JP2022064698A - 吸収性物品及び吸収性物品の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、シートの積層体に通気孔を形成する際に糸ゴムを切断する可能性を可及的に抑制する技術を提供することを目的とする。【解決手段】本発明は、吸収性物品であって、着用者の股下に配置される吸収体と、積層した複数のシートの間に吸収体を挟んでおり、着用者の胴回りが配置される胴開口部と、着用者の下肢が挿通される下肢開口部とを形成し得る積層体と、シートに重ねられる糸状弾性体と、積層体に形成される貫通孔と、を備え、糸状弾性体は、少なくとも一部分が貫通孔に重なる位置にある。【選択図】図7

Description

本発明は、吸収性物品及び吸収性物品の製造方法に関する。
使い捨ておむつ、尿パッド、生理用品等の吸収性物品においては、尿や体液等の排泄液を吸収する吸収材として、パルプや高吸収性重合体(Super Absorbent Polymer:SAP)が用いられている。そして、例えば、使い捨ておむつは、着用者の腹部、背部及び股部分を覆うものであるため、身体の動きや体型に合わせて伸縮する弾性部材が着用者の胴回りや下肢回りに備わっている(例えば、特許文献1を参照)。
特許第5761179号公報
吸収性物品に備わる弾性部材としては、通常、糸ゴムが用いられる。糸ゴムは、吸収性物品を構成する不織布等のシートに重ね合わされる。ところが、吸収性物品を構成するこれらのシートには、吸収性物品内の蒸れを抑制するための通気孔が形成されることがある。そして、複数のシートが積層される部位の通気孔については、通気性の向上に鑑みれば、各シートの通気孔が同じ位置で互いに重なっていることが好ましい。
各シートの通気孔が同じ位置で互いに重なるように通気孔を形成する手法としては、積層した状態のシートを貫くようにして通気孔を形成することが考えられる。しかし、上述したように、吸収性物品を構成する不織布等のシートには糸ゴムが重ね合わされているため、例えば、糸ゴム付近でシートを貫通して通気孔を形成する場合には当該糸ゴムを切断する可能性がある。
そこで、本発明は、シートの積層体に通気孔を形成する際に糸ゴムを切断する可能性を可及的に抑制する技術を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明では、吸収性物品に用いられるシートの積層体に貫通孔を形成してから、積層体のシートに糸状弾性体を接着することにした。
詳細には、本発明は、吸収性物品であって、着用者の股下に配置される吸収体と、積層した複数のシートの間に吸収体を挟んでおり、着用者の胴回りが配置される胴開口部と、着用者の下肢が挿通される下肢開口部とを形成し得る積層体と、シートに重ねられる糸状弾性体と、積層体に形成される貫通孔と、を備え、糸状弾性体は、少なくとも一部分が貫通孔に重なる位置にある。
また、本発明は、吸収性物品であって、着用者の股下に配置される吸収体と、積層した複数のシートの間に吸収体を挟んでおり、着用者の胴回りが配置される胴開口部と、着用者の下肢が挿通される下肢開口部とを形成し得る積層体と、シート同士が重なる積層部分に挟み込まれており、少なくとも一部分がシートに接着されない非接着部分を有する糸状弾性体と、積層体に形成される貫通孔と、を備え、貫通孔の縁は、シート同士の接合によって補強されており、糸状弾性体は、貫通孔の縁の補強部分に前記貫通孔の外側から接し
ていてもよい。
また、貫通孔の縁には、当該縁を補強する補強部が設けられていてもよい。
また、貫通孔の縁は、シート同士の溶着によって補強されていてもよい。
また、貫通孔は、伸長状態の糸状弾性体が非接着で重ねられた状態で形成されたものであってもよい。
また、本発明は、方法の観点から捉えることもできる。例えば、本発明は、着用者の股下に吸収体を配置する吸収性物品の製造方法であって、吸収性物品に用いられるシートの積層体に穿孔して貫通孔を形成する第1工程と、積層体のシートに糸状弾性体を重ねる第2工程と、を有するものであってもよい。
上記の発明であれば、シートの積層体に通気孔を形成する際に糸ゴムを切断する可能性を可及的に抑制することができる。
図1は、実施形態に係るパンツ型使い捨ておむつの斜視図である。 図2は、実施形態に係るおむつの分解斜視図である。 図3は、実施形態に係るおむつを展開し、伸長した状態を模式的に示した図である。 図4は、糸ゴム同士の間隔とウェストギャザーに現れるひだの大きさとの関係を示した図である。 図5は、実施形態のおむつに適用される製造方法を解説した第1の図である。 図6は、実施形態のおむつに適用される製造方法を解説した第2の図である。 図7は、実施形態のおむつに適用される製造方法を解説した第3の図である。 図8は、実施形態のおむつに適用される製造方法を解説した第4の図である。 図9は、針の変形例を示した図である。 図10は、変形例に係る針を用いることによって通気孔の周囲に形成される接着部の一例を示した図である。 図11は、穿孔及び接着剤の塗布の両方を同時に行うことが可能な穿孔塗布装置の一例を示した図である。 図12は、穿孔塗布装置を使って通気孔を形成し、接着剤を塗布する箇所の一例を示した図である。 図13は、通気路の第1例を示した図である。 図14は、通気路の第2例を示した図である。 図15は、実施形態のおむつに適用される製造方法の変形例を解説した第1の図である。 図16は、実施形態のおむつに適用される製造方法の変形例を解説した第2の図である。
以下、本発明の実施形態について説明する。以下に示す実施形態は、本発明の実施形態の一例であり、本発明の技術的範囲を以下の態様に限定するものではない。
<実施形態>
