JP2022066980A - 絶縁型dcdcコンバータ、及び絶縁型dcdcコンバータの製造方法 - Google Patents

絶縁型dcdcコンバータ、及び絶縁型dcdcコンバータの製造方法 Download PDF

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    • H02M3/22Conversion of dc power input into dc power output with intermediate conversion into ac
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    • H02M3/28Conversion of dc power input into dc power output with intermediate conversion into ac by static converters using discharge tubes with control electrode or semiconductor devices with control electrode to produce the intermediate ac

Abstract

Figure 2022066980000001
【課題】トランスの大型化を抑制しつつ出力電圧が異なる複数種類のバッテリに対応可能な絶縁型DCDCコンバータを提供する。
【解決手段】本開示の絶縁型DCDCコンバータ100は、トランス10及びインダクタ13を備える。トランス10は、一次側コイル11及び二次側コイル12A,12Bを有する。インダクタ13は、ギャップ75が形成されたコア70を有する。一次側コイル11の巻き数、及びコア70に形成されたギャップ75の長さに基づいて、第1導電路1と第2導電路2との間に与えられる入力電圧の上限値及び下限値が定められる。
【選択図】図1

Description

本開示は、絶縁型DCDCコンバータ、及び絶縁型DCDCコンバータの製造方法に関するものである。
特許文献1及び特許文献2には、トランスを備えた電源装置が開示されている。この電源装置のトランスは、一次側に接続されたバッテリから入力された電圧を変圧して二次側に出力することができる。このトランスは、一次側巻線の巻き数を変更することで、一次側巻線の巻き数と二次側巻線の巻き数との比である巻数比を変更することができる。巻数比が変更されると、二次側に所定の電圧を出力するために一次側に入力させることが必要な電圧の範囲が変更される。つまり、このトランスによれば、一次側巻線の巻き数を変更することで、出力電圧が異なる複数種類のバッテリに対応することができる。
特開2018-107866号公報 特開平3-225403号公報
しかし、特許文献1及び特許文献2の構成では、入力電圧範囲の種類を増やす毎に一次側巻線の巻き数の変更パターンも増やす必要がある。このため、トランスが大型化しやすいという問題があった。
そこで、本開示では、トランスの大型化を抑制しつつ出力電圧が異なる複数種類のバッテリに対応可能な絶縁型DCDCコンバータを提供する。
本開示の絶縁型DCDCコンバータは、
一次側コイル及び二次側コイルを有するトランスと、
第1スイッチ素子と第2スイッチ素子と第3スイッチ素子と第4スイッチ素子とを備えるフルブリッジ型のスイッチング回路と、
ギャップが形成されたコアを有するインダクタと、
前記二次側コイルに接続される出力回路と、
を備え、
第1導電路と第2導電路との間に前記第1スイッチ素子と前記第2スイッチ素子とが直列に接続され、
前記第1導電路と前記第2導電路との間に前記第3スイッチ素子と前記第4スイッチ素子とが直列に接続され、
前記インダクタの一端が、前記第1スイッチ素子と前記第2スイッチ素子との間の第1接続点に電気的に接続され、
前記インダクタの他端が、前記一次側コイルの一端に電気的に接続され、
前記一次側コイルの他端が、前記第3スイッチ素子と前記第4スイッチ素子との間の第2接続点に電気的に接続された絶縁型DCDCコンバータであって、
前記一次側コイルの巻き数、及び前記コアに形成された前記ギャップの長さに基づいて、前記第1導電路と前記第2導電路との間に与えられる入力電圧の上限値及び下限値が定められる。
本開示の絶縁型DCDCコンバータの製造方法は、
一次側コイル及び二次側コイルを有し、ジャンパ線の接続位置によって前記一次側コイルの巻き数が切り替わるトランスと、
第1スイッチ素子と第2スイッチ素子と第3スイッチ素子と第4スイッチ素子とを備えるフルブリッジ型のスイッチング回路と、
ギャップが形成されたコアを有するインダクタと、
前記二次側コイルに接続される出力回路と、
を備え、
第1導電路と第2導電路との間に前記第1スイッチ素子と前記第2スイッチ素子とが直列に接続され、
前記第1導電路と前記第2導電路との間に前記第3スイッチ素子と前記第4スイッチ素子とが直列に接続され、
前記インダクタの一端が、前記第1スイッチ素子と前記第2スイッチ素子との間の第1接続点に電気的に接続され、
前記インダクタの他端が、前記一次側コイルの一端に電気的に接続され、
前記一次側コイルの他端が、前記第3スイッチ素子と前記第4スイッチ素子との間の第2接続点に電気的に接続された絶縁型DCDCコンバータの製造方法であって、
前記第1導電路と前記第2導電路との間に印加される入力電圧に基づいて、前記トランスの前記一次側コイルの巻き数、及び前記コアの前記ギャップの長さを決定する決定工程と、
前記決定工程で決定した前記巻き数となる前記接続位置に前記ジャンパ線を接続する接続工程と、
前記決定工程で決定した前記ギャップの長さとなるように前記コアを形成する形成工程と、を含む。
これらの開示によれば、トランスの大型化を抑制しつつ出力電圧が異なる複数種類のバッテリに対応可能な絶縁型DCDCコンバータを実現することができる。
