JP2022063521A - 回転ジョイントおよび回転ジョイントを有するマニピュレータ - Google Patents
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Abstract
Description
図1に回転ジョイント100および回転ジョイント100を含むマニピュレータ200の模式的斜視図を示す。詳細は後述するが、この図においては、回転ジョイント100に関しては、その構成の一部である筐体110と出力回転体190が図示されている。
以下、回転ジョイント100の構造を図2から図8を用いて説明する。図2は回転ジョイント100の構造を説明するための概念図であり、図3(A)と図3(B)は回転ジョイント100の一例の全体を表す模式的斜視図である。図2では、見やすさを考慮し、筐体110は一部のみが示されており、出力回転体190は点線で示されている。図4と図5はそれぞれ回転ジョイント100の一例の模式的な断面斜視図と断面図である。図6は図5に対応する模式的断面図であり、ここでは、筐体110以外の部材は点線で示されている。図7と図8は、回転ジョイント100の一例の一部の模式的断面図である。
回転ジョイント100は、上述した筐体110と出力回転体190に加え、入力回転体130と駆動モータ150を基本的な構成として備える(図2)。回転ジョイント100はさらに、入力回転体130の回転駆動力を出力回転体190に伝達する減速機170を有することができる。駆動モータ150によって入力回転体130が筐体110の一部の周りを円周状に回転する。入力回転体130の回転駆動力は減速機170を介して出力回転体190に伝達することができ、出力回転体190が筐体110の一部、入力回転体130、および駆動モータ150を囲みながら、これらの周りを円周状に回転する。出力回転体190と入力回転体130の回転軸は同軸であり、回転軸Arである。
(1)構造と機能
筐体110の構成や構造に制約はないが、図4と図5に示すように、筐体110は、筐体110内に固定される駆動モータ150と減速機170を固定し、可動部である入力回転体130と出力回転体190を収容するように構成される。また、筐体110は、その一部が入力回転体130に囲まれ、入力回転体130の内部を覆うように構成される。さらに、筐体110は、一部がx方向において出力回転体190を挟むように構成される。筐体110は、円柱形状の上面と底面に相当する部分においてサイドキャップ112を固定できるように構成されてもよい。
図2や図4、図5に示されるように、筐体110は、回転軸Arに沿って延伸し、空間118と繋がる貫通孔110fを有してもよい。貫通孔110fの大きさは任意に設定でき、例えばその直径は、1cm以上20cm以下の範囲から適宜選択すればよい。貫通孔110fを設けることで、回転ジョイント100は所謂中空構造を有することになり、この貫通孔110fを利用することで、アーム202-1、202-2を駆動するモータやこれらに搭載されるセンサのための電源ケーブルを貫通孔110fを通して配置することができる。その結果、マニピュレータ200の電源ケーブルが外部に露出する部分を大幅に低減することができる。このことは、高いデザイン性を有するマニピュレータ200の提供のみならず、電源ケーブルの干渉による事故や動作不良を防止することにも寄与する。
筐体110にはさらに、駆動モータ150を電源と接続するための電源ケーブルやアーム202から延伸する電源ケーブルを挿入するための開口110gを設けることができる(図2、図4、図5参照)。開口110gは、筐体110の外表面のうち、回転軸Arに対して垂直な法線を有する表面に設けられる。貫通孔110fが設けられる場合には、開口110gは貫通孔110fへ繋がるように形成され、空間118は開口110gへ繋がる。
