JP2022071247A - Nr4a1産生促進剤及びこれを含有する化粧料 - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明は、NR4A1産生促進剤及び該NR4A1産生促進剤を含有する化粧料の提供を課題とする。【解決手段】 (A)ミカン科植物抽出物と、(B)トウキ抽出物、センキュウ抽出物、クララ抽出物、エンジュ抽出物、コレウスホルスコリ抽出物、ハイビスカス抽出物及びカミツレ抽出物からなる群より選ばれる少なくとも1種の植物抽出物とを含有することを特徴とするNR4A1産生促進剤とし、さらに、これを含有する化粧料とする。【選択図】 なし

Description

本発明は、NR4A1発現を促進させるNR4A1産生促進剤及び該NR4A1産生促進剤を含有する化粧料に関する。
毛髪は、成長期・退行期・休止期・脱毛を1サイクルとした毛周期を繰り返す。毛周期は、毛髪を作り出す部分である毛球部の細胞によってコントロールされている。毛球部は毛乳頭細胞と毛母細胞と呼ばれる細胞からなる。毛乳頭細胞からのシグナルによって毛母細胞は毛幹部となる。
毛乳頭細胞と毛母細胞の増殖能やシグナル活性が低下することで、毛周期の乱れが起こり細毛化・薄毛化することが知られている。毛球部の活性低下は毛乳頭細胞のアポトーシスによって起こり、成長期から早期に退行期へ誘導されることが報告されている(非特許文献1)。
皮膚の表皮細胞は、日常生活における紫外線や酸化ストレスを受けると、アポトーシスを引き起こすことが知られている(非特許文献2)。過剰にアポトーシスが起こると表皮細胞の角化が乱れて表皮のバリア機能が低下し、保湿力の低下や炎症の原因となる。
一方、アポトーシスを抑制させる遺伝子として、NR4A1と呼ばれる因子が関与すると考えられている(非特許文献3)。そのため、NR4A1産生促進をすることにより、頭皮頭髪における育毛効果や太毛効果、皮膚における美肌効果が期待できる。
しかしながら、NR4A1産生促進作用を十分に有し、安全性が高く、頭皮頭髪や皮膚への適用性の良好な、優れたNR4A1産生促進剤は知られていない。
アンチエイジングシリーズ1 白髪・脱毛・育毛の実際,NTS,(2005) Moriyama M et al., Cell Deat Dis.,8,e2576,(2017) Shimizu Y et al.,Redox Rep.,20,81,(2015).
本発明は、NR4A1産生促進剤及び該NR4A1産生促進剤を含有する化粧料の提供を目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、特定の植物抽出物を用いることにより、優れたNR4A1産生促進効果が得られることを見出し、この知見に基づき本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、(A)ミカン科植物抽出物と、(B)トウキ抽出物、センキュウ抽出物、クララ抽出物、エンジュ抽出物、コレウスホルスコリ抽出物、ハイビスカス抽出物及びカミツレ抽出物からなる群より選ばれる少なくとも1種の植物抽出物とを含有することを特徴とするNR4A1産生促進剤である。
本発明における(A)ミカン科植物抽出物は、チンピ抽出物、キジツ抽出物、ゴシュユ抽出物及びキハダ抽出物からなる群より選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
また、本発明は、前記NR4A1産生促進剤を含有することを特徴とする化粧料である。
本発明のNR4A1産生促進剤は、NR4A1の産生を飛躍的に増大させるため、頭皮頭髪における抜け毛や細毛化の抑制、皮膚における角化の正常化や保湿効果の向上を図ることができる。
また、本発明のNR4A1産生促進剤を含有することにより、優れた育毛効果や太毛効果、優れた美肌効果を有する化粧料を提供することができる。
本発明のNR4A1産生促進剤は、(A)ミカン科植物抽出物(以下「(A)成分」ということもある)と、(B)トウキ抽出物、センキュウ抽出物、クララ抽出物、エンジュ抽出物、コレウスホルスコリ抽出物、ハイビスカス抽出物及びカミツレ抽出物からなる群より選ばれる少なくとも1種の植物抽出物(以下「(B)成分」ということもある)を含有する。
