JP2022064575A - 樹脂粒子、樹脂粒子の水分散液、及び樹脂粒子の水分散液を作製する方法 - Google Patents

樹脂粒子、樹脂粒子の水分散液、及び樹脂粒子の水分散液を作製する方法 Download PDF

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Abstract

【課題】光軟化性を有する樹脂粒子、樹脂粒子の分散液、及び樹脂粒子の水分散液を作製する方法を提供すること。【解決手段】本開示は、ジスルフィド結合を有する化合物と界面活性剤とを含む樹脂粒子、ジスルフィド結合を有する化合物と界面活性剤とを含む樹脂粒子の水分散液、及び樹脂粒子の水分散液を作製する方法に関する。【選択図】図1

Description

本開示は、樹脂粒子、樹脂粒子の水分散液、及び樹脂粒子の水分散液を作製する方法に関する。
光照射によって軟化する光軟化性組成物は、様々な用途に用いられている。例えば、特許文献1には、光軟化性樹脂から構成される光軟化樹脂層を有する記録部材を備える画像形成装置が開示されている。
特開平11-190883号公報
本開示は、光軟化性を有する樹脂粒子、樹脂粒子の水分散液、及び樹脂粒子の水分散液を作製する方法を提供することを主な目的とする。
本開示の一側面は、ジスルフィド結合を有する化合物と、界面活性剤とを含む、樹脂粒子に関する。
本開示の他の一側面は、ジスルフィド結合を有する化合物と、界面活性剤とを含む、樹脂粒子の水分散液に関する。
本開示の他の一側面は、ジスルフィド結合を有する化合物を含む有機溶剤溶液を、界面活性剤を含む水溶液に添加して乳化液を調製する工程と、乳化液から有機溶剤を除去する工程と、を備える、樹脂粒子の水分散液を作製する方法に関する。
本開示によれば、光軟化性を有する樹脂粒子、樹脂粒子の水分散液、及び樹脂粒子の水分散液を作製する方法が提供される。
本実施形態に係る樹脂粒子の断面を示すイメージ図である。
以下、本開示の実施形態について説明する。ただし、本開示は以下の実施形態に限定されるものではない。
本明細書において、「光軟化性」とは、光照射によって、粘度が低下する、弾性率が低下する、損失正接(tanδ)が上昇する、硬度が低下する等の性質を示すことをいう。本明細書において、「工程」との語は、独立した工程だけではなく、他の工程と明確に区別できない場合であってもその工程の所期の作用が達成されれば、本用語に含まれる。本明細書中、「~」を用いて示された数値範囲は、「~」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を示す。本明細書中に段階的に記載されている数値範囲において、ある段階の数値範囲の上限値又は下限値は、他の段階の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよい。本明細書中に記載されている数値範囲において、その数値範囲の上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。また、個別に記載した上限値及び下限値は任意に組み合わせ可能である。
本明細書において、組成物中の各成分の含有量は、組成物中に各成分に該当する物質が複数存在する場合、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数の物質の合計量を意味する。また、例示材料は特に断らない限り単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。「A又はB」とは、A及びBのどちらか一方を含んでいればよく、両方とも含んでいてもよい。本明細書において、「(メタ)アクリロイル基」とは、アクリロイル基又はメタクリロイル基を意味し、その他の類似表現も同様である。
[樹脂粒子]
本実施形態に係る樹脂粒子は、ジスルフィド結合を有する化合物(以下、「(A)成分」という場合がある。)と、界面活性剤(以下、「(B)成分」という場合がある。)とを含む。
樹脂粒子の平均粒子径(D50)は、50~1000nmが好ましく、50~500nmがより好ましく、60~400nmが更に好ましく、65~300nmが特に好ましい。平均粒子径は、動的光散乱法により、樹脂粒子の粒度分布を測定することで算出することができる。
図1は、本実施形態に係る樹脂粒子10の断面を示すイメージ図である。樹脂粒子10は、(A)成分を含有するポリマー粒子1と、ポリマー粒子1の表面付近に存在する界面活性剤2と、から構成される。
(A)成分:ジスルフィド結合を有する化合物
