JP2022069416A - 表示装置および表示装置の製造方法 - Google Patents

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Yuki Masuda
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Abstract

【課題】LEDディスプレイ装置は、表示装置の作成工程や実使用の加速試験である信頼性試験工程において、発光素子のずれや剥離、金属配線の剥がれ、クラックが生じやすく、不良率が高い課題があった。【解決手段】少なくとも金属配線、硬化膜及び複数の発光素子を有する表示装置であって、前記発光素子はいずれか一方の面に一対の電極端子を具備し、前記一対の電極端子は前記硬化膜中に延在する複数本の前記金属配線と接続し、複数本の前記金属配線は、前記硬化膜により電気的絶縁性を保持する構成であり、前記硬化膜は、(A)樹脂を含む樹脂組成物を硬化した膜であり、前記硬化膜の前記硬化膜の引張強度が100MPa以上300MPa以下である、表示装置。【選択図】図1

Description

本発明は、LEDディスプレイ等の表示装置およびその製造方法に関する。
近年、ディスプレイのさらなる高性能化の観点から、液晶、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイに続く新たなディスプレイ技術として発光ダイオード(Light Emitting Diode、以後LEDと呼称する場合がある。)を画素数と同じだけ並べることでディスプレイを構成するLEDディスプレイ、特に光源となるLEDのサイズを従来の1mm程度から、100~700μmとしたミニLEDディスプレイ、100μm以下まで小型化したマイクロLEDディスプレイが注目を集めており、研究開発が盛んに行われている。ミニLEDディスプレイ、マイクロLEDディスプレイの主な特長としては、高コントラスト、高速応答性、低消費電力、広視野角などが挙げられ、従来のテレビやスマートフォン、スマートウォッチをはじめとしたウエアラブルディスプレイ用途だけでなく、サイネージやAR、VR、さらには空間映像が表示可能な透明ディスプレイといった将来性が高い新たな用途などへの幅広い展開が期待されている。
LEDディスプレイ装置について実用化や高性能化に向けて様々な形態が提案されており、多層フレキシブル回路基板にマイクロLEDを配置した形態(特許文献1参照)、ディスプレイ基板にバンク層およびトレース線を設け、その上にマイクロLEDおよびマイクロドライバチップを配置した形態(特許文献2参照)が提案されている。また、電極パッドを備える発光素子本体が一体に形成された成長用基板の上に平坦化膜を形成し、電極パッド上の平坦化膜を除去して電極パッドを露出させ、電極パッドに接続される、外側電極パッドを前記平坦化膜上に形成し、回路側電極部が形成された回路基板に対して、外側電極パッドが回路側電極部と対向するように配置させて前外部電極パッドと回路側電極部とを電気的に接続した形態(特許文献3参照)、などが提案されている。
特開2019-153812号公報 特開2020-52404号公報 特開2020-68313号公報
しかし、上記の文献に記載のLEDディスプレイ装置は、表示装置の作成工程や実使用の加速試験である信頼性試験工程において、発光素子のずれや剥離、金属配線の剥がれ、クラックが生じやすく、不良率が高い課題があった。
上記課題を解決するため、本発明は次の構成を有する。
[1]少なくとも金属配線、硬化膜及び複数の発光素子を有する表示装置であって、前記発光素子はいずれか一方の面に一対の電極端子を具備し、前記一対の電極端子は前記硬化膜中に延在する複数本の前記金属配線と接続し、複数本の前記金属配線は、前記硬化膜により電気的絶縁性を保持する構成であり、前記硬化膜は、(A)樹脂を含む樹脂組成物を硬化した膜であり、前記硬化膜の引張強度が100MPa以上300MPa以下である、表示装置。
[2]少なくとも金属配線、硬化膜及び複数の発光素子を有する表示装置の製造方法であって、支持基板上に前記発光素子を配置する工程(D1)、前記支持基板上および前記発光素子上に、(A)樹脂を含む樹脂組成物からなる樹脂膜を形成する工程(D2)、前記樹脂膜に対して露光、現像することにより、前記樹脂膜に複数の貫通した開口パターンを形成する工程(D3)、前記樹脂膜を硬化させ、前記硬化膜の引張強度が100MPa以上300MPa以下である、前記硬化膜を形成する工程(D4)、および、前記硬化膜の表面の少なくとも一部及び前記硬化膜の開口パターンに前記金属配線を形成する前記工程(D5)、を有する表示装置の製造方法。
[3]少なくとも金属配線、硬化膜及び複数の発光素子を有する表示装置の製造方法であって、
支持基板上に金属パッドを配置する工程(E1)、前記支持基板上および前記金属パッド上に、(A)樹脂を含む樹脂組成物からなる樹脂膜を形成する工程(E2)、前記樹脂膜に対して露光、現像することにより、前記樹脂膜に複数の貫通した開口パターンを形成する工程(E3)、前記樹脂膜を硬化させ、前記硬化膜の引張強度が100MPa以上300MPa以下である、前記硬化膜を形成する工程(E4)、前記硬化膜の表面の少なくとも一部及び前記硬化膜の前記開口パターンに前記金属配線を形成する工程(E5)、および、前記金属配線と電気的接続を保持するようにして前記硬化膜上に前記発光素子を配する工程(E6)、を有する表示装置の製造方法。
本発明の表示装置は実使用の加速試験である信頼性試験後も不良率が低い表示装置を提供することができる。
本発明の表示装置の一態様を示す正面断面図である。 指定領域Aの正面拡大断面図(上部分)および指定領域Aの発光素子を除いた底面図(下部分)である。 指定領域Bの上面拡大断面図(上部分)、指定領域Bの正面に対して直交した面での配線を除いた断面図(中部分)および指定領域Bの対向基板を除いた底面図(下部分)である。 反射膜を設けた形態の本発明の表示装置の一態様を示す正面断面図である。 隔壁を設けた形態の本発明の表示装置の一態様を示す正面断面図である。 硬化膜中に隔壁を設けた形態の本発明の表示装置の一態様を示す正面断面図である。 反射膜と隔壁を設けた形態の本発明の表示装置の一態様を示す正面断面図である。 硬化膜中に隔壁を設け、その上に反射膜を設けた形態の本発明の表示装置の一態様を示す正面断面図である。 硬化膜中に駆動素子を配した構成の本発明の表示装置の一態様の正面断面図である。 硬化膜中に駆動素子を配した別の構成の本発明の表示装置の一態様の正面断面図である。 本発明の表示装置の一態様の作製工程断面図である。 隔壁を設けた形態の本発明の表示装置の一態様の作製工程断面図である。 反射膜を設けた形態の本発明の表示装置の一態様の作製工程断面図である。 本発明の表示装置の別の一例の作製工程断面図である。 隔壁を設けた形態の別の一例の本発明の表示装置の作製工程断面図である。 反射膜を設けた形態の別の一例の本発明の表示装置の作製工程断面図である。 本発明の表示装置の別の一態様を示す正面断面図である。 導電膜を設けた形態の本発明の表示装置の一態様を示す正面断面図である。 導電膜を設けた形態の本発明の表示装置の別の一態様を示す正面断面図である。 導電膜を設けた形態の本発明の表示装置の別の一態様を示す正面断面図である。 導電膜を設けた形態の本発明の表示装置の別の一態様を示す正面断面図である。 遮光層を設けた形態の本発明の表示装置の一態様を示す正面断面図である。 硬化膜の開口パターンの正面断面図である。 導電膜を設けた形態の本発明の表示装置の一態様の作製工程断面図である。 遮光層を設けた形態の本発明の表示装置の一態様の作製工程断面図である。 導電膜を設けた形態の別の一例の本発明の表示装置の作製工程断面図である。 本発明の表示装置の別の一例の作製工程断面図である。 導電膜を設けた形態の本発明の表示装置の別の一態様を示す正面断面図である。 導電膜を設けた形態の本発明の表示装置の別の一態様を示す正面断面図である。 導電膜を設けた形態の本発明の表示装置の別の一例の作製工程断面図である。 導電膜を設けた形態の本発明の表示装置の別の一例の作製工程断面図である。
以下、本発明の表示装置の好適な実施の形態を具体的に説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではなく、目的や用途に応じて種々に変更して実施することができる。
本発明の表示装置は、少なくとも金属配線、硬化膜及び複数の発光素子を有する表示装置であって、前記発光素子はいずれか一方の面に一対の電極端子を具備し、前記一対の電極端子は前記硬化膜中に延在する複数本の前記金属配線と接続し、複数本の前記金属配線は、前記硬化膜により電気的絶縁性を保持する構成であり、前記硬化膜は、(A)樹脂を含む樹脂組成物を硬化した膜であり、前記硬化膜の引張強度が100MPa以上300MPa以下である。
本発明の表示装置について、図1を一態様の例として説明する。
図1において、表示装置1は、対向基板5上に複数の発光素子2を配し、発光素子2上に硬化膜3を配する。発光素子上とは、発光素子の表面のみならず、支持基板や発光素子の上側にあればよい。図1に示す態様では、発光素子2の少なくとも一部と接するように配した硬化膜3の上にさらに複数の硬化膜3を積層し合計して3層積層する構成を例示しているが、硬化膜3は単層であってもよい。発光素子2は対向基板5と接する面とは反対の面に一対の電極端子6を具備し、それぞれの電極端子6が硬化膜3中に延在する金属配線4と接続されている。なお、硬化膜3中に延在する複数本の金属配線4は、硬化膜3により覆われていれば、硬化膜3は、絶縁膜としても機能するため、電気的絶縁性を保持する構成となっている。金属配線が電気的絶縁性を保持する構成となっているとは、(A)樹脂を含む樹脂組成物を硬化した硬化膜によって金属配線の電気的絶縁性が必要な部分が覆われること意味する。さらに発光素子2が、対向基板5に対して対向した位置に設けられた発光素子駆動基板7に付加された駆動素子8と、金属配線4や4cを通じて電気的に接続されて、発光素子2の発光を制御させることができる。また、発光素子駆動基板7は、例えばはんだバンプ10を介して金属配線4と電気的に接続されている。さらに金属配線4などの金属の拡散を防止するため、バリアメタル9を配してもよい。なお、以後図中金属配線4cは発光素子駆動基板7を貫通して駆動素子8と接続してもよい。
前記硬化膜3は後述する(A)樹脂を含む樹脂組成物を硬化した膜であり、その硬化膜3の前記硬化膜の引張強度が100MPa以上300MPa以下であることが重要である。これにより、硬化膜と接する他具材を強固に固定しつつ、かかる応力集中を緩和し、剥離やクラックを抑制することができる。このため、表示装置の作成工程や実使用の加速試験である信頼性試験工程において、発光素子のずれや剥離、金属配線の剥がれ、クラックを抑制でき、信頼性試験後不良率の低い表示装置を得ることができる。引張強度が100MPa未満である金属配線の剥がれ、クラックが発生しやすく、引張強度が300MPaを超えると発光素子のずれや剥離が起こる。引張強度は、好ましくは110MPa以上260MPa以下、より好ましくは150MPa以上240MPa以下である。
信頼性試験としては、衝撃試験、高温保持試験、恒温高湿試験、熱サイクル試験などが挙げられる。
引張強度の測定については、表示装置の硬化膜を剥離して測定してもよいし、後述する硬化膜の引張強度の評価方法の条件で作製した硬化膜の引張強度を測定してもよい。また、硬化膜を複数層形成する場合、いずれの硬化膜を用いて測定してもよい。 金属配線4の材料としては、特に限定されず、公知のものが使用できる。例えば、金や銀、銅、アルミニウム、ニッケル、チタン、モリブデンやこれらを含む合金などが挙げられ、銅が好ましい。なお、金属配線4は電極を包含してもよい。
本発明の表示装置において、該金属配線は、導電膜であってもよい。
導電膜としては、特に限定されず、例えば、インジウム、ガリウム、亜鉛、スズ、チタン、およびニオブなどのうちの少なくとも1種の元素の酸化物を主成分として含む化合物や有機物および導電性粒子を含有する感光性導電ペーストなどが挙げられるが、その他公知のものが使用してもよい。インジウム、ガリウム、亜鉛、スズ、チタン、およびニオブなどのうちの少なくとも1種の元素の酸化物を主成分として含む化合物としては、具体的には、酸化インジウム錫亜鉛(ITZO),酸化インジウムガリウム亜鉛(IGZO:InGaZnO),酸化亜鉛(ZnO),酸化インジウム亜鉛(IZO),酸化インジウムガリウム(IGO),酸化インジウム錫(ITO)および酸化インジウム(InO)などが挙げられる。
これらの導電膜は、例えば無電解めっき、電解めっき等などの湿式めっき、熱CVD、プラズマCVD、レーザーCVDなどのCVD化学蒸着法(CVD)、真空蒸着、スパッタリング、イオンプレーティングなどの乾式めっき法、金属箔を基板に結合した後、エッチングを行う方法などにより形成することができる。
有機物および導電性粒子を含有する感光性導電ペーストについて、有機物としては、例えば、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、アクリル系共重合体、エポキシカルボキシレート化合物等が挙げられる。これらを2種以上含有してもよい。またウレタン結合を有する有機物を含有してもよい。ウレタン結合を有する有機物を含有することで、配線の柔軟性を向上させることができる。また、有機物は、感光性を示すことが好ましく、フォトリソグラフィにより容易に微細な配線パターンを形成することができる。感光性は、例えば光重合開始剤、不飽和二重結合を有する成分を含有させることにより発現する。
本発明における導電性粒子とは、電気抵抗率が10-5Ω・m以下の物質で構成される粒子を指す。導電性粒子を構成する材料としては、例えば、銀、金、銅、白金、鉛、スズ、ニッケル、アルミニウム、タングステン、モリブデン、クロム、チタン、インジウムやこれら金属の合金、カーボン粒子が挙げられる。なお、導電膜は電極も包含する。導電膜を用いた表示装置としては、一例を図28、図29に示す。
本発明の別実施態様として、図17に示すように、図1の表示装置に対し、発光素子2の少なくとも一部と接するように配した硬化膜22を設けた構成を例示している。発光素子2の少なくとも一部と接するように配した硬化膜22は、(A)樹脂を含む樹脂組成物または樹脂シートを硬化した硬化膜から構成されていてもよく、また(A)樹脂を含む樹脂組成物または樹脂シートを硬化した硬化膜以外の材料から構成されてもよく、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂など公知のものを使用してもよい。
本発明において、発光素子駆動基板7は、駆動機能を有する素子などを有する基板などが挙げられ、駆動素子8が接続されていることが好ましい。
発光素子駆動基板7としては特に限定されず、公知のものが使用できる。例えば、ガラス基板、サファイヤ基板、プリント配線板、TFTアレイ基板、セラミックスなどが挙げられる。
本発明において、硬化膜の全体の厚みが5μm~100μmであることが好ましい。
硬化膜の全体の厚みが5μm~100μmであることにより、発光素子2から四方に発光した光が硬化膜3中で吸収されることを抑制し、光取り出し効率を高めることができ、輝度を向上させることができるとともに、硬化膜と接する他具材を強固に固定しつつ、かかる応力集中を緩和することができる。このため、表示装置の作成工程や実使用の加速試験である信頼性試験工程において、発光素子のずれや剥離、金属配線の剥がれ、クラックを抑制でき、信頼性試験後も不良率が低い表示装置を得ることができるため好ましい。さらに発光素子を有する表示装置自体の低背化、配線短距離化による配線の短絡など配線不良の抑制や低損失化の抑制、高速応答性の向上が可能になる。
硬化膜の全体の厚みとは、一の硬化膜の少なくとも一部が他の硬化膜に接する連続した硬化膜の層全体の厚みをいう。例えば前述の図1のように硬化膜3を複数積層した場合は、図1の19で示した領域が硬化膜の層全体の厚みである。全体の厚みは好ましくは7~70μm、より好ましくは8~60μmである。5μm未満であると金属配線の保護が不十分なため、配線の短絡など配線不良の懸念があり、100μmを超えると光取り出し効率が不足する懸念があるとともに、表示装置自体の低背化、配線短距離化による配線の短絡など配線不良の抑制や低損失化の抑制、高速応答性の向上という点で不都合を生じる場合がある。
硬化膜を複数積層する場合、硬化膜の層数が2層以上10層以下であることが好ましい。
硬化膜は複数の発光素子を配置する観点から、1層以上が好ましく、さらに2層以上とすることで、発光素子と接続可能な金属配線数を増加させることができるため、複数の発光素子を配置することができ、また、パッケージ低背化や配線短距離化による配線の短絡など配線不良の抑制や低損失化、高速応答性の向上の観点から10層以下が好ましい。
本発明において、硬化膜には厚さ方向に貫通する開口パターンが設けられ、少なくとも開口パターンに金属配線を配する構成であり、発光素子と接した位置に形成される金属配線の底面部の最長長さが2~20μmであることが好ましい。
図2に、図1の指定領域Aの正面拡大断面図(上部分)および指定領域Aの発光素子を除いた底面図(下部分)を示す。図2の指定領域Aの拡大正面断面図(上部分)においては、硬化膜3が発光素子2上に設けられている。硬化膜3には開口パターン12が設けられており、その開口パターン12に金属配線4を形成した図を示している。金属配線4の底面部13は、発光素子2、発光素子2の電極端子6と接した位置まで金属配線4は硬化膜3中に延在し、接した地点での金属配線4の形態を示している。
図2の指定領域Aの発光素子を除いた底面図(下部分)においては、発光素子2を取り去った状態で硬化膜3に延在した金属配線4の底面部13を下方から見た図であり、底面部13を示している。底面部13の形状は製品や発光素子の形態により異なる場合があり、円形状の場合は直径を最長長さ14と定義し、楕円形状の場合は長径を最長長さ14と定義し、長方形等の多角形の場合は角部の頂点同士を結んだ際の最長の対角線を最長長さ14と定義する。なお、図2の指定領域Aの発光素子を除いた底面図(下部分)での底面部13は円形状の例を示している。
本構成により、微小な発光素子が適用可能であり、また複数の発光素子の高密度実装が可能となり、幅広いサイズで高解像度な発光素子を有する表示装置を得ることができる。さらに微細な金属配線を形成することが可能になり、単位面積中で形成できる配線数が増加するため硬化膜全体の厚みを小さくすることができ、発光素子2から四方に発光した光が硬化膜3中で吸収されることを抑制し、光取り出し効率を高めることができとともに、表示装置の作成工程や実使用の加速試験である信頼性試験工程において、発光素子のずれや剥離、金属配線の剥がれ、クラックを抑制でき、信頼性試験後も不良率が低い表示装置を得ることができるため好ましい。
さらに発光素子を有する表示装置自体の低背化、配線短距離化による配線の短絡など配線不良の抑制や低損失化の抑制、高速応答性の向上が可能になる。
微小な発光素子を適用する、また発光素子の高密度実装化の観点から、金属配線の底面部の最長長さは、好ましくは2~15μm、より好ましくは2~10μm、さらに好ましくは、2~5μmである。2μm未満であると発光素子2との接続不良を生じる場合があり、20μmを超えると微小な発光素子の適用や高密度実装化に弊害となる場合がある。
本発明において、発光素子と近接した位置に形成される金属配線の底面部の最長長さが2~20μmであってもよい。
本構成により、微小な発光素子が適用可能であり、また複数の発光素子の高密度実装が可能となり、幅広いサイズで高解像度な発光素子を有する表示装置を得ることができる。さらに微細な金属配線を形成することが可能になり、単位面積中で形成できる配線数が増加するため硬化膜全体の厚みを小さくすることができ、発光素子2から四方に発光した光が硬化膜3中で吸収されることを抑制し、光取り出し効率を高めることができ、輝度を向上させることができる。さらに発光素子を有する表示装置自体の低背化、配線短距離化による配線の短絡など配線不良の抑制や低損失化の抑制、高速応答性の向上が可能になる。
