JP2022068051A - 回転電機及び回転電機の製造方法 - Google Patents

回転電機及び回転電機の製造方法 Download PDF

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Isamu Yoshida
源三 岩城
Genzo Iwaki
高広 竹田
Takahiro Takeda
雄也 平田
Yuya Hirata
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Abstract

【課題】 磁性楔をスロット開口部に設置する回転電機において、スロット開口部の磁束密度を高くしてギャップ磁束密度変動を低減できる構造を提供することにある。【解決手段】 電磁鋼板を打ち抜き積層して、ロータ側に開口するスロットが内周方向に複数形成されたステータコアと、前記スロットの壁面に沿って設置された絶縁性を有するスロットライナーと、前記スロットライナーの内側に収納された複数のコイルと、及び前記スロットの開口部に設置された磁性粉と樹脂による混合体からなる磁性楔とを備えて成る回転電機であって、前記磁性楔が、マスク開口部にスキージにより前記混合体が充填され、マスクより離型された前記充填された混合体が加熱硬化されて形成される。【選択図】 図5

Description

本発明は回転電機及び回転電機の製造方法に関し、より詳細には、金属粉と樹脂からなる磁性楔を備える回転電機及び回転電機の製造方法に関する。
回転電機には、損失低減技術の向上により運転効率を高効率化し、電気エネルギー消費量を低減することが求められている。損失は、銅損(一次銅損および二次銅損)、鉄損、機械損および漂遊負荷損に分けられる。回転電機では、ステータ(固定子)とロータ(回転子)との間のエアギャップ部(空隙)におけるギャップ磁束密度変動に伴って高調波磁束が発生することが知られている。この高調波磁束に起因する漂遊負荷損が全損失の中で比較的高い割合を占めている。
回転電機における高調波磁束は、スロット開放部では磁束密度が低く、ステータコアのティース部では磁束密度が高くなり、磁束密度が局部的に激しく変動することで発生する。高調波磁束は、漂遊負荷損の増大だけでなく、力率やトルク特性の低下、ロータ鉄損の増大の要因ともなるため、その低減が求められている。
この問題を解決する方法として、例えば特開2004-120827号公報(特許文献1)に記載されている磁性楔を用いる方法がある。スロット開放部に蓋をするように磁性楔を配置させることによりギャップ磁束密度変動を低減する技術が開示されている。ここで用いられる磁性楔は、ガラスクロスなどの基材に磁性粉を含有した樹脂を塗布したプリプレグを積層し、加圧硬化させた基板を切削加工などにより形状を形成させる。
また、他の解決方法として、例えば特開2002-281709号公報(特許文献2)に記載されているように鉄粉と合成樹脂とを混練した混練物を繊維状の材料と混合して充填材を形成し、その充填材を回転電機のステータコアに形成されたスロット開口部に充填して硬化させて磁性楔を形成し、ギャップ磁束密度変動を低減する技術が開示されている。
特開2004-120827号公報 特開2002-281709号公報
しかしながら、特許文献1の磁性楔の構造において、磁性楔の基材にガラスクロスが用いられ、その多層積層構造であることから、磁性楔の平面方向と厚さ方向で比透磁率が異なっており、スロット開口部の磁束密度を高くしてギャップ磁束密度変動を低減する効果が低いという問題があった。
また、特許文献2の磁性楔の構造において、スロット開口部に鉄粉と合成樹脂と繊維状の材料を混錬した充填材を直接充填させ硬化させる構造になっており、多種多様な回転電機に対応する設備を考えたときに、設備は複雑かつ大型になるという問題があった。
本発明の目的は、上記記載した従来技術の欠点を解消し、ギャップ磁束密度変動を低減できる磁性楔の構造を提供し、損失が少なく、高いモータ効率を得られる回転電機を提供することである。
本発明の上記ならびにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