図1は、実施形態1の絶縁型DCDCコンバータを示す回路図である。 図2は、トランスの一次側の側断面図である。 図3は、トランスの一次側の平面図である。 図4は、第1コイルの内周側と第3コイルの内周側とが電気的に接続され、第2コイルの内周側と第4コイルの内周側とが電気的に接続された状態を概念的に示した説明図である。 図5は、第1コイル及び第3コイルと、第2コイル及び第4コイルとを直列接続にした状態を示した平面図である。 図6は、第1コイル及び第3コイルと、第2コイル及び第4コイルとを並列接続にした状態を示した平面図である。 図7は、インダクタのコアの側断面図である。
[本開示の実施形態の説明]
最初に本開示の実施態様を列記して説明する。
(1)本開示の絶縁型DCDCコンバータは、トランス、スイッチング回路、インダクタ、及び出力回路を備える。トランスは、一次側コイル及び二次側コイルを有する。スイッチング回路は、第1スイッチ素子と第2スイッチ素子と第3スイッチ素子と第4スイッチ素子とを備えるフルブリッジ型のスイッチング回路である。インダクタは、ギャップが形成されたコアを有する。出力回路は、前記二次側コイルに接続される。第1導電路と第2導電路との間に前記第1スイッチ素子と前記第2スイッチ素子とが直列に接続される。前記第1導電路と前記第2導電路との間に前記第3スイッチ素子と前記第4スイッチ素子とが直列に接続される。前記インダクタの一端が、前記第1スイッチ素子と前記第2スイッチ素子との間の第1接続点に電気的に接続される。前記インダクタの他端が、前記一次側コイルの一端に電気的に接続される。前記一次側コイルの他端が、前記第3スイッチ素子と前記第4スイッチ素子との間の第2接続点に電気的に接続される。前記一次側コイルの巻き数、及び前記コアに形成されたギャップの長さに基づいて、前記第1導電路と前記第2導電路との間に与えられる入力電圧の上限値及び下限値が定められる。
この絶縁型DCDCコンバータによれば、一次側コイルの巻き数及びコアのギャップの長さに基づいて、入力電圧の上限値及び下限値が定められる。つまり、入力電圧の上限値及び下限値が、一次側コイルの巻き数とギャップの長さとの組み合わせによって定まる。このため、一次側コイルの巻き数の変更パターンを少なく抑えつつ、入力電圧範囲の種類を増加させることができる。したがって、トランスの大型化を抑制しつつ出力電圧が異なる複数種類のバッテリに対応することが可能となる。
本開示において、「電気的に接続される」とは、接続対象の両方の電位が等しくなるように互いに導通した状態(電流を流せる状態)で接続される構成であることが望ましい。ただし、この構成に限定されない。例えば、「電気的に接続される」とは、両接続対象の間に電気部品が介在しつつ両接続対象が導通し得る状態で接続された構成であってもよい。
(2)本開示の絶縁型DCDCコンバータは、前記スイッチング回路の動作を制御する制御部を備え得る。制御部は、前記入力電圧が前記上限値を超えた場合に所定の保護動作を行い得る。
この構成によれば、入力電圧が上限値を超えてしまった場合であっても、保護動作を行うことができる。
(3)本開示の絶縁型DCDCコンバータは、前記トランスの前記一次側コイルが設置される配線基板を備え得る。前記一次側コイルは、前記配線基板の第1面に配置される第1コイル及び第2コイルと、前記配線基板における前記第1面とは反対側の第2面に配置される第3コイル及び第4コイルと、を有し得る。前記第1コイル、前記第2コイル、前記第3コイル及び前記第4コイルは、前記配線基板の前記第1面に対して直交する軸の周りを、所定の周方向に前記軸に近づきつつ周回するように配置され得る。前記第1コイルの内周側と前記第3コイルの内周側とは、前記配線基板を貫通する第1スルーホール内に設けられた第1導電膜を介して電気的に接続され得る。前記第2コイルの内周側と前記第4コイルの内周側とは、前記配線基板を貫通する第2スルーホール内に設けられた第2導電膜を介して電気的に接続され得る。
第1コイルの内周側と第3コイルの内周側とが予め第1導電膜を介して電気的に接続されており、第2コイルの内周側と第4コイルの内周側とが予め第2導電膜を介して電気的に接続されている。このため、ジャンパ(Jumper)線を用いて、第2コイルの外周側と第3コイルの外周側とを電気的に接続することで、第1コイル及び第3コイルと、第2コイル及び第4コイルとを直列接続にすることができる。また、ジャンパ(Jumper)線を用いて第1コイルの外周側と第2コイルの外周側とを電気的に接続するとともに、第3コイルの外周側と第4コイルの外周側とを電気的に接続することで、第1コイル及び第3コイルと、第2コイル及び第4コイルとを並列接続にすることができる。このように、ジャンパ線を接続する位置に応じて一次側コイルの巻き数が変化する。したがって、この構成によれば、一次側コイルの巻き数を、ジャンパ線の接続によって設定することができる。しかも、並列接続の場合、一次側コイルの巻き数は小さくなるが、巻き数を小さくすることによって一次側コイルに流れる電流が増加しても、並列でない構成と比較して、この電流による損失は抑制される。さらに、第1コイルと第2コイルは配線基板の第1面に設けられ、第3コイルと第4コイルは配線基板の第2面に設けられるため、全てのコイルを第1面に設ける構成と比較して、第1面の面積を小さく抑えることができる。
(4)本開示の絶縁型DCDCコンバータの製造方法は、トランス、スイッチング回路、インダクタ、及び出力回路を備える絶縁型DCDCコンバータの製造方法である。トランスは、一次側コイル及び二次側コイルを有する。スイッチング回路は、第1スイッチ素子と第2スイッチ素子と第3スイッチ素子と第4スイッチ素子とを備えるフルブリッジ型のスイッチング回路である。インダクタは、ギャップが形成されたコアを有する。出力回路は、前記二次側コイルに接続される。第1導電路と第2導電路との間に前記第1スイッチ素子と前記第2スイッチ素子とが直列に接続される。前記第1導電路と前記第2導電路との間に前記第3スイッチ素子と前記第4スイッチ素子とが直列に接続され、前記インダクタの一端が、前記第1スイッチ素子と前記第2スイッチ素子との間の第1接続点に電気的に接続される。前記インダクタの他端が、前記一次側コイルの一端に電気的に接続される。前記一次側コイルの他端が、前記第3スイッチ素子と前記第4スイッチ素子との間の第2接続点に電気的に接続されている。本開示の絶縁型DCDCコンバータの製造方法は、決定工程、接続工程及び形成工程を含む。決定工程は、前記第1導電路と前記第2導電路との間に印加される入力電圧に基づいて、前記トランスの前記一次側コイルの前記巻き数、及び前記コアの前記ギャップの長さを決定する工程である。接続工程は、前記決定工程で決定した前記巻き数となる前記接続位置に前記ジャンパ線を接続する工程である。形成工程は、前記決定工程で決定した前記ギャップの長さとなるように前記コアを形成する工程である。
