以下、添付図面を参照して、医用画像処理装置、医用画像診断装置及びプログラムの実施形態について詳細に説明する。
(第1の実施形態)
本実施形態では、医用画像診断装置10及び医用画像処理装置20を含んだ医用画像処理システム1を一例として説明する。例えば、医用画像処理システム1は、図1に示すように、医用画像診断装置10、医用画像処理装置20及び画像保管装置30を有する。図1は、第1の実施形態に係る医用画像処理システム1の構成の一例を示すブロック図である。医用画像診断装置10、医用画像処理装置20及び画像保管装置30は、ネットワークNWを介して相互に接続される。
なお、ネットワークNWを介して接続可能であれば、医用画像処理システム1に含まれる各装置が設置される場所は任意である。例えば、医用画像診断装置10、医用画像処理装置20及び画像保管装置30は、互いに異なる施設内に設置されていてもよい。即ち、ネットワークNWは、施設内で閉じたローカルネットワークにより構成されてもよいし、インターネットを介したネットワークであってもよい。
医用画像診断装置10は、被検体Pから医用画像を収集する装置である。例えば、医用画像診断装置10は、X線診断装置、X線CT(Computed Tomography)装置、MRI(Magnetic Resonance Imaging)装置、超音波診断装置、SPECT(Single Photon Emission Computed Tomography)装置、PET(Positron Emission computed Tomography)装置等である。なお、図1においては単一の医用画像診断装置10を示すが、医用画像処理システム1は、医用画像診断装置10を複数含んでもよい。また、医用画像処理システム1は、複数種類の医用画像診断装置10を含んでもよい。例えば、医用画像処理システム1は、医用画像診断装置10として、X線CT装置とMRI装置とを含んでもよい。
画像保管装置30は、医用画像診断装置10によって収集された医用画像を保管する装置である。例えば、画像保管装置30は、任意の記憶装置を装置内又は装置外に備え、ネットワークNWを介して医用画像診断装置10から取得した医用画像を、データベースの形態で管理する。例えば、画像保管装置30は、PACS(Picture Archiving and Communication System)のサーバである。また、画像保管装置30は、医用画像処理システム1とネットワークNWを介して接続されたサーバ群(クラウド)により実現されることとしてもよい。
医用画像処理装置20は、医用画像診断装置10によって収集された医用画像の表示を行なう装置である。例えば、医用画像処理装置20は、図1に示すように、メモリ21、ディスプレイ22、入力インタフェース23及び処理回路24を備える。
メモリ21は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、ハードディスク、光ディスク等により実現される。例えば、メモリ21は、医用画像診断装置10によって収集された医用画像を記憶する。また、メモリ21は、医用画像処理装置20に含まれる回路がその機能を実現するためのプログラムを記憶する。
ディスプレイ22は、各種の情報を表示する。例えば、ディスプレイ22は、入力インタフェース23を介してユーザから各種の指示や設定等を受け付けるためのGUI(Graphical User Interface)を表示する。また、ディスプレイ22は、医用画像の表示を行なう。例えば、ディスプレイ22は、液晶ディスプレイやCRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイである。ディスプレイ22は、デスクトップ型でもよいし、医用画像処理装置20本体と無線通信可能なタブレット端末等で構成されることにしても構わない。
なお、図1においては医用画像処理装置20がディスプレイ22を備えるものとして説明するが、医用画像処理装置20は、ディスプレイ22に代えて又は加えて、プロジェクタを備えてもよい。プロジェクタは、処理回路24による制御の下、スクリーンや壁、床、被検体Pの体表面等に対して投影を行なうことができる。一例を挙げると、プロジェクタは、プロジェクションマッピングによって、任意の平面や物体、空間等への投影を行なうこともできる。
入力インタフェース23は、ユーザからの各種の入力操作を受け付け、受け付けた入力操作を電気信号に変換して処理回路24に出力する。例えば、入力インタフェース23は、マウスやキーボード、トラックボール、スイッチ、ボタン、ジョイスティック、操作面へ触れることで入力操作を行うタッチパッド、表示画面とタッチパッドとが一体化されたタッチスクリーン、光学センサを用いた非接触入力回路、音声入力回路等により実現される。なお、入力インタフェース23は、医用画像処理装置20本体と無線通信可能なタブレット端末等で構成されることにしても構わない。また、入力インタフェース23は、モーションキャプチャによりユーザからの入力操作を受け付ける回路であっても構わない。一例を挙げると、入力インタフェース23は、トラッカーを介して取得した信号やユーザについて収集された画像を処理することにより、ユーザの体動や視線等を入力操作として受け付けることができる。また、入力インタフェース23は、マウスやキーボード等の物理的な操作部品を備えるものだけに限られない。例えば、医用画像処理装置20とは別体に設けられた外部の入力機器から入力操作に対応する電気信号を受け取り、この電気信号を処理回路24へ出力する電気信号の処理回路も、入力インタフェース23の例に含まれる。
処理回路24は、制御機能24a、設定機能24b、取得機能24c、表示制御機能24d及び受付機能24eを実行することで、医用画像処理装置20全体の動作を制御する。設定機能24bは、設定部の一例である。取得機能24cは、取得部の一例である。表示制御機能24dは、表示制御部の一例である。受付機能24eは、受付部の一例である。
例えば、処理回路24は、制御機能24aに対応するプログラムをメモリ21から読み出して実行することにより、入力インタフェース23を介してユーザから受け付けた各種の入力操作に基づいて、設定機能24b、取得機能24c、表示制御機能24d、受付機能24eといった各種の機能を制御する。
また、制御機能24aは、ネットワークNWを介したデータの送受信を制御する。例えば、制御機能24aは、医用画像診断装置10によって収集された医用画像をネットワークNWを介して受信し、メモリ21に記憶させる。即ち、制御機能24aは、医用画像を取得する。ここで、制御機能24aは、医用画像診断装置10から直接的に医用画像を取得してもよいし、画像保管装置30から医用画像を取得してもよい。
また、処理回路24は、設定機能24bに対応するプログラムをメモリ21から読み出して実行することにより、複数の第1画像それぞれに対して位置が相関する関心領域を設定する。ここで、第1画像とは、診断に供するための表示用の医用画像である。例えば、第1画像は、3次元医用画像から断面再構成法(MPR:Multi Planar Reconstruction)によって生成された、任意断面の2次元画像である。第1画像は、CT値の分布を示したCT画像等の通常の医用画像であってもよいし、解析処理の結果を示す医用画像であってもよい。設定機能24bによる処理の詳細については後述する。
また、処理回路24は、取得機能24cに対応するプログラムをメモリ21から読み出して実行することにより、設定機能24bによって設定された関心領域に基づいて、複数の第2画像を取得する。ここで、第2画像とは、診断に供するための表示用の医用画像であり、且つ、第1画像とは種類が異なる医用画像である。例えば、第2画像は、第1画像に対する解析処理によって生成される解析画像、又は、第1画像の生成に用いた元データに対する解析処理によって生成される解析画像である。なお、第1画像が解析画像である場合、第2画像は、第1画像と異なる種類の解析画像である。取得機能24cによる処理の詳細については後述する。
また、処理回路24は、表示制御機能24dに対応するプログラムをメモリ21から読み出して実行することにより、複数の第1画像と複数の第2画像とを同時に、ディスプレイ22に表示させる。また、処理回路24は、受付機能24eに対応するプログラムをメモリ21から読み出して実行することにより、関心領域の設定に関する入力操作を受け付ける。表示制御機能24d及び受付機能24eによる処理の詳細については後述する。
図1に示す医用画像処理装置20においては、各処理機能がコンピュータによって実行可能なプログラムの形態でメモリ21へ記憶されている。処理回路24は、メモリ21からプログラムを読み出して実行することで各プログラムに対応する機能を実現するプロセッサである。換言すると、プログラムを読み出した状態の処理回路24は、読み出したプログラムに対応する機能を有することとなる。
なお、図1においては単一の処理回路24にて、制御機能24a、設定機能24b、取得機能24c、表示制御機能24d及び受付機能24eが実現するものとして説明したが、複数の独立したプロセッサを組み合わせて処理回路24を構成し、各プロセッサがプログラムを実行することにより機能を実現するものとしても構わない。また、処理回路24が有する各処理機能は、単一又は複数の処理回路に適宜に分散又は統合されて実現されてもよい。
また、処理回路24は、ネットワークNWを介して接続された外部装置のプロセッサを利用して、機能を実現することとしてもよい。例えば、処理回路24は、メモリ21から各機能に対応するプログラムを読み出して実行するとともに、医用画像処理装置20とネットワークNWを介して接続されたサーバ群(クラウド)を計算資源として利用することにより、図1に示す各機能を実現する。
次に、医用画像診断装置10の構成例について説明する。医用画像診断装置10の種類については特に限定されるものではないが、本実施形態においては一例として、図2に示すX線CT装置11について説明する。図2は、第1の実施形態に係るX線CT装置11の構成の一例を示すブロック図である。図2に示すように、X線CT装置11は、架台装置110と、寝台装置130と、コンソール装置140とを有する。
図2においては、非チルト状態での回転フレーム113の回転軸又は寝台装置130の天板133の長手方向をZ軸方向とする。また、Z軸方向に直交し、床面に対し水平である軸方向をX軸方向とする。また、Z軸方向に直交し、床面に対し垂直である軸方向をY軸方向とする。なお、図2は、説明のために架台装置110を複数方向から描画したものであり、X線CT装置11が架台装置110を1つ有する場合を示す。
