JP2022066718A - 保持装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】対象物を保持する板状部材のメンテナンス時期や寿命を予測できる保持装置を提供する。【解決手段】本開示の一態様は、半導体ウエハWを保持する側の上面11と、上面11における半導体ウエハWと対面する対面領域13の外周13a付近にて外周13aに沿って環状に形成される環状凸部14と、上面11に開口し、当該上面11にガスを供給するガス孔18と、を備えるセラミックス部材10を有する静電チャック1において、セラミックス部材10には、上面11に供給されたガスの圧力を検出する圧力センサ51が、複数設けられている。【選択図】図2

Description

本開示は、対象物を保持する保持装置に関する。
保持装置に関する従来技術として、特許文献1には、静電チャックに吸着保持されたウエハと静電チャックの表面との間にガスが供給される静電チャックが開示されている。そして、この静電チャックにおいては、ガスを供給するガス供給管にて圧力検出部によりガスの圧力を検出している。
特許第5003102号公報
静電チャックの表面が経時劣化すると、ウエハと静電チャックの表面との間のガスのシール性が低下して、ウエハと静電チャックの表面との間に充填されたガスの圧力が低下するおそれがある。そうすると、ウエハと静電チャックとの間の熱伝達性が低下し、ウエハの抜熱が適切に行われ難くなる。そのため、静電チャックの表面のメンテナンスを行ったり、あるいは、静電チャックが寿命を迎えていれば静電チャックを交換する必要がある。
ここで、特許文献1に開示される静電チャックにおいては、圧力検出部がガス供給管に設けられているので、ガス供給管におけるガスの圧力は検出できるが、ウエハと静電チャックの表面との間に充填されたガスの圧力を正確に検出できない。そのため、静電チャックの表面の経時劣化によりウエハと静電チャックの表面との間のガスのシール性が低下して、ウエハと静電チャックの表面との間に充填されたガスの圧力が低下しても、これを正確に検出できないので、静電チャックのメンテナンス時期や寿命を予測できない。
そこで、本開示は上記した問題点を解決するためになされたものであり、半導体ウエハなどの対象物を保持する静電チャックなどの板状部材のメンテナンス時期や寿命を予測できる保持装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するためになされた本開示の一形態は、対象物を保持する側の表面と、前記表面における前記対象物と対面する対面領域の外周付近にて前記外周に沿って環状に形成される環状凸部と、前記表面に開口し、前記表面にガスを供給するガス孔と、を備える板状部材を有する保持装置において、前記板状部材には、前記表面に供給された前記ガスの圧力を検出する圧力センサが、複数設けられていること、を特徴とする。
この態様によれば、表面に供給されたガスの圧力を圧力センサにより検出してモニタリングすることで、対象物と環状凸部との間のガスのシール性を判定して、セラミックス部材のメンテナンス時期や寿命を予測できる。
また、圧力センサがセラミックス部材に設けられており、対象物と表面に近い位置に設けられているので、圧力センサにより表面に供給されたガスの圧力を正確に検出できる。
また、圧力センサが複数設けられているので、セラミックス部材の複数の箇所にてガスの圧力を検出できる。そのため、環状凸部の周方向に沿った複数の位置でのガスの圧力を複数の圧力センサにより検出してモニタリングすることにより、環状凸部の周方向の全体に亘って、対象物と環状凸部との間のガスのシール性を判定できる。
上記の態様においては、前記板状部材の前記表面とは反対側に設けられる裏面と熱的に接続されるベース部材を有し、前記ベース部材は、前記圧力センサの引き出し線を通すための貫通孔を備え、前記圧力センサの複数の前記引き出し線が、前記貫通孔に通されて集約されていること、が好ましい。
この態様によれば、ベース部材において温度特異点となる貫通孔の数を減らすことができる。そのため、板状部材とベース部材との間の熱伝達性を確保できる。したがって、安定して対象物の抜熱を行うことができる。
上記の態様においては、前記表面における前記環状凸部よりも内側にて形成される複数の凸部を有し、前記圧力センサの検出位置を、前記環状凸部と前記環状凸部に最も近い前記凸部との間の第1の位置とすること、が好ましい。
