JP2022070215A - 空圧工具 - Google Patents

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拓真 吉田
Takuma Yoshida
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Abstract

Figure 2022070215000001
【課題】全長を短くすることが可能となる打込工具を提供すること。
【解決手段】空気取入口から供給される圧縮空気で駆動する駆動機構を備えた空圧工具である。この空圧工具は、供給された圧縮空気を貯留するエアチャンバと、エアチャンバ内の圧縮空気の圧力を調節する調圧機構と、を有する。調圧機構は、空気取入口とエアチャンバとを連通する流路を開閉する弁体と、弁体に対し、流路を開放するように付勢力を与える弾性体と、エアチャンバ内の空気圧を受けて、流路を閉止する向きの付勢力を弾性体に作用させる受圧部材を備え、弾性体は、弁体よりも空気取入口に近い位置に配置される。
【選択図】図1

Description

本発明は、空圧工具に関する。
圧縮空気を駆動源とする空圧工具として、たとえば、板材、木材、石膏ボード、鋼板等の被加工材に係合する釘、ビス、ネイルなどのファスナを打ち込む打込機が知られている。駆動源となる圧縮空気は、たとえば、エアコンプレッサで生成され、エアホースを介して打込機に供給される。
このような打込機は、たとえば、圧縮空気によって駆動されるピストンと、ピストンに装着されるドライバと、ピストンを収容するシリンダとを備える。ピストンが上死点付近に存在するときにシリンダの上室に圧縮空気を導入することにより、ピストン及びこれに装着されるドライバを下死点方向に移動させ、ドライバでファスナを打ち込むことが可能となる。
ここで、エアホースを介して供給される圧縮空気の圧力は一定とは限らない。一方で、打ち込みの際の衝撃力は圧縮空気の圧力に依存する。このため、圧力を一定にするための減圧用の弁機構を内部に備える空圧工具が知られている。また、たとえ圧縮空気の圧力が一定であっても、ファスナや被加工材の種類に応じて、衝撃力を変更することが好ましい場合もある。このため、供給された圧縮空気の圧力を調整するための調圧用の弁機構を内部に備える空圧工具が知られている。調圧することにより、ファスナの打込量を調整することが可能となる。
特許文献1には、圧縮空気の圧力を調節する弁機構を備えた打込工具が記載されている。具体的には、ハンドル内に設けられた蓄圧室と駆動用圧縮空気室の間に、調圧機構が設けられた打込工具が記載されている。
特許文献2にも、圧縮空気の圧力を調節する弁機構を備えた打込工具が記載されている。具体的には、主流路を閉じる第1方向及び主流路を開く第2方向へ移動可能な弁体と、弁体に接続され、圧縮空気によって第1方向の圧力を受ける第1受圧面と第2方向の圧力を受ける第2受圧面及び第3受圧面とが設けられたピストンと、ピストンを第2方向へ常時付勢するスプリングとを有する打込工具が記載されている。
特開2015-226952号公報 特開2016-215353号公報
しかしながら、このような打込工具において、減圧乃至調圧のための弁機構(以下、「弁機構」又は「調圧機構」と総称する。)は、打込工具の大型化の要因となる。大型化を抑制するために、打込工具のグリップの内部に弁機構を配設しようとする場合、グリップの壁面によって径方向が制限されてしまうため、レイアウトできる空間が限られてしまう。一方で特許文献1及び特許文献2に記載される打込工具のように、グリップの端部に弁機構を配設すると、エアプラグが打込工具から大きく突出してしまうため、打込工具の全長が大きくなってしまう。そこで本発明は、全長を短くすることが可能となる打込工具を提供することを目的とする。
また、調圧機構のバネ荷重は、設定圧に応じて大きくなる。比較的高圧で作動する釘打ち機等の空圧工具では、調圧機構の操作荷重が大きいためユーザが調圧機構を操作しにくいことがあった。そこで、本発明は、調圧機構の操作荷重を低減可能な調圧器及び該調圧器を備えた空圧工具を提供することを目的とする。
また、空圧工具に供給される圧縮空気の圧力は、種々の要因で変動することがある。直動型の調圧機構では、調圧機構よりも上流側の圧縮空気の圧力である一次圧が下がると、調圧機構よりも下流側の圧縮空気の圧力である二次圧が上がることが知られている。そのため、調圧機構で所望の圧力を設定しても、設定とは異なる圧力に二次圧が調整されてファスナの打込量がばらついてしまうおそれがある。そこで、本発明は、一次圧が変動しても二次圧が影響を受けにくい空圧工具を提供することを目的とする。
本開示は、空気取入口から供給される圧縮空気で駆動する駆動機構を備えた空圧工具である。この空圧工具は、供給された圧縮空気を貯留するエアチャンバと、エアチャンバ内の圧縮空気の圧力を調節する調圧機構と、を有し、調圧機構は、空気取入口とエアチャンバとを連通する流路を開閉する弁体と、弁体に対し、流路を開放するように付勢力を与える弾性体と、エアチャンバ内の空気圧を受けて、流路を閉止する向きの付勢力を弾性体に作用させる受圧部材を備え、弾性体は、弁体よりも空気取入口に近い位置に配置される。
上記態様において、弁体及び弾性体は、第1軸上に配設され、空気取入口から調圧機構に至る流路の少なくとも一部は、第1軸に略平行な第2軸に沿って延伸してもよい。
上記態様において、空気取入口から調圧機構に至るまでの流路は、第1方向に延伸する部分を有し、第1方向について、弾性体が設けられる領域と、少なくとも一部が重複してもよい。
上記態様において、受圧部材は、弁体と弾性体との間に配設され、弾性体により弁体を押圧するピストン部品であってもよい。
上記態様において、弾性体が発揮する付勢力を調整する調整部をさらに備えてもよい。
上記態様において、空圧工具は、ファスナを打ち出す打込工具に適用されてもよい。さらに、弾性体は、弁体に、第1方向の付勢力を与えるように構成され、受圧部材は、弁体に、第1方向の反対方向の第2方向の付勢力を与えるように構成され、空気取入口から調圧機構に至るまでの流路は、圧縮空気を第1方向に進行させる流路を備えてもよい。なお、圧縮空気以外の圧縮流体に本発明を適用することも可能である。
また、本開示は、圧縮流体で駆動する駆動機構と、駆動機構に圧縮流体を供給する弁機構とを備える空圧工具を提供する。空圧工具の外方から内方に向かう第1方向に進行する方向に、プラグ、弾性体、該弾性体により押圧されるピストン部品及び該ピストン部品により押圧される弁体がこの順番に配設される。また、弁体が配設される弁室と、プラグ内の流路とを連通する流路が形成されている。
また、本開示は、空気取入口から供給される圧縮空気で駆動する駆動機構を備えた空圧工具であって、供給された圧縮空気を貯留するエアチャンバと、エアチャンバ内の圧縮空気の圧力を調節する調圧機構と、を含み、調圧機構は、空気取入口とエアチャンバとを連通する流路を開閉する弁体と、弁体に対し、流路を開放する向きに付勢力を与える弾性体と、エアチャンバ内の空気圧を受けて、流路を閉止する向きに弾性体を押圧する受圧部材と、弁体に作用する弾性体の付勢力について、通常状態と、該通常状態よりも小さい付勢力を発揮する荷重低減状態との切替が可能である荷重低減機構と、を備えている。
上記態様において、通常状態から荷重低減状態に切り替わるとき、支持部が移動してもよい。
上記態様において、弾性体の付勢力をユーザが操作できる操作入力部を更に備え、該操舵入力部に入力された操作に連動して、通常状態から荷重低減状態に切り替わってもよい。
上記態様において、筒状に形成された内筒部を更に備え、支持部は、内筒部に外嵌され、該内筒部に沿って摺動可能な外筒部であり、弾性体は、内筒部を貫通してピストン部品に対向してもよい。
上記態様において、弁体及び弾性体は、第1軸上に配設され、空気取入口から調圧機構に至る流路の少なくとも一部は、第1軸に略平行な第2軸に沿って延伸し、弾性体は、弁体よりも空気取入口に近い位置に配置されていてもよい。
上記態様において、支持部に面し、該支持部を挟んで弁体とは逆側に区画された閉鎖空間である荷重解放領域と、荷重解放領域に、弁体よりも上流側の圧縮空気を導入可能な加圧流路と、荷重解放領域に導入された圧縮空気を調圧機構の外部へ排出可能な減圧流路と、減圧流路を開閉する荷重解放バルブと、を有していてもよい。
上記態様において、荷重解放バルブは、操作入力部の操作に従動して開弁し、荷重解放領域が減圧されることにより、支持部が弁体の位置する側とは逆側に移動してもよい。
また、本開示は、圧縮空気の圧力を調整する調圧器であって、圧縮空気が供給される空気取入口と、圧力調整された圧縮空気を取り出す空気取出口とを連通する流路を開閉する弁体と、弁体に対し、流路を開放する向きに付勢力を与える弾性体と、弁体よりも下流側の空気圧を受けて、弁体が流路を閉止する向きに弾性体を押圧する受圧部材と、を備え、弁体に作用する圧縮空気の圧力を調節する調圧機構と、を含み、調圧機構は、空気取入口とエアチャンバとを連通する流路を開閉する弁体と、弁体に対し、流路を開放する向きに付勢力を与える弾性体と、エアチャンバ内の空気圧を受けて、流路を閉止する向きに弾性体を押圧する受圧部材と、を備え、受圧部材には、エアチャンバ内の空気圧を受けて流路を閉止する向きに押圧される第2受圧面が設けられている。受圧部材又は該受圧部材に当接する部材には、第2受圧面よりも小さく形成されており、弁体よりも上流側の空気圧を受けて流路を開放する向きに押圧される第3受圧面が設けられている。
上記態様において、弁体及び弾性体は、第1軸上に配設され、空気取入口から調圧機構に至る流路の少なくとも一部は、第1軸に略平行な第2軸に沿って延伸してもよい。
上記態様において、弁体よりも上流側の空気圧を第3受圧面に作用させるバイパス流路が第2軸と第1軸とに跨って形成されていてもよい。
上記態様において、受圧部材は、弁体と弾性体との間に配設され、弾性体により弁体を押圧するピストン部品であってもよい。
上記態様において、受圧部材に当接可能な内筒部と、該内筒部に沿って摺動可能な外筒部と、を更に備え、第3受圧面は、外筒部と内筒部との間に設けられていてもよい。
本発明によれば、全長を短くすることが可能となる打込工具を提供することができる。あるいは、本発明によれば、調圧機構の操作荷重を低減させることができる調圧器及び該調圧器を備えた空圧工具を提供することができる。あるいは、一次圧が変動しても二次圧が影響を受けにくい空圧工具を提供することができる。