本発明の回転電機の好ましい例では、電磁鋼板を打ち抜き積層して、ロータ側に開口するスロットが内周方向に複数形成されたステータコアと、前記スロットの壁面に沿って設置された絶縁性を有するスロットライナーと、前記スロットライナーの内側に収納された複数のコイルと、及び前記スロットの開口部に設置された磁性粉と樹脂による混合体からなる磁性楔とを備えて成る回転電機であって、前記磁性楔が、マスク開口部にスキージにより前記混合体が充填され、マスクより離型された前記充填された混合体が加熱硬化されて形成されるように構成する。
また、本発明の回転電機の製造方法の好ましい例では、電磁鋼板を打ち抜き積層して、ロータ側に開口するスロットが内周方向に複数形成されたステータコアと、前記スロットの壁面に沿って設置された絶縁性を有するスロットライナーと、前記スロットライナーの内側に収納された複数のコイルと、及び前記スロットの開口部に設置された磁性粉と樹脂による混合体からなる磁性楔とを備えて成る回転電機の製造方法であって、マスク開口部にスキージにより前記混合体を充填する工程と、前記マスクより前記充填された混合体を離型し、加熱硬化させて前記磁性楔を形成する工程と、前記磁性楔の下部の上面部を、前記スロットの開口部を形成する両側のティースの突出部の下面に接触するように、前記磁性楔を前記スロット内へ挿入する工程と、前記スロット内へ絶縁ワニスを充填する工程とを有して構成する。
本願において開示される発明のうち、代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、以下のとおりである
本発明によれば、スロット開口部に挿入される磁性楔の比透磁率を平面方向と厚さ方向でほぼ同じにすることができ、磁束密度も高くできるのでギャップ磁束密度変動を低減する効果を高くすることができる。また、スロット開口部に直接充填材を塗布する設備に比べて、マスクを用いて磁性楔を製造するため挿入機構を有する設備で行えるため設備を小型化、低コスト化を図れる効果がある。さらに、磁性楔の裏面にバネ機能を有した絶縁体を付着することにより磁性楔を挿入してからワニス処理されるまでの間に磁性楔が移動することを防止することができる。
第1の実施形態における回転電機の断面図である。 第1の実施形態におけるステータのスロット部の拡大断面図である。 第1の実施形態における水平面上に置かれた磁性楔の長手方向を示す鳥瞰図である。 第1の実施形態における磁性楔の断面図である。 第1の実施形態における図2の点線部を拡大した断面図である。 第1の実施形態における磁性楔の製造方法である。 第2の実施形態における磁性楔の断面図である。 第2の実施形態における図2の点線部に相当する部分を拡大した断面図である。 第3の実施形態における図2の点線部に相当する部分を拡大した断面図である。 第3の実施形態における磁性楔の製造方法である。 第4の実施形態における磁性楔の製造方法である。 第5の実施形態における磁性楔の製造方法である。
以下、図面を参照して、本願の回転電機及び回転電機の製造方法の実施の形態を説明する。
図1~図6は、本願の回転電機及び回転電機の製造方法の第1の実施形態を示す。
図1は、第1の実施形態における回転電機の断面図を示す。回転電機1は、シャフト2に固定されたロータ(回転子)3と、ロータ3の外周に設置されたステータ(固定子)4で構成されている。ロータ3は、所定の形状に打ち抜いた電磁鋼板を積層したロータコア5と、ロータコア5のスロット内に挿入された導体6で構成されている。ロータコア5は、シャフト2に固定されており、シャフト2の回転に伴いロータコア5も回転する構造になっている。ステータ4は、所定の形状に打ち抜いた電磁鋼板等を積層したステータコア7とステータコア7のスロット8内に挿入されたコイル9(図2で図示)で構成されている。また、ステータコア7は、ロータ3の円周面に対向して配置されている。
図2は、ステータコア7内に形成されたスロット8を拡大した断面図を示す。スロット8は、ステータコア7からロータ3の径方向に放射状に延びるティース10間に形成され、周方向に複数形成されており、内周側にスロット開口部11が形成されている。スロット開口部11には、ティース10から突出した突出部12が形成されている。
