JP2022063897A - 防護構造とその施工方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】設置面に対する支柱の取付強度に優れた防護構造を提供する。【解決手段】左右方向に間隔を置いて斜面Sに複数の支柱3,3を立設し、これら支柱3,3の間に防護面4を設けた防護柵2を備えた防護構造1において、斜面Sにアンカーロッド11を埋設固定し、このアンカーロッド11に支柱3を外装すると共に、該支柱3の下部を斜面Sに埋設固定する。これにより崩壊土砂などにより支柱3を倒す力が加わると、アンカーロッド11の上部に曲げ応力が加わるが、アンカーロッド11の上部に支柱3を外装することにより、アンカーロッド11の曲げ耐力を向上することができる。【選択図】図2

Description

本発明は、防護柵の支柱を設置面にアンカーロッドにより固定した防護構造とその施工方法に関する。
従来、この種のものとして、所定の距離を隔てて立設された支柱と、両端部を隣り合った前記支柱のそれぞれに固定された横ロープと、を備え、前記横ロープは、隣り合った前記支柱の間の前記距離よりも長く、支柱の下部を地中に建て込む防護柵(例えば特許文献1)がある。また、斜面の幅方向に間隔を空けて立設する、複数の支柱と、前記複数の支柱間に敷設するネットと、前記支柱と山側アンカーとを接続する山側控え材と、を具備し、支柱を斜面の山側または谷側へと傾斜自在に構成した防護柵(例えば特許文献2)がある。さらに、防護柵の防護ネットを支持する支柱ユニットを備える防護柵であって、間隔を隔てて立設する支柱本体と、前記支柱本体の下部と着脱可能に連結するベースプレートと、前記ベースプレートの中心部を貫通して地面に位置決めするアンカーと、前記アンカーの基端に螺着してベースプレートを固定する固定ナットと、を具備する支柱ユニットを有する防護柵(例えば特許文献3)がある。
上記引用文献1の防護柵では、支柱を建て込むため、大型の掘削装置が必要となる。また、上記特許文献2の防護柵では、支柱を建て込む必要はないが、山側アンカーと支柱を複数の山側控えで連結するため施工が煩雑となる。
一方、特許文献3の防護柵では、支柱本体を取り付けるベースプレートを、アンカーにより地面に位置決めし、そのベースプレートに支柱本体の下部を内接させて収容可能な筒部を設けた構造であるため、アンカーに対する支柱本体の取付強度に劣る面がある。
また、山側のアンカーに支柱をロープ材により連結した防護柵を、前後において複数段となるように法面に設置した防護柵(例えば特許文献4)がある。
上記特許文献4では、前後において複数段の防護柵の山側にそれぞれアンカーを設ける必要があるため、アンカー工事も倍になり、工事に制約のある現場では施工することが難しい。
ところで、特許文献1の防護柵では、横ロープを、隣り合った前記支柱の間の前記距離よりも長く形成し、横ロープの前側に張設した防護ネットに撓みを形成し、この撓みにより落石などの衝撃を緩和することができる。
上記特許文献1の防護柵においては、横ロープに余長を設けているが、全体として網体に導入可能な撓み量が少なく、土砂などの補足量の増加効果も低い。また、横ロープを支柱に連結し、この支柱に連結した横ロープの前側に防護ネットを張設しているため、支柱部分で防護ネットに撓みを導入することができず、支柱部分で防護ネットの衝撃緩和効果が低いという問題もある。
また、落石用の防護構造として、斜面に網体を吊設し、前記網体が、上下に間隔をおいて複数段に設けた横ロープ材と、これら横ロープ材を覆う網とを備えた落石防護網構造(例えば特許文献5)あり、この落石防護網構造では、落石が網体に衝突することで落石エネルギーを吸収した後、落石を網体と地山との間に誘導して網裾まで導き、落石を抜け出すことなく捕捉することができる。
上記特許文献5の落石防止網構造は、落石の発生する可能性のある斜面に設けられるものであるが、集中豪雨や地震などの影響により設置した斜面に土砂崩壊が発生すると、落石用に作られた防止網構造に、崩壊土砂が衝突して、損傷する虞があり、これを防止するには崩壊土砂の衝撃力を減衰させる必要がある。
特開2019-27024号公報 特開2017-193882号公報 特開2016-108742号公報 特開2012-36576号公報 特開2012-41720号公報
そこで、本発明は、設置面に対する支柱の取付強度に優れた防護構造とその施工方法を提供することを目的し、また、従来の落石防護網構造に加わる崩壊土砂の衝撃力を軽減することができる防護構造とその施工方法を提供することを目的とする。
請求項1に係る発明は、左右方向に間隔を置いて設置面に複数の支柱を立設し、これら支柱の間に防護面を設けた防護柵を備えた防護構造において、前記設置面にアンカーロッドを埋設固定し、このアンカーロッドに前記支柱を外装すると共に、該支柱の下部を前記設置面に埋設固定したことを特徴とする。
また、請求項2に係る発明は、前記設置面に形成した掘削孔に前記支柱の下部と前記アンカーロッドを挿入し、前記掘削孔に凝固材を充填したことを特徴とする。
また、請求項3に係る発明は、前記アンカーロッドの上部を前記支柱の上部に固定したことを特徴とする。
また、請求項4に係る発明は、前側の前記防護柵の前方に複数個の前側アンカーを配置し、前記前側アンカーと前記前側の防護柵の前記支柱との間に、連続した前側の吊ロープ材を前後交互に架け渡したことを特徴とする。
また、請求項5に係る発明は、前記防護柵を前後方向に間隔を置いて配置し、前記前側の防護柵の前記支柱と後側の前記防護柵の前記支柱との間に、連続した後側の吊ロープ材を前後交互に架け渡したことを特徴とする。
また、請求項6に係る発明は、前記防護柵を前後方向に間隔を置いて配置し、後側の前記防護柵の前方で前記前側の防護柵の後方に、複数個の中間アンカーを配置し、前記前側の防護柵の前記支柱と前記中間アンカーの間に、連続した中間前側の吊ロープ材を前後交互に架け渡し、前記中間アンカーと前記後側の防護柵の前記支柱との間に、連続した中間後側の吊ロープ材を前後交互に架け渡したことを特徴とする。
また、請求項7に係る発明は、前記支柱の上部間に上横ロープ材を設けると共に、前記支柱の下部間に下横ロープ材を設け、前記防護面は網体を有し、前記上横ロープ材に前記網体の上縁側を連結すると共に、前記下横ロープ材に前記網体の下縁側を連結し、前記網体の上下寸法が前記上,下横ロープ材の間隔より大きいと共に、前記網体は中間の前記支柱の後方に該網体上下方向の余長部を有することを特徴とする。
また、請求項8に係る発明は、前記設置面には落石防護網用支柱が立設され、前記落石防護網用支柱に落石防護網が吊設されており、この落石防護網と前記設置面との間に少なくとも1つの前記防護柵が位置することを特徴とする。
