JP2022070156A - 破砕機の破砕負荷制御装置及び方法 - Google Patents

破砕機の破砕負荷制御装置及び方法 Download PDF

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Abstract

【課題】制御パラメータの調整に要する作業時間の短縮化及び省力化を実現する破砕機の破砕負荷制御装置及び方法を提案する。【解決手段】破砕機の破砕負荷制御装置は、破砕機の或る制御対象に対して出力された或る指令値の応答として得られた破砕負荷を未処理負荷応答として取得する負荷応答取得部と、未処理負荷応答を前処理して負荷応答とする前処理部と、負荷応答と所定の負荷目標値との偏差に基づいて新たな指令値を生成するフィードバック制御部と、負荷応答に基づいてフィードバック制御部の制御パラメータを調整する制御パラメータ調整部とを、備える。前処理部は、未処理負荷応答に含まれる破砕機に固有の破砕振動を減衰させる定常特性抽出フィルタを有する。【選択図】図4

Description

本発明は、岩石や鉱石などの破砕に利用される旋動式破砕機及び衝撃式破砕機、並びに廃棄物等の破砕に利用される一軸せん断式破砕機などの破砕機の破砕負荷制御装置及び方法に関する。
従来から、円錐筒状のコンケーブとその内側に配置された円錐台状のマントルとの間に破砕室が形成され、原料ホッパから破砕室に供給された原石(被破砕物)をコンケーブとマントルとの間に噛み込んで圧砕するように構成された旋動式破砕機が知られている。マントルは、電動モータによって偏心旋回運動するように駆動される。コンケーブとマントルの二つの破砕面の間隙は周期的に変化し、その間隙の最も狭い位置における出口セット(開き)の寸法(クローズドセット)によって、破砕物の粒度が定まる。旋動式破砕機は、出口セット量を変更する方式によって油圧式と機械式とに種別される。油圧式は、位置固定されたコンケーブに対しマントルを昇降する油圧シリンダを備える。機械式は、マントルに対しコンケーブを昇降する電動モータを備える。
上記のような旋動式破砕機を安定的、効率的に運転するためには、破砕室内の原石を満量状態(チョークフィード状態)で運転する必要がある。原石が破砕室を通過する時間は、原石粒度、原石水分などの原石の性状によって変動する。そのため、原石の定量供給では、チョークフィード状態を継続的に得ることはできない。このような課題に対し、例えば、特許文献1では、チョークフィード状態を維持するために、レベルスイッチで検出されるホッパの原石のレベル量が一定に保持されるように、原石の供給量を調整することが開示されている。
旋動式破砕機では、チョークフィード状態が維持されていても、原石の性状や水分量などの変動によって負荷が変動することがある。また、旋動式破砕機では、異物の噛み込みや原石のパッキング現象などによって、オーバーロードとなることがある。このような課題に対し、例えば、特許文献2では、油圧シリンダの油圧圧力及び電動モータの電流値に基づいて負荷の大小を判定し、判定結果に基づいて出口セット量の調整を行うことが開示されている。ここで、出口セット量の検出値が目標値に到達するまで、油圧シリンダへの所定時間の注油(又は、排油)を反復するオンオフ制御が行われる。
特開平10-272375号公報 特開昭55-5718号公報
本願の発明者らは、旋動式破砕機を自動運転するにあたり、旋動式破砕機の出口セット量と原石の供給量との少なくとも一方を、オンオフ制御ではなく、フィードバック制御を用いて制御することを検討している。より詳細には、電動モータの電流値又は油圧シリンダの油圧値を負荷指標とし、或る操作量の応答として得られた負荷指標の測定値と目標値との偏差から制御アルゴリズムを利用して新たな操作量を求めることによって、負荷指標が所定の定常範囲に収まるように制御しようとしている。
しかし、旋動式破砕機は投入原石の性状(硬度や水分含有量等)にばらつきがあることから、応答感度が最大で10倍程度増減して、フィードバック制御を行う場合の制御パラメータの適性値が変動する。そのため、旋動式破砕機の制御対象について制御パラメータを固定してフィードバック制御を行うと、ハンチング等の不安定現象が生じたり、目標値までの追従に時間を要したりするなどの課題が生じる。
本発明は以上の事情に鑑みてされたものであり、その目的は、破砕機の安定的な運転の継続を実現するために、制御パラメータの調整に要する作業時間の短縮化及び省力化を実現する破砕機の破砕負荷制御装置及び方法を提案することにある。
本発明の一態様に係る破砕機の破砕負荷制御装置は、
前記破砕機の或る制御対象に対して出力された或る指令値の応答として得られた破砕負荷を未処理負荷応答として取得する負荷応答取得部と、
前記未処理負荷応答を前処理して負荷応答とする前処理部と、
前記負荷応答と所定の負荷目標値との偏差に基づいて新たな指令値を生成するフィードバック制御部と、
前記負荷応答に基づいて前記フィードバック制御部の制御パラメータを調整する制御パラメータ調整部とを、備え、
前記前処理部が、前記未処理負荷応答に含まれる前記破砕機に固有の破砕振動を減衰させる定常特性抽出フィルタを有することを特徴としている。
上記構成の破砕機の破砕負荷制御装置によれば、フィードバック制御部及び制御パラメータ調整部に入力される負荷応答は、前処理部によりなされた処理に支配される。つまり、前処理によって破砕振動の影響が除かれた負荷応答を破砕機の負荷応答特性と見做すことができる。前処理部のフィルタ特性は任意に設計可能であるから、このフィルタ特性に対応して制御パラメータ調整部を設計することができる。これにより、制御パラメータ調整部を用いて理論的にフィードバック制御部の制御パラメータの自動的な調整を行うことができるので、制御パラメータの調整に要する作業時間の短縮化及び省力化を実現することができ、また、制御パラメータの調整の要否の判断の精度を向上させることができる。ひいては、破砕機の安定的な運転の継続に寄与することができる。
また、本発明の一態様に係る破砕機の破砕負荷制御方法は、
破砕機の或る制御対象に対して出力された或る指令値の応答として得られた破砕負荷を未処理負荷応答として取得するステップと、
前記未処理負荷応答を前処理するステップと、
前記未処理負荷応答を前記前処理して得られた負荷応答と所定の負荷目標値との偏差に基づいてフィードバック制御器を用いて新たな指令値を生成するステップと、
前記負荷応答に基づいて前記フィードバック制御器の制御パラメータを調整するステップとを、含み、
前記前処理するステップが、前記未処理負荷応答に含まれる前記破砕機に固有の破砕振動を減衰させて前記未処理負荷応答から定常特性を抽出することを含むことを特徴としている。
上記の破砕機の破砕負荷制御方法によれば、新たな指令値を生成するステップ及び制御パラメータを調整するステップで利用される負荷応答は、前処理に支配される。つまり、前処理によって破砕振動の影響が除かれた負荷応答を破砕機の負荷応答特性と見做すことができる。前処理において未処理負荷応答から定常特性を抽出する処理の内容は任意に設計可能であるから、前処理に対応して制御パラメータを調整するための処理を設計することができる。これにより、理論的にフィードバック制御器の制御パラメータの自動的な調整を行うことができるので、制御パラメータの調整に要する作業時間の短縮化及び省力化を実現することができ、また、制御パラメータの調整の要否の判断の精度を向上させることができる。ひいては、破砕機の安定的な運転の継続に寄与することができる。