一実施形態に係る釘打工具の断面図である。 一実施形態に係る釘打工具への組付け前のレギュレータの先端視である。 図2におけるA-A断面図である。 図2におけるB-B断面図である。 図2におけるC-C断面図である。 図2におけるD-D断面図である。 弁が吸気方向に開くときのA-A断面図の一部拡大図である。 弁が排気方向に開くときのA-A断面図の一部拡大図である。 図3Cに示されたダイヤルを第1方向から見た拡大図である。 図6Aに示されたダイヤルに操作を入力した状態を示す拡大図である。 図6Bに示されたダイヤルを斜めから見た斜視図である。 開弁状態においてメインバネが自然長に伸長したときのA-A断面図の一部拡大図である。 図8に示された荷重低減機構の変形例を示す断面図である。 弁が閉じているときのA-A断面図の一部拡大図である。 図10に示された一次圧バランス機構の第1の変形例を示す断面図である。 図10に示された一次圧バランス機構の第2の変形例を示す断面図である。 一実施形態に係る釘打工具の断面図である。 一実施形態に係る釘打工具の断面図である。 一実施形態に係る釘打工具の断面図である。 一実施形態に係る釘打工具の断面図である。 釘打工具110を第1方向から見た図である。 一実施形態に係るカムを含む調圧機構の部品構成を示す斜視図である。
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。以下の実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明をその実施形態のみに限定する趣旨ではない。
以下、第1実施形態に係る空圧工具を説明する。図1は、第1実施形態に係る釘打工具(「空圧工具」の一例)の断面図である。便宜的に、図1における紙面上方向及び紙面下方向を、単に、上方向及び下方向と呼び、同図における紙面左方向及び右方向を、それぞれ、第1方向D1及び第2方向D2(第1方向D1の反対方向)と呼ぶ場合がある。図1に示される釘打工具10の場合、第2方向D2側とは、グリップ32のグリップエンド側であり、第1方向D1側とは、本体側である。
[空圧工具の全体構成の一例]
釘打工具(「打込工具」の一例)は、圧縮空気を駆動源として釘(「ファスナ」の一例)を打ち込むための空圧工具である。釘打工具10は、圧縮空気で駆動する駆動機構20と、駆動機構に圧縮空気を供給するためのレギュレータ50(「調圧機構」の一例)を備える。
駆動機構20は、圧縮空気によって上下に往復運動する打込ピストン22と、打込ピストン22を収容する円筒状の打込シリンダ24と、打込ピストン22に取り付けられて打込ピストン22と一体的に移動し、釘に打撃を加えるためのドライバ26と、ドライバ26が侵入して釘に打撃を加えるために下方向に延伸するノーズ28と、ノーズ28に釘を供給する釘を収容するためのマガジン30とを備える。
さらに釘打工具10は、使用者が把持するグリップ32と、グリップ32内に設けられるエアチャンバ34と、エアチャンバ34に貯留される圧縮空気の打込シリンダ24内への流入を制御するためのメインバルブ(ヘッドバルブ)36とを備える。レギュレータ50は、外部のエアコンプレッサからエアホース(不図示)を介して供給される圧縮空気を減圧し、エアチャンバ34に供給する。
このような釘打工具10において、ユーザがトリガ38を押下すると、メインバルブ36が開いて、エアチャンバ34内の圧縮空気が打込シリンダ24内の上室に流入する。その結果、打込ピストン22が下方向に移動し、打込ピストン22に取り付けられているドライバ26が釘を打撃することにより、釘を下方向に打ち出す。
[調圧機構の基本構成]
以下、図面を用いてレギュレータ50(「調圧機構」の一例)の構成について説明する。図2は、釘打工具10に組み付ける前の、単体のレギュレータ50を第2方向D2から見た先端視である。なお、組み付け後は、図1における釘打工具10の内部から第2方向D2にレギュレータ50を見た図に相当する。図3A乃至Dは、それぞれ、図2におけるA-A断面図、B-B断面図、C-C断面図、D-D断面図である。図4は、弁室64の圧縮流体が二次圧領域AR2に流入するときのA-A断面図の一部拡大図であり、図5は、二次圧領域AR2の圧縮流体が排気されるときのA-A断面図の一部拡大図である。
レギュレータ50は、外部から圧縮空気の供給を受けるためのプラグ62(「空気取入口」の一例))と、プラグ62が接続される第1エンドキャップ58と、第1エンドキャップ58内に設けられるエアフィルタ60と、第1エンドキャップ58から第1流路CH1を通過して弁室64内に侵入した圧縮空気によって第2方向D2に押圧される弁体52と、弁体52を第2方向D2に押圧する弁バネ68と、弁体52に対して第2方向D2側に配設され、弁体52に第1方向D1に向かう力を作用させるメインバネ54(「弾性体」の一例)とを備える。
さらにレギュレータ50は、弁体52とメインバネ54との間に配設されるピストン56(「ピストン部品」の一例)と、メインバネ54に対して第2方向D2側に配設され、メインバネ54の端部を第1方向D1に押圧することによりメインバネ54を支持する調整ねじ66(「ねじ部品」の一例)を備える。
なお、レギュレータ50は、駆動機構20に供給する圧縮空気の圧力を変更し調圧する調圧機構及び調圧の際の操作荷重を低減するための荷重低減機構として、調整ねじ66のほか、ダイヤル80、スペーサ72、カムプレート82、荷重解放バルブ84(図3Cに示す)、荷重解放ピストン86を備える。これら構成については後に詳述する。
プラグ62は、外部から圧縮空気の供給を受けるための部品である。プラグ62の一方の端部は、エアホース(不図示)を接続可能に構成される。このため、エアコンプレッサによって生成された圧縮空気を、エアホースを介してプラグ62に供給することが可能である。プラグ62の他方の端部は、第1エンドキャップ58に接続される。このとき、プラグ62内に形成された流路は、第1エンドキャップ58内に形成された第1流路CH1に連通する。
プラグ62は、第2軸AX2上に(第2軸AX2と同軸となるように)取り付けられる。後述する第1軸AX1と、第2軸AX2は、離間する二つの略平行な軸である。また、第1軸AX1及び第2軸AX2は、第1方向D1及び第2方向D2と平行である。
プラグ62が取り付けられる第1エンドキャップ58内及び第1エンドキャップ58から弁体52が配設される弁室64に至るまでの部品内には、プラグ62から供給された圧縮空気を弁室64内に供給するための第1流路CH1が形成される。図3Aに示されるとおり、弁室64は、第1エンドキャップ58の第2方向D2端部よりも第1方向D1に進行した位置、かつ、第2軸AX2と垂直方向に離間した第1軸AX1上に配設されるため、第1流路CH1は、圧縮空気を第1方向D1に進行させる部分と、第2軸AX2から第1軸AX1に進行させる部分を有する。
本実施形態の第1流路CH1のうち第1方向D1に進行させる部分は、第2軸AX2上に形成される流路を含んでいる。ただし、第1流路CH1のうち第1方向D1に進行させる部分は、必ずしも、第1方向D1と平行な第2軸AX2上に形成される必要はなく、たとえば、第1方向D1に対して鋭角をなすように形成されてもよい。
弁体52は、ピストン56とともに、弁体52よりも下流側の二次圧を調整するための部品である。具体的には、弁体52は、下流側の二次圧が低下した際に第1方向D1に移動することによって一次圧を有する上流側の圧縮流体を下流側に流入させることにより、所定圧力になるまで二次圧を上昇させる。ここで、一次圧とは、弁体52よりも上流側の圧力である。また、二次圧とは、弁体52よりも下流側の圧力である。
本実施形態に係る弁体52は、図3A等に示されるように、第1方向D1側に位置し、円筒状に形成される円筒部52Bと、これと一体的に形成され、第2方向D2側に位置し、円筒部52Bよりも大きな径の底面を有する円錐台状に形成される円錐台部52Aを有する。更に、円錐台部52Aには、円錐台部52Aの頂面から円筒部52Bに向かって延在する穴部が形成される。
円形状に形成される円錐台部52Aの頂面のうち、外縁部分は、弁座に支持され、外縁部分よりも中心側の領域及び穴部の表面は、二次圧の圧縮流体に露出する。弁体52のその他の部分、すなわち、少なくとも円筒部52B及び円錐台部52Aの各底面及び各側面は、一次圧の圧縮流体に露出する。
弁体52は弁室64内に第1軸AX1上に(第1軸AX1と同軸となるように)配設されている。弁室64には第1流路CH1が連通しているため、弁室64内は一次圧を有する圧縮流体が存在する。弁体52の第1方向D1を向いた底面(「一次圧領域に露出する第1受圧面」の一例)は、弁室64内の空間に露出しているため、弁体52は、一次圧を有する圧縮流体によって第2方向D2に押圧される。
さらに、同図に示されるように、弁体52は、弁体52に対して第1方向D1側に配設される圧縮バネである弁バネ68によって支持されている。このため、弁体52は、弁バネ68の圧縮量に応じた付勢力と、弁体52の第1方向D1を向いた表面に露出する一次圧を有する圧縮流体の圧力によって、第2方向D2に押圧される。なお、弁バネ68は、レギュレータ50の第1方向D1端部に設けられる第2エンドキャップ70に取り付けられる部品に設けられる円筒状の空間内に、円筒部52Bを囲むように配設され、その端部は、円錐台部52Aの底面に係合する。
一方で、弁体52の第2方向D2を向いた頂面は、ピストン56及び弁体52を支持する弁座によって第1方向D1に押圧される。ピストン56は、メインバネ54によって第1方向D1に押圧されるから、メインバネ54は、ピストン56を介して弁体52を第1方向D1に押圧するといえる。さらに、弁体52の頂面の一部は、二次圧領域AR2に露出する。このため、弁体52は、メインバネ54の圧縮量に応じた付勢力と、弁体52の第2方向D2を向いた表面に露出する二次圧を有する圧縮流体による圧力によって、第1方向D1に押圧され、かつ、弁座によって第2方向D2への移動が規制されるように構成される。このような弁体52を含む調圧の作用については、後に詳述する。
二次圧が所定圧力となる平衡状態にあるとき、弁体52の頂面の一部は、弁座に密着しているため、弁室64(「一次圧領域」の一例)と、弁体52に対して第2方向D2側の領域である二次圧領域AR2は、連通しない。しかしながら、二次圧が低下すると弁体52は、後述するように第1方向D1に弁座から離れるように移動するため(図4参照)、弁室64と下流側の二次圧領域AR2とが連通し、一次圧を有する圧縮流体が下流側に流入するため、二次圧を高めることが可能になる。
ピストン56は、メインバネ54による付勢力を弁体52に伝えて弁体52を第1方向D1に押圧する。また、二次圧が所定圧力よりも上昇した場合、二次圧領域AR2内の圧縮流体を排気させ、二次圧を下げる。
ピストン56は第1軸AX1上に(第1軸AX1と同軸になるように)配設されている。二次圧領域AR2は、駆動機構20に圧縮流体を供給するための第2流路CH2(「二次圧流路」の一例)に連通しており、ピストン56の第1方向D1を向いた表面(「二次圧領域に露出する第2受圧面」の一例)は二次圧領域AR2に露出しているため、ピストン56は、二次圧を有する圧縮流体によって第2方向D2に押圧される。つまり、第2受圧面は、エアチャンバ34内の空気圧を受けて流路CH1,CH2を閉止する向きに押圧される。
また、ピストン56の第2方向D2端部には、第1軸AX1を中心軸とする円筒状の空間(バネ座)が設けられ、この円筒状の空間内には、メインバネ54が配設される。ピストン56は、圧縮バネであるメインバネ54によって第1方向D1に押圧される。なお、この円筒状の空間は、大気圧に維持される。