また、請求項9に係る発明は、請求項1~6のいずれか1項の防護構造の施工方法において、前記アンカーロッドは、前記設置面に埋設固定する固定部と、この固定部の上端に連結する延長部とを備え、前記固定部の先端に掘削手段を設け、前記設置面に、前記支柱の下部を挿入する支柱用掘削孔を形成し、前記固定部を回転しながら押し込むことにより前記支柱用掘削孔の下部に前記支柱用掘削孔より径小なアンカー用掘削孔を形成し、前記固定部の上端を前記設置面の上部に突出し、前記支柱用掘削孔及びアンカー用掘削孔に凝固材を充填し、前記凝固材が硬化する前に、前記支柱の下部を、前記固定部の上端に外嵌すると共に前記支柱用掘削孔に挿入することを特徴とする。
請求項1の構成によれば、崩壊土砂などにより支柱を倒す力が加わるとアンカーロッドの上部に曲げ応力が加わるが、アンカーロッドの上部に支柱を外装することにより、アンカーロッドの曲げ耐力を向上することができる。
また、請求項2の構成によれば、凝固材によりアンカーロッドと支柱下部を一体化して掘削孔に固定することにより、支柱の取付強度を向上することができる。
また、請求項3の構成によれば、上部において固定することにより支柱とアンカーロッドを一体化することができる。
また、請求項4の構成によれば、複数個の前側アンカーと前側の防護柵の支柱とを連続した吊ロープ材により連結することできる。
また、請求項5の構成によれば、複数個の前側アンカーと前側の防護柵の支柱とを、連続した吊ロープ材により連結することできると共に、前側の防護柵の支柱と後側の防護柵の支柱とを、連続した吊ロープ材により連結することができる。
また、請求項6の構成によれば、前側の防護柵の支柱と後側の中間アンカーとを、連続した中間前側の吊ロープ材により連結すると共に、それら中間アンカーと後側の防護柵の支柱とを、連続した中間後側の吊ロープ材により連結することにより、後側の防護柵の支柱は、前側の防護柵の支柱のアンカーロッドと中間アンカーとにより支持され、前後に間隔を置いて配置した防護柵全体の強度を向上することができる。
また、請求項7の構成によれば、前記上横ロープ材に前記網体の上縁側を連結すると共に、前記下横ロープ材に前記網体の下縁側を連結することにより、中間の支柱に網体を連結する必要がなく、中間の前記支柱の後方に網体の余長部を有することにより、網体による衝撃力の減衰効果が向上すると共に、支柱の高さに対して捕捉する崩壊土砂の量を多く確保することができる。
また、請求項8の構成によれば、多段に設けた防護柵により崩壊土砂などの衝撃力を減衰し、落石防護網に加わる衝撃力を軽減することができる。
また、請求項9の構成によれば、アンカーロッドの固定部の上部に支柱を外装して凝固材により一体化することにより、アンカーロッドの曲げ耐力に優れ、支柱の取付強度を向上することができる。
本発明の実施例1を示す防護構造の斜視図である。 同上、支柱の断面図である。 同上、支柱部材の側面図である。 同上、支柱の上部の部材を分解した状態の断面図である。 同上、支柱の施工手順を説明する断面図であり、図5(A)は支柱用掘削孔を施工した状態、図5(B)はアンカー用掘削孔を施工した状態、図5(C)は掘削孔に凝固材を充填した状態、図5(D)は支柱部材の地中部を支柱用掘削孔に挿入した状態を示す。 同上、防護構造の側面図である。 同上、防護構造の平面図である。 同上、一段目と三段目の防護柵の正面図である。 同上、二段目の防護柵の正面図である。 同上、要部の平面図である。 同上、網体の正面図である。 同上、連結具の正面図である。 同上、回動連結具の正面図である。 同上、緩衝装置の正面図である。 同上、巻付グリップの正面図である。 同上、上横ロープ材と網体の上縁ロープ材の連結を説明する平面説明図である。 同上、下横ロープ材と網体の下縁ロープ材の連結を説明する平面説明図である。 同上、下横ロープ材と下縁ロープ材を設置面にアンカーピンにより固定した状態の断面図である。 同上、崩壊土砂を捕捉した防護柵の側面図である。 本発明の実施例2を示す防護構造の斜視図である。 同上、一段目の防護柵の側面図である。 同上、二段目の防護柵の側面図である。 同上、防護構造の前側の平面図である。 同上、防護構造の後側の平面図である。 同上、前後に透孔を設けたアンカー連結具の断面図である。 本発明の実施例3示す落石防護網構造に用いた防護構造の側面図である。 本発明の実施例4示す落石防護網構造に用いた防護構造の側面図である。
本発明における好適な実施の形態について、添付図面を参照して説明する。尚、以下に説明する実施の形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を限定するものではない。また、以下に説明される構成の全てが、本発明の必須要件であるとは限らない。
図1~図17は本発明の実施例1を示す。図1に示すように、防護構造1は、複数の防護柵2,2A,2Bを有し、傾斜地である山間地の道路や線路等の山側の斜面Sに設けられるものであって、土砂崩れ,落石,雪崩等を防止するために危険箇所に沿って設置される。
前記防護構造1は、山側の設置面(設置場所)たる斜面Sに前後方向に間隔を置いて前記防護柵2,2A,2Bが多段に設けられている。尚、山側から一段目の防護柵2,二段目の防護柵2A,三段目の防護柵2Bが前後方向に間隔を置いて設けられている。また、図1及び図7~図9に示すように、一段目,三段目の防護柵2,2Bは、例えば4本の支柱3,3,3,3と、各支柱3,3,3,3間に連続して設けられた防護面4を備える。それら4本の支柱3,3,3,3は、左右方向に均等な間隔を置いて立設されている。
また、二段目の防護柵2Aは、例えば1本少ない3本の支柱3,3,3と、各支柱3,3,3間に連続して設けられた防護面4を備える。尚、一段目と三段目の防護柵2,2Bの支柱3の左右位置は同じであり、二段目の防護柵2Aの支柱3は、一段目と二段目の防護柵2,2Bの隣り合う支柱3,3の左右方向中央に位置する。尚、支柱3は鋼製である。
前記防護柵2,2A,2Bの両端に設けた前記支柱3が、端末の支柱であり、これら端末の支柱3,3の間に設けた支柱3が、中間の支柱であり、端末の支柱3と中間の支柱3は同一構成をなす。
前記防護面4は、複数の網目を有する合成樹脂製網体5を備え、この網体5は可撓性を有し、図11に示すように、網体5の周囲に合成樹脂製の上縁,下縁ロープ材6U,6S及び左縁,右縁ロープ材6L,6Rが設けられている。前記網体5は、例えば合成樹脂からなる貫通型無結筋網であり、合成樹脂製の繊維糸を複数撚り合わせて線材を形成し、これら線材は交差方向をなし、交差部により無結筋により相互に固定されている。また、縁ロープ材6U,6S,6L,6Rも合成樹脂製のものが用いられる。尚、網体5に用いるもの以外のロープ材は、鋼製のワイヤーロープなどを用いることができる。
前記防護面4の上部には、左右方向の上横ロープ材7が配置され、前記防護面4の下部には、左右方向の下横ロープ材8が配置される。
図2に示すように、前記支柱3の位置に鋼製のアンカーロッド11を埋設固定し、このアンカーロッド11は、斜面Sの下である地中に固定するアンカー下部たる固定部12と、この固定部12の上端に連結するアンカー上部たる延長部13とを備える。
