JP2022067207A - 繊維製品 - Google Patents

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卓充 谷口
Takumitsu Taniguchi
裕邦 井上
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Abstract

Figure 2022067207000001
【課題】発生元となる合成繊維を含む繊維製品に関し、洗濯屑の発生量を抑制した繊維製品を提供する。
【解決手段】生地Aの端部を2回折り返して三重構造に構成された接合部からなる生地の端部を有する繊維製品であって、前記接合部は、前記生地の端部に位置し、前記三重構造の中間に位置する第1の折り返し領域C1と、前記第1の折返し領域に連接し、前記三重構造の外側に位置する第2の折り返し領域C2と、前記第2の折り返し領域に連接し、前記三重構造の外側に位置する第3の領域C3と、単列または複列状に断続的に塗布され、前記第1の折り返し領域と前記第2の折り返し領域とを固着する第1の接着剤B1と、単列または複列状に断続的に塗布され、前記第1の折り返し領域と前記第3の領域とを固着する第2の接着剤B2と、を備える
【選択図】図1

Description

本発明は、接着剤を使用して構成した繊維製品に関する。
近年、海洋や河川中のプラスチックごみが生物に取り込まれることにより、生態系への悪影響が懸念されている。生態系に悪影響を及ぼすと懸念されているマイクロプラスチックは、多くは非正規に廃棄されたプラスチック容器が紫外線などにより、微細化され、マイクロサイズのプラスチック片となったものである。そして、微量ではあるものの繊維製品を洗濯した際にもプラスチックの洗濯屑は発生しており、洗濯機の排水フィルター等で捕集され、さらには下水処理場でも捕集されている。
一方で、繊維の極細化や縫製の複雑化、織物風合いの柔軟化等の技術進展に伴い、洗濯屑も増加、微細化する傾向があることから、洗濯時に脱落した繊維屑を捕集する手段として、繊維屑の捕集能力を高めた洗濯袋が提案されている(例えば、特許文献1)。しかしながら、洗濯時に発生する繊維屑発生量を抑制する繊維製品はこれまで提案されていない。
特表2019-505351号公報
本発明の目的は、従来のように洗濯屑が発生することを前提にそれを捕集する観点から発想を転換し、発生元となる合成繊維を含む繊維製品に関し、洗濯屑の発生量を抑制した繊維製品を提供することである。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の繊維製品は、伸縮性を有する生地で構成され、生地の端部を2回折り返して三重構造に構成された接合部からなる生地の端部を有する繊維製品であって、前記接合部は、生地の端部に位置し、前記三重構造の中間に位置する第1の折り返し領域と、前記第1の折返し領域に連接し、前記三重構造の外側に位置する第2の折り返し領域と、前記第2の折り返し領域に連接し、前記三重構造の外側に位置する第3の領域と、単列または複列状に断続的に付設され、前記第1の折り返し領域と前記第2の折り返し領域とを固着する第1の接着剤と、単列または複列状に断続的に付設され、前記第1の折り返し領域と前記第3の領域とを固着する第2の接着剤とを備え、ISO 6330 C4N法に従う洗濯試験時において、繊維製品1枚の洗濯試験を実施し、試験後に排水ホースに取り付けた捕集袋に付着した繊維屑を、メンブレンフィルターを用いて捕集した場合の繊維屑量が40(mg/繊維製品)以下である。
本発明の繊維製品は、前記第1の折り返し領域の生地の端部が、折返しで得られる前記第2の折り返し領域と前記第3の領域の境界線に接していることが好ましい。
本発明の繊維製品は、前記第1の折り返し領域の生地の端部が、溶断されていることが好ましい。
本発明の繊維製品は、前記第1の折り返し領域の生地の端部が、縁かがり縫いされていることが好ましい。
本発明の繊維製品は、前記第1の折り返し領域と前記第2の折り返し領域とを固着する第1の接着剤または、前記第1の折り返し領域と前記第3の領域とを固着する第2の接着剤が、生地の端部近傍で接着剤同士が接触するように断続的に塗布されていることが好ましい。
本発明の繊維製品は、肌着であることが好ましい。
本発明によれば、繊維製品の生地の端部から脱落する繊維屑の発生を抑制するために接着剤を用いて生地端が露出しないように接合部を構成することにより、洗濯屑発生量が少なく、しなやかでつっぱり感のない繊維製品を提供することができる。
