JP2006015334A - 吸着剤およびその製造法 - Google Patents

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功 濱崎
Juichi Yanagi
寿一 柳
Motoya Mori
元哉 毛利
Mitsuhiro Saito
充弘 齋藤
Takao Mizunoya
孝夫 水野谷
Toshio Shimizu
俊夫 清水
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Abstract

【課題】本発明の課題は、水処理用吸着剤や医療用吸着剤において、単位体積あたりの吸着性能が高く、吸着速度の高い吸着剤を提供すること、さらに医療用吸着剤においては、短時間に目的とする物質の吸着を完了することのできる吸着剤を提供することにある。
【解決手段】フェノール系樹脂を原料とした直径0.02〜10μm の細孔容積が0.10〜0.60ml/gであり、比表面積が800〜3000m2/gであり、平均粒子径が0.1〜0.8mmである吸着剤が上記課題を解決した。この吸着剤は、フェノール系樹脂を原料とし、350〜550℃で炭化を開始し、5〜20℃/分で700〜950℃まで昇温させた炭化物を賦活化することにより製造することができる。
【選択図】なし


Description

本発明は、吸着速度が極めて速く、単位体積あたりの吸着量が大きい吸着剤及びその製法に関する。特に水処理用及び医療用に適し、短い接触時間で効率よく不純物等の吸着対象物を除去することができる吸着剤及びその製造法に関する。
吸着剤は、通常充てんカラム、吸着容器、吸着池等一定の体積をもった装置、設備に充てんして使用されるから、単位重量あたりの吸着性能が高いだけでなく、単位体積あたりの吸着性能が高いことが必要である。また、吸着対象物質を含んだ液体、通常は水を、吸着操作において吸着剤と接触させる時間は通常有限であるから、吸着速度が遅いと意図する用途に実用的な吸着剤として用いることはできない。
これらの問題を解決するために吸着剤の粒子径を小さくすることが考えられるが、粒径を小さくするほど通水抵抗が増すこと及び、充填密度が低くなり、吸着剤の支持方法や取り扱い方に格別の工夫を要することなどから、単位体積あたりの吸着性能が高く、かつ吸着速度の速い吸着剤の開発が強く求められている。
特に、吸着剤を医療用として用いる場合には、消化管内で速やかに有害な吸着対象物質を吸着して除去しないと、有害物質が体内に吸収されることとなるので、吸着速度の速い吸着剤でないと実効が期待できない。
例えば、石油ピッチを賦活してなる、細孔半径100〜75000オングストロームの空隙が0.1〜1.0ml/gである吸着剤およびその製造方法が提案されている(特許文献1)が、実際に製造された吸着剤は、直径80オングストローム(8 nm)以下の細孔容積が0.70〜0.75ml/g、直径37.5〜75000オングストローム(3.75〜7500nm)の細孔容積が0.20〜0.23 ml/gと言った、直径が小さな細孔に富んだ吸着剤が記載されており、細孔容積の数的限定における臨界的意義も明らかではなく、吸着速度に関する言及は全くなされていない。
また、石油ピッチを原料とした、細孔直径20〜15000nmの細孔容積が0.04ml/g以上で0.10ml/g未満である吸着剤が提案されている(特許文献2)が、この吸着剤も直径が小さな細孔に富んだ吸着剤であり、しかも平衡吸着状態での被吸着物質の選択性について言及されているのみで、吸着速度に関する言及はなされていない。
フェノール樹脂を原料とした、細孔直径7.5〜15000nmの細孔容積が0.04 ml/gまたは0.06 ml/gの吸着剤が記載された文献もあるが(特許文献3)、この吸着剤も直径が小さな細孔に富んだ吸着剤であり、吸着剤について平衡吸着状態での被吸着物質の選択性が言及されているだけで、吸着速度に関しては全く言及されていない。