それら固定部12と延長部13は接続具たるカップラー14により接続され、前記固定部12の上部と前記延長部13に前記支柱3が外嵌される。尚、アンカーロッド11は、その外周の全長に雄螺子部が形成され、前記カップラー14は雌螺子部を有する。
前記支柱3は、図3及び図4に示すように、円筒状で中空な鋼管などからなる支柱部材21と、この支柱部材21の上部に設けるアンカー連結具22とを備える。前記支柱部材21は、斜面S上に突出する地上部23と、斜面Sに埋設固定する地中部24とを備え、地上部23と地中部24の間に板状のベース部25が設けられ、地上部23が地中部24より長く形成されている。
前記支柱部材21の上端に上板26を一体に設け、この上板26にはアンカーロッド11の延長部13を遊挿する透孔26Tが穿設されている。
また、支柱部材21の前側上部に、前記上横ロープ材7を挿通して連結する上連結部27が前方に突設され、支柱部材21の前側下部に、前記下横ロープ材8を挿通して連結する下連結部28が前方に突設されている。
また、前記支柱部材21の後側下部に、吊ロープ材52,53を挿通して連結する吊ロープ材下連結部29が後方に突設されている。尚、前記下連結部28及び吊ロープ材下連結部29は前記地上部23の下端に設けられている。また、前記各連結部27,28,29は、金属板片に前後方向に長い略U字状の長孔を形成してなる。さらに、前記連結部28は下部開口を有し、この下部開口を前記ベース部25により塞いでいるから、連結部28に挿通した下横ロープ材8を斜面Sに近い位置に配置することができる。
図4に示すように、前記アンカー連結具22は、前記アンカーロッド11の延長部13の上部を遊挿する筒部31を備え、前記延長部13の上部に前記筒部31を外装し、この筒部31の下端が前記上板26に当接し、さらに、前記筒部31の上に、透孔32Tを有する支圧板32を配置し、前記延長部13の上部に螺合した定着具たるナット33により、筒部31を支柱部材21の上部に回動可能に取り付け、その筒部31の外周には取付片34が一体に設けられており、この取付片34に吊ロープ材連結部たる透孔34Tが穿設されている。また、前記ナット33の下部には、曲面状の圧接凸部33Aが設けられ、この圧接凸部33Aが前記透孔34Tに圧接する。尚、支柱部材21及び筒部31の内径は、アンカーロッド11及びカップラー14の外径より大きく、支柱部材21及び筒部31にアンカーロッド11及びカップラー14が遊挿される。
前記アンカーロッド11は、中空の筒状であり、両端が開口する充填材用の挿通路11Aを内部に有する(図16及び図17)。また、アンカーロッド11の固定部12は自穿設孔式のものであって、先端に掘削手段たるビット15を備える。
前記アンカーロッド11の固定部12を固定する掘削孔41は、支柱部材21の下部を遊挿する支柱用掘削孔41Aと、この支柱用掘削孔41Aより径小で前記固定部12を挿入するアンカー用掘削孔41Bとを上下に有する。尚、支柱用掘削孔41Aが掘削孔下部であり、アンカー用掘削孔41Bが掘削孔上部である。
次に、支柱3の施工方法について説明する。図示しない掘削装置により、図5に示すように、支柱部材21の下部を挿入する前記支柱用掘削孔41Aを形成し(図5(A))、この後、前記固定部12を専用掘削装置(図示せず)に取り付け、専用掘削装置により固定部12を回転しながら押し込み、先端のビット15により支柱用掘削孔41Aの下部に前記アンカー用掘削孔41Bを形成し、固定部12から専用掘削装置を取り外し、そのまま固定部12を掘削孔41内に残す。また、カップラー14が連結できる程度に、固定部12の上端を斜面Sの上部に突出しておく(図5(B))。尚、掘削孔41の上部である支柱用掘削孔41Aは下部であるアンカー用掘削孔41Bより径大であり、掘削孔41の全長は1m以上である。
掘削孔41を形成した後、掘削孔41にグラウト材などの凝固材42を充填する(図5(C))。この場合、固定部12の上端に充填装置(図示せず)を接続し、前記挿通路11Aを通して固定部12の下端から凝固材42を斜面S位置まで充填する。カップラー14により固定部12に延長部13を接続した後、凝固材42が硬化する前に、延長部13に支柱部材21を被せると共に、支柱部材21の地中部24を支柱用掘削孔41Aに挿入する(図5(D))。図5に示すように、支柱用掘削孔41Aは、支柱部材21の地中部24の外径より大きく、支柱用掘削孔41Aと地中部24との間で凝固材42が硬化する。
そして、硬化した凝固材42により斜面Sに支柱部材21が取り付けられ、固定部12と地中部24を掘削孔41に挿入固定することにより、支柱3の取付強度を向上することができる。また、アンカーロッド11の固定部12だけでは、支柱3を倒そうとする力に対して十分な曲げ耐力が得られないが、固定部12と支柱部材21の地中部24と凝固材42により一体化することにより、アンカーロッド11の固定部12の曲げ耐力を補強することができる。
前記一段目の防護柵2の前記支柱3の前方である山側の斜面Sには、支柱3,3間の位置に前側アンカー50を設置している。この前側アンカー50は、図6に示すように、前記アンカーロッド11の固定部12を凝固材42により掘削孔41に固定し、その固定部12の上端に、前記ナット33により前記アンカー連結具22と支圧板32を連結固定したものである。尚、前側アンカー50において、固定部12は先端に前記ビット15を有し、その掘削孔41はビット15により掘削したアンカー用掘削孔41Bである。また、斜面Sとアンカー連結具22の筒部31との間には、前記上板26が配置されている。
そして、前記前側アンカー50,50,50及び一段目の防護柵2の支柱3,3,3,3の上部間には、連続した一段目の吊ロープ材51を上下交互にジグザクに架け渡し、その吊ロープ材51の端部を端末の支柱3,3に連結している。
具体的には、吊ロープ材51の途中を、前側で前側アンカー50のアンカー連結具22の透孔34Tと、後側で支柱3の上部のアンカー連結具22の透孔34Tとに交互に挿通する。また、吊ロープ材51の一方の端部51T(図7中、右側)を、複数のワイヤクリップ55によりターンバックル56に接続し、このターンバックル56を支柱3のアンカー連結具22に連結する。これに対して、他方の端部51T(図7中、左側)は、ターンバックルを用いずにワイヤクリップ55により端末の支柱3のアンカー連結具22に連結している。
この場合、ターンバックル56の輪部に端部51Tを挿通すると共に、折り返して重ね合わせ、この重ね合わせ部分をワイヤクリップ55により挟持してターンバックル56に端部51Tが接続される。同様にアンカー連結具22の透孔34Tに端部51Tを挿通すると共に、折り返して重ね合わせ、この重ね合わせ部分をワイヤクリップ55により挟持してアンカー連結具22に端部51Tが接続される。また、端部51Tを巻付グリップ68によりターンバックル56や透孔34Tに接続してもよい。これら接続は、吊ロープ材52,53においても同様に行うことができる。
