JP2022066736A - 揮発性吸入麻酔薬の吸着剤 - Google Patents
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Abstract
【課題】揮発性吸入麻酔薬の吸着及び脱着を行うために適した吸着剤がなかった。【解決手段】揮発性吸入麻酔薬の温度に対する脱着プロファイルについて、この温度ごとの脱着プロファイルが異なる少なくとも2種類の吸着剤を組み合わせて用いることにより、この揮発性麻酔薬の脱着量を温度ごとに適切に制御することができるようになる。このような、揮発性吸入麻酔薬の用途に適した特性を持つ吸着剤を提供できる。【選択図】図1
Description
本発明は、揮発性吸入麻酔薬の吸着剤に係わるものである。
近年、患者や動物の治療を行う際、麻酔ガスを吸入させてこの患者や動物を眠らせてから治療を行う所謂吸入麻酔薬が用いられている。
このような揮発性吸入麻酔薬としては、イソフルランやセボフルランといった物質が用いられているが、これらの揮発性吸入麻酔薬は患者や動物の呼気に含まれ、吸入後呼吸により体外に排出されるため、この揮発性麻酔薬を治療対象の患者や動物以外が暴露しないように排出された揮発性吸入麻酔薬を回収する吸着剤が用いられている(特許文献1)。
このような揮発性吸入麻酔薬が回収されない場合、大気に放出されるわけであるが、その場合には、この揮発性吸入麻酔薬は温室効果ガスともなるので、このようなことが無いよう高いコストをかけて回収する施設もあった。
これら揮発性吸入麻酔薬は高価であり、治療現場では、回収したこれら揮発性吸入麻酔薬を再利用することが望まれていた。
このような要望から、揮発性吸入麻酔薬の回収装置が考案されている。例えば特許文献1や特許文献2では、揮発性吸入麻酔薬を吸着した吸着剤を加熱してこの揮発性吸入麻酔薬をこの吸着剤から脱着して液体として回収する装置が記載されている。
上記治療に求められる揮発性吸入麻酔薬の沸点は40℃から60℃であるため、25℃付近の常温では液体として存在し、過熱するとそれぞれの揮発性吸入麻酔薬の沸点付近から気体として存在する。一方、揮発性吸入麻酔薬が吸着剤に吸着している状態では、吸着剤や揮発性吸入麻酔薬を加熱することで揮発性吸入麻酔薬が吸着剤から脱着し気体となる。このため、揮発性吸入麻酔薬を治療のために利用したり液体として回収したりする際には、揮発性吸入麻酔薬を吸着した吸着剤を外部から過熱し、揮発性吸入麻酔薬を加熱脱着して気化する必要がある。もちろん気化した揮発性吸入麻酔薬が外部に漏れることがないように、これら装置は閉鎖系で構成されている。
しかしながら従来の揮発性吸入麻酔薬の吸着剤では、単位温度変化当たりの揮発性吸入麻酔薬の加熱脱着量の変化が大きいため、問題となっていた。すなわち、単位時間当たりの加熱脱着量の変化を△V、単位時間当たりの温度変化をΔTとしたとき、揮発性吸入麻酔薬の加熱脱着速度として、ΔV/ΔTとした表した場合、短い温度変化すなわち短い時間変化の間に大きなΔVを生じるため、系内で気体の体積及び圧力の急激な変化が生じて必要以上の濃度の揮発性吸入麻酔薬が患者に供給されたり、揮発性吸入麻酔薬が装置外に漏れたり、この装置が物理的形状の変化をうけたりするなどの問題が生じていた。
この課題を解決するためには、揮発性吸入麻酔薬の吸着剤を封入している器具の加熱性能を高めてこの吸着剤の加熱時の温度ムラを低減することが想定される。この温度ムラの低減方法として、この器具を細く設計して加熱手段から伝わる熱を吸着剤に伝えやすくする方法が考えられるが、この場合には、この器具が細くなる結果生じる器具内部の圧力の上昇とこれに伴う揮発性吸入麻酔薬を搬送するための加圧装置が大型になる点などが問題となっていた。
単位時間当たり、単位温度当たりの揮発性吸入麻酔薬の加熱脱着量が温度変化と共に急激に変化しないすなわち脱着量を制御しやすい揮発性吸入麻酔薬の吸脱着剤の開発が望まれていた。
本発明は上記近年の要望に鑑み、課題を解決すべく鋭意研究を行った結果なされたものであり、揮発性吸入麻酔薬の過熱脱着量の単位時間当たりの変化を△Vとしたとき、ΔVを生じる温度変化ΔTが長い、換言すれば、温度を横軸にとり麻酔薬の脱着量を縦軸にとった場合この麻酔薬の温度に対する脱着プロファイルにおいて、温度の上昇とともに現れる脱着量の変化率が略零となった後のこの温度より高い温度領域におけるこの揮発性吸入麻酔薬の脱着量が一定である、即ち系内で気体の体積の急激な変化が生じにくい麻酔薬の吸着剤を提供する。本発明の揮発性吸入麻酔薬の吸着剤の特殊配合で、至適温度に幅を持たせる事が出来、その結果、装置の簡略化と小型化を可能とする。
