JP2022064759A - スプール及びそれを備えたレーシングモジュール - Google Patents

Abstract

【課題】スプール及びそれを備えたレーシングモジュールを提供する。
【解決手段】スプール２０の胴部３０は、シャフト４０よりも径の大きい円板状に形成され、径方向外面に靴紐Ｓが巻回される。胴部３０は、上鍔部３１と、下鍔部３２と、貫通孔（第１凹部）３３と、係合部と、胴溝部（第２溝部）と、スリット３５と、を有する。上鍔部３１は、胴部３０の上端部から径方向外側に突出し、環状に形成される。上鍔部３１は、胴部３０の径方向外面に巻回される靴紐Ｓが、軸方向上側に抜けることを防止する。下鍔部３２は、胴部３０の下端部から径方向外側に突出、環状に形成される。下鍔部３２は、胴部３０の径方向外面に巻回される靴紐Ｓを支持し、靴紐Ｓが軸方向下側に抜けることを防止する。貫通孔３３は、胴部３０を軸方向に貫通する。
【選択図】図２

Description

本発明は、スプール及びそれを備えたレーシングモジュールに関する。

靴紐等を締める従来のスプールが特許文献１に開示されている。特許文献１に開示されたスプールは、上板と、下板と、上板及び下板の間に配置されるドラムと、を有する。上板の上面には紐材が配置される巻き取り通路が設けられている。ドラムの正逆回転により、紐材は、ドラムの径方向外面に巻回され、又は巻き戻される（例えば、特許文献１）。

特表２０１９－５０９８２２号公報

しかしながら、従来のスプールでは、紐材がスプールから外れる問題があった。

本発明は、紐材が外れ難いスプール及びそれを備えたレーシングモジュールを提供することを目的とする。

本発明の例示的なスプールは、シャフトと、胴部と、連結部と、を備える。シャフトは、上下に延びる中心軸を中心として回転する。胴部は、径方向外面に紐材が巻回される。連結部は、シャフトと胴部とを連結する。胴部は、第１凹部と、下鍔部とを有する。第１凹部は、胴部の下面から軸方向上側に凹む。下鍔部は、胴部の下端部から径方向外側に突出し、環状に形成される。連結部は、第１凹部の内部に配置されて胴部と周方向に係合するとともに、下面がシャフトと連結する。連結部は、第１溝部と、係合爪と、を有する。第１溝部は、連結部の上面から軸方向下側に凹んで紐材が配置される。係合爪は、連結部の上端部に配置される。胴部は、係合部を有する。係合部は、第１凹部の径方向内面に配置され、係合爪と軸方向に係合する。

例示的な本発明によれば、紐材が、外れることを防止できるスプール及びそれを備えたレーシングモジュールを提供することができる。

図１は、本発明の第１実施形態に係るレーシングモジュールの構成を模式的に示す斜視図である。 図２は、本発明の第１実施形態に係るスプールを上方から視た斜視図である。 図３は、本発明の第１実施形態に係るスプールを下方から視た斜視図である。 図４は、本発明の第１実施形態に係るスプールの側面図である。 図５は、本発明の第１実施形態に係るスプールの連結部の斜視図である。 図６は、本発明の第１実施形態に係るスプールの一部を示す縦断面図である。 図７は、本発明の第２実施形態に係るスプールの一部を示す縦断面図である。

以下、本発明の例示的な実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。本書では、スプールのシャフトの中心軸が延びる方向を単に「軸方向」と呼び、スプールのシャフトの中心軸を中心として中心軸と直交する方向を単に「径方向」と呼び、スプールのシャフトの中心軸を中心とする円弧に沿う方向を単に「周方向」と呼ぶ。また、本書では、説明の便宜上、軸方向を上下方向とし、図３における上下方向をスプールのシャフトの上下方向として各部の形状及び位置関係を説明する。なお、この上下方向の定義がスプールの使用時の向き及び位置関係を限定するものではない。また、本書では、軸方向に平行な断面を「縦断面」と呼ぶ。また、本書で用いる「平行」は、厳密な意味で平行を表すものではなく、略平行を含む。