本発明によれば、制御パラメータの調整に要する作業時間の短縮化及び省力化を実現する破砕機の破砕負荷制御装置及び方法を提案することができる。
図1は、本発明の一実施形態に係る旋動式破砕機の概略構成を示す図である。 図2は、図1に示す旋動式破砕機の制御系統の構成を示す図である。 図3は、第1例に係る破砕負荷制御の構成を示す図である。 図4は、第1例に係る破砕負荷制御の処理の流れ図である。 図5は、未処理負荷応答の振幅及び周波数の特性を説明する図である。 図6は、負荷応答とそのFFT解析結果との関係を示す表である。 図7は、破砕負荷制御のシミュレーション結果を示す図表である。 図8は、第2例に係る破砕負荷制御の構成を示す図である。 図9は、第2例に係る破砕負荷制御における初期制御パラメータ調整処理の流れ図である。 図10は、初期制御パラメータ調整処理を説明する図である。
次に、図面を参照して本発明を旋動式破砕機に適用した実施形態を説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る破砕機1の概略構成を示す図である。
〔破砕機1の概略構成〕
図1に示すように、破砕機1は、原石(被破砕物)を貯留するホッパ2と、ホッパ2へ原石を供給する供給装置4と、ホッパ2から落下した原石を噛み込んで破砕するマントル13及びコンケーブ14と、マントル13の旋回駆動手段である電動モータ8と、電動モータ8からマントル13へ回転動力を伝達する動力伝達機構80と、マントル13をコンケーブ14に対し昇降させる出口セット調整装置10と、破砕機1の動作を司る制御装置9とを備える。
破砕機1は、トップフレーム31及びボトムフレーム32からなるフレーム3を更に備える。トップフレーム31の内周に、円錐筒状のコンケーブ14が設けられている。コンケーブ14の内側には、円錐台状のマントル13が配置されている。間隙を隔てて対峙するコンケーブ14の破砕面とマントル13の破砕面との間に、鉛直断面が楔状をなす破砕室16が形成されている。
ホッパ2は、トップフレーム31の上部に配置されている。供給装置4は、例えば、コンベヤ(図示略)等を含み、ホッパ2への原石の供給量が調整可能である。供給装置4の駆動手段である電動モータ41は、可変速モータであって、モータドライバ43によって駆動・制御される。
マントル13は、主軸5の上部に固定されたマントルコア12に取り付けられている。主軸5は、その軸心が鉛直方向から傾いた状態で、フレーム3内に配置されている。主軸5の上端は、トップフレーム31の上端部に設けられた上部軸受34に、回転自在に支持されている。主軸5の下部は、インナーブッシュ51に嵌挿されている。インナーブッシュ51は偏心スリーブ52に固定されている。偏心スリーブ52は、ボトムフレーム32に設けられたアウターブッシュ53に嵌挿されている。偏心スリーブ52の下部は、油圧シリンダ6のシリンダチューブ63に設けられた滑り軸受66に支持されている。主軸5の下端は、油圧シリンダ6のラム61に設けられた滑り軸受62に支持されている。
電動モータ8は、フレーム3の外に配置されている。電動モータ8には、その回転数を
検出する回転数センサ25、その出力トルクを検出するトルクセンサ26が設けられている。電動モータ8は、モータドライバ88によって駆動・制御される。
動力伝達機構80は、電動モータ8からマントル13が固定された主軸5へ動力を伝達する。動力伝達機構80は、横軸83、電動モータ8の出力軸81から横軸83へ回転動力を伝達するベルト(又はチェーン)式伝動機構82、偏心スリーブ52、及び、横軸83から偏心スリーブ52へ回転動力を伝達する傘歯車伝動機構84を含む。電動モータ8の出力を受けて偏心スリーブ52が回転すると、偏心スリーブ52に挿嵌された主軸5が偏心旋回する。これにより、マントル13が位置固定されたコンケーブ14に対して偏心旋回運動、いわゆる歳差運動を行う。マントル13の偏心旋回運動によって、マントル13の破砕面とコンケーブ14の破砕面との出口セット量(開き)は主軸5の旋回位置に応じて変化する。
本実施形態に係る破砕機1は、出口セット調整装置10としての油圧シリンダ6を備える。油圧シリンダ6の動作により、マントル13がコンケーブ14に対して昇降移動して、コンケーブ14とマントル13の二つの破砕面の間隙の最も狭い位置における出口セット量(クローズドセット)を変化させる。この油圧シリンダ6は、マントル13に掛かる破砕圧を受ける受圧手段としての機能も併せ備える。
油圧シリンダ6は、シリンダチューブ63、シリンダチューブ63内を摺動するラム61、出口セットセンサ23、油タンク67、及び、油圧回路7を含む。出口セットセンサ23は、例えば、ラム61の位置(変位)を検出する接触式又は非接触式の位置センサである。出口セットセンサ23で検出されたラム61の位置からコンケーブ14に対するマントル13の高さ方向の位置が求まり、コンケーブ14とマントル13との相対的位置関係から出口セット量が求まる。
シリンダチューブ63内には、ラム61の変位によって容量の変化する油圧室65が形成されており、この油圧室65に油圧回路7が接続されている。油タンク67の作動油が油圧回路7を通じて油圧室65へ給油されることにより、ラム61が上昇する。また、油圧室65の作動油が油圧回路7を通じて油タンク67へ排油されることにより、ラム61が降下する。
油圧回路7は、油圧室65の下部と連通された連通管71、連通管71に設けられたアキュムレータ72(又は、バランスシリンダ)、連通管71と接続された給油管73、及び、給油管73と接続された排油管74を含む。但し、油圧回路7の構成は本実施形態に限定されない。給油管73には、油タンク67から油圧室65への作動油の流れに沿って上流側から順に、ストレーナ75、ギヤポンプ76、チェックバルブ77、及び、ノーマルクローズのシャットオフバルブ78が設けられている。ギヤポンプ76はポンプモータ68によって駆動される。ポンプモータ68は、電動モータであって、モータドライバ69によって駆動・制御される。油圧室65、連通管71、又は給油管73には、油圧室65の作動油の圧力を検出する圧力センサ24が更に設けられている。排油管74は、給油管73においてチェックバルブ77とシャットオフバルブ78との間に接続されている。排油管74には、ノーマルクローズのシャットオフバルブ79が設けられている。
〔破砕機1の制御系統の構成〕
図2は、破砕機1の制御系統の構成を示す図である。図2に示すように、制御装置9には、出口セットセンサ23、圧力センサ24、回転数センサ25、及びトルクセンサ26を含む各種計器が、信号を送受信可能(又は送信可能)に有線又は無線で接続されている。制御装置9には、オペレータに対して警報を出力する警報装置99や、オペレータに対して処理の内容や結果を提示する表示出力装置98が接続されている。また、制御装置9には、供給装置4の電動モータ41のモータドライバ43、電動モータ8のモータドライバ88、ポンプモータ68のモータドライバ69、シャットオフバルブ78、及びシャットオフバルブ79を含む各種機器が、信号を送受信可能に有線又は無線で接続されている。