これらの植物抽出物は、いずれも医薬又は民間薬、食品、化粧品の成分として一般的に用いられているものであり、安全性が高い。
本発明における(A)ミカン科植物抽出物とは、ミカン科植物の果実、果皮、葉、樹皮、花、種子、根等から得られる抽出物であれば特に限定されず、例えば、チンピ抽出物、キジツ抽出物、ゴシュユ抽出物、キハダ抽出物、トウヒ抽出物、サンショウ抽出物、ユズ抽出物、カラタチ抽出物であり、これらの中でもチンピ抽出物、キジツ抽出物、ゴシュユ抽出物、キハダ抽出物、トウヒ抽出物、ユズ抽出物が好ましく、チンピ抽出物、キジツ抽出物、ゴシュユ抽出物、キハダ抽出物がより好ましく、チンピ抽出物が特に好ましい。
本発明におけるチンピ抽出物とはミカン科のマンダリンオレンジ又はウンシュウミカンの果皮から得られる抽出物である。
本発明におけるキジツ抽出物とはミカン科のダイダイ又はナツミカンの未熟果実から抽出して得られる抽出物である。
本発明におけるゴシュユ抽出物とはミカン科のゴシュユの果実から抽出して得られる抽出物である。
本発明におけるキハダ抽出物とはミカン科のキハダから得られる抽出物であり、樹皮から得られる抽出物が好ましい。
本発明におけるトウキ抽出物とはセリ科シシウド属のトウキから得られる抽出物であり、根から得られる抽出物が好ましい。
本発明におけるセンキュウ抽出物とはセリ科ハマゼリ属のセンキュウから得られる抽出物であり、根茎から得られる抽出物が好ましい。
本発明におけるクララ抽出物とはマメ亜科クララ属のクララから得られる抽出物であり、根から得られる抽出物が好ましい。
本発明におけるエンジュ抽出物とはマメ科エンジュ属のエンジュから得られる抽出物であり、花蕾から得られる抽出物が好ましい。
本発明におけるコレウスホルスコリ抽出物とはシソ科プレクトランサス属のコレウスホルスコリから得られる抽出物であり、根から得られる抽出物が好ましい。
本発明におけるハイビスカス抽出物とはアオイ科フヨウ属のハイビスカスから得られる抽出物であり、花から得られる抽出物が好ましい。
本発明におけるカミツレ抽出物とはキク科シカギク属のカミツレから得られる抽出物であり、全草又は地上部から得られる抽出物が好ましい。
本発明における上記植物抽出物としては従来の抽出方法により抽出したものを用いてもよいし、市販のものを用いても良い。
NR4A1産生促進効果の観点から、(B)成分が植物抽出物1種からなる場合は、トウキ抽出物、クララ抽出物、又はコレウスホルスコリ抽出物であることが好ましい。
さらに、NR4A1産生促進効果の観点から、(B)成分は、2種以上を組み合わせることがより好ましい。
(B)成分を2種以上組み合わせる場合は、少なくとも1種がトウキ抽出物、クララ抽出物、コレウスホルスコリ抽出物、エンジュ抽出物又はハイビスカス抽出物であることが好ましく、トウキ抽出物、クララ抽出物又はコレウスホルスコリ抽出物であることがより好ましく、トウキ抽出物又はクララ抽出物であることがさらに好ましい。
抽出方法としては例えば、適当な溶媒を用いて抽出する方法が挙げられる。
抽出の際は、使用する植物をそのまま用いてもよいし、粉砕や乾燥等を施して用いてもよいが、粉砕して用いることが好ましく、乾燥させたものを用いることがさらに好ましい。また、抽出溶媒に浸漬している間、攪拌していてもよく、静置していてもよい。本発明の植物抽出物は、抽出操作を繰り返して高濃度の植物抽出物とすることもできる。
抽出に使用する溶媒に特に制限はなく、水、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等の低級1価アルコール類、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ブチレングリコール、グリセリン等の多価アルコール類、酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル類、アセトン、メチルエチルケトン等ケトン類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル類の極性溶媒や、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素類、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン等の炭化水素類を用いることができる。