筐体110にはさらに、アーム202-2との接続のためのねじ穴110eを設けることができる(図3(A)、図3(B)、図4)。ねじ穴110eは、筐体110の回転軸Arに垂直な法線を有する外表面、すなわち、円柱形状の側面を構成する面から回転軸Arに対して垂直な方向に延伸する。ねじ穴110eは少なくとも二つ設けることが好ましく、四つのねじ穴110eを設けてもよい。二つのねじ穴110eを設ける場合、これらは出力回転体190を挟むように設けられる。四つのねじ穴110eを設ける場合には、一方の対のねじ穴110eを出力回転体190の一方の側に設け、他方の対のねじ穴110eを出力回転体190の他方の側に設ける。好ましくは、一対のねじ穴110eが開口110gを挟むように設ける。このようにねじ穴110eを設けることで、開口110gの近傍に一対のねじ穴110eを配置できるので、アーム202-2を確実に連結できるのみならず、アーム202-2から延伸する電源ケーブルがマニピュレータ200から露出する部分の長さを低減することができる。
入力回転体130は、少なくとも筐体110の一部(例えば上述したパーツ110a)を囲む筒状の形状を有し、筐体110の一部の周りを円周状に回転するように配置される(図2、図4、図5)。入力回転体130には永久磁石が配置されており、駆動モータ150に流れる電流による誘導作用によって駆動される。
駆動モータ150は、入力回転体130を回転させるための筒状の形状を有するモータであり、筐体110に固定され、入力回転体130の外周の少なくとも一部を囲むように設けられる。駆動モータ150が形成する円筒の形状の中心軸は、回転軸Arと同軸でもよい。駆動モータ150には、空間118と開口110gを経由する電源ケーブルを介して外部電源から電源が供給され、この電気エネルギーが入力回転体130の回転に利用される。
減速機170は、入力回転体130の回転数を減じるとともに、入力回転体130から得られる回転駆動力を出力回転体190に伝達し、入力回転体130の回転数よりも低い回転数で出力回転体190を回転するように構成される。減速機170は、出力回転体190の回転方向が入力回転体130の回転方向と同一になるように構成されていてもよく、回転方向が互いに反対になるように構成されていてもよい。
出力回転体190は、外観が概ね筒状の形状を有する回転体であり、その筒状形状の内部に入力回転体130によって囲まれる筐体110の一部のみならず、駆動モータ150、入力回転体130が配置される(図2、図4、図5)。換言すると、出力回転体190は、筐体110の一部、駆動モータ150、および入力回転体130を囲むように構成される。入力回転体130の回転が減速機170によって出力回転体190に伝達され、その結果、出力回転体190が筐体110の一部、入力回転体130、および駆動モータ150の周囲を円周状に回転する。出力回転体190の回転軸は入力回転体130のそれと同軸であり、いずれの回転体も回転軸Arを中心として回転する。出力回転体190に含まれる材料としては、例えば鉄やアルミニウム、チタンなどの金属、あるいはステンレスなどの合金が挙げられる。
任意の構成であるエンコーダ160の構成に制約はなく、光学式エンコーダでもよく、磁気式エンコーダ、電磁誘導式エンコーダでもよい。磁気式エンコーダの場合には、図5に示すように、エンコーダ160は、磁気パターニングされた磁気リング160a、磁気リング160aの磁界を検知する磁気センサ160b、および磁気センサ160bを制御するエンコーダ基板160cなどで構成することができる。磁気リング160aは入力回転体130または入力回転体130に固定されて同時に回転する部材(例えばモータ軸132)に取り付けられ、入力回転体130と共に回転する。一方、磁気センサ160bとエンコーダ基板160cは筐体110に固定される。磁気リング160aの回転による磁界の変化が磁気センサ160bによって検出され、この変化をエンコーダ基板160cによって処理することで、入力回転体130の回転回数と位置を算出し、このデータに基づいて出力回転体190の筐体110に対する相対的位置が決定される。図示しないが、エンコーダ160の磁気リング160aを出力回転体190またはこれに固定される部材に取り付け、出力回転体190の回転による磁気変化を磁気センサ160bによって検出するよう、回転ジョイント100を構成してもよい。
