JP2022069895A - 磁気センサ - Google Patents

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Sho TONEGAWA
彰 坂脇
Akira Sakawaki
恭成 渡邉
Yasunari Watanabe
大三 遠藤
Daizo Endo
智之 野口
Tomoyuki Noguchi
裕太 宮本
Yuta Miyamoto
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Abstract

【課題】磁気インピーダンス効果を用いた磁気センサにおいて、感受素子の短手方向の幅が長手方向の一端から他端に亘って等しい場合と比べて、感度を向上させる。【解決手段】磁気センサは、非磁性の基板と、前記基板上に設けられ、軟磁性体からなり、長手方向と短手方向とを有し、当該長手方向と交差する方向に一軸磁気異方性を有し、当該長手方向の両端部と比べて当該長手方向の中央部の幅が小さく、磁気インピーダンス効果により磁界を感受する感受素子とを備える。【選択図】図3

Description

本発明は、磁気センサに関する。
公報記載の従来技術として、一軸異方性を付与された複数個の軟磁性体膜からなる感磁部を備えた磁気インピーダンス効果素子が存在する(特許文献1参照)。この磁気インピーダンス効果素子の感磁部は、長手方向の一端から他端に亘って短手方向の幅が等しい長方形状を有している。
特開2008-249406号公報
長手方向と短手方向とを有し、磁気インピーダンス効果により磁界を感受する感受素子を備えた磁気センサでは、感受素子の短手方向の幅が長手方向の一端から他端に亘って等しい場合、感度が不十分となる場合がある。
本発明は、磁気インピーダンス効果を用いた磁気センサにおいて、感受素子の短手方向の幅が長手方向の一端から他端に亘って等しい場合と比べて、感度を向上させることを目的とする。
本発明が適用される磁気センサは、非磁性の基板と、前記基板上に設けられ、軟磁性体からなり、長手方向と短手方向とを有し、当該長手方向と交差する方向に一軸磁気異方性を有し、当該長手方向の両端部と比べて当該長手方向の中央部の幅が小さく、磁気インピーダンス効果により磁界を感受する感受素子とを備える。
また、前記感受素子は、前記短手方向の幅が前記長手方向の両端部から当該長手方向の中央部に亘って連続して小さくなっていることを特徴とすることができる。
また、前記短手方向に間隙を介して並ぶ複数の前記感受素子と、前記短手方向に隣接する前記感受素子の前記長手方向の端部を接続し、当該長手方向に沿って当該感受素子に近づくに従い当該短手方向の幅が狭くなっている接続部とを備えることを特徴とすることができる。
また、前記長手方向の両端部における前記感受素子の幅と、当該長手方向の中央部における当該感受素子の幅との比率が、100:60~100:90の範囲であることを特徴とすることができる。
本発明によれば、磁気インピーダンス効果を用いた磁気センサにおいて、感受素子の短手方向の幅が長手方向の一端から他端に亘って等しい場合と比べて、感度を向上させることができる。
本実施の形態が適用される磁気センサの一例を説明する図である。 本実施の形態が適用される磁気センサの一例を説明する図である。 図1におけるIII部の拡大図である。 磁気センサおよび従来の磁気センサにおける感受素子の形状と、磁気センサおよび従来の磁気センサの感受素子における磁界強度とを示した図である。 (a)~(b)は、本実施の形態の磁気センサおよび従来の磁気センサについて、感受素子の長手方向に印加された磁界と感受部のインピーダンスとの関係を説明する図である。 (a)~(e)は、磁気センサの製造方法の一例を説明する図である。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
図1および図2は、本実施の形態が適用される磁気センサ1の一例を説明する図である。図1は、平面図、図2は、図1におけるII-II線での断面図である。
図2に示すように、本実施の形態が適用される磁気センサ1は、非磁性の基板10上に設けられた硬磁性体(硬磁性体層103)で構成された薄膜磁石20と、薄膜磁石20に対向して積層され、軟磁性体(下層軟磁性体層105a、上層軟磁性体層105b)および軟磁性体層105と比べて導電性の高い導電体層(高導電層106)で構成され磁場を感受する感受部30とを備える。以下の説明では、二層の軟磁性体層(下層軟磁性体層105a、上層軟磁性体層105b)をそれぞれ区別しない場合には、単に軟磁性体層105と表記する。なお、磁気センサ1の断面構造については、後に詳述する。
ここで硬磁性体とは、外部磁界によって磁化されると、外部磁界を取り除いても磁化された状態が保持される、いわゆる保磁力の大きい材料である。一方、軟磁性体とは、外部磁界によって容易に磁化されるが、外部磁界を取り除くと速やかに磁化がないか又は磁化が小さい状態に戻る、いわゆる保磁力の小さい材料である。