制御装置9は、いわゆるコンピュータであって、CPU等の演算処理部、ROM、RAM等の記憶部を有している(いずれも図示せず)。記憶部には、演算処理部が実行するプログラム、各種固定データ等が記憶されている。演算処理部は、外部装置とのデータ送受信を行う。また、演算処理部は、各種センサからの検出信号の入力や破砕機1の各構成要素への制御信号の出力を行う。
制御装置9は、破砕機1の各要素の動作を制御する動作制御装置90と、破砕機1の破砕負荷を制御する破砕負荷制御装置91とを有する。動作制御装置90は、供給装置4の動作を制御する制御部、出口セット調整装置10(油圧シリンダ6)の動作を制御する制御部、電動モータ8の動作を制御する制御部の各機能部を含む。破砕負荷制御装置91は、フィードバック制御部92(フィードバック制御器)、負荷応答取得部94、制御パラメータ調整部95、前処理部97、及び、表示制御部93の各機能部を含む。制御装置9では、演算処理部が記憶部に記憶されたプログラム等のソフトウェアを読み出して実行することにより、上記の機能部としての処理が行われる。なお、制御装置9は単一のコンピュータによる集中制御により各処理を実行してもよいし、複数のコンピュータの協働による分散制御により各処理を実行してもよい。また、制御装置9は、マイクロコントローラ、プログラマブルロジックコントローラ(PLC)等から構成されていてもよい。動作制御装置90と破砕負荷制御装置91とは一体的に構成されていてもよいし、それぞれ独立しているが互いに通信可能に構成されていてもよい。
〔破砕機1の運転方法〕
ここで、上記構成の破砕機1の運転方法について説明する。破砕機1の運転を開始するにあたり、制御装置9は、出口セット量が初期設定値となるように出口セット調整装置10を動作させる。出口セット量の初期設定値は、原石や破砕物の粒径などに応じて予め設定される。制御装置9は、出口セットセンサ23の検出値に基づいて、出口セット量が初期設定値となるように出口セット調整装置10を動作させる。制御装置9は、出口セット量が初期設定値より大きい場合には、シャットオフバルブ78を開放し、ポンプモータ68を稼働させて、油圧室65へ給油する。また、制御装置9は、出口セット量が初期設定値より小さい場合には、シャットオフバルブ78及びシャットオフバルブ79を開放して、油圧室65から排油する。
続いて、制御装置9は、電動モータ8を起動し、供給装置4を起動させる。供給装置4の動作によって原石はホッパ2を通って破砕室16へ投入され、コンケーブ14と偏心旋回運動するマントル13との間で破砕されて、ボトムフレーム32の下方から破砕品として回収される。
上記のような破砕機1の運転中に、原石の性状、ホッパ2内の原石のレベルの変化などの外乱に起因して破砕負荷が変動する。ここで「破砕負荷」とは、原石の破砕に伴って電動モータ8の出力軸81に掛かる負荷を意味する。なお、電動モータ8は、出力軸81に所定以上の過負荷が発生すると、出力軸81の回転がロックされ、過負荷保護回路の作動によって非常停止する。そこで、破砕機1では、破砕負荷を直接的又は間接的に表す負荷指標Iを測定する負荷測定器を備え、制御装置9は破砕運転中に測定された負荷指標Iを監視し、負荷指標Iが所定の定常範囲内に維持されるように供給装置4による原石の供給量及び出口セット調整装置10による出口セット量の少なくとも一方を調整する破砕負荷制御を行う。
破砕負荷は、出力軸81の回転数と出力トルクとの積で表される。よって、破砕負荷を、回転数センサ25で検出された回転数とトルクセンサ26で検出された出力トルクの積として測定することができる。なお、出力軸81の回転数は、横軸83の回転数及び偏心スリーブ52の回転数と対応しているので、回転数センサ25で検出された回転数に代えて、横軸83又は偏心スリーブ52に設けられた回転数センサ(図示略)で検出された回転数が用いられてもよい。
破砕負荷は、電動モータ8の駆動電流と相関関係がある。よって、破砕負荷の変化を、電動モータ8の駆動電流の変化に基づいて推定することができる。電動モータ8の駆動電流は、モータドライバ88に含まれる電流センサ88aの検出値として測定することができる。
また、破砕負荷は、電動モータ8の消費電力と相関関係がある。よって、破砕負荷の変化を、電動モータ8の消費電力の変化に基づいて推定することができる。電動モータ8の消費電力は、モータドライバ88に含まれる電流センサ88aの検出値と電圧センサ88bの検出値との積として測定することができる。
また、破砕負荷は、破砕圧と相関関係がある。よって、破砕負荷の変化を、破砕圧の変化に基づいて推定することができる。破砕圧は、圧力センサ24で検出された油圧室65の圧力として測定することができる。
以上から、負荷指標Iとして、回転数と出力トルクとの積の値、電動モータ8の駆動電流の値、電動モータ8の消費電力の値、及び、破砕圧の値のうち少なくとも1つを採用することができる。そして、採用された負荷指標Iに応じて、負荷指標Iを測定又は検出する計器が負荷測定器として選択される。
〔破砕負荷制御装置91による破砕負荷制御〕
破砕負荷制御装置91には、負荷指標Iと制御対象とが予め設定されており、負荷目標値や制御アルゴリズムの初期制御パラメータなど含む、制御に利用する各種数値が予め設定されている。なお、負荷指標Iは、前述の通り、破砕負荷を直接的又は間接的に表す測定値であって、回転数と出力トルクとの積の値、電動モータ8の駆動電流の値、電動モータ8の消費電力の値、及び、破砕圧の値のうちいずれか1つであってよい。また、制御対象は、供給装置4による原石の供給量及び出口セット調整装置10による出口セット量のうち少なくとも一方である。生産量が重視される場合には、原石の共有量を一定として、出口セット量を可変とする破砕負荷制御が行われる。また、製品粒度が重視される場合には、出口セット量を一定として、原石の供給量を可変とする破砕負荷制御が行われる。以下、破砕負荷制御装置91が行う破砕負荷制御の第1例及び第2例を説明する。
<破砕負荷制御の第1例>
先ず、破砕負荷制御の第1例から説明する。破砕負荷制御装置91による破砕負荷制御の第1例では、破砕機1が起動したのち、駆動電流値及び破砕圧が各々所定の定常運転値で安定した状態となってから、即ち、定常状態に入ってから破砕負荷制御が開始される。図3は、第1例に係る破砕負荷制御の構成を示す図であり、図4は第1例に係る破砕負荷制御の処理の流れ図である。
図3に示すように、破砕負荷制御装置91は、負荷応答取得部94と、前処理部97と、フィードバック制御部92と、表示制御部93と、制御パラメータ調整部95とを備える。以下、図3及び図4を参照しながら、破砕負荷制御の処理の流れに沿って破砕負荷制御に係る構成について説明する。
動作制御装置90は、制御対象を調整する要素を或る指令値MVn-1(但し、nは自然数)を対応して動作させているものとする。破砕負荷制御装置91の負荷応答取得部94は、負荷指標In-1を測定又は検出する負荷測定器から、未処理負荷応答(即ち、指令値MVn-1に対応する負荷指標In-1の応答波形)を取得する(ステップS1)。例えば電動モータ8の駆動電流を負荷指標Iとした場合には、電動モータ8の駆動電流を検出する電流センサ88aの検出値を時系列に並べたものが未処理負荷応答として生成される。
前処理部97は、未処理負荷応答に対し前処理を行う(ステップS2)。前処理部97は、ノイズ除去フィルタ97a及び定常特性抽出フィルタ97bの2種類のフィルタを含む。