＜第１実施形態＞
＜１．レーシングモジュールの構成＞
図１は、本発明の例示的な実施形態に係るレーシングモジュール１０の構成を模式的に示す上面図である。レーシングモジュール１０は、運動靴などのフットウェアに装着され、フットウェアの靴紐（紐材）Ｓを電動で締め付けたり、緩めることができる。

レーシングモジュール１０は、モータ１１と、スプール２０と、バッテリー１３と、筐体１４と、を備える。モータ１１は、バッテリー１３と電気的に接続され、バッテリー１３から供給される電流により回転軸Ｃを中心に回転する。

歯車１２は、モータ１１の回転軸Ｃと連結するとともに、スプール２０の後述するシャフト４０と中間歯車（不図示）を介して連結する。モータ１１の駆動により、歯車１２が、回転軸Ｃを中心に正逆両方向に回転する。シャフト４０は、歯車１２の回転に連動し、中心軸Ｊ（図２参照）を中心に正逆両方向に回転する。靴紐Ｓは、シャフト４０の正逆の回転により、スプール２０に巻き取られ、又は巻き戻される。

筐体１４は、モータ１１と、スプール２０と、バッテリー１３と、を内部に収納する。筐体１４は、引出口１４ａ、１４ｂが開口し、靴紐Ｓは、引出口１４ａ、１４ｂを介して筐体１４の外部に引き出される。

＜３．スプールの詳細構成＞
図２は、スプール２０を上方から視た斜視図であり、図３は、スプール２０を下方から視た斜視図である。また、図４は、スプール２０の側面図である。スプール２０は、胴部３０と、シャフト４０と、連結部５０と、を備える。シャフト４０は、円柱状であり、上下に延びる中心軸Ｊを中心として回転する。

＜３－１．胴部の詳細構成＞
胴部３０は、シャフト４０よりも径の大きい円板状に形成され、径方向外面に靴紐Ｓが巻回される。胴部３０は、上鍔部３１と、下鍔部３２と、貫通孔（第１凹部）３３と、係合部３６と、胴溝部（第２溝部）３４と、スリット３５と、を有する。

上鍔部３１は、胴部３０の上端部から径方向外側に突出し、環状に形成される。上鍔部３１は、胴部３０の径方向外面に巻回される靴紐Ｓが、軸方向上側に抜けることを防止する。

下鍔部３２は、胴部３０の下端部から径方向外側に突出、環状に形成される。下鍔部３２は、胴部３０の径方向外面に巻回される靴紐Ｓを支持し、靴紐Ｓが軸方向下側に抜けることを防止する。

貫通孔３３は、胴部３０を軸方向に貫通する。なお、貫通孔３３の代わりに胴部３０の下面から軸方向上側に凹む非貫通の凹部を設けてもよい。貫通孔３３の下部は、四角柱状に形成され、後述する連結部５０と嵌合する。係合部３６は、貫通孔３３の径方向内面から径方向内側に突出して環状に形成される。すなわち、係合部３６は、貫通孔３３の径方向内面に配置される（図６参照）。

胴溝部３４は、胴部３０の下面から軸方向上側に凹み、貫通孔３３から径方向外側に延びる。胴溝部３４の内部には靴紐Ｓが配置される。これにより、靴紐Ｓを貫通孔３３から径方向外側へ容易にガイドすることができる。

スリット３５は、下鍔部３２を軸方向に貫通するとともに、下鍔部３２の径方向外周縁から径方向内側に延びる。また、スリット３５は、胴溝部３４と連続して直線状に延びる。これにより、靴紐Ｓを胴溝部３４からスリット３５に挿通させて胴部３０の径方向外面へ容易にガイドすることができる。

これにより、靴紐Ｓを胴溝部３４からスリット３５に容易に挿通させることができ、スプール２０の組立て作業性が向上する。また、胴部３０の径方向外面へガイドされた靴紐Ｓが、スリット３５から軸方向下側に外れることを防止できる。