本発明の基本的な考え方は、次のとおりである。すなわち、揮発性吸入麻酔薬の吸脱着剤であり、この吸着剤が対象とする揮発性吸入麻酔薬の使用有効温度範囲における脱着量の単位時間当たりの変化ΔVと単位時間当たりの温度変化ΔTの比ΔV/ΔTが小さい揮発性吸入麻酔薬の吸着剤を提供する。
本発明の第一の発明は、
揮発性吸入麻酔薬の吸着剤であって、
揮発性吸入麻酔薬を吸着させた後の加熱脱着プロファイルのピーク温度が30℃から60℃の間にあり、この加熱脱着プロファイルの半値幅が30℃以上60℃以下の第一の吸着剤と、
揮発性吸入麻酔薬を吸着させた後の加熱脱着プロファイルのピーク温度が70℃から120℃の間にあり、この加熱脱着プロファイルの半値幅が30℃以上70℃以下の第二の吸着剤とを、
少なくとも含み、
前記第一の吸着剤と前記第二の吸着剤の混合割合が
前記第一の吸着剤の重量を100としたとき、前記第二の吸着剤重量の重量が20以上150以下である揮発性吸入麻酔薬の吸着剤である。
揮発性吸入麻酔薬の吸着剤であって、
揮発性吸入麻酔薬を吸着させた後の加熱脱着プロファイルのピーク温度が30℃から60℃の間にあり、この加熱脱着プロファイルの半値幅が30℃以上60℃以下の第一の吸着剤と、
揮発性吸入麻酔薬を吸着させた後の加熱脱着プロファイルのピーク温度が70℃から120℃の間にあり、この加熱脱着プロファイルの半値幅が30℃以上70℃以下の第二の吸着剤とを、
少なくとも含み、
前記第一の吸着剤と前記第二の吸着剤の混合割合が
前記第一の吸着剤の重量を100としたとき、前記第二の吸着剤重量の重量が20以上150以下である揮発性吸入麻酔薬の吸着剤である。
この発明の作用は、この第一の吸着剤と、この第二の吸着剤とを含むことで、揮発性吸入麻酔薬の脱着量の温度毎の変化が緩やかとなる作用である。
本発明の第二の発明は、
揮発性吸入麻酔薬の吸着剤であって、
前記第一の吸着剤と前記第二の吸着剤とを混合して用いた場合の揮発性吸入麻酔薬を吸着させた後の加熱脱着プロファイルにおける前記第一吸着剤のピーク温度及び前記第二の吸着剤のピーク温度における吸入麻酔薬の脱着量と、
前記第一の吸着剤と前記第二の吸着剤とを混合して用いた場合の揮発性吸入麻酔薬の加熱脱着プロファイルにおける前記第一の吸着剤のピーク温度及び前記第二の吸着剤のピーク温度の間の温度領域におけるある温度の揮発性吸入麻酔薬の脱着量と、
の比が120%以下70%以上であり、
100℃での揮発性吸入麻酔薬の脱着量の吸着量に対する割合が70%以上であることを特徴とする、
請求項1に記載の揮発性吸入麻酔薬の吸着剤である。
揮発性吸入麻酔薬の吸着剤であって、
前記第一の吸着剤と前記第二の吸着剤とを混合して用いた場合の揮発性吸入麻酔薬を吸着させた後の加熱脱着プロファイルにおける前記第一吸着剤のピーク温度及び前記第二の吸着剤のピーク温度における吸入麻酔薬の脱着量と、
前記第一の吸着剤と前記第二の吸着剤とを混合して用いた場合の揮発性吸入麻酔薬の加熱脱着プロファイルにおける前記第一の吸着剤のピーク温度及び前記第二の吸着剤のピーク温度の間の温度領域におけるある温度の揮発性吸入麻酔薬の脱着量と、
の比が120%以下70%以上であり、
100℃での揮発性吸入麻酔薬の脱着量の吸着量に対する割合が70%以上であることを特徴とする、
請求項1に記載の揮発性吸入麻酔薬の吸着剤である。
この発明の作用として、吸着剤の物理的な条件を示したもので、揮発性吸入麻酔薬の脱着量の変化が温度が変化しても急激に変化することがない作用である。また、100℃での揮発性吸入麻酔薬の脱着量の吸着量に対する割合が高いため、温度に対する対応がしやすい作用である。
本発明の第三の発明は、前記第一の吸着剤が、
比表面積が300m2/g~450m2/g、
平均粒径が、0.1mm以上10mm以下、
モル比組成としてケイ素(Si)/酸素(O)比が1/2から1/1の吸着剤であり、
前記第二の吸着剤が、
比表面積が300m2/g~700m2/g、
平均粒径が、0.1mm以上10mm以下、
モル比組成としてSiO2/Al2O3比が50~150の吸着剤である請求項1から請求項2のいずれかに記載の揮発性吸入麻酔薬の吸着剤である。
比表面積が300m2/g~450m2/g、
平均粒径が、0.1mm以上10mm以下、
モル比組成としてケイ素(Si)/酸素(O)比が1/2から1/1の吸着剤であり、
前記第二の吸着剤が、