ノイズ除去フィルタ97aは、未処理負荷応答から高周波数のノイズを減衰除去する。ノイズ除去フィルタ97aは、例えば、現在時刻を移動させながら過去m時刻分(mは自然数)の入力信号値の単純平均を出力する単純移動平均フィルタである。但し、ノイズ除去フィルタ97aとして、単純移動平均フィルタ以外の公知の移動平均フィルタの他、一次遅れフィルタが採用されてもよい。
定常特性抽出フィルタ97bは、所定の遮断周波数よりも高い周波数成分を減衰させるローパスフィルタであって、未処理負荷応答から定常特性を抽出する。図5は、未処理負荷応答の振幅及び周波数の特性を説明する図である。図5に示すように、未処理負荷応答には、抽出すべき応答感度の変動に起因するハンチングの他に、破砕機1に特有の破砕振動やノイズなどが含まれる。そこで、定常特性抽出フィルタ97bは、定常特性を表す周波数領域の振幅は維持され、破砕機1に固有の破砕振動の周波数(以下、「固有振動周波数」と称する)の振幅は減衰されるように構成されている。より詳細には、定常特性抽出フィルタ97bは、遮断周波数以下(通過帯域)では振幅が維持され、遮断周波数より大きな周波数(阻止帯域)では振幅が減衰されるように構成されている。このような遮断周波数は、例えば、固有振動周波の最小値である。なお、固有振動周波数は事前に解析的に求めることが可能である。未処理負荷応答が定常特性抽出フィルタ97bで処理されることによって、ハンチングが生じる周波数(以下、「ハンチング周波数」と称する)を含む周波数帯域の振幅が抽出される。なお、ハンチング周波数は、定常特性抽出フィルタ97bの周波数特性に依存する。より詳細には、定常特性抽出フィルタ97bによる位相遅れ特性により位相交差周波数(即ち、位相遅れが180度となる周波数)が規定され、この位相交差周波数の周波数帯で制御系が不安定となってハンチングが生じることから、位相交差周波数の周波数帯がハンチング周波数帯域となる。
上記のように、前処理部97で前処理されることによってノイズ及び破砕振動が除去された未処理負荷応答を、「負荷応答」と称する。負荷応答は、フィードバック制御部92で次の指令値MVnの生成に利用される。
フィードバック制御部92は、負荷指標Iが所定の定常範囲内となるように、制御対象に対する指令値MVnを生成する。本例においてフィードバック制御部92は、制御アルゴリズムとして、比例積分微分(PID:Proportional-Integral-Derivative)制御アルゴリズム採用し、所与の負荷目標値と負荷応答との偏差から指令値MVnを生成するように構成されている。但し、フィードバック制御部92の制御アルゴリズムは、本例に限定されず、比例(P:Proportional)制御アルゴリズム、比例積分(PI:Proportional-Integrating)制御アルゴリズム、比例積分微分制御アルゴリズム、及び、比例微分フィードバック(PDF:Proportional-Derivative-feedback)制御アルゴリズムを含む制御アルゴリズム群から選択された一つであればよい。
制御パラメータ調整部95は、変動する応答感度に対してフィードバック制御部92の制御パラメータを適切にチューニングする。ここで、チューニングされる制御パラメータは、フィードバック制御部92の制御ゲイン(比例ゲインKp)である。但し、チューニングされる制御パラメータは、フィードバック制御部92の比例ゲインKpに加えて、微分ゲインKd及び積分ゲインKiの少なくとも一方が含まれていてもよい。
制御パラメータ調整部95は、FFT(高速フーリエ変換)アルゴリズムを用いて負荷応答を周波数解析する(ステップS3)。制御パラメータ調整部95は、負荷応答のFFT解析結果(周波数解析結果)に基づいて、応答感度の上昇(又は、上昇及び低下)を検出する。
図6は、負荷応答とそのFFT解析結果との関係を示す表である。図6では、(a)応答感度が上昇して相対的に制御パラメータが過大となった場合、(b)応答感度の変化が十分に小さく制御パラメータが適切な場合、(c)応答感度が低下して相対的に制御パラメータが過小となった場合、の各々において負荷応答とそのFFT解析結果とが示されている。
(a)の場合、負荷応答は負荷目標値を挟んで大きく振れてハンチングしており、FFT解析結果にはハンチング周波数のピークが表れている。このことから、負荷応答のFFT解析結果において、ハンチング周波数のピークが見られる場合には、応答感度が上昇して相対的に制御パラメータが過大となっていると推定される。
(c)の場合、負荷応答は負荷目標値よりも小さく、負荷目標値からの偏差が大きい状態が継続しており、FFT解析結果にはハンチング周波数と異なる周波数(ハンチング周波数よりも低い周波数)にピークが表れている。このことから、負荷応答のFFT解析結果において、ハンチング周波数よりも低い周波数でピークが見られる場合には、応答感度が低下して相対的に制御パラメータが過小となっていると推定される。
(b)の場合、負荷応答は概ね負荷目標値に維持されており、FFT解析結果にピークは存在しない。このことから、負荷応答のFFT解析結果において、ピークが見られない場合には、応答感度の変化が十分に小さく制御パラメータが適切であると推定される。
上記のように、負荷応答のFFT解析結果に基づいて、破砕機1の応答感度の上昇と低下を検出することができる。
制御パラメータ調整部95は、応答感度の上昇を検出した場合(ステップS4でYES)、ハンチングの振幅を求め、ハンチングの振幅と所定の閾値とを比較する(ステップS5)。ハンチングの振幅は、最大振幅又は平均振幅であってよい。制御パラメータ調整部95は、ハンチングの振幅が閾値以上であれば(ステップS5でYES)、制御ゲインを減少させるように制御パラメータを調整する(ステップS6)。具体的には、制御パラメータ調整部95は、比例ゲインKpを所定の第1比例ゲイン調整量だけ減少させた新たな比例ゲインKpnを生成して、新たな比例ゲインKpnで比例ゲインKpを更新する。
制御パラメータ調整部95は、応答感度の上昇を検出せず(ステップS4でNO)、応答感度の低下を検出した場合(ステップS7でYES)、任意の区間の偏差面積を求める。偏差面積は、任意の区間の負荷目標値と負荷応答との偏差の累積値であり、負荷目標値と負荷応答で囲まれた領域の面積である(図6、参照)。制御パラメータ調整部95は、求めた偏差面積が所定の閾値以上であれば(ステップS8でYES)、制御ゲインを増加させるように制御パラメータを調整する(ステップS6)。具体的には、制御パラメータ調整部95は、比例ゲインKpを所定の第2比例ゲイン調整量だけ増加させた新たな比例ゲインKpnを生成し、新たな比例ゲインKpnで比例ゲインKpを更新する。
破砕機1の応答感度が低下すると、外乱などにより負荷目標値と負荷応答との偏差が大きくなった場合に、負荷応答を負荷目標値へ復帰させるために時間を要する。このことから、上述のように応答感度が低下した場合に制御パラメータを調整することが望ましいが、ハンチングを抑制する目的からは、応答感度が低下した場合の制御パラメータの調整は省略されてもよい。
制御パラメータ調整部95は、応答感度の変化が十分に小さい場合、応答感度が上昇しているがハンチングの振幅が閾値未満である場合、及び、応答感度が低下しているが偏差面積が閾値未満である場合には、制御パラメータの調整を行わない。
上記のように、制御パラメータ調整部95によって現在の応答感度に応じた値となるように制御パラメータの調整が行われる。制御パラメータが調整されたフィードバック制御部92では、負荷目標値と負荷応答との偏差から速度型PID制御アルゴリズムに基づいて新たな指令値MVnを生成する(ステップS9)。
