータプログラムなどの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
本発明によれば、着信対象の状況に応じて着信を報知する形態を変更できる。
実施例1に係る通信システムの構成を示す図である。 図2(a)-(b)は、通信システムにおける通常発信の概要を示す図である。 図3(a)-(d)は、通信システムにおけるRBT発信の概要を示す図である。 図4(a)-(b)は、端末装置の表示部に表示される画面を示す図である。 端末装置のハードウエア構成および機能ブロックを示す図である。 端末装置の詳細な機能ブロックを示す図である。 端末装置から送信される操作履歴パケットのデータ構造を示す図である。 管理装置のハードウエア構成および機能ブロックを示す図である。 管理装置の詳細な機能ブロックを示す図である。 管理装置の履歴テーブルのデータ構造を示す図である。 端末装置による発信方法取得処理の詳細手順を示すフローチャートである。 図12(a)-(b)は、通信システムにおける発信の概要を示すシーケンス図である。 管理装置による応答変更判定処理の手順を示すフローチャートである。 応答変更判定処理によりINVITE(自動応答)に変更される場合の手順を示すシーケンス図である。 応答変更判定処理によりINVITE(手動応答)に変更される場合の手順を示すシーケンス図である。 実施例2に係る在室係数テーブルのデータ構造を示す図である。 管理装置による応答変更判定処理の手順を示すフローチャートである。 実施例3に係る騒音係数テーブルのデータ構造を示す図である。 管理装置による応答変更判定処理の手順を示すフローチャートである。 実施例5に係る管理装置による応答変更判定処理の手順を示すフローチャートである。 実施例6に係る着信音量テーブルのデータ構造を示す図である。 図22(a)-(b)は、第1端末装置から第2端末装置に発信を行う場合の手順を示すシーケンス図である。 端末装置が着信音量変更指示を受信した場合の処理の手順を示すフローチャートである。 管理装置による処理の手順を示すフローチャートである。 図25(a)-(b)は、実施例7に係る第1端末装置から第2端末装置に発信を行う場合の手順を示すシーケンス図である。 着信設定テーブルのデータ構造を示す図である。 第1端末装置から第2端末装置に発信を行う場合の別の手順を示すシーケンス図である。 端末装置による処理の手順を示すフローチャートである。 管理装置による処理の手順を示すフローチャートである。
(実施例1)
図1は、通信システム100の構成を示す。通信システム100は、ネットワーク10、管理装置12、基地局装置14と総称される第1基地局装置14a、第2基地局装置14b、第3基地局装置14c、端末装置16と総称される第1端末装置16a、・・・、第8端末装置16hを含む。ここで、通信システム100に含まれる基地局装置14の数は「3」に限定されず、端末装置16の数は「8」に限定されず、それらより多くてもよく、それらよりも少なくてもよい。
端末装置16は、IPトランシーバ、PoC(Push-to-Talk over Cellular)トランシーバとも呼ばれ、音声通信を実行する。音声通信はプッシュ・ツー・トーク方式であり、個別呼出、グループ呼出、一斉呼出も可能である。このような音声通信を実行するために、端末装置16は基地局装置14に接続される。ここで、基地局装置14と端末装置16との間における通信方式には、半二重または全二重通信が使用される。
複数の基地局装置14は、ネットワーク10により互いに接続される。ネットワーク10は、例えばIP(Internet Protocol)ネットワークである。ネットワーク10には管理装置12が接続される。管理装置12は、例えばSIP(Session Initiation Protocol)サーバ等により構成され、端末装置16間で通話する際のSIPシーケンス処理を実行する。
このような構成において、端末装置16の使用者(ユーザ)は、端末装置16の通話ボタンを押下することによって、他の端末装置16を使用する他の使用者との音声通話を実行する。通信方式が半二重通信である場合、ある音声通話に係る複数の端末装置16において、いずれかの使用者が通話ボタンを押下し発話している間にわたって、他の使用者は通話ボタンを押しても発話できない。通話を開始する際に通話ボタンを押下した場合の動作には、通常発信、およびRing Back Tone(以下、「RBT」という)発信が含まれる。なお、「RBT発信」がなされる通信モード(RBT発信モード)を「第1通信モード」、「通常発信」がなされる通信モード(通常発信モード)を「第2通信モード」と呼ぶ場合もある。
図2(a)-(b)は、通信システム100における通常発信の概要を示す。ここでは、第1端末装置16aと第2端末装置16bという2つの端末装置16間の通信を前提とするが、3つ以上の端末装置16間の通信であってもよく、1対多のグループ通信であってもよい。第1端末装置16aは第1使用者18aに使用され、第2端末装置16bは第2使用者18bに使用される。また、半二重通信を使用する場合を想定する。
図2(a)において、第1使用者18aが第1端末装置16aの通話ボタンを押し下げている間、第2使用者18bが第2端末装置16bを操作しなくても、第1使用者18aと第2使用者18bとの音声通話が開始される。具体的に説明すると、第1使用者18aが第1端末装置16aの通話ボタンを押し下げている間、第1使用者18aによって発話された音声が音声信号として、第1端末装置16aから第2端末装置16bに発信される。第2端末装置16bは、受信した音声信号を再生し、音声を出力する。図2(b)は、図2(a)に続く処理であり、第2使用者18bが第2端末装置16bの通話ボタンを押し下げている間、第2使用者18bによって発話された音声が音声信号として、第2端末装置16bから第1端末装置16aに発信される。第1端末装置16aは、受信した音声信号を再生し、音声を出力する。このように、第1使用者18aと第2使用者18bとの間で交互に通話ボタンが押し下げられ、通話がなされる。通常発信では、着信側(受信側)の端末装置16において、着信を報知(通知)する音、すなわち着信音は出力されない。このため、通常発信モードは、着信音を用いない通信モードであるといえる。また、着信音が出力されずに、いきなり通話音声が出力されるため、端末装置16のユーザは通話音声により通信(着信)の存在を認識する。このため通常発信では、通話音声を出力することが着信を報知する1つの形態であるともいえる。通常発信モードでは、着信側の端末装置16は着信音を出力せずに、すぐに通話音声を出力するため、通信情報を迅速に通信相手に伝えることが可能である。
図3(a)-(d)は、通信システム100におけるRBT発信の概要を示す。図3(a)-(d)は図2(a)-(b)と同様に示される。第1使用者18aが第1端末装置16aの通話ボタンを押し下げている間、第1端末装置16aは呼び出し音を出力する。第2端末装置16bは、音声通話を開始せず、着信音を出力する。図3(b)は、図3(a)に続く処理であり、着信音を聞いた第2使用者18bが第2端末装置16bの通話ボタンを押下する等の所定の操作を行うと、図3(c)の通話開始への遷移がなされる。第1使用者18aが第1端末装置16aの通話ボタン押下を止める(通話ボタンを離す)と、図3(c)の通話が終了する。通話終了時点から所定時間以内に、第2使用者18bが第2端末装置16bの通話ボタンの押下を持続すると、第2端末装置16bから第1端末装置16aへの折り返し通話(コールバック)が開始される。この状態を図3(d)に示す。なお、RBT発信に対する折り返し通話において通常は、第2端末装置16bの呼び出し音や、第1端末装置16aの着信音は出力されず、すぐに通話状態となる。
図3(c)の通話が終了してから所定時間が経過した以降に、第2使用者18bが第2端末装置16bの通話ボタンを押下すると、折り返し通話ではなく、新規のRBT発信となる。この場合は、第2端末装置16bの呼び出し音と、第1端末装置16aの着信音が出力される。このようにRBT発信では、着信側(受信側)の端末装置16で着信音を出力し、音声通話を開始するために、着信側の端末装置16での所定の操作が必要となる。そのため、RBT発信は、発信相手に確実に情報を伝える必要がある場合に利用される。RBT発信モードは、着信音を用いる通信モードであるといえる。なお、上述の説明では、通話ボタンを押し下げ続ける操作により、RBT発信を実行するとしたが、他の操作によってRBT発信を実行してもよい。例えば、通話ボタンを1回(短時間)押下することにより、RBT発信を実行してもよい。
通常発信とRBT発信の切替は、一般的に、発信側の端末装置16における設定をもとになされる。端末装置16において、「通常発信」が設定された場合、あるいは「発信時に通常発信あるいはRBT発信」が設定され、発信時に「通常発信」が選択された場合、通常発信がなされる。図4(a)-(b)は、端末装置16の表示部36に表示される画面を示す。これは、端末装置16において通常発信、RBT発信に関する設定を行うための画面例である。図4(a)のRBT利用設定画面を用いて、発信時の動作が設定される。「利用しない」を設定した場合、通話ボタンを押下した後、通常発信がなされる。「常時利用」を設定した場合、通話ボタンを押下した後、RBT発信がなされる。「発信時選択」を設定した場合、通話ボタンを押下した後、図4(b)の発信選択画面が表示される。つまり、使用者18は通話を開始する毎に(発呼毎に)、通常発信またはRBT発信を選択する。図4(b)の発信時選択画面において、「RBT発信」を選択した場合、RBT発信がなされる。「通常発信」を選択した場合、通常発信がなされる。
前述のごとく、主な音声通信の方式としては個別呼出、グループ呼出、一斉呼出が可能となっている。個別呼出は、ある端末装置16から特定の端末装置16に向けての呼出となる。グループ呼出は、複数の端末装置16がいくつかのグループに分けて設定されている場合において、ある端末装置16からグループ呼出を行った場合、当該端末装置16と同一グループに設定されている全ての端末装置16に向けての同報呼出となる。一斉呼出は、ある端末装置16から通信システム100に所属する全ての端末装置16に向けての同報呼出となる。グループ呼出、一斉呼出とも通常発信、RBT発信が可能であり、グループ呼出、一斉呼出にてRBT発信を行った場合、対象となる複数の端末装置16で着信音が出力される。その後、着信中のいずれかの端末装置16の通話ボタンが押下されることによりグループ通話、一斉通話が開始される。
IP無線通信システムにおいては、IP無線通信用アプリケーションのインストールがなされたスマートフォン等の携帯電話端末を端末装置16として使用可能である。携帯電話端末は、IP無線通信用アプリケーションをインストールすることにより、他の端末装置16や他のIP無線通信用アプリケーションがインストールされた携帯電話端末とプッシュ・ツー・トーク方式での通話が可能となる。また、近年の電化機器、例えば部屋の照明、テレビ、ステレオ、エアコン、IT製品、パソコン、タブレット端末等は、ネットワーク接続されると、スマートフォン等の携帯電話端末により制御可能となっている。携帯電話端末に制御用のアプリケーションをインストールすることにより、端末装置16から端末装置16とは別の機器である外部機器の操作が可能である。なお、外部機器を外部装置と呼ぶ場合もある。外部機器の操作とは、具体的には部屋の照明の点灯・消灯の切替、テレビ、ステレオのオン・オフの切替およびチャンネル切替、ボリューム調整、エアコンのオン・オフの切替、PC電源のオン・オフ、タブレット端末のオン・オフ等の操作である。また、携帯電話端末は上記の機器の操作履歴を記憶可能である。以後、前述の携帯電話端末による上記の機器の操作履歴を外部機器操作履歴と表記することもある。
端末装置16がRBT利用設定にて「利用しない」、あるいは「発信時選択」に設定され、発信選択画面にて「通常発信」を選択した場合、通常発信が行われる。前述のように、通常発信では受信側の端末装置16にて通話ボタンを操作しなくでも通話が行われる。そのため、受信側において端末装置16を使用している使用者18が離席などにより端末装置16付近にいない場合、あるいは端末装置16をカバンやポケットの中に収納している状態では、受信側の使用者18が通話内容を聞き逃す可能性が高く、発信した情報が無駄になる可能性が高い。一方、RBT発信は前述のように、発信相手に確実に情報を伝える必要がある場合に利用される。しかしながら、RBT発信では受信側での端末装置16の操作が必要となるので、重要度の高い情報を早急に伝えたい発信においては、通話情報の即時性を損なうというデメリットも存在する。
送信側の端末装置16の使用者18は、受信側の端末装置16の受信状態が不明である場合、発信相手に確実に情報を伝える必要があるときにRBT発信を選択する。その際、受信側の端末装置16が通話を直ちに受信できる状態であっても、送信側の使用者18がRBT発信を選択したので、受信側の使用者18にはRBT発信に対する応答のために使用者18を操作する手間が発生する。また、受信側で使用者18の操作が必要となるので、重要度の高い情報を早急に伝えたい場合に通話情報伝達の即時性を損なう問題があった。
使用者18が、通信相手に対して、ある通信モードを用いて通信を開始しようとした場合、通信相手は必ずしも、その通信モードで呼び出す場合に適した状況にあるとは限らない。例えば、使用者18が「通常発信モード」で通信を開始しても、通信相手が端末装置16から離れているなどの場合には、発話した内容が通信相手に認識されないことが起こり得る。したがって、通信相手(着信対象)の状況に応じて複数種類の通信モードを適切に使用することが望まれる。