図1は、実施形態に係るパンツ型使い捨ておむつ(以下、単に「おむつ」という)の斜視図である。本願で用いる方向に関する用語は、おむつ1が着用者に着用された状態において該着用者の前後左右に一致する方向を意味するものとする。例えば、本願で左右方向という場合、おむつ1の着用者に着用された状態において該着用者の左右に一致する方向を意味する。
本実施形態では、吸収性物品の一例として、着用者の腹囲が入る開口部と、着用者の左下肢及び右下肢が挿通される左右一対の開口部とを有する筒状構造のパンツ型使い捨ておむつを例示するが、本願でいう「吸収性物品」は、パンツ型使い捨ておむつに限定されるものでない。本願でいう「吸収性物品」には、例えば、着用者の股下(陰部)を前身頃から後身頃にかけて覆うシート状の部材の一端部付近に固定されたテープを、該シート状の部材の他端部付近に貼り付けることで筒状構造を形成するテープ型使い捨ておむつ等、腹囲と股下を包み得る各種形態の吸収性物品が含まれる。
おむつ1は、着用状態において着用者の陰部(股下)を覆う股下領域に対応する部位である股下領域1Bと、着用者の胴周りにおける前身頃に対応する部位であって着用者の腹部側を覆うための前身頃領域1Fと、着用者の胴周りにおける後身頃に対応する部位であって着用者の背部側を覆うための後身頃領域1Rとを有する。ここで、前身頃領域1Fは股下領域1Bの前側に位置し、後身頃領域1Rは股下領域1Bの後側に位置する。本実施形態におけるおむつ1は、パンツ型の使い捨ておむつであるため、前身頃領域1Fの左側の縁と後身頃領域1Rの左側の縁は互いに接合され、前身頃領域1Fの右側の縁と後身頃領域1Rの右側の縁は互いに接合されている。よって、おむつ1には、前身頃領域1Fの上側の縁と後身頃領域1Rの上側の縁とによって胴開口部2Tが形成されている。また、おむつ1には、上記接合が施されない股下領域1Bの左側の部位に左下肢開口部2Lが形成され、股下領域1Bの右側の部位に右下肢開口部2Rが形成されている。そして、おむつ1は、着用者の左下肢が左下肢開口部2Lに挿通され、着用者の右下肢が右下肢開口部2Rに挿通され、着用者の胴部が胴開口部2Tに入るように装着されると、前身頃領域1Fが着用者の腹部側に配置され、後身頃領域1Rが着用者の背部側に配置され、左下肢開口部2Lと右下肢開口部2Rが着用者の大腿部を取り巻く状態で着用者の身体に固定される。おむつ1がこのような形態で着用者の身体に固定されるので、着用者はおむつ1を着用した状態で立ち歩き可能である。
おむつ1には、液体を吸収して保持することができる吸収体が主に股下領域1B付近を中心に配置されている。また、おむつ1には、おむつ1と着用者の肌との間に液体の流出経路となる隙間が形成されるのを抑制するべく、着用者の左下肢の大腿部を取り巻く左下肢開口部2Lに立体ギャザー3BLが設けられ、着用者の右下肢の大腿部を取り巻く右下肢開口部2Rに立体ギャザー3BRが設けられ、着用者の腹囲を取り巻く部位にウェストギャザー3Rが設けられている。立体ギャザー3BL,3BRとウェストギャザー3Rは、糸ゴムの弾性力で着用者の肌に密着する。よって、着用者の陰部から排出される排泄液は、おむつ1から殆ど漏出することなくおむつ1の吸収体に吸収される。
図2は、実施形態に係るおむつ1の分解斜視図である。また、図3は、実施形態に係るおむつ1を展開し、伸長した状態を模式的に示した図である。図3の(A)は、展開及び伸長した状態のおむつ1を左側から見た場合の内部構造を模式的に示している。図3の(B)は、展開及び伸長した状態のおむつ1の平面図を模式的に示している。
おむつ1は、着用者に着用された状態において外表面を形成するカバーシート4F,4Rとパッドカバーシート6とを有する。カバーシート4Fは、主におむつ1の前身頃領域
1Fの外表面を形成する。また、パッドカバーシート6は、主におむつ1の股下領域1Bの外表面を形成する。また、カバーシート4Rは、主におむつ1の後身頃領域1Rの外表面を形成する。カバーシート4F,4Rとパッドカバーシート6は、おむつ1の外表面の補強や手触りの向上のために設けられ、例えば、排泄物の漏れを抑制するために、液不透過性の熱可塑性樹脂からなる不織布をその材料として用いることができる。ここで、液不透過性の熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン(PE)やポリプロピレン(PP)等が例示できる。また、液不透過性のシートには、液不透過性と透湿性とが発揮されるように、0.1~数μm程度の微細な孔が多数形成されていてもよい。
また、おむつ1は、カバーシート4Fの着用者側の面に積層されるインナーカバーシート5Fと、カバーシート4Fの着用者側の面に積層されるインナーカバーシート5Rとを有する。インナーカバーシート5Fは、カバーシート4Fのうち後述する折り返し線4F6よりも股下領域1B側の部分に一致する形状を有するシート状の部材である。インナーカバーシート5Rもインナーカバーシート5Fと同様、インナーカバーシート5Rのうち後述するインナーカバーシート5F6よりも股下領域1B側の部分に一致する形状を有するシート状の部材である。
また、おむつ1は、パッドカバーシート6の着用者側の面において順に積層されるバックシート7、吸収体8、センターシート9を有する。パッドカバーシート6は、着用者の前身頃から股下を経由して後身頃へ届く長さを長手方向に有し、当該長手方向に対し直交する幅方向に所定の横幅を有する略直方体のシートである。また、バックシート7、吸収体8、センターシート9は、何れもパッドカバーシート6と同様に略長方形の外観を有するシート状の部材であり、長手方向がパッドカバーシート6の長手方向と一致する状態でパッドカバーシート6に対して順に積層されている。バックシート7は、排泄物の漏れを抑制するために液不透過性の熱可塑性樹脂を材料として形成されたシートである。また、センターシート9は、吸収体8の吸水面を被覆するように着用者の肌面側に配置される、シート状の部材である。このセンターシート9は、その一部又は全部において液透過性を有する。そのため、おむつ1が装着された状態において、着用者から排泄された液体は、着用者の肌に接触し得るセンターシート9を通って吸収体8に浸入し、そこで吸収される。液透過性のシートとしては、例えば、織布、不織布、多孔質フィルムが挙げられる。また、センターシート9は親水性を有していてもよい。