微小な発光素子を適用する、また発光素子の高密度実装化の観点から、金属配線の底面部の最長長さは、好ましくは2~15μm、より好ましくは2~10μm、さらに好ましくは、2~5μmである。2μm未満であると発光素子2との接続不良を生じる場合があり、20μmを超えると微小な発光素子の適用や高密度実装化に弊害となる場合がある。
また、硬化膜の厚みは金属配線の厚みに対して、1.1倍以上4.0倍以下が好ましい。
金属配線の厚みとは、図2の指定領域Aの正面拡大断面図(上部分)で説明すると、硬化膜3の表面に配されている金属配線4aの厚みを指しており、硬化膜3中の厚さ方向に貫通する開口パターンに延在している金属配線4bの厚みは含んでいない。金属配線の厚みは0.1~10μmが好ましく、3~10μmがより好ましい。金属配線の厚みを0.1~10μmとすることで、発光素子を有する表示装置自体の低背化、配線短距離化による配線の短絡など配線不良の抑制や低損失化の抑制、高速応答性の向上が可能になる。さらに、3~10μmとすることで、配線抵抗を低減することができ、消費電力の抑制や輝度向上に寄与することができる。
硬化膜の厚みとは、図2の指定領域Aの正面拡大断面図(上部分)で説明すると、金属配線4aを被覆した硬化膜3aの厚みを指している。
これにより、適切な金属配線に対する保護膜としても作用し、配線の短絡など配線不良を抑制した信頼性に優れた硬化膜を得ることができる。
金属配線の厚みは各層で同じであっても、異なっていてもよい。異なっている場合、一例として、図1において、発光素子2に近い金属配線の厚みに比べ、バンプ10に近い金属配線の厚みが厚いことが好ましい。それにより、バンプ10を用いた発光素子駆動基板7の接続時に配線不良を抑制でき、信頼性の高い表示装置を得ることができる。
本発明において、前記硬化膜が前記発光素子の光取り出し面以外の面を覆う構成であることが好ましい。
一例として、図3に、図1の指定領域Bの上面拡大断面図(上部分)、指定領域Bの正面に対して直交した面での配線を除いた断面図(中部分)および指定領域Bの対向基板を除いた底面図(下部分)を示す。
図3の指定領域Bの上面拡大断面図(上部分)においては、発光素子2は硬化膜3に覆われており、発光素子の電極端子6と接続し、硬化膜3中に延在する金属配線4が上面から示されている。
図3の正面に対して直交した面での配線を除いた断面図(中部分)においては、発光素子2の周囲が硬化膜3に覆われていることが示されている。
図3の指定領域Bの対向基板を除いた底面図(下部分)においては、発光素子2の周囲が硬化膜3に覆われているものの、発光素子2の1面は硬化膜3に覆われていないことを示している。
図1および図3に示すように、発光素子2の側面全部と上面部を硬化膜3で覆う態様とすることにより、発光素子2を外部からの衝撃から保護することができる。また、発光素子2の配置により生じる段差を平坦化することができ、また、対向基板5との貼り合わせが容易になるため好ましい。
発光素子2の光取り出し面以外の面を覆う硬化膜3は、前述した引張強度を有することにより、実使用の加速試験である信頼性試験後も光取り出し効率を維持することができ、十分な輝度を維持することができる。
本発明において硬化膜に反射膜を設けることが好ましい。
図4に示すように、発光素子2の周辺に配した硬化膜3に反射膜15を設けている。硬化膜3に反射膜15を設けることで、硬化膜3を通過した光が反射膜15によって反射されることによりさらに取り出し効率が高まり、輝度を向上させることができるともに、信頼性試験において、吸水や光による金属配線や硬化膜の劣化を抑制できるため、不良率の低い表示装置を得ることができるため好ましい。
反射膜は硬化膜の任意の場所に設けることができ、発光素子の取り出し方向に対して四方を囲むように配する態様や、発光素子に対して斜めに配する態様、湾曲を持たせて配する態様とすることもできる。反射膜としては光が反射する膜であればよく、例えばアルミニウムや銀、銅、チタンやそれらを含む合金などが挙げられるが、これらに限定しない。
本発明において、複数の前記発光素子の間に、前記発光素子の厚み以上の厚みを有する隔壁を有することが好ましい。
図5に示すように、発光素子2を有する表示装置1の画素数に応じた繰り返しパターン、すなわち各発光素子2間またはその周囲に、隔壁16を有することが好ましい。この構成により、対向基板5との貼り合わせが容易になるため好ましい。
隔壁の厚みは、各発光素子の厚みよりも大きいことが好ましく、具体的には、5μm~120μmが好ましい。
隔壁は、(A)樹脂を含む樹脂組成物を硬化した硬化膜から構成されていてもよく、また(A)樹脂を含む樹脂組成物以外の材料から構成されてもよく、エポキシ樹脂、(メタ)アクリルポリマ、ポリウレタン、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリシロキサンなど公知のものを使用してもよい。これらの材料を使用することで、密着性の優れた隔壁を形成することができる。
発光素子からの光漏れや各画素間の混色を抑制し、コントラストを向上させるために、隔壁の側面もしくは隔壁自体に遮光部を設けてもよい。遮光部は例えば黒色顔料などが含まれる部分である。
さらに、発光素子から隔壁方向に発光した光を反射して光の取り出し効率を高めることができ、輝度を向上させるために隔壁の側面に反射部を設けてもよい。反射部は例えば白色顔料などが含まれる部分である。
複数の前記発光素子の間に、前記発光素子の厚み以上の厚みを有する隔壁を、発光素子を覆う前記硬化膜中に配することが好ましい。
隔壁を設ける別実施態様として、図6に示すように、発光素子2を覆う硬化膜3中に発光素子2の間またはその周囲に隔壁16を設けた構成を例示している。
図6で示した隔壁は、(A)樹脂を含む樹脂組成物以外の材料から構成されてもよく、エポキシ樹脂、(メタ)アクリルポリマ、ポリウレタン、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリシロキサンなど公知のものを使用してもよい。これらの材料を使用することで、密着性の優れた隔壁を形成することができる。
隔壁を配することにより、その後の発光素子を転写する際の目印とすることができること、フォトスペーサーとしても用いることができるため、発光素子転写時の効率を上げることができるため、好ましい。
本発明において、複数の発光素子の間に、発光素子の厚み以上の厚みを有する隔壁を配するとともに、その隔壁の周囲に反射膜を設ける構成とすることも好ましい。
具体的には、図7、図8に示すように、複数の発光素子2の間に、発光素子2の厚み以上の厚みを有する隔壁16を配するとともに、その隔壁の周囲に反射膜15を設ける表示装置の構成などが挙げられる。
隔壁の周囲に反射膜を設ける構成とすることで、発光素子から発光した光が隔壁の周囲にある反射膜により反射されることで、光取り出し効率が高まり、輝度が向上する。
発光素子からの光漏れや各画素間の混色を抑制し、コントラストを向上させるために、隔壁の側面もしくは隔壁自体に遮光部を設けてもよい。遮光部は例えば黒色顔料などが含まれる部分である。
さらに、発光素子から隔壁方向に発光した光を反射して光の取り出し効率を高めることができ、輝度を向上させるために隔壁の側面に反射部を設けてもよい。反射部は例えば白色顔料などが含まれる部分である。
本発明において、発光素子や硬化膜あるいは金属配線の周囲に光拡散層を設けてもよい。
本発明において、前記発光素子が1辺の長さが5μm以上700μm以下のLEDであることが好ましく、前記発光素子が1辺の長さが5μm以上100μm以下のLEDであることがさらに好ましい。
LEDは、P型半導体とN型半導体が接合されたPN接合により構成され、LEDに順方向の電圧をかけると、チップ内を電子と正孔が移動し、電流が流れる。その際、電子と正孔が結合することによってエネルギー差が生じ、余剰エネルギーが光エネルギーに変換され、発光する。LEDから放出される光の波長は、GaN、GaAs、InGaAlP、GaPなど半導体を構成する化合物によって異なり、この波長の違いが発光色を決定する。また、白色は、2種類以上の色の異なる光を混ぜることによって表示することが一般的であるが、LEDの場合、赤、緑、青の3原色を混色することにより色の再現性が大幅に改善され、より自然な白色を表示することが可能となる。
LEDは形状として砲弾型やチップ型、多角体型などが挙げられるが、LED微小化の観点からチップ型や多角形型が好ましい。また、LEDの1辺の長さが5μm以上700μm以下であることで、複数のチップを配置できるため好ましく、LEDの1辺の長さが5μm以上100μm以下であることがさらに好ましい。
LEDの硬化膜3を配した発光素子駆動基板7などの基板への実装方法については、例えばピックアンドプレース法やマストランスファー法などが提案されているが、これらに限定しない。
LEDの基板への実装については、例えば、赤色、緑色、青色に発光するLEDを、マトリクス状に基板の所定の位置へ配列して実装する方法や、赤色や青色に発光するLEDまたは紫外線を発光する紫外LEDなどの単一種のLEDを、基板へ配列して実装する方法などが挙げられる。前者の方法は、それぞれ赤色、緑色、青色に発光するLEDを用いてもよく、赤色、緑色、青色に発光するLEDを縦方向にスタックしたようなものを用いてもよい。後者の方法は、LEDの配列実装を容易にすることができる。この場合、量子ドット等の波長変換材料を利用して、赤色、緑色、青色のサブピクセルを作り、フルカラー表示とすることができる。
波長変換材料としては公知のものを使用することができる。
例えば、青色に発光するLEDを用いる場合、まず、青色に発光するLEDのみを配列して実装したLEDアレイ基板を作製し、次に赤色と緑色のサブピクセルに相当する位置に、青色の光により励起して赤色や緑色に波長変換して発光する波長変換層を配列することが好ましい。これにより、青色に発光するLEDのみを使用して、赤色、緑色、青色のサブピクセルを形成することが可能となる。
一方、紫外光を放出する紫外LEDを用いる場合、まず、紫外LEDのみを配列して実装したLEDアレイ基板を作製し、赤色、緑色、青色のサブピクセルに相当する位置に、紫外光により励起して赤色、緑色、青色に波長変換して発光する波長変換層を配列することが好ましい。これにより、前述したサブピクセルの色による光の放射角度の違いを抑制することができる。
波長変換層としては公知のものを使用することができ、また必要に応じてカラーフィルター等を使用してもよい。
本発明における対向基板としては、例えば、ガラス板、樹脂板、樹脂フィルムなどが挙げられる。ガラス板の材質としては、無アルカリガラスが好ましい。樹脂板および樹脂フィルムの材質としては、ポリエステル、(メタ)アクリルポリマ、透明ポリイミド、ポリエーテルスルフォン等が好ましい。ガラス板および樹脂板の厚みは、1mm以下が好ましく、0.8mm以下が好ましい。樹脂フィルムの厚みは、100μm以下が好ましい。
本発明において、表示装置は駆動素子を具備し、発光素子が駆動素子と硬化膜中に延在する金属配線を通じて電気的に接続されていることが好ましい。表示装置が駆動素子を具備し、発光素子が駆動素子と硬化膜中に延在する金属配線を通じて電気的に接続されていることで、複数の発光素子を個別にスイッチング駆動することができる。駆動素子としてはドライバーICなどが挙げられ、ドライバーICは機能別に1個のLEDまたは赤、青、緑からなる1ユニットのLEDに対して複数個使用してもよい。
駆動素子の配置の構成態様として図9に示すように、硬化膜3中に駆動素子8を対向基板5上に発光素子2の近傍に配置する構成が好ましい。また、図10に示すように、駆動素子8を発光素子2の上方の位置で、硬化膜中に配置する構成も好ましい。
これにより、配線短距離化による配線の短絡など配線不良の抑制や低損失化の抑制、高速応答性の向上が可能になる。
本発明において、さらに、駆動素子及び基板を有し、前記駆動素子は金属配線を通じて発光素子に接続され、さらに前記金属配線の少なくとも一部は、前記基板の側面に延在することが好ましい。駆動素子及び基板を有し、駆動素子は金属配線を通じて発光素子に接続され、さらに金属配線の少なくとも一部は、基板の側面に延在することで、複数の発光素子を個別にスイッチング駆動することができるとともに、表示装置自体の低背化や高速応答性が向上し、さらに表示装置をより小型化、狭額縁化することができる。
基板としては発光素子駆動基板7と同様に特に限定されず、公知のものが使用できる。例えば、ガラス基板、サファイヤ基板、プリント配線板、TFTアレイ基板、セラミックスなどが挙げられる。少なくとも一部は基板の側面に延在する金属配線は、例えば金や銀、銅、アルミニウム、ニッケル、チタン、タングステン、アルミニウム、スズ、クロム、またはこれらを含む合金などで構成することができる。また、基板の側面に延在する金属配線は、例えば、無電解めっき、電解めっき等などの湿式めっき、熱CVD、プラズマCVD、レーザーCVDなどのCVD化学蒸着法(CVD)、真空蒸着、スパッタリング、イオンプレーティングなどの乾式めっき法、金属箔を基板に結合した後、エッチングを行う方法などにより形成することができる。また、基板の側面に溝が配置されていてもよい。この場合、溝によって隣接する金属配線同士が確実に分離されるので、金属配線同士の間の短絡を抑えることができる。側面導体線を配置するための溝は、切削加工法、エッチング法、レーザー加工法などによって形成することができる。
金属配線の構成態様としては例えば図1や図5の4cに示すように配置する構成が好ましい。
本発明において、該金属配線は導電膜であってもよい。導電膜としては例えば、インジウム、ガリウム、亜鉛、スズ、チタン、およびニオブなどのうちの少なくとも1種の元素の酸化物を主成分として含む化合物や有機物および導電性粒子を含有する感光性導電ペーストなどが挙げられるが、その他公知のものを使用してもよい。
インジウム、ガリウム、亜鉛、スズ、チタン、およびニオブなどのうちの少なくとも1種の元素の酸化物を主成分として含む化合物としては、具体的には、酸化インジウム錫亜鉛(ITZO),酸化インジウムガリウム亜鉛(IGZO:InGaZnO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化インジウム亜鉛(IZO)、酸化インジウムガリウム(IGO)、酸化インジウム錫(ITO)および酸化インジウム(InO)などが挙げられる。
これらの導電膜は、例えば無電解めっき、電解めっき等などの湿式めっき、熱CVD、プラズマCVD、レーザーCVDなどのCVD化学蒸着法(CVD)、真空蒸着、スパッタリング、イオンプレーティングなどの乾式めっき法、金属箔を基板に結合した後、エッチングを行う方法などにより形成することができる。
有機物および導電性粒子を含有する感光性導電ペーストにおいて、導電性粒子の含有量が60~90質量%であることが好ましい。導電層が有機物を含有することにより、曲面や屈曲部において断線を抑制し、導電性を向上させることができる。導電性粒子の含有量が60質量%未満であると、導電性粒子同士の接触確率が低くなり、導電性が低下する。また、配線の屈曲部において、導電性粒子同士が乖離しやすくなる。導電性粒子の含有量は好ましくは70質量%以上である。一方、導電性粒子の含有量が90質量%を超えると、配線パターンを形成することが困難になるとともに、屈曲部において断線が生じやすくなる。導電性粒子の含有量は好ましくは80質量%以下である。
有機物としては、例えば、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、アクリル系共重合体、エポキシカルボキシレート化合物等が挙げられる。これらを2種以上含有してもよい。またウレタン結合を有する有機物を含有しても構わない。ウレタン結合を有する有機物を含有することで、配線の柔軟性を向上させることができる。また、有機物は、感光性を示すことが好ましく、フォトリソグラフィにより容易に微細な配線パターンを形成することができる。感光性は、例えば光重合開始剤、不飽和二重結合を有する成分を含有させることにより発現する。
本発明における導電性粒子とは、電気抵抗率が10-5Ω・m以下の物質で構成される粒子を指す。導電性粒子を構成する材料としては、例えば、銀、金、銅、白金、鉛、スズ、ニッケル、アルミニウム、タングステン、モリブデン、クロム、チタン、インジウムやこれら金属の合金、カーボン粒子が挙げられる。また、導電性粒子を2種以上含有することが好ましい。導電性粒子を2種以上含有することにより、後述する熱処理工程において、同種の導電性粒子同士が焼結して体積収縮することを抑制し、結果として導電膜全体としての体積収縮が抑制され、屈曲性を向上させることができる。
導電性粒子の平均粒子径は0.005~2μmであることが好ましい。ここでの平均粒子径とは、2種以上の導電性粒子を含有する場合は、大径粒子の平均粒子径とする。導電性粒子の平均粒子径が0.005μm以上であると、導電性粒子間の相互作用を適度に抑え、導電性粒子の分散状態をより安定に保つことができる。導電性粒子の平均粒子径はより好ましくは0.01μm以上である。一方、導電性粒子の平均粒子径が2μm以下であると、所望の配線パターンを形成しやすくなる。導電性粒子の平均粒子径はより好ましくは1.5μm以下である。
導電膜の厚さは2~10μmであることが好ましい。導電膜の厚さが2μm以上であると、屈曲部における断線をより抑制し、導電性をより向上させることができる。導電膜の厚さはより好ましくは4μm以上である。一方、導電膜の厚さが10μm以下であると、製造工程において配線パターンをより容易に形成することができる。導電膜の厚さはより好ましくは8μm以下である。
導電膜の構成態様としては例えば図18~図21の27に示すように配置する構成が好ましい。
本発明において、さらに、複数の発光素子の間に、遮光層を有することが好ましい。複数の発光素子の間に、遮光層を有することで、光取り出し効率を大きく損なうことなく、発光素子からの光漏れや各画素間の混色を抑制し、コントラストを向上させることができる。
遮光層は、(A)樹脂および(E)着色材を含む樹脂組成物を硬化した硬化膜から構成されていてもよく、また(A)樹脂を含む樹脂組成物以外の材料から構成されてもよく、エポキシ樹脂、(メタ)アクリルポリマ、ポリウレタン、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリシロキサンなど公知のものを使用してもよい。(E)着色材としては、黒色顔料を用いてもよく、例えば、カーボンブラック、ペリレンブラック、アニリンブラック等の黒色有機顔料、グラファイト、およびチタン、銅、鉄、マンガン、コバルト、クロム、ニッケル、亜鉛、カルシウム、銀等の金属微粒子、金属酸化物、複合酸化物、金属硫化物、金属窒化物、金属酸窒化物等の無機顔料が挙げられる。また、赤色顔料および青色顔料や必要に応じて黄色顔料やその他の顔料を組み合わせて黒色としてもよい。また染料を用いてもよい。着色材は2種以上含有してもよい。
(A)樹脂および(E)着色材を含む樹脂組成物に感光性を付与してもよく、後述の(B)感光剤を用いてもよい。
(A)樹脂および(E)着色材を含む樹脂組成物の製造方法としては、例えば、分散機を用いて(A)樹脂、(E)着色材、必要に応じて分散剤および有機溶剤を含有する樹脂溶液を分散させて、着色材濃度の高い着色材分散液を調製し、さらに(A)樹脂や、必要に応じて感光剤などの他の成分を添加して撹拌する方法が好ましい。必要に応じて濾過を行ってもよい。