任意の構成であるサイドキャップ112は、回転軸Arに対して垂直な主面を有し、回転ジョイント100の円柱形状の上面や底面を構成するように配置することができる。サイドキャップ112は、筐体110に対し、摩擦力のみ、あるいはねじ114、116を用いて着脱できるように取り付けられる(図3(A)、図3(B))。サイドキャップ112は、開口110gと繋がる空間118の側壁として機能することができ、取り外すことで空間118をx方向に開放できるように設けられる。したがって、サイドキャップ112を取り外すことにより、空間118内に配される電源ケーブルを視認することができ、その結果、電源ケーブルの状態を容易に確認することが可能となる。
回転ジョイント100には、回転可能な部分として入力回転体130と出力回転体190を備える。このため、これらの回転体を円滑に回転させるため、ベアリングを設けてもよい。ベアリングの配置は任意であるが、例えば図5に示すように、一対のベアリング140、142を出力回転体190と筐体110の間に設けることができる。同様に、一対のベアリング144と146を入力回転体130と筐体110の間に設けることができる。ベアリングの構造や数に制約はなく、任意の構成を備えるベアリングを用いればよい。例えば出力回転体190と筐体110の間に三つ以上のベアリングを設けてもよい。
減速機170には、摩耗を防止するために比較的多量のオイルが用いられる。このオイルが外部に漏れ出す、あるいは駆動モータ150へ浸入することを防ぐため、オイルシールを設けることができる。オイルシールの数や構造、配置も適宜選択することができる。図5に示す例では、外部への漏れを防止するためのオイルシール120、126が筐体110と出力回転体190の間に設けられ、さらに駆動モータ150への浸入を防止するためのオイルシール122、124が筐体とモータ軸132の間に設けられている。オイルシールはリング状の形状を有し、その断面(回転ジョイント100に配置した際、回転軸Arに対して平行な断面)は、オイルシールの外側において平坦面であり、内側は尖っている。回転ジョイント100では、固定部である筐体110がオイルシールの外側と接触するようにこれらのオイルシール120、122、124、126を配置してもよく、あるいは内側が筐体110と接するように配置してもよい。
Claims (10)
- 筐体、
前記筐体の少なくとも一部を囲む筒状の入力回転体、
前記筐体に固定され、前記入力回転体を囲み、前記入力回転体を前記筐体の前記少なくとも一部の周りで回転させる駆動モータ、および
前記駆動モータを囲み、前記筐体から少なくとも一部が露出し、前記入力回転体の回転軸と同軸に回転する出力回転体を備える回転ジョイント。 - 前記筐体は、前記回転軸に沿って延伸する貫通孔を有する、請求項1に記載の回転ジョイント。
- 前記入力回転体の回転駆動力を前記出力回転体へ伝達する減速機をさらに備える、請求項1に記載の回転ジョイント。
- 前記筐体と前記出力回転体の間に第1のオイルシールを有し、
前記筐体と前記入力回転体の間に第2のオイルシールを有する、請求項1に記載の回転ジョイント。 - 前記筐体と前記出力回転体の間に第1のベアリングを有し、
前記筐体と前記入力回転体の間に第2のベアリングを有し、
前記第1のベアリングと前記第2のベアリングは、いずれも接着剤によって固定される、請求項1に記載の回転ジョイント。 - 前記駆動モータは、接着剤によって前記筐体に固定される、請求項1に記載の回転ジョイント。
- 前記出力回転体は、前記回転軸に垂直な方向に延伸するねじ穴を有する、請求項1に記載の回転ジョイント。
- 前記筐体は、前記出力回転体を挟むように配置される一対のねじ穴を有し、
前記一対のねじ穴は、前記筐体の外表面から前記回転軸に対して垂直に延伸する、請求項1に記載の回転ジョイント。 - 請求項1に記載の回転ジョイント、および
前記回転ジョイントの前記出力回転体に連結される第1のアームを備えるマニピュレータ。 - 請求項1に記載の回転ジョイント、および
前記回転ジョイントの前記筐体に連結される第2のアームを備え、
前記筐体は、前記出力回転体を挟むように配置され、前記筐体の外表面から前記回転軸に対して垂直に延伸する一対のねじ穴を有し、
前記第2のアームは、前記一対のねじ穴を介して固定されるマニピュレータ。
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