本発明の実施の形態を示す断面図である。 本発明の実施の形態を構成する手順を示す断面図である。 本発明の実施の形態の構成を示す透過視した平面図と断面図である。 本発明の実施の形態の一態様を示す図である。 従来の技術の繊維製品を示す断面図である。
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための形態(以下、「実施の形態」という」)を説明する。なお、図面はあくまでも模式的なものである。
(実施の形態)
図4は、実施の形態に係る繊維製品1を模式的に示す図である。同図に示す繊維製品1は、半袖肌着の上衣の一例であり、頭、腕、胴体を通過させる開口部2、3、4を有する。
繊維製品1は、伸縮性を有する生地からなる。たとえば、一般の衣料用素材として提供される丸編や経編等の編物素材は本発明の実施に必要な伸縮性があり限定されるものではない。また、織物素材であっても、衣料用として要求される伸縮性を持つ素材は本発明に好適である。
図1は、実施の形態に係る繊維製品1の生地の端部の構成を示す断面図であり、図2は、実施の形態に係る繊維製品1の生地端を構成する手順を(a)から(c)の順に断面図で示すものあり、図3は、実施の形態に係る繊維製品1の生地の端部を透過視で示す平面図とその断面図とを示すものである。
本発明の繊維製品1は、生地の端部を2回折り返して三重構造に構成された接合部からなる生地の端部を有する。接合部は、生地の端部に位置し、三重構造の中間に位置する第1の折り返し領域C1と、第1の折返し領域C1に連接し、三重構造の外側に位置する第2の折り返し領域C2と、第2の折り返し領域C2に連接し、三重構造の外側に位置する第3の領域C3と、単列または複列状に断続的に付設され、第1の折り返し領域C1と第2の折り返し領域C2とを固着する第1の接着剤B1と、単列または複列状に断続的に付設され、第1の折り返し領域C1と第3の領域C3とを固着する第2の接着剤B2とを備える。
本発明の繊維製品1の接合部は、生地の端部Eが三重構造の内側に折り込まれるため生地の端部が外側に露出しない。また、一般的に用いられる縫製による縫目がないことにより、生地の端部や縫い糸から脱落する繊維屑が軽減され洗濯屑発生量が少ない繊維製品を得ることができる。更に、断続的に付設された接着剤により構成することで、生地のしなやかさや伸縮性を失わずに風合いが良く、つっぱり感のない衣類を得ることができる。
本発明の繊維製品は、ISO 6330 C4N法に従う洗濯試験時において、繊維製品1枚の洗濯試験を実施し、試験後に排水ホースに取り付けた捕集袋に付着した繊維屑を、メンブレンフィルターを用いて捕集した場合の繊維屑量が40(mg/繊維製品)以下である。好ましくは30(mg/繊維製品)以下、より好ましくは20(mg/繊維製品)以下である。
本発明の繊維製品において、接合部の幅は、一般的な衣類を構成するために必要な縫い代や折り代の幅であれば良く、例えば繊維製品1の袖口や裾口の開口部3および4においては、10~30mm程度の折返し量が考えられるが、曲線で構成される衿口の開口部2においては、折り返す幅が大きすぎると曲線の内外周差の影響で引き吊れが発生するため、3mm~10mm程度に小さくしておくことが好ましい。
本発明の繊維製品において、第1の接着剤B1および第2の接着剤B2は、断続的に塗布された形態で、単列または複列に配置されている。第1の接着剤B1および第2の接着剤B2の塗布面積は、衣類1を構成する生地Aの組織や厚さによって好ましい範囲が異なる。第1の接着剤B1および第2の接着剤B2が塗布される形状が、直径1.0~2.0mm程度のドット状であれば比較的強い接着強力が得られるが、生地Aが薄い場合は生地Aの表側にしみ出して目立ってしまい、外観を損ねる場合があるため、必要な接着強力が得られる範囲内で小径のドット状とすることが好ましい。例えば、生地Aの厚みが0.5~0.8mm程度のインナー生地の場合、ドットの直径が0.6~1.0mm程度であれば生地Aの表側に第1の接着剤B1および第2の接着剤B2がしみ出しにくく好ましい。生地Aの厚みが0.3~0.5mm程度の更に薄い生地の場合、ドット直径が0.3~0.6mm程度であれば、第1の接着剤B1および第2の接着剤B2のしみ出しが目立ちにくく好ましい。
本発明の繊維製品1において、図3においては、第1の接着剤B1および第2の接着剤B2は円形状に塗布されているが、これに限定されるものではない。第1の接着剤B1および第2の接着剤B2が断続的に分離した状態で繰り返し付設させられる形状であれば良く、連続しなければ線状であってもよく、三角、四角、楕円等の幾何学的な形状のものでも良いし、それらを組合せた形状であっても良い。