分散機としては、例えば、ボールミル、ビーズミル、サンドグラインダー、3本ロールミル、高速度衝撃ミルなどが挙げられる。これらの中でも、分散効率化および微分散化のため、ビーズミルが好ましい。ビーズミルとしては、例えば、コボールミル、バスケットミル、ピンミル、ダイノーミルなどが挙げられる。ビーズミルに用いるビーズとしては、例えば、チタニアビーズ、ジルコニアビーズ、ジルコンビーズが挙げられる。ビーズミルのビーズ径は、0.03~1.0mmが好ましい。(E)着色材の一次粒子径および一次粒子が凝集して形成された二次粒子の粒子径が小さい場合には、径が0.03~0.10mmの微小なビーズを用いることが好ましい。この場合には、微小なビーズと分散液とを分離することが可能な、遠心分離方式によるセパレーターを備えるビーズミルが好ましい。一方で、サブミクロン程度の粗大な粒子を含む着色材を分散させる場合には、十分な粉砕力を得るために、径が0.10mm以上のビーズを用いることが好ましい。
(A)樹脂および(E)着色材を含む樹脂組成物は、各種基板に塗布、乾燥後、加熱処理により、遮光層を得ることができる。感光性を有する場合は、後述の化学線を照射して露光後、後述の現像および加熱処理によりパターニングされた遮光層を得ることができる。
遮光層の厚みは0.1~5μmであることが好ましい。遮光層の厚みが0.1μm以上であると、発光素子からの光漏れや各画素間の混色を抑制し、コントラストを向上させることができる。遮光層の厚みはより好ましくは0.5μm以上である。一方、配線の厚さが5μm以下であると、光取り出し効率を大きく損なうことなく、発光素子からの光漏れや各画素間の混色を抑制し、コントラストを向上させることができる。遮光層の厚みはより好ましくは4μm以下である。
遮光層は厚み0.7mmの無アルカリガラス上に膜厚1.0μmとなるように着色膜を形成し、ガラス面からの色度を測定した反射色度値(a*、b*)が、-0.5≦a*≦1.0かつ-1.0≦b*≦0.5となることが好ましく、-0.5≦a*≦0.5かつ-1.0≦b*≦0.4となることが好ましい。反射色度は着色膜に映り込んだ像の色調の指標となり、(a*、b*)=(0.0、0.0)に近いほど、無彩色な反射色調と言える。一方、液晶表示装置や有機ELディスプレイの黒表示の反射色調は一般的にb*が負の値となり、青みの色調であるため、表示装置に用いられる加飾膜としてはb*が負の値となることが好ましい。
着色膜の反射色度(L*,a*,b*)は、白色校正板(CM-A145;コニカミノルタ(株)製)で校正した分光測色計(CM-2600d;コニカミノルタ(株)製)を用い、標準光源D65(色温度6504K)、視野角2°(CIE1976)、大気圧下、20℃の測定条件下で透明基材から入射させた光に対する全反射色度(SCI)を測定することで得られる。
遮光層の構成態様としては例えば図22の28に示すように配置する構成が好ましい。遮光層28は発光素子2と接してもよく、離れていてもよい。
本発明において、(A)樹脂を含む樹脂組成物を硬化した硬化膜について、引張強度が100MPa以上300MPa以下である。これにより、硬化膜と接する他具材を強固に固定しつつ、かかる応力集中を緩和することができる。硬化膜と接する他具材を強固に固定しつつ、かかる応力集中を緩和することができる。このため、表示装置の作成工程や実使用の加速試験である信頼性試験工程において、発光素子のずれや剥離、金属配線の剥がれ、クラックを抑制でき、信頼性試験後も不良率が低い表示装置を得ることができるため好ましい。
そのような特性を得るためには、(A)樹脂は耐熱性が高いものが好ましく、具体的には熱処理時や熱処理後の160℃以上の高温下において樹脂劣化が少なく、また樹脂劣化や樹脂の分解等に伴う例えば着色構造の1つであるキノン構造等の形成が少ないものが好ましい。また、そのような硬化膜は表示装置として用いられる硬化膜、例えば絶縁膜、保護膜および隔壁などとして優れた特性の1つである、アウトガス量が少なくなるため好ましい。
また、(A)樹脂は露光、現像により所望の開口パターンを形成する観点から、硬化前は露光波長における光の透過率が高いものが好ましい。
そのような特性を得るためには、例えば樹脂の芳香環由来の共役鎖を短くするか、分子内や分子間の電荷移動を小さくすることが好ましい。
さらに金属配線の保護のため、厚み10μm以上の厚膜でも加工性が優れることが好ましい。
(A)樹脂は特に限定されないが、環境負荷低減の観点からアルカリ可溶性樹脂であることが好ましい。アルカリ可溶性とは、γ-ブチロラクトンに樹脂を溶解した溶液をシリコンウエハ上に塗布し、120℃で4分間プリベークを行って膜厚10μm±0.5μmのプリベーク膜を形成する。次に、該プリベーク膜を23±1℃の2.38質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液に1分間浸漬した後、純水でリンス処理したときの膜厚減少を求める。上記プリベーク膜の溶解速度が50nm/分以上であるものについてアルカリ可溶性であると定義する。
前記(A)樹脂は、ポリイミド、ポリイミド前駆体、ポリベンゾオキサゾール、ポリベンゾオキサゾール前駆体およびそれらの共重合体からなる群より選択される1種以上の樹脂を含有することが好ましい。前記(A)樹脂は、これらの樹脂を単独で含有してもよく、また複数の樹脂を組み合わせて含有してもよい。
ポリイミド、ポリイミド前駆体、ポリベンゾオキサゾール、ポリベンゾオキサゾール前駆体について説明する。
ポリイミドはイミド環を有するものであれば、特に限定されない。またポリイミド前駆体は、脱水閉環することによりイミド環を有するポリイミドとなる構造を有していれば、特に限定されず、ポリアミド酸やポリアミド酸エステルなどを含有することができる。ポリベンゾオキサゾールはオキサゾール環を有するものであれば、特に限定されない。ポリベンゾオキサゾール前駆体は、脱水閉環することによりベンゾオキサゾール環を有するポリベンゾオキサゾールとなる構造を有していれば、特に限定されず、ポリヒドロキシアミド、ヒドロキシル基を有さないポリアミドなどを含有することができる。
ポリイミドは一般式(1)で表される構造単位を有し、ポリイミド前駆体およびポリベンゾオキサゾール前駆体は下記一般式(2)で表される構造単位を有し、ポリベンゾオキサゾールは一般式(3)で表される構造単位を有する。これらを2種以上含有してもよいし、一般式(1)で表される構造単位、一般式(2)で表される構造単位、一般式(3)で表される構造単位を共重合した樹脂を含有してもよい。
Figure 2022069416000002
一般式(1)中、Vは炭素数4~40の4~10価の有機基、Wは炭素数4~40の2~8価の有機基を表す。aおよびbは、それぞれ0~6の整数を表す。RおよびRは水酸基、カルボキシ基、スルホン酸基およびチオール基からなる群より選ばれる基を表し、複数のRおよびRはそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。
Figure 2022069416000003
一般式(2)中、XおよびYは、それぞれ独立に炭素数4~40の2~8価の有機基を表す。RおよびRは、それぞれ独立に水素原子、または炭素数1~20の1価の有機基を表す。cおよびdは、それぞれ0~4の整数、eおよびfは、それぞれ0~2の整数を表す。
Figure 2022069416000004
一般式(3)中、TおよびUは、それぞれ独立に炭素数4~40の2~8価の有機基を表す。
(A)樹脂にアルカリ可溶性を持たせるために、一般式(1)はa+b>0であることが好ましい。また、一般式(2)はc+d+e+f>0であることが好ましい。一般式(2)において、ポリイミド前駆体の場合は、一般式(2)中のX、Yは芳香族基を有することが好ましい。さらには、一般式(2)中のXは芳香族基を有し、e>2であって、芳香族アミド基のオルト位にカルボキシ基またはカルボキシエステル基を有し、脱水閉環することによりイミド環を形成する構造となる。
また、一般式(2)において、ポリベンゾオキサゾール前駆体の場合は、一般式(2)中のXは芳香族基を有し、d>0であって、芳香族アミド基のオルト位にヒドロキシル基を有し、脱水閉環することによりベンゾオキサゾール環を形成する構造となる。
(A)樹脂における、一般式(1)、一般式(2)または一般式(3)で表される構造単位の繰り返し数nは、5~100,000であることが好ましく、10~100,000であることがより好ましい。
また、(A)樹脂は、一般式(1)、一般式(2)または一般式(3)で表される構造単位に加えて、他の構造単位を有してもよい。他の構造単位としては、例えば、カルド構造、シロキサン構造などが挙げられるが、これらに限定されない。この場合、一般式(1)または一般式(2)で表される構造単位を、主たる構成単位とすることが好ましい。ここで主たる構成単位とは全構造単位数のうち一般式(1)、一般式(2)または一般式(3)で表される構造単位を50モル%以上有することをいい、70モル%以上有することがより好ましい。
上記一般式(1)中、V-(R、上記一般式(2)中、(OH)-X-(COORおよび上記一般式(3)中のTは酸の残基を表す。Vは炭素数4~40の4価~10価の有機基であり、なかでも芳香族環または環状脂肪族基を含有する炭素原子数4~40の有機基が好ましい。XおよびTは炭素数4~40の2価~8価の有機基であり、なかでも芳香族環、または脂肪族基を含有する炭素原子数4~40の有機基が好ましい。
酸の残基を構成する酸成分としては、ジカルボン酸の例としてテレフタル酸、イソフタル酸、ジフェニルエーテルジカルボン酸、ビス(カルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、ビフェニルジカルボン酸、ベンゾフェノンジカルボン酸、トリフェニルジカルボン酸、スベリン酸、ドデカフルオロスベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ヘキサデカフルオロセバシン酸、1,9-ノナン二酸、ドデカン二酸、トリデカン二酸、テトラデカン二酸、ペンタデカン二酸、ヘキサデカン二酸、ヘプタデカン二酸、オクタデカン二酸、ノナデカン二酸、エイコサン二酸、ヘンエイコサン二酸、ドコサン二酸、トリコサン二酸、テトラコサン二酸、ペンタコサン二酸、ヘキサコサン二酸、ヘプタコサン二酸、オクタコサン二酸、ノナコサン二酸、トリアコンタン二酸など、トリカルボン酸の例としてトリメリット酸、トリメシン酸、ジフェニルエーテルトリカルボン酸、ビフェニルトリカルボン酸など、テトラカルボン酸の例としてピロメリット酸、3,3’,4,4’-ビフェニルテトラカルボン酸、2,3,3’,4’-ビフェニルテトラカルボン酸、2,2’,3,3’-ビフェニルテトラカルボン酸、3,3’,4,4’-ジフェニルエーテルテトラカルボン酸、3,3’,4,4’-ベンゾフェノンテトラカルボン酸、2,2’,3,3’-ベンゾフェノンテトラカルボン酸、2,2-ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)プロパン、2,2-ビス(2,3-ジカルボキシフェニル)プロパン、1,1-ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)エタン、1,1-ビス(2,3-ジカルボキシフェニル)エタン、ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)メタン、ビス(2,3-ジカルボキシフェニル)メタン、ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)エーテル、1,2,5,6-ナフタレンテトラカルボン酸、9,9-ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)フルオレン、9,9-ビス{4-(3,4-ジカルボキシフェノキシ)フェニル}フルオレン、2,3,6,7-ナフタレンテトラカルボン酸、2,3,6,7-ナフタレンテトラカルボン酸、2,3,5,6-ピリジンテトラカルボン酸、3,4,9,10-ペリレンテトラカルボン酸、2,2-ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンおよび下記に示した構造の芳香族テトラカルボン酸、ブタンテトラカルボン酸、シクロブタンテトラカルボン酸、1,2,3,4-シクロペンタンテトラカルボン酸などを挙げることができるが、これらに限定されない。これらを2種以上用いてもよい。
Figure 2022069416000005
式中、R17は酸素原子、C(CF、またはC(CHを表す。R18およびR19は水素原子、または水酸基を表す。
これらの酸は、そのまま、あるいは酸無水物、ハロゲン化物、活性エステルとして使用できる。
上記一般式(1)中のW-(R、上記一般式(2)中の(OH)-Y-(COORおよび上記一般式(3)中のUはジアミンの残基を表す。W、YおよびUは炭素数4~40の2~8価の有機基であり、なかでも芳香族環または環状脂肪族基を含有する炭素原子数4~40の有機基が好ましい。
ジアミンの残基を構成するジアミンの具体的な例としては、ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)メチレン、ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシ)ビフェニル、ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)フルオレンなどのヒドロキシル基含有ジアミン、3-スルホン酸-4,4’-ジアミノジフェニルエーテルなどのスルホン酸含有ジアミン、ジメルカプトフェニレンジアミンなどのチオール基含有ジアミン、3,4’-ジアミノジフェニルエーテル、4,4’-ジアミノジフェニルエーテル、3,4’-ジアミノジフェニルメタン、4,4’-ジアミノジフェニルメタン、3,4’-ジアミノジフェニルスルホン、4,4’-ジアミノジフェニルスルホン、3,4’-ジアミノジフェニルスルフィド、4,4’-ジアミノジフェニルスルフィド、1,4-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、ベンジン、m-フェニレンジアミン、p-フェニレンジアミン、1,5-ナフタレンジアミン、2,6-ナフタレンジアミン、ビス(4-アミノフェノキシフェニル)スルホン、ビス(3-アミノフェノキシフェニル)スルホン、ビス(4-アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス{4-(4-アミノフェノキシ)フェニル}エーテル、1,4-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、2,2’-ジメチル-4,4’-ジアミノビフェニル、2,2’-ジエチル-4,4’-ジアミノビフェニル、3,3’-ジメチル-4,4’-ジアミノビフェニル、3,3’-ジエチル-4,4’-ジアミノビフェニル、2,2’,3,3’-テトラメチル-4,4’-ジアミノビフェニル、3,3’,4,4’-テトラメチル-4,4’-ジアミノビフェニル、2,2’-ビス(トリフルオロメチル)-4,4’-ジアミノビフェニルなどの芳香族ジアミンや、これらの芳香族環の水素原子の一部を、炭素数1~10のアルキル基やフルオロアルキル基、ハロゲン原子などで置換した化合物、2,4-ジアミノ-1,3,5-トリアジン(グアナミン)、2,4-ジアミノ-6-メチル-1,3,5-トリアジン(アセトグアナミン)、2,4-ジアミノ-6-フェニル-1,3,5-トリアジン(ベンゾグアナミン)などの含窒素複素芳香族環を有するジアミン、1,3-ビス(3-アミノプロピル)-1,1,3,3-テトラメチルジシロキサン、1,3-ビス(p-アミノフェニル)-1,1,3,3-テトラメチルジシロキサン、1,3-ビス(p-アミノフェネチル)-1,1,3,3-テトラメチルジシロキサン、1,7-ビス(p-アミノフェニル)-1,1,3,3,5,5,7,7-オクタメチルテトラシロキサンなどのシリコーンジアミン、シクロヘキシルジアミン、メチレンビスシクロヘキシルアミンなどの脂環式ジアミンおよび下記に示した構造のジアミンなどが挙げられる。これらを2種以上用いてもよい。
Figure 2022069416000006
式中、R20は酸素原子、C(CF、またはC(CHを表す。R21~R24はそれぞれ独立に水素原子、または水酸基を表す。
その中で、アルカリ現像性や(A)樹脂、その硬化膜の透過率を向上させる観点から以下に示した構造のジアミンを少なくとも1つ以上含有することが好ましい。
Figure 2022069416000007
式中、R20は酸素原子、C(CF、またはC(CHを表す。R21~R22はそれぞれ独立に水素原子、または水酸基を表す。
これらのジアミンは、ジアミンとして、またはジアミンにホスゲンと反応させて得られるジイソシアネート化合物、トリメチルシリル化ジアミンとして使用できる。
また、(A)樹脂は、アルキレン基およびアルキレンエーテル基から選ばれた基を含有することが好ましい。これらの基は脂肪族環を含んでいてもよい。アルキレン基およびアルキレンエーテル基から選ばれた基としては、一般式(4)で表される基が特に好ましい。
Figure 2022069416000008
一般式(4)中、R~Rはそれぞれ独立に炭素数1~6のアルキレン基を表す。R~R16はそれぞれ独立に水素原子、フッ素原子、または炭素数1~6のアルキル基を表す。ただし、括弧内に表される構造はそれぞれ異なる。g、h、iはそれぞれ独立に0~35の整数を表し、g+h+i>0である。
一般式(4)で表される基としては、例えばエチレンオキシド基、プロピレンオキシド基、ブチレンオキシド基などが挙げられ、直鎖状、分岐状、および環状のいずれでもよい。
(A)樹脂が、アルキレン基およびアルキレンエーテル基から選ばれた基を有することにより、(A)樹脂、およびその硬化膜の機械特性、特に伸度を向上させ、さらに硬化前後の450nmにおける光の透過率を向上させることができる。
(A)樹脂は、前記一般式(1)におけるWまたは一般式(2)におけるYに、前記のアルキレン基およびアルキレンエーテル基から選ばれた基を含有することが好ましい。これにより、(A)樹脂、およびその硬化膜伸度を向上させ、適度な引張強度が得られるとともに、樹脂組成物の硬化膜における低温加熱処理での閉環促進による高耐薬品性、基板金属との高い密着性、恒温恒湿試験(HAST)、熱サイクル試験などの信頼性試験も対する耐性を得ることができる。
アルキレン基およびアルキレンエーテル基から選ばれた基を含有するジアミンの具体例としては、エチレンジアミン、1,3-ジアミノプロパン、2-メチル-1,3-プロパンジアミン、1,4-ジアミノブタン、1,5-ジアミノペンタン、2-メチル-1,5-ジアミノペンタン、1,6-ジアミノヘキサン、1,7-ジアミノヘプタン、1,8-ジアミノオクタン、1,9-ジアミノノナン、1,10-ジアミノデカン、1,11-ジアミノウンデカン、1,12-ジアミノドデカン、1,2-シクロヘキサンジアミン、1,3-シクロヘキサンジアミン、1,4-シクロヘキサンジアミン、1,2-ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,3-ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4-ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、4,4’-メチレンビス(シクロヘキシルアミン)、4,4’-メチレンビス(2-メチルシクロヘキシルアミン)、KH-511、ED-600、ED-900、ED-2003、EDR-148、EDR-176、D-200、D-400、D-2000、THF-100、THF-140、THF-170、RE-600、RE-900、RE-2000、RP-405、RP-409、RP-2005、RP-2009、RT-1000、HE-1000、HT-1100、HT-1700、(以上商品名、HUNTSMAN(株)製)などが挙げられる。
