JP2022069740A - オートファジー阻害剤及び抗癌剤 - Google Patents
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Abstract
【課題】癌組織における間質細胞の活性化を抑制することができるオートファジー阻害剤及び抗癌剤を提供する。【解決手段】オートファジー阻害剤は、フラボピリドール、トリコスタチンA、PD-161570、ニトラリン、フルスピリレン、セルチンドール、CP-31398、2-CMDO、ピペラセタジン、ペンブトロール、アミトリプチリン、アリメマジン、ナホキシジン、チオチキセン、ズクロペンチキソール、MS-275、ハイカントン、CP-53631、チエチルペラジン、ゾテピン、CIS-(Z)-フルペンチキソール、デュロキセチン、ICI-199441、デプトロピン、3-CPMT、メトトリメプラジン、アゼラスチン、デスロラタジン、パロキセチン、ハロファントリン、3,4’,5ートリメトキシ-trans-スチルベン、及びその塩、並びにそれらの溶媒和物からなる群から選択される少なくとも1種を含む。【選択図】図9
Description
本発明は、オートファジー阻害剤及び抗癌剤に関する。
膵癌の5年生存率は10%と極めて低く、膵癌の予後の改善が社会的急務となっている。膵癌は過剰な間質を特徴とする。膵癌細胞と様々な間質細胞との相互作用が膵癌細胞の悪性度を高めている。膵癌細胞との癌間質相互作用における主要な間質細胞は膵星細胞(Pancreatic Stellate Cell;PSC)と呼ばれる線維芽細胞である。
PSCは、IL-6及びTGF-β等のサイトカインを産生し、癌間質相互作用により癌細胞の浸潤及び転移を促進する。さらに、PSCがコラーゲン及びフィブロネクチン等の細胞外基質を産生することによって、乏血管組織が形成される。乏血管組織によって、膵癌組織への薬剤送達性が低下するため、抗癌剤治療抵抗性が亢進する。
膵癌細胞との直接の接触、及び膵癌細胞から分泌される増殖因子等の液性因子との癌間質相互作用によって、PSCは休眠(quiescent)状態から活性化状態に移行する。
非特許文献1において、PSCの活性化にオートファジーが関与しており、PSCの活性を抑制することで膵癌の浸潤及び転移が抑制されることが報告されている。このことから、オートファジーの抑制が膵癌の治療に有効であることが示唆された。
特許文献1には、緑色蛍光タンパク質(GFP)で標識したmicrotubule-associated protein light chain 3(LC3)と、赤色蛍光タンパク質(RFP)で標識したLC3のグリシン欠損体(LC3ΔG)と、を発現するHeLa細胞を使用したスクリーニング方法で同定されたオートファジー阻害剤が開示されている。GFPで標識されたLC3はオートファジーによって分解されるが、RFPで標識されたLC3ΔGは分解されずに細胞内にとどまる。オートファジーが阻害されるとGFP/RFP比が上昇するため、GFP/RFP比を指標にオートファジーの阻害が評価できる。
Sho Endo、外20名、"Autophagy Is Required for Activation of Pancreatic Stellate Cells, Associated With Pancreatic Cancer Progression and Promotes Growth of Pancreatic Tumors in Mice"、Gastroenterology、2017年、152(6)、p.1492-1506
上記の特許文献1に開示されたスクリーニング方法では、PSCではない子宮頸部癌細胞株であるHeLa細胞を使用している。このため、同定されたオートファジー阻害剤が癌間質相互作用において重要なPSC等の間質細胞の活性化を抑制するか不明である。
本発明は上述の事情に鑑みてなされたものであり、癌組織における間質細胞の活性化を抑制することができるオートファジー阻害剤及び抗癌剤を提供することを目的とする。
PSCは正常膵ではビタミンA含有脂肪滴を細胞質に有する休眠状態で存在する。炎症が生じるとPSCは活性化され、脂肪滴が消失し、筋線維芽細胞様に形態変化する。本発明者は、オートファジーの阻害及びPSCの活性化抑制のマーカーとして脂肪滴に着目し、鋭意研究を重ね、オートファジーを抑制し、かつPSCの休眠状態を誘導できる化合物を同定した。
本発明の第1の観点に係るオートファジー阻害剤は、
フラボピリドール、トリコスタチンA、PD-161570、ニトラリン、フルスピリレン、セルチンドール、CP-31398、2-CMDO、ピペラセタジン、ペンブトロール、アミトリプチリン、アリメマジン、ナホキシジン、チオチキセン、ズクロペンチキソール、MS-275、ハイカントン、CP-53631、チエチルペラジン、ゾテピン、CIS-(Z)-フルペンチキソール、デュロキセチン、ICI-199441、デプトロピン、3-CPMT、メトトリメプラジン、アゼラスチン、デスロラタジン、パロキセチン、ハロファントリン、3,4’,5ートリメトキシ-trans-スチルベン、及びその塩、並びにそれらの溶媒和物からなる群から選択される少なくとも1種を含む。
フラボピリドール、トリコスタチンA、PD-161570、ニトラリン、フルスピリレン、セルチンドール、CP-31398、2-CMDO、ピペラセタジン、ペンブトロール、アミトリプチリン、アリメマジン、ナホキシジン、チオチキセン、ズクロペンチキソール、MS-275、ハイカントン、CP-53631、チエチルペラジン、ゾテピン、CIS-(Z)-フルペンチキソール、デュロキセチン、ICI-199441、デプトロピン、3-CPMT、メトトリメプラジン、アゼラスチン、デスロラタジン、パロキセチン、ハロファントリン、3,4’,5ートリメトキシ-trans-スチルベン、及びその塩、並びにそれらの溶媒和物からなる群から選択される少なくとも1種を含む。
上記本発明の第1の観点に係るオートファジー阻害剤は、
セルチンドール、ナホキシジン、ズクロペンチキソール、若しくはその塩、又はそれらの溶媒和物を含む、
こととしてもよい。
セルチンドール、ナホキシジン、ズクロペンチキソール、若しくはその塩、又はそれらの溶媒和物を含む、
こととしてもよい。
本発明の第2の観点に係る抗癌剤は、