スロット8内には、スロット8の壁面に沿ってスロットライナー13が設置されており、スロットライナー13の内側には多数のコイル9が収納されている。スロットライナー13の材質は絶縁性を有しており、例えばPET(ポリエチレンテレフタラート:polyethylene terephthalate)を主材としたシートが用いられる。コイル9の材質は、銅やアルミなどにエナメルなど絶縁被覆された金属線が用いられる。また、スロット開口部11には磁性体を含有している樹脂で形成させた磁性楔14によって蓋をする状態で設置されている。さらに、スロット8内には固定と絶縁の機能をもつ絶縁ワニス(図示せず)が充填されている。
図3は、水平面上に置かれた磁性楔14の長手方向を示す鳥瞰図である。磁性楔14は、回転電機のステータコア7の長さ(図1の奥行方向長さ)に応じて、種々の長さに形成され、大型の回転電機では複数個に分割されて形成されることがある。磁性楔14は、図2のスロット8内の奥行方向に挿入されて組立てられる。
図4は、実施例1の磁性楔14の断面図を示す。磁性楔14は、スロット開口部11に差し込むため凸形状をしており、後で説明する製造方法で有利な構造にするために側面の形状は抜き勾配がついており、磁性楔14の上部15の幅はc1<d1、下部16の側面部の幅はe1<f1の関係となっている。また、上部15と下部16の幅の関係は、c1<d1<e1<f1となっている。
図5は、図2の点線部30を拡大した断面図である。磁性楔14は、下部の上面部17がティース10の突出部12の下面に接触することにより抜け落ちない構造となっており、突出部12の上面と磁性楔14の上面はほぼ同じ高さ(ほぼ同じ円周上)となっている。
また、磁性楔14の上部15の側面は抜き勾配構造となっているので、突出部12の先端側面と磁性楔14の上部15の側面との隙間は、上部隙間a1と下部隙間b1の関係がa1>b1の構造になっている。上部隙間a1、下部隙間b1は、磁性楔14の挿入時の摺動抵抗にならない程度にできるだけ小さい値にする方が、ギャップ磁束密度変動を抑える効果が高い。
図6は、実施例1の磁性楔14の製造方法である。工程は、(a)、(b)、(c)、(d)の順で進行する。次に各工程について説明する。(a)は、ベース18上にマスク19が設置されている状態を示す。マスク19には磁性楔と同形状のマスク開口部20が設けられている。(b)は、磁性体を含有している液体状(未硬化)の樹脂21をスキージ22によりマスク開口部20に充填している工程を示している。(c)は、マスク19がベース18と樹脂21から離型された状態を示す。この時点の樹脂21は未硬化状態である。そして、このベース18上に樹脂21が搭載された状態で加熱炉で樹脂を硬化させる。(d)は硬化工程が終了した樹脂21をベース18から剥離させた状態を示す。このような工程により磁性楔14が完成する。
樹脂21は、硬化工程で硬化収縮が発生するため、磁性楔14は若干収縮した形状になる。したがって、マスク開口部20は、磁性体を含有した樹脂の硬化収縮を考慮して設計する必要がある。また、マスク開口部20の側面には、離型を補助する機能を持つ抜き勾配が設けられており、このマスクを用いて磁性楔を製作することにより図4、5で説明した寸法の関係が成り立つようになっている。
磁性体の材質としては、鉄や鉄合金などがある。また、磁性体の粒径は、消防法(鉄粉は花火の原料になり、目開き53μmの網ふるいを通過するものが50wt%以上であるものは、火災、爆発などを引き起こす危険物と定めている。)を考慮すると、目開き53μmの網ふるいを通過するものが50wt%以下であるものを用いるのが望ましい。また、磁性楔に用いられる樹脂は、耐熱性や強度が優れている必要があり、熱硬化性樹脂が望ましい。
樹脂21に含有される磁性体の含有率は、50~64vol%が推奨される。