比表面積が300m2/g~700m2/g、
平均粒径が、0.1mm以上10mm以下、
モル比組成としてSiO2/Al2O3比が50~150の吸着剤である請求項1から請求項2のいずれかに記載の揮発性吸入麻酔薬の吸着剤である。
この発明の作用として、揮発性吸入麻酔薬の物理的な組成を示したもので、揮発性吸入麻酔薬の脱着量の変化が温度が変化しても急激に変化することがない作用である。
本発明の第四の発明は、
前期揮発性吸入麻酔薬がイソフルラン及び又はセボフルランである揮発性吸入麻酔薬の吸着剤である。
前期揮発性吸入麻酔薬がイソフルラン及び又はセボフルランである揮発性吸入麻酔薬の吸着剤である。
この発明の作用は、この揮発性吸入麻酔薬としてイソフルランとセボフルランを用いた場合、特に揮発性吸入麻酔薬の利用有効温度範囲における脱着量が温度が変化しても急激に変化することがない作用である。
この発明は、揮発性吸入麻酔薬の吸脱着を効果的に行える揮発性吸入麻酔薬の吸着剤であるため、揮発性吸入麻酔薬の吸脱着装置に利用することができる。
以下、本発明の揮発性吸入麻酔薬の吸着剤についてより詳細に説明する。
本発明の揮発性吸入麻酔薬の吸着剤は、揮発性吸入麻酔薬を吸着及び脱着するための吸着剤であって、少なくとも第一の吸着剤と第二の吸着剤とを含んでいる。この第一の吸着剤は、揮発性吸入麻酔薬を吸着させた後の加熱脱着プロファイルのピーク温度が30℃~60℃であり、この加熱脱着プロファイルの半値幅が30℃以上60℃以下の第一の吸着剤である。この揮発性吸入麻酔薬を吸着させた後の加熱脱着プロファイルのピーク温度は30℃~60℃が好ましく、35℃~55℃がより好ましく、40℃~50℃が更に好ましい。このピーク温度が低すぎると低温での揮発性吸入麻酔薬の吸着量が低下する傾向になる。このピーク温度が高すぎると、第二の吸着剤との差が無くなる場合があり、温度変化に伴い揮発性吸入麻酔薬の脱着量が温度変化と共に変化しやすくなる場合がある。この加熱脱着プロファイルの半値幅は、30℃以上60℃以下であると好ましく用いることができる。この半値幅が広い場合には特に問題になることはないが、この半値幅が狭い場合には、温度に対する脱着量が温度増加と共に変化しやすくなる場合がある。
この第二の吸着剤は、揮発性吸入麻酔薬を吸着させた後の加熱脱着プロファイルのピーク温度が60℃~120℃であり、この加熱脱着プロファイルの半値幅が10℃以上70℃以下の第二の吸着剤である。この揮発性吸入麻酔薬を吸着させた後の加熱脱着プロファイルのピーク温度は60℃~120℃が好ましく、70℃~110℃がより好ましく、75℃~105℃が更に好ましい。このピーク温度が低すぎてると前述した第一の吸着剤との違いが認めづらくなり、単位温度変化当たりの麻酔薬の過熱脱着量が大きく変化する場合がある。このピーク温度が高すぎても特に問題は無いが、揮発性吸入麻酔薬が脱着しにくい場合がある。この加熱脱着プロファイルの半値幅は、30℃以上70℃以下であると好ましく、30℃以上60℃以下であるとより好ましい。この半値幅が広い場合には特に問題になることはないが、この半値幅が狭い場合には、温度に対する脱着量が温度変化と共に変化しやすくなる場合がある。
この第一の吸着剤とこの第二の吸着剤との混合割合は、この記第一の吸着剤の重量を100としたとき、前記第二の吸着剤重量の重量が20以上150以下であると好ましく用いることができる。この第一の吸着剤と第二の吸着剤の混合割合は、この第一の吸着剤の揮発性吸入麻酔薬の温度に対する加熱脱着プロファイルと第二の吸着剤の同様の揮発性吸入麻酔薬の温度に対する加熱脱着プロファイルとをそれぞれの吸着剤の混合割合を加味して足し合わせた際にこの合計加熱脱着プロファイルから判断することもできる。もちろん第一の吸着剤と第二の吸着剤とを混合した後、揮発性吸入麻酔薬を吸着させ、この揮発性吸入麻酔薬を加熱脱着することで、吸着剤の揮発性吸入麻酔薬に対する加熱脱着プロファイルを得ることができる。この合計加熱脱着プロファイルでは、図1に示すように、明確な単一の脱着ピークが認められなくなり、単位時間当たりの温度変化に伴う揮発性吸入麻酔薬の脱着量の変化は少なくなる。この第一の吸着剤と前記第二の吸着剤とを混合して用いた場合の揮発性吸入麻酔薬の加熱脱着プロファイルにおけるこの第一の吸着剤のピーク温度及び前記第二の吸着剤のピーク温度との間の温度領域における揮発性吸入麻酔薬の脱着量の各ピーク温度に対する比が120%以下70%以上である揮発性吸入麻酔薬の吸着剤。
この第一の吸着剤と第二の吸着剤の作用を発現する材料並びに機能について詳述する。
この前記第一の吸着剤は、比表面積が300m2/g~450m2/g、だと好ましく用いることができ、比表面積が320m2/g~430m2/gだとより好ましく、比表面積が350m2/g~410m2/gだと更に好ましい。比表面積が狭いと揮発性吸入麻酔薬の吸着量が少なくなる場合があり、比表面積が広すぎると揮発性吸入麻酔薬が揮発しづらくなる場合がある。この第一の吸着剤の平均粒径は、0.1mm以上10mm以下が好ましく、0.5mm以上5mm以下がより好ましく、1mm以上3mm以下が好ましい。平均粒径が小さすぎると揮発性吸入麻酔薬を搬送するために高い圧力が必要になる場合があり、粒径が大きすぎるとこの吸着剤を導入する器具が大きくなる場合がある。この第一の吸着剤の構成物質として、少なくともケイ素と酸素とを含むことが好適である。このケイ素と酸素のモル比組成としてケイ素(Si)/酸素(O)比が1/2から1/1の吸着剤であると好ましく用いることができる。この第一の吸着剤の細孔径は、4ナノメートル以上9ナノメートル未満が好ましく、より好ましくは、5ナノメートル以上7ナノメートル以下が好ましい。
この前記第二の吸着剤は、比表面積が300m2/g~700m2/g、だと好ましく用いることができ、比表面積が450m2/g~675m2/gだとより好ましく、比表面積が500m2/g~625m2/gだと更に好ましい。比表面積が狭いと揮発性吸入麻酔薬の吸着量が少なくなる場合があり、比表面積が広すぎると揮発性吸入麻酔薬が揮発しづらくなる場合がある。この第一の吸着剤の平均粒径は、0.1mm以上10mm以下が好ましく、0.5mm以上5mm以下がより好ましく、1mm以上3mm以下が好ましい。平均粒径が小さすぎると揮発性吸入麻酔薬を搬送するために高い圧力が必要になる場合があり、粒径が大きすぎるとこの吸着剤を導入する器具が大きくなる場合がある。また、前記第一の吸着剤の粒径とこの第二の吸着剤の粒径は略同じであるとこれら吸着剤を混合分散しやすくなる。この第二の吸着剤の構成物質として、少なくともケイ素とアルミニウムと酸素とを含むことが好適である。また、このケイ素は酸素と結合した化合物であり、このアルミニウムは酸素と結合した化合物であると好ましい。この酸素と結合したケイ素として酸化ケイ素(SiO2と記す場合がある)が好ましく用いられる。この酸素と結合したアルミニウムとして酸化アルミニウム(Al2O3と記す場合がある)が好ましく用いられる。この酸化ケイ素と酸化アルミニウムとの割合(SiO2/Al2O3)としてモル組成比が50から150だと好ましく用いることができ、このモル組成比が75から125だとより好ましく、このモル組成比が80~110だと更に好ましく用いることができる。このモル組成比の範囲を超えた場合には、揮発性吸入麻酔薬の吸着および脱着の各性能が必要な範囲を超える場合がある。この第二の吸着剤の細孔径は、8ナノメートル以上14ナノメートル未満が好ましく、より好ましくは8ナノメートル以上10ナノメートル未満が好ましい。この第二の吸着剤の細孔径が14ナノメートル以上あると、揮発性吸入麻酔薬の脱着速度が高くなる場合がある。
この第一の吸着剤と第二の吸着剤との混合方法については特に限定されないが、各種撹拌機や混合機などを用いることができる。これら撹拌機や混合機は、この第一の吸着剤と第二の吸着剤を使用ができなくなる程度まで破壊しないものであれば好ましく用いることができる。
この第一の吸着剤と第二の吸着剤との合計について、その割合がこれら吸着剤を含む資材全体の50体積%以上であると揮発性吸入麻酔薬の吸着量と脱着量の制御が行いやすくなる。この第一の吸着剤と第二の吸着剤との全体に対する割合の上限については特に限定されない。また、加減については、必要とされる麻酔薬の量を好適に利用できるよう、設定することができる。
この第一の吸着剤と第二の吸着剤と一緒に導入される資材としては、安全性が確保され且つこの麻酔薬の流通に障害を与えないものであれば特に限定されないが、シリカゲル、炭酸カルシウム、モレキュラーシーブ、ガラス玉、各種フィルターなどが好ましく用いられる。これらの資材はこの第一の吸着剤と第二の吸着剤と一緒に混合して導入することもできるし、第一の吸着剤と第二の吸着剤との前段として利用することもできるし、第一の吸着剤と第二の吸着剤との後段として利用することもできる。
本発明の揮発性吸入麻酔薬の吸着剤が利用できる揮発性吸入麻酔薬は、イソフルラン及び又はセボフルランであると好適にこの揮発性吸入麻酔薬の吸着剤を用いることが出来る。
