JP2022071372A - レーザ加工システム及び制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】TCP設定を簡易に行うことができるレーザ加工システム及び制御方法を提供すること。【解決手段】レーザ加工システムは、ワークに対してレーザ光を走査可能なスキャナと、前記スキャナを前記ワークに対して移動させる移動装置と、前記スキャナを制御するスキャナ制御装置と、を備え、前記スキャナ制御装置は、前記移動装置により前記スキャナを停止した状態で、前記スキャナにおけるレーザ光の走査によって、前記レーザ光による所定の経路を前記ワーク上に照射するように前記スキャナを制御する照射制御部と、前記照射制御部により前記所定の経路を前記ワーク上に照射することによって得られる軌跡と、前記ワーク上の前記所定の経路とを一致させる工具中心点(TCP)変数を求めるTCP設定部と、を有する。【選択図】図1

Description

本発明は、レーザ加工システム及び制御方法に関する。
従来より、ワークにレーザ光を離れた位置から照射して、溶接を行うレーザ加工システムが提案されている。レーザ加工システムは、ロボットのアーム先端にレーザ光を照射するスキャナを有する。レーザ加工システムのロボット各軸は、他の産業用ロボットと同様、予め制御装置に記憶されたプログラムに従って駆動される。このため、作業現場では、実機とワークを使ってプログラムを作成する教示作業が行われる(例えば、特許文献1参照)。
特開2012-135781号公報
ロボットや三次元加工機等は、工具中心点(TCP)を三次元空間内で平行移動するだけでなく、TCPを基準として工具の向きを変え、自由な方向からワークを加工することができる。
様々な工具に対応するために、工具取付面上に配置される座標系(例えば、ロボット先端座標系)と、TCP上に配置される座標系(例えば、TCP座標系)との位置関係を求め、TCPを設定することが一般的に行われている。これにより、ロボットや三次元加工機等は、様々な形状及び寸法の工具に対応する事が可能となる。
スキャナを備えるレーザ加工システムにおいては、スキャナが工具に相当し、スキャナのTCPは、例えばスキャナ直下であり、かつ走査平面中央におけるレーザ照射点である。レーザ照射点は、実態がないため、従来のレーザ加工システムは、教示用治具や、複数のレーザポインタ等を用いてレーザ照射点を視認可能な状態としていた。また、従来のレーザ加工システムは、ロボットについては、一般的に、複数の方向から一点を指すように手動でロボットの姿勢を操作し、記憶させたロボットの姿勢からTCP設定に必要な位置ベクトル、方向ベクトル等を算出し、TCPを設定していた。
上記の方法では、教示用治具や複数のレーザポインタに誤差が内在するため、これらの教示用治具や複数のレーザポインタは、付加的な装備である。そのため、教示用治具や複数のレーザポインタ等を用いずに、TCP設定を簡易に行うことができるレーザ加工システムが望まれていた。
本開示に係るレーザ加工システムは、ワークに対してレーザ光を走査可能なスキャナと、前記スキャナを前記ワークに対して移動させる移動装置と、前記スキャナを制御するスキャナ制御装置と、前記移動装置を制御する移動制御装置と、を備え、前記スキャナ制御装置は、前記移動装置により前記スキャナを停止した状態で、前記スキャナにおけるレーザ光の走査によって、前記レーザ光による所定の経路を前記ワーク上に照射する照射制御部を有し、前記移動制御装置は、前記照射制御部により前記所定の経路を前記ワーク上に照射することによって得られる軌跡と、前記ワーク上の前記所定の経路とを一致させる工具中心点(TCP)変数を求めるTCP設定部と、を有する。
本開示に係るレーザ加工システムは、ワークに対してレーザ光を走査可能なスキャナと、前記スキャナを前記ワークに対して移動させる移動装置と、前記スキャナを制御するスキャナ制御装置と、前記移動装置を制御する移動制御装置と、を備え、前記スキャナ制御装置は、前記移動装置により前記スキャナを停止した状態で、前記スキャナにおけるレーザ光の走査によって、前記レーザ光による前記所定の経路を前記ワーク上に照射する照射制御部を有し、前記移動制御装置は、前記移動装置の駆動制御によって、前記レーザ光による所定の経路を前記ワーク上に照射する駆動制御部と、前記駆動制御部によって前記所定の経路を前記ワーク上に照射することによって得られる第1の軌跡と、前記照射制御部によって前記所定の経路を前記ワーク上に照射することによって得られる第2の軌跡と、を一致させる工具中心点(TCP)変数を求めるTCP設定部と、を有する。
本開示に係るレーザ加工システムの制御方法は、ワークに対してレーザ光を走査可能なスキャナを前記ワークに対して移動させるステップと、前記スキャナを停止した状態で、前記スキャナにおけるレーザ光の走査によって、前記レーザ光による所定の経路を前記ワーク上に照射するステップと、前記所定の経路を前記ワーク上に照射することによって得られる軌跡と、前記ワーク上の前記所定の経路とを一致させる工具中心点(TCP)変数を求めるステップと、
を備える。
本開示に係るレーザ加工システムの制御方法は、ワークに対してレーザ光を走査可能なスキャナを前記ワークに対して移動させるステップと、前記スキャナを前記ワークに対して移動させる移動装置の駆動制御によって、前記レーザ光による所定の経路を前記ワーク上に照射するステップと、前記移動装置により前記スキャナを停止した状態で、前記スキャナにおけるレーザ光の走査によって、前記レーザ光による前記所定の経路を前記ワーク上に照射するステップと、前記移動装置の駆動制御によって前記所定の経路を前記ワーク上に照射することによって得られる第1の軌跡と、前記スキャナにおけるレーザ光の走査によって前記所定の経路を前記ワーク上に照射することによって得られる第2の軌跡と、を一致させる工具中心点(TCP)変数を求めるステップと、を備える。
本発明によれば、TCP設定を簡易に行うことができる。