吸収体8は、パルプ繊維、レーヨン繊維、またはコットン繊維のようなセルロース系繊維の短繊維や、ポリエチレン、ポリプロピレン、またはポリエチレンテレフタレート等の合成繊維に親水化処理を施した短繊維の隙間に、水を吸収し保持することのできる架橋構造を持つ親水性の高吸収性重合体等の粒状の吸収性樹脂を保持させた構造を有する。よって、パッドカバーシート6は、着用者から排泄された液体を吸収すると、短繊維内の隙間に保持された吸収性樹脂を膨潤させて該液体を短繊維内に保持する。吸収体8は、1枚のマットからなる単層構造であってもよいし、複数枚のマットを重ね合わせた積層構造であってもよい。また、吸収体8は、目的に応じた適宜の形状を採ることができる。吸収体8の形状としては、例えば、矩形状、中央部付近が括れた砂時計型、その他各種の形状が挙げられる。
バックシート7、吸収体8、センターシート9は、何れも前身頃領域1Fから後身頃領域1Rにまで延在する。よって、バックシート7、吸収体8、センターシート9が積層されているパッドカバーシート6で着用者の陰部(股下)を覆うと、バックシート7、吸収体8、センターシート9の各長手方向の両端部は、着用者の腹側と背側に位置する状態となる。すなわち、着用者の陰部は、着用者の腹側から背側まで吸収体8に覆われる状態となる。したがって、着用者が腹を下へ向けた姿勢と背を下へ向けた姿勢の何れの姿勢で液体を体外へ排出しても、排出された液体はセンターシート9を介して吸収体8に接触する
ことになる。
また、おむつ1は、上述した立体ギャザー3BL,3BRを形成するための細長い帯状のサイドシート10L,10Rを有する。サイドシート10L,10Rは、センターシート9の長辺の部分に設けられる。そして、サイドシート10L,10Rには糸ゴム10L1,10R1が長手方向に沿って配置されている。よって、サイドシート10L,10Rは、前身頃領域1Fの左側の縁となるカバーシート4Fの縁4F7と、後身頃領域1Rの左側の縁となるカバーシート4Rの縁4R7とが互いに接合され、且つ、前身頃領域1Fの右側の縁となるカバーシート4Fの縁4F8と、後身頃領域1Rの右側の縁となるカバーシート4Rの縁4R8とが互いに接合されることにより、図1に示したような完成状態のおむつ1になると、糸ゴム10L1,10R1の収縮力で長手方向に引き寄せられて折り返し線10L2,10R2に沿ってセンターシート9から立ち上がる。その結果、左下肢開口部2L及び右下肢開口部2Rからの液体の流出を防ぐ立体ギャザー3BL,3BRが形成される。なお、カバーシート4Fにおける縁4F7及びカバーシート4Rにおける縁4R7、カバーシート4Fにおける縁4F8及びカバーシート4Rにおける縁4R8の接合方法は特に限定されないが、例えば、ヒートシール、高周波シール、超音波シール等によって行うことができる。
また、おむつ1は、パッドカバーシート6、バックシート7、吸収体8、センターシート9、サイドシート10L,10Rを挟んでカバーシート4Fの着用者側の面に積層される通気路形成シート11Fと、カバーシート4Rの着用者側の面に積層される通気路形成シート11Rとを有する。通気路形成シート11Fは、センターシート9の長手方向における一端側においてカバーシート4Fに重ねられる。また、通気路形成シート11Rは、センターシート9の長手方向における他端側においてカバーシート4Rに重ねられる。なお、本願においてシートが重なる状態とは、重ね合わされるシート同士が互いに全面的に接触する状態で重なる形態に限定されるものでなく、シートの一部分同士が重なる形態を含む概念である。例えば、通気路形成シート11Fは、パッドカバーシート6の長手方向における一端側の一部分が、カバーシート4Fの一部分に触れる状態で重ねられる。
通気路形成シート11Fには、前身頃領域1Fの上側の縁に沿う左右方向に延在する領域に通気用の微細な通気孔11F1が多数配列されている。通気路形成シート11Rにも通気路形成シート11Fと同様、通気孔11R1が多数配列されている。ここで、通気孔とは、シートの一方の面の側の空間と他方の面の側の空間とを連通させる開口部を意味し、その形状は特に限定されない。よって、通気孔11F1,11R1としては、例えば、円形、楕円形、多角形(三角形、四角形等)等の形状の開口部を適用することができる。通気路形成シート11F,11Rへの通気孔11F1,11R1の形成は、該通気路形成シート11F,11Rが通気性を有しない素材であることを意味するものでは無く、該通気路形成シート11F,11Rは通気性を有する素材と通気性を有しない素材の何れであってもよい。通気路形成シート11F,11Rは、通気性や液透過性を有する素材であることが好ましいが、例えば、非通気性の素材であってもよい。通気孔11F1,11R1の大きさや個数は特に限定されないが、例えば、開口面積が0.5~10mmの孔であれば5~200個程度形成されることが好ましい。
上記のように、おむつ1は、吸収体8を間に挟んだバックシート7及びセンターシート9の他、カバーシート4F,4R、通気路形成シート11F,11R、パッドカバーシート6、サイドシート10L,10Rが積み重なって形成されているため、これら複数のシートを積み重ねた積層体を有していると言える。
ここで、図3に示すように、カバーシート4Fは、折り返し線4F6において一端側が折り返されている。上述したウェストギャザー3Rは、カバーシート4Fに対して糸ゴム