またこれらのうち、1種を単独で用いても、2種以上からなる混合溶媒を用いてもよい。特に、極性溶媒を用いることが好ましい。
抽出手順に特に制限はなく、例えば、抽出に使用する植物を20~40℃の前記溶媒中に1時間~7日間浸漬し、濾過する手順が挙げられる。
また、得られた抽出液は、そのまま植物抽出物として用いても良いし、希釈、濃縮、凍結乾燥、精製等を行ったものを植物抽出物として用いることもできる。
本発明のNR4A1産生促進剤における上記植物抽出物の総含有量に特に制限はなく、例えば乾燥物の質量で0.000001~10質量%という量が挙げられる。
(A)成分と(B)成分との割合としては、植物抽出物の乾燥物の質量比で1:99~99:1が好ましく、30:70~90:10であることがより好ましい。
トウキ抽出物、センキュウ抽出物、クララ抽出物、エンジュ抽出物、コレウスホルスコリ抽出物、ハイビスカス抽出物及びカミツレ抽出物からなる群より選ばれる2種を組み合わせる場合、その割合としては、NR4A1産生促進効果の観点から乾燥物の質量比で1:99~99:1が好ましく、10:90~90:10が更に好ましい。
本発明においては、上記植物抽出物をそのまま本発明のNR4A1産生促進剤としてもよいし、以下に示す他の成分をさらに含んでいてもよい。
本発明のNR4A1産生促進剤に使用可能な他の成分としては、例えば賦形剤、増粘剤、溶剤、緩衝剤、防腐剤、抗酸化剤、保湿剤、血行促進剤、細胞賦活化剤、抗炎症剤、抗菌剤、過酸化物抑制剤、界面活性剤、基材成分、コンディショニング剤、pH調整剤、紫外線吸収剤、キレート剤、香料、着色剤、育毛養毛効果を有する成分、上記以外の植物や動物や微生物由来の各種抽出物等が挙げられる。
具体的には、乳糖、白糖等の賦形剤; 天然ガム類、セルロース誘導体、アクリル酸重合体、塩化ナトリウム等の増粘剤;注射用水、プロピレングリコール、ゴマ油、トウモロコシ油、エタノール、ブチレングリコール、D-マンニトール、安息香酸ベンジル等の溶剤;リン酸塩、酢酸塩、炭酸塩等の緩衝剤;メチルパラベン、プロピルパラベン等のパラオキシ安息香酸エステル類、クロロブタノール、ベンジルアルコール、フェノキシエタノール、安息香酸等の防腐剤;亜硫酸塩、アスコルビン酸、ジブチルヒドロキシトルエン(BHT)、ジブチルヒドロキシアニソール(BHA)、酢酸トコフェロール、アルブチン
等の抗酸化剤;グリセリン、尿素、アミノ酸、ヒアルロン酸、スクワラン、マカデミアナッツ油、オリーブ油、ホホバ油、シリコン油等の保湿剤;ビタミンE類、トウガラシチンキ等の血行促進剤;核酸等の細胞賦活化剤;グルチルリチン、アラントイン、ピロクトンオラミン等の抗炎症剤;ヒノキチオール、塩化ベンザルコニウム、クロルヘキシジン塩等の抗菌剤; スーパーオキシドジスムターゼ(SOD)等の過酸化物抑制剤;ポリエキシエチレンソルビタンモノオレアート、ポリオキシエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウレス硫酸ナトリウム、コカミドプロピルベタイン、コカミドモノエタノールアミド、ココイルメチルタウリンナトリウム、ベヘントリモニウムクロリド、ステアルトリモニウムクロリド、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油等の界面活性剤;セタノール、パルミチン酸イソプロピル等の基材成分;ポリクオタニウム-10等のコンディショニング剤;クエン酸、リンゴ酸等のpH調整剤; メトキシケイヒ酸エチルヘキシル等の紫外線吸収剤;EDTA-2Na等のキレート剤;香料;カラメル等の着色剤;アロエ、ショウキョウ、ソウハクヒ等の生薬及びこれらの抽出物や、パントテニルエチルエーテル、酢酸トコフェロール、フォルスコリン等の化合物等の育毛養毛効果を有する成分;イチョウエキス、胎盤抽出物、乳酸菌培養抽出物等の上記以外の植物や動物や微生物由来の各種抽出物等が挙げられる。