なお、本発明は、上記構成に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変更することができる。
以下、実施例及び比較例を示して本発明をより具体的に説明するが、本発明は、下記実施例に限定されるものではない。
「実施例1」
<実験装置> 吸脱着装置 脱着速度10℃/分とした。揮発性吸入麻酔薬の量は、熱伝導度測定器(TCDと略すこともある)により計測した。
<第一の吸着剤>
比表面積が420m2/g
平均粒径が、0.6mm
細孔径が、6ナノメートル
組成がケイ素と酸素のモル比でケイ素1:酸素を2
揮発性吸入麻酔薬としてイソフルランを加熱脱着した場合の加熱脱着プロファイルのピーク温度が45℃、半値幅が50℃
<第二の吸着剤>
比表面積が600m2/g、
平均粒径が、0.6mm、
組成がSiO2/Al2O3として96
細孔径が、9ナノメートル
揮発性吸入麻酔薬としてイソフルランを加熱脱着した場合の加熱脱着プロファイルのピーク温度が95℃、半値幅が50℃
<吸着剤の含有量>
第一の吸着剤35wt%、第二の吸着剤15wt%、残部50wt%は、ガラスビーズ(平均粒径0.6mm)を使用した。第一の吸着剤と第二の吸着剤の合計重量は40gとした。
<揮発性吸入麻酔薬>
イソフルランを4mLを24時間吸着し、その後、脱着試験に供した。
<結果>
この結果、揮発性吸入麻酔薬の加熱脱着プロファイルにおける前記第一の吸着剤のピーク温度及び前記第二の吸着剤のピーク温度との間の温度領域における揮発性吸入麻酔薬の脱着量と、前記第一の吸着剤の脱着量と前記第二の吸着剤の脱着量との比が最大で87であり、100℃における吸着量に対する脱着量が約80%となり良好な結果となった。吸着剤としてガラスビーズを用いない場合も同様の良好な結果が得られた。
<実験装置> 吸脱着装置 脱着速度10℃/分とした。揮発性吸入麻酔薬の量は、熱伝導度測定器(TCDと略すこともある)により計測した。
<第一の吸着剤>
比表面積が420m2/g
平均粒径が、0.6mm
細孔径が、6ナノメートル
組成がケイ素と酸素のモル比でケイ素1:酸素を2
揮発性吸入麻酔薬としてイソフルランを加熱脱着した場合の加熱脱着プロファイルのピーク温度が45℃、半値幅が50℃
<第二の吸着剤>
比表面積が600m2/g、
平均粒径が、0.6mm、
組成がSiO2/Al2O3として96
細孔径が、9ナノメートル
揮発性吸入麻酔薬としてイソフルランを加熱脱着した場合の加熱脱着プロファイルのピーク温度が95℃、半値幅が50℃
<吸着剤の含有量>
第一の吸着剤35wt%、第二の吸着剤15wt%、残部50wt%は、ガラスビーズ(平均粒径0.6mm)を使用した。第一の吸着剤と第二の吸着剤の合計重量は40gとした。
<揮発性吸入麻酔薬>
イソフルランを4mLを24時間吸着し、その後、脱着試験に供した。
<結果>
この結果、揮発性吸入麻酔薬の加熱脱着プロファイルにおける前記第一の吸着剤のピーク温度及び前記第二の吸着剤のピーク温度との間の温度領域における揮発性吸入麻酔薬の脱着量と、前記第一の吸着剤の脱着量と前記第二の吸着剤の脱着量との比が最大で87であり、100℃における吸着量に対する脱着量が約80%となり良好な結果となった。吸着剤としてガラスビーズを用いない場合も同様の良好な結果が得られた。
「実施例2」
<実験装置> 吸脱着装置 脱着速度10℃/分とした。揮発性吸入麻酔薬の量は、熱伝導度測定器(TCDと略すこともある)により計測した。
比表面積が420m2/g
平均粒径が、0.6mm
細孔径が、6ナノメートル
組成がケイ素と酸素のモル比でケイ素1:酸素を2
揮発性吸入麻酔薬としてセボフルランを加熱脱着した場合の加熱脱着プロファイルのピーク温度が45℃、半値幅が50℃
<第二の吸着剤>
比表面積が600m2/g、
平均粒径が、0.6mm、
組成がSiO2/Al2O3として96
細孔径が、9ナノメートル
揮発性吸入麻酔薬としてセボフルランを加熱脱着した場合の加熱脱着プロファイルのピーク温度が96℃、半値幅が48℃
<吸着剤の含有量>
第一の吸着剤32wt%、第二の吸着剤18wt%、残部50wt%は、ガラスビーズ(平均粒径0.6mm)を使用した。第一の吸着剤と第二の吸着剤の合計重量は40gとした。
<揮発性吸入麻酔薬>
セボフルランを4mLを24時間吸着し、その後、脱着試験に供した。
<結果>