尚、図12に示すように、連結具たる前記ワイヤクリップ55は、Uボルト58と、このUボルト58を挿通する本体59とからなり、Uボルト58と本体59との間に吊ロープ材51,52,53の端部51T,52T,53Tを折り返した重ね合わせ部分とを挟着するものである。
一段目の防護柵2の支柱3,3,3,3の下部と二段目の防護柵2Aの支柱3,3,3の上部間には、連続した二段目の吊ロープ材52を上下交互にジグザクに架け渡している。
具体的には、吊ロープ材52の途中を、一段目の支柱3の吊ロープ材下連結部29と、二段目の支柱3の上部のアンカー連結具22の透孔34Tとに交互に挿通する。また、吊ロープ材52の一方の端部52T(図7中、右側)を、複数のワイヤクリップ55によりターンバックル56に連結し、このターンバックル56を一段目の防護柵2の端末の支柱3の吊ロープ材下連結部29に連結する。これに対して、他方の端部52T(図7中、左側)は、ターンバックルを用いずにワイヤクリップ55により他端の支柱3の吊ロープ材下連結部29に連結している。
二段目の防護柵2の支柱3,3,3の下部と三段目の防護柵2Bの支柱3,3,3,3の上部間には、連続した三段目の吊ロープ材53を上下交互にジグザクに架け渡している。
具体的には、吊ロープ材53の途中を、二段目の支柱3の吊ロープ材下連結部29と三段目の支柱3の上部のアンカー連結具22の透孔34Tとに交互に挿通する。また、吊ロープ材53の一方の端部53T(図7中、右側)を、複数のワイヤクリップ55によりターンバックル56に連結し、このターンバックル56を三段目の防護柵2Bの端末の支柱3のアンカー連結具22の透孔34Tに連結する。これに対して、他方の端部53T(図7中、左側)は、ターンバックルを用いずにワイヤクリップ55により端末の支柱3のアンカー連結具22の透孔34Tに連結している。
これらの場合、吊ロープ材51の途中を、前後のアンカー連結具22,22の透孔34T,34Tに挿通し、吊ロープ材52,53の途中を、前後の吊ロープ材下連結部29とアンカー連結具22に挿通した例を示したが、吊ロープ材51,52,53の途中及び端部を、連結部材たるシャックル17によりアンカー連結具22の透孔34Tと吊ロープ材下連結部29に連結してもよい。
シャックル17を使用する場合、取付前のシャックル本体18に吊ロープ材51,52,53の途中を挿通して掛装した後、そのシャックル本体18をシャックル軸19により支柱3及び前側アンカー50に連結してもよい。
尚、図13などに示すように、シャックル17は、回動連結具であって、略U字形のシャックル本体18の端部に前記シャックル軸19が着脱可能に連結される。
次に、上,下横ロープ材7,8の端部の構造について説明する。一段目と三段目の防護柵2,2Bにおいて、上,下横ロープ材7,8の端部7T,7T,8T,8Tは、端末の支柱3,3の上,下連結部27,28に挿通されて上,下連結部27,28に接続されると共に、左右両側に引き出され、その引き出された端部7T,7T,8T,8Tを、緩衝装置61と、ターンバックル56により斜面Sに固定した控えアンカー62,63に連結する。
これら控えアンカー62,63は、前記前側アンカー50と同一構成であって、端末の支柱3の左右方向外側で斜め前側に位置し、前側の控えアンカー62に端部7Tが連結され、後側の控えアンカー63に端部8Tが連結される。尚、控えアンカー62,63及び前記前側アンカー50は、アンカーロッド11の長さが異なっていてもよい。
図14に示すように、前記緩衝装置61はロープ材65により形成したループ部66を有し、このループ部66の交差部は、上,下横ロープ材7,8に張力がかかると一定の摺動抵抗を与える複数の緩衝金具たる前記ワイヤクリップ55,55により挟持されている。前記ループ部66の両端には輪部67,67が設けられ、前記輪部67,67が端部7T,8Tとターンバックル56に連結されている。
また、ロープ材の端部を前記巻付グリップ68により他の部材に連結してもよく、例えば、端部7T,8Tと輪部67,67を前記巻付グリップ68により連結したり、ワイヤクリップ55を用いずに、吊ロープ材51,52,53の端部を支柱3に連結したりすることができる。
前記巻付グリップ68は、図15に示すように、複数素線よりなるワイヤーの中間部分にループ部68Aを形成し、このループ部68Aに連なる両方の脚部68B,68Bに所定のピッチで撚りを与えたものであり、使用にあたっては、ループ部68Aを緩衝装置61の輪部64に挿通し、脚部68B,68Bを端部7T,8Tのロープ材の撚りに沿って順次巻き付けることにより連結される。
尚、防護面4の高さは、支柱3を立設した状態で斜面Sと上横ロープ材7の間隔である。また、防護面4の高さが支柱3の有効高さhである。
前記網体5の上下寸法Hは、前記上,下横ロープ材7,8の間隔Kより広く、前記上下寸法Hは前記間隔Kの2倍以上、好ましくは3倍以上、5倍以下である。尚、この例では網体5の上下寸法Hは2.3mで、防護面4の高さhは0.5~0.8m程度である。また、図3に示すように、前記間隔Kは、上連結部27に挿通した上横ロープ材7と斜面Sに沿わせて固定した下横ロープ材8の間隔であり、下横ロープ材8の直径の2分の1に前記間隔Kを加えたものが、前記高さhである。
前記網体5の前記上,下横ロープ材7,8への取付には、網体取付部材が用いられる。この網体取付手段としては、シャックル17Aや結合コイル69が例示される。そして、複数の網体5,5の隣り合う左,右縁ロープ材6L,6R同士に、接続用ロープ(図示せず)を巻き付けて連結し、防護面4の長さに対応して複数の網体5,5を一体化する。このように各防護柵2,2A,2Bの長さに対応して、一体化して連続した網体5,5を用いる。
複数の網体5,5を一体化した後、中間の支柱3の後側から網体5,5を上,下横ロープ材7,8に取り付ける。具体的には、図16に示すように、支柱3の後側から上横ロープ材7に上縁ロープ材6Uを複数のシャックル17Aにより連結する。また、図8及び図9などに示すように、上横ロープ材7に上縁ロープ材6Uを複数の結合コイル69により連結する。
また、図17に示すように、支柱3の後側から下横ロープ材8に下縁ロープ材6Sを複数のシャックル17Aにより連結する。さらに、図16及び図17などに示すように、下横ロープ材8に下縁ロープ材6Sを複数の結合コイル69により連結する。また、支柱3,3間に複数のアンカーピン70を略等間隔で配置し、図18に示すように、それら下縁ロープ材6Sと下横ロープ材8とを同時にアンカーピン70により斜面Sに固定する。そして、この例では、網体5は、上縁,下縁ロープ材6U,6S以外は、上,下横ロープ材7,8や支柱3などの他の部材に連結していない。
前記アンカーピン70は、下端が先鋭に形成され、上端にフック状の係止部70Kが設けられ、係止部70Kを下縁ロープ材6Sと下横ロープ材8に係止して固定する打込み固定手段である。
尚、アンカーピン70の長さは支柱3の高さより短いから、斜面Sの上方にスペースのない現場でもアンカーピン70の施工を容易に行うことができる。