図5は、端末装置16のハードウエア構成および機能ブロックを示す。端末装置16は、クロック発振器200、CPU(Central Processing Unit)210、ユーザIF(Interface)220、通信IF230、音声IF240、記憶部40を含む。クロック発振器200、CPU210、ユーザIF220、通信IF230、音声IF240、記憶部40は、バス250によって接続される。また、端末装置16の制御対象となる外部機器20が存在する。
クロック発振器200は、例えば、水晶発振器であり、一定の周波数の信号を生成する。CPU210は、端末装置16における処理を実行する。ユーザIF220は、ユーザである使用者18に対するインターフェースである。ユーザIF220は、使用者18からの情報を受けつけたり、使用者18に情報を提示したりする。通信IF230は、ネットワーク10と接続され、基地局装置14と通信する。さらに、基地局装置14経由で管理装置12と通信する。また、通信IF230は、家電機器等の外部機器20との間で無線通信あるいは有線通信を実行する。記憶部40は、情報を記憶する媒体であり、例えば、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)である。
クロック発振器200は計時部32を含み、CPU210は制御部38を含み、ユーザIF220は入力部30、表示部36を含む。なお、図5では省略しているが、IF220はLED等の発光デバイス(発光部)を含んでいてもよい。通信IF230は通信部34、近距離通信部42を含む。記憶部40は、設定テーブル60を含む。音声IF240は通話音声を入出力するためのインターフェースであり、音声入力部44と音声出力部46を含む。音声入力部44は、例えばマイクロフォン(マイク)で構成されており、音声出力部46は、例えばスピーカで構成されている。
図6は、端末装置16の詳細な機能ブロックを示す。端末装置16は、入力部30、計時部32、通信部34、表示部36、制御部38、記憶部40、近距離通信部42、音声入力部44、音声出力部46を含む。記憶部40は、設定テーブル60を含む。入力部30は、端末装置16の使用者18が操作するための各種ボタン、タッチパネル等の入力デバイス、入力デバイスの状態を制御部38に通知するためのインターフェースを含む。また、入力部30は、発信する際に押下される通話ボタンも含む。さらに、入力部30は、外部機器20の操作を行う際に押下される操作ボタンも含む。通話ボタンの押下状態は、入力部30において検出され、制御部38に入力される。表示部36は、端末装置16の設定、通話状態を表示するインターフェースであり、例えばディスプレイである。
通信部34(第1通信部)は、携帯電話システム、業務用無線システム、インターネット接続された無線LAN(Local Area Network)などを利用して、他の端末装置16と通信可能である。近距離通信部42(第2通信部)は、無線LAN、Bluetooth(登録商標)、赤外線通信、NFC(Near Field Communication)等の近距離無線を利用して、外部機器20と通信可能である。外部機器20は、例えば、エアコン、照明、暖房機器、テレビ等の映像機器、オーディオ機器、IT機器、調理家電、生活家電、ドアの鍵、ホームセキュリティ機器などである。これらの外部機器20は、主に建物内に設置されていることを想定するが、屋外に設置されていてもよい。なお、通信部34および近距離通信部42で無線LANを使うことにより、これらは共通化されてもよい。また、近距離通信部42と外部機器20とを有線通信を用いて接続してもよい。1つの端末装置16は、1つ以上の任意の数の外部機器20を制御する。また、通信システム100に含まれる一部の端末装置16は、外部機器20を制御しなくてもよい。つまり、通信システム100において、1つ以上の端末装置16が1つ以上の外部機器20を制御すればよい。
音声入力部44は、音声通話を行うために端末装置16の使用者18の音声を収音する。また、音声入力部44は、端末装置16の周囲の環境の音を収音してもよい。音声出力部46は、通話音声を出力する。さらに音声出力部は、通信モードに応じて、着信音を出力する。
記憶部40内の設定テーブル60には、端末装置16についての各種設定情報が記録される。例えば、RBT利用設定に関する情報(RBT設定情報)が設定テーブル60に記録される。具体的には、RBT利用設定にて、「利用しない」、「常時利用」、「発信時選択」のどれが使用者18に選択されているかを示す情報、例えば、0、1、2の値が記録される。
端末装置16により外部機器20の操作がなされた場合、制御部38は計時部32から現時刻(現在日時)を取得する。制御部38は、計時部32から取得した現時刻と外部機器20の操作履歴をパケット化し、通信部34を通じて管理装置12へ送信する。本実施例では上記パケットを操作履歴パケットと呼ぶ。
図7は、端末装置16から送信される操作履歴パケットのデータ構造を示す。端末IDには、端末装置16を識別する識別子(ID)が記載される。なお、操作履歴パケットに、端末装置16の名称や端末装置16を使用するユーザの情報を記載してもよい。操作日時は、外部機器20を操作した日付と時刻を含み、それぞれ計時部32から取得した日付(年月日)と現時刻が記載される。機器種別には操作を行った外部機器20の種別(エアコン、テレビ、照明等)が記載される。なお、本実施例では、機器種別に外部機器20を所定のカテゴリに分類した場合のカテゴリの名称を記録するものとするが、これに限らず、外部機器20の識別子(外部機器ID)を記録してもよい。例えば、建物内に複数のエアコンが存在する場合、個々のエアコンを識別する識別子を機種種別に記録してもよい。また、機器種別に外部機器20のメーカー名、型番、シリアル番号等を記録してもよい。操作種別(操作情報)には外部機器20に対して行った操作の種別、具体的には外部機器20の電源を入れた場合は「ON」、電源を切った場合は「OFF」が記載される。なお、操作日時の記載例である「2018/6/1 10:19:14」の表記は「2018年6月1日 10時19分14秒」であることを表す。なお、電源の「ON」、「OFF」に限らず、その他の操作内容を操作種別に記録してもよい。例えば、エアコンの温度設定、風量設定、タイマー設定などの情報を操作種別(操作情報)に記録してもよい。
図8は、管理装置12のハードウエア構成および機能ブロックを示す。管理装置12は、クロック発振器400、CPU410、通信IF430、記憶部340を含む。クロック発振器400、CPU410、通信IF430、記憶部340は、バス450によって接続される。
クロック発振器400は、例えば、水晶発振器であり、一定の周波数の信号を生成する。CPU410は、管理装置12における処理を実行する。通信IF430は、ネットワーク10と接続され、基地局装置14と通信する。さらに、通信IF430は、基地局装置14経由で端末装置16と通信する。記憶部340は、情報を記憶する媒体であり、例えば、ハードディスク、SSDである。クロック発振器400は計時部332を含み、CPU410は制御部338を含み、通信IF430は通信部334を含む。記憶部340は、履歴テーブル362を含む。
図9は、管理装置12の詳細な機能ブロックを示す。管理装置12は、計時部332、通信部334、制御部338、記憶部340を含む。記憶部340は、履歴テーブル362を含む。通信部334は、各端末装置16から所定の周期で送信される操作履歴パケットを受信する。通信部334は、受信した操作履歴パケットを制御部338に出力する。
記憶部340には、履歴テーブル362が配置される。履歴テーブル362には、各端末装置16から送信される操作履歴パケットの内容が記録される。図10は、管理装置12の履歴テーブルのデータ構造を示す。履歴テーブル362の各パラメータは、図7の操作履歴パケットの構成例で説明した内容と同じである。各端末装置16のIDは、第1端末装置16aのIDがT1、第2端末装置16bのIDがT2、第3端末装置16cのIDがT3、第4端末装置16dのIDがT4、第5端末装置16eのIDがT5、第6端末装置16fのIDがT6である。
制御部338は、各端末装置16から操作履歴パケットを受信した際、履歴テーブル362に新たなレコード(操作履歴)を追加し、操作履歴パケットの内容を記録(追記)する。つまり、履歴テーブル362には、各端末装置16が所定期間に外部機器20を制御した情報(起動および停止に関する情報)が全て記録される。この所定期間は、例えば3日間であるが、もちろんこれに限定されるわけではなく、これより長い期間であっても短い期間であってもよい。なお、本図では履歴テーブル362の一部の履歴を例示している。また、図7の操作履歴パケットにおいて、操作日時を省略し、履歴テーブル362の操作日時に、管理装置12が操作履歴パケットを受信した日時を記録してもよい。
次に、本実施例の端末装置16の処理の詳細を説明する。入力部30から通話ボタンの押下を検出した際、制御部38は発信方法を取得する。図11は、端末装置16による発信方法取得処理の詳細手順を示すフローチャートである。S100において、制御部38は設定テーブル60からRBT利用設定を取得する。設定テーブル60には、使用者18によって選択されたRBT利用に関するデータ(「利用しない」、「常時利用」、「発信時選択」のいずれかを示すデータ)が記録されているので、そのデータを取得する。その後S110に進む。S110において、RBT利用設定が「利用しない」となっていた場合(S110:Yes)は、S150に進む。RBT利用設定が「利用しない」以外の場合(S110:No)は、S120に進む。S120において、RBT利用設定が「常時利用」となっていた場合(S120:Yes)は、S140に進む。RBT利用設定が「常時利用」以外の場合(S120:No)は、S130に進む。S130に進む場合は、「発信時選択」が選択されている場合である。
S130において、制御部38は図4(b)に示す発信選択画面を表示部36に表示させる。制御部38は、使用者18が選択した「RBT発信」または「通常発信」を示すデータを入力部30を介して取得する。そして制御部38は、発信選択画面で「RBT発信」が選択されたか否かを判定する。発信選択画面で「RBT発信」が選択された場合(S130:Yes)は、S140に進む。発信選択画面で「RBT発信」以外、すなわち本実施例では「通常発信」が選択された場合(S130:No)は、S150に進む。S140において、発信方法を「RBT発信」と判定して処理を終了する。S150において、発信方法を「通常発信」と判定して処理を終了する。発信方法が通常発信と判定された場合、制御部38は発信先端末装置16へ通常発信を行う。発信方法がRBT発信と判定された場合、制御部38は発信先端末装置16へRBT発信を行う。
次に、本実施例で端末装置16と管理装置の間で行われる通信プロトコル(SIP通信)についての処理を説明する。図12(a)-(b)は、通信システム100における発信の概要を示すシーケンス図である。図12(a)は、SIP通信において、第1端末装置16aから第2端末装置16bへの通常発信がなされる場合の手順を示す。第1端末装置16aにおいて通常発信が選択された後(S10)、第1端末装置16aは第2端末装置16b宛てにINVITE(自動応答)を送信する(S12)。送信されたINVITE(自動応答)は管理装置12を経由し、第2端末装置16bに送信される(S14)。第2端末装置16bはINVITE(自動応答)を受信した後、第1端末装置16a宛てにステータスコード200 OKを送信する(S16)。送信されたステータスコード200 OKは管理装置12を経由し、第1端末装置16aに送信される(S18)。第1端末装置16aはステータスコード200 OKを受信した後、ACK(Acknowledge)を送信する(S20)。送信されたACKは管理装置12経由で、第2端末装置16bに送信される(S22)。第1端末装置16aはACKを送信した後、RTPを使って通話データの送信を開始する(S24、S26、S28)。なお、第1端末装置16aおよび第2端末装置16bと管理装置12との間の通信は、基地局装置14を経由して行われるが、説明を簡潔にするため、図12(a)においては基地局装置14を省略している。
図12(b)は、SIP通信において、第1端末装置16aから第2端末装置16bへのRBT発信がなれる場合の手順を示す。第1端末装置16aでRBT発信が選択された後(S50)、第1端末装置16aは第2端末装置16b宛てにINVITE(手動応答)を送信する(S52)。送信されたINVITE(手動応答)は管理装置12を経由し、第2端末装置16bに送信される(S54)。第2端末装置16bはINVITE(手動応答)を受信した後、第1端末装置16a宛てにステータスコード100 Tryingを送信する(S56)。送信されたステータスコード100 Tryingは管理装置12を経由し、第1端末装置16aに送信される(S58)。第2端末装置16bはステータスコード100 Tryingを送信した後、第1端末装置16a宛てにステータスコード180 Ringingを送信する(S60)。送信されたステータスコード180 Ringingは管理装置12を経由し、第1端末装置16aに送信される(S62)。第1端末装置16aは、通話を開始せずに待機する。
