JP2022068377A - ジアミン化合物の精製方法 - Google Patents

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Seijiro Fukuta
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Abstract

【課題】蒸留、昇華および再結晶化による精製方法が適用できないジアミン化合物の精製を可能とし、かつ、その他の目的として、無色透明性に優れたポリイミド化合物の提供を可能とする精製方法の。【解決手段】本発明に係るジアミン化合物の精製方法は、ジアミン化合物を中和塩とし、溶媒に溶解する工程と、ジアミン化合物の中和塩が溶解した溶媒と、抽出溶媒とを分液槽に供給し、これらを相分離の状態にすると共に、ジアミン化合物の中和塩が溶解した溶媒に含まれる該ジアミン化合物に由来する不純物を、抽出溶媒中に抽出する工程と、溶媒に溶解したジアミン化合物の中和塩を、還元剤の存在下において弱塩基遊離反応させ、ジアミン化合物を得る工程と、を含むことを特徴とする。【選択図】なし

Description

本発明は、ジアミン化合物の精製方法に関する。
ジアミン化合物は、有機化学分野及び高分子化学分野で広く用いられている化合物であり、ファインケミカル、医農薬原料および樹脂原料、さらには電子情報材料や光学材料など、工業用途として多岐にわたる分野で有用な化合物である。
中でも、高分子化学分野においては、ジアミン化合物と酸無水物を重合反応させたポリイミド化合物は、高い耐熱性、絶縁性、強靭性および寸法安定性などの優れた特性を有していることから、様々な分野において広く利用されている。このようなポリイミド化合物では、原料(モノマー)となるジアミン化合物や酸無水物が有する構造や分子量に起因する特性が、重合したポリイミド化合物の特性に大きく影響することが知られている。
例えば、特開2018-118947号公報(特許文献1)には、特定の構造を有するジアミン化合物の合成方法と、該ジアミン化合物を用いて合成した高い有機溶剤溶解性および溶融成型性を有するポリイミド化合物が提案されている。
一方、近年におけるポリイミド化合物を利用した産業技術としては、有機EL表示装置が備えるカバーガラスなどのガラス基材を、ポリイミド化合物を含む樹脂フィルム(ポリイミドフィルムとも称する)に変更し、有機EL表示装置にフレキシブル性を付与することが検討されている。
このようなポリイミドフィルムには、前記フレキシブル性に加えて、有機EL表示装置の映像を妨げない無色透明性も兼ね備えることが要求されている。
そして、無色透明性のポリイミド化合物やポリイミドフィルムを合成するためには、極めて高純度に精製されたモノマーを用いる必要があり、例えば、ジアミン化合物の精製方法としては、特開2011-26224号公報(特許文献2)にて提案される蒸留精製方法、R.Ishige, et al., Macromolecules 2017, 5, 2112-2123.(非特許文献1)にて提案される昇華精製方法、一般的に知られる溶液中での再結晶化による精製方法が挙げられる。
特開2018-118947号公報 特開2011-26224号公報
R.Ishige, et al., Macromolecules 2017, 5, 2112-2123.
しかしながら、特許文献1において開示されるようなジアミン化合物においては、特許文献2に提案される蒸留精製方法や非特許文献1に提案される昇華精製方法、そして結晶化による精製方法が適用できないという問題があり、新たなジアミン化合物の精製方法が求められていた。
本発明は、かかる課題を解決するためになされたものであり、その主たる目的は、蒸留、昇華および再結晶化による精製方法が適用できないジアミン化合物の精製を可能とし、かつ、無色透明性に優れたポリイミド化合物の提供を可能とする精製方法を提供することである。
本発明者らは、上記目的の実現に向け鋭意研究した結果、蒸留、昇華および再結晶化による精製方法が適用できないジアミン化合物は、その構造に起因して、高い沸点を有することから蒸留や昇華による精製が難しく、また、結晶化が遅いことから再結晶化の過程で酸化による着色が進行していることに気付いた。
そこで、このようなジアミン化合物を一時的に中和塩とすることで不純物(ジアミン化合物の酸化物)を除去し、さらに、該ジアミンの中和塩を、還元剤の存在下で弱塩基遊離反応させてジアミン化合物として析出させることにより、着色のない高純度のジアミン化合物を得ることができるとの知見を得て、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明のジアミン化合物の精製方法は、ジアミン化合物を中和塩とし、溶媒に溶解する工程と、