このように中間の支柱3の後側から上,下横ロープ材7,8に上,下縁ロープ材6U,6Sを連結し、前記網体5の上下寸法Hは、防護面4の高さhより大きいため、図2などに示すように、防護柵2,2A,2Bには中間の支柱3の後方に、網体5の上下方向の余長部5Yが形成される。尚、余長部5Yは、端末の支柱3,3間の全長に設けられる。また、図1及び図7では、他の部材の理解を容易にするため、余長部5Yは記載していない。
尚、図7に示すように、端末の支柱3,3の左右外側で近接した位置において、防護面4の端末の網体5の上,下縁ロープ材6U,6Sが、上,下連結部27,28を挿通した上,下横ロープ材7,8の端部7T,8Tにシャックル17Aにより連結されており、一方、防護面4の端末の網体5の上下方向の左,右縁ロープ材6L,6Rは、端末の支柱3,3や他の部材に連結されておらず、防護面4の端末の網体5の左,右縁ロープ材6L,6Rと端末の支柱3との間には、網体のない左右方向の開口部5K,5Kが形成されている。
従って、防護面4により捕捉した崩壊土砂Dの衝撃力を緩和した後、該崩壊土砂Dの一部を、左右の開口部5K,5Kから左右外側に排出することを可能とし、防護柵2,2A,2Bに過大な荷重が加わることを防止できる。
支柱3,3間に複数のシャックル17Aを略等間隔で配置し、また、支柱3の左右に近接してシャックル17A,17Aを配置する。尚、図7に示すように、端末の支柱3は、支柱3の左右方向外側に近接してシャックル17Aが配置される。
次に、防護構造1の施工手順について、支柱3を主に説明する。上述したように掘削孔41にアンカーロッド11の固定部12を挿入し、掘削孔41に凝固材42を充填し、充填後、固定部12に延長部13をカップラー14により接続し、支柱部材21をアンカーロッド11に被せるようにして該支柱部材21の地中部24を支柱用掘削孔41Aに挿入する。尚、延長部13の上端から凝固材42を充填する場合は、支柱部材21の地中部24を支柱用掘削孔41Aに挿入した後、凝固材42を掘削孔41に充填してもよい。
延長部13に筒部31を外装し、延長部13にナット33を螺合し、凝固材42が固まった後、延長部13に所定の緊張力を付与してアンカーロッド11に支柱3を固定する。尚、取付片34の向きを調整する場合は、ナット33を緩めて向きを調整した後、締めればよい。
また、斜面Sにおいて発生が予想される崩壊土砂Dの移動高さに対して、各防護柵2,2A,2Bの防護面4の高さhは等しく、この防護面4の高さhは前記移動高さより低く、該移動高さの0.5~0.8倍程度である。
上記のような防護構造1においては、斜面Sに土砂崩壊が発生すると、一段目の防護柵2において、防護面4の高さhより上下寸法Hが大きな網体5により崩壊土砂Dの衝撃力を減衰すると共に、防護面4の高さhに対して、多量の崩壊土砂Dを捕捉することができる。この場合、支柱3の後側から網体5の上側及び下側を上横ロープ材7及び下横ロープ材8に連結し、支柱3の後方においても網体5を上下方向において撓ませた構造であるから、全体として衝撃力の減衰効果に優れたものとなる。
また、一段目の防護柵2を越えた崩壊土砂Dは、同様に、二段目の防護柵2Aに捕捉されると共に、衝撃力が減衰され、さらに、三段目の防護柵2Bに捕捉されると共に、衝撃力が減衰され、このように多段に設けた防護柵2,2A,2Bによる土砂減衰効果により、網体5に加わる崩壊土砂Dの衝撃力を緩和することができる。
そして、従来は、崩壊土砂Dを全て捕捉させるため、崩壊土砂Dの移動高さより柵高(防護面4の高さ)を大きくしていたが、本実施例ではあくまで崩壊土砂Dの衝撃力を減衰させることが目的のため、支柱3の高さは土砂移動高さの一般値(1m)より低くして、崩壊土砂Dがある程度は防護柵2,2A,2Bから漏れ出すことを許容している。このため支柱3の有効高さhは最大でも0.8m程度(最大で7~8割程度の減衰効果を目標)とすることが好ましい。
このように本実施例では、請求項1に対応して、左右方向に間隔を置いて設置面たる斜面Sに複数の支柱3,3を立設し、これら支柱3,3の間に防護面4を設けた防護柵2を備えた防護構造1において、斜面Sにアンカーロッド11を埋設固定し、このアンカーロッド11に支柱3を外装すると共に、該支柱3の下部を斜面Sに埋設固定したから、崩壊土砂Dなどにより支柱3を倒す力が加わると、アンカーロッド11の上部に曲げ応力が加わるが、アンカーロッド11の上部に支柱3を外装することにより、アンカーロッド11の曲げ耐力を向上することができる。
また、このように本実施例では、請求項2に対応して、設置面たる斜面Sに形成した掘削孔41に支柱3の下部とアンカーロッド11を挿入し、掘削孔41に凝固材42を充填したから、凝固材42によりアンカーロッド11と支柱3の下部を一体化して掘削孔41に固定することにより、支柱3の取付強度を向上することができる。
また、このように本実施例では、請求項3に対応して、アンカーロッド11の上部を支柱3の上部に固定したから、支柱3とアンカーロッド11を一体化することができる。
また、このように本実施例では、請求項4に対応して、前側の防護柵2の前方に複数個の前側アンカー50を配置し、前側アンカー50と前側の防護柵2の支柱3との間に、連続した前側の吊ロープ材51を前後交互に架け渡したから、複数個の前側アンカー50と前側の防護柵2の支柱3とを連続した吊ロープ材51により連結することできる。
また、このように本実施例では、請求項5に対応して、防護柵2,2Aを前後方向に間隔を置いて配置し、前側の防護柵2の支柱3と後側の防護柵2Aの支柱3との間に、連続した後側の吊ロープ材52を前後交互に架け渡したから、前側の防護柵2の支柱3と後側の防護柵2Aの支柱3とを、連続した吊ロープ材52により連結することができる。
また、このように本実施例では、請求項7に対応して、支柱3の上部間に上横ロープ材7を設けると共に、支柱3の下部間に下横ロープ材8を設け、防護面4は網体5を有し、上横ロープ材7に網体5の上縁側たる上縁ロープ材6Uを連結すると共に、下横ロープ材8に網体5の下縁側たる下縁ロープ材6Sを連結し、網体5の上下寸法Hが前記上,下横ロープ材7,8の間隔Kより大きいと共に、網体5は中間の支柱3の後方に該網体5の上下方向の余長部5Yを有するから、上横ロープ材7に網体5の上縁ロープ材6Uを連結すると共に、下横ロープ材8に網体5の下縁ロープ材6Sを連結することにより、中間の支柱3に網体5を連結する必要がなく、中間の支柱3の後方に網体5の余長部5Yを有することにより、網体5による衝撃力の減衰効果が向上すると共に、支柱3の高さに対して捕捉する崩壊土砂Dの量を多く確保することができる。