なお、本明細書においては、磁気センサ1を構成する要素(薄膜磁石20など)を二桁の数字で表し、要素に加工される層(硬磁性体層103など)を100番台の数字で表す。そして、要素の数字に対して、要素に加工される層の番号を( )内に表記する。例えば薄膜磁石20の場合、薄膜磁石20(硬磁性体層103)と表記する。図においては、20(103)と表記する。他の場合も同様である。
図1により、磁気センサ1の平面構造を説明する。磁気センサ1は、一例として四角形の平面形状を有する。ここでは、磁気センサ1の最上部に形成された感受部30およびヨーク40を説明する。感受部30は、平面形状が長手方向と短手方向とを有する短冊状である複数の感受素子31と、隣接する感受素子31をつづら折りに直列接続する接続部32と、電流供給のための電線が接続される端子部33とを備える。ここでは、8個の感受素子31が、長手方向が並列するように、短手方向に間隙を介して配置されている。また、本実施の形態の磁気センサ1では、感受素子31が、磁気インピーダンス効果素子である。
接続部32は、隣接する感受素子31の長手方向の端部間に設けられ、隣接する感受素子31をつづら折りに直列接続する。図1に示す磁気センサ1では、8個の感受素子31が並列に配置されているため、接続部32は7個である。
なお、感受素子31および接続部32の平面形状については、後段にて詳細に説明する。
端子部33は、接続部32で接続されていない感受素子31の2個の端部にそれぞれ設けられている。端子部33は、感受素子31から引き出す引き出し部と、電流を供給する電線を接続するパッド部とを備える。引き出し部は、2個のパッド部を感受素子31の短手方向に設けるために備えられている。引き出し部を設けずにパッド部を感受素子31に連続するように設けてもよい。パッド部は電線を接続しうる大きさであればよい。なお、感受素子31が8個であるため、2個の端子部33は、図1において右側に設けられている。感受素子31の数が奇数の場合には、2個の端子部33を左右に分けて設ければよい。
そして、感受部30の感受素子31、接続部32および端子部33は、二層の軟磁性体層105(下層軟磁性体層105a、上層軟磁性体層105b)と高導電層106とにより一体に構成されている。軟磁性体層105および高導電層106は、導電性であるので、一方の端子部33から他方の端子部33に電流を流すことができる。
なお、感受素子31の長さ、幅、並列させる個数等の上記した数値は一例であって、感受(計測)する磁界の値や用いる軟磁性体材料等によって変更してもよい。
さらに、磁気センサ1は、感受素子31の長手方向の端部に対向して設けられたヨーク40を備える。ここでは、感受素子31の長手方向の両端部に対向してそれぞれ設けられた2個のヨーク40a、40bを備える。なお、ヨーク40a、40bをそれぞれ区別しない場合は、ヨーク40と表記する。ヨーク40は、感受素子31の長手方向の端部に磁力線を誘導する。このため、ヨーク40は、磁力線が透過しやすい軟磁性体(軟磁性体層105)を含んで構成されている。この例では、感受部30及びヨーク40は、二層の軟磁性体層105(下層軟磁性体層105a、上層軟磁性体層105b)と高導電層106とにより構成されている。なお、感受素子31の長手方向に磁力線が十分に透過する場合には、ヨーク40を備えなくてもよい。
以上のことから、磁気センサ1の大きさは、平面形状において数mm角である。なお、磁気センサ1の大きさは、他の値であってもよい。
次に、図2を参照して、磁気センサ1の断面構造を詳述する。磁気センサ1は、非磁性の基板10上に、密着層101、制御層102、硬磁性体層103からなる薄膜磁石20、誘電体層104、軟磁性体層105と高導電層106とからなる感受部30およびヨーク40がこの順に積層されて構成されている。
基板10は、非磁性体からなる基板であって、例えばガラス、サファイアといった酸化物基板やシリコンなどの半導体基板、あるいは、アルミニウム、ステンレススティール、ニッケルリンメッキを施した金属等の金属基板等が挙げられる。
密着層101は、基板10に対する制御層102の密着性を向上させるための層である。密着層101としては、Cr又はNiを含む合金を用いるのがよい。Cr又はNiを含む合金としては、CrTi、CrTa、NiTaなどが挙げられる。密着層101の厚さは、例えば5nm~50nmである。なお、基板10に対する制御層102の密着性に問題がなければ、密着層101を設けることを要しない。なお、本明細書においては、Cr又はNiを含む合金の組成比を示さない。以下同様である。
制御層102は、硬磁性体層103で構成される薄膜磁石20の磁気異方性が膜の面内方向に発現しやすいように制御する層である。制御層102としては、Cr、Mo若しくはW又はそれらを含む合金(以下では、制御層102を構成するCr等を含む合金と表記する。)を用いるのがよい。制御層102を構成するCr等を含む合金としては、CrTi、CrMo、CrV、CrW等が挙げられる。制御層102の厚さは、例えば10nm~300nmである。