架台装置110は、X線管111と、X線検出器112と、回転フレーム113と、X線高電圧装置114と、制御装置115と、ウェッジ116と、コリメータ117と、DAS118とを有する。
X線管111は、熱電子を発生する陰極(フィラメント)と、熱電子の衝突を受けてX線を発生する陽極(ターゲット)とを有する真空管である。X線管111は、X線高電圧装置114からの高電圧の印加により、陰極から陽極に向けて熱電子を照射することで、被検体Pに対し照射するX線を発生する。
X線検出器112は、X線管111から照射されて被検体Pを通過したX線を検出し、検出したX線量に対応した信号をDAS118へと出力する。X線検出器112は、例えば、X線管111の焦点を中心とした1つの円弧に沿ってチャンネル方向(チャネル方向)に複数の検出素子が配列された複数の検出素子列を有する。X線検出器112は、例えば、チャネル方向に複数の検出素子が配列された検出素子列が列方向(スライス方向、row方向)に複数配列された構造を有する。
例えば、X線検出器112は、グリッドと、シンチレータアレイと、光センサアレイとを有する間接変換型の検出器である。シンチレータアレイは、複数のシンチレータを有する。シンチレータは入射X線量に応じた光子量の光を出力するシンチレータ結晶を有する。グリッドは、シンチレータアレイのX線入射側の面に配置され、散乱X線を吸収するX線遮蔽板を有する。なお、グリッドはコリメータ(1次元コリメータ又は2次元コリメータ)と呼ばれる場合もある。光センサアレイは、シンチレータからの光量に応じた電気信号に変換する機能を有し、例えば、フォトダイオード等の光センサを有する。なお、X線検出器112は、入射したX線を電気信号に変換する半導体素子を有する直接変換型の検出器であっても構わない。
回転フレーム113は、X線管111とX線検出器112とを対向支持し、制御装置115によってX線管111とX線検出器112とを回転させる円環状のフレームである。例えば、回転フレーム113は、アルミニウムを材料とした鋳物である。なお、回転フレーム113は、X線管111及びX線検出器112に加えて、X線高電圧装置114やウェッジ116、コリメータ117、DAS118等を更に支持することもできる。更に、回転フレーム113は、図2において図示しない種々の構成を更に支持することもできる。以下では、架台装置110において、回転フレーム113、及び、回転フレーム113と共に回転移動する部分を、回転部とも記載する。
X線高電圧装置114は、変圧器(トランス)及び整流器等の電気回路を有し、X線管111に印加する高電圧を発生する高電圧発生装置と、X線管111が発生するX線に応じた出力電圧の制御を行なうX線制御装置とを有する。高電圧発生装置は、変圧器方式であってもよいし、インバータ方式であってもよい。なお、X線高電圧装置114は、回転フレーム113に設けられてもよいし、図示しない固定フレームに設けられても構わない。
制御装置115は、CPU(Central Processing Unit)等を有する処理回路と、モータ及びアクチュエータ等の駆動機構とを有する。制御装置115は、入力インタフェース143からの入力信号を受けて、架台装置110及び寝台装置130の動作制御を行なう。例えば、制御装置115は、回転フレーム113の回転や架台装置110のチルト、寝台装置130の動作等について制御を行なう。一例を挙げると、制御装置115は、架台装置110をチルトさせる制御として、入力された傾斜角度(チルト角度)情報により、X軸方向に平行な軸を中心に回転フレーム113を回転させる。なお、制御装置115は架台装置110に設けられてもよいし、コンソール装置140に設けられてもよい。
ウェッジ116は、X線管111から照射されたX線量を調節するためのX線フィルタである。具体的には、ウェッジ116は、X線管111から被検体Pへ照射されるX線が予め定められた分布になるように、X線管111から照射されたX線を減衰させるX線フィルタである。例えば、ウェッジ116は、ウェッジフィルタ(wedge filter)やボウタイフィルタ(bow-tie filter)であり、所定のターゲット角度や所定の厚みとなるようにアルミニウム等を加工して作製される。
コリメータ117は、ウェッジ116を透過したX線の照射範囲を絞り込むための鉛板等であり、複数の鉛板等の組み合わせによってスリットを形成する。なお、コリメータ117は、X線絞りと呼ばれる場合もある。また、図2においては、X線管111とコリメータ117との間にウェッジ116が配置される場合を示すが、X線管111とウェッジ116との間にコリメータ117が配置される場合であってもよい。この場合、ウェッジ116は、X線管111から照射され、コリメータ117により照射範囲が制限されたX線を透過して減衰させる。
DAS118は、X線検出器112が有する各検出素子によって検出されるX線の信号を収集する。例えば、DAS118は、各検出素子から出力される電気信号に対して増幅処理を行なう増幅器と、電気信号をデジタル信号に変換するA/D変換器とを有し、検出データを生成する。DAS118は、例えば、プロセッサにより実現される。
DAS118が生成したデータは、回転フレーム113に設けられた発光ダイオード(Light Emitting Diode:LED)を有する送信機から、光通信によって、架台装置110の非回転部分(例えば、固定フレーム等。図2での図示は省略している)に設けられた、フォトダイオードを有する受信機に送信され、コンソール装置140へと転送される。ここで、非回転部分とは、例えば、回転フレーム113を回転可能に支持する固定フレーム等である。なお、回転フレーム113から架台装置110の非回転部分へのデータの送信方法は、光通信に限らず、非接触型の如何なるデータ伝送方式を採用してもよいし、接触型のデータ伝送方式を採用しても構わない。
寝台装置130は、スキャン対象の被検体Pを載置、移動させる装置であり、基台131と、寝台駆動装置132と、天板133と、支持フレーム134とを有する。基台131は、支持フレーム134を鉛直方向に移動可能に支持する筐体である。寝台駆動装置132は、被検体Pが載置された天板133を、天板133の長軸方向に移動する駆動機構であり、モータ及びアクチュエータ等を含む。支持フレーム134の上面に設けられた天板133は、被検体Pが載置される板である。なお、寝台駆動装置132は、天板133に加え、支持フレーム134を天板133の長軸方向に移動してもよい。
コンソール装置140は、メモリ141と、ディスプレイ142と、入力インタフェース143と、処理回路144とを有する。なお、コンソール装置140は架台装置110とは別体として説明するが、架台装置110にコンソール装置140又はコンソール装置140の各構成要素の一部が含まれてもよい。
メモリ141は、上述したメモリ21と同様にして構成することができる。例えば、メモリ141は、被検体Pに対するスキャンを実行することで収集される各種のデータを記憶する。また、メモリ141は、X線CT装置11に含まれる回路がその機能を実現するためのプログラムを記憶する。
ディスプレイ142は、上述したディスプレイ22と同様にして構成することができる。例えば、ディスプレイ142は、ユーザからの各種操作を受け付けるためのGUIを表示する。X線CT装置11は、ディスプレイ142に代えて又は加えて、プロジェクタを備えてもよい。
入力インタフェース143は、上述した入力インタフェース23と同様にして構成することができる。例えば、入力インタフェース143は、ユーザからの各種の入力操作を受け付け、受け付けた入力操作を電気信号に変換して処理回路144に出力する。
処理回路144は、制御機能144a、収集機能144b及び表示制御機能144cを実行することで、X線CT装置11全体の動作を制御する。なお、表示制御機能144cは、表示制御部の一例である。
例えば、処理回路144は、制御機能144aに対応するプログラムをメモリ141から読み出して実行することにより、入力インタフェース143を介してユーザから受け付けた各種の入力操作に基づいて、収集機能144b、表示制御機能144cいった各種の機能を制御する。また、制御機能144aは、ネットワークNWを介したデータの送受信を制御する。例えば、制御機能144aは、CTスキャンによって被検体Pから収集されたデータを、ネットワークNWを介して、医用画像処理装置20又は画像保管装置30に送信する。
また、処理回路144は、収集機能144bに対応するプログラムをメモリ141から読み出して実行することにより、CTスキャンを実行して被検体Pからデータを収集する。例えば、収集機能144bは、X線高電圧装置114を制御することにより、X線管111に高電圧を供給する。これにより、X線管111は、被検体Pに対し照射するX線を発生する。また、収集機能144bは、寝台駆動装置132を制御することにより、被検体Pを架台装置110の撮影口内へ移動させる。また、収集機能144bは、ウェッジ116の位置、及び、コリメータ117の開口度及び位置を調整することで、被検体Pに照射されるX線の分布を制御する。また、収集機能144bは、制御装置115を制御することにより回転部を回転させる。また、収集機能144bによってスキャンが実行される間、DAS118は、X線検出器112における各検出素子からX線の信号を収集し、検出データを生成する。また、収集機能144bは、DAS118から出力された検出データに対して、前処理を施す。例えば、収集機能144bは、DAS118から出力された検出データに対して、対数変換処理やオフセット補正処理、チャンネル間の感度補正処理、ビームハードニング補正等の前処理を施す。なお、前処理を施した後のデータについては生データとも記載する。また、前処理を施す前の検出データ及び前処理を施した後の生データを総称して、投影データとも記載する。また、処理回路144は、表示制御機能144cに対応するプログラムをメモリ141から読み出して実行することにより、ディスプレイ142における表示の制御を行なう。
図2に示すX線CT装置11においては、各処理機能がコンピュータによって実行可能なプログラムの形態でメモリ141へ記憶されている。処理回路144は、メモリ141からプログラムを読み出して実行することで各プログラムに対応する機能を実現するプロセッサである。換言すると、プログラムを読み出した状態の処理回路144は、読み出したプログラムに対応する機能を有することとなる。