フィードバック制御部92は、生成した新たな指令値MVnを動作制御装置90へ出力する。動作制御装置90は、新たな指令値MVnに対応して制御対象を調整する要素を動作させる。制御対象が供給装置4による原石の供給量である場合には、新たな指令値MVnに対応して供給装置4が動作して、ホッパ2への原石の供給量が変化する。また、制御対象が出口セット調整装置10による出口セット量である場合には、新たな指令値MVnに対応して油圧シリンダ6が動作して、出口セット量が変化する。
上記のように新たな指令値MVnに対応して制御対象が変化すると、負荷指標Iに新たな指令値MVnの応答が表れる。破砕負荷制御装置91は処理をステップS1へ戻して、負荷応答取得部94が取得した新たな指令値MVnの未処理負荷応答に基づいて破砕負荷制御を行う。なお、上記のように制御パラメータの調整が行われても応答感度の変化が改善されないことがあり、このような場合にはメンテナンスが必要となる。そこで、制御パラメータ調整部95は、制御パラメータの調整を行ってから所定の観察期間(例えば数時間)を経過しても応答感度の変化が継続的に推定されている場合に、オペレータに対し異常を報知するために警報装置99へ警報を出力するように構成されていてよい。
図7は、破砕負荷制御のシミュレーション結果を示す図表である。図7中、(a)は出口セット量、(b)は原石の供給量、(c)は負荷応答、(d)は制御ゲイン調整値を表し、(a)~(d)の時間軸(横軸)は対応している。ここで、負荷指標Iとして破砕圧(即ち、油圧室65の圧力)が採用され、破砕圧の生データが前処理されたものが負荷応答として示されている。また、調整される制御パラメータとして制御ゲインが採用され、制御ゲイン調整値は、初期ゲインを1としたときの割合で表されている。
図7に示すように、開始から約50秒後から出口セット量の振動に対応して負荷応答にハンチングが表れた。これを応答感度の上昇と捉えて約250秒後に制御ゲインを下げるように調整した結果、約300秒後に応答感度が適切に回復してハンチングが解消した。制御ゲインを下げた状態において、開始から約600秒後に原石の特性が変更となって負荷応答が負荷目標値を下回った。これを応答感度の低下と捉えて約700秒後に制御ゲインを上げるように調整した結果、目標値への追従性が悪い状態が解消し、負荷応答が急峻に立ち上がって開始から約800秒後には応答感度が適切に回復して負荷応答がおよそ負荷目標値となった。開始から約1100秒後に原石の特性が変更となり、出口セット量の振動が生じて負荷応答にハンチングが表れ、前述と同様に制御ゲインの調整が行われた。
このシミュレーション結果から、運転の途中で負荷応答に変動が生じても、制御ゲインの調整が行われることにより負荷応答が負荷目標値へ回復して、安定的な破砕を継続できることがわかる。また、このシミュレーション結果からわかるように、破砕機1では系に変化が生じた場合に、その応答は負荷指標Iに急峻に表れるが、これに過敏に反応する必要性は低く、過敏に反応するとアクチュエータ保護の観点から却って好ましくない。破砕機1のこのような特性ゆえに、未処理負荷応答の前処理として移動平均によるノイズ除去と、ローパスフィルタによるハンチングの抽出とを行うことが好適である。
<破砕負荷制御の第2例>
続いて、破砕負荷制御の第2例について説明する。図8は、第2例に係る破砕負荷制御の構成を示す図である。図8に示すように、破砕負荷制御装置91は、フィードバック制御部920と、負荷応答取得部94と、制御パラメータ調整部950と、前処理部97とを備える。第2例では、前述の第1例と比較して、フィードバック制御部920及び制御パラメータ調整部950の構成のみが異なる。よって、以下では、フィードバック制御部920及び制御パラメータ調整部950の構成について詳細に説明し、余については第1例の説明を参照して省略する。
フィードバック制御部920は、比例積分微分(PID:Proportional-Integral-Derivative)制御アルゴリズムを用いて負荷応答をフィードバック制御するPID制御器である。制御パラメータ調整部950は、PID制御器であるフィードバック制御部920の制御パラメータについてデータ駆動型制御器チューニング(FRIT)を行うように構成されている。制御パラメータ調整部950では、周期的な信号を用いたシステム同定を行うことなく、閉ループで計測された一組の入出力データを用いてフィードバック制御部920の理想的な制御パラメータを求める。以下では、図9及び図10を用いて、破砕負荷制御装置91で行われる初期制御パラメータの設定の流れを説明する。図9は、第2例に係る破砕負荷制御の処理の流れ図である。
先ず、制御パラメータ調整部950は、閉ループ応答特性としての負荷応答を取得する(ステップS11)。ここで、図10(A)に示すように、制御パラメータ調整部950は負荷目標値に励振信号を与える。フィードバック制御部920は励振信号に基づいて指令値を生成して動作制御装置90へ出力する。負荷応答取得部94は、閉ループ応答として未処理負荷応答を取得する。前処理部97は取得した未処理負荷応答を前処理部97で前処理して負荷応答とする。前処理部97の構成及び処理内容は、第1例と同じである。制御パラメータ調整部950は、この負荷応答を閉ループ応答特性として取得する。
最初に閉ループ応答特性を取得する際のフィードバック制御部920の制御パラメータ(デフォルト制御ゲイン)は、不安定化及びハンチングを避けるため、応答感度が高いときに対応した低めに設定される。
初期制御パラメータの調整時間を短縮するために、励振信号にはステップ入力ではなくインパルス入力(又は、インパルス入力+ステップ入力)を用いることが望ましい。ここで、励振信号にステップ入力を用いる場合には、負荷応答がノイズに埋もれないように、負荷が十分に立ち上がるまで待つ必要がある。これに対し、励振信号にインパルス入力を用いることで、負荷が十分に立ち上がるまで待つ必要がなくなり、閉ループ応答特性を短時間で取得することが可能となる。
次に、制御パラメータ調整部950は、取得した閉ループ応答特性を用いて最適化演算により制御パラメータを求める(ステップS12)。ここで、図10(B)に示すように、制御パラメータ調整部950は、負荷応答と指令値とを取得し、これらに基づいて応答感度に合わせた制御パラメータを最適化計算により求める。本実施形態では、最適化計算の手法として準ニュートン法をベースとした勾配法(例えば、BFGS法等)を用いてオンラインで最適化計算を行う。
制御パラメータ調整部950による最適化計算は、オンライン/オフライン何れの場合でも実施可能である。例えば、制御パラメータの調整は、破砕機1の初期起動時や再起動時にオフラインで行われ、破砕機1の運転中の任意のタイミングでオンラインで行われてもよい。制御パラメータ調整部950は、現状の最適なパラメータを算出し、これを破砕負荷制御に反映させていくことができる。
続いて、制御パラメータ調整部950は、検証のために、算出した制御パラメータを用いた閉ループ応答特性としての負荷応答を取得する(ステップS13)。ここで、図10(C)に示すように、制御パラメータ調整部950は、算出した制御パラメータをフィードバック制御部920に設定し、負荷目標値にステップ状の励振信号を与える。フィードバック制御部920は、励振信号に基づいて指令値を生成して動作制御装置90へ出力する。負荷応答取得部94は、閉ループ応答として未処理負荷応答を取得する。前処理部97は取得した未処理負荷応答を前処理して負荷応答とする。制御パラメータ調整部950は、この負荷応答を検証のための閉ループ応答特性として取得する。