さらに、ピストン56の第1方向D1端部は、第1軸AX1を中心軸とする円筒状に延伸して弁体52の頂面に当接する。この円筒状に延伸している部分内には、大気圧に維持される円筒状の空間に連通する貫通孔Hが形成されている。
二次圧が所定圧力となる平衡状態にあるとき、ピストン56に対して第1方向D1に向かう力を作用させるメインバネ54からの付勢力と、第2方向D2に向かう力を作用させる二次圧の圧縮空気及び弁体52から受ける力が釣り合うため、ピストン56は移動しない。
しかしながら、二次圧が所定圧力より低下すると、二次圧を有する圧縮空気が第2受圧面においてピストン56を第2方向D2に押圧する力が低下するため、ピストン56及びこれに押圧される弁体52は、第1方向D1に移動する。このため、弁体52から構成される弁が吸気方向に開く(図4参照)。したがって、一次圧領域である弁室64と二次圧領域AR2が連通し、一次圧を有する圧縮空気が下流側に流入するため、二次圧を増圧させることが可能になる。二次圧が所定圧力まで上昇すると、弁体52が第2方向D2に戻り弁が閉じるため、平衡状態になる。
一方で、二次圧が所定圧力より上昇した場合、二次圧を有する圧縮空気がピストン56の第2受圧面を第2方向D2に押圧する力が増加するため、ピストン56は、第2方向D2に移動する。このため、弁座に拘束されるために第2方向D2に移動しない弁体52と、ピストン56との間にわずかな間隙が形成される(図5参照)。
ピストン56の円筒状に延伸している部分内には、貫通孔Hが形成されているため、このとき、弁体52から構成される弁が排気方向に開き、図5の矢印に示されるように貫通孔Hを介して二次圧領域AR2の圧縮空気が大気圧に維持される空間に排気される。したがって、二次圧を減圧させることが可能になる。二次圧が減圧され、所定圧力まで低下すると、ピストン56は、第1方向D1に戻るため平衡状態になる。以上のような動作により、レギュレータ50は、二次圧を所定圧力に維持することが可能に構成されている。たとえば、二次圧の所定圧力は、2.3MPaに設定される。ただし、本発明は、その他の構成を有する調圧機構に適用することが可能である。
メインバネ54は、ピストン56を介して弁体52を第1方向D1に押圧する。メインバネ54は、第1軸AX1上に(第1軸AX1と同軸になるように)配設されている。メインバネ54は、二次圧が低下したときに、弁バネ68によって第2方向D2に押圧されている弁体52を第1方向D1に移動させる必要があるため、弁バネ68よりも強い力で弁体52を押圧可能に構成されている。
メインバネ54の第1方向D1端部は、ピストン56に当接し、第2方向D2端部は、調整ねじ66に支持される。このため、調整ねじ66の位置を変更することにより、または、調整ねじ66とメインバネ54との間に座金などを挿入することにより、メインバネ54の初期荷重を調整することが可能である。
調整ねじ66は、メインバネ54を第1方向D1に押圧する。また、調整ねじ66は、第1軸AX1上に(第1軸AX1と同軸になるように)配設されている。すなわち、弁体52、ピストン56、メインバネ54、調整ねじ66は、第1軸AX1上に、釘打工具10の外方に向かう第2方向D2に、この順番で配設されている。また、プラグ62及び第1流路CH1の少なくとも一部は、第2軸AX2上に配設されている。
このため、ダイヤル80を外し、調整ねじ66の位置を変更するか、または、座金などを挿入することにより、メインバネ54の第2方向D2端部の位置を容易に調整することが可能となる。メインバネ54の初期荷重が低圧側に変動すれば空圧工具の作動不良が発生し、高圧側に変動すれば駆動機構による圧縮空気の消費量が増加しレギュレータを搭載するメリットが減殺されるところ、本実施形態に係る釘打工具10によれば、調整ねじ66が、弁体52、ピストン56及びメインバネ54よりも外方側に配設されるから、メインバネ54の初期荷重の調整が容易になる。したがって、釘打工具10の組付け性を向上させることが可能となる。
すなわち、バネは、1つ1つ荷重特性のばらつきが大きいという特性を有するため、同じようにレギュレータを組付けただけでは、空圧工具ごとに異なる荷重特性を有するレギュレータを搭載することになってしまう。そこで、レギュレータを組み付けた後に、座金を挿入したり、初期荷重の調整用ネジを調整したりすることにより、レギュレータの荷重特性のばらつきをなくすことが行われている。
荷重特性の調整の際、バネの一端とピストンとの接触状態は維持しなければならないため、バネの他端側に調圧機構を設ける必要がある。しかしながら、従来の空圧工具の場合、バネはピストンよりも空圧工具の内側に設けられていたため、調圧機構もピストンよりも空圧工具の内側に設けられる。このような状態で調圧機構を操作するために、調圧機構の操作部を空圧工具から露出させることも考え得るが、そのためにはエアチャンバとして使用させるグリップに穴を開けなければならず現実的でない。
本実施形態に係る釘打工具10は、弾性体であるメインバネ54が弁体52よりも外側、すなわち、空気取入口に近い位置に配置されるから、メインバネ54の荷重特性のばらつきを容易に調整することが可能となる。
さらに、弁体52、ピストン56及びメインバネ54は、第1軸AX1上に配設される一方、弁体52よりも上流のプラグ62は、第1軸AX1とは異なる第2軸AX2上に配設される。このような構成の結果、プラグ62を従来よりも第1方向側に移動させ、プラグ62の全体ではなく第2方向D2端部のみが釘打工具10の他の部分から突出するように配設することが可能となる(図1参照)。
このとき、第1方向D1において、メインバネ54が設けられる領域(メインバネ54の第1方向D1端部から第2方向D2端部までの領域)と、第1流路CH1が設けられる領域は、少なくとも一部が重複する。特に、本実施形態に示されるレギュレータ50の場合、第1方向D1において、メインバネ54が設けられる領域及びピストン56が設けられる領域は、第1流路CH1が設けられる領域(第1エンドキャップ58の第2方向D2端部から弁室64に至る流路の第1方向D1端部)に包含される。このような構成の結果、レギュレータ50の第1方向D1の全長W(図3Aに示す)を従来技術と比較して小さくすることが可能となる。すなわち、プラグ62の突出量を抑え、釘打工具10の全長を短くすることが可能となる。
さらに、第2軸AX2上の領域に余裕ができるため、図3Aに示されるように、第2軸AX2上に(第2軸AX2と同軸となるように)、大型のエアフィルタ60を設けることが可能になる。その結果、レギュレータ50の内部に粉塵が混入し、弁体52などと噛み合ってしまうことにより、レギュレータ50が正常に動作できなくなる可能性を低減することが可能となる。ただし、エアフィルタ60を設けずに、または、小型化し、プラグ62をさらに第1方向D1側に配設してもよい。
[荷重低減機構]
以下、図6Aから図9を参照してレギュレータ50が備える調圧機構及び荷重低減機構について説明する。調圧機構により、レギュレータ50は、二次圧を調整することが可能となる。したがって、ファスナや被加工材の種類に応じて、釘打工具10の衝撃力を変更することが可能となる。また、本実施形態に係る荷重低減機構により、調圧する際に、使用者にかかる負荷を一時的に低減することが可能となる。
まず、各機構の概要について説明し、次いで、各機構の具体的構成について説明する。調圧機構は、前述した弁体52、メインバネ54、受圧部材に加えて、ダイヤル80と、スペーサ72と、調整ねじ66と、をさらに備える。また、荷重低減機構は、カムプレート82、荷重解放バルブ84、荷重解放ピストン86を備える。
荷重解放ピストン86は、メインバネ54の第2方向D2の端部を支持する支持部の一例であり、ピストン56よりも第2方向D2側に位置しる。荷重解放ピストン86は、ピストン56に対して相対移動できる。荷重解放ピストン86は、ダイヤル80等の操作入力部に操作が入力されるとき、弁体52が位置する第1方向D1側とは逆側の第2方向D2側に移動する。
調圧機構は、ユーザがダイヤル80(「操作入力部」の一例)を回すことにより、メインバネ54の第2方向D2端部の位置を規定する部品である「支持部」の位置を変更させる。メインバネ54の第2方向D2端部の位置に応じて、メインバネ54の圧縮量が変動する。そのため、荷重解放ピストン86の位置を変更することで二次圧を調圧することが可能になる。本実施形態では、ダイヤル80とともに回転するスペーサ72と第1エンドキャップ58との接触部にスロープを設けることで、ダイヤル80(スペーサ72)の回転位置によって、第1エンドキャップ58に対するスペーサ72の位置が軸方向に変位するように構成されている。
メインバネ54の第2方向D2端部の位置を規定する部品はスペーサ72と一体に構成されているので、ダイヤル80の操作によって、メインバネ54の第2方向D2端部の位置を変位させ、メインバネ54のばね力を調整することができる。さらに、スペーサ72は荷重解放ピストン86と一体に構成されるので、荷重解放ピストン86のD1方向の軸力によって、メインバネ54の第2方向D2端部の位置を規定する部品を、ばねを圧縮する方向(D1方向)へ押圧する力が発生する。
荷重低減機構は、ダイヤル80を回したときにメインバネ54を伸長させる。メインバネ54が伸長すると、メインバネ54から調整ねじ66に作用する付勢力を弱めることが可能になるため、調圧時の操作荷重を低減することが可能になる。本実施形態では、荷重解放ピストン86の第2方向D2を向いた面を一次圧領域である荷重解放領域AR3に露出させることにより、通常時において、荷重解放ピストン86が第1方向に押圧されるように構成されている。荷重解放領域AR3は、荷重解放ピストン86に面し、この荷重解放ピストン86を挟んで弁体52とは逆側(第2方向D2側)に区画された閉鎖空間である。
ダイヤル80を回すと、ダイヤル80の操作に従動する荷重解放バルブ84により、荷重解放領域AR3が大気圧に開放され、または、減圧されるように構成されている。その結果、荷重解放ピストン86が第2方向D2に移動可能となるため、メインバネ54を自然長乃至自然長近くまで伸長させることが可能となる。したがって、メインバネ54から調整ねじ66に作用する付勢力を弱めることが可能となる。調整ねじ66は、ダイヤル80に係合しているため、ダイヤル80を回した際に使用者にかかる負荷を低減することが可能となる。以下、具体的な構成について概説する。
図6Aは、図3Cに示されたダイヤル80を第1方向D1から見た拡大図である。図6Bは、図6Aに示されたダイヤル80を回動させて操作を入力した状態を示す拡大図である。ダイヤル80は、図6A及び図6Bに示すように、第1軸AX1を中心に回動可能に構成されている。ダイヤル80は、略円盤状に形成された内側ダイヤル801と、内側ダイヤル801を径方向外側から囲繞する外側ダイヤル802と、内側ダイヤル801と外側ダイヤル802とを連結する弾性部材803と、を含んでいる。弾性部材803は、例えばゴム等から円柱状に形成されている。内側ダイヤル801の外周面と外側ダイヤル802の内周面とには、弾性部材803を収容する凹部が形成されている。
