JP2022066695A - 化合物、有機エレクトロルミネッセンス素子用材料、有機エレクトロルミネッセンス素子及び電子機器 - Google Patents

化合物、有機エレクトロルミネッセンス素子用材料、有機エレクトロルミネッセンス素子及び電子機器 Download PDF

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敬太 瀬田
Keita Seta
正和 舟橋
Masakazu Funahashi
弘志 山本
Hiroshi Yamamoto
慧 村上
Kei Murakami
健一郎 伊丹
Kenichiro Itami
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Tokai National Higher Education and Research System NUC
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Tokai National Higher Education and Research System NUC
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Abstract

【課題】蛍光量子収率が高い化合物を提供すること。【解決手段】一般式(20)で表され、一般式(20)中、四員環に対し、両側の環構造が非対称である化合物。一般式(20)において、Ar1及びAr2からなる組、並びにAr3及びAr4からなる組の2組が、各々独立に、互いに結合して置換もしくは無置換の単環を形成するか、互いに結合して置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又はAr1及びAr2からなる組、並びにAr3及びAr4からなる組の2組が、互いに結合せず、前記単環を形成せず、かつ前記縮合環を形成しないAr1~Ar4及びR11~R16は、各々独立に、水素原子又は置換もしくは無置換のアリール基等の置換基である。TIFF2022066695000114.tif43115【選択図】なし