本発明の繊維製品において、第1の接着剤B1および第2の接着剤B2を構成する樹脂は、天然樹脂よりも合成樹脂の方が好ましく、その中でも熱可塑性樹脂がより好ましい。例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリアクリル、ポリアミド、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリフェニレンエーテル、ポリエステル、ポリフェニレンスルファイド、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリイミド、ポリアミドイミドなどの他、高分子化合物からなるものであれば特に限定されず、種々のものを用いることができる。
本発明の繊維製品において、第1の接着剤B1および第2の接着剤B2を構成する樹脂は、湿気反応型ホットメルトであることが好ましい。樹脂が湿気反応型ホットメルトであるとき、樹脂が軟化または溶融して接着部位の構造間に浸み込んで、冷却固化した後に周囲の湿気と反応することにより架橋が進行し、耐熱性および耐溶剤性などに優れた接合部を形成することができるとともに、ドット状に付設した少量の接着剤でも強力な接着強力を得ることができる。また、第1の接着剤B1および第2の接着剤B2を構成する樹脂は、熱反応型ホットメルトであることが好ましい。樹脂が熱反応型ホットメルトであるとき、冷却固化した後でも耐熱性および耐溶剤性などに優れた接合部を形成することができる。樹脂の他の特性として生地に固着した後に弾力性を有する樹脂を使用すると、更に生地のしなやかさや伸縮性を失わずに風合いの良い衣類を得ることができる。
本発明の繊維製品1は、第1の折り返し領域C1の生地の端部Eが、折返しで得られる第2の折り返し領域C2と第3の領域C3の境界線Fに接していることが好ましい。
この場合、折返しで得られる第2の折り返し領域C2と第3の領域C3の境界線Fは、折返しの折れ線に相当し、生地の端部Eが接すると好ましいのは、前記折れ線の内側に相当する。一般的に繊維製品から脱落する繊維屑の多くは、裁断された生地の端部から発生することが多い。生地を直線的に裁断したとしても、生地組織を構成する繊維束がそのうねりの途中で裁断されることで、生地組織に拘束されない短繊維状の繊維束が発生する。それらは生地組織から脱落することで繊維屑となるが、本発明の繊維製品1のように、第1の折り返し領域C1の生地の端部Eが、折返しで得られる第2の折り返し領域C2と第3の領域C3の境界線Fに接するように接続部を構成することで、裁断された短繊維状の繊維束が生地組織から脱落することを阻害し、繊維屑の発生を抑制できる。
本発明の繊維製品1では、第1の折り返し領域C1の生地の端部Eが、溶断されていることが好ましい。生地の端部Eが溶断されることによって、生地組織を構成する繊維束と溶断により発生した生地組織に拘束されない短繊維状の繊維束とが単繊維レベルで部分的に溶着し、生地組織に拘束されることで脱落が阻害され、繊維屑の発生を抑制することができる。
溶断の方法は、一般的に提供される溶断の手法であればよく、超音波裁断やレーザー裁断、高周波裁断などが好適である。
本発明の繊維製品1では、第1の折り返し領域C1の生地端Eが、縁かがり縫いされていることが好ましい。一般的に縁かがり縫いは生地が露出する場合にその生地端のほつれを防止するために用いられるが、本発明の繊維製品のように、生地の端部を2回折り返して三重構造に構成された接合部においては、裁断により発生した生地組織に拘束されない短繊維状の繊維束の生地組織からの脱落を効果的に阻害し、繊維屑の発生を抑制できる。
縁かがり縫いは、一般に提供される縁かがり縫いで構成すれば良く、1本針の縁かがり縫いミシンで構成することが好適である。使用するミシン糸は一般的なフィラメントミシン糸やスパンミシン糸が好適であるが、生地の端部Eを包むルーパー糸は、ウーリーミシン糸を用いることが好適である。ウーリーミシン糸を用いることで、ウーリー糸の単繊維が広がって生地端Eを包み込むため、単繊維状の繊維束の生地組織からの脱落を阻害し、繊維屑の発生を抑制することができる。
本発明の繊維製品1では、図3の(b)に示すように、第1の折り返し領域C1と第2の折り返し領域C2とを固着する第1の接着剤B1または、第1の折り返し領域C1と第3の折返し領域C3とを固着する第2の接着剤B2が、生地の端部Eの近傍で接着剤同士が接触するように塗布されていることが好ましい。生地の端部Eの近傍で接着剤同士が接触するように塗布することにより、生地の端部Eに沿ってより多くの接着剤が配置され、裁断により発生した単繊維状の繊維束をより多く固着することができ、生地組織からの脱落を阻害して繊維屑の発生を抑制できる。
