JP2022063769A - 定着装置に用いられるローラ、このローラを搭載する定着装置、及び画像形成装置 - Google Patents

定着装置に用いられるローラ、このローラを搭載する定着装置、及び画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 クイックスタート性の維持と非通紙部昇温の抑制を両立しながら、熱膨張も抑えられる加圧ローラ、これを備えた定着装置、この定着装置を備えた画像形成装置を提供する。【解決手段】 定着装置に用いられるローラであって、複数の空隙部と、空隙部と空隙部とを連結する孔道部と、フィラーと、を含むゴム層を有し、フィラーのアスペクト比RAが、2.5≦RA≦215であり、ゴム層の線膨張係数が400×10-6/K以下である。【選択図】 図3

Description

本発明は、電子写真方式や静電記録方式を用いた、複写機、プリンタ等の画像形成装置に搭載される定着装置に用いられるローラ、このローラを搭載する定着装置、及び画像形成装置に関するものである。
画像形成装置に搭載されている定着ユニット(定着装置)として、熱源を有する加熱ユニットと熱源を有していない加圧ローラ(ローラ)で定着ニップ部を形成するタイプのものがある。トナー像が形成された記録材は定着ニップ部で挟持搬送しつつ加熱され、トナー像は記録材に定着される。
このような定着ユニットにおいて、加熱ユニットからの熱エネルギーを効率よく記録材及びトナーに伝達する目的で、以下のような層構成を有する加圧ローラも採用されている。例えば、多数の空隙部を分散させたゴム層を設け、ゴム層を低熱伝導化した加圧ローラである。このような加圧ローラを採用すると、定着ユニットが、ウォームアップ開始後短時間で定着可能な温度に達するのでクイックスタート性を向上させることができる。
しかしながら、ゴム層が低熱伝導化された加圧ローラを搭載する定着ユニットは、小さなサイズの記録材を定着処理するケースで、記録材が通過しない領域の過昇温現象である非通紙部昇温が生じやすい。
特許文献1には、クイックスタート性の維持と非通紙部昇温の抑制を両立するため、多数の空隙部を有するゴム層に熱伝導フィラーを添加した加圧ローラが提案されている。
特開2014-142406号公報
ところで、画像形成装置の小型コンパクト化や低コスト化の要求はこれまで以上に高まっている。このような要求に応えるため、記録材の搬送路の長さを短くしたり、搬送機構の簡素化が必要になってくる。その方式として、以下のような構成が考えられる。
まず、記録材の搬送距離を短縮するため、記録材の搬送路を極力短く設計する。これに伴い、未定着のトナー像を記録材に転写する転写部から、記録材にトナー像を定着する定着ユニットまでの距離も極力短い距離(数十mm程度)になる。また、記録材の搬送機構を簡素化するため、上述の転写部、定着ユニットにおける記録材の搬送を同一のモータにより行い、モータ数を減らす。
上記のような小型化及び簡素化を満たす構成を実現するには以下の課題がある。転写部と定着ユニットにおける記録材の搬送は同一モータでおこなわれるため、それぞれの記録材搬送速度を個々に調整することはできない。従って、定着ユニットにおける記録材の搬送速度の変化と、トナー像の違いによる転写部における搬送速度の変化、それぞれを個別に調整することはできない。
筒状の定着フィルムの内部空間に板状のヒータを配置し、定着フィルムを介してヒータと加圧ローラで定着ニップ部を形成する構成のフィルム加熱方式の定着ユニットは、加圧ローラがモータにより回転駆動される。加圧ローラの回転に従動して定着フィルムが回転し、両者の間に記録材が導入されることで記録材が搬送される。
加圧ローラにはゴム層が設けられており、プリント時の加熱によりゴム層が熱膨張する。上述した多数の空隙部を有するゴム層に熱伝導フィラーを添加した加圧ローラも熱膨張する。様々なプリント条件により加熱度合いが異なるため、ゴム層の膨張量も様々に変化する。ゴム層の膨張量変化に伴い加圧ローラの直径も変化するため、定着ユニットにおける記録材の搬送速度が変化する。
定着ユニットにおける搬送速度が転写部に対して極端に速くなり、過度な記録材引っ張り状態になると、転写部で記録材へ転写されたトナー像が搬送方向に伸びてしまう画像伸びが生じる。また、転写部よりも搬送方向の上流にある給紙部等を記録材の後端が抜ける際のショックが大きくなり、このショックが転写部に伝わりトナー像を乱してしまうといった問題が発生する。
本発明の目的は、クイックスタート性の維持と非通紙部昇温の抑制を両立しながら、熱膨張も抑えられる加圧ローラ、これを備えた定着ユニット、この定着ユニットを備えた画像形成装置を提供することである。
上述の課題を解決するための本発明は、定着装置に用いられる加圧ローラであって、複数の空隙部と、前記空隙部と前記空隙部とを連結する孔道部と、フィラーと、を含むゴム層を有し、前記フィラーのアスペクト比RAが、2.5≦RA≦215であり、前記ゴム層の線膨張係数が400×10-6/K以下であることを特徴とする。
本発明によれば、クイックスタート性の維持と非通紙部昇温の抑制を両立しながら、熱膨張も抑えられる加圧ローラ、これを備えた定着装置、この定着装置を備えた画像形成装置を提供できる。
画像形成装置の断面図である。 (a)定着ユニットの断面図、(b)加圧ローラの斜視図。 加圧ローラのゴム層の模式的な断面図。 加圧ローラの成形用型の概略斜視図。 加圧ローラの成形用型の概略断面図。 歪み画像の例。 記録材上の画像の(a)正常部、(b)歪み部の拡大図。 実施例1~8、比較例1~2の構成一覧。 各構成の測定値、評価結果一覧。
(画像形成装置)
図1は、画像形成装置100の断面図である。画像形成装置100は、電子写真方式を用いたレーザプリンタである。