磁性体の含有率は、以下の理由で決定する。下限値については、マスク19より離型されたときに未硬化状態の樹脂21の形状を保持する必要がある。磁性体の含有率が低いと見かけの粘度が低くなり形状を保持できなくなる。上限値については、樹脂と磁性体を混錬して用いるため混錬ができること、かつマスクに充填できる見かけの粘度であることである。磁性体の粒径や樹脂単体の粘度、混錬装置の性能、磁性楔としての電気性能など関係するのは言うまでもなく、総合的に含有率は決定する必要がある。
スロット開口部11に挿入される磁性楔14を磁性体と樹脂だけで構成しているので、磁性楔の比透磁率を図3に示す水平面方向と厚さ方向でほぼ同じにすることができ、磁束密度も高くできるのでギャップ磁束密度変動を低減する効果を高くすることができる。また、マスクを用いて磁性楔を製造するため設備を小型化、低コスト化を図れる効果がある。
図7、8は、本発明の回転電機の第2の実施形態を示す。
図7は、磁性楔14の断面図を示す。磁性楔14は、スロット開口部11に差し込むため凸形状をしており、磁性楔14の全体高さに対して上部15の高さの割合を低く抑えることにより上部15の側面には抜き勾配を設けず幅c2とd2がほぼ同じになっている構造である。また、磁性楔14の下部16の側面部には抜き勾配が設けられており、下部16の側面部の幅は、上端部の幅e2と下端部の幅f2の関係がe2<f2の関係となっている。また、磁性楔14は第1の実施形態と同様に磁性体と樹脂だけで構成されている。
図8は、図2の点線部30に相当する部分を拡大した断面図である。磁性楔14は、下部上面部17がティース10の突出部12の下面に接触することにより抜け落ちない構造となっており、突出部12の上面と磁性楔14の上面はほぼ同じ高さ(ほぼ同じ円周上)となっている。また、磁性楔14の上部15の側面は抜き勾配がない構造となっているので、突出部12の先端側面と磁性楔14の上部15の側面との隙間は、上部隙間a2と下部隙間b2はほぼ同じとなっている。隙間a2、b2は、挿入時の摺動抵抗にならない程度にできるだけ小さい値にする方が、ギャップ磁束密度変動を抑える効果が高い。
スロット開口部11に挿入される磁性楔14を磁性体と樹脂だけで構成しているので、磁性楔の比透磁率を図3に示す水平面方向と厚さ方向でほぼ同じにすることができ、磁束密度も高くできるのでギャップ磁束密度変動を低減する効果を高くすることができる。また、磁性楔14の上部15の側面と突出部12の先端側面との隙間a2、b2を第1の実施形態より小さくすることができ、ギャップ磁束密度変動を低減する効果を第1の実施形態より高くすることができる。
本発明による回転電機の第3の実施形態について、図9、10を参照して説明する。
図9は、図2の点線部30に相当する部分を拡大した断面図である。磁性楔14は、下部上面部17がティース10の突出部12の下面に接触することにより抜け落ちない構造となっており、突出部12の上面と磁性楔14の上面はほぼ同じ高さ(ほぼ同じ円周上)となっている。また、磁性楔14の底面には折り曲げることによりバネ機能を有するベース28が接着されている。このベース28のバネ機能により磁性楔14は、突出部12の下面に強く押しつけられるので固定が強固となる。また、磁性楔14は第1の実施形態と同様に磁性体と樹脂だけで構成されている。
図10は、磁性楔14の製造方法である。工程は、(a)、(b)、(c)、(d)の順で進行する。次に各工程について説明する。(a)は、ベース28上にマスク19が設置されている状態を示す。マスク19には磁性楔と同形状のマスク開口部20が設けられている。(b)は、磁性体を含有している液体状(未硬化)の樹脂21をスキージ22によりマスク開口部20に充填している工程を示している。(c)は、マスク19がベース28と樹脂21から離型された状態を示す。このベース28上に樹脂21が搭載された状態で加熱炉で樹脂を硬化させる。(d)は硬化工程が終了した樹脂21に付着しているベース28を磁性楔14の底面の幅より外側を折り曲げた状態を示す。このような工程により磁性楔14が完成する。