本実施形態に係るレーザ加工システムの全体構成を示す図である。 本実施形態に係るレーザ加工システムにおけるスキャナの光学系を説明する図である。 本実施形態に係るレーザ加工システムの機能構成を示すブロック図である。 ロボット座標系及びスキャナ座標系を示す図である。 メカニカルインターフェース座標系を示す図である。 本実施形態に係るロボット制御装置及びスキャナ制御装置の機能構成を示すブロック図である。 本実施形態に係るロボット及びスキャナの動作を説明するための図である。 本実施形態に係るロボット及びスキャナの動作を説明するための図である。 本実施形態に係るロボット及びスキャナの動作を説明するための図である。 TCP設定の調整の例を示す図である。 TCP設定の調整の例を示す図である。 TCP設定の調整の例を示す図である。 TCP設定の調整の例を示す図である。 TCP設定の調整の例を示す図である。 所定の経路の形状の一例を示す図である。 本実施形態に係るレーザ加工システムの処理の流れを示すフローチャートである。 本実施形態に係るレーザ加工システムの処理の流れを示すフローチャートである。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。図1は、本実施形態に係るレーザ加工システム1の全体構成を示す図である。図1に示すレーザ加工システム1は、リモートレーザ溶接ロボットシステムの一例を示す。
レーザ加工システム1は、ロボット2と、レーザ発振器3と、スキャナ4と、ロボット制御装置5と、スキャナ制御装置6と、レーザ制御装置7と、ロボット教示操作盤8と、プログラム生成装置9と、を備える。
ロボット2は、例えば、複数の関節を有する多関節ロボットである。ロボット2は、基部21と、アーム22と、複数のY方向に延びる回転軸を有する関節軸23a~23dを備える。
また、ロボット2は、Z方向を回転軸としてアーム22を回転移動させるロボット用サーボモータ、各関節軸23a~23dを回転させてアーム22をX方向に移動させるロボット用サーボモータ等の複数のロボット用サーボモータを有する。各ロボット用サーボモータは、後述するロボット制御装置5からの駆動データに基づいてそれぞれ回転駆動する。
ロボット2のアーム22の先端部22aには、スキャナ4が固定されている。したがって、ロボット2は、各ロボット用サーボモータの回転駆動によって、スキャナ4を所定のロボット速度で、作業空間上の任意の位置に任意の向きになるよう移動させることができる。すなわち、ロボット2は、スキャナ4をワーク10に対して移動させる移動装置である。なお、本実施形態では、レーザ加工システム1は、移動装置としてロボット2を用いているが、これに限定されず、例えば、移動装置として三次元加工機を用いてもよい。
レーザ発振器3は、レーザ媒質、光共振器及び励起源等から構成される。レーザ発振器3は、後述するレーザ制御装置7からのレーザ出力指令に基づくレーザ出力のレーザ光を生成し、スキャナ4に対して、生成したレーザ光を供給する。発振されるレーザの種類として、ファーバーレーザ、COレーザ、YAGレーザ等があるが、本実施形態においては、レーザの種類について特に問わない。
レーザ発振器3は、ワーク10を加工するための加工用レーザと、加工用レーザを調整するためのガイドレーザ(ガイド光)とを出力可能である。ガイドレーザは、加工用レーザと同一の軸上に調整された可視のレーザ光である。
スキャナ4は、レーザ発振器3から出射されるレーザ光Lを受けて、ワーク10に対してレーザ光Lを走査可能な装置である。
図2は、本実施形態に係るレーザ加工システム1におけるスキャナ4の光学系を説明する図である。図2に示すように、スキャナ4は、例えば、レーザ発振器3から出射されるレーザ光Lを反射させる2つのガルバノミラー41、42と、ガルバノミラー41、42をそれぞれ回転駆動するガルバノモータ41a、42aと、カバーガラス43と、を備える。
ガルバノミラー41、42は、互いに直交する2つの回転軸J1、J2回りにそれぞれ回転可能に構成される。ガルバノモータ41a、42aは、レーザ制御装置7からの駆動データに基づいて回転駆動し、ガルバノミラー41、42を回転軸J1、J2回りに独立して回転させる。
レーザ発振器3から出射されたレーザ光Lは、2つのガルバノミラー41、42で順次反射された後にスキャナ4から出射され、ワーク10の加工点(溶接点)に到達する。このとき、ガルバノモータ41a、42aにより2つのガルバノミラー41、42がそれぞれ回転すると、これらガルバノミラー41、42に入射するレーザ光Lの入射角が連続的に変化する。その結果、スキャナ4からワーク10に対して所定の経路でレーザ光Lが走査され、そのレーザ光Lの走査経路に沿ってワーク10上に溶接軌跡を形成する。
スキャナ4からワーク10上に出射されるレーザ光Lの走査経路は、ガルバノモータ41a、42aの回転駆動を適宜制御してガルバノミラー41、42のそれぞれの回転角度を変化させることにより、X、Y方向に任意に変化させることができる。
スキャナ4は、Z軸モータによって位置関係を変更自在としたズーミング光学系(図示せず)も備えている。スキャナ4は、Z軸モータの駆動制御により、レーザを集光する点を光軸方向に移動させることで、レーザ照射点をZ方向にも任意に変化させることができる。
カバーガラス43は、円盤状であり、ガルバノミラー41、42によって順次反射されてワーク10に向かうレーザ光Lを透過すると共に、スキャナ4の内部を保護する機能を有する。
また、スキャナ4は、トレパニングヘッドであってもよい。この場合、スキャナ4は、例えば、一方の面が傾斜した形式のレンズをモータで回転させることで、入射したレーザを屈折させて、任意の位置に照射する構成を有することが可能である。
ロボット制御装置(移動制御装置)5は、所定のロボットプログラムに応じて、ロボット2の各ロボット用サーボモータに駆動制御データを出力し、ロボット2の動作を制御する。
スキャナ制御装置6は、スキャナ4の機構内のレンズ、ミラーの位置調整を行う制御装置である。なお、スキャナ制御装置6は、ロボット制御装置5に組み込まれてもよい。
レーザ制御装置7は、レーザ発振器3を制御する制御装置であり、スキャナ制御装置6からの指令に応じて、レーザ光を出力するように制御を行う。レーザ制御装置7は、スキャナ制御装置6と接続されるだけでなく、ロボット制御装置5と直接接続されてもよい。また、レーザ制御装置7は、スキャナ制御装置6と一体化されていてもよい。
ロボット教示操作盤8は、ロボット制御装置5に接続され、ロボット2の操作を行うために操作者によって使用される。例えば、操作者は、レーザ加工を行うための加工情報を、ロボット教示操作盤8上のユーザインターフェースを通して入力する。