内側ダイヤル801は、前述した調整ねじ66に固定されており、該調整ねじ66を介して荷重解放ピストン86に固定されている。後述する荷重解放バルブ84が開放されていない状態では、内側ダイヤル801に作用するメインバネ54からの付勢力が大きい。そのため、外側ダイヤル802をつまんでダイヤル80を回動させようとすると、回転抵抗が大きい内側ダイヤル801が回動しない一方、外側ダイヤル802のみが弾性部材803を弾性変形させながら内側ダイヤル801に対して回動する。
図7は、図6Bに示されたダイヤル80を斜めから見た斜視図である。図7に示されるように、ダイヤル80は、カムプレート82と当接しており、ダイヤル80の外側ダイヤル802が回動するとカムプレート82が第1方向D1に変位するように構成されている。具体的には、外側ダイヤル802の、カムプレート82と当接する面には、複数の凸部81Aが第1軸AX1を中心に回転対称に周期的に設けられている。
一方でカムプレート82の、外側ダイヤル802と当接する面には、複数の凹部81Bが第1軸AX1を中心に回転対称に同一周期で設けられる。このような構成により、外側ダイヤル802の回動に伴い、凸部81Aと凹部81Bが対向するときと、そうでないときで、カムプレート82の第1方向D1の位置を変位させることが可能となる。
図7に示されるように、カムプレート82は、荷重解放バルブ84の第2方向D2端部に当接する。このため、カムプレート82の第1方向D1への変位に伴って、荷重解放バルブ84は、第1方向D1に変位する。荷重解放バルブ84は、第1方向D1に変位すると、閉弁状態から開弁状態に切り替わる。
移動前の閉弁状態において、荷重解放バルブ84のOリング84Aは、対向する円筒状の内壁面に押し付けられるため、荷重解放領域AR3及びこれに連通する減圧流路AR32を、大気圧に開放されている開放領域AR4に対してシールする。荷重解放領域AR3は加圧流路AR31(図3A参照)によって第1流路CH1に連通しているため、荷重解放領域AR3及び減圧流路AR32は、一次圧に維持される。荷重解放バルブ84がカムプレート82により第1方向D1へ変位すると、閉弁状態から開弁状態に切り替わり、荷重解放領域AR3は、大気圧に開放され、または、減圧される。
図8は、開弁状態においてメインバネ54が自然長に伸長したときのA-A断面図の一部拡大図である。図8に示されるように、荷重解放バルブ84に対向する円筒状の内壁面は、荷重解放バルブ84が第1方向D1に移動したときにOリング84Aと十分に当接しないようにわずかに径大に形成されている。このため、荷重解放バルブ84が第1方向D1に移動したとき、荷重解放領域AR3及びこれに連通する減圧流路AR32は、大気圧に開放される開放領域AR4に対して完全にシールされず、連通する開弁状態となる。
その結果、荷重解放ピストン86を第1方向D1に押圧していた荷重解放領域AR3内の圧縮空気は排気され、荷重解放ピストン86は、第2方向D2に移動可能な状態となる。そのため、メインバネ54は、荷重解放ピストン86を第2方向D2に移動させながら伸長する。したがってメインバネ54から調整ねじ66に作用する付勢力を弱めることが可能となる。
前述した内側ダイヤル801に作用するメインバネ54の付勢力が弱まると、内側ダイヤル801の回転抵抗が大きく下がる。図6Bに示されたように弾性変形した弾性部材803の復元力により、内側ダイヤル801が外側ダイヤル802と同じ位置まで回転して図6Aに示された状態に復帰する。これにより、再び、凸部と凹部が対向すると、カムプレート82は、第2方向D2に変位する。その結果、荷重解放バルブ84も、第2方向D2に変位し、初期位置に復帰する。なお、荷重解放バルブ84を第2方向D2に付勢するための圧縮バネを荷重解放バルブ84の第1方向D1端部に設けてもよい。
荷重解放バルブ84が第2方向D2に変位し元の位置に復帰すると、再び荷重解放領域AR3及びこれに連通する減圧流路AR32は、大気圧に開放される開放領域AR4に対してシールされる。荷重解放領域AR3は、図3Aに示された加圧流路AR31により第1流路CH1と連通しているため、一次圧に上昇する。その結果、荷重解放ピストン86が第1方向D1に変位する。
その結果、メインバネ54が圧縮され、第2方向D2端部において荷重解放ピストン86によって支持されるピストン56がメインバネ54により第1方向D1に押圧される。図示した例では、スペーサ72と荷重解放ピストン86とが一体構造物として構成されている。スペーサ72と荷重解放ピストン86とを別々に形成し、それらを互いに固定してもよい。荷重解放領域AR3が一次圧に上昇したとき、荷重解放ピストン86がスペーサ72とともに第1方向D1に移動する。
メインバネ54の第2方向D2端部の位置も第1方向D1に変位するが、このとき、ダイヤル80とともに回動するスペーサ72に設けられたスロープが第1エンドキャップ58に当接することで、荷重解放ピストン86の第1方向D1への変位量が決定する。つまり、ダイヤル80を回転させることでスペーサ72と、第1エンドキャップ58の距離を調整できる。したがって、メインバネ54の圧縮力を弱めて、調圧を行うことが可能となる。また、スロープによって変位量を無段階に調整可能にする構造に限らず、係合部を階段状に形成して、段階的に調整可能に形成してもよい。スロープの傾斜角度を大きくすることにより、ダイヤル80を所定角度回転させたときの変位量を大きくすることが可能になる。
図9は、図8に示された荷重低減機構の変形例を示す断面図である。変形例は、荷重解放ピストン86が、支持部として構成される外筒部862に加え、外筒部862に内嵌された内筒部861を更に備えている点が本実施形態と異なる。内筒部861は、メインバネ54が挿通された筒状に形成されている。内筒部861の形状は、円筒状であってもよいし、角筒状であってもよい。
外筒部862は、メインバネ54を囲む内筒部861に沿って摺動可能に構成されている。メインバネ54の第2方向D2側端部は、外筒部862に支持されている。メインバネ54の第1方向D1側端部は、内筒部861を貫通してピストン56に対向している。図9に示された変形例の構成であっても、図8に示された構成と同様に、調圧機構の操作荷重を低減させることができる。
[一次圧バランス機構]
以下、図10から図12を参照してレギュレータ50が備える一次圧バランス機構について説明する。一次圧が低くなると、弁体52が一次側に押し込まれて弁が開き、二次圧が高くなることが知られている。一次圧バランス機構は、一次圧をピストン56に作用させて、常にD1方向の荷重をピストン56に付加する構造であり、一次圧の変動の少なくとも一部を相殺することにより、二次圧が一次圧の変動から受ける影響を小さくする。
図10は、弁が閉じているときのA-A断面図の一部拡大図である。図10に示すように、一次圧バランス機構は、一次側(弁体52よりも上流側)の圧縮流体を二次側(弁体52よりも下流側)に導入する流路CH3及びAR51と、一次側から導入された圧縮流体からの圧力を受ける第3受圧面Fと、を含んでいる。
図示した例では、ピストン56が、円柱状の拡径部561と、拡径部561よりも直径が小さい円柱状の縮径部562とを含んでいる。ピストン56において、拡径部561は第1方向D1側に設けられ、縮径部562は第2方向D2側に設けられている。拡径部561と縮径部562との境界に円環状の第3受圧面Fが形成されている。第3受圧面Fの形状は、図示した例に限定されない。たとえば、円柱561,562が同径であるとき、第2方向D2側の円柱562の外周面を削り取って切欠き状の第3受圧面Fを形成すればよい。
荷重解放ピストン86は、略円筒形に形成された部分を含み、拡径部561の外周面の少なくとも一部に摺接する第1内周面86Aと、縮径部562の外周面の少なくとも一部に摺接する第2内周面86Bと、を有している。図7に示すように、第1内周面86Aと、縮径部562の外周面と、拡径部561の第3受圧面Fとで空間AR5が区画される。以下の説明において、当該空間を一次圧バランス領域AR5と呼ぶことがある。荷重解放ピストン86には、第1内周面86Aを貫通する流路CH3が形成されている。流路CH3は、一次側の流路CH1から分岐した図示しないバイパス流路に接続されている。バイパス流路は、第2軸AX2と第1軸AX1とに跨って形成されている。一次圧バランス領域AR5には、流路CH3を通じて一次側の圧縮空気が導入されている。第3受圧面Fは、弁体52よりも上流側の空気圧を受けて流路CH1,CH2を開放する向きに押圧される。
弁体52と第3受圧面Fとは、共通の一次圧を受圧して互いに逆向きに押圧される。互いに逆向きに押圧される弁体52及び第3受圧面Fにおいて、一次圧の変動分の力の少なくとも一部が相殺される。なお、第1方向D1から見た第3受圧面Fは、第2方向D2から見た弁体52の円筒部52Bの底面よりも面積が小さい。弁体52は、受圧面Fよりも一次圧から受ける力が大きいため、メインバネ54及び二次圧と釣り合うまでピストン56を押し返すことができる。図示した例では、第3受圧面Fが、前述した第2受圧面(ピストン56における第1方向D1を向いた表面)よりも小さく形成されている。
[第1変形例]
図11は、図10に示された一次圧バランス機構の第1の変形例を示す断面図である。第1の変形例は、ピストン56が荷重解放ピストン86ではなくレギュレータ50を構成する筐体に沿って摺動し、当該筐体には、一次側の流路CH1から分岐して一次圧バランス領域AR5に連通するバイパス流路CH3が形成されている点が本実施形態と異なる。図8に示すように、バイパス流路CH3は、第2軸AX2と第1軸AX1とに跨って形成されている。
図示した例では、荷重解放ピストン86が、ピストン56よりも第2方向D2側に配置されている。円筒形に形成された荷重解放ピストン86の内部にはメインバネ54が内嵌されている。メインバネ54は、ピストン56の第2方向D2側の端部を第1方向D1に向かって付勢している。このような変形例の一次圧バランス機構であっても、本実施形態の一次圧バランス機構と同様に、一次圧をピストン56に作用させて、常にD1方向の荷重をピストン56に付加して二次圧が一次圧の変動から受ける影響を小さくできる。
[第2変形例]
図12は、図10に示された一次圧バランス機構の第2の変形例を示す断面図である。第2の変形例は、弁体52と共通の一次圧を受けて弁体52とは逆向きに押圧される受圧面Fがピストン56ではなく、内筒部861と外筒部862とに分割された荷重解放ピストン86の内筒部861に形成されている点が本実施形態と異なる。