その後、第2端末装置16bの通話ボタンが押下された場合(S64)、第2端末装置16bは第1端末装置16a宛てにステータスコード200 OKを送信する(S66)。送信されたステータスコード200 OKは管理装置12を経由し、第1端末装置16aに送信される(S68)。第1端末装置16aはステータスコード200 OKを受信した後、ACKを送信する(S70)。送信されたACKは管理装置12経由で、第2端末装置16bに送信される(S72)。第1端末装置16aはACKを送信した後、RTPを使って通話データの送信を開始する(S74、S76、S78)。つまり、第1端末装置16aは、ステータスコード200 OKを受信してACKを送信した後、通話を開始する。
次に、本実施例の管理装置の処理の詳細を説明する。図12(a)に示すように、発信元の端末装置16で通常発信が選択された場合、管理装置12は通話開始要求として、INVITE(自動応答)を受信する。また図12(b)に示すように、発信元の端末装置16でRBT発信が選択された場合、管理装置12は通話開始要求として、INVITE(手動応答)を受信する。管理装置12の制御部338は、端末装置16から通話開始要求を受信した場合、記憶部340の履歴テーブル362を参照し、端末IDが発信先端末装置16であり、かつ操作日時と現時刻CTの差分Pが所定の期間(例えば2時間)より短い全てのレコードRを取得する。レコードRの操作種別で所定数以上「ON」が存在し、かつ発信元の端末装置16からRBT発信、すなわちINVITE(手動応答)が送信されていた場合は、発信先の端末装置16への送信方法を自動で通常発信、すなわちINVITE(自動応答)へ切り替えて送信する。これは、発信先の端末装置16で外部機器20の操作、すなわち部屋の照明やテレビ、エアコン等を所定の期間内で「ON」に設定した場合、発信先の使用者は現在屋内に存在し、かつ端末装置16とともにその場に留まっている可能性が極めて高く、直ちに通話を開始しても問題がないという知見に基づく処理である。すなわち、外部機器20を「ON」にしたことを示す操作履歴の数は、端末装置16のユーザが通信(着信)を認識する容易さを示す数値であるため、「通信容易性指標」であるともいえる。なお、上記の所定数(通信容易性指標を判定するしきい値)は、例えば「1」とすればよいが、もちろんこれに限定されるものではなく、「2」以上の値であってもよい。
一方、端末装置16から通話開始要求を受信した際、レコードRの操作種別で所定数以上の「ON」が存在せず(レコードRが存在しない場合も含む)、かつ発信元の端末装置16から通常発信、すなわちINVITE(自動応答)が送信されていた場合は、発信先の端末装置16への送信方法を自動でRBT発信、すなわちINVITE(手動応答)へ切り替えて送信する。INVITE(手動応答)およびINVITE(自動応答)は、着信対象となる端末装置16において、着信音を出力するか否かを制御する(着信報知形態を制御する)制御情報(制御信号)であるといえる。また、管理装置12は、通信容易性指標(操作種別が「ON」である操作履歴の個数)に応じて、INVITE(手動応答)またはINVITE(自動応答)を選択し、端末装置16に送信する。このため管理装置12は、通信容易性指標に対応する着信音(着信報知形態)を示す制御情報(制御信号)を出力するといえる。
なお、本実施例の説明において特に断らない限り、上記の差分Pの所定の期間は例として2時間であるとするが、もちろんこの値に限定される訳ではない。これは、発信先の端末装置16で期間内に外部機器20を操作していない、または外部機器20を「ON」にする操作をしていない場合、発信先の使用者は現在屋内に存在しない可能性が高く、直ちに通話を開始すると発信相手が通話内容を聞き逃す可能性が高いという知見に基づく処理である。また、上記のINVITE(手動応答)からINVITE(自動応答)へ変更するか否か、およびINVITE(自動応答)からINVITE(手動応答)へ変更するか否かを判定する処理は、以後「応答変更判定処理」あるいは「通信モード変更判定処理」と呼称する。
図10の例では、発信先端末装置16が第1端末装置16a(T1)であり、現時刻CTが「10:30:00」の場合、操作日時と現時刻CTの差分Pが所定の期間(例えば2時間)より短いレコードRは、操作日時の時刻が「10:25:24」、「10:19:59」、「10:19:32」のレコードであり、そのうち「10:19:59」、「10:19:32」の2つのレコードの操作種別が「ON」となっている。ここで所定数を「1」とすると、「ON」のレコード数は所定数以上である。このため、第1端末装置16aへ発信する場合において、送信側の端末装置16からRBT発信が行われた場合、管理装置12でINVITE(手動応答)を受信した後に、応答変更判定処理によりINVITE(自動応答)へ自動で変更して送信する。INVITE(自動応答)へ自動的に切り替えることにより、INVITE(手動応答)と比べてより迅速に通話を開始することが可能となる。
なお、以下の方法を用いてもよい。制御部338は記憶部340の履歴テーブル362を参照し、端末IDが発信先端末装置16であるレコードの中で操作日時が最新のレコードを抽出する。次に、そのレコードの操作種別が「ON」であり、かつ、操作日時と現在時刻との時間差が所定時間(例えば、1時間)未満であるか否かを判定する。この条件に合致する場合、発信先の使用者は現在屋内に存在し、かつ端末装置16とともにその場に留まっている可能性が高いとみなし、制御部338は発信先端末装置16へINVITE(自動応答)、すなわち通常発信を行う。一方、操作日時と現在時刻との時間差が所定時間以上である場合、制御部338は発信先端末装置16へINVITE(手動応答)、すなわちRBT発信を行う。
また、機器種別毎に最新(直近)の操作履歴を取得し、「ON」である操作種別の数をもとに、通信モードを選択してもよい。具体的には、制御部338は、直近の所定期間における操作種別が「ON」である外部機器20の数が所定数以上である場合に、通常発信を選択し、その数が所定数未満である場合に、RBT発信を選択する。例えば、「テレビ」、「照明」、「エアコン」の3つの外部機器20の操作履歴が記録されており、「テレビ」の最新の操作種別は「ON」、照明の最新の操作種別が「ON」、エアコンの最新の操作種別が「OFF」だとする。この場合、所定数を「2」とすると、「ON」の外部機器20の数が所定数以上であるという条件に合致するため、INVITE(自動応答)、すなわち通常発信が選択される。また例えば、3つの操作種別が全て「OFF」の場合には、「ON」の外部機器20の数が所定数未満となるため、INVITE(手動応答)、すなわちRBT発信が選択される。
図13は、管理装置12による応答変更判定処理の手順を示すフローチャートである。S210において、制御部338は計時部332より現時刻CTを取得する。その後S220に進む。S220において、計時部332は記憶部340の履歴テーブル362から、端末IDが発信先端末装置16であり、かつ操作日時と現時刻CTの差分Pが所定の期間(例えば2時間)より短い全てのレコードRを取得する。レコードRが存在しない場合、その旨を示すNULLが取得される。その後S230に進む。S230において、制御部338はレコードRが存在するか否かを判定する。レコードRが存在する場合(S230:Yes)は、S240に進む。レコードRが存在しない場合(S230:No)は、S260に進む。
S240において、制御部338はS220で取得した全てのレコードRの操作種別を取得し、レコードRの操作種別で「ON」が所定数以上存在するか否かを判定する。レコードRの操作種別の「ON」が所定数未満だった場合、(S240:No)は、S270に進む。レコードRの操作種別の「ON」が所定数以上存在した場合(S240:Yes)は、S250に進む。S250において、制御部338は端末装置16からの発信方法を判定する。発信方法が「INVITE(手動応答)」、すなわちRBT発信の場合(S250:Yes)は、S260に進む。発信方法が「INVITE(手動応答)」、すなわちRBT発信でない場合(S250:No)は、S290に進む。S260において、制御部338は発信方法をINVITE(自動応答)へ変更と判定し、判定結果を返す。その後処理を終了する。
S270において、制御部338は端末装置16からの発信方法を判定する。発信方法が「INVITE(自動応答)」、すなわち通常発信の場合(S270:Yes)は、S280に進む。発信方法が「INVITE(自動応答)」、すなわち通常発信でない場合(S270:No)は、S290に進む。S280において、制御部338は発信方法をINVITE(手動応答)へ変更と判定し、判定結果を返す。その後処理を終了する。S290において、制御部338は変更なしと判定し、判定結果を返す。その後処理を終了する。
図14は、応答変更判定処理によりINVITE(自動応答)に変更される場合の手順を示すシーケンス図である。これは第1端末装置16aから第2端末装置16bへRBT発信を行った際に、応答変更判定処理によりINVITE(自動応答)へ変更と判定された場合のSIPシーケンス図の例となる。つまり、S260が実行された場合のSIPシーケンスの例である。第1端末装置16aはRBT発信、すなわちINVITE(手動応答)を送信する(S998、S1000)。管理装置12は、INVITE(手動応答)を受信した後、応答変更判定処理の実行結果からINVITE(自動応答)へ変更する(S1002)。管理装置12はINVITE(自動応答)を送信する(S1004)。
第2端末装置16bはINVITE(自動応答)を受信した後、第1端末装置16a宛てにステータスコード200 OKを送信する(S1006)。送信されたステータスコード200 OKは管理装置12を経由し、第1端末装置16aに送信される(S1008)。第1端末装置16aはステータスコード200 OKを受信した後、ACK(Acknowledge)を送信する(S1010)。送信されたACKは管理装置12経由で、第2端末装置16bに送信される(S1012)。第1端末装置16aはACKを送信した後、RTPを使って通話データの送信を開始する(S1014、S1016、S1018)。
図15は、応答変更判定処理によりINVITE(手動応答)に変更される場合の手順を示すシーケンス図である。これは第1端末装置16aから第2端末装置16bへ通常発信を行った際に、応答変更判定処理によりINVITE(手動応答)へ変更と判定された場合のSIPシーケンス図の例となる。つまりS280が実行された場合のSIPシーケンスの例である。第1端末装置16aは自動発信、すなわちINVITE(自動応答)を送信する(S1050、S1052)。管理装置12は、INVITE(自動応答)を受信した後、応答変更判定処理の実行結果からINVITE(手動応答)へ変更する(S1054)。管理装置12は、INVITE(手動応答)を送信する(S1056)。
第2端末装置16bはINVITE(手動応答)を受信した後、第1端末装置16a宛てにステータスコード100 Tryingを送信する(S1058)。送信されたステータスコード100 Tryingは管理装置12を経由し、第1端末装置16aに送信される(S1060)。第2端末装置16bはステータスコード100 Tryingを送信した後、第1端末装置16a宛てにステータスコード180 Ringingを送信する(S1062)。送信されたステータスコード180 Ringingは管理装置12を経由し、第1端末装置16aに送信される(S1064)。第1端末装置16aは、通話を開始せずに待機する。
その後、第2端末装置16bの通話ボタンが押下された場合(S1066)、第2端末装置16bは第1端末装置16a宛てにステータスコード200 OKを送信する(S1068)。送信されたステータスコード200 OKは管理装置12を経由し、第1端末装置16aに送信される(S1070)。第1端末装置16aはステータスコード200 OKを受信した後、ACKを送信する(S1072)。送信されたACKは管理装置12経由で、第2端末装置16bに送信される(S1074)。第1端末装置16aはACKを送信した後、RTPを使って通話データの送信を開始する(S1076、S1078、S1080)。
なお、図13に示す応答変更判定処理の一部の処理を省略してもよい。例えば、S240:Noの場合、S270およびS280を実行せずに、S290に遷移してもよい。あるいは、S240:Yesの場合、S250およびS260を実行せずに、S290に遷移してもよい。すなわち管理装置12は、外部機器20に関する操作履歴をもとに、発信元の端末装置16が指定したRBT発信を通常発信に変更する処理、および発信元の端末装置16が指定した通常発信をRBT発信に変更する処理の少なくとも一方の処理を実行すればよい。
本実施例によれば、発信先端末装置16における操作状況に応じて発信元の端末装置16の発信方式を切りかえるので、適切に通信モードを使用することができる。また、発信先端末装置16における操作状況に応じて発信方式を切りかえるので、複数種類の通信モードを適切に選択できる。また、適切に発信方式が切りかえられるので、発信側端末装置16の使用者が発話した情報が発信先端末装置16の使用者に認識されない事態の発生を低減しつつ、発信先端末装置16の使用者に対してより迅速に情報を伝えることができる。また、通信モードごとに、着信側の端末装置において出力される着信音、すなわち着信を報知する形態が異なるため、着信対象(着信側の端末装置やユーザ)の状況に応じて、着信を報知する形態を適切に選択(変更)できる。また、端末装置16の設定がRBT発信になっていても、発信先端末装置16における操作状況から発信方法を自動で通常発信に切りかえるので、発信先端末装置16の受信操作を省き、より迅速に通話を開始できる。また、端末装置16の設定が通常発信になっていても、発信先端末装置16における操作状況の履歴から発信方法を自動でRBT発信に切りかえるので、発信先端末装置16で通話を聞き逃す可能性を低減できる。つまり、発信先端末装置16における操作状況に応じて、発信元の端末装置16における通信モードを選択し、第1通信モード(RBT発信)のもつ確実性と、第2通信モード(通常発信)のもつ即時性とを両立させている。すなわち、複数種類の通信モードを適切に使用することができる。