この態様によれば、環状凸部に近い位置でのガスの圧力を圧力センサにより検出してモニタリングできる。そのため、対象物と環状凸部との間のガスのシール性をより正確に判定できる。
上記の態様においては、前記圧力センサの検出位置を、さらに、前記第1の位置よりも前記表面の内側の第2の位置とすること、が好ましい。
この態様によれば、環状凸部に近い位置でのガスの圧力とともに、環状凸部から離れた位置でのガスの圧力も、圧力センサにより検出できる。そのため、環状凸部に近い位置と環状凸部から離れた位置でのガスの圧力の差をモニタリングして、対象物と環状凸部との間のガスのシール性を判定できる。
本開示の保持装置によれば、対象物を保持する板状部材のメンテナンス時期や寿命を予測できる。
本実施形態の静電チャックの斜視図である。 本実施形態の静電チャックの断面図(図1におけるXZ断面図)である。 図2の領域αの部分の拡大図である。 本実施形態の静電チャックの平面図(Z軸方向視(平面視)したときの図)である。 本実施形態の静電チャックの断面図(図1におけるXZ断面図)であって、圧力センサとガス取り込み口を上面の内側の位置にも配置した例を示す図である。
本開示に係る実施形態である保持装置について説明する。本実施形態では、保持装置として、対象物である半導体ウエハWを保持する静電チャック1を例示して説明する。
<静電チャックの全体説明>
本実施形態の静電チャック1は、半導体ウエハW(対象物)を静電引力により吸着して保持する装置であり、例えば、半導体製造装置の真空チャンバー内で半導体ウエハWを固定するために使用される。図1に示すように、静電チャック1は、セラミックス部材10と、ベース部材20と、セラミックス部材10とベース部材20とを接合する接合層30とを有する。なお、セラミックス部材10は、本開示の「板状部材」の一例である。
なお、以下の説明においては、説明の便宜上、図1に示すようにXYZ軸を定義する。ここで、Z軸は、静電チャック1の軸線方向(中心軸AXに沿う方向、図1において上下方向)の軸であり、X軸とY軸は、静電チャック1の径方向の軸である。
セラミックス部材10は、図1に示すように、円盤状の部材であり、セラミックスにより形成されている。具体的には、セラミックス部材10は、直径の異なる2つの円盤が中心軸を共通にして重なる(詳細には、大きな直径を有する円盤状の下段部の上に、小さな直径を有する円盤状の上段部が重なる形態の)段付きの円盤状をなしている。セラミックスとしては、様々なセラミックスが用いられるが、強度や耐摩耗性、耐プラズマ性等の観点から、例えば、酸化アルミニウム(アルミナ、Al)または窒化アルミニウム(AlN)を主成分とするセラミックスが用いられることが好ましい。なお、ここでいう主成分とは、含有割合の最も多い成分(例えば、体積含有率が90vol%以上の成分)を意味する。
図1、図2に示すように、セラミックス部材10は、半導体ウエハWを保持する側に設けられる上面11と、セラミックス部材10の厚み方向(Z軸方向に一致する方向、上下方向)について上面11とは反対側に設けられる下面12(裏面)とを備えている。なお、上面11は本開示の「表面」の一例であり、下面12は本開示の「裏面」の一例である。
また、セラミックス部材10の直径は、上段部が例えば150~300mm程度であり、下段部が例えば180~350mm程度である。セラミックス部材10の厚さは、例えば2~6mm程度である。なお、セラミックス部材10の熱伝導率は、10~50W/mK(より好ましくは、18~30W/mK)の範囲内が望ましい。
セラミックス部材10の上面11は、凹凸形状をなしている。具体的には、図2と図4に示すように、上面11には、半導体ウエハWと対面する対面領域13の外周13a付近にて、この外周13aに沿って環状に形成される環状凸部14が形成されている。また、上面11には、環状凸部14よりも内側に複数の独立した柱状の凸部15が形成されている。
環状凸部14は、セラミックス部材10の上面11における複数の凸部15よりも外周側の位置にて、全ての凸部15を囲むようにして環状に形成されている。この環状凸部14は、シールバンドとも呼ばれる。環状凸部14の断面(XZ断面)の形状は、図2に示すように、略矩形である。環状凸部14の高さ(Z軸方向の寸法)は、例えば、10μm~20μm程度である。また、環状凸部14の幅(X軸方向の寸法)は、例えば、0.5mm~5.0mm程度である。