フラボピリドール、トリコスタチンA、PD-161570、ニトラリン、フルスピリレン、セルチンドール、CP-31398、2-CMDO、ピペラセタジン、ペンブトロール、アミトリプチリン、アリメマジン、ナホキシジン、チオチキセン、ズクロペンチキソール、MS-275、ハイカントン、CP-53631、チエチルペラジン、ゾテピン、CIS-(Z)-フルペンチキソール、デュロキセチン、ICI-199441、デプトロピン、3-CPMT、メトトリメプラジン、アゼラスチン、デスロラタジン、パロキセチン、ハロファントリン、3,4’,5ートリメトキシ-trans-スチルベン、及びその塩、並びにそれらの溶媒和物からなる群から選択される少なくとも1種を含む。
フラボピリドール、トリコスタチンA、PD-161570、ニトラリン、フルスピリレン、セルチンドール、CP-31398、2-CMDO、ピペラセタジン、ペンブトロール、アミトリプチリン、アリメマジン、ナホキシジン、チオチキセン、ズクロペンチキソール、MS-275、ハイカントン、CP-53631、チエチルペラジン、ゾテピン、CIS-(Z)-フルペンチキソール、デュロキセチン、ICI-199441、デプトロピン、3-CPMT、メトトリメプラジン、アゼラスチン、デスロラタジン、パロキセチン、ハロファントリン、3,4’,5ートリメトキシ-trans-スチルベン、及びその塩、並びにそれらの溶媒和物からなる群から選択される少なくとも1種を含む。
上記本発明の第2の観点に係る抗癌剤は、
セルチンドール、ナホキシジン、ズクロペンチキソール、若しくはその塩、又はそれらの溶媒和物を含む、
こととしてもよい。
セルチンドール、ナホキシジン、ズクロペンチキソール、若しくはその塩、又はそれらの溶媒和物を含む、
こととしてもよい。
上記本発明の第1の観点に係るオートファジー阻害剤又は上記本発明の第2の観点に係る抗癌剤は、
膵癌を有する対象に投与される、
こととしてもよい。
膵癌を有する対象に投与される、
こととしてもよい。
上記本発明の第1の観点に係るオートファジー阻害剤又は上記本発明の第2の観点に係る抗癌剤は、
膵癌治療薬と併用される、
こととしてもよい。
膵癌治療薬と併用される、
こととしてもよい。
本発明によれば、癌組織における間質細胞の活性化を抑制することができる。
本発明に係る実施の形態について図面を参照して説明する。なお、本発明は下記の実施の形態及び図面によって限定されるものではない。なお、下記の実施の形態において、“有する”、“含む”又は“含有する”といった表現は、“からなる”又は“から構成される”という意味も包含する。
(実施の形態1)
本実施の形態に係るオートファジー阻害剤は、フラボピリドール、トリコスタチンA、PD-161570、ニトラリン、フルスピリレン、セルチンドール、CP-31398、2-CMDO、ピペラセタジン、ペンブトロール、アミトリプチリン、アリメマジン、ナホキシジン、チオチキセン、ズクロペンチキソール、MS-275、ハイカントン、CP-53631、チエチルペラジン、ゾテピン、CIS-(Z)-フルペンチキソール、デュロキセチン、ICI-199441、デプトロピン、3-CPMT、メトトリメプラジン、アゼラスチン、デスロラタジン、パロキセチン、ハロファントリン、3,4’,5ートリメトキシ-trans-スチルベン、及びその塩、並びにそれらの溶媒和物からなる群から選択される少なくとも1種の化合物を含む。
本実施の形態に係るオートファジー阻害剤は、フラボピリドール、トリコスタチンA、PD-161570、ニトラリン、フルスピリレン、セルチンドール、CP-31398、2-CMDO、ピペラセタジン、ペンブトロール、アミトリプチリン、アリメマジン、ナホキシジン、チオチキセン、ズクロペンチキソール、MS-275、ハイカントン、CP-53631、チエチルペラジン、ゾテピン、CIS-(Z)-フルペンチキソール、デュロキセチン、ICI-199441、デプトロピン、3-CPMT、メトトリメプラジン、アゼラスチン、デスロラタジン、パロキセチン、ハロファントリン、3,4’,5ートリメトキシ-trans-スチルベン、及びその塩、並びにそれらの溶媒和物からなる群から選択される少なくとも1種の化合物を含む。
好ましくは、オートファジー阻害剤に有効成分として含有される化合物は、セルチンドール、ナホキシジン、ズクロペンチキソール、若しくはその塩、又はそれらの溶媒和物である。
本実施の形態に係るオートファジー阻害剤は、既知の方法で製造され、有効成分として0.000001~99.9重量%、0.00001~99.8重量%、0.0001~99.7重量%、0.001~99.6重量%、0.01~99.5重量%、0.1~99重量%、0.5~60重量%、1~50重量%又は1~20重量%の上記化合物を含む。オートファジー阻害剤は、固形製剤であっても、液状製剤であってもよい。
化合物は、塩又は溶媒和物の形態であってもよい。塩は、薬理学上許容され、かつオートファジー阻害活性を示す塩であれば特に限定されない。塩としては、例えば、塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、硝酸塩、シュウ酸塩、及びリン酸塩などの無機酸塩、並びに酢酸塩、プロピオン酸塩、ヘキサン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、グリコール酸塩、ピルビン酸塩、乳酸塩、マロン酸塩、コハク酸塩、リンゴ酸塩、フマル酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、安息香酸塩、o-(4-ヒドロキシベンゾイル)安息香酸塩、桂皮酸塩、マンデル酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、1,2-エタンジスルホン酸塩、2-ヒドロキシエタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p-クロロベンゼンスルホン酸塩、2-ナフタレンスルホン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、カンファースルホン酸塩、4-メチルビシクロ[2.2.2]オクト-2-エン-1-カルボン酸塩、グルコヘプタン酸塩、4,4’-メチレンビス(3-ヒドロキシ-2-エン-1-カルボン酸塩)、3-フェニルプロピオン酸塩、トリメチル酢酸塩、第三級ブチル酢酸塩、ラウリル硫酸塩、グルコン酸塩、グルタミン酸塩、ヒドロキシナフトエ酸塩、サリチル酸塩、ステアリン酸塩、及びムコン酸塩などの有機酸塩が挙げられる。
溶媒和物は、薬理学上許容され、かつオートファジー阻害活性を示す溶媒和物であれば特に限定されない。溶媒和物は、化合物が溶媒と、共有結合、水素結合、イオン結合、ファンデルワールス力、錯体及びインクルーション等を形成して安定化したものである。溶媒は、限定されず、例えば、水、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、アセトン、アセトニトリル、エチルエーテル及びメチルtert-ブチルエーテル等が挙げられる。溶媒和物は、好ましくは水和物である。