最後に、制御パラメータ調整部950は、検証のための閉ループ応答特性と所与の理想応答特性との偏差を求める(ステップS14)。制御パラメータ調整部950は、偏差が所与の閾値以下であれば、求めた制御パラメータは適切であると判断して、制御パラメータの調整を終了する。一方、制御パラメータ調整部950は、偏差が所与の閾値を上回れば、求めた制御パラメータは適切でないと判断して、処理をステップS12に戻す。
以上にフィードバック制御部920の初期制御パラメータの調整方法を説明したが、破砕機1の運転を再開する場合においても同様の手順でフィードバック制御部920の制御パラメータを調整することができる。この場合、制御装置9は毎回の制御パラメータ及び得られた負荷応答特性を記憶しておき、前回に制御パラメータの調整を行ったときに得られた負荷応答特性を今回得られた負荷応答特性と比較できるように、制御装置9に接続された表示出力装置98に負荷応答特性の推移が表示出力されてもよい。具体的には、表示制御部93は、制御パラメータ調整部950により調整された制御パラメータの値とそれにより得られた負荷応答との組み合わせが、直近の1回とそれよりも過去の少なくとも1回とについて同時に表示出力装置98の画面に表示されるように、表示出力装置98に対して表示情報を出力するように構成されている。この表示情報を取得した表示出力装置98は、直近の制御パラメータの値とそれにより得られた負荷応答との組み合わせと、それよりも過去の少なくとも1回の制御パラメータの値とそれにより得られた負荷応答との組み合わせとを表示出力する。なお、負荷応答特性には、例えば、時刻、未処理負荷応答、負荷応答などの情報が含まれおり、負荷応答に加えて、時刻や未処理負荷応答が表示出力装置98の画面に表示されてもよい。これによりオペレータに対し、自動で制御パラメータの調整が行われた結果としての破砕機1の運転状況を伝えることができる。制御パラメータ調整部950は、今回の制御パラメータの調整において所定の観察期間において良好な負荷応答が得られない場合は前回の制御パラメータの調整値へ戻すように構成されていてもよい。
(総括)
以上に説明したように、本実施形態に係る破砕機1の破砕負荷制御装置91は、
破砕機1の或る制御対象に対して出力された或る指令値の応答として得られた破砕負荷を未処理負荷応答として取得する負荷応答取得部94と、
未処理負荷応答を前処理して負荷応答とする前処理部97と、
負荷応答と所定の負荷目標値との偏差に基づいて新たな指令値を生成するフィードバック制御部92,920と、
負荷応答に基づいてフィードバック制御部92,920の制御パラメータを調整する制御パラメータ調整部95,950とを、備え、
前処理部97が、未処理負荷応答に含まれる破砕機1に固有の破砕振動を減衰させる定常特性抽出フィルタ97bを有することを特徴としている。
なお、本実施形態において、破砕機1は、円錐筒状のコンケーブ14、コンケーブ14の内側に配置された円錐台状のマントル13、マントル13を偏心旋回運動させる電動モータ8、コンケーブ14とマントル13との間に形成された破砕室16へ原石を投入するためのホッパ2、ホッパ2へ原石を供給する供給装置4、破砕負荷を直接的又は間接的に表す負荷指標を測定する負荷測定器、及び、コンケーブ14とマントル13との出口セット量を変化させる出口セット調整装置10を備える旋動式破砕機であり、制御対象が、供給装置4による供給量及び出口セット調整装置10による出口セット量のうちいずれか一方である。
上記構成の破砕機1の破砕負荷制御装置91によれば、フィードバック制御部92及び制御パラメータ調整部95に入力される負荷応答は、前処理部によりなされた処理に支配される。つまり、前処理によって破砕振動の影響が除去された負荷応答を破砕機1の負荷応答特性と見做すことができる。前処理部97のフィルタ特性は任意に設計可能であるから、このフィルタ特性に対応して制御パラメータ調整部95を設計することができる。これにより、制御パラメータ調整部95を用いて理論的にフィードバック制御部92の制御パラメータの自動的な調整を行うことができるので、制御パラメータの調整に要する作業時間の短縮化と省人化とを実現することができ、また、制御パラメータの調整の要否の判断の精度を向上させることができる。
また、本実施形態に係る破砕機1の負荷制御方法は、
破砕機1の或る制御対象に対して出力された或る指令値の応答として得られた破砕負荷を未処理負荷応答として取得するステップと、
未処理負荷応答を前処理するステップと、
未処理負荷応答を前処理して得られた負荷応答と所定の負荷目標値との偏差に基づいてフィードバック制御器(フィードバック制御部92)を用いて新たな指令値を生成するステップと、
負荷応答に基づいてフィードバック制御器の制御パラメータを調整するステップとを、含み、
前処理するステップが、未処理負荷応答に含まれる破砕機に固有の破砕振動を減衰させて未処理負荷応答から定常特性を抽出することを含むことを特徴としている。
上記の破砕機1の破砕負荷制御方法によれば、新たな指令値を生成するステップ及び制御パラメータを調整するステップで利用される負荷応答は、前処理に支配される。つまり、前処理によって破砕振動の影響が除かれた負荷応答を破砕機1の負荷応答特性と見做すことができる。前処理において未処理負荷応答から定常特性を抽出する処理の内容は任意に設計可能であるから、前処理に対応して制御パラメータを調整するための処理を設計することができる。これにより、理論的にフィードバック制御器(フィードバック制御部92)の制御パラメータの自動的な調整を行うことができるので、制御パラメータの調整に要する作業時間の短縮化及び省力化を実現することができ、また、制御パラメータの調整の要否の判断の精度を向上させることができる。ひいては、破砕機の安定的な運転の継続に寄与することができる。
上記実施形態に係る破砕負荷制御装置91において、定常特性抽出フィルタ97bは、破砕振動の最小周波数を遮断周波数とし、遮断周波数以上の周波数成分を減衰させるローパスフィルタである。
破砕機1に固有の破砕振動の周波数(固有振動周波数)より十分に低周波域側の遮断周波数を持つ定常特性抽出フィルタ97bで未処理負荷応答を前処理することで、前処理によって得られた負荷応答は定常特性抽出フィルタ97bに依存した既知の特性となる。定常特性抽出フィルタ97bのフィルタ特性は任意に設計可能であるから、負荷応答における安定限界(即ち、ハンチングが生じる周波数帯)を設定することが可能となる。
また、上記実施形態に係る破砕負荷制御装置91において、前処理部97は、移動平均により高周波ノイズを減衰させるノイズ除去フィルタ97aを有する。同様に、上記実施形態に係る破砕負荷制御方法において、前処理するステップが、未処理負荷応答から高周波ノイズを減衰させることを含む。
破砕機1では系に変化が生じた場合に、その応答は負荷指標Iに急峻に表れるが、これに過敏に反応する必要性は低く、過敏に反応するとアクチュエータ保護の観点から却って好ましくない。よって、上記構成の前処理部97は破砕機1の、応答は早いが制御はゆっくりでもかまわない、という特性に好適である。