(A)成分は、光照射によってチイルラジカルを発生することが可能なジスルフィド結合を有する。(A)成分は、ジスルフィド結合(-S-S-)を有する化合物であれば特に制限されないが、(A)成分が光照射によって低分子量化することから、ポリマー又はオリゴマーの高分子量成分であってよい。(A)成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。(A)成分は、複数(2個以上)のジスルフィド結合を有していることが好ましい。
(A)成分は、例えば、ジスルフィド結合を有しかつ官能基を有する単量体(以下、「(A-1)成分」という場合がある。)と、官能基と反応可能な置換基を有する単量体(以下、「(A-2)成分」という場合がある。)とを反応させることによって得られる共重合体、言い換えると、(A-1)成分と(A-2)成分との反応物、すなわち、(A-1)成分の単量体単位及び(A-2)成分の単量体単位を含む共重合体であってよい。
(A-1)成分における官能基としては、例えば、チオール基、カルボキシ基、水酸基、アミノ基、アリル基等が挙げられる。(A-1)成分における官能基は、例えば、チオール基、カルボキシ基、水酸基、アミノ基、及びアリル基からなる群より選ばれる少なくとも1種であってよい。(A-1)成分の官能基数は、高分子量化の観点から、2個以上であってよい。一方で、(A)成分の架橋度が少なくなるほど、光軟化性樹脂組成物を光照射したときに液状(液体)まで軟化させ易くなる傾向にあることから、(A-1)成分として、官能基数が2個である単量体を使用することが好ましく、官能基数の異なる複数の単量体を使用する場合は、官能基数が2個である単量体の使用割合を多くすることが好ましい。官能基数が2個である単量体の割合は、(A-1)成分全量を基準として、75~100質量%、85~100質量%、又は90~100質量%であってよい。官能基数が3個以上である単量体の割合が、(A-1)成分全量を基準として、0~10質量%、0~15質量%、又は0~25質量%であってよい。
(A-1)成分の市販品としては、例えば、チオコールLPシリーズ(ポリサルファイドポリマー、東レ・ファインケミカル株式会社製)、3,3’-ジチオジプロピオン酸(東京化成工業株式会社製)、ジチオジエタノール(東京化成工業株式会社製)、シスタミン塩酸塩(東京化成工業株式会社製)、ジアリルジスルフィド(東京化成工業株式会社製)等が挙げられる。これらの(A-1)成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(A-2)成分は、官能基と反応可能な置換基を有する単量体であり、官能基と反応可能な置換基を有しているのであれば特に制限されずに使用することができる。置換基は、環状エーテルを含む基(例えば、グリシジル基等)、イソシアネート基、(メタ)アクリロイル基、アルデヒド基、アミノ基、水酸基、カルボキシ基、アルコキシシリル基等が挙げられる。(A-2)成分における置換基は、例えば、環状エーテルを含む基、イソシアネート基、及び(メタ)アクリロイル基からなる群より選ばれる少なくとも1種であってよい。(A-2)成分における置換基数は、高分子量化の観点から、2個以上であってよい。一方で、(A)成分の架橋度が少なくなるほど、光軟化性樹脂組成物を光照射したときに液状(液体)まで軟化させ易くなる傾向にあることから、(A-2)成分として、置換基数が2個である単量体を使用することが好ましく、置換基数の異なる複数の単量体を使用する場合は、置換基数が2個である単量体の使用割合を多くすることが好ましい。
(A-2)成分の一態様において、置換基数が3個以上である単量体の割合は、(A-2)成分全量を基準として、20質量%以上、30質量%以上、40質量%以上、又は50質量%以上であってよく、90質量%以下又は75質量%以下であってよい。置換基数が2個である単量体の割合は、(A-2)成分全量を基準として、10質量%以上又は25質量%以上であってよく、80質量%以下、70質量%以下、60質量%以下、又は50質量%以下であってよい。
(A-2)成分の他の一態様において、置換基数が2個である単量体の割合は、(A-2)成分全量を基準として、75~100質量%、85~100質量%、又は90~100質量%であってよい。置換基数が3個以上である単量体の割合が、(A-2)成分全量を基準として、0~10質量%、0~15質量%、又は0~25質量%であってよい。