また、これらのジアミン中に、-S-、-SO-、-SO-、-NH-、-NCH-、-N(CHCH)-、-N(CHCHCH)-、-N(CH(CH)-、-COO-、-CONH-、-OCONH-、-NHCONH-などの結合を含んでもよい。
アルキレン基およびアルキレンエーテル基から選ばれた基を含有するジアミン残基は、全ジアミン残基中、5モル%以上含まれることが好ましく、10モル%以上含まれることがより好ましい。また、全ジアミン残基中、40モル%以下含まれることが好ましく、30モル%以下含まれることがより好ましい。上記範囲で含むことにより、アルカリ現像液での現像性を高めるとともに、(A)樹脂、およびその硬化膜の伸度を向上させ、適度な引張強度を得ることができるとともに、樹脂組成物の硬化膜における低温加熱処理での閉環促進による高耐薬品性、基板金属との高い密着性、恒温恒湿試験(HAST)対する耐性を得ることができる。
また、耐熱性を低下させない範囲で、脂肪族ポリシロキサン構造を有するジアミン残基を共重合してもよい。脂肪族ポリシロキサン構造を有するジアミン残基を共重合することで基板との接着性を向上させることができる。具体的には、ジアミン成分として、ビス(3-アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン、ビス(p-アミノフェニル)オクタメチルペンタシロキサンなどを全ジアミン残基中の1~15モル%共重合したものなどが挙げられる。この範囲で共重合させることが、シリコンウエハなどの基板との接着性向上の点、および、アルカリ溶液へ溶解性を低下させない点で好ましい。
また、(A)樹脂の末端を、酸性基を有するモノアミン、酸無水物、酸クロリド、モノカルボン酸により封止することで、主鎖末端に酸性基を有する樹脂を得ることができる。酸性基を有するモノアミン、酸無水物、酸クロリド、モノカルボン酸としては公知のものを使用してもよく、複数使用してもよい。
上記モノアミン、酸無水物、酸クロリド、モノカルボン酸などの末端封止剤の含有量は、(A)樹脂を構成する酸成分およびアミン成分の総和100モル%に対して、2~25モル%が好ましい。
(A)樹脂は、重量平均分子量が10,000以上100,000以下であることが好ましい。重量平均分子量が10,000以上であれば、硬化後の硬化膜の機械特性を向上させることができる。より好ましくは重量平均分子量が20,000以上である。一方、重量平均分子量が100,000以下であれば、各種現像液による現像性を向上させることができ、さらに重量平均分子量が50,000以下であれば、アルカリ溶液による現像性を向上させることができるため好ましい。
重量平均分子量(Mw)は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)を用いて確認できる。例えば展開溶剤をN-メチル-2-ピロリドン(以下、NMPと省略する場合がある)として測定し、ポリスチレン換算で求めることができる。
(A)樹脂の含有量は溶剤を含む全含有成分100質量%のうち、3~55質量%とすることが好ましく、5~40質量%とすることがさらに好ましい。前記範囲とすることで、スピン塗布またはスリット塗布を行う上で適切な粘度とすることができる。
その他に、フェノール樹脂、アルカリ可溶性基を有するラジカル重合性モノマーをモノマー単位として含む重合体、例えばポリヒドロキシスチレンやアクリル等、シロキサンポリマー、環状オレフィン重合体、およびカルド樹脂などを用いてもよい。これらの樹脂公知のものを使用してもよく、また単独で用いてもよく、複数の樹脂を組み合わせて用いてもよい。
また、本発明において、(A)樹脂を含む樹脂組成物は、(B)感光剤(以下、(B)成分と呼称する場合がある)を含有することが好ましい。
(B)成分を含有することで樹脂組成物に感光性を付与し、微細な開口パターンを形成することができる。
(B)成分は、紫外線に感応して化学構造が変化する化合物であり、例えば、光酸発生剤、光塩基発生剤、光重合開始剤などを挙げることができる。(B)成分として光酸発生剤を用いた場合は、感光性樹脂組成物の光照射部に酸が発生し、光照射部のアルカリ現像液に対する溶解性が増大するため、光照射部が溶解するポジ型のパターンを得ることができる。
(B)成分として光塩基発生剤を含有する場合は、樹脂組成物の光照射部に塩基が発生し、光照射部のアルカリ現像液に対する溶解性が低下するため、光照射部が不溶化するネガ型のパターンを得ることができる。
(B)成分として光重合開始剤を含有する場合は、樹脂組成物の光照射部にラジカルが発生してラジカル重合が進行し、アルカリ現像液に対して不溶化することで、ネガ型のパターンを形成することができる。また、露光時のUV硬化が促進されて、感度を向上させることができる。
本発明において、(A)樹脂および(B)成分を含む樹脂組成物を硬化した硬化膜について、引張強度が100MPa以上300MPa以下である。これにより、硬化膜と接する他具材を強固に固定しつつ、かかる応力集中を緩和することができる。このため、表示装置の作成工程や実使用の加速試験である信頼性試験工程において、発光素子のずれや剥離、金属配線の剥がれ、クラックを抑制でき、信頼性試験後も不良率が低い表示装置を得ることができるため好ましい。
そのような特性を得るためには、(B)成分が、(A)樹脂や(C)熱架橋剤等との反応を促進するものや(B)成分の分解生成物自身が(A)樹脂や(C)熱架橋剤等と反応するもの、加熱処理後に引張強度の低下に影響する有機酸の残存が少ないものが好ましい。さらに加熱処理後の有機酸の残存少なくするために、(B)成分を含む樹脂組成物を硬化させる前に露光処理を行うことが好ましい。
また、(A)樹脂を含む樹脂組成物は、微細加工性の観点から、ポジ型感光性を有することが好ましい。
上記した(B)成分の中で、高感度で微細加工性の観点から、光酸発生剤が好ましい。光酸発生剤としては、キノンジアジド化合物、スルホニウム塩、ホスホニウム塩、ジアゾニウム塩、ヨードニウム塩などが挙げられる。さらに増感剤などを必要に応じて含むことができる。
キノンジアジド化合物としては、フェノール性水酸基を有した化合物にナフトキノンジアジドのスルホン酸がエステルで結合した化合物が好ましい。ここで用いられるフェノール性水酸基を有する化合物としては、公知のものを使用してもよく、それらに4-ナフトキノンジアジドスルホン酸あるいは5-ナフトキノンジアジドスルホン酸をエステル結合で導入したものが好ましいものとして例示することができるが、これ以外の化合物を使用することもできる。
また、フェノール性水酸基を有した化合物の官能基全体の50モル%以上がキノンジアジドで置換されていることが好ましい。50モル%以上置換されているキノンジアジド化合物を使用することで、キノンジアジド化合物のアルカリ水溶液に対する親和性が低下する。その結果、未露光部の樹脂組成物のアルカリ水溶液に対する溶解性は大きく低下する。さらに、露光によりキノンジアジドスルホニル基がインデンカルボン酸に変化し、露光部の感光性樹脂組成物のアルカリ水溶液に対する大きな溶解速度を得ることができる。すなわち、結果として組成物の露光部と未露光部の溶解速度比を大きくして、高い解像度でパターンを得ることができる。
このようなキノンジアジド化合物を含有することで、一般的な水銀灯のi線(365nm)、h線(405nm)、g線(436nm)やそれらを含むブロードバンドに感光するポジ型の感光性を有する樹脂組成物を得ることができる。また、(B)成分は1種のみ含有しても、2種以上組み合わせて含有してもよく、高感度な樹脂組成物を得ることができる。
キノンジアジド化合物としては、5-ナフトキノンジアジドスルホニル基、4-ナフトキノンジアジドスルホニル基、同一分子中に4-ナフトキノンジアジドスルホニル基および5-ナフトキノンジアジドスルホニル基を含むものなどが挙げられる。
ナフトキノンジアジドスルホニルエステル化合物としては(B-1)5-ナフトキノンジアジドスルホニルエステル化合物および(B-2)4-ナフトキノンジアジドスルホニルエステル化合物などが挙げられるが、本発明においては(B-1)化合物を含むことが好ましい。(B-1)化合物は水銀灯のg線領域まで吸収が伸びており、g線露光および全波長露光に適している。また、硬化時に(A)樹脂や(C)熱架橋剤などと反応することにより架橋構造を形成し、引張強度が向上するとともに、耐薬品性が向上する。さらに(B-2)化合物に比べて加熱処理後の有機酸成分の残存が少ないため好ましい。(B-1)化合物の含有比率としては全感光剤量である(B-1)化合物+(B-2)化合物に対し、55質量%以上100質量%以下であることが好ましい。この含有比率とすることにより、引張強度を向上することができる。
キノンジアジド化合物は、フェノール性水酸基を有する化合物と、キノンジアジドスルホン酸化合物とのエステル化反応によって、公知の方法により合成することができる。キノンジアジド化合物を使用することで解像度、感度、残膜率がより向上する。
(B)成分の分子量は、熱処理により得られる膜の耐熱性、機械特性および接着性の点から、好ましくは300以上、より好ましくは350以上であり、好ましくは3,000以下、より好ましくは1,500以下である。
(B)成分のうち、スルホニウム塩、ホスホニウム塩およびジアゾニウム塩は、露光によって発生した酸成分を適度に安定化させるため好ましい。中でもスルホニウム塩が好ましい。
(B)成分の含有量は、(A)樹脂100質量部に対して0.1質量部以上100質量部以下が好ましい。(B)成分の含有量が0.1質量部以上100質量部以下であれば、熱処理後の膜の耐熱性、耐薬品性および機械特性を維持しつつ、感光性を付与することができる。
(B)成分がキノンジアジド化合物を含有する場合、(B)成分の含有量は、(A)成分100質量部に対して、1質量部以上がより好ましく、3質量部以上がさらに好ましい。また、100質量部以下がより好ましく、80質量部以下がさらに好ましい。1質量部以上100質量部以下であれば、熱処理後の膜の耐熱性、耐薬品性および機械特性を維持しつつ、感光性を付与することができる。
(B)成分がスルホニウム塩、ホスホニウム塩またはジアゾニウム塩を含有する場合、(B)成分の含有量は、(A)樹脂100質量部に対して、0.1質量部以上がより好ましく、1質量部以上がさらに好ましく、3質量部以上が特に好ましい。また、100質量部以下がより好ましく、80質量部以下がさらに好ましく、50質量部以下が特に好ましい。0.1質量部以上100質量部以下であれば、熱処理後の膜の耐熱性、耐薬品性および機械特性を維持しつつ、感光性を付与することができる。
(B)成分として光塩基発生剤を含有する場合、光塩基発生剤として、具体的には、アミド化合物、アンモニウム塩などが挙げられる。
アミド化合物としては、例えば、2-ニトロフェニルメチル-4-メタクリロイルオキシピペリジン-1-カルボキシラート、9-アントリルメチル-N,N-ジメチルカルバメート、1-(アントラキノン-2イル)エチルイミダゾールカルボキシラート、(E)-1-[3-(2-ヒドロキシフェニル)-2-プロペノイル]ピペリジンなどが挙げられる。
アンモニウム塩としては、例えば、1,2-ジイソプロピル-3-(ビスジメチルアミノ)メチレン)グアニジウム2-(3-ベンゾイルフェニル)プロピオナート、(Z)-{[ビス(ジメチルアミノ)メチリデン]アミノ}-N-シクロヘキシルアミノ)メタニミニウムテトラキス(3-フルオロフェニル)ボラート、1,2-ジシクロヘキシル-4,4,5,5-テトラメチルビグアニジウムn-ブチルトリフェニルボラートなどが挙げられる。
(B)成分として光塩基発生剤を含有する場合、樹脂組成物における(B)成分の含有量は、(A)樹脂100質量部に対して、0.1質量部以上が好ましく、0.5質量部以上がより好ましく、0.7質量部以上がさらに好ましく、1質量部以上が特に好ましい。含有量が上記範囲内であると、露光時の感度を向上させることができる。一方、含有量は、25質量部以下が好ましく、20質量部以下がより好ましく、17質量部以下がさらに好ましく、15質量部以下が特に好ましい。含有量が上記範囲内であると、現像後の解像度を向上させることができる。
(B)成分として、光重合開始剤を含有する場合、光重合開始剤としては、例えば、ベンジルケタール系光重合開始剤、α-ヒドロキシケトン系光重合開始剤、α-アミノケトン系光重合開始剤、アシルホスフィンオキシド系光重合開始剤、オキシムエステル系光重合開始剤、アクリジン系光重合開始剤、ベンゾフェノン系光重合開始剤、アセトフェノン系光重合開始剤、芳香族ケトエステル系光重合開始剤または安息香酸エステル系光重合開始剤、チタノセン系光重合開始剤が好ましく、それぞれ公知のものを使用してもよく、複数使用してもよい。これらは、(A)樹脂や(C)熱架橋剤等との反応を促進するため好ましい。この中で、露光時の感度向上の観点から、α-ヒドロキシケトン系光重合開始剤、α-アミノケトン系光重合開始剤、アシルホスフィンオキシド系光重合開始剤、オキシムエステル系光重合開始剤、アクリジン系光重合開始剤またはベンゾフェノン系光重合開始剤がより好ましく、α-アミノケトン系光重合開始剤、アシルホスフィンオキシド系光重合開始剤、オキシムエステル系光重合開始剤がさらに好ましい。
(B)成分として光重合開始剤を含有する場合、樹脂組成物における(B)成分の含有量は、(A)樹脂100質量部に対して、0.1質量部以上が好ましく、0.5質量部以上がより好ましく、0.7質量部以上がさらに好ましく、1質量部以上が特に好ましい。含有量が上記範囲内であると、露光時の感度を向上させることができる。一方、含有量は、25質量部以下が好ましく、20質量部以下がより好ましく、17質量部以下がさらに好ましく、15質量部以下が特に好ましい。含有量が上記範囲内であると、現像後の解像度を向上させることができる。
また、本発明において、(A)樹脂を含む樹脂組成物は、(C)熱架橋剤(以下、(C)成分と呼称する場合がある)を含有することが好ましい。
(C)成分を含有することで硬化膜の引張強度や耐薬品性が向上するため好ましい。熱架橋剤とは、熱反応性の官能基を分子内に少なくとも2つ有する樹脂または化合物を指す。熱反応性の官能基として、アルコキシメチル基、メチロール基、環状エーテル基などを有する化合物が挙げられる。
熱架橋剤として、アルコキシメチル化合物およびメチロール化合物から選ばれた化合物(以下、(C-1)成分と省略する場合がある)を1種類以上含有してもよい。(C-1)成分を含むことで架橋がより強固になり、硬化膜の例えばフラックス液などに対する耐薬品性をより向上させることができる。(C-1)成分の具体例としては、以下のメチロール化合物、またはメチロール基の水素原子がメチル基または炭素数2~10のアルキル基で置換されたアルコキシメチル化合物が挙げられるが、下記構造に限らない。
Figure 2022069416000009
Figure 2022069416000010
また、(C)成分として、環状エーテル基化合物(以下、(C-2)成分と省略する場合がある)を1種類以上含有してもよい。(C-2)成分を含むことで160℃以下の低温でも反応し、また架橋がより強固になり、硬化膜の引張強度や耐薬品性をより向上させることができる。
(C-2)成分の具体例としては、“デナコール”(登録商標)EX-212L、デナコールEX-214L、デナコールEX-216L、デナコールEX-850L、デナコールEX-321L(以上、ナガセケムテックス(株)製)、GAN、GOT(以上、日本化薬(株)製)、“エピコート”(登録商標)828、エピコート1002、エピコート1750、エピコート1007、YX4000、YX4000H、YX8100-BH30、E1256、E4250、E4275(以上、三菱ケミカル(株)製)、“エピクロン”(登録商標)850-S、エピクロンHP-4032、エピクロンHP-7200、エピクロンHP-820、エピクロンHP-4700、エピクロンHP-4770、エピクロンHP4032(以上、大日本インキ化学工業(株)製)、TECHMORE VG3101L((株)プリンテック製)、“テピック”(登録商標)S、テピックG、テピックP(以上、日産化学工業(株)製)、エポトートYH-434L(東都化成(株)製)、EPPN502H、NC-3000、NC-6000、XD-1000(日本化薬(株)製)、エピクロンN695、HP7200(以上、大日本インキ化学工業(株)製)、“エタナコール”(登録商標)EHO、エタナコールOXBP、エタナコールOXTP、エタナコールOXMA(以上、宇部興産(株)製)、オキセタン化フェノールノボラックなどが挙げられる。
その中でも、トリアリールメタン構造、もしくはビフェニル構造を有するものが好ましく、
具体的にはYX4000、YX4000H(以上、三菱ケミカル(株)製)、TECHMORE VG3101L((株)プリンテック製)、NC-3000などが挙げられる。
さらに、(C)成分として、下記一般式(5)で表される構造単位を含む化合物(以下、(C-3)成分と省略する場合がある)を1種類以上含有してもよい。
Figure 2022069416000011
一般式(5)中、R25は炭素数1以上15以下のアルキレン基またはアルキレンエーテル基を有する2価の有機基であり、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、エチレンオキシド基、プロピレンオキシド基、ブチレンオキシド基などが挙げられ、直鎖状、分岐状、および環状のいずれでも良い。また炭素数1以上15以下のアルキレン基またはアルキレンエーテル基を有する2価の有機基の置換基の一部が、環状エーテル基、アルキルシリル基、アルコキシシリル基、アリール基、アリールエーテル基、カルボキシ基、カルボニル基、アリル基、ビニル基、複素環基やその他置換基を有していてもよく、それらを組み合わせたものでもよい。R26およびR27は、各々独立に、水素原子またはメチル基を示す。
(C-3)成分は、それ自体に、柔軟なアルキレン基と剛直な芳香族基を有するため、(C-3)成分を含むことにより、得られる硬化膜が、耐熱性を有しながら、伸度向上と低応力化が可能である。
(C-3)成分に含まれる架橋基としては、アクリル基やメチロール基、アルコキシメチル基、環状エーテル基等が上げられるがこれに限定されない。この中でも、(A)樹脂の水酸基と反応し、硬化膜の耐熱性を向上することができる点と、脱水せずに反応することができる点から、環状エーテル基が好ましい。
一般式(5)で表される構造単位を含む化合物は、具体例としては以下のものが挙げられるが、下記構造に限らない。
Figure 2022069416000012
式中oは1~20の整数、oは1~5の整数である。耐熱性と伸度向上を両立する点から、oは3~7の整数、oは1~2の整数であることが好ましい。
上記の(C)成分は2種類以上を組み合わせて含有してもよい。
(C)成分の含有量は、例えばフラックス液などに対する耐薬品性の高い硬化膜を得る観点から、(A)樹脂100質量部に対して5質量部以上が好ましく、10質量部以上がさらに好ましい。また、樹脂組成物の保存安定性を維持しながら、例えばフラックス液などに対する耐薬品性の高い硬化膜を得ることができ、さらにその硬化膜を適用した配線の信頼性試験後における金属配線との剥離や硬化膜のクラックを抑制することができる観点から、(A)樹脂100質量部に対して100質量部以下が好ましく、90質量部以下がより好ましく、80質量部以下がさらに好ましい。
(A)樹脂を含む樹脂組成物は、必要に応じてその他の成分として、ラジカル重合性化合物、酸化防止剤、溶剤、フェノール性水酸基を有する化合物、密着改良剤、接着改良剤、界面活性剤を含有してもよい。
次に、本発明の樹脂組成物の製造方法について説明する。例えば、前記(A)樹脂と、必要により、(B)成分、(C)成分や各ラジカル重合性化合物、酸化防止剤、溶剤、フェノール性水酸基を有する化合物、密着改良剤、接着改良剤、界面活性剤などを混合して溶解させることにより、樹脂組成物を得ることができる。
溶解方法としては、加熱や撹拌など公知の方法が挙げられる。