また、発信先端末装置16が外部機器20の起動および停止を制御したことを示す履歴情報をもとに通信モード変更判定処理を行うので、使用者の状態を高精度に推定することが可能となり、適切な通信モードを選択し、着信を報知する形態を適切に選択できる。また、発信先端末装置16が所定期間内において外部機器20を起動した履歴情報が存在する場合に通常発信を選択するので、発信側端末装置16の使用者が発話した情報が発信先端末装置16の使用者に認識されない事態の発生を低減できる。また、複数の外部機器20が起動された回数が所定数以上である場合に通常発信を選択するので、発信側端末装置16の使用者が発話した情報が発信先端末装置16の使用者に認識されない事態の発生を低減できる。
(実施例2)
次に、実施例2を説明する。実施例2では、発信先端末装置16が操作した機器種別による重み付けを行うことによって、発信方式の切替がなされる。なお、本実施例の端末装置16のブロック図、管理装置12のブロック図、および履歴テーブル362の構成は実施例1と同じである。
管理装置12は履歴テーブル362の機器種別、操作種別から発信先の使用者が室内に存在している可能性を示す値である、在室指標Zの計算を行う。在室指標Zは操作種別が「ON」の機器の在室係数により決定される。在室指標Zは、発信先端末装置16の使用者18が通信を認識する程度を示す通信容易性指標の1つである。つまり、在室指標Zが大きいほど、発信先端末装置16の使用者18が、通信の存在を認識したり、通信内容を把握したりすることが容易な状況であるため、通信容易性が高いといえる。
図16は、在室係数テーブルのデータ構造を示す。在室係数は機器種別毎に個別に設定され、その機器が使用されている場合は使用者が室内に存在している可能性が高いことが予想される機器ほど、在室係数が高く設定される。本テーブルは管理装置12の記憶部340に記憶される。また、管理装置12は、全ての端末装置16に対して同一の在室係数テーブルを使用してもよいし、端末装置16毎に個別に記憶された在室係数テーブルを使用してもよい。また、端末装置16は使用者18に在室係数を入力(指定)させるためのユーザインターフェースを用意し、各端末装置16から管理装置12に対して、各使用者18が入力した在室係数を送信してもよい。管理装置12は、各端末装置16から受信した在室係数を端末IDに対応付けて記憶部340に記憶すればよい。
図17は、管理装置12による応答変更判定処理の手順を示すフローチャートである。S210からS220までは、図13のフローチャートと同じである。S220に続く、S225において、管理装置12の制御部338は、操作種別が「ON」であるレコードを取得して、機器種別毎の在室係数の合計値を在室指標Zとして計算する。図10の例では、発信先端末装置16が第1端末装置16a(T1)であり、現時刻CTが「10:30:00」の場合、操作日時と現時刻CTの差分Pが所定の期間(例えば2時間)より短いレコードRは、操作日時の時刻が「10:25:24」、「10:19:59」、「10:19:32」のレコードであり、そのうち「10:19:59」、「10:19:32」の2つのレコードの操作種別が「ON」となっている。「10:19:59」の機器種別は「テレビ」であり、「10:19:32」の機種種別は「照明」となるため、図16のテーブルを参照すると、「テレビ」の重み係数「7」、照明の重み係数「10」が得られる。これらの情報をもとに以下のように在室指標Zを算出する。

在室指標Z=7(テレビ)+ 10(照明)=17

S235において、管理装置12の制御部338は、在室指標Zが所定の値(しきい値)より大きいか否かを判定する。しきい値より大きい場合(S235:Yes)は、S250に遷移する。在室指標Zがしきい値以下の場合(S235:No)は、S270に遷移する。例えば、しきい値を「15」とすると、上記の例で算出した在室指標Zの「17」はしきい値より大きいため、S250に遷移する。
なお、S225において、最新の履歴(直近の履歴)の操作種別が「ON」である機種種別のデータを用いて、在室指標Zを算出してもよい。発信先端末装置16が第1端末装置16a(T1)である場合、図10の例では、「テレビ」の最新履歴の操作種別が「OFF」であるため、在室指標Zの算出において、「テレビ」の履歴を用いずに、「照明」の履歴のみを用いる。この結果、在室指標Zは、「照明」の重み係数「10」と同じになる。S235における在室指標Zのしきい値を「15」とすると、この場合の在室指標Zは、しきい値以下となるため、S270に遷移する。S250からS290までは、図13のフローチャートと同じである。
なお、図17に示す答変更判定処理の一部の処理を省略してもよい。例えば、S235:Noの場合、S270およびS280を実行せずに、S290に遷移してもよい。あるいは、S235:Yesの場合、S250およびS260を実行せずに、S290に遷移してもよい。すなわち管理装置12は、外部機器20に関する操作履歴をもとに、発信元の端末装置16が指定したRBT発信を通常発信に変更する処理、および発信元の端末装置16が指定した通常発信をRBT発信に変更する処理の少なくとも一方の処理を実行すればよい。
本実施例によれば、外部機器20毎に異なる在室係数を設定し、在室係数の合計値である在室指標を計算するので、より高い精度で発信方式を切りかえることができる。すなわち、発信先端末装置16の使用者が通信を認識する程度を示す通信容易性指標として在室指標を算出し、在室指標をもとに通信モードを選択するため、通信モードを精度よく選択できる。また、着信対象(通信相手)の状況に応じて、着信を報知する形態を高い精度で選択できる。このため、発信側端末装置16の使用者が発話した情報が発信先端末装置16の使用者に認識されない事態の発生を低減しつつ、発信先端末装置16の使用者に対してより迅速に情報を伝えることができる。
(実施例3)
次に、実施例3を説明する。実施例3では、実施例2と同様に、発信先端末装置16が操作した機器種別による重み付けを行うことによって、発信方式の切替がなされる。なお、本実施例の端末装置16のブロック図、管理装置12のブロック図、および履歴テーブル362の構成は実施例1と同じである。
管理装置12は、履歴テーブル362を用いて、発信先の端末装置16が制御した外部機器20による音の大きさ(騒音状態)を示す値である、騒音指標Yを計算する。騒音指標Yは操作種別が「ON」の機器の騒音係数により決定される。つまり、発信先の端末装置16が音の出る外部機器20を「ON」にしている場合、発信先の端末装置16の周囲の音量(騒音)がある程度大きいと予想され、その端末装置16の使用者18が、着信に気づき難い、あるいは、通話の内容を聞き取り難い状態であると推定される。つまり、騒音指標Yが大きいほど、発信先端末装置16の使用者18が、通信の存在を認識したり、通信内容を把握したりすることが困難な状況であるため、通信容易性が低いといえる。一方、騒音指標Yが小さいほど、発信先端末装置16の使用者18が、通信の存在を認識したり、通信内容を把握したりすることが容易な状況であるため、通信容易性(通信容易性指標)が高いといえる。つまり、騒音指標Yは通信容易性指標の1つである。なお、端末装置16の周囲の音量と、騒音指標Yの大きさ(高さ)との関係は任意に設定可能である。例えば、端末装置16の周囲の音量が小さいほど、騒音指標Yが大きくなるように算出してもよい。この場合は、騒音指標Yは、逆に静寂性指標ともいえ、騒音指標Y(静寂性指標)が大きい(高い)ほど、通信容易性(通信容易性指標)が高くなる。
図18は、騒音係数テーブルのデータ構造を示す。騒音係数テーブルは、機器毎の騒音係数(重み係数)を表すテーブルである。騒音係数は、機器種別毎に個別に設定され、その機器が使用されている場合に使用者18の周辺に騒音(通話の邪魔になる音)が発生している可能性を示す値である。図16の在室係数テーブルとは異なって、「テレビ」、「ステレオ」、「ラジオ」の係数が大きくなっていることから分かるように、使用者18の周辺に騒音が発生している可能性が高いことが予想される機器ほど、騒音係数が高く設定される。なお、図18における「炬燵」のように、騒音係数が「0」のデータが存在してもよい。
本テーブルは管理装置12の記憶部340に記憶される。また、管理装置12は、全ての端末装置16に対して同一の騒音係数テーブルを配信してもよいし、端末装置16(端末ID)毎に個別に設定された騒音係数テーブルを配信してもよい。端末装置16は使用者18に騒音係数を入力(指定)させるためのユーザインターフェースを用意し、各端末装置16から管理装置12に対して、各使用者18が入力した騒音係数を送信してもよい。管理装置12は、各端末装置16から受信した騒音係数を端末IDに対応付けて記憶部340に記憶すればよい。
図19は、管理装置12による応答変更判定処理の手順を示すフローチャートである。S310において、制御部338は計時部332より現時刻CTを取得する。その後S320に進む。S320において、制御部338は記憶部340の履歴テーブル362から、端末IDが発信先端末装置16であり、かつ操作日時と現時刻CTの差分Pが所定の期間(例えば2時間)より短い全てのレコードRを取得する。その後S330に進む。S330において、制御部338はレコードRから、最新の操作履歴が「ON」である機器を特定し、特定した機器の騒音係数の合計値を騒音指標Yとして計算する。
図10の例では、送信先端末装置16が第1端末装置16a(T1)であり、現時刻CTが「10:30:00」の場合、操作日時と現時刻CTの差分Pが所定の期間(例えば2時間)より短いレコードRは、操作日時の時刻が「10:25:24」、「10:19:59」、「10:19:32」のレコードとなる。「10:25:24」、「10:19:59」のレコードRの機器種別は両方ともテレビだが、最新のレコードである「10:25:24」の操作種別は「OFF」のため、テレビの最新の操作履歴は「OFF」となる。
一方、「10:19:32」のレコードRの機器種別は照明だが、「10:19:32」が最新の操作履歴であるため、照明の最新の操作履歴は「ON」となる。図18のテーブルを参照すると、「テレビ」の重み係数「10」、照明の重み係数「1」が得られるが、テレビの最新状態は「OFF」であるため、テレビは処理の対象外となる。制御部338は、これらの情報をもとに以下のように騒音指標Yを算出する。

騒音指標Y=1(照明ON)=1
また、発信先端末装置16が第5端末装置16e(T5)であり、現時刻CTが「10:30:00」である場合、操作日時と現時刻CTの差分Pが所定の期間(例えば2時間)より短いレコードRは、操作日時の時刻が「10:18:04」、「10:17:53」、「10:00:00」、「09:30:20」の4つのレコードとなる。「09:30:20」において、ステレオが「ON」になり、「10:00:00」においてテレビが「ON」になり、「10:17:53」においてステレオが「OFF」になり、「10:18:04」においてラジオが「ON」になっている。このうち、ステレオの最新の操作履歴(最新の状態)は「OFF」であるため、処理の対象外となる。残りのテレビとラジオの最新状態が「ON」であるため、これらが処理の対象となり、以下のように騒音指標Yを算出する。

騒音指標Y=10(テレビON)+9(ラジオON)=19

その後S340に進む。
S340において、制御部338は、騒音指標Yが所定の値(しきい値)より大きいか否かを判定する。騒音指標Yがしきい値以下の場合(S340:No)は、S350に遷移する。騒音指標Yがしきい値より大きい場合(S340:Yes)は、S370に遷移する。例えば、しきい値を「15」とすると、上記の例で算出した第1端末装置16aの騒音指標Yの「1」はしきい値より小さいため、S350に遷移し、変更なしと判定される。また、発信先が第5端末装置16eの場合は、算出した騒音指標Yの「19」は、しきい値より大きいため、S370に遷移する。S350において、制御部338は端末装置16からの発信方法を判定する。発信方法が「INVITE(手動応答)」、すなわちRBT発信の場合(S350:Yes)は、S360に進む。発信方法が「INVITE(手動応答)」、すなわちRBT発信でない場合(S350:No)は、S390に進む。S360において、制御部338は発信方法をINVITE(自動応答)へ変更と判定し、判定結果を返す。その後処理を終了する。
S370において、制御部338は端末装置16からの発信方法を判定する。発信方法が「INVITE(自動応答)」、すなわち通常発信の場合(S370:Yes)は、S380に進む。発信方法が「INVITE(自動応答)」、すなわち通常発信でない場合(S370:No)は、S390に進む。S380において、制御部338は発信方法をINVITE(手動応答)へ変更と判定し、判定結果を返す。その後処理を終了する。S390において、制御部338は変更なしと判定し、判定結果を返す。その後処理を終了する。
なお、図19に示す答変更判定処理の一部の処理を省略してもよい。例えば、S340:Noの場合、S350およびS360を実行せずに、S390に遷移してもよい。あるいは、S340:Yesの場合、S370およびS380を実行せずに、S390に遷移してもよい。すなわち管理装置12は、外部機器20に関する操作履歴をもとに、発信元の端末装置16が指定したRBT発信を通常発信に変更する処理、および発信元の端末装置16が指定した通常発信をRBT発信に変更する処理の少なくとも一方の処理を実行すればよい。