なお、図2においては単一の処理回路144にて、制御機能144a、収集機能144b及び表示制御機能144cが実現するものとして説明したが、複数の独立したプロセッサを組み合わせて処理回路144を構成し、各プロセッサがプログラムを実行することにより機能を実現するものとしても構わない。また、処理回路144が有する各処理機能は、単一又は複数の処理回路に適宜に分散又は統合されて実現されてもよい。
また、処理回路144は、ネットワークを介して接続された外部装置のプロセッサを利用して、機能を実現することとしてもよい。例えば、処理回路144は、メモリ141から各機能に対応するプログラムを読み出して実行するとともに、X線CT装置11とネットワークを介して接続されたサーバ群(クラウド)を計算資源として利用することにより、図2に示す各機能を実現する。
以上、医用画像処理装置20を含んだ医用画像処理システム1の構成例について説明した。かかる構成の下、医用画像処理装置20における処理回路24は、複数の医用画像を効率的に確認することを可能とする。
以下では一例として、X線CT装置11においてデュアルエナジー(Dual Energy:DE)撮影が実行され、DE撮影によって生成された複数の医用画像を、医用画像処理装置20において表示する場合について説明する。なお、DE撮影は、複数の異なるX線エネルギーでのイメージングの一例である。
例えば、X線CT装置11における収集機能144bは、被検体Pに対するDE撮影を実行し、エネルギーE1に対応した第1の投影データと、エネルギーE1よりも高いエネルギーE2に対応した第2の投影データとを収集する。ここで、DE撮影の方式については特に限定されるものではないが、収集機能144bは、例えば、Slow-kVスイッチングや、Fast-kVスイッチング、積層型検出器(デュアルレイヤー)、デュアルソース方式、スプリット方式といった方式により、DE撮影を実行することができる。
Slow-kVスイッチングの方式でDE撮影を実行する場合、収集機能144bは、エネルギーE1のX線を用いて1回目のスキャンを行なった後、エネルギーE2のX線を用いて2回目のスキャンを行なう。例えば、収集機能144bは、X線高電圧装置114を制御し、X線管111に供給する管電圧を制御することで、エネルギーE1とエネルギーE2との切り替えを行なうことができる。これにより、収集機能144bは、1回目のスキャンにおいて第1の投影データを収集し、2回目のスキャンにおいて第2の投影データを収集することができる。
Fast-kVスイッチングの方式でDE撮影を実行する場合、収集機能144bは、1回のスキャンの中で、X線照射角度(ビュー)ごとにX線のエネルギーを変化させて、エネルギーE1に対応する投影データとエネルギーE2に対応する投影データとを略同時に収集する。即ち、スキャン中、X線管111は図2に示したZ軸を回転軸として被検体Pの周囲を回転し、照射角度を変えながら被検体PにX線を照射する。ここで、収集機能144bは、ビューごとにX線のエネルギーをエネルギーE1とエネルギーE2との間で高速に切り替えることで、第1の投影データと第2の投影データとを収集する。
デュアルレイヤーの方式でDE撮影を実行する場合、X線CT装置11は、X線検出器112として、積層型検出器を備える。例えば、X線検出器112は、第1の層112aと、第2の層112bとから構成され、X線管111から照射されたX線を分光して検出する。例えば、第1の層112aはエネルギーE1のX線を検出し、第2の層112bは、第1の層112aを透過したエネルギーE2のX線を検出する。この場合、収集機能144bは、第1の層112aからの出力に基づいてエネルギーE1に対応する第1の投影データを収集し、第2の層112bからの出力に基づいてエネルギーE2に対応する第2の投影データを収集することができる。
デュアルソースの方式でDE撮影を実行する場合、X線CT装置11は、X線管111として、第1のX線管111a及び第2のX線管111bを備える。また、X線CT装置11は、X線検出器112として、第1のX線管111aから照射されたX線を検出する第1のX線検出器112cと、第2のX線管111bから照射されたX線を検出する第2のX線検出器112dとを備える。この場合、収集機能144bは、第1のX線管111aからエネルギーE1のX線を照射させ、第2のX線管111bからエネルギーE2のX線を照射させる。これにより、収集機能144bは、第1のX線検出器112cからの出力に基づいてエネルギーE1に対応する第1の投影データを収集し、第2のX線検出器112dからの出力に基づいてエネルギーE2に対応する第2の投影データを収集することができる。
スプリット方式でDE撮影を実行する場合、X線CT装置11は、ウェッジ116として、X線管111から照射されたX線をエネルギーの異なる複数のX線に分割するフィルタを備える。例えば、X線CT装置11は、ウェッジ116として、X線フィルタ116a及びX線フィルタ116bを備える。この場合、収集機能144bは、X線管111から照射されてX線フィルタ116aを透過したX線の検出結果に基づいてエネルギーE1に対応する第1の投影データを収集し、X線管111から照射されてX線フィルタ116bを透過したX線の検出結果に基づいてエネルギーE2に対応する第2の投影データを収集することができる。
制御機能144aは、被検体Pから収集された第1の投影データ及び第2の投影データを、画像保管装置30に送信する。また、医用画像処理装置20における制御機能24aは、画像保管装置30から、第1の投影データ及び第2の投影データを取得する。なお、制御機能24aは、画像保管装置30を介すことなく、X線CT装置11から直接的に第1の投影データ及び第2の投影データを取得することとしても構わない。
次に、取得機能24cは、第1の投影データ及び第2の投影データに基づいて、各種の医用画像を取得する。例えば、取得機能24cは、エネルギーE1に対応する第1の投影データと、エネルギーE2に対応する第2の投影データとに基づいて、2種類の基準物質による物質弁別処理を実行し、物質弁別の結果に基づいて各種の画像を生成する。なお、物質弁別処理は、解析処理の一例である。
例えば、取得機能24cは、まず、再構成処理を実行し、第1の投影データに基づく第1の再構成画像と、第2の投影データに基づく第2の再構成画像とをそれぞれ生成する。一例を挙げると、取得機能24cは、各投影データについて、フィルタ補正逆投影法や逐次近似再構成法、逐次近似応用再構成法等を用いた再構成処理を行なうことにより、再構成画像(ボリュームデータ)を生成する。また、取得機能24cは、AI(Artificial Intelligence)による再構成処理を行なって、再構成画像を生成することもできる。例えば、取得機能24cは、DLR(Deep Learning Reconstruction)法により、再構成画像を生成する。
次に、取得機能24cは、第1の再構成画像及び第2の再構成画像のそれぞれについて線減弱係数の分布を求め、各位置(各画素)について以下の式(1)の連立方程式を解くことで、各位置における2つの基準物質の混合量や混合割合を算出する。
ここで、「μ(E1)」は単色X線エネルギー「E1」における各位置の線減弱係数を示し、「μ(E2)」は単色X線エネルギー「E2」における各位置の線減弱係数を示す。また、「μα(E)」は基準物質αの線減弱係数を示し、「μβ(E)」は基準物質βの線減弱係数を示す。また、「cα」は基準物質αの混合量を示し、「cβ」は基準物質βの混合量を示す。なお、各基準物質のエネルギーごとの線減弱係数は既知である。例えば、取得機能24cは、被検体Pにおける観察対象の疾患等に応じて2種類の基準物質「α、β」を設定し、式(1)の連立方程式を解くことで物質弁別を行なう。
そして、取得機能24cは、物質弁別に基づく各種の画像を生成する。例えば、取得機能24cは、各基準物質についての基準物質画像を生成する。一例を挙げると、取得機能24cは、基準物質αを強調した基準物質画像と、基準物質βを強調した基準物質画像とをそれぞれ生成する。また、取得機能24cは、複数の基準物質画像を用いて、各基準物質の混合割合に基づく重み付け計算処理を行なうことにより、所定のエネルギーにおける仮想単色X線画像(モノクロマティック画像とも記載する)や、密度画像、実効原子番号画像等、種々の画像を生成することもできる。
なお、再構成処理を施した後の段階(再構成画像の段階)で物質弁別処理を行なう場合について説明したが、取得機能24cは、再構成処理を施す前の段階(投影データの段階)で物質弁別処理を行なってもよい。また、物質弁別処理については、X線CT装置11において行なうこととしてもよい。例えば、収集機能144bは、被検体Pに対するCTスキャンを実行して第1の投影データ及び第2の投影データを収取するとともに、上記の物質弁別処理を実行し、各基準物質についての基準物質画像を生成する。この場合、取得機能24cは、X線CT装置11から送信された基準物質画像に基づいて、仮想単色X線画像や、密度画像、実効原子番号画像等を生成することができる。
次に、設定機能24bは、関心領域の設定を行なう。例えば、取得機能24cは、物質弁別処理によって生成された仮想単色X線画像に基づいて、被検体Pのアキシャル面を示す断面画像を生成する。次に、表示制御機能24dは、図3の上部に示すように、断面画像をディスプレイ22に表示させる。次に、受付機能24eは、関心領域の設定に関する入力操作を受け付ける。一例を挙げると、受付機能24eは、断面画像を参照したユーザから、断面画像上の観察対象の疾患を含むように、矩形領域の位置及び大きさを調整する入力操作を受け付ける。そして、設定機能24bは、受付機能24eが受け付けた入力操作に基づいて、図3に示す関心領域(Region of Interest:ROI)を設定する。或いは、設定機能24bは、観察対象の疾患等に基づいて、図3に示すROIを自動設定してもよい。なお、図3上部に示す断面画像は、第1画像の一例である。また、図3は、第1の実施形態に係る表示例を示す図である。