内筒部861は、受圧部材であるピストン56に当接可能に構成されている。一次圧バランス領域AR5は、インロー構造の内筒部861と外筒部862との隙間に区画されている。一次圧バランス領域AR5には、図示しないバイパス流路を通じて一次側の圧縮流体が導入される。このような変形例の一次圧バランス機構であっても、本実施形態の一次圧バランス機構と同様に、一次圧をピストン56に作用させて、常にD1方向の荷重をピストン56に付加して二次圧が一次圧の変動から受ける影響を小さくできる。
以上のような構成により、駆動機構20に供給する圧縮空気の二次圧を変更し調圧することが可能となる。また、調圧の際の操作荷重を低減することも可能となる。なお、ダイヤル80をさらに回動させて次の凸部と凹部が対向するときに、スペーサ72に設けられたスロープにより、さらに、荷重解放ピストン86を第1方向D1に変位させるように構成してもよい。このような構成により、二次圧を多段階に調圧することが可能となる。以上のとおりであるから、本発明によれば、調圧機構の操作荷重を低減可能な空圧工具を提供することができる。
さらに、本実施形態によれば、メインバネ54の荷重特性のばらつきを容易に調整することが可能となる。バネは、1つ1つ荷重特性のばらつきが大きいという特性を有するため、レギュレータを組み付けた後に、座金を挿入したり、初期荷重の調整用ネジを調整したりすることにより、レギュレータの荷重特性のばらつきをなくすことが行われている。本実施形態では、弾性体であるメインバネ54が弁体52よりも外側、すなわち、空気取入口に近い位置に配置されるから、ダイヤル80を外し、調整ねじ66の位置を変更する等により、メインバネ54の第2方向D2端部の位置を容易に調整することが可能となる。その結果、メインバネ54の荷重特性のばらつきを容易に調整することが可能となる。
また、本実施形態では、第1方向D1において、メインバネ54が設けられる領域(メインバネ54の第1方向D1端部から第2方向D2端部までの領域)と、第1流路CH1が設けられる領域は、少なくとも一部が重複している。これにより、レギュレータ50の第1方向D1の全長W(図3A)を従来技術と比較して小さくすることが可能となり、プラグ62の突出量を抑え、釘打工具10の全長を短くすることが可能となる。しかも、本実施形態では、第2軸AX2上の領域に余裕ができるため、図3Aに示されるように、第2軸AX2上に(第2軸AX2と同軸となるように)、大型のエアフィルタ60を設けることが可能になる。レギュレータ50が正常に動作できなくなる可能性を低減することが可能となる。
なお、本発明は、空圧工具一般に適用することが可能であり、たとえば、エアネイラ、エアドライバ及び空圧式ネジ打ち機に適用することが可能である。圧縮空気以外の圧縮流体に本発明を適用してもよい。また、本発明は、その要旨を逸脱しない限り、さまざまな変形が可能である。たとえば、当業者の通常の創作能力の範囲内で、実施形態における一部の構成要素を、同様の機能を奏する他の知られた構成に置換することができる。
[第2実施形態]
以下、第2実施形態に係る空圧工具を説明する。但し第1実施形態及びその変形例に記載された構成要素と同一又は類似する構成又は機能を有することが当業者に理解できるものについては、同一又は類似する名称を付して詳細な説明を省略し、第1実施形態に係る空圧工具と異なる点を中心に説明する。図13及び図14は、それぞれ、低圧設定時及び高圧設定時における第2実施形態に係る釘打工具110(「空圧工具」の一例。図15)に搭載されるレギュレータ150(「調圧機構」の一例)の断面図を示している。図15は、釘打工具110を第1方向D1から見た図である。
レギュレータ150以外の釘打工具110の各構成は、釘打工具10と同様であるため説明を省略する。
[調圧機構の基本構成]
レギュレータ50と同様にレギュレータ150は、空気取入口から供給され、エアチャンバによって貯留される圧縮空気の圧力を調節する。
レギュレータ150は、外部から圧縮空気の供給を受けるためのプラグ162(「空気取入口」の一例))と、プラグ162を接続するために少なくともレギュレータ150の外周を囲繞して配設される第1エンドキャップ158と、第1エンドキャップ158内に設けられるエアフィルタ160と、第1エンドキャップ158から第1流路CH1を通過して弁室164内に侵入した圧縮空気によって第2方向D2に押圧される弁体152と、弁体152を第2方向D2に押圧する弁バネ168(「コイルバネ」の一例)と、弁体152に対して第2方向D2側に配設され、弁体152に第1方向D1に向かう力を作用させるメインバネ154(「弾性体」の一例)とを備え、更に、弁体152とメインバネ154との間に配設されるピストン156(「ピストン部品」又は「受圧部材」の一例)を備える点においてレギュレータ50と共通する。
更にプラグ162が取り付けられる第1エンドキャップ158内及び第1エンドキャップ158から弁体152が配設される弁室164に至るまでの部品内には、プラグ162から供給された圧縮空気を弁室164内に供給するための第1流路CH1が形成され、弁室164が第1エンドキャップ158の第2方向D2端部よりも第1方向D1に進行した位置、かつ、第2軸AX2と垂直方向に離間した第1軸AX1上に配設されるため、第1流路CH1は、圧縮空気を第1方向D1に進行させる部分と、第2軸AX2から第1軸AX1に進行させる部分を有する(第1方向D1に進行しながら第2方向D2に進行するように傾斜する流路を有する場合を含む)点においてもレギュレータ50と共通する。
更に弁体152がピストン156とともに弁体152よりも下流側である二次圧を調整するための部品であり、弁体152が、下流側の二次圧が低下した際に第1方向D1に移動することによって、空気取入口とエアチャンバを連通する流路を開放し一次圧を有する弁体152よりも上流側の圧縮流体を下流側に流入させることにより二次圧を上昇させ、下流側の二次圧が上昇した際に第2方向D2に移動することによって流路を閉塞するとともに二次圧を低下させるように構成されている点においてもレギュレータ50と共通する。更に具体的には弁体152が弁室164内に第1軸AX1上に(第1軸AX1と同軸となるように)配設され、弁体152のうち第1方向D1を向いた面(「一次圧領域に露出する第1受圧面」の一例)が一次圧を有する圧縮流体に露出することにより、弁体152が第2方向D2に押圧され、かつ、弁体152に対して第1方向D1側に配設されて弁体152に係合する圧縮バネである弁バネ168の圧縮量に応じた付勢力によって第2方向D2に押圧可能に構成される点でもレギュレータ50と共通する。一方で、弁体152の第2方向D2を向いた頂面は、弁体152のうち第2方向D2を向いた面が二次圧を有する圧縮流体に露出することにより弁体152が第1方向D1に押圧され、かつ、弁体152に対して第1方向D1側に配設されるメインバネ154の圧縮量に応じた付勢力によってピストン156を介して第1方向D1(流路を開放する向き)に押圧可能に構成される点でもレギュレータ50と共通する。
加えて弁体152に対して第2方向D2には弁座が配列されるため、弁座によって弁体152の第2方向D2への移動が規制されるように構成される点、ピストン156の第1方向D1を向いた表面(「二次圧領域に露出する第2受圧面」の一例)が二次圧領域AR2に露出しているため、ピストン156は二次圧を有する圧縮流体によって第2方向D2(流路を閉止する向き)に押圧される点、更に、弁体152、ピストン156及びメインバネ154が第1方向D1においてこの順番で第1軸AXと同軸となるように配設されている点でも、レギュレータ50と共通する。このようなレギュレータ150を用いて二次圧を調圧し、第2流路CH2を介して調圧された圧縮流体をエアチャンバに供給することによりエアチャンバ内の圧縮流体の圧力を調節することが可能となる。このようなレギュレータ150による二次圧の調圧のメカニズムについては、第1実施形態と同様であるため、説明を省略する。
[レギュレータの詳細構成]
第1実施形態に係るレギュレータ50は、ユーザがダイヤル80を操作することにより二次圧を設定可能に構成されていた。本実施形態に係るレギュレータ150は、ユーザが操作レバー180を回転操作することにより二次圧を設定可能に構成されている点で異なる。具体的にはレギュレータ150は、ユーザが操作レバー180を回転操作することにより操作レバー180の回転角度に応じて、一次圧が2.3MPa以上のとき、例えば二次圧を1.4MPa、1.6MPa、1.8MPa及び2.3MPaの4段階に設定可能に構成されている。本実施形態に係るレギュレータ150は、カム182を用いてメインバネ154の長さを4段階に変更可能に構成することにより、二次圧を4段階に設定可能に構成されている。以下レギュレータ150の詳細構成について説明する。なお一次圧の大きさに応じて、段階的に変更可能に構成される二次圧の大きさが異なるように構成されてもよい。
図13(B)等に示されるようにレギュレータ150は、ユーザの操作により回転可能に構成されている操作レバー180と、操作レバー180によって回転可能に構成されているカム182と、カム182の表面と摺接することによりカム182を回転軸方向に移動させるためのピン184と、カム182と連動して回転軸方向に移動可能に構成されているスプリング・アジャスタ186(「調圧部材」及び「第2付勢力調整部材」の一例。以下「調圧部材186」乃至「調圧シャフト186」という場合がある。)と、メインバネ154の第2方向D2端部を支持し、スプリング・アジャスタ186の回転軸方向への移動に伴って回転軸方向に移動可能に構成されている調圧スペーサ188とを備える。
このような構成によれば、ユーザが操作レバー180を回転させると操作レバー180によって回転するカム182が回転運動を並進運動に変換するので、メインバネ154を支持する調圧スペーサ188を並進移動させる。このため調圧スペーサ188によって支持されるメインバネ154の長さを段階的に設定し、従って二次圧を設定することが可能となる。
操作レバー180は、図13等に示されるように第1軸AX上に回転軸を有するように、第1軸AX上の第2方向D2端部に配設されている。図15に示されるように操作レバー180は、回転軸である第1軸AXに平行な第2方向D2から見てレギュレータ150の外周を囲繞する第1エンドキャップ158よりも外径方向に突出する突出部180Aを有するように設けられている。このような構成により、小さな操作荷重で操作レバー180及び操作レバー180に接続されているカム182を第1軸AX回りに回転させることが可能となる。しかも後述するように突出部180Aの位置に応じて二次圧の設定圧力が決まるため、ユーザは、突出部180Aの位置に基づいて設定圧力の高低を視覚的に把握することも可能となる。
操作レバー180は、金属製のカム182の先端部に多角形状に形成されたカム係合部182C(図16)と係合する金属部180Bを備えている。板状の金属部180Bを金属製のカム係合部182Cに係合(接触)するように設けることにより操作レバー180の回転に連動してカム182を回転させることが可能となる。