プログラム生成装置9は、ロボット制御装置5及びスキャナ制御装置6に接続され、ロボット2及びスキャナ4のためのプログラムを生成する。なお、プログラム生成装置9については、図3を参照しながら詳述する。本実施形態において、少なくともスキャナ4は、好ましくはロボット2も、プログラムの指令に対して正確に駆動するように調整されているとする。
図3は、本実施形態に係るレーザ加工システム1の機能構成を示すブロック図である。
前述したように、レーザ加工システム1は、ロボット2と、レーザ発振器3と、スキャナ4と、ロボット制御装置5と、スキャナ制御装置6と、レーザ制御装置7と、ロボット教示操作盤8と、プログラム生成装置9と、を備える。
以下、図3を参照しながら、ロボット制御装置、スキャナ制御装置6、レーザ制御装置7及びプログラム生成装置9の動作について詳述する。
プログラム生成装置9は、CAD/CAMデータから仮想作業空間内におけるロボット2のためのロボットプログラムP1及びスキャナ4のためのスキャナプログラムP2を生成する。更に、プログラム生成装置9は、制御点修正用軌跡を照射するためのプログラムを生成する。
生成されたロボットプログラムP1及びスキャナプログラムP2は、それぞれ、ロボット制御装置5及びスキャナ制御装置6に転送される。
ロボット教示操作盤8の操作によって、ロボット制御装置5内に格納されたロボットプログラムP1が起動されると、ロボット制御装置5からスキャナ制御装置6に指令が送られ、スキャナプログラムP2も起動される。
ロボット制御装置5は、ロボット2がスキャナ4を所定の位置まで搬送したときに信号を出力する。ロボット制御装置5から出力された信号に応じて、スキャナ制御装置6は、スキャナ4内の光学系を駆動する。
また、スキャナ制御装置6は、レーザ制御装置7にレーザ出力を指令する。ロボット制御装置5、スキャナ制御装置6及びレーザ制御装置7は、適切なタイミングで信号をやりとりすることによって、ロボット2の動き、レーザ光軸の走査及びレーザビームの出力を同期する。
ロボット2及びスキャナ4は、位置情報及び時刻情報を共有し、作業空間内の所望の位置にレーザ照射点を制御する。また、ロボット2及びスキャナ4は、適切なタイミングでレーザ照射を開始及び終了させる。これにより、レーザ加工システム1は、溶接等のレーザ加工を行うことができる。
また、プログラム生成装置9は、3Dモデリングソフトウェアを内蔵している。操作者は、ロボット2及びスキャナ4のモデルをコンピュータ上で操作し、レーザ照射点や座標値等を確認することができる。
図4A及び図4Bは、レーザ加工システム1における座標系を示す図である。
図4Aは、ロボット座標系28及びスキャナ座標系29を示す図である。
図4Aに示すように、ロボット2は、ロボット基準点24と、ロボット基準点24を中心とするロボット座標系28を有する。
スキャナ4は、ロボット2のアーム22の先端部22aに固定され、ワーク10上にレーザ照射点25を形成する。また、スキャナ4は、工具中心点(TCP)26を基準とするスキャナ座標系(TCP座標系)29を有する。
図4Bは、メカニカルインターフェース座標系(ロボット先端座標系)30を示す図である。
図4Bに示すように、ロボット2は、アーム22の先端部22aにおいて、ロボット先端点27と、メカニカルインターフェース座標系30と、を有する。
メカニカルインターフェース座標系30とスキャナ座標系29との位置関係は、TCP変数によって定義される。TCP変数を決定することをTCP設定という。
TCP変数は、メカニカルインターフェース座標系30において、メカニカルインターフェース座標系30の原点からスキャナ座標系29の原点へのベクトル(x,y,z)、及びメカニカルインターフェース座標系30の各軸回りの回転によってスキャナ座標系29の方向を定義する回転角(w,p,r)の6個の要素からなる。
ロボット制御装置5は、TCP変数を用いて、アーム22の先端部22aからスキャナ座標系29の原点までの距離を計算し、ロボットプログラムに記述された座標及び角度にTCPを移動させることができる。スキャナ制御装置6は、TCPがロボットプログラムに記述された座標及び角度にあるため、当該座標及び角度から任意のレーザ加工形状にレーザ光を走査することができる。
図5は、本実施形態に係るロボット制御装置5及びスキャナ制御装置6の機能構成を示すブロック図である。
図5に示すように、ロボット制御装置5は、駆動制御部51を備える。駆動制御部51は、TCP設定部62を更に備える。スキャナ制御装置6は、照射制御部61を備える。
駆動制御部51は、ロボット2の駆動制御によって、レーザ光による所定の経路をワーク10上に照射する。
照射制御部61は、スキャナ4の光学素子(例えば、ガルバノミラー41、42及びガルバノモータ41a、42a)の駆動制御によって、レーザ光による所定の経路をワーク10上に照射するようにスキャナ4を制御する。照射制御部61は、移動装置であるロボット2によりスキャナ4を停止した状態で、照射することができる。光学素子の駆動制御は、例えば、レーザ光をワーク10上に走査する制御である。
TCP設定部62は、照射制御部61により所定の経路をワーク10上に照射することによって得られる第1の軌跡と、ワーク10上の所定の経路とを一致させる工具中心点(TCP)変数を求める。
また、TCP設定部62は、駆動制御部51によって所定の経路をワーク10上に照射することによって得られる第1の軌跡と、照射制御部61によって所定の経路をワーク10上に照射することによって得られる第2の軌跡とを一致させる工具中心点(TCP)変数を求める。TCP変数は、TCP設定のために必要となる変数であり、例えば、TCPの位置ベクトル、方向ベクトル等を含む。
また、TCP設定部62は、求められたTCP変数を用いてTCP設定を変更する。駆動制御部51は、TCP設定部62によって変更されたTCP設定を用いて、ロボット2を空間内の特定の位置に移動させる。照射制御部61は、特定の位置において、スキャナ4の光学素子の駆動制御によって、レーザ光による所定の経路をワーク10上に照射する。特定の位置は、例えば、所定の経路を構成する図形の中心であってもよい。例えば、所定の経路が正方形の場合、特定の位置は、正方形の中心である。