次に、取得機能24cは、第1画像に対して設定された関心領域に基づいて、第1画像とは種類が異なる第2画像を取得する。例えば、取得機能24cは、基準物質画像や、密度画像、実効原子番号画像といった各種の解析画像から、図3のROIに相当する領域を切り出すことにより、第2画像を取得する。即ち、取得機能24cは、第1画像とは種類が異なり、且つ、複数の種類に対応した画像を取得し、当該画像のうち図3のROIに相当する領域を第2画像として切り出す。別の例を挙げると、取得機能24cは、基準物質画像のうちのROIに相当する領域について、各基準物質の混合割合に基づく重み付け計算処理を行なうことにより、密度画像や実効原子番号画像等の第2画像を生成する。或いは、取得機能24cは、物質弁別処理以外の任意の解析処理による解析画像であってROIに相当する領域を示す画像を、第2画像として生成してもよい。ここで、取得機能24cは、第2画像を複数生成することもできる。この場合、表示制御機能24dは、図3の下部に示すように、複数の第2画像を、第1画像と同時に表示させることができる。
図3に示す表示例によれば、ユーザは、画面上部のアキシャル面の画像上に設定されたROIについての複数の解析画像を同時に参照することができる。即ち、図3に示す表示例によれば、複数の医用画像を効率的に確認できるようにすることができる。
ここで、医用画像を参照するユーザは、アキシャル面と異なる断面の表示を希望する場合がある。例えば、ユーザは、アキシャル面において被検体Pの疾患を観察した後、別の方向からこの疾患を観察する必要があると判断する場合がある。この場合、図3に示す各画像の表示断面を切り替えることが可能であるが、ユーザが希望する毎に表示断面を切り替えることは煩雑である。また、断面間の比較を行なうためには切り替え前の画像をユーザが記憶しておく必要があり、ユーザにとっての負担となる。
そこで、医用画像処理装置20は、以下で詳細に説明する処理によって、複数の医用画像をより効率的に確認できるようにする。例えば、医用画像処理装置20は、図4に示すように、複数の第1画像及び複数の種類に対応した複数の第2画像を取得し、複数の第1画像と複数の第2画像とを同時に表示させることで、複数の医用画像をより効率的に確認できるようにする。なお、図4は、第1の実施形態に係る表示例を示す図である。
具体的には、まず、設定機能24bは、関心領域の設定を行なう。例えば、取得機能24cは、物質弁別処理によって生成された仮想単色X線画像に基づいて、第1画像I111、第1画像I112及び、第1画像I113を生成する。第1画像I111~I113は、例えば、互いに直交する3断面のMPR画像である。一例を挙げると、第1画像I111はアキシャル面のMPR画像であり、第1画像I112はサジタル面のMPR画像であり、第1画像I113はコロナル面のMPR画像である。次に、表示制御機能24dは、図4に示すように、第1画像I111~I113をディスプレイ22に表示させる。次に、受付機能24eは、関心領域の設定に関する入力操作を受け付ける。
例えば、受付機能24eは、第1画像I111~I113のいずれかに対して関心領域を設定する操作をユーザから受け付ける。ここでは一例として、第1画像I111に対して関心領域を設定する操作が行われる場合について説明する。例えば、受付機能24eは、まず、図4において第1画像I111をクリックする操作をユーザから受け付ける。これにより、第1画像I111~I113のうち第1画像I111がアクティブとなる。次に、受付機能24eは、第1画像I111上の観察対象の疾患を含むように矩形領域の位置及び大きさを調整する入力操作を受け付ける。そして、設定機能24bは、受付機能24eが受け付けた入力操作に基づいて、図4に示す関心領域R11を設定する。
次に、設定機能24bは、関心領域R11と位置が相関する関心領域を、第1画像I112及び第1画像I113に対して設定する。例えば、設定機能24bは、関心領域R11の中心を通り、且つ、関心領域R11と同じ形状及び大きさを有する関心領域R12を、第1画像I112に対して設定する。同様に、設定機能24bは、関心領域R11の中心を通り、且つ、関心領域R11と同じ形状及び大きさを有する関心領域R13を、第1画像I113に対して設定する。即ち、設定機能24bは、第1画像I111~I113の間で中心位置が同じになるように、複数の第1画像それぞれの関心領域を設定する。
なお、関心領域の設定方法については種々の変形が可能である。例えば、設定機能24bは、複数の第1画像それぞれに対して、大きさが異なる関心領域を設定してもよい。また、設定機能24bは、複数の第1画像それぞれに対して、形状が異なる関心領域を設定してもよい。また、設定機能24bは、受付機能24eが受け付けた入力操作に関わらず、関心領域を自動設定してもよい。例えば、設定機能24bは、第1画像I111に対する画像処理を行なって観察対象の疾患を抽出し、抽出した疾患を含むように関心領域R11を設定する。そして、設定機能24bは、関心領域R11と中心位置が同じになるように、関心領域R12及び関心領域R13を設定する。
設定機能24bが設定した関心領域は、図4に示すように、それぞれ対応する第1画像の上に表示される。ここで、表示制御機能24dは、複数の関心領域を相互に区別できるように表示させてもよい。例えば、表示制御機能24dは、関心領域R11~R13それぞれの枠の色が異なるように表示させる。また、表示制御機能24dは、各関心領域について、他の関心領域との交差線を表示させてもよい。例えば、表示制御機能24dは、図4の関心領域R11内において、関心領域R12及び関心領域R13を十字の破線で示すことができる。
次に、取得機能24cは、第1画像に対して設定された関心領域に基づいて、第1画像とは種類が異なる第2画像を取得する。例えば、医用画像処理装置20は、関心領域R11~R13に基づいて、複数の第1画像及び複数の種類に対応した複数の第2画像を取得する。
例えば、取得機能24cは、第2画像として、DE撮影により得られる解析画像を取得する。一例を挙げると、取得機能24cは、基準物質画像や、密度画像、実効原子番号画像といった各種の解析画像から関心領域R11に相当する領域を切り出すことにより、関心領域R11に基づく第2画像を取得する。別の例を挙げると、取得機能24cは、基準物質画像のうちの関心領域R11に相当する領域について各基準物質の混合割合に基づく重み付け計算処理を行なうことにより、関心領域R11に基づく第2画像として、密度画像や実効原子番号画像等を生成する。
或いは、取得機能24cは、物質弁別処理以外の任意の解析処理による解析画像であって、関心領域R11に相当する領域を示す画像を、関心領域R11に基づく第2画像として取得してもよい。一例を挙げると、取得機能24cは、被検体Pに対して実行されたCTパーフュージョン(Perfusion)の結果を示すパーフュージョン画像であって、関心領域R11に相当する領域を示す画像を、関心領域R11に基づく第2画像として取得する。
例えば、取得機能24cは、関心領域R11に基づく複数の第2画像として、図4に示す第2画像I211a、第2画像I211b、第2画像I211c及び第2画像I211dを取得する。即ち、取得機能24cは、関心領域R11に基づいて、複数の種類に対応した複数の第2画像を取得する。同様に、取得機能24cは、関心領域R12に基づく複数の第2画像として、図4に示す第2画像I212a、第2画像I212b、第2画像I212c及び第2画像I212dを取得する。同様に、取得機能24cは、関心領域R13に基づく複数の第2画像として、図4に示す第2画像I213a、第2画像I213b、第2画像I213c及び第2画像I213dを取得する。即ち、取得機能24cは、関心領域R11~R13に基づいて、複数の第1画像及び複数の種類に対応した複数の第2画像を取得する。
そして、表示制御機能24dは、図4に示すように、取得機能24cによって取得された複数の第2画像を、複数の第1画像と同時に表示させる。例えば、表示制御機能24dは、第1画像I111の下部と隣接したウィンドウ内に第2画像I211a~I211dをグルーピングして表示させる。ここで、表示制御機能24dは、関心領域R11と同じサイズで、第2画像I211a~I211dを表示させることができる。即ち、表示制御機能24dは、第1画像I111と第2画像I211a~I211dとを同じ拡大率で表示させることができる。同様に、表示制御機能24dは、第1画像I112の下部と隣接したウィンドウ内に第2画像I212a~I212dをグルーピングして表示させ、第1画像I113の下部と隣接したウィンドウ内に第2画像I213a~I213dをグルーピングして表示させる。例えば、表示制御機能24dは、まずは第1画像I111~I113のみを表示させ、ユーザから解析画像の表示が指示された場合に、第2画像I211a~I211d、第2画像I212a~I212d、及び、第2画像I213a~I213dを更に表示させる。
図4に示す表示例によれば、第1画像I111に設定された関心領域R11について、種類が異なる複数の第2画像を同時に参照することができる。例えば、ユーザは、第1画像I111において関心領域R11内の疾患を観察するとともに、関心領域R11についての複数の解析画像を効率的に確認することができる。更に、ユーザは、第1画像I112や第1画像I113といった異なる断面画像を同時に確認するとともに、各断面画像の関心領域についての複数の解析画像を確認することもできる。即ち、図4に示す表示例によれば、複数の医用画像をより効率的に確認することができる。
なお、図4においては、1つの第1画像に対して4種類の第2画像を表示する場合について説明したが、取得機能24cが取得することのできる第2画像の種類は、4種類よりも多い場合がある。この場合、取得機能24cは、ユーザ情報、被検体情報、撮影プロトコル及び観察対象の疾患の少なくとも1つに基づいて4種類の解析画像を選択的に取得し、表示制御機能24dは、取得機能24cによって取得された4種類の解析画像を表示させることができる。即ち、表示制御機能24dは、ユーザ情報、被検体情報、撮影プロトコル及び観察対象の疾患の少なくとも1つに基づいて、複数の第2画像を表示させることができる。
例えば、表示制御機能24dは、第1画像及び第2画像を参照するユーザに関するユーザ情報を取得する。ここで、ユーザ情報とは、例えば、過去に行なわれた画像診断において、当該ユーザが診断に使用することの多かった解析画像の種類を示す情報である。例えば、当該ユーザによる過去の診断において実効原子番号画像が多用されていた場合には、取得機能24cは、少なくとも実効原子番号画像を含む複数の第2画像を取得し、表示制御機能24dは、実効原子番号画像を含む複数の第2画像をディスプレイ22に表示させる。例えば、表示制御機能24dは、ユーザ情報を、病院情報システム(HIS:Hospital Information System)や放射線情報システム(RIS:Radiology Information System)等のシステムから自動取得することができる。