ジアミン化合物の中和塩が溶解した溶媒と、抽出溶媒とを分液槽に供給し、これらを相分離の状態にすると共に、ジアミン化合物の中和塩が溶解した溶媒に含まれるジアミン化合物由来の不純物を、抽出溶媒中に抽出する工程と、
溶媒に溶解したジアミン化合物の中和塩を、還元剤の存在下において弱塩基遊離反応させ、ジアミン化合物を得る工程と、
を含むことを特徴とする。
一実施形態において、還元剤酸化電位は、前記ジアミン化合物の酸化電位よりも、0.1eV以上大きい。
一実施形態において、還元剤の使用量は、前記ジアミン化合物100モル%に対し、1モル%以上20モル%以下である。
一実施形態において、ジアミン化合物は、下記一般式(1)で表される。
Figure 2022068377000001
(上記式(1)中、
R1~R4のいずれかが、炭素数6~10の芳香族基、炭素数6~10のフェノキシ基、炭素数6~10のベンジル基および炭素数6~10のベンジルオキシ基から選択され、それ以外のR1~R4が水素原子である。)
本発明の精製方法によれば、蒸留、昇華および再結晶化による精製方法が適用できないジアミン化合物の精製が可能となり、かつ、無色透明性に優れたポリイミド化合物を提供することができる。
[ジアミン化合物の精製方法]
本発明に係るジアミン化合物の精製方法は、
ジアミン化合物を中和塩とし、溶媒に溶解する工程と、
ジアミン化合物の中和塩が溶解した溶媒と、抽出溶媒とを分液槽に供給し、これらを相分離の状態にすると共に、ジアミン化合物の中和塩が溶解した溶媒に含まれる該ジアミン化合物に由来する不純物を、抽出溶媒中に抽出する工程と、
溶媒に溶解したジアミン化合物の中和塩を、還元剤の存在下において弱塩基遊離反応させ、ジアミン化合物を得る工程と、
を含むことを特徴とする。
以下、本発明に係るジアミン化合物の精製方法が含む各工程について詳細に説明する。
[ジアミン化合物の溶解工程]
本発明の精製方法は、ジアミン化合物を中和塩とし、溶媒に溶解する工程を含む。
精製の対象となるジアミン化合物は、特に限定されるものではなく、従来公知のジアミン化合物を使用することができる。本発明の精製方法は、高い沸点を有するジアミン化合物であっても効果的に精製することができる。
例えば、以下の一般式(1)で示されるジアミン化合物は、高い耐熱性、寸法安定性に加えて、構造上は無色透明性を有するポリイミド化合物を得るのに有用であったが、沸点が高く、従来の精製方法を適用することができず、無色透明性においては十分な効果が得られなかった。しかし、本発明の精製方法によれば、このようなジアミン化合物であっても効果的に精製することができ、高い耐熱性、寸法安定性に加えて、優れた無色透明性のポリイミド化合物を得ることができる。
Figure 2022068377000002
上記一般式(1)において、R~Rのいずれかが、好ましくはRまたはRのいずれかが、特に好ましくはRが、炭素数6~10の芳香族基、炭素数6~10のフェノキシ基、炭素数6~10のベンジル基および炭素数6~10のベンジルオキシ基から選択され、それ以外のR~Rが水素原子である。
炭素数6~10の芳香族基としては、フェニル基、トリル基、メチルフェニル基、ジメチルフェニル基、エチルフェニル基、ジエチルフェニル基、プロピルフェニル基、ブチルフェニル基、フルオロフェニル基、ペンタフルオロフェニル基、クロルフェニル基、ブロモフェニル基、メトキシフェニル基、ジメトキシフェニル基、エトキシフェニル基、ジエトキシフェニル基、メトキシベンジル基、ジメトキシベンジル基、エトキシベンジル基、ジエトキシベンジル基、アミノフェニル基、アミノベンジル基、ニトロフェニル基、ニトロベンジル基、シアノフェニル基、シアノベンジル基、フェネチル基、フェニルプロピル基、フェニルアミノ基、ジフェニルアミノ基、ビフェニル基およびナフチル基などが挙げられる。
炭素数6~10のフェノキシ基としては、メチルフェノキシ基、エチルフェノキシ基、プロピルフェノキシ基、ジメチルフェノキシ基、ジエチルフェノキシ基、メトキシフェノキシ基、エトキシフェノキシ基およびジメトキシフェノキシ基などが挙げられる。
炭素数6~10のベンジル基としては、ベンジル基、メチルベンジル基、エチルベンジル基、プロピルベンジル基、ジメチルベンジル基、メトキシベンジル基、エトキシベンジル基およびメトキシベンジル基などが挙げられる。