更に操作レバー180は、調圧部材186に設けられた雄ねじに螺合するナット180C(図13)を備える。後述するように調圧部材186に設けられた雄ねじには、カム182が螺合する。そこで調圧部材186に形成される雄ねじの基端側の領域で螺合するカム182が第1のナットとして、調圧部材186に形成される雄ねじの先端側の領域で螺合するナット180Cが第2のナットとして機能するダブルナット構造により、調圧部材186、カム182及び操作レバー180が互いに緩むことを抑制することが可能となる。
カム182(「付勢力調整部材」の一例)は、操作レバー180の回転によって回転することにより、回転運動を並進運動に変換するための部材である。カム182は、操作レバー180に対して第1方向D1に進行した位置に、第2方向D2に付勢された状態で第1軸AX上に中心軸が存在するように配設されている。
図16は、カム182を含む部品の斜視図を示している。同図に示されるように本実施形態におけるカム182は、内周面に雌ねじが形成される円環状の筒部182Aと、筒部182Aの第1方向D1端部において外径方向に広がる底部182Bと、筒部182Aの第2方向D2端部において操作レバー180と係合するためのカム係合部182Cとを備える。底部182Bの軸方向(第2方向D2)を向いた表面には、カム182の中心軸方向において異なる高さに設けられた4つの段差面182B1乃至182B4(「ピンが摺動する前記カムの表面」の一例)が中心軸を基準として180度回転対称に設けられている。
この段差面182B1乃至182B4のいずれかの表面に、レギュレータ150の本体に取り付けられるピン184の第1方向D1端部(先端)が当接するようにカム182を第2方向D2に付勢させることにより、ピン184が当接する段差面182B1乃至182B4に応じてカム182を第1方向D1又は第2方向D2に移動させることが可能となる。本実施形態においては、段差面182B1、段差面182B2及び段差面182B3の間の段差は相対的に小さい段差を有し、段差面182B3と段差面182B4との段差は相対的に大きい段差を有する。
例えば一次圧が2.3MPaのとき、段差面182B1にピン184が当接するときは、二次圧が1.4MPaとなるように調整されている。同様に段差面182B2乃至182B4にピン184が当接するときは、それぞれ、二次圧が1.6MPa、1.8MPa及び2.3MPaとなるように調整されている。このような構成により、相対的に小さい圧力領域において細かい分解能で二次圧を設定することが可能となる。このため仕上げ等の相対的に小さな圧力で行う作業の際、ファスナを打ち込むための圧力を細かく設定することが可能となる。
なお、段差面182B1と段差面182B2との境界において、隣接する両段差面よりも第2方向D2に突出する突出部を設け、同様に段差面182B2と段差面182B3との境界及び段差面182B3と段差面182B4との境界において、それぞれ、隣接する両段差面よりも第2方向D2に突出する突出部を設けてもよい。このような突出部を設けることによりピン184を安定して段差面に当接させることが可能となる。
なおカム182に設けられる段差の数は、2以上であればよい。段差の数が2以上であれば、二次圧を2段階以上に設定することが可能となる。
また、本実施形態においてはピン184をピン184A及びピン184Bの2本用意したので、4つの段差面182B1乃至182B4を180度回転対称に設け、即ち、合計で8つの段差面を設けたが、これに限られるものではない。例えば、ピンの数を1本として、カム182に2つの段差面を設けてもよいし、ピンの数を3本として複数の段差面を120度回転対称に設けてもよい。
ピン184(「カムの表面に摺動可能に構成された部材」の一例)は、カム182の段差面182B1乃至182B4に摺接することによりカム182を第1方向D1又は第2方向D2に移動させる。本実施形態におけるピン184は、第1方向D1端部においてレギュレータ150の本体に固定される円環状の円環部品190の第1方向D1に開口し第2方向D2に延伸する孔に挿入されることにより、第2方向D2及びこれに垂直な方向への移動が規制されるように取り付けられる。この状態で、ピン184の第1方向D1端部がカム182の段差面182B1乃至182B4のいずれかの面に当接するため、ピン184はカム182を第1方向D1又は第2方向D2に移動させることが可能となる。なお、ピン184に替えてスチールボールのような部材をカムの表面に摺動可能に設けてもよい。
本実施形態におけるピン184は、第1軸AXを基準として回転対称に配設される2つのピン184A及びピン184Bから構成される。従って一方のピン184Aが段差面182B1に当接するとき、他方のピン184Bは段差面182B1と180度回転対称に設けられ、段差面182B1と同じ高さを有する段差面に当接する。このように二つのピン184A及びピン184Bを、同じ高さを有する段差面に当接させることによりカム182を安定した姿勢で第1方向D1又は第2方向D2に移動させることが可能となる。
なおピン184及びカム182は、共に金属から構成されることが好ましく、カム182は、ピン184を構成する金属の硬度より大きい硬度を有する金属から構成されることが更に好ましい。このように硬度差を設けることにより、摺接により摩耗する部品を主としてピン184にすることが可能となる。従ってカム182とピン184のうちピン184のみを交換することにより、レギュレータ150をメンテナンスすることが可能となる。
スプリング・アジャスターである調圧部材186は、カム182と共に第1方向D1又は第2方向D2に移動することにより、メインバネ154の長さを変更させるための部品である。本実施形態に係る調圧部材186は、メインバネ154によって第2方向D2に付勢された状態で、第1軸AX上に中心軸が存在するように、第2方向D2に延伸する円筒状に形成される。調圧部材186の第1方向D1端部には外径方向に延出する拡径部186Aが設けられ、この拡径部186Aの第1方向D1を向いた底面にメインバネ154Bの端部が係合することにより、調圧部材186及び調圧部材186に螺合することにより固定されるカム182は、第2方向D2に付勢される。調圧部材186の中間部にはカム182の筒部182Aの内周面に形成された雌ねじと螺合する雄ねじが形成される。調圧部材186の第2方向D2端部には、操作レバー180の内部に設けられるナット180Cに螺合する第2の雄ねじが形成される。なお、第1の雄ねじと第2の雄ねじは、必ずしも離間して形成されなくてもよく、例えば、連続的して、又は、一体的に形成されてもよい。
更に本実施形態に係るレギュレータ150は、調圧部材186とカム182との相対的位置関係を変更することにより、メインバネ154の長さを微調整することが可能である。調圧部材186が第2方向D2に付勢された状態においては、付勢されることにより調圧部材186の雄ねじとカム182の雌ねじとの螺合は容易に緩むことが無く、更にナット180Cの雌ねじとの螺合によるダブルナット構造により、一層、緩みにくい構成が実現されている。しかしながら、調圧部材186とカム182とは螺合しているため、調圧部材186をカム182に対して相対的に回転させることによりカム182に対する調圧部材186の相対位置を変更することが可能である。また、レギュレータ150の製造時等の調圧部材186が付勢されていない状態においては容易に、調圧部材186をカム182に対して相対的に回転し、調圧部材186のカム182に対する相対位置を変更することが可能である。このような構成によりメインバネ154の個体差又は経時変化に基づく荷重特性のばらつきを容易に調整することも可能となる。
メインバネ154は、ピストン156を介して弁体152を第1方向D1に押圧する。メインバネ154は第1軸AX1上に配設されており、二次圧が低下したときに弁体152を第1方向D1に移動させる点において第1実施形態に係るレギュレータ50のメインバネ54と共通する。本実施形態に係るレギュレータ150のメインバネ154は3つの弾性体であるメインバネ154A乃至154Cから構成されている点で、単一のメインバネ54から構成されている第1実施形態に係るレギュレータ50と異なる。いずれのメインバネ154A乃至154Cとも、ピストン156を介して弁体152を第1方向D1に押圧するための部品であり、第1軸AX1上に中心軸を有するように配設されている。
図14(A)等に示されるようにメインバネ154Aは、ピストン156の第1方向D1端部(先端部)に対して第2方向D2に進行した位置であって、一方で、調圧スペーサ188に対して第1方向D1に進行した位置に配設される弾性体であり、メインバネ154Aの第1方向D1端部はピストン156に係合し、第2方向D2端部は調圧スペーサ188によって支持される。従ってカム182が第1方向D1に移動し、これに伴って調圧部材186が第1方向D1に移動するとメインバネ154Aを圧縮させるように調圧スペーサ188が第1方向D1に移動するためメインバネ154Aの長さを短くすることが可能となる。一方でカム182が第2方向D2に移動し、これに伴って調圧部材186が第2方向D2に移動するとメインバネ154Aを伸長乃至復元させるように(圧縮量が小さくなるように)調圧スペーサ188が第2方向D2に移動するためメインバネ154Aの長さを長くすることが可能となる。
なおメインバネ154は付加的にメインバネ154B及びメインバネ154Cを備えてもよい。同図に示されるようにメインバネ154Bは、メインバネ154A及び調圧スペーサ188に対して第2方向D2に進行した位置であって、一方で、調圧部材186の拡径部に対して第1方向D1に進行した位置に配設される弾性体であり、メインバネ154Bの第1方向D1端部は調圧スペーサ188の拡径部に係合し、第2方向D2端部は調圧部材186の拡径部186Aによって支持される。換言するとメインバネ154A及びメインバネ154Bは、調圧スペーサ188を挟んで直列に接続されている。このためメインバネ154A及びメインバネ154Bからピストン156に対し、メインバネ154Aの弾性力及びメインバネ154Bの弾性力の合力に相当する力が第1方向D1に向かう力が作用可能に構成されている。
同図に示されるようにメインバネ154Cは、略同径の外径を有するメインバネ154A及びメインバネ154Bを包囲するように、ピストン156の第1方向D1端部(先端部)に対して第2方向D2に進行した位置に配設される弾性体である。
本実施形態に係るレギュレータ150は、ピストン156にはメインバネ154Aのばね荷重(弾性力)及びメインバネ154Cのばね荷重(弾性力)が作用する一方で、調圧部材186には両者のうちメインバネ154Aのばね荷重(弾性力)のみが作用するように構成されている。このような構成により操作レバー180の操作荷重を低減することが可能となる。