(糸状のゴム)4F2,4F3が配置され、カバーシート4Rに対して糸ゴム(糸状のゴム)4R2,4R3が配置されることで形成される。カバーシート4Fに配置される糸ゴム4F2,4F3は、折り返されると前身頃領域1Fの上側の縁41F(図3を参照)を形成することになる折り返し線4F6沿いに、折り返し線4F6側から糸ゴム4F2、糸ゴム4F3の順に設けられている。また、カバーシート4Rに配置される糸ゴム4R2,4R3も、糸ゴム4F2,4F3と同様、折り返されると後身頃領域1Rの上側の縁41R(図3を参照)を形成することになる折り返し線4R6沿いに、折り返し線4R6側から糸ゴム4R2、糸ゴム4R3の順に設けられている。このため、糸ゴム4F2,4F3は、伸縮方向となる胴回り方向がおむつ1の左右方向となる向きでカバーシート4Fに設けられることになる。また、糸ゴム4R2,4R3は、伸縮方向となる長手方向がおむつ1の左右方向となる向きでカバーシート4Rに設けられることになる。よって、縁4F7と縁4R7が互いに接合され、縁4F8と縁4R8が互いに接合されると、糸ゴム4F2,4F3と糸ゴム4R2,4R3は、胴開口部2Tに沿って周回する実質的に環状の伸縮部材を形成し、胴開口部2Tを胴周り方向に収縮させる機能を発揮する。すなわち、糸ゴム4F2,4F3と糸ゴム4R2,4R3は、収縮力を発揮しておむつ1を着用者に密着させ、おむつ1と着用者の腹囲との間に隙間が形成されるのを防ぐ。
更に、カバーシート4Fには糸ゴム4F4,4F5が配置され、カバーシート4Rには糸ゴム4R4,4R5が配置されている。糸ゴム4F4,4F5は、カバーシート4Fのうち糸ゴム4F3よりも股下領域1B側の領域に設けられる伸縮部材である。ただし、糸ゴム4F4,4F5は、カバーシート4Fの左端から右端まで途切れることなく配置される糸ゴム4F2,F3とは異なり、吸収体8に対応する部位となる幅方向中央部が所定の横幅分だけカットされている。カバーシート4Fは、吸収体8に対応する部位となる幅方向中央部がカットされた糸ゴム4F4,4F5を有することにより、吸水による吸収体8の膨張を阻害することなく、着用者の下腹部に適度な密着感を付与する。カバーシート4Rについてもカバーシート4Fと同様であり、吸収体8に対応する部位となる幅方向中央部が所定の横幅分だけカットされた糸ゴム4R4,4R5がカバーシート4Rに配置されることで、着用者の下腹部に適度な密着感を付与する。
ところで、図3を見ると判るように、糸ゴム4F2は、図1に示した前身頃領域1Fの上側の縁となる部分に沿って左右方向に延在するように複数本設けられている。また、糸ゴム4F3は、糸ゴム4F2の隣で糸ゴム4F2と同様に左右方向に延在するように複数本設けられている。糸ゴム4F3は、おむつ1が着用された状態において、着用者の骨盤の左右両端部が位置する部位の付近に位置することで、おむつ1を着用者の腰に保持させる機能を主に担う。また、糸ゴム4F2は、おむつ1が着用された状態において、着用者の腹囲を糸ゴム4F3よりも上側で包囲することにより、おむつ1から液体が漏出するのを防ぐ機能や、糸ゴム4F3の収縮力に起因する着用者への圧迫感を緩和する機能、おむつ1内の湿気を排出する機能を担う。なお、糸ゴム4F4と糸ゴム4F5は、図3に示されるように、糸ゴム4F3の隣で糸ゴム4F3と同様に左右方向に延在するように複数本設けられている。そして、上述したように、糸ゴム4F4,4F5は、吸収体8に対応する部位がカットされている。
図4は、糸ゴム4F2同士の間隔とウェストギャザー3Rに現れるひだの大きさとの関係を示した図である。図4において(A)で示される図は、ウェストギャザー3Rを着用者の肌が触れる方から見た場合の図である。また、図4において(B)で示される図は、おむつ1の側方から見た場合のウェストギャザー3R内の内部構造を示した図である。また、図4において(C)で示される図は、おむつ1の上方からウェストギャザー3Rを見た場合の様子を示した図である。また、図4において(D)で示される図は、ウェストギャザー3Rが収縮した状態における、おむつ1の上方からウェストギャザー3Rを見た場合の状態を示した図である。図4では、説明の便宜上、ウェストギャザー3Rのうち前身
頃領域1Fの部分に対応する符号が図示されているが、ウェストギャザー3Rのうち後身頃領域1Rの部分についても同様である。すなわち、説明の便宜上、以下においては、ウェストギャザー3Rのうち前身頃領域1Fの部分に対応する符号を用いて実施形態のおむつ1を説明するが、下記相違点は、前身頃領域1Fにあるウェストギャザー3Rの部分と、後身頃領域1Rにあるウェストギャザー3Rの部分の両方に共通する。
図4に示されるように、カバーシート4Fは、図2に示した折り返し線4F6で折り返され、更に通気路形成シート11Fが重ねられて接合される。接合は、各糸ゴムとシートが伸長された状態で行われる。図4において(A)で示される図にある符号Sの破線は、接合された部分である。また、図4において(C)および(D)で示される図にある符号Sの箇所は、接合された部分である。
折り返し線4F6においてカバーシート4Fが折り返された状態でカバーシート4Fと通気路形成シート11Fとを接合する接合部分Sは、図4において(A)で示される図を見ると判るように、図1に示した前身頃領域1Fの上側の縁に対し直角の方向に延在する直線状の形態となっている。接合部分Sは、平行に複数設けられており、更に各間隔が大小交互となるように設けられている。よって、接合部分Sは、図4を見ると判るように、二重線が等間隔で並ぶような形態となっている。接合部分Sによって構成される二重線が等間隔で並ぶような形態を採ることにより、図4において(D)で示されるように、収縮後のウェストギャザー3Rにひだが大小交互に形成される。これは、接合が各糸ゴムとシートを伸長した状態で行われ、その後に伸長状態が解かれてウェストギャザー3Rが糸ゴム4F2の収縮力で縮むと、二重線を構成する2つの接合部分Sの間という間隔の狭い部分でシートの撓みにより小さいひだが形成され、二重線同士の間という間隔の広い部分ではシートの撓みにより大きいひだが形成されるためである。