炭素数6~10のベンジルオキシ基としては、メチルベンジルオキシ基としては、ベンジルオキシ基、ベチルベンジルオキシ基、エチルベンジルオキシ基、プロピルベンジルオキシ基、ジメチルベンジルオキシ基、メトキシベンジルオキシ基およびエトキシベンジルオキシ基などが挙げられる。
上記した中でも、透明性という観点からは、炭素数6~10の芳香族基がより好ましく、フェニル基、トリル基、メチルフェニル基、ジメチルフェニル基、エチルフェニル基およびジエチルフェニル基がさらに好ましく、フェニル基が特に好ましい。
ジアミン化合物の中和塩は、酸性試薬を添加することにより形成され、酸性試薬としては、例えば、塩酸、硫酸、リン酸、有機酸などを使用することができる。中でも、溶解性の観点から塩酸を用いた塩酸塩とすることが好ましい。
ジアミン化合物の中和塩を溶解させる溶媒は、このジアミン化合物の中和塩を溶解することができるものであれば特に限定されるものではなく、例えば、水、アセトン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、1,2-ジメトキシエタン、メタノール、エタノール、プロパノール、2-プロパノール、ブタノール、2-ブタノール、2-メチル-1-プロパノール、2-メチル-2-プロパノール、プロピレングリコール-1-モノメチルエーテ-2-アセタート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテル、γ-ブチロラクトン、アセトニトリル、N, N-ジメチルアセトアミド、N-メチル―2-ピロリドン、1,3-ジメチル―2-イミダゾリジノンおよびこれらの混合溶媒などが挙げられる。
[抽出工程]
抽出工程において、使用される抽出溶媒としては、ジアミン化合物の中和塩を溶解した溶媒と相分離を起こし、この溶媒に含まれる該ジアミン化合物由来の不純物(例えば、ジアミン化合物が有するアミノ基が酸化されたもの)を溶解することができ、かつジアミン化合物の中和塩が溶解しないものであれば特に限定されるものではなく、例えば、クロロホルム、ジクロロメタン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、トルエン、2-メチルテトラヒドロフランおよびアニソールなどが挙げられる。
分液槽の形状及び大きさは特に限定されるものではない。一実施形態において、分液槽として、分液漏斗を使用することができる。
[弱塩基遊離反応工程]
本発明の精製方法は、溶媒に溶解したジアミン化合物の中和塩を、還元剤の存在下において弱塩基遊離反応させる工程を含む。このような還元剤の存在下において弱塩基遊離反応を行うことで、上記一般式(1)で示されるような結晶化が遅く、析出に時間を要するジアミン化合物であっても還元剤により酸化が抑制されることから、安定的に着色のない高純度のジアミン化合物を得ることができる。
一実施形態において、この弱塩基遊離反応工程は、溶媒に溶解したジアミン化合物の中和塩を弱塩基遊離反応させて、ジアミン化合物を析出させる工程を含む。
また、一実施形態において、弱塩基遊離反応工程は、析出したジアミン化合物を濾過する工程を含む。
また、一実施形態において、弱塩基遊離反応工程は、析出したジアミン化合物を洗浄する工程を含む。
さらに、一実施形態において、弱塩基遊離反応工程は、洗浄したジアミン化合物を乾燥する工程を含む。
弱塩基遊離反応工程において、使用することのできる還元剤は酸化電位が、ジアミン化合物より小さいものであれば特に限定されることなく使用することができる。
好ましくは、ジアミン化合物よりも酸化電位が、0.1eV以上、より好ましくは0.2eV以上小さい還元剤を使用する。
例えば、上記一般式(1)を満たす以下のジアミン化合物は、4.96eV程度の酸化電位を有する。そのため、この数値以上の還元剤であれば、特に限定されることなく使用でき、例えば、アニリン、トリフェニルホスフィン、リン酸トリフェニル、亜リン酸トリフェニル、硫化カリウム、硫化ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、次亜リン酸ナトリウム、二亜硫酸ナトリウム、及び水素化ホウ素ナトリウムなどを使用することができる。
Figure 2022068377000003
なお本発明において、酸化電位は量子計算によって求められる最高被占軌道準位(HOMO:Highest Occupied Molecular Orbital)のエネルギーから見積もった。HOMOエネルギー準位EHOMOは、Gaussian16を用いたB3LYP/6-31(d,p)を基底関数とする密度汎関数法(DFT)により計算した。また同計算方法で見積もられたフェロセンのHOMOエネルギー準位(-5.16eV)を用いて、各ジアミンおよび還元剤の酸化電位EOX(eV)は、