＜３－２．連結部の詳細構成＞
図５は、連結部５０の斜視図であり、図６は、スプール２０の一部を示す縦断面図である。連結部５０は、樹脂成形品であり、立方体状に形成される。連結部５０は、貫通孔３３の内部に配置されて胴部３０と周方向に係合するとともに、下面がシャフト４０と連結する。連結部５０は、連結溝部（第１溝部）５１と、係合爪５２と、連結凹部５３と、を有する。

連結溝部５１は、連結部５０の上面から軸方向下側に凹んで靴紐Ｓが配置される。係合爪５２は、連結部５０の上面から軸方向上側に突出する。係合爪５２は、連結溝部５１を挟んで一対配置される。

係合爪５２は、立設部５２ａと突起部５２ｂを有する。立設部５２ａは、連結部５０の上面から軸方向上側に延びる。突起部５２ｂは、立設部５２ａの上端部から径方向外側に突出する。立設部５２ａは、径方向に撓む。

連結凹部５３は、連結部５０の下面から軸方向上側に凹むとともに、シャフトの上端部が内部に配置される。シャフト４０の上端部と連結凹部５３とは、接着剤を介して接着される。連結凹部５３を設けることにより、シャフト４０と連結部５０との接触面積が大きくなり、シャフト４０と連結部５０とを強固に連結することができる。なお、本実施形態では、接着剤を介して胴部３０とシャフト４０とを連結したが、接着剤を用いず、インサート成形により、胴部３０とシャフト４０とを連結してもよい。

また、シャフト４０の連結部５０との接触面Ｘは、シャフト４０の連結部５０との非接触面Ｙよりも面粗度が大きい。これにより、シャフト４０と連結部５０との密着性が向上し、シャフト４０と連結部５０とをより強固に連結できる。また、シャフト４０は、上端部において、連結凹部５３と接触する径方向外面Ｘ１の面粗度が、連結凹部４６と接触する上面Ｘ２の面粗度よりも大きい。これにより、中心軸Ｊを中心に回転するシャフト４０と連結部５０との密着性がより向上する。

また、シャフト４０を構成する材料は、連結部５０を構成する材料よりも剛性が高い。具体的には、シャフト４０の少なくとも一部は、金属から成る。これにより、シャフト４０の耐久性及び低騒音性を向上できる。

胴部３０とシャフト４０とを連結する際に、連結溝部５１に靴紐Ｓを挿通させた状態で係合爪５２の上端部を貫通孔３３に挿入する。このとき、突起部５２ｂが、係合部３６の径方向内面に当接し、立設部５２ａが、径方向内側に撓む。さらに連結部５０を貫通孔３３に挿入することにより、突起部５２ｂが係合部３６の上端から軸方向上側に抜けて立設部５２ａの撓みが復元する。このとき、突起部５２ｂの下面が、係合部３６の上面と接触し、係合爪５２と係合部３６とが軸方向に係合する。また、連結部５０は、貫通孔３３に嵌合し、胴部３０と周方向に係合する。

このとき、靴紐Ｓは、連結溝部５１内に保持され、スプール２０に固定される。従って、靴紐Ｓが、スプール２０から外れることを防止できる。また、シャフト４０と胴部３０とを連結する一連の動作において靴紐Ｓをスプール２０に固定できる。これにより、スプール２０の部品点数を減らして製造コストを下げるとともに組立作業性を向上することができる。

また、係合爪５２を、連結溝部５１を挟んで一対設けることにより、係合爪５２と係合部３６とを軸方向により強固に係合することができる。

＜第２実施形態＞
次に、本発明の第２実施形態について説明する。図７は、第２実施形態に係るスプール２０の一部を示す縦断面図である。説明の便宜上、前述の図１～６に示す第１実施形態と同様の部分には同一の符号を付す。第２実施形態では連結部５０とシャフト４０との連結構造が第１実施形態とは異なる。その他の部分は第１実施形態と同様である。

連結部５０は、杭部５９を有する。杭部５９は、連結部５０の下面から軸方向下側に突出する。シャフト４０は、挿入孔４９を有する。挿入孔４９は、シャフト４０の上面から軸方向に凹むとともに、内部に杭部５９が配置される。杭部５９を設けることにより、シャフト４０と連結部５０との接触面積が大きくなり、シャフト４０と連結部５０とをより強固に連結することができる。