(A-2)成分としては、例えば、1分子中に2個以上の環状エーテルを含む基を有する単量体;1分子中に2個以上のイソシアネート基を有する単量体;1分子中に2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する単量体;1分子中に2個以上のアミノ基を有する単量体、1分子中にイソシアネート基及び(メタ)アクリロイル基を2個以上有する単量体;1分子中に環状エーテルを含む基及びアルコキシリル基を2個以上有する単量体;1分子中に2個以上のイソシアネート基を有する化合物又は1分子中に2個以上の環状エーテルを含む基を有する化合物と、1分子中にアミノ基、酸無水物骨格、又はチオール基、及び、アルコキシリル基を有する化合物との組み合わせである単量体;1分子中に2個以上のイソシアネート基を有する化合物と、1分子中に水酸基及び(メタ)アクリロイル基を有する化合物との組み合わせである単量体;1分子中に2個以上の環状エーテルを含む基を有する化合物と、1分子中にカルボキシ基及び(メタ)アクリロイル基を有する化合物との組み合わせである単量体等が挙げられる。これらの(A-2)成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(A-1)成分と(A-2)成分との好適な組み合わせとしては、例えば、ジスルフィド結合を有しかつチオール基又は水酸基を有する単量体と、1分子中に2個以上の環状エーテルを含む基を有する単量体、1分子中に2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する単量体、及び1分子中に2個以上のイソシアネート基を有する単量体からなる群より選ばれる少なくとも1種との組み合わせ;ジスルフィド結合を有しかつカルボキシ基を有する単量体と、1分子中に2個以上の環状エーテルを含む基を有する単量体、1分子中に2個以上のアミノ基を有する単量体、及び1分子中に2個以上のイソシアネート基を有する単量体からなる群より選ばれる少なくとも1種との組み合わせ等が挙げられる。
(A-1)成分と(A-2)成分とを反応させて(A)成分である共重合体を得る場合、これらの成分の反応割合は、(A-1)成分の官能基当量及び(A-2)成分の置換基当量に基づき、適宜調整することができる。(A-1)成分と(A-2)成分との反応は、加熱しながら行ってもよい。反応温度は、例えば、0~200℃であってよく、反応時間は、例えば、0.1~240時間であってよい。
(A-1)成分と(A-2)成分とを反応させる場合、必要に応じて、硬化触媒を用いてもよい。硬化触媒は、(A-1)成分の官能基の種類及び(A-2)成分の置換基の種類に合わせて、任意に選択することができる。(A-1)成分として、チオール基又は水酸基を官能基として有する単量体と、(A-2)成分として、イソシアネート基を置換基として有する単量体とを反応させる場合、硬化触媒は、例えば、錫系触媒又はアミン系触媒であってよい。(A-1)成分として、カルボキシ基を官能基として有する単量体と、(A-2)成分として、環状エーテルを含む基を置換基として有する単量体とを反応させる場合、硬化触媒成分は、例えば、アミン系触媒又はリン系触媒であってよい。(A-1)成分として、チオール基又は水酸基を官能基として有する単量体と、(A-2)成分として、(メタ)アクリロイル基を置換基として有する単量体とを反応させる場合、チオール基又は水酸基と(メタ)アクリロイル基とのマイケル付加反応を促進するアミン系触媒を用いてよい。
錫系触媒としては、例えば、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジクロライド、ジブチル錫オキサイド、ジブチル錫ジブロマイド、ジブチル錫ジマレエート、ジオクチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫スルファイド、トリブチル錫スルファイド、トリブチル錫オキサイド、トリブチル錫アセテート、トリエチル錫エトキサイド、トリブチル錫エトキサイド、ジオクチル錫オキサイド、トリブチル錫クロライド、トリブチル錫トリクロロアセテート、2-エチルヘキサン酸錫等が挙げられる。
アミン系触媒としては、例えば、トリエチルアミン、トリエチレンジアミン、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン-7(DBU)、1,5-ジアザビシクロ[4.3.0]ノネン-5(DBN)等が挙げられる。
リン系触媒としては、例えば、トリフェニルホスフィン及びその付加反応物、(4-ヒドロキシフェニル)ジフェニルホスフィン、ビス(4-ヒドロキシフェニル)フェニルホスフィン、トリス(4-ヒドロキシフェニル)ホスフィン等が挙げられる。
硬化触媒の含有量は、(A-1)成分及び(A-2)成分の合計を基準として、0.005~10質量%、0.01~5質量%、又は0.02~3質量%であってよい。
(A)成分の分子量又は重量平均分子量(Mw)は、200~10000000、1000~2000000、又は2500~1000000であってよい。Mwは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法(GPC)で標準ポリスチレンによる検量線を用いたポリスチレン換算値である。