また、例えば、表示制御機能24dは、被検体Pに関する被検体情報を取得する。ここで、被検体情報とは、例えば、被検体Pが訴えている症状や、被検体Pの年齢、過去の病歴等の情報である。例えば、取得機能24cは、被検体情報に応じて、被検体Pが有している可能性がある疾患を推定する。そして、取得機能24cは、推定した疾患に関する診断を行なうのに適した第2画像を取得し、表示制御機能24dは、取得機能24cによって取得された第2画像をディスプレイ22に表示させる。例えば、表示制御機能24dは、被検体情報を、HISやRIS等のシステムから自動取得することができる。或いは、表示制御機能24dは、入力インタフェース23を介してユーザからの入力操作を受け付けることにより、被検体情報を取得してもよい。
また、例えば、表示制御機能24dは、被検体Pの撮影における撮影プロトコルを取得する。ここで、撮影プロトコルには、デュアルエナジー撮影/シングルエナジー撮影といった撮影種類の情報、撮影部位の情報、線量や撮影時間といった撮影条件の情報等が含まれる。例えば、デュアルエナジー撮影が行われた場合には、基準物質画像や実効原子番号画像といった物質弁別画像が画像診断に使用される場合が多い。そこで、取得機能24cは、少なくとも物質弁別画像を含む複数の第2画像を取得し、表示制御機能24dは、物質弁別画像を含む複数の第2画像をディスプレイ22に表示させる。例えば、表示制御機能24dは、撮影プロトコルを、HISやRIS等のシステム、或いは、X線CT装置11から自動取得することができる。
また、例えば、表示制御機能24dは、被検体Pに関する観察対象の疾患を取得する。例えば、取得機能24cは、観察対象の疾患に関する診断を行なうのに適した第2画像を取得し、表示制御機能24dは、取得機能24cによって取得された第2画像をディスプレイ22に表示させる。例えば、表示制御機能24dは、観察対象の疾患を、HISやRIS等のシステムから自動取得することができる。或いは、表示制御機能24dは、入力インタフェース23を介してユーザからの入力操作を受け付けることにより、観察対象の疾患を取得してもよい。
或いは、取得機能24cは、5種類以上の第2画像を取得し、表示制御機能24dは、ユーザ情報、被検体情報、撮影プロトコル及び観察対象の疾患の少なくとも1つに基づいて、取得機能24cによって取得された複数の第2画像のうちの4種類を選択的に表示させてもよい。即ち、取得機能24cによって取得された第2画像の種類が多い場合、表示制御機能24dは、第2画像の一部について表示を省略してもよい。
なお、ユーザ情報、被検体情報、撮影プロトコル及び観察対象の疾患の少なくとも1つに基づいて第2画像を表示させる場合について説明したが、実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、表示制御機能24dは、プリセットされた種類の第2画像を表示させることとしてもよい。また、表示制御機能24dは、第2画像を表示させる際に、表示させる種類の選択をユーザから受け付けてもよい。
また、取得された第2画像の一部について表示を省略している場合、表示制御機能24dは、表示を省略していることを示すアイコンを表示させてもよい。以下では一例として、1つの第1画像に対して5種類の第2画像が取得され、5種類の第2画像のうちの4種類をディスプレイ22に表示させる場合について説明する。
例えば、関心領域R11に基づいて第2画像I211a、第2画像I211b、第2画像I211c、第2画像I211d及び第2画像I211eが取得された場合において、表示制御機能24dは、図5Aに示すように、第2画像I211a~I211dを表示させる。例えば、表示制御機能24dは、ユーザ情報等に基づいて、第2画像I211a~I211eの中から第2画像I211a~I211dを選択的に表示させる。更に、表示制御機能24dは、第2画像I211eの表示を省略していることを示すアイコンA1を表示させる。図5Aは、第1の実施形態に係る表示例を示す図である。
ここで、ユーザによってアイコンA1が選択された場合、表示制御機能24dは、表示させる複数の第2画像を変更する。例えば、アイコンA1が選択された場合、表示制御機能24dは、図5Bに示すように、表示させる複数の第2画像を、第2画像I211b~I211eに変更する。更に、表示制御機能24dは、第2画像I211aの表示を省略していることを示すアイコンA2を表示させる。図5Bは、第1の実施形態に係る表示例を示す図である。図5A及び図5Bに示した表示の変更が行われた際、表示制御機能24dは、関心領域R12に基づく複数の第2画像及び関心領域R13に基づく複数の第2画像についても同様に表示を変更してもよいし、変更しなくてもよい。
別の例を挙げると、表示制御機能24dは、図6に示すように、第2画像I211a~I211dを表示させるとともに、第2画像I211eの表示を省略していることを示すアイコンA3を表示させる。図6は、第1の実施形態に係る表示例を示す図である。
例えば、アイコンA3は、第2画像I211eを縮小したサムネイル画像である。ここで、ユーザによってアイコンA3が選択された場合、表示制御機能24dは、第2画像I211eを拡大して表示させる。例えば、アイコンA3が選択された場合、表示制御機能24dは、第2画像I211a~I211dのいずれかを縮小してサムネイル表示にするとともに、第2画像I211eを拡大して表示させる。また、例えば、アイコンA3が選択された場合、表示制御機能24dは、第2画像I211a~I211dのそれぞれを「4/5」程度のサイズに縮小するとともに、第2画像I211eも同じ大きさで表示させる。
図5A、図5B及び図6に示したように、表示制御機能24dは、取得機能24cによって取得された複数の第2画像の一部について表示を省略するとともに、表示を省略している第2画像があることを示すアイコンを表示させる。これにより、表示制御機能24dは、多くの種類の第2画像を提供しつつも、第2画像の表示サイズが過度に小さくなることを回避し、第2画像を効率的に確認することを可能とする。
また、図5A、図5B及び図6に示した場合の他、表示制御機能24dは、複数の第2画像の表示に関して、種々の操作をユーザから受け付けることができる。例えば、表示制御機能24dは、ユーザ操作に基づいて、表示させている複数の第2画像の一部について表示を終了したり、図6のアイコンA3に示したような縮小表示に切り替えたりしてもよい。
また、図4~図6のような表示を行なった後、受付機能24eは、関心領域を再設定する入力操作を受け付けてもよい。例えば、観察対象の疾患に対して関心領域がずれていると判断した場合や、画像上に現れている複数の疾患のうち関心領域が設定されている疾患と異なる疾患を観察しようとした場合、ユーザは、関心領域の位置や大きさを変更する入力操作を行なうことができる。一例を挙げると、ユーザは、図4の第1画像I111においてマウスポインタを操作し、関心領域R11の位置や大きさ等を変更する入力操作を行なう。また、受付機能24eは、ユーザによる入力操作を受け付ける。また、設定機能24bは、受付機能24eが受け付けた入力操作に基づいて関心領域R11を再設定し、また、再設定した関心領域R11と中心位置が同じになるように、関心領域R12及び関心領域R13を再設定する。更に、取得機能24cは、再設定された関心領域に基づいて、複数の第2画像を再取得する。
ここで、表示制御機能24dは、再設定された関心領域の大きさに基づいて、複数の第2画像の表示態様を決定することとしてもよい。例えば、第1画像と第2画像とを同じ拡大率で表示させていた場合において、より大きな関心領域が再設定された場合、表示制御機能24dは、表示させる第2画像の数を減らすこととしてもよい。即ち、関心領域が大きくなった場合、第2画像のサイズも大きくなるため、一定サイズのウィンドウ内に表示させることのできる第2画像の数が少なくなる。このような場合には、表示制御機能24dは、再設定された関心領域の大きさに基づいて、複数の第2画像の一部について表示を省略させることができる。また、表示の省略を行なった場合、表示制御機能24dは、上述したアイコンA1~A3等の表示を行なうこともできる。
一方で、関心領域が小さくなった場合、第2画像のサイズも小さくなるため、一定サイズのウィンドウ内に表示させることのできる第2画像の数が多くなる。このような場合には、表示制御機能24dは、再設定された関心領域の大きさに基づいて、より多くの複数の第2画像を表示させることができる。例えば、図5Aや図6に示したように第2画像I211eの表示を省略していた場合において、関心領域が小さくなった場合、表示制御機能24dは、第2画像I211a~I211eのいずれも省略することなく、第1画像I111と同じ拡大率で表示させることができる。或いは、関心領域が小さくなった場合、表示制御機能24dは、複数の第2画像それぞれを拡大して表示させることとしてもよい。
また、複数の第1画像のいずれかについてスライスめくりが実行された場合、表示制御機能24dは、他の第1画像や第2画像にスライスめくりの影響を反映させてもよい。例えば、図4の第1画像I111についてスライスめくりが実行された場合、表示制御機能24dは、第1画像I111に代えて、第1画像I111と奥行き方向の位置が異なる第1画像I111’を表示させる。また、設定機能24bは、第1画像I111’に対して関心領域R11’を設定する。第1画像I111’における関心領域R11’の位置は、第1画像I111における関心領域R11の位置を流用させることができる。次に、取得機能24cは、関心領域R11’に基づいて、第2画像I211a’~I211d’を取得し、表示制御機能24dは、第2画像I211a~I211dに代えて第2画像I211a’~I211d’を表示させる。
また、設定機能24bは、第1画像I111と第1画像I111’との奥行き方向の位置の差に応じて、関心領域R12及び関心領域R13を平行移動させ、関心領域R12’及び関心領域R13’を設定する。次に、取得機能24cは、関心領域R12’に基づいて第2画像I212a’~I212d’を取得し、表示制御機能24dは、第2画像I212a~I212dに代えて第2画像I212a’~I212d’を表示させる。また、取得機能24cは、関心領域R13’に基づいて第2画像I213a’~I213d’を取得し、表示制御機能24dは、第2画像I213a~I213dに代えて第2画像I213a’~I213d’を表示させる。