さらに、細孔直径20〜10000nmの細孔の細孔総容積が、0.04 ml/g以下である活性炭が記載されているが(特許文献4)、そこにも活性炭の吸着速度に就いては全く言及されていない。
特開昭62-11611号公報 特開2002-308785号公報 WO 2004/039381A1公報 特開2004-244414号公報
本発明の課題は、水中に混在する色素等の不純物、有機、無機の有害物質やヒト、動物の消化器内における有害物質または消化管内の低分子量代謝生成物を短時間に、且つ大量に吸着除去できる吸着剤を提供することにある。
フェノール系樹脂は、フェノール類とアルデヒドを縮合物させて得られる高分子物質であり、加熱することによりアルコール、アセトン等を放出して収縮しながら熱分解し、炭化物となる。この炭化物を賦活することにより高純度の吸着剤を高い炭化効率で得ることができる。
本発明者は、上記フェノール系樹脂の熱分解過程において、加熱条件を微妙に制御することで、炭化物の直径0.02〜10μmの細孔の総容積を調整できることを見出した。次いでこの炭化物を賦活することにより、直径0.02〜10μmの細孔構造を殆ど変化させることなく、吸着性能に関与する直径20nm未満の直径の小さな細孔を発達させ、結果として望みとする直径0.02〜10μmの細孔構造と望みとする直径が0.02μm未満のミクロ孔構造が発達した活性炭を得ることができることを知り、その知見を基に更に研究を重ねて本発明を完成した。
すなわち、本発明は、
(1)
フェノール系樹脂を原料とした直径0.02〜10μmの細孔容積が0.10〜0.60 ml/gであり、比表面積が800〜3000 m2/gであり、平均粒子径が0.1〜0.8 mmである水処理用または医療用吸着剤、
(2)
フェノール系樹脂を原料とし、350〜550℃で炭化を開始し、5〜20℃/分で700〜950℃まで昇温させ、次いで賦活化することを特徴とする直径0.02〜10μmの細孔容積が0.10〜0.60 ml/gであり、比表面積が800〜3000 m2/gであり、平均粒子径が0.1〜0.8mmである水処理用または医療用吸着剤の製造法、
である。
本発明の吸着剤は、フェノール系樹脂を特定条件下で処理して炭化させ、次いで賦活させることにより製造することができる。
本発明に使用される活性炭の原料は、フェノール系樹脂であり、14102の化学商品、化学工業日報社(2002)、p.1031〜p.1033に記載されているような公知の方法で合成したフェノール系樹脂であればどのようなものでも用いることができる。
フェノール系樹脂は、広義にはフェノール、クレゾールなどのフェノール類とホルムアルデヒド、フルフラールなどのアルデヒド類との縮合反応によって得られる比重1.25〜1.30の不透明の樹脂を指すが、本発明においてはフェノールとホルムアルデヒドの縮合により得られる狭義のフェノール樹脂が好適に用いられる。なお、フェノール系樹脂には、酸触媒を用いて製造されるノボラック型フェノール樹脂、塩基性触媒を用いて製造されるレゾール型フェノール樹脂があるが、成形性に優れ、所望の粒子径の樹脂を得ることが容易なレゾール型の樹脂が好ましく用いられる。
フェノール系樹脂を特定の条件下で炭化させる工程は、フェノール系樹脂を適当な熱処理装置内で熱分解することにより実施される。用いることができる熱処理装置は、温度の調整が可能であり、フェノール系樹脂およびその分解ガス、得られた熱処理物の燃焼が起こらないよう不活性ガス雰囲気とすることができる装置または設備であればいずれでもよい。たとえば、平炉などの固定床充てん層型炉、十字流式竪型移動層型炉、ロータリーキルン、流動層型炉などが挙げられる。また、製造の規模によっては、るつぼ等ふたのできる容器に原料を入れ、温度調整可能な電気炉内で熱処理をしてもよい。