薄膜磁石20を構成する硬磁性体層103は、Coを主成分とし、Cr又はPtのいずれか一方又は両方を含む合金(以下では、薄膜磁石20を構成するCo合金と表記する。)を用いることがよい。薄膜磁石20を構成するCo合金としては、CoCrPt、CoCrTa、CoNiCr、CoCrPtB等が挙げられる。なお、Feが含まれていてもよい。硬磁性体層103の厚さは、例えば1μm~3μmである。
制御層102を構成するCr等を含む合金は、bcc(body-centered cubic(体心立方格子))構造を有する。よって、薄膜磁石20を構成する硬磁性体(硬磁性体層103)は、bcc構造のCr等を含む合金で構成された制御層102上において結晶成長しやすいhcp(hexagonal close-packed(六方最密充填))構造であるとよい。bcc構造上にhcp構造の硬磁性体層103を結晶成長させると、hcp構造のc軸が面内に向くように配向しやすい。よって、硬磁性体層103によって構成される薄膜磁石20が面内方向に磁気異方性を有するようになりやすい。なお、硬磁性体層103は結晶方位の異なる集合からなる多結晶であり、各結晶が面内方向に磁気異方性を有する。この磁気異方性は結晶磁気異方性に由来するものである。
なお、制御層102を構成するCr等を含む合金及び薄膜磁石20を構成するCo合金の結晶成長を促進するために、基板10を100℃~600℃に加熱するとよい。この加熱により、制御層102を構成するCr等を含む合金が結晶成長しやすくなり、hcp構造を持つ硬磁性体層103が面内に磁化容易軸を持つように結晶配向されやすくなる。つまり、硬磁性体層103の面内に磁気異方性が付与されやすくなる。
誘電体層104は、非磁性の誘電体で構成され、薄膜磁石20と感受部30との間を電気的に絶縁する。誘電体層104を構成する誘電体としては、SiO2、Al23、TiO2等の酸化物、又は、Si34、AlN等の窒化物等が挙げられる。また、誘電体層104の厚さは、例えば0.1μm~30μmである。
感受部30の感受素子31には、長手方向に交差する方向、例えば長手方向に直交する短手方向(すなわち、感受素子31の幅方向)に、一軸磁気異方性が付与されている。なお、長手方向に交差する方向とは、長手方向に対して45°を超えた角度を有すればよい。
感受部30を構成する軟磁性体(下層軟磁性体層105a、上層軟磁性体層105b)としては、Coを主成分とした合金に高融点金属Nb、Ta、W等を添加したアモルファス合金(以下では、感受部30を構成するCo合金と表記する。)を用いるのがよい。感受部30を構成するCo合金としては、CoNbZr、CoFeTa、CoWZr等が挙げられる。感受素子31を構成する軟磁性体(下層軟磁性体層105a、上層軟磁性体層105b)の厚さは、例えば、それぞれ0.2μm~2μmである。図2に示す例では、下層軟磁性体層105aの厚さと上層軟磁性体層105bの厚さが互いに等しいが、互いに異なっていてもよい。
なお、ここでは、感受部30の感受素子31、接続部32および端子部33を同じ材料により構成しているが、これらを互いに異なる材料により構成してもよい。例えば、接続部32および端子部33に、感受素子31と比べて導電性の高い材料を用いてもよい。この場合、接続部32および端子部33における抵抗を低減させることができる。
感受素子31を構成する導電体(高導電層106)としては、導電性が高い金属または合金を用いることが好ましく、導電性が高く且つ非磁性の金属または合金を用いることがより好ましい。具体的には、感受素子31を構成する導電体(高導電層106)としては、アルミニウム、銅、銀等の金属を用いるのがよい。感受素子31を構成する導電体(高導電層106)の厚さは、例えば、10nm~500nmである。感受素子31を構成する導電体(高導電層106)の厚さは、軟磁性体層105として用いる感受素子31を構成するCo合金や高導電層106として用いる導電体の種類等によって変更できる。
密着層101、制御層102、硬磁性体層103、および誘電体層104は、平面形状が四角形(図1参照)になるように加工されている。そして、露出した側面のうち、対向する2つの側面において、薄膜磁石20がN極(図2における(N))およびS極(図2における(S))となっている。なお、薄膜磁石20のN極とS極とを結ぶ線が、感受素子31の長手方向に向くようになっている。ここで、長手方向を向くとは、N極とS極とを結ぶ線と長手方向とがなす角度が45°未満であることをいう。なお、N極とS極とを結ぶ線と長手方向とがなす角度は、小さいほどよい。
磁気センサ1において、薄膜磁石20のN極から出た磁力線は、一旦磁気センサ1の外部に出る。そして、一部の磁力線が、ヨーク40aを介して感受素子31を透過し、ヨーク40bを介して再び外部に出る。そして、感受素子31を透過した磁力線が、感受素子31を透過しない磁力線とともに薄膜磁石20のS極に戻る。つまり、薄膜磁石20は、感受素子31の長手方向に磁界(後述するバイアス磁界Hb)を印加する。
なお、薄膜磁石20のN極とS極とをまとめて両磁極と表記し、N極とS極とを区別しない場合は磁極と表記する。