この構成によれば、上記(1)の本開示の絶縁型DCDCコンバータと同様の効果を得られる。しかも、ジャンパ線の接続位置を変更するだけで、一次側コイルの巻き数を変更することができるため、巻き数が異なる複数種類の一次側コイルの基本構造を共通化することができる。さらに、インダクタにおいても、外形を変えることなくコアのギャップの長さを変更することができる。このため、インダクタを設置するための構造を変更することなく、コアのギャップを変更することができる。したがって、入力電圧の範囲が異なる複数種類の絶縁型DCDCコンバータ間で、トランス及びインダクタを搭載する基板を共通化することができる。
[本開示の実施形態の詳細]
<実施形態1>
〔絶縁型DCDCコンバータの概要〕
実施形態1の絶縁型DCDCコンバータ100(以下、単にコンバータ100ともいう)は、ハイブリッド自動車又は電気自動車(EV(Electric Vehicle))などの車両における電動駆動装置(モータ等)を駆動するための電力を出力する電源として用いられる。コンバータ100は第1導電路1と第2導電路2との間に与えられる入力電圧を変圧して出力電圧を生成し、これを第3導電路3と第4導電路4との間に印加する。コンバータ100は、図1に示すように、トランス10、第1導電路1とトランス10との間に設けられたスイッチング回路20、トランス10と第3導電路3との間に接続された出力回路30、及びスイッチング回路20の動作を制御する制御部40を備えている。実使用時においては、第1導電路1と第2導電路2との間にはバッテリ(Battery)としての直流電源(図示せず)が接続され、第3導電路3と第4導電路4との間には負荷6が接続される。また、第1導電路1と第2導電路2との間には入力電圧を安定化させるための入力コンデンサ7が接続されている。
トランス10は、一次側コイル11及び二次側コイル12A,12Bを備えている。一次側コイル11の巻き数はN1である。二次側コイル12A,12Bの巻き数は共にN2である。二次側コイル12A,12Bは第3接続点P3において互いに電気的に直列に接続されている。トランス10の巻数比NはN1/N2で表される。
スイッチング回路20は、第1導電路1と第2導電路2とに与えられる直流電圧である入力電圧を交流に変換し、トランス10の一次側コイル11に供給する。スイッチング回路20は第1スイッチ素子20A、第2スイッチ素子20B、第3スイッチ素子20C、及び第4スイッチ素子20D(以下、スイッチ素子20A,20B,20C,20Dともいう)がフルブリッジ接続された構成を有する。
スイッチング回路20は、スイッチ素子20A,20B,20C,20D、第1ダイオード20E、第2ダイオード20F、及びインダクタ13を有している。スイッチ素子20A,20B,20C,20Dには、公知である種々のスイッチ素子を用いることができるが、MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)を用いることが好ましい。
スイッチ素子20A,20B,20C,20Dのそれぞれには寄生成分である寄生ダイオード20G,20H,20J,20Kが設けられた構成とされている。具体的には、スイッチ素子20A,20B,20C,20Dのそれぞれにおいて、各寄生ダイオード20G,20H,20J,20Kのカソードはドレイン側、アノードがソース側に電気的に接続される構成とされている。なお、寄生ダイオード20G,20H,20J,20Kに加えて、ダイオードを別個の素子として付加してもよい。
スイッチ素子20A,20B,20C,20Dのそれぞれには寄生成分である寄生コンデンサが電気的に並列に接続されている(図示せず。)。具体的には、スイッチ素子20A,20B,20C,20Dのそれぞれのドレインに各寄生コンデンサの一方の端子が電気的に接続され、ソースに各寄生コンデンサの他方の端子が電気的に接続されている。なお、寄生コンデンサに加えて、コンデンサを別個の素子として付加してもよい。
第1スイッチ素子20A及び第2スイッチ素子20Bは、スイッチング回路20に入力電圧を入力する第1導電路1と第2導電路2との間に直列に接続され、互いが第1接続点P1において電気的に接続している。第3スイッチ素子20C及び第4スイッチ素子20Dは、第1導電路1と第2導電路2との間に直列に接続され、互いが第2接続点P2において電気的に接続している。スイッチング回路20は第1スイッチ素子20A及び第2スイッチ素子20Bによって第1アームA1が構成され、第3スイッチ素子20C及び第4スイッチ素子20Dによって第2アームA2が構成されている。
第1ダイオード20Eのカソードは第1導電路1(高電位側の導電路)に電気的に接続され、第2ダイオード20Fのアノード端子は第2導電路2(低電位側の導電路)に電気的に接続されている。第1ダイオード20Eのアノード端子と第2ダイオード20Fのカソード端子とが電気的に接続している。第1ダイオード20E及び第2ダイオード20Fはインダクタ13と共に、トランス10の二次側の第5スイッチ素子30A、及び第6スイッチ素子30Bに発生するサージに起因してトランス10の1次側に流れる電流(以下、サージ電流ともいう)を吸収する保護回路21を構成している。