また図3の(a)のように、第1の接着剤B1または第2の接着剤B2が生地の端部Eの近傍に塗布され、生地の端部Eに接するように塗布されることで、裁断により発生した生地組織に拘束されない短繊維状の繊維束と生地組織が固着され、生地組織からの脱落を効果的に阻害することができ、繊維屑の発生の抑制することが出来る。第1の接着剤B1または第2の接着剤B2は、生地の端部Eに接するように塗布されることが好ましいが、裁断により発生した生地組織に拘束されない単繊維状の繊維束を固着できればその効果が得られるため、生地の端部Eから1.0mm以内、好ましくは0.5mm以内の位置に接するように塗布することで、生地組織からの脱落を阻害して繊維屑の発生を抑制できる。
本発明の繊維製品1としては、図4に示すような一般的な肌着や、カップ付きインナーの他、キャミソールやタンクトップといった肌着に適用することが好適である。また、Tシャツやカットソーなどのアウターウェアにも同様に適用することができる。更に、タオルやハンカチ、シーツ、枕カバーなどの日用品から、エコバッグやクッションカバーなどの生活雑貨に代表されるような繊維製品全般に適用することができ、限定されるものではない。
ここまで、本発明を実施するための形態を説明してきたが、本発明は上述した実施の形態によって限定されるべきものではない。
実施例における評価は次の方法に従った。
(接合部のしなやかさ/つっぱり感)
次の判定基準に従い、目視と触感により評価した。
○:しなやかでつっぱり感が気にならない
×:しなやかさとつっぱり感が気になる
△:○と×の中間。
(洗濯屑量)
洗濯屑量の測定方法は、次の手順によった。
[i]まず、洗濯機に被洗物、負荷布、洗剤を入れずにISO 6330 C4N法に従い、洗濯を行い、洗濯機を洗浄する。
[ii]洗濯機の排水口に目開き10μmのナイロンスクリーンNY10-HC(フロン工業(株)製)を用いて製造した捕集袋を取り付けた状態で、評価する繊維製品1着を洗濯機に入れ、ISO 6330 C4N法に従い、洗濯を行う。ただし、洗剤と負荷布は使用しないものとする。洗濯後、ナイロンスクリーンに付着した繊維屑を純水で回収し、あらかじめ重量を測定したポリカーボネートメンブレンフィルター(K040A047A アドバンテック東洋(株))を用いて吸引濾過する。濾過後のポリカーボネートメンブレンと繊維屑を105℃で1時間乾燥、重量を測定し、濾過前の重量との差を洗濯屑量(mg/繊維製品)とした。
(実施例1)
図4に示すような一般的な肌着として、ナイロン90%ポリウレタン10%のベア天竺素材で構成する繊維製品1を作製した。繊維製品1を構成する生地パーツの生地の端部である開口部2、3、4および、パネル接合部である肩5、袖付け6、脇7について、繊維製品1を組み立てる前の生地パーツの前処理を行った。通常の裁断刃により裁断された生地パーツについて、図1の(a)に示すように、第1の折返し領域C1、第2の折返し領域C2、および第3の領域C3の幅を各6mmとして三重構造の接合部を形成した。また、接合部は、図2に示すように、第2の折返し領域C2の折返し側の面A1に生地の端部に平行に直径0.8mm(接着後に直径1.0mm)のドット状の第1の接着剤B1を塗布し、第1の折り返し領域C1を折り返した。この時、第1の接着剤B1は2列に付設し、列の中心同士の間隔は2.0mmとし、図3の(a)に示すように列の長手方向のピッチも2.0mmとした。第1の接着剤は湿気硬化型ポリウレタンホットメルト樹脂を使用した。次いで、折り返した第1の折返し領域C1の折返し側の面と反対側の面A2に第1の接着剤と同じ種類の第2の接着剤B2を塗布し、第2の折返し領域を折り返し、三重構造の接合部を有する生地パーツとした。このとき、生地の端部Eは、第2の折り返し領域C2と第3の領域C3の境界線Fとは接触せず、1~2mmの隙間がある状態とした。第2の接着剤B2は、図3の(a)に示すように、第1の接着剤B1と同じ大きさ、同じ樹脂、同じ付設パターンで、透過視で第1の接着剤B1と同じ位置に塗布した。次いで、平板型接着プレスにおいて加熱・加圧接着プレスを行い、繊維製品1を構成する生地パーツを完成させた。最後に生地パーツ同士を接合して本発明の実施例1の繊維製品を得た。実施例1では、接着剤としては、120℃の粘度が約12,000mPa・sの湿気反応型ホットメルトPU樹脂を使用した。
得られた繊維製品について接合部のつっぱり感と風合いおよび、洗濯による洗濯屑の発生量について評価した。結果を表1に示す。
(実施例2)
図1の(b)に示すように、生地の端部Eが、第2の折り返し領域C2と第3の領域C3の境界線Fと接触するように構成したこと以外は実施例1と同様にして本発明の実施例2の繊維製品を得た。