なお、図1に示すように、ヨーク40(ヨーク40a、40b)は、基板10の表面側から見た形状が、感受部30に近づくにつれて狭くなっていくように構成されている。これは、感受部30に磁界を集中させる(磁力線を集める)ためである。つまり、感受部30における磁界を強くして感度のさらなる向上を図っている。なお、ヨーク40(ヨーク40a、40b)の感受部30に対向する部分の幅を狭くしなくてもよい。
ここで、ヨーク40(ヨーク40a、40b)と感受部30との間隔は、例えば1μm~100μmであればよい。
続いて、感受素子31の平面形状について詳細に説明する。図3は、図1におけるIII部の拡大図である。なお、図3に示す感受素子31の長手方向と短手方向との比率は、必ずしも正確なものではない。
複数の感受素子31は、互いに等しい平面形状を有している。それぞれの感受素子31は、長手方向と短手方向とを有する短冊状の形状を有している。また、それぞれの感受素子31は、短手方向の幅が、長手方向の両端部と長手方向の中央部とで異なっている。なお、本実施の形態の説明では、感受素子31の短手方向の幅を、単に「感受素子31の幅」等と表記する場合がある。
図3に示すように、本実施の形態では、長手方向の両端部における感受素子31の幅D1と比較して、長手方向の中央部における感受素子31の幅D2が小さくなっている。具体的には、それぞれの感受素子31は、短手方向の幅が、長手方向の両端部から長手方向の中央部に向かうに従い、連続して小さくなっている。
さらに付言すると、図3に示すように、それぞれの感受素子31は、長手方向に沿って延び、短手方向に対向する2つの長辺部31a、31bを有している。そして、それぞれの感受素子31では、長手方向の両端部から長手方向の中央部に向かうに従い、2つの長辺部31a、31b同士の間隔が狭くなっている。
この例では、それぞれの感受素子31の長辺部31aは、長手方向の一端から他端に亘って長辺部31bとの間隔が連続して変化するように、長辺部31b側に凹むような湾曲形状を有している。同様に、それぞれの感受素子31の長辺部31bは、長手方向の一端から他端に亘って長辺部31aとの間隔が連続して変化するように、長辺部31a側に凹むような湾曲形状を有している。
それぞれの感受素子31の長手方向の長さは、特に限定されるものではないが、例えば、0.5mm~3mm程度である。また、それぞれの感受素子31の短手方向の幅(D1、D2)は、特に限定されるものではないが、例えば、10μm~300μm程度である。
本実施の形態では、感受素子31の長手方向の長さ等によっても異なるが、長手方向の両端部における感受素子31の幅D1と、長手方向の中央部における感受素子31の幅D2との比率(D1:D2)が、100:60~100:90の範囲であることが好ましい。長手方向の両端部における感受素子31の幅D1に対し、長手方向の中央部における感受素子31の幅D2が過度に小さい場合、感受部30に電流を供給する際の抵抗が高くなる場合がある。また、長手方向の両端部における感受素子31の幅D1と長手方向の中央部における感受素子31の幅D2とが近似している場合、後述する感度向上の効果が得られにくくなる。
続いて、上述した図1および図3を参照して、接続部32の平面形状について詳細に説明する。
図3に示すように、それぞれの接続部32は、短手方向に沿って延びる延伸部321を有している。ここで、単に短手方向または長手方向という場合には、感受素子31の短手方向または長手方向を指す。また、それぞれの接続部32は、延伸部321から長手方向に延び、感受素子31の長手方向の端部と延伸部321とを接続するテーパ部322を有している。そして、接続部32は、延伸部321と2つのテーパ部322とによって短手方向に並ぶ2つの感受素子31における長手方向の端部同士を接続している。
延伸部321は、短手方向に沿って延びる短冊状の形状を有している。そして、延伸部321は、図3に示すように、接続する2つの感受素子31に対し短手方向に突出している。付言すると、延伸部321の短手方向の長さは、2つの感受素子31の短手方向の幅と、2つの感受素子31同士の短手方向の間隔とを合わせた長さよりも長くなっている。
また、延伸部321の長手方向の幅は、長手方向の両端部における感受素子31の幅D1よりも大きいことが好ましい。これにより、延伸部321の長手方向の幅が長手方向の両端部における感受素子31の幅D1よりも小さい場合と比較して、感受部30に電流を供給する際の抵抗が低くなる。
テーパ部322は、長手方向に沿って感受素子31の端部に近づくに従い短手方向の幅が狭くなる所謂テーパ形状を有している。付言すると、テーパ部322は、長手方向に沿って延びる2つの辺部322a、322bを有している。そして、テーパ部322では、長手方向に沿って感受素子31の端部に近づくに従い、2つの辺部322a、322b同士の間隔が狭くなっている。
また、この例では、テーパ部322のそれぞれの辺部322a、322bと長手方向とがなす傾斜角θa、θbが、135度となっている。傾斜角θa、θbは、延伸部321の短手方向の長さや感受素子31の短手方向の幅等によっても異なるが、例えば、110度以上150度以下の範囲とすることができる。