オートファジー阻害剤は上記化合物に加え、薬理学上許容される任意の成分を含んでもよい。任意の成分は、例えば、賦形剤、滑沢剤、結合剤、崩壊剤、溶剤、溶解補助剤、懸濁化剤、等張化剤、緩衝剤及び無痛化剤等である。また、必要に応じて、防腐剤、抗酸化剤、着色剤及び甘味剤等の添加物がオートファジー阻害剤に配合されてもよい。
賦形剤としては、乳糖、白糖、D-マンニトール、D-ソルビトール、デンプン、α化デンプン、デキストリン、結晶セルロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、アラビアゴム、プルラン、軟質無水ケイ酸、合成ケイ酸アルミニウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、キシリトール、ソルビトール及びエリスリトール等が挙げられる。
滑沢剤は、例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、タルク、コロイドシリカ及びポリエチレングリコール等である。
結合剤としては、α化デンプン、ショ糖、ゼラチン、アラビアゴム、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、結晶セルロース、白糖、D-マンニトール、トレハロース、デキストリン、プルラン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース及びポリビニルピロリドン等が例示される。
崩壊剤は、例えば、乳糖、白糖、デンプン、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、クロスカルメロースナトリウム、カルボキシメチルスターチナトリウム、低置換ヒドロキシプロピルセルロース、軟質無水ケイ酸及び炭酸カルシウム等である。
溶剤としては、注射用水、生理食塩水、リンゲル液、アルコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ゴマ油、トウモロコシ油、オリーブ油及び綿実油等が挙げられる。溶解補助剤は、例えば、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、D-マンニトール、トレハロース、安息香酸ベンジル、エタノール、トリスアミノメタン、コレステロール、トリエタノールアミン、炭酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、サリチル酸ナトリウム及び酢酸ナトリウム等である。
懸濁化剤としては、例えば、ステアリルトリエタノールアミン、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリルアミノプロピオン酸、レシチン、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム及びモノステアリン酸グリセリン等の界面活性剤、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース及びヒドロキシプロピルセルロース等の親水性高分子、ポリソルベート類、並びにポリオキシエチレン硬化ヒマシ油等が挙げられる。
等張化剤は、例えば、塩化ナトリウム、グリセリン、D-マンニトール、D-ソルビトール、ブドウ糖、キシリトール及び果糖等が挙げられる。緩衝剤は、例えば、リン酸塩、酢酸塩、炭酸塩及びクエン酸塩等の緩衝液等である。無痛化剤は、例えば、プロピレングリコール、塩酸リドカイン及びベンジルアルコール等が挙げられる。
防腐剤としては、パラオキシ安息香酸エステル類、クロロブタノール、ベンジルアルコール、フェネチルアルコール、デヒドロ酢酸及びソルビン酸等が挙げられる。抗酸化剤としては、亜硫酸塩及びアスコルビン酸塩等が例示される。着色剤としては、水溶性着色タール色素、不溶性レーキ色素及び天然色素等が挙げられる。甘味剤は、例えば、サッカリンナトリウム、グリチルリチン酸二カリウム、アスパルテーム及びステビア等である。
オートファジー阻害剤の投与量は、投与対象の性別、年齢、体重及び症状等によって適宜決定される。オートファジー阻害剤は、上記化合物が有効量となるように投与される。有効量とは、所望の結果を得るために必要な化合物の量であり、治療又は処置する疾患に係る状態の進行の遅延、阻害、予防、逆転又は治癒をもたらすのに必要な量である。
オートファジー阻害剤の投与量は、例えば、0.01mg/kg~1000mg/kg、好ましくは0.1mg/kg~200mg/kg、より好ましくは0.2mg/kg~20mg/kgであり、1日に1回、又はそれ以上に分割して投与することができる。オートファジー阻害剤を分割して投与する場合、オートファジー阻害剤は、1日に1~4回投与される。また、オートファジー阻害剤は、毎日、隔日、1週間に1回、隔週及び1ヶ月に1回等の様々な投与頻度で投与してもよい。なお、必要に応じて、上記の範囲外の量を用いることもできる。
オートファジー阻害剤の投与経路は特に限定されない。オートファジー阻害剤は、例えば非経口又は経口で投与される。非経口投与の場合、静脈注射、皮下注射、腹腔内注射、筋肉内注射、経皮投与、経鼻投与、経肺投与、経腸投与、口腔内投与及び経粘膜投与等であってもよい。オートファジー阻害剤は、点滴を介して投与されてもよい。
オートファジー阻害剤は、任意の形態の製剤とすることができる。オートファジー阻害剤は、経口投与の場合、糖衣錠、バッカル錠、コーティング錠及びチュアブル錠等の錠剤、トローチ剤、丸剤、散剤及びソフトカプセルを含むカプセル剤、顆粒剤、懸濁剤、乳剤及びドライシロップを含むシロップ剤、並びにエリキシル剤等の液剤であってもよい。非経口投与の場合、オートファジー阻害剤は、注射剤、経皮吸収テープ、エアゾール剤及び坐剤等であってもよい。
オートファジー阻害剤の投与対象は、脊椎動物が好ましく、哺乳類動物がより好ましい。哺乳類動物としては、例えば、ヒト、チンパンジー及びその他の霊長類、イヌ、ネコ、ウサギ、ウマ、ヒツジ、ヤギ、ウシ、ブタ、ラット、マウス及びモルモット等の家畜動物、愛玩動物及び実験用動物等が挙げられる。特に好ましくは、哺乳類動物はヒトである。