Description

本発明は、化合物、有機エレクトロルミネッセンス素子用材料、有機エレクトロルミネッセンス素子及び電子機器に関する。
有機エレクトロルミネッセンス素子(以下、「有機EL素子」という場合がある。)に電圧を印加すると、陽極から正孔が発光層に注入され、また陰極から電子が発光層に注入される。そして、発光層において、注入された正孔と電子とが再結合し、励起子が形成される。このとき、電子スピンの統計則により、一重項励起子が25%の割合で生成し、及び三重項励起子が75%の割合で生成する。
有機EL素子は、携帯電話及びテレビ等のフルカラーディスプレイへ応用されている。有機EL素子の性能向上を図るため、発光材料について様々な検討がなされている。
例えば、非特許文献1~3には、有機EL素子の発光材料に用いることのできる化合物として、ベンゾ[b]ビフェニレンに2つの置換基が置換された化合物が開示されている。
Bunz,Uwe H.F.et.al.Chem.Eur.J.2018,24,6968. Hirayama,Tomoyuki.et.al.Kyushu Sangyo Daigaku Kogakubu Kenkyu Hokoku 2004,41,123. Akhtar,Mukhtar A.et.al.Pakistan J.Sci.Ind.Res,1980,23,162.
有機EL素子の性能としては、発光効率が挙げられる。発光効率を向上させるための要素としては、蛍光量子収率(PLQY:photoluminescence quantum yield)の高い化合物を用いることが挙げられる。
本発明は、蛍光量子収率が高い化合物を提供することを目的とする。
また、本発明は、PLQYの高い化合物を含む有機エレクトロルミネッセンス素子用材料及び有機エレクトロルミネッセンス素子、並びに当該有機エレクトロルミネッセンス素子を搭載した電子機器を提供することも目的とする。
本発明の一態様によれば、下記一般式(20)で表され、下記一般式(20)中、四員環に対し、両側の環構造が非対称である化合物が提供される。
Figure 2022066695000001
(前記一般式(20)において、
Ar及びArからなる組、並びにAr及びArからなる組の2組が、それぞれ独立に、
互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、
互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は
Ar及びArからなる組、並びにAr及びArからなる組の2組が、
互いに結合せず、
前記置換もしくは無置換の単環を形成せず、かつ前記置換もしくは無置換の縮合環を形成しないAr~Ar、及びR11~R16は、それぞれ独立に、
水素原子、
ハロゲン原子、
シアノ基、
ニトロ基、
置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
-Si(R901)(R902)(R903)で表される基、
-O-(R904)で表される基、
-S-(R905)で表される基、
-N(R906)(R907)で表される基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、
Ar~Ar及びR11~R16のうち、少なくとも4個は水素原子ではない。)
(前記一般式(20)で表される化合物中、R901~R907は、それぞれ独立に、
水素原子、
置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、
901が2個以上存在する場合、2個以上のR901は、互いに同一であるか、又は異なり、R902が2個以上存在する場合、2個以上のR902は、互いに同一であるか、又は異なり、R903が2個以上存在する場合、2個以上のR903は、互いに同一であるか、又は異なり、R904が2個以上存在する場合、2個以上のR904は、互いに同一であるか、又は異なり、R905が2個以上存在する場合、2個以上のR905は、互いに同一であるか、又は異なり、R906が2個以上存在する場合、2個以上のR906は、互いに同一であるか、又は異なり、R907が2個以上存在する場合、2個以上のR907は、互いに同一であるか、又は異なる。)
本発明の一態様によれば、前述の本発明の一態様に係る化合物を含む有機エレクトロルミネッセンス素子用材料が提供される。
本発明の一態様によれば、陰極と、陽極と、前記陰極及び前記陽極の間に配置された1以上の有機層と、を有し、前記有機層のうちの少なくとも1つの層が、前述の本発明の一態様に係る化合物を含む、有機エレクトロルミネッセンス素子が提供される。
本発明の一態様によれば、陰極と、陽極と、前記陰極及び前記陽極の間に配置された1以上の有機層と、を有し、前記有機層のうちの少なくとも1つの層が、前述の本発明の一態様に係る化合物と、下記一般式(10)で表される化合物と、を含む、有機エレクトロルミネッセンス素子が提供される。
Figure 2022066695000002
[前記一般式(10)中、
101~R110のうちの隣接する2つ以上からなる組の1組以上は、
互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、
互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は
互いに結合せず、
前記置換もしくは無置換の単環を形成せず、かつ前記置換もしくは無置換の縮合環を形成しないR101~R110は、それぞれ独立に、
水素原子、
置換基R、又は
下記一般式(11)で表される基である。
-L101-Ar101 (11)
(前記一般式(11)中、
101は、
単結合、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリーレン基、又は
置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の2価の複素環基である。
Ar101は、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基である。)
前記置換基Rは、
置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
-Si(R901)(R902)(R903)で表される基、
-O-(R904)で表される基、
-S-(R905)で表される基、
-N(R906)(R907)で表される基、
ハロゲン原子、
シアノ基、
ニトロ基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、
前記置換基Rが2個以上存在する場合、2個以上の前記置換基Rは、互いに同一であるか、又は異なり、
901~R907は、それぞれ独立に、
水素原子、
置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、
901が2個以上存在する場合、2個以上のR901は、互いに同一であるか、又は異なり、R902が2個以上存在する場合、2個以上のR902は、互いに同一であるか、又は異なり、R903が2個以上存在する場合、2個以上のR903は、互いに同一であるか、又は異なり、R904が2個以上存在する場合、2個以上のR904は、互いに同一であるか、又は異なり、R905が2個以上存在する場合、2個以上のR905は、互いに同一であるか、又は異なり、R906が2個以上存在する場合、2個以上のR906は、互いに同一であるか、又は異なり、R907が2個以上存在する場合、2個以上のR907は、互いに同一であるか、又は異なり、但し、前記置換もしくは無置換の単環を形成せず、かつ前記置換もしくは無置換の縮合環を形成しないR101~R110の少なくとも1つは、前記一般式(11)で表される基であり、
前記一般式(11)が2以上存在する場合、2以上の前記一般式(11)で表される基のそれぞれは、互いに同一であるか、又は異なり、
101が2以上存在する場合、2以上のL101は、互いに同一であるか、又は異なり、
Ar101が2以上存在する場合、2以上のAr101は、互いに同一であるか、又は異なる。]
本発明の一態様によれば、前述の本発明の一態様に係る有機エレクトロルミネッセンス素子を搭載した電子機器が提供される。
本発明の一態様によれば、蛍光量子収率が高い化合物を提供できる。また、本発明の一態様によれば、PLQYの高い化合物を含む有機エレクトロルミネッセンス素子用材料及び有機エレクトロルミネッセンス素子、並びに当該有機エレクトロルミネッセンス素子を搭載した電子機器を提供できる。
本発明の一実施形態に係る有機エレクトロルミネッセンス素子の一例の概略構成を示す図である。
[定義]
本明細書において、水素原子とは、中性子数が異なる同位体、即ち、軽水素(protium)、重水素(deuterium)、及び三重水素(tritium)を包含する。
本明細書において、化学構造式中、「R」等の記号や重水素原子を表す「D」が明示されていない結合可能位置には、水素原子、即ち、軽水素原子、重水素原子、又は三重水素原子が結合しているものとする。
本明細書において、環形成炭素数とは、原子が環状に結合した構造の化合物(例えば、単環化合物、縮合環化合物、架橋化合物、炭素環化合物、及び複素環化合物)の当該環自体を構成する原子のうちの炭素原子の数を表す。当該環が置換基によって置換される場合、置換基に含まれる炭素は環形成炭素数には含まない。以下で記される「環形成炭素数」については、別途記載のない限り同様とする。例えば、ベンゼン環は環形成炭素数が6であり、ナフタレン環は環形成炭素数が10であり、ピリジン環は環形成炭素数5であり、フラン環は環形成炭素数4である。また、例えば、9,9-ジフェニルフルオレニル基の環形成炭素数は13であり、9,9’-スピロビフルオレニル基の環形成炭素数は25である。
また、ベンゼン環に置換基として、例えば、アルキル基が置換している場合、当該アルキル基の炭素数は、ベンゼン環の環形成炭素数に含めない。そのため、アルキル基が置換しているベンゼン環の環形成炭素数は、6である。また、ナフタレン環に置換基として、例えば、アルキル基が置換している場合、当該アルキル基の炭素数は、ナフタレン環の環形成炭素数に含めない。そのため、アルキル基が置換しているナフタレン環の環形成炭素数は、10である。
本明細書において、環形成原子数とは、原子が環状に結合した構造(例えば、単環、縮合環、及び環集合)の化合物(例えば、単環化合物、縮合環化合物、架橋化合物、炭素環化合物、及び複素環化合物)の当該環自体を構成する原子の数を表す。環を構成しない原子(例えば、環を構成する原子の結合を終端する水素原子)や、当該環が置換基によって置換される場合の置換基に含まれる原子は環形成原子数には含まない。以下で記される「環形成原子数」については、別途記載のない限り同様とする。例えば、ピリジン環の環形成原子数は6であり、キナゾリン環の環形成原子数は10であり、フラン環の環形成原子数は5である。例えば、ピリジン環に結合している水素原子、又は置換基を構成する原子の数は、ピリジン環形成原子数の数に含めない。そのため、水素原子、又は置換基が結合しているピリジン環の環形成原子数は、6である。また、例えば、キナゾリン環の炭素原子に結合している水素原子、又は置換基を構成する原子については、キナゾリン環の環形成原子数の数に含めない。そのため、水素原子、又は置換基が結合しているキナゾリン環の環形成原子数は10である。
本明細書において、「置換もしくは無置換の炭素数XX~YYのZZ基」という表現における「炭素数XX~YY」は、ZZ基が無置換である場合の炭素数を表し、置換されている場合の置換基の炭素数を含めない。ここで、「YY」は、「XX」よりも大きく、「XX」は、1以上の整数を意味し、「YY」は、2以上の整数を意味する。
本明細書において、「置換もしくは無置換の原子数XX~YYのZZ基」という表現における「原子数XX~YY」は、ZZ基が無置換である場合の原子数を表し、置換されている場合の置換基の原子数を含めない。ここで、「YY」は、「XX」よりも大きく、「XX」は、1以上の整数を意味し、「YY」は、2以上の整数を意味する。
本明細書において、無置換のZZ基とは「置換もしくは無置換のZZ基」が「無置換のZZ基」である場合を表し、置換のZZ基とは「置換もしくは無置換のZZ基」が「置換のZZ基」である場合を表す。
本明細書において、「置換もしくは無置換のZZ基」という場合における「無置換」とは、ZZ基における水素原子が置換基と置き換わっていないことを意味する。「無置換のZZ基」における水素原子は、軽水素原子、重水素原子、又は三重水素原子である。
また、本明細書において、「置換もしくは無置換のZZ基」という場合における「置換」とは、ZZ基における1つ以上の水素原子が、置換基と置き換わっていることを意味する。「AA基で置換されたBB基」という場合における「置換」も同様に、BB基における1つ以上の水素原子が、AA基と置き換わっていることを意味する。
「本明細書に記載の置換基」
以下、本明細書に記載の置換基について説明する。
本明細書に記載の「無置換のアリール基」の環形成炭素数は、本明細書に別途記載のない限り、6~50であり、好ましくは6~30、より好ましくは6~18である。
本明細書に記載の「無置換の複素環基」の環形成原子数は、本明細書に別途記載のない限り、5~50であり、好ましくは5~30、より好ましくは5~18である。
本明細書に記載の「無置換のアルキル基」の炭素数は、本明細書に別途記載のない限り、1~50であり、好ましくは1~20、より好ましくは1~6である。
本明細書に記載の「無置換のアルケニル基」の炭素数は、本明細書に別途記載のない限り、2~50であり、好ましくは2~20、より好ましくは2~6である。
本明細書に記載の「無置換のアルキニル基」の炭素数は、本明細書に別途記載のない限り、2~50であり、好ましくは2~20、より好ましくは2~6である。
本明細書に記載の「無置換のシクロアルキル基」の環形成炭素数は、本明細書に別途記載のない限り、3~50であり、好ましくは3~20、より好ましくは3~6である。
本明細書に記載の「無置換のアリーレン基」の環形成炭素数は、本明細書に別途記載のない限り、6~50であり、好ましくは6~30、より好ましくは6~18である。
本明細書に記載の「無置換の2価の複素環基」の環形成原子数は、本明細書に別途記載のない限り、5~50であり、好ましくは5~30、より好ましくは5~18である。
本明細書に記載の「無置換のアルキレン基」の炭素数は、本明細書に別途記載のない限り、1~50であり、好ましくは1~20、より好ましくは1~6である。
・「置換もしくは無置換のアリール基」
本明細書に記載の「置換もしくは無置換のアリール基」の具体例(具体例群G1)としては、以下の無置換のアリール基(具体例群G1A)及び置換のアリール基(具体例群G1B)等が挙げられる。(ここで、無置換のアリール基とは「置換もしくは無置換のアリール基」が「無置換のアリール基」である場合を指し、置換のアリール基とは「置換もしくは無置換のアリール基」が「置換のアリール基」である場合を指す。)本明細書において、単に「アリール基」という場合は、「無置換のアリール基」と「置換のアリール基」の両方を含む。
「置換のアリール基」は、「無置換のアリール基」の1つ以上の水素原子が置換基と置き換わった基を意味する。「置換のアリール基」としては、例えば、下記具体例群G1Aの「無置換のアリール基」の1つ以上の水素原子が置換基と置き換わった基、及び下記具体例群G1Bの置換のアリール基の例等が挙げられる。尚、ここに列挙した「無置換のアリール基」の例、及び「置換のアリール基」の例は、一例に過ぎず、本明細書に記載の「置換のアリール基」には、下記具体例群G1Bの「置換のアリール基」におけるアリール基自体の炭素原子に結合する水素原子がさらに置換基と置き換わった基、及び下記具体例群G1Bの「置換のアリール基」における置換基の水素原子がさらに置換基と置き換わった基も含まれる。
・無置換のアリール基(具体例群G1A):
フェニル基、
p-ビフェニル基、
m-ビフェニル基、
o-ビフェニル基、
p-ターフェニル-4-イル基、
p-ターフェニル-3-イル基、
p-ターフェニル-2-イル基、
m-ターフェニル-4-イル基、
m-ターフェニル-3-イル基、
m-ターフェニル-2-イル基、
o-ターフェニル-4-イル基、
o-ターフェニル-3-イル基、
o-ターフェニル-2-イル基、
1-ナフチル基、
2-ナフチル基、
アントリル基、
ベンゾアントリル基、
フェナントリル基、
ベンゾフェナントリル基、
フェナレニル基、
ピレニル基、
クリセニル基、
ベンゾクリセニル基、
トリフェニレニル基、
ベンゾトリフェニレニル基、
テトラセニル基、
ペンタセニル基、
フルオレニル基、
9,9’-スピロビフルオレニル基、
ベンゾフルオレニル基、
ジベンゾフルオレニル基、
フルオランテニル基、
ベンゾフルオランテニル基、
ペリレニル基、及び
下記一般式(TEMP-1)~(TEMP-15)で表される環構造から1つの水素原子を除くことにより誘導される1価のアリール基。
Figure 2022066695000003
Figure 2022066695000004
・置換のアリール基(具体例群G1B):
o-トリル基、
m-トリル基、
p-トリル基、
パラ-キシリル基、
メタ-キシリル基、
オルト-キシリル基、
パラ-イソプロピルフェニル基、
メタ-イソプロピルフェニル基、
オルト-イソプロピルフェニル基、
パラ-t-ブチルフェニル基、
メタ-t-ブチルフェニル基、
オルト-t-ブチルフェニル基、
3,4,5-トリメチルフェニル基、
9,9-ジメチルフルオレニル基、
9,9-ジフェニルフルオレニル基、
9,9-ビス(4-メチルフェニル)フルオレニル基、
9,9-ビス(4-イソプロピルフェニル)フルオレニル基、
9,9-ビス(4-t-ブチルフェニル)フルオレニル基、
シアノフェニル基、
トリフェニルシリルフェニル基、
トリメチルシリルフェニル基、
フェニルナフチル基、
ナフチルフェニル基、及び
前記一般式(TEMP-1)~(TEMP-15)で表される環構造から誘導される1価の基の1つ以上の水素原子が置換基と置き換わった基。
・「置換もしくは無置換の複素環基」
本明細書に記載の「複素環基」は、環形成原子にヘテロ原子を少なくとも1つ含む環状の基である。ヘテロ原子の具体例としては、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、ケイ素原子、リン原子、及びホウ素原子が挙げられる。
本明細書に記載の「複素環基」は、単環の基であるか、又は縮合環の基である。
本明細書に記載の「複素環基」は、芳香族複素環基であるか、又は非芳香族複素環基である。
本明細書に記載の「置換もしくは無置換の複素環基」の具体例(具体例群G2)としては、以下の無置換の複素環基(具体例群G2A)、及び置換の複素環基(具体例群G2B)等が挙げられる。(ここで、無置換の複素環基とは「置換もしくは無置換の複素環基」が「無置換の複素環基」である場合を指し、置換の複素環基とは「置換もしくは無置換の複素環基」が「置換の複素環基」である場合を指す。)本明細書において、単に「複素環基」という場合は、「無置換の複素環基」と「置換の複素環基」の両方を含む。
「置換の複素環基」は、「無置換の複素環基」の1つ以上の水素原子が置換基と置き換わった基を意味する。「置換の複素環基」の具体例は、下記具体例群G2Aの「無置換の複素環基」の水素原子が置き換わった基、及び下記具体例群G2Bの置換の複素環基の例等が挙げられる。尚、ここに列挙した「無置換の複素環基」の例や「置換の複素環基」の例は、一例に過ぎず、本明細書に記載の「置換の複素環基」には、具体例群G2Bの「置換の複素環基」における複素環基自体の環形成原子に結合する水素原子がさらに置換基と置き換わった基、及び具体例群G2Bの「置換の複素環基」における置換基の水素原子がさらに置換基と置き換わった基も含まれる。
具体例群G2Aは、例えば、以下の窒素原子を含む無置換の複素環基(具体例群G2A1)、酸素原子を含む無置換の複素環基(具体例群G2A2)、硫黄原子を含む無置換の複素環基(具体例群G2A3)、及び下記一般式(TEMP-16)~(TEMP-33)で表される環構造から1つの水素原子を除くことにより誘導される1価の複素環基(具体例群G2A4)を含む。
具体例群G2Bは、例えば、以下の窒素原子を含む置換の複素環基(具体例群G2B1)、酸素原子を含む置換の複素環基(具体例群G2B2)、硫黄原子を含む置換の複素環基(具体例群G2B3)、及び下記一般式(TEMP-16)~(TEMP-33)で表される環構造から誘導される1価の複素環基の1つ以上の水素原子が置換基と置き換わった基(具体例群G2B4)を含む。
・窒素原子を含む無置換の複素環基(具体例群G2A1):
ピロリル基、
イミダゾリル基、
ピラゾリル基、
トリアゾリル基、
テトラゾリル基、
オキサゾリル基、
イソオキサゾリル基、
オキサジアゾリル基、
チアゾリル基、
イソチアゾリル基、
チアジアゾリル基、
ピリジル基、
ピリダジニル基、
ピリミジニル基、
ピラジニル基、
トリアジニル基、
インドリル基、
イソインドリル基、
インドリジニル基、
キノリジニル基、
キノリル基、
イソキノリル基、
シンノリル基、
フタラジニル基、
キナゾリニル基、
キノキサリニル基、
ベンゾイミダゾリル基、
インダゾリル基、
フェナントロリニル基、
フェナントリジニル基、
アクリジニル基、
フェナジニル基、
カルバゾリル基、
ベンゾカルバゾリル基、
モルホリノ基、
フェノキサジニル基、
フェノチアジニル基、
アザカルバゾリル基、及びジアザカルバゾリル基。
・酸素原子を含む無置換の複素環基(具体例群G2A2):
フリル基、
オキサゾリル基、
イソオキサゾリル基、
オキサジアゾリル基、
キサンテニル基、
ベンゾフラニル基、
イソベンゾフラニル基、
ジベンゾフラニル基、
ナフトベンゾフラニル基、
ベンゾオキサゾリル基、
ベンゾイソキサゾリル基、
フェノキサジニル基、
モルホリノ基、
ジナフトフラニル基、
アザジベンゾフラニル基、
ジアザジベンゾフラニル基、
アザナフトベンゾフラニル基、及び
ジアザナフトベンゾフラニル基。
・硫黄原子を含む無置換の複素環基(具体例群G2A3):
チエニル基、
チアゾリル基、
イソチアゾリル基、
チアジアゾリル基、
ベンゾチオフェニル基(ベンゾチエニル基)、
イソベンゾチオフェニル基(イソベンゾチエニル基)、
ジベンゾチオフェニル基(ジベンゾチエニル基)、
ナフトベンゾチオフェニル基(ナフトベンゾチエニル基)、
ベンゾチアゾリル基、
ベンゾイソチアゾリル基、
フェノチアジニル基、
ジナフトチオフェニル基(ジナフトチエニル基)、
アザジベンゾチオフェニル基(アザジベンゾチエニル基)、
ジアザジベンゾチオフェニル基(ジアザジベンゾチエニル基)、
アザナフトベンゾチオフェニル基(アザナフトベンゾチエニル基)、及び
ジアザナフトベンゾチオフェニル基(ジアザナフトベンゾチエニル基)。
・下記一般式(TEMP-16)~(TEMP-33)で表される環構造から1つの水素原子を除くことにより誘導される1価の複素環基(具体例群G2A4):
Figure 2022066695000005
Figure 2022066695000006
前記一般式(TEMP-16)~(TEMP-33)において、X及びYは、それぞれ独立に、酸素原子、硫黄原子、NH、又はCHである。ただし、X及びYのうち少なくとも1つは、酸素原子、硫黄原子、又はNHである。
前記一般式(TEMP-16)~(TEMP-33)において、X及びYの少なくともいずれかがNH、又はCHである場合、前記一般式(TEMP-16)~(TEMP-33)で表される環構造から誘導される1価の複素環基には、これらNH、又はCHから1つの水素原子を除いて得られる1価の基が含まれる。
・窒素原子を含む置換の複素環基(具体例群G2B1):
(9-フェニル)カルバゾリル基、
(9-ビフェニリル)カルバゾリル基、
(9-フェニル)フェニルカルバゾリル基、
(9-ナフチル)カルバゾリル基、
ジフェニルカルバゾール-9-イル基、
フェニルカルバゾール-9-イル基、
メチルベンゾイミダゾリル基、
エチルベンゾイミダゾリル基、
フェニルトリアジニル基、
ビフェニリルトリアジニル基、
ジフェニルトリアジニル基、
フェニルキナゾリニル基、及び
ビフェニリルキナゾリニル基。
・酸素原子を含む置換の複素環基(具体例群G2B2):