画像形成装置100は、電子写真感光体である感光ドラム(像担持体)1を有する。感光ドラム1は、OPC(有機光半導体)、アモルファスセレン、アモルファスシリコンなどの感光材料を、アルミニウム合金やニッケルなどで形成されたシリンダ状のドラム基体上に設けて構成したものである。感光ドラム1は、モータM1によって図中矢印R1方向に所定のプロセススピード(周速度)で回転駆動される。感光ドラム1の表面は、帯電ローラ2によって均一に帯電処理される。帯電処理された感光ドラム1の表面は、レーザスキャナ3によって画像情報に応じて走査される。これにより、感光ドラム1上に静電潜像が形成される。感光ドラム1上に形成された静電潜像は、現像部4によって供給されるトナーで現像され可視化される。現像部4は、トナーを感光ドラム1へ搬送する現像ローラ41を有する。
画像形成装置100には、感光ドラム1と接触する転写ローラ5が配置されている。転写ローラ5は感光ドラム1に対して付勢されている。感光ドラム1と転写ローラ5の間には、感光ドラム1から記録材Pにトナー像を転写する位置である転写ニップTが形成されている。
収納トレイ101に収納されている記録材Pは、給送ローラ102によって1枚ずつ給送され、その後、搬送ローラ103、108により形成されている搬送部F、感光ドラム1と転写ローラ5により形成されている転写部T、及び定着ニップ部Nを順に通過する。
搬送部F、転写部T、定着ニップ部Nにおける記録材Pの搬送は、全て、モータM1の動力で行われる。各部における記録材Pの搬送速度は略270mm/secになるように設定されている。
記録材Pの先端はトップセンサ104によって検知され、このトップセンサ104と転写部Tとの位置関係及び記録材Pの搬送速度に基づいて記録材Pの先端が転写部Tに到達するタイミングが検知される。このタイミングが検知されることで、記録材P上の正しい位置にトナー像が転写される。
トナー像が転写された記録材Pは定着ユニット(定着ユニット)6へ搬送される。定着ユニット6は、定着ニップ部Nでトナー像を担持した記録材を加熱及び加圧して、記録材Pにトナー像を定着させる。トナー像が定着された記録材Pは、排出ローラ106によって画像形成装置100の装置本体110の上面に形成された排出トレイ107に排出される。なお、この間、排出センサ105により記録材Pの先端及び後端が通過するタイミングが検知され、ジャムなどの発生がないかがモニタされている。
一方、転写時に記録材Pに転写されずに感光ドラム1に残ったトナーは、クリーナ7によって感光ドラム1から除去されて回収される。クリーナ7は、クリーニングブレード71によって、回転する感光ドラム1の表面からトナーを掻き取って除去する。
(定着ユニット)
図2(a)は、定着ユニット(定着装置)6の断面図である。定着ユニット6は、フィルム加熱方式の定着ユニットである。定着ユニット6は、加熱ユニット10と加圧ローラ20を有する。加熱ユニット10は、筒状の定着フィルム13、定着フィルム13の内部空間に配置されているヒータ11、ヒータを保持するヒータホルダ12、ヒータホルダを補強する補強ステイ15を有している。ヒータホルダ12は、定着フィルム13の回転軌跡を規制するガイドとしても機能する。
補強ステイ15は、不図示のバネによって加圧ローラ20に向かって付勢されている。これにより、ヒータ11及びホルダ12と加圧ローラ20で定着フィルム13を挟み込み、定着フィルム13と加圧ローラ20の間に定着ニップ部Nが形成されている。上述したように、加圧ローラ20はモータM1で矢印R2方向へ駆動されており、定着フィルム13は加圧ローラ20に従動して矢印R3方向へ回転する。
トナー像tが転写された記録材Pは、定着ニップ部Nで挟持搬送されつつ加熱される。これにより、トナー像tはヒータ11の熱で溶融し、記録材Pに定着される。
ヒータ11の定着フィルム13が摺動する面とは反対側の面には、温度検知素子であるサーミスタ14が配置されている。サーミスタ14の検知結果を示す信号は、エンジン制御部302に入力される。エンジン制御部302は、ヒータ11の温度が所定の目標温度を維持するように、サーミスタ14からの信号に基づいてヒータ11に供給する電力を制御する。
ヒータ11は、セラミック(アルミナ、窒化アルミ等)で形成された細長い板状の基板113と、基板113に印刷された発熱抵抗体112、発熱抵抗体112を覆う絶縁層111を有する板状ヒータである。絶縁層111は、電気的絶縁性及び耐摩耗性の確保するために設けられており、本例の材質はガラスである。定着フィルム13の内面に絶縁層111が接触するようにヒータ11が配置されている。
(定着フィルム)
定着フィルム13は、ステンレス等の金属、またはポリイミド等の耐熱樹脂で形成された基層と、この基層の上に形成された離型層と、を有する。離型層は、テトラフルオロエチレン-ポリエチレンフルオロビニルエーテル共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン-ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のフッ素樹脂で形成されている。離型層は、基層の表面に、直接又はプライマ層を介してフッ素樹脂をコーティングする、又は、フッ素樹脂のチューブを被せることで形成できる。本例の定着フィルム13は、ポリイミドの基層の上に、PFAをコーティングして離型層を形成したフィルムである。本例の定着フィルム13の総厚は70μmであり、外周長は56.7mmである。
定着フィルム13は、ヒータ11及びヒータホルダ12と摺接しながら回転するため、ヒータ11及びヒータホルダ12と定着フィルム13との間の摩擦抵抗を小さく抑えることが望まれる。そのため、ヒータ11及びホルダ12の表面と定着フィルム13の内周面との間に、耐熱性グリース等の潤滑剤が適当量介在させられている。これにより、定着フィルム13はスムーズに回転できる。
(加圧ローラ)