二重線が等間隔で並ぶような形態の接合部分Sが形成されることにより、収縮後のウェストギャザー3Rにはシートの撓みにより形成されるひだが大小交互に波型で形成される。よって、例えば、接合部分Sが等間隔で形成される場合に比べて、着用者の肌から通気路形成シート11Fを透過することなくおむつ1の外部へ直接繋がる換気経路がより大きく形成され、着用者の蒸れ感がより抑制される。
また、各接合部分Sは、図4の破線が示すイメージの通り、接合されていない非接合部分が離散的に存在する間欠的な破線状の形態となっている。これは、各ひだによって複数形成される換気経路同士の間の通気性の向上を図ることで、局部的な蒸れ感の抑制を狙ったものである。このような離散的な接合は、例えば、超音波接合で実現することができる。
<貫通孔の形成>
図5は、上記実施形態のおむつ1に適用される製造方法を解説した第1の図である。また、図6は、上記実施形態のおむつ1に適用される製造方法を解説した第2の図である。おむつ1に使われているシート貫通孔の全部または一部は、以下の方法で形成される。以下の説明においては、通気孔を形成する場合について例示するが、おむつ1に使われているシートに形成する貫通孔としては、このような通気を目的とする通気孔の他に、尿や軟便を流通させるための孔等が挙げられる。
すなわち、おむつ1に使われているシートの通気孔を形成する際は、まず、少なくとも一部分がシートP2に接着されない非接着部分を有する糸ゴムP1を重ねた中間製品を形成する(図5を参照)。中間製品とは、製造途中のおむつ1である。次に、当該中間製品のうち当該非接着部分に対応する領域に通気孔P4を針P3で貫通形成する(図6を参照)。針P3は、形成したい通気孔P4の大きさに応じた太さのものが選択される。また、
通気孔P4を針P3で貫通形成する処理は、糸ゴムP1とシートP2が伸長された状態で行われる。
図5及び図6に示した上記一連の工程を、上記実施形態に係るおむつ1の製造工程の途中に組み込むことにより、おむつ1に形成されている通気孔の一部または全部を針P3で形成することができる。針P3で形成した通気孔P4であれば、各シートP2の通気孔P4が同じ位置で互いに重なるように形成されるため、例えば、通気孔を予め設けたシート同士を重ねる場合に比べると、各シートP2の通気孔P4を空気が通過する際の気流の蛇行が殆ど無い。よって、針P3で形成した通気孔P4であれば、通気孔を予め設けたシート同士を重ねたものよりも通気性が高い。
また、針P3を使った通気孔P4の貫通形成を、糸ゴムP1がシートP2に接着されていない非接着部分に対応する領域で行っているため、針P3が糸ゴムP1を切断することもない。図7は、上記実施形態のおむつ1に適用される製造方法を解説した第3の図である。針P3を使った通気孔P4の貫通形成が、糸ゴムP1がシートP2に重なっている領域で行われると、例えば、図7(A)に示されるように、糸ゴムP1が針P3に対応する位置に存在する場合がある。この場合、針P3をシートP2に突き刺すと、針P3が糸ゴムP1に接触する。しかし、針P3を使った通気孔P4の貫通形成は、糸ゴムP1がシートP2に接着されていない非接着部分に対応する領域で行われるため、針P3に接触した糸ゴムP1は、図7(B)に示されるように、針P3の進行方向に対し横方向へ動く。よって、糸ゴムP1に針P3が突き刺さって糸ゴムP1が切断されることもない。
なお、糸ゴムP1が針P3の進行方向に対し横方向へ動きやすくするには、通気孔P4を針P3で貫通形成する際、糸ゴムP1をシートP2から浮かせた状態(離れた状態)にしておくことが好ましい。糸ゴムP1がシートP2から浮かせた状態になっていれば、針P3に接触した糸ゴムP1が針P3に押されてシートP2に押し付けられる前に、糸ゴムP1が針P3の横へ逃げることができるので、糸ゴムP1が針P3に切断される可能性をより低くすることができる。
糸ゴムP1が針P3に対応する位置に存在していた場合、通気孔P4が貫通形成された後は、図7(C)に示されるように、糸ゴムP1は、少なくとも一部分が通気孔P4に重なる位置に存在する場合がある。また、針P3に接触した糸ゴムP1が針P3の進行方向に対し横方向へ動くためには、針P3の先端が鋭利でなく、糸ゴムP1より太くて丸みを有していることが好ましい。
ところで、シートの通気孔を形成する方法は、例えば、以下のように変形してもよい。図8は、上記実施形態のおむつ1に適用される製造方法を解説した第4の図である。シートP2が熱溶融性の素材で構成されている場合、針P3をシートP2の融点より高い温度にすることで、以下のような通気孔を形成することができる。すなわち、シートP2に糸ゴムP1を重ねた中間製品の非接着部分に対応する領域に針P3を突き刺す際、針P3をシートP2の融点より高い温度にしておくと、針P3がシートP2を貫く際、シートP2同士が溶着する。このため、図8(C)に示されるように、針P3によって通気孔P4が貫通形成された各シートP2は、通気孔P4の縁の部分で互いに溶着する。よって、糸ゴムP1は、シートP2に完全に包まれる状態となり、通気孔P4を通じて外側から見えることは無くなる。したがって、例えば、着用者の指先の爪が通気孔P4に入って糸ゴムP1を切断する可能性も無い。
なお、着用者の指先の爪等が通気孔P4に入らないようにするには、通気孔P4の直径が最大でも3mm程度であることが好ましい。
また、おむつ1に用いられるシートの融点が、通常、150℃程度であるのに対し、おむつ1に用いられる糸ゴムの融点は、300~400℃程度である。よって、針P3で通気孔P4を貫通形成する際は、針P3の温度をシートP2の融点よりも高く、糸ゴムP1の融点よりも低くしておけば、糸ゴムP1が針P3の熱で溶けることは無い。
