JP2022067473A - 易開封性包装袋およびその製造方法 - Google Patents

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史絵 松永
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【課題】引裂き性、バリア性、生産性、外観に優れた易開封性容器を提供する。また、易開封性容器を成形性よく製造する製造方法を提供する。【解決手段】積層フィルムをヒートシールすることにより密封する包装袋であって、前記積層フィルムは、内層フィルムと、幅の小さい開封誘導疵を形成した中間層フィルムと、外層フィルムとを備えることを特徴とする易開封性包装袋を提供する。また、上記包装袋を製造するのに適した、易開封性包装袋の製造方法を提供する。【選択図】図1

Description

本発明は、積層フィルムをヒートシールすることにより密封する、引裂き開封性に優れた包装袋およびその製造方法に関する。
軟包材の袋に、フィルムを破断して開封を容易にするための易開封線が加工されることは、広く利用されている技術である。
しかし、包材を構成する積層フィルムの最外層に切断加工を加えると、バリア性能の低下が問題となる。これを解決するために、特許文献1では、内面側に、レーザー加工を制御するための遮光層、バリア層を保護するための支持層、バリア層、熱可塑性樹脂層を含む多層構成の包装袋が提案されているが、多層化すると高コストになるのに加えて、遮光層を含むため透明性が低いという問題がある。
一方で、特許文献2に開示されるように、バリア層と内層の間に中間層を設けた積層フィルムからなる包装袋の、中間層フィルムの引裂き箇所に切断線を加工した場合、バリア性の低下を抑制することができる。
しかし、中間層フィルムを単層で切断した後に積層した場合、貼り合わせの際に中間層の切断周辺部分が上下に重なり合ってしまうと、巻き取り時に背骨状の起伏部ができて外観不良がみられ、このため原反毎に弛みの調整をしなくてはならない等の、成形性の問題があった。
また、特許文献3では、中間層に開封誘導疵を設けたバリアフィルムを用いた積層フィルムの疵部分をバリアインキで覆うパウチについて開示されている。この方法によれば、バリア性は担保されるが、工程を増やすことになるため、生産性が低く、コストが高くなる。
特開2016-150772号公報 特開平4-311466号公報 特開2020-44819号公報
本発明の課題は、引裂き性、バリア性、生産性、外観に優れた易開封性容器を提供すること、及び、易開封性容器を成形性よく製造する製造方法を提供することである。
請求項1の発明は、積層フィルムをヒートシールすることにより密封する包装袋であって、前記積層フィルムは、内層フィルムと、0μm以上20μm以下の幅の開封誘導疵を形成した中間層フィルムと、外層フィルムとを備えることを特徴とする易開封性包装袋である。
請求項2の発明は、開封誘導疵の幅が0μm以上10μm未満である、請求項1に記載の包装袋である。
請求項3の発明は、開封誘導疵の先端が内層フィルム又は外層フィルムの内部まで達している、請求項1又は2に記載の包装袋である。
請求項4の発明は、開封誘導疵を複数本形成した、請求項1~3のいずれか1項に記載の包装袋である。
請求項5の発明は、中間層フィルムがバリア性を有する、請求項1~4のいずれか1項に記載の包装袋である。
請求項6の発明は、中間層フィルムがポリアミド又はポリエステルである、請求項1~5のいずれか1項に記載の包装袋である。
請求項7の発明は、外層フィルムが分子配向角49度未満の二軸延伸フィルムである、請求項1~6のいずれか1項に記載の包装袋である。
請求項8の発明は、外層フィルムがポリアミド又はポリエステルである、請求項1~7のいずれか1項に記載の包装袋である。
請求項9の発明は、蒸気抜き機構を有する、請求項1~8のいずれか1項に記載の包装袋である。