樹脂組成物の粘度は、2~5,000mPa・sが好ましい。粘度が2mPa・s以上となるように固形分濃度を調整することにより、所望の膜厚を得ることが容易になる。一方粘度が5,000mPa・s以下であれば、均一性の高い樹脂膜を得ることが容易になる。このような粘度を有する樹脂組成物は、例えば固形分濃度を5~60質量%にすることで容易に得ることができる。ここで、固形分濃度とは溶剤以外の成分の濃度を言う。
得られた樹脂組成物は、濾過フィルターを用いて濾過し、ゴミや粒子を除去することが好ましい。濾過フィルターの材質には、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ナイロン(NY)、ポリテトラフルオロエチエレン(PTFE)などがあるが、ポリエチレンやナイロンが好ましい。
(A)樹脂を含む樹脂組成物を硬化した硬化膜を形成する際には、(A)樹脂を含む樹脂組成物から樹脂シートを形成してから、樹脂シート硬化させて膜を形成してもよい。
樹脂シートとは上記樹脂組成物を用いて基材に形成したシートをいう。具体的には、基材に樹脂組成物を塗布し、乾燥して得られた樹脂シートをいう。
樹脂組成物を塗布する基材にはポリエチレンテレフタレート(PET)などのフィルムを用いることができる。樹脂シートをシリコンウエハなどの基板に貼り合わせて用いる際に、基材を剥離除去する必要がある場合は、表面にシリコーン樹脂などの離型剤がコーティングされている基材を用いると、容易に樹脂シートと基材を剥離できるため好ましい。
次に、本発明の表示装置の製造方法について説明する。
本発明の表示装置の製造方法は、少なくとも金属配線、硬化膜及び複数の発光素子を有する表示装置の製造方法であって、支持基板上に前記発光素子を配置する工程(D1)、前記支持基板上および前記発光素子上に、(A)樹脂を含む樹脂組成物からなる樹脂膜を形成する工程(D2)、前記樹脂膜に対して露光、現像することにより、前記樹脂膜に複数の貫通した開口パターンを形成する工程(D3)、前記樹脂膜を硬化させ、引張強度が100MPa以上300MPa以下である前記硬化膜を形成する工程(D4)、および、前記硬化膜の表面の少なくとも一部及び前記硬化膜の開口パターンに前記金属配線を形成する工程(D5)、を有する。
図11に本発明の複数の発光素子を有する表示装置の一例の作製工程断面図を示す。
以下、樹脂膜とは(A)樹脂を含む樹脂組成物を基板に塗布もしくは樹脂シートをラミネートし、乾燥して得られた膜をいう。また、硬化膜は樹脂膜、もしくは樹脂シートを硬化して得られた膜をいう。
図11aにおいて、工程(D1)は、支持基板20上に一対の電極端子6を有する発光素子2を配置する工程である。支持基板はガラス基板、シリコン基板、セラミックス類、ガリウムヒ素、有機回路基板、無機回路基板、またはこれらの基板に回路の構成材料が配置されたものなどが用いられるが、これらに限定されない。などが挙げられ、ガラス基板やシリコン基板上には仮貼り材料が配置されていてもよい。またTFTアレイ基板を使用してもよい。また支持基板は工程の途中で除去してもよく、また除去後別の対向基板を配置してもよい。
次に、工程(D2)は、図11bに示すように支持基板20上および発光素子2上に、(A)樹脂を含む樹脂組成物または(A)樹脂を含む樹脂組成物から形成された樹脂シートを、塗布またはラミネートして樹脂膜21を形成する工程である。
なお、支持基板上および発光素子上とは、支持基板の表面や発光素子の表面のみならず、支持基板や発光素子の上側にあればよく、硬化膜や金属配線、反射膜、隔壁上に(A)樹脂を含む樹脂組成物または(A)樹脂を含む樹脂組成物から形成された樹脂シートを、塗布またはラミネートして樹脂膜を形成してもよい。
塗布方法としては、スピンコート法、スリットコート法、ディップコート法、スプレーコート法、印刷法などの方法がある。また、塗布膜厚は、塗布手法、組成物の固形分濃度、粘度などによって異なるが、通常、乾燥後の膜厚が0.1~150μmになるように塗布される。
塗布に先立ち、(A)樹脂を含む樹脂組成物を塗布する支持基板を予め前述した密着改良剤で前処理してもよい。例えば、密着改良剤をイソプロパノール、エタノール、メタノール、水、テトラヒドロフラン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、乳酸エチル、アジピン酸ジエチルなどの溶剤に0.5~20質量%溶解させた溶液を用いて、スピンコート、スリットダイコート、バーコート、ディップコート、スプレーコート、蒸気処理などの方法で基板表面を処理する方法が挙げられる。基板表面を処理した後、必要に応じて、減圧乾燥処理を施してもよい。また、その後50℃~280℃の熱処理により基板と密着改良剤との反応を進行させてもよい。
次に、(A)樹脂を含む樹脂組成物の塗布膜を乾燥して、樹脂膜21を得る。乾燥はオーブン、ホットプレート、赤外線などを使用し、50℃~140℃の範囲で1分~数時間行うことが好ましい。
一方、前記樹脂シートを用いる場合、前記樹脂シートに保護フィルムを有する場合にはこれを剥離し、樹脂シートと支持基板を対向させ、熱圧着により貼り合わせる(樹脂シートと支持基板を対向させ、熱圧着により貼り合わせることを、樹脂シートを支持基板にラミネートすると記す場合もある)。次に、支持基板にラミネートした樹脂シートを、上記樹脂膜を得る際と同様に乾燥して、樹脂膜21を形成する。樹脂シートは、(A)樹脂を含む樹脂組成物を剥離性基板であるポリエチレンテレフタラート等により構成される支持フィルム上に塗布、乾燥させて得ることができる。
熱圧着は、熱プレス処理、熱ラミネート処理、熱真空ラミネート処理等によって行うことができる。貼り合わせ温度は、基板への密着性、埋め込み性の点から40℃以上が好ましい。また、樹脂シートが感光性を有する場合、貼り合わせ時に樹脂シートが硬化し、露光・現像工程におけるパターン形成の解像度が低下することを防ぐために、貼り合わせ温度は140℃以下が好ましい。
次に、工程(D3)は、図11cに示すように、樹脂膜21に対して、フォトリソ工程を用いて、金属配線4の形態に対応した貫通した開口パターン12を形成する工程である。
(A)樹脂を含む樹脂組成物または樹脂シートは微細加工可能なため、発光素子の高密度配置が可能である。
感光性を有する樹脂膜上に所望のパターンを有するマスクを通して化学線を照射する。露光に用いられる化学線としては紫外線、可視光線、電子線、X線などがあるが、本発明では一般的な露光波長であるg線(436nm)、h線(405nm)またはi線(365nm)、を用いることが好ましい。感光性を有さない樹脂膜においては、樹脂膜形成後にフォトレジストを形成した後、前記の化学線を照射する。
露光された感光性を有する樹脂膜21を現像する。現像液としては、テトラメチルアンモニウム、ジエタノールアミン、ジエチルアミノエタノール、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、トリエチルアミン、ジエチルアミン、メチルアミン、ジメチルアミン、酢酸ジメチルアミノエチル、ジメチルアミノエタノール、ジメチルアミノエチルメタクリレート、シクロヘキシルアミン、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンなどのアルカリ性を示す化合物の水溶液が好ましい。また場合によっては、これらのアルカリ水溶液にN-メチル-2-ピロリドン、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、γ-ブチロラクトン、ジメチルアクリルアミドなどの極性溶剤、メタノール、エタノール、イソプロパノールなどのアルコール類、乳酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどのエステル類、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、イソブチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類などを1種または2種以上添加してもよい。現像後は水にてリンス処理をすることが一般的である。ここでもエタノール、イソプロピルアルコールなどのアルコール類、乳酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどのエステル類などを水に加えてリンス処理をしてもよい。
次に、工程(D4)は、図11cに示すように、樹脂膜21を硬化させることにより、引張強度が100MPa以上300MPa以下であるである硬化膜3を形成する工程である。
樹脂膜21を加熱して閉環反応や熱架橋反応を進行させ、硬化膜3を得る。硬化膜3は、(A)成分同士、または(B)成分や(C)成分などとの架橋によって、引張強度、耐熱性および耐薬品性が向上する。この加熱処理は、段階的に昇温して行ってもよいし、連続的に昇温しながら行ってもよい。加熱処理は5分間~5時間実施することが好ましい。一例としては、110℃で30分加熱処理した後、さらに230℃60分熱処理する例が挙げられる。加熱処理条件としては、140℃以上400℃以下が好ましい。加熱処理条件は、熱架橋反応を進行させるため、140℃以上が好ましく、160℃以上がより好ましい。また優れた硬化膜を提供するため、半導体装置や表示装置の信頼性を向上させるため、加熱処理条件は300℃以下が好ましく、250℃以下がより好ましい。
また、光の透過率が高い硬化膜を得るために、加熱時は酸素濃度が低い雰囲気で処理されることが好ましい。酸素濃度としては1000ppm以下が好ましく、300ppm以下がより好ましく、50ppm以下がさらに好ましい。
このようにして得られた硬化膜は、開口パターンを有し、該開口パターン断面における傾斜辺の角度が40°以上85°以下であることが好ましい。開口部の断面形状の角度が40°以上であると、複数の発光素子を効率的に配置することができ、高精細化が可能となる。開口部の断面形状の角度はより好ましくは50°以上である。一方、開口部の断面形状の角度が85°以下であると、配線の短絡など配線不良の抑制を図ることができる。開口部の断面形状の角度はより好ましくは80°以下である。
図23に硬化膜の開口パターンの正面断面図を示す。図23において硬化膜3に形成した開口パターンについて傾斜辺29の角度が30である。なお、傾斜辺は硬化膜3の厚み方向において1/2とした位置32での開口パターンと底部の開口パターンを直線で結んだものとした。
続いて、図11cにおいて、硬化膜3と金属配線4との密着性を向上させるため、硬化膜3上にチタンなどのバリアメタルをスパッタリングし、さらにその上に銅シード(シード層)をスパッタリング法で形成する。
次に、工程(D5)は、図11dに示すように、フォトレジスト層(図示せず)を形成した後、発光素子2の一対の電極端子6と電気的に接続させるための銅などからなる金属配線4をめっき法等により硬化膜3の開口パターン12および硬化膜3の一部の表面上に形成する工程である。その後、不要なフォトレジストおよびシード層、バリアメタルを除去する。
これにより、硬化膜により金属配線の電気的絶縁性を確保することが出来、硬化膜中に金属配線を延在させることにより、発光素子の一対の電極端子と駆動素子を電気的に接続し発光動作を制御することが出来る。
また、表示装置の製造方法は、前記工程(D2)、前記工程(D3)、前記工程(D4)および前記工程(D5)を複数回繰り返し行い、硬化膜中に前記金属配線を有する前記硬化膜を複数層形成する工程を有することが好ましい。
図11e~fに示すように硬化膜3および金属配線4は再度同様の方法で繰り返し実施することで2層以上からなる硬化膜3を形成することができる。
これにより、硬化膜中に金属配線を有する硬化膜を複数層とすることで、複数の発光素子を配置することができ、また、パッケージ低背化や配線短距離化による配線の短絡など配線不良の抑制や低損失化、高速応答性の向上を図ることができる。
その後、図11gに示すように、硬化膜3の開口パターン12にバリアメタル9をスパッタリング法で形成し、はんだバンプ10を形成する。なお、バリアメタル9は有していても、有していなくてもよい。はんだバンプ10は、例えばドライバーICなど駆動素子を有する発光素子駆動基板7などに電気的に接続される。
駆動素子8は機能別に1個の発光素子2または赤、青、緑からなる1ユニットの発光素子2に対して複数個使用してもよく、例えば図11の工程中に発光素子の近傍等に複数個駆動素子を配置してもよい。その場合、駆動素子は硬化膜3中に延在した金属配線4を介して発光素子2と電気的に接続されている。
その後、図11hに示すように、はんだバンプ10を介してドライバーICなど駆動素子8を有する発光素子駆動基板7に電気的に接続させ、支持基板20を剥離し、対向基板5を、接着剤等を用いて貼り合わせることにより、複数の発光素子2を有する表示装置1を得る。なお、金属配線4は電極を包含してもよい。これにより、硬化膜により金属配線の電気的絶縁性を確保することが出来、硬化膜中に金属配線を延在させることにより、発光素子の一対の電極端子と駆動素子を電気的に接続させることにより発光動作を制御させることが出来る。また、硬化膜が高い光透過率を有することで、発光素子から発光した光の吸収を抑制することができ、光取り出し性を高めることが出来る。
金属配線4は導電膜27であってもよい。図30は金属配線4の代わりに導電膜27を使用した工程を示している。
表示装置の製造方法は、前記工程(D3)の後、前記工程(D4)の前に、前記樹脂膜の全領域に対して露光する工程(D6)を有してもよい。
現像後に露光することにより、(B)成分の架橋を促進するとともに、加熱処理後の有機酸の残存を少なくすることができ、引張強度を向上することができる。特に(B)成分として光酸発生剤を使用した場合、特に好ましい。
本発明の表示装置の製造方法は、前記工程(D1)の後、複数の前記発光素子の間に、前記発光素子の厚み以上の厚みを有する隔壁を設ける工程(D7)を有することが好ましい。
工程(D7)の一例を図12に示す。図12aは支持基板上に発光素子2の厚み以上の厚みを有する隔壁16を設ける工程(D7)であり、次の図12bは、発光素子2の厚み以上の厚みを有する隔壁の間に複数の発光素子2を設ける工程(D1)を示す。図12cは隔壁16を設けた状態のまま、図11bに示す工程(D2)と同様で樹脂膜21を配する工程である。以下の工程は図11に示した通りに進められる。隔壁としては(A)樹脂を用いてもよく、またエポキシ樹脂、(メタ)アクリルポリマ、ポリウレタン、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリシロキサンなど公知のものを用いてもよい。また遮光部や反射部を設けてもよい。
本発明の表示装置の製造方法は、前記工程(D4)の後、前記硬化膜上の一部に反射膜を設ける工程(D8)を有することが好ましい。
工程(D8)の一例を図13に示す。図13dは硬化膜3上の一部の領域に反射膜15を設ける工程(D8)を示す。
図13dまでの工程は図11cの工程(D4)までの工程と同じであり、次の図13eの工程は図11dと同じ金属配線4を形成する工程(D5)を示す。以降の工程は反射膜15を設けた状態のまま、図11に示した工程の順に進められる。反射膜はアルミニウムや銀、銅、チタンやそれらを含む合金などを用いて例えばスパッタリングなどの方法で形成される。また後に形成する金属配線と重ならないように、予めフォトレジストなどで該当部分を保護する、もしくは所定のマスクを用いてスパッタリングを行うことが好ましい。
本発明の表示装置の製造方法において、前記工程(D5)の後、さらに、駆動素子及び基板を有し、前記駆動素子は金属配線を通じて発光素子に接続され、さらに前記金属配線の少なくとも一部は、前記基板の側面に延在する工程(D9)を有することが好ましい。
工程(D9)の一例を図11に示す。図11hは駆動素子及び基板を有し、駆動素子は金属配線を通じて発光素子に接続される工程(D9)を示す。図11hのように金属配線4や4cを通じて駆動素子が発光素子2に接続されており、また金属配線4cの一部は発光素子駆動基板7の側面に延在している。なお、発光素子駆動基板7に貫通電極がある場合、その貫通電極を通じて駆動素子8と接続してもよい。
これにより、表示装置自体の低背化や高速応答性が向上し、さらに表示装置をより小型化、狭額縁化することができる。
金属配線4cは、例えば金や銀、銅、アルミニウム、ニッケル、チタン、タングステン、アルミニウム、スズ、クロム、またはこれらを含む合金などで構成することができる。基板または発光素子駆動基板7に既に配線がある場合は、その配線を使用してもよい。
本発明の表示装置の製造方法において、該当金属配線は導電膜であってもよい(D10)。
工程(D10)の一例を図24に示す。図24hは金属配線4や導電膜27を通じて駆動素子が発光素子2に接続されており、また導電膜27の一部は発光素子駆動基板7の側面に延在している。
これにより、表示装置自体の低背化や高速応答性が向上し、さらに表示装置をより小型化、狭額縁化することができる。
導電膜27としてはインジウム、ガリウム、亜鉛、スズ、チタン、およびニオブなどのうちの少なくとも1種の元素の酸化物を主成分として含む化合物や有機物および導電性粒子を含有する感光性導電ペーストなどが好ましい。
本発明の表示装置の製造方法は、さらに、複数の前記発光素子の間に、遮光層を有する工程(D11)を有することが好ましい。
工程(D11)の一例を図25に示す。図25aは複数の発光素子2の間に遮光層28を設ける工程(D11)を示す。また、遮光層28は発光素子2を形成する前に形成してもよく、発光素子2を形成した後形成してもよい。
遮光層28は、(A)樹脂および(E)着色材を含む樹脂組成物を硬化した硬化膜から構成されていてもよく、また(A)樹脂を含む樹脂組成物以外の材料から構成されてもよく、エポキシ樹脂、(メタ)アクリルポリマ、ポリウレタン、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリシロキサンなど公知のものを使用してもよい。(E)着色材としては、黒色顔料を用いてもよく、例えば、カーボンブラック、ペリレンブラック、アニリンブラック等の黒色有機顔料、グラファイト、およびチタン、銅、鉄、マンガン、コバルト、クロム、ニッケル、亜鉛、カルシウム、銀等の金属微粒子、金属酸化物、複合酸化物、金属硫化物、金属窒化物、金属酸窒化物等の無機顔料が挙げられる。また、赤色顔料および青色顔料や必要に応じて黄色顔料やその他の顔料を組み合わせて黒色としてもよい。また染料を用いてもよい。着色材は2種以上含有してもよい。
また、(A)樹脂および(E)着色材を含む樹脂組成物に感光性を付与してもよく、後述の(B)感光剤を用いてもよい。
遮光層の形成方法としては、感光性を有する場合はフォトリソ工程を使用してもよく、感光性を有さない場合は、遮光層上にフォトレジストを形成した後に、フォトリソ工程もしくはエッチング工程を使用してもよく、マスクを用いてエッチング工程を使用してもよい。得られたパターンを加熱処理(ポストベーク)することにより、パターニングされた着色膜を得ることができる。加熱処理は、空気中、窒素雰囲気下、および真空状態のいずれで行ってもよい。加熱温度は100~300℃が好ましく、加熱時間は0.25~5時間が好ましい。加熱温度を連続的に変化させてもよいし、段階的に変化させてもよい。
本発明の表示装置の製造方法は、少なくとも金属配線、硬化膜及び複数の発光素子を有する表示装置の製造方法であって、支持基板上に金属パッドを配置する工程(E1)、前記支持基板上および前記金属パッド上に、(A)樹脂を含む樹脂組成物からなる樹脂膜を形成する工程(E2)、前記樹脂膜に対して露光、現像することにより、前記樹脂膜に複数の貫通した開口パターン形成する工程(E3)、前記樹脂膜を硬化させ、引張強度が100MPa以上300MPa以下である前記硬化膜を形成する工程(E4)、前記硬化膜の表面の少なくとも一部及び前記硬化膜の前記開口パターンに前記金属配線を形成する工程(E5)、および、前記金属配線と電気的接続を保持するようにして前記硬化膜上に前記発光素子を配する工程(E6)、を有する。