OX = -(EHOMO-(-5.16)-4.80)= -EHOMO+0.36(eV)
と表せる。ここで、EHOMOはDFT計算で求められた各ジアミンおよび還元剤のHOMOエネルギー準位であり、フェロセンの酸化電位を4.80eVとした。
還元剤の使用量は、ジアミン化合物100モル%に対し、1モル%以上20モル%以下であることが好ましく、5モル%以上10モル%以下であることがより好ましい。これにより、精製により得られるジアミン化合物により合成されるポリイミド化合物の無色透明性を向上することができる。
ジアミン化合物の中和塩が溶解した溶媒の弱塩基遊離反応は、塩基性試薬を添加することにより行われ、塩基性試薬としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸セシウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素ナトリウムなどを使用することができる。
一実施形態において、弱塩基遊離反応工程は、沈殿したジアミン化合物を濾過する工程を含む、濾過方法は特に限定されず、自然濾過、吸引濾過および加圧濾過などを利用することができる。
一実施形態において、弱塩基遊離反応工程は、沈殿したジアミン化合物を洗浄する工程を含み、洗浄液としては、例えば、メタノール、エタノールおよびプロパノールなどのアルコールを使用することができる。
一実施形態において、弱塩基遊離反応工程は、洗浄したジアミン化合物を乾燥する工程を含む。乾燥条件は特に限定されるものではないが、例えば、減圧環境下(10-1~10-3Torr)において、25℃以上50℃以下の温度で、2時間以上12時間以下の条件とすることができる。
[ポリイミド化合物の合成方法]
本発明のポリイミド化合物の合成方法は、上記精製方法により得られたジアミン化合物と、酸無水物との反応物であることを特徴とする。
[酸無水物]
酸無水物は、特に限定されるものではなく、例えば、無水ピロメリット酸、ビフェニル-3,4,3’,4’-テトラカルボン酸二無水物、ベンゾフェノン-3,4,3’,4’-テトラカルボン酸二無水物、オキシジフタル酸二無水物、ジフェニルスルホン-3,4,3’,4’-テトラカルボン酸二無水物、4,4’-(2,2-ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸二無水物、9,9-ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)フルオレン二酸無水物、4,4’-(4,4’-イソプロピリデンジフェノキシ)ジフタル酸無水物、2,3,6,7-ナフタレンテトラカルボン酸2,3:6,7-二無水物、ビス(1,3-ジオキソ-1,3-ジヒドロイソベンゾフラン-5-カルボン酸)1,4-フェニレン、ブタン-1,2,3,4-テトラカルボン酸二無水物、ペンタン-1,2,4,5-テトラカルボン酸二無水物、シクロブタン-1,2,3,4-テトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4-テトラメチル-1,2,3,4-シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、オクタヒドロビフェニレン-4a,8b:4b,8a-テトラカルボン酸二無水物、シクロペンタン-1,2,3,4-テトラカルボン酸二無水物、シクロヘキサン-1,2,4,5-テトラカルボン酸二無水物、シクロヘキサ-1-エン-2,3,5,6-テトラカルボン酸二無水物、3-エチルシクロヘキサ-1-エン-3-(1,2),5,6-テトラカルボン酸二無水物、1-メチル-3-エチルシクロヘキサン-3-(1,2),5,6-テトラカルボン酸二無水物、1-メチル-3-エチルシクロヘキサ-1-エン-3-(1,2),5,6-テトラカルボン酸二無水物、1-エチルシクロヘキサン-1-(1,2),3,4-テトラカルボン酸二無水物、1-プロピルシクロヘキサン-1-(2,3),3,4-テトラカルボン酸二無水物、1,3-ジプロピルシクロヘキサン-1-(2,3),3-(2,3)-テトラカルボン酸二無水物、ジシクロヘキシル-3,4,3’,4’-テトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2,3,5,6-テトラカルボン酸二無水物、1-プロピルシクロヘキサン-1-(2,3),3,4-テトラカルボン酸二無水物、1,3-ジプロピルシクロヘキサン-1-(2,3),3-(2,3)-テトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[2.2.2]オクタン-2,3,5,6-テトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[2.2.2]オクト-7-エン-2,3,5,6-テトラカルボン酸二無水物、オクタヒドロ-3H,3’’H-ジスピロ[4,7-メタノイソベンゾフラン-5,1’-シクロペンタン-3’,5’’-[4,7]メタノイソベンゾフラン]-1,1’’,2’,3,3’’(4H,4’’H)-ペンタオン、3-(カルボキシメチル)-1,2,4-シクロペンタントリカルボン酸1,4:2,3-二無水物、5-(2,5-ジオキソテトラヒドロフリル)-3-メチル-3-シクロヘキセン-1,2-ジカルボン酸無水物、4-(2,5-ジオキソテトラヒドロフラン-3-イル)-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-1,2-ジカルボン酸無水物などが挙げられる
これらの中でも、ポリイミド化合物の透明性という観点からは、シクロブタン-1,2,3,4-テトラカルボン酸二無水物、シクロペンタン-1,2,3,4-テトラカルボン酸二無水物、シクロヘキサン-1,2,4,5-テトラカルボン酸二無水物、4,4’-(2,2-ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸二無水物、オクタヒドロ-3H,3’’H-ジスピロ[4,7-メタノイソベンゾフラン-5,1’-シクロペンタン-3’,5’’-[4,7]メタノイソベンゾフラン]-1,1’’,2’,3,3’’(4H,4’’H)-ペンタオンが好ましい。
[硬化物の作製方法]
硬化物の作製方法は、上記ジアミン化合物と酸無水物から合成したポリイミド化合物を含む樹脂組成物や、ポリイミド化合物前駆体(いわゆるポリアミド樹脂)を含む樹脂組成物を配合する工程、上記樹脂組成物を基材上に塗布する工程、加熱処理により溶剤などの揮発成分を除去、または、ポリイミド化合物前駆体を閉環反応させてイミド化させて硬化膜を形成する工程を含む。
透明性という観点からは、硬化物におけるポリイミド化合物の含有量は、60質量%以上であることが好ましく、70質量%以上であることが好ましく、80質量%以上であることがより好ましい。
硬化物の波長400nmの光の透過率は、75%以上であることが好ましく、80%以上であることがより好ましい。
硬化物の波長400nmの光の透過率をこのような数値範囲とすることにより、硬化物の透明性を向上することができる。
なお、硬化物の波長400nmの光の透過率は、紫外可視分光法(UV-vis)により測定する。
本発明の特性を損なわない範囲において、樹脂組成物は、N-メチルピロリドンやN,N’-ジメチルホルムアミド、γ-ブチロラクトンなどの溶剤を含んでいてもよく、溶剤、光酸発生剤、光重合開始剤や光塩基発生剤などの感光剤、増感剤、密着剤、界面活性剤、レベリング剤、着色剤、繊維、可塑剤および微粒子などの添加剤を含んでいてもよい。
樹脂組成物の基材上への塗布方法は、特に限定されず、例えば、スピンコーター、バーコーター、ブレードコーター、カーテンコーターおよびスクリーン印刷機などを用いて塗布する方法、スプレーコーターで噴霧塗布する方法、ならびにインクジェット法などが挙げられる。
塗膜の加熱方法としては、風乾、オーブンまたはホットプレートによる加熱乾燥、真空乾燥などの方法が用いられる。
基材としては、ガラス、セラミック、シリコンウエハ、金属、ポリイミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート(PEN)、紙フェノール、紙エポキシ、ガラス布エポキシ、ガラスポリイミド、ガラス布/不繊布エポキシ、ガラス布/紙エポキシ、合成繊維エポキシ、フッ素樹脂・ポリエチレン・ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンオキシド・シアネートなどからなる基板やフィルム、これらの基板やフィルムに銅などにより回路を形成した配線板などを挙げることができる。
以下、本発明を、実施例を用いてより詳細に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
<実施例1>
下記化学式で表されるジアミン化合物(日本純良薬品社製、酸化電位4.96eV)7g(23mmol)及び12mol/Lの塩酸4mL(48mmol)を、アセトン50mL及び水300mLを含む溶媒中に添加し、ジアミン化合物塩酸塩が溶解した溶液Aを調製した。