ところで、針P3の熱によって通気孔P4の縁の部分に形成される溶着部分は、周囲に比べてシートP2の繊維が高密度で硬く、強度が高いため、補強部P5として捉えることができる。補強部P5は、針P3の貫通によって形成されるので環状である。よって、当該補強部P5は、通気孔P4が広がるのを防止する役割を果たす。補強部P5は、シートP2同士が通気孔P4の縁の部分で互いに溶着する形態に限定されるものでなく、例えば、単一のシートP2の通気孔P4の縁の部分にも形成され得る。穿孔前に通気孔P4が穿孔される位置に糸ゴムP1があった場合、当該糸ゴムP1は穿孔後に当該補強部P5へ通気孔P4の外側から接する状態となる。そして、当該糸ゴムP1の伸長状態が解除されて当該糸ゴムP1が収縮すると、当該糸ゴムP1が補強部P5に接している箇所の通気孔P4の縁が変形して、当該通気孔P4の縁の環が平面ではなく立体的に歪んだ形態となる。この結果、通気孔P4の縁の一部分が扇形に立ち上がったような立体的な環の縁となり、当該通気孔P4の通気性が皿に向上する。
なお、補強部P5を針P3の熱によって形成する場合、シートP2が熱で適切に溶融するように穿孔温度と時間を十分にとる必要がある。しかし、穿孔温度を高めたり時間を長くしたりすると、糸ゴムP1を切断する可能性も高くなるので、例えば、穿孔の時間を長くする場合には穿孔温度が糸ゴムP1の融点を上回らないように精密に温度制御する必要がある。穿孔温度や時間を適切に制御する方法としては、例えば、外周面に針P3を配列したローラを用意し、当該ローラを取り巻く(巻き付かせる)ようにシートP2を引き回してシート送りを行う装置構成が挙げられる。このような装置構成であれば、シート送りの速度の増減、及び、ローラを加熱するヒータの発熱量の増減により、穿孔温度や時間を適切に制御することができる。
なお、補強部P5は、環状の部材を貼着して形成されたものであってもよい。また、補強部P5は、シートP2または糸ゴムP1に塗布された熱溶融性の接着剤が硬化したものであってもよい。この場合、針P3の温度は、接着剤の融点より高ければ接着剤を溶融させて補強部P5を形成可能であり、シートP2の融点より低くてもよい。
ところで、針P3を以下のように変形すると、仮に針P3が糸ゴムP1を切断した場合であっても、当該糸ゴムP1の切断による収縮力低下の影響が当該糸ゴムP1全体に伝搬するのを防ぐことができる。図9は、針P3の変形例を示した図である。本変形例に係る針P3は、針本体P31と、針本体P31を取り巻く筒状のおさえP32とを有する。おさえP32の先端は、環状になっており、針本体P31の先端がおさえP32の先端の環状開口部分から突き出ている。本変形例に係る針P3を用いれば、糸ゴムP1を通気孔P4の周囲に留めることができる。図10は、変形例に係る針P3を用いることによって通気孔P4の周囲に形成される接着部の一例を示した図である。
シートP2同士の間に糸ゴムP1を配置した積層体に、シートP2同士がシートP2の溶解によって溶着するか、或いは、シートP2に塗布された熱溶融性の接着剤が溶融する程度の温度に加熱した変形例の針P3で穿孔して通気孔P4を形成すると、図10(A)に示すように、通気孔P4の周囲に、シートP2同士を環状に接合する接着部P6がおさえP32によって形成される。この接着部P6は、通気孔P4の周囲に環状に形成されるので、シートP2同士の間に糸ゴムP1を挟んだ状態で固定する。したがって、図10(B)に示すように、通気孔P4を形成する針本体P31によって糸ゴムP1が切断されても、切断された糸ゴムP1の端部同士が接着部P6によって実質的に連結された状態が保
たれ、当該糸ゴムP1の切断による収縮力低下の影響が当該糸ゴムP1全体に伝搬するのを防ぐことができる。
針P3を使って通気孔P4を形成する方法は、例えば、上記実施形態のおむつ1に備わる通気孔11F1,11R1の形成や、その他の箇所にある通気孔を形成する際に適用することができる。おむつ1には、上述したように、糸ゴムが多数備わっているが、針P3を使って通気孔P4を形成すれば、これらの糸ゴムを切断することなく通気孔を形成可能である。
なお、針P3は、図6等に図示したような剣山状のものに限定されない。針P3は、例えば、上述したように、ローラの外周面に形成されており、当該ローラがシートP2の表面を転がることにより、当該シートP2に通気孔P4を貫通形成するものであってもよい。
また、針P3が突き刺されるシートP2は、針P3の反対側が柔軟な素材の支持部材で支持されていてもよい。シートP2がこのような柔軟な支持部材で支持されていれば、針P3がシートP2を貫くことができる。
また、針P3によって貫通形成される通気孔P4は、図6等に示したように、2枚のシートP2に形成される形態に限定されるものではない。針P3によって貫通形成される通気孔P4は、1枚のシートP2に形成されるものであってもよいし、或いは、3枚以上のシートP2に形成されるものであってもよい。
ところで、上記実施形態や変形例では、通気孔P4やその周辺部分で糸ゴムP1がシートP2に接着されない形態となっていたが、このような形態に限定されるものではない。例えば、糸ゴムP1とシートP2が互いに接触する部位を、通気孔P4が形成される部位に隣接する第1領域と、第1領域とは異なる第2領域とに区分けし、第2領域においてシートP2に糸ゴムP1を接着させた状態で通気孔P4の穿孔を行ってもよい。通気孔P4の穿孔後は、第1領域において糸ゴムP1をシートP2に接着してもよいし、第1領域において糸ゴムP1をシートP2に接着しないままにしてもよい。このような製造方法であれば、穿孔において糸ゴムP1が誤って切断されても、糸ゴムP1の収縮が第2領域で止まるため、糸ゴムP1の切断による収縮力低下の影響が当該糸ゴムP1全体に伝搬するのを防ぐことができる。