この試験の結果、揮発性吸入麻酔薬の加熱脱着プロファイルにおける前記第一の吸着剤のピーク温度及び前記第二の吸着剤のピーク温度との間の温度領域における揮発性吸入麻酔薬の脱着量と、前記第一の吸着剤の脱着量と前記第二の吸着剤の脱着量との比が最大で80%であり、100℃における吸着量に対する脱着量が約80%となり良好な結果となった。吸着剤としてガラスビーズを用いない場合も同様の良好な結果が得られた。
<実験装置> 吸脱着装置 脱着速度10℃/分とした。揮発性吸入麻酔薬の量は、熱伝導度測定器(TCDと略すこともある)により計測した。
比表面積が420m2/g
平均粒径が、0.6mm
細孔径が、6ナノメートル
組成がケイ素と酸素のモル比でケイ素1:酸素を2
揮発性吸入麻酔薬としてセボフルランを加熱脱着した場合の加熱脱着プロファイルのピーク温度が45℃、半値幅が50℃
<第二の吸着剤>
比表面積が600m2/g、
平均粒径が、0.6mm、
組成がSiO2/Al2O3として96
細孔径が、9ナノメートル
揮発性吸入麻酔薬としてセボフルランを加熱脱着した場合の加熱脱着プロファイルのピーク温度が96℃、半値幅が48℃
<吸着剤の含有量>
第一の吸着剤32wt%、第二の吸着剤18wt%、残部50wt%は、ガラスビーズ(平均粒径0.6mm)を使用した。第一の吸着剤と第二の吸着剤の合計重量は40gとした。
<揮発性吸入麻酔薬>
セボフルランを4mLを24時間吸着し、その後、脱着試験に供した。
<結果>
この試験の結果、揮発性吸入麻酔薬の加熱脱着プロファイルにおける前記第一の吸着剤のピーク温度及び前記第二の吸着剤のピーク温度との間の温度領域における揮発性吸入麻酔薬の脱着量と、前記第一の吸着剤の脱着量と前記第二の吸着剤の脱着量との比が最大で80%であり、100℃における吸着量に対する脱着量が約80%となり良好な結果となった。吸着剤としてガラスビーズを用いない場合も同様の良好な結果が得られた。
「比較例1」
<実験装置> 吸脱着装置 脱着速度10℃/分とした。揮発性吸入麻酔薬の量は、熱伝導度測定器(TCDと略すこともある)により計測した。
<第一の吸着剤>
比表面積が420m2/g
平均粒径が、0.6mm
細孔径が、7ナノメートル
組成がケイ素と酸素のモル比でケイ素1:酸素を2
揮発性吸入麻酔薬としてイソフルランを加熱脱着した場合の加熱脱着プロファイルのピーク温度が45℃、半値幅が50℃
<第二の吸着剤>
比表面積が500m2/g、
平均粒径が、約1mm、
細孔径が、7ナノメートル
主成分が炭素の活性炭
揮発性吸入麻酔薬としてイソフルランを加熱脱着した場合の加熱脱着プロファイルのピーク温度が175℃、半値幅が125℃
<吸着剤の含有量>
第一の吸着剤25wt%、第二の吸着剤25wt%残部50wt%は、ガラスビーズを使用した。第一の吸着剤と第二の吸着剤の合計重量は、40g
<麻酔薬>イソフルラン 4mLを24時間吸着
<結果>
この試験の結果、揮発性吸入麻酔薬の加熱脱着プロファイルにおける前記第一の吸着剤のピーク温度及び前記第二の吸着剤のピーク温度との間の温度領域における揮発性吸入麻酔薬の脱着量と、前記第一の吸着剤の脱着量と前記第二の吸着剤の脱着量との比が最大で50%であり、温度変化に対する揮発性吸入麻酔薬の脱着量の変化が大きく変動する結果となった。また、100℃における吸着量に対する脱着量が約44%となり、実施例1および実施例2と比べてより高い温度で加熱しなければ成らない可能性が示唆された。
<実験装置> 吸脱着装置 脱着速度10℃/分とした。揮発性吸入麻酔薬の量は、熱伝導度測定器(TCDと略すこともある)により計測した。
<第一の吸着剤>
比表面積が420m2/g
平均粒径が、0.6mm
細孔径が、7ナノメートル
組成がケイ素と酸素のモル比でケイ素1:酸素を2
揮発性吸入麻酔薬としてイソフルランを加熱脱着した場合の加熱脱着プロファイルのピーク温度が45℃、半値幅が50℃
<第二の吸着剤>
比表面積が500m2/g、
平均粒径が、約1mm、
細孔径が、7ナノメートル
主成分が炭素の活性炭
揮発性吸入麻酔薬としてイソフルランを加熱脱着した場合の加熱脱着プロファイルのピーク温度が175℃、半値幅が125℃
<吸着剤の含有量>
第一の吸着剤25wt%、第二の吸着剤25wt%残部50wt%は、ガラスビーズを使用した。第一の吸着剤と第二の吸着剤の合計重量は、40g
<麻酔薬>イソフルラン 4mLを24時間吸着
<結果>