フェニルジベンゾフラニル基、
メチルジベンゾフラニル基、
t-ブチルジベンゾフラニル基、及び
スピロ[9H-キサンテン-9,9’-[9H]フルオレン]の1価の残基。
・硫黄原子を含む置換の複素環基(具体例群G2B3):
フェニルジベンゾチオフェニル基、
メチルジベンゾチオフェニル基、
t-ブチルジベンゾチオフェニル基、及び
スピロ[9H-チオキサンテン-9,9’-[9H]フルオレン]の1価の残基。
・前記一般式(TEMP-16)~(TEMP-33)で表される環構造から誘導される1価の複素環基の1つ以上の水素原子が置換基と置き換わった基(具体例群G2B4):
前記「1価の複素環基の1つ以上の水素原子」とは、該1価の複素環基の環形成炭素原子に結合している水素原子、XA及びYAの少なくともいずれかがNHである場合の窒素原子に結合している水素原子、及びXA及びYAの一方がCH2である場合のメチレン基の水素原子から選ばれる1つ以上の水素原子を意味する。
・「置換もしくは無置換のアルキル基」
本明細書に記載の「置換もしくは無置換のアルキル基」の具体例(具体例群G3)としては、以下の無置換のアルキル基(具体例群G3A)及び置換のアルキル基(具体例群G3B)が挙げられる。(ここで、無置換のアルキル基とは「置換もしくは無置換のアルキル基」が「無置換のアルキル基」である場合を指し、置換のアルキル基とは「置換もしくは無置換のアルキル基」が「置換のアルキル基」である場合を指す。)以下、単に「アルキル基」という場合は、「無置換のアルキル基」と「置換のアルキル基」の両方を含む。
「置換のアルキル基」は、「無置換のアルキル基」における1つ以上の水素原子が置換基と置き換わった基を意味する。「置換のアルキル基」の具体例としては、下記の「無置換のアルキル基」(具体例群G3A)における1つ以上の水素原子が置換基と置き換わった基、及び置換のアルキル基(具体例群G3B)の例等が挙げられる。本明細書において、「無置換のアルキル基」におけるアルキル基は、鎖状のアルキル基を意味する。そのため、「無置換のアルキル基」は、直鎖である「無置換のアルキル基」、及び分岐状である「無置換のアルキル基」が含まれる。尚、ここに列挙した「無置換のアルキル基」の例や「置換のアルキル基」の例は、一例に過ぎず、本明細書に記載の「置換のアルキル基」には、具体例群G3Bの「置換のアルキル基」におけるアルキル基自体の水素原子がさらに置換基と置き換わった基、及び具体例群G3Bの「置換のアルキル基」における置換基の水素原子がさらに置換基と置き換わった基も含まれる。
・無置換のアルキル基(具体例群G3A):
メチル基、
エチル基、
n-プロピル基、
イソプロピル基、
n-ブチル基、
イソブチル基、
s-ブチル基、及び
t-ブチル基。
・置換のアルキル基(具体例群G3B):
ヘプタフルオロプロピル基(異性体を含む)、
ペンタフルオロエチル基、
2,2,2-トリフルオロエチル基、及び
トリフルオロメチル基。
・「置換もしくは無置換のアルケニル基」
本明細書に記載の「置換もしくは無置換のアルケニル基」の具体例(具体例群G4)としては、以下の無置換のアルケニル基(具体例群G4A)、及び置換のアルケニル基(具体例群G4B)等が挙げられる。(ここで、無置換のアルケニル基とは「置換もしくは無置換のアルケニル基」が「無置換のアルケニル基」である場合を指し、「置換のアルケニル基」とは「置換もしくは無置換のアルケニル基」が「置換のアルケニル基」である場合を指す。)本明細書において、単に「アルケニル基」という場合は、「無置換のアルケニル基」と「置換のアルケニル基」の両方を含む。
「置換のアルケニル基」は、「無置換のアルケニル基」における1つ以上の水素原子が置換基と置き換わった基を意味する。「置換のアルケニル基」の具体例としては、下記の「無置換のアルケニル基」(具体例群G4A)が置換基を有する基、及び置換のアルケニル基(具体例群G4B)の例等が挙げられる。尚、ここに列挙した「無置換のアルケニル基」の例や「置換のアルケニル基」の例は、一例に過ぎず、本明細書に記載の「置換のアルケニル基」には、具体例群G4Bの「置換のアルケニル基」におけるアルケニル基自体の水素原子がさらに置換基と置き換わった基、及び具体例群G4Bの「置換のアルケニル基」における置換基の水素原子がさらに置換基と置き換わった基も含まれる。
・無置換のアルケニル基(具体例群G4A):
ビニル基、
アリル基、
1-ブテニル基、
2-ブテニル基、及び
3-ブテニル基。
・置換のアルケニル基(具体例群G4B):
1,3-ブタンジエニル基、
1-メチルビニル基、
1-メチルアリル基、
1,1-ジメチルアリル基、
2-メチルアリル基、及び
1,2-ジメチルアリル基。
・「置換もしくは無置換のアルキニル基」
本明細書に記載の「置換もしくは無置換のアルキニル基」の具体例(具体例群G5)としては、以下の無置換のアルキニル基(具体例群G5A)等が挙げられる。(ここで、無置換のアルキニル基とは、「置換もしくは無置換のアルキニル基」が「無置換のアルキニル基」である場合を指す。)以下、単に「アルキニル基」という場合は、「無置換のアルキニル基」と「置換のアルキニル基」の両方を含む。
「置換のアルキニル基」は、「無置換のアルキニル基」における1つ以上の水素原子が置換基と置き換わった基を意味する。「置換のアルキニル基」の具体例としては、下記の「無置換のアルキニル基」(具体例群G5A)における1つ以上の水素原子が置換基と置き換わった基等が挙げられる。
・無置換のアルキニル基(具体例群G5A):
エチニル基
・「置換もしくは無置換のシクロアルキル基」
本明細書に記載の「置換もしくは無置換のシクロアルキル基」の具体例(具体例群G6)としては、以下の無置換のシクロアルキル基(具体例群G6A)、及び置換のシクロアルキル基(具体例群G6B)等が挙げられる。(ここで、無置換のシクロアルキル基とは「置換もしくは無置換のシクロアルキル基」が「無置換のシクロアルキル基」である場合を指し、置換のシクロアルキル基とは「置換もしくは無置換のシクロアルキル基」が「置換のシクロアルキル基」である場合を指す。)本明細書において、単に「シクロアルキル基」という場合は、「無置換のシクロアルキル基」と「置換のシクロアルキル基」の両方を含む。
「置換のシクロアルキル基」は、「無置換のシクロアルキル基」における1つ以上の水素原子が置換基と置き換わった基を意味する。「置換のシクロアルキル基」の具体例としては、下記の「無置換のシクロアルキル基」(具体例群G6A)における1つ以上の水素原子が置換基と置き換わった基、及び置換のシクロアルキル基(具体例群G6B)の例等が挙げられる。尚、ここに列挙した「無置換のシクロアルキル基」の例や「置換のシクロアルキル基」の例は、一例に過ぎず、本明細書に記載の「置換のシクロアルキル基」には、具体例群G6Bの「置換のシクロアルキル基」におけるシクロアルキル基自体の炭素原子に結合する1つ以上の水素原子が置換基と置き換わった基、及び具体例群G6Bの「置換のシクロアルキル基」における置換基の水素原子がさらに置換基と置き換わった基も含まれる。
・無置換のシクロアルキル基(具体例群G6A):
シクロプロピル基、
シクロブチル基、
シクロペンチル基、
シクロヘキシル基、
1-アダマンチル基、
2-アダマンチル基、
1-ノルボルニル基、及び
2-ノルボルニル基。
・置換のシクロアルキル基(具体例群G6B):
4-メチルシクロヘキシル基。
・「-Si(R901)(R902)(R903)で表される基」
本明細書に記載の-Si(R901)(R902)(R903)で表される基の具体例(具体例群G7)としては、
-Si(G1)(G1)(G1)、
-Si(G1)(G2)(G2)、
-Si(G1)(G1)(G2)、
-Si(G2)(G2)(G2)、
-Si(G3)(G3)(G3)、及び
-Si(G6)(G6)(G6)
が挙げられる。ここで、
G1は、具体例群G1に記載の「置換もしくは無置換のアリール基」である。
G2は、具体例群G2に記載の「置換もしくは無置換の複素環基」である。
G3は、具体例群G3に記載の「置換もしくは無置換のアルキル基」である。
G6は、具体例群G6に記載の「置換もしくは無置換のシクロアルキル基」である。
-Si(G1)(G1)(G1)における複数のG1は、互いに同一であるか、又は異なる。
-Si(G1)(G2)(G2)における複数のG2は、互いに同一であるか、又は異なる。
-Si(G1)(G1)(G2)における複数のG1は、互いに同一であるか、又は異なる。
-Si(G2)(G2)(G2)における複数のG2は、互いに同一であるか、又は異なる。
-Si(G3)(G3)(G3)における複数のG3は、互いに同一であるか、又は異なる。
-Si(G6)(G6)(G6)における複数のG6は、互いに同一であるか、又は異なる。
・「-O-(R904)で表される基」
本明細書に記載の-O-(R904)で表される基の具体例(具体例群G8)としては、
-O(G1)、
-O(G2)、
-O(G3)、及び
-O(G6)
が挙げられる。
ここで、
G1は、具体例群G1に記載の「置換もしくは無置換のアリール基」である。
G2は、具体例群G2に記載の「置換もしくは無置換の複素環基」である。
G3は、具体例群G3に記載の「置換もしくは無置換のアルキル基」である。
G6は、具体例群G6に記載の「置換もしくは無置換のシクロアルキル基」である。
・「-S-(R905)で表される基」
本明細書に記載の-S-(R905)で表される基の具体例(具体例群G9)としては、
-S(G1)、
-S(G2)、
-S(G3)、及び
-S(G6)
が挙げられる。
ここで、
G1は、具体例群G1に記載の「置換もしくは無置換のアリール基」である。
G2は、具体例群G2に記載の「置換もしくは無置換の複素環基」である。
G3は、具体例群G3に記載の「置換もしくは無置換のアルキル基」である。
G6は、具体例群G6に記載の「置換もしくは無置換のシクロアルキル基」である。
・「-N(R906)(R907)で表される基」
本明細書に記載の-N(R906)(R907)で表される基の具体例(具体例群G10)としては、
-N(G1)(G1)、
-N(G2)(G2)、
-N(G1)(G2)、
-N(G3)(G3)、及び
-N(G6)(G6)
が挙げられる。
ここで、
G1は、具体例群G1に記載の「置換もしくは無置換のアリール基」である。
G2は、具体例群G2に記載の「置換もしくは無置換の複素環基」である。
G3は、具体例群G3に記載の「置換もしくは無置換のアルキル基」である。
G6は、具体例群G6に記載の「置換もしくは無置換のシクロアルキル基」である。
-N(G1)(G1)における複数のG1は、互いに同一であるか、又は異なる。
-N(G2)(G2)における複数のG2は、互いに同一であるか、又は異なる。
-N(G3)(G3)における複数のG3は、互いに同一であるか、又は異なる。
-N(G6)(G6)における複数のG6は、互いに同一であるか、又は異なる。
・「ハロゲン原子」
本明細書に記載の「ハロゲン原子」の具体例(具体例群G11)としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、及びヨウ素原子等が挙げられる。
・「置換もしくは無置換のフルオロアルキル基」
本明細書に記載の「置換もしくは無置換のフルオロアルキル基」は、「置換もしくは無置換のアルキル基」におけるアルキル基を構成する炭素原子に結合している少なくとも1つの水素原子がフッ素原子と置き換わった基を意味し、「置換もしくは無置換のアルキル基」におけるアルキル基を構成する炭素原子に結合している全ての水素原子がフッ素原子で置き換わった基(パーフルオロ基)も含む。「無置換のフルオロアルキル基」の炭素数は、本明細書に別途記載のない限り、1~50であり、好ましくは1~30であり、より好ましくは1~18である。「置換のフルオロアルキル基」は、「フルオロアルキル基」の1つ以上の水素原子が置換基と置き換わった基を意味する。尚、本明細書に記載の「置換のフルオロアルキル基」には、「置換のフルオロアルキル基」におけるアルキル鎖の炭素原子に結合する1つ以上の水素原子がさらに置換基と置き換わった基、及び「置換のフルオロアルキル基」における置換基の1つ以上の水素原子がさらに置換基と置き換わった基も含まれる。「無置換のフルオロアルキル基」の具体例としては、前記「アルキル基」(具体例群G3)における1つ以上の水素原子がフッ素原子と置き換わった基の例等が挙げられる。
・「置換もしくは無置換のハロアルキル基」
本明細書に記載の「置換もしくは無置換のハロアルキル基」は、「置換もしくは無置換のアルキル基」におけるアルキル基を構成する炭素原子に結合している少なくとも1つの水素原子がハロゲン原子と置き換わった基を意味し、「置換もしくは無置換のアルキル基」におけるアルキル基を構成する炭素原子に結合している全ての水素原子がハロゲン原子で置き換わった基も含む。「無置換のハロアルキル基」の炭素数は、本明細書に別途記載のない限り、1~50であり、好ましくは1~30であり、より好ましくは1~18である。「置換のハロアルキル基」は、「ハロアルキル基」の1つ以上の水素原子が置換基と置き換わった基を意味する。尚、本明細書に記載の「置換のハロアルキル基」には、「置換のハロアルキル基」におけるアルキル鎖の炭素原子に結合する1つ以上の水素原子がさらに置換基と置き換わった基、及び「置換のハロアルキル基」における置換基の1つ以上の水素原子がさらに置換基と置き換わった基も含まれる。「無置換のハロアルキル基」の具体例としては、前記「アルキル基」(具体例群G3)における1つ以上の水素原子がハロゲン原子と置き換わった基の例等が挙げられる。ハロアルキル基をハロゲン化アルキル基と称する場合がある。
・「置換もしくは無置換のアルコキシ基」
本明細書に記載の「置換もしくは無置換のアルコキシ基」の具体例としては、-O(G3)で表される基であり、ここで、G3は、具体例群G3に記載の「置換もしくは無置換のアルキル基」である。「無置換のアルコキシ基」の炭素数は、本明細書に別途記載のない限り、1~50であり、好ましくは1~30であり、より好ましくは1~18である。
・「置換もしくは無置換のアルキルチオ基」
本明細書に記載の「置換もしくは無置換のアルキルチオ基」の具体例としては、-S(G3)で表される基であり、ここで、G3は、具体例群G3に記載の「置換もしくは無置換のアルキル基」である。「無置換のアルキルチオ基」の炭素数は、本明細書に別途記載のない限り、1~50であり、好ましくは1~30であり、より好ましくは1~18である。
・「置換もしくは無置換のアリールオキシ基」
本明細書に記載の「置換もしくは無置換のアリールオキシ基」の具体例としては、-O(G1)で表される基であり、ここで、G1は、具体例群G1に記載の「置換もしくは無置換のアリール基」である。「無置換のアリールオキシ基」の環形成炭素数は、本明細書に別途記載のない限り、6~50であり、好ましくは6~30であり、より好ましくは6~18である。
・「置換もしくは無置換のアリールチオ基」
本明細書に記載の「置換もしくは無置換のアリールチオ基」の具体例としては、-S(G1)で表される基であり、ここで、G1は、具体例群G1に記載の「置換もしくは無置換のアリール基」である。「無置換のアリールチオ基」の環形成炭素数は、本明細書に別途記載のない限り、6~50であり、好ましくは6~30であり、より好ましくは6~18である。
・「置換もしくは無置換のトリアルキルシリル基」
本明細書に記載の「トリアルキルシリル基」の具体例としては、-Si(G3)(G3)(G3)で表される基であり、ここで、G3は、具体例群G3に記載の「置換もしくは無置換のアルキル基」である。-Si(G3)(G3)(G3)における複数のG3は、互いに同一であるか、又は異なる。「トリアルキルシリル基」の各アルキル基の炭素数は、本明細書に別途記載のない限り、1~50であり、好ましくは1~20であり、より好ましくは1~6である。
・「置換もしくは無置換のアラルキル基」
本明細書に記載の「置換もしくは無置換のアラルキル基」の具体例としては、-(G3)-(G1)で表される基であり、ここで、G3は、具体例群G3に記載の「置換もしくは無置換のアルキル基」であり、G1は、具体例群G1に記載の「置換もしくは無置換のアリール基」である。従って、「アラルキル基」は、「アルキル基」の水素原子が置換基としての「アリール基」と置き換わった基であり、「置換のアルキル基」の一態様である。「無置換のアラルキル基」は、「無置換のアリール基」が置換した「無置換のアルキル基」であり、「無置換のアラルキル基」の炭素数は、本明細書に別途記載のない限り、7~50であり、好ましくは7~30であり、より好ましくは7~18である。
「置換もしくは無置換のアラルキル基」の具体例としては、ベンジル基、1-フェニルエチル基、2-フェニルエチル基、1-フェニルイソプロピル基、2-フェニルイソプロピル基、フェニル-t-ブチル基、α-ナフチルメチル基、1-α-ナフチルエチル基、2-α-ナフチルエチル基、1-α-ナフチルイソプロピル基、2-α-ナフチルイソプロピル基、β-ナフチルメチル基、1-β-ナフチルエチル基、2-β-ナフチルエチル基、1-β-ナフチルイソプロピル基、及び2-β-ナフチルイソプロピル基等が挙げられる。
本明細書に記載の置換もしくは無置換のアリール基は、本明細書に別途記載のない限り、好ましくはフェニル基、p-ビフェニル基、m-ビフェニル基、o-ビフェニル基、p-ターフェニル-4-イル基、p-ターフェニル-3-イル基、p-ターフェニル-2-イル基、m-ターフェニル-4-イル基、m-ターフェニル-3-イル基、m-ターフェニル-2-イル基、o-ターフェニル-4-イル基、o-ターフェニル-3-イル基、o-ターフェニル-2-イル基、1-ナフチル基、2-ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基、ピレニル基、クリセニル基、トリフェニレニル基、フルオレニル基、9,9’-スピロビフルオレニル基、9,9-ジメチルフルオレニル基、及び9,9-ジフェニルフルオレニル基等である。
本明細書に記載の置換もしくは無置換の複素環基は、本明細書に別途記載のない限り、好ましくはピリジル基、ピリミジニル基、トリアジニル基、キノリル基、イソキノリル基、キナゾリニル基、ベンゾイミダゾリル基、フェナントロリニル基、カルバゾリル基(1-カルバゾリル基、2-カルバゾリル基、3-カルバゾリル基、4-カルバゾリル基、又は9-カルバゾリル基)、ベンゾカルバゾリル基、アザカルバゾリル基、ジアザカルバゾリル基、ジベンゾフラニル基、ナフトベンゾフラニル基、アザジベンゾフラニル基、ジアザジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基、ナフトベンゾチオフェニル基、アザジベンゾチオフェニル基、ジアザジベンゾチオフェニル基、(9-フェニル)カルバゾリル基((9-フェニル)カルバゾール-1-イル基、(9-フェニル)カルバゾール-2-イル基、(9-フェニル)カルバゾール-3-イル基、又は(9-フェニル)カルバゾール-4-イル基)、(9-ビフェニリル)カルバゾリル基、(9-フェニル)フェニルカルバゾリル基、ジフェニルカルバゾール-9-イル基、フェニルカルバゾール-9-イル基、フェニルトリアジニル基、ビフェニリルトリアジニル基、ジフェニルトリアジニル基、フェニルジベンゾフラニル基、及びフェニルジベンゾチオフェニル基等である。
本明細書において、カルバゾリル基は、本明細書に別途記載のない限り、具体的には以下のいずれかの基である。
Figure 2022066695000007
本明細書において、(9-フェニル)カルバゾリル基は、本明細書に別途記載のない限り、具体的には以下のいずれかの基である。
Figure 2022066695000008
前記一般式(TEMP-Cz1)~(TEMP-Cz9)中、*は、結合位置を表す。
本明細書において、ジベンゾフラニル基、及びジベンゾチオフェニル基は、本明細書に別途記載のない限り、具体的には以下のいずれかの基である。
Figure 2022066695000009
前記一般式(TEMP-34)~(TEMP-41)中、*は、結合位置を表す。
本明細書に記載の置換もしくは無置換のアルキル基は、本明細書に別途記載のない限り、好ましくはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、及びt-ブチル基等である。
・「置換もしくは無置換のアリーレン基」
本明細書に記載の「置換もしくは無置換のアリーレン基」は、別途記載のない限り、上記「置換もしくは無置換のアリール基」からアリール環上の1つの水素原子を除くことにより誘導される2価の基である。「置換もしくは無置換のアリーレン基」の具体例(具体例群G12)としては、具体例群G1に記載の「置換もしくは無置換のアリール基」からアリール環上の1つの水素原子を除くことにより誘導される2価の基等が挙げられる。
・「置換もしくは無置換の2価の複素環基」
本明細書に記載の「置換もしくは無置換の2価の複素環基」は、別途記載のない限り、上記「置換もしくは無置換の複素環基」から複素環上の1つの水素原子を除くことにより誘導される2価の基である。「置換もしくは無置換の2価の複素環基」の具体例(具体例群G13)としては、具体例群G2に記載の「置換もしくは無置換の複素環基」から複素環上の1つの水素原子を除くことにより誘導される2価の基等が挙げられる。
・「置換もしくは無置換のアルキレン基」
本明細書に記載の「置換もしくは無置換のアルキレン基」は、別途記載のない限り、上記「置換もしくは無置換のアルキル基」からアルキル鎖上の1つの水素原子を除くことにより誘導される2価の基である。「置換もしくは無置換のアルキレン基」の具体例(具体例群G14)としては、具体例群G3に記載の「置換もしくは無置換のアルキル基」からアルキル鎖上の1つの水素原子を除くことにより誘導される2価の基等が挙げられる。
本明細書に記載の置換もしくは無置換のアリーレン基は、本明細書に別途記載のない限り、好ましくは下記一般式(TEMP-42)~(TEMP-68)のいずれかの基である。
Figure 2022066695000010
Figure 2022066695000011
前記一般式(TEMP-42)~(TEMP-52)中、Q~Q10は、それぞれ独立に、水素原子、又は置換基である。
前記一般式(TEMP-42)~(TEMP-52)中、*は、結合位置を表す。
Figure 2022066695000012
前記一般式(TEMP-53)~(TEMP-62)中、Q~Q10は、それぞれ独立に、水素原子、又は置換基である。
式Q及びQ10は、単結合を介して互いに結合して環を形成してもよい。
前記一般式(TEMP-53)~(TEMP-62)中、*は、結合位置を表す。
Figure 2022066695000013
前記一般式(TEMP-63)~(TEMP-68)中、Q~Qは、それぞれ独立に、水素原子、又は置換基である。
前記一般式(TEMP-63)~(TEMP-68)中、*は、結合位置を表す。
本明細書に記載の置換もしくは無置換の2価の複素環基は、本明細書に別途記載のない限り、好ましくは下記一般式(TEMP-69)~(TEMP-102)のいずれかの基である。
Figure 2022066695000014
Figure 2022066695000015
Figure 2022066695000016
前記一般式(TEMP-69)~(TEMP-82)中、Q~Qは、それぞれ独立に、水素原子、又は置換基である。
Figure 2022066695000017
Figure 2022066695000018
Figure 2022066695000019
Figure 2022066695000020
前記一般式(TEMP-83)~(TEMP-102)中、Q~Qは、それぞれ独立に、水素原子、又は置換基である。
以上が、「本明細書に記載の置換基」についての説明である。
・「結合して環を形成する場合」
本明細書において、「隣接する2つ以上からなる組の1組以上が、互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は互いに結合せず」という場合は、「隣接する2つ以上からなる組の1組以上が、互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成する」場合と、「隣接する2つ以上からなる組の1組以上が、互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成する」場合と、「隣接する2つ以上からなる組の1組以上が、互いに結合しない」場合と、を意味する。