図2(b)は、加圧ローラ20の斜視図である。加圧ローラ20は、本体部21a及び軸部21bを有する芯金21と、芯金21の周囲に設けられたゴム層22と、ゴム層22の周囲に設けられた離型層23を有する。本例の加圧ローラ20のゴム層22は、シリコーンゴムで形成されており、離型層23はフッ素樹脂で形成されている。加圧ローラ20の直径は20mm、ゴム層22の厚さは2.5mmである。芯金21の本体部21aの直径は15mmである。加圧ローラ20の軸方向の長さ(軸部21b含む全長)は289mm、ゴム層22が設けられた部分の長さ(=芯金21の本体部21aの長さ)は250mmである。
詳細は後述するが、シリコーンゴムで形成されているゴム層22は、空隙部と、空隙部と空隙部とを連結する孔道部と、針状フィラー(高熱伝導フィラー)と、を有している。
(芯金)
加圧ローラの芯金として、中実の芯金や、中空パイプ状の芯金が知られている。中空パイプ状の芯金の場合は、その内部に発熱体が配置される場合もある。本例の加圧ローラ20の芯金21としては、中実のもの、中空パイプ状のもの、いずれも使用することができる。ただし、芯金21の内部に発熱体が配置されていないことが好ましい。非通紙部昇温の抑制のため、ゴム層22から芯金21を経由した放熱を促す構成とするためである。
芯金21は、アルミニウム、アルミニウム合金、鋼鉄、ステンレス合金などの金属材料で構成することができる。本例の加圧ローラ20の芯金21は、中実の鋼鉄製であり、軸方向の両端部に軸部21bを有している。
(ゴム層)
図3は、ゴム層22の微細構造を示す断面図である。ゴム層22の主成分は、耐熱性のシリコーンゴム22aである。ゴム層22は、シリコーンゴム22a内に、分散された複数の空隙部22bと、空隙部22bと空隙部22bとを連結する孔道部22cと、分散された針状フィラー22dと、を有する。つまり、ゴム層22の空隙部22bは、複数の空隙部22bのうち隣接する空隙部22b同士が孔道部22cによって互いに接続された構造(連通孔)とされている。なお、ゴム層22のシリコーンゴム22aには、シランカップリング剤、接着剤などが配合されており、これによりゴム層22は芯金21と一体化されている。ゴム層22については、後で詳しく説明する。
(離型層)
離型層23の主成分は、フッ素樹脂である。フッ素樹脂としては、上述したPFA、FEP、PTFE等、又はこれらの混合物、又はこれらのポリマーを耐熱性樹脂やゴムに分散させたものを適用することができる。本例の加圧ローラ20の離型層23は、PFAで形成された樹脂チューブを使用した。
樹脂チューブで構成される離型層23の成形方法としては、例えば、次に挙げる方法がある。ゴム層22を成形した後に、ゴム層22の外周に後から樹脂チューブを接着剤で固定する方法、円筒状の外型の内部に樹脂チューブを配置し、ゴム層22の成形と同時に樹脂チューブをゴム層22に接着させる方法等である。本例では、図4に示すように、円筒状の外型71の内部に樹脂チューブ75を配置し、この樹脂チューブ75を外型71の長手方向の両端の開口部で固定している。そして、ゴム層22を成形するのと同時に樹脂チューブ75(後に離型層23となる)とゴム層22とを一体化する方法を使用した。図4は、円筒状の外型71の内部に設置した樹脂チューブ75が、外型71の開口部で折り返し固定されている状態を示している。なお、加圧ローラ20の製造方法については、後述で詳しく説明する。
離型層23の厚さは、100μm以下、好ましくは10μm以上、50μm以下である。離型層23の厚さが大きすぎると、加圧ローラ20の硬度が高くなり、所望の幅の定着ニップ部Nを形成できなくなることがある。本例の加圧ローラ20の離型層23の厚さは30μmである。
(ゴム層の詳細説明)
次に、ゴム層22の構成についてより詳細に説明する。ゴム層22が以下に説明するような微細構造を有することで、定着ユニットの記録材搬送速度の変化を低減することができる。
(シリコーンゴム)
シリコーンゴム22aは、熱により硬化してゴム状弾性を呈するシリコーンゴム原料で形成されるのが好ましいが、その種類などは特に限定されない。シリコーンゴム原料としては、
(1)アルケニル基含有ジオルガノポリシロキサンとケイ素原子結合水素原子含有オルガノハイドロジェンポリシロキサンと補強性充填剤とからなり、白金系触媒により硬化してシリコーンゴムとなる付加反応硬化型液状シリコーンゴム組成物、
(2)アルケニル基含有ジオルガノポリシロキサンと補強性充填剤とからなり、有機過酸化物により硬化してシリコーンゴムとなる有機過酸化物硬化型シリコーンゴム組成物、
(3)水酸基含有ジオルガノポリシロキサンとケイ素原子結合水素原子含有オルガノハイドロジェンポリシロキサンと補強性充填剤とからなり、有機錫化合物、有機チタン化合物、白金系触媒などの縮合反応促進触媒により硬化してシリコーンゴムとなる縮合反応硬化型液状シリコーンゴム組成物、等が挙げられる。
これらの中でも、加工成形性の点で、付加反応硬化型液状シリコーンゴム組成物が好ましい。例えば、出発原料のジオルガノポリシロキサンを主成分とする液体材料の25℃における粘度が、0.1Pa・S以上であれば、公知の金型注型法などの加工方法を用いて容易にゴム状成形物を得ることができる。このような液状シリコーンゴムは市販されているものを採用することが可能であり、後述する配合材料のほかに、必要に応じて増粘剤、強化剤などを添加することができる。
(空隙部)
ゴム層22の空隙部22bは、そのほとんどが、孔道部22cを通じて加圧ローラ20の外と連通している、所謂、連通孔である。本例の加圧ローラ20は、ゴム層22の外周は離型層23で被覆されているが、加圧ローラ20の軸方向の両端部では、ゴム層22が外に露出している。連通孔構造を有する多孔性のゴム層は、連通孔構造を有しない(すなわち独立孔構造を有する)多孔性のゴム層と比較して、空隙部の内部に存在する空気の出入りが容易である。例えば、加圧ローラ20が加熱された場合、ゴム層22の空隙部22bの内部で熱膨張した空気は、孔道部22cを経由して外部に排出され、加圧ローラ20の直径の変化が抑制される。