本実施の形態の磁気センサ1では、接続部32がテーパ部322を有することで、磁力線を感受素子31の長手方向の端部に誘導しやすくなる。この結果、本実施の形態の磁気センサ1では、感受素子31に磁界が集中して、磁束密度が高くなる。これにより、接続部32がテーパ部322を有しない場合と比較して、磁気センサ1の感度を向上させることができる。
(磁気センサ1の作用)
続いて、本実施の形態の磁気センサ1の作用を、本実施の形態の磁気センサ1とは感受素子31の形状が異なる従来の磁気センサ(以下、単に従来の磁気センサと表記する。)と比較しながら説明する。
図4は、磁気センサ1(図1参照)および従来の磁気センサにおける感受素子31の形状と、磁気センサ1および従来の磁気センサの感受素子31における磁界強度とを示した図である。図4では、本実施の形態の磁気センサ1の感受素子31および磁界強度を「実施例」、従来の磁気センサの感受素子31の形状および磁界強度を「比較例」として示している。また、図4では、磁気センサ1および従来の磁気センサの感受素子31に対し予め定められた大きさの外部磁界を印加した場合に、感受素子31における磁界強度を、長手方向に沿った分布として示している。
ここで、図4は、コンピュータを用いたシミュレーションにより得られたものである。具体的には、図1~図3に示した形状を有する本実施の形態の磁気センサ1について、感受部30およびヨーク40を、厚さ500μmのCo85Nb12Zr3からなる2層の軟磁性体層105(下層軟磁性体層105a、上層軟磁性体層105b)と、厚さ300nmのAgからなる高導電体層106とにより構成した。
また、実施例の磁気センサ1では、長手方向の両端部における感受素子31の幅D1を95μm、長手方向の中央部における感受素子31の幅D2を65μm、感受素子31の長手方向に沿った長さを2mmとした。なお、実施例の磁気センサ1では、図3等に示したように、感受素子31の長辺部31a、31bは、湾曲形状を有しており、感受素子31の幅は、長手方向の一端から長手方向の他端に亘って連続して変化している。そして、感受素子31に対し長手方向に沿って10Oeの外部磁界を印加した場合に、感受素子31における磁界強度をシミュレーションにより算出した。
また、従来の磁気センサ2については、感受素子31の短手方向の幅を、長手方向の一端から他端に亘って80μmと一定にした以外は、本実施の形態の磁気センサ1と同様にした。そして、感受素子31に対し10Oeの外部磁界を印加した場合に、感受素子31にかかる磁界強度をシミュレーションにより算出した。
図4に示すように、長手方向の両端部における感受素子31の幅D1と比べて長手方向の中央部における感受素子31の幅D2が小さい本実施の形態の磁気センサ1は、感受素子31の幅が長手方向の一端から他端に亘って等しい従来の磁気センサと比較して、感受素子31における磁界強度が長手方向に亘って均一になっている。
具体的には、従来の磁気センサでは、感受素子31の長手方向の両端部における磁界強度が、長手方向の中央部における磁界強度と比べて極端に大きくなっている。これに対し、本実施の形態の磁気センサ1では、従来の磁気センサと比較して、感受素子31の長手方向の両端部と長手方向の中央部とで、磁界強度の差が小さくなっている。
続いて、本実施の形態の磁気センサ1の作用として、感受部30における感受素子31の長手方向に印加された磁界と感受部30のインピーダンスとの関係について、従来の磁気センサと比較しながら説明する。図5(a)~(b)は、本実施の形態の磁気センサ1および従来の磁気センサについて、感受素子31の長手方向に印加された磁界と感受部30のインピーダンスとの関係を説明する図である。なお、図5(b)は、図5(a)におけるVB部の拡大図である。
図5(a)~(b)において、横軸が磁界H、縦軸がインピーダンスZである。感受部30のインピーダンスZは、2個の端子部33間に高周波電流を流して測定される。図5(a)~(b)は、本実施の形態の磁気センサ1および従来の磁気センサに対し、感受部30の端子部33間に100MHzの高周波電流を流して測定されたものである。図5(a)~(b)では、本実施の形態の磁気センサ1を「実施例1」~「実施例4」、従来の磁気センサを「比較例」として示している。なお、図5(a)~(b)に特性を示す実施例1~実施例4の磁気センサ1の構成材料および形状は、感受素子31の幅を除いて、図4に特性を示した本実施の形態の磁気センサ1と同様である。また、図5(a)~(b)に特性を示す比較例の従来の磁気センサの構成材料および形状は、図4に特性を示した従来の磁気センサと同様である。
実施例1~実施例4の磁気センサ1は、感受素子31の幅(長手方向の両端部における感受素子31の幅D1および長手方向の中央部における感受素子31の幅D2)が互いに異なっている。具体的には、実施例1の磁気センサ1では、長手方向の両端部における感受素子31の幅D1を85μm、長手方向の中央部における感受素子31の幅D2を75μmとした。また、実施例2の磁気センサ1では、長手方向の両端部における感受素子31の幅D1を90μm、長手方向の中央部における感受素子31の幅D2を70μmとした。さらに、実施例3の磁気センサ1では、長手方向の両端部における感受素子31の幅D1を95μm、長手方向の中央部における感受素子31の幅D2を65μmとした。さらにまた、実施例4の磁気センサ1では、長手方向の両端部における感受素子31の幅D1を100μm、長手方向の中央部における感受素子31の幅D2を60μmとした。