図14に本発明の表示装置1の別の実施態様の作製工程断面図を示す。図11の工程と重複するところ、具体的には図14b~eは図11b~fと重複しているため、説明を省略している。
工程(E1)は、図14aに示すように、支持基板20上に金属パッド18を配置する工程である。
金属パッドとしては銅やアルニウムなどが挙げられる。
次に、工程(E2)は、図14bに示すように、支持基板20上および金属パッド18上に、(A)樹脂を含む樹脂組成物または樹脂シートを塗布またはラミネートして樹脂膜21を形成する工程である。
なお、支持基板上および金属パッド上とは、支持基板の表面や金属パッドの表面のみならず、支持基板や金属パッドの上側にあればよく、硬化膜や金属配線、反射膜、隔壁上に(A)樹脂を含む樹脂組成物または(A)樹脂を含む樹脂組成物から形成された樹脂シートを、塗布またはラミネートして樹脂膜を形成してもよい。
次に、工程(E3)は、図14cに示すように、フォトリソ工程を用いて、樹脂膜21に複数の貫通した開口パターン12を形成する工程である。
次に、工程(E4)は、図14cに示すように、樹脂膜21を硬化させることにより引張強度が100MPa以上300MPa以下である硬化膜3を形成する工程である。
続いて、図14cにおいて、硬化膜3と金属配線4との密着性を向上させるため、硬化膜3上にチタンなどのバリアメタルをスパッタリングし、さらにその上に銅シード(シード層)をスパッタリング法で形成する。
次に、工程(E5)は、図14dに示すように、フォトレジスト層(図示せず)を形成した後、銅などからなる金属配線4をめっき法等により硬化膜3の開口パターン12および硬化膜3の一部の表面上に形成する工程である。その後、不要なフォトレジストおよびシード層、バリアメタルを除去する。
本発明の表示装置の製造方法において、前記工程(E2)、前記工程(E3)、前記工程(E4)および前記工程(E5)を複数回繰り返し行い、硬化膜中に前記金属配線を有する前記硬化膜を複数層形成する工程を有することが好ましい。
図14b~dに示すように、硬化膜3および金属配線4は再度同様の方法で繰り返し実施することで図14eに示すように2層以上からなる硬化膜3を形成することができる。
次に、工程(E6)は、図14fに示すように、金属配線4と電気的接続を保持するようにして硬化膜3上に発光素子2を配する工程である。発光素子2の電極端子6と金属配線4は直接接続してもよく、例えば、はんだボールなどを介してもよい。
また、図14gに示すように、硬化膜3および発光素子2上に硬化膜22を形成する工程(E7)を有することが好ましい。硬化膜22としては、(A)樹脂を含む樹脂組成物を塗布、または(A)樹脂を含む樹脂組成物から構成される樹脂シートをラミネートして樹脂組成物からなる樹脂膜を形成し、硬化して硬化膜22を形成することが好ましい。また(A)樹脂および(B)感光剤を含む樹脂組成物以外の材料から構成されてもよく、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂など公知のものを使用してもよい。
硬化条件は、樹脂の種類により異なるが、例えば80℃~230℃、15分~5時間などが挙げられる。
これは、硬化膜および発光素子上に(A)樹脂を含む樹脂組成物からなる樹脂膜を形成し、硬化して硬化膜を形成することで、発光素子の保護や平坦化を目的としている。
その後、図14hに示すように、硬化膜22に対して、接着剤等を用いて対向基板5を貼り合わせる。また、支持基板20を剥離し、バリアメタル9とバンプ10を形成し、はんだバンプ10を介してドライバーICなど駆動素子8を付加した発光素子駆動基板7に電気的に接続される。
駆動素子8は硬化膜3中に延在した金属配線4を介して発光素子2と電気的に接続することにより、複数の発光素子2を有する表示装置1を得る。なお、金属配線4は電極を包含してもよい。
これにより、硬化膜により金属配線の電気的絶縁性を確保することが出来、硬化膜中に金属配線を延在させることにより、発光素子の一対の電極端子と駆動素子を電気的に接続させることにより発光動作を制御させることが出来る。また、硬化膜が高い光透過率を有することで、発光素子から発光した光の吸収を抑制することができ、光取り出し性を高めることが出来る。
金属配線4は導電膜27であってもよい。図31は金属配線4の代わりに導電膜27を使用した工程を示している。
本発明の表示装置の製造方法は、前記工程(E3)の後、前記工程(E4)の前に、前記樹脂層の全領域に対して露光する工程(E8)を有することが好ましい。
現像後に樹脂層を露光することにより、(B)成分の架橋を促進するとともに、加熱処理後の有機酸の残存を少なくすることができ、引張強度を向上することができる。特に(B)成分として光酸発生剤を使用した場合、特に好ましい。
本発明の表示装置の製造方法は、前記工程(E5)の後、前記発光素子の厚み以上の厚みを有する隔壁を設ける工程(E9)を有することが好ましい。
工程(E9)の一例を図15に示す。図15fは、図14eに示す硬化膜3を複数層形成した後に、隔壁16を設ける工程(E9)を示す。その後、図15gに示すように隔壁16の間に発光素子2を設け、次に、図15hに示すように隔壁16と発光素子2の上部に対向基板5を貼り合わせるとともに、支持基板20を剥離し、バリアメタル9とバンプ10を形成し、はんだバンプ10を介してドライバーICなど駆動素子8を有する発光素子駆動基板7に電気的に接続される。
表示装置の製造方法において、前記工程(E6)の前で、前記工程(E5)の後に、前記硬化膜上の一部に反射膜を設ける工程(E10)を有することが好ましい。
工程(E10)の一例を図16に示す。図16fは、図14eに示す硬化膜3を複数層形成した後に、反射膜15を設ける工程(E10)を示す。以降の工程は反射膜15を設けた状態のまま、図14f、図14gおよび図14hに示した工程の順に進められる。
本発明の表示装置の製造方法は、前記工程(E7)の後、さらに、駆動素子及び基板を有し、前記駆動素子は金属配線を通じて発光素子に接続され、さらに前記金属配線の少なくとも一部は、前記基板の側面に延在する工程(E11)を有することが好ましい。
工程(E11)の一例を図14に示す。図14hは駆動素子及び基板を有し、駆動素子は金属配線を通じて発光素子に接続される工程(E11)を示す。図14hのように金属配線4や4cを通じて駆動素子が発光素子2に接続されており、また金属配線4cの一部は発光素子駆動基板7の側面に延在している。なお、発光素子駆動基板7に貫通電極がある場合、その貫通電極を通じて駆動素子8と接続してもよい。
これにより、表示装置自体の低背化や高速応答性が向上し、さらに表示装置をより小型化、狭額縁化することができる。
金属配線4cは、例えば金や銀、銅、アルミニウム、ニッケル、チタン、タングステン、アルミニウム、スズ、クロム、またはこれらを含む合金などで構成することができる。基板または発光素子駆動基板7に既に配線がある場合は、その配線を使用してもよい。
表示装置の製造方法において、該金属配線は導電膜であってもよい(E12)。
工程(E12)の一例を図26に示す。図26hは金属配線4や導電層27を通じて駆動素子が発光素子2に接続されており、また導電膜27の一部は発光素子駆動基板7の側面に延在している。
これにより、表示装置自体の低背化や高速応答性が向上し、さらに表示装置をより小型化、狭額縁化することができる。
導電膜27としてはインジウム、ガリウム、亜鉛、スズ、チタン、およびニオブなどのうちの少なくとも1種の元素の酸化物を主成分として含む化合物有機物および導電性粒子を含有する感光性導電ペーストなどが好ましい。
本発明の表示装置の製造方法は、少なくとも配線、硬化膜及び複数の発光素子を有する表示装置の製造方法であって、基板などの上に(A)樹脂を含む樹脂組成物からなる樹脂膜を形成する工程(F1)、前記樹脂膜に対して露光、現像することにより、前記樹脂膜に複数の貫通した開口パターン形成する工程(F2)、前記硬化膜の引張強度が100MPa以上300MPa以下である前記硬化膜を形成する工程(F3)、前記硬化膜の表面の少なくとも一部及び前記硬化膜の前記開口パターンの一部に前記配線を形成する工程(F4)、前記配線と電気的接続を保持するようにして前記硬化膜上に前記発光素子を配する工程(F5)、を有してもよい。
図27に本発明の表示装置1の別の実施態様の作製工程断面図を示す。
工程(F1)は、図27aに示すように、基板などの上に(A)樹脂を含む樹脂組成物からなる樹脂膜を形成する工程である。(A)樹脂を含む樹脂組成物または(A)樹脂を含む樹脂組成物から形成された樹脂シートを、塗布またはラミネートして樹脂膜を形成してもよい。
基板としては発光素子駆動基板7を用いることができる。図27aにガラス基板上にTFT23、絶縁膜24、金属配線4を配したTFTアレイ基板を1例として示す。
金属配線4としては、例えば、金や銀、銅、アルミニウム、ニッケル、チタン、モリブデンやこれらを含む合金などが挙げられる。絶縁膜24としては、特に限定しないが、例えばシリコン酸化膜やシリコン窒化膜、有機物からなる絶縁膜などが挙げられる。
次に、工程(F2)は、図27aに示すように、フォトリソ工程を用いて、樹脂膜に複数の貫通した開口パターンを形成する工程である。
次に、工程(F3)は、図27aに示すように、樹脂膜を硬化させることにより引張強度が100MPa以上300MPa以下である硬化膜3を形成する工程である。
次に、工程(F4)は、図27bに示すように、硬化膜の表面の少なくとも一部及び前記硬化膜の前記開口パターンの一部に配線を形成する工程である。フォトレジスト層(図示せず)を形成した後、例えば、配線25をスパッタリング法等により硬化膜3の一部の表面上に形成する工程である。その後、不要なフォトレジストを除去する。
配線としては、金属配線やインジウム、ガリウム、亜鉛、スズ、チタン、およびニオブなどのうちの少なくとも1種の元素の酸化物を主成分として含む化合物や有機物および導電性粒子を含有する感光性導電ペーストなどが挙げられるが、その他公知のものを使用してもよい。
本発明の表示装置の製造方法は、前記工程(F1)、前記工程(F2)、前記工程(F3)および前記工程(F4)を複数回繰り返し行い、硬化膜中に前記配線を有する前記硬化膜を複数層形成する工程を有することが好ましい。
硬化膜3は再度同様の方法で繰り返し実施することで図27cに示すように2層以上からなる硬化膜3を形成することができる。
次に、工程(F5)は、図27dに示すように、配線25と電気的接続を保持するようにして硬化膜3上に発光素子2を配する工程である。発光素子2の電極端子6と配線25は直接接続してもよく、例えば、はんだボールなどを介してもよい。
発光素子2を配する前、もしくは後に隔壁16を形成してもよい。
その後、図27eに示すように、接着剤等を用いて対向基板5を貼り合わせる。また、導電膜27を形成し、導電膜27を通じてドライバーICなど駆動素子8は硬化膜3中に延在した金属配線4や配線25を介して発光素子2と電気的に接続することにより、複数の発光素子2を有する表示装置1を得る。なお、配線25は電極も包含する。
これにより、硬化膜により配線の電気的絶縁性を確保することが出来、硬化膜中に配線を延在させることにより、発光素子の一対の電極端子と駆動素子を電気的に接続させることにより発光動作を制御させることが出来る。また、硬化膜が高い光透過率を有することで、発光素子から発光した光の吸収を抑制することができ、光取り出し性を高めることが出来る。
本発明の表示装置は各種LEDディスプレイ等表示装置や車載用の各種ランプ等に好適に用いられる。
以下、実施例等をあげて本発明を説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。
なお、実施例中の表示装置や表示装置に用いた樹脂組成物からなる硬化膜の評価は以下の方法により行った。
<硬化膜の引張強度の評価方法>
樹脂組成物からなるワニスを8インチのシリコンウエハ上に、120℃で3分間のプリベーク後の膜厚が11μmとなるように塗布現像装置ACT-8を用いてスピンコート法で塗布およびプリベークした後、イナートオーブンCLH-21CD-S(光洋サーモシステム(株)製)を用いて、酸素濃度20ppm以下で3.5℃/分で昇温し、表2の硬化温度で1時間加熱処理を行なった。温度が50℃以下になったところでウエハを取り出し、徐冷した後、45質量%のフッ化水素酸に5分間浸漬することで、ウエハから樹脂組成物の膜を剥がした。
この膜を幅1cm、長さ3cmの短冊状に切断し、テンシロンRTM-100((株)オリエンテック製)を用いて、室温23.0℃、湿度45.0%RH下で引張速度5mm/分で引っ張り、引張強度の測定を行なった。測定は1検体につき10枚の短冊について行ない、結果から上位5点の平均値を求めた。得られた平均の値を膜強度とした。なお、プリベーク後の膜厚は、大日本スクリーン製造(株)製光干渉式膜厚測定装置ラムダエースSTM-602を使用し、屈折率を1.629として測定し、硬化膜の膜厚は屈折率1.629で測定した。
<信頼性試験後の不良率の評価方法>
下記実施例、比較例に記載の10個の発光素子を有する表示装置について、各10個用意し、これらの表示装置を、信頼性試験として、熱サイクル試験機(以下TC装置)(タバイ・エスペック(株)製)を用いて、-45℃で15分間、125℃で15分間を1サイクルとして500サイクルの処理を行った後、目視での点灯検査を行った。10個の表示装置について、点灯しなかった発光素子の個数の比率を不良率として評価した。
<樹脂組成物からなる硬化膜の開口パターン形状評価>
ワニスを作製して8インチのシリコンウエハ上に、加熱処理後の膜厚が5μmとなるよう、塗布現像装置ACT-8(東京エレクトロン(株)製)を用いてスピンコート法で塗布およびプリベークを行い、プリベーク膜を作製した。プリベークは120℃で3分間行った。その後、i線ステッパー((株)ニコン製、NSR-2205i14)を用いてそれぞれ50~1000mJ/cmの露光量にて露光した。露光に用いた円形パターンのサイズは5~30μmである。露光後、2.38質量%のテトラメチルアンモニウム(TMAH)水溶液(多摩化学工業製)を用いて、現像前後の未露光部の膜厚変化が1.0~1.5μmとなるような条件で現像し、次いで純水でリンスし、振り切り乾燥をし、パターン形成膜を得た。もしくはシクロペンタノンを用いて現像し、振り切り乾燥をし、パターン形成膜を得た。非感光性材料の場合は、露光前にフォトレジストを形成した後、露光、現像を行い、現像後にフォトレジストを除去した。なお、プリベーク後および現像後の膜厚は、大日本スクリーン製造(株)製光干渉式膜厚測定装置ラムダエースSTM-602を使用し、屈折率を1.629として測定した。
現像後、イナートオーブンCLH-21CD-S(光洋サーモシステム(株)製)を用いて、窒素気流下において酸素濃度20ppm以下で50℃から3.5℃/分で、100℃まで昇温し、続けて100℃で30分加熱処理を行った。その後3.5℃/分で、230℃まで昇温し、続けて、1時間加熱処理を行ない、パターン形成膜を硬化させて硬化膜を得た。
温度が50℃以下になったところでウエハを取り出した後、ウエハを割断し、5~30μmの円形パターン断面形状を走査型電子顕微鏡S-4800(日立ハイテク製)を用いて観察、測定した。なお、硬化膜の厚み方向において1/2とした位置での開口パターンと底部の開口パターンを直線で結んだものを傾斜辺として傾斜辺の角度を求めた。
その結果、傾斜辺の角度が50°以上80°以下のものをレベルA、40°以上50°未満または80°より大きく85°以下のものをレベルB、40°未満または85°より大きいものをレベルCと評価した。
<合成例1 ヒドロキシル基含有ジアミン化合物の合成>
2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン(セントラル硝子(株)製、以下、BAHFとする)18.3g(0.05モル)をアセトン100mLおよびプロピレンオキシド(東京化成(株)製)17.4g(0.3モル)に溶解させ、-15℃に冷却した。ここに3-ニトロベンゾイルクロリド(東京化成(株)製)20.4g(0.11モル)をアセトン100mLに溶解させた溶液を滴下した。滴下終了後、-15℃で4時間撹拌し、その後室温に戻した。析出した白色固体をろ別し、50℃で真空乾燥した。
得られた白色固体30gを300mLのステンレスオートクレーブに入れ、メチルセルソルブ250mLに分散させ、5%パラジウム-炭素(和光純薬(株)製)を2g加えた。ここに水素を風船で導入して、還元反応を室温で行った。約2時間後、風船がこれ以上しぼまないことを確認して反応を終了させた。反応終了後、濾過して触媒であるパラジウム化合物を除き、ロータリーエバポレーターで濃縮し、下記式で表されるヒドロキシル基含有ジアミン化合物を得た。
Figure 2022069416000013
<合成例2 ポリベンゾオキサゾール前駆体(A-1)の合成>
乾燥窒素気流下、4,4’-ジアミノジフェニルエーテル(以下、4,4’-DAEと呼ぶ)1.5g(0.0075モル)、BAHF12.8g(0.035モル)、RT-1000(HUNTSMAN(株)製)5.0g(0.0050モル)をNMP100gに溶解させた。ここに、ドデカン酸ジイミダゾール(7.4g、0.023モル)、1,1’-(4,4’-オキシベンゾイル)ジイミダゾール(以下、PBOMとする)(8.1g、0.023モル)をNMP25gとともに加えて、85℃で3時間反応させた。次に、1,3-ビス(3-アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン(以下、SiDAとする)0.6g(0.0025モル)、4,4’-オキシジフタル酸無水物(以下、ODPAと呼ぶ)0.8g(0.0025モル)、5-ノルボルネン-2,3-ジカルボン酸無水物(以下、NAとする)0.8g(0.0050モル)をNMP25gとともに加えて、85℃で1時間反応させた。反応終了後、室温まで冷却し、酢酸13.2g(0.25モル)をNMP25gとともに加えて、室温で1時間攪拌した。攪拌終了後、溶液を水1.5Lに投入して白色沈殿を得た。この沈殿を濾過で集めて、水で3回洗浄した後、50℃の通風乾燥機で3日間乾燥し、ポリベンゾオキサゾール前駆体(A-1)の粉末を得た。
<合成例3 ポリベンゾオキサゾール前駆体(A-2)の合成>
乾燥窒素気流下、BAHF27.5g、(0.075モル)をNMP257gに溶解させた。ここに、PBOM17.2g(0.048モル)をNMP20gとともに加えて、85℃で3時間反応させた。続いて、RT-100020.0g(0.02モル)、SiDA1.2g(0.005モル)、PBOM14.3g(0.04モル)をNMP50gとともに加えて、85℃で1時間反応させた。さらに、末端封止剤として、NA3.9g(0.024モル)をNMP10gとともに加えて、85℃で30分反応させた。反応終了後、室温まで冷却し、酢酸52.8g(0.50モル)をNMP87gとともに加えて、室温で1時間撹拌した。撹拌終了後、溶液を水3Lに投入して白色沈殿を得た。この沈殿を濾過で集めて、水で3回洗浄した後、50℃の通風乾燥機で3日間乾燥し、ポリベンゾオキサゾール前駆体(A-2)の粉末を得た。
<合成例4 ポリイミド前駆体(A-3)の合成>
乾燥窒素気流下、合成例1で得られたヒドロキシル基含有ジアミン51.9g(0.086モル)およびSiDA1.0g(0.004モル)をNMP200gに溶解した。ここにODPA31.0g(0.10モル)を加え、40℃で2時間撹拌した。そして末端封止剤として3-アミノフェノール(東京化成工業(株)製)1.1g(0.01モル)をNMP10gとともに加えて、40℃で1時間反応させた。その後、ジメチルホルアミドジメチルアセタール(三菱レーヨン(株)製、以下、DFAとする)7.1g(0.06モル)をNMP5gで希釈した溶液を滴下した。滴下後、40℃で2時間撹拌を続けた。撹拌終了後、溶液を水2Lに投入して、ポリマー固体の沈殿をろ過で集めた。さらに水2Lで3回洗浄を行い、集めたポリマー固体を50℃の真空乾燥機で72時間乾燥し、ポリイミド前駆体(A-3)を得た。