インダクタ13の一端は第1接続点P1に電気的に接続されている。インダクタ13の他端は、第1ダイオード20Eのアノード端子、第2ダイオード20Fのカソード端子、及びトランス10の一次側コイル11の一端に電気的に接続されている。第2接続点P2は一次側コイル11の他端に電気的に接続されている。インダクタ13はスイッチング回路20において発生するスイッチングロスを低減するために寄生コンデンサとLC共振させる目的で設けられている。インダクタ13のインダクタンスの値はトランス10の漏れインダクタンス(図示せず)よりも十分大きい値としておくことが好ましい。
出力回路30は、トランス10の二次側コイル12A,12Bに現れる交流電圧を整流・平滑して直流電圧である出力電圧を生成し、この出力電圧を第3導電路3と第4導電路4との間に印加する。出力回路30は第5スイッチ素子30A、第6スイッチ素子30B、整流出力経路30C、チョークコイル33、及び出力コンデンサ34を備えている。第5スイッチ素子30Aはトランス10の二次側コイル12Aの一端とグラウンド経路Gとの間に接続されている。第6スイッチ素子30Bはトランス10の二次側コイル12Bの一端とグラウンド経路Gとの間に接続されている。
整流出力経路30Cの一端は二次側コイル12Aの他端と二次側コイル12Bの他端とが電気的に接続する第3接続点P3に電気的に接続される。整流出力経路30Cの他端にはチョークコイル33の一端が電気的に接続される。チョークコイル33の他端(すなわち、第3接続点P3側から離れた側の端)は第3導電路3に電気的に接続されると共に、出力コンデンサ34を介して第4導電路4に電気的に接続されている。つまり、チョークコイル33は第3接続点P3と第3導電路3との間に介在する。出力コンデンサ34は第3導電路3と第4導電路4との間に電気的に接続されている。第4導電路4はグラウンド経路Gに電気的に接続されている。
第5スイッチ素子30A及び第6スイッチ素子30Bには、公知である種々のスイッチ素子を用いることができるが、MOSFETを用いることが好ましい。第5スイッチ素子30Aのドレインは二次側コイル12Aの一端に電気的に接続され、ソースはグラウンド経路Gに電気的に接続されている。第6スイッチ素子30Bのドレインは二次側コイル12Bの一端に電気的に接続され、ソースはグラウンド経路Gに電気的に接続されている。第5スイッチ素子30A、及び第6スイッチ素子30Bのそれぞれには寄生成分である寄生ダイオードが設けられた構成とされている。具体的には、第5スイッチ素子30A及び第6スイッチ素子30Bのそれぞれにおいて、寄生ダイオードのカソードはドレイン側、アノードがソース側に電気的に接続される構成とされている。
このような構成を有する出力回路30の内、第5スイッチ素子30A及び第6スイッチ素子30Bはトランス10の二次側コイル12A,12Bに現れる交流電圧を整流する整流回路を構成する。チョークコイル33及び出力コンデンサ34は整流出力経路30Cに現れる整流出力を平滑する。
制御部40は、例えばマイクロコンピュータを主体として構成されており、CPU(Central Processing Unit)などの演算装置、ROM(Read Only Memory)又はRAM(Random Access Memory)などのメモリ、A/D変換器等を有している。制御部40は第1電圧検出部40Aによって第1導電路1の電圧値を把握し得る構成とされている。制御部40は第2電圧検出部40Bによって第3導電路3の電圧値を把握し得る構成とされている。第1電圧検出部40A及び第2電圧検出部40Bは公知の電圧検出回路として構成される。制御部40は第1電流検出部40Cによって第1導電路1に流れる電流値を把握し得る構成とされている。制御部40は第2電流検出部40Dによって第3導電路3に流れる電流値を把握し得る構成とされている。第1電流検出部40C及び第2電流検出部40Dは、例えばカレントトランスやシャント抵抗等を用いた公知の電流検出回路として構成される。
制御部40は第1電圧検出部40A、第2電圧検出部40B、第1電流検出部40C、及び第2電流検出部40Dから入力される値に基づいて位相シフト方式によってスイッチ素子20A,20B,20C,20Dの各々のゲートに向けてPWM信号を出力する。これにより、スイッチ素子20A,20B,20C,20Dは位相シフト方式によりスイッチング動作をする。制御部40は第1電圧検出部40A、第2電圧検出部40B、第1電流検出部40C、及び第2電流検出部40Dから入力される値等に基づいて第5スイッチ素子30A及び第6スイッチ素子30Bの各々のゲートに向けて所定のタイミングのスイッチング信号を出力し得る構成とされている。
〔絶縁型DCDCコンバータの動作〕
次に、コンバータ100の動作を説明する。コンバータ100が搭載された車両において、例えば、イグニッションスイッチがオフ状態からオン状態に切り替えられる。すると、制御部40からスイッチ素子20A,20B,20C,20DのそれぞれにPWM信号が出力され、第5スイッチ素子30A及び第6スイッチ素子30Bのそれぞれに所定のタイミングのスイッチング信号が出力される。
制御部40から出力されたPWM信号に基づいてスイッチング回路20の第1スイッチ素子20A及び第4スイッチ素子20Dと、第2スイッチ素子20B及び第3スイッチ素子20Cとが交互にオンとオフとを繰り返す。これにより直流電源からトランス10の一次側コイル11に交流の電圧を印加するように動作して出力回路30側に出力電圧を発生させることができる。
また、コンバータ100は、第1アームA1及び第2アームA2が、それぞれを構成するスイッチ素子のターンオン及びターンオフするタイミングが互いに所定の位相ずれて動作する位相シフト方式によりスイッチング動作をする。位相シフト方式は、第1アームA1及び第2アームA2の内の一方のアームのスイッチ素子が先にターンオン及びターンオフし、このアームに対して所定の位相遅れて他方のアームがターンオン及びターンオフする。
〔トランスの詳細〕