図6A及び図6Bは、本実施形態に係るロボット2及びスキャナ4の動作を説明するための図である。
図6Aに示すように、所定の経路11は、辺の長さがLx及びLyである正方形形状を有する。また、表面が平面であるワーク10は、ワーク10の位置を調整可能な装置(図示せず)によってty方向に回転可能である。
また、図6Bに示すように、スキャナ4は、スキャナ制御装置6の制御に従って、p及びr方向に回転可能である。また、ワーク10は、ty方向同様に、ワーク10の位置を調整可能な装置(図示せず)によってtx方向に回転可能である。
上述したように本実施形態において、ロボット2及びスキャナ4は、プログラムの指令に対して正確に駆動するように調整されているとする。
そして、以下に示すように、レーザ加工システム1は、ロボット2の駆動制御によってワーク10上に照射された所定の経路11の第1の軌跡と、スキャナ4の光学素子の駆動制御によってワーク10上に照射された所定の経路11の第2の軌跡とが一致するようにTCP設定を調整する。
先ず、ワーク10がロボット座標系28のX平面上に正確に配置される。駆動制御部51は、ロボット2の駆動制御によって、スキャナ4をロボット座標系28のX軸に平行に移動させ、スキャナ座標系29の原点位置(スキャナ4の直下)においてレーザ光を照射し、ワーク10に所定の経路11の第1の軌跡をマーキングする。
このとき、所定の経路11の正方形の各頂点において、スキャナ4とワーク10との距離Hが同一となるように、ワーク10の位置は、tx方向及びty方向の調整装置(図示せず)を用いて調整される。すなわち、スキャナ4をワーク10に対して移動させることは、ワーク10とスキャナ4との距離を一定にするように、ワーク10の位置及び傾きを調整することを含む。
スキャナ4とワーク10との距離Hが同一となるように、ワーク10の位置を調整するには、定規のほか、レーザ測長器を用いる等、幾つかの方法がある。
図6Cは、付加的な装備を用いずに、ワーク10の位置を調整する例を示す図である。図6Cにおいて、ロボット制御装置5は、ロボット座標系28におけるZ軸座標が同一、すなわち、ロボット座標系28のX平面に平行に、位置P、P’、Q及びQ’にスキャナ4を移動させる。
各位置P、P’、Q及びQ’においてスキャナ4を停止させ、位置P及びQにおいてはスキャナ直下、すなわちスキャナ座標系29の原点であり、TCPの方向にレーザを照射する。位置P’においては、位置Pにおいてワーク10上に照射された点に向けてレーザ光を照射する。位置Q’においては、位置P’で照射した同一の方向に向けてレーザ光を照射する。このとき、位置Q及びQ’においてレーザを照射した場合でも、ワーク10上の一点にレーザ照射位置が重なるのであれば、ワーク10表面とロボット座標系28のX平面とは、平行になっている。
スキャナ4によるレーザ光軸の走査を行わず、レーザ光をスキャナ4の直下に照射しているため、所定の経路11の第1の軌跡は、ロボット2の動き、すなわちロボット座標系の縮尺及び方向を反映している。ロボットプログラムにおいて所定の経路11の四辺がロボット座標系28のX軸に沿っていれば、所定の経路11は、ロボット座標系28のX軸に平行な辺を有し、Z軸に垂直となっている。したがって、以降は、このワーク10上の第1の軌跡を基準としてTCP設定が可能となる。
次に、ロボット制御装置5は、スキャナ4を所定の経路11の正方形の中心直上に移動させるようにロボット2を制御する。そして、照射制御部61は、スキャナ4の光学素子の駆動制御によって、所定の経路11の正方形の中心直上からレーザ光を照射し、ワーク10に所定の経路11の第2の軌跡をマーキングする。
この場合、ロボット2は静止しており、スキャナ4の走査のみによってレーザ光を照射しているため、所定の経路11の第2の軌跡は、スキャナ4の走査、すなわちスキャナ座標系の縮尺及び方向を反映している。
ロボット2及びスキャナ4は、それぞれ、ロボットプログラム及びスキャナプログラムの指令と実際の動作とが一致するように予め調整されている。
そして、ロボット2の動きを反映する所定の経路11の第1の軌跡と、スキャナ4の走査を反映する所定の経路11の第2の軌跡とが一致することは、TCP設定が適切に行われていることを意味する。
所定の経路11の第1の軌跡と、所定の経路11の第2の軌跡とが一致しない場合、TCP設定部62は、TCP変数を求めることによって、TCP設定を調整する。
図7A~図7Eは、TCP設定の調整の例を示す図である。
スキャナ4とワーク10との距離Hが正しくない場合、つまり、スキャナ座標系29の原点がワーク10上に位置しない場合、2つの所定の経路の軌跡の大きさは、一致しない。例えば、図7Aに示すように、所定の経路の第1の軌跡11Aの大きさと、所定の経路の第2の軌跡12Aの大きさとは、一致しない。そのため、TCP設定部62は、図4BにおけるTCP変数x値を求め、2つの所定の経路の軌跡の大きさを一致させるために、求めたTCP変数xを用いてTCP設定を変更する。すなわち、TCP設定部62は、所定の経路をワーク上に照射することによって得られる軌跡と、ワーク10上の所定の経路とを一致させる工具中心点(TCP)変数を求める。
2つの所定の経路の軌跡の大きさが一致し、スキャナ4とワーク10との距離Hが正しく設定されたとき、スキャナ座標系29の原点は、ワーク10上に位置することになり、ロボット座標系28のZ座標とスキャナ座標系29のZ座標との位置関係が求められる。
図4Aにおけるスキャナ座標系29がワーク10に正対していない場合、例えば、図7Bに示すように、所定の経路の第2の軌跡12Bは、所定の経路の第1の軌跡11Bに対して、台形形状となる。そのため、TCP設定部62は、図4BにおけるTCP変数r又はpの値を求め、求めたTCP変数r又はpを用いてTCP設定を変更する。r方向又はp方向のいずれの調整が必要であるかは、台形形状の歪みの向きによって判断することができる。
図4Aにおけるロボット座標系28の方向とスキャナ座標系29の方向とが異なる場合、例えば、図7Cに示すように、所定の経路11の第2の軌跡12Cは、所定の経路の第1の軌跡11Cに対して、傾斜する。そのため、TCP設定部62は、TCP変数wの値を求め、求めたTCP変数wを用いてTCP設定を変更する。