なお、上述の説明では、外部機器20の「ON」と「OFF」の制御情報、すなわち、外部機器20を起動および停止する制御情報を用いて騒音指標Yを算出したが、さらに別の情報を用いてもよい。具体的には、まず端末装置16が、外部機器20の音量(ボリューム)を制御した情報を操作履歴パケットに含めて管理装置12に送信する。例えば、機器種別を「テレビ」とし、操作種別を「音量:10」とした操作履歴パケットを送信する。またさらに、音質調整(イコライザーなど)に関する情報を送信してもよい。例えば、機種種別を「ステレオ」とし、操作種別を「Bass:+3」あるいは「64Hz:+6dB」とした操作履歴パケットを送信してもよい。また、エアコン、空気清浄機、送風機、ドライヤー等の風量や運転モードに関する情報など、外部機器から発生される音(騒音)の大きさを推定可能な情報を操作履歴パケットに含めてもよい。このように、操作種別(操作情報)は、「ON」と「OFF」だけでなく、数値を含んだ情報であってもよい。
管理装置12は、発信先の端末装置16が制御した外部機器20の音量および音質に関する制御情報の少なくとも一方を用いて、騒音指標Yを算出する。例えば、テレビが「ON」である場合、テレビの音量を「10」にした場合に比べ、テレビの音量を「20」にした場合の騒音指標Yを、より大きな値(高い値)にする。また、音量が同じ場合であっても、所定の周波数帯域(例えば、低音)が強調されている場合は、騒音指標騒音指標Yを、より大きな値にする。例えば、「ステレオ」の音量が一定の値である場合、「Bass:-3」よりも「Bass:+3」のときの騒音指標Yを大きな値にする。
また、端末装置16が外部機器20の音量・音質を変更しない場合であっても、端末装置16が近距離無線を介して外部機器20から現在設定されている音量・音質の情報を取得し、その情報を操作履歴パケットに含めて送信してもよい。つまり、使用者18が外部機器20本体の操作部や端末装置16とは異なるリモコン装置を操作して外部機器20の設定を変更した場合であっても、端末装置16が外部機器20の現在の設定情報を取得し、それを管理装置12に送信してもよい。例えば、端末装置16が外部機器20の電源を「ON」にした際に、現在の音量設定値(デフォルト値あるいは前回使用された設定値)の外部機器20から取得し、その情報を管理装置12に送信する。すなわち、端末装置16が制御していない音量・音質に関する情報を用いて、騒音指標Yを算出してもよい。
また、端末装置16は操作履歴パケットの中に、音声入力部44で収音した音の情報を含めてもよい。例えば端末装置16は、外部機器20の音量を変更した後の通話を行っていないタイミングで音声入力部44に入力された音響信号のレベル(周囲の騒音レベル)や周波数特性を計測し、それを操作履歴パケットの中に含めて管理装置12に含めてもよい。管理装置12は、操作履歴パケットに含まれる音の情報(音響信号情報)を騒音指標Yに反映してもよい。例えば、上述した騒音係数に基づく値の他に、音響信号に基づく値(例えば、音響信号情報を所定数倍した値)を算出し、両者を重み付け加算した値を騒音指標Yとしてもよい。あるいは、両者を乗算した値を騒音指標Yとしてもよい。すなわち、騒音係数に基づく値が大きいほど、かつ収音された音が大きいほど大きな値となるように騒音指標Yを算出してもよい。
本実施例によれば、外部機器20毎に異なる騒音係数を設定し、騒音係数の合計値である騒音指標を計算するので、より高い精度で発信方式を切りかえることができる。すなわち、発信先端末装置16の使用者が通信を認識する程度を示す通信容易性指標として騒音指標を算出し、騒音指標をもとに通信モードを選択するため、通信モードを精度よく選択できる。すなわち、着信対象の状況に応じて、着信を報知する形態を高い精度で選択できる。このため、発信側端末装置16の使用者が発話した情報が発信先端末装置16の使用者に認識されない事態の発生を低減しつつ、発信先端末装置16の使用者に対してより迅速に情報を伝えることができる。
(実施例4)
次に、実施例4を説明する。実施例4は、実施例2と実施例3との組合せに相当する。なお、本実施例の端末装置16のブロック図、管理装置12のブロック図、および履歴テーブル362の構成は実施例1と同じである。
管理装置12は、実施例2で説明した在室指標Zと、実施例3で説明した騒音指標Yをそれぞれ算出する。在室指標Zは、大きな値であるほど、発信先の端末装置16の使用者18は着信や通話音声を認識し易いといえる。一方、騒音指標Yは、大きな値であるほど、発信先の端末装置16の使用者18は着信や通話音声を認識し難いといえる。そこで、式(1)を用いて、制御部38は総合指標Xを算出する。

X=α×Z-β×Y 式(1)

ここで、α、βはそれぞれ0より大きな所定値(係数)である。α、βの値は同じであってもよいし、異なっていてもよい。式(1)によれば、在室指標Zが大きいほど、総合指標Xが大きな値になる。また、騒音指標Yが小さいほど、総合指標Xが大きな値になる。
つまり、総合指標Xが大きな値であるほど、発信先の端末装置16の使用者18は着信や通話音声を認識し易いといえる。したがって、総合指標Xは、端末装置16の使用者18が着信や通話音声を認識する容易さの程度(難易度)を示す通信容易性指標の1つである。また、在室指標Zも同様に通信容易性指標の1つであるといえる。また、騒音指標Yは、値の大小と使用者18が通信を認識する容易さとの関係は逆であるが、同様に通信容易性指標の1つであるといえる。そのため、総合指標Xは、複数種類の通信容易性指標をもとに算出された総合的な通信容易性指標であるといえる。
管理装置12は、図17のフローチャートと同様な処理を行う。ただし、S225に相当するS225Aにおいて、式(1)に基づいて総合指標Xを算出する。また、S235に相当するS235Aにおいて、総合指標Xが所定の値(しきい値)よりも大きいか否かを判定する。
本実施例によれば、在室指標Zと騒音指標Yとを用いて総合指標Xを算出し、総合指標Xに基づいて通信モードを選択するので、発信先端末装置16の使用者の状態の推定精度を向上できる。また、発信先端末装置16の使用者の状態の推定精度が向上するので、より適切に通信モードを選択することができる。また、着信対象の状況に応じて、着信を報知する形態を高い精度で選択できる。
(実施例5)
次に、実施例5を説明する。実施例1では、図2(a)-(b)、図3(a)-(d)に示すように、通話処理が2つの端末装置16間でのみで行われること(個別通話)を前提として説明したが、本実施例では1つの端末装置16が2つ以上の端末装置16に対して同報配信を行うグループ呼出を想定する。なお、本実施例の端末装置16のブロック図、管理装置12のブロック図、および履歴テーブル362の構成は実施例1と同じである。
本実施例における管理装置12の制御部338は記憶部340の履歴テーブル362から、送信対象グループに所属する全端末装置16のレコードRを取得し、操作種別において所定数(所定数M)以上の「ON」が存在している端末装置16の合計数Tを集計する。管理装置12は端末装置16よりINVITE(手動応答)を受信した場合においても、合計数Tが所定数N(例としてグループに所属する送信対象端末装置16の半数)より大きい場合、すなわちグループに所属している端末装置16の使用者の大半が現在屋内に存在し、かつ端末装置16とともにその場に留まっている可能性が高い場合、グループに所属する全ての端末装置16へINVITE(自動応答)を送信する。これによりグループ内において、INVITE(手動応答)を送信した場合と比較して、より迅速に通話を開始することが可能となり、より迅速に情報を伝えることが可能になる。
なお上記では説明を簡潔にするため、「合計数Tがグループに所属する送信対象端末装置16の半数より大きい」としたが、この条件に限定されるものではない。例えば、「合計数Tが1以上」、「合計数Tがグループに所属する送信対象端末装置16の総数の80%以上」、「合計数Tがグループに所属する送信対象端末装置16の総数と同じ」といった条件を用いてもよい。また、グループ毎に個別の条件を設定してもよい。例えば、グループAでは、「送信対象端末装置16の総数の30%以上」という条件を用い、グループBでは「送信対象端末装置16の総数の80%以上」という条件を用いてもよい。また本実施例では説明のためグループ呼出時の動作としたが、一斉呼出時、すなわち通信システム100の全端末装置16に対してINVITE(手動応答)の送信を行う場合においても本実施例と同様な処理を行ってもよい。
図20は、管理装置12による応答変更判定処理の手順を示すフローチャートである。S410において、制御部338は計時部332より現時刻CTを取得する。その後S420に進む。S420において、制御部338は記憶部340の履歴テーブル362から、発信先グループに所属している全端末装置16について、操作日時と現時刻CTの差分Pが所定の期間(例えば2時間)より短いレコードRを取得する。このときリストLを「NULL(空)」に初期化後、各端末装置16のレコードRを記録する。また、合計数Tの値も「0」に初期化する。その後S430に進む。S430において、制御部338は所定数Nを設定する。所定数Nは本実施例で説明したようにグループに所属する全端末装置16数に対する割合を示す数値でもよく、また定数でもよい。その後S440に進む。
S440において、制御部338はリストLから任意の(未処理の)1つの端末装置16のレコードRを全て取得する。このとき、取得した端末装置16のレコードRの情報はリストLから削除される。その後S450に進む。S450において、制御部338はS440で取得した全てのレコードRの操作種別を取得し、「ON」が所定数M以上存在するか否かを判定する。所定数Mは、例えば「1」にすればよいが、もちろんこれに限定される訳ではなく、「2」以上の値であってもよい。レコードRの操作種別の「ON」が所定数M未満だった場合、(S450:No)は、S470に進む。レコードRの操作種別で「ON」が所定数M以上存在した場合(S450:Yes)は、S460に進む。S460において、制御部338は合計数Tを「1」インクリメントする。その後S470に進む。S470において、制御部338はリストL内に端末装置16のレコードRが存在するか否か、すなわち未処理の端末装置16が存在するか否かを判定する。リストL内に端末装置16のレコードRが存在する場合(S470:Yes)は、S440に戻って処理を繰り返す。リストL内に端末装置16のレコードRが存在しない場合(S470:No)は、S480に進む。
S480において、制御部338は合計数Tと、S430にて設定した所定数Nを比較し、合計数Tが所定数Nより大きいか否かを判定する。合計数Tが所定数N以下である場合(S480:No)は、S510に進む。合計数Tが所定数Nより大きい場合(S480:Yes)は、S490に進む。S490において、制御部338は端末装置16からの発信方法を判定する。発信方法が「INVITE(手動応答)」、すなわちRBT発信の場合(S490:Yes)は、S500に進む。発信方法が「INVITE(手動応答)」、すなわちRBT発信でない場合(S490:No)は、S530に進む。S500において、制御部338は発信方法をINVITE(自動応答)へ変更と判定し、判定結果を返す。その後処理を終了する。
S510において、制御部338は端末装置16からの発信方法を判定する。発信方法が「INVITE(自動応答)」、すなわち通常発信の場合(S510:Yes)は、S520に進む。発信方法が「INVITE(自動応答)」、すなわち通常発信でない場合(S510:No)は、S530に進む。S520において、制御部338は発信方法をINVITE(手動応答)へ変更と判定し、判定結果を返す。その後処理を終了する。S530において、制御部338は変更なしと判定し、判定結果を返す。その後処理を終了する。
なお、図20に示す答変更判定処理の一部の処理を省略してもよい。例えば、S480:Noの場合、S510およびS520を実行せずに、S530に遷移してもよい。あるいは、S480:Yesの場合、S490およびS500を実行せずに、S530に遷移してもよい。すなわち管理装置12は、外部機器20に関する操作履歴をもとに、発信元の端末装置16が指定したRBT発信を通常発信に変更する処理、および発信元の端末装置16が指定した通常発信をRBT発信に変更する処理の少なくとも一方の処理を実行すればよい。
本実施例によれば、複数の発信先端末装置16のうち、所定期間に所定の操作がなされた発信先端末装置16(通信容易性指標が所定の基準を満たす発信先端末装置16)の数がしきい値よりも多い場合、第2通信モード(通常発信)を選択し、それ以外の場合に第1通信モード(RBT発信)を選択するので、グループ通信においても通信モードを適切に選択できる。また、グループ通信においても、着信対象の状況に応じて、着信を報知する形態を適切に選択できる。
(実施例6)
本実施例では、これまでの実施例で説明した通信容易性指標をもとに、端末装置16への発信方式、および端末装置16で出力される着信音量を決定する。なお、本実施例の端末装置16のブロック図は実施例1と同じである。管理装置12は実施例1の構成に加えて、記憶部340に履歴テーブル362の他、着信音量テーブルを記録する。