各凸部15は、図4に示すように、Z軸方向視(平面視)で略円形をなしており、略均等間隔で配置されている。また、各凸部15の断面(XZ断面)の形状は、図2に示すように、略矩形である。凸部15の高さは、環状凸部14の高さと略同一であり、例えば、10~20μm程度である。また、凸部15の幅(Z軸方向視での凸部15の最大径)は、例えば、0.5~1.5mm程度である。なお、セラミックス部材10の上面11における環状凸部14より内側において、凸部15が形成されていない部分は、凹部16となっている。また、凸部15は、メサとも呼ばれる。
そして、図2に示すように、半導体ウエハWは、セラミックス部材10の上面11における環状凸部14と複数の凸部15とに支持されて、詳しくは、環状凸部14の上端の保持部14aと、複数の凸部15の上端の保持部15aとに支持されて、静電チャック1に保持される。半導体ウエハWが静電チャック1に保持された状態では、半導体ウエハWの表面(下面)と、セラミックス部材10の上面11(詳細には、上面11の凹部16)との間に、空間Sが存在することとなる(図2参照)。この空間Sには、ガス(例えば、ヘリウムガスなどの不活性ガス)が供給されるようになっている。
また、セラミックス部材10は、その内部にチャック電極17(吸着電極)を備えている。チャック電極17は、Z軸方向視で略円形をなしており、導電性材料(例えば、タングステンやモリブデン等)により形成される。このチャック電極17に図示しない電源から電圧が印加されることによって、チャック電極17に静電引力が発生し、この静電引力によって半導体ウエハWが上面11に吸着されて保持される。
また、セラミックス部材10は、上面11に開口し、当該上面11にガスを供給して空間Sにガスを充填させるためのガス孔18を備えている。このガス孔18は、接合層30とベース部材20を貫通して形成されるガス供給路41を介して、不図示のガス供給源に接続している。
ベース部材20は、例えば図1に示すように円柱状、詳しくは、図2に示すように直径の異なる2つの円柱が、大きな直径の円柱状の上面部の上に小さな直径の円柱状の下面部が載せられるようにして、中心軸AXを共通にして重ねられて形成された段付きの円柱状である。このベース部材20は、金属(例えば、アルミニウムやアルミニウム合金等)により形成されていることが好ましいが、金属以外であってもよい。なお、セラミックス部材10の外周部とベース部材20の外周部との間には、Oリング42が配置されている。
そして、ベース部材20は、図1と図2に示すように、上面21と、ベース部材20の厚み方向(Z軸方向に一致する方向、上下方向)にて上面21とは反対側に設けられる下面22と、を備えている。そして、ベース部材20の上面21は、セラミックス部材10の下面12と、接合層30を介して、熱的に接続されている。
ベース部材20の直径は、上段部が例えば75~345mm程度であり、下段部が例えば180~350mm程度である。また、ベース部材20の厚さ(Z軸方向の寸法)は、例えば20mm~50mm程度である。なお、ベース部材20(アルミニウムを想定)の熱伝導率は、180~250W/mK(好ましくは、230W/mK程度)の範囲内が望ましい。
また、図2に示すように、ベース部材20には、冷媒(例えば、フッ素系不活性液体や水等)を流すための冷媒流路23が形成されている。冷媒流路23は、ベース部材20の下面22に設けられた不図示の供給口と排出口とに接続しており、供給口からベース部材20に供給された冷媒が、冷媒流路23内を流れて排出口からベース部材20の外へ排出される。このようにして、ベース部材20の冷媒流路23内に冷媒を流すことにより、ベース部材20が冷却され、これにより、接合層30を介してセラミックス部材10が冷却される。これにより、セラミックス部材10により半導体ウエハWが冷却されて、すなわち、セラミックス部材10と半導体ウエハWとの間で熱伝達が行われて、半導体ウエハWの抜熱が行なわれる。
本実施形態では、ベース部材20は、後述する圧力センサ51の引き出し線52を通すための貫通孔24を備えている。