また、このように本実施例では、請求項9に対応して、請求項1~8のいずれか1項の防護構造1の施工方法において、アンカーロッド11は、設置面たる斜面Sに埋設固定する固定部12と、この固定部12の上端に連結する延長部13とを備え、固定部12の先端に掘削手段たるビット15を設け、斜面Sに、支柱3の下部を挿入する支柱用掘削孔41Aを形成し、固定部12を回転しながら押し込むことにより支柱用掘削孔41Aの下部に支柱用掘削孔41Aより径小なアンカー用掘削孔41Bを形成し、固定部12の上端を斜面Sの上部に突出し、支柱用掘削孔41A及びアンカー用掘削孔41Bに凝固材42を充填し、凝固材42が硬化する前に、支柱3の下部を、固定部12の上端に外嵌すると共に支柱用掘削孔41Aに挿入するから、アンカーロッド11の固定部12の上部に支柱3を外装して凝固材42により一体化することにより、アンカーロッド11の曲げ耐力に優れ、支柱3の取付強度を向上することができる。
以下、実施例上の効果として、防護柵2,2A,2Bを前後方向に間隔を置いて配置し、前側の防護柵2の支柱3と後側の防護柵2Aの支柱3との間に連続した吊ロープ材52を前後交互に架け渡し、防護柵2Bに対して前側の防護柵2Aの支柱3と後側の防護柵2Bの支柱3との間に連続した吊ロープ材53を前後交互に架け渡したから、前側の防護柵2,2Aの支柱3,3と後側の防護柵2A,2Bの支柱3,3とを連続した吊ロープ材52,53により連結することができる。
また、アンカーロッド11の延長部13にナット33を螺合し、延長部13に所定の緊張力を付与してアンカーロッド11に支柱3を固定したから、地中の固定部12に対して、支柱3を強固に固定することができる。
また、下縁ロープ材6Sと下横ロープ材8とをアンカーピン70により斜面Sに固定したから、網体5の下端からの崩壊土砂Dの漏れを防止できる。
また、網体5は上,下縁ロープ材6U,6Sを含めて合成樹脂製であるから、上,下横ロープ材7,8への連結作業が容易となる。
また、支柱3に対して筒部31を回動可能に構成したから、吊ロープ材51,52,53に張力が発生した場合、支柱部材21の変形を少なくできる。
また、地上部23と地中部24の間にベース部25を設けたから、斜面Sに対する支柱部材21の高さを容易に設定できる。
また、左右方向に間隔を置いて設置面たる斜面Sに複数の支柱3,3を立設し、これら支柱3,3の間に防護面4を設けた防護柵2,2A,2Bにおいて、支柱3の上部間に上横ロープ材7を設けると共に、支柱3の下部間に下横ロープ材8を設け、防護面4は網体5を有し、上横ロープ材7に網体5の上縁側たる上縁ロープ材6Uを連結すると共に、下横ロープ材8に網体5の下縁側たる下縁ロープ材6Sを連結し、網体5の上下寸法Hが前記上,下横ロープ材7,8の間隔Kより大きいと共に、網体5は中間の支柱3の後方に該網体5の上下方向の余長部5Yを有するから、上横ロープ材7に網体5の上縁ロープ材6Uを連結すると共に、下横ロープ材8に網体5の下縁ロープ材6Sを連結することにより、中間の支柱3に網体5を連結する必要がなく、中間の支柱3の後方に網体5の余長部5Yを有することにより、網体5による衝撃力の減衰効果が向上すると共に、支柱3の高さに対して捕捉する崩壊土砂Dの量を多く確保することができる。
図20~図25は本発明の実施例2を示し、上記実施例1と同一部分に同一符号を付し、その詳細な説明を省略して詳述する。この例の防護構造1Aでは、一段目と二段目の防護柵2,2Aの間に、複数の中間アンカー50Aを設け、二段目と三段目の防護柵2A,2Bの間に、複数の中間アンカー50Aを設け、それら中間アンカー50Aは左右方向において前側アンカー50と同一位置に配置されている。また、前後方向において、中間アンカー50A,50Aは前後の防護柵2,2A,2Bの中央に位置する。
また、各段の防護柵2,2A,2Bの防護面4,4,4は左右方向同一幅を有する。尚、中間アンカー50Aは前側アンカー50と同一構成であるが、異なる点として、中間アンカー50Aに設けるアンカー連結具22には、図24に示すように、前後に透孔34T,34Tが設けられている。
一段目の防護柵2の支柱3,3,3,3の下部とその後の中間アンカー50Aとの間には、連続した二段目の中間前側の吊ロープ材152を前後交互にジグザクに架け渡している。また、二段目の防護柵2Aの支柱3,3,3,3の下部とその後の中間アンカー50Aとの間には、連続した三段目の中間前側の吊ロープ材153を前後交互にジグザクに架け渡している。
具体的には、吊ロープ材152,153の途中を、前側の支柱3の吊ロープ材下連結部29と、後側の中間アンカー50Aの上部のアンカー連結具22の前側の透孔34Tとに交互に挿通する。また、吊ロープ材152,153の一方の端部152T,153T(図23及び図24中、右側)を、複数のワイヤクリップ55によりターンバックル56に連結し、このターンバックル56を防護柵2,2Aの端末の支柱3の吊ロープ材下連結部29に連結する。これに対して、他方の端部152T,153T(図23及び図24中、左側)は、ターンバックルを用いずにワイヤクリップ55により他端の支柱3,3の吊ロープ材下連結部29,29に連結している。
中間アンカー50Aとその後の二段目の防護柵2Aの支柱3,3,3,3の上部との間には、連続した二段目の吊ロープ材52を前後交互にジグザクに架け渡している。また、中間アンカー50Aとその後の三段目の防護柵2Bの支柱3,3,3,3の上部との間には、連続した三段目の吊ロープ材53を前後交互にジグザクに架け渡している。尚、前記吊ロープ材52が二段目の中間後側の吊ロープ材であり、前記吊ロープ材53が三段目の中間後側の吊ロープ材である。
具体的には、吊ロープ材52,53の途中を、中間アンカー50Aの後側の透孔34Tと、中間アンカー50Aの後の防護柵2A,2Bの支柱3の上部のアンカー連結具22の透孔34Tとに交互に挿通する。また、吊ロープ材52,53の一方の端部52T,53T(図23及び図24中、右側)を、複数のワイヤクリップ55によりターンバックル56に連結し、このターンバックル56を防護柵2A,2Bの端末の支柱3のアンカー連結具22の透孔34Tに連結する。これに対して、他方の端部52T,53T(図23及び図24中、左側)は、ターンバックルを用いずにワイヤクリップ55により端末の支柱3,3のアンカー連結具22の透孔34T,34Tに連結している。
これらの場合、吊ロープ材51,52,53,152,153の途中及び端部を、連結部材たるシャックル17によりアンカー連結具22の前後の透孔34T,34Tや吊ロープ材下連結部29に連結してもよい。
また、二段目の防護柵2Aの上,下横ロープ材7,8の端部7T,8Tは、一段目と三段目の防護柵2,2Aと同様に、斜面Sに設けた控えアンカー62,63に連結されている。
尚、この例においても、余長部5Yは、端末の支柱3,3間の全長に設けられる。また、図20,図23及び図24でも、他の部材の理解を容易にするため、余長部5Yは記載していない。
上記のような防護構造1Aにおいては、一段目の防護柵2を越えた崩壊土砂Dは、二段目の防護柵2Aに捕捉されると共に、衝撃力が減衰され、さらに、三段目の防護柵2Bに捕捉されると共に、衝撃力が減衰され、このように多段に設けた防護柵2,2A,2Bによる土砂減衰効果により、網体5に加わる崩壊土砂Dの衝撃力を緩和することができる。