図4Aにおけるスキャナ座標系29と図4BにおけるTCP変数y及びzとが一致していない場合、例えば、図7Dに示すように、スキャナ4を、TCPを中心としてメカニカルインターフェース座標系30のX軸に周りに回転させ、スキャナ4を静止させ、スキャナ4の走査のみによってマーキングした場合、所定の経路の第2の軌跡11Dと、第3の軌跡12Dとは一致しない。
そのため、TCP設定部62は、図4BにおけるTCP変数y又はzの値を求め、求めたTCP変数を用いてTCP設定を変更する。
図4Aにおけるスキャナ座標系29とTCP変数xとが一致していない場合、例えば、図7Eに示すように、スキャナ4を、TCPを中心としてメカニカルインターフェース座標系30のZ軸の周りに回転させ、スキャナ4を静止させ、スキャナ4の走査のみによってマーキングした場合、所定の経路の第4の軌跡11E、11F及び11Gは一致しない。
そのため、TCP設定部62は、TCP変数xの値を求め、求めたTCP変数xを用いてTCP設定を変更する。このとき、図7Aで設定したスキャナ4とワーク10との位置関係に基づくTCPの位置に対して、スキャナ4を回転させる。第4の軌跡11E、11F及び11Gが一致しないのは、TCPがワーク10表面に位置していないためであり、その差はdである。TCP設定部62は、TCP変数xを差dだけ減ずる一方で、ロボットプログラムの設定も差dだけ、ロボット座標系28のZ方向に変更する。
このようにして、TCPは、ワーク10上に移動し、TCPを中心としてメカニカルインターフェース座標系30のZ軸の周りに回転させても、第4の軌跡11E、11F及び11Gは一致する。よって、距離Hに対して、TCP変数xが正しく設定される。
具体的なTCP設定は、例えば、以下に示すような手順となる。
TCP設定に先立ち、ワーク10は、正しくロボット座標系28のX平面に平行に設置されているものとする。
(a)先ず、現在のTCP設定を用いて、駆動制御部51は、ロボット2の駆動制御によって、スキャナ4を平行移動させ、スキャナ座標系29の原点位置(スキャナ4の直下)においてレーザ光を照射し、ワーク10に所定の経路11の第1の軌跡をマーキングする。
(b)現在のTCP設定を用いて、ロボット制御装置5は、スキャナ4を所定の経路の正方形の中心直上に移動させるようにロボット2を制御する。
(c)そして、照射制御部61は、スキャナ4の光学素子の駆動制御によって、所定の経路の四角形の中心直上からレーザ光を照射し、ワーク10に所定の経路の第2の軌跡をマーキングする。
(d)所定の経路11の第1の軌跡と所定の経路11の第2の軌跡とが一致しない場合、上述された図7A~図7Eのように、TCP設定部62は、TCP設定を変更する。
(e)この状態で、再び、ロボット制御装置5は、スキャナ4を所定の経路の正方形の中心直上に移動させるようにロボット2を制御する。
(f)(d)においてTCP設定を変更したことによって、ロボット2の姿勢は変化する。
このように手順(b)~(f)を繰り替えることによって、レーザ加工システム1は、TCP設定を完了することができる。
特に、上記の手順を用いることによって、レーザ加工システム1は、手順(a)を繰り返す必要がなく、素早くTCP設定を行うことができる。
また、上述した所定の経路は、多角形又は多角形の頂点を含む形状を有する。例えば、所定の経路は、正方形であることが好ましいが、長方形、菱形、三角形、六角形、八角形等であってもよい。また、所定の経路は、上記のような多角形の頂点に点を配置した形状であってもよい。
図8は、所定の経路13の形状の一例を示す図である。図8に示すように、所定の経路13は、ロボット2の移動によるレーザ照射をカギ型形状において行い、スキャナ4によるレーザ照射を丸形状において行ってもよい。これにより、レーザ加工システム1は、操作者による所定の経路13の視認性を向上させることができる。また、ワーク10上の所定の経路は、ワーク10上に印刷されてもよく、又はワーク10上に刻印されてもよい。
また、上述した実施形態では、レーザ加工システム1は、加工用レーザによってワーク10に所定の経路の軌跡をマーキングしたが、所定の経路は、加工用レーザに代えて、加工用レーザと同一軸から出射されるガイドレーザによってワーク10上に照射されてもよい。
この場合、レーザ加工システム1は、ガイドレーザをスキャナ4によって高速に走査してもよい。これにより、レーザ加工システム1は、ガイドレーザを用いることによって、マーキング加工を行わずに、TCP設定を実行することができる。また、レーザ加工システム1は、何度でもTCP設定を簡易に行うことができる。
また、レーザ加工システム1は、ガイドレーザを用いるために、所定の経路と同一の長さ及び形状を有し、かつワーク10上に配置可能な修正用パターンを用いてもよい。これにより、ワーク10上の所定の経路は、修正用パターンと比較可能である。例えば、所定の経路が正方形である場合、修正用パターンも所定の経路と同一の長さ及び形状を有する正方形となる。
修正用パターンを用いる場合、ロボット2を操作し、ガイドレーザを用いて所定の経路をワーク10上に照射し、所定の経路の正方形の各頂点と、修正用パターンの正方形の各頂点とが一致するように修正用パターンをワーク10上に配置する。
そして、ロボット2の駆動制御によって、スキャナ4を平行移動させ、修正用パターンの正方形の各頂点に移動したとき、スキャナ4と修正用パターンとの距離が同一になるように、ロボット制御装置5は、ワーク10の位置を調整する。このように修正用パターンを用いることによって、レーザ加工システム1は、マーキングと同様にTCP設定を行うことができる。
修正用パターンは、例えば、ワーク10上に貼り付け可能なシール、ワーク10上に配置可能なカード状の物品、型紙、磁石等であってもよい。また、修正用パターンは、ワーク10上に予め印刷されていてもよい。
次に、TCP設定部62によってTCP変数を求める具体例を説明する。
図6A及び図6Bにおいて、tx方向及びty方向が調整された結果、ワーク10上には、ロボット座標系28のX平面に平行であり、X軸方向に揃えられた正方形のパターンがマーキングされている。
ロボット教示操作盤8においてTCP設定メニューを選択すると、先ず、図6Cにおける距離H(スキャナ4とワーク10の位置合わせ)、TCP変数p、r及びwを求めるメニューが表示される。操作者は、いずれかを選択してマーキングを行い、ワーク10上に重ね現れるパターンを観察する。