本実施の形態に係るオートファジー阻害剤は、オートファジーを抑制するのに加え、下記実施例に示すように、PSCの活性化を抑制し、PSCを休眠様状態に誘導する。また、当該オートファジー阻害剤は、腫瘍の増大を抑制する。このため、オートファジー阻害剤は癌の治療において有用である。対象となる癌は特に制限されないが、例えば、頭頚部癌、食道癌、胃癌、十二指腸癌、結腸癌、直腸癌、肝臓癌、胆嚢癌、胆管癌、胆道癌、膵癌、肺癌、乳癌、卵巣癌、子宮頚癌、子宮体癌、腎癌、膀胱癌、前立腺癌、精巣腫瘍、骨・軟部肉腫、血液癌、多発性骨髄腫、皮膚癌、脳腫瘍、中皮腫及び血液癌等が挙げられる。当該オートファジー阻害剤は、癌細胞の生存又は増殖にオートファジーが重要な役割を果たしている癌において、癌細胞の増殖を阻害することにより、癌を治療することができる。好ましくは、オートファジー阻害剤は、膵癌を有する対象に投与される。
PSCによって形成される乏血管組織は、膵癌組織への薬剤送達性を低下させ、抗癌剤治療抵抗性を亢進させる。本実施の形態に係るオートファジー阻害剤は、PSCの活性化を抑制するため、当該オートファジー阻害剤は、膵癌治療薬と併用されてもよい。下記実施例に示すように、オートファジー阻害剤と膵癌治療薬とを併用することで、腫瘍の増大を抑制することができる。
膵癌治療薬は、特に限定されず、例えば、ゲムシタビン、イリノテカン、エルロチニブ、オキサリプラチン、シクロフォスファミド、シタラビン、ドキソルビシン、フルオロウラシル、マイトマイシンC、テガフール・ウラシル配合剤、テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム配合剤及びパクリタキセル等である。
“併用”とは、膵癌治療薬の投与の前、膵癌治療薬の投与と同時又は膵癌治療薬の投与の後にオートファジー阻害剤を投与することを意味する。膵癌治療薬とオートファジー阻害剤の両方を使用する限り、それらの投与順序及び投与形態は限定されない。例えば、併用では、膵癌治療薬とオートファジー阻害剤とを同時に投与しても、一方の効果が残っている間に他方を投与する等して時間を前後させてそれぞれ単独で投与してもよい。併用においては、膵癌治療薬及びオートファジー阻害剤の投与経路は同一であってもよいし、異なってもよい。
併用の態様としては、例えば膵癌治療薬とオートファジー阻害剤とを投与前に製剤化して得られる単一の製剤の投与、膵癌治療薬とオートファジー阻害剤とを別々に製剤化して得られる2種の製剤の同一投与経路での同時投与、当該2種の製剤の同一投与経路での時間差をおいての投与、当該2種の製剤の異なる投与経路での同時投与、当該2種の製剤の異なる投与経路での時間差をおいての投与が挙げられる。例えば併用では、膵癌治療薬及びオートファジー阻害剤それぞれの用量及び用法が規定された1つのレジメンに従って、所定の期間に渡って、膵癌治療薬及びオートファジー阻害剤が同時に又は時間を前後させて投与される。
本実施の形態に係るオートファジー阻害剤は、抗癌剤又は膵癌治療薬に治療抵抗性を示す癌を有する対象に投与されてもよい。
本実施の形態に係るオートファジー阻害剤は、下記実施例に示すように、オートファジーを阻害し、PSCの活性化を抑制し、PSCを休眠様状態に誘導する。これにより、当該オートファジー阻害剤は、癌組織における間質細胞の活性化を抑制することができる。さらに、PSCの活性を抑制することで癌の浸潤及び転移を抑制することができる。
本実施の形態に係るオートファジー阻害剤は、抗癌剤であってもよい。この場合、抗癌剤は、上記化合物を有効成分として含む。また、本実施の形態に係るオートファジー阻害剤は、下記実施例に示すようにPSCを休眠様状態に誘導するため、PSCの休眠状態誘導剤であってもよい。
別の実施の形態では、上記オートファジー阻害剤の有効成分とは別の成分を有効成分として含む抗癌剤と、当該オートファジー阻害剤と、を組み合わせた抗癌併用剤が提供される。
抗癌剤とオートファジー阻害剤とを組み合わせるとは、これらを配合剤として提供すること、及びこれらのそれぞれを含む製剤をキットとして提供することを包含する。本実施の形態に係る抗癌併用剤が配合剤である場合、抗癌剤及びオートファジー阻害剤は、複数の薬剤を混合して配合剤とする通常の方法によって配合剤とすることができる。配合剤には、抗癌剤及びオートファジー阻害剤以外の任意の成分をさらに含んでもよい。任意の成分は、上述したオートファジー阻害剤に含まれ得る任意の成分である。配合剤の形態は、液体、固体、半固形状及び粉末状等、任意である。抗癌剤とオートファジー阻害剤との配合割合は、それぞれの効果を発揮することができる適切な配合割合とすればよい。
本実施の形態に係る抗癌併用剤が、抗癌剤を含む製剤とオートファジー阻害剤を含む製剤とのキットである場合、抗癌剤を含む製剤とオートファジー阻害剤を含む製剤とは、同一の形態であってもよいし、異なる形態であってもよい。また、抗癌剤を含む製剤とオートファジー阻害剤を含む製剤とは、投与経路又は投与方法が同じ製剤であっても異なる製剤であってもよい。例えば、抗癌剤を含む製剤とオートファジー阻害剤を含む製剤とが両方とも経口投与製剤又は非経口投与製剤であってもよいし、抗癌剤を含む製剤が経口投与製剤で、オートファジー阻害剤を含む製剤が非経口投与製剤であってもよいし、抗癌剤を含む製剤が非経口投与製剤で、オートファジー阻害剤を含む製剤が経口投与製剤であってもよい。
他の実施の形態では、癌を治療、改善又は予防する方法が提供される。癌を治療、改善又は予防する方法は、上記の化合物を有効成分として含むオートファジー阻害剤又は抗癌剤を対象に投与する工程を含む。癌を治療、改善又は予防する方法は、オートファジー阻害剤の有効成分とは別の成分を有効成分として含む抗癌剤と、オートファジー阻害剤とを組み合わせて対象に投与する工程を含んでもよい。
また、別の実施の形態は、オートファジー阻害剤、抗癌剤又は抗癌併用剤の製造のための上記化合物の使用である。また、別の実施の形態では、オートファジー阻害剤と、抗癌剤と、を組み合わせる工程を含む、抗癌併用剤の製造方法が提供される。
本実施の形態に係る抗癌剤及び抗癌併用剤は、膵癌治療薬又は膵癌治療薬抵抗性癌の治療用医薬としても提供され得る。
以下の実施例により、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は実施例によって限定されるものではない。
(試験例1:脂肪滴蓄積アッセイ)
ヒトPSCとして、膵癌手術標本から得られる細切した膵癌組織を6ウェルプレート上にのせ、20%ウシ胎児血清(FBS)を含有するDMEM(Dulbecco’s Modified Eagle’s Medium)で培養することで組織の周囲に増生する細胞を分離し、継代した。以下の試験例及び実施例では継代数3~8のPSCを使用した。