接合層30は、セラミックス部材10の下面12とベース部材20の上面21との間に配置され、セラミックス部材10とベース部材20とを接合する。なお、接合層30は、後述する圧力センサ51の引き出し線52を通すための貫通孔31を備えている。
この接合層30は、例えばシリコーン系樹脂やアクリル系樹脂、エポキシ系樹脂等の接着材により構成されている。なお、接合層30の厚さ(Z軸方向の寸法)は、例えば0.1~1.0mm程度である。また、接合層30の熱伝導率は、例えば1.0W/mKである。なお、接合層30(シリコーン系樹脂を想定)の熱伝導率は、0.1~2.0W/mK(好ましくは、0.5~1.5W/mK)の範囲内が望ましい。
<空間内に充填されたガスの圧力の検出に関して>
次に、空間S内に充填されたガスの圧力の検出に関して説明する。
セラミックス部材10の上面11は、半導体ウエハWとの接触やクリーニング用のプラズマとの接触などにより経年劣化して、その状態が変化する。特に、上面11における環状凸部14は、半導体ウエハWを接触させて保持したときに、半導体ウエハWと上面11との間に存在する空間S内に充填されたガスをセラミックス部材10の外部の雰囲気からシール(封止)する役割を有する。
そのため、環状凸部14の状態、すなわち、環状凸部14の表面の状態や形状が変化すると、半導体ウエハWと環状凸部14との接触状態が変化して、半導体ウエハWと環状凸部14との間のガスのシール性が低下するおそれがある。そうすると、空間S内に充填されたガスがセラミックス部材10の外部に漏れて空間S内に充填されたガスの圧力が低下して、半導体ウエハWとセラミックス部材10との間の熱伝達性(すなわち、空間S内に充填されたガスを介した半導体ウエハWとセラミックス部材10との間の熱伝達性)が低下してしまい、半導体ウエハWの抜熱が適切に行われ難くなる。
したがって、セラミックス部材10の上面11が経年劣化して、特に環状凸部14の状態が変化して、半導体ウエハWと環状凸部14との間のガスのシール性が低下した場合には、セラミックス部材10の上面11のメンテナンスを行ったり、セラミックス部材10が寿命を迎えていればセラミックス部材10を交換することが必要となる。
そこで、本実施形態では、適切なタイミングでセラミックス部材10のメンテナンスや交換を行うことができるように、空間Sに充填されたガスの圧力を検出してモニタリングすることにより、半導体ウエハWと環状凸部14との間のガスのシール性の低下の程度を判定して、セラミックス部材10のメンテナンス時期や寿命を予測できるようにしている。
具体的には、図2~図4に示すように、セラミックス部材10には、ガス孔18を介して上面11に供給されて空間Sに充填されたガスの圧力を検出する圧力センサ51が、設けられている。この圧力センサ51は、例えばピエゾ素子を使用したセンサである。
詳しくは、図2や図3に示すように、セラミックス部材10は、当該セラミックス部材10の下面12にて、上面11側に向かって凹むように形成されるザグリ部61を備え、このザグリ部61に圧力センサ51が配置されている。
そして、ザグリ部61は、当該ザグリ部61と凹部16とに接続するガス取り込み通路62を介して、空間Sに連通している。これにより、空間Sに充填されたガスがガス取り込み通路62を通ってザグリ部61内に取り込まれるので、ザグリ部61に配置された圧力センサ51により空間Sに充填されたガスの圧力を検出することができる。
そして、本実施形態では、ガス取り込み通路62の凹部16側の入口であるガス取り込み口62aが、セラミックス部材10の径方向(図2におけるX軸方向)について、環状凸部14とこの環状凸部14に最も近い凸部15との間の凹部16(以下、「外周側凹部16a」という。)の位置に設けられている。そして、これにより、環状凸部14に近い外周側凹部16aの位置における空間Sのガスの圧力を、圧力センサ51により検出している。すなわち、圧力センサ51の検出位置を、環状凸部14に近い外周側凹部16aの位置(本開示の「第1の位置」の一例)としている。
なお、図2の破線に示すように、ガス取り込み通路62をその途中でセラミックス部材10の径方向の外周側に曲げて、ガス取り込み口62aを、外周側凹部16aにおける環状凸部14により近い位置に設けてもよい。これにより、環状凸部14により近い位置でのガスの圧力を圧力センサ51により検出できる。