例えば、一次圧が最低の設定値(例えば、1.4MPa)のときには、メインバネ154Aを自然長に伸長させることにより、両者のうちメインバネ154Cによる(一定の)ばね荷重のみがピストン156に作用するように構成されてよい。一次圧が二番目に小さい設定値(例えば、1.6MPa)のときには、メインバネ154Aを圧縮させることにより、メインバネ154Aによる(相対的に小さな)ばね荷重及びメインバネ154Cによる(一定の)ばね荷重がピストン156に作用するように構成されてよい。一次圧が三番目に小さい設定値(例えば、1.8MPa)のときには、メインバネ154Aを更に圧縮させることにより、メインバネ154Aによる(相対的に大きな)ばね荷重及びメインバネ154Cによる(一定の)ばね荷重がピストン156に作用するように構成されてよい。このような構成により単一の弾性体から構成する場合と比較して、操作荷重の低減及びカム182とピン184との摩耗の抑制が可能となる。
しかしながら必ずしもメインバネ154を複数の弾性体から構成する必要はなく、例えば、調圧スペーサ188及びメインバネ154Bを除き、メインバネ154Aが調圧部材186に係合するように構成してもよい。更にメインバネ154Cを除いてもよい。逆にカム182に応じて長さが変わる弾性体が複数設けられてもよい。
なお本実施形態に係るレギュレータ150においては、ピン184がカム182を第1方向D1又は第2方向D2に移動させる構成が採用されたが、そのような構成に限られるものではない。例えば、操作レバー180の回転に伴って回転するカム182に当接するピン184を第1方向D1又は第2方向D2に移動可能に構成することによって、カム182がピン184を第1方向D1又は第2方向D2に移動させる構成が採用されてもよい。その場合、カム182とピン184を逆の位置関係としてもよい。即ち第1軸AX1に平行な第1方向D1において、ピン184が摺動するカム182の表面、ピン184、弾性体であるメインバネ154及び弁体152がこの順番に配設されていてもよい。その場合、例えばカム182のピン184との当接面に対してピン184は調圧部材186側(即ち第1方向D1に進行した位置)に配設される。ここでピン184と調圧部材186とを一体的に移動可能に設けてもよい。このような構成により、ピン184の第1方向D1又は第2方向D2への移動に連動して、調圧部材186を第1方向D1又は第2方向D2に移動可能に構成することが可能となる。
[調圧方法]
以下本実施形態に係るレギュレータ150を用いて二次圧を段階的に変更する方法について説明する。
図13(A)は二次圧を低圧に設定した低圧設定時における第1軸AX1及び第2軸AX2を通過する平面でレギュレータ150を切断した断面図であり、図13(B)は図13(A)のB-B断面図である。低圧設定時においてピン184は、段差面182B1(1.4MPaの場合)、段差面182B2(1.6MPaの場合)又は段差面182B3(1.8MPa)のいずれかに当接する。このためカム182は高圧設定時の位置と比較して第2方向D2に進行した位置に存在し、これに伴って調圧スペーサ188も高圧設定時の位置と比較して第2方向D2に進行した位置に存在するように構成される。このためメインバネ154Aは、高圧設定時と比較して相対的に長くなるから弱い弾性力を発揮しピストン156を第1方向D1に押圧する。
図14(A)は二次圧を高圧に設定した高圧設定時における第1軸AX1及び第2軸AX2を通過する平面でレギュレータ150を切断した断面図であり、図14(B)は図14(A)のB-B断面図である。高圧設定時においてピン184は、段差面182B4(2.3MPa)に当接する。このためカム182は低圧設定時の位置と比較して第1方向D1に進行した位置に存在し、これに伴って調圧スペーサ188も低圧設定時の位置と比較して第1方向D1に進行した位置に存在するように構成される。このためメインバネ154Aは、低圧設定時と比較して相対的に短くなるから強い弾性力を発揮しピストン156を第1方向D1に押圧する。
ここでユーザは突出部180Aを操作することにより設定圧力を低圧又は高圧に容易に変更することが可能である。図15に示されるように突出部180Aは第1エンドキャップ158よりも外径方向に突出しているから、ユーザは小さな力で大きなモーメントを発生させることが可能である。このため相対的に小さな操作荷重で操作レバー180及び操作レバー180に接続されているカム182を第1軸AX回りに回動させることが可能となる。
加えて段差面182B1乃至182B4は、カム182の中心軸を基準として180度以内の領域に設けられている。このためユーザは、突出部180Aの位置(角度)に基づいて設定圧力の高低を視覚的に把握することが可能となる。
更にカム182に対する相対位置を変更可能に調圧部材186を設けたから、製造時等に両者の相対位置を変更することによりメインバネ154の個体差や経時変化に基づく荷重特性のばらつきを容易に調整することも可能となる。
その上カム182は、金属であるピン184の硬度よりも大きい硬度を有する金属から構成した。従って摺接により摩耗する部品を主としてピン184にすることが可能となるから、複雑な形状を有するカム182の交換頻度を低減するとともに、ピン184を容易に交換可能に構成することで空圧工具110のメンテナンス性を高めることが可能となる。
また本実施形態に係るレギュレータ150においても、レギュレータ50と同様に、空気取入口として機能するプラグ162に接近する方向に相当する第2方向D2において、弁バネ168、弁体152、ピストン156、メインバネ154をこの順番で第1軸AX1上に同軸に配置し、更にレギュレータ150においては、メインバネ154に対して第2方向D2に進行する位置にカム182、操作レバー180をこの順番で第1軸AX1上に同軸に配置した。その結果、第1方向D1(又は第2方向D2)において、メインバネ154は、弁体152よりも空気取入口であるプラグ162に近い位置に配置されている。このような構成の結果、空気取入口から侵入した高圧空気は第2方向D2に進行した後、Uターンして第1方向D1に進行して二次圧領域AR2に侵入する。このような構成により第1実施形態に係るレギュレータ50と同様に、レギュレータ150を搭載することにより、打込工具110の全長を短くすることが可能となる。
また本実施形態に係るレギュレータ150においても、レギュレータ50と同様に、弁体152及びメインバネ154は第1軸AX1上に配設され、一方で、空気取入口からレギュレータ150の調圧機構に至る第1流路CH1の少なくとも一部は、第1軸AX1に略平行な第2軸AX2に沿って第1方向D1に延伸する部分を有する。そして第1流路CH1のうち第1方向D1に延伸する部分と、メインバネ154が設けられる領域とは、第1方向D1(又は第2方向D2)において、一部又は全部が重複する。このような構成によりレギュレータ150の第1方向D1(又は第2方向D2)における全長を短くすることが可能となる。
本出願は更に以下に記載される空圧工具を開示する。
(付記A1)
空気取入口から供給される圧縮空気で駆動する駆動機構を備えた空圧工具であって、
供給された圧縮空気を貯留するエアチャンバと、
前記エアチャンバ内の圧縮空気の圧力を調節する調圧機構と、を含み、
前記調圧機構は、
前記空気取入口と前記エアチャンバとを連通する流路を開閉する弁体と、
前記弁体に対し、前記流路を開放する向きに付勢力を与える弾性体と、
前記弾性体の端部を支持する支持部と、
前記エアチャンバ内の空気圧を受けて、前記流路を閉止する向きに前記弾性体を押圧する受圧部材と、
前記弁体に作用する前記弾性体の付勢力について、通常状態と、該通常状態よりも小さい付勢力を発揮する荷重軽減状態との切替が可能である荷重軽減機構と、を備えた
空圧工具。
付記A1に記載の空圧工具によれば、調圧機構の操作荷重を低減させることができる調圧器及び該調圧器を備えた空圧工具を提供することが可能となる。
(付記A2)
前記通常状態から前記荷重軽減状態に切り替わるとき、前記支持部が移動する
付記A1に記載の空圧工具。
(付記A3)
前記弾性体の付勢力をユーザが操作できる操作入力部を更に備え、該操作入力部に入力された操作に連動して、前記通常状態から前記荷重軽減状態に切り替わる
付記A1又は付記A2に記載の空圧工具。
(付記A4)
前記受圧部材は、前記弁体と前記弾性体との間に配設され、前記弾性体により前記弁体を押圧するピストン部品である
付記A1から付記A3のいずれか一項に記載の空圧工具。
(付記A5)
筒状に形成された内筒部を更に備え、
前記支持部は、前記内筒部に外嵌され、該内筒部に沿って摺動可能な外筒部であり、
前記弾性体は、前記内筒部を貫通して前記ピストン部品に対向することを特徴とする
付記A4に記載の空圧工具。
(付記A6)
前記弁体及び前記弾性体は、第1軸上に配設され、
前記空気取入口から前記調圧機構に至る流路の少なくとも一部は、前記第1軸に略平行な第2軸に沿って延伸し、
前記弾性体は、前記弁体よりも前記空気取入口に近い位置に配置されている
付記A1から付記A5のいずれか一項に記載の空圧工具。
(付記A7)
前記支持部に面し、該支持部を挟んで前記弁体とは逆側に区画された閉鎖空間である荷重解放領域と、
前記荷重解放領域に、前記弁体よりも上流側の圧縮空気を導入可能な加圧流路と、
前記荷重解放領域に導入された圧縮空気を前記調圧機構の外部へ排出可能な減圧流路と、
前記減圧流路を開閉する荷重解放バルブと、を有している
付記A1から付記A6のいずれか一項に記載の空圧工具。
(付記A8)
前記弾性体の付勢力をユーザが操作できる操作入力部を更に備え、
前記荷重解放バルブは、前記操作入力部の操作に従動して開弁し、
前記荷重解放領域が減圧されることにより、前記支持部が前記弁体の位置する側とは逆側に移動する
付記A7に記載の空圧工具。
(付記A9)
前記空圧工具は、ファスナを打ち出す打込工具であることを特徴とする
付記A1から付記A6のいずれか一項に記載の空圧工具。
(付記A10)
圧縮空気の圧力を調整する調圧器であって、
圧縮空気が供給される空気取入口と、圧力調整された圧縮空気を取り出す空気取出口とを連通する流路を開閉する弁体と、
前記弁体に対し、前記流路を開放する向きに付勢力を与える弾性体と、
前記弁体よりも下流側の空気圧を受けて、前記弁体が前記流路を閉止する向きに前記弾性体を押圧する受圧部材と、を備え、
前記弁体に作用する前記弾性体の付勢力について、通常状態と、該通常状態よりも小さい付勢力を発揮する荷重軽減状態との切替が可能である荷重軽減機構を更に備えた
調圧器。
(付記B1)
空気取入口から供給される圧縮空気で駆動する駆動機構を備えた空圧工具であって、
供給された圧縮空気を貯留するエアチャンバと、
前記エアチャンバ内の圧縮空気の圧力を調節する調圧機構と、を含み、
前記調圧機構は、
前記空気取入口と前記エアチャンバとを連通する流路を開閉する弁体と、
前記弁体に対し、前記流路を開放する向きに付勢力を与える弾性体と、
前記エアチャンバ内の空気圧を受けて、前記流路を閉止する向きに前記弾性体を押圧する受圧部材と、を備え、
前記受圧部材には、前記エアチャンバ内の空気圧を受けて前記流路を閉止する向きに押圧される第2受圧面が設けられ、
前記受圧部材又は該受圧部材に当接する部材には、前記第2受圧面よりも小さく形成されており、前記弁体よりも上流側の空気圧を受けて前記流路を開放する向きに押圧される第3受圧面が設けられている