(実施例3)
生地パーツ裁断をレーザー裁断機により行い、生地の端部Eを溶断させたこと以外は、実施例1と同様にして本発明の実施例3の繊維製品を得た。レーザー裁断機は、Yueming社製の#CMA-1610Tタイプの裁断機を使用した。
(実施例4)
図1の(c)に示すように、生地の端部Eを縁かがり縫いしたこと以外は実施例1と同様にして本発明の実施例4の繊維製品を得た。縁かがり縫い部H1は、1本針3本糸のかがりミシンで幅2mmとし、針糸にはポリエステルフィラメント糸#60、ルーパー糸にはポリエステルウーリー糸110/2を使用した。
(実施例5)
図3の(b)に示すように、第1の折り返し領域C1と第2の折り返し領域C2とを固着する第1の接着剤B1および、第1の折り返し領域C1と第3の折返し領域C3とを固着する第2の接着剤B2が、生地の端部Eを含む位置で接着剤同士が長手方向に接触するように塗布したこと以外は、実施例1と同様にして本発明の実施例5の繊維製品を得た。
(比較例1)
比較例1を組み立てる前の生地パーツの前処理として、図5に示すように、従来のミシン縫製技術として一般的である二本針扁平縫いミシンを使用して生地端縫いを行った以外は、実施例1と同様にして本発明の比較例1の繊維製品を得た。このとき、生地の端部Eは一般的な繊維製品と同様に、二本針扁平縫いの縫目H2から1mm露出する位置とした。
上述したように得た実施例と比較例について評価を行い、結果を表1に示した。表1から明らかなように、本発明の実施例は、生地の端部が3層構造でかつ断続的に塗布された接着剤の付設と生地の端部の処理により生地のしなやかさや良好な風合いを失わずに洗濯屑の発生を低下させる結果となった。これに対し比較例では、生地の端部が外に露出していることで洗濯屑の発生が大きくなり、また、三層構造であっても、テープ状の接着材により生地のしなやかさを失われ、つっぱり感が感じられる結果となった。
Figure 2022067207000002
1 繊維製品
2 頭を通す開口部
3 腕を通す開口部
4 胴体を通す開口部
5 肩
6 袖付け
7 脇
A 生地
A1、A2 生地の面
B1 第1の接着剤
B2 第2の接着剤
C1 第1の折返し領域
C2 第2の折返し領域
C3 第3の領域
E 生地の端部
F 境界線
H1 縁かがり縫い部
H2 二本針扁平縫いの縫目

Claims (6)

  1. 伸縮性を有する生地で構成され、前記生地の端部を2回折り返して三重構造に構成された接合部からなる生地の端部を有する繊維製品であって、
    前記接合部は、
    前記生地の端部に位置し、前記三重構造の中間に位置する第1の折り返し領域と、
    前記第1の折返し領域に連接し、前記三重構造の外側に位置する第2の折り返し領域と、
    前記第2の折り返し領域に連接し、前記三重構造の外側に位置する第3の領域と、
    単列または複列状に断続的に塗布され、前記第1の折り返し領域と前記第2の折り返し領域とを固着する第1の接着剤と、
    単列または複列状に断続的に塗布され、前記第1の折り返し領域と前記第3の領域とを固着する第2の接着剤と、
    を備え、
    ISO 6330 C4N法に従う洗濯試験時において、繊維製品1枚の洗濯試験を実施し、試験後に排水ホースに取り付けた捕集袋に付着した繊維屑を、メンブレンフィルターを用いて捕集した場合の繊維屑量が40(mg/繊維製品)以下である繊維製品。
  2. 前記第1の折り返し領域の生地の端部が、折返しで得られる前記第2の折り返し領域と前記第3の領域の境界線に接している請求項1に記載の繊維製品。
  3. 前記第1の折り返し領域の生地の端部が、溶断されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の繊維製品。
  4. 前記第1の折り返し領域の生地の端部が、縁かがり縫いされていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の繊維製品。
  5. 前記第1の折り返し領域と前記第2の折り返し領域とを固着する第1の接着剤または、前記第1の折り返し領域と前記第3の領域とを固着する第2の接着剤が、生地の端部近傍で接着剤同士が接触するように断続的に塗布されていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の繊維製品。
  6. 肌着であることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の繊維製品。
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