上述したように、第1の実施形態によれば、設定機能24bは、複数の第1画像それぞれに対して位置が相関する関心領域を設定する。また、取得機能24cは、関心領域に基づいて、第1画像とは種類が異なり、且つ、複数の第1画像及び複数の種類に対応した複数の第2画像を取得する。例えば、取得機能24cは、関心領域について画像生成処理を行なうことにより、第1画像とは種類が異なり、且つ、複数の第1画像及び複数の種類の少なくとも一方に対応した第2画像を生成する。別の例を挙げると、取得機能24cは、第1画像とは種類が異なり、且つ、複数の第1画像及び複数の種類の少なくとも一方に対応した画像を取得し、当該画像のうち関心領域に相当する領域を第2画像として切り出す。また、表示制御機能24dは、複数の第1画像と複数の第2画像とを同時に表示させる。これにより、第1の実施形態に係る医用画像処理装置20は、複数の医用画像を効率的に確認できるようにすることができる。
また、上述したように、第1の実施形態によれば、表示制御機能24dは、複数の第1画像として、被検体Pにおける異なる断面を示す複数の画像を表示させる。更に、表示制御機能24dは、複数の断面に対応した複数の第2画像を同時に表示させる。これにより、第1の実施形態に係る医用画像処理装置20は、疾患を複数方向から表示するとともにその解析結果を表示し、複数の医用画像をより効率的に確認できるようにすることができる。
また、上述したように、第1の実施形態によれば、表示制御機能24dは、関心領域が再設定された場合、再設定された関心領域の大きさに基づいて、複数の第2画像の表示態様を決定する。これにより、第1の実施形態に係る医用画像処理装置20は、ユーザが任意に関心領域を再設定することを可能としつつ、表示態様を適切に調整し、複数の医用画像をより効率的に確認できるようにすることができる。
(第2の実施形態)
上述した第1の実施形態では、例えば図4~図6に示したように、関心領域R11に基づく複数の第2画像と、関心領域R12に基づく複数の第2画像と、関心領域R13に基づく複数の第2画像とをそれぞれ表示させる場合について説明した。即ち、図4~図6においては、複数の第1画像及び複数の種類に対応した複数の第2画像を表示させる場合について説明した。しかしながら実施形態はこれに限定されるものではない。
第2の実施形態に係る医用画像処理システム1は、図1に示した医用画像処理システム1と同様の構成を有し、表示制御機能24dによる処理の一部が相違する。以下、第1の実施形態において説明した点については、図1と同一の符号を付し、説明を省略する。
例えば、表示制御機能24dは、複数の第1画像のうちいずれか1つに対応し、且つ、複数の種類に対応した複数の第2画像を表示させることとしてもよい。以下、この点について図7を用いて説明する。図7は、第2の実施形態に係る表示例を示す図である。
例えば、表示制御機能24dは、互いに直交する3断面である第1画像I121、第1画像I122及び第1画像I123をディスプレイ22に表示させ、設定機能24bは、複数の第1画像それぞれに対して位置が相関する関心領域を設定する。例えば、設定機能24bは、複数の第1画像の間で中心位置が同じになるように、第1画像I121に対して関心領域R21を設定し、第1画像I122に対して関心領域R22を設定し、第1画像I123に対して関心領域R23を設定する。
次に、取得機能24cは、関心領域R21に基づいて、第2画像I221a、第2画像I221b、第2画像I221c及び第2画像I221dを取得する。即ち、取得機能24cは、第1画像I121に対応し、且つ、複数の種類に対応した複数の第2画像I221a~I221dを取得する。そして、表示制御機能24dは、図7の左図に示すように、複数の第1画像I121~I123と複数の第2画像I221a~I221dとを、ディスプレイ22に表示させる。
図7の左図は、第1画像I121に対応した複数の第2画像を表示させる場合を示すが、表示制御機能24dは、複数の第2画像を表示させる第1画像を切り替えることとしてもよい。例えば、図7の左図において第1画像I122が選択された場合、表示制御機能24dは、図7の右図に示すように、第1画像I122に対応した複数の第2画像を表示させる。
例えば、マウスポインタが第1画像I122に位置している状態でクリックされた場合、表示制御機能24dは、第1画像I122をアクティブ化させる。次に、表示制御機能24dは、第1画像I121と第1画像I122との表示位置を入れ替えて、第1画像I122を大きいサイズで表示させる。更に、表示制御機能24dは、第1画像I122に対応した第2画像である第2画像I221a、第2画像I221b、第2画像I221c及び第2画像I221dを、第1画像I121の下部と隣接したウィンドウ内に表示させる。なお、複数の第2画像I221a~I221dについては、第1画像I122が選択された時に取得されてもよいし、複数の第2画像I221a~I221dとともに予め取得されていてもよい。
図7に示す場合、アクティブ化されていない第1画像に対応する第2画像の表示は省略されるため、余裕のある表示を行なうことができる。例えば、表示制御機能24dは、図4~図6に示した場合と比較して、複数の第2画像I221a~I221d又は複数の第2画像I221a~I221dを、より大きいサイズで表示させることができる。これにより、医用画像処理装置20は、複数の医用画像をより効率的に確認することを可能とする。
また、図4~図7においては、複数の種類に対応した複数の第2画像を表示させる場合について説明した。しかしながら、実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、表示制御機能24dは、複数の第1画像に対応した、特定の種類の複数の第2画像を表示させることとしてもよい。以下、この点について図8Aを用いて説明する。図8Aは、第2の実施形態に係る表示例を示す図である。
例えば、表示制御機能24dは、互いに直交する3断面である第1画像I131、第1画像I132及び第1画像I133をディスプレイ22に表示させ、設定機能24bは、複数の第1画像それぞれに対して、位置が相関する関心領域を設定する。例えば、設定機能24bは、複数の第1画像の間で中心位置が同じになるように、第1画像I131に対して関心領域R31を設定し、第1画像I132に対して関心領域R32を設定し、第1画像I133に対して関心領域R33を設定する。
次に、取得機能24cは、関心領域R31に基づいて第2画像I231aを取得し、関心領域R32に基づいて第2画像I232aを取得し、関心領域R33に基づいて第2画像I233aを取得する。ここで、第2画像I231a、第2画像I232a及び第2画像I233aは、同じ種類の画像である。例えば、複数の第2画像I231a~I233aは、いずれも実効原子番号画像である。そして、表示制御機能24dは、図8Aに示すように、複数の第1画像I131~I133と複数の第2画像I231a~I233aとを、ディスプレイ22に表示させる。即ち、表示制御機能24dは、複数の第1画像を表示させるとともに、第1画像ごとに1つずつ、第2画像を表示させる。
ここで、表示制御機能24dは、第1画像と第2画像との対応関係が分かるように、表示を行なってもよい。例えば、表示制御機能24dは、関心領域R31~R33それぞれの枠の色を異ならせるとともに、関心領域R31と第2画像I231aとの枠を同じ色で表示し、関心領域R32と第2画像I232aとの枠を同じ色で表示し、関心領域R33と第2画像I233aとの枠を同じ色で表示してもよい。
なお、図4~図7においては、第1画像に隣接したウィンドウ内に第2画像を表示させるものとして説明したが、表示制御機能24dは、図8Aに示すように、第1画像I131に対して複数の第2画像I231a~I233aを重畳表示させることもできる。即ち、表示制御機能24dは、第1画像と第2画像とを並列表示させてもよいし、重畳表示させてもよい。また、表示制御機能24dは、図8Aに示すように、第1画像I132に対応する第2画像I232a及び第1画像I133に対応する第2画像I233aを、第1画像I131に対して重畳表示させてもよい。
また、第2画像を表示させる位置については任意に変更が可能である。例えば、表示制御機能24dは、図8Aの表示画面に対するユーザ操作を受け付け、図8Bに示すように第2画像I232aや第2画像I233aの表示位置を変更してもよい。一例を挙げると、ユーザは、表示されている第2画像に対するドラッグアンドドロップの操作を行なって、第2画像の位置を任意に変更することができる。図8Bは、第2の実施形態に係る表示例を示す図である。
なお、図8Bにおいては、第1画像I131の上で第2画像の位置を変更する場合を示すが、表示制御機能24dは、第1画像I132や第1画像I133の位置まで第2画像を移動させても構わない。また、図8A及び図8Bに示した場合に限らず、例えば図4~図7に示した場合においても同様に、第2画像を表示させる位置については任意に変更が可能である。
更に、図9を用いて、表示の変形例ついて説明する。図9では、複数の第1画像及び複数の種類に対応した複数の第2画像を取得する場合について説明する。図9は、第2の実施形態に係る表示例を示す図である。
例えば、表示制御機能24dは、互いに直交する3断面である第1画像I141、第1画像I142及び第1画像I143をディスプレイ22に表示させ、設定機能24bは、複数の第1画像それぞれに対して、位置が相関する関心領域を設定する。例えば、設定機能24bは、複数の第1画像の間で中心位置が同じになるように、第1画像I141に対して関心領域R41を設定し、第1画像I142に対して関心領域R42を設定し、第1画像I143に対して関心領域R43を設定する。
次に、取得機能24cは、関心領域R41に基づいて、第2画像I241a、第2画像I241b及び第2画像I241cを取得する。また、取得機能24cは、関心領域R42に基づいて、第2画像I242a、第2画像I242b及び第2画像I242cを取得する。また、取得機能24cは、関心領域R43に基づいて、第2画像I243a、第2画像I243b及び第2画像I243cを取得する。
そして、表示制御機能24dは、図9に示すように、複数の第1画像I141~I143、複数の第2画像I241a~I241c、複数の第2画像I242a~I242c、及び、複数の第2画像I243a~I243cを、ディスプレイ22に表示させる。具体的には、表示制御機能24dは、ディスプレイ22の表示領域を4つの小領域に分割し、3つの小領域において複数の第1画像I141~I143を表示させ、残り1つの小領域において、複数の第2画像I241a~I241c、複数の第2画像I242a~I242c、及び、複数の第2画像I243a~I243cを表示させる。