請求項10の発明は、積層フィルムをヒートシールすることにより密封する包装袋の製造方法であって、前記積層フィルムは、内層フィルムと、少なくとも1層の中間層フィルムと、外層フィルムとを備え、前記中間層フィルムと前記内層フィルムを貼り合わせる第一積層工程と、この貼り合わせたフィルムの中間層側から、0μm以上20μm以下の幅の開封誘導疵加工を施す工程と、この開封誘導疵加工を施したフィルムと、前記外層フィルムとを貼り合わせる第二積層工程とを含む、易開封性包装袋の製造方法である。
請求項11の発明は、積層フィルムをヒートシールすることにより密封する包装袋の製造方法であって、前記積層フィルムは、内層フィルムと、少なくとも1層の中間層フィルムと、外層フィルムとを備え、前記中間層フィルムと前記外層フィルムを貼り合わせる第一積層工程と、この貼り合わせたフィルムの中間層側から、0μm以上20μm以下の幅の開封誘導疵加工を施す工程と、この開封誘導疵加工を施したフィルムと、前記内層フィルムとを貼り合わせる第二積層工程とを含む、易開封性包装袋の製造方法である。
請求項12の発明は、前記第二積層工程の後の工程のいずれかに、熱処理工程を含む、請求項10又は11に記載の製造方法である。
請求項13の発明は、前記開封誘導疵の幅が0μm以上10μm未満である、請求項10~12のいずれか1項に記載の製造方法である。
請求項14の発明は、開封誘導疵を複数本形成した、請求項10~13のいずれか1項に記載の製造方法である。
請求項15の発明は、中間層フィルムがバリア性を有する、請求項10~14のいずれか1項に記載の製造方法である。
請求項16の発明は、中間層フィルムがポリアミドまたはポリエステルである、請求項10~15のいずれか1項に記載の製造方法である。
請求項17の発明は、外層フィルムが分子配向角49度未満の二軸延伸フィルムである、請求項10~16のいずれか1項に記載の製造方法である。
請求項18の発明は、外層フィルムがポリアミドまたはポリエステルである、請求項10~17のいずれか1項に記載の製造方法である。
本発明により、引裂き性、バリア性、生産性、外観に優れた易開封性容器を提供すること、及び、易開封性容器を成形性よく製造する製造方法を提供することができる。
本発明において、中間層フィルムに疵幅の小さな開封誘導疵を形成した積層フィルムを用いることにより、引裂き性、バリア性、外観に優れた易開封性包装袋が得られる。
また、開封誘導疵が内層フィルム又は外層フィルムの内部にまで達していることで、より引裂き性の良い包装袋が得られる。
さらに、開封誘導疵を複数本設けることにより、生産性に優れた包装袋を得ることができる。
中間層フィルムにバリア性フィルムを用いた構成では、開封誘導疵の幅を制御することによるバリア性維持の優位性を得ることができる。
また、中間層フィルムにポリアミド又はポリエステルを用いることにより、包装袋に必要な強度やバリア性、耐衝撃性を持たせることができる。
外層フィルムに分子配向角49度未満の二軸延伸フィルム、中間層に開封誘導疵を形成したフィルムを用いることで、引裂き性の良い包装袋を得ることができる。
また、外層フィルムにポリアミド又はポリエステルを用いることにより、包装袋に必要な強度やバリア性、耐衝撃性を持たせることができる。
さらに、蒸気抜き機構を備えることにより、電子レンジで加熱する際に破袋することなく、簡便に加温することができ、加温した内容品を容易に取り出すことができる。
中間層フィルムと内層フィルムを貼り合わせた後に、中間層フィルム側から開封誘導疵加工を施した後、外層フィルムと貼り合わせることにより、疵幅の小さい誘導疵及び複数の誘導疵を安定して形成することができる。
さらに、中間層フィルムと外層フィルムを貼り合わせた後の工程で、熱処理工程を経ることにより、誘導疵幅を狭めることができ、より安定して疵幅の小さい誘導疵を形成することができる。