ヒトPSCとして、膵癌手術標本から得られる細切した膵癌組織を6ウェルプレート上にのせ、20%ウシ胎児血清(FBS)を含有するDMEM(Dulbecco’s Modified Eagle’s Medium)で培養することで組織の周囲に増生する細胞を分離し、継代した。以下の試験例及び実施例では継代数3~8のPSCを使用した。
PSCを1×104個/ウェルの密度でガラスボトムディッシュ(#81156、ibidi社製)上に撒き、ジメチルスルホキシド(DMSO)に溶解したリン酸クロロキン(10μM、#PHR1258、Sigma-Aldrich社製)又はコントロールとしてのDMSOの存在下で24時間培養し、10%緩衝ホルマリン(#133-10311、富士フイルム和光純薬社製)で固定した。続いて、遮光した状態で、1μg/mLの脂溶性蛍光色素であるBODIPY(4,4-ジフルオロ-1,3,5,7,8-ペンタメチル-4-ボラ-3a、4-ジアザ-s-インダセン、BODIPY 493/503、#D-3922、Lifetechnology社製)及びDAPI(4’、6-ジアミジノ-2-フェニルインドール、1μg/mL、#D523、同仁化学研究所製)で室温にて30分間、細胞を染色した。PBSで洗浄後、顕微鏡(BZ-X700、KEYENCE社製)を用いて細胞の画像を取得した。
なお、BODIPYは、1mg/mLの濃度でDMSOに溶解し、使用時にPBSで1μg/mLに希釈して使用した。
(結果)
オートファジーを阻害することが知られているクロロキンによって、図1(A)に示されたように、PSCは脂肪滴が蓄積しており休眠様状態となった。一方、図1(B)に示されたコントロールのPSCでは脂肪滴が蓄積しておらず活性化状態となった。脂肪滴は、PSCの休眠状態のマーカーとなることが示された。
オートファジーを阻害することが知られているクロロキンによって、図1(A)に示されたように、PSCは脂肪滴が蓄積しており休眠様状態となった。一方、図1(B)に示されたコントロールのPSCでは脂肪滴が蓄積しておらず活性化状態となった。脂肪滴は、PSCの休眠状態のマーカーとなることが示された。
(試験例2:PSCを休眠様状態に誘導する化合物の同定)
不死化PSCの作製
初代培養PSCは、継代を繰り返すことにより劣化し増殖能が低下するため、安定した再現性が求められるスクリーニングでの使用には適していない。そこで、不死化PSCを作製した。
不死化PSCの作製
初代培養PSCは、継代を繰り返すことにより劣化し増殖能が低下するため、安定した再現性が求められるスクリーニングでの使用には適していない。そこで、不死化PSCを作製した。
不死化構築物としてSV40ラージT抗原遺伝子とヒトテロメラーゼ逆転写酵素タンパク質(hTERT)遺伝子を合成し、次のようにレンチウイルスベクター(pLVSINベクター、タカラバイオ社製)にクローニングした。T225フラスコ1枚に2×107個の293T細胞(CRL-3216、ATCC)を播種した。約24時間後にLentiviral High TiterPackaging Mix(6194、タカラバイオ社製)の説明書に従い、レンチウイルスベクタープラスミド(pLVSIN-EF1α Neo_hTERT/SV40 LargeT)とLentiviral High Titer Packaging Mixとを、293T細胞にTransIT-293 Transfection Reagent(MIR2700、Mirus Bio社製)を用いて共導入した。トランスフェクション約24時間後に新たな培地に交換し、さらに約24時間培養後にフラスコの上清を回収し、0.45μmフィルターで濾過したものを組換えレンチウイルスベクター溶液とした。
得られたレンチウイルスベクターDNAをLenti-X 293T細胞(#632180、タカラバイオ社製)に導入し、初代培養PSCにレンチウイルス粒子を感染させた。300μg/mLのG-418(富士フイルム和光純薬社製)を用いて細胞を選択した。SV40ラージT抗原の発現は、抗SV40ラージT抗原抗体(#15729S、セルシグナリングテクノロジージャパン社製)を用いたウエスタンブロッティング法で確認した。hTERT遺伝子の発現は、常法に従って定量的RT-PCR(reverse transcription-polymerase chain reaction)によって確認した。定量的RT-PCRに使用したフォワードプライマー及びリバースプライマーの塩基配列を配列番号1及び配列番号2に示す。
化合物スクリーニング
各ウェルに10μMの化合物をあらかじめ添加した384ウェルプレート(#781091、Greiner社製)の各ウェルに、10%FBS含有DMEMに3.75×104個/mLになるように調製した不死化PSCの懸濁液を40μLずつ分注した。コントロール及びバックグラウンドとして、化合物の代わりに同濃度のDMSOを含む溶液を10uLずつ加えた。
各ウェルに10μMの化合物をあらかじめ添加した384ウェルプレート(#781091、Greiner社製)の各ウェルに、10%FBS含有DMEMに3.75×104個/mLになるように調製した不死化PSCの懸濁液を40μLずつ分注した。コントロール及びバックグラウンドとして、化合物の代わりに同濃度のDMSOを含む溶液を10uLずつ加えた。
遠心機でスピンダウンし(1500rpm、10秒)、プレートシェイカーで(2000rpm、5分)撹拌した。CO2インキュベーターで48時間培養し、培養液を吸引し、PBSで1回洗浄した。4%パラホルムアルデヒド(PFA)で室温にて15分間固定し、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)で2回洗浄した。プレートを逆さにして遠心機でスピンダウンし、BODIPY及び細胞核染色蛍光色素であるHochestを加え、暗室下、室温で30分間染色した。なお、Hochestは、Cellstain Hoechst 33342 Solution(1mg/mL、No.23491-52-3、富士フイルム和光純薬社製)を使用時に1μg/mLに希釈して使用した。
染色後、PBSで3回洗浄し、3回目のPBSを吸引せず残した。In cell analyzer2000(GE healthcare社製)を用いて細胞を撮影し、解析した。
データの品質管理については、コントロール及びバックグラウンドの測定値からプレート毎に以下のS/B、CV、(コントロール及びバックグラウンド)及びZ’を算出した(n≧4)。
S/B=コントロールの平均値/バックグラウンドの平均値
バックグラウンドのCV(%)=100(バックグラウンドの標準偏差/バックグラウンドの平均値)
コントロールのCV(%)=100(コントロールの標準偏差/コントロールの平均値)
Z’=1-(3×バックグラウンドの標準偏差+3×コントロールの標準偏差)/(コントロールの平均値-バックグラウンドの平均値)