また、シャフト４０は、挿入孔４９の径方向内面の面粗度が、径方向外面の面粗度よりも大きいこれにより、シャフト４０と連結部５０との密着性が向上し、シャフト４０と連結部５０とをより強固に連結できる。
＜４．その他＞
以上、本発明の実施形態につき説明したが、本発明の範囲はこれに限定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えて実施することができる。また、上記実施形態とその変形例は適宜任意に組み合わせることができる。

本発明は、例えばレーシングモジュールに搭載されるスプールにおいて利用可能である。

１０ レーシングモジュール
１１ モータ
１２ 歯車
１３ バッテリー
１４ 筐体
１４ａ、１４ｂ 引出口
２０ スプール
３０ 胴部
３１ 上鍔部
３２ 下鍔部
３３ 貫通孔
３４ 胴溝部
３５ スリット
３５ａ 傾斜面
３６ 係合部
４０ シャフト
４６ 連結凹部
４９ 挿入孔
５０ 連結部
５１ 連結溝部
５２ 係合爪
５２ａ 立設部
５２ｂ 突起部
５３ 連結凹部
５９ 杭部
Ｃ 回転軸
Ｊ 中心軸
Ｓ 靴紐

Claims (12)

1. 上下に延びる中心軸を中心として回転するシャフトと、
   径方向外面に紐材が巻回される胴部と、
   前記シャフトと前記胴部とを連結する連結部と、を備え、
   前記胴部は、
   下面から軸方向上側に凹む第１凹部と、
   下端部から径方向外側に突出する環状の下鍔部と、
   前記第１凹部の径方向内面に配置される係合部と、
   を有し、
   前記連結部は、前記第１凹部の内部に配置されて下面が前記シャフトと連結し、
   上面から軸方向下側に凹んで前記紐材が配置される第１溝部と、
   上端部に配置され、前記係合部と軸方向に係合する係合爪と、を有する、スプール。
2. 前記係合爪は、前記第１溝部を挟んで一対配置される、請求項１に記載のスプール。
3. 前記係合爪は、
   前記連結部の上面から軸方向上側に延びる立設部と、
   前記立設部の上端部から径方向外側に突出する突起部と、を有し、
   前記係合部は、前記第１凹部の径方向内面から径方向内側に突出し、上面が前記突起部の下面と接触する、請求項１又は請求項２に記載のスプール。
4. 前記胴部は、
   下面から軸方向上側に凹み、前記第１凹部から径方向外側に延びて前記紐材が配置される第２溝部を有する、請求項１～請求項３のいずれかに記載のスプール。
5. 前記胴部は、
   前記下鍔部を軸方向に貫通するとともに、前記下鍔部の径方向外周縁から径方向内側に延びるスリットを有する、請求項１～請求項４のいずれかに記載のスプール。
6. 前記スリットの内壁は、軸方向上側に向かうに従って幅が狭まる傾斜面を有する、請求項５に記載のスプール。
7. 前記連結部は、樹脂から成り、
   前記シャフトの少なくとも一部は、金属から成る、請求項１～請求項６に記載のスプール。
8. 前記シャフトの前記連結部との接触面は、前記シャフトの前記連結部との非接触面よりも面粗度が大きい、請求項１～請求項７のいずれかに記載のスプール。
9. 前記連結部は、下面から軸方向上側に凹むとともに、前記シャフトの上端部が配置される連結凹部を有し、
   前記シャフトは、上端部において、前記連結凹部と接触する径方向外面の面粗度が、前記連結凹部と接触する上面の面粗度よりも大きい、請求項１～請求項８のいずれかに記載のスプール。
10. 前記連結部は、下面から軸方向下側に突出する杭部を有し、
    前記シャフトは、上面から軸方向下側に凹むとともに、前記杭部が配置される挿入孔を有する、請求項１～請求項９のいずれかに記載のスプール。
11. 前記シャフトは、前記挿入孔の径方向内面の面粗度が、径方向外面の面粗度よりも大きい、請求項１０に記載のスプール。
12. 請求項１～請求項１１のいずれかに記載のスプールを備える、レーシングモジュール。

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