この場合、吊ロープ材152,153を設けることにより、実施例1に比べて、防護柵2,2A,2Bの前後方向の間隔を広く設定することができ、前側の防護柵2,2Aを超えて流れ落ちる崩壊土砂Dが、後側の防護柵2A,2Bを飛び越えていく量が少なくなり、確実に捕捉することができる。
また、実施例1において単に前後の防護柵2,2A,2Bの間隔を広げた場合、吊ロープ材51,52,53の前側アンカー50,支柱3の下部における曲げ角度が小さくなるのに対して、前後の防護柵2,2A,2Bの中央に中間アンカー50A,50Aを設けたから、中間アンカー50Aによるアンカー効果に加えて、吊ロープ材152,52,153,53により前後の防護柵2,2A,2Bの一体化が図られ、全体として防護構造1の強度を向上することができる。尚、吊ロープ材51,52,53,152,153の前記曲げ角度は40度以上、90度以下が好ましい。
このように本実施例では、上記実施例1と同様な作用・効果を奏する。
また、このように本実施例では、請求項6に対応して、防護柵2,2Aを前後方向に間隔を置いて配置し、又は/及び、防護柵2A、2Bを前後方向に間隔を置いて配置し、後側の防護柵2Aの前方で前側の防護柵2の後方に、複数個の中間アンカー50Aを配置し、又は/及び、後側の防護柵2Bの前方で前側の防護柵2Aの後方に、複数個の中間アンカー50Aを配置し、前側の防護柵2,2Aの支柱3と中間アンカー50Aの間に、連続した中間前側の吊ロープ材152,153を前後交互に架け渡し、中間アンカー50Aと後側の防護柵2A,2Bの支柱3との間に、連続した中間後側の吊ロープ材52,53を前後交互に架け渡したから、前側の防護柵2,2Aの支柱3と後側の中間アンカー50Aとを、連続した中間前側の吊ロープ材152,153により連結すると共に、それら中間アンカー50Aと後側の防護柵2A,2Bの支柱3とを、連続した中間後側の吊ロープ材52,53により連結することにより、後側の防護柵2A,2Bの支柱3は、前側の防護柵2,2Aの支柱3のアンカーロッド11と中間アンカー50Aとにより支持され、前後に間隔を置いて配置した防護柵2,2A,2B全体の強度を向上することができる。
また、実施上の効果として、中間アンカー50Aの前後で、吊ロープ材152,52とが略一直線状に並び、中間アンカー50Aの前後で、吊ロープ材153,53が略一直線状に並ぶから、アンカーによる各支柱3の支持力の釣り合いが取れた支持構造が得られる。この場合、端末の支柱3においては、上,下横ロープ材7,8の端部7T,8Tを控えアンカー62,63に連結することにより支柱支持力を確保することができる。さらに、前後の防護柵2,2A,2Bの間に、その支柱3の間隔と等しい中間アンカー50Aを配置すると共に、支柱3,3の左右中間位置に対応して中間アンカー50Aを配置することにより、防護柵2,2A,2Bの支柱3の数より中間アンカー50Aは1本少ない3本とし、これにより各段の防護柵2,2A,2Bの防護面4の幅を一定にすることができ、多段に設けた防護柵2,2A,2Bにおいて、各段毎に略同一な崩壊土砂Dの捕捉効果と減衰効果が得られる。
図26は本発明の実施例3を示し、上記各実施例と同一部分に同一符号を付し、その詳細な説明を省略して詳述する。この例の防護構造1は落石防護網構造71を備え、斜面Sに落石防護網構造71と共に上記実施例1の防護構造1を設ける例を示している。尚、以下、新設の落石防護網構造71を例に説明する。
前記落石防護網構造71は、設置面たる前記斜面Sに左右方向に間隔を置いて複数立設した落石防護網用支柱72と、斜面Sを覆うように設けられた落石防護網たる網体73とを備える。前記支柱72は左右方向に間隔をおいて立設され、前記網体73は網目状に配置した縦,横ロープ材と、これら縦,縦ロープ材の間を塞ぐように設けられた網たる金網74とからなる。尚、前記網体73の前記縦ロープ材は、支柱72に対応して配置されている。
前記斜面Sに岩盤用のアンカー81を固定し、このアンカー81により支柱ベース82を斜面Sに固定し、この支柱ベース82に枢軸83により支柱72の下部を回動可能に連結し、その支柱72は前後方向に傾動可能に構成されている。
前記複数の支柱72の上部に、前記網体73の上部を連結し、その支柱72位置から下方の斜面Sを覆うように前記網体73が配置されており、網体73と斜面Sの間隔は支柱72位置から後方に向かって狭まる。
前記支柱72の前方である山側の斜面Sには、隣り合う支柱72,72間の位置に前側アンカー86,86を上下に設置すると共に、両端の支柱72,72の左右外側で、支柱72,72間の距離の約2分の1の位置に両端の前側アンカー86A,86Aをロープ材75の長さ方向に設置する。
前記前側アンカー86,86同士は、長さ調整可能な連結部材87により連結されている。また、前記両端の前側アンカー86A,86A同士も、前記連結部材87により連結されている。
前記前側アンカー86A,86,86・・・86A及び支柱72,72・・・72間には、連続した前記ロープ材75を上下交互にジグザクに架け渡しており、支柱72は少なくとも1か所の前側アンカー86,86Aに連結されている。
また、網体73の下部は、斜面Sに沿うように配置し、網体73と斜面Sとの隙間が小さくなるようにしている。
前記防護構造1を構築する際は、アンカー86と支柱72の間の位置で、支柱72側に前記前側アンカー50を設ける。
また、支柱72の後方の斜面Sに防護柵2,2A,2Bを構築し、吊ロープ材51,52,53は支柱72,72位置の間を通し、斜面Sに沿って配置する。尚、防護柵2,2A,2Bの一部を先に構築した後、落石防護網構造71を構築することが好ましい。尚、防護柵2,2A,2Bの一部とは網体73を構築した後では、網体73が邪魔になる部分で、例えば支柱3などが例示される。
そして、支柱72の後方の斜面Sには上方に網体73を設けるから、網体73を張設する前に、少なくとも防護柵2,2A,2Bの支柱3を立設すると共に、アンカー50,62,63の施工を完了しておくことが好ましい。
また、両防護柵2,2Aの高さは支柱72の高さより低いと共に、この例では防護柵2,2A,2Bは前記網体73との間に隙間ができる高さである。尚、少なくとも、最前方である一段目の防護柵2と網体73との間には隙間が設けられ、最後方である三段目の防護柵2Bの上部は網体73と接していてもよい。
このように本実施例では、上記各実施例と同様な作用・効果を奏する。
また、このように本実施例では、請求項8に対応して、設置面たる斜面Sには落石防護網用支柱72が立設され、落石防護網用支柱72に落石防護網たる網体73が吊設されており、この網体73と斜面Sとの間に少なくとも1つの防護柵2が位置するから、防護柵2により崩壊土砂Dなどの衝撃力を減衰し、網体73に加わる衝撃力を軽減することができる。
以下、実施例上の効果として、好ましくは防護柵2,2Bの左右幅を、網体73の左右幅より広くすれば、崩壊土砂Dにより網体73に加わる衝撃を緩和することができる。また、落石防護網用支柱72の後方に複数段の防護柵2,2A,2Bを設けたから、崩壊土砂Dを効果的に捕捉できる。