本明細書における、「隣接する2つ以上からなる組の1組以上が、互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成する」場合、及び「隣接する2つ以上からなる組の1組以上が、互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成する」場合(以下、これらの場合をまとめて「結合して環を形成する場合」と称する場合がある。)について、以下、説明する。母骨格がアントラセン環である下記一般式(TEMP-103)で表されるアントラセン化合物の場合を例として説明する。
Figure 2022066695000021
例えば、R921~R930のうちの「隣接する2つ以上からなる組の1組以上が、互いに結合して、環を形成する」場合において、1組となる隣接する2つからなる組とは、R921とR922との組、R922とR923との組、R923とR924との組、R924とR930との組、R930とR925との組、R925とR926との組、R926とR927との組、R927とR928との組、R928とR929との組、並びにR929とR921との組である。
上記「1組以上」とは、上記隣接する2つ以上からなる組の2組以上が同時に環を形成してもよいことを意味する。例えば、R921とR922とが互いに結合して環Qを形成し、同時にR925とR926とが互いに結合して環Qを形成した場合は、前記一般式(TEMP-103)で表されるアントラセン化合物は、下記一般式(TEMP-104)で表される。
Figure 2022066695000022
「隣接する2つ以上からなる組」が環を形成する場合とは、前述の例のように隣接する「2つ」からなる組が結合する場合だけではなく、隣接する「3つ以上」からなる組が結合する場合も含む。例えば、R921とR922とが互いに結合して環Qを形成し、かつ、R922とR923とが互いに結合して環Qを形成し、互いに隣接する3つ(R921、R922及びR923)からなる組が互いに結合して環を形成して、アントラセン母骨格に縮合する場合を意味し、この場合、前記一般式(TEMP-103)で表されるアントラセン化合物は、下記一般式(TEMP-105)で表される。下記一般式(TEMP-105)において、環Q及び環Qは、R922を共有する。
Figure 2022066695000023
形成される「単環」、又は「縮合環」は、形成された環のみの構造として、飽和の環であっても不飽和の環であってもよい。「隣接する2つからなる組の1組」が「単環」、又は「縮合環」を形成する場合であっても、当該「単環」、又は「縮合環」は、飽和の環、又は不飽和の環を形成することができる。例えば、前記一般式(TEMP-104)において形成された環Q及び環Qは、それぞれ、「単環」又は「縮合環」である。また、前記一般式(TEMP-105)において形成された環Q、及び環Qは、「縮合環」である。前記一般式(TEMP-105)の環Qと環Qとは、環Qと環Qとが縮合することによって縮合環となっている。前記一般式(TMEP-104)の環Qがベンゼン環であれば、環Qは、単環である。前記一般式(TMEP-104)の環Qがナフタレン環であれば、環Qは、縮合環である。
「不飽和の環」とは、芳香族炭化水素環、又は芳香族複素環を意味する。「飽和の環」とは、脂肪族炭化水素環、又は非芳香族複素環を意味する。
芳香族炭化水素環の具体例としては、具体例群G1において具体例として挙げられた基が水素原子によって終端された構造が挙げられる。
芳香族複素環の具体例としては、具体例群G2において具体例として挙げられた芳香族複素環基が水素原子によって終端された構造が挙げられる。
脂肪族炭化水素環の具体例としては、具体例群G6において具体例として挙げられた基が水素原子によって終端された構造が挙げられる。
「環を形成する」とは、母骨格の複数の原子のみ、あるいは母骨格の複数の原子とさらに1以上の任意の元素で環を形成することを意味する。例えば、前記一般式(TEMP-104)に示す、R921とR922とが互いに結合して形成された環Qは、R921が結合するアントラセン骨格の炭素原子と、R922が結合するアントラセン骨格の炭素原子と、1以上の任意の元素とで形成する環を意味する。具体例としては、R921とR922とで環Qを形成する場合において、R921が結合するアントラセン骨格の炭素原子と、R922とが結合するアントラセン骨格の炭素原子と、4つの炭素原子とで単環の不飽和の環を形成する場合、R921とR922とで形成する環は、ベンゼン環である。
ここで、「任意の元素」は、本明細書に別途記載のない限り、好ましくは、炭素元素、窒素元素、酸素元素、及び硫黄元素からなる群から選択される少なくとも1種の元素である。任意の元素において(例えば、炭素元素、又は窒素元素の場合)、環を形成しない結合は、水素原子等で終端されてもよいし、後述する「任意の置換基」で置換されてもよい。炭素元素以外の任意の元素を含む場合、形成される環は複素環である。
単環または縮合環を構成する「1以上の任意の元素」は、本明細書に別途記載のない限り、好ましくは2個以上15個以下であり、より好ましくは3個以上12個以下であり、さらに好ましくは3個以上5個以下である。
本明細書に別途記載のない限り、「単環」、及び「縮合環」のうち、好ましくは「単環」である。
本明細書に別途記載のない限り、「飽和の環」、及び「不飽和の環」のうち、好ましくは「不飽和の環」である。
本明細書に別途記載のない限り、「単環」は、好ましくはベンゼン環である。
本明細書に別途記載のない限り、「不飽和の環」は、好ましくはベンゼン環である。
「隣接する2つ以上からなる組の1組以上」が、「互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成する」場合、又は「互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成する」場合、本明細書に別途記載のない限り、好ましくは、隣接する2つ以上からなる組の1組以上が、互いに結合して、母骨格の複数の原子と、1個以上15個以下の炭素元素、窒素元素、酸素元素、及び硫黄元素からなる群から選択される少なくとも1種の元素とからなる置換もしくは無置換の「不飽和の環」を形成する。
上記の「単環」、又は「縮合環」が置換基を有する場合の置換基は、例えば後述する「任意の置換基」である。上記の「単環」、又は「縮合環」が置換基を有する場合の置換基の具体例は、上述した「本明細書に記載の置換基」の項で説明した置換基である。
上記の「飽和の環」、又は「不飽和の環」が置換基を有する場合の置換基は、例えば後述する「任意の置換基」である。上記の「単環」、又は「縮合環」が置換基を有する場合の置換基の具体例は、上述した「本明細書に記載の置換基」の項で説明した置換基である。
以上が、「隣接する2つ以上からなる組の1組以上が、互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成する」場合、及び「隣接する2つ以上からなる組の1組以上が、互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成する」場合(「結合して環を形成する場合」)についての説明である。
・「置換もしくは無置換の」という場合の置換基
本明細書における一実施形態においては、前記「置換もしくは無置換の」という場合の置換基(本明細書において、「任意の置換基」と呼ぶことがある。)は、例えば、
無置換の炭素数1~50のアルキル基、
無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
-Si(R901)(R902)(R903)、
-O-(R904)、
-S-(R905)、
-N(R906)(R907)、
ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、
無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、及び
無置換の環形成原子数5~50の複素環基
からなる群から選択される基等であり、
ここで、R901~R907は、それぞれ独立に、
水素原子、
置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基である。
901が2個以上存在する場合、2個以上のR901は、互いに同一であるか、又は異なり、
902が2個以上存在する場合、2個以上のR902は、互いに同一であるか、又は異なり、
903が2個以上存在する場合、2個以上のR903は、互いに同一であるか、又は異なり、
904が2個以上存在する場合、2個以上のR904は、互いに同一であるか、又は異なり、
905が2個以上存在する場合、2個以上のR905は、互いに同一であるか、又は異なり、
906が2個以上存在する場合、2個以上のR906は、互いに同一であるか、又は異なり、
907が2個以上存在する場合、2個以上のR907は、互いに同一であるか又は異なる。
一実施形態においては、前記「置換もしくは無置換の」という場合の置換基は、
炭素数1~50のアルキル基、
環形成炭素数6~50のアリール基、及び
環形成原子数5~50の複素環基
からなる群から選択される基である。
一実施形態においては、前記「置換もしくは無置換の」という場合の置換基は、
炭素数1~18のアルキル基、
環形成炭素数6~18のアリール基、及び
環形成原子数5~18の複素環基
からなる群から選択される基である。
上記任意の置換基の各基の具体例は、上述した「本明細書に記載の置換基」の項で説明した置換基の具体例である。
本明細書において別途記載のない限り、隣接する任意の置換基同士で、「飽和の環」、又は「不飽和の環」を形成してもよく、好ましくは、置換もしくは無置換の飽和の5員環、置換もしくは無置換の飽和の6員環、置換もしくは無置換の不飽和の5員環、又は置換もしくは無置換の不飽和の6員環を形成し、より好ましくは、ベンゼン環を形成する。
本明細書において別途記載のない限り、任意の置換基は、さらに置換基を有してもよい。任意の置換基がさらに有する置換基としては、上記任意の置換基と同様である。
本明細書において、「AA~BB」を用いて表される数値範囲は、「AA~BB」の前に記載される数値AAを下限値とし、「AA~BB」の後に記載される数値BBを上限値として含む範囲を意味する。
〔第一実施形態〕
(化合物)
本実施形態に係る化合物は、下記一般式(20)で表され、下記一般式(20)中、四員環に対し、両側の環構造が非対称である化合物である。
Figure 2022066695000024
(前記一般式(20)において、
Ar及びArからなる組、並びにAr及びArからなる組の2組が、それぞれ独立に、
互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、
互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は
Ar及びArからなる組、並びにAr及びArからなる組の2組が、
互いに結合せず、
前記置換もしくは無置換の単環を形成せず、かつ前記置換もしくは無置換の縮合環を形成しないAr~Ar、及びR11~R16は、それぞれ独立に、
水素原子、
ハロゲン原子、
シアノ基、
ニトロ基、
置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
-Si(R901)(R902)(R903)で表される基、
-O-(R904)で表される基、
-S-(R905)で表される基、
-N(R906)(R907)で表される基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、
Ar~Ar及びR11~R16のうち、少なくとも4個は水素原子ではない。)
(前記一般式(20)で表される化合物中、R901~R907は、それぞれ独立に、
水素原子、
置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、
901が2個以上存在する場合、2個以上のR901は、互いに同一であるか、又は異なり、R902が2個以上存在する場合、2個以上のR902は、互いに同一であるか、又は異なり、R903が2個以上存在する場合、2個以上のR903は、互いに同一であるか、又は異なり、R904が2個以上存在する場合、2個以上のR904は、互いに同一であるか、又は異なり、R905が2個以上存在する場合、2個以上のR905は、互いに同一であるか、又は異なり、R906が2個以上存在する場合、2個以上のR906は、互いに同一であるか、又は異なり、R907が2個以上存在する場合、2個以上のR907は、互いに同一であるか、又は異なる。)
本発明者らは、既知の5,10-ジブロモベンゾ[b]ビフェニレンの合成法に注目した。一般的にビフェニレン誘導体の合成は難しく、挑戦的な課題とされているが、5,10-ジブロモベンゾ[b]ビフェニレンは比較的容易に合成可能である。本発明者らは、この5,10-ジブロモベンゾ[b]ビフェニレンの合成法を参考にし、非特許文献1~3とは異なる構成で前記ベンゾ[b]ビフェニレンを修飾することにより、蛍光量子収率が高い化合物(すなわち、前記一般式(20)で表される化合物)が得られることを見出した。
前記一般式(20)で表される化合物(本実施形態に係る化合物)は、ベンゾ[b]ビフェニレンに結合する10つの水素原子のうち、少なくとも4個が水素原子ではなく、かつ一般式(20)中の四員環に対し、両側の環構造が非対称である化合物である。
本実施形態に係る化合物は、好適には、発光材料(好ましくは青色発光材料)として使用できる。また、本実施形態に係る化合物は、新規である。さらに、本実施形態に係る化合物は、後述の合成実施例に記載の通り、容易に合成できる。
前記一般式(20)において、「四員環に対し、両側の環構造が非対称である」とは、前記一般式(20)中、四員環の*a及び*bの側で、*a及び*bの位置にある2つの炭素原子と共に形成される環構造(以下、「*a,*b側に形成される環構造」とも称する)と、四員環の*c及び*dの側で、*c及び*dの位置にある2つの炭素原子と共に形成される環構造(以下、「*c,*d側に形成される環構造」とも称する)とが異なることを意味する。なお、「*a,*b側に形成される環構造」と「*c,*d側に形成される環構造」とが異なるか否かの判断には、前記環構造に結合する置換基を考慮しない。
例えば、前記一般式(20)において、Ar及びArからなる組、並びにAr及びArからなる組の2組が互いに結合しない場合、前記一般式(20)で表される化合物は、前記四員環の「*a,*b側に形成される環構造」がベンゼン環であり、「*c,*d側に形成される環構造」がナフタレン環であるので、当該化合物は非対称である。
また、前記一般式(20)において、Ar及びArからなる組、並びにAr及びArからなる組の2組が、それぞれ独立に、互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、又は互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成する場合、例えば、後述の一般式(30)で表される化合物は、前記四員環の「*a,*b側に形成される環構造」がナフタレン環であり、「*c,*d側に形成される環構造」がアントラセン環であるので、当該化合物は非対称である。また、後述の一般式(40)で表される化合物は、前記四員環の「*a,*b側に形成される環構造」がトリフェニレン環であり、「*c,*d側に形成される環構造」がベンゾトリフェニレン環であるので、当該化合物も非対称である。
以下の説明では、前記一般式(20)中、Ar及びArからなる組、並びにAr及びArからなる組の2組が、互いに結合しない化合物を「態様1に係る化合物」と称して説明することがある。
また、前記一般式(20)中、かつAr及びArからなる組、並びにAr及びArからなる組の2組が、それぞれ独立に、互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、又は互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成する化合物を「態様2に係る化合物」と称して説明することがある。
「態様1に係る化合物」及び「態様2に係る化合物」は、どちらも、本実施形態に係る化合物の一態様である。
始めに、態様1に係る化合物について説明する。
<態様1に係る化合物>
態様1に係る化合物(本実施形態に係る化合物の一態様)は、Ar及びArからなる組、並びにAr及びArからなる組の2組が、互いに結合しない。具体的には、Ar及びArからなる組、並びにAr及びArからなる組の2組が、互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成せず、かつ互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成しない。すなわち、態様1に係る化合物において、Ar~Arは、それぞれ独立に、水素原子又は置換基である。
態様1に係る化合物において、Ar~Ar及びR11~R16のうち、4個以上10個以下が水素原子ではないことが好ましく、4個以上8個以下が水素原子ではないことがより好ましく、4個以上6個以下が水素原子ではないことがさらに好ましく、4個又は6個が水素原子ではないことがさらに好ましい。
態様1に係る化合物において、前記一般式(20)で表される化合物は、下記一般式(20A)、(20B)、(20C)又は(20D)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 2022066695000025
(前記一般式(20A)、(20B)、(20C)及び(20D)において、Ar~Ar、R13及びR16は、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基である。)
態様1に係る化合物において、Ar~Ar及びR11~R16は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であることが好ましく、水素原子、置換もしくは無置換の環形成炭素数6~30のアリール基、又は置換もしくは無置換の環形成原子数5~30の複素環基であることがより好ましく、水素原子、置換もしくは無置換の環形成炭素数6~18のアリール基、又は置換もしくは無置換の環形成原子数5~18の複素環基であることがさらに好ましい。
前記一般式(20A)、(20B)、(20C)及び(20D)において、Ar~Ar、R13及びR16は、互いに同一の基であることが好ましい。
具体的には、前記一般式(20A)の場合、Ar~Ar、R13及びR16は、互いに同一の基であることが好ましい。前記一般式(20B)の場合、Ar、Ar、R13及びR16は、互いに同一の基であることが好ましい。前記一般式(20C)の場合、Ar、Ar、R13及びR16は、互いに同一の基であることが好ましい。前記一般式(20D)の場合、Ar、Ar、R13及びR16は、互いに同一の基であることが好ましい。
態様1に係る化合物において、Ar~Ar及びR11~R16は、それぞれ独立に、水素原子、または下記一般式(1a)~(19a)のいずれかで表される基であることが好ましい。
Figure 2022066695000026
Figure 2022066695000027
Figure 2022066695000028
Figure 2022066695000029
(前記一般式(1a)~(19a)において、Xは、それぞれ独立に、酸素原子又は硫黄原子であり、
Ra~Raは、それぞれ独立に、
水素原子
置換もしくは無置換の炭素数1~12のアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数1~12のハロゲン化アルキル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数3~12のシクロアルキル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~18のアリール基、又は
置換もしくは無置換の環形成原子数5~18の複素環基であり、
Raは、それぞれ独立に、
水素原子
置換もしくは無置換の炭素数1~12のアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数1~12のハロゲン化アルキル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数3~18のシクロアルキル基、
-Si(R901A)(R902A)(R903A)で表される基、
-O-(R904A)で表される基、
シアノ基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~18のアリール基、又は
置換もしくは無置換の環形成原子数5~18の複素環基であり、
901A~R904Aは、それぞれ独立に、
置換もしくは無置換の炭素数1~12のアルキル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~18のアリール基、又は
置換もしくは無置換の環形成原子数5~18の複素環基であり、
複数存在するRaは、互いに同一であるか、又は異なり、
が2個以上存在する場合、2個以上のXは、互いに同一であるか、又は異なり、
Raが2個以上存在する場合、2個以上のRaは、互いに同一であるか、又は異なり、Raが2個以上存在する場合、2個以上のRaは、互いに同一であるか、又は異なり、Raが2個以上存在する場合、2個以上のRaは、互いに同一であるか、又は異なり、R901Aが2個以上存在する場合、2個以上のR901Aは、互いに同一であるか、又は異なり、R902Aが2個以上存在する場合、2個以上のR902Aは、互いに同一であるか、又は異なり、R903Aが2個以上存在する場合、2個以上のR903Aは、互いに同一であるか、又は異なり、R904Aが2個以上存在する場合、2個以上のR904Aは、互いに同一であるか、又は異なり、
ただし、前記一般式(1a)~(6a)、(9a)~(16a)及び(19a)中、Raのうち1つがAr~Ar及びR11~R16が結合する炭素原子の少なくともいずれかに結合する単結合であり、前記一般式(7a)~(8a)及び(17a)中、Ra及びRaのうち1つがAr~Ar及びR11~R16が結合する炭素原子の少なくともいずれかに結合する単結合であり、前記一般式(18a)中、Ra及びRa~Raのうち1つがAr~Ar及びR11~R16が結合する炭素原子の少なくともいずれかに結合する単結合である。)
次に、態様2に係る化合物について説明する。
<態様2に係る化合物>
態様2に係る化合物(本実施形態に係る化合物の一態様)は、Ar及びArからなる組、並びにAr及びArからなる組の2組が、それぞれ独立に、互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、又は互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成する。
態様2に係る化合物において、前記置換もしくは無置換の単環は、置換もしくは無置換のベンゼン環であることが好ましい。
態様2に係る化合物において、
前記置換もしくは無置換の縮合環は、2個以上4個以下の環が縮合した置換もしくは無置換の芳香族炭化水素環、又は2個以上4個以下の環が縮合した置換もしくは無置換の複素環であることが好ましく、2個以上4個以下の環が縮合した置換もしくは無置換の芳香族炭化水素環であることがより好ましい。
すなわち、Ar及びArからなる組、並びにAr及びArからなる組の2組が、それぞれ独立に、前記置換もしくは無置換の単環、又は前記置換もしくは無置換の縮合環を形成した場合、形成される環構造全体(骨格)を構成する環の数の合計は、6個以上12個以下であることが好ましい。
例えば、下記一般式(30)(後述の一般式(30)と同義)で表される化合物の場合、環構造全体を構成する環の数の合計は、環1~環6の合計であり、6個と算出される。