次に、針P3を使って通気孔P4が形成されたシートP2をその他の部材に接合する方法について説明する。図11は、穿孔及び接着剤の塗布の両方を同時に行うことが可能な穿孔塗布装置の一例を示した図である。穿孔塗布装置21は、図11に示されるように、針ロール22、穴ロール23、転写ロール24、塗布ロール25及び皿26を備える。
針ロール22は、上述した針P3を外周面に設けたローラである。また、穴ロール23は、針ロール22と平行に配置されるローラである。穴ロール23は、針ロール22の外周面に対し、おむつ1を構成するシート等が通過可能な距離を空けて配置される。そして、穴ロール23は、針ロール22と共に回転することにより、これらのシート等を針ロール22と穴ロール23との間に挟み込む。よって、穴ロール23の外周面には、針ロール22の外周面に設けられた針P3に対応する位置に針穴P7が設けられている。また、穴ロール23は、針ロール22の外周面に設けられた針P3が、穴ロール23の外周面に設けられた針穴P7の位置に合うように、回転角の位相が調整される。よって、針ロール22の外周面に設けられている針P3は、穿孔塗布装置21の作動中、穴ロール23の外周面に接触することなく、針穴P7に出入りする。
転写ロール24は、接着剤P9を穴ロール23に間欠的に塗布するためのローラである。よって、転写ロール24の外周面には、穴ロール23に塗布する接着剤P9の塗布パターンに合うように突出形成された凸部P8が設けられている。そして、転写ロール24は、凸部P8の突端が穴ロール23の外周面に接触する状態で、穴ロール23と平行に配置されている。また、転写ロール24は、凸部P8の突端が、穴ロール23の外周面に設けられた針穴P7同士の間で穴ロール23の外周面に接触するように、回転角の位相が調整される。よって、転写ロール24の外周面に設けられている凸部P8は、穿孔塗布装置21の作動中、穴ロール23の外周面のうち針穴P7同士の間の部分に接着剤P9を離散的に塗布する。
塗布ロール25は、接着剤P9を転写ロール24の外周面に設けられた凸部P8の突端に塗布するためのローラである。塗布ロール25の外周面は、平滑な外周面となっている。また、塗布ロール25は、外周面が転写ロール24の凸部P8の突端に接触する状態で、転写ロール24と平行に配置されている。そして、塗布ロール25の下部は、塗布ロール25の下側に配置された皿26に溜まる液状の接着剤P9に浸っている。よって、塗布ロール25は、穿孔塗布装置21の作動中に回転することで、皿26に溜まる液状の接着剤P9を外周面に付着させ、外周面に付着させた接着剤P9を転写ロール24の凸部P8の突端に付着させる。
また、穿孔塗布装置21には、各ローラが上述した位相で同期しながら回転するように各ローラの回転軸に連結された歯車等の動力伝達機構が設けられている。
穿孔塗布装置21は、おむつ1の生産ラインの製造設備に組み込まれており、当該製造設備のその他の装置と連動することにより、当該その他の装置から送られるシートに対し、穿孔及び接着剤P9の塗布を行う。
そして、図11に示されるように、おむつ1の生産ラインが稼働している間、穿孔塗布装置21の上流側にある装置から、糸ゴムP1をシートP2同士の間に非接着で挟み込んだ中間製品が穿孔塗布装置21へ送り込まれる。穿孔塗布装置21へ送り込まれた中間製品は、針ロール22と穴ロール23との間を通過し、穿孔塗布装置21の下流側にある装置へ送られる。
中間製品は、針ロール22と穴ロール23との隙間に進入する過程で、針ロール22の外周面に設けられた針P3に刺される。そして、針P3が穴ロール23の針穴P7に入ると、針P3がシートP2を貫通する。針P3がシートP2を貫通すると、中間製品に通気孔P4が形成される。また、中間製品は、針ロール22と穴ロール23との隙間に進入する過程で、穴ロール23の外周面のうち針穴P7同士の間の部分に塗布された接着剤P9が付着する。この接着剤P9は、中間製品の下面のうち通気孔P4同士の間の部分に付着する。中間製品に付着した接着剤P9は、当該中間製品に重ねて配置される他の部材をシートP2に接合するための接着剤P9となる。
図12は、穿孔塗布装置21を使って通気孔P4を形成し、接着剤P9を塗布する箇所の一例を示した図である。図12では、通気孔P4と接着剤P9が見えやすいようにするため、その他の部位を細線で示している。また、通気孔P4と接着剤P9は、図12では理解を容易にするために大きく図示しているが、実際の製品では適宜の大きさに調整される。
穿孔塗布装置21を使った通気孔P4の形成及び接着剤P9の塗布は、おむつ1の各部に適用可能である。例えば、図12に示すように、吸収体8に対応する部分に適用すれば、胴回りのシートと吸収体8との間に通気路を形成することができる。
図13は、通気路の第1例を示した図である。例えば、通気孔P4同士の間に接着剤P9を間欠的に塗布した中間製品をパッドに貼着すると、シートP2が接着剤P9によってパッドに接着される。接着剤P9は、例えば、ホットメルトの接着剤であれば、冷却完了前に溶融状態を保つが、通気孔P4同士の間に間欠的に塗布されているので、接着剤P9が通気孔P4を塞がない。そして、接着剤P9が冷却されて硬化すると、シートP2が接着剤P9に対して離散的に接着される。よって、穿孔塗布装置21を使った通気孔P4の形成及び接着剤P9の塗布を、例えば、吸収体8のようなパッドに対応する部分に適用すれば、シートP2に通気孔を形成できるのみならず、シートP2とパッドとの間にも通気路を形成することができる。したがって、例えば、パッドの長手方向前端部と着用者のお腹との間に通気路を形成したり、或いは、その他の箇所に通気路を形成したりすることが可能となる。この通気路は、図13に示されるように、糸ゴムP1の伸長状態が解放されて収縮すると、通気路の有効面積が広がる。したがって、おむつ1の通気性を可及的に向上させることができる。なお、パッドが例えば長手方向の端部でめくれるような場合には、めくれを抑えるためのパッド押さえシートをパッドの端部付近に重ねてもよい。パッド押さえシートがパッドの端部付近に重なっていれば、パッドの端部が着用者の肌に触れるのを防ぐことができる。