図5(a)~(b)に示すように、磁気センサ1(および従来の磁気センサ)では、感受部30のインピーダンスZは、磁界Hが0の場合(H=0)を境界としてプラス方向またはマイナス方向に磁界Hの絶対値が大きくなるに従い、増加、減少と変化している。また、磁界Hの変化に対するインピーダンスZの変化量(すなわち、グラフの傾き)は、磁界Hの大きさによって異なっている。
したがって、印加する磁界Hの変化量ΔHに対してインピーダンスZの変化量ΔZが急峻な部分(すなわち、ΔZ/ΔHが大きい部分)を用いれば、磁界Hの微弱な変化をインピーダンスZの変化量ΔZとして取り出すことができる。言い換えると、磁気センサ1では、感受素子31に対し、薄膜磁石20により感受素子31の長手方向にΔZ/ΔHが最も大きくなる磁界H(以下、バイアス磁界Hbと表記する場合がある。)を印加することで、バイアス磁界Hbの近傍における磁界Hの変化量ΔHが高精度に測定できる。
なお、以下の説明では、バイアス磁界Hbにおけるグラフの傾きΔZ/ΔH(すなわち、最大のΔZ/ΔH)を、Smaxと表記する場合がある。また、インピーダンスZが極大値をとる磁界Hを、異方性磁界Hkと表記する場合がある。さらに、グラフにおけるインピーダンスZの最小値と最大値との差分(インピーダンスZの変化量ΔZの最大値)を、変化量ΔZmaxと表記する場合がある。
表1に、本実施の形態(実施例1~実施例4)の磁気センサ1および従来(比較例)の磁気センサについて、図5(a)~(b)に示した磁界Hと感受部30のインピーダンスZとの関係に基づいて得られた異方性磁界Hk、変化量ΔZmaxおよびSmax(=ΔZ/ΔH)の値を示す。
Figure 2022069895000002
ここで、磁界HとインピーダンスZとの関係に基づいて磁界Hの変化量ΔHを測定する磁気センサ1では、Smaxが大きいほど感度が高い。また、図5(a)~(b)に示した磁界HとインピーダンスZとの関係によれば、異方性磁界Hkが小さいほど、または変化量ΔZmaxが大きいほど、インピーダンスZの変化量ΔZが急峻となり、Smaxが大きくなる傾向がある。すなわち、磁気センサ1では、異方性磁界Hkが小さいほど、または変化量ΔZmaxが大きいほど感度が向上し、好ましい。
表1に示すように、実施例1~実施例4の磁気センサ1では、比較例の磁気センサと比較して、異方性磁界Hkが小さくなっている。また、実施例1、2、4の磁気センサ1では、比較例の磁気センサと比較して、変化量ΔZmaxが大きくなっている。そして、実施例1~4の磁気センサ1では、比較例の磁気センサと比べて、Smaxが増加している。
上述したように、本実施の形態の磁気センサ1では、長手方向の両端部における感受素子31の幅D1と比べて長手方向の中央部における感受素子31の幅D2が小さいことで、感受素子31に磁界が集まりやすくなり磁界強度が均一になる。この結果、本実施の形態の磁気センサ1では、長手方向の一端から他端に亘って感受素子31の幅が一定の場合と比較して、Smaxが増加し感度を向上させることができる。
(磁気センサ1の製造方法)
次に、磁気センサ1の製造方法の一例を説明する。
図6(a)~(e)は、磁気センサ1の製造方法の一例を説明する図である。図6(a)~(e)は、磁気センサ1の製造方法における工程を示す。そして、工程は、図6(a)~(e)の順に進む。図6(a)~(e)は、代表的な工程であって、他の工程を含んでもよい。図6(a)~(e)は、図2に示した図1のII-II線での断面図に対応する。
基板10は、上述したように、非磁性材料からなる基板であって、例えばガラス、サファイアといった酸化物基板やシリコン等の半導体基板、あるいは、アルミニウム、ステンレススティール、ニッケルリンメッキなどを施した金属等の金属基板である。基板10には、研磨機などを用いて、例えば曲率半径Raが0.1nm~100nmの筋状の溝又は筋状の凹凸が設けられていてもよい。なお、この筋状の溝又は筋状の凹凸の筋の方向は、硬磁性体層103によって構成される薄膜磁石20のN極とS極とを結ぶ方向に設けられているとよい。このようにすることで、硬磁性体層103における結晶成長が、溝の方向へ促進される。よって、硬磁性体層103により構成される薄膜磁石20の磁化容易軸がより溝方向(薄膜磁石20のN極とS極とを結ぶ方向)に向きやすい。つまり、薄膜磁石20の着磁をより容易にする。
ここでは、基板10は、一例として直径約95mm、厚さ約0.5mmのガラスとして説明する。磁気センサ1の平面形状が数mm角である場合、基板10上には、複数の磁気センサ1が一括して製造され、後に個々の磁気センサ1に分割(切断)される。図6(a)~(e)では、中央に表記する一個の磁気センサ1に着目するが、左右に隣接する磁気センサ1の一部を合わせて示す。なお、隣接する磁気センサ1間の境界を一点鎖線で示す。