本発明のNR4A1産生促進剤は、皮膚用又は頭皮用の化粧料や薬用外用剤、医薬部外品、医薬品、食品等に適用することができるが、優れたNR4A1産生促進効果を有するため、化粧料に含有することが好ましい。
本発明の化粧料は、上記本発明のNR4A1産生促進剤を含有するものである。
本発明の化粧料としては、例えばシャンプー、コンディショナー、トリートメント、ヘアトニック、整髪料、育毛剤、養毛剤、発毛剤等の頭皮頭髪用化粧料、化粧水、乳液、ボディローション、ボディクリーム、パック、打粉、口紅、軟膏、洗浄料等の皮膚用化粧料など公知の形態が挙げられる。
本発明の化粧料における上記植物抽出物の総含有量は、特に限定されないが、育毛効果、太毛効果及び美肌効果の観点から乾燥物の質量で好ましくは0.000001~10質量%、より好ましくは0.00001~5質量%、更に好ましくは0.0001~3質量%であるという量が挙げられる。植物抽出物の総含有量がこのような範囲となるように、適宜NR4A1産生促進剤の含有量を調節すればよい。
本発明の効果を得るために有効な上記植物抽出物の総量は、例えば乾燥物の質量で、通常成人1日あたり0.0005~0.1gである。この範囲の量を、1日数回、例えば1~2回頭皮又は皮膚に使用することが好ましく、毛髪量、使用回数、剤形等に応じて化粧料を使用すればよい。
本発明の化粧料には、本発明の効果を損なわない範囲で、その剤型化のために界面活性剤、油脂類などの基材成分や、必増粘剤、防腐剤、等張化剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、キレート剤、香料、着色料などの種々の添加物、保湿剤、エモリエント剤、血行促進剤、細胞賦活化剤、抗酸化剤、抗炎症剤、抗菌剤、過酸化物抑制剤などの公知の機能成分を使用することができる。
以下、本発明を更に詳しく説明するために実施例によって説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。
(1)製造方法
(原料製造例1)チンピ抽出物
ウンシュウミカンの果皮を50g採取し、375mlの50質量%エタノール水溶液に室温(約25℃)下で浸漬した。24時間後これをろ過し、得られた抽出液から水、エタ
ノールを減圧留去後、凍結乾燥しチンピ抽出物4.3gを得た。
(原料製造例2)キジツ抽出物
ダイダイの未熟果実を50g採取し、375mlの50質量%エタノール水溶液に室温(約25℃)下で浸漬した。24時間後これをろ過し、得られた抽出液から水、エタノールを減圧留去後、凍結乾燥しキジツ抽出物4.8gを得た。
(原料製造例3)ゴシュユ抽出物
ゴシュユの果実を50g採取し、375mlの50質量%エタノール水溶液に室温(約25℃)下で浸漬した。24時間後これをろ過し、得られた抽出液から水、エタノールを減圧留去後、凍結乾燥しゴシュユ抽出物5.5gを得た。
(原料製造例4)キハダ抽出物
キハダの樹皮を50g採取し、375mlの50質量%エタノール水溶液に室温(約25℃)下で浸漬した。24時間後これをろ過し、得られた抽出液から水、エタノールを減圧留去後、凍結乾燥しキハダ抽出物3.1gを得た。
(原料製造例5)トウキ抽出物
トウキの根を50g採取し、375mlの50質量%エタノール水溶液に室温(約25℃)下で浸漬した。24時間後これをろ過し、得られた抽出液から水、エタノールを減圧留去後、凍結乾燥しトウキ抽出物4.6gを得た。
(原料製造例6)センキュウ抽出物
センキュウの根茎を50g採取し、375mlの50質量%エタノール水溶液に室温(約25℃)下で浸漬した。24時間後これをろ過し、得られた抽出液から水、エタノールを減圧留去後、凍結乾燥しセンキュウ抽出物3.3gを得た。
(原料製造例7)クララ抽出物
クララの根を50g採取し、375mlの50質量%エタノール水溶液に室温(約25℃)下で浸漬した。24時間後これをろ過し、得られた抽出液から水、エタノールを減圧留去後、凍結乾燥しクララ抽出物2.7gを得た。
(原料製造例8)エンジュ抽出物
エンジュの花蕾を50g採取し、375mlの50質量%エタノール水溶液に室温(約25℃)下で浸漬した。24時間後これをろ過し、得られた抽出液から水、エタノールを減圧留去後、凍結乾燥しエンジュ抽出物3.4gを得た。