Figure 2022068377000004
上記のようにして調製した溶液Aを、抽出溶媒である酢酸イソプロピル100mLと共に、分液漏斗に供給し、分液操作を行った。
静置後、抽出溶媒を廃棄すると共に、溶液Aに、アニリン(酸化電位4.67eV)0.2mL(2.3mmol)及び10mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液4.8mL(48mmol)を添加し、ジアミン化合物を弱塩基遊離反応析出させた。
沈殿したジアミン化合物を吸引濾過した後、メタノールにて洗浄した。洗浄後、ジアミン化合物を減圧下(10-2Torr)、50℃で16時間乾燥し、精製ジアミン化合物を得た。
<実施例2>
還元剤を、アニリンから亜硫酸ナトリウムに変更した以外は、実施例1と同様にして、精製ジアミン化合物を得た。
<実施例3>
抽出溶媒を、酢酸イソプロピルからクロロホルムに変更した以外は、実施例1と同様にして、精製ジアミン化合物を得た。
<比較例1>
還元剤を使用しなかった以外は、実施例1と同様にして、精製ジアミン化合物を得た。
<比較例2>
精製工程を行わず、上記化学式のジアミン化合物を準備した
<<透明性評価>>
(ポリイミド前駆体の合成)
50mLのスクリューバイアル中にスターラーチップ、N-メチルピロリドン8gを仕込み、上記実施例1で得られた精製ジアミン化合物1.11g(4.06mmol)、下記化学式で示されるシクロブタン-1,2,3,4-テトラカルボン酸二無水物(CBDA)0.796(4.06mmol)を加え、窒素置換後密閉し、室温で16時間撹拌を続け、ポリイミド前駆体Aのワニスを得た。
Figure 2022068377000005
得られたポリイミド前駆体Aのワニスを、スピンコーターにてシリコン基板上に塗布し、ホットプレートにより120℃で10分間加熱乾燥した。その後イナートガスオーブン内において窒素気流下で、250℃で1時間加熱乾燥し、厚さ15μmの樹脂組成物の硬化膜を形成した。この硬化膜をシリコン基板から剥離すると共に、カットし、縦100mm×横100mm×厚さ15μmの試験片とした。
試験片の波長400nmの光線透過率を紫外可視分光法(UV-vis)により測定すると共に、以下の評価基準に従って、評価した。
ワニスの調製に用いたジアミン化合物を、実施例2及び3、並びに比較例1及び2におけるジアミン化合物に変更した以外は、同様にして、試験片の波長400nmの光線透過率を測定し、評価した。
これらの評価結果を表1にまとめた。
(評価基準)
◎:透過率が、80%以上であった。
○:透過率が、75%以上、80%未満であった。
×:透過率が、75%未満であった。
Figure 2022068377000006
上記表中に示す評価結果から明らかなように、実施例1~3における精製工程を経たジアミン化合物を用いて合成したポリイミド化合物を使用し、作製した硬化物は、高い透明性を有していることがわかった。

Claims (4)

  1. ジアミン化合物を中和塩とし、溶媒に溶解する工程と、
    前記ジアミン化合物の中和塩が溶解した溶媒と、抽出溶媒とを分液槽に供給し、これらを相分離の状態にすると共に、前記ジアミン化合物の中和塩が溶解した溶媒に含まれる前記ジアミン化合物由来の不純物を、前記抽出溶媒中に抽出する工程と、
    前記溶媒に溶解したジアミン化合物の中和塩を、還元剤の存在下において弱塩基遊離反応させ、ジアミン化合物を得る工程と、
    を含むことを特徴とする、ジアミン化合物の精製方法。
  2. 前記還元剤の最高被占軌道準位が、前記ジアミン化合物の最高被占軌道準位よりも、0.1eV以上大きい、請求項1に記載のジアミン化合物の精製方法。
  3. 前記還元剤の使用量が、前記ジアミン化合物100モル%に対し、1モル%以上20モル%以下である、請求項1または2に記載のジアミン化合物の精製方法。
  4. 前記ジアミン化合物が、下記一般式(1)で表される、請求項1~3のいずれか一項に記載のジアミン化合物の精製方法。
    Figure 2022068377000007
    (上記式(1)中、
    R1~R4のいずれかが、炭素数6~10の芳香族基、炭素数6~10のフェノキシ基、炭素数6~10のベンジル基および炭素数6~10のベンジルオキシ基から選択され、それ以外のR1~R4が水素原子である。)
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