また、下記一般式(40)(後述の一般式(40)と同義)で表される化合物の場合、環構造全体を構成する環の数の合計は、環1~環10の合計であり、10個と算出される。
なお、前記環の数の合計の算出には、下記一般式(30)及び(40)中、環構造に結合するR11~R16、R21~R24、R41~R44、R61~R68及びR71~R78を考慮しない。
Figure 2022066695000030
態様2に係る化合物において、Ar及びArからなる組、並びにAr及びArからなる組の2組が、それぞれ独立に、互いに結合して、
前記置換の単環を形成するか、
前記無置換の単環を形成するか、又は
前記置換の縮合環を形成するか、又は
前記無置換の縮合環を形成することが好ましい。
態様2に係る化合物において、Ar及びArからなる組、並びにAr及びArからなる組の2組が、互いに結合して形成される環は、互いに同一の環であることが好ましい。
具体的には、態様2に係る化合物において、Ar及びArからなる組、並びにAr及びArからなる組の2組が、互いに結合して、
前記置換のベンゼン環を形成するか、
前記無置換のベンゼン環を形成するか、
前記置換の縮合環を形成するか、又は
前記無置換の縮合環を形成することが好ましい。
態様2に係る化合物は、Ar~Arが水素原子ではない。
態様2に係る化合物において、水素原子ではないR11~R16の数の合計は、2個以上6個以下であることが好ましく、2個、4個又は6個であることがより好ましい。
態様2に係る化合物において、前記一般式(20)で表される化合物は、下記一般式(30)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 2022066695000031
(前記一般式(30)において、R11~R16は、それぞれ独立に、前記一般式(20)におけるR11~R16と同義であり、
21~R24及びR41~R44は、それぞれ独立に、前記一般式(20)におけるR11~R16と同義である。)
前記一般式(30)において、水素原子ではないR11~R16の数の合計は、4個以上6個以下であることが好ましく、4個又は6個であることがより好ましい。
前記一般式(30)において、水素原子ではないR21~R24及びR41~R44の数の合計は、4個以下であることが好ましく、2個以下であることがより好ましい。
前記一般式(30)において、R21~R24及びR41~R44は、水素原子であることがさらに好ましい。
前記一般式(30)において、R11~R16、R21~R24及びR41~R44は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であることが好ましく、水素原子、置換もしくは無置換の環形成炭素数6~30のアリール基、又は置換もしくは無置換の環形成原子数5~30の複素環基であることがより好ましく、水素原子、置換もしくは無置換の環形成炭素数6~18のアリール基、又は置換もしくは無置換の環形成原子数5~18の複素環基であることがさらに好ましい。
態様2に係る化合物において、前記一般式(30)で表される化合物は、下記一般式(31A)、(31B)又は(31C)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 2022066695000032
(前記一般式(31A)、(31B)及び(31C)において、R11~R16は、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基である。)
前記一般式(31A)、(31B)及び(31C)において、R11~R16は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であることが好ましく、水素原子、置換もしくは無置換の環形成炭素数6~30のアリール基、又は置換もしくは無置換の環形成原子数5~30の複素環基であることがより好ましく、水素原子、置換もしくは無置換の環形成炭素数6~18のアリール基、又は置換もしくは無置換の環形成原子数5~18の複素環基であることがさらに好ましい。
前記一般式(31A)、(31B)及び(31C)において、R11~R16は、互いに同一の基であることが好ましい。
具体的には、前記一般式(31A)において、R11、R12、R14及びR15は、互いに同一の基であることが好ましい。前記一般式(31B)において、R13~R16は、互いに同一の基であることが好ましい。前記一般式(31C)において、R11~R16は、互いに同一の基であることが好ましい。
前記一般式(30)、(31A)、(31B)及び(31C)において、R11~R16、R21~R24、及びR41~R44は、それぞれ独立に、水素原子、または前記態様1に係る化合物において説明した前記一般式(1a)~(19a)のいずれかで表される基であることがより好ましい。
ただし、前記一般式(30)、(31A)、(31B)及び(31C)において、前記一般式(1a)~(6a)、(9a)~(16a)及び(19a)中、Raのうち1つが、R11~R16、R21~R24及びR41~R44が結合する炭素原子の少なくともいずれかに結合する単結合であり、前記一般式(7a)~(8a)及び(17a)中、Ra及びRaのうち1つが、R11~R16、R21~R24及びR41~R44が結合する炭素原子の少なくともいずれかに結合する単結合であり、前記一般式(18a)中、Ra及びRa~Raのうち1つが、R11~R16、R21~R24及びR41~R44が結合する炭素原子の少なくともいずれかに結合する単結合である。
態様2に係る化合物において、前記一般式(20)で表される化合物は、下記一般式(40)で表される化合物であることも好ましい。
Figure 2022066695000033
(前記一般式(40)において、R11~R16は、それぞれ独立に、前記一般式(20)におけるR11~R16と同義であり、R61~R68、及びR71~R78は、それぞれ独立に、前記一般式(20)におけるR11~R16と同義である。)
前記一般式(40)において、水素原子ではないR11~R16の数の合計は、2個以上4個以下であることが好ましく、2個又は4個であることがより好ましい。
前記一般式(40)において、水素原子ではないR61~R68及びR71~R78の数の合計は、12個以下であることが好ましい。また前記一般式(40)において、水素原子ではないR61~R68及びR71~R78の数の合計は、2個、4個、6個、8個、又は12個であることがより好ましい。
前記一般式(40)において、R61~R68及びR71~R78は、水素原子であることも好ましい。
前記一般式(40)において、R11~R16は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であることが好ましく、水素原子、置換もしくは無置換の環形成炭素数6~30のアリール基、又は置換もしくは無置換の環形成原子数5~30の複素環基であることがより好ましく、水素原子、置換もしくは無置換の環形成炭素数6~18のアリール基、又は置換もしくは無置換の環形成原子数5~18の複素環基であることがさらに好ましい。
前記一般式(40)において、R61~R68及びR71~R78は、それぞれ独立に、水素原子、シアノ基、置換もしくは無置換の炭素数1~12のアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数3~12のシクロアルキル基、-Si(R901)(R902)(R903)で表される基、-O-(R904)で表される基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6~18のアリール基、又は置換もしくは無置換の環形成原子数5~18の複素環基であり、
901~R904は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1~12のアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数3~12のシクロアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6~18のアリール基、又は置換もしくは無置換の環形成原子数5~18の複素環基であり、
901が2個以上存在する場合、2個以上のR901は、互いに同一であるか、又は異なり、R902が2個以上存在する場合、2個以上のR902は、互いに同一であるか、又は異なり、R903が2個以上存在する場合、2個以上のR903は、互いに同一であるか、又は異なり、R904が2個以上存在する場合、2個以上のR904は、互いに同一であるか、又は異なることが好ましい。
態様2に係る化合物において、前記一般式(40)で表される化合物は、下記一般式(40A)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 2022066695000034
(前記一般式(40A)において、R13及びR16は、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、R61~R68、及びR71~R78は、それぞれ独立に、前記一般式(40)におけるR61~R68、及びR71~R78と同義である。)
態様2に係る化合物において、前記一般式(40A)で表される化合物は、下記一般式(41A)、(41B)、又は(41C)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 2022066695000035
(前記一般式(41A)、(41B)及び(41C)において、R13及びR16は、それぞれ独立に、前記一般式(40A)におけるR13及びR16と同義であり、R61、R63、R66、R68、R71、R73、R76及びR78は、それぞれ独立に、前記一般式(40A)におけるR61、R63、R66、R68、R71、R73、R76及びR78と同義である。)
前記一般式(41A)において、R13の置換基、R16の置換基、R63、R66、R73及びR76は、互いに同一の基であることが好ましい。
前記一般式(41B)において、R13の置換基、R16の置換基、R61、R68、R71及びR78は、互いに同一の基であることが好ましい。
前記一般式(41C)において、R13の置換基、R16の置換基、R61、R63、R66、R68、R71、R73、R76及びR78は、互いに同一の基であることが好ましい。
前記一般式(41A)、(41B)及び(41C)において、R13及びR16は、置換フェニル基であることがより好ましい。
前記一般式(40A)、(41A)、(41B)及び(41C)において、R13及びR16は、それぞれ独立に、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~18のアリール基、又は置換もしくは無置換の環形成原子数5~18の複素環基であり、
61~R68、及びR71~R78は、それぞれ独立に、
水素原子、シアノ基、置換もしくは無置換の炭素数1~12のアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数3~12のシクロアルキル基、-Si(R901)(R902)(R903)で表される基、-O-(R904)で表される基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6~18のアリール基、又は置換もしくは無置換の環形成原子数5~18の複素環基であり、
901~R904は、それぞれ独立に、
水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1~12のアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数3~12のシクロアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6~18のアリール基、又は置換もしくは無置換の環形成原子数5~18の複素環基であり、
901が2個以上存在する場合、2個以上のR901は、互いに同一であるか、又は異なり、R902が2個以上存在する場合、2個以上のR902は、互いに同一であるか、又は異なり、R903が2個以上存在する場合、2個以上のR903は、互いに同一であるか、又は異なり、R904が2個以上存在する場合、2個以上のR904は、互いに同一であるか、又は異なることが好ましい。
態様2に係る化合物としては、以上で説明した化合物の他、例えば、下記一般式(20a)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2022066695000036
(前記一般式(20a)において、R11~R16及びR21A~R32Aは、それぞれ独立に、前記一般式(20)におけるR11~R16と同義である。)
前記一般式(20a)において、R11~R16及びR21A~R32Aは、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換の環形成炭素数6~18のアリール基、又は置換もしくは無置換の環形成原子数5~18の複素環基であることが好ましい。
前記一般式(20a)において、R13、R16、R21A、R26A、R27A及びR32Aは、互いに同一の基であり、かつR11、R12、R14、R15、R22A~R25A及びR28A~R31Aは、水素原子であることが好ましい。
本実施形態に係る化合物(態様1又は態様2に係る化合物)において、「置換もしくは無置換の」という場合における置換基が、それぞれ独立に、
置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数1~50のハロゲン化アルキル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
-Si(R901)(R902)(R903)で表される基、
-O-(R904)で表される基、
シアノ基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、
901~R904は、それぞれ独立に、前記一般式(20)におけるR901~R904と同義であることが好ましい。
本実施形態に係る化合物(態様1又は態様2に係る化合物)において、「置換もしくは無置換の」という場合における置換基が、それぞれ独立に、
無置換の炭素数1~50のアルキル基、
無置換の炭素数1~50のハロゲン化アルキル基、
無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
-Si(R901)(R902)(R903)で表される基、
-O-(R904)で表される基、
シアノ基、
無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、
901~R904は、それぞれ独立に、
水素原子、
無置換の炭素数1~50のアルキル基、
無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
無置換の環形成原子数5~50の複素環基であることが好ましい。
(蛍光発光ピーク波長)
本実施形態に係る化合物(態様1又は態様2に係る化合物)の蛍光発光主ピーク波長は、380nm以上、500nm以下であることが好ましく、400nm以上、480nm以下であることがより好ましく、430nm以上、470nm以下であることがさらに好ましい。蛍光発光主ピーク波長の測定方法は、本明細書の実施例に記載したとおりである。
(PLQY)
本実施形態に係る化合物(態様1又は態様2に係る化合物)のPLQYは、50%以上であることが好ましく、60%以上であることがより好ましい。PLQYの測定方法は、本明細書の実施例に記載したとおりである。
(本実施形態に係る化合物の製造方法)
本実施形態に係る化合物(態様1又は態様2に係る化合物)は、例えば、後述する実施例に記載の方法により製造することができる。本実施形態に係る化合物は、後述する実施例で説明する反応に倣い、目的物に合わせた既知の代替反応や原料を用いることで、製造することができる。
本実施形態に係る化合物(態様1又は態様2に係る化合物)の具体例としては、例えば、以下の化合物挙げられる。ただし、本発明は、これら化合物の具体例に限定されない。
下記具体例中、Dは、重水素原子を示す。
Figure 2022066695000037
Figure 2022066695000038
Figure 2022066695000039
Figure 2022066695000040
Figure 2022066695000041
Figure 2022066695000042
Figure 2022066695000043
Figure 2022066695000044
Figure 2022066695000045
Figure 2022066695000046
Figure 2022066695000047
Figure 2022066695000048
Figure 2022066695000049
Figure 2022066695000050
Figure 2022066695000051
Figure 2022066695000052
Figure 2022066695000053
Figure 2022066695000054
本実施形態によれば、蛍光量子収率が高い化合物を提供できる。
〔第二実施形態〕
(有機エレクトロルミネッセンス素子用材料)
本実施形態に係る有機エレクトロルミネッセンス素子用材料は、第一実施形態に係る化合物(態様1又は態様2に係る化合物)を含有する。一態様としては、第一実施形態に係る化合物のみを含む有機エレクトロルミネッセンス素子用材料が挙げられ、別の一態様としては、第一実施形態に係る化合物と、第一実施形態における化合物とは異なる他の化合物とを含む有機エレクトロルミネッセンス素子用材料が挙げられる。
本実施形態の有機エレクトロルミネッセンス素子材料において、第一実施形態に係る化合物がドーパント材料であることが好ましい。この場合、有機エレクトロルミネッセンス素子用材料は、ドーパント材料としての第一実施形態に係る化合物と、例えば、ホスト材料等の他の化合物とを含んでいてもよい。
本実施形態によれば、PLQYの高い化合物を含む有機エレクトロルミネッセンス素子用材料を提供できる。
〔第三実施形態〕
〔有機エレクトロルミネッセンス素子〕
本実施形態に係る有機EL素子について説明する。
本実施形態に係る有機EL素子は、陽極及び陰極の両電極間に有機層を備える。この有機層は、有機化合物で構成される層を少なくとも一つ含む。あるいは、この有機層は、有機化合物で構成される複数の層が積層されてなる。有機層は、無機化合物をさらに含んでいてもよい。
本実施形態に係る有機EL素子は、1以上の有機層を有し、有機層のうちの少なくとも1つの層が、第一実施形態に係る化合物を含む。
本実施形態に係る有機EL素子は、有機層として第一の有機層を有する。
本実施形態の有機EL素子において、有機層のうち少なくとも一層は、発光層であることが好ましい。本実施形態において、発光層が、第一実施形態に係る化合物を含むことが好ましい。
有機層は、例えば、一つの発光層で構成されていてもよいし、有機EL素子に採用され得る層を含んでいてもよい。有機EL素子に採用され得る層としては、特に限定されないが、例えば、正孔注入層、正孔輸送層、電子注入層、電子輸送層、電子障壁層及び正孔障壁層からなる群から選択される少なくともいずれかの層が挙げられる。
発光層以外の有機層が第1実施形態に係る化合物を含有してもよい。
本実施形態に係る有機EL素子において、有機層は、第一の有機層としての発光層だけで構成されていてもよいが、例えば、正孔注入層、正孔輸送層、電子注入層、電子輸送層、正孔障壁層、及び電子障壁層等からなる群から選択される少なくともいずれかの層をさらに有していてもよい。
(正孔輸送層)
本実施形態に係る有機EL素子において、陽極と第一の有機層との間にさらに第二の有機層を含むことが好ましく、この第二の有機層が正孔輸送層であることが好ましい。
(電子輸送層)
本実施形態に係る有機EL素子において、陰極と第一の有機層との間にさらに第三の有機層を含むことが好ましく、この第三の有機層が電子輸送層であることが好ましい。
一実施形態において、発光層としての第一の有機層は、金属錯体を含んでもよい。
また、一実施形態において、発光層としての第一の有機層は、発光層は、金属錯体を含まないことも好ましい。
また、一実施形態において、発光層は、燐光発光性材料(ドーパント材料)を含まないことが好ましい。
また、一実施形態において、発光層は、重金属錯体及び燐光発光性の希土類金属錯体を含まないことが好ましい。重金属錯体としては、例えば、イリジウム錯体、オスミウム錯体、及び白金錯体等が挙げられる。
図1に、本実施形態に係る有機EL素子の一例の概略構成を示す。
有機EL素子1は、透光性の基板2と、陽極3と、陰極4と、陽極3と陰極4との間に配置された有機層10と、を含む。有機層10は、陽極3側から順に、正孔注入層6、正孔輸送層7、第一の有機層としての発光層5、電子輸送層8、及び電子注入層9が、この順番で積層されて構成される。
本発明は、図1に示す有機EL素子の構成に限定されない。
(発光層)
本実施形態においては、第一の有機層が発光層である。発光層としての第一の有機層は、第一の化合物及び第二の化合物を含む。第一の有機層における第二の化合物は、第一実施形態に係る化合物であることが好ましい。
この態様の場合、第一の化合物は、ホスト材料(マトリックス材料と称する場合もある。)であることが好ましく、第二の化合物は、ドーパント材料(ゲスト材料、エミッター、又は発光材料と称する場合もある。)であることも好ましい。
ホスト材料として、例えば、複素環化合物及び縮合芳香族化合物等が挙げられる。縮合芳香族化合物としては、例えば、アントラセン誘導体、ピレン誘導体、クリセン誘導体、及びナフタセン誘導体等が好ましい。
また、ホスト材料として遅延蛍光性(熱活性化遅延蛍光性)の化合物を用いることもできる。発光層が、第一実施形態に係る化合物と、遅延蛍光性のホスト化合物と、を含むことも好ましい。
本実施形態において、発光層が第一実施形態に係る化合物を含む場合、当該発光層は、燐光発光性の金属錯体を含まないことが好ましく、燐光発光性の金属錯体以外の金属錯体も含まないことが好ましい。
本実施形態に係る有機EL素子において、発光層としての第一の有機層が第一の化合物及び第二の化合物を含む場合、第一の化合物の一重項エネルギーS(H)と、第二の化合物の一重項エネルギーS(D)とが、下記数式(数1)の関係を満たすことが好ましい。
(H)>S(D)…(数1)
(一重項エネルギーS
溶液を用いた一重項エネルギーSの測定方法(溶液法と称する場合がある。)としては、下記の方法が挙げられる。
測定対象となる化合物の10μmol/Lトルエン溶液を調製して石英セルに入れ、常温(300K)でこの試料の吸収スペクトル(縦軸:吸収強度、横軸:波長とする。)を測定する。この吸収スペクトルの長波長側の立ち下がりに対して接線を引き、その接線と横軸との交点の波長値λedge[nm]を次に示す換算式(F2)に代入して一重項エネルギーを算出する。
換算式(F2):S[eV]=1239.85/λedge
吸収スペクトル測定装置としては、例えば、日立社製の分光光度計(装置名:U3310)が挙げられるが、これに限定されない。
吸収スペクトルの長波長側の立ち下がりに対する接線は以下のように引く。吸収スペクトルの極大値のうち、最も長波長側の極大値から長波長方向にスペクトル曲線上を移動する際に、曲線上の各点における接線を考える。この接線は、曲線が立ち下がるにつれ(つまり縦軸の値が減少するにつれ)、傾きが減少しその後増加することを繰り返す。傾きの値が最も長波長側(ただし、吸光度が0.1以下となる場合は除く)で極小値をとる点において引いた接線を当該吸収スペクトルの長波長側の立ち下がりに対する接線とする。
なお、吸光度の値が0.2以下の極大点は、上記最も長波長側の極大値には含めない。
(有機EL素子の発光波長)
本実施形態に係る有機EL素子を駆動させた際に、有機EL素子が放射する光の主ピーク波長は、380nm以上500nm以下であることが好ましく、430nm以上470nm以下であることがより好ましい。