この試験の結果、揮発性吸入麻酔薬の加熱脱着プロファイルにおける前記第一の吸着剤のピーク温度及び前記第二の吸着剤のピーク温度との間の温度領域における揮発性吸入麻酔薬の脱着量と、前記第一の吸着剤の脱着量と前記第二の吸着剤の脱着量との比が最大で50%であり、温度変化に対する揮発性吸入麻酔薬の脱着量の変化が大きく変動する結果となった。また、100℃における吸着量に対する脱着量が約44%となり、実施例1および実施例2と比べてより高い温度で加熱しなければ成らない可能性が示唆された。
「比較例2」
<実験装置> 吸脱着装置 脱着速度10℃/分とした。揮発性吸入麻酔薬の量は、熱伝導度測定器(TCDと略すこともある)により計測した。
<第一の吸着剤>
比表面積が235m2/g
平均粒径が、0.6mm
細孔径が、10ナノメートル
組成がケイ素と酸素のモル比でケイ素1:酸素を2
揮発性吸入麻酔薬としてイソフルランを加熱脱着した場合の加熱脱着プロファイルのピーク温度が40℃、半値幅が25℃
<第二の吸着剤>
比表面積が600m2/g、
平均粒径が、0.6mm、
細孔径が、9ナノメートル
組成がSiO2/Al2O3として96、
揮発性吸入麻酔薬としてイソフルランを加熱脱着した場合の加熱脱着プロファイルのピーク温度が96℃、半値幅が48℃
<吸着剤の含有量>
第一の吸着剤30wt%、第二の吸着剤20wt%残部50wt%は、ガラスビーズ(平均粒径0.6mm)を使用した。第一の吸着剤と第二の吸着剤の合計重量は40gとした。
<麻酔薬>イソフルラン 4mLを24時間吸着
<結果>
この試験の結果、揮発性吸入麻酔薬の加熱脱着プロファイルにおける前記第一の吸着剤のピーク温度及び前記第二の吸着剤のピーク温度との間の温度領域における揮発性吸入麻酔薬の脱着量と、前記第一の吸着剤の脱着量と前記第二の吸着剤の脱着量との比が最大で50%であり、温度変化に対する揮発性吸入麻酔薬の脱着量の変化が大きく変動する結果となった。また、100℃における吸着量に対する脱着量は約74%となり、脱着量については、良好な結果となった。
<実験装置> 吸脱着装置 脱着速度10℃/分とした。揮発性吸入麻酔薬の量は、熱伝導度測定器(TCDと略すこともある)により計測した。
<第一の吸着剤>
比表面積が235m2/g
平均粒径が、0.6mm
細孔径が、10ナノメートル
組成がケイ素と酸素のモル比でケイ素1:酸素を2
揮発性吸入麻酔薬としてイソフルランを加熱脱着した場合の加熱脱着プロファイルのピーク温度が40℃、半値幅が25℃
<第二の吸着剤>
比表面積が600m2/g、
平均粒径が、0.6mm、
細孔径が、9ナノメートル
組成がSiO2/Al2O3として96、
揮発性吸入麻酔薬としてイソフルランを加熱脱着した場合の加熱脱着プロファイルのピーク温度が96℃、半値幅が48℃
<吸着剤の含有量>
第一の吸着剤30wt%、第二の吸着剤20wt%残部50wt%は、ガラスビーズ(平均粒径0.6mm)を使用した。第一の吸着剤と第二の吸着剤の合計重量は40gとした。
<麻酔薬>イソフルラン 4mLを24時間吸着
<結果>
この試験の結果、揮発性吸入麻酔薬の加熱脱着プロファイルにおける前記第一の吸着剤のピーク温度及び前記第二の吸着剤のピーク温度との間の温度領域における揮発性吸入麻酔薬の脱着量と、前記第一の吸着剤の脱着量と前記第二の吸着剤の脱着量との比が最大で50%であり、温度変化に対する揮発性吸入麻酔薬の脱着量の変化が大きく変動する結果となった。また、100℃における吸着量に対する脱着量は約74%となり、脱着量については、良好な結果となった。
「比較例3」
<実験装置> 吸脱着装置 脱着速度10℃/分とした。揮発性吸入麻酔薬の量は、熱伝導度測定器(TCDと略すこともある)により計測した。
<第一の吸着剤>
比表面積が420m2/g
平均粒径が、0.6mm
細孔径が、7ナノメートル
組成がケイ素と酸素のモル比でケイ素1:酸素を2
揮発性吸入麻酔薬としてイソフルランを加熱脱着した場合の加熱脱着プロファイルのピーク温度が45℃、半値幅が50℃
<第二の吸着剤>
比表面積が500m2/g、
平均粒径が、0.6mm、
細孔径が、7ナノメートル
組成がSiO2/Al2O3として440
揮発性吸入麻酔薬としてイソフルランを加熱脱着した場合の加熱脱着プロファイルのピーク温度が110℃、半値幅が50℃
<吸着剤の含有量>
第一の吸着剤30wt%、第二の吸着剤20wt%残部50wt%は、ガラスビーズ(平均粒径0.6mm)を使用した。第一の吸着剤と第二の吸着剤の合計重量は40gとした。
<麻酔薬>イソフルラン 4mLを24時間吸着
<結果>