例えば、図7Bのように正方形のパターンが歪んでいる場合や、図7Cのように正方形がロボット座標系28のX方向に沿わない場合には、TCP変数を先に調整する。そうすると、図7Cに示されるパターンとなるため、図6Cにおける距離Hを調整する。図6A及び図6Bにおける調整によってマーキングされた正方形との差が小さくなると、図7B及び図7Cに示されるパターンの差が小さくなるため、さらにTCP変数p、r及びwを正確に調整できる。
操作者が、上記のTCP変数p、r及びwを変更する場合、TCP設定部62は、ロボット教示操作盤8による指令に従い、TCP変数p、r及びwを段階的に変化させ、スキャナ制御装置6及びレーザ制御装置7に指令することによってマーキングを行う。操作者が妥当な修正である視認したところで、ロボット教示操作盤8により指令を送ると、TCP設定部62は、TCP変数p、r及びwの増減を停止する。更に、TCP設定部62は、TCP変数p、r及びwをロボット制御装置5に保存し、以降、ロボット制御装置5は、保存したTCP変数p、r及びwによってロボット2を制御する。
距離H、TCP変数p、r及びwの設定を終えると、操作者は、ロボット教示操作盤8におけるTCP設定メニューに従って、図7DにおけるTCP変数y及びzの調整並びに図7EにおけるTCP変数xの調整を行う。
なお、数W以上の高出力レーザによるマーキング加工に代えて、可視光レーザによって視認する方法を用いてもよい。一般的に加工用レーザシステムは、高出力レーザと同軸上に可視光レーザをガイドレーザとして重畳していることが多い。このような加工用レーザシステムは、ガイドレーザを用いることによって、更に操作性の良い調整が可能となる。
この場合、操作者がロボット教示操作盤8を介して指令すると、ロボット制御装置5におけるTCP設定部62は、スキャナ制御装置6に指令し、スキャナ制御装置6は、加工用レーザに代えて、ガイドレーザをワーク10に照射するようにレーザ制御装置7に指令する。
そして、ガイドレーザを一回のみ照射するのではなく、高速で反復照射することで、操作者は、残像効果により、マーキングされた正方形と、ガイドレーザの高速反復走査による正方形とを見比べることができる。
TCP設定部62は、段階的にTCP変数を増減させるのではなく、操作者がロボット教示操作盤8の操作ボタンを押している間は継続的に増減させるため、照射形状は滑らかに移動し続ける。照射形状が適切な形状となったときに、操作者はボタンを放し、TCP変数の候補値が定められる。操作者は、照射形状を確認して、設定完了を指令すると、候補値は、TCP変数としてロボット制御装置5に記憶され、以降は、当該TCP変数によってロボット2が制御される。
また、別の方法にとしては、第1及び第2の軌跡の差異を測定することで、TCP設定部62によってTCP変数を決定することができる。図6A及び図6Bにおいて、レーザ加工システム1は、tx方向及びty方向を調整し、ワーク10上に第1の正方形のパターンをマーキングする。ここで、第1の正方形のパターンは、ロボット座標系28のX平面に平行であり、X軸方向に揃えられている。第1の正方形のパターンがマーキングされた後、スキャナ4を所定の経路11の正方形の中心直上に移動させ、スキャナ4の光学素子の駆動制御によって、第2の正方形の軌跡をマーキングする。
第2の正方形の経路が歪んでいる場合、操作者は、相対する2辺の長さを測定して、ロボット教示操作盤8を介して、相対する2辺の長さをTCP設定部62に入力する。TCP設定部62は、相対する2辺の長さの値からTCP変数p及びrを計算及び設定する。
その後、操作者は、再び、レーザ加工システム1によって第2の正方形の軌跡をマーキングして、相対する2辺の長さが等しくなっていることを確認する。
ここで、図7Cに示すように、第1の正方形に対して第2の正方形が傾いている場合には、操作者は、第1の正方形に対する第2の正方形の傾きの角度を測定して、ロボット教示操作盤8を介して、傾きの角度をTCP設定部62に入力する。
TCP設定部62は、傾きの角度の値からTCP変数wを計算して設定する。その後、操作者は、再び、レーザ加工システム1によって第2の正方形の軌跡をマーキングして、第1の正方形と第2の正方形の辺が互いに平行であることを確認する。
例えば、図7Aに示す第1の軌跡11B及び第2の軌跡12Bのように、第1の正方形と第2の正方形とが一致していない場合には、操作者は、それぞれの正方形の辺の長さを測定して、それぞれの正方形の辺の長さの差を、ロボット教示操作盤8を介してTCP設定部62に入力する。
TCP設定部62は、それぞれの正方形の辺の長さの差の値からワーク10とスキャナ4との距離Hを計算及び設定する。次いで、操作者は、図7Dに示すように、スキャナ4をスキャナ座標系29のZ軸回りに±90°回転させた姿勢において、第3及び第4の正方形をレーザ加工システム1によってマーキングする。すなわち、レーザ加工システム1は、TCPをスキャナ座標系29のX軸回りに回転してマーキングする。
操作者は、重畳された第1及び第2の正方形の頂点を基準として、第3及び第4の正方形の頂点の位置を座標値として測定し、第3及び第4の正方形の頂点の位置の値を、ロボット教示操作盤8を介してTCP設定部62に入力する。TCP設定部62は、第3及び第4の正方形の頂点の位置の値からTCP変数y及びzを計算及び設定する。
最後に操作者は、図7Eに示すように、スキャナ4をスキャナ座標系29のX軸回りに+30°、0°、-30°回転させた姿勢にて、レーザ加工システム1によって小円をマーキングする。すなわち、レーザ加工システム1は、TCPをスキャナ座標系29のX軸回りに回転してマーキングする。
操作者は、図7Eの左側に示される3つの小円の中心間距離を測定して、ロボット教示操作盤8を介してTCP設定部62に入力する。TCP設定部62は、中心間距離の値からTCP変数xとワーク10とスキャナ座標系29の原点の距離Hの差dを計算し、TCP設定に用いるロボットプログラムの座標値をロボット座標系28のZ方向に差dだけ修正すると共に、TCP変数xを差dだけ修正する。
上述したように、TCP設定部62は、TCP変数x、y、z、p、r及びwを求める。なお、上述のTCP設定に用いるロボットプログラム及びスキャナプログラムは、それぞれロボット制御装置5及びスキャナ制御装置6に予め用意されてあり、操作者は、TCP設定メニューを用いて、適宜、呼び出し、実行することができる。