(B)成分:界面活性剤
界面活性剤としては、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、及び両イオン系界面活性剤が挙げられる。
アニオン系界面活性剤としては、例えば、オレイン酸ナトリウム、ヒマシ油カリ等の脂肪酸油、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム等のアルキル硫酸エステル塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のアルキルベンゼンスルホン酸塩;アルキルナフタレンスルホン酸塩、アルカンスルホン酸塩、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム等のジアルキルスルホコハク酸塩;アルケニルコハク酸塩(ジカリウム塩)、アルキルリン酸エステル塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム等のポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩;ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンラウリルエーテル酢酸ナトリウム等のポリオキシエチレンラウリルエーテル酢酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸等のアルキルベンゼンスルホン酸、テトラデセンスルホン酸ナトリウム等のアルファオレフィンスルホン酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルエーテル硫酸エステル塩、N-ラウロイル-N-メチル-β―アラニンナトリウム塩等のアラニネート及びその塩、及び脂肪酸石鹸が挙げられる。
カチオン系界面活性剤としては、例えば、ラウリルアミンアセテート、ステアリルアミンアセテート等のアルキルアミン塩;及びセチルトリメチルアンモニウムブロミド、セチルトリメチルアンモニウムクロリド、ラウリルトリメチルアンモニウムブロミド、ラウリルトリメチルアンモニウムクロリド等の第四級アンモニウム塩が挙げられる。
ノニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコールアルキルエーテル、ポリエチレングリコールアルキルアリールエーテル、ポリエチレングリコールエステル、ポリエチレングリコールソルビタンエステル、パーフルオロアルキルグリコール、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリエチレン・ポリオキシプロピレンデシルエーテル、及びポリオキシエチレンイソアルコールエーテルが挙げられる。
両性イオン系界面活性剤としては、例えば、ラウリルジメチルアミンオキサイド等の炭化水素界面活性剤、リン酸エステル系界面活性剤、亜リン酸エステル系界面活性剤、及びラウリン酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン等のベタインが挙げられる。
(B)成分としては、樹脂粒子の水中での分散安定性の観点から、イオン性基を有する界面活性剤を用いることが好ましく、アニオン系界面活性剤を用いることがより好ましく、アニオン系界面活性剤及びノニオン系界面活性剤を併用することが更に好ましい。
(B)成分の添加量は、樹脂粒子の水分散性をより高める観点から、(A)成分100質量部に対して、0.01~50質量部、0.05~40質量部、又は0.1~30質量部であってもよい。
(C)成分:光ラジカル発生剤
本実施形態に係る樹脂粒子は、(C)成分として光ラジカル発生剤を含んでもよい。この場合、(C)成分は、(A)成分と共にポリマー粒子1に含有される。光ラジカル発生剤は、樹脂組成物に光を照射したときに、発生するチイルラジカルと反応する成分又は光誘起ラジカルを発生する成分であり得る。光ラジカル発生剤としては、光ラジカル重合開始剤等を用いることができる。
光ラジカル発生剤としては、例えば、分子内開裂型の光ラジカル重合開始剤及び水素引き抜き型の光ラジカル重合開始剤が挙げられる。分子内開裂型の光ラジカル重合開始剤としては、例えば、ベンジルケタール系光ラジカル重合開始剤;α-ヒドロキシアセトフェノン系光ラジカル重合開始剤;ベンゾイン系光ラジカル重合開始剤;アミノアセトフェノン系光ラジカル重合開始剤;オキシムケトン系光ラジカル重合開始剤;アシルホスフィンオキシド系光ラジカル重合開始剤;チタノセン系光ラジカル重合開始剤;チオ安息香酸S-フェニル重合開始剤;これらの高分子量誘導体が挙げられる。水素引き抜き型の光ラジカル重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン系光ラジカル開始剤、チオキサントン系光ラジカル重合開始剤、及びアントラキノン系光ラジカル重合開始剤が挙げられる。