このような連通孔構造を有する空隙部22bを形成する方法としては、次に挙げる方法がある。加熱によるゴム成分の架橋と同時に熱分解性有機発泡剤を利用する方法、液状シリコーンゴムの未架橋材料と水とを、増粘剤、乳化剤その他と混合した乳化物を利用する方法、等である。本例では、液状シリコーンゴム中に分散させた中空粒子である樹脂マイクロバルーンを使用してゴム層22の空隙部22bを形成した。即ち、空隙部22bは樹脂マイクロバルーンに由来する空隙部である。また、樹脂マイクロバルーンとの親和性が高く、シリコーンゴム材料とは親和性の劣る樹脂マイクロバルーン凝集化剤を添加することで、加熱成形と同時に孔道部22cを形成することができる。
樹脂マイクロバルーンとしては、様々な種類のものが入手可能である。本例では、液状シリコーンゴムへの分散性、成形時の寸法安定性、取扱いの容易さを考慮して、平均粒径10~200μmのアクリロニトリル系のシェルを有する既膨張樹脂マイクロバルーン(商品名:F80-DE、松本油脂製薬(株)製)を使用した。
液状シリコーンゴムに対する樹脂マイクロバルーンの配合量は、成形体の比重を考慮して適宜選択することができるが、液状シリコーンゴム100重量部に対して、通常0.5~8重量部であり、1重量部~5重量部であることが好ましい。樹脂マイクロバルーンの配合量が1重量部未満であると、成形体の比重が高くて硬くなる場合があるうえ、凝集化剤の添加に応じた孔道部22cの形成が不安定となる場合がある。また、樹脂マイクロバルーンの配合量が5重量部より大きいと、樹脂マイクロバルーンの嵩が大きくなり、液状シリコーンゴムへの配合に特別な配慮が必要となる場合がある。
凝集化剤としては、本例では、テトラエチレングリコールを使用した。液状シリコーンゴムに対する凝集化剤の添加量は、液状シリコーンゴムに対する樹脂マイクロバルーンの配合量にもよるが、液状シリコーンゴム100重量部に対して、おおむね3重量部~15重量部である。凝集化剤の添加量が3重量部未満であると、連通していない孤立した空隙部22bが多く存在することになる場合がある。また、凝集化剤の添加量が15重量部より多い場合には、加熱成型性が劣る場合がある。
なお、連通化した空隙部22b(連通孔)は、ゴム層22の全体の体積に対して、体積比で35vol%以上、65vol%以下であることが好ましい。空隙部22bの体積比が35vol%未満であると、定着ニップ部Nを形成するには硬すぎる場合があり、65vol%以上であると、ゴムの耐久性が劣る場合がある。なお、ゴム層22の空隙部22bは全てが連通孔であることに限定されるものではなく、ゴム層22が独立孔を含んでいてもよい。
(針状フィラー)
針状フィラー22dは、シリコーンゴム22aの中でほぼランダムな状態で分散している。詳しくは後述するように、ゴム層22は、針状フィラー22dを含む液状の材料を金型中に注入し、流動させることで成形される。この際、アスペクト比の高い針状フィラー22dは、流れに順じて配向することが多い。空隙部22bを形成するための材料として中空粒子(中空フィラー)を使用する場合、針状フィラー22dの流動方向への配向を抑制することができる。これは、中空粒子が、所謂、乱し粒子として作用するためであると考えられる。そのため、ゴム層22を成形する時に中空粒子が存在する場合、存在しない場合と比較して、針状フィラー22d同士の接触による連結パスがゴム層22の厚さ方向に相対的に多く形成される。即ち、ゴム層22の厚さ方向の熱伝導性が向上する。
針状フィラー22dとしては、ピッチ系炭素繊維、PAN系炭素繊維、ガラスファイバー、その他無機ウィスカーが挙げられる。熱伝導率の高い炭素繊維を針状フィラーとして使用する場合、上述した連結パスが熱伝導パスとして機能し、中空粒子が併存しない場合と比較して、ゴム層22の厚さ方向の熱伝導性が向上する。そして、ゴム層22は、上述のように金属製の芯金21上に積層されているので、加圧ローラ20の非通紙部に蓄積した熱を、上記熱伝導パスを経由して効果的に芯金21に逃すことができる。
ここで、針状フィラー(あるいは繊維状フィラー)は、一方向に長い針状(あるいは繊維状)の形状を有するフィラーのことを言う。
本例で使用したフィラーは、アスペクト比(長さ/直径)をRAとするとき、2.5≦RA≦215である。
このように規定する理由は、アスペクト比が大きい針状フィラーを用いることでシリコーンゴム22aの熱膨張を低減することができるからである。但し、アスペクト比が大きく(長さが長く)なる程、均一なゴム層を形成することが製造上困難になる。これらのことを考慮すると、フィラーの繊維長は25μm以上、1500μm以下、繊維径は7μm以上、10μm以下が好ましく、上記のようにアスペクト比RAとしては、2.5≦RA≦215が好ましい。また、繊維長としては200μm以上、1100μm以下程度がより好ましい。
本例では、針状フィラー22dとして、高い熱伝導性を示すピッチ系炭素繊維(商品名:GRANOC Milled Fiber XN-100-25M(日本グラファイトファイバー株式会社製)、繊維径9μm、平均繊維長250μm、アスペクト比28、密度2.2g/cm)を使用した。加圧ローラ20の熱伝導率λを測定したところ、凡そ0.8~2.0[W/m・K]であった。この範囲であれば、非通紙部昇温を抑制する効果を発揮しつつ、針状フィラーの配合量を抑えられるので、加圧ローラ20の成形が困難となることはなかった。
加圧ローラ20の熱伝導率λは、表面熱伝導率計(商品名:QTM-500、京都電子株式会社製)を加圧ローラ20の表面に接触させて測定した。表面熱伝導率計のセンサプローブ(型式:PD-11、京都電子株式会社製)は、加圧ローラ20の軸方向と略平行に接触させた。測定に際しては、センサプローブを、加圧ローラ20と同じ径を有する石英製の円柱体で校正して使用した。
(加圧ローラの製造方法)