図9は、本実施形態に係るレーザ加工システム1の処理の流れを示すフローチャートである。
ステップS1において、ロボット制御装置5は、ロボットプログラムに基づいて、ワーク10に対してレーザ光を走査可能なスキャナ4を、ワーク10に対して移動させるようにロボット2を制御する。
ステップS2において、照射制御部61は、ロボット2によりスキャナ4を停止した状態で、スキャナ4の光学素子の駆動制御によって、レーザ光による所定の経路をワーク10上に照射するようにスキャナ4を制御する。
ステップS3において、TCP設定部62は、所定の経路をワーク上に照射することによって得られる軌跡と、ワーク10上の所定の経路とを一致させる工具中心点(TCP)変数を求める。
図10は、本実施形態に係るレーザ加工システム1の処理の流れを示すフローチャートである。
ステップS11において、ロボット制御装置5は、ロボットプログラムに基づいて、ワーク10に対してレーザ光を走査可能なスキャナ4を、ワーク10に対して移動させるようにロボット2を制御する。
ステップS12において、駆動制御部51は、ロボット2の駆動制御によって、レーザ光による所定の経路をワーク10上に照射する。
ステップS13において、照射制御部61は、スキャナ4の光学素子の駆動制御によって、レーザ光による所定の経路をワーク10上に照射するようにスキャナ4を制御する。
ステップS14において、TCP設定部62は、駆動制御部51によって所定の経路をワーク10上に照射することによって得られる第1の軌跡と、照射制御部61によって所定の経路をワーク10上に照射することによって得られる第2の軌跡と、を一致させる工具中心点(TCP)変数を求める。
以上説明したように、本実施形態に係るレーザ加工システム1は、ワーク10に対してレーザ光を走査可能なスキャナ4と、スキャナ4をワーク10に対して移動させるロボット2と、スキャナ4を制御するスキャナ制御装置6と、を備える。
スキャナ制御装置6は、ロボット2によりスキャナ4を停止した状態で、スキャナ4におけるレーザ光の走査によって、レーザ光による所定の経路をワーク10上に照射する照射制御部61を有する。ロボット制御装置5は、照射制御部61により所定の経路をワーク10上に照射することによって得られる軌跡と、ワーク10上の所定の経路とを一致させる工具中心点(TCP)変数を求めるTCP設定部62と、を有する。これにより、レーザ加工システム1は、教示用治具や複数のレーザポインタ等を用いずに、TCP変数を求めることによって、TCP設定を簡易に行うことができる。
また、本実施形態に係るレーザ加工システム1は、ワーク10に対してレーザ光を走査可能なスキャナ4と、スキャナ4をワーク10に対して移動させるロボット2と、スキャナ4を制御するスキャナ制御装置6と、ロボット2を制御するロボット制御装置5と、を備える。ロボット制御装置5は、ロボット2の駆動制御によって、レーザ光による所定の経路をワーク10上に照射する駆動制御部51を有し、ロボット制御装置5は、ロボット2によりスキャナ4を停止した状態で、スキャナ4におけるレーザ光の走査によって、レーザ光による所定の経路をワーク10上に照射する照射制御部61と、駆動制御部51によって所定の経路をワーク10上に照射することによって得られる第1の軌跡と、照射制御部61によって所定の経路をワーク10上に照射することによって得られる第2の軌跡と、を一致させる工具中心点(TCP)変数を求めるTCP設定部62と、を有する。これにより、レーザ加工システム1は、教示用治具や複数のレーザポインタ等を用いずに、TCP変数を求めることによって、TCP設定を簡易に行うことができる。
また、TCP設定部62は、求められたTCP変数を用いてTCP設定を変更し、駆動制御部51は、TCP設定部62によって変更されたTCP設定を用いて、ロボット2を空間内の特定の位置に移動させ、照射制御部61は、特定の位置において、スキャナ4におけるレーザ光の走査によって、レーザ光による所定の経路をワーク上に照射する。これにより、レーザ加工システム1は、TCP設定にずれが生じていた場合に、TCP設定を適切に変更することができる。
また、所定の経路は、多角形又は前記多角形の頂点を含む形状を有する。これにより、レーザ加工システム1は、操作者による所定の経路の視認性を向上させることができる。
また、ワーク10上の所定の経路は、ワーク10上に印刷又は刻印される。これにより、レーザ加工システム1は、操作者による所定の経路の視認性を向上させることができる。
また、ワーク10上の所定の経路は、所定の経路と同一の長さ及び形状を有し、かつワーク10上に配置可能な修正用パターンと比較可能である。レーザ加工システム1は、マーキングと同様にTCP設定を行うことができる。
また、所定の経路は、加工用レーザ又は前記加工用レーザと同一軸から出射されるガイドレーザによってワーク上に照射される。これにより、レーザ加工システム1は、加工用レーザを用いることによって、ワーク10にマーキング加工を行ってTCP設定を実行することができる。また、レーザ加工システム1は、ガイドレーザを用いることによって、マーキング加工を行わずに、TCP設定を実行することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記のレーザ加工システム1は、ハードウェア、ソフトウェア又はこれらの組み合わせにより実現することができる。また、上記のレーザ加工システム1により行なわれる制御方法も、ハードウェア、ソフトウェア又はこれらの組み合わせにより実現することができる。ここで、ソフトウェアによって実現されるとは、コンピュータがプログラムを読み込んで実行することにより実現されることを意味する。
プログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えば、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば、光磁気ディスク)、CD-ROM(Read Only Memory)、CD-R、CD-R/W、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(random access memory))を含む。