また、中間層フィルムと外層フィルムを貼り合わせた後に、中間層フィルム側から開封誘導疵加工を施した後、内層フィルムと貼り合わせることにより、疵幅の小さい誘導疵及び複数の誘導疵を安定して形成することができる。
さらに、中間層フィルムと内層フィルムを貼り合わせた後の工程で、熱処理工程を経ることにより、誘導疵幅を狭めることができ、より安定して疵幅の小さい誘導疵を形成することができる。
本発明に用いられる開封誘導疵を形成した積層フィルムの一態様を示す図である。 本発明の包装袋に用いられる積層フィルムの一例の断面写真であり、(A)は疵幅が10μmの開封誘導疵が形成された積層フィルムの断面写真であり、(B)は疵幅が0μmの開封誘導疵が形成された積層フィルムの断面写真である。 本発明の一態様による積層フィルムの製造工程の一部を示す概略構成図である。
(包装袋)
<内層フィルム>
本発明の包装袋の最内層となる内層フィルムとしては、公知の種々の材料を用いることができ、例えば、ヒートシール性を有するポリオレフィンを使用することができる。このようなポリオレフィンとしては、例えば低密度、中密度或いは高密度のポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、アイソタクティックポリプロピレン、シンジオタクティックポリプロピレン、エチレン-プロピレン共重合体、ポリブテン-1、ポリ4-メチル-1-ペンテン、エチレン-ブテン-1共重合体、プロピレン-ブテン-1共重合体、エチレン-プロピレン-ブテン1共重合体、エチレン-酢酸ビニル共重合体、イオン架橋オレフィン共重合体(アイオノマー)、エチレン-アクリル酸エステル共重合体等が挙げられる。これらを単独でも、或いは2種以上のブレンド物としても使用することができる。
特に耐熱性の観点からプロピレン系重合体が適当であり、ホモポリプロピレンや、プロピレンを主体とするランダム共重合体やブロック共重合体を使用することができる。
<中間層フィルム>
本発明において、内層フィルムと外層フィルムとの間には、少なくとも1層の中間層を設けることができる。
中間層フィルムとして、公知の種々の材料を用いることができ、例えば、ポリアミド、ポリエステル等を挙げることができる。
ポリアミドとしては、例えば、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン46、ナイロン69、ナイロン610、ナイロン612、ナイロン11、ナイロン12、ナイロンMXD6等を挙げることができるが、取り扱いやすさから、ナイロン6あるいはナイロン66が好ましい。
ポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)等、芳香族ジカルボン酸または脂肪族ジカルボン酸とジオールとを構成成分とする単量体からの重合により得られる縮重合体が好ましい。これらの中で、吸湿性の低いポリブチレンテレフタレート(PBT)やポリエチレンテレフタレート(PET)、これらのブレンド物を使用することが特に好ましい。
<外層フィルム>
本発明の外層フィルムとしては、公知の種々の材料を用いることができ、例えば、ポリアミド、ポリエステル等を挙げることができる。
ポリアミドとしては、例えば、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン46、ナイロン69、ナイロン610、ナイロン612、ナイロン11、ナイロン12、ナイロンMXD6等を挙げることができるが、取り扱いやすさから、ナイロン6あるいはナイロン66が好ましい。
ポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)等、芳香族ジカルボン酸または脂肪族ジカルボン酸とジオールとを構成成分とする単量体からの重合により得られる縮重合体が好ましい。これらの中で、PBT、PETが特に好ましい。