次に、加圧ローラ20の製造方法について説明する。図4、図5は、それぞれ加圧ローラ20の製造に用いる注型成形用型の外観斜視図、加圧ローラ20の軸方向に沿った断面図である。なお、加圧ローラ20は他の製造方法で製造しても構わない。また、後述する各実験例の加圧ローラ20は、それぞれを複数作成して評価に供した。
(ゴム層用の液状組成物の調製工程(第1工程))
未架橋の付加硬化型液状シリコーンゴムに対して、針状フィラーと、樹脂マイクロバルーンと、をそれぞれ秤量して配合した。そして、遊星式の万能混合撹拌機など、公知の混合撹拌手段を用いて混合した。続いて、樹脂マイクロバルーンの凝集化剤としてテトラエチレングリコールを添加し、一定時間混合を継続して、ゴム層用の液状組成物を調製した。
(ゴム層の成形工程(第2工程))
図4に示すように、注型成形用型の長手方向(=加圧ローラ20の軸方向)の長さ250mm、直径28mm、内径20mmである円筒状の金属製の外型71の内部に、フッ素樹脂チューブ75を密着固定した。なお、上記寸法は、加圧ローラ20における芯金21の本体部21a、ゴム層22、離型層23に対応する部分の寸法である。
図5に示すように、内周面にプライマ処理を施したフッ素樹脂チューブ75と、表面にプライマ処理を施した直径15mmの芯金74とで、注型成形用型のキャビティ72を形成した。芯金74は、軸受け76-1、76-2によって外型71に支持されている。キャビティ72は、連通路73-1、73-2において外型71の外部と連通している。そして、上記第1工程で調製したゴム層用の液状組成物を、流路である連通路73-1から注入し、キャビティ72内を液状組成物で充填した。次いで、ゴム層用の液状組成物で充填されたキャビティ72を、図示しない密閉手段で密閉した。なお、芯金74は、加圧ローラ20の芯金21に相当するものである。
(シリコーンゴム成分の架橋硬化工程(第3工程))
キャビティ72を密閉した注型成形用型を130℃にて60分加熱し、ゴム層のシリコーンゴム成分を硬化した。
(脱型工程(第4工程))
注型成形用型を、適宜、水冷や空冷により冷却した後に、芯金21、ゴム層22、離型層23が一体化された加圧ローラ20を注型成形用型から取り出した。
(二次架橋工程(第5工程))
注型成形用型から取り出した加圧ローラ20を熱風循環オーブンに入れ、温度230℃にて4時間保持して二次架橋した。
(評価方法)
次に、加圧ローラ20の評価方法について説明する。
(定着ユニットにおける記録材の搬送速度変化の評価方法)
以下に記す方法で、加圧ローラ20を使用することによる記録材の搬送速度変化の低減効果を確認した。
ここでは、定着ユニット6のみによる記録材Pの搬送速度を評価するため、定着ユニット6を画像形成装置より外し、回転駆動、温調、記録材通紙、が可能な、所謂、空回転装置にセットした状態で試験を実施した。
試験手順は下記の通りである。
手順1:定着ユニット6を外気温度と同じ温度に冷ます(本例では定着ユニット全体が25℃になる状態とした)。
手順2:加圧ローラ20の周速が270mm/secになるように回転駆動を開始すると同時に、ヒータ11の温度制御の目標温度を200℃とした加熱制御を開始する。
手順3:回転駆動、加熱制御の開始から3秒後、記録材Pとして、A4サイズのCANON Red Label 80g/cmを1枚通紙し、この紙速度(手順3の紙速度をVP1とする)を測定する。様々な方法で紙速度測定は可能であるが、本例ではレーザードップラー測定器を用いて紙速度を測定した。
手順4:手順3のように通紙した後、270mm/sec、200℃温調の状態を120秒間維持(120秒間空回転)する。
手順5:その後、手順3と同様にA4サイズのCANON Red Label 80g/cmを1枚通紙し、この紙速度を測定する(手順5の紙速度をVP2とする)。
以上の様な試験を行うことで、実際に画像形成装置100でプリントを実施した場合において、加圧ローラ20の温度が最も低温な状態と、最も高温な状態での定着ユニット6による記録材Pの搬送速度が測定できる。なお、上記手順の内容は、以下に説明する画像形成装置100のプリント時の定着ユニット6の状態に基づき決定されている。
画像形成装置100でプリントする際に、加圧ローラ20が最も低温なのは、定着ユニット6が完全に冷めた状態からプリント開始する1枚目である。従ってこの時の記録材速度が最も遅い。本例の画像形成装置100では、プリント開始時において1枚目の記録材Pが定着ユニット6に到達するまでの時間は、定着ユニット6の回転駆動とヒータ11の加熱動作が同時に開始されてから3秒後である。手順3はこの実際の画像形成装置における1枚目定着時の条件に合わせてある。紙が通紙される際の加圧ローラ20の表面温度は130℃である。
一方、画像形成装置100でプリントする際に、加圧ローラ20が最も高温なのは1枚ずつのプリントが間欠で繰り返される場合である。本例の画像形成装置100においては、間欠で1枚プリントを100枚行うまで、加圧ローラ20の温度は上昇し続ける。例えば、CANON Red Label 80g/cmをプリントする場合の100枚目以降での加圧ローラ20の表面温度は180℃で飽和する。従ってこの時の記録材速度が最も速い。
手順5はこの実際の画像形成装置100における100枚目以降の定着時の条件に合わせており、紙が通紙される際の加圧ローラ20の表面温度は180℃である。
このように、手順1~5を実行し、手順3の紙速度VP1、手順5の紙速度VP2を測定することで、画像形成装置100における定着ユニット6の記録材搬送速度の最大変化率VP2/VP1(=RVとする)を測定する。
(画像の評価方法)
次に、定着ユニット6による記録材の搬送速度変化に起因する画像不良の評価方法について説明する。