また、上述した各実施形態は、本発明の好適な実施形態ではあるが、上記各実施形態のみに本発明の範囲を限定するものではない。例えば、レーザ加工システム1は、直交座標系以外の座標系に基づいてTCP設定を行ったり、スキャナとワークとが正対せず、ワークに対してスキャナが傾斜した状態でレーザ光を所定の経路に走査したりしてもよい。本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更を施した形態での実施が可能である。
1 レーザ加工システム
2 ロボット(移動装置)
3 レーザ発振器
4 スキャナ
5 ロボット制御装置
6 スキャナ制御装置
7 レーザ制御装置
8 ロボット教示操作盤
9 プログラム生成装置
10 ワーク
51 駆動制御部
61 照射制御部
62 TCP設定部

Claims (11)

  1. ワークに対してレーザ光を走査可能なスキャナと、
    前記スキャナを前記ワークに対して移動させる移動装置と、
    前記スキャナを制御するスキャナ制御装置と、
    前記移動装置を制御する移動制御装置と、
    を備え、
    前記スキャナ制御装置は、
    前記移動装置による前記スキャナの移動を停止した状態で、前記スキャナにおけるレーザ光の走査によって、前記レーザ光による所定の経路を前記ワーク上に照射する照射制御部を有し、
    前記移動制御装置は、
    前記照射制御部により前記所定の経路を前記ワーク上に照射することによって得られる軌跡と、前記ワーク上の前記所定の経路とを一致させる工具中心点(TCP)変数を求めるTCP設定部と、
    を有する、
    レーザ加工システム。
  2. ワークに対してレーザ光を走査可能なスキャナと、
    前記スキャナを前記ワークに対して移動させる移動装置と、
    前記スキャナを制御するスキャナ制御装置と、
    前記移動装置を制御する移動制御装置と、
    を備え、
    前記スキャナ制御装置は、
    前記移動装置による前記スキャナの移動を停止した状態で、前記スキャナにおけるレーザ光の走査によって、前記レーザ光による所定の経路を前記ワーク上に照射する照射制御部を有し、
    前記移動制御装置は、
    前記移動装置の駆動制御によって、前記レーザ光による所定の経路を前記ワーク上に照射する駆動制御部を有し、
    前記駆動制御部によって前記所定の経路を前記ワーク上に照射することによって得られる第1の軌跡と、前記照射制御部によって前記所定の経路を前記ワーク上に照射することによって得られる第2の軌跡と、を一致させる工具中心点(TCP)変数を求めるTCP設定部と、
    を有する、
    レーザ加工システム。
  3. 前記TCP設定部は、求められた前記TCP変数を用いてTCP設定を変更し、
    前記駆動制御部は、前記TCP設定部によって変更された前記TCP設定を用いて、前記移動装置を空間内の特定の位置に移動させ、
    前記照射制御部は、前記特定の位置において、前記スキャナにおける走査によって、前記レーザ光による前記所定の経路を前記ワーク上に照射する、
    請求項2に記載のレーザ加工システム。
  4. 前記所定の経路は、多角形又は前記多角形の頂点を含む形状を有する、請求項1から3のいずれか一項に記載のレーザ加工システム。
  5. 前記ワーク上の前記所定の経路は、前記ワーク上に印刷又は刻印される、請求項1から4のいずれか一項に記載のレーザ加工システム。
  6. 前記ワーク上の前記所定の経路は、前記所定の経路と同一の長さ及び形状を有し、かつ前記ワーク上に配置可能な修正用パターンと比較可能である、請求項1から5のいずれか一項に記載のレーザ加工システム。
  7. 前記所定の経路は、加工用レーザ又は前記加工用レーザと同一軸から出射されるガイドレーザによって前記ワーク上に照射される、請求項1から6のいずれか一項に記載のレーザ加工システム。
  8. ワークに対してレーザ光を走査可能なスキャナを前記ワークに対して移動させるステップと、
    前記スキャナを停止した状態で、前記スキャナによる走査によって、前記レーザ光による所定の経路を前記ワーク上に照射するステップと、
    前記所定の経路を前記ワーク上に照射することによって得られる軌跡と、前記ワーク上の前記所定の経路とを一致させる工具中心点(TCP)変数を求めるステップと、
    を備えるレーザ加工システムの制御方法。
  9. ワークに対してレーザ光を走査可能なスキャナを前記ワークに対して移動させるステップと、
    前記スキャナを前記ワークに対して移動させる移動装置の駆動制御によって、前記レーザ光による所定の経路を前記ワーク上に照射するステップと、
    前記移動装置により前記スキャナを停止した状態で、前記スキャナによる走査によって、前記レーザ光による前記所定の経路を前記ワーク上に照射するステップと、
    前記移動装置の駆動制御によって前記所定の経路を前記ワーク上に照射することによって得られる第1の軌跡と、前記スキャナにおけるレーザ光の出射位置及び出射方向のうちの一つ以上の制御によって前記所定の経路を前記ワーク上に照射することによって得られる第2の軌跡と、を一致させる工具中心点(TCP)変数を求めるステップと、
    を備えるレーザ加工システムの制御方法。
  10. 前記スキャナを前記ワークに対して移動させるステップは、前記ワークと前記スキャナとの距離を一定にするように、前記ワークの位置及び傾きを調整するステップを含む、
    請求項8又は9に記載のレーザ加工システムの制御方法。
  11. 移動装置により、工具中心点(TCP)を中心として、前記スキャナを回転するステップと、
    前記スキャナを停止した状態で、前記スキャナによる走査によって、前記レーザ光による所定の経路を前記ワーク上に照射するステップと、
    前記所定の経路を前記ワーク上に照射することによって得られる軌跡と、前記ワーク上の前記所定の経路とを一致させる工具中心点(TCP)変数を求めるステップと、
    を更に備える、請求項8から10のいずれか一項に記載のレーザ加工システムの制御方法。
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