また、上記実施形態に係る破砕負荷制御装置91において、第1例に係る制御パラメータ調整部95は、負荷応答のFFT周波数解析を行い、その解析結果に既知のハンチング周波数のピークが検出された場合に、応答感度の上昇を推定するように構成されている。更に、制御パラメータ調整部95は、応答感度の上昇を推定したときに、負荷応答に含まれるハンチングの振幅を求め、振幅が所定の第1閾値以上であるときに、制御パラメータとしての制御ゲインが減少するように制御パラメータの調整を行うように構成されている。
同様に、上記実施形態に係る制御パラメータを調整するステップは、負荷応答のFFT周波数解析を行い、その解析結果に既知のハンチング周波数のピークが検出された場合に、応答感度の上昇を推定することを含む。更に、制御パラメータを調整するステップは、応答感度の上昇を推定したときに、負荷応答に含まれるハンチングの振幅を求め、振幅が所定の第1閾値以上であるときに、制御パラメータとしての制御ゲインが減少するように制御パラメータの調整を行うことを含む。
このように破砕振動の影響が除去された負荷応答に対しFFT周波数解析を行うことによって、ハンチング周波数のピークの検出によって応答感度の上昇を高精度に推定することができる。そして、このように推定された応答感度の上昇に対応して制御パラメータの調整が成されるので、破砕機1では応答感度が大幅に変動するが、破砕負荷が制御されて安定した運転を継続することが可能となる。
また、上記実施形態に係る破砕負荷制御装置91において、第1例に係る制御パラメータ調整部95は、負荷応答のFFT解析結果にハンチング周波数のピークが検出されず且つハンチング周波数よりも小さい周波数のピークが検出された場合に、応答感度の低下を推定するように構成されている。更に、制御パラメータ調整部95は、応答感度の低下を推定したときに、負荷目標値と負荷応答との偏差を所定期間累積した偏差面積を求め、偏差面積が所定の第2閾値以上であるときに、制御パラメータとしての制御ゲインを増加させるように制御パラメータの調整を行うように構成されている。
同様に、上記実施形態に係る破砕負荷制御方法において、前記制御パラメータを調整するステップが、前記解析結果に前記ハンチング周波数のピークが検出されず且つ前記ハンチング周波数よりも小さい周波数のピークが検出された場合に、応答感度の低下を推定することを含む。更に、制御パラメータを調整するステップが、応答感度の低下を推定したときに、負荷目標値と負荷応答との偏差を所定期間累積した偏差面積を求め、偏差面積が所定の第2閾値以上であるときに、制御パラメータとしての制御ゲインを増加させるように制御パラメータの調整を行うことを含む。
このように破砕振動の影響が除去された負荷応答に対しFFT周波数解析を行うことによって、ハンチング周波数より低い周波数のピークの検出によって応答感度の低下を高精度に推定することができる。そして、このように推定された応答感度の低下に対応して制御パラメータの調整が成されるので、破砕機1では応答感度が大幅に変動するが、破砕負荷が制御されて安定した運転を継続することが可能となる。
また、上記実施形態に係る破砕負荷制御装置91において、第1例に係る制御パラメータ調整部95は、制御パラメータの調整を行ってから所定の観察期間を経過しても応答感度の変化が継続的に推定されている場合に、オペレータに対し異常を報知するために警報を出力するように構成されている。
同様に、上記実施形態に係る破砕負荷調整方法において、制御パラメータを調整するステップが、制御パラメータの調整を行ってから所定の観察期間を経過しても応答感度の変化が継続的に推定されている場合に、オペレータに対し異常を報知するために警報を出力することを含む。
また、上記実施形態に係る破砕負荷制御装置91において、第2例に係る制御パラメータ調整部950は、データ駆動型制御器チューニング(FRIT)を行うように構成されている。ここで、制御パラメータ調整部950により調整された制御パラメータの値とそれにより得られた負荷応答との組み合わせが、直近の1回とそれよりも過去の少なくとも1回とについて同時に表示されるように表示情報を出力するように構成された表示制御部93を、更に備えていてもよい。
同様に、上記実施形態の第2例において、制御パラメータを調整するステップが、制御パラメータのデータ駆動型制御器チューニング(FRIT)を行うことを含む。ここで、制御パラメータを調整するステップが、調整された制御パラメータの値とそれにより得られた負荷応答との組み合わせを、直近の1回とそれよりも過去の少なくとも1回とについて同時に表示されるように出力することを含んでいてよい。
このように制御パラメータの調整にFRITを用いることによって、従来実機試験による試行錯誤によって行われていた初期制御パラメータ(最初の起動時及び再起動時)の調整を省人化し、また、作業に係る時間を短縮することができる。
以上に本発明の好適な実施の形態を説明したが、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上記実施形態の具体的な構造及び/又は機能の詳細を変更したものも本発明に含まれ得る。上記の構成は、例えば、以下のように変更することができる。
例えば、上記実施形態において、破砕機1は油圧式の出口セット調整装置10を備えるが、破砕負荷制御装置91の破砕負荷制御は機械式の出口セット調整装置を備える機械式の破砕機に適用されてもよい。但し、機械式の破砕機では、破砕運転中は出口セット調整装置に圧力をかけ固定しておく必要があることから、破砕運転中に出口セット量を変更することは困難であり、制御対象として供給装置4の供給量が採用される。
例えば、上記実施形態において、フィードバック制御部92,920の制御パラメータの調整はオンラインで行われるが、オフラインで行われてもよい。
また、上記実施形態において、第1例と第2例の破砕負荷制御が一つの破砕機1に対し組み合わされて適用されてもよい。例えば、破砕機1の初期起動時及び再起動時に第2例に基づいて制御パラメータの調整が行われ、破砕機1の定常運転中に第1例に基づいて制御パラメータの調整が行われてもよい。
また、上記実施形態において、破砕機1は旋動式破砕機であるが、本発明が適用される破砕機1は旋動式破砕機に限定されず、制御速度が比較的ゆっくりでもかまわない破砕機に適用可能である。このような破砕機として、廃棄物等の破砕に利用される一軸せん断式破砕機や、岩石や鉱石などの破砕に利用される衝撃式破砕機などが挙げられる。
また、上記実施形態において、破砕機1は破砕負荷制御装置91からの指令を受けて原石の投入量の変更または出口セット量の変更を自動的に行うが、原石の投入量の変更や出口セット量の変更がオペレータの手動によって操作されてもよい。この場合、制御装置9が表示出力装置98に負荷応答状況や、破砕負荷制御装置91からの指令(即ち、操作量又はその調整値)を表示出力させるように構成されていることが望ましい。
1 :破砕機
2 :ホッパ
4 :供給装置
8 :電動モータ
10 :出口セット調整装置
13 :マントル
14 :コンケーブ
16 :破砕室
9 :制御装置
90 :動作制御装置
91 :破砕負荷制御装置
92,920:フィードバック制御部(フィードバック制御器)
93 :表示制御部
94 :負荷応答取得部
93 :表示制御部
95,950:制御パラメータ調整部
97 :前処理部
97a :ノイズ除去フィルタ