図27は本発明の実施例4を示し、上記各実施例と同一部分に同一符号を付し、その説明を省略して詳述する。この例の防護構造1Aは落石防護網構造71を備え、斜面Sに落石防護網構造71と共に上記実施例2の防護構造1Aの少なくとも一部を設ける例を示している。尚、以下、新設の落石防護網構造71を例に説明する。
防護構造1Aとしては、一段目と二段目の防護柵2,2Aを備え、防護柵2Bは備えていないが、設置場所の条件により、三段目の防護柵2Bを設けることができる。そして、防護構造1Aを構築する際は、アンカー86と支柱72の間の位置で、支柱72側に前記前側アンカー50を設け、支柱72の位置の後側に一段目の防護柵2を設けている。
また、アンカー86と支柱72の間の位置で、支柱72側に前記前側アンカー50を設け、支柱72の後方の斜面Sに防護柵2,2Aを構築する。
このように本実施例では、上記各実施例と同様な作用・効果を奏する。
また、このように本実施例では、請求項8に対応して、網体73と斜面Sとの間に少なくとも1つの防護柵2が位置するから、防護柵2により崩壊土砂Dなどの衝撃力を減衰し、網体73に加わる衝撃力を軽減することができる。
以上、本発明の実施例について詳述したが、本発明は、前記実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能である。例えば、請求項7以外においては、網体を支柱の前側に配置してもよい。また、実施例では、吊ロープ材を部材の孔に挿通して連結したが、吊ロープ材をシャックルなどの連結具により部材に連結してもよい。さらに、実施例では、凝固材を設置面まで充填したが、支柱部材の上部まで凝固材を充填してもよく、こうすると、延長部と支柱部材の一体化が図られる。また、両端の支柱において、上横ロープ材と左,右縁ロープ材の上端側とを連結したり、下横ロープ材と左,右縁ロープ材の下端側とを連結したりしてもよい。また、カップラーを用いずに、固定部と延長部を一体にした長さを有するアンカーロッドを用いてもよい。さらに、実施例では、落石防護網用支柱として傾動可能なものを示したが、固定された落石防護網用支柱を用いてもよく、また、落石防護網の材質や形状も適宜選定可能であり、落石防護網用支柱及び落石防護網は各種タイプのものを用いることができる。また、防護構造は、一段目の防護柵のみの1つ防護柵で構成したり、一段目と二段目の2つの防護柵で構成したり、一段目から三段目の3つの防護柵で構成したり、さらには、4つ以上の防護柵で構成してもよい。
1,1A 防護構造
2 防護柵(前側の防護柵)
2A 防護柵(後側の防護柵)
2B 防護柵
3 支柱
4 防護面
5 網体
5Y 余長部
6U 上縁ロープ材(上縁側)
6S 下縁ロープ材(下縁側)
7 上横ロープ材
8 下横ロープ材
11 アンカーロッド
12 固定部
13 延長部(アンカーロッドの上部)
15 ビット(掘削手段)
41 掘削孔
41A 支柱用掘削孔
41B アンカー用掘削孔
42 凝固材
50 前側アンカー
50A 中間アンカー
51 吊ロープ材(前側の吊ロープ材)
52 吊ロープ材(後側の吊ロープ材・中間後側の吊ロープ材)
53 吊ロープ材(中間後側の吊ロープ材)
152 吊ロープ材(中間前側の吊ロープ材)
153 吊ロープ材(中間前側の吊ロープ材)
71 落石防護網構造
72 落石防護網用支柱
H 網体の上下寸法
K 間隔
h 高さ

Claims (9)

  1. 左右方向に間隔を置いて設置面に複数の支柱を立設し、これら支柱の間に防護面を設けた防護柵を備えた防護構造において、
    前記設置面にアンカーロッドを埋設固定し、このアンカーロッドに前記支柱を外装すると共に、該支柱の下部を前記設置面に埋設固定したことを特徴とする防護構造。
  2. 前記設置面に形成した掘削孔に前記支柱の下部と前記アンカーロッドを挿入し、前記掘削孔に凝固材を充填したことを特徴とする請求項1記載の防護構造。
  3. 前記アンカーロッドの上部を前記支柱の上部に固定したことを特徴とする請求項1又は2記載の防護構造。
  4. 前側の前記防護柵の前方に複数個の前側アンカーを配置し、
    前記前側アンカーと前記前側の防護柵の前記支柱との間に、連続した前側の吊ロープ材を前後交互に架け渡したことを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の防護構造。
  5. 前記防護柵を前後方向に間隔を置いて配置し、
    前記前側の防護柵の前記支柱と後側の前記防護柵の前記支柱との間に、連続した後側の吊ロープ材を前後交互に架け渡したことを特徴とする請求項4記載の防護構造。
  6. 前記防護柵を前後方向に間隔を置いて配置し、
    後側の前記防護柵の前方で前記前側の防護柵の後方に、複数個の中間アンカーを配置し、
    前記前側の防護柵の前記支柱と前記中間アンカーの間に、連続した中間前側の吊ロープ材を前後交互に架け渡し、
    前記中間アンカーと前記後側の防護柵の前記支柱との間に、連続した中間後側の吊ロープ材を前後交互に架け渡したことを特徴とする請求項4記載の防護構造。
  7. 前記支柱の上部間に上横ロープ材を設けると共に、前記支柱の下部間に下横ロープ材を設け、
    前記防護面は網体を有し、
    前記上横ロープ材に前記網体の上縁側を連結すると共に、前記下横ロープ材に前記網体の下縁側を連結し、
    前記網体の上下寸法が前記上,下横ロープ材の間隔より大きいと共に、前記網体は中間の前記支柱の後方に該網体上下方向の余長部を有することを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載の防護構造。
  8. 前記設置面には落石防護網用支柱が立設され、前記落石防護網用支柱に落石防護網が吊設されており、この落石防護網と前記設置面との間に少なくとも1つの前記防護柵が位置することを特徴とする請求項1~7のいずれか1項に記載の防護構造。
  9. 請求項1~8のいずれか1項の防護構造の施工方法において、
    前記アンカーロッドは、前記設置面に埋設固定する固定部と、この固定部の上端に連結する延長部とを備え、
    前記固定部の先端に掘削手段を設け、
    前記設置面に、前記支柱の下部を挿入する支柱用掘削孔を形成し、
    前記固定部を回転しながら押し込むことにより前記支柱用掘削孔の下部に前記支柱用掘削孔より径小なアンカー用掘削孔を形成し、
    前記固定部の上端を前記設置面の上部に突出し、
    前記支柱用掘削孔及び前記アンカー用掘削孔に凝固材を充填し、
    前記凝固材が硬化する前に、前記支柱の下部を、前記固定部の上端に外嵌すると共に前記支柱用掘削孔に挿入することを特徴とする防護構造の施工方法。
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