また、外層フィルムにナイロンやPBTを用いる場合は、チューブラ法により成形された二軸延伸フィルムが好ましい。二軸延伸フィルムが備える強度や耐熱性、透明性に加えて、等方性が高く、フィルムの取り位置による品質の違いが生じにくいためである。
包装袋の落下破袋を防止するために、耐衝撃性の高いPBTを、外層又は中間層の少なくとも1つに使用することが好ましい。外層に用いると、包装袋の耐衝撃性向上により有効である。
外層又は中間層の少なくとも1つにはバリア層が形成されていることが好ましい。
バリア層は、ケミカルベーパーデポジション(CVD)、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等で、シリコンオキサイド等の無機物、或いはアルミナ等のセラミック、カーボン等を蒸着することにより形成される。或いは、ポリカルボン酸系ポリマー、塩化ビニリデン、或いはエチレンビニルアルコール共重合体等からなるバリア性樹脂コーティング剤を含む塗膜層を形成してもよい。
従来、分子配向角が大きい二軸延伸フィルムを用いた積層フィルムでは、引裂き性が損なわれることが知られている。
二軸延伸フィルムにおいて、分子の配向方向と、フィルムの流れ方向或いは幅方向との交角を分子配向角と呼ぶ。フィルムの流れ方向を角度0°としたときの分子配向角は、一般的に、フィルムの中央部分が小さく、外延部分が大きくなる傾向にある。即ち、分子配向角が小さいフィルムのみしか使用できないと、中央付近のみを使用することとなり、コストアップに繋がる。
しかし、本発明において、中間層に開封誘導疵を設けたフィルムは、外層フィルムとして二軸延伸フィルムを用いた場合でも、引裂き性が損なわれにくく、分子配向角が49度未満の二軸延伸フィルムを使用することができる。
<開封誘導疵>
中間層フィルムには、包装袋の引裂き開封箇所に相当する箇所に開封誘導疵を形成することが好ましい。
図1は本発明の中間層に形成される開封誘導疵を説明するための図である。本発明の一態様である積層フィルム1は、外層フィルム2、中間層フィルム3及び内層フィルム4から成り、中間層フィルム3には外層側から延びる開封誘導疵5が形成されている。この積層フィルム1において、開封誘導疵5の幅とは、外層フィルム2と中間層フィルム3の界面における疵の開口幅Lを意味する。
図2は、本発明の包装袋に使用される積層フィルムの一例の断面の偏光顕微鏡写真である。(A)は開封誘導疵5の幅Lが10μmである積層フィルムの断面写真であり、(B)は開封誘導疵5の幅Lが0μmである積層フィルムの断面写真である。
開封誘導疵の開口部は、フィルムの積層後、或いは熱処理後は、積層前よりも小さく閉じている。例えば疵幅が0μmの開封誘導疵は、フィルムの貼り合わせや熱処理により、疵が完全に閉鎖した状態である。
開封誘導疵の幅は、0μm以上80μm以下が好ましく、特に0μm以上20μm以下が好ましい。さらに好ましくは、0μm以上10μm未満である。
疵幅が0μm以上20μm以下の開封誘導疵を設けた場合、中間層にバリア性フィルムを用いた場合でも、バリア性能の低下を抑えつつ、易開封性を付与することができる。疵幅が0μm以上10μm未満の場合、特に高いバリア性を維持できる。
また、疵幅が0μm以上20μm以下の開封誘導疵を設けた積層フィルムは、外観に優れており、特に疵幅が0μm以上10μm未満の疵を設けた積層フィルムは、目視では加工の有無が判別できず、意匠性の高い包装袋を得ることができる。
即ち、疵の幅を制御することで、バリア性・外観・易開封性に優れた包装袋を提供することができる。
本発明の一態様において、外層フィルムにPBTを用い、中間層フィルムに蒸着PET、内層フィルムにポリプロピレンを用いた構成で、蒸着PETのバリア膜に0μm以上20μm以下の開封誘導疵を設けた場合でも、バリア性を低下させることなく、開封が容易で外観に優れた包装袋を得ることが出来る。