<合成例5 ポリイミド前駆体(A-4)の合成>
乾燥窒素気流下、合成例1で得られたヒドロキシル基含有ジアミン41.1g(0.068モル)、RT-1000 18.0g(0.018モル)およびSiDA1.0g(0.004モル)をNMP200gに溶解した。ここにODPA31.0g(0.10モル)を加え、40℃で2時間撹拌した。そして末端封止剤として3-アミノフェノール1.1g(0.01モル)をNMP10gとともに加えて、40℃で1時間反応させた。その後、DFA6.0g(0.05モル)をNMP5gで希釈した溶液を滴下した。滴下後、40℃で2時間撹拌を続けた。撹拌終了後、溶液を水2Lに投入して、ポリマー固体の沈殿をろ過で集めた。さらに水2Lで3回洗浄を行い、集めたポリマー固体を50℃の真空乾燥機で72時間乾燥し、ポリイミド前駆体(A-4)を得た。
<合成例6 ポリイミド(A-5)の合成>
乾燥窒素気流下、BAHF29.3g(0.08モル)、SiDA1.2g(0.005モル)、末端封止剤として、3-アミノフェノール3.3g(0.03モル)をNMP80gに溶解させた。ここにODPA31.2g(0.1モル)をNMP20gとともに加えて、60℃で1時間反応させ、次いで180℃で4時間撹拌した。撹拌終了後、溶液を水3Lに投入して白色沈殿を得た。この沈殿を濾過で集めて、水で3回洗浄した後、80℃の真空乾燥機で20時間乾燥し、ポリイミド(A-5)の粉末を得た。
<合成例7 カルド樹脂(A-6)の合成>
乾燥窒素気流下、還流冷却器付き四つ口フラスコ中にビスフェノールフルオレン型エポキシ樹脂とアクリル酸との等当量反応物(新日鐵化学社製、製品名「ASF-400」溶液)の50%PGMEA溶液198.53gと、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物39.54g(0.12モル)、コハク酸無水物8.13g(0.08モル)、PGMEA48.12g及びトリフェニルホスフィン0.45gを仕込み、120~125℃に加熱下に1時間撹拌し、更に75~80℃で6時間の加熱撹拌を行い、その後、グリシジルメタクリレート8.6gを投入し、更に80℃で8時間攪拌し、環状構造を構成している4級炭素原子に二つの環状構造が結合した骨格構造を有する樹脂(A-6)を得た。
<合成例8 ポリイミド前駆体(A-7)の合成>
乾燥窒素気流下、1,4-パラフェニレンジアミン3.2g(0.03モル)および4,4‘-DAE12.0g(0.06モル)をNMP200gに溶解した。ここにODPA31.0g(0.10モル)を加え、40℃で2時間撹拌した。そして末端封止剤として3-アミノフェノール(東京化成工業(株)製)1.1g(0.01モル)をNMP10gとともに加えて、40℃で1時間反応させた。その後、DFA7.1g(0.06モル)をNMP5gで希釈した溶液を滴下した。滴下後、40℃で2時間撹拌を続けた。撹拌終了後、溶液を水2Lに投入して、ポリマー固体の沈殿をろ過で集めた。さらに水2Lで3回洗浄を行い、集めたポリマー固体を50℃の真空乾燥機で72時間乾燥し、ポリイミド前駆体(A-7)を得た。
<合成例9 ポリイミド前駆体(A-8)の合成>
ODPA155.1g(0.50モル)を2リットル容量のセパラブルフラスコに入れ、2-ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)134.0g(1.00モル)及びγ―ブチロラクトン(以下、GBLとも呼ぶ)400gを加えた。室温下で攪拌しながら、ピリジン79.1gを加えることにより、反応混合物を得た。反応による発熱の終了後、室温まで放冷し、更に16時間静置した。
次に、氷冷下において、反応混合物に、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)206.3g(1.00モル)をγ-ブチロラクトン180gに溶解した溶液を、攪拌しながら40分かけて加えた。続いて、1,4-パラフェニレンジアミン16.2g(0.15モル)および4,4‘-DAE60.1g(0.30モル)をγ-ブチロラクトン350gに懸濁した懸濁液を、攪拌しながら60分かけて加えた。更に室温で2時間攪拌した後、エチルアルコール30mlを加えて1時間攪拌した。その後、γ-ブチロラクトン400gを加えた。反応混合物に生じた沈殿物を、ろ過により取り除き、反応液を得た。
反応液を水3Lに投入して白色沈殿を得た。この沈殿を濾過で集めて、水で2回洗浄した後、イソプロパノールで1回洗浄した後に50℃の真空乾燥機で72時間乾燥し、ポリイミド前駆体(A-8)を得た。
<合成例10 ポリヒドロキシスチレン樹脂(A-10)の合成>
テトラヒドロフラン500ml、開始剤としてsec-ブチルリチウム0.01モルを加えた混合溶液に、p-t-ブトキシスチレン20gを添加し、3時間撹拌しながら重合させた。重合停止反応は反応溶液にメタノール0.1モルを添加して行った。次にポリマーを精製するために反応混合物をメタノール中に注ぎ、沈降した重合体を乾燥させたところ白色重合体が得られた。更に、アセトン400mlに溶解し、60℃で少量の濃塩酸を加えて7時間撹拌後、水に注ぎ、ポリマーを沈澱させ、p-t-ブトキシスチレンを脱保護してヒドロキシスチレンに変換し、洗浄乾燥したところ、精製されたp-ヒドロキシスチレン樹脂(A-10)を得た。
<合成例11 感光剤(キノンジアジド化合物)の合成(B-1)>
乾燥窒素気流下、4,4’-[1-[4-[1-(4-ヒドロキシフェニル-1)-1-メチルエチル]フェニル]エチリデン]ビスフェノール(本州化学工業(株)製、以下TrisP-PAとする)、21.2g(0.05モル)と5-ナフトキノンジアジドスルホン酸クロリド(東洋合成(株)製、NAC-5)26.8g(0.10モル)をγ-ブチロラクトン450gに室温において溶解させた。ここに、γ-ブチロラクトン50gと混合したトリエチルアミン12.7gを、系内が35℃以上にならないように滴下した。滴下後40℃で2時間撹拌した。トリエチルアミン塩を濾過し、濾液を水に投入した。その後、析出した沈殿を濾過で集め、さらに1%塩酸水1Lで洗浄した。その後、さらに水2Lで2回洗浄した。この沈殿を真空乾燥機で乾燥し、下記式で表されるキノンジアジド化合物(B-1)を得た。
Figure 2022069416000014
<合成例12 感光剤(キノンジアジド化合物)の合成(B-2)>
乾燥窒素気流下、TrisP-PA21.2g(0.05モル)と4-ナフトキノンジアジドスルホン酸クロリド(東洋合成(株)製、NAC-5)26.8g(0.10モル)をγ-ブチロラクトン450gに室温において溶解させた。ここに、γ-ブチロラクトン50gと混合したトリエチルアミン12.7gを、系内が35℃以上にならないように滴下した。滴下後40℃で2時間撹拌した。トリエチルアミン塩を濾過し、濾液を水に投入した。その後、析出した沈殿を濾過で集め、さらに1%塩酸水1Lで洗浄した。その後、さらに水2Lで2回洗浄した。この沈殿を真空乾燥機で乾燥し、下記式で表されるキノンジアジド化合物(B-2)を得た。
Figure 2022069416000015
<合成例13:アクリル樹脂(A-11)の合成>
窒素雰囲気の反応容器中に、150gのジメチルアミノメタノール(以下、「DMEA」;東京化成工業(株)製)を仕込み、オイルバスを用いて80℃まで昇温した。これに、20gのエチルアクリレート(以下、「EA」)、40gのメタクリル酸2-エチルヘキシル(以下、「2-EHMA」)、20gのスチレン(以下、「St」)、15gのアクリル酸(以下、「AA」)、0.8gの2,2’-アゾビスイソブチロニトリル及び10gのDMEAからなる混合物を、1時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに80℃、窒素雰囲気下で6時間重合反応を行った。その後、1gのハイドロキノンモノメチルエーテルを添加して、重合反応を停止した。引き続き、5gのグリシジルメタクリレート(以下、「GMA」)、1gのトリエチルベンジルアンモニウムクロライド及び10gのDMEAからなる混合物を、0.5時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに80℃、窒素雰囲気下で2時間付加反応を行った。得られた反応溶液をメタノールで精製して未反応不純物を除去し、さらに24時間真空乾燥し、共重合比率(質量基準):EA/2-EHMA/St/GMA/AA=20/40/20/5/15のアクリル樹脂(A-12)を得た。得られた樹脂(A-11)の酸価は103mgKOH/gであった。
<合成例14 アクリル樹脂(A-12)の合成>
特許第3120476号明細書の実施例1に記載の方法により、メチルメタクリレート/メタクリル酸/スチレン共重合体(重量比30/40/30)を合成した。得られた共重合体100重量部に対し、グリシジルメタクリレート40重量部を付加させ、精製水で再沈し、濾過および乾燥することにより、重量平均分子量15,000、酸価110mgKOH/gのアクリル樹脂(A-12)を得た。
<調製例1 感光性導電ペースト1の調製>
100mLクリーンボトルに、樹脂として10.0gの樹脂(A-11)、光重合開始剤として0.50gの“IRGACURE(登録商標)”OXE-01(チバジャパン(株)製)、溶剤として5.0gのDMEA及び不飽和二重結合を有する化合物として2.0gの“ライトアクリレート(登録商標)”BP-4EA(共栄社化学(株)製)を入れ、自転-公転真空ミキサー「あわとり錬太郎ARE-310」((株)シンキー製)を用いて混合して、17.5gの樹脂溶液(固形分71.4質量%)を得た。
得られた17.50gの樹脂溶液と、44.02gの平均粒子径1.0μmの銀粒子と、0.28gの平均粒子径0.05μmのカーボンブラックを混合し、3本ローラーミル「EXAKT M-50」(EXAKT社製)を用いて混練し、61.8gの感光性導電ペースト1を得た。なお、銀粒子、カーボンブラックの平均粒子径は、電子顕微鏡(SEM)を用いて、倍率10000倍、視野幅12μmで各粒子を観察し、無作為に選択した40個の銀粒子およびカーボンブラックの一次粒子について、それぞれの最大幅を測定し、それらの数平均値を算出した。
<調製例2 着色材分散液(DC-1)の製造>
着色材として、熱プラズマ法により製造したジルコニア化合物粒子Zr-1(日清エンジニアリング(株)製)を用いた。Zr-1 200g、アクリルポリマー(P-1)のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)35重量%溶液114g、高分子分散剤として3級アミノ基と4級アンモニウム塩を有する“DISPERBYK(登録商標)”LPN-2111625gおよびPGMEA661gをタンクに仕込み、ホモミキサーで20分撹拌し、予備分散液を得た。0.05mmφジルコニアビーズを75体積%充填した遠心分離セパレーターを具備した寿工業(株)製分散機ウルトラアペックスミルに、得られた予備分散液を供給し、回転速度8m/sで3時間分散を行い、固形分濃度25重量%、着色材/樹脂(重量比)=80/20の着色材分散液(DC-1)を得た。
<調製例3 感光性着色樹脂組成物1の調製>
283.1gの着色材分散液(DC-1)に、樹脂(A-12)のPGMEA35重量%溶液を184.4g、多官能モノマーとしてジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(日本化薬(株)製)を50.1g、光重合開始剤として“Irgacure(登録商標)”907(BASF社製)を7.5gおよび“KAYACURE(登録商標)”DETX-S(日本化薬(株)製)を3.8g、密着改良剤としてKBM5103(信越化学(株)製)を12.0g、界面活性剤としてシリコーン系界面活性剤“BYK(登録商標)”333(ビックケミー社製)のPGMEA10重量%溶液3gを456.1gのPGMEAに溶解した溶液を添加して、全固形分濃度20重量%、着色材/樹脂(重量比)=30/70の感光性着色樹脂組成物1を得た。
<調製例4 着色材分散液(DC-2)の製造>
特表2008-517330号公報に記載の方法により、スルホン酸基を表面に修飾したカーボンブラック(CB-Bk1)の表面元素組成としては(C:88%、O:7%、Na:3%、S:2%)であり、S元素の状態としては、S2pピーク成分のうちC-S及びS-Sに帰属される成分が90%、SO及びSOに帰属される成分は10%であり、BET値は54m/gであった。
このカーボンブラックCB-Bk1を(200g)、アクリル樹脂(A-12)のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート40質量%溶液(94g)、高分子分散剤としてビックケミー・ジャパンLPN21116、40質量%溶液(31g)及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(675g)をタンクに仕込み、ホモミキサー(特殊機化製)で1時間撹拌し、予備分散液を得た。その後0.05mmφジルコニアビーズ(ニッカトー製YTZボール)を70%充填した遠心分離セパレーターを具備したウルトラアペックスミル(寿工業製)に予備分散液を供給し、回転速度8m/sで2時間分散を行い、固形分濃度25質量%、顔料/樹脂(質量比)=80/20の着色分散液DC-2を得た。
<調製例5 感光性着色樹脂組成物2の調製>
534.8gの着色材分散液(DC-2)に、樹脂(A-12)のPGMEA40質量%溶液を122.1g、多官能モノマーとしてジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(日本化薬(株)製)を47.3g、光重合開始剤として“アデカクルーズ”NCI-831(ADEKA(株)社製)を11.8g、密着改良剤としてKBM5103(信越化学(株)製)を12.0g、界面活性剤としてシリコーン系界面活性剤“BYK(登録商標)”333(ビックケミー社製)のPGMEA10質量%溶液4gを194.0gのPGMEAに溶解した溶液を添加して、全固形分濃度25質量%、着色材/樹脂(重量比)=45/55の感光性着色樹脂組成物2を得た。
実施例、比較例に用いた(A-9)成分、(B-3)成分、(C-1)成分、(C-2)成分、その他成分を以下に示す。
(A-9)フェノール樹脂MEHC-7851(明和化成(株)製)、(C-1)HMOM(本州化学工業(株)製)、(C-2)YX4000H(三菱ケミカル(株))成分:下記構造である。
Figure 2022069416000016
(B-3):光重合開始剤NCI-831(株式会社ADEKA製)
その他成分:
(F-1):ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA、共栄社(株)製)
(F-2):2,4-ジエチルチオキサントン(KAYACURE DETX-S、日本化薬(株)製))
(F-3):2,5-ビス(1,1,3,3-テトラメチルブチル)ヒドロキノン(DOHQ、和光純薬工業(株)製))
溶媒:
GBL:ガンマブチロラクトン
PGMEA:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
表1に(A)樹脂、(B)感光剤及び(C)熱架橋剤などから構成される樹脂組成物の配合処方を示す。樹脂組成物1-15は、表1に記載の溶媒を用いて固形分濃度40質量%となるように調製した。また、表2-1、表2-2に実施例で使用した樹脂組成物、樹脂組成物の硬化膜の絶硬化膜の引張強度(MPa)、硬化温度(℃)、硬化膜の全体の厚み(μm)、硬化膜の層数、硬化膜を加工した開口パターンの形状と長さ、工程(D6)または工程(E8)の有無、及び表示装置からの光取り出し効率、開口パターンの傾斜辺の角度を示す。
Figure 2022069416000017
Figure 2022069416000018
Figure 2022069416000019
評価レベル(1)について、各10個の表示装置の不良率が0.25以下かつ、開口パターンの最長長さが5μm以下のものをレベルA、表示装置の不良率が0.25よりも大きく0.35以下かつ、開口パターンの最長長さが5μm以下のものをレベルB、表示装置の不良率が0.35以下かつ、開口パターンの最長長さが5μmよりも大きく20μm以下のものをレベルC、表示装置の不良率が0.35以下かつ、開口パターンの最長長さが20μmより大きく25μm以下のものをレベルD、表示装置の不良率が0.35よりも大きく0.45以下をレベルE、表示装置の不良率が0.45を超えるものをレベルFとした。レベルA~レベルEは実使用上問題ないレベルであり、レベルFは表示装置の不良率が高く実使用上問題あるレベルである。
評価レベル(2)について、傾斜辺の角度が55°以上80°以下のものをレベルA、40°以上55°未満または80°より大きく85°以下のものをレベルB、40°未満または85°より大きいものをレベルCと評価した。
(実施例1)(図11の構成)
図11の作製工程断面図に従って本発明の表示装置の実施例を説明する。
図11aに示すように、支持基板20はガラス基板を使用した。ガラス基板上にはポリイミドからなる仮貼り材料を配置し、支持基板20上に発光素子であるLED2を配置した(工程(D1)に相当)。LED2の厚みは7μm、1辺の長さが30μm、もう1辺の長さが50μmであった。
次に、図11bに示すように、支持基板20上および発光素子2上に、表1に記載の樹脂組成物1を加熱処理後10μmとなるように塗布し、樹脂膜21を形成した(工程(D2)に相当)。
次に、図11cに示すように、樹脂膜21上に所望のパターンを有するマスクを通してi線(365nm)を照射した。露光された樹脂膜21を、2.38質量%のテトラメチルアンモニウム(TMAH)水溶液を用いて現像し、樹脂膜21の厚さ方向に貫通する複数の開口パターン12をパターン形成した(工程(D3)に相当)。開口パターンの形状は円形で、開口パターンのうち、最も小さい領域での底面部の最長長さは直径2μmであった。
次に、樹脂膜21を酸素濃度100ppm以下の雰囲気下で、110℃で30分加熱処理した後、さらに230℃60分熱処理して、硬化させることにより厚み10μmの硬化膜3を形成した(工程(D4)に相当)。樹脂膜21はそのまま硬化して硬化膜3となる。
次に、図11dに示すように、硬化膜3上にチタンのバリアメタルをスパッタリングし、さらにその上に銅のシード層をスパッタリング法で形成した。そのあと、フォトレジスト層を形成した後、めっき法により、LED2と電気的に接続される銅からなる金属配線4を硬化膜3の開口パターン12及び硬化膜3の一部の表面上に形成し、その後、フォトレジストおよびシード層、バリアメタルを除去した(工程(D5)に相当)。硬化膜3の一部の表面上に形成した金属配線4aの厚みは5μmであった。
その後、図11e~fのように、工程(D2)、工程(D3)、工程(D4)および工程(D5)を2回繰り返し行い、硬化膜3を3層形成した。その結果、3層の硬化膜3全体の厚みは30μmであった。
その後、図11gにおいて硬化膜3の開口パターン12にバリアメタル9をスパッタリング法で形成し、はんだバンプ10を形成した。その後、図11hに示すように、250℃、1分ではんだをリフローさせ、はんだバンプ10を介して駆動素子8dであるドライバーICを有する発光素子駆動基板7に電気的に接続させ、その後、支持基板20を剥離し、対向基板5を、接着剤等を用いて貼り合わせることにより、複数のLED2を有する表示装置1を得た。
(実施例2)
実施例1の樹脂組成物1を樹脂組成物2からなる樹脂シートに変更し、ラミネートにより樹脂膜21を形成した以外は実施例1と同様の方法で行い、表示装置2を得た。
(実施例3~12)
実施例1の樹脂組成物1を樹脂組成物3~12に変更した以外は実施例1と同様の方法で行い、表示装置3~12を得た。