一般には、フェノール系樹脂の炭化開始温度をフェノール樹脂の分解が激しくなる300〜550℃、好ましくは350〜500℃程度、さらに好ましくは、350〜450℃程度とし、当該温度まで急速に昇温させて炭化を始め、熱分解がほぼ終了する700〜950℃まで5〜20℃/分の速度で昇温する。この方法で得られる炭化物の充てん密度は、粒度にもよるが、0.65〜0.80g/ml程度である。
炭化開始温度が上記温度より低かったり、あるいは炭化速度が緩慢に過ぎると、フェノール系樹脂の炭化は、分解ガスを少しずつ放出しながら徐々に進行し、同時に樹脂自体が収縮するため、直径0.02〜10μmの細孔容積のきわめて少ない炭化物となる。そして、その炭化物を賦活した場合、直径0.02〜10μmの細孔容積の少ない活性炭となる。一方、炭化開始温度が高すぎたり、あるいは炭化速度が速すぎると、フェノール樹脂の熱分解が急激に起こるため、分解ガスが一気に放出され、直径0.02〜10μmの細孔容積が大幅に増大した炭化物となり、それを賦活した場合は直径0.02〜10μmの細孔容積が大で且つ充てん密度の低い活性炭となる。
あらかじめ、フェノール樹脂を炭化が始まらない200℃ないし300℃の範囲の温度で20分〜10時間熱処理すると、上記の急激な樹脂の収縮を抑制することができ、目的とする活性炭を製造する上でさらに好ましい。
炭化したフェノール系樹脂の賦活方法は特に限定されないが、たとえば「活性炭工業」、重化学工業通信社(1974)、p.23〜p.37に記載されているような、通常700℃から1200℃、好ましくは800℃から1100℃の温度下、水蒸気、酸素、炭酸ガスなどの活性ガスでの賦活方法や、リン酸、塩化亜鉛などを用いた薬品賦活方法が挙げられる。賦活時間は規模、温度その他の条件により適宜選択することができるが、通常10分〜12時間、好ましくは30分〜10時間である。
賦活された活性炭の比表面積は、通常800〜3000m2/g、好ましくは900〜2500m2/gであり、更に好ましくは950〜2400m2/gである。
本発明の吸着剤の平均粒子径は、通常0.1〜0.8mm、好ましくは0.2〜0.8mm、さらに好ましくは、0.2〜0.5mmである。なお、ここでいう平均粒子径は、JIS K1474の方法によって測定した粒度を、対数確率紙にプロットし、累積ふるい通過割合が50%となる粒子径のことをいう。
賦活した活性炭を篩い分けることで上記粒子径の吸着剤を得てもよいし、あらかじめ所定の粒子径に篩い分けたフェノール系樹脂を使用して吸着剤を製造してもよい。
吸着剤の細孔直径0.02〜10μmの細孔容積は、水銀圧入法による細孔容積水銀ポロシメーター(例えば、MICROMERITICS社製「AUTOPORE 9220」)を用いて測定することができる。試料である吸着剤を試料容器に入れ、2.67Pa以下の圧力で30分間脱気する。次いで、水銀を試料容器内に導入し、徐々に加圧して水銀を吸着剤の細孔へ圧入する(最高圧力=414MPa)。このときの圧力と水銀の圧入量との関係から以下の各計算式を用いて吸着剤の細孔容積分布を測定する。細孔直径の算出は、直径(D)の円筒形の細孔に水銀を圧力(P)で圧入する場合、水銀の表面張力をγとし、水銀と細孔壁との接触角をθとすると、表面張力と細孔断面に働く圧力の釣り合いから、次式:-πDγcosθ=π(D/2)2・Pが成り立つので、D=(-4γcosθ)/Pとなる。本明細書においては、水銀の表面張力γを480dyne/cmとし、水銀と炭素との接触角θを140度とし、圧力Pの単位をPaとし、そして細孔直径Dをμmで表示し、下記式:D=1.47×102/Pにより圧力Pと細孔直径Dの関係を求める。本発明における細孔直径0.02〜10μmの範囲の細孔容積とは、水銀圧入圧1.47×102Paから7.35×102Paまでに圧入された水銀の体積に相当する。