本実施例では、管理装置12の制御部は端末装置16から通話開始要求を受信した際、実施例4の式(1)を用いて発信先端末装置16の総合指標Xを計算する。本実施例では、通信容易性指標として、実施例4で述べた総合指標Xを用いるが、これに限定される訳ではない。次に管理装置12の制御部338は記憶部340の着信音量テーブルを参照する。図21は、着信音量テーブルのデータ構造を示す。本テーブルには総合指標X毎に、発信先端末装置16にて出力される着信音量(着信音の音量)が記録される。総合指標Xは式(1)で計算される数値であり、着信音量は端末装置16で出力する着信音量の数値である。なお、本図では例として総合指標Xの上限値を100、下限値を0とし、また着信音量の上限値を100、下限値を0としているが、他の上限値、下限値を用いてもよい。本図では総合指標Xが高い場合、すなわち使用者18が着信や通話音声を認識し易い場合、着信音量は小さい数値が設定され、総合指標Xが低い場合、すなわち使用者18が着信や通話音声を認識し難い場合、着信音量は大きい数値が設定される。つまり、通信容易性指標が高いほど、着信音量が小さくなるように設定されている。
図22(a)-(b)は、第1端末装置16aから第2端末装置16bに発信を行う場合の手順を示すシーケンス図である。発信元である第1端末装置16aからの発信方法は通常発信、RBT発信のどちらでもよく、またそれ以外での発信方法でもよい。第1端末装置16aにおいて発信がなされると(図22(a)のS1100と図22(b)のS1150)、第1端末装置16aは、通話開始要求であるINVITEを送信する(図22(a)のS1102と図22(b)のS1152)。管理装置12の制御部338は第1端末装置16aからのINVITEを受信した場合、発信先第2端末装置16bの着信音量決定処理を行う(図22(a)のS1104と図22(b)のS1154)。着信音量決定処理は、具体的には発信先第2端末装置16bの総合指標Xを計算し、着信音量テーブルから第2端末装置16bの着信音量Vを設定する処理となる。
図22(a)に示される通常発信は、管理装置12の制御部338にて発信先第2端末装置16bの発信方法決定処理が実行された際、総合指標Xが80以上、すなわち使用者18が着信や通話音声を認識し易いと判定された場合のシーケンス図となる。総合指標Xが80以上の場合、図21に示す着信音量テーブルから、着信音量決定処理により発信先第2端末装置16bの着信音量Vは「0」が設定される。管理装置12の制御部338は、着信音量Vが「0」の場合、送信先第2端末装置16bへの発信方法を「通常発信」に設定する。管理装置12の制御部338は発信方法が「通常発信」に設定された場合、第2端末装置16bへINVITE(自動応答)を送信する(S1106)。S1108からS1120のシーケンスは、図12(a)のS16からS28と同じである。
図22(b)に示されるRBT発信は、管理装置12の制御部338にて発信先第2端末装置16bの発信方法決定処理が実行された際、総合指標Xが80未満、すなわち使用者18が着信や通話音声を認識し易いとはいえない、あるいは着信や通話音声を認識し難いと判定された場合のシーケンス図となる。総合指標Xが80未満の場合、図21に示す着信音量テーブルから、着信音量決定処理により着信音量Vは総合指標Xに応じた値が設定される。具体的には総合指標Xが60以上80未満の場合は「25」、総合指標Xが40以上60未満の場合は「50」、総合指標Xが20以上40未満の場合は「75」、総合指標Xが0以上20未満の場合は「100」が設定される。管理装置12の制御部338は、着信音量Vが「0」以外の場合、送信先第2端末装置16bへの発信方法を「RBT発信」に設定する。管理装置12の制御部338は発信方法が「RBT発信」に設定された場合、第2端末装置16bへ着信音量変更指示を送信する(S1156)。着信音量変更指示は、具体的には第2端末装置16bの着信音量を、着信音量Vで設定された音量へ変更させる指示となる。着信音量変更指示は、通信容易性指標に対応した着信音(着信報知形態)を示す制御情報(制御信号)であるといえる。
第2端末装置16bの制御部38は、管理装置12から着信音量変更指示を受信した場合、第2端末装置16bの着信音量を着信音量変更指示で指定された着信音量Vへ変更する(S1158)。第2端末装置16bの制御部38は着信音量の変更終了後、管理装置12へ着信音量変更応答を送信する(S1160)。管理装置12の制御部338は、第2端末装置16bから着信音量変更応答を受信した後、第2端末装置16bへINVITE(手動応答)を送信する(S1162)。S1164からS1186のシーケンスは、図12(b)のS56からS78と同じである。
図23は、端末装置16が着信音量変更指示を受信した場合の処理の手順を示すフローチャートである。S600において、制御部38は着信音量変更指示を受信したか否かを判定する。着信音量変更指示を受信した場合(S600:Yes)は、S610に進む。着信音量変更指示を受信していない場合(S600:No)は、S600に戻り処理を繰り返す。S610において、制御部38は端末装置16の着信音量を着信音量変更指示で指定された着信音量Vへ変更する。具体的には、制御部38は受信した音量変更指示の情報(着信音量Vに関する情報)を記憶部40に記憶する。その後S620に進む。S620において、制御部38は管理装置12へ着信音量変更応答を送信する。その後S600に戻り処理を繰り返す。
図24は、管理装置12による処理の手順を示すフローチャートである。これは、管理装置12の着信音量決定処理から発信処理までの手順に相当する。S710において、制御部338は計時部332より現時刻CTを取得する。その後S720に進む。S720において、制御部338は記憶部340の履歴テーブル362から、端末IDが発信先端末装置16であり、かつ操作日時と現時刻CTの差分Pが所定の期間(例えば2時間)より短い全てのレコードRを取得する。その後S730に進む。S730において、制御部338は在室指標Z、騒音指標Yおよび式(1)から総合指標Xを計算する。その後S740に進む。
S740において、制御部338は記憶部340の着信音量テーブルを参照し、総合指標Xに対応する着信音量Vを設定する。その後S750に進む。S750において、制御部338は着信音量Vが0であるか否かを判定する。着信音量Vが0である場合(S750:Yes)は、S790に進む。着信音量Vが0でない場合(S750:No)は、S760に進む。S760において、制御部338は発信先端末装置16へ着信音量変更指示を送信する。その後S770に進む。
S760において、制御部338は発信先端末装置16から着信音量変更応答を受信したか否かを判定する。着信音量変更応答を受信していない場合(S760:No)は、S770に戻って処理を繰り返す。着信音量変更応答を受信した場合(S760:Yes)は、S780に進む。S780において、管理装置12の制御部338は発信先端末装置16へINVITE(手動応答)を送信する。その後処理を終了する。S790において、管理装置12の制御部338は発信先端末装置16へINVITE(自動応答)を送信する。その後処理を終了する。
S780が実行された場合、発信先端末装置16は、INVITE(手動応答)を受信した際に、記憶部40から着信音量Vに関する情報を読み出し、それにしたがって、音声出力部から着信音を出力する。つまり、管理装置12から指定された着信音量Vで着信音を出力する。
本実施例では管理装置12から端末装置16へ着信音量の変更を通知する際に着信音量変更通知を送信し、端末装置16から管理装置12へ着信音量変更応答を送信するシーケンスを説明したが、端末装置16の着信音量を変更する手順は他のシーケンスを用いてもよい。例えば、管理装置12の制御部338は着信音量Vが0でない場合、着信音量変更通知を送信せずに、INVITE(手動応答)内のパラメータに着信音量Vを設定して送信してもよい。端末装置16の制御部38は管理装置12からINVITE(手動応答)を受信した際に、INVITE(手動応答)内のパラメータに着信音量Vが設定されているか否かを判定し、着信音量Vが設定されていた場合は、それにしたがって端末装置16の着信音量を設定し、音声出力部46から着信音を出力すればよい。
上記の場合、管理装置12の制御部338は図24のフローチャートにおいて、(S750:No)の後にS780に相当するS780Aに遷移し、S780Aにて発信先端末装置16へ送信するINVITE(手動応答)のパラメータに着信音量Vを設定して処理を終了してもよい。また端末装置16の制御部38は図20のフローチャートの処理を省略してもよい。
また、本実施例では、実施例4で説明した通信容易性指標である総合指標Xにより着信音量Vを決定したが、実施例2で説明した在室指標Z、あるいは実施例3で説明した騒音指標Yにより着信音量Vを決定してもよい。在室指標Zにて着信音量Vを決定する場合、管理装置12の記憶部340に記録される着信音量テーブルは在室指標Zが高い程着信音量は小さい数値が設定され、在室指標Zが低い程着信音量は大きい数値が設定される。また、騒音指標Yにて着信音量Vを決定する場合、管理装置12の記憶部340に記録される着信音量テーブルは騒音指標Yが低い程着信音量は小さい数値が設定され、騒音指標Yが高い程着信音量は大きい数値が設定される。
また、本実施例では、通信容易性指標をもとに着信音量Vを決定したが、これに限定されるものではない。例えば、通信容易性指標をもとに、着信時に端末装置16から出力(発生)される振動(バイブレーション)の大きさ(程度)を決定してもよい。例えば、通信容易性指標が高いほど、振動の大きさ(振幅)を小さくし、通信容易性指標が低いほど、振動の大きさを大きくしてもよい。あるいは、通信容易性指標に応じて、振動の周波数、振動する時間、振動パターンなどを変えてもよい。特に端末装置16においてマナーモード等が設定されている場合、着信音が出力されず、振動が出力されるため、端末装置16のユーザは、振動を感知することにより、通信(着信)の存在を認識する。このため、着信時に端末装置16が発生する振動は、着信を報知する形態の1つである。
また、通信容易性指標をもとに、着信側の端末装置16から出力される通話音量を決定してもよい。例えば、通信容易性指標が高いほど、通話音量を小さく設定し、通信容易性指標が低いほど、通話音量を大きく設定してもよい。通常発信においては、着信音が出力されず、通話音声の出力により、端末装置16のユーザは通信(着信)の存在を認識する。このため、通話音声の出力は、着信を報知する形態の1つである。
また、着信した際に端末装置16は、表示部36に着信メッセージを表示したり、発光部(不図示)を発光させてもよい。つまり、聴覚的な着信通知に限らず、視覚的な着信通知を行ってもよい。そして、通信容易性指標に応じて、視覚的な着信通知を変化させてもよい。例えば、通信容易性指標が相対的に高い場合に、表示部に表示するメッセージのフォントを小さくし、通信容易性指標が相対的に低い場合に、表示部に表示するメッセージのフォントを大きくしてもよい。また、着信時に表示部36を点滅させるとともに、通信容易性指標が高いほど、点滅における明暗差(コントラスト)を小さくし、通信容易性指標が低いほど、点滅における明暗差を大きくしてもよい。また、着信時に発光部を発光あるいは点滅させるとともに、通信容易性指標が高いほど、発光量を小さくし、通信容易性指標が低いほど、発光量を大きくしてもよい。すなわち、表示の変化および発光の変化は、着信を報知する形態の1つである。また、視覚的な通知(報知)と聴覚的な通知(報知)を両方用いてもよい。また、通信容易性指標に応じて、報知に用いる手段(報知手段)の数を変えてもよい。例えば、通信容易性指標が高い場合には、振動のみを用いて報知し、通信容易性指標が中程度である場合には、振動と発光を組み合わせて報知し、通信容易性指標が低い場合には、振動と発光と呼出音を組み合わせて報知してもよい。管理装置12の制御部338は、端末装置16が着信報知で使用すべき手段(着信音、振動、発光、表示など)を示す情報を着信音量変更指示や他の制御情報に含めてもよい。すなわち、管理装置12の制御部338は、通信容易性指標が低いほど、報知手段の数が多くなるように制御してもよい。
本実施例によれば、総合指標Xの値により発信先端末装置16への発信方法および発信先端末装置16での着信音量を決定するので、自動で適切な通信モードを決定することが可能となり、使用者18へ迅速に情報を伝えることができる。また、端末装置16の着信音量や通話音量を適切な音量に変更することにより、通話情報が使用者18に認識されない事態の発生を低減できる。さらに、着信音量を必要以上に大きくすることを防止できるため、端末装置16の周囲に存在する人(第三者)に着信音による迷惑(不快感やストレス)を与えることを抑制できる。すなわち、着信対象の状況に応じて、着信を報知する適切な形態を高い精度で選択できる。また、管理装置12で通信モードを自動で決定することにより、発信元端末装置16において通信モードを設定、選択する手間を省くことができる。
(実施例7)
実施例7では、これまでの実施例で説明した通信容易性指標をもとに、端末装置16の着信音量、および着信音を出力する時間(着信時間)を決定する。つまり、通信容易性指標をもとに、端末装置16において着信を報知する形態(着信報知形態)を決定する。以下の説明では、通信容易性指標として、実施例4で説明した総合指標Xを用いるが、これに限定される訳ではない。本実施例の端末装置16は、携帯電話端末であり、スマートフォンなどの移動型通話装置である。本実施例の端末装置16のブロック図は図6と同じである。また、管理装置12は実施例1の構成に加えて、記憶部340に履歴テーブル362の他、着信設定テーブルを記録する。