また、バリア性能を鑑みれば、開封誘導疵は0μm以上20μm以下とすることが好ましいが、20μm以上80μm以下の疵を加工し、外層にバリアフィルムを用いて、バリア性能を補完することも可能である。例えば、外層に蒸着PBTを用いて、中間層に開封誘導疵加工を施した蒸着PET、内層にポリプロピレンを用いたフィルム構成等が挙げられる。
本発明において、開封誘導疵の数は複数であることが好ましい。
従来の開封予定部に1本の切断線が形成された包装袋では、表裏の切断線の形成位置がぴったり重なり合わなければ、易開封性を発現できない。さらに、ヒートシール部に開封補助ノッチを設ける場合は、ノッチの位置合わせもしなければならない。これらの調整には時間を要し、アウト率も高くなると考えられ、生産性を低下させるものである。
しかし、本発明における複数の開封誘導疵を形成した包装袋においては、その複数本の疵のいずれかと、反対面の最も近い疵とで開封されるため、位置調整が容易であり、不良が少なく生産性が高い。
即ち、生産性・易開封性に優れた包装袋を提供することができる。
本発明において、開封誘導疵の本数は、複数であれば良く、特に限定されるものではないが、少なすぎると、位置調整を容易にするという目的を達することができず、多すぎるとバリア性能を損ない得るため、3本~5本が好ましい。
また、各開封誘導疵間の距離は任意で定めることができるが、距離が離れすぎると開封性が損なわれるため、2mm以下が好ましい。
誘導疵の断面形状はV字形であっても良いし、四角形であっても良く、これらに限定されない。また、誘導疵による引裂き線は、直線状であっても良いし、弧を描いても、曲線状であっても良く、これらに限定されない。さらに、誘導疵による引裂き線は連続して形成されても良く、断続的に形成されても良い。断続的に形成する場合、疵が抜けた部分から、意図しない方向へ引き裂かれることを避けるため、疵と疵の間の加工抜け部分は1mm以下が好ましく、より好ましくは0.5mm以下である。
(包装袋の製造方法)
本発明の包装袋の製造方法の一態様においては、中間層フィルムと内層フィルムを貼り合わせる第一積層工程と、この貼り合わせたフィルムの中間層側から、0μm以上20μm以下の幅の開封誘導疵加工を施す工程と、この開封誘導疵加工を施したフィルムと、外層フィルムとを貼り合わせる第二積層工程とを含む製造工程により、開封誘導疵を有する積層フィルムを作成し、これをヒートシールすることにより包装袋を製造する。
また、別の態様においては、中間層フィルムと外層フィルムを貼り合わせる第一積層工程と、この貼り合わせたフィルムの中間層側から、0μm以上20μm以下の幅の開封誘導疵加工を施す工程と、この開封誘導疵加工を施したフィルムと、内層フィルムとを貼り合わせる第二積層工程とを含む製造工程により、開封誘導疵を有する積層フィルムを作成し、これをヒートシールすることにより包装袋を製造する。
図3は本発明の包装袋に用いられる開封誘導疵を有する積層フィルムの製造方法の一例を説明するための図である。中間層フィルムの巻き出しロール10から巻き出された中間層フィルム3と、内層フィルムの巻き出しロール11から巻き出された内層フィルム4をラミネートロール12a,12bによって貼り合わせた後、カッター13のカッター刃13aを中間層側からロール13bに沿って移動させることにより開封誘導疵5を形成する。次いで巻き出しロール14から巻きだされた外層フィルム2を、開封誘導疵5を形成した側に、ラミネートロール15a,15bによって貼り合わせた後、巻取りロール16に巻き取る。
<開封誘導疵の加工>
開封誘導疵の加工方法としては、ロータリーカッターによる凹溝加工、ミシン目加工、レーザー加工等があげられるが、本発明においては、カッターによる凹溝加工が好適である。
レーザー加工は、切断部周辺の溶融フィルムが突起となって、ラミネートに隙間が出来、巻き取り時の背骨状起伏部を作る原因となりかねず、また、有機溶剤使用下での安全性も懸念されるため、このような問題を生じることなく所望の開口幅の開封誘導疵を容易に形成できるカッターを使用することが好ましい。