図14は、通気路の第2例を示した図である。例えば、図14に示すように、パッドにスリットを設けてもよい。スリットを設けたパッドに対し、スリット同士の間に接着剤P9が位置するような状態でシートP2を接着すれば、シートP2とパッドとの間に形成される通気路がスリットにも連通した状態となる。よって、おむつ1の通気性を更に向上させることができる。
また、上記実施形態や各変形例では、積層したシートに伸長状態の糸状弾性体を非接着で重ねた後に貫通孔を形成していたが、積層したシートに伸長状態の糸状弾性体を非接着で重ねる前に貫通孔を形成してもよい。
図15は、上記実施形態のおむつ1に適用される製造方法の変形例を解説した第1の図である。また、図16は、上記実施形態のおむつ1に適用される製造方法の変形例を解説した第2の図である。おむつ1に使われているシート貫通孔の全部または一部は、以下の方法で形成してもよい。
本変形例において、おむつ1に使われているシートの通気孔を形成する際は、まず、糸ゴムP1を重ねる前のシートP2,P2の積層体を用意する(図15を参照)。中間製品とは、製造途中のおむつ1である。次に、シートP2,P2の積層体に通気孔P4を針P3で貫通形成する(図16を参照)。針P3は、形成したい通気孔P4の大きさに応じた太さのものが選択される。その後に、シートP2,P2の間で糸ゴムP1が何れかのシートP2に重ねられる。
図15及び図16に示した上記一連の工程を、上記実施形態に係るおむつ1の製造工程の途中に組み込むことにより、おむつ1に形成されている通気孔の一部または全部を針P3で形成することができる。針P3で形成した通気孔P4であれば、各シートP2の通気孔P4が同じ位置で互いに重なるように形成されるため、例えば、通気孔を予め設けたシート同士を重ねる場合に比べると、各シートP2の通気孔P4を空気が通過する際の気流の蛇行が殆ど無い。よって、針P3で形成した通気孔P4であれば、通気孔を予め設けたシート同士を重ねたものよりも通気性が高い。また、針P3を使った通気孔P4の貫通形成を、糸ゴムP1をシートP2に重ねる前に行っているため、針P3が糸ゴムP1を切断することもない。本変形例においても、上記実施形態と同様、図7(C)に示したように、糸ゴムP1は、少なくとも一部分が通気孔P4に重なる位置に存在する場合がある。
1・・おむつ
1B・・股下領域
1F・・前身頃領域
1R・・後身頃領域
2T・・胴開口部
2L・・左下肢開口部
2R・・右下肢開口部
3BL,3BR・・立体ギャザー
3R・・ウェストギャザー
4F,4R・・カバーシート
4F1,4R1・・開口
4F2,4F3,4F4,4F5,4R2,4R3,4R4,4R5,10L1,10R1・・糸ゴム
4F6,4R6,10L2,10R2・・折り返し線
4F7,4F8,4R7,4R8・・縁
5F,5R・・インナーカバーシート
6・・パッドカバーシート
7・・バックシート
8・・吸収体
9・・センターシート
10L,10R・・サイドシート
11F,11R・・通気路形成シート
11F1,11R1・・通気孔
S・・接合部分
P1・・糸ゴム
P2・・シート
P3・・針
P4・・通気孔
P5・・補強部
P6・・接着部
P7・・針穴
P8・・凸部
P9・・接着剤
P31・・針本体
P32・・おさえ
21・・穿孔塗布装置
22・・針ロール
23・・穴ロール
24・・転写ロール
25・・塗布ロール
26・・皿

Claims (6)

  1. 着用者の股下に配置される吸収体と、
    積層した複数のシートの間に前記吸収体を挟んでおり、前記着用者の胴回りが配置される胴開口部と、前記着用者の下肢が挿通される下肢開口部とを形成し得る積層体と、
    前記シートに重ねられる糸状弾性体と、
    前記積層体に形成される貫通孔と、を備え、
    前記糸状弾性体は、少なくとも一部分が前記貫通孔に重なる位置にある、
    吸収性物品。
  2. 着用者の股下に配置される吸収体と、
    積層した複数のシートの間に前記吸収体を挟んでおり、前記着用者の胴回りが配置される胴開口部と、前記着用者の下肢が挿通される下肢開口部とを形成し得る積層体と、
    前記シート同士が重なる積層部分に挟み込まれており、少なくとも一部分が前記シートに接着されない非接着部分を有する糸状弾性体と、
    前記積層体に形成される貫通孔と、を備え、
    前記貫通孔の縁は、前記シート同士の接合によって補強されており、
    前記糸状弾性体は、前記貫通孔の縁の補強部分に前記貫通孔の外側から接している、
    吸収性物品。
  3. 前記貫通孔の縁には、当該縁を補強する補強部が設けられている、
    請求項2に記載の吸収性物品。
  4. 前記貫通孔の縁は、前記シート同士の溶着によって補強されている、
    請求項2または3に記載の吸収性物品。
  5. 前記貫通孔は、伸長状態の前記糸状弾性体が非接着で重ねられた部分に形成された、
    請求項1から4の何れか一項に記載の吸収性物品。
  6. 着用者の股下に吸収体を配置する吸収性物品の製造方法であって、
    前記吸収性物品に用いられるシートの積層体に穿孔して貫通孔を形成する第1工程と、
    前記積層体のシートに前記糸状弾性体を重ねる第2工程と、を有する、
    吸収性物品の製造方法。
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