(原料製造例9)コレウスホルスコリ抽出物
コレウスホルスコリの根を50g採取し、375mlの50質量%エタノール水溶液に室温(約25℃)下で浸漬した。24時間後これをろ過し、得られた抽出液から水、エタノールを減圧留去後、凍結乾燥しコレウスホルスコリ抽出物1.1gを得た。
(原料製造例10)ハイビスカス抽出物
ハイビスカスの花を50g採取し、375mlの50質量%エタノール水溶液に室温(約25℃)下で浸漬した。24時間後これをろ過し、得られた抽出液から水、エタノールを減圧留去後、凍結乾燥しハイビスカス抽出物2.9gを得た。
(原料製造例11)カミツレ抽出物
カミツレの地上部を50g採取し、375mlの50質量%エタノール水溶液に室温(約25℃)下で浸漬した。24時間後これをろ過し、得られた抽出液から水、エタノールを減圧留去後、凍結乾燥しカミツレ抽出物2.2gを得た。
(比較原料製造例1)ゴボウ抽出物
ゴボウの根を50g採取し、375mlの50質量%エタノール水溶液に室温(約25℃)下で浸漬した。24時間後これをろ過し、得られた抽出液から水、エタノールを減圧留去後、凍結乾燥しゴボウ抽出物3.5gを得た。
(比較原料製造例2)ショウガ抽出物
ショウガの根茎を50g採取し、375mlの50質量%エタノール水溶液に室温(約25℃)下で浸漬した。24時間後これをろ過し、得られた抽出液から水、エタノールを減圧留去後、凍結乾燥しショウガ抽出物4.3gを得た。
(比較原料製造例3)フユボダイジュ抽出物
フユボダイジュを50g採取し、375mlの50質量%エタノール水溶液に室温(約25℃)下で浸漬した。24時間後これをろ過し、得られた抽出液から水、エタノールを減圧留去後、凍結乾燥しフユボダイジュ抽出物2.1gを得た。
(2)NR4A1産生促進試験
(2-1)細胞培養
細胞はヒト毛乳頭細胞(東洋紡(株))を使用した。サブコンフルエント状態の毛乳頭細胞をトリプシン処理で剥離し、24ウェルプレートに播種し、10%胎仔ウシ血清含有ダルベッコ改変イーグル培地で7日間、37℃、5%CO2条件下で培養した。
その後、乾燥物換算で表2~5に記載の濃度(質量%)となるように原料製造例1~11又は比較原料製造例1~2の各植物抽出物をそれぞれ添加した同培地に交換し、48時間培養した。培養後、培地を除去しヒト毛乳頭細胞にISOGEN-II((株)ニッポンジーン製)を添加し、付属のプロトコルに従って、トータルRNAを得た。
(2-2)リアルタイムRT-PCRによるNR4A1のmRNA発現量の定量
One Step SYBR PrimeScript RT-PCR KitII(タカラバイオ(株)製)を用いて、タカラバイオ(株)が提示する標準的な手法に従い、測定サンプルを調製した。
これらのサンプルは、Thermal Cycler Dice Real Time
SystemII(タカラバイオ(株)製)を用いて、タカラバイオ(株)が提示する標準的な方法に従い、リアルタイム定量PCRを行った。NR4A1のmRNA発現量を補正するハウスキーピング遺伝子にはグリセルアルデヒド3リン酸脱水素酵素(GAPDH)を用いた。
表1にNR4A1増幅用プライマー及びGAPDHの増幅用プライマー(インビトロジェン社製)の配列を示す。
NR4A1の発現強度をGAPDHの発現強度で補正し、NR4A1のmRNA発現量を求めた。実施例1~46と比較例1~15において比較例1のNR4A1のmRNA発現量を100とした時のNR4A1mRNA発現量を算出した。
Figure 2022071247000001
表2~5に示すとおり、本発明の(A)ミカン科植物抽出物と、(B)トウキ抽出物、センキュウ抽出物、クララ抽出物、エンジュ抽出物、コレウスホルスコリ抽出物、ハイビスカス抽出物及びカミツレ抽出物からなる群より選ばれる少なくとも1種の植物抽出物とを組み合わせることによって、優れたNR4A1産生促進効果が認められた。
なお、表中に記載の数値は、細胞を培養した培地中の植物抽出物の濃度(乾燥物換算)を質量%で表したものである。
Figure 2022071247000002