トランス10は、上述したように、一次側コイル11及び二次側コイル12A,12Bを備えており、ジャンパ線Jの接続部位によって一次側コイル11の巻き数が切り替わる構成となっている。
トランス10は、図2に示すように、配線基板50、絶縁基板51及びトランス側コア52を有している。配線基板50の両面には、一次側コイル11が設置される。絶縁基板51は、一次側コイル11を覆うように、配線基板50の両面に配置される。トランス側コア52は、EI型コアであり、E型コア53及びI型コア54を有している。トランス側コア52は、E型コア53の中脚53Aと一対の外脚53Bとが配線基板50及び絶縁基板51を貫通した形態で配置される。
一次側コイル11は、図2に示すように、第1コイル61、第2コイル62、第3コイル63及び第4コイル64を有している。第1コイル61及び第2コイル62は、配線基板50の第1面65に配置される。第3コイル63及び第4コイル64は、配線基板50における第1面65とは反対側の第2面66に配置される。
第1コイル61、第2コイル62、第3コイル63及び第4コイル64は、配線基板50の第1面65に対して直交する軸Xの周りを、同じ方向(図3に示す例では、第1面65側から見たときの反時計回り方向)に軸Xに近づきつつ周回するように配置される。E型コア53の中脚53Aは、軸Xに沿って配置される。つまり、第1コイル61、第2コイル62、第3コイル63及び第4コイル64は、E型コア53の中脚53Aの周りを周回する。
図3に示すように、配線基板50及び絶縁基板51には、配線基板50及び絶縁基板51を貫通する第1スルーホール67A、第2スルーホール67B、第3スルーホール67C、第4スルーホール67D、第5スルーホール67E、第6スルーホール67F及び第7スルーホール67Gが形成されている。第1スルーホール67A内には、第1導電膜68Aが設けられている。第2スルーホール67B内には、第2導電膜68Bが設けられている。第3スルーホール67C内には、第3導電膜68Cが設けられている。第4スルーホール67D内には、第4導電膜68Dが設けられている。第5スルーホール67E内には、第5導電膜68Eが設けられている。第6スルーホール67F内には、第6導電膜68Fが設けられている。第7スルーホール67G内には、第7導電膜68Gが設けられている。
図4に示すように、第1導電膜68Aは、第1コイル61の内周側と第3コイル63の内周側とを電気的に接続させている。第2導電膜68Bは、第2コイル62の内周側と第4コイル64の内周側とを電気的に接続させている。図3に示すように、第3導電膜68Cは、第1コイル61の外周側に電気的に接続されている。第4導電膜68Dは、第2コイル62の外周側に電気的に接続されている。第5導電膜68E及び第6導電膜68Fは、第3コイル63の外周側に電気的に接続されている。第7導電膜68Gは、第4コイル64の外周側に電気的に接続されている。
第1コイル61の外周側及び第4コイル64の外周側のうち、一方に一次側コイル11の一端が設けられており、他方に一次側コイル11の他端が設けられている。第1コイル61及び第3コイル63と、第2コイル62及び第4コイル64とは、ジャンパ線Jの接続位置に応じて、直列接続又は並列接続になる。
具体的には、直列接続にする場合、図5に示すように、第4導電膜68Dと第5導電膜68Eがジャンパ線Jで接続される。これにより、第2コイル62の外周側と第3コイル63の外周側とが電気的に接続されて、直列接続になる。また、並列接続にする場合、図6に示すように、第3導電膜68Cと第4導電膜68D、第6導電膜68Fと第7導電膜68Gがそれぞれジャンパ線Jで接続される。これにより、第1コイル61の外周側と第2コイル62の外周側とが電気的に接続されるとともに、第3コイル63の外周側と第4コイル64の外周側とが電気的に接続されて、並列接続になる。
直列接続とされた場合、並列接続の場合と比較して、一次側コイル11の巻き数は2倍となり、巻数比Nも2倍となる。巻数比Nが増加すると、所望の出力電圧を印加させるために必要な最小入力電圧、つまり、入力電圧の下限値が上昇する。このため、一次側コイル11の巻き数が増加すると、入力電圧の下限値が上昇する。入力電圧が、この最小入力電圧以上であると、出力回路30からの出力電圧が目標電圧となるように制御され、最小入力電圧未満であると出力電圧が目標電圧未満となる。また、巻数比Nが増加すると、コンバータ100に生じるサージ電圧が低減されるため、入力電圧の上限値が上昇する。このため、一次側コイル11の巻き数が増加すると、入力電圧の上限値が上昇する。従って、一次側コイル11の巻き数が増加すると、入力電圧の上限値及び下限値が上昇する。
〔インダクタの詳細〕
インダクタ13は、EI型のコア70を有している。コア70は、E型の第1コア71及びI型の第2コア72を有している。第1コア71は、中脚73、及び中脚73の両側に間隔をあけて配置される一対の外脚74を有している。第2コア72は、第1コア71の中脚73及び外脚74の突出する側に配置される。一対の外脚74の突出端面は、それぞれ第2コア72に接した状態で配置される。中脚73の突出端面と、第2コア72における中脚73の突出端面との対向面との間には、ギャップ75が形成される。
インダクタ13のインダクタンスは、ギャップ75の長さが長くなると小さくなり、短くなると大きくなる。インダクタ13のインダクタンスが大きくなると、出力回路30による出力電圧が下がるため、所望の出力電圧を印加させるために必要な最小入力電圧、つまり、入力電圧の下限値が上昇する。また、インダクタ13のインダクタンスが大きくなると、コンバータ100に生じるサージ電圧が低減されるため、入力電圧の上限値が上昇する。つまり、インダクタ13のインダクタンスが大きくなると、入力電圧の上限値及び下限値が上昇する。なお、ギャップ75の長さに関わらず、インダクタ13の外形は一定である。
〔絶縁型DCDCコンバータの製造方法〕