図6(a)に示すように、基板10を洗浄した後、基板10の一方の面(以下、表面と表記する。)上に、密着層101、制御層102、硬磁性体層103及び誘電体層104を順に成膜(堆積)して、積層体を形成する。
まず、Cr又はNiを含む合金である密着層101、Cr等を含む合金である制御層102、及び、薄膜磁石20を構成するCo合金である硬磁性体層103を順に連続して成膜(堆積)する。この成膜は、スパッタリング法などにより行える。それぞれの材料で形成された複数のターゲットに順に対面するように、基板10を移動させることで密着層101、制御層102及び硬磁性体層103が基板10上に順に積層される。前述したように、制御層102及び硬磁性体層103の形成では、結晶成長を促進するために、基板10を例えば100℃~600℃に加熱するとよい。
なお、密着層101の成膜では、基板10の加熱を行ってもよく、行わなくてもよい。基板10の表面に吸着している水分などを除去するために、密着層101を成膜する前に、基板10を加熱してもよい。
次に、SiO2、Al23、TiO2等の酸化物、又は、Si34、AlN等の窒化物等である誘電体層104を成膜(堆積)する。誘電体層104の成膜は、プラズマCVD法、反応性スパッタリング法などにより行える。
そして、図6(b)に示すように、感受部30が形成される部分及びヨーク40(ヨーク40a、40b)が形成される部分を開口とするフォトレジストによるパターン(レジストパターン)111を、公知のフォトリソグラフィ技術により形成する。なお、本実施の形態では、レジストパターン111の形状を制御することによって、上述した感受素子31および接続部32の平面形状を実現することができる。
そして、図6(c)に示すように、感受部30を構成するCo合金である下層軟磁性体層105a、軟磁性体層105と比較して導電性の高い導電体である高導電層106、及び感受素子31を構成するCo合金である上層軟磁性体層105bを順に成膜(堆積)する。軟磁性体層105(下層軟磁性体層105a、上層軟磁性体層105b)および高導電層106の成膜は、例えばスパッタリング法を用いて行える。
図6(d)に示すように、レジストパターン111を除去するとともに、レジストパターン111上の軟磁性体層105(下層軟磁性体層105a、上層軟磁性体層105b)および高導電層106を除去(リフトオフ)する。これにより、軟磁性体層105(下層軟磁性体層105a、上層軟磁性体層105b)および高導電層106による感受部30及びヨーク40(ヨーク40a、40b)が形成される。つまり、感受部30とヨーク40とが、軟磁性体層105および高導電層106の成膜により同時に形成される。
この後、軟磁性体層105には、感受部30の感受素子31(図2参照)の短手方向に一軸磁気異方性を付与する。この軟磁性体層105への一軸磁気異方性の付与は、例えば3kG(0.3T)の回転磁場中における400℃での熱処理(回転磁場中熱処理)と、それに引き続く3kG(0.3T)の静磁場中における400℃での熱処理(静磁場中熱処理)とで行える。この時、ヨーク40を構成する軟磁性体層105にも同様の一軸磁気異方性が付与される。しかし、ヨーク40は、磁気回路としての役割を果たせばよく、一軸磁気異方性が付与されなくてもよい。
次に、薄膜磁石20を構成する硬磁性体層103を着磁する。硬磁性体層103に対する着磁は、静磁場中又はパルス状の磁場中において、硬磁性体層103の保磁力より大きい磁界を、硬磁性体層103の磁化が飽和するまで印加することで行える。
この後、図6(e)に示すように、基板10上に形成された複数の磁気センサ1を個々の磁気センサ1に分割(切断)する。つまり、図1の平面図に示したように、平面形状が四角形になるように、基板10、密着層101、制御層102、硬磁性体層103、誘電体層104、軟磁性体層105および高導電層106を切断する。すると、分割(切断)された硬磁性体層103の側面に薄膜磁石20の磁極(N極及びS極)が露出する。こうして、着磁された硬磁性体層103は、薄膜磁石20になる。この分割(切断)は、ダイシング法やレーザカッティング法などにより行える。
なお、図6(e)の複数の磁気センサ1を個々の磁気センサ1に分割する工程の前に、基板10上において隣接する磁気センサ1の間の密着層101、制御層102、硬磁性体層103、誘電体層104、軟磁性体層105および高導電層106を、平面形状が四角形(図1に示した磁気センサ1の平面形状)になるようにエッチング除去してもよい。そして、露出した基板10を分割(切断)してもよい。
また、図6(a)の積層体を形成する工程の後に、密着層101、制御層102、硬磁性体層103、誘電体層104を、平面形状が四角形(図1に示した磁気センサ1の平面形状)になるように加工してもよい。
なお、図6(a)~(e)に示した製造方法は、これらの製造方法に比べ、工程が簡略化される。