この細孔直径0.02〜10μmの細孔は、物質の吸着には直接関与はせず、より小さな細孔へ吸着される物質の移動経路となる。すなわちこの範囲の細孔が過少であると吸着された物質の吸着剤内での移動が妨げられ、吸着効率が低下する。反対に、この範囲の細孔が過多であると吸着剤が著しく空隙に富むことになるから、単位体積あたりの吸着剤の量が少なくなり、吸着カラム、吸着塔、吸着池など一定体積に吸着剤を充てんする場合、吸着能力が低下することになる。この様に、吸着剤の吸着速度に関しては、吸着剤中の細孔直径0.02〜10μmの占める容積の割合が重要な鍵を握っていることが判明した。
本発明の吸着剤における直径0.02〜10μmの細孔容積は0.10〜0.60ml/g、好ましくは0.10〜0.45ml/g、より好ましくは0.10〜0.40ml/g、特に好ましくは0.10〜0.30ml/gである。充てん密度は、通常0.33〜0.80g/ml、好ましくは0.40〜0.70g/mlの範囲である。直径0.02〜10μmの細孔容積がこの範囲にある吸着剤の吸着速度は際だって高い。
本発明の吸着剤は、水中の色素等の不純物や低分子化合物を迅速且つ効率的に吸着除去できるので、浄水器の吸着剤、経口投与による消化管内の特定物質の吸着剤として威力を発揮する。
以下に、参考例、実施例、比較例および試験例を挙げて、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
市販の球状フェノール・ホルムアルデヒド樹脂を、篩にかけ0.71〜0.212 mmに粒子径を揃えた。この樹脂400gを、あらかじめ温度400℃に調整した内容積2Lの外熱式ロータリーキルンに入れ、窒素ガスを5L/分の割合で流しながら、10℃/分の割合で850℃まで温度を上げた後、窒素ガス雰囲気中に取り出し、室温まで冷却した。
この炭化品180gを、温度900℃に調整した内容積2Lの外熱式ロータリーキルンに入れ、水蒸気を180g/時間の割合で流しながら賦活し、6時間後に窒素ガス雰囲気中に取り出し、室温まで冷却して吸着剤No.1を得た。得られた吸着剤の比表面積は1780m2/g、充てん密度は0.448g/ml、直径0.02〜10μmの細孔容積は0.18ml/gであった。
炭化開始温度を350℃とした以外は実施例1と同様にして吸着剤No.2を得た。得られた吸着剤の比表面積は1790m2、直径0.02〜10μmの細孔容積は0.11ml/gであった。
炭化開始温度を450℃とした以外は実施例1と同様にして吸着剤No. 3を得た。得られた吸着剤の比表面積は1770m2/gであり、直径0.02〜10μmの細孔容積は0.26ml/gであった。
炭化品の賦活時間を3時間とした以外は実施例1と同様にして吸着剤No. 4を得た。得られた吸着剤の比表面積は1250m2/gであり、直径0.02〜10μmの細孔容積は0.18ml/gであった。
炭化品の賦活時間を9時間とした以外は実施例1と同様にして吸着剤No.5を得た。得られた吸着剤の比表面積は2400m2/gであり、直径0.02〜10μmの細孔容積は0.22ml/gであった。
炭化品の賦活時間を1時間とした以外は実施例1と同様にして吸着剤No. 6を得た。得られた吸着剤の比表面積は950m2/gであり、直径0.02〜10μmの細孔容積は0.13ml/gであった。
炭化品の賦活時間を2時間とした以外は実施例1と同様にして吸着剤No. 7を得た。得られた吸着剤の比表面積は1090m2/gであり、直径0.02〜10μmの細孔容積は0.14ml/gであった。
炭化速度を7.5℃/分の割合とした以外は実施例1と同様にして吸着剤No. 8を得た。得られた吸着剤の比表面積は1800m2/gであり、直径0.02〜10μmの細孔容積は0.13ml/gであった。