コンバータ100の製造方法は、決定工程、接続工程及び形成工程を含む。決定工程は、第1導電路1と第2導電路2との間に印加される入力電圧の範囲に基づいて、トランス10の一次側コイル11の巻き数、及びコア70のギャップ75の長さを決定する工程である。
一次側コイル11の巻き数、及びコア70のギャップ75の長さは、第1導電路1と第2導電路2との間に接続される直流電源の電圧に基づいて決定される。すなわち、大きい電圧の直流電源が接続される場合には、比較的多い巻き数や、比較的短いギャップ75の長さが決定される。逆に、小さい電圧の直流電源が接続される場合には、比較的少ない巻き数や、比較的長いギャップ75の長さが決定される。
一次側コイル11の巻き数は、ジャンパ線Jの接続位置によって定まり、その接続パターンが限られているため、巻き数の候補値が予め決まっている。ギャップ75の長さは、0よりも大きく且つ外脚74の長さよりも小さい長さであればよいため、候補値を予め設定する必要は無い。このため、ギャップ75の長さの候補値は、予め決まっていてもよいし、決まっていなくてもよい。本実施形態では、ギャップ75の長さの候補値が、予め決まっている例を説明する。
決定工程の具体例としては、予め決められた一次側コイル11の巻き数の候補値と、コア70のギャップ75の長さの候補値との組み合わせ毎に、入力電圧の推奨範囲を求めておき、これらの対応関係を示すテーブルを作成しておく。ここで、推奨範囲とは、メーカ等が推奨する直流電源の電圧の範囲である。そして、第1導電路1と第2導電路2との間に接続される直流電源の電圧と、上記テーブルとに基づいて、一次側コイル11の巻き数、及びコア70のギャップ75の長さを決定する。
また、別の例として、演算式を用いて、一次側コイル11の巻き数、及びコア70のギャップ75の長さを決定してもよい。例えば、一次側コイル11の巻き数、及びコア70のギャップ75の長さを変数として入力電圧の推奨範囲の上限値と下限値を求める演算式に、予め決められた一次側コイル11の巻き数の候補値と、コア70のギャップ75の長さの候補値を順に代入する。そして、第1導電路1と第2導電路2との間に接続される直流電源の電圧が含まれる推奨範囲となる一次側コイル11の巻き数、及びコア70のギャップ75の長さの組み合わせを特定する。そして、特定した組み合わせから、一次側コイル11の巻き数、及びコア70のギャップ75の長さを決定する。
接続工程では、決定工程で決定した巻き数となる接続位置にジャンパ線Jが接続される。例えば、2つの巻き数の候補値のうち巻き数が多い候補値が決定された場合には、並列接続になるようにジャンパ線Jが接続される。2つの巻き数の候補値のうち巻き数が少ない候補値が決定された場合には、直列接続になるようにジャンパ線Jが接続される。
形成工程では、決定工程で決定したギャップ75の長さとなるようにコア70を形成する。ギャップ75の長さは、第1コア71の中脚73の突出端面を削ることによって調整される。第1コア71の外脚74の長さは一定であり、突出端面が第2コア72に接触する。このため、ギャップ75の長さに関わらず、コア70の外形寸法は一定である。よって、基板に設けられた板ばねによってコア70を基板上に保持する構成において、ギャップ75の長さに関わらず、一定の圧力でコア70を保持することができる。
また、決定工程で決定した巻き数及びギャップ75の長さに基づいて、入力電圧の上限値及び下限値が定められる。入力電圧の上限値は、上述した推奨範囲の上限値と同じであってもよいし、推奨範囲の上限値未満であってもよい。入力電圧の上限値は、コンバータ100の制御部40に記憶される。入力電圧の上限値は、コンバータ100が上記演算式やテーブルを用いて自ら求めるようにしてもよいし、製造段階において、直接記憶されるようにしてもよい。制御部40は、コンバータ100が動作している状態において、例えば第1電圧検出部40Aによって入力電圧を監視し、入力電圧が上限値を超えた場合に所定の保護動作を行う。所定の保護動作は、例えば、スイッチ素子20A,20B,20C,20Dをオフ状態にして、コンバータ100の電圧変換動作を停止させる動作である。所定の保護動作は、コンバータ100の外部に対し入力電圧が上限値を超えたことを通知する動作であってもよいし、図示しない報知部によって入力電圧が上限値を超えたことを報知する動作であってもよい。
制御部40は、入力電圧が下限値以上である場合に、出力電圧が目標電圧となるように出力回路30を制御する。入力電圧が下限値を下回ると、出力電圧が目標電圧未満となり、入力電圧が大幅に下限値を下回ると、コンバータ100が起動しなくなる。入力電圧の下限値は、上述した推奨範囲の下限値と同じであってもよいし、推奨範囲の下限値未満であってもよい。入力電圧の下限値は、入力電圧の上限値と同様に、制御部40に記憶されていてもよいし、記憶されていなくてもよい。
次に、本構成の効果を例示する。
本開示の絶縁型DCDCコンバータ100は、トランス10、スイッチング回路20、インダクタ13、及び出力回路30を備える。トランス10は、一次側コイル11及び二次側コイル12A,12Bを有する。スイッチング回路20は、第1スイッチ素子20Aと第2スイッチ素子20Bと第3スイッチ素子20Cと第4スイッチ素子20Dとを備えるフルブリッジ型のスイッチング回路である。インダクタ13は、ギャップ75が形成されたコア70を有する。出力回路30は、二次側コイル12A,12Bに接続される。第1導電路1と第2導電路2との間に第1スイッチ素子20Aと第2スイッチ素子20Bとが直列に接続される。第1導電路1と第2導電路2との間に第3スイッチ素子20Cと第4スイッチ素子20Dとが直列に接続され、インダクタ13の一端が、第1スイッチ素子20Aと第2スイッチ素子20Bとの間の第1接続点P1に電気的に接続される。インダクタ13の他端が、一次側コイル11の一端に電気的に接続される。一次側コイル11の他端が、第3スイッチ素子20Cと第4スイッチ素子20Dとの間の第2接続点P2に電気的に接続されている。一次側コイル11の巻き数、及びコア70に形成されたギャップ75の長さに基づいて、第1導電路1と第2導電路2との間に与えられる入力電圧の上限値及び下限値が定められる。