図10(d)に示す磁性楔14の底面に付着したベース28を折り曲げた後、磁性楔14と共に図9に示す様にスロット8内に挿入する。磁性楔14を突出部12の下面に押し付けるバネ機能は、スプリングバックと呼ばれる折り曲げられたベース28の元に戻ろうとする力に因るものである。このバネ機能は、スロット8内へ磁性楔14の組み付け後、スロット8内へワニスが充填されるまで働けばよい。スプリングバック現象の強弱は、ベース28の材質、厚さなどにも因るが、本実施例のベース28は第1の実施形態で使用されているスロットライナー13と同じでもよい。
スロット開口部11に挿入される磁性楔14を磁性体と樹脂だけで構成しているので、磁性楔の比透磁率を図3に示す水平面方向と厚さ方向でほぼ同じにすることができ、磁束密度も高くできるのでギャップ磁束密度変動を低減する効果を高くすることができる。また、ベース28のバネ機能により磁性楔14は、突出部12の下面に強く押しつけられるので固定が強固となり位置ずれ不良を低減できる効果がある。
本発明による回転電機の第4の実施形態について、図11を参照して説明する。
図11は、磁性楔14の製造方法である。工程は、(a)、(b)、(c)、(d)の順で進行する。次に各工程について説明する。(a)は、金型23が設置されている状態を示す。金型23には磁性楔と同形状のキャビティ24が設けられている。(b)は、磁性体を含有している液体状(未硬化)の樹脂21をスキージ22によりキャビティ24に充填している工程を示している。(c)は、キャビティ24に樹脂21が充填された状態を示す。この金型23のキャビティ24内に樹脂21が充填された状態で加熱炉で樹脂を硬化させる。(d)は硬化工程が終了した樹脂21を金型23のキャビティ24から離型した状態を示す。金型から離型する方法としては、図示していないがエジェクタピンによる方法や金型を割型にした方法が一般的である。このような工程により磁性楔14が完成する。
スロット開口部11に挿入される磁性楔14を磁性体と樹脂だけで構成しているので、磁性楔の比透磁率を図3に示す水平面方向と厚さ方向でほぼ同じにすることができ、磁束密度も高くできるのでギャップ磁束密度変動を低減する効果を高くすることができる。
本発明による回転電機の第5の実施形態について、図12を参照して説明する。
図12は、磁性楔14の製造方法である。工程は、(a)、(b)、(c)、(d)、(e)、(f)の順で進行する。次に各工程について説明する。(a)は、ベース27上に第1のマスク25が設置されている状態を示す。第1のマスク25には磁性楔の下部と同形状のマスク開口部20が設けられている。(b)は、磁性体を含有している液体状(未硬化)の樹脂21をスキージ22によりマスク開口部20に充填している工程を示している。(c)は、第1のマスク25がベース27と樹脂21から離型された状態を示す。このベース27上に樹脂21が搭載された状態で加熱炉で樹脂を硬化させる。(d)は、樹脂21上に第2のマスク26が設置されている状態を示す。第2のマスク26には磁性楔の上部と同形状のマスク開口部20が設けられている。(e)は、磁性体を含有している液体状(未硬化)の樹脂21をスキージ22によりマスク開口部20に充填している工程を示している。充填が完了したら第2のマスク26をベース27と樹脂21から離型させ、加熱炉で樹脂を硬化させる。(f)は、ベース27から樹脂21を剥離させた状態を示す。そして、このような工程により磁性楔14が完成する。
スロット開口部11に挿入される磁性楔14を磁性体と樹脂だけで構成しているので、磁性楔の比透磁率を図3に示す水平面方向と厚さ方向でほぼ同じにすることができ、磁束密度も高くできるのでギャップ磁束密度変動を低減する効果を高くすることができる。また、2枚のマスクを用いて磁性楔を製作するので1枚のマスクで製作するときに比べて厚い磁性楔にも対応できるという効果がある。
本願の第1~第5の実施形態に用いた磁性体を含有した樹脂について説明する。磁性体を含有した樹脂は、樹脂に磁性体を含有させるため混錬工程が発生する。混錬工程は、磁性体の含有率が小さい場合容易であるが混錬後に磁性体が沈降する問題が発生する可能性がある。また、含有率が大きくなるに従って見かけの粘度が高くなり混錬しにくくなり混錬時間が長くなったり、未混錬部の発生、せん断発熱による樹脂の硬化などの問題が発生する可能性があり、スキージによる印刷工程においては高粘度による印刷不良の問題も発生する。以上のことから、磁性体の含有率は上記記載事項を考慮して決定する必要がある。また、見かけの粘度は、磁性体の粒径や樹脂のベース粘度の影響を受けるのは言うまでもない。