(C)成分の含有量は、(A)成分100質量部に対して、1質量部以上、5質量部以上、又は10質量部以上であってよく、40質量部以下、30質量部以下、又は25質量部以下であってよい。
[樹脂粒子の水分散液]
本実施形態に係る樹脂粒子は、ジスルフィド結合を有する化合物と界面活性剤とを含む樹脂粒子が水に分散された水分散液として用いることができる。
本実施形態に係る樹脂粒子の水分散液は、(A)成分であるジスルフィド結合を有する化合物を含む有機溶剤溶液を、(B)成分である界面活性剤を含む水溶液に添加して乳化液を調製する工程と、乳化液から有機溶剤を除去する工程と、を備える方法により作製することができる。
有機溶剤としては、例えば、ベンゼン、キシレン、トルエン等の芳香族炭化水素;シクロヘキサノン、メチルエチルケトン等のケトン;ジオキサン、テトラヒドロフラン等の環状エーテル;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸プロピル等のエステルが挙げられる。
(A)成分を含む有機溶剤溶液を、(B)成分を含む水溶液に添加した後、ホモジナイザ等の分散装置を用いて、水中に分散させることで、ポリマー粒子が形成され、ポリマー粒子の表面に界面活性剤が付着した樹脂粒子の乳化液を得ることができる。乳化液を調製する温度は、0~80℃であってよく、粒子凝集を防ぐ点から、40℃以下がより好ましい。
有機溶剤溶液は、(A)成分と共に(C)成分である光ラジカル発生剤を含むことができる。(C)成分を添加して樹脂粒子を作製する際には、(C)成分が光に起因して分解することを抑制するため、遮光した条件で取り扱うことが好ましい。
乳化液中のポリマー粒子には有機溶媒が含まれているため、乳化液から、有機溶剤を除去することで、樹脂粒子の水分散液が得られる。有機溶剤を除去する際の温度は、有機溶剤の沸点に応じて適宜設定してよい。
本実施形態に係る樹脂粒子は、フィルム状に形成して、光軟化性の樹脂フィルムとして用いることができる。また、ブロック状に形成して、光軟化性の樹脂ブロックとして用いることができる。樹脂粒子をフィルム状又はブロック状に形成する方法は、特に制限されず、公知の方法を適用することができる。
実施形態に係る樹脂粒子を、他の成分と混合して樹脂組成物を作製してもよい。他の成分としては、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、カップリング剤等の密着性向上剤、重合禁止剤、光安定剤、消泡剤、フィラー、連鎖移動剤、チキソトロピー付与剤、難燃剤、離型剤、界面活性剤、滑剤、帯電防止剤等の添加剤が挙げられる。
本実施形態に係る樹脂粒子は、光照射によって、化合物中のジスルフィド結合(-S-S-)が切断され、ジスルフィド結合を有する化合物が低分子量化して軟化する性質を有している。樹脂粒子物は、液体(液状)まで軟化させることも可能である。また、樹脂粒子は、フィルム状又はブロック状に成形し易いという性質を有している。このような性質を利用することによって、本実施形態に係る樹脂粒子は、例えば、フォトリソグラフィーのフォトレジスト剤の用途に応用することができ、感光性樹脂組成物又は感光性樹脂フィルムとして使用することができる。感光性樹脂組成物又は感光性樹脂フィルムは、光照射(露光)によってパターニングが可能となり、さらには光照射(露光)後に水洗で現像が可能となる。本実施形態に係る樹脂粒子は、パターン膜の形成に好適に用いることができる。
本実施形態に係る樹脂粒子はまた、例えば、強粘着テープの軟化剤又は易剥離化剤;微粘着又は無粘着フィルムの粘着化剤;コーティング材、粘着剤、又は接着剤の部分軟化剤;成形材の部分軟化剤;打ち抜き後、光照射することで得られる打ち抜き加工可能な超低弾性フィルム;防湿剤;光照射によって軟化、溶解するカプセルの被膜;光照射によって減粘する増粘剤等の様々な用途に応用することができる。
実施形態に係る樹脂粒子に光照射することで、樹脂粒子の軟化物を得ることができる。光照射における光は、特に制限されないが、例えば、紫外光又は可視光であってよい。光照射における光の波長は、150~830nmであってよい。光照射は、例えば、光照射装置を用いて、照射量100mJ/cm以上の条件で行うことができる。なお、照射量とは、照度と照射時間(秒)との積を意味する。また、紫外光又は可視光照射用の光源としては、例えば、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、メタルハライドランプ、LEDランプ等が挙げられる。光照射は、樹脂粒子に対して直接行ってもよく、ガラス等を介して行ってもよい。