画像形成装置100では、図1に示したように、搬送部F、転写部T、定着ニップ部Nにおける回転駆動は全てモータ(共通のモータ)M1で行われ、各部における記録材Pの搬送速度が略270mm/secになるように構成されている。但し、加圧ローラ20が高温になった場合、定着ニップ部Nにおける記録材Pの搬送は270mm/secより速くなる。加圧ローラ20が高温状態の時に、一枚の記録材Pが、搬送部F、転写部T、定着ニップ部Nに同時に挟持された場合、定着ニップ部Nと搬送部F及び転写部Tの間で記録材Pを引っ張り合う状態で記録材Pが搬送される。
記録材Pの搬送が進むと、記録材Pの後端が搬送部Fを抜けるが、この瞬間、上述した記録材Pを引っ張りあう力のバランスが崩れる。このため、転写部Tにおいて、感光ドラム1の周速に対する記録材Pの相対速度が一瞬大きく変動する。この一瞬の相対速度変動により、感光ドラム1から記録材P上に転写中のトナー像に乱れ(ブレ)が生じてしまう(以降、歪み画像と呼ぶ)。
歪み画像の例を図6に示した。図6では、記録材P上の全面に横線画像PTN1(線幅1ドット、スペース2ドット)がプリントされている。歪み部は、転写中のトナー像に乱れが生じた部分であり、正常部より見た目が濃くなっている。
また、図7には図6の正常部、歪み部の拡大図を示した。図7(a)は正常部の拡大図であり、いずれも、1ドットの幅の横線(搬送方向に対して直交する方向に長い線)と、搬送方向に2ドットのスペースによって形成されている画像である。図7(b)は歪み部の拡大図であり、正常部に比べて線幅が太く滲んでしまっているのが確認できる。
ここでは、画像形成装置100で図6の画像を1枚間欠で100枚プリントし、100枚目の歪み画像が発生状況を評価した。まったく歪み部がなければ〇、歪み部があるものの軽微(よく見れば歪み部が判別できる)であれば△、それより程度の悪いもの(一目であきらかに歪み部があることがわかる)を×として評価した。
本例の画像形成装置100では、前述の記録材搬送速度の最大変化率RVが1.0%を超えると、△レベルの歪み画像が発生し始める。
(加圧ローラの構成の説明)
次に、加圧ローラ20の実施例を比較例と比較しながら説明する。図8に、実施例1~7、比較例1~2の加圧ローラの構成を示す。項目は、加圧ローラ20の直径、ゴム層22の厚み、フィラーの、種類、サイズ(径×長さ)、アスペクト比RA、及び添加量、更に、樹脂マイクロバルーンのサイズ、添加量、及び連通化率である。
樹脂マイクロバルーンの連通化率は、樹脂マイクロバルーンのサイズ及び樹脂マイクロバルーンの添加量から算出した空隙体積に対する、連通化している空隙の体積の比を示したものである。樹脂マイクロバルーンの添加量が等しい場合、この値が大きい程、ゴム層22は熱膨張しにくくなる。
今回の比較では、説明をわかりやすくするため全ての構成の連通化率を75%に固定している。また、フィラーの種類についてもピッチ系炭素繊維(以下、CFと呼ぶ)に統一した。なお、フィラーとしては、CF以外にも、グラスファイバー等の熱伝導率が高い針状フィラーを用いてもよい。
図9は、図8に示した各構成における、ゴム層22の線膨張係数及び比重、加圧ローラ20の熱伝導率λ、また、記録材Pの搬送速度変化率RV、歪み画像の発生確認結果を示す。以下、図8、図9を用いて各構成の内容、評価結果について説明していく。
(実施例1)
実施例1は、直径25mmの加圧ローラであり、ゴム層22の厚みは2.5mmである。ゴム層22は液状シリコーンゴムに、フィラーとしてカーボンファイバー(CF)と、空隙部を造るための樹脂マイクロバルーンが配合されたものである。実施例1のカーボンファイバー(CF)のサイズは繊維径9μm、平均長さ250μmであり、アスペクト比RAは27.8である。このカーボンファイバー(CF)を、ゴム層22の3.5vol%になるように添加している。
樹脂マイクロバルーンは大きさ(直径)100μmのものを、ゴム層22の50vol%になるように添加している。また、前述した方法と同様に、凝集化剤としてテトラエチレングリコールを用いて空隙部の連通化をおこない、連通化率75%とした。上記構成とすることにより以下の効果が得られる。
使用しているカーボンファイバー(CF)のアスペクト比が27.8であり、大きなアスペクト比のカーボンファイバー(CF)なので、プリント時の加熱によるシリコーンゴムの熱膨張を抑制する効果が得られる。これは、カーボンファイバー(CF)の線膨張係数がシリコーンゴムの1/100程度しかないため、高アスペクト比のカーボンファイバー(CF)が、周囲のシリコーンゴムの膨張を抑えこんでいるためと考えられる。
更に、樹脂マイクロバルーンにより連通化した空隙がつくられているため、更にゴム層22は熱膨張しにくくなっている。
つまり、実施例1の構成は空隙部以外の実際の構造体の膨張を高アスペクト比のカーボンファイバー(CF)で抑え、これに加え、連通化された空隙を設けることでゴム層22全体の熱膨張が更に抑えられる構成となっている。筆者らの検討によると、フィラーの繊維長25μm程度以上から上記効果を得ることができることが判った。
フィラー繊維径は7~10μm程度であるので、アスペクト比RAは2.5以上が好ましく、前述したように均一な構造を持つゴム層22を安定して製造するには、アスペクト比RAは215以下が望ましいことが判った。従って、実施例1~実施例7ではフィラーのアスペクト比RAは、2.5≦RA≦215の値となっている。
一方、連通化された空隙の量に関しては、ゴム層22の比重で表現することができ、上記の熱膨張の抑制効果を得るには、ゴム層22の比重は0.70以下が望ましい。図9に示すように実施例1~実施例7のゴム層は比重0.70以下となっている。
更に、フィラーのアスペクト比、ゴム層の比重が上述の範囲内にある実施例1~実施例8では、ゴム層22の線膨張係数が400(×10-6/K)以下となることが判った。
図9に示すように、実施例1は上記で説明した構成により、記録材の搬送速度の最大変化率RVが1.0%未満である0.60%に抑えられており、この結果、歪み画像の発生を防止できている。