有機EL素子が放射する光の主ピーク波長の測定は、以下のようにして行う。電流密度が10mA/cmとなるように有機EL素子に電圧を印加した時の分光放射輝度スペクトルを分光放射輝度計CS-2000(コニカミノルタ社製)で計測する。得られた分光放射輝度スペクトルにおいて、発光強度が最大となる発光スペクトルのピーク波長を測定し、これを主ピーク波長(単位:nm)とする。
(発光層の膜厚)
本実施形態に係る有機EL素子の発光層の膜厚は、5nm以上50nm以下であることが好ましく、7nm以上50nm以下であることがより好ましく、10nm以上50nm以下であることがさらに好ましい。発光層の膜厚が5nm以上であると、発光層形成及び色度を調整し易い。発光層の膜厚が50nm以下であると、駆動電圧の上昇を抑制し易い。
(発光層における化合物の含有率)
発光層が第一の化合物及び第二の化合物を含有する場合、発光層における第一の化合物及び第二の化合物の含有率は、例えば、それぞれ、以下の範囲であることが好ましい。
第一の化合物の含有率は、
80質量%以上99質量%以下であることが好ましく、
90質量%以上99質量%以下であることがより好ましく、
95質量%以上99質量%以下であることがさらに好ましい。
第二の化合物の含有率は、
1質量%以上10質量%以下であることが好ましく、
1質量%以上7質量%以下であることがより好ましく、
1質量%以上5質量%以下であることがさらに好ましい。
ただし、発光層における第一の化合物及び第二の化合物の合計含有率の上限は、100質量%である。
なお、本実施形態は、発光層に、第一の化合物及び第二の化合物以外の材料が含まれることを除外しない。
発光層は、第一の化合物を1種のみ含んでもよいし、2種以上含んでもよい。発光層は、第二の化合物を1種のみ含んでもよいし、2種以上含んでもよい。
(第二の化合物)
本実施形態に係る有機EL素子において、第一実施形態で説明した一般式(2)等で表される化合物を第二の化合物として用いることができる。
(第一の化合物)
本実施形態に係る有機EL素子において、第一の化合物は、下記一般式(10)で表される化合物であることが好ましい。
本実施形態に係る有機EL素子において、有機層のうちの少なくとも1つの層が、第一実施形態に係る化合物と、下記一般式(10)で表される化合物と、を含む、ことも好ましい。
<一般式(10)で表される化合物>
一般式(10)で表される化合物について説明する。
Figure 2022066695000055
[前記一般式(10)中、
101~R110のうちの隣接する2つ以上からなる組の1組以上は、
互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、
互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は
互いに結合せず、
前記置換もしくは無置換の単環を形成せず、かつ前記置換もしくは無置換の縮合環を形成しないR101~R110は、それぞれ独立に、
水素原子、
置換基R、又は
下記一般式(11)で表される基である。
-L101-Ar101 (11)
(前記一般式(11)中、
101は、
単結合、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリーレン基、又は
置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の2価の複素環基である。
Ar101は、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基である。)
前記置換基Rは、
置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
-Si(R901)(R902)(R903)で表される基、
-O-(R904)で表される基、
-S-(R905)で表される基、
-N(R906)(R907)で表される基、
ハロゲン原子、
シアノ基、
ニトロ基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、
前記置換基Rが2個以上存在する場合、2個以上の前記置換基Rは、互いに同一であるか、又は異なり、
901~R907は、それぞれ独立に、
水素原子、
置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、
901が2個以上存在する場合、2個以上のR901は、互いに同一であるか、又は異なり、R902が2個以上存在する場合、2個以上のR902は、互いに同一であるか、又は異なり、R903が2個以上存在する場合、2個以上のR903は、互いに同一であるか、又は異なり、R904が2個以上存在する場合、2個以上のR904は、互いに同一であるか、又は異なり、R905が2個以上存在する場合、2個以上のR905は、互いに同一であるか、又は異なり、R906が2個以上存在する場合、2個以上のR906は、互いに同一であるか、又は異なり、R907が2個以上存在する場合、2個以上のR907は、互いに同一であるか、又は異なり、但し、前記置換もしくは無置換の単環を形成せず、かつ前記置換もしくは無置換の縮合環を形成しないR101~R110の少なくとも1つは、前記一般式(11)で表される基であり、
前記一般式(11)が2以上存在する場合、2以上の前記一般式(11)で表される基のそれぞれは、互いに同一であるか、又は異なり、
101が2以上存在する場合、2以上のL101は、互いに同一であるか、又は異なり、
Ar101が2以上存在する場合、2以上のAr101は、互いに同一であるか、又は異なる。]
一実施形態においては、前記一般式(10)で表される化合物は、その分子中に前記一般式(11)で表される基を少なくとも1つ有する。
前記一般式(10)で表される化合物は、水素原子として、重水素原子を有していてもよい。
一実施形態においては、前記一般式(10)中のAr101の少なくとも1つが、置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基である。
一実施形態においては、前記一般式(10)中のAr101の少なくとも1つが、置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基である。
一実施形態においては、前記一般式(10)中の全てのAr101が、置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基である。複数のAr101は、互いに同一であるか、又は異なる。
一実施形態においては、前記一般式(10)中のAr101のうちの1つが置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、残りのAr101が置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基である。複数のAr101は、互いに同一であるか、又は異なる。
一実施形態においては、前記一般式(10)中のL101の少なくとも1つが、単結合である。
一実施形態においては、前記一般式(10)中のL101の全てが、単結合である。
一実施形態においては、前記一般式(10)中のL101の少なくとも1つが、置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリーレン基である。
一実施形態においては、前記式一般(10)中のL101の少なくとも1つが、置換もしくは無置換のフェニレン基、又は置換もしくは無置換のナフチレン基である。
一実施形態においては、前記一般式(10)中の-L101-Ar101で表される基が、
置換もしくは無置換のフェニル基、
置換もしくは無置換のナフチル基、
置換もしくは無置換のビフェニル基、
置換もしくは無置換のフェナントレニル基、
置換もしくは無置換のベンゾフェナントレニル基、
置換もしくは無置換のフルオレニル基、
置換もしくは無置換のベンゾフルオレニル基、
置換もしくは無置換のジベンゾフラニル基、
置換もしくは無置換のナフトベンゾフラニル基、
置換もしくは無置換のジベンゾチオフェニル基、及び
置換もしくは無置換のカルバゾリル基からなる群から選択される。
一実施形態においては、前記一般式(10)中の置換基Rが、それぞれ独立に、
置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
-Si(R901)(R902)(R903)で表される基、
-O-(R904)で表される基、
-S-(R905)で表される基、
-N(R906)(R907)で表される基、
ハロゲン原子、
シアノ基、
ニトロ基、又は
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基であり、
901~R907は、前記一般式(10)で定義した通りである。
一実施形態においては、前記一般式(10)中の「置換もしくは無置換の」という場合における置換基が、それぞれ独立に、
置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
-Si(R901)(R902)(R903)で表される基、
-O-(R904)で表される基、
-S-(R905)で表される基、
-N(R906)(R907)で表される基、
ハロゲン原子、
シアノ基、
ニトロ基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、
901~R907は、前記一般式(10)で定義した通りである。
一実施形態においては、前記一般式(10)中の「置換もしくは無置換の」という場合における置換基が、それぞれ独立に、
置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
-Si(R901)(R902)(R903)で表される基、
-O-(R904)で表される基、
-S-(R905)で表される基、
-N(R906)(R907)で表される基、
ハロゲン原子、
シアノ基、
ニトロ基、又は
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基であり、
901~R907は、前記一般式(10)で定義した通りである。
一実施形態においては、前記一般式(10)中の「置換もしくは無置換の」という場合における置換基が、
炭素数1~18のアルキル基、
環形成炭素数6~18のアリール基、及び
環形成原子数5~18の複素環基からなる群から選択される。
一実施形態においては、前記一般式(10)中の「置換もしくは無置換の」という場合における置換基が、炭素数1~5のアルキル基である。
一実施形態においては、前記一般式(10)で表される化合物が、下記一般式(20X)で表される化合物である。
Figure 2022066695000056
(前記一般式(20X)中、R101~R108、L101及びAr101は、前記一般式(10)で定義した通りである。)
上記一般式(20X)で表される化合物は、水素原子として、重水素原子を有していてもよい。
即ち、一実施形態においては、前記一般式(10)又は一般式(20X)で表される化合物は、前記一般式(11)で表される基を少なくとも2つ有する。
一実施形態においては、前記一般式(10)又は一般式(20X)で表される化合物は、前記一般式(11)で表される基を2つ又は3つ有する。
一実施形態においては、前記一般式(10)及び一般式(20X)中のR101~R110が、前記置換もしくは無置換の単環を形成せず、かつ置換もしくは無置換の縮合環を形成しない。
一実施形態においては、前記一般式(10)及び一般式(20X)中のR101~R110が、水素原子である。
一実施形態においては、前記一般式(20X)で表される化合物が、下記一般式(30X)で表される化合物である。
Figure 2022066695000057
(前記一般式(30X)中、L101及びAr101は、前記一般式(10)で定義した通りであり、
101A~R108Aのうち隣接する2つ以上からなる組は、いずれも置換もしくは無置換の単環を形成せず、かつ置換もしくは無置換の縮合環を形成せず、
101A~R108Aは、それぞれ独立に、
水素原子、又は
置換基Rであり、
前記置換基Rは、前記一般式(10)で定義した通りである。)
即ち、上記一般式(30X)で表される化合物は、前記一般式(11)で表される基を2つ有する化合物である。
上記一般式(30X)で表される化合物は、水素原子として、実質的に軽水素原子のみを有する。
尚、「実質的に軽水素原子のみを有する」とは、同一構造であって、水素原子として軽水素原子のみを有する化合物(軽水素体)と重水素原子を有する化合物(重水素体)との合計に対する軽水素体の割合が90モル%以上である場合、95モル%以上である場合、又は99モル%以上である場合を意味する。
一実施形態においては、前記一般式(30X)で表される化合物が、下記一般式(31)で表される化合物である。
Figure 2022066695000058
(前記一般式(31)中、L101及びAr101は、前記一般式(10)で定義した通りであり、
101A~R108Aは、前記一般式(30X)で定義した通りであり、
は、酸素原子、硫黄原子、N(R131)、又はC(R132)(R133)であり、
121~R128、及びR131~R133のうちの1つは、L101と結合する単結合であり、
101と結合する単結合ではないR121~R128のうちの隣接する2つ以上からなる組の1組以上は、
互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、
互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は
互いに結合せず、
101と結合する単結合ではなく、かつ前記置換もしくは無置換の単環を形成せず、かつ前記置換もしくは無置換の縮合環を形成しないR121~R128は、それぞれ独立に、
水素原子、又は
置換基Rであり、
前記置換基Rは前記一般式(10)で定義した通りであり、
101と結合する単結合ではないR131~R133は、それぞれ独立に、
水素原子、
置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、
131が2個以上存在する場合、2個以上のR131は、互いに同一であるか、又は異なり、R132が2個以上存在する場合、2個以上のR132は、互いに同一であるか、又は異なり、R133が2個以上存在する場合、2個以上のR133は、互いに同一であるか、又は異なる。)
一実施形態においては、前記一般式(31)で表される化合物が、下記一般式(32)で表される化合物である。
Figure 2022066695000059
(前記一般式(32)中、R101A~R108A、L101、Ar101、R121~R128、R132及びR133は、前記一般式(31)で定義した通りである。)
一実施形態においては、前記一般式(31)で表される化合物が、下記一般式(33)で表される化合物である。
Figure 2022066695000060
(前記一般式(33)中、R101A~R108A、L101、Ar101、及びR121~R128は、前記一般式(31)で定義した通りであり、
は、酸素原子、硫黄原子、又はN(R131)であり、
131は、前記一般式(31)で定義した通りである。)
一実施形態においては、前記一般式(31)で表される化合物が、下記一般式(34)で表される化合物である。
Figure 2022066695000061
(前記一般式(34)中、R101A~R108A、L101及びAr101は、前記一般式(31)で定義した通りであり、
は、酸素原子、硫黄原子又はN(R131)であり、
131は、前記一般式(31)で定義した通りであり、
121A~R128Aのうちの1つは、L101と結合する単結合であり、
101と結合する単結合ではないR121A~R128Aのうちの隣接する2つ以上からなる組の1組以上は、置換もしくは無置換の単環を形成せず、かつ置換もしくは無置換の縮合環を形成せず、
101と結合する単結合ではないR121A~R128Aは、それぞれ独立に、
水素原子、又は
置換基Rであり、
前記置換基Rは前記一般式(10)で定義した通りである。)
一実施形態においては、前記一般式(31)で表される化合物が、下記一般式(35)で表される化合物である。
Figure 2022066695000062
[前記一般式(35)中、R101A~R108A、L101、Ar101及びXは、前記一般式(31)で定義した通りであり、
121A~R124Aのうちの隣接する2つ以上からなる組の1組以上は、置換もしくは無置換の単環を形成せず、かつ置換もしくは無置換の縮合環を形成せず、
125B及びR126B、R126B及びR127B、並びにR127B及びR128Bのうちのいずれか1組は、互いに結合して、下記一般式(35a)又は一般式(35b)で表される環を形成する。
Figure 2022066695000063
(前記一般式(35a)及び一般式(35b)中、
2つの*は、それぞれ、R125B及びR126B、R126B及びR127B、並びにR127B及びR128Bのうちのいずれか1組と結合し、
141~R144は、それぞれ独立に、
水素原子、又は
置換基Rであり、
前記置換基Rは、前記一般式(10)で定義した通りであり、
は、酸素原子又は硫黄原子である。)
121A~R124A、前記一般式(35a)又は一般式(35b)で表される環を形成しないR125B~R128B、及びR141~R144のうちの1つは、L101と結合する単結合であり、
101と結合する単結合ではないR121A~R124A、及びL101と結合する単結合ではなく、かつ前記一般式(35a)又は一般式(35b)で表される環を形成しないR125B~R128Bは、それぞれ独立に、
水素原子、又は
置換基Rであり、
前記置換基Rは、前記一般式(10)で定義した通りである。]
一実施形態においては、前記一般式(35)で表される化合物が、下記一般式(36)で表される化合物である。
Figure 2022066695000064
(前記一般式(36)中、R101A~R108A、L101、Ar101、及びR125B~R128Bは、前記一般式(35)で定義した通りである。)
一実施形態においては、前記一般式(34)で表される化合物が、下記一般式(37)で表される化合物である。
Figure 2022066695000065
(前記一般式(37)中、R101A~R108A、R125A~R128A、L101及びAr101は、前記一般式(34)で定義した通りである。)
一実施形態においては、前記一般式(30X)、(31)~(37)中のR101A~R108Aが、水素原子である。
一実施形態においては、前記一般式(10)で表される化合物が、下記一般式(40X)で表される化合物である。
Figure 2022066695000066
(前記一般式(40X)中、L101及びAr101は、前記一般式(10)で定義した通りであり、
101A、及びR103A~R108Aのうちの隣接する2つ以上からなる組の1組以上は、
互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、
互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は
互いに結合せず、
前記置換もしくは無置換の単環を形成せず、かつ前記置換もしくは無置換の縮合環を形成しないR101A、及びR103A~R108Aは、それぞれ独立に、
水素原子、又は
置換基Rであり、
前記置換基Rは、前記一般式(10)で定義した通りである。)
即ち、前記一般式(40X)で表される化合物は、前記一般式(11)で表される基を3つ有する化合物である。また、上記一般式(40X)で表される化合物は、水素原子として、実質的に軽水素原子のみを有する。
一実施形態においては、前記一般式(40X)で表される化合物が、下記一般式(41)で表される。
Figure 2022066695000067
(前記一般式(41)中、L101及びAr101は、前記一般式(40X)で定義した通りである。)
一実施形態においては、前記一般式(40X)で表される化合物が、下記一般式(42-1)~(42-3)のいずれかで表される化合物である。
Figure 2022066695000068
(前記一般式(42-1)~(42-3)中、R101A~R108A、L101及びAr101は、前記一般式(40X)で定義した通りである。)
一実施形態においては、前記一般式(42-1)~(42-3)で表される化合物が、下記一般式(43-1)~(43-3)のいずれかで表される化合物である。
Figure 2022066695000069
(前記一般式(43-1)~(43-3)中、L101及びAr101は、前記一般式(40X)で定義した通りである。)
一実施形態においては、前記一般式(40X)、(41)、(42-1)~(42-3)、及び(43-1)~(43-3)における-L101-Ar101で表される基が、
置換もしくは無置換のフェニル基、
置換もしくは無置換のナフチル基、
置換もしくは無置換のビフェニル基、
置換もしくは無置換のフェナントレニル基、
置換もしくは無置換のベンゾフェナントレニル基、
置換もしくは無置換のフルオレニル基、
置換もしくは無置換のベンゾフルオレニル基、
置換もしくは無置換のジベンゾフラニル基、
置換もしくは無置換のナフトベンゾフラニル基、
置換もしくは無置換のジベンゾチオフェニル基、及び
置換もしくは無置換のカルバゾリル基からなる群から選択される。
一実施形態においては、前記一般式(10)又は一般式(20X)で表される化合物は、これらの化合物が有する水素原子のうちの少なくとも1つが重水素原子である化合物を含む。
一実施形態においては、前記一般式(20X)中の
水素原子であるR101~R108
前記置換基RであるR101~R108が有する水素原子、
101が有する水素原子、
101の置換基が有する水素原子、
Ar101が有する水素原子、及び
Ar101の置換基が有する水素原子
のうちの少なくとも1つが重水素原子である。
前記一般式(30X)、(31)~(37)で表される化合物は、これらの化合物が有する水素原子のうちの少なくとも1つが重水素原子である化合物を含む。
一実施形態においては、前記一般式(30X)、(31)~(37)で表される化合物中のアントラセン骨格を構成する炭素原子に結合する水素原子のうちの少なくとも1つが重水素原子である。
一実施形態においては、前記一般式(30X)で表される化合物が、下記一般式(30D)で表される化合物である。
Figure 2022066695000070
(前記一般式(30D)中、R101A~R108A、L101及びAr101は、前記一般式(30X)で定義した通りであり、
但し、
水素原子であるR101A~R110A
前記置換基RであるR101A~R110Aが有する水素原子、
101が有する水素原子、
101の置換基が有する水素原子、
Ar101が有する水素原子、及び
Ar101の置換基が有する水素原子
のうちの少なくとも1つが重水素原子である。)
即ち、上記一般式(30D)で表される化合物は、前記一般式(30X)で表される化合物が有する水素原子のうちの少なくとも1つが重水素原子である化合物である。
一実施形態においては、前記一般式(30D)中の水素原子であるR101A~R108Aのうちの少なくとも1つが重水素原子である。
一実施形態においては、前記一般式(30D)で表される化合物が、下記一般式(31D)で表される化合物である。
Figure 2022066695000071
(前記一般式(31D)中、R101A~R108A、L101及びAr101は、前記一般式(30D)で定義した通りであり、
は、酸素原子又は硫黄原子であり、
121~R128のうちの1つはL101と結合する単結合であり、
101と結合する単結合ではないR121~R128のうちの隣接する2つ以上からなる組の1組以上は、
互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、
互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は
互いに結合せず、
101と結合する単結合ではなく、かつ前記置換もしくは無置換の単環を形成せず、かつ前記置換もしくは無置換の縮合環を形成しないR121~R128は、それぞれ独立に、
水素原子、又は
置換基Rであり、