以下、本開示について実施例を挙げてより具体的に説明する。ただし、本開示はこれら実施例に限定されるものではない。
(製造例1)
サンプル管に、Miramer M240(ビスフェノールAのEO変性ジアクリレート、美源スペシャリティケミカル株式会社製)0.61g、チオコールLP-55(ジスルフィド結合を有するジチオール、平均分子量:4000、東レ・ファインケミカル株式会社製)4.39g、及びトルエン7.5gを加え、ミックスロータを用い80rpmで撹拌して混合液を得た。次いで、混合液に、DBU(1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン-7、サンアプロ株式会社製)0.02gを加えて混合した後、サンプル管内を窒素置換し、ミックスロータを用いて80rpmで30分間攪拌しながら反応を行った。その後、反応物にトルエン7.5gを加え、ミックスロータを用いて80rpmで攪拌した。これにより、(A)成分を含有するポリマー溶液a(ポリマー濃度:25質量%)を得た。
(製造例2)
9gのポリマー溶液aに、0.5gのOmnirad 651(2,2’-ジメトキシ-2-フェニルアセトフェノン、IGM Resins B.V.社製)を含有するトルエン溶液1gを添加し、(A)成分及び(C)成分を含有するポリマー溶液bを得た。
[樹脂粒子の作製]
樹脂粒子を作製するために、以下に示す材料を準備した。
アニオン界面活性剤:ネオペレックス G-15(ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(ソフト型):16質量%、水:84質量%、花王株式会社製)
ノニオン界面活性剤:ゴーセノール GH-23(ポリビニルアルコール:93.5質量%以上、メターノール:3質量%未満、酢酸メチル:1質量%未満、三菱ケミカル株式会社製)
(実施例1)
純水82.8g、2%のGH-23含有水溶液4.5g、及びG-15 2.7gを混合して界面活性剤の水溶液90gを調製した。界面活性剤の水溶液に、10gのポリマー溶液aをゆっくり室温で滴下し、氷浴で溶液を冷やしながら、ホモジナイザを用い5分間超音波分散させて、乳化液100gを得た。その後、乳化液を内温85℃で加熱しながら、トルエンを除去し、樹脂粒子の水分散液を得た。
(実施例2)
ポリマー溶液aをポリマー溶液bに変更した以外は実施例1と同様に操作して、乳化液及び樹脂粒子の水分散液を得た。
(粒度分布)
動的光散乱法により、大塚電子株式会社製のELSZ-2000Sを用いて、乳化液及び水分散液に含まれる樹脂粒子の粒度分布を測定した。測定は、溶媒として純水を用い、25℃で行った。結果を表1に示す。
Figure 2022064575000002
(光軟化性)
実施例2の樹脂粒子の水分散液を、支持フィルムとしてのポリエチレンテレフタレートフィルム(PET)の離型処理された表面に滴下し、室温で1.5時間乾燥させ、樹脂フィルムを得た。樹脂フィルムをUVコンベア式露光機(アイグラフィックス株式会社製、EYEGRANDAGE)を用いて、出力1.5kW、速度1.5m/分、ピーク強度96mW/cm、積算光量3880mJ/cmの条件で露光した。露光後の樹脂フィルムは、粘性が低下し、光ラジカル発生剤の開裂に由来する臭気を確認した。
1…ポリマー粒子、2…界面活性剤、10…樹脂粒子。

Claims (9)

  1. ジスルフィド結合を有する化合物と、界面活性剤とを含む、樹脂粒子。
  2. 光ラジカル発生剤を更に含む、請求項1に記載の樹脂粒子。
  3. 前記界面活性剤が、アニオン系界面活性剤及びノニオン系界面活性剤を含有する、請求項1又は2に記載の樹脂粒子。
  4. ジスルフィド結合を有する化合物と、界面活性剤とを含む、樹脂粒子の水分散液。
  5. 前記樹脂粒子が、光ラジカル発生剤を更に含む、請求項4に記載の水分散液。
  6. 前記界面活性剤が、アニオン系界面活性剤及びノニオン系界面活性剤を含有する、請求項4又は5に記載の水分散液。
  7. ジスルフィド結合を有する化合物を含む有機溶剤溶液を、界面活性剤を含む水溶液に添加して乳化液を調製する工程と、
    前記乳化液から前記有機溶剤を除去する工程と、を備える、樹脂粒子の水分散液を作製する方法。
  8. 前記有機溶剤溶液が、光ラジカル発生剤を更に含む、請求項7に記載の方法。
  9. 前記界面活性剤が、アニオン系界面活性剤及びノニオン系界面活性剤を含有する、請求項7又は8に記載の方法。
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