また、圧力センサ51が配置される位置は、特に限定されないが、図2に示すように、セラミックス部材10の径方向について、ガス取り込み口62aに近い外周側の位置であることが望ましい。これにより、ガス取り込み通路62の長さをできる限り短くすることができるので、ザグリ部61内に空間Sのガスを取り込み易くなり、圧力センサ51の検出精度が向上する。また、ガス取り込み通路62を形成する工数を低減できるので、セラミックス部材10の製造コストを低減できる。
そして、本実施形態では、圧力センサ51が複数設けられており、これに伴い、ガス取り込み口62a(ガス取り込み通路62)も複数設けられている。具体的には、例えば、図4に示すように、Z軸方向視(平面視)で、圧力センサ51とガス取り込み口62aが、環状凸部14に近い位置にて、セラミックス部材10の周方向について、すなわち、環状凸部14の周方向に沿って、等間隔を空けて4個設けられている。なお、圧力センサ51とガス取り込み口62aの数は、複数であれば、特に限定されず、例えば6個や8個や12個でもよい。
また、本実施形態では、図3に示すように、圧力センサ51の出力を伝える出力線である2本の引き出し線52が、ベース部材20の1つの貫通孔24内に通されて、貫通孔24の下面22側の位置に設けられた1つの出力端子53にて集約されている。
ここで、引き出し線52は、セラミックス部材10の内部に配線されるビア54aと導線54とビア54b、および、ビア54bと図示しない端子パッドに接続されたピン端子55と、ピン端子55と電気的に接続される接続端子56の導線56aにより構成されている。そして、圧力センサ51は、この引き出し線52を介して、出力端子53に接続している。詳しくは、引き出し線52においては、圧力センサ51の電極51aに電気的に接続されているビア54aが導線54の一端に接続している。そして、導線54の他端に接続するビア54bが図示しない端子パッドに接続し、ピン端子55が端子パッドに例えばろう付けにより接続されている。そして、ピン端子55と出力端子53とが導線56aにより接続されている。
このようにして、出力端子53から圧力センサ51の出力(すなわち、ガスの圧力の検出値)を取得することができる。そして、このように取得したガスの圧力の検出値をモニタリングする。例えば、複数設けられた圧力センサ51の個々のガスの圧力の検出値の差や、不図示の圧力検出部で得られたガス供給路41によるガスの圧力の検出値と圧力センサ51によるガスの圧力の検出値との差をモニタリングする。そして、これにより、半導体ウエハWと環状凸部14との間のガスのシール性を判定して、セラミックス部材10のメンテナンス時期や寿命を予測できる。
なお、図5に示すように、ガス取り込み通路62のガス取り込み口62aが、セラミックス部材10の径方向について、外周側凹部16aの位置の他に、外周側凹部16aの位置よりも上面11の内側の内周側凹部16bの位置に設けられていてもよい。すなわち、圧力センサ51の検出位置を、外周側凹部16aの位置の他に、さらに、内周側凹部16bの位置(本開示の「第2の位置」の一例)としてもよい。
また、複数の圧力センサ51の引き出し線52が、ベース部材20の1つの貫通孔24内に通されて、1つの出力端子53にて集約されていてもよい。例えば、図5に示すように、3個の圧力センサ51から引き出される合計6本の引き出し線52が、ベース部材20の1つの貫通孔24内に通されて、1つの出力端子53にて集約されていてもよい。
<本実施形態の作用効果>
本実施形態によれば、セラミックス部材10には、ガス孔18を介して上面11に供給されて半導体ウエハWと上面11との間の空間Sに充填されたガスの圧力を検出する圧力センサ51が、複数設けられている。
このようにして、半導体ウエハWと上面11との間の空間Sに充填されたガスの圧力を圧力センサ51により検出してモニタリングすることで、半導体ウエハWと環状凸部14との間のガスのシール性を判定して、セラミックス部材10のメンテナンス時期や寿命を予測できる。
また、圧力センサ51が、ベース部材20と接合層30に設けられたガス供給路41ではなく、セラミックス部材10に設けられており、半導体ウエハWと上面11に近い位置に設けられているので、空間Sに充填されたガスの圧力をより正確に検出できる。