前記置換基Rは、前記一般式(10)で定義した通りであり、
但し、
水素原子であるR101A~R110A
前記置換基RであるR101A~R110Aが有する水素原子、
101が有する水素原子、
101の置換基が有する水素原子、
Ar101が有する水素原子、
Ar101の置換基が有する水素原子
水素原子であるR121~R128、及び
前記置換基RであるR121~R128が有する水素原子
のうちの少なくとも1つが重水素原子である。)
一実施形態においては、前記一般式(31D)で表される化合物が、下記一般式(32D)で表される化合物である。
Figure 2022066695000072
(前記一般式(32D)中、
101A~R108A、R125A~R128A、L101及びAr101は、前記一般式(34)で定義した通りであり、
但し、
水素原子であるR101A~R108A
前記置換基RであるR101A~R108Aが有する水素原子、
水素原子であるR125A~R128A
前記置換基RであるR125A~R128Aが有する水素原子、
前記一般式(32D)中のジベンゾフラン骨格の炭素原子に結合する水素原子、
101が有する水素原子、
101の置換基が有する水素原子、
Ar101が有する水素原子、及び
Ar101の置換基が有する水素原子
のうちの少なくとも1つが重水素原子である。)
一実施形態においては、前記一般式(32D)で表される化合物が、下記一般式(32D-1)又は一般式(32D-2)で表される化合物である。
Figure 2022066695000073
(前記一般式(32D-1)及び一般式(32D-2)中、
101A~R108A、R125A~R128A、L101及びAr101は、前記一般式(32D)で定義した通りであり、
但し、
水素原子であるR101A~R108A
前記置換基RであるR101A~R108Aが有する水素原子、
水素原子であるR125A~R128A
前記置換基RであるR125A~R128Aが有する水素原子、
前記一般式(32D-1)及び(32D-2)中のジベンゾフラン骨格の炭素原子に結合する水素原子、
101が有する水素原子、
101の置換基が有する水素原子、
Ar101が有する水素原子、及び
Ar101の置換基が有する水素原子
のうちの少なくとも1つが重水素原子である。)
一実施形態においては、前記一般式(40X)、一般式(41)、一般式(42-1)~(42-3)又は一般式(43-1)~(43-3)で表される化合物が有する水素原子のうちの少なくとも1つが重水素原子である。
一実施形態においては、前記一般式(41)で表される化合物中のアントラセン骨格を構成する炭素原子に結合する水素原子(水素原子であるR101A~R108A)のうちの少なくとも1つが重水素原子である。
一実施形態においては、前記一般式(40X)で表される化合物が、下記一般式(40D)で表される化合物である。
Figure 2022066695000074
(前記一般式(40D)中、
101及びAr101は、前記一般式(10)で定義した通りであり、
101A、及びR103A~R108Aのうちの隣接する2つ以上からなる組の1組以上は、置換もしくは無置換の単環を形成せず、かつ、置換もしくは無置換の縮合環を形成せず、
101A、及びR103A~R108Aは、それぞれ独立に、
水素原子、又は
置換基Rであり、
前記置換基Rは、前記一般式(10)で定義した通りであり、
但し、
水素原子であるR101A、及びR103A~R108A
前記置換基RであるR101A、及びR103A~R108Aが有する水素原子、
101が有する水素原子、
101の置換基が有する水素原子、
Ar101が有する水素原子、及び
Ar101の置換基が有する水素原子、
のうちの少なくとも1つが重水素原子である。)
一実施形態においては、前記一般式(40D)中のR101A、及びR103A~R108Aのうちの少なくとも1つが重水素原子である。
一実施形態においては、前記一般式(40D)で表される化合物が、下記一般式(41D)で表される化合物である。
Figure 2022066695000075
(前記一般式(41D)中、
101及びAr101は、前記一般式(40D)で定義した通りであり、
但し、前記一般式(41D)中の
アントラセン骨格を構成する炭素原子に結合する水素原子、
101が有する水素原子、
101の置換基が有する水素原子、
Ar101が有する水素原子、及び
Ar101の置換基が有する水素原子、
のうちの少なくとも1つが重水素原子である。)
一実施形態においては、前記一般式(40D)で表される化合物が、下記一般式(42D-1)~(42D-3)のいずれかで表される化合物である。
Figure 2022066695000076
(前記一般式(42D-1)~(42D-3)中、
101A~R108A、L101及びAr101は、前記一般式(40D)で定義した通りであり、
但し、前記一般式(42D-1)中の
水素原子であるR101A、及びR103A~R108A
前記置換基RであるR101A、及びR103A~R108Aが有する水素原子、
101が有する水素原子、
101の置換基が有する水素原子、
Ar101が有する水素原子、
Ar101の置換基が有する水素原子、並びに
前記一般式(42D-1)中のフェニル基を構成する炭素原子に結合する水素原子
のうちの少なくとも1つが重水素原子であり、
前記一般式(42D-2)中の
水素原子であるR101A、及びR103A~R108A
前記置換基RであるR101A、及びR103A~R108Aが有する水素原子、
101が有する水素原子、
101の置換基が有する水素原子、
Ar101が有する水素原子、
Ar101の置換基が有する水素原子、並びに
前記一般式(42D-2)中のナフチル基を構成する炭素原子に結合する水素原子
のうちの少なくとも1つが重水素原子であり、
前記一般式(42D-3)中の
水素原子であるR101A、及びR103A~R108A
前記置換基RであるR101A、及びR103A~R108Aが有する水素原子、
101が有する水素原子、
101の置換基が有する水素原子、
Ar101が有する水素原子、
Ar101の置換基が有する水素原子、並びに
前記一般式(42D-3)中のナフチル基を構成する炭素原子に結合する水素原子
のうちの少なくとも1つが重水素原子である。)
一実施形態においては、前記一般式(42D-1)~(42D-3)で表される化合物が、下記一般式(43D-1)~(43D-3)のいずれかで表される化合物である。
Figure 2022066695000077
(前記一般式(43D-1)~(43D-3)中、L101及びAr101は、前記一般式(40D)で定義した通りであり、
但し、前記一般式(43D-1)中の
アントラセン骨格を構成する炭素原子に結合する水素原子、
101が有する水素原子、
101の置換基が有する水素原子、
Ar101が有する水素原子、
Ar101の置換基が有する水素原子、及び
前記一般式(43D-1)中のフェニル基を構成する炭素原子に結合する水素原子
のうちの少なくとも1つが重水素原子であり、
前記一般式(43D-2)中の
アントラセン骨格を構成する炭素原子に結合する水素原子、
101が有する水素原子、
101の置換基が有する水素原子、
Ar101が有する水素原子、
Ar101の置換基が有する水素原子、及び
前記一般式(43D-2)中のナフチル基を構成する炭素原子に結合する水素原子
のうちの少なくとも1つが重水素原子であり、
前記一般式(43D-3)中の
アントラセン骨格を構成する炭素原子に結合する水素原子、
101が有する水素原子、
101の置換基が有する水素原子、
Ar101が有する水素原子、
Ar101の置換基が有する水素原子、及び
前記一般式(43D-3)中のナフチル基を構成する炭素原子に結合する水素原子
のうちの少なくとも1つが重水素原子である。)
前記第一の化合物の説明中、「置換もしくは無置換の」という場合の置換基の詳細は、本明細書の[定義]の欄に記載の通りである。
前記一般式(10)で表される化合物としては、例えば、以下に示す化合物が具体例として挙げられる。一般式(10)で表される化合物は、これらの具体例に限定されない。下記具体例中、Meは、メチル基を示し、Dは、重水素原子を示す。
Figure 2022066695000078
Figure 2022066695000079
Figure 2022066695000080
Figure 2022066695000081
Figure 2022066695000082
Figure 2022066695000083
Figure 2022066695000084
Figure 2022066695000085
Figure 2022066695000086
Figure 2022066695000087
Figure 2022066695000088
Figure 2022066695000089
基板は、発光素子の支持体として用いられる。基板としては、例えば、ガラス、石英、プラスチック等を用いることができる。また、可撓性基板を用いてもよい。可撓性基板とは、折り曲げることができる(フレキシブル)基板のことであり、例えば、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニルからなるプラスチック基板等が挙げられる。
基板上に形成される陽極には、仕事関数の大きい(具体的には4.0eV以上)金属、合金、電気伝導性化合物、及びこれらの混合物等を用いることが好ましい。具体的には、例えば、酸化インジウム-酸化スズ(ITO:Indium Tin Oxide)、珪素もしくは酸化珪素を含有した酸化インジウム-酸化スズ、酸化インジウム-酸化亜鉛、
酸化タングステン、及び酸化亜鉛を含有した酸化インジウム、グラフェン等が挙げられる。この他、金(Au)、白金(Pt)、又は金属材料の窒化物(例えば、窒化チタン)等が挙げられる。
正孔注入層は、正孔注入性の高い物質を含む層である。正孔注入性の高い物質としては、モリブデン酸化物、チタン酸化物、バナジウム酸化物、レニウム酸化物、ルテニウム酸化物、クロム酸化物、ジルコニウム酸化物、ハフニウム酸化物、タンタル酸化物、銀酸化物、タングステン酸化物、マンガン酸化物、芳香族アミン化合物、フルオレン誘導体等のラダー系化合物又は高分子化合物(オリゴマー、デンドリマー、ポリマー等)等も使用できる。
正孔輸送層は、正孔輸送性の高い物質を含む層である。正孔輸送層には、芳香族アミン化合物、カルバゾール誘導体、アントラセン誘導体等を使用する事ができる。ポリ(N-ビニルカルバゾール)(略称:PVK)やポリ(4-ビニルトリフェニルアミン)(略称:PVTPA)等の高分子化合物を用いることもできる。但し、電子よりも正孔の輸送性の高い物質であれば、これら以外のものを用いてもよい。尚、正孔輸送性の高い物質を含む層は、単層のものだけでなく、上記物質からなる層が二層以上積層したものとしてもよい。
電子輸送層は、電子輸送性の高い物質を含む層である。電子輸送層には、
(1)リチウム錯体、アルミニウム錯体、ベリリウム錯体、亜鉛錯体等の金属錯体、
(2)イミダゾール誘導体、ベンゾイミダゾール誘導体、アジン誘導体、カルバゾール誘導体、フェナントロリン誘導体等の複素芳香族化合物、
(3)高分子化合物を使用することができる。
電子注入層は、電子注入性の高い物質を含む層である。電子注入層には、リチウム(Li)、リチウム錯体、フッ化リチウム(LiF)、フッ化セシウム(CsF)、フッ化カルシウム(CaF)、リチウム酸化物(LiOx)等のようなアルカリ金属、アルカリ土類金属、又はそれらの化合物を用いることができる。
陰極には、仕事関数の小さい(具体的には3.8eV以下)金属、合金、電気伝導性化合物、及びこれらの混合物等を用いることが好ましい。このような陰極材料の具体例としては、元素周期表の第1族又は第2族に属する元素、即ちリチウム(Li)やセシウム(Cs)等のアルカリ金属、及びマグネシウム(Mg)等のアルカリ土類金属、及びこれらを含む合金(例えば、MgAg、AlLi)等が挙げられる。
本実施形態に係る有機EL素子の一態様において、各層の形成方法は特に限定されない。各層の形成方法としては、従来公知の真空蒸着法、スピンコーティング法等による形成方法を用いることができる。発光層等の各層は、真空蒸着法、分子線蒸着法(MBE法)あるいは溶媒に解かした溶液のディッピング法、スピンコーティング法、キャスティング法、バーコート法、ロールコート法等の塗布法による公知の方法で形成することができる。
本実施形態に係る有機EL素子の一態様において、各層の膜厚は特に制限されないが、一般に、ピンホール等の欠陥を抑制し、印加電圧を低く抑え、発光効率を向上するため、通常は、数nmから1μmの範囲が好ましい。
本実施形態によれば、PLQYの高い化合物を含む有機エレクトロルミネッセンス素子を提供できる。
〔第四実施形態〕
(電子機器)
本実施形態に係る電子機器は、上述の実施形態のいずれかの有機EL素子を搭載している。電子機器としては、例えば、表示装置及び発光装置等が挙げられる。表示装置としては、例えば、表示部品(例えば、有機ELパネルモジュール等)、テレビ、携帯電話、タブレット、及びパーソナルコンピュータ等が挙げられる。発光装置としては、例えば、照明及び車両用灯具等が挙げられる。
本実施形態によれば、PLQYの高い化合物を含む有機エレクトロルミネッセンス素子を搭載した電子機器を提供できる。
〔実施形態の変形〕
なお、本発明は、上述の実施形態に限定されず、本発明の目的を達成できる範囲での変更、改良等は、本発明に含まれる。
例えば、発光層は、1層に限られず、複数の発光層が積層されていてもよい。有機EL素子が複数の発光層を有する場合、少なくとも1つの発光層が上記実施形態で説明した条件を満たしていればよい。例えば、その他の発光層が、蛍光発光型の発光層であっても、三重項励起状態から直接基底状態への電子遷移による発光を利用した燐光発光型の発光層であってもよい。
また、有機EL素子が複数の発光層を有する場合、これらの発光層が互いに隣接して設けられていてもよいし、中間層を介して複数の発光ユニットが積層された、いわゆるタンデム型の有機EL素子であってもよい。
また、例えば、発光層の陽極側、及び陰極側の少なくとも一方に障壁層を隣接させて設けてもよい。障壁層は、発光層に接して配置され、正孔、電子、及び励起子の少なくともいずれかを阻止することが好ましい。
例えば、発光層の陰極側で接して障壁層が配置された場合、当該障壁層は、電子を輸送し、かつ正孔が当該障壁層よりも陰極側の層(例えば、電子輸送層)に到達することを阻止する。有機EL素子が、電子輸送層を含む場合は、発光層と電子輸送層との間に当該障壁層を含むことが好ましい。
また、発光層の陽極側で接して障壁層が配置された場合、当該障壁層は、正孔を輸送し、かつ電子が当該障壁層よりも陽極側の層(例えば、正孔輸送層)に到達することを阻止する。有機EL素子が、正孔輸送層を含む場合は、発光層と正孔輸送層との間に当該障壁層を含むことが好ましい。
また、励起エネルギーが発光層からその周辺層に漏れ出さないように、障壁層を発光層に隣接させて設けてもよい。発光層で生成した励起子が、当該障壁層よりも電極側の層(例えば、電子輸送層及び正孔輸送層等)に移動することを阻止する。
発光層と障壁層とは接合していることが好ましい。
その他、本発明の実施における具体的な構造、及び形状等は、本発明の目的を達成できる範囲で他の構造等としてもよい。
以下、本発明に係る実施例を説明する。本発明はこれらの実施例によって何ら限定されない。
<化合物>
下記実施例1~3で用いた前記一般式(20)で表される化合物を以下に示す。
下記化合物BD1は、1つのフェニル基の結合位置が定められていない。理由は以下の通りである。
合成実施例1のスキームにおいて、中間体1aは、1つの臭素の結合位置が定められていないが、高速液体クロマトグラフィーおよびガスクロマトグラフィーから、後述の中間体1a-1又は中間体1a-2のどちらか一方のみができていることを確認した。
化合物BD1は、中間体1a(中間体1a-1又は中間体1a-2)を使って合成したため、得られた化合物は、中間体1a-1の構造に由来する化合物BD1-1又は中間体1a-2の構造に由来する化合物BD1-2のどちらか一方のみである。
そこで、本実施例では、合成実施例1のスキームで得られた化合物の構造式を化合物BD1で示した。
Figure 2022066695000090
Figure 2022066695000091
比較例1~2で用いた比較化合物を以下に示す。
Figure 2022066695000092
<化合物の評価>
(トルエン溶液の調製)
化合物BD1を、濃度が5μmol/Lになるように、トルエンに溶解し、化合物BD1のトルエン溶液を調製した。
化合物BD2、BD3、Ref-1及びRef-2のそれぞれについても、化合物BD1と同様に、トルエン溶液を調製した。
(蛍光量子収率(PLQY)の測定)
調製した化合物BD1、BD2、BD3、Ref-1及びRef-2のトルエン溶液のそれぞれについて、絶対PL(フォトルミネッセンス)量子収率測定装置 Quantaurus-QY(浜松ホトニクス株式会社製)を用いて、PLQYを測定した。
化合物BD1、BD2、BD3、Ref-1及びRef-2のPLQYの値の測定結果を、表1に示す。
(化合物の蛍光発光主ピーク波長)
測定対象となる化合物の5μmol/Lトルエン溶液を調製して石英セルに入れ、常温(300K)でこの試料の蛍光スペクトル(縦軸:蛍光発光強度、横軸:波長とする。)を測定した。本実施例では、蛍光スペクトルを日立社製の分光光度計(装置名:F-7000)で測定した。なお、蛍光スペクトル測定装置は、ここで用いた装置に限定されない。蛍光スペクトルにおいて、発光強度が最大となる蛍光スペクトルのピーク波長を蛍光発光主ピーク波長とした。
化合物BD1、BD2、BD3、Ref-1及びRef-2の主ピーク波長の測定結果を、表1に示す。
(発光半値幅FWHM)
化合物BD1、BD2及びBD3について、前記日立社製の分光光度計(装置名:F-7000)で測定した蛍光スペクトルから、発光半値幅FWHM(単位:nm)を測定した。
化合物BD1の発光半値幅FWHMは、40nmであった。
化合物BD2の発光半値幅FWHMは、26nmであった。
化合物BD3の発光半値幅FWHMは、29nmであった。
Figure 2022066695000093
実施例1~3の化合物BD1、BD2及びBD3によれば、比較化合物Ref-1及びRef-2に比べて、PLQYが向上した。
また、実施例1~3の化合物BD1、BD2及びBD3は、青色の発光波長を示した。
<化合物の合成>
合成実施例1(化合物BD1の合成)
Figure 2022066695000094
(1-1)中間体1aの合成
アルゴン雰囲気下、カリウムtert-ブトキシド(KOtBu、8.4g、74.9mmol)とtert-ブチルアルコール(t-BuOH、60mL)の混合物を70℃で攪拌した。KOtBuが完全に溶解したことを確認した後、4-ブロモ-1,2-ビス(ジブロモメチル)ベンゼン(5.0g、10mmol)をゆっくりと入れた。その後、70℃で約10分間攪拌した。続いて、氷を入れた三角フラスコの中に室温(25℃)に戻した反応液を移して、酢酸を加えて過剰のKOtBuを中和した。得られた固体をろ取して、水とメタノールをかけて固体を洗浄した。最後にトルエン/エタノールで再結晶を行い、中間体1aを得た(0.9g、 収率35%)。中間体1aの分子量は517.84であり、得られた化合物のマススペクトルの分析結果は、m/z(質量と電荷の比)=517であったことから、得られた化合物を中間体1aと同定した。なお、中間体1aは1つの臭素の結合位置が定められていない。得られた化合物(中間体1a)は、反応機構から推定すると下記中間体1a-1又は下記中間体1a-2の2種が考えられるが、高速液体クロマトグラフィーおよびガスクロマトグラフィーから中間体1a-1又は中間体1a-2のどちらか一方のみができていることを確認した。
Figure 2022066695000095
(1-2)化合物BD1の合成
アルゴン雰囲気下、中間体1a(0.2g、0.4mmol)、フェニルボロン酸(1.5g、12.2mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(Pd(PPh)、0.018g、0.02mmol)、炭酸カリウム(KCO、2.1g、15.3mmol)、トリオクチルメチルアンモニウムクロリド(Aliquat(登録商標)336、3滴)、及びトルエン(28mL)の混合物を2日間加熱還流した。反応液を室温(25℃)に戻した後、クロロホルムを加えて希釈してセライトろ過、次いでシリカゲルショートカラムを行った。エバポレーターで溶液を濃縮した後、得られた固体をメタノールで懸洗して化合物BD1を得た(0.15g、収率77%)。化合物BD1の分子量は506.65であり、得られた化合物のマススペクトルの分析結果は、m/z(質量と電荷の比)=506であったことから、得られた化合物を化合物BD1と同定した。なお、中間体1aを使っているため、化合物BD1は1つのフェニルの結合位置が定められていない。
化合物BD1は、前述の通り、中間体1a-1の構造に由来する化合物BD1-1又は中間体1a-2の構造に由来する化合物BD1-2のどちらか一方であることを示している。
合成実施例2(化合物BD2の合成)
Figure 2022066695000096
(2-1)中間体2aの合成
アルゴン雰囲気下、カリウムtert-ブトキシド(KOtBu、2.9g、25.9mmol)とtert-ブチルアルコール(t-BuOH、20mL)の混合物を70℃で攪拌した。KOtBuが完全に溶解したことを確認した後、α,α,α',α',4,5-ヘキサブロモ-o-キシレン(2.0g、3.5mmol)をゆっくりと入れた。その後、70℃で約10分間攪拌した。続いて、氷を入れた三角フラスコの中に室温(25℃)に戻した反応液を移して、酢酸を加えて過剰のKOtBuを中和した。得られた固体をろ取して、水とメタノールをかけて固体を洗浄した。最後にトルエンで再結晶を行い、中間体2aを得た(0.23g、収率20%)。中間体2aの分子量は675.63であり、得られた化合物のマススペクトルの分析結果は、m/z(質量と電荷の比)=675であったことから、得られた化合物を中間体2aと同定した。
(2-2)化合物BD2の合成
アルゴン雰囲気下、中間体2a(0.2g、0.3mmol)、フェニルボロン酸(1.7g、14.2mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(Pd(PPh)、0.014g、0.012mmol)、炭酸カリウム(KCO、2.4g、17.5mmol)、トリオクチルメチルアンモニウムクロリド(Aliquat(登録商標)336、3滴)、及びトルエン(21mL)の混合物を2日間加熱還流した。反応液を室温(25℃)に戻した後、クロロホルムを加えて希釈してセライトろ過、次いでシリカゲルショートカラムを行った。エバポレーターで溶液を濃縮した後、得られた固体をメタノールで懸洗して化合物BD2を得た(0.2g、収率98%)。化合物BD2の分子量は658.84であり、得られた化合物のマススペクトルの分析結果は、m/z(質量と電荷の比)=658であったことから、得られた化合物を化合物BD2と同定した。
合成実施例3(化合物BD3の合成)
Figure 2022066695000097
(3-1)化合物BD3の合成
窒素雰囲気下、中間体2a(1.13g、1.67mmol)、4-イソプロピルフェニルボロン酸(13.2g、80.5mmol)、Pd(PPh)(0.077g、66.9mmol)、KCO(13.6g、98.4mmol)、トリオクチルメチルアンモニウムクロリド(Aliquat(登録商標)336、18滴)、及びトルエン(118mL)を混合し、30時間加熱還流した。反応液を室温(25℃)に戻し水を加えて、析出物をろ取し、メタノールで洗浄した。得られた粗結晶をシリカゲルカラムクロマトグラフィーおよび塩化メチレン/ヘキサンによる再結晶で精製して、化合物BD3を得た(0.67g、収率44%)。化合物BD3の分子量は911.33であり、得られた化合物のマススペクトルの分析結果は、m/z(質量と電荷の比)=911であったことから、得られた化合物を化合物BD3と同定した。
1…有機EL素子、2…基板、3…陽極、4…陰極、5…発光層、6…正孔注入層、7…正孔輸送層、8…電子輸送層、9…電子注入層。