図9に示す場合、互いに直交する3断面である第1画像I141、第1画像I142及び第1画像I143を同じ大きさで表示させることができるため、ユーザは、断面間の比較を容易に行なうことができる。また、複数の第2画像が1つの領域にまとめて表示されるため、ユーザは、第2画像の間の比較を容易に行なうことができる。
なお、図9に示す表示はあくまで一例であり、種々の変形が可能である。例えば、表示制御機能24dは、横一列に並べた4つの小領域を設定し、3つの小領域において複数の第1画像I141~I143を表示させ、残り1つの小領域において、複数の第2画像I241a~I241c、複数の第2画像I242a~I242c、及び、複数の第2画像I243a~I243cを表示させることとしてもよい。表示制御機能24dは、ディスプレイ22における表示領域の形状に応じて、表示態様を変更することもできる。
(第3の実施形態)
上述した第1~第2の実施形態では、複数の第1画像の一例として、被検体Pにおける異なる断面を示す複数の画像について説明した。第3の実施形態では、複数の第1画像の一例として、被検体Pから収集された異なるデータセットに基づく複数の画像について説明する。
第3の実施形態に係る医用画像処理システム1は、図1に示した医用画像処理システム1と同様の構成を有し、表示制御機能24dによる処理の一部が相違する。以下、第1~第2の実施形態において説明した点については、図1と同一の符号を付し、説明を省略する。
例えば、制御機能24aは、被検体Pから収集された異なるデータセットに基づく複数の第1画像を取得する。ここで、データセットとは、1回の撮影において収集された一連のデータである。例えば、被検体Pから収集された異なるデータセットに基づく複数の第1画像は、被検体Pから異なる日時に収集された複数の画像である。
以下では、複数の第1画像として、日時「YYYY/MM/DD」に被検体Pから収集された第1画像I151と、日時「yyyy/mm/dd」に被検体Pから収集された第1画像I152とについて説明する。例えば、第1画像I151は、日時「YYYY/MM/DD」に被検体Pに対するDE撮影を実行して収集された第1の投影データ及び第2の投影データに基づく仮想単色X線画像からMPRによって取得された、被検体Pのアキシャル面を示す断面画像である。また、第1画像I152は、日時「yyyy/mm/dd」に被検体Pに対するDE撮影を実行して収集された第1の投影データ及び第2の投影データに基づく仮想単色X線画像からMPRによって取得された、被検体Pのアキシャル面を示す断面画像である。ここで、第1画像I151及び第1画像I152は、被検体Pにおける同じ断面の画像である。例えば、第1画像I151及び第1画像I152は、被検体Pにおいて観察対象の疾患を含む位置のアキシャル面の画像である。
例えば、表示制御機能24dは、第1画像I151及び第1画像I152をディスプレイ22に表示させ、設定機能24bは、複数の第1画像それぞれに対して、位置が相関する関心領域を設定する。例えば、設定機能24bは、複数の第1画像の間で中心位置や大きさ、形状等が同じになるように、第1画像I151に対して関心領域R51を設定し、第1画像I152に対して関心領域R52を設定する。
次に、取得機能24cは、関心領域R51に基づいて第2画像I251a、第2画像I251b及び第2画像I251cを取得する。また、取得機能24cは、関心領域R52に基づいて、第2画像I252a、第2画像I252b及び第2画像I252cを取得する。そして、表示制御機能24dは、図10に示すように、複数の第1画像I151~I152、複数の第2画像I251a~I251c、及び、複数の第2画像I252a~I252cを、ディスプレイ22に表示させる。図10は、第1の実施形態に係る表示例を示す図である。図10に示す場合、ユーザは、被検体Pから収集された医用画像及びその解析結果について過去の検査時との比較を行なうことができるため、例えば治療効果等を容易に把握することができる。
なお、図4や図10においては、各第1画像に対して同数の第2画像を表示させるものとして説明したが、この点は適宜変更が可能である。例えば、一部の第1画像について適用できない解析手法がある場合には、表示制御機能24dは、当該解析手法に対応する第2画像の表示を省略することができる。
一例を挙げると、日時「YYYY/MM/DD」においてDE撮影が実行された場合、表示制御機能24dは、複数の第2画像I251a~I251cとして、基準物質画像や密度画像、実効原子番号画像等を表示させることができる。一方で、日時「yyyy/mm/dd」において通常のシングルエナジーによる撮影が実行された場合、表示制御機能24dは、複数の第2画像I252a~I252cとして物質弁別処理以外の解析処理による画像のみを表示させ、或いは、複数の第2画像I252a~I252cの表示を省略することができる。
即ち、表示制御機能24dは、複数の第1画像それぞれについてどのような解析処理が実行可能であるかに応じて、表示させる第2画像を選択する。例えば、表示制御機能24dは、複数の第1画像それぞれが収集された際の撮影条件を各画像の付帯情報から読み出し、撮影条件に基づいて、表示させる第2画像を選択することができる。また、例えば、表示制御機能24dは、複数の第1画像の画像情報に基づいて、表示させる第2画像を選択することができる。
(第4の実施形態)
さて、これまで第1~第3の実施形態について説明したが、上述した実施形態以外にも、種々の異なる形態にて実施されてよいものである。
例えば、上述した実施形態では、複数の第1画像が被検体Pにおける異なる断面を示す画像である場合において、互いに直交する3断面について説明した。しかしながら実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、表示制御機能24dは、複数の第1画像として、アキシャル面、サジタル面及びコロナル面のうち2つの断面画像を表示させることとしてもよい。
また、上述した実施形態では、被検体Pにおける異なる断面として、アキシャル面、サジタル面及びコロナル面のいずれかについて説明した。しかしながら実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、表示制御機能24dは、アキシャル面、サジタル面及びコロナル面のいずれとも異なる角度の断面画像を、第1画像として表示させることとしてもよい。
また、上述した実施形態では、第1画像として、仮想単色X線画像から生成されたMPR画像について説明した。しかしながら実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、表示制御機能24dは、第1の投影データに基づく第1の再構成画像又は第2の投影データに基づく第2の再構成画像から生成されたMPR画像を、第1画像として表示させることとしてもよい。また、表示制御機能24dは、物質弁別の結果に基づく仮想単色X線画像以外の画像、或いは、その他の解析画像から生成されたMPR画像を、第1画像として表示させることとしてもよい。また、表示制御機能24dは、MPR画像以外の表示用画像を、第1画像として表示させることとしてもよい。例えば、表示制御機能24dは、ボリュームレンダリング(Volume Rendering)処理によるレンダリング画像や、最大値投影法(MIP:Maximum Intensity Projection)によるMIP画像等を、第1画像として表示させてもよい。
また、図1においては単一のディスプレイ22を示したが、医用画像処理装置20は、複数のディスプレイ22を備えてもよい。例えば、複数のディスプレイ22は組み合わされて1つの表示領域を形成し、表示制御機能24dは、これら複数のディスプレイ22において、複数の第1画像と複数の第2画像とを同時に表示させることとしてもよい。
例えば、医用画像処理装置20は、複数のディスプレイ22として、第1のディスプレイ、第2のディスプレイ及び第3のディスプレイを備える。ここで、表示制御機能24dは、例えば、図4に示した第1画像I111及び複数の第2画像I211a~I211dを第1のディスプレイに表示させ、第1画像I112及び複数の第2画像I212a~I212dを第2のディスプレイに表示させ、第1画像I113及び複数の第2画像I213a~I213dを第3のディスプレイに表示させることができる。
また、上述した実施形態では、解析処理として物質弁別処理を行なう場合に、DE撮影を行なうものとして説明した。しかしながら実施形態はこれに限定されるものではなく、収集機能144bは、3種類以上のX線エネルギーに対応した投影データを収集するマルチエナジー(Multi Energy:ME)撮影を行なうこととしてもよい。この場合、取得機能24cは、3種類以上の基準物質を設定して、基準物質画像の生成処理を行なうことが可能である。なお、ME撮影は、複数の異なるX線エネルギーでのイメージングの一例である。
また、上述した実施形態では、X線CT装置11においてDE撮影又はME撮影を行なうことにより物質弁別処理を行なう場合について説明した。しかしながら実施形態はこれに限定されるものではない。即ち、DE撮影又はME撮影を行なわない場合であっても、基準物質画像や仮想単色X線画像、密度画像、実効原子番号画像等を生成することが可能である。
一例を挙げると、X線CT装置11は、X線検出器112として、被検体Pを透過したX線に由来する光を個々に計数するフォトンカウンティング方式の検出器112eを備える。この場合、収集機能144bは、例えば管電圧を1種類に固定してスキャンを実行する。また、検出器112eは、X線光子が入射するごとに、X線光子のエネルギー値を計測可能な信号を出力する。また、DAS118は、検出器112eから出力される個々の信号を弁別し、X線光子の入射位置(検出位置)とX線光子のエネルギー値とを含む計数情報を、X線管111の位相(管球位相)ごとに収集する。即ち、DAS118は、投影データとして、X線光子のエネルギー情報を含む計数情報を収集する。