S/B=コントロールの平均値/バックグラウンドの平均値
バックグラウンドのCV(%)=100(バックグラウンドの標準偏差/バックグラウンドの平均値)
コントロールのCV(%)=100(コントロールの標準偏差/コントロールの平均値)
Z’=1-(3×バックグラウンドの標準偏差+3×コントロールの標準偏差)/(コントロールの平均値-バックグラウンドの平均値)
化合物の評価では、PSCの休眠状態の指標として脂肪滴の数及び蛍光強度を数値化し、単位細胞あたりで比較した。
(結果)
化合物として、3398種の既承認薬で構成された化合物ライブラリを評価したところ、154種の化合物に脂肪滴の蓄積を認めた。154種の化合物について、同じスクリーニング系で再現性と低用量での活性とを指標に、PSCを休眠状態に誘導する化合物として表1に示す32種の化合物を同定した。
化合物として、3398種の既承認薬で構成された化合物ライブラリを評価したところ、154種の化合物に脂肪滴の蓄積を認めた。154種の化合物について、同じスクリーニング系で再現性と低用量での活性とを指標に、PSCを休眠状態に誘導する化合物として表1に示す32種の化合物を同定した。
同定した化合物の中から、ナホキシジン、セルチンドール及びズクロペンチキソールを上述の脂肪滴蓄積アッセイで評価した結果を図2に示す。なお、ナホキシジン、セルチンドール及びズクロペンチキソールとして、それぞれナホキシジン塩酸塩(#PZ0118、Sigma-Aldrich社製)、セルチンドール(#SC-215846、Santa Cruz Biotechnology社製)及びズクロペンチキソール(#24961、Cayman chemical社製)をDMSOで10mMに溶解してから使用した。図2に示すように、低濃度でも脂肪滴の発現が確認され、これらの化合物がPSCの休眠様状態を誘導することが示された。
(試験例3:化合物によるPSCの活性化抑制及びオートファジー阻害)
PSCを所定濃度の化合物又は0.025%DMSO(コントロール)で48時間インキュベートした後、PRO-PREPタンパク質抽出溶液(#17081、iNtRON biotechnology、Kyungki社製)を使用してタンパク質を抽出した。タンパク質濃度は、NanoDrop 1000分光光度計(バージョン3.8.1、Thermo Fisher Scientific社製)で測定した。
PSCを所定濃度の化合物又は0.025%DMSO(コントロール)で48時間インキュベートした後、PRO-PREPタンパク質抽出溶液(#17081、iNtRON biotechnology、Kyungki社製)を使用してタンパク質を抽出した。タンパク質濃度は、NanoDrop 1000分光光度計(バージョン3.8.1、Thermo Fisher Scientific社製)で測定した。
細胞培養上清の採取では、48時間のインキュベーション後、細胞を洗浄し、FBSを含まないDMEMに培地を交換し、一晩培養した。上清を1500×gで5分間遠心分離して不純物を除去し、遠心チューブ(#UFC900324、AmiconUltra、Merck Millipore社製)に収集した。次に7500×gで30分間遠心分離し、濃縮された上清を集め、ホルトプロテアーゼ及びホスファターゼインヒビター(#78442、Thermo Fisher Scientific社製)を1:1000希釈で添加した。
SDS-PAGEに関しては、20μgのタンパク質を4-15% Mini-PROTEAN TGX Precast Gels(#456-1084、Bio-Rad laboratories社製)を用いたゲル電気泳動により分離し、Trans-Blot Turbo Transfer Starter System(Bio-Rad Laboratories社製)を用いてTrans-Blot Turbo Mini PVDF Transfer Packs(#170-4156、Bio-Rad Laboratories社製)に転写した。
得られたメンブレンを、抗フィブロネクチン(1:1000、#ab2413、Abcam社製)、抗αSMA抗体(1:2000、#M0851、Dako社製)、抗LC3B抗体(1:1000、#2775S、Cell Signaling Technology社製)、抗p62抗体(1:1000、#BML-PW9860、Enzo Life Sciences社製)、又は抗β-アクチン抗体(1:10000、#81178、Santa Cruz Biotechnology社製)に、4℃で一晩反応させた後、西洋ワサビペルオキシダーゼ結合二次抗体(Santa Cruz Biotechnology社製)で標識した。ChemiDoc XRS System(Bio-Rad Laboratories社製)による化学発光を用いてバンドを検出した。
(結果)
図3に示すように、ナホキシジン及びズクロペンチキソールは、PSCの活性指標であるαSMAの発現を低下させた。また、ナホキシジン、セルチンドール及びズクロペンチキソールは、LC3及びp62の発現を亢進させたため、オートファジーを抑制することが示された。
図3に示すように、ナホキシジン及びズクロペンチキソールは、PSCの活性指標であるαSMAの発現を低下させた。また、ナホキシジン、セルチンドール及びズクロペンチキソールは、LC3及びp62の発現を亢進させたため、オートファジーを抑制することが示された。
(試験例4:細胞増殖アッセイ)
Cell Titer-Glo発光細胞生存アッセイを用いて化合物が細胞増殖に及ぼす影響を検討した。1×103個/ウェルの密度で96ウェルpolystyrene cell culture microplates(#655083、Greiner Bio-One international社製)に、異なる膵癌患者からそれぞれ樹立した細胞株であるPSC1及びPSC2を撒き、24時間後に化合物又は0.025%DMSO(コントロール)を含む100μLの10%FBS含有DMEM培地と交換した。1日、2日、及び3日間培養の後、マイクロプレートリーダー(Infinite F200、Tecan、Mannedorf社製)を用いて細胞増殖を評価した。
Cell Titer-Glo発光細胞生存アッセイを用いて化合物が細胞増殖に及ぼす影響を検討した。1×103個/ウェルの密度で96ウェルpolystyrene cell culture microplates(#655083、Greiner Bio-One international社製)に、異なる膵癌患者からそれぞれ樹立した細胞株であるPSC1及びPSC2を撒き、24時間後に化合物又は0.025%DMSO(コントロール)を含む100μLの10%FBS含有DMEM培地と交換した。1日、2日、及び3日間培養の後、マイクロプレートリーダー(Infinite F200、Tecan、Mannedorf社製)を用いて細胞増殖を評価した。