炭化速度を30℃/分の割合とした以外は実施例1と同様にして吸着剤No. 9を得た。得られた吸着剤の比表面積は1760m2/gであり、直径0.02〜10μmの細孔容積は0.35ml/gであった。
炭化開始温度を600℃とした以外は実施例1と同様にして吸着剤No. 10を得た。得られた吸着剤の比表面積は1770m2/gであり、直径0.02〜10μmの細孔容積は0.40ml/gであった。
フェノール樹脂400gを、あらかじめ温度200℃に調整した内容積2Lの外熱式ロータリーキルンに入れ、窒素ガスを5L/分の割合で流しながら8時間保持して熱処理して一旦取り出し、室温まで冷却した以外は実施例2と同様にして吸着剤No. 11を得た。得られた吸着剤の比表面積は1780m2/gであり、直径0.02〜10μmの細孔容積は0.16ml/gであった。
フェノール樹脂400gを、あらかじめ温度300℃に調整した内容積2Lの外熱式ロータリーキルンに入れ、窒素ガスを5L/分の割合で流しながら3.5時間保持して熱処理して一旦取り出し、室温まで冷却した以外は実施例2と同様にして吸着剤No. 12を得た。得られた吸着剤の比表面積は1800m2/gであり、直径0.02〜10μmの細孔容積は0.15ml/gであった。
フェノール樹脂400gを、あらかじめ温度200℃に調整した内容積2Lの外熱式ロータリーキルンに入れ、窒素ガスを5L/分の割合で流しながら20分かけて300℃まで昇温し、そのままの温度で40分保持した後、50分かけて850℃まで昇温して炭化した以外は実施例1と同様にして吸着剤No. 13を得た。得られた吸着剤の比表面積は1810m2/gであり、直径0.02〜10μmの細孔容積は0.17ml/gであった。
[比較例1]
炭化開始温度を200℃とし、昇温時間を65分とした以外は実施例1と同様にして吸着剤No. 14を得た。得られた吸着剤の比表面積は1750m2/gであり、直径0.02〜10μmの細孔容積は0.02ml/gであった。
[比較例2]
炭化速度を2.5℃/分とした以外は実施例1と同様にして吸着剤No. 15を得た。得られた吸着剤の比表面積は1780m2/gであり、直径0.02〜10μmの細孔容積は0.08ml/gであった。
[比較例3]
フェノール樹脂の替わりにフィリピン共和国南サンボアンガ州産ココナッツやし殻炭化品を用い、水蒸気による賦活を3時間行い吸着剤No. 16を得た。得られた吸着剤の比表面積は1680m2/gであり、直径0.02〜10μmの細孔容積は0.36ml/gであった。
[比較例4]
特開2004-244414号公報の実施例2に記載の方法で得られたフェノール樹脂を原料として用いた吸着剤を吸着剤No. 17とした。この吸着剤の比表面積は1286m2/gであり、直径0.02〜10μmの細孔容積は0.02ml/gであった。
[比較例5]
WO 2004-039381の実施例1に記載の方法で吸着剤No. 18を調製した。得られた吸着剤の比表面積は1740m2/gであり、直径0.02〜10μmの細孔容積は0.07ml/gであった。
上記吸着剤の製造条件、得られた吸着剤の性能を表1に纏めた。
Figure 2006015334
〔試験例1〕
DL-β-アミノイソ酪酸吸着速度の比較
あらかじめ105℃で4時間乾燥した吸着剤5.0mlをメスシリンダーで秤取り、三角フラスコ100mlに入れ、DL-β-アミノイソ酪酸水溶液(DL-β-アミノイソ酪酸100.0mgを0.05mol/Lのリン酸塩緩衝液(pH値7.4)に溶かし、正確に1Lとしたもの)50mlを加え、37℃±2℃に保った恒温振とう機にかけ、振とう数160回/分、振幅40mmの条件で振とうした。振とう開始10分後、20分後、30分後および60分後に上澄み1mlをメスピペットを用いて採取し、液体クロマトグラフィーでDL-β-アミノイソ酪酸を定量した。