また、加圧ローラ20の熱伝導率λは前述の範囲、0.8[W/m・K]≦λ≦2.0[W/m・K]内である1.2[W/m・K]であるので、耐熱温度を超える非通紙部昇温や、FPOT遅延は発生しない。
以下、実施例2~実施例7の特徴と評価結果について順に説明する。
(実施例2)
実施例2は、カーボンファイバー(CF)の平均長さを1000μmに変更し、アスペクト比RAは111.1とした構成である。図8におけるその他項目については実施例1と同様である。
フィラー添加量は実施例1と同じであるものの、図9に示すように加圧ローラ20の熱伝導率λは実施例1よりも高い1.8[W/m・K]となっている。また、ゴム層22の線膨張係数は実施例1より低い300(×10-6/K)となっている。これら2つの結果は、カーボンファイバー(CF)の繊維長を実施例1より長くしたことにより下記効果が得られるためである。
カーボンファイバー(CF)間のシリコーンゴムにより熱伝導が阻害される機会が減少するため、熱伝導率λを向上させることができる。また、1本のカーボンファイバー(CF)の長さは、長い(アスペクト比RAが大きい)方が膨張抑制効果を強くできる。
従って実施例2では、耐熱温度に対する非通紙部昇温のマージンを実施例1より大きくできる(FPOT遅延も発生しない)。更に、搬送速度変化率RVが実施例1より低減され0.57%となり、歪み画像に対するマージンも実施例1より大きくできる。
(実施例3)
実施例3は、大きさ(直径)200μmの樹脂マイクロバルーンを、ゴム層22に60vol%になるように添加した処方であり、実施例1よりも樹脂マイクロバルーンを大径化し、添加量も増加させたものである。
ゴム層22の空隙部が増えるため、図9に示すように加圧ローラ20の熱伝導率λは実施例1よりも低い1.1[W/m・K]となるが、0.8[W/m・K]≦λ≦2.0[W/m・K]の範囲内である。従って、耐熱温度を超える非通紙部昇温や、FPOT遅延は発生しない。
空隙部の増加により、ゴム層22の比重は実施例1より低下し0.46となり、ゴム層22の線膨張係数は実施例1より低い300(×10-6/K)となる。よって、搬送速度変化率RVも0.55%と低く抑えられる。この搬送速度変化率RVは、同じゴム層線膨張係数300(×10-6/K)を持つ実施例2より低い値である。これは、実施例2より空隙部が多く低比重のゴム層を持つ実施例3の方が、定着ニップ部Nにおける加熱による直径変化を少なくできるからである。
記録材Pの定着ニップ部Nにおける搬送速度は、定着ニップ部Nにおける加圧ローラ20の直径で決まるため、実施例3の搬送速度変化率RVは実施例2より低減される。従って、歪み画像に対するマージンを実施例2より更に大きくすることができる。
(実施例4)
実施例4は、ゴム層22の処方と厚みは実施例1と同じとしたまま、加圧ローラ20の直径を5mm大きくしたものである。直径を大きくしたため、ゴム層22の線膨張係数は実施例1と同じであるものの、搬送速度変化率RVは実施例1より0.1%低い0.50%に抑えることが可能になる。このように、ゴム層22を変更せずに、歪み画像に対するマージンも実施例1より大きくできた。
(実施例5)
実施例5は、実施例1のゴム層22の厚みを1mm薄くし1.5mmとしたものであり、その他構成は実施例1のままである。ゴム層を薄肉化したため、ゴム層22の線膨張係数は実施例1と同じであるものの、搬送速度変化率RVは実施例1より0.24%低い0.36%に抑えることが可能になる。このように、ゴム層22を変更せずに、歪み画像に対するマージンも実施例1より大きくできた。
(実施例6)
実施例6は、カーボンファイバー(CF)の平均長さを1500μm、線径を7μmに変更し、アスペクト比RAを214.3とし、フィラー添加量は実施例1より減量し、ゴム層22の2.8vol%になるように添加した構成である。図8におけるその他項目については実施例1と同様である。
フィラー添加量は実施例1より減量したものの、フィラーの高アスペクト比化により、図9に示すように加圧ローラ20の熱伝導率λは実施例1と同じ1.2[W/m・K]となっている。また、ゴム層22の線膨張係数は実施例1より低い240(×10-6/K)となっている。これにより搬送速度変化率RVが実施例1より低減され0.53%となり、歪み画像に対するマージンも実施例1より大きくできる。
(実施例7)
実施例7は、カーボンファイバー(CF)の平均長さを25μm、線径を10μmに変更し、アスペクト比RAを2.5とし、フィラー添加量は実施例1より増量し、ゴム層22の4.2vol%になるように添加した構成である。また、樹脂マイクロバルーンを増量し、ゴム層22の54vol%になるように添加している。図8におけるその他項目については実施例1と同様である。
実施例7は、比較的アスペクト比が低いフィラーを用いて加圧ローラ20の熱伝導率λを実施例1と同じ1.2[W/m・K]としたものである。フィラー増量による比重増加、ゴム層22の線膨張係数上昇を抑えるために樹脂マイクロバルーンを増量した処方である。
比重は実施例1より低い0.51、ゴム層の線膨張係数は実施例1とほぼ同等の370(×10-6/K)を実現している。これにより搬送速度変化率RVが実施例1と同じ0.70%となり、歪み画像に対するマージンも実施例1と同等を確保している。
(実施例8)
実施例8は、実施例7と同じカーボンファイバー(CF)を用い、その添加量をゴム層22の5.7vol%になるように増量し、同時に、樹脂マイクロバルーンの添加量を大幅に減量してゴム層22の38vol%になるように添加している。これにより、大幅な高熱伝導化を図った処方である。ゴム層線膨張係数は実施例7より増加して396(×10-6/K)となり、比重も実施例7より高い0.69となる。
しかしながら、同時に、ゴム層22の厚みを実施例7より1mm薄くし1.5mmとすることで、搬送速度変化率RVは実施例7より低い0.65%となり、歪み画像に対するマージンは実施例7より向上している。
(比較例1)