また、圧力センサ51が複数設けられているので、セラミックス部材10の複数の箇所にてガスの圧力を検出できる。そのため、環状凸部14付近にて、環状凸部14の周方向に沿って複数のガス取り込み口62aを配置して、環状凸部14の周方向に沿った複数の位置でのガスの圧力を複数の圧力センサ51により検出してモニタリングすることにより、環状凸部14の周方向の全体に亘って、半導体ウエハWと環状凸部14との間のガスのシール性を判定できる。
なお、圧力センサ51により検出されたガスの圧力に基づいて空間Sに充填するガス供給量を制御して、空間Sに充填されたガスの圧力を制御することにより、半導体ウエハWとセラミックス部材10との間の熱伝達性を維持することもできる。
また、圧力センサ51の2本の引き出し線52が、ベース部材20の1つの貫通孔24内に通されて、貫通孔24の下面22側の位置に設けられた1つの出力端子53にて集約されている。
これにより、1本の引き出し線52毎にベース部材20に貫通孔24を設ける必要がないので、ベース部材20において温度特異点となる貫通孔24の数を減らすことができる。そのため、セラミックス部材10とベース部材20の間の熱伝達性を確保できる。したがって、安定して半導体ウエハWの抜熱を行うことができる。
また、圧力センサ51の検出位置を、環状凸部14とこの環状凸部14に最も近い凸部15との間の外周側凹部16aの位置としている。
これにより、環状凸部14に近い位置でのガスの圧力を圧力センサ51により検出してモニタリングできる。そのため、半導体ウエハWと環状凸部14との間のガスのシール性をより正確に判定できる。
また、圧力センサ51の検出位置を、外周側凹部16aの位置と、さらに、外周側凹部16aの位置よりも内側の内周側凹部16bの位置としてもよい。
これにより、環状凸部14に近い位置でのガスの圧力とともに、環状凸部14から離れた位置でのガスの圧力も、圧力センサ51により検出できる。そのため、環状凸部14に近い位置と環状凸部14から離れた位置でのガスの圧力の検出値の差をモニタリングして、半導体ウエハWと環状凸部14の間のガスのシール性を判定できる。
なお、上記した実施の形態は単なる例示にすぎず、本開示を何ら限定するものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能であることはもちろんである。
1 静電チャック
10 セラミックス部材
11 上面
12 下面
13 対面領域
13a 外周
14 環状凸部
15 凸部
16 凹部
16a 外周側凹部
16b 内周側凹部
18 ガス孔
20 ベース部材
21 上面
22 下面
24 貫通孔
30 接合層
31 貫通孔
41 ガス供給路
51 圧力センサ
51a 電極
52 引き出し線
53 出力端子
54 導線
54a ビア
54b ビア
55 ピン端子
56 接続端子
56a 導線
61 ザグリ部
62 ガス取り込み通路
62a ガス取り込み口
W 半導体ウエハ
AX 中心軸
S 空間

Claims (4)

  1. 対象物を保持する側の表面と、前記表面における前記対象物と対面する対面領域の外周付近にて前記外周に沿って環状に形成される環状凸部と、前記表面に開口し、前記表面にガスを供給するガス孔と、を備える板状部材を有する保持装置において、
    前記板状部材には、前記表面に供給された前記ガスの圧力を検出する圧力センサが、複数設けられていること、
    を特徴とする保持装置。
  2. 請求項1の保持装置において、
    前記板状部材の前記表面とは反対側に設けられる裏面と熱的に接続されるベース部材を有し、
    前記ベース部材は、前記圧力センサの引き出し線を通すための貫通孔を備え、
    前記圧力センサの複数の前記引き出し線が、前記貫通孔に通されて集約されていること、
    を特徴とする保持装置。
  3. 請求項1または2の保持装置において、
    前記表面における前記環状凸部よりも内側にて形成される複数の凸部を有し、
    前記圧力センサの検出位置を、前記環状凸部と前記環状凸部に最も近い前記凸部との間の第1の位置とすること、
    を特徴とする保持装置。
  4. 請求項3の保持装置において、
    前記圧力センサの検出位置を、さらに、前記第1の位置よりも前記表面の内側の第2の位置とすること、
    を特徴とする保持装置。
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