端末装置16は通話を受信した際、使用者(ユーザ)18へ通話の着信を知らせるために着信音を出力する。着信音出力中に端末装置16の通話ボタンを押すことにより、発信元の使用者18との通話が開始される。また、所定回数あるいは所定時間着信音を出力しても通話ボタンが押されない場合、タイムアウトにより着信音の出力を終了する、あるいは自動的に録音モード(留守番電話の録音)に移行する、あるいは留守番電話サービス等に切り替わる動作が一般的である。
図25(a)-(b)は、第1端末装置16aから第2端末装置16bに発信を行う場合の手順を示すシーケンス図である。図25(a)は、呼び出し(着信)が使用者18に認識されて通話が成立する場合のシーケンス図である。S1198からS1210は、図12(b)のS50からS62と同一である。第2端末装置16bでは着信音が2回出力された(S1212、S1214)後に、第2端末装置16bの使用者18が通話ボタンを押下して(S1216)、通話が開始される。S1218からS1230は、図12(b)のS66からS78と同一である。
図25(b)は、呼び出し(着信)がユーザに使用者18に認識されず、通話が成立しない場合のシーケンス図である。S1250からS1262は、図12(b)のS50からS62と同一である。第2端末装置16bでは着信音が複数回出力された(S1264からS1272)後、通話ボタンが押下されないため、呼び出しはタイムアウトと判定される(S1274)。第2端末装置16bはBYEを送信し(S1276)、管理装置12はBYEを転送する(S1278)。第1端末装置16aはACKを送信し(S1280)、管理装置12はACKを転送する(S1282)。
本実施例では、管理装置12の制御部338は、発信元の端末装置16から通話開始要求を受信した際、実施例4の式(1)を用いて発信先の端末装置16の総合指標Xを計算する。次に管理装置12の制御部338は記憶部の着信設定テーブルを参照する。図26は、着信設定テーブルのデータ構造を示す。本テーブルには総合指標X毎に、発信先の端末装置16にて出力される着信音量、および着信回数が記録される。総合指標Xは式(1)で計算される数値である。着信音量は端末装置16で出力する着信音の音量を示す数値が記録される。着信回数には端末装置16が着信音を出力する回数の上限値を示す数値が記録される。着信音の出力回数が、この上限値に達すると、タイムアウトと判定され、呼び出しが終了となる、あるいは留守番電話の録音が開始される。なお、本図では例として総合指標Xの上限値を100、下限値を0とし、また着信音量の上限値を100、下限値を20とし、着信回数の上限値を25、下限値を5としているが、他の上限値、下限値を用いてもよい。本図では総合指標Xが高い場合、すなわち使用者18が着信や通話音声を認識し易い場合、着信音量は小さく、また着信回数も小さい数値が記録される。総合指標Xが低い場合、すなわち使用者18が着信や通話音声を認識し難い場合、着信音量は大きく、また着信回数も大きい数値が記録される。つまり、通信容易性指標が高いほど、着信音量は小さく設定され、着信回数は少なく設定される。また、通信容易性指標が低いほど、着信音量は大きく設定され、着信回数は多く設定される。
図27は、第1端末装置16aから第2端末装置16bに発信を行い、管理装置12が着信設定決定処理を行う場合の手順を示すシーケンス図である。これは、第1端末装置16aから第2端末装置16bへ発信を行い、管理装置12が着信設定決定処理を行い、第2端末装置16bにて呼び出しタイムアウトになった場合のシーケンスの例となる。第1端末装置16aにおいて発信がなされると(S1298)、第1端末装置16aは、通話開始要求であるINVITEを送信する(S1300)。管理装置12の制御部338は第1端末装置16aからのINVITEを受信した場合、発信先の第2端末装置16bの着信設定決定処理を行う(S1302)。
着信設定決定処理は、具体的には発信先の第2端末装置16bの総合指標Xを計算し、着信設定テーブルから第2端末装置16bの着信音量V、および着信回数Cの組合せである着信設定VCを決定する処理である。例えば、着信設定VCは、総合指標Xが80以上の場合、着信音量Vは「20」、着信回数Cは「5」となり、総合指標Xが60以上80未満の場合、着信音量はV「40」、着信回数Cは「10」となり、総合指標Xが40以上60未満の場合、着信音量Vは「60」、着信回数Cは「15」となり、総合指標Xが20以上40未満の場合、着信音量Vは「80」、着信回数Cは「20」となり、総合指標Xが0以上20未満の場合、着信音量Vは「100」、着信回数Cは「25」となる。すなわち、着信設定決定処理は、第2端末装置16bにおける着信を報知する形態を決定する処理であり、「着信報知形態決定処理」とも呼ばれる。
管理装置12の制御部338は着信設定決定処理を実行後、第2端末装置16bへ着信設定変更指示を送信する(S1304)。着信設定変更指示は、具体的には第2端末装置16bの着信音量および着信回数を、それぞれ着信音量V、着信回数Cで設定された数値へ変更させる指示となる。第2端末装置16bの制御部38は、管理装置12から着信設定変更指示を受信した場合、記憶部40に着信設定変更指示の内容を記録する(S1306)。第2端末装置16bの制御部38は着信設定変更指示の内容を記録した後、管理装置12へ着信設定変更応答を送信する(S1308)。管理装置12の制御部338は、第2端末装置16bから着信設定変更応答を受信した後、第2端末装置16bへINVITE(手動応答)を送信する(S1310)。第2端末装置16bの制御部38は、INVITE(手動応答)を受信後、記憶部40に記録された着信設定変更指示にしたがい、着信音量を着信音量Vに変更し(S1312)、着信回数を着信回数Cへ変更する(S1314)。着信設定変更指示は、通信容易性指標に対応した着信音(着信報知形態)を示す制御情報(制御信号)であるといえる。
第2端末装置16bは、第1端末装置16a宛てにステータスコード100 Tryingを送信する(S1316)。送信されたステータスコード100 Tryingは管理装置12を経由し、第1端末装置16aに送信される(S1318)。第2端末装置16bはステータスコード100 Tryingを送信した後、第1端末装置16a宛てにステータスコード180 Ringingを送信する(S1320)。送信されたステータスコード180 Ringingは管理装置12を経由し、第1端末装置16aに送信される(S1322)。
第2端末装置16bの制御部38は音声出力部46を制御して、着信回数Cで設定された回数を上限に着信音を出力させ(S1324~S1330)、その間に第2端末装置16bの使用者18が通話ボタンを押下する等の所定の操作を行わなければタイムアウトと判定し(S1332)、着信音の出力を停止する。第2端末装置16bはBYEを送信し(S1334)、管理装置12はBYEを転送する(S1336)。第1端末装置16aはACKを送信し(S1338)、管理装置12はACKを転送する(S1340)。
図28は、端末装置16による処理の手順を示すフローチャートである。これは、端末装置16の制御部38が通信部34を介して、管理装置12から着信設定変更指示を受信し、着信を報知する処理(呼び出し処理)を行う際の手順に相当する。S900において、制御部38は着信設定変更指示を受信したか否かを判定する。着信設定変更指示を受信した場合(S900:Yes)は、S910に進む。着信設定変更指示を受信していない場合(S900:No)は、S900に戻り処理を繰り返す。S910において、制御部38は通信部34を経由して受信した着信設定変更指示を記憶部40に記録する。その後S920に進む。S920において、制御部38は通信部34を介して管理装置12へ着信設定変更応答を送信する。その後S930に進む。
S930にて、制御部38は管理装置12からINVITE(手動応答)を受信したか否かを判定する。INVITE(手動応答)を受信した場合(S930:Yes)は、S940に進む。INVITE(手動応答)を受信していない場合(S930:No)は、S930に戻り処理を繰り返す。S940にて、制御部38は記憶部40の着信設定変更指示を読み出して、着信音量を着信音量Vに変更し、着信回数を着信回数Cへ変更した後、音声出力部46に着信音を出力させる。制御部38は着信回数Cの期間に使用者18が所定の操作を行って通話が開始されれば着信音の出力を停止させる。一方、その期間に使用者18が所定の操作を行わなければタイムアウトと判定し、着信音の出力を停止させる。その後S900に戻り処理を繰り返す。
図29は、管理装置12による処理の手順を示すフローチャートである。これは、管理装置12の着信設定決定処理から発信処理までの手順に相当する。S810において、制御部338は計時部332より現時刻CTを取得する。その後S820に進む。S820において、制御部338は記憶部340の履歴テーブル362から、端末IDが発信先の端末装置16であり、かつ操作日時と現時刻CTの差分Pが所定の期間(例えば2時間)より短い全てのレコードRを取得する。その後S830に進む。S830において、制御部338は在室指標Z、騒音指標Yおよび式(1)から総合指標Xを計算する。その後S840に進む。S840において、制御部338は記憶部340の着信設定テーブルを参照し、総合指標Xに対応する着信設定VCを決定する。その後S850に進む。
S850において、制御部338は通信部334を介して発信先の端末装置16へ着信設定変更指示を送信する。その後S860に進む。S860において、制御部338は通信部334を介して発信先の端末装置16から着信設定変更応答を受信したか否かを判定する。着信音量変更応答を受信していない場合(S860:No)は、S860に戻って処理を繰り返す。着信音量変更応答を受信した場合(S860:Yes)は、S870に進む。S870において、管理装置12の制御部338は通信部334を介して発信先の端末装置16へINVITE(手動応答)を送信する。その後処理を終了する。
なお、本実施例では管理装置12から端末装置16へ着信音量の変更を通知する際に着信設定変更通知を送信し、端末装置16から管理装置12へ着信設定変更応答を送信するシーケンスを説明したが、端末装置16の着信音量、および着信回数を変更する手順は他のシーケンスを用いてもよい。例えば、管理装置12の制御部338は、着信設定変更通知を送信せずに、INVITE(手動応答)内のパラメータに着信音量Vおよび着信回数Cを設定して送信してもよい。端末装置16の制御部38は管理装置12からINVITE(手動応答)を受信した際に、INVITE(手動応答)内のパラメータに着信音量Vおよび着信回数Cが設定されているか否かを判定し、着信音量Vおよび着信回数Cが設定されていた場合は端末装置16の着信音量を着信音量Vへ、また着信回数を着信回数Cに変更する。
上記の場合、管理装置12の制御部338は図29のフローチャートにおいて、S840を実行した後にS850に遷移せずに、S870に相当するS870Aに遷移し、S870AにおいてINVITE(手動応答)のパラメータの中に着信音量Vおよび着信回数Cを設定し、発信先の端末装置16へ送信してもよい。すなわち、通信開始要求の中に着信報知形態を示す制御情報を含めてもよい。また、端末装置16の制御部38は図23のフローチャートの処理を省略してもよい。
また、本実施例では発信先の端末装置16で出力される着信音の回数を着信回数(着信音出力回数)Cにより設定したが、着信音を出力してからタイムアウトするまでの時間である着信時間(着信音出力時間)Tを設定してもよい。この場合、図26の着信設定テーブルには総合指標毎に着信時間が記録される。総合指標Xが高い場合、すなわち使用者18が着信や通話音声を認識し易い場合、着信時間も小さい数値が記録され、総合指標Xが低い場合、すなわち使用者18が着信や通話音声を認識し難い場合、着信時間も大きい(長い)数値が記録される。管理装置12の制御部338は着信設定テーブルから着信音量V、および着信時間Tを決定し、着信設定VTとして発信先の端末装置16へ着信音量変更指示を送信する。
発信先の端末装置16は着信音量変更指示を受信した後、着信設定VTから着信時間Tを取得する。端末装置16の制御部38は、着信時間Tからタイムアウトまでに出力される着信音の回数を決定する。例えば、着信音を3秒間隔で出力する端末装置16においては、着信時間Tが15秒だった場合、着信音を5回出力してタイムアウトとなる。また、着信音を5秒間隔で出力する端末装置16においては、着信時間Tが15秒だった場合、着信音を3回出力してタイムアウトとなる。これにより、管理装置12の制御部338は端末装置16毎に着信音を出力する間隔が異なっている場合においても、タイムアウトになるまでの時間を統一して設定することができる。着信音を出力する回数である着信回数Cと、着信音を出力する時間である着信時間Tはともに、着信音の出力期間を規定する情報(パラメータ)である。
また、本実施例では発信先の端末装置16にて呼び出し処理がタイムアウトした場合、発信先の端末装置16が発信元の端末装置16へBYEを送信して呼び出し処理を終了したが、他のシーケンスにより呼び出し処理を終了してもよい。例えば、発信先の端末装置16は発信元の端末装置16へ180Ringingを送信する際、呼び出し処理がタイムアウトするまでの時間T2を設定する。発信元の端末装置16は180Ringingを受信後、時間T2を取得し、180Ringingを受信してから時間T2が経過しても発信先の端末装置16から200OKが送信されない場合、発信先の端末装置16へCancelを送信すればよい。