(実施例13)
実施例13は、実施例2において、さらに、工程(D3)の後、工程(D4)の前に、工程(D3)で得られた開口パターン12をパターン形成した樹脂膜21の全領域に対してi線(365nm)を照射する工程(D6)を付加した以外は実施例2と同様の方法で行い、表示装置13を得た。
(実施例14)
図12aに示すように、支持基板20の上に隔壁16を形成した(工程D7に相当)。次に図12bに示すように、隔壁16の間にLED2を形成した(工程(D1に相当))。それ以外は、実施例3と同様な工程で表示装置14を製造した。なお、LED2の厚みは7μmであり、隔壁16の厚みは10μmで形成した。隔壁16は公知の白色顔料を含むアクリル樹脂を用いた。
(実施例15)
図13dに示すように、実施例3と同様な方法で、図11cに示す硬化膜を形成した工程(D4)のあとに、後で形成される金属配線4を避けるようにして所定の位置にアルミニウムをスパッタ法により0.2μmの厚さに形成し、反射膜15を設けた(工程(D8))。それ以外は、実施例3と同様な工程で表示装置15を製造した。
(実施例16)
図14の作製工程断面図に従って本発明の表示装置の実施例を説明する。
まず、図14aに示すように、支持基板20上に銅からなる電極パッド18を配置した(工程(E1)に相当)。電極パッドの厚みは0.2μmであった。
次に、図14bに示すように、支持基板20上および金属パッド18上に、表1に記載の樹脂組成物1を加熱処理後10μmとなるように塗布し、樹脂膜21を形成した(工程(E2)に相当)。
次に、図14cに示すように、実施例1に示すフォトリソ工程と同条件により、樹脂膜21に複数の開口パターン12を形成した(工程(E3)に相当)。
次に、樹脂膜21を実施例1と同条件により硬化させることにより厚み10μmの硬化膜3を形成した(工程(E4)に相当)。
続いて、図14cにおいて、硬化膜3と金属配線4との密着性を向上させるため、硬化膜3上にチタンなどのバリアメタルをスパッタリングし、さらにその上に銅シード(シード層)をスパッタリング法で形成した。
次に、図14dに示すように、フォトレジスト層を形成した後、めっき法により、銅からなる金属配線4を硬化膜3の開口パターン12及び硬化膜3の一部の表面上に形成した(工程(E5)に相当)。硬化膜3の一部表面上に形成した金属配線4の厚みは5μmであった。その後、フォトレジストおよびシード層、バリアメタルを除去した。
その後、工程(E2)、工程(E3)、工程(E4)および工程(E5)を2回繰り返し行い、図14eに示すように硬化膜3中に金属配線4を有する硬化膜3を3層形成した。その結果、3層の硬化膜3の全体の厚みは30μmであった。
次に、図14fに示すように、金属配線4と電気的接続を保持するようにして硬化膜3上にLED2を配置した(工程(E6)に相当)。LED2の厚みは7μmであった。
次に、図14gに示すように、硬化膜3および発光素子2上に樹脂組成物1からなる樹脂膜21を形成し、加熱処理により硬化させ、硬化膜3を形成した。なお、酸素濃度100ppm以下の雰囲気下で110℃で30分加熱処理した後、さらに230℃60分熱処理して、硬化膜3を形成した。
次に、図14hに示すように、支持基板20を剥離し、はんだバンプ10を介して駆動素子8であるドライバーICを有する発光素子駆動基板7を電気的に接続し、また、LED2に対して対向基板5を接着剤等を用いて貼り合わせることにより、複数のLED2を有する表示装置16を得た。
(実施例17~18)
実施例16の樹脂組成物1を樹脂組成物2~3に変更した以外は実施例16と同様の方法で行い、表示装置17~18を得た。
(実施例19)
実施例17において、さらに、工程(E3)の後、工程(E4)の前に、工程(E3)で得られた開口パターン12をパターン形成した樹脂膜21の全領域に対してi線(365nm)を照射する工程(E8)を付加した以外は実施例17と同様の方法で行い、表示装置19を得た。
(実施例20)
図15fに示すように、実施例18と同様な方法で、図14eに示す硬化膜3を複数層形成したあとに、後に配されるLED2間およびその周囲に樹脂組成物3を用いて隔壁16を形成し(工程(E9)相当)、その後は、図15gに示すように複数のLED2を配置し、図15hに示すように、支持基板20を剥離し、はんだバンプ10を介して駆動素子8であるドライバーICを有する発光素子駆動基板7を電気的に接続し、また、LED2に対して対向基板5を、接着剤等を用いて貼り合わせることにより、複数のLED2を有する表示装置20を得た。なお、LED2の厚みは7μmであり、隔壁の厚みは10μmであった。
(実施例21)
図16fに示すように、実施例18と同様な方法で、図14eに示す硬化膜を形成した工程(E5)のあとに、形成された金属配線4を避けるようにして所定の位置にアルミニウムをスパッタ法により0.5μmの厚さに形成し、反射膜15を設けた(工程(E10))。その後は、実施例18と同様な工程で表示装置21を製造した。
(実施例22~24)
実施例1の樹脂組成物1を樹脂組成物13、14、15に変更した以外は実施例1と同様の方法で行い、表示装置22~24を得た。
(実施例25)
実施例1の樹脂組成物1を樹脂組成物3に変更し、図11hに示すように発光素子駆動基板7の側面において、レーザー加工により溝を形成し、スパッタリングによってチタン、銅の順に形成した後、めっき法により銅を形成し金属配線4cとした(工程D9に相当)。それ以外は実施例1と同様の方法で行い、表示装置27を得た。
(実施例26)
実施例16の樹脂組成物1を樹脂組成物3に変更し、図14hに示すように発光素子駆動基板7の側面において、レーザー加工により溝を形成し、スパッタリングによってチタン、銅の順に形成した後、めっき法により銅を形成し金属配線4cとした(工程E11に相当)。それ以外は実施例16と同様の方法で行い、表示装置28を得た。
(実施例27)
実施例25の発光素子駆動基板7の側面において、図24hに示すように導電膜27を用い、導電膜27として調製例1の感光性導電ペースト1を用いた(工程D10に相当)。それ以外は実施例25と同様の方法で行い、表示装置29を得た。導電膜27の作製は以下のとおりである。
<導電膜27の作製>
厚さ16μmのPETフィルム上に離型剤が塗布された離型PETフィルム上に、感光性導電ペースト1を乾燥後の膜厚が6.0μmになるように塗布し、得られた塗布膜を100℃の乾燥オーブン内で10分間乾燥した。その後、超高圧水銀ランプを有する露光機を用いて350mJ/cmの露光量で露光した後、現像液として0.1質量%炭酸ナトリウム水溶液を用いて、0.1MPaの圧力で30秒間スプレー現像して、パターンを得た。その後、得られたパターンを30分間、140℃の乾燥オーブン内でキュアして、配線を配した転写用サンプルを得た。得られたパターンのライン幅は50μmであり、ライン長さは90mmであった。転写用サンプルを配線の一部がR面取り部を有するガラス端部に配されるように両面に貼り合わせ、ガラス側面部を130℃のホットプレートに30秒間押し当て、その後ホットロールラミネーターを用いて、130℃、1.0m/分の条件で残部を転写した。
(実施例28)
実施例26の発光素子駆動基板7の側面において、図24hに示すように導電膜27を用い、導電膜27として実施例27記載の感光性導電ペースト1を用いた(工程E12に相当)。それ以外は実施例26と同様の方法で行い、表示装置30を得た。
(実施例29)
実施例25の発光素子駆動基板7としてプリント配線板を用い、プリント配線板中の配線およびバンプを通じて駆動素子8と金属配線4を接続した以外は実施例25と同様の方法で行い、表示装置31を得た。
(実施例30)
実施例26の発光素子駆動基板7としてプリント配線板を用い、プリント配線板中の配線およびバンプを通じて駆動素子8と金属配線4を接続した以外は実施例26と同様の方法で行い、表示装置32を得た。
(実施例31)
図25aに示すように、支持基板20の上に遮光層28を形成した(工程D11に相当)。次に図25aに示すように、遮光層28の間にLED2を形成した(工程(D1に相当))。それ以外は、実施例3と同様な工程で表示装置33を製造した。遮光層28の作製は以下のとおりである。
<遮光層28の作製>
着色樹脂組成物1を、支持基板20に加熱処理後1μmとなるように塗布し、塗布膜を100℃のホットプレート上で2分間加熱乾燥した。この乾燥膜に対して、超高圧水銀ランプを有する露光機を用いて、紫外線を200mJ/cmの露光量で露光した。次に、0.045重量%水酸化カリウム水溶液のアルカリ現像液を用いて現像し、続いて純水洗浄することにより、パターン膜を得た。得られたパターン膜を熱風オーブン中230℃で30分間ポストベイクして遮光層を得た。
(実施例32)
実施例31の遮光層28を着色樹脂組成物2に変更して遮光層28を形成した以外は、実施例31と同様な工程で表示装置34を製造した。
(実施例33)
図11fにおいて、バンプ10と接する金属配線4aの厚みを10μm、金属配線4aの一部の表面上に形成した硬化膜3の厚みを15μmとし、硬化膜3全体の厚みを35μmとした以外は、実施例3と同様な工程で表示装置35を得た。
(実施例34)
図14bにおいて、金属パッド18の厚みを10μm、金属パッドの一部の表面上に形成した硬化膜3の厚みを15μmとし、硬化膜3全体の厚みを35μmとした以外は、実施例18と同様な工程で表示装置36を得た。
(実施例35)
図27の作製工程断面図に従って本発明の表示装置の実施例35を説明する。
図27aに示すように、発光素子駆動基板7として、TFTアレイ基板を用いて、発光素子駆動基板7上に表1に記載の樹脂組成物3を加熱処理後3μmとなるように塗布し、樹脂膜21を形成した(工程(F1)に相当)。なお、金属配線4の厚みは1μmであった。
次に、実施例3に示すフォトリソ工程と同条件により、樹脂膜21に複数の開口パターン12を形成した(工程(F2)に相当)。
次に、樹脂膜21を実施例3と同条件により硬化させることにより厚み3μmの硬化膜3を形成した(工程(F3)に相当)。
次に、図27bに示すように、硬化膜の表面の少なくとも一部及び前記硬化膜の前記開口パターンの一部に前記配線または導電膜を形成する工程である。フォトレジスト層(図示せず)を形成した後、配線25としてITOをスパッタリング法により硬化膜3の一部の表面上に形成した。その後、不要なフォトレジストを除去した。(工程(F4)に相当)。ITOの厚みは0.1μmであった。
次に、図27cに示すように、工程(F1)、(F2)、(F3)を繰り返して、表1に記載の樹脂組成物3を硬化させることにより厚み2μmの硬化膜3を形成した。
次に、図27dに示すように、硬化膜3または上に隔壁16を形成した。次に図12bに示すように、隔壁16の間にLED2を形成した(工程(F5に相当))。なお、LED2の厚みは7μmであり、隔壁16の厚みは8μmで形成した。隔壁16は公知の白色顔料を含むアクリル樹脂を用いた。
その後、図27eに示すように、接着剤を用いて対向基板5を貼り合わせた。また、導電膜27として調製例1の感光性導電ペースト1を用いた導電膜27を形成し、導電膜27を通じてドライバーICなど駆動素子8は硬化膜3中に延在した金属配線4や配線25を介して発光素子2と電気的に接続することにより、複数のLED2を有する表示装置37を得た。
(比較例1~2)
実施例1の樹脂組成物1を樹脂組成物13に変更し、表2-2に示す硬化温度に変更した以外は実施例1と同様の方法で行い、表示装置25~26を得た。
その結果、表示装置1~24、27~37は硬化膜3の引張強度が100MPa以上300MPa以下であるため、信頼性後の光取り出し効率が高く、十分な輝度が得られた。かつ、従来のフレキシブル基板に比較して、硬化膜の厚みが小さいため、パッケージ低背化や配線短距離化による配線の短絡など配線不良の抑制や低損失化、高速応答性の向上が可能であった。さらに表示装置1~10、13~21、27~37は微細加工が可能なため、微小な発光素子が適用可能であり、また発光素子の高密度実装が可能であった。また、隔壁16としても樹脂組成物からなる硬化膜が適用可能であり、隔壁を形成することで、対向基板の貼り合わせが容易になった。さらに、表示装置1~24、27~30、33~37は金属配線または導電膜の少なくとも一部は、基板の側面に延在しているため、表示装置自体の低背化や高速応答性が向上し、さらに表示装置をより小型化、狭額縁化することが可能であった。また、表示装置33、34は複数の発光素子の間に遮光層を形成することで、不良率を上げることなく、発光素子からの光漏れや各画素間の混色を抑制し、コントラストを向上させることが可能であった。表示装置35、36はLED2に近い金属配線の厚みに比べ、バンプ10に近い金属配線の厚みが厚いことにより、バンプ10を用いた発光素子駆動基板7の接続時に配線不良を抑制でき、信頼性の高い表示装置を得ることが可能であった。
それに対し、表示装置25の硬化膜3の引張強度は300MPaを超えており、発光素子の剥離が生じ、表示装置26の硬化膜3の引張強度は100MPa未満であり、金属配線にクラックが生じたため、不良率が高かった。
1 表示装置
2 発光素子
3 硬化膜
4、4c 金属配線
4a 硬化膜の表面に配されている金属配線の厚み
4b 硬化膜中の厚さ方向に貫通する開口パターンに延在している金属配線の厚み
5 対向基板
6 電極端子
7 発光素子駆動基板
8 駆動素子
9 バリアメタル
10 はんだバンプ
11a 指定領域A
11b 指定領域B
12 開口パターン
13 金属配線4の底面部
14 底面部の最長長さ
15 反射膜
16 隔壁
17 外部基板
18 金属パッド
19 硬化膜の全体の厚み
20 支持基板
21 樹脂膜
22 硬化膜
23 TFT
24 TFT絶縁層
25 配線
26 コンタクトホール
27 導電膜
28 遮光層
29 傾斜辺
30 傾斜辺の角度
31 硬化膜3の厚み
32 効果膜3の厚み1/2の位置

Claims (25)

  1. 少なくとも金属配線、硬化膜及び複数の発光素子を有する表示装置であって、前記発光素子はいずれか一方の面に一対の電極端子を具備し、前記一対の電極端子は前記硬化膜中に延在する複数本の前記金属配線と接続し、複数本の前記金属配線は、前記硬化膜により電気的絶縁性を保持する構成であり、前記硬化膜は、(A)樹脂を含む樹脂組成物を硬化した膜であり、前記硬化膜の引張強度が100MPa以上300MPa以下である、表示装置。
  2. 前記硬化膜の全体の厚みが5~100μmである、請求項1に記載の表示装置。
  3. 前記硬化膜の層数が2層以上10層以下である、請求項1または2に記載の表示装置。
  4. 前記硬化膜には厚さ方向に貫通する開口パターンが設けられ、少なくとも前記開口パターンに前記金属配線を配する構成であり、前記発光素子と接した位置に形成される前記金属配線の底面部の最長長さが2~20μmである請求項1~3のいずれかに記載の表示装置。
  5. 前記硬化膜が前記発光素子の光取り出し面以外の面を覆う構成である、請求項1~4のいずれかに記載の表示装置。
  6. 前記硬化膜に、さらに反射膜を有する、請求項1~5のいずれかに記載の表示装置。
  7. 複数の前記発光素子の間に、前記発光素子の厚み以上の厚みを有する隔壁を有する、請求項1~6のいずれかに記載の表示装置。
  8. 複数の前記発光素子の間に、前記発光素子の厚み以上の厚みを有する隔壁を、発光素子を覆う前記硬化膜中に配する、請求項1~7のいずれかに記載の表示装置。
  9. 前記発光素子が1辺の長さが5μm以上700μm以下のLEDである、請求項1~8のいずれかに記載の表示装置。
  10. さらに、駆動素子及び基板を有し、前記駆動素子は金属配線を通じて発光素子に接続され、さらに前記金属配線の少なくとも一部は、前記基板の側面に延在する、請求項1~9のいずれかに記載の表示装置。
  11. 複数の前記発光素子の間に、遮光層を有する、請求項1~10のいずれかに記載の表示装置。
  12. 前記(A)樹脂が、ポリイミド、ポリイミド前駆体、ポリベンゾオキサゾール、ポリベンゾオキサゾール前駆体およびそれらの共重合体からなる群より選択される1種以上の樹脂を含有する、請求項1~11のいずれかに記載の表示装置。
  13. 前記(A)樹脂を含む樹脂組成物がさらに、(B)感光剤を含有する請求項1~12のいずれかに記載の表示装置。
  14. 前記(A)樹脂を含む樹脂組成物がさらに、(C)熱架橋剤を含有する請求項1~13のいずれかに記載の表示装置。
  15. 前記(A)樹脂を含む樹脂組成物がポジ型感光性である、請求項1~14のいずれかに記載の表示装置。
  16. 少なくとも金属配線、硬化膜及び複数の発光素子を有する表示装置の製造方法であって、
    支持基板上に前記発光素子を配置する工程(D1)、
    前記支持基板上および前記発光素子上に、(A)樹脂を含む樹脂組成物からなる樹脂膜を形成する工程(D2)、
    前記樹脂膜に対して露光、現像することにより、前記樹脂膜に複数の貫通した開口パターンを形成する工程(D3)、
    前記樹脂膜を硬化させ、前記硬化膜の引張強度が100MPa以上300MPa以下である前記硬化膜を形成する工程(D4)、および、
    前記硬化膜の表面の少なくとも一部及び前記硬化膜の前記開口パターンに前記金属配線を形成する工程(D5)、
    を有する表示装置の製造方法。
  17. 前記工程(D3)の後、前記工程(D4)の前に、前記樹脂膜の全領域に対して露光する工程(D6)を有する請求項16に記載の表示装置の製造方法。
  18. 前記工程(D2)、前記工程(D3)、前記工程(D4)および前記工程(D5)を複数回繰り返し行い、硬化膜中に前記金属配線を有する前記硬化膜を複数層形成する工程を有する請求項16または17に記載の表示装置の製造方法。
  19. 前記工程(D1)の後、複数の前記発光素子の間に、前記発光素子の厚み以上の厚みを有する隔壁を設ける工程(D7)を有する請求項16~18のいずかに記載の表示装置の製造方法。
  20. 前記工程(D4)の後、前記硬化膜上の一部に反射膜を設ける工程(D8)を有する請求項16~19のいずかに記載の表示装置の製造方法。
  21. 少なくとも金属配線、硬化膜及び複数の発光素子を有する表示装置の製造方法であって、
    支持基板上に金属パッドを配置する工程(E1)、
    前記支持基板上および前記金属パッド上に、(A)樹脂を含む樹脂組成物からなる樹脂膜を形成する工程(E2)、
    前記樹脂膜に対して露光、現像することにより、前記樹脂膜に複数の貫通した開口パターンを形成する工程(E3)、
    前記樹脂膜を硬化させ、前記硬化膜の引張強度が100MPa以上300MPa以下である前記硬化膜を形成する工程(E4)、
    前記硬化膜の表面の少なくとも一部及び前記硬化膜の前記開口パターンに前記金属配線を形成する工程(E5)、および、
    前記金属配線と電気的接続を保持するようにして前記硬化膜上に前記発光素子を配する工程(E6)、
    を有する表示装置の製造方法。
  22. 前記工程(E3)の後、前記工程(E4)の前に、前記樹脂層の全領域に対して露光する工程(E8)を有する請求項21に記載の表示装置の製造方法。
  23. 前記工程(E2)、前記工程(E3)、前記工程(E4)および前記工程(E5)を複数回繰り返し行い、硬化膜中に前記金属配線を有する前記硬化膜を複数層形成する工程を有する請求項21または22のいずれかに記載の表示装置の製造方法。
  24. 前記工程(E5)の後、前記発光素子の厚み以上の厚みを有する隔壁を設ける工程(E9)を有する、請求項21~23のいずれかに記載の表示装置の製造方法。
  25. 前記工程(E6)の前で、前記工程(E5)の後に、前記硬化膜上の一部に反射膜を設ける工程(E10)を有する請求項21~24のいずかに記載の表示装置の製造方法。
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