この絶縁型DCDCコンバータ100によれば、一次側コイル11の巻き数及びコア70のギャップ75の長さに基づいて、入力電圧の上限値及び下限値が定められる。つまり、入力電圧の上限値及び下限値が、一次側コイル11の巻き数とギャップ75の長さとの組み合わせによって定まる。このため、一次側コイル11の巻き数の変更パターンを少なく抑えつつ、入力電圧範囲の種類を増加させることができる。したがって、トランス10の大型化を抑制しつつ出力電圧が異なる複数種類のバッテリに対応することが可能となる。
さらに、本開示の絶縁型DCDCコンバータ100は、スイッチング回路20の動作を制御する制御部40を備えている。制御部40は、入力電圧が上限値を超えた場合に所定の保護動作を行う。
この構成によれば、入力電圧が上限値を超えてしまった場合であっても、保護動作を行うことができる。
さらに、本開示の絶縁型DCDCコンバータ100は、トランス10の一次側コイル11が設置される配線基板50を備えている。トランス10の一次側コイル11は、配線基板50の第1面65に配置される第1コイル61及び第2コイル62と、配線基板50における第1面65とは反対側の第2面66に配置される第3コイル63及び第4コイル64と、を有している。第1コイル61、第2コイル62、第3コイル63及び第4コイル64は、配線基板50の第1面65に対して直交する軸Xの周りを、所定の周方向(実施形態1では、平面視において反時計回り)に軸Xに近づきつつ周回するように配置されている。第1コイル61の内周側と第3コイル63の内周側とは、配線基板50を貫通する第1スルーホール67A内に設けられた第1導電膜68Aを介して電気的に接続されている。第2コイル62の内周側と第4コイル64の内周側とは、配線基板50を貫通する第2スルーホール67B内に設けられた第2導電膜68Bを介して電気的に接続されている。
第1コイル61の内周側と第3コイル63の内周側とが予め第1導電膜68Aを介して電気的に接続されており、第2コイル62の内周側と第4コイル64の内周側とが予め第2導電膜68Bを介して電気的に接続されている。このため、第1コイル61の外周側と第3コイル63の外周側をジャンパ線Jで接続することで、直列接続になる。また、第1コイル61の外周側と第2コイル62の外周側とをジャンパ線Jで電気的に接続し、第3コイル63の外周側と第4コイル64の外周側とをジャンパ線Jで電気的に接続することで、並列接続になる。直列接続の場合、一次側コイル11の巻き数が、並列接続の場合と比較して2倍になる。よって、この構成によれば、ジャンパ線Jの接続によって、巻き数を設定することができる。しかも、並列接続の場合、一次側コイル11の巻き数は小さくなるが、巻き数を小さくすることによって一次側コイル11に流れる電流が増加しても、この電流による損失は抑制される。さらに、第1コイル61と第2コイル62は配線基板50の第1面65に設けられ、第3コイル63と第4コイル64は配線基板50の第2面66に設けられるため、全てのコイルを第1面65に設ける構成と比較して、第1面65の面積を小さく抑えることができる。
本開示の絶縁型DCDCコンバータ100の製造方法は、トランス10、スイッチング回路20、インダクタ13、及び出力回路30を備える絶縁型DCDCコンバータ100の製造方法である。トランス10は、一次側コイル11及び二次側コイル12A,12Bを有する。スイッチング回路20は、第1スイッチ素子20Aと第2スイッチ素子20Bと第3スイッチ素子20Cと第4スイッチ素子20Dとを備えるフルブリッジ型のスイッチング回路20である。インダクタ13は、ギャップ75が形成されたコア70を有する。出力回路30は、前記二次側コイル12A,12Bに接続される。第1導電路1と第2導電路2との間に第1スイッチ素子20Aと第2スイッチ素子20Bとが直列に接続される。第1導電路1と第2導電路2との間に第3スイッチ素子20Cと第4スイッチ素子20Dとが直列に接続される。インダクタ13の一端が、第1スイッチ素子20Aと第2スイッチ素子20Bとの間の第1接続点P1に電気的に接続される。インダクタ13の他端が、一次側コイル11の一端に電気的に接続される。一次側コイル11の他端が、第3スイッチ素子20Cと第4スイッチ素子20Dとの間の第2接続点P2に電気的に接続されている。本開示の絶縁型DCDCコンバータ100の製造方法は、決定工程、接続工程及び形成工程を含む。決定工程は、第1導電路1と第2導電路2との間に印加される入力電圧の範囲に基づいて、トランス10の一次側コイル11の巻き数、及びコア70のギャップ75の長さを決定する工程である。接続工程は、決定工程で決定した巻き数となる接続位置にジャンパ線Jを接続する工程である。形成工程は、決定工程で決定したギャップ75の長さとなるようにコア70を形成する工程である。
この構成によれば、上述した本開示の絶縁型DCDCコンバータ100と同様の効果を得られる。しかも、ジャンパ線Jの接続位置を変更するだけで、一次側コイル11の巻き数を変更することができるため、巻き数が異なる複数種類の一次側コイル11の基本構造を共通化することができる。さらに、インダクタ13においても、外形を変えることなくコア70のギャップ75の長さを変更することができる。このため、インダクタ13を設置するための構造を変更することなく、コア70のギャップ75を変更することができる。したがって、入力電圧の範囲が異なる複数種類の絶縁型DCDCコンバータ100間で、トランス10及びインダクタ13を搭載する基板を共通化することができる。
<他の実施形態>
本構成は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
実施形態1では、第5スイッチ素子30A及び第6スイッチ素子30BにMOSFETを用いているが、ダイオードを用いる構成としてもよい。
実施形態1では、制御部40がマイクロコンピュータを主体として構成されているが、マイクロコンピュータ以外の複数のハードウェア回路によって実現されてもよい。