空圧工具。
付記B1に記載の空圧工具によれば、一次圧が変動しても二次圧が影響を受けにくい空圧工具を提供することが可能となる。
(付記B2)
前記弁体及び前記弾性体は、第1軸上に配設され、
前記空気取入口から前記調圧機構に至る流路の少なくとも一部は、前記第1軸に略平行な第2軸に沿って延伸することを特徴とする
付記B1に記載の空圧工具。
(付記B3)
前記弁体よりも上流側の空気圧を前記第3受圧面に作用させるバイパス流路が前記第2軸と前記第1軸とに跨って形成されていることを特徴とする
付記B2に記載の空圧工具。
(付記B4)
前記受圧部材は、前記弁体と前記弾性体との間に配設され、前記弾性体により前記弁体を押圧するピストン部品であることを特徴とする
付記B1から付記B3のいずれか一項に記載の空圧工具。
(付記B5)
前記受圧部材に当接可能な内筒部と、該内筒部に沿って摺動可能な外筒部と、を更に備え、前記第3受圧面は、前記外筒部と前記内筒部との間に設けられていることを特徴とする
付記B1から付記B4のいずれか一項に記載の空圧工具。
(付記B6)
前記空気取入口から前記調圧機構に至るまでの流路は、第1方向に延伸する部分を有し、前記第1方向について、前記弾性体が設けられる領域と、少なくとも一部が重複する
付記B1から付記B5のいずれか一項に記載の空圧工具。
(付記B7)
前記空圧工具は、ファスナを打ち出す打込工具であることを特徴とする
付記B1から付記B6のいずれか一項に記載の空圧工具。
(付記C1)
空気取入口から供給される圧縮空気で駆動する駆動機構を備えた空圧工具であって、
供給された圧縮空気を貯留するエアチャンバと、
前記エアチャンバ内の圧縮空気の圧力を調節する調圧機構と、を有し、
前記調圧機構は、
前記空気取入口と前記エアチャンバとを連通する流路を開閉する弁体と、
前記弁体に対し、前記流路を開放するように付勢力を与える弾性体と、
前記エアチャンバ内の空気圧を受けて、前記流路を閉止する向きの付勢力を前記弾性体に作用させる受圧部材と、
前記弁体に作用する前記弾性体の付勢力を段階的に変更可能に構成された付勢力調整部材を有することを特徴とする
空圧工具。
(付記C2)
空気取入口から供給される圧縮空気で駆動する駆動機構を備えた空圧工具であって、
供給された圧縮空気を貯留するエアチャンバと、
前記エアチャンバ内の圧縮空気の圧力を調節する調圧機構と、を有し、
前記調圧機構は、
前記空気取入口と前記エアチャンバとを連通する流路を開閉する弁体と、
前記弁体に対し、前記流路を開放するように付勢力を与える弾性体と、
前記エアチャンバ内の空気圧を受けて、前記流路を閉止する向きの付勢力を前記弾性体に作用させる受圧部材と、
前記弾性体の長さを段階的に変更可能に構成された付勢力調整部材とを備えることを特徴とする
空圧工具。
なお付記C1又は付記C2に記載された空圧工具において、付勢力調整部材は、カムであってよい。
(付記C3)
前記付勢力調整部材(又はカム)は、前記弾性体の中心軸と平行の回転軸を有することを特徴とする付記C1又は付記C2に記載の空圧工具。
(付記C4)
前記付勢力調整部材(又はカム)の表面に摺動可能に構成された部材を更に備えることを特徴とする付記C1から付記C3の何れか一項に記載の空圧工具。
(付記C5)
前記弁体に作用する前記弾性体の付勢力を変更可能に構成された第2付勢力調整部材を有することを特徴とする付記C1から付記C4の何れか一項に記載の空圧工具。
前記第2付勢力調整部材は、前記付勢力調整部材(又はカム)に対する位置を変更することにより前記弾性体の長さを更に変更可能に構成された調整部材でよい。
更に前記付勢力調整部材(又はカム)は雌ねじを有し、前記付勢力調整部材は前記雌ねじと螺合する雄ねじを有し、前記付勢力調整部材(又はカム)に対する位置を変更することにより前記弾性体の長さを更に変更可能に構成されてもよい。
(付記C6)
少なくとも前記調圧機構を囲繞するエンドキャップと、
前記カムを回転させるための操作部とを更に備え、
前記操作部は、前記付勢力調整部材(又はカム)の回転軸に平行な方向から見て前記エンドキャップよりも外径方向に突出した部分を有することを特徴とする付記C1から付記C5の何れか一項に記載の空圧工具。
(付記C7)
前記弾性体は、前記弁体に対し前記流路を開放するように付勢力を与える複数の弾性体から構成され、
前記付勢力調整部材は、前記複数の弾性体のうちの一部の弾性体のみの付勢力を段階的に変更可能に構成されていることを特徴とする付記C1から付記C6の何れか一項に記載の空圧工具。
(付記C8)
前記弾性体は、前記弁体よりも前記空気取入口に近い位置に配置されることを特徴とする付記C1から付記C7の何れか一項に記載の空圧工具。
(付記C9)
前記弁体及び前記弾性体は、第1軸上に配設され、
前記空気取入口から前記調圧機構に至る流路の少なくとも一部は、前記第1軸に略平行な第2軸に沿って延伸することを特徴とする付記C8に記載の空圧工具。
(付記C10)
前記空気取入口から前記調圧機構に至るまでの流路は、第1方向に延伸する部分を有し、前記第1方向について、前記弾性体が設けられる領域と、少なくとも一部が重複することを特徴とする付記C8または付記C9に記載の空圧工具。
(付記C11)
前記受圧部材は、前記弁体と前記弾性体との間に配設され、前記弾性体により前記弁体を押圧するピストン部品であることを特徴とする付記C8乃至付記C10のいずれか一項に記載の空圧工具。
(付記C12)
前記弾性体が発揮する付勢力を調整する調整部をさらに備えることを特徴とする付記C8乃至付記C11のいずれか一項に記載の空圧工具。
(付記C13)
前記弾性体は、前記弁体に、第1方向の付勢力を与えるように構成され、
前記受圧部材は、前記弁体に、前記第1方向の反対方向の第2方向の付勢力を与えるように構成され、
前記空気取入口から前記調圧機構に至るまでの流路は、圧縮空気を前記第1方向に進行させる流路を備えることを特徴とする付記C8乃至付記C12のいずれか一項に記載の空圧工具。
(付記C14)
前記空圧工具は、ファスナを打ち出す打込工具であることを特徴とする付記C8乃至付記C13のいずれか一項に記載の空圧工具。
(付記C15)
前記弁体及び前記弾性体は、第1軸上に配設され、
前記ピン、前記カム、前記弾性体及び前記弁体は、
前記第1軸に平行な第1方向において、前記ピン、前記ピンが摺動する前記カムの表面、前記弾性体及び前記弁体がこの順番に配設されていることを特徴とする付記C4に記載の空圧工具。
(付記C16)
前記弁体及び前記弾性体は、第1軸上に配設され、
前記ピン、前記カム、前記弾性体及び前記弁体は、
前記第1軸に平行な第1方向において、前記ピンが摺動する前記カムの表面、前記ピン、前記弾性体及び前記弁体がこの順番に配設されていることを特徴とする付記C4に記載の空圧工具。
(付記C17)
前記ピンは、第1の金属から構成され、
前記カムは、前記第1の金属の硬度より大きい硬度を有する第2の金属から構成されることを特徴とする付記C4に記載の空圧工具。
(付記C18)
前記弁体に対し、前記流路を閉止する向きの付勢力を与えるコイルバネを更に備え、
前記付勢力調整部材(又はカム)は、前記コイルバネの中心軸と同軸の回転軸を有することを特徴とする付記C1又は付記C2に記載の空圧工具。
10 釘打工具
20 駆動機構
22 打込ピストン
24 打込シリンダ
26 ドライバ
28 ノーズ
30 マガジン
32 グリップ
34 エアチャンバ
36 メインバルブ
38 トリガ
50 レギュレータ
52 弁体
54 メインバネ
56 ピストン
561 拡径部
562 縮径部
58 第1エンドキャップ
60 エアフィルタ
62 プラグ
64 弁室
66 調整ねじ
68 弁バネ
70 第2エンドキャップ
72 スペーサ
80 ダイヤル
81A 凸部
81B 凹部
82 カムプレート
84 荷重解放バルブ
84A リング
86 荷重解放ピストン(「支持部」の一例)
86A 第1内周面
86B 第2内周面
801 内側ダイヤル
802 外側ダイヤル
803 弾性部材
861 内筒部
862 外筒部(「支持部」の他の一例)
AR2 二次圧領域
AR3 荷重解放領域
AR31 加圧流路
AR32 減圧流路
AR4 大気圧に開放される開放領域
AR5 一次圧バランス領域
AR51 流路
AX1 第1軸
AX2 第2軸
CH1 第1流路
CH2 第2流路
CH3 バイパス流路
D1 第1方向
D2 第2方向
F 第3受圧面
H 貫通孔

Claims (7)

  1. 空気取入口から供給される圧縮空気で駆動する駆動機構を備えた空圧工具であって、
    供給された圧縮空気を貯留するエアチャンバと、
    前記エアチャンバ内の圧縮空気の圧力を調節する調圧機構と、を有し、
    前記調圧機構は、
    前記空気取入口と前記エアチャンバとを連通する流路を開閉する弁体と、
    前記弁体に対し、前記流路を開放するように付勢力を与える弾性体と、
    前記エアチャンバ内の空気圧を受けて、前記流路を閉止する向きの付勢力を前記弾性体に作用させる受圧部材と、
    を備え、
    前記弾性体は、前記弁体よりも前記空気取入口に近い位置に配置されることを特徴とする空圧工具。
  2. 前記弁体及び前記弾性体は、第1軸上に配設され、
    前記空気取入口から前記調圧機構に至る流路の少なくとも一部は、前記第1軸に略平行な第2軸に沿って延伸することを特徴とする請求項1に記載の空圧工具。
  3. 前記空気取入口から前記調圧機構に至るまでの流路は、第1方向に延伸する部分を有し、前記第1方向について、前記弾性体が設けられる領域と、少なくとも一部が重複することを特徴とする請求項1または2に記載の空圧工具。
  4. 前記受圧部材は、前記弁体と前記弾性体との間に配設され、前記弾性体により前記弁体を押圧するピストン部品であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の空圧工具。
  5. 前記弾性体が発揮する付勢力を調整する調整部をさらに備えることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の空圧工具。
  6. 前記弾性体は、前記弁体に、第1方向の付勢力を与えるように構成され、
    前記受圧部材は、前記弁体に、前記第1方向の反対方向の第2方向の付勢力を与えるように構成され、
    前記空気取入口から前記調圧機構に至るまでの流路は、圧縮空気を前記第1方向に進行させる流路を備えることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の空圧工具。
  7. 前記空圧工具は、ファスナを打ち出す打込工具であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の空圧工具。
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