Claims (26)

  1. 下記一般式(20)で表され、下記一般式(20)中、四員環に対し、両側の環構造が非対称である化合物。
    Figure 2022066695000098

    (前記一般式(20)において、
    Ar及びArからなる組、並びにAr及びArからなる組の2組が、それぞれ独立に、
    互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、
    互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は
    Ar及びArからなる組、並びにAr及びArからなる組の2組が、
    互いに結合せず、
    前記置換もしくは無置換の単環を形成せず、かつ前記置換もしくは無置換の縮合環を形成しないAr~Ar、及びR11~R16は、それぞれ独立に、
    水素原子、
    ハロゲン原子、
    シアノ基、
    ニトロ基、
    置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
    置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
    置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
    置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
    -Si(R901)(R902)(R903)で表される基、
    -O-(R904)で表される基、
    -S-(R905)で表される基、
    -N(R906)(R907)で表される基、
    置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
    置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、
    Ar~Ar及びR11~R16のうち、少なくとも4個は水素原子ではない。)
    (前記一般式(20)で表される化合物中、R901~R907は、それぞれ独立に、
    水素原子、
    置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
    置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
    置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
    置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、
    901が2個以上存在する場合、2個以上のR901は、互いに同一であるか、又は異なり、
    902が2個以上存在する場合、2個以上のR902は、互いに同一であるか、又は異なり、
    903が2個以上存在する場合、2個以上のR903は、互いに同一であるか、又は異なり、
    904が2個以上存在する場合、2個以上のR904は、互いに同一であるか、又は異なり、
    905が2個以上存在する場合、2個以上のR905は、互いに同一であるか、又は異なり、
    906が2個以上存在する場合、2個以上のR906は、互いに同一であるか、又は異なり、
    907が2個以上存在する場合、2個以上のR907は、互いに同一であるか、又は異なる。)
  2. Ar及びArからなる組、並びにAr及びArからなる組の2組が、互いに結合しない、
    請求項1に記載の化合物。
  3. 前記置換もしくは無置換の単環を形成せず、かつ前記置換もしくは無置換の縮合環を形成しないAr~Ar及びR11~R16のうち、4個以上10個以下が水素原子ではない、
    請求項1または請求項2に記載の化合物。
  4. Ar~Ar、及びR11~R16は、それぞれ独立に、
    水素原子、
    置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
    置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基である、
    請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の化合物。
  5. 前記一般式(20)で表される化合物は、下記一般式(20A)、(20B)、(20C)又は(20D)で表される化合物である、
    請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の化合物。
    Figure 2022066695000099
    (前記一般式(20A)、(20B)、(20C)及び(20D)において、Ar~Ar、R13及びR16は、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基である。)
  6. Ar~Ar、R13及びR16は、互いに同一の基である、
    請求項5に記載の化合物。
  7. Ar~Ar及びR11~R16は、それぞれ独立に、
    水素原子、または
    下記一般式(1a)~(19a)のいずれかで表される基である、
    請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の化合物。
    Figure 2022066695000100

    Figure 2022066695000101

    Figure 2022066695000102

    Figure 2022066695000103

    (前記一般式(1a)~(19a)において、Xは、それぞれ独立に、酸素原子又は硫黄原子であり、
    Ra~Raは、それぞれ独立に、
    水素原子
    置換もしくは無置換の炭素数1~12のアルキル基、
    置換もしくは無置換の炭素数1~12のハロゲン化アルキル基、
    置換もしくは無置換の環形成炭素数3~12のシクロアルキル基、
    置換もしくは無置換の環形成炭素数6~18のアリール基、又は
    置換もしくは無置換の環形成原子数5~18の複素環基であり、
    Raは、それぞれ独立に、
    水素原子
    置換もしくは無置換の炭素数1~12のアルキル基、
    置換もしくは無置換の炭素数1~12のハロゲン化アルキル基、
    置換もしくは無置換の環形成炭素数3~18のシクロアルキル基、
    -Si(R901A)(R902A)(R903A)で表される基、
    -O-(R904A)で表される基、
    シアノ基、
    置換もしくは無置換の環形成炭素数6~18のアリール基、又は
    置換もしくは無置換の環形成原子数5~18の複素環基であり、
    901A~R904Aは、それぞれ独立に、
    置換もしくは無置換の炭素数1~12のアルキル基、
    置換もしくは無置換の環形成炭素数6~18のアリール基、又は
    置換もしくは無置換の環形成原子数5~18の複素環基であり、
    複数存在するRaは、互いに同一であるか、又は異なり、
    が2個以上存在する場合、2個以上のXは、互いに同一であるか、又は異なり、
    Raが2個以上存在する場合、2個以上のRaは、互いに同一であるか、又は異なり、
    Raが2個以上存在する場合、2個以上のRaは、互いに同一であるか、又は異なり、
    Raが2個以上存在する場合、2個以上のRaは、互いに同一であるか、又は異なり、
    901Aが2個以上存在する場合、2個以上のR901Aは、互いに同一であるか、又は異なり、
    902Aが2個以上存在する場合、2個以上のR902Aは、互いに同一であるか、又は異なり、
    903Aが2個以上存在する場合、2個以上のR903Aは、互いに同一であるか、又は異なり、
    904Aが2個以上存在する場合、2個以上のR904Aは、互いに同一であるか、又は異なり、
    ただし、前記一般式(1a)~(6a)、(9a)~(16a)及び(19a)中、Raのうち1つが、Ar~Ar及びR11~R16が結合する炭素原子の少なくともいずれかに結合する単結合であり、前記一般式(7a)~(8a)及び(17a)中、Ra及びRaのうち1つが、Ar~Ar及びR11~R16が結合する炭素原子の少なくともいずれかに結合する単結合であり、前記一般式(18a)中、Ra及びRa~Raのうち1つが、Ar~Ar及びR11~R16が結合する炭素原子の少なくともいずれかに結合する単結合である。)
  8. Ar及びArからなる組、並びにAr及びArからなる組の2組が、それぞれ独立に、
    互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、又は
    互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成する、
    請求項1に記載の化合物。
  9. 前記置換もしくは無置換の単環は、置換もしくは無置換のベンゼン環であり、
    前記置換もしくは無置換の縮合環は、
    2個以上4個以下の環が縮合した置換もしくは無置換の芳香族炭化水素環、または
    2個以上4個以下の環が縮合した置換もしくは無置換の複素環である、
    請求項8に記載の化合物。
  10. Ar及びArからなる組、並びにAr及びArからなる組の2組が、
    前記置換のベンゼン環を形成するか、
    前記無置換のベンゼン環を形成するか、
    前記置換の縮合環を形成するか、又は
    前記無置換の縮合環を形成する、
    請求項8または請求項9に記載の化合物。
  11. 前記一般式(20)で表される化合物は、下記一般式(30)で表される化合物である、
    請求項8から請求項10のいずれか一項に記載の化合物。
    Figure 2022066695000104

    (前記一般式(30)において、R11~R16は、それぞれ独立に、前記一般式(20)におけるR11~R16と同義であり、
    21~R24及びR41~R44は、それぞれ独立に、前記一般式(20)におけるR11~R16と同義である。)
  12. 前記一般式(30)で表される化合物は、下記一般式(31A)、(31B)又は(31C)で表される化合物である、
    請求項11に記載の化合物。
    Figure 2022066695000105

    (前記一般式(31A)、(31B)及び(31C)において、R11~R16は、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基である。)
  13. 11~R16は、互いに同一の基である、
    請求項12に記載の化合物。
  14. 11~R16、R21~R24、及びR41~R44は、それぞれ独立に、
    水素原子、または
    下記一般式(1a)~(19a)のいずれかで表される基である、
    請求項11から請求項13のいずれか一項に記載の化合物。
    Figure 2022066695000106

    Figure 2022066695000107

    Figure 2022066695000108

    Figure 2022066695000109

    (前記一般式(1a)~(19a)において、Xは、それぞれ独立に、酸素原子又は硫黄原子であり、
    Ra~Raは、それぞれ独立に、
    水素原子
    置換もしくは無置換の炭素数1~12のアルキル基、
    置換もしくは無置換の炭素数1~12のハロゲン化アルキル基、
    置換もしくは無置換の環形成炭素数3~12のシクロアルキル基、
    置換もしくは無置換の環形成炭素数6~18のアリール基、又は
    置換もしくは無置換の環形成原子数5~18の複素環基であり、
    Raは、それぞれ独立に、
    水素原子
    置換もしくは無置換の炭素数1~12のアルキル基、
    置換もしくは無置換の炭素数1~12のハロゲン化アルキル基、
    置換もしくは無置換の環形成炭素数3~18のシクロアルキル基、
    -Si(R901A)(R902A)(R903A)で表される基、
    -O-(R904A)で表される基、
    シアノ基、
    置換もしくは無置換の環形成炭素数6~18のアリール基、又は
    置換もしくは無置換の環形成原子数5~18の複素環基であり、
    901A~R904Aは、それぞれ独立に、
    置換もしくは無置換の炭素数1~12のアルキル基、
    置換もしくは無置換の環形成炭素数6~18のアリール基、又は
    置換もしくは無置換の環形成原子数5~18の複素環基であり、
    複数存在するRaは、互いに同一であるか、又は異なり、
    が2個以上存在する場合、2個以上のXは、互いに同一であるか、又は異なり、
    Raが2個以上存在する場合、2個以上のRaは、互いに同一であるか、又は異なり、
    Raが2個以上存在する場合、2個以上のRaは、互いに同一であるか、又は異なり、
    Raが2個以上存在する場合、2個以上のRaは、互いに同一であるか、又は異なり、
    901Aが2個以上存在する場合、2個以上のR901Aは、互いに同一であるか、又は異なり、
    902Aが2個以上存在する場合、2個以上のR902Aは、互いに同一であるか、又は異なり、
    903Aが2個以上存在する場合、2個以上のR903Aは、互いに同一であるか、又は異なり、
    904Aが2個以上存在する場合、2個以上のR904Aは、互いに同一であるか、又は異なり、
    ただし、前記一般式(1a)~(6a)、(9a)~(16a)及び(19a)中、Raのうち1つが、R11~R16、R21~R24及びR41~R44が結合する炭素原子の少なくともいずれかに結合する単結合であり、前記一般式(7a)~(8a)及び(17a)中、Ra及びRaのうち1つが、R11~R16、R21~R24及びR41~R44が結合する炭素原子の少なくともいずれかに結合する単結合であり、前記一般式(18a)中、Ra及びRa~Raのうち1つが、R11~R16、R21~R24及びR41~R44が結合する炭素原子の少なくともいずれかに結合する単結合である。)
  15. 前記一般式(20)で表される化合物は、下記一般式(40)で表される化合物である、
    請求項8から請求項10のいずれか一項に記載の化合物。
    Figure 2022066695000110

    (前記一般式(40)において、R11~R16は、それぞれ独立に、前記一般式(20)におけるR11~R16と同義であり、R61~R68、及びR71~R78は、それぞれ独立に、前記一般式(20)におけるR11~R16と同義である。)
  16. 前記一般式(40)で表される化合物は、下記一般式(40A)で表される化合物である、
    請求項15に記載の化合物。
    Figure 2022066695000111
    (前記一般式(40A)において、R13及びR16は、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、R61~R68、及びR71~R78は、それぞれ独立に、前記一般式(40)におけるR61~R68、及びR71~R78と同義である。)
  17. 前記一般式(40A)で表される化合物は、下記一般式(41A)、(41B)、又は(41C)で表される化合物である、
    請求項16に記載の化合物。
    Figure 2022066695000112

    (前記一般式(41A)、(41B)及び(41C)において、R13及びR16は、それぞれ独立に、前記一般式(40A)におけるR13及びR16と同義であり、R61、R63、R66、R68、R71、R73、R76及びR78は、それぞれ独立に、前記一般式(40A)におけるR61、R63、R66、R68、R71、R73、R76及びR78と同義である。)
  18. 13及びR16は、それぞれ独立に、
    置換もしくは無置換の環形成炭素数6~18のアリール基、又は
    置換もしくは無置換の環形成原子数5~18の複素環基であり、
    61~R68、及びR71~R78は、それぞれ独立に、
    水素原子、
    シアノ基、
    置換もしくは無置換の炭素数1~12のアルキル基、
    置換もしくは無置換の環形成炭素数3~12のシクロアルキル基、
    -Si(R901)(R902)(R903)で表される基、
    -O-(R904)で表される基、
    置換もしくは無置換の環形成炭素数6~18のアリール基、又は
    置換もしくは無置換の環形成原子数5~18の複素環基であり、
    901~R904は、それぞれ独立に、
    水素原子、
    置換もしくは無置換の炭素数1~12のアルキル基、
    置換もしくは無置換の環形成炭素数3~12のシクロアルキル基、
    置換もしくは無置換の環形成炭素数6~18のアリール基、又は
    置換もしくは無置換の環形成原子数5~18の複素環基であり、
    901が2個以上存在する場合、2個以上のR901は、互いに同一であるか、又は異なり、
    902が2個以上存在する場合、2個以上のR902は、互いに同一であるか、又は異なり、
    903が2個以上存在する場合、2個以上のR903は、互いに同一であるか、又は異なり、
    904が2個以上存在する場合、2個以上のR904は、互いに同一であるか、又は異なる。)
    請求項16または請求項17に記載の化合物。
  19. 前記一般式(20)で表される化合物において、「置換もしくは無置換の」という場合における置換基が、それぞれ独立に、
    置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
    置換もしくは無置換の炭素数1~50のハロゲン化アルキル基、
    置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
    -Si(R901)(R902)(R903)で表される基、
    -O-(R904)で表される基、
    シアノ基、
    置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
    置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、
    901~R904は、それぞれ独立に、前記一般式(20)におけるR901~R904と同義である、
    請求項1から請求項18のいずれか一項に記載の化合物。
  20. 請求項1から請求項19のいずれか一項に記載の化合物を含む有機エレクトロルミネッセンス素子用材料。
  21. 陰極と、
    陽極と、
    前記陰極及び前記陽極の間に配置された1以上の有機層と、を有し、
    前記有機層のうちの少なくとも1つの層が、請求項1から請求項19のいずれか一項に記載の化合物を含む、
    有機エレクトロルミネッセンス素子。
  22. 陰極と、
    陽極と、
    前記陰極及び前記陽極の間に配置された1以上の有機層と、を有し、
    前記有機層のうちの少なくとも1つの層が、請求項1から請求項19のいずれか一項に記載の化合物と、下記一般式(10)で表される化合物と、を含む、
    有機エレクトロルミネッセンス素子。
    Figure 2022066695000113

    [前記一般式(10)中、
    101~R110のうちの隣接する2つ以上からなる組の1組以上は、
    互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、
    互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は
    互いに結合せず、
    前記置換もしくは無置換の単環を形成せず、かつ前記置換もしくは無置換の縮合環を形成しないR101~R110は、それぞれ独立に、
    水素原子、
    置換基R、又は
    下記一般式(11)で表される基である。
    -L101-Ar101 (11)
    (前記一般式(11)中、
    101は、
    単結合、
    置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリーレン基、又は
    置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の2価の複素環基である。
    Ar101は、
    置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
    置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基である。)
    前記置換基Rは、
    置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
    置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
    置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
    置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
    -Si(R901)(R902)(R903)で表される基、
    -O-(R904)で表される基、
    -S-(R905)で表される基、
    -N(R906)(R907)で表される基、
    ハロゲン原子、
    シアノ基、
    ニトロ基、
    置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
    置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、
    前記置換基Rが2個以上存在する場合、2個以上の前記置換基Rは、互いに同一であるか、又は異なり、
    901~R907は、それぞれ独立に、
    水素原子、
    置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
    置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
    置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
    置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、
    901が2個以上存在する場合、2個以上のR901は、互いに同一であるか、又は異なり、
    902が2個以上存在する場合、2個以上のR902は、互いに同一であるか、又は異なり、
    903が2個以上存在する場合、2個以上のR903は、互いに同一であるか、又は異なり、
    904が2個以上存在する場合、2個以上のR904は、互いに同一であるか、又は異なり、
    905が2個以上存在する場合、2個以上のR905は、互いに同一であるか、又は異なり、
    906が2個以上存在する場合、2個以上のR906は、互いに同一であるか、又は異なり、
    907が2個以上存在する場合、2個以上のR907は、互いに同一であるか、又は異なり、
    但し、前記置換もしくは無置換の単環を形成せず、かつ前記置換もしくは無置換の縮合環を形成しないR101~R110の少なくとも1つは、前記一般式(11)で表される基であり、
    前記一般式(11)が2以上存在する場合、2以上の前記一般式(11)で表される基のそれぞれは、互いに同一であるか、又は異なり、
    101が2以上存在する場合、2以上のL101は、互いに同一であるか、又は異なり、
    Ar101が2以上存在する場合、2以上のAr101は、互いに同一であるか、又は異なる。]
  23. 請求項21又は請求項22に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子において、
    請求項1から請求項19のいずれか一項に記載の化合物を含む層が発光層であり、
    前記陽極と前記発光層との間に正孔輸送層を有する、
    有機エレクトロルミネッセンス素子。
  24. 請求項21から請求項23のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子において、
    請求項1から請求項18のいずれか一項に記載の化合物を含む層が発光層であり、
    前記陰極と前記発光層との間に電子輸送層を有する、
    有機エレクトロルミネッセンス素子。
  25. 請求項21から請求項24のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子において、
    請求項1から請求項19のいずれか一項に記載の化合物を含む層が発光層であり、
    前記発光層が、さらに遅延蛍光性のホスト化合物を含む、
    有機エレクトロルミネッセンス素子。
  26. 請求項21から請求項25のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子を搭載した電子機器。
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