開封誘導疵の加工は、中間層と内層又は外層を貼り合わせた後に、中間層側からハーフカット加工を施すことが好ましい。疵の先端は中間層内にとどまっても良いし、内層又は外層に達していても良いが、より高い引裂き性を得るために、内層又は外層に達していることが好ましい。また、中間層が2層以上の積層体からなるときは、中間層のうち内層又は外層に最も近い層まで先端が達していることが好ましく、内層又は外層にまで達していることが、より好ましい。
中間層と内層又は外層を貼り合わせた後に加工をおこなうと、フィルムに厚みがあるため、腰のあるフィルムに一定の形状の疵を安定して形成できる。さらに、ハーフカット加工ではフィルムの一部が完全に切断されないため、フィルムが蛇行しにくく、搬送性が良い。このため、加工を施したフィルムを外層フィルムと貼り合わせる際に、中間層単層を切断した場合と異なり、切断部周辺が重なり合って、巻き取り時に背骨状の起伏部ができるということがなく、一定形状の開封誘導疵を有する積層フィルムを安定して成形することができる。
内層が外層よりも厚みが大きい場合や、内層にポリオレフィン等の柔軟性の高い材料を使用する場合には、中間層と内層を貼り合わせた後に開封誘導疵加工をおこなうと、より安定して成形することができる。また、外層と中間層を貼り合わせた積層フィルムに開封誘導疵を形成する場合には、外層に求められるバリア性や耐衝撃性等の性能を損なわないように切込み深さを調整する必要があり、中間層と内層を貼り合わせた積層フィルムに開封誘導疵加工をおこなう方が、生産性の観点からより好ましい。
成形性に劣る従来の製造方法では、疵幅の狭い開封誘導疵を加工することや、複数の開封誘導疵を一定の間隔で安定して加工することはできないところ、本発明における製造方法では、カッター刃の種類やロールと刃とのクリアランスの簡単な調整をおこなうことで、安定的に同寸法の疵を加工でき、かつ、貼り合わせた後の疵の幅も寸法の狂いが生じない。
即ち、疵幅が狭い開封誘導疵、及び複数の開封誘導疵を加工した中間層を含む積層フィルムを成形性よく製造する製造方法を提供することができる。
<熱処理工程>
本発明に係る製造方法において、中間層と内層を貼り合わせ、開封誘導疵加工を施し、外層フィルムと貼り合わせた後、或いは中間層と外層を貼り合わせ、開封誘導疵加工を施し、内層フィルムと貼り合わせた後に、熱処理をおこなうことが好適である。これにより、疵幅を狭めることができる。例えば、外層フィルム貼り付け時に疵幅が10μmであった積層フィルムに熱処理を施すことにより、疵幅を狭めて0μmにすることができる。
この工程を加えることにより、疵幅の制御がより容易になり、安定的にバリア性が高く外観の良い包装袋を成形することができる。
本発明における熱処理条件は、35℃5日間や50℃2日間、90℃1分など、種々の条件が適用できる。また、この工程を、通常フィルム成形時におこなうキュア工程や、パウチの殺菌等の工程と合わせておこなえば、より効率的である。
熱処理工程は、積層フィルム成形直後におこなうこともできるし、積層フィルムを一定期間保管した後におこなうこともできる。また、包装袋の製袋後におこなうこともできる。
熱処理による疵幅の収縮をおこなう場合は、目的を達するために適当な熱収縮率を有するフィルムを外層フィルムとして用いることが好ましい。例えば、二軸延伸PBTフィルムが挙げられるが、これに限定されない。
<フィルムの積層>
本発明に用いる積層フィルムは、通常のドライラミネート法により得ることができる。接着剤は、一般的にフィルム包装の製造に用いられる接着剤を使用することができ、例えばポリウレタン系接着剤を使用できる。
内層と中間層を貼り合わせたフィルムの開封誘導疵加工と、外層フィルムとの貼り合わせ、或いは外層と中間層を貼り合わせたフィルムの開封誘導疵加工と、内層フィルムとの貼り合わせは、インラインでおこなうことも出来るし、疵加工の後に保管したフィルムを、後程貼り合わせることも可能である。