(結果)
図4(A)~(F)に示すように、ナホキシジン、セルチンドール及びズクロペンチキソールはいずれもPSC1及びPSC2の増殖を抑制した。
図4(A)~(F)に示すように、ナホキシジン、セルチンドール及びズクロペンチキソールはいずれもPSC1及びPSC2の増殖を抑制した。
(試験例5:PSCのマトリゲル遊走アッセイ)
PSCの遊走を評価するために、8mm孔を有するトランスウェルチャンバー(#353097、BD Biosciences社製)を使用した。250μLの2%FBS含有DMEM培地に懸濁したPSCをトランスウェルチャンバーに撒いた。トランスウェルチャンバーにおける細胞の密度はコントロールが5×104細胞/ウェルとし、化合物添加群が1×105細胞/ウェルとした。750μLの10%FBS含有DMEM培地を各ウェルに入れた24ウェルプレート(#353504、Corning社製)に、トランスウェルチャンバーをセットした。トランスウェルチャンバー及び24ウェルプレートの各ウェルにそれぞれ5μMの化合物又は0.025%DMSO(コントロール)を添加し、24時間培養した。トランスウェルチャンバーの膜を70%エタノールで固定し、膜上面を綿棒で拭き取り、ヘマトキシリン・エオジン(H&E)で染色した。膜をスライドグラスに固定した後、光学顕微鏡によって100倍で観察し、ランダムな視野で細胞数を計測した。
PSCの遊走を評価するために、8mm孔を有するトランスウェルチャンバー(#353097、BD Biosciences社製)を使用した。250μLの2%FBS含有DMEM培地に懸濁したPSCをトランスウェルチャンバーに撒いた。トランスウェルチャンバーにおける細胞の密度はコントロールが5×104細胞/ウェルとし、化合物添加群が1×105細胞/ウェルとした。750μLの10%FBS含有DMEM培地を各ウェルに入れた24ウェルプレート(#353504、Corning社製)に、トランスウェルチャンバーをセットした。トランスウェルチャンバー及び24ウェルプレートの各ウェルにそれぞれ5μMの化合物又は0.025%DMSO(コントロール)を添加し、24時間培養した。トランスウェルチャンバーの膜を70%エタノールで固定し、膜上面を綿棒で拭き取り、ヘマトキシリン・エオジン(H&E)で染色した。膜をスライドグラスに固定した後、光学顕微鏡によって100倍で観察し、ランダムな視野で細胞数を計測した。
(結果)
図5(A)は光学顕微鏡像を示す。図5(B)にも示されるように、コントロールと比較して、ナホキシジン、セルチンドール及びズクロペンチキソールはいずれもPSCの遊走を抑制した。
図5(A)は光学顕微鏡像を示す。図5(B)にも示されるように、コントロールと比較して、ナホキシジン、セルチンドール及びズクロペンチキソールはいずれもPSCの遊走を抑制した。
(試験例6:PCCのマトリゲル浸潤アッセイ)
PCCの遊走を評価するために、上記トランスウェルチャンバーに250μLの2%FBS含有DMEM培地に懸濁したSUIT-2細胞(Japan Health Science Research Resources Bankより取得)を撒いた。トランスウェルチャンバーにおける細胞の密度を、コントロールが4×104細胞/ウェルとし、化合物添加群が8×104細胞/ウェルとした。トランスウェルチャンバーを、750μLの10%FBS含有DMEM培地を各ウェルに入れた24ウェルプレートにセットした。トランスウェルチャンバー及び24ウェルプレートの各ウェルにそれぞれ5μMの化合物又は0.025%DMSO(コントロール)を添加し、24時間培養した。培養後、試験例5と同様に細胞数を計測した。
PCCの遊走を評価するために、上記トランスウェルチャンバーに250μLの2%FBS含有DMEM培地に懸濁したSUIT-2細胞(Japan Health Science Research Resources Bankより取得)を撒いた。トランスウェルチャンバーにおける細胞の密度を、コントロールが4×104細胞/ウェルとし、化合物添加群が8×104細胞/ウェルとした。トランスウェルチャンバーを、750μLの10%FBS含有DMEM培地を各ウェルに入れた24ウェルプレートにセットした。トランスウェルチャンバー及び24ウェルプレートの各ウェルにそれぞれ5μMの化合物又は0.025%DMSO(コントロール)を添加し、24時間培養した。培養後、試験例5と同様に細胞数を計測した。
PCCの浸潤を評価するために、20μg/ウェルのMatrigel(#354234、BD Biosciences社製)でコーティングしたトランスウェルチャンバーを使用した。当該トランスウェルチャンバーに250μLの2%FBS含有DMEM培地に懸濁したSUIT-2細胞を撒いた。トランスウェルチャンバーにおける細胞の密度を、コントロールが4×104細胞/ウェルとし、化合物添加群が8×104細胞/ウェルとした。トランスウェルチャンバーを、750μLの10%FBS含有DMEM培地を各ウェルに入れた24ウェルプレートにセットした。24ウェルプレートには4×104細胞/ウェルの密度でPSCを播種した。トランスウェルチャンバー及び24ウェルプレートの各ウェルにそれぞれ5μMの化合物又は0.025%DMSO(コントロール)を添加し、48時間培養した。培養後、試験例5と同様に細胞数を計測した。
(結果)
図6は光学顕微鏡像を示す。図7(A)及び図7(B)は、それぞれ浸潤及び遊走の程度を示す1視野あたりの細胞数を示す。コントロールと比較して、ナホキシジン、セルチンドール及びズクロペンチキソールはいずれも単独で培養されたPCCの遊走及び浸潤を抑制した。また、ナホキシジン、セルチンドール及びズクロペンチキソールはいずれもコントロールと比較して、PSCと共に培養された際のPCCの遊走及び浸潤を抑制した。
図6は光学顕微鏡像を示す。図7(A)及び図7(B)は、それぞれ浸潤及び遊走の程度を示す1視野あたりの細胞数を示す。コントロールと比較して、ナホキシジン、セルチンドール及びズクロペンチキソールはいずれも単独で培養されたPCCの遊走及び浸潤を抑制した。また、ナホキシジン、セルチンドール及びズクロペンチキソールはいずれもコントロールと比較して、PSCと共に培養された際のPCCの遊走及び浸潤を抑制した。
(実施例1:マウスモデルでの評価)