Figure 2022071247000003
Figure 2022071247000004
Figure 2022071247000005
(3)頭皮頭髪用化粧料
(3-1) 頭皮頭髪用化粧料の調製
試験用頭皮頭髪用化粧料として、シャンプー、コンディショナー及びヘアトニックを以
下の組成で調製した。なお、配合量の単位は質量部で、精製水の「残量」とは全量を100質量部とするのに要する量である。
また、シャンプーにおけるクエン酸25質量%水溶液の適量とはpHを4~6に調整するのに要する量、塩化ナトリウム10質量%水溶液の適量とは粘度を1000~3000mPa・sに調製するのに要する量である。
コンディショナーにおけるクエン酸25質量%水溶液の適量とは、pHを3~6に調製するのに要する量である。
(i)シャンプー
ポリクオタニウム-10 0.3
コカミドプロピルベタイン 10
ココイルメチルタウリンナトリウム 5
コカミドモノエタノールアミド 1
メチルパラベン 0.2
クエン酸25質量%水溶液 適量
塩化ナトリウム10質量%水溶液 適量
香料 0.4
精製水 残量
植物抽出物 表6~7に記載の量
─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ── ─ ─ ─ ─ ─
合計 100
(ii)コンディショナー
ジメチコン 3
セタノール 4
パルミチン酸イソプロピル 1
ステアルトリモニウムクロリド 2.5
メチルパラベン 0.2
クエン酸25質量%水溶液 適量
香料 0.4
精製水 残量
植物抽出物 表6~7に記載の量
─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─
合計 100
(iii)ヘアトニック
エタノール 40
ポリオキシエチレン(40モル)硬化ヒマシ油 1
メチルパラベン 0.2
香料 0.1
精製水 残量
植物抽出物 表6~7に記載の量
─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─
合計 100
(3-2)評価
頭皮頭髪用化粧料(シャンプー、コンディショナー、ヘアトニック)について、それぞれ30~60歳代の女性5名23グループを被験者とした。
シャンプー及びコンディショナーは、毎日の入浴時に頭髪に3~10g使用してもらい、ヘアトニックは毎日の入浴後及び朝に頭皮に約1.3mL使用してもらった。
このモニター試験を6ヶ月間継続し、試験開始前と終了後の各3日間において、1日1回の洗髪時の抜け毛を回収した。尚、この期間中、前記以外の頭皮頭髪用化粧料については、通常使用しているものをそのまま使用した。使用期間中に皮膚や身体の異常を訴えた者はいなかった。
(i)育毛効果
試験開始前と終了後の各3日間おいて、それぞれ1日あたりの抜け毛数を平均抜け毛数とし、試験開始前の平均抜け毛数に対する終了後の平均抜け毛数の減少率を算出し、下記の評価点基準に従って点数をつけた。
次に、各被験者5名の評価点の平均値を算出し、平均点が大きいほどより育毛効果があると判定した。
(評価点基準)
5点:40%以上の減少
4点:30%以上から40%未満の減少
3点:20%以上から30%未満の減少
2点:10%以上から20%未満の減少
1点:1%以上から10%未満の減少
0点:1%未満の減少、変化なし、抜け毛が増加した
(ii)太毛化
被験者ごとに回収した抜け毛の直径をシックネスゲージ7301((株)ミツトヨ製)で測定し、太毛(70μm以上)、普通毛(50以上70μm未満)、細毛(50μm未満)に分類して、抜け毛総数に対する太毛の割合を求めた。
試験開始前の太毛の割合(a1)に対する、終了後の太毛の割合(a2)を、式:(a2)/(a1)×100によって算出した。数値が大きいほど太毛効果があると判定した。
表6~7の結果から明らかなとおり、本発明のNR4A1産生促進剤を含有する頭皮頭髪用化粧料は顕著な育毛効果及び太毛効果を発揮することが確認できた。
Figure 2022071247000006
(4)皮膚用化粧料(化粧水)
(4-1)化粧水の製造