内層フィルムと中間層フィルムの積層、或いは中間層フィルムが複数ある場合の中間層フィルム同士の積層等、それぞれのフィルムを構成する樹脂の種類によっては公知の共押出ラミネートにより積層してもよい。
<包装袋の成形>
本発明に係る包装袋は、前記積層フィルムを用い、内層フィルム同士が向き合うように重ね合わせてヒートシールすることにより成形できる。パウチの形態としては、四方シールパウチやスタンディングパウチが挙げられるが、これに限定されない。
本発明に係る包装袋は、蒸気抜き機構を有していても良い。これにより電子レンジ加熱の際に包装袋内の内圧を開放し、破袋を防止することができる。加熱後の内容品を取り出す際には、引裂き性に優れた包装袋を使用することにより、開封部周辺に付着した内容品が飛び散って周囲を汚すことなく開封することができる。
また、ヒートシール部に開封補助ノッチを設けても良い。ノッチ形状はIノッチ、Uノッチ、マルチノッチ等、一般的にフィルム包装に用いられる形状を用いることができる。
次に実施例を示して本発明を具体的に説明するが、実施例は本発明の一態様であって、これに限定されるものではない。
<実施例1~4、比較例1>
中間層に0μm~30μmの開封誘導疵を1mm間隔で3本有する包装袋を5種類作製し、水180mLを封入して湯煎した後、開封性の評価と酸素透過度の測定をおこなった。また、実施例2と実施例4のパウチについて、酸素透過検出試験をおこなった。
[パウチの作製]
第一積層工程において、中間層フィルムとして厚さ12μmの酸化アルミニウム蒸着二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムと、内層フィルムとして厚さ70μmのポリプロピレンフィルムを、中間層フィルムのポリエチレンテレフタレートフィルム側にポリウレタン系接着剤を用いて、ドライラミネーション法により積層した。
第一積層工程で作成した積層フィルムの蒸着二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム側から、ロータリーカッターを使用して、ハーフカットの開封誘導疵を形成した。
第二積層工程において、開封誘導疵を形成した積層フィルムの蒸着二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム面に、ポリウレタン系接着剤を塗布した15μmのポリブチレンテレフタレートフィルムをドライラミネーション法により積層し、各開封誘導疵幅を有する積層フィルムを作製した。
上記第二積層工程で作成した積層フィルムをヒートシールすることにより、高さ170mm、幅130mmの平パウチを作製した。
[湯煎によるパウチの加熱]
ヤマト社製 高温水槽(BF600)にて、100℃に設定した湯中にパウチを入れ、20分加熱を行った。
[パウチ開封時のデラミネーション評価]
湯煎で温めた各パウチについて、引裂き開封した切断部分を目視で評価した。開封誘導疵に沿って開封されたものは○印、外層フィルムの一部が開封誘導疵から外れたものは△印、外層フィルムが開封誘導疵から完全に外れてしまったものは×印、と判定した。
[酸素透過度の測定]
各パウチから測定片を切りだし、MOCON法によって、温度23℃、相対湿度60%にて、酸素透過度(cc/m・day・atm)を測定した。
表1に、開封性の評価結果と酸素透過度の測定結果を示す。
Figure 2022067473000002
表1より、開封誘導疵の幅が0μm以上20μm以下の範囲においては、酸素透過度が0.6以下であり、良好なバリア性を示した。
[酸素透過検出試験]
上記方法により作製した実施例2及び実施例4のパウチにロイコメチレンブルー溶液を充填密封し、121℃、30分間のレトルト処理を行った。殺菌機から取り出して24時間放置後に内部を外側から観察した。
その結果、実施例2のパウチは、開封誘導疵周辺部分に全く変色がなく、良好なバリア性を示した。一方、実施例4のパウチは、開封誘導疵周辺にごく薄く変色が見られ、10μm未満の疵幅のフィルムがより高いバリア性を示すことが確認された。