97b :定常特性抽出フィルタ

Claims (20)

  1. 破砕機の或る制御対象に対して出力された或る指令値の応答として得られた破砕負荷を未処理負荷応答として取得する負荷応答取得部と、
    前記未処理負荷応答を前処理して負荷応答とする前処理部と、
    前記負荷応答と所定の負荷目標値との偏差に基づいて新たな指令値を生成するフィードバック制御部と、
    前記負荷応答に基づいて前記フィードバック制御部の制御パラメータを調整する制御パラメータ調整部とを、備え、
    前記前処理部が、前記未処理負荷応答に含まれる前記破砕機に固有の破砕振動を減衰させる定常特性抽出フィルタを有する、
    破砕機の破砕負荷制御装置。
  2. 前記定常特性抽出フィルタは、前記破砕振動の最小周波数を遮断周波数とし、前記遮断周波数以上の周波数成分を減衰させるローパスフィルタである、
    請求項1に記載の破砕機の破砕負荷制御装置。
  3. 前記前処理部が、高周波ノイズを減衰させるノイズ除去フィルタを有する、
    請求項1又は2に記載の破砕機の破砕負荷制御装置。
  4. 前記制御パラメータ調整部は、前記負荷応答のFFT周波数解析を行い、その解析結果に既知のハンチング周波数のピークが検出された場合に、応答感度の上昇を推定するように構成されている、
    請求項1~3のいずれか一項に記載の破砕機の破砕負荷制御装置。
  5. 前記制御パラメータ調整部は、前記応答感度の上昇を推定したときに、前記負荷応答に含まれるハンチングの振幅を求め、前記振幅が所定の第1閾値以上であるときに、前記制御パラメータとしての制御ゲインが減少するように前記制御パラメータの調整を行うように構成されている、
    請求項4に記載の破砕機の破砕負荷制御装置。
  6. 前記制御パラメータ調整部は、前記解析結果に前記ハンチング周波数のピークが検出されず且つ前記ハンチング周波数よりも小さい周波数のピークが検出された場合に、応答感度の低下を推定するように構成されている、
    請求項4又は5に記載の破砕機の破砕負荷制御装置。
  7. 前記制御パラメータ調整部は、前記応答感度の低下を推定したときに、前記負荷目標値と前記負荷応答との偏差を所定期間累積した偏差面積を求め、前記偏差面積が所定の第2閾値以上であるときに、前記制御パラメータとしての制御ゲインを増加させるように前記制御パラメータの調整を行うように構成されている、
    請求項6に記載の破砕機の破砕負荷制御装置。
  8. 前記制御パラメータ調整部は、前記制御パラメータの調整を行ってから所定の観察期間を経過しても前記応答感度の変化が継続的に推定されている場合に、オペレータに対し異常を報知するために警報を出力するように構成されている、
    請求項4~7のいずれか一項に記載の破砕機の破砕負荷制御装置。
  9. 前記制御パラメータ調整部が、データ駆動型制御器チューニング(FRIT)を行うように構成されている、
    請求項1~3のいずれか一項に記載の破砕機の破砕負荷制御装置。
  10. 前記制御パラメータ調整部により調整された前記制御パラメータの値とそれにより得られた前記負荷応答との組み合わせが、直近の1回とそれよりも過去の少なくとも1回とについて同時に表示されるように表示情報を出力するように構成された表示制御部を、更に備える、
    請求項9に記載の破砕機の破砕負荷制御装置。
  11. 前記破砕機は、円錐筒状のコンケーブ、前記コンケーブの内側に配置された円錐台状のマントル、前記マントルを偏心旋回運動させる電動モータ、前記コンケーブと前記マントルとの間に形成された破砕室へ原石を投入するためのホッパ、前記ホッパへ前記原石を供給する供給装置、前記破砕負荷を直接的又は間接的に表す負荷指標を測定する負荷測定器、及び、前記コンケーブと前記マントルとの出口セット量を変化させる出口セット調整装置を備える旋動式破砕機であり、
    前記制御対象が、前記供給装置による供給量及び前記出口セット調整装置による出口セット量のうちいずれか一方である、
    請求項1~10のいずれか一項に記載の破砕機の破砕負荷制御装置。
  12. 破砕機の或る制御対象に対して出力された或る指令値の応答として得られた破砕負荷を未処理負荷応答として取得するステップと、
    前記未処理負荷応答を前処理するステップと、
    前記未処理負荷応答を前記前処理して得られた負荷応答と所定の負荷目標値との偏差に基づいてフィードバック制御器を用いて新たな指令値を生成するステップと、
    前記負荷応答に基づいて前記フィードバック制御器の制御パラメータを調整するステップとを、含み、
    前記前処理するステップが、前記未処理負荷応答に含まれる前記破砕機に固有の破砕振動を減衰させて前記未処理負荷応答から定常特性を抽出することを含む、
    破砕機の破砕負荷制御方法。
  13. 前記前処理するステップが、前記未処理負荷応答から高周波ノイズを減衰させることを含む、
    請求項12に記載の破砕機の破砕負荷制御方法。
  14. 前記制御パラメータを調整するステップが、前記負荷応答のFFT周波数解析を行い、その解析結果に既知のハンチング周波数のピークが検出された場合に、応答感度の上昇を推定することを含む、
    請求項12又は13に記載の破砕機の破砕負荷制御方法。
  15. 前記制御パラメータを調整するステップが、前記応答感度の上昇を推定したときに、前記負荷応答に含まれるハンチングの振幅を求め、前記振幅が所定の第1閾値以上であるときに、前記制御パラメータとしての制御ゲインが減少するように前記制御パラメータの調整を行うことを含む、
    請求項14に記載の破砕機の破砕負荷制御方法。
  16. 前記制御パラメータを調整するステップが、前記解析結果に前記ハンチング周波数のピークが検出されず且つ前記ハンチング周波数よりも小さい周波数のピークが検出された場合に、応答感度の低下を推定することを含む、
    請求項14又は15に記載の破砕機の破砕負荷制御方法。
  17. 前記制御パラメータを調整するステップが、前記応答感度の低下を推定したときに、前記負荷目標値と前記負荷応答との偏差を所定期間累積した偏差面積を求め、前記偏差面積が所定の第2閾値以上であるときに、前記制御パラメータとしての制御ゲインを増加させるように前記制御パラメータの調整を行うことを含む、
    請求項16に記載の破砕機の破砕負荷制御方法。
  18. 前記制御パラメータを調整するステップが、前記制御パラメータの調整を行ってから所定の観察期間を経過しても前記応答感度の変化が継続的に推定されている場合に、オペレータに対し異常を報知するために警報を出力することを含む、
    請求項14~17のいずれか一項に記載の破砕機の破砕負荷制御方法。
  19. 前記制御パラメータを調整するステップが、前記制御パラメータのデータ駆動型制御器チューニング(FRIT)を行うことを含む、
    請求項12又は13に記載の破砕機の破砕負荷制御方法。
  20. 前記制御パラメータを調整するステップが、調整された前記制御パラメータの値とそれにより得られた前記負荷応答との組み合わせを、直近の1回とそれよりも過去の少なくとも1回とについて同時に表示されるように出力することを含む、
    請求項19に記載の破砕機の破砕負荷制御方法。
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