このようにして、磁気センサ1が製造される。なお、軟磁性体層105への一軸磁気異方性の付与及び/又は薄膜磁石20の着磁は、図6(e)の磁気センサ1を個々の磁気センサ1に分割する工程の後に、磁気センサ1毎又は複数の磁気センサ1に対して行ってもよい。
なお、制御層102を備えない場合には、硬磁性体層103を成膜後、800℃以上に加熱して結晶成長させることで、面内に磁気異方性を付与することが必要となる。しかし、本実施の形態が適用される磁気センサ1のように、制御層102を備える場合には、制御層102により結晶成長が促進されるため、800℃以上のような高温による結晶成長を要しない。
また、感受素子31への一軸磁気異方性の付与は、上記の回転磁場中熱処理及び静磁場中熱処理で行う代わりに、感受部30を構成するCo合金である軟磁性体層105の堆積時にマグネトロンスパッタリング法を用いて行ってもよい。マグネトロンスパッタリング法では、磁石(マグネット)を用いて磁界を形成し、放電によって発生した電子をターゲットの表面に閉じ込める。これにより、電子とガスとの衝突確率を増加させてガスの電離を促進し、膜の堆積速度を向上させる。このマグネトロンスパッタリング法に用いられる磁石(マグネット)が形成する磁界により、軟磁性体層105の堆積と同時に、軟磁性体層105に一軸磁気異方性が付与される。このようにすることで、回転磁場中熱処理及び静磁場中熱処理で行う一軸磁気異方性を付与する工程が省略できる。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明の趣旨に反しない限りにおいて様々な
変形を行っても構わない。
上述した磁気センサ1では、感受素子31の幅が長手方向の一端から他端に亘って連続して変化するように、感受素子31の長辺部31a、31bが湾曲した形状を有しているが、これに限られるものではない。例えば、長手方向の両端部における感受素子31の幅D1と比べて長手方向の中央部における感受素子31の幅D2が小さくなっていれば、感受素子31の幅が長手方向の一端から中央に向かって直線的に変化し、感受素子31の長辺部31a、31bが中央部で折れ曲がる形状であってもよい。
また、上述した磁気センサ1では、複数の感受素子31の全てにおいて、長手方向の両端部における感受素子31の幅D1と比べて長手方向の中央部における感受素子31の幅D2が小さくなっているが、これに限られるものではない。磁気センサ1が感受素子31を複数有する場合、少なくとも1つの感受素子31において、長手方向の両端部における感受素子31の幅D1と比べて長手方向の中央部における感受素子31の幅D2が小さくなっていればよい。
さらにまた、上述した磁気センサ1では、接続部32は、長手方向に沿って感受素子31の端部に近づくに従い短手方向の幅が狭くなるテーパ部322を有しているが、これに限られるものではない。接続部32は、例えば、テーパ部322を有さずに短手方向に沿って延びる矩形状の延伸部321のみから構成されていてもよい。
ただし、感受素子31における磁束密度を高くし、感度を向上させる観点からは、接続部32がテーパ部322を有することが好ましい。
さらに、上述した磁気センサ1では、感受部30の感受素子31、接続部32および端子部33が、二層の軟磁性体層105(下層軟磁性体層105a、上層軟磁性体層105b)と高導電層106とにより構成されているが、これに限られるものではない。感受部30の感受素子31、接続部32または端子部33は、例えば、一層の軟磁性体層により構成されていてもよい。
1…磁気センサ、20…薄膜磁石、30…感受部、31…感受素子、31a、31b…長辺部、32…接続部、33…端子部、40、40a、40b…ヨーク、101…密着層、102…制御層、103…硬磁性体層、104…誘電体層、105…軟磁性体層、105a…下層軟磁性体層、105b…上層軟磁性体層、106…高導電層、321…延伸部、322…テーパ部

Claims (4)

  1. 非磁性の基板と、
    前記基板上に設けられ、軟磁性体からなり、長手方向と短手方向とを有し、当該長手方向と交差する方向に一軸磁気異方性を有し、当該長手方向の両端部と比べて当該長手方向の中央部の幅が小さく、磁気インピーダンス効果により磁界を感受する感受素子と
    を備える磁気センサ。
  2. 前記感受素子は、前記短手方向の幅が前記長手方向の両端部から当該長手方向の中央部に亘って連続して小さくなっていることを特徴とする請求項1に記載の磁気センサ。
  3. 前記短手方向に間隙を介して並ぶ複数の前記感受素子と、
    前記短手方向に隣接する前記感受素子の前記長手方向の端部を接続し、当該長手方向に沿って当該感受素子に近づくに従い当該短手方向の幅が狭くなっている接続部とを備えることを特徴とする請求項1または2に記載の磁気センサ。
  4. 前記長手方向の両端部における前記感受素子の幅と、当該長手方向の中央部における当該感受素子の幅との比率が、100:60~100:90の範囲であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の磁気センサ。
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