同所移植マウスモデルで化合物を次のように評価した。DMEMで混合したSUIT-2細胞(1×106)とPSC(1×106)とを、5週齢のBALB/c-nu/nu雌マウス(日本クレア社製)の膵臓の尾に同所的に注入した。1週間後、マウスを2群(n=3/群)に分け、薬物治療を開始した。ズクロペンチキソール(100μLPBSに溶解、10mg/kg)を週3回腹腔内投与し、陰性対照として0.01%DMSOを含む100μL PBSを腹腔内投与した。治療開始から28日後、マウスを安楽死させ、すべての同所性腫瘍を切除して腫瘍体積を測定した。最大の腫瘍直径L、最小の腫瘍直径Wとして、腫瘍体積をπ/6×(L×W×W)で算出した。
同所移植マウスモデルで化合物を次のように評価した。DMEMで混合したSUIT-2細胞(1×106)とPSC(1×106)とを、5週齢のBALB/c-nu/nu雌マウス(日本クレア社製)の膵臓の尾に同所的に注入した。1週間後、マウスを2群(n=3/群)に分け、薬物治療を開始した。ズクロペンチキソール(100μLPBSに溶解、10mg/kg)を週3回腹腔内投与し、陰性対照として0.01%DMSOを含む100μL PBSを腹腔内投与した。治療開始から28日後、マウスを安楽死させ、すべての同所性腫瘍を切除して腫瘍体積を測定した。最大の腫瘍直径L、最小の腫瘍直径Wとして、腫瘍体積をπ/6×(L×W×W)で算出した。
皮下移植モデルマウスで化合物を次のように評価した。100uLのマトリゲル(#354234、Corning社製)に懸濁したSUIT-2細胞(5×105)とPSC(2×106)を、5週齢のBALB/c-nu/nu雄マウスの左側腹部に移植した。皮下移植の1週間後、マウスをランダムに4群(n=5/群)に分けた(対照群、ゲムシタビン群、ズクロペンチキソール群、及び併用治療群)。マウスにゲムシタビン(10mg/kg、週に1回)、ズクロペンチキソール(20mg/kg/日、週に3回)、又はPBS 100μLを腹腔内投与した。併用治療群には、ゲムシタビン(10mg/kg、週に1回)及びズクロペンチキソール(20mg/kg/日、週に3回)を併用した。治療から一定期間ごとにマウスを安楽死させ、腫瘍を採取し腫瘍体積を測定した。なお、ゲムシタビンは、ゲムシタビン塩酸塩(日本イーライリリー社製)をPBSで10mg/mlの濃度で溶解して用いた。
(結果)
図8は、同所移植マウスモデルの同所性腫瘍の外観を示す。図9に示すように、同所移植マウスモデルの腫瘍体積は、ズクロペンチキソール(Zuc)で抑制された。図10は、治療開始から35日後の皮下移植モデルマウスの腫瘍の外観を示す。図11に示すように、ズクロペンチキソールとゲムシタビン(GEM)との併用は、ゲムシタビン単独投与よりも有意に腫瘍抑制効果が強かった。
図8は、同所移植マウスモデルの同所性腫瘍の外観を示す。図9に示すように、同所移植マウスモデルの腫瘍体積は、ズクロペンチキソール(Zuc)で抑制された。図10は、治療開始から35日後の皮下移植モデルマウスの腫瘍の外観を示す。図11に示すように、ズクロペンチキソールとゲムシタビン(GEM)との併用は、ゲムシタビン単独投与よりも有意に腫瘍抑制効果が強かった。
上述した実施の形態は、本発明を説明するためのものであり、本発明の範囲を限定するものではない。すなわち、本発明の範囲は、実施の形態ではなく、特許請求の範囲によって示される。そして、特許請求の範囲内及びそれと同等の発明の意義の範囲内で施される様々な変形が、本発明の範囲内とみなされる。
本発明は、癌の治療に使用される医薬組成物に好適である。
Claims (6)
- フラボピリドール、トリコスタチンA、PD-161570、ニトラリン、フルスピリレン、セルチンドール、CP-31398、2-CMDO、ピペラセタジン、ペンブトロール、アミトリプチリン、アリメマジン、ナホキシジン、チオチキセン、ズクロペンチキソール、MS-275、ハイカントン、CP-53631、チエチルペラジン、ゾテピン、CIS-(Z)-フルペンチキソール、デュロキセチン、ICI-199441、デプトロピン、3-CPMT、メトトリメプラジン、アゼラスチン、デスロラタジン、パロキセチン、ハロファントリン、3,4’,5ートリメトキシ-trans-スチルベン、及びその塩、並びにそれらの溶媒和物からなる群から選択される少なくとも1種を含む、
オートファジー阻害剤。 - セルチンドール、ナホキシジン、ズクロペンチキソール、若しくはその塩、又はそれらの溶媒和物を含む、
請求項1に記載のオートファジー阻害剤。 - フラボピリドール、トリコスタチンA、PD-161570、ニトラリン、フルスピリレン、セルチンドール、CP-31398、2-CMDO、ピペラセタジン、ペンブトロール、アミトリプチリン、アリメマジン、ナホキシジン、チオチキセン、ズクロペンチキソール、MS-275、ハイカントン、CP-53631、チエチルペラジン、ゾテピン、CIS-(Z)-フルペンチキソール、デュロキセチン、ICI-199441、デプトロピン、3-CPMT、メトトリメプラジン、アゼラスチン、デスロラタジン、パロキセチン、ハロファントリン、3,4’,5ートリメトキシ-trans-スチルベン、及びその塩、並びにそれらの溶媒和物からなる群から選択される少なくとも1種を含む、
抗癌剤。 - セルチンドール、ナホキシジン、ズクロペンチキソール、若しくはその塩、又はそれらの溶媒和物を含む、
請求項3に記載の抗癌剤。 - 膵癌を有する対象に投与される、
請求項1若しくは2に記載のオートファジー阻害剤、又は請求項3若しくは4に記載の抗癌剤。 - 膵癌治療薬と併用される、
請求項1若しくは2に記載のオートファジー阻害剤、又は請求項3若しくは4に記載の抗癌剤。
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WO2024110577A1 (en) * | 2022-11-24 | 2024-05-30 | H. Lundbeck A/S | Composition comprising zuclopenthixol |
-
2020
- 2020-10-26 JP JP2020178556A patent/JP2022069740A/ja active Pending
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WO2024110577A1 (en) * | 2022-11-24 | 2024-05-30 | H. Lundbeck A/S | Composition comprising zuclopenthixol |
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