フォトンカウンティング方式の検出器112eを用いたイメージングでは、取得機能24cは、X線光子のエネルギー情報を含んだ投影データに基づいて、任意のエネルギーの単色X線画像を生成することができる。例えば、取得機能24cは、第1のX線エネルギーに対応するX線光子の計数結果に基づいて、第1のX線エネルギーに対応する第1の単色X線画像を再構成する。また、取得機能24cは、第2のX線エネルギーに対応するX線光子の計数結果に基づいて、第2のX線エネルギーに対応する第2の単色X線画像を再構成する。また、取得機能24cは、第1の単色X線画像及び第2の単色X線画像を基準物質ごとに分解して、複数の基準物質それぞれの基準物質画像を生成することもできる。更に、取得機能24cは、生成した複数の基準物質画像に基づいて、仮想単色X線画像や密度画像、実効原子番号画像等を生成することもできる。なお、フォトンカウンティング方式の検出器112eを用いたイメージングは、複数の異なるX線エネルギーでのイメージングの一例である。
また、上述した実施形態では、設定機能24b、取得機能24c、表示制御機能24d、受付機能24eといった各種の機能を、医用画像処理装置20の処理回路24が実行する場合について説明した。しかしながら、実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、医用画像診断装置10が備える処理回路において、設定機能24b、取得機能24c、表示制御機能24d、受付機能24eに相当する機能が実行されてもよい。
一例を挙げると、X線CT装置11における処理回路144は、図11に示すように、制御機能144a、収集機能144b及び表示制御機能144cに加えて、設定機能144d、取得機能144e及び受付機能144fを更に備える。設定機能144dは、設定機能24bに対応した機能であり、設定部の一例である。取得機能144eは、取得機能24cに対応した機能であり、取得部の一例である。受付機能144fは、受付機能24eに対応した機能であり、受付部の一例である。図11は、第4は、第4の実施形態に係るX線CT装置11の構成の一例を示すブロック図である。
例えば、設定機能144dは、複数の第1画像それぞれに対して位置が相関する関心領域を設定する。ここで、受付機能144fは、関心領域の設定に関する入力操作を受け付け、設定機能144dは、受付機能144fが受け付けた入力操作に応じて関心領域を設定してもよい。次に、取得機能144eは、関心領域に基づいて、第1画像とは種類が異なり、且つ、複数の第1画像及び複数の種類の少なくとも一方に対応した、複数の第2画像を取得する。そして、表示制御機能144cは、複数の第1画像と複数の第2画像とを同時にディスプレイ142に表示させる。具体的には、表示制御機能144cは、図4~図10と同様の表示を、ディスプレイ142において行なうことができる。
また、上述した実施形態では、第1画像及び第2画像として、X線CT装置11によって収集される各種の画像について説明した。しかしながら、実施形態はこれに限定されるものではなく、X線診断装置や、MRI装置、超音波診断装置、SPECT装置、PET装置等によって収集された画像を、第1画像及び第2画像として表示させることも可能である。
また、上述した実施形態では、X線CT装置11等によって3次元で収集された3次元医用画像から2次元医用画像を生成し、第1画像として表示させる場合について説明した。しかしながら、2次元で収集された2次元医用画像を、そのまま第1画像として表示させることとしても構わない。
例えば、医用画像処理システム1は、医用画像診断装置10としてX線診断装置を備え、X線診断装置は、複数の第1画像として、被検体Pから2次元X線画像を収集する。例えば、X線診断装置は、複数の第1画像として、被検体Pから2次元X線画像I161を収集し、第1画像I161と異なる日時において被検体Pから2次元X線画像I162を収集する。また、設定機能24bは、複数の第1画像それぞれに対して、位置が相関する関心領域を設定する。また、取得機能24cは、関心領域に基づいて、第1画像とは種類が異なり、且つ、複数の第1画像及び複数の種類の少なくとも一方に対応した複数の第2画像を取得する。そして、表示制御機能24dは、複数の第1画像として2次元X線画像I161及び2次元X線画像I162を表示させ、更に、複数の第2画像を同時に表示させることができる。
上記説明において用いた「プロセッサ」という文言は、例えば、CPU、GPU(Graphics Processing Unit)、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等の回路を意味する。プロセッサが例えばCPUである場合、プロセッサは記憶回路に保存されたプログラムを読み出し実行することで機能を実現する。一方、プロセッサが例えばASICである場合、記憶回路にプログラムを保存する代わりに、当該機能がプロセッサの回路内に論理回路として直接組み込まれる。なお、実施形態の各プロセッサは、プロセッサごとに単一の回路として構成される場合に限らず、複数の独立した回路を組み合わせて1つのプロセッサとして構成し、その機能を実現するようにしてもよい。さらに、各図における複数の構成要素を1つのプロセッサへ統合してその機能を実現するようにしてもよい。
また、図1においては、単一のメモリ21が処理回路24の各処理機能に対応するプログラムを記憶するものとして説明した。また、図2及び図11においては、単一のメモリ141が処理回路144の各処理機能に対応するプログラムを記憶するものとして説明した。しかしながら、実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、複数のメモリ21を分散して配置し、処理回路24は、個別のメモリ21から対応するプログラムを読み出す構成としても構わない。同様に、複数のメモリ141を分散して配置し、処理回路144は、個別のメモリ141から対応するプログラムを読み出す構成としても構わない。また、メモリ21又はメモリ141にプログラムを保存する代わりに、プロセッサの回路内にプログラムを直接組み込むよう構成しても構わない。この場合、プロセッサは回路内に組み込まれたプログラムを読み出し実行することで機能を実現する。
上述した実施形態に係る各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。即ち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部又は一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。更に、各装置にて行われる各処理機能は、その全部又は任意の一部が、CPU及び当該CPUにて解析実行されるプログラムにて実現され、あるいは、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現されうる。
また、上述した実施形態で説明した医用画像処理方法は、予め用意されたプログラムをパーソナルコンピュータやワークステーション等のコンピュータで実行することによって実現することができる。このプログラムは、インターネット等のネットワークを介して配布することができる。また、このプログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク(FD)、CD-ROM、MO、DVD等のコンピュータで読み取り可能な非一過性の記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行することもできる。
以上説明した少なくとも1つの実施形態によれば複数の医用画像を効率的に確認できるようにすることができる。
いくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更、実施形態同士の組み合わせを行なうことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
以上の実施形態に関し、発明の一側面および選択的な特徴として以下の付記を開示する。
(付記1)
複数の第1画像それぞれに対して位置が相関する関心領域を設定する設定部と、
前記関心領域に基づいて、前記第1画像とは種類が異なり、且つ、複数の前記第1画像及び複数の種類の少なくとも一方に対応した複数の第2画像を取得する取得部と、
複数の前記第1画像と複数の前記第2画像とを同時に表示させる表示制御部と
を備える、医用画像処理装置。
(付記2)
前記表示制御部は、複数の前記第1画像を表示させるとともに、複数の前記第1画像の中から選択された画像に対応した複数の前記第2画像を表示させてもよい。
(付記3)
前記表示制御部は、複数の前記第1画像を表示させるとともに、複数の前記第1画像のそれぞれに対して少なくとも1つの前記第2画像を表示させてもよい。
(付記4)
前記表示制御部は、ユーザ情報、被検体情報、撮影プロトコル及び観察対象の疾患の少なくとも1つに基づいて、複数の前記第2画像を表示させてもよい。
(付記5)
複数の前記第1画像は、同一の被検体における異なる断面を示す複数の画像であってもよい。
(付記6)
複数の前記第1画像は、互いに直交する3断面であり、
前記設定部は、複数の前記第1画像の間で中心位置が同じになるように、前記関心領域を設定してもよい。
(付記7)
複数の前記第1画像は、同一の被検体から収集された異なるデータセットに基づく複数の画像であってもよい。
(付記8)
前記関心領域の設定に関する入力操作を受け付ける受付部を更に備え、
前記取得部は、前記入力操作によって前記関心領域が再設定された場合、再設定された前記関心領域に基づいて複数の前記第2画像を再取得してもよい。
(付記9)
前記表示制御部は、再設定された前記関心領域の大きさに基づいて、複数の前記第2画像の表示態様を決定してもよい。
(付記10)
前記表示制御部は、前記取得部によって取得された複数の前記第2画像の一部について表示を省略するとともに、表示を省略している前記第2画像があることを示すアイコンを表示させてもよい。
(付記11)
前記取得部は、前記第2画像として、複数の異なるX線エネルギーでのイメージングにより得られる解析画像を取得してもよい。
(付記12)
前記取得部は、前記第1画像とは種類が異なり、且つ、複数の前記第1画像及び複数の種類の少なくとも一方に対応した画像を取得し、当該画像のうち前記関心領域に相当する領域を第2画像として切り出してもよい。
(付記13)
複数の第1画像それぞれに対して位置が相関する関心領域を設定する設定部と、
前記関心領域に基づいて、前記第1画像とは種類が異なり、且つ、複数の前記第1画像及び複数の種類の少なくとも一方に対応した複数の第2画像を取得する取得部と、
複数の前記第1画像と複数の前記第2画像とを同時に表示させる表示制御部と
を備える、医用画像診断装置。
(付記14)
上記の医用画像処理装置の各構成をコンピュータに実行させるプログラム。