1 回転電機
2 シャフト
3 ロータ(回転子)
4 ステータ(固定子)
5 ロータコア
6 ロータコア5のスロット内に挿入された導体
7 ステータコア
8 スロット
9 コイル
10 ティース
11 スロット開口部
12 ティースの突出部
13 スロットライナー
14 磁性楔
15 磁性楔の上部
16 磁性楔の下部
17 磁性楔の下部の上面部
18 ベース
19 マスク
20 マスク開口部
21 樹脂
22 スキージ
23 金型
24 キャビティ
25 第1のマスク
26 第2のマスク
27 ベース
28 バネ機能を有するベース
30 図2の点線部

Claims (8)

  1. 電磁鋼板を打ち抜き積層して、ロータ側に開口するスロットが内周方向に複数形成されたステータコアと、
    前記スロットの壁面に沿って設置された絶縁性を有するスロットライナーと、
    前記スロットライナーの内側に収納された複数のコイルと、及び
    前記スロットの開口部に設置された磁性粉と樹脂による混合体からなる磁性楔とを備えて成る回転電機であって、
    前記磁性楔が、マスク開口部にスキージにより前記混合体が充填され、マスクより離型された前記充填された混合体が加熱硬化されて形成されることを特徴とする回転電機。
  2. 請求項1に記載の回転電機において、
    前記磁性楔の下部の上面部は、前記スロットの開口部を形成する両側のティースの突出部の下面に接触することにより、前記磁性楔が前記スロットから抜け落ちない構造となっており、前記突出部の上面と前記磁性楔の上面はほぼ同じ高さとなっている。
  3. 請求項2に記載の回転電機において、
    前記磁性楔の上部の側面と前記ティースの突出部の先端側面の隙間がロータ中心に向けて広がっていく構造になっている。
  4. 請求項1に記載の回転電機において、
    前記磁性楔が、第一のマスクの開口部にスキージにより前記混合体が充填され、第一のマスクより離型された前記充填された混合体が加熱硬化されて磁性楔の下部が形成され、前記磁性楔の下部上に第二のマスクを搭載し、第二のマスクの開口部にスキージにより前記混合体が充填され、第二のマスクより離型された前記充填された混合体と前記磁性楔の下部が加熱硬化されて形成される。
  5. 請求項1に記載の回転電機において、
    前記磁性楔が、金型のキャビティにスキージにより前記混合体が充填され、前記充填された混合体が加熱硬化され、金型より離型されて形成される。
  6. 請求項1に記載の回転電機において、
    前記スロットの開口部に設置された磁性楔の底面に折り曲げ構造を有した絶縁体が接着されている。
  7. 請求項1に記載の回転電機において、
    前記磁性粉は鉄、または鉄合金であり、前記樹脂は熱硬化性樹脂であり、樹脂に含有される磁性粉の含有率は、50~64vol%である。
  8. 電磁鋼板を打ち抜き積層して、ロータ側に開口するスロットが内周方向に複数形成されたステータコアと、前記スロットの壁面に沿って設置された絶縁性を有するスロットライナーと、前記スロットライナーの内側に収納された複数のコイルと、及び前記スロットの開口部に設置された磁性粉と樹脂による混合体からなる磁性楔とを備えて成る回転電機の製造方法であって、
    マスク開口部にスキージにより前記混合体を充填する工程と、
    前記マスクより前記充填された混合体を離型し、加熱硬化させて前記磁性楔を形成する工程と、
    前記磁性楔の下部の上面部を、前記スロットの開口部を形成する両側のティースの突出部の下面に接触するように、前記磁性楔を前記スロット内へ挿入する工程と、
    前記スロット内へ絶縁ワニスを充填する工程を有することを特徴とする回転電機の製造方法。
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