今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、今回開示された実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
1…第1導電路
2…第2導電路
3…第3導電路
4…第4導電路
6…負荷
7…入力コンデンサ
10…トランス
11…一次側コイル
12A,12B…二次側コイル
13…インダクタ
20…スイッチング回路
20A…第1スイッチ素子
20B…第2スイッチ素子
20C…第3スイッチ素子
20D…第4スイッチ素子
20E…第1ダイオード
20F…第2ダイオード
20G,20H,20J,20K…寄生ダイオード
21…保護回路
30…出力回路
30A…第5スイッチ素子
30B…第6スイッチ素子
30C…整流出力経路
33…チョークコイル
34…出力コンデンサ
40…制御部
40A…第1電圧検出部
40B…第2電圧検出部
40C…第1電流検出部
40D…第2電流検出部
50…配線基板
51…絶縁基板
52…トランス側コア
53…E型コア
53A…中脚
53B…外脚
54…I型コア
61…第1コイル
62…第2コイル
63…第3コイル
64…第4コイル
65…第1面
66…第2面
67A…第1スルーホール
67B…第2スルーホール
67C…第3スルーホール
67D…第4スルーホール
67E…第5スルーホール
67F…第6スルーホール
67G…第7スルーホール
68A…第1導電膜
68B…第2導電膜
68C…第3導電膜
68D…第4導電膜
68E…第5導電膜
68F…第6導電膜
68G…第7導電膜
70…コア
71…第1コア
72…第2コア
73…中脚
74…外脚
75…ギャップ
100…絶縁型DCDCコンバータ
A1…第1アーム
A2…第2アーム
G…グラウンド経路
J…ジャンパ線
P1…第1接続点
P2…第2接続点
P3…第3接続点
X…軸

Claims (4)

  1. 一次側コイル及び二次側コイルを有するトランスと、
    第1スイッチ素子と第2スイッチ素子と第3スイッチ素子と第4スイッチ素子とを備えるフルブリッジ型のスイッチング回路と、
    ギャップが形成されたコアを有するインダクタと、
    前記二次側コイルに接続される出力回路と、
    を備え、
    第1導電路と第2導電路との間に前記第1スイッチ素子と前記第2スイッチ素子とが直列に接続され、
    前記第1導電路と前記第2導電路との間に前記第3スイッチ素子と前記第4スイッチ素子とが直列に接続され、
    前記インダクタの一端が、前記第1スイッチ素子と前記第2スイッチ素子との間の第1接続点に電気的に接続され、
    前記インダクタの他端が、前記一次側コイルの一端に電気的に接続され、
    前記一次側コイルの他端が、前記第3スイッチ素子と前記第4スイッチ素子との間の第2接続点に電気的に接続された絶縁型DCDCコンバータであって、
    前記一次側コイルの巻き数、及び前記コアに形成された前記ギャップの長さに基づいて、前記第1導電路と前記第2導電路との間に与えられる入力電圧の上限値及び下限値が定められる絶縁型DCDCコンバータ。
  2. 前記スイッチング回路の動作を制御する制御部を備え、
    前記制御部は、前記入力電圧が前記上限値を超えた場合に所定の保護動作を行う請求項1に記載の絶縁型DCDCコンバータ。
  3. 前記トランスの前記一次側コイルが設置される配線基板を備え、
    前記一次側コイルは、前記配線基板の第1面に配置される第1コイル及び第2コイルと、前記配線基板における前記第1面とは反対側の第2面に配置される第3コイル及び第4コイルと、を有し、
    前記第1コイル、前記第2コイル、前記第3コイル及び前記第4コイルは、前記配線基板の前記第1面に対して直交する軸の周りを、所定の周方向に前記軸に近づきつつ周回するように配置され、
    前記第1コイルの内周側と前記第3コイルの内周側とは、前記配線基板を貫通する第1スルーホール内に設けられた第1導電膜を介して電気的に接続され、
    前記第2コイルの内周側と前記第4コイルの内周側とは、前記配線基板を貫通する第2スルーホール内に設けられた第2導電膜を介して電気的に接続されている請求項1又は請求項2に記載の絶縁型DCDCコンバータ。
  4. 一次側コイル及び二次側コイルを有し、ジャンパ線の接続位置によって前記一次側コイルの巻き数が切り替わるトランスと、
    第1スイッチ素子と第2スイッチ素子と第3スイッチ素子と第4スイッチ素子とを備えるフルブリッジ型のスイッチング回路と、
    ギャップが形成されたコアを有するインダクタと、
    前記二次側コイルに接続される出力回路と、
    を備え、
    第1導電路と第2導電路との間に前記第1スイッチ素子と前記第2スイッチ素子とが直列に接続され、
    前記第1導電路と前記第2導電路との間に前記第3スイッチ素子と前記第4スイッチ素子とが直列に接続され、
    前記インダクタの一端が、前記第1スイッチ素子と前記第2スイッチ素子との間の第1接続点に電気的に接続され、
    前記インダクタの他端が、前記一次側コイルの一端に電気的に接続され、
    前記一次側コイルの他端が、前記第3スイッチ素子と前記第4スイッチ素子との間の第2接続点に電気的に接続された絶縁型DCDCコンバータの製造方法であって、
    前記第1導電路と前記第2導電路との間に印加される入力電圧に基づいて、前記トランスの前記一次側コイルの前記巻き数、及び前記コアの前記ギャップの長さを決定する決定工程と、
    前記決定工程で決定した前記巻き数となる前記接続位置に前記ジャンパ線を接続する接続工程と、
    前記決定工程で決定した前記ギャップの長さとなるように前記コアを形成する形成工程と、を含む絶縁型DCDCコンバータの製造方法。
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