以下に示す組成で、成分Iを70℃で、成分IIを室温で均一となるまで混合した。次に、成分Iを室温まで冷却し、そこに成分IIを混合したものを少しずつ加えて混合し、化粧水を得た。なお、配合量の単位は質量部で、精製水の「残量」とは全量を100質量部とするのに要する量である。
(成分I)
水添ヒマシ油のポリエチレングリコール(40モル)エーテル 1.5
1,3-ブチレングリコール 5
ジプロピレングリコール 5
メチルパラベン 0.2
(成分II)
植物抽出物 表8~9 に記載の量
ヒアルロン酸ナトリウム水溶液(1質量%) 5
精製水 残量
─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ── ─ ─ ─ ─
合計 100
(4-2)評価
試験対象者は1ヶ月間、顔面片側は実施例67~80又は比較例19~21の化粧水を、もう一方の片側は比較例19の化粧水を、1日に2回(朝、夜)、適宜量、使用した。試験対象者の数は各実施例及び比較例の化粧水につき、30~60歳代の女性5名17グループとした。
また、試験期間中、皮膚の異常を訴えた者はいなかった。
(i)角化の正常化
実施例67~80又は比較例19~21の化粧水の使用前後における皮膚の角質細胞をテープストリッピングによって採取し、ゲンチアナバイオレットで染色した後、光学顕微鏡下にて角質細胞の形態を観察し、下記基準にて評価した。各群被験者5名のスコア平均値を表8~9に示す。
(評価点基準)
5点:角質形態が多角形で規則正しく、細胞密度が高く、シート状である
4点:角質形態の多くが多角形で規則正しく、細胞密度が高く、ほぼシート状である
3点:角質形態の半数が多角形で規則正しく、細胞密度が高く、一部シート状である
2点:角質形態の多くが不規則で肥大化もしくは縮小しており、多く重層剥離している
1点:角質形態が不規則で肥大化もしくは縮小しており、ほぼ重層剥離している
(ii)皮膚角層の保湿効果
化粧水を1ヶ月使用後、試験対象者の両頬の角層水分量を測定し、比較例19の化粧水を使用した方の頬の角層水分量に対する、実施例67~80又は比較例19~21の化粧水を使用した方の頬の角質水分量を実施例下記基準にて評価した。角層水分量測定は、皮表角層水分量測定装置(SKICON-200EX、(株)ヤヨイ製)を用いた。実施例及び比較例における試験対象者5名の総スコア平均値を表8~9に示す。スコア平均値が大きいほど保湿効果が増加したと判定した。
(評価点基準)
3点:角層水分量が30%以上増加
2点:角層水分量が17%以上30%未満増加
1点:角層水分量が5%以上17%未満増加
0点:角層水分量が5%未満の増加、又は角層水分量の減少
表8~9の結果から明らかなとおり、本発明のNR4A1産生促進剤を含有する皮膚用化粧料(化粧水)は、顕著な美肌効果を発揮することが確認できた。
Figure 2022071247000007
本発明のNR4A1産生促進剤は、優れたNR4A1産生促進効果を有しており、抜け毛や薄毛の予防や改善、肌状態の改善を目的とした化粧品をはじめとする各種外用剤への利用が可能となる。
また、本発明のNR4A1産生促進剤を含有する頭皮頭髪用化粧料は優れた育毛作用及
び太毛効果を有しており、抜け毛や薄毛の予防や改善を図ることができる。本発明のNR4A1産生促進剤を含有する皮膚用化粧料は優れた美肌作用を有しており、皮膚の角化を正常化させ保湿効果の向上を図ることができる。

Claims (3)

  1. (A)ミカン科植物抽出物と、(B)トウキ抽出物、センキュウ抽出物、クララ抽出物、エンジュ抽出物、コレウスホルスコリ抽出物、ハイビスカス抽出物及びカミツレ抽出物からなる群より選ばれる少なくとも1種の植物抽出物とを含有することを特徴とするNR4A1産生促進剤。
  2. (A)ミカン科植物抽出物が、チンピ抽出物、キジツ抽出物、ゴシュユ抽出物及びキハダ抽出物からなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項1に記載のNR4A1産生促進剤。
  3. 請求項1または2に記載のNR4A1産生促進剤を含有する化粧料。
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