比較例1は、平均長さ18μm、線径9μm、アスペクト比RAが2.0であるカーボンファイバー(CF)を用いた構成であり、図8におけるその他項目については実施例1と同様である。
低アスペクト比のフィラーを用い、添加量の増量をしていないため、ゴム層の線膨張係数は実施例1を超える405(×10-6/K)となり、搬送速度変化率RVが実施例1を超える1.00%となるため、軽微な歪み画像が発生した。また、加圧ローラの熱伝導率λは実施例1より低い0.7[W/m・K]となり、耐熱温度を超える非通紙部昇温が発生する可能性がある。
(比較例2)
比較例2は、実施例1と同じフィラーを用い、フィラー添加量を実施例1より大幅に増量し、同時に、樹脂マイクロバルーンの添加量を実施例1より大幅に減量してゴム層の32vol%になるように添加している。これにより、大幅な高熱伝導化を図った処方である。
図9に示すように加圧ローラ20の熱伝導率λは実施例1よりも高い1.4[W/m・K]となり、耐熱温度に対する非通紙部昇温のマージンは増える。
しかしながら、この処方では、樹脂マイクロバルーンが減少することで定着ニップ部Nにおける加熱による直径変化が大きくなりやすくなる。同時にシリコーンゴムの量が増加することで、ゴム層線膨張係数も実施例1を大きく超える430(×10-6/K)となるため、搬送速度変化率RVが実施例1を大きく超える1.30%となってしまう。この結果、程度の悪い歪み画像が発生してしまった。
以上のように、ゴム層22が、複数の空隙部22bと、空隙部22bと空隙部22bとを連結する孔道部22cと、フィラー22dと、を有している。そして、フィラー22dのアスペクト比RAが、2.5≦RA≦215であり、ゴム層22の線膨張係数が400×10-6/K以下である。これにより、クイックスタート性の維持と非通紙部昇温の抑制を両立しながら、熱膨張も抑えられる加圧ローラを提供できる。
(その他の実施形態)
以上、本発明を具体的な実施形態に即して説明したものの、本発明は上述の実施形態に限定されるものではない。
実施例1~7の加圧ローラ20は、ゴム層22が単一層であったものの、ゴム層(第1のゴム層)22の周囲に別のゴム層(第2のゴム層)を設けてもよい。第2のゴム層としては、例えば、実施例1のゴム層22からカーボンファイバー(CF)を抜き、樹脂マイクロバルーンによる空隙を連通化させない状態とした断熱マイクロバルーン層や、既存のソリッドゴム層等を用いることができる。
このような2層構造とすることで、定着ユニット6の昇温速度と非通紙部昇温のバランスを調整することが可能である。第2のゴム層の厚みは150μm以上、500μm未満であることが好ましく、200μm以上、400μm未満であることがより好ましい。厚さが150μm未満であると、短い時間スケールでも伝熱して、十分なクイックスタート性を発揮することが困難となる。また、第2のゴム層の厚さが500μm以上であると、ゴム層内層22への伝熱に時間がかかりすぎることによって蓄熱し、非通紙部昇温を十分に抑制することが困難となる。
搬送速度変化率RVについては、第2のゴム層の厚みをゴム層22の厚みの20%程度までにしておけば、図8に記載されたパラメータを調整することで歪み画像が発生しないようにできる。
上述の実施形態では、定着フィルム13の内部空間に板状ヒータ11を設けた定着ユニット6で説明したが、定着フィルムに電流を流し自己発熱する形式の定着ユニットに本発明のローラを用いてもよい。
6 定着ユニット
10 加熱ユニット
11 ヒータ
13 定着フィルム
20 加圧ローラ
22 ゴム層
22a シリコーンゴム
22b 空隙部
22c 孔道部
22d 針状フィラー
23 離型層

Claims (10)

  1. 定着装置に用いられるローラであって、
    複数の空隙部と、前記空隙部と前記空隙部とを連結する孔道部と、フィラーと、を含むゴム層を有し、前記フィラーのアスペクト比RAが、2.5≦RA≦215であり、前記ゴム層の線膨張係数が400×10-6/K以下であることを特徴とするローラ。
  2. 前記フィラーは、カーボンファイバー又はグラスファイバーであることを特徴とする請求項1に記載のローラ。
  3. 前記フィラーの平均繊維長が25μm以上、1500μm以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載のローラ。
  4. 前記ゴム層の空隙部は、樹脂マイクロバルーンに由来する空隙部であることを特徴とする請求項1乃至3いずれか一項に記載のローラ。
  5. 前記ゴム層の比重が0.70以下であることを特徴とする請求項1乃至4いずれか一項に記載のローラ。
  6. 加熱ユニットと、前記加熱ユニットと共に定着ニップ部を形成する加圧ローラと、を有し、前記定着ニップ部で記録材を挟持搬送しつつ、記録材に形成された画像を記録材に定着する定着装置において、
    前記加圧ローラが、請求項1乃至5いずれか一項に記載のローラであることを特徴とする定着装置。
  7. 前記加熱ユニットは前記加圧ローラの表面に接触する筒状のフィルムを有し、前記定着ニップ部は前記フィルムと前記加圧ローラの間に形成されていることを特徴とする請求項6に記載の定着装置。
  8. 前記加熱ユニットは、前記フィルムの内部空間に配置されているヒータを有し、前記定着ニップ部は、前記フィルムを介して前記ヒータと前記加圧ローラによって形成されていることを特徴とする請求項7に記載の定着装置。
  9. 前記ヒータは板状ヒータであることを特徴とする請求項8に記載の定着装置。
  10. 像担持体に形成された画像を記録材上に転写する転写部と、請求項6乃至9いずれか一項に記載の定着装置と、前記転写部における記録材の搬送と前記定着装置における記録材の搬送を行うための共通のモータと、を有することを特徴とする画像形成装置。
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