本発明によれば、引裂き性、バリア性、生産性、外観に優れた易開封性容器を得ることができる。また、成形性に優れた製造方法により、易開封性容器を製造することができる。
1 積層フィルム、2 外層フィルム、3 中間層フィルム、4 内層フィルム、5 開封誘導疵、10 中間層フィルム巻き出しロール、11 内層フィルム巻き出しロール、12 ラミネートロール、13 カッター、14 外層フィルム巻き出しロール、15 ラミネートロール、16 巻取りロール。

Claims (18)

  1. 積層フィルムをヒートシールすることにより密封する包装袋であって、
    前記積層フィルムは、内層フィルムと、0μm以上20μm以下の幅の開封誘導疵を形成した中間層フィルムと、外層フィルムとを備えることを特徴とする易開封性包装袋。
  2. 前記開封誘導疵の幅が0μm以上10μm未満である、請求項1に記載の包装袋。
  3. 前記開封誘導疵の先端が内層フィルム又は外層フィルムの内部まで達している、請求項1又は2に記載の包装袋。
  4. 前記開封誘導疵を複数本形成した、請求項1~3のいずれか1項に記載の包装袋。
  5. 前記中間層フィルムがバリア性を有する、請求項1~4のいずれか1項に記載の包装袋。
  6. 前記中間層フィルムがポリアミド又はポリエステルである、請求項1~5のいずれか1項に記載の包装袋。
  7. 前記外層フィルムが分子配向角49度未満の二軸延伸フィルムである、請求項1~6のいずれか1項に記載の包装袋。
  8. 前記外層フィルムがポリアミド又はポリエステルである、請求項1~7のいずれか1項に記載の包装袋。
  9. 蒸気抜き機構を有する、請求項1~8のいずれか1項に記載の包装袋。
  10. 積層フィルムをヒートシールすることにより密封する包装袋の製造方法であって、
    前記積層フィルムは、内層フィルムと、少なくとも1層の中間層フィルムと、外層フィルムとを備え、
    前記中間層フィルムと前記内層フィルムを貼り合わせる第一積層工程と、
    この貼り合わせたフィルムの中間層側から、0μm以上20μm以下の幅の開封誘導疵加工を施す工程と、
    この開封誘導疵加工を施したフィルムと、前記外層フィルムとを貼り合わせる第二積層工程とを含む、易開封性包装袋の製造方法。
  11. 積層フィルムをヒートシールすることにより密封する包装袋の製造方法であって、
    前記積層フィルムは、内層フィルムと、少なくとも1層の中間層フィルムと、外層フィルムとを備え、
    前記中間層フィルムと前記外層フィルムを貼り合わせる第一積層工程と、
    この貼り合わせたフィルムの中間層側から、0μm以上20μm以下の幅の開封誘導疵加工を施す工程と、
    この開封誘導疵加工を施したフィルムと、前記内層フィルムとを貼り合わせる第二積層工程とを含む、易開封性包装袋の製造方法。
  12. 前記第二積層工程の後の工程のいずれかに、熱処理工程を含む、請求項10又は11に記載の製造方法。
  13. 前記開封誘導疵の幅が0μm以上10μm未満である、請求項10~12のいずれか1項に記載の製造方法。
  14. 前記開封誘導疵を複数本形成した、請求項10~13のいずれか1項に記載の製造方法。
  15. 前記中間層フィルムがバリア性を有する、請求項10~14のいずれか1項に記載の製造方法。
  16. 前記中間層フィルムがポリアミドまたはポリエステルである、請求項10~15のいずれか1項に記載の製造方法。
  17. 前記外層フィルムが分子配向角49度未満の二軸延伸フィルムである、請求項10~16のいずれか1項に記載の製造方法。
  18. 前記外層フィルムがポリアミドまたはポリエステルである、請求項10~17のいずれか1項に記載の製造方法。
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