この試験の結果、揮発性吸入麻酔薬の加熱脱着プロファイルにおける前記第一の吸着剤のピーク温度及び前記第二の吸着剤のピーク温度との間の温度領域における揮発性吸入麻酔薬の脱着量と、前記第一の吸着剤の脱着量と前記第二の吸着剤の脱着量との比が最大で70%であり、良好な結果となった。一方、100℃における吸着量に対する脱着量は約68%となり、脱着量については、実施例1および実施例2と比べてより高い温度で加熱しなければ成らない可能性が示唆された。
<実験装置> 吸脱着装置 脱着速度10℃/分とした。揮発性吸入麻酔薬の量は、熱伝導度測定器(TCDと略すこともある)により計測した。
<第一の吸着剤>
比表面積が420m2/g
平均粒径が、0.6mm
細孔径が、7ナノメートル
組成がケイ素と酸素のモル比でケイ素1:酸素を2
揮発性吸入麻酔薬としてイソフルランを加熱脱着した場合の加熱脱着プロファイルのピーク温度が45℃、半値幅が50℃
<第二の吸着剤>
比表面積が500m2/g、
平均粒径が、0.6mm、
細孔径が、7ナノメートル
組成がSiO2/Al2O3として440
揮発性吸入麻酔薬としてイソフルランを加熱脱着した場合の加熱脱着プロファイルのピーク温度が110℃、半値幅が50℃
<吸着剤の含有量>
第一の吸着剤30wt%、第二の吸着剤20wt%残部50wt%は、ガラスビーズ(平均粒径0.6mm)を使用した。第一の吸着剤と第二の吸着剤の合計重量は40gとした。
<麻酔薬>イソフルラン 4mLを24時間吸着
<結果>
この試験の結果、揮発性吸入麻酔薬の加熱脱着プロファイルにおける前記第一の吸着剤のピーク温度及び前記第二の吸着剤のピーク温度との間の温度領域における揮発性吸入麻酔薬の脱着量と、前記第一の吸着剤の脱着量と前記第二の吸着剤の脱着量との比が最大で70%であり、良好な結果となった。一方、100℃における吸着量に対する脱着量は約68%となり、脱着量については、実施例1および実施例2と比べてより高い温度で加熱しなければ成らない可能性が示唆された。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明の範囲はこれに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変更を加えうることは勿論である。
Claims (4)
- 揮発性吸入麻酔薬の吸着剤であって、
揮発性吸入麻酔薬を吸着させた後の加熱脱着プロファイルのピーク温度が30℃から60℃の間にあり、この加熱脱着プロファイルの半値幅が30℃以上60℃以下の第一の吸着剤と、
揮発性吸入麻酔薬を吸着させた後の加熱脱着プロファイルのピーク温度が70℃から120℃の間にあり、この加熱脱着プロファイルの半値幅が30℃以上70℃以下の第二の吸着剤とを、
少なくとも含み、
前記第一の吸着剤と前記第二の吸着剤の混合割合が
前記第一の吸着剤の重量を100としたとき、前記第二の吸着剤重量の重量が20以上150以下である揮発性吸入麻酔薬の吸着剤。 - 揮発性吸入麻酔薬の吸着剤であって、
前記第一の吸着剤と前記第二の吸着剤とを混合して用いた場合の揮発性吸入麻酔薬を吸着させた後の加熱脱着プロファイルにおける前記第一吸着剤のピーク温度及び前記第二の吸着剤のピーク温度における吸入麻酔薬の脱着量と、
前記第一の吸着剤と前記第二の吸着剤とを混合して用いた場合の揮発性吸入麻酔薬の加熱脱着プロファイルにおける前記第一の吸着剤のピーク温度及び前記第二の吸着剤のピーク温度の間の温度領域におけるある温度の揮発性吸入麻酔薬の脱着量と、
の比が120%以下70%以上であり、
100℃での揮発性吸入麻酔薬の脱着量の吸着量に対する割合が70%以上であることを特徴とする、
請求項1に記載の揮発性吸入麻酔薬の吸着剤。 - 前記第一の吸着剤が、
比表面積が300m2/g~450m2/g、
平均粒径が、0.1mm以上10mm以下、
モル比組成としてケイ素(Si)/酸素(O)比が1/2から1/1の吸着剤であり、
前記第二の吸着剤が、
比表面積が300m2/g~700m2/g、
平均粒径が、0.1mm以上10mm以下、
モル比組成としてSiO2/Al2O3比が50~150の吸着剤である請求項1から請求項2のいずれかに記載の揮発性吸入麻酔薬の吸着剤。 - 前期揮発性吸入麻酔薬がイソフルラン及び又はセボフルランである請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の揮発性吸入麻酔薬の吸着剤。
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