以下に示す計算式によってDL-β-アミノイソ酪酸吸着率を求めた。表2にこれらの実験結果を示した。

DL-β-アミノイソ酪酸吸着率(%)=100−(振とう前濃度−振とう後濃度)÷振とう前濃度×100
Figure 2006015334
表2から明らかなように、本発明の実施例の吸着剤は、吸着開始10分後で既に50%前後の高い吸着率を、20分後ではその多くが60%を越える高吸着率を示し、60分後では全て80%以上の吸着率と示した。これに対して、比較例1、比較例2、4および比較例5(吸着剤No.14、No.15、No.17およびNo.18)のように直径0.02〜10μmの細孔容積が少ない活性炭は、吸着開始後のいずれの時点においても、本発明の実施例の吸着剤と比較して低い吸着率しか示さず、60分後でも吸着率70%を越えるものはなかった。又、やし殻活性炭から調製した吸着剤(比較例3、吸着剤No.16)は、原料が異なるため、吸着性能が低かった。
この様に、本発明の実施例の吸着剤は、医薬品として使用した場合消化管内で短時間に吸着対象物質を吸着除去できるため、これらの物質の体内(血管や臓器)への吸収を少なくすることができ、医薬品として極めて有用である。
〔試験例2〕
メチレンブルー水溶液のカラム通水による脱色試験
吸着剤60mlを内径2.5cmのガラス製カラムに充てんし、希薄メチレンブルー水溶液(メチレンブルー0.24g(乾燥質量換算)をpH値7.4のりん酸緩衝液に溶解して1Lとしたもの)を5ml/分の割合で通水した。通水開始後1時間毎にカラム出口水を採取し、メチレンブルー濃度を測定した。メチレンブルー濃度が1.2mg/lを超えるまでの通水量をメチレンブルー脱色能力とした。その結果を表3に纏めた。
Figure 2006015334
表3から明らかなように、本発明の実施例の吸着剤は、比較例の吸着剤と比較して高い動的吸着性能を発揮した。すなわち、比較例1、比較例2、比較例3及び比較例5(吸着剤No. 14、No. 15、No. 17、No. 18)の吸着剤は、直径0.02〜10μmの細孔容積が少なく、吸着速度が遅いため、通水した場合短時間でメチレンブルーの脱色効率が下がり、脱色能力が低かった。これに対し本発明の吸着剤は、吸着速度が損なわれない程度に直径0.02〜10μmの細孔容積が調製されているので、充てんカラム等の吸着装置に充てんした場合、単位容積当たりの高い吸着性能を発揮した。
本発明の吸着剤は、水中の色素等不純物、有機・無機の有害物質や、体内における低分子量代謝生成物を単位体積当たり効率よく除去できるのみならず、吸着速度が速く、高い吸着性能を有しているので、水処理用吸着剤、医療用吸着剤として好適に使用することができる。水処理用吸着剤としては、例えば小型浄水器の吸着剤として使用することができる。医療用吸着剤としては、約0.1〜5グラムを分包あるいはカプセル等に充てんして、1日1〜3回ほど内服するなどの使用法がある。この吸着剤は特に腎不全治療薬として有効である。

Claims (2)

  1. フェノール系樹脂を原料とした直径0.02〜10μmの細孔容積が0.10〜0.60ml/g、比表面積が800〜3000m2/g、平均粒子径が0.1〜0.8mmである水処理用または医療用吸着剤。
  2. フェノール系樹脂を原料とし、350〜550℃で炭化を開始し、5〜20℃/分で700〜950℃まで昇温させ、次いで賦活化することを特徴とする直径0.02〜10μmの細孔容積が0.10〜0.60ml/g、比表面積が800〜3000 m2/g、平均粒子径が0.1〜0.8mmである水処理用または医療用吸着剤の製造法。
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