また、本実施例では、実施例4で説明した通信容易性指標である総合指標Xにより着信音量Vおよび着信回数Cを決定したが、実施例2で説明した在室指標Z、あるいは実施例3で説明した騒音指標Yにより着信音量Vおよび着信回数Cを決定してもよい。在室指標Zを用いて着信音量Vおよび着信回数Cを決定する場合、管理装置12の記憶部340に記録される着信設定テーブルにおいて、在室指標Zが高い程、着信音量は小さな値に設定され、着信回数は小さな値に設定される。また在室指標Zが低い程、着信音量は大きな値に設定され、着信回数は大きな値に設定される。また、騒音指標Yを用いて着信音量Vを決定する場合、管理装置12の記憶部340に記録される着信音量テーブルにおいて、騒音指標Yが低い程、着信音量は小さな値に設定され、着信回数は小さな値に設定される。また、騒音指標Yが高い程、着信音量は大きな値に設定され、着信回数は大きな値に設定される。
本実施例によれば、総合指標Xの値により発信先の端末装置16の着信音量および着信回数を決定するので、通話情報が使用者18に認識されない事態の発生を低減できる。また、総合指標Xの値により発信先の端末装置16の着信音量および着信回数を決定するので、必要以上に大きな音量で着信音を出力したり、必要以上に長時間着信音を出力したりすることを防止できる。また、必要以上に大きな音量で着信音を出力したり、必要以上に長時間着信音を出力したりすることが防止されるので、発信先の端末装置16の周囲に存在する人(第三者)に与える影響(不快感やストレスなど)を低減できる。すなわち、着信対象の状況に応じて、着信を報知する形態を適切に選択できる。なお、本実施例では、通信容易性指標に応じて、着信音量と着信回数(着信音の出力回数)の両方を設定したが、いずれか一方のみを設定してもよい。また、通信容易性指標に応じて、着信時間(着信音の出力時間)のみを設定してもよい。すなわち、通信容易性指標に応じて、着音量、着信回数、着信時間のうちの少なくとも1つを設定すればよい。
(実施例8)
実施例8では、実施例7で説明した通信容易性指標を管理装置12の制御部338ではなく、端末装置16の制御部38で算出する。ここでは、これまでとの差異を中心に説明する。
端末装置16により外部機器20の操作がなされた場合、制御部38は計時部32から現時刻(現在日時)を取得する。制御部38は、計時部32から取得した現時刻と外部機器20の操作履歴とを対応付ける。これは、自端末装置16による外部機器20の操作に関する操作履歴情報の生成に相当する。操作履歴は、外部機器20の起動および停止を制御する操作の履歴を示す。また、制御部38は、操作履歴情報を記憶部40の履歴テーブル(図示せず)に記憶させる。履歴テーブルは、これまでの履歴テーブル362と同様のデータ構造を有していてもよいが、端末IDが省略されてもよいし、自端末装置16の端末IDが記憶されてもよい。また、端末装置16の記憶部40には、図16に示す在室係数テーブルと図18に示す騒音係数テーブルが記録される。
端末装置16の制御部38は記憶部40の履歴テーブル362、在室係数テーブル、騒音係数テーブルから所定の周期(例えば1分)で、自端末装置16の通信容易性指標を算出する。これは、生成した操作履歴情報をもとに、自端末装置16の使用者18が着信を認識する程度を示す通信容易性指標を算出することに相当する。例えば、制御部38は、実施例4と同様に式(1)にしたがって、総合指標Xを通信容易性指標として算出すればよい。通信容易性指標は、総合指標Xに限定される訳ではなく、これまでの実施例で説明した種々の通信容易性指標を用いてもよい。端末装置16は、所定の周期(時間間隔)で端末IDと通信容易性指標とを管理装置12へ送信する。
管理装置12の制御部338は端末装置16から受信した通信容易性指標を、端末IDと関連付けて記憶部340に記憶する。例えば、ある端末装置16から新たな通信容易性指標を受信した場合、その端末装置16の古い通信容易性指標を削除し、端末ID毎に最新の通信容易性指標を記憶してもよい。あるいは、受信日時と端末IDと通信容易性指標とを関連付けて記憶し、古い通信容易性指標を削除せずに所定の期間において受信した通信容易性指標を全て記憶してもよい。管理装置12の制御部338は、発信元端末装置16からの通話開始要求であるINVITEを受信した場合、記憶部340から発信先端末装置16の通信容易性指標を読み出す。制御部338は、図26に示す着信設定テーブルを参照して、通信容易性指標(ここでは総合指標X)をもとに着信設定VCを決定し、発信先端末装置16へ着信設定変更指示を送信する。
端末装置16の通信部34は、着信設定変更指示を管理装置12から受信する。着信設定変更指示は、通信容易性指標に対応した着信音(着信報知形態)を示す制御情報(制御信号)に相当し、着信音の音量に関する第1情報と、着信音の出力期間に関する第2情報とを含む。制御部38は、実施例7と同様の処理を行う。つまり、制御部38は、通信容易性指標に含まれた第1情報にしたがって音量を設定するとともに、第2情報にしたがって出力期間を設定する。これに続いて、制御部38は、通信部34が他の端末装置16から通信開始要求を受信した場合に、管理装置12から受信した着信設定変更指示にしたがって着信音を音声出力部48(出力部)に出力させる。すなわち、端末装置16は、通信開始要求を受信する前に受信した着信設定変更指示(着信報知形態を示す制御情報)にしたがって着信音を出力する。なお、上述したように、着信の報知の形態は、着信音の出力に限らず、表示部36の表示の変化であっても、発光部(不図示)の発光でもよい。つまり、制御部38は、音声出力部48、表示部36、発光部等の出力部を制御して、着信報知形態を示す制御情報にしたがって出力部に着信を報知させる。また、実施例7で述べたように、端末装置16は、着信報知形態を示す制御情報が含まれた通信開始要求を受信してもよい。この場合は、通信開始要求と同時に制御情報を受信しているといえる。すなわち、端末装置16は、通信開始要求より前あるいは同時(所定期間)に管理装置12から受信した制御情報にしたがって、着信報知形態を変更する。なお、着信設定テーブルを記憶部40に記憶し、制御部38が着信設定テーブルを参照し、通信容易性指標をもとに着信設定VCを決定してもよい。この場合、管理装置12は着設定変更指示の送信を省略できる。
本実施例によれば、外部機器の操作に関する操作履歴情報をもとに算出した通信容易性指標に応じて着信音を出力するので、着信対象の状況に応じて、着信を報知する形態を適切に選択できる。また、通信容易性指標を所定の時間間隔で管理装置に送信し、所定期間内に管理装置から受信した着信設定変更指示にしたがって着信音を出力するので、着信対象の状況の変化に柔軟に対応して、着信を報知する形態を適切に選択できる。また、外部機器の起動および停止を制御する操作の履歴を示す操作履歴情報を使用するので、着信に対応できる状況であるか否か、すなわち着信対象の状況を精度よく、かつユーザに余計な負担をかけずに推定できる。また、着信設定変更指示にしたがって着信音の音量と、着信音の出力期間とを変更するので、状況に応じて着信音の音量と着信音の出力期間とを変更できる。
以上、本発明を実施例をもとに説明した。この実施例は例示であり、それらの各構成要素あるいは各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
実施例1から8では、端末装置16の使用者18が端末装置16の外部機器20に対して操作を行った情報をもとに、通信容易性指標を算出したが、これに限定されるものではない。例えば、端末装置16の使用者18が端末装置16本体(自端末装置)に対して行った操作情報をもとに、通信容易性指標を算出してもよい。例えば、端末装置16に格納されているアプリケーション(アプリ)を起動した情報、アプリケーションを終了した情報、文字を入力した情報、画面のスクロールした情報、ボタンを押した情報などを操作履歴に格納し、その操作履歴をもとに、通信容易性指標を算出してもよい。端末装置16は、自端末装置のアプリ等を操作対象にして行われた操作履歴を図7に示す操作履歴パケットと同様なデータ形式で、管理装置12に送信してもよい。例えば、機器種別の代わりにアプリの識別情報やアプリの種別を記録し、操作種別として「端末電源ON」、「端末電源OFF」、「アプリ起動」、「アプリ終了」、「文字入力」、「スクロール」等の種々の操作情報を記録すればよい。管理装置12は、このような操作履歴をもとに通信容易性指標を算出してもよい。また、端末装置16が、自端末装置に対して行われた操作履歴をもとに、通信容易性指標を算出し、それを管理装置12に送信してもよい。
端末装置16に対する操作が頻繁に行われている場合、つまり発信が行われた時点より前の所定時間以内に操作が行われている場合、端末装置16の使用者18は端末装置16の近くにいる可能性が高いため、相対的に高い値になるように通信容易性指標を算出する。一方、端末装置16に対する操作が長時間行われていない場合、つまり発信が行われた時点より前の所定時間以内に操作が行われていない場合、端末装置16の使用者18は端末装置16の近くにいない可能性が高いため、相対的に低い値となるように通信容易性指標を算出する。例えば、直近の所定期間における操作回数(文字入力数など)を算出し、操作回数が所定以上の場合には、通信容易性指標を相対的に高く算出し、操作回数が所定数未満の場合には、通信容易性指標を相対的に低く算出すればよい。また、操作回数が多いほど通信容易性指標を高く算出してもよい。また、端末装置16において直近で操作が行われていない時間(未操作時間)を算出し、未操作時間が短いほど通信容易性指標を高く算出し、未操作時間が長いほど通信容易性指標を低く算出してもよい。
また、アプリの起動、アプリの終了、文字入力、スクロール、スクリーンロック設定、スクリーンロック解除、本体電源ON、本体電源OFF等の操作の種別に応じて異なる重みを付けて通信容易性指標を算出してもよい。また、スクリーンロック解除や本体電源ONを外部機器の電源ONと同様に扱い、スクリーンロック設定や本体電源OFFを外部機器の電源OFFと同様に扱ってもよい。また、音楽再生アプリやビデオ再生アプリ等の音を出力するアプリを使用中であるか否かに応じて通信容易性指標を算出してもよい。すなわち、操作対象の機器は外部機器であっても、端末装置(自端末装置)であってもよく、着信対象(通信相手)となる端末装置によって行われた操作の履歴をもとに、通信容易性指標を算出すればよい。
そして各実施例で説明したのと同様に、このように算出した通信容易性指標をもとに、着信報知形態(通常発信とRBT発信の切り替え、着信音量、着信回数、着信時間など)の制御を行ってもよい。本変形例によれば、外部機器を制御しない端末装置においても、着信対象の状況に応じて、着信を報知する形態を適切に選択できる。すなわち、幅広い通信システムに本発明を適用することができる。
実施例1から実施例8の任意の組合せも有効である。本変形例によれば、実施例1から実施例8の任意の組合せによる効果を得ることができる。
10 ネットワーク、 12 管理装置、 14 基地局装置、 16 端末装置、 18 使用者、 20 外部機器、 30 入力部、 32 計時部、 34 通信部、 36 表示部、 38 制御部、 40 記憶部、 42 近距離通信部、 44 音声入力部、 46 音声出力部、 60 設定テーブル、 100 通信システム、 200 クロック発振器、 210 CPU、 220 ユーザIF、 230 通信IF、 240 音声IF、 250 バス、 332 計時部、 334 通信部、 338 制御部、 340 記憶部、 362 履歴テーブル、 400 クロック発振器、 410 CPU、 430 通信IF、 450 バス。

Claims (5)

  1. 自端末装置による操作に関する操作履歴情報を生成する生成部と、
    前記生成部において生成した前記操作履歴情報をもとに、自端末装置のユーザが着信を認識する程度を示す通信容易性指標を算出する算出部と、
    前記算出部において算出した前記通信容易性指標を管理装置に送信し、前記通信容易性指標に対応した着信報知形態を示す制御情報を前記管理装置から受信する通信部と、
    前記通信部が他の端末装置から送信された通信開始要求を受信した場合に、前記制御情報にしたがった形態で着信を報知する制御部と、
    を備える端末装置。
  2. 前記通信部は、前記通信容易性指標を所定の時間間隔で前記管理装置に送信し、
    前記制御部は、前記通信開始要求より前あるいは同時に前記管理装置から受信した前記制御情報にしたがって着信音を出力することを特徴とする請求項1に記載の端末装置。
  3. 前記操作履歴情報は、外部機器の起動および停止を制御する操作の履歴を示すことを特徴とする請求項1または2に記載の端末装置。
  4. 前記通信部が受信する前記制御情報には、着信音の音量に関する第1情報と、着信音の出力期間に関する第2情報とが含まれ、
    前記制御部は、前記通信部において受信した前記制御情報に含まれた前記第1情報にしたがって音量を設定するとともに、前記第2情報にしたがって出力期間を設定する請求項1から3のいずれかに記載の端末装置。
  5. コンピュータに、
    自端末装置による操作に関する操作履歴情報を生成するステップと、
    生成した前記操作履歴情報をもとに、自端末装置のユーザが着信を認識する程度を示す通信容易性指標を算出するステップと、
    算出した前記通信容易性指標を管理装置に送信し、前記通信容易性指標に対応した着信報知形態を示す制御情報を前記管理装置から受信するステップと、
    他の端末装置から送信された通信開始要求を受信した場合に、前記制御情報にしたがった形態で着